HAL 介護支援用ロボット導入による効果~負担の少ない介護...

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HAL®介護支援用ロボット導入による効果 ~負担の少ない介護を目指して介護テクノロジスト の育成~ 1

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HAL®介護支援用ロボット導入による効果~負担の少ない介護を目指して介護テクノロジストの育成~

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開設当初から身体抑制・拘束ゼロ、椅子移乗の徹底や日中おむつゼロの為トイレでの排泄も積極的に行ってきました。それらを実践するにあたり、スライディングシート、ボード、リフト等の介護機器で負担の少ない介護を実践し、スタッフの腰痛予防や離職率低下に取り組んできました。

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負担の少ない介護の習得・実践を行えるよう、平成22年より講師をお招きするなどして継続して勉強会を実施しています。

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バスタオルやシーツ、スライディングシート・ボードを使用して、負担の少ない介護を実践している場面です。

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床走行リフトと天井走行リフトです。これらを使用することにより、一人で個浴への入浴介助が安心・安全に、そして楽に行えます。

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こちらは排泄介助用の介護用具です。日中はトイレでの排泄を実施している為、非常に効果がある福祉用具です。

左図のふんばる君は腹圧がかかる器具です。

右図の乗助さんは、車椅子タイプの福祉用具で、僅かでも立ち上がることが出来れば、持ち上げずに写真の機器に移乗でき、トイレまで移動でき、便座へ座ることが出来ます。

お客様の自立を促すため、理学療法士による評価も加えながら用具の選定を行っています。

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しかし、トイレへの移乗時などまだ持ち上げる場面が一部あるため、その負担軽減を図るため「ロボット」を導入しました。

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サイバーダイン株式会社が開発研究したHAL®介護支援用(腰タイプ)をレンタルで導入しました。腰の筋肉に電極を貼り腰にロボットを装着します。

物を持ち上げる時に脳から出る電気信号を検知し、腰への負担を25~40%軽減できます。動作時間は約3時間で、重さは2.9kgと軽量、とても小型で介助者が安全で身につけたまま日常動作が可能なため自然な介護動作が実現できます。

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県内としては初めての導入で、新聞に取り上げてもらいました。

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ロボット導入前の職員の心境ですが、・装着に時間がかかるのではないか・重いのではないか・邪魔になり実用的であるか・きちんと作動するのか等、消極的な意見が多く聞かれていました。

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導入当初、ロボットは遠い存在と思ってかあまり関心がなく、約半年間はロボットも棚の上に乗せたままでした。

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導入までの取り組みとして、まず、ロボットを開発したサイバーダイン社の方による勉強会を4回行うことで、全員参加し操作方法や疑問点を確認しました。

勉強会へ参加することで、ロボットのメリット、デメリットを理解でき、「ロボットを活用すれば、腰痛軽減できると思うので、まず活用してみよう」、「活用できれば、介護場面の負担が軽減できるので、働きやすい環境になると思う」など、勉強会後、数人の職員から意見が聞かれました。

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次に会議の開催を行いました。

まず、リーダー会議を開催し、リーダーが中心となり、介護現場で活用していく方法を検討しました。

「どのようにすれば職員が介護現場で活用していけるのか?」、「負担のある介護場面はどのような動作なのか?」など話し合い、活用するための方法を話し合いました。

リーダー会議後に、ケア会議を開催し、導入の目的の説明や活用方法の伝達、意見交換を行って、全職員が負担のある介護場面で活用していけるように話し合い、職員の意識統一を図りました。

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そして、介護現場で活用するため3つの工夫を行いました。

・1つ目は、業務割表を活用し、その日の担当を決めて使用するようにしたことです。

業務割表を活用し、排泄動作や移乗動作、離床・臥床介助などの、腰への負担のある動作の業務に、毎日必ずロボットを活用して業務を行う職員がいるようにしました。

・2つ目は、指導担当者を決め、毎日指導できるように勤務を組み、指導担当者が必ず勤務して、慣れない職員や疑問点のある職員に対応し、正しい方法で活用してもらえるようにしました。

3つ目は操作・装着方法のマニュアルを作成し、はじめて使用する職員や使用方法が分からない職員にもマニュアルがあることで、装着や使用方法を正しく理解でき、活用しやすくしました。

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3つの工夫を行うことでスムーズに活用できるようにしました。

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導入後の効果として、2 人介助から 1 人介助となり、お客様もスタッフもお互いに安心・安全に介助が出来るようになりました。

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こちらは、実際の介護現場でロボットを活用している場面です。

移乗動作や排泄介助等で立ち上がりもスムーズに行え、少ない力で自然な動作ができるので、負担が軽減しています。2人介助で行っていた方も1人介助で行えるようになりました。

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ロボットは腰に装着したまま、スイッチを使い分けてロボットを活用します。

腰にロボットを装着すると重さをほとんど感じず、コンパクトですので、腰に装着したまま歩行介助やスライディングシートを活用しての体位変換など、日常の介護業務が行えます。この使い勝手の良さが使用頻度を増やしました。

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余剰人員により、歩行訓練等の自立支援介護を行う時間が増えました。

現在は更に限られた人材をいかに有効活用できるか業務効率を行い、生産性の向上を目指します。

更に、有給取得率の向上にも取り組んでいきます。

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導入時と6カ月後、1年後に実施したアンケートの結果です。

『腰への負担が減った』が、導入時9名から、6カ月後15名、1年後18名に『ロボットを活用できている』が、導入時7名から6カ月後13名、1年後16名に『ロボットを導入してよかった』が導入時5名から6カ月後13名、1年後16名にと、職員の心境の変化が見られています。

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1年後の職員の意見として・腰に装着したまま他業務ができるため使いやすい・持ち上げる際アシストが働き、腰痛が軽減した・今後も職員間で意見を出し合い、活用場面を増やしていきたい・負担の少ない介護が学べるのでこの職場を選んでよかったなどの意見が聞かれるようになりました。このことからも職員の意識に変化が出てきたことがわかります。

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「就職説明会で当法人を選んだ理由として」以前は、「自立支援に取り組んでいるから」、「日中おむつゼロ」の特養だから!!等の理由が多かったが現在では、「介護ロボットを導入している施設で働いてみたい」や「それを使いこなせる人材」になりたい!!等の意見が多く、ホームページや見学会で先進的な取り組みをきちんと評価してくれている等、思わぬ効果がありました。

今後は、介護ロボットの技能検定を実施し人事考課に反映する予定です

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しかし、デメリットもあります

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デメリットですが、縦方向のアシストは働きますが、回旋動作に働かないので、大幅な軽減はありませんが、縦方向へのアシストが働くことで、負担は軽減されます。

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慣れないと居室のトイレなどの狭い場所で当たってしまうことや水に弱いので入浴介助場面では使用できません。

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ロボット化は、見守りや電子カルテ等は積極的にロボット化すべきであり、求められる効果や期待は、将来的には一人で出来ることが大事

排泄もトイレで自分でできるように!!歩行器等を利用して一人で移動できるように!!と求められる要素は『自立支援介護』だと思います。

今後は、介護ロボットを積極的に活用しつつも自立支援介護を目指し、ご高齢な方の能力がより向上するよう努力したいと思っております。

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最後に大切なことは、私達の持つ「真心」と「やさしい手」を忘れずにロボットを使いこなすことだと思います。その上で、お互いに安心・安全な介護を目指します。

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