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AIX バージョン 5.3 インストールおよび移行 SC88-6873-06 (英文原典:SC23-4887-06)

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AIX バージョン 5.3

インストールおよび移行

SC88-6873-06(英文原典:SC23-4887-06)

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AIX バージョン 5.3

インストールおよび移行

SC88-6873-06(英文原典:SC23-4887-06)

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お願い本書および本書で紹介する製品をご使用になる前に、 427ページの『特記事項』に記載されている情報をお読みください。

本書は、AIX 5L バージョン 5.3 および新しい版で明記されていない限り、このプロダクトの以降のすべてのリリースに適用されます。

お客様の環境によっては、資料中の円記号がバックスラッシュと表示されたり、バックスラッシュが円記号と表示されたりする場合があります。

 

原典: SC23-4887-06

AIX Version 5.3

Installation and migration

発行: 日本アイ・ビー・エム株式会社

担当: トランスレーション・サービス・センター

第7版第1刷 2009.10

© Copyright International Business Machines Corporation 2002, 2009.

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目次本書について . . . . . . . . . . . . . v強調表示 . . . . . . . . . . . . . . . . vAIX における大/小文字の区別 . . . . . . . . vISO 9000 . . . . . . . . . . . . . . . v

インストールおよび移行 . . . . . . . . 1AIX インストール作業の手順 . . . . . . . . . 1メディアからの BOS の新規および完全上書きインストール . . . . . . . . . . . . . . . 1メディアからのシステムの移行 . . . . . . . 5ソフトウェア・バンドルの作成とインストール . . 9AIX システムへのオープン・ソース・アプリケーションの追加 . . . . . . . . . . . . . 11代替ディスクのインストールを利用した rootvgのクローン作成 . . . . . . . . . . . . 14EZNIM を使用する NIM の構成 . . . . . . 16NIM を使用したクライアント・インストール . . 17JS20 ブレードのネットワーク・インストール . . 18テープへのシステム・バックアップの作成 . . . 23システム・バックアップ・テープを使用するシステムのクローン作成 . . . . . . . . . . 25失敗したソフトウェア・インストールのクリーンアップ . . . . . . . . . . . . . . . 27区画インストール用メディア・デバイスを使用した AIX のインストール (HMC を使用) . . . . 28区画インストール用メディア・デバイスを使用した AIX のインストール (HMC を非使用) . . . 33新規インストール後の AIX 5L システムの構成 36

基本オペレーティング・システムのインストール . . 38「BOS」メニューの使用 . . . . . . . . . 40電子的なライセンス契約 . . . . . . . . . 41BOS インストール・オプション . . . . . . 42グラフィカル・インストール・メニュー . . . . 45bosinst.data ファイル . . . . . . . . . . 46BOS の新規および完全上書きインストールまたは保存インストール . . . . . . . . . . . 57iSCSI ディスクのインストール . . . . . . . 62代替ディスクへのインストール . . . . . . . 64multibos ユーティリティーの使用 . . . . . . 74インストールのカスタマイズ . . . . . . . 80

オプションのプロダクトおよび保守更新 . . . . . 84オプションでインストールされるソフトウェア . 85ソフトウェア・プロダクトの識別 . . . . . . 86ソフトウェア・ライセンス . . . . . . . . 86オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備 . . . . . . . 87オプションのソフトウェア・プロダクトまたは保守更新のインストール . . . . . . . . . . 88オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守 . . . . . . . . . . . . . 92

オプションのソフトウェア製品および保守更新のクリーンアップ . . . . . . . . . . . . 96「Software Service Management (ソフトウェア・サービス管理)」メニューの使用 (SUMA を含む) . 98InstallShield MultiPlatform の使用 . . . . . . 102暫定修正管理ソリューション . . . . . . . 108関連情報 . . . . . . . . . . . . . . 129

インストールのトラブルシューティング . . . . 130システム・バックアップからのインストールに関するトラブルシューティング . . . . . . . 130マイグレーション・インストールのトラブルシューティング . . . . . . . . . . . . . 132代替ディスクのインストール・エラーに関するトラブルシューティング . . . . . . . . . 134BOS インストール後のトラブルシューティング 134ハード・ディスクからブートしないシステムのトラブルシューティング . . . . . . . . . 135フルになった /usr ファイルシステムのトラブルシューティング . . . . . . . . . . . . 138BOS インストール・ログの表示 . . . . . . 138インストール関連のシステム・メッセージおよびエラー・メッセージの解釈 . . . . . . . . 139

man コマンドの内容のインストール . . . . . . 152AIX の構成 . . . . . . . . . . . . . . 153構成アシストを使用した AIX の構成 . . . . 154インストール・アシストを使用した AIX の構成 155関連情報 . . . . . . . . . . . . . . 156

AIX の移行 . . . . . . . . . . . . . . 156AIX 5.3 と以前のバージョンの間のバイナリー互換性 . . . . . . . . . . . . . . . 157BOS の移行前および移行後の検査 . . . . . 158AIX 5.3 への移行 . . . . . . . . . . . 159mksysb の移行 . . . . . . . . . . . . 163関連情報 . . . . . . . . . . . . . . 168

システム・バックアップの作成とインストール . . 169システム・バックアップの作成 . . . . . . 169システム・バックアップのインストール . . . 184

ソフトウェア・プロダクト・パッケージ . . . . 192さまざまなフォーマットのソフトウェア・パッケージのインストール . . . . . . . . . . 192ファイルセット・インストール・パッケージ . . 193ソフトウェア・パッケージの作成 . . . . . . 194ソフトウェア・バンドルのパッケージ化 . . . 194

ネットワーク・インストール管理を使用するインストール . . . . . . . . . . . . . . . . 197

NIM オブジェクト . . . . . . . . . . 197NIM マシン . . . . . . . . . . . . . 198NIM ネットワークの確立 . . . . . . . . 204NIM リソース . . . . . . . . . . . . 209NIM 操作 . . . . . . . . . . . . . 228NIM グループの使用 . . . . . . . . . . 250

© Copyright IBM Corp. 2002, 2009 iii

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NIM 作業ロードマップ . . . . . . . . . 252EZNIM の使用 . . . . . . . . . . . . 254NIM およびその他の基本操作の構成 . . . . 256nim_move_up を使用する NIM クライアントから POWER5 の LPAR への移行 . . . . . . 293NIM の詳細構成作業の実行 . . . . . . . 299NIM 詳細インストール作業の実行 . . . . . 331その他の NIM 操作の実行 . . . . . . . . 353各種ネットワーク・インストール・ファイルの使用 . . . . . . . . . . . . . . . . 365NIM エラー・メッセージと警告メッセージ . . 369NIM トラブルシューティング . . . . . . . 395

区分化 . . . . . . . . . . . . . . . . 401ロジカル・パーティション . . . . . . . . 401管理下のシステム . . . . . . . . . . . 402動的ロジカル・パーティショニング . . . . . 402アフィニティー・ロジカル・パーティション . . 403全システム区画 . . . . . . . . . . . . 403論理区画上での AIX の実行 . . . . . . . 403

ロジカル・パーティションのインプリメンテーション . . . . . . . . . . . . . . . 404リモート管理 . . . . . . . . . . . . 404区画セキュリティー . . . . . . . . . . 405区画と HMC との間のネットワーク・アダプター通信 . . . . . . . . . . . . . . . 406区画環境での AIX のインストール . . . . . 407専用ダンプ・デバイスの作成および変更 . . . 420ダンプ・デバイスの検査 . . . . . . . . . 421区画のシャットダウン . . . . . . . . . 421ご使用のオペレーティング・システム・ホスト名の変更 . . . . . . . . . . . . . . . 422

ネットワークを介したマシンのブート . . . . . 422ネットワークを介した特定マシンのブート . . . 423

特記事項. . . . . . . . . . . . . . 427商標 . . . . . . . . . . . . . . . . 428

索引 . . . . . . . . . . . . . . . 429

iv AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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本書について

本書では、ネットワーク・インストール・マネージメント (NIM) インターフェースを使用して、リソース・サーバーからスタンドアロン・システムやクライアント・システムに AIX® オペレーティング・システムおよびオプションのソフトウェアをインストールしたり管理したりするといった、システム管理者が行う作業の実行方法について詳しく説明します。さらに、システムの移行、システム・バックアップの管理、AIX 更新のインストール、代替ディスクのインストールの使用、インストールで問題が発生した場合のトラブルシューティングの方法についても説明します。本書は、オペレーティング・システム付属のドキュメント CD または DVD にも収録されています。 本書に含まれるパネル名には英語と日本語が併記されています。ご使用中のシステムの設定により、実際には英語のみ、または日本語のみが表示されます。また、本書中のメッセージは英語をサンプルにしていますが、対応する日本語が表示されることがあります。

強調表示本書では、以下の強調表示の規則を使用しています。

太字 コマンド、サブルーチン、キーワード、ファイル、構造体、ディレクトリー、およびシステムによって名前が事前に定義されているその他の項目を示します。また、ユーザーが選択するボタン、ラベル、およびアイコンなどのグラフィカル・オブジェクトも示します。

イタリック 実際の名前または値をユーザーが指定する必要があるパラメーターを示します。

モノスペース 特定のデータ値の例、画面に表示されるものと同様のテキスト例、プログラマーが作成するものと同様のプログラム・コード部分の例、システムからのメッセージ、実際に入力する必要がある情報などを示します。

AIX における大/小文字の区別AIX オペレーティング・システムでは、すべてケース・センシティブとなっています。これは、英大文字と小文字を区別するということです。例えば、ls コマンドを使用するとファイルをリスト表示できます。LS と入力すると、システムはそのコマンドが not found (見付からない) と応答します。同様に、FILEA、FiLea、および filea は、同じディレクトリーにある場合でも、3 つの異なるファイル名です。予期しない処理が実行されないように、常に正しい大/小文字を使用するようにしてください。

ISO 9000当製品の開発および製造には、ISO 9000 登録品質システムが使用されました。

© Copyright IBM Corp. 2002, 2009 v

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vi AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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インストールおよび移行

このトピックでは、ネットワーク・インストール・マネージメント (NIM) インターフェースを使用して、リソース・サーバーからスタンドアロン・システムやクライアント・システムに AIX オペレーティング・システムおよびオプションのソフトウェアをインストールしたり、管理するなどのシステム管理者が実行する作業の実行方法について詳しく説明します。さらに、システムの移行、システム・バックアップの管理、AIX 更新のインストール、代替ディスクのインストールの使用、インストールで問題が発生した場合のトラブルシューティングの方法についても説明します。このトピックは、オペレーティング・システム付属のドキュメント・メディアにも収録されています。本書に含まれるパネル名には英語と日本語が併記されています。ご使用中のシステムの設定により、実際には英語のみ、または日本語のみが表示されます。また、本書中のメッセージは英語をサンプルにしていますが、対応する日本語が表示されることがあります。

このトピックの PDF バージョンを表示したり、ダウンロードするには、インストールおよび移行をクリックしてください。

注: Adobe® Reader のダウンロード: この PDF を表示または印刷するには、ご使用のシステムに Adobe

Reader がインストールされている必要があります。無償のコピーは、Adobe Web サイト(www.adobe.com/products/acrobat/readstep.html) からダウンロードできます。

AIX インストール作業の手順共通インストール作業は手引きを使用して行います。

メディアからの BOS の新規および完全上書きインストールここでは、AIX オペレーティング・システムを初めてインストールする場合、またはその既存のバージョンを上書きする場合について説明します。

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

実行する作業は、次のとおりです。

v AIX プロダクト・メディアからブートする

v 基本オペレーティング・システム (BOS) インストールの設定値を設定する

– hdisk0 上で AIX の新規および完全上書きインストールを実行する

– 1 次言語として英語を使用する

– 「More Options (詳細オプション)」メニューでデフォルト・オプションを使用する

v BOS のインストールを開始し、システムを構成する

既存のシステムを上書きする場合には、ここで説明する手順を開始する前にシステムの TCP/IP 情報を調べておいてください。

© Copyright IBM Corp. 2002, 2009 1

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重要: この手順では、基本オペレーティング・システムをシャットダウンしてから再インストールすることが必要になります。オペレーティング・システムを再インストールする際には、データや機能が失われないようにするためのワークロードに対する影響が最小限で済むようなタイミングでシャットダウンを実行してください。新規および完全上書きインストールを実行する前に、データやカスタマイズされたアプリケーションやボリューム・グループの信頼できるバックアップを必ず作成しておいてください。システム・バックアップの作成方法については、システム・バックアップの作成 を参照してください。

以下に示すステップは、システムの内蔵メディア・デバイスを使用して基本オペレーティング・システムの新規および完全上書きインストールを実行する手順です。

この時点で、BOS のインストールは完了し、システムの初期構成作業も完了しています。

ステップ 1. システムの準備v 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX 5.2 および AIX 5.3 には、256 から 512 MB のメモリーと 2.2 GB の物理ディスク・スペースが必要です。追加のリリース情報については、「AIX 5.2 リリース・ノート」および「AIX 5.3 リリース・ノート」を参照してください。

v すべての外付けデバイスを含め、ハードウェアが完全に設置および接続されていることを確認してください。設置や接続の手順については、システム装置付属のマニュアルを参照してください。

v 他のシステムと通信し、他のシステムのリソースにアクセスすることが必要なシステムの場合は、インストールを開始する前に下記のワークシートの情報を調べておいてください。

表 1. ネットワーク構成情報ワークシートネットワーク属性 値

ネットワーク・インターフェース (例: en0、et0)

ホスト名

IP アドレス _______.________.________.________

ネットワーク・マスク _______.________.________.________

ネーム・サーバー _______.________.________.________

ドメイン名

ゲートウェイ _______.________.________.________

ステップ 2. AIX プロダクト・メディアからのブート

AIX プロダクト・メディアからシステムをブートします。

1. AIX Volume 1 のメディアをメディア・デバイスに挿入します。

2. システムに接続されているすべての外付けデバイス (CD-ROM ドライブ、テープ・ドライブ、DVD デバイス、端末装置など) の電源がオンになっていることを確認します。 AIX のインストールに使用する以外のメディア・ドライブには、インストール・メディアが入っていないようにしてください。

3. システムの電源をオンにします。

4. システム・ビープ音が 2 回鳴ったら、キーボードの F5 (または ASCII 端末装置の場合は 5) を押します。グラフィック・ディスプレイを使用しているなら、ビープ音が鳴った時点で画面上にキーボードのアイコンが表示されます。 ASCII 端末装置 (tty 端末装置) を使用している場合は、ビープ音が鳴った時点で keyboard の文字が表示されます。

注: F5 key (ASCII 端末の場合は 5) を押してもシステムがブートしない場合は、ハードウェア付属のマニュアルを参照し、AIX プロダクト・メディアからシステムをブートする方法について調べてください。

2 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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5. F1 (ASCII 端末装置の場合は 1) を押してから Enter を押すことにより、システム・コンソールを選択します。

6. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力することにより、基本オペレーティング・システム (BOS) インストール・メニューの言語として英語を選択します。 Enter キーを押すと、「Welcome to the Base

Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」画面が表示されます。

7. 「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して Enter を押すことにより、「2 Change/Show InstallationSettings and Install (2 インストール設定値の変更/表示、およびインストール)」を選択します。

Welcome to Base Operating SystemInstallation and Maintenance

Type the number of your choice and press Enter. Choice is indicated by >>>.

1 Start Install Now with Default Settings

2 Change/Show Installation Settings and Install

3 Start Maintenance Mode for System Recovery

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]: 2

ステップ 3. BOS インストール設定値の設定と確認1. 「Installation and Settings (インストールと設定)」画面で、インストールのさまざまな設定値が正しいものであることを確認します。確認するべき設定値には、インストール方法 (新規および完全上書き)、インストール先ディスク、1 次言語環境設定、および詳細オプション・メニューがあります。

デフォルト選択項目でよい場合は、0 を入力してから Enter キーを押すと、BOS のインストールが開始されます。インストール完了後、システムは自動的にリブートします。ステップ 4 に進んでください。

デフォルト値を変更する場合には、次の 2 に進みます。

2. 「System Settings (システム設定値)」を変更するには、「Choice (変更)」フィールドに 1 を入力してから Enter を押します。システム設定値には、インストール方法、およびインストール先ディスクが含まれています。

Installation and Settings

Either type 0 and press Enter to install with current settings, or type thenumber of the setting you want to change and press Enter.

1 System Settings:Method of Installation.............New and Complete OverwriteDisk Where You Want to Install.....hdisk0

>>> Choice [0]: 1

3. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して Enter を押すことにより、「New and Complete

Overwrite (新規および完全上書き)」を選択します。「Change Disk(s) Where You Want to Install (インストールするディスクの変更)」画面が表示されます。

インストールおよび移行 3

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Change Disk(s) Where You Want to Install

Type one or more numbers for the disk(s) to be used for installation and pressEnter. To cancel a choice, type the corresponding number and Press Enter.At least one bootable disk must be selected. The current choice is indicatedby >>>.

Name Location Code Size(MB) VG Status Bootable

1 hdisk0 04-B0-00-2,0 4296 none Yes2 hdisk1 04-B0-00-5,0 4296 none Yes3 hdisk2 04-B0-00-6,0 12288 none Yes

>>> 0 Continue with choices indicated above

66 Disks not known to Base Operating System Installation77 Display More Disk Information88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [0]:

4. 「Change Disk(s) Where You Want to Install (インストールするディスクの変更)」画面で、

a. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して Enter を押すことにより、hdisk0 を選択します。選択されたディスクには、>>> が表示されます。インストール先ディスクを選択解除するには、その番号をもう一度入力してから Enter を押してください。

b. 「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押すことにより、ディスクの選択作業を終了します。「Installation and Settings (インストールと設定)」画面が表示され、「System Settings (システム設定)」の下に選択されたディスクがリストされます。

5. 「Primary Language Environment® Settings (1 次言語環境設定)」を米国英語に変更します。以下のステップに従って、「Cultural Convention (国/地域別情報)」、「Language (言語)」、および「Keyboard (キーボード)」を英語に変更します。

a. 「Installation and Settings (インストールと設定)」画面の「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して、「Primary Language Environment Settings (1 次言語環境設定)」オプションを選択します。

b. 「Choice (選択)」フィールドで、「Cultural Convention (国/地域別情報)」の米国英語に対応する番号を入力して、Enter を押します。

c. キーボードと言語のオプションについて、該当するオプションを選択します。

「More Options (詳細オプション)」を選択する必要はありません。ここでは、デフォルト・オプションを使用します。 AIX 5.2 以降で選択可能なインストール・オプションについての詳細は、BOS インストール・オプションを参照してください。

6. 「Overwrite Installation Summary (上書きインストールの要約)」画面で、選択した値が正しいことを確認してください。次のとおりです。

4 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Overwrite Installation Summary

Disks: hdisk0Cultural Convention: en_USLanguage: en_USKeyboard: en_US64 Bit Kernel Enabled: NoJFS2 File Systems Created: NoGraphics Software: YesDesktop: CDEEnable System Backups to install any system: Yes

Optional Software being installed:

>>> 1 Continue with Install88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]:

注: デフォルト・オプションは、マシンおよびコンソール・タイプによって変わります。

7. Enter を押すと、BOS のインストールが始まります。インストール完了後、システムは自動的にリブートします。

ステップ 4. インストール後のシステムの構成1. グラフィック・ディスプレイのシステムでは、新規および完全上書きインストールの後、「Configuration Assistant (構成アシスト)」が表示されます。 ASCII ディスプレイのシステムでは、新規および完全上書きインストールの後、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」が表示されます。

2. 「Accept Licenses (ご使用条件に同意)」オプションを選択して、オペレーティング・システムの電子ライセンスに同意してください。

3. 日付および時刻を設定し、管理者 (root ユーザー) のパスワードを設定し、ネットワーク通信 (TCP/IP)

を構成します。

その他のオプションがあるなら、この時点で使用します。コマンド行で configassist または smitty

assist を入力すると、「Configuration Assistant (構成アシスト)」または「Installation Assistant (インストール・アシスト)」に戻ります。

4. 「Exit the Configuration Assistant (構成アシストの終了)」を選択した後、「Next (次へ)」を選択します。あるいは、F10 (または ESC+0) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」を終了します。

5. 「Configuration Assistant (構成アシスト)」の場合は、「Finish now, and do not start ConfigurationAssistant when restarting AIX (ここで完了し、オペレーティング・システムの再起動時に構成アシストを起動しない)」を選択して、「Finish (完了)」を選択します。

メディアからのシステムの移行ここでは、AIX 4.3.3 以前のシステムを AIX 5.3 に移行する手順について説明します。

考慮すべき点

インストールおよび移行 5

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ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

実行する作業は、次のとおりです。

v AIX バージョン 4.3.3 から AIX バージョン 5.3 へのマイグレーション・インストールを実行する

v 1 次言語として英語を使用する

v 「Advanced Options (詳細オプション)」メニューでデフォルト・オプションを使用する

重要: この手順では、基本オペレーティング・システムをシャットダウンしてから再インストールすることが必要になります。オペレーティング・システムを再インストールする際には、データや機能が失われないようにするためのワークロードに対する影響が最小限で済むようなタイミングでシャットダウンを実行してください。マイグレーション・インストールを実行する前に、データやカスタマイズされたアプリケーションやボリューム・グループの信頼できるバックアップを必ず作成しておいてください。システム・バックアップの作成方法については、「インストールおよびマイグレーション」の 『システム・バックアップの作成』を参照してください。

ステップ 1. 移行の準備

移行を開始する前に、以下の前提条件を完全に整えてください。

v root ユーザーの 1 次承認方法が SYSTEM であることを確認してください。 次のコマンドを入力して、この条件を確認できます。

# lsuser -a auth1 root

値を変更する必要があるなら、次のコマンドを入力します。

# chuser auth1=SYSTEM root

v インストールを開始する前に、インストール対象のシステムに対するアクセス権が与えられている他のユーザーは、ログオフしておく必要があります。

v アプリケーションが AIX 5.3 で実行されることを確認します。また、アプリケーションが AIX 5.3 とバイナリー互換であることも確認してください。現在のシステムがアプリケーション・サーバーなら、ライセンスの問題がないことを確認してください。アプリケーションでどのレベルの AIX がサポートされ、ライセンス交付を受けているかについては、アプリケーションのマニュアルを参照するか、またはアプリケーションの提供元にお問い合わせください。また、次の Web アドレスにある「Supported

Products List」も参照してください。http://www-03.ibm.com/services/sl/products/

v ハードウェア・マイクロコードが最新であることを確認します。

v 外付けデバイスを含め、必要条件となるすべてのハードウェア (テープ・ドライブや CD/DVD-ROM ドライブなど) が、物理的に接続され、電源がオンになっていなければなりません。詳細な情報が必要な場合は、システムに付属のハードウェア資料を参照してください。

v errpt コマンドを使用することにより、システム・エラー・ログ中の項目に基づいてエラー・レポートを生成します。詳細なレポートを表示するには、次のように入力します。

# errpt -a

v 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX 5.3 には、256 から 512

MB のメモリーと 2.2 GB の物理ディスク・スペースが必要です。追加のリリース情報については、「AIX 5.3 リリース・ノート」を参照してください。

v メディアの mount_point/usr/lpp/bos ディレクトリーにある移行前スクリプトを実行します。メディアをマウントするには、次のコマンドを実行します。

# mount -v cdrfs -o ro /dev/cdN /mnt

6 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ここで「N」は、メディアのドライブ番号です。

注: 移行前スクリプトによって作成されたデータを除去しないでください。このデータは移行後スクリプトによって使用されるからです。

v システム・ソフトウェアおよびデータのバックアップ・コピーを作成します。システム・バックアップの作成方法については、システム・バックアップの作成 を参照してください。

v 移行に関する最新情報は、常にリリースノートを参照してください。

ステップ 2. AIX プロダクト・メディアからのブート1. 接続されているデバイスの電源をオンにします (まだオンでない場合)。

2. AIX Volume 1 のメディアをメディア・デバイスに挿入します。

3. 次のコマンドを入力することによって、システムをリブートします。

# shutdown -r

4. システム・ビープ音が 2 回鳴ったら、キーボードの F5 (または ASCII 端末装置の場合は 5) を押します。グラフィック・ディスプレイを使用しているなら、ビープ音が鳴った時点で画面上にキーボードのアイコンが表示されます。 ASCII 端末装置 (tty 端末装置) を使用している場合は、ビープ音が鳴った時点で keyboard の文字が表示されます。

注: F5 key (ASCII 端末の場合は 5) を押してもシステムがブートしない場合は、ハードウェア付属のマニュアルを参照し、AIX プロダクト・メディアからシステムをブートする方法について調べてください。

5. F1 (ASCII 端末装置の場合は 1) を押してから Enter を押すことにより、システム・コンソールを選択します。

6. 「Choice (選択)」フィールドに 5 を入力することにより、BOS インストール・メニューの言語として英語を選択します。「Welcome to Base Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」メニューが表示されます。

7. 「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して Enter を押すことにより、「2 Change/Show InstallationSettings and Install (2 インストール設定値の変更/表示、およびインストール)」を選択します。

Welcome to Base Operating SystemInstallation and Maintenance

Type the number of your choice and press Enter. Choice is indicated by >>>.

1 Start Install Now with Default Settings

2 Change/Show Installation Settings and Install

3 Start Maintenance Mode for System Recovery

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]: 2

ステップ 3. マイグレーション・インストール設定値の確認とインストールの開始1. 「Method of Installation (インストール方法)」が「Migration (移行)」になっていることを確認します。インストール方法が移行になっていない場合は、ここでそれを選択してください。インストール先のディスクを選択します。

インストールおよび移行 7

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1 System Settings:Method of Installation.............MigrationDisk Where You Want to Install.....hdisk0

2. 「Primary Language Environment Settings (AFTER Install) (1 次言語環境設定 (インストール後))」を選択します。

3. 3 を入力して Enter を押すことにより、「More Options (詳細オプション)」を選択します。「ヘルプ(Help)」メニューを使うと、マイグレーション・インストール中に使用可能なオプションについてさらに詳しく調べることができます。それには、「Installation Options (インストール・オプション)」メニューで 88 を入力してから Enter を押します。 AIX 5.3 で選択可能なインストール・オプションについての詳細は、BOS インストール・オプションを参照してください。

4. 「Migration Installation Summary (マイグレーション・インストールの要約)」画面で選択した値を確認し、Enter を押します。

5. 「Migration Confirmation (移行確認)」メニューが表示されたら、メニューに示される指示に従ってシステム情報のリストを表示するか、または 0 を入力してから Enter を押すことにより、移行を続行します。

Migration Confirmation

Either type 0 and press Enter to continue the installation, or type thenumber of your choice and press Enter.

1 List the saved Base System configuration files which will not bemerged into the system. These files are saved in /tmp/bos.

2 List the filesets which will be removed and not replaced.3 List directories which will have all current contents removed.4 Reboot without migrating.

Acceptance of license agreements is required before using system.You will be prompted to accept after the system reboots.

>>> 0 Continue with the migration.88 Help ?

+---------------------------------------------------------------------------WARNING: Selected files, directories, and filesets (installable options)

from the Base System will be removed. Choose 2 or 3 for more information.

>>> Choice[0]:

ステップ 4. インストール後のシステム構成の確認

移行が完了すると、システムは次のようにリブートします。

1. グラフィック・ディスプレイのシステムでは、マイグレーション・インストールの後、「Configuration

Assistant (構成アシスト)」が表示されます。 ASCII ディスプレイのシステムでは、マイグレーション・インストールの後、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」が表示されます。

「Configuration Assistant (構成アシスト)」または「Installation Assistant (インストール・アシスト)」についての詳細は、『構成アシストを使用した AIX の構成』を参照してください。

2. 「Accept Licenses (ご使用条件に同意)」オプションを選択して、オペレーティング・システムの電子ライセンスに同意してください。

3. 管理者 (root ユーザー) のパスワードおよびネットワーク通信 (TCP/IP) の情報を確認します。

8 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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その他のオプションがあるなら、この時点で使用します。コマンド行で configassist または smitty

assist を入力すると、「Configuration Assistant (構成アシスト)」または「Installation Assistant (インストール・アシスト)」に戻ります。

4. 「Exit the Configuration Assistant (構成アシストの終了)」を選択した後、「Next (次へ)」を選択します。あるいは、F10 (または ESC+0) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」を終了します。

5. 「Configuration Assistant (構成アシスト)」の場合は、「Finish now, and do not start ConfigurationAssistant when restarting AIX (ここで完了し、オペレーティング・システムの再起動時に構成アシストを起動しない)」を選択した後、「Finish (完了)」を選択します。

6. ログイン・プロンプトが表示されたなら、root ユーザーとしてログインして、システム管理作業を実行します。

7. /usr/lpp/bos/post_migration スクリプトを実行します。

ソフトウェア・バンドルの作成とインストールこのシナリオに従って、ユーザー定義のソフトウェア・バンドルを作成し、その内容をインストールすることができます。

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

ユーザー定義のソフトウェア・バンドルは、拡張子 .bnd のテキスト・ファイルで、 /usr/sys/inst.data/

user_bundles パスに保管されます。 /usr/sys/inst.data/user_bundles パスにソフトウェア・バンドルを作成すると、SMIT (System Management Interface Tool) は、このファイルを見つけてバンドル選択画面に表示できるようになります。

実行する作業は、次のとおりです。

v 拡張パックに格納されている Web-based System Manager セキュリティー・アプリケーションを含む、ユーザー定義のソフトウェア・バンドルを作成する。

v ソフトウェア・バンドルをインストールする

v ソフトウェア・バンドルが正常にインストールされたことを検査する

ステップ 1. ユーザー定義のソフトウェア・バンドルの作成1. 以下を実行して拡張子 .bnd のテキスト・ファイルを /usr/sys/inst.data/user_bundles パスに作成します。

# vi /usr/sys/inst.data/user_bundles/MyBundle.bnd

2. ソフトウェア・プロダクト、パッケージ、またはファイルセットをバンドル・ファイルに追加します。各行に 1 つの項目を指定します。それぞれの項目に、フォーマット・タイプ接頭部を追加します。この例では、AIX installp パッケージを扱っているため、フォーマット・タイプ接頭部は I: です。MyBundle.bnd ファイルに以下を入力します。I:sysmgt.websm.security

インストール・フォーマット・タイプについて詳しくは、ソフトウェア・プロダクト・パッケージ を参照してください。

3. ソフトウェア・バンドル・ファイルを保存して、テキスト・エディターを終了します。

インストールおよび移行 9

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ステップ 2. ソフトウェア・バンドルのインストール1. コマンド行で以下を入力します。# smitty easy_install

2. インストール・デバイスまたはディレクトリーの名前を入力します。

3. 選択画面から、既に作成したユーザー定義ソフトウェア・バンドルの名前 MyBundle を選択します。

Install Software Bundle

Type or select a value for the entry field.Press Enter AFTER making all desired changes.

+--------------------------------------------------------------------------+| Select a Fileset Bundle || || Move cursor to desired item and press Enter. || || App-Dev || CDE || GNOME || KDE || Media-Defined || MyBundle || ... || ... || || F1=Help F2=Refresh F3=Cancel || F8=Image F10=Exit Enter=Do || /=Find n=Find Next |+--------------------------------------------------------------------------+

4. 「Install Software Bundle (ソフトウェア・バンドルのインストール)」画面に表示されている値を、実際の状況に合うように変更します。「PREVIEW only? (プレビューだけ行う)」オプションを yes に変更すると、インストールする前に、ソフトウェア・バンドル・インストールのプレビューを見ることができます。さらに、バンドル内のソフトウェアに電子的ライセンスが付帯している場合には、「acceptnew license agreements (新規ご使用条件に同意)」する必要があります。

Install Software Bundle

Type or select values in entry fields.Press Enter AFTER making all desired changes.

[Entry Fields]* INPUT device / directory for software /cdrom* BUNDLE MyBundle +* SOFTWARE to install [all] +

PREVIEW only? (install operation will NOT occur) no/yes +COMMIT software updates? yes +SAVE replaced files? no +AUTOMATICALLY install requisite software? yes +EXTEND file systems if space needed? yes +VERIFY install and check file sizes? no +Include corresponding LANGUAGE filesets? yes +DETAILED output? no +Process multiple volumes? yes +ACCEPT new license agreements? no/yes +Preview new LICENSE agreements? no +

F1=Help F2=Refresh F3=Cancel F4=ListEsc+5=Reset F6=Command F7=Edit F8=ImageF9=Shell F10=Exit Enter=Do

5. Enter を押して続行します。

6. 決定内容を確認するために 2 度目に Enter を押すと、ソフトウェア・バンドルのインストールが開始されます。

10 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ステップ 3. ソフトウェア・バンドルのインストールの確認v インストール出力をスクロールダウンして、出力の最後にあるインストール要約を確認します。出力には、このユーザー定義ソフトウェア・バンドルが正常にインストールされたかどうかが示されます。例えば、次のような出力になります。

+-----------------------------------------------------------------------------+Summaries:

+-----------------------------------------------------------------------------+

Installation Summary--------------------Name Level Part Event Result-------------------------------------------------------------------------------sysmgt.websm.security 5.3.0.0 USR APPLY SUCCESSsysmgt.websm.security 5.3.0.0 ROOT APPLY SUCCESS

v インストールの検査を後で行うこともできます。その場合は以下のいずれかを実行してください。

– 次のコマンドを実行する。

lslpp -Lb MyBundle

出力には、このユーザー定義ソフトウェア・バンドルが正常にインストールされたかどうかが示されます。例えば、次のような出力になります。

Fileset Level State Type Description-------------------------------------------------------------------------------------------sysmgt.websm.security 5.1.0.0 C F WebSM Security Components

State codes:A -- Applied.B -- Broken.C -- Committed.E -- EFIX Locked.O -- Obsolete. (partially migrated to newer version)? -- Inconsistent State...Run lppchk -v.

Type codes:F -- Installp FilesetP -- ProductC -- ComponentT -- FeatureR -- RPM Package

– SMIT で以下のステップを実行する。

1. コマンド行で smitty list_installed と入力します。

2. 「List Installed Software by Bundle (バンドル別にインストール済みソフトウェアをリスト)」を選択します。

3. カーソルを「BUNDLE name (バンドル名)」フィールドに置いて F4 キーを押し、リストからバンドルを選択します。

4. Enter キーを押します。上記の選択肢の場合と同じような出力が表示されます。

AIX システムへのオープン・ソース・アプリケーションの追加AIX Toolbox for Linux® Applications メディアからオープン・ソース・アプリケーションをインストールするためのオプション。

考慮すべき点

インストールおよび移行 11

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ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

基本オペレーティング・システム・ソフトウェアに付属の AIX Toolbox for Linux Applications メディアには、幅広く利用されているオープン・ソース・アプリケーションが収容されています。これらのアプリケーションは AIX オペレーティング・システムで使用できます。このメディアからインストールするオプションとして、以下の中から選択できます。

v SMIT install_software 高速パスを使用して、RPM パッケージを AIX Toolbox for Linux Applications メディアからインストールする。

v geninstall コマンドを使用して、RPM パッケージを AIX Toolbox for Linux Applications メディアからインストールする。

v バンドルをインストールする。バンドルは、Linux の基本的な操作環境、基本的なデスクトップ操作、GNOME または KDE デスクトップ操作、あるいはアプリケーション開発で必要な複数のアプリケーションをグループ化しています。

v 機能ごとに分類されたパッケージ・ディレクトリーからインストールする。これらのディレクトリー・グループには、さまざまなアプリケーション、シェル環境、ネットワーク・アプリケーション、開発ツール、アプリケーション・ライブラリーなどが含まれています。

v 特定のアプリケーション用の単一パッケージをインストールする。

以下の手順は、RPM パッケージを AIX Toolbox for Linux Applications メディアからインストールする例を示しています。

v SMIT を使用して RPM パッケージの cdrecord および mtools をインストールするには、以下のようにします。

1. SMIT install_software 高速パスを実行します。

2. AIX Toolbox for Linux Applications メディアのデバイス名 (例えば /dev/cd0) を入力して、Enter を押します。

3. F4 キーを押して、デバイスの内容をリストします。

4. cdrecord および mtools パッケージを選択して、Enter を押します。

5. 「Install Software (ソフトウェアのインストール)」メニューの残りのフィールドはデフォルト値を受け入れて、 Enter を押します。

6. ソフトウェアのインストールを確認して、Enter を押します。

この時点で、ソフトウェア・インストール・プロセスが開始します。

v コマンド行から RPM パッケージの cdrecord および mtools をインストールするには、以下を入力します。

# geninstall -d/dev/cd0 R:cdrecord R:mtools

この時点で、ソフトウェア・インストール・プロセスが開始します。

v rpm コマンド (AIX 5.1 以降のバージョンの基本オペレーティング・システムで自動インストールされる) を使用して、GNOME デスクトップに必要なバンドルおよび bc アプリケーション・パッケージをインストールします。詳細な指示は、AIX Toolbox for Linux Applications の README ファイルに記載されています。

1. システムの電源を入れ、AIX 5.1 以降のバージョンを実行している状態で、AIX Toolbox for Linux

Applications メディアをシステムのメディア・ドライブに挿入します。

2. ルート権限で、以下のコマンドを使ってメディア・ドライブをマウントします。

12 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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mount -vcdrfs -oro /dev/cd0 /mnt

-v フラグは、仮想ファイルシステムのタイプ cdrfs を指定します。 -o フラグは、 ro オプション(マウントされるファイルが読み取り専用であること) を指定します。デバイス名は /dev/cd0 です。メディア・ドライブのマウント先ディレクトリーは /mnt です。

3. 以下のコマンドによって、 /mnt ディレクトリーに移動します。

cd /mnt

4. ls コマンドを使用して、メディアの内容をリストします。リストには以下のものが含まれます。このリストは画面に表示、または印刷することができます。

– readme ファイルには、このメディアからのインストールに関する詳細な説明が記載されています。

– CONTENTS ファイルは、このメディアに含まれるすべてのパッケージをリストして、各パッケージの用途を短く説明しています。

5. Web ブラウザーで /mnt/LICENSES/index.html ファイルを開いて、ソフトウェア・ライセンス情報を表示します。

6. 端末装置ウィンドウで、以下のコマンドによって ezinstall/ppc ディレクトリーに移動します。

cd /mnt/ezinstall/ppc

次のステップでは、 rpm プログラムを使って 4 つのバンドル (Base、Desktop Base、GNOME

Base、GNOME Apps) をインストールすることにより、 GNOME をインストールします。これに代わる方法として、 smit install_bundle 高速パスを使用し、 GNOME バンドルを選択することによっても、必要なパッケージをすべてインストールできます。

7. 以下の一連のコマンドを使用して、GNOME をインストールします。

rpm -Uhv ezinstall/ppc/base/*rpm -Uhv ezinstall/ppc/desktop.base/*rpm -Uhv ezinstall/ppc/gnome.base/*rpm -Uhv ezinstall/ppc/gnome.apps/*

-U フラグは、システムにいずれかのパッケージがインストール済みの場合、各パッケージをアップデートします。 -h フラグは、一定の時間間隔でハッシュ・マーク (#) を表示して、インストールが進行中であることを示します。 -v フラグは、インストール中に発生する関連情報またはエラー・メッセージを表示します。実行の結果、例えば以下のように表示されます。

rpm -Uhv ezinstall/ppc/desktop.base/*gdbm ##################################################libjpeg ##################################################libpng ##################################################libtiff ##################################################libungif ##################################################readline ##################################################zlib ##################################################

rpm コマンドによってエラーが戻された場合、原因として、以下のいずれかが考えられます。

– 現在のファイルシステムに十分なスペースがない。ファイルシステムのサイズを変更するか、マウント・ポイントを変更してください。

– パッケージが既にインストールされている。 rpm プログラムは、同じ名前、同じバージョン・レベルの既存のパッケージを検出したため、パッケージを置換しませんでした。メディアには、以下の例のように、システムにまだインストールされていないディレクトリーのパッケージだけをインストールするスクリプトがあります。

/mnt/contrib/installmissing.sh ezinstall/ppc/desktop.base/*

インストールおよび移行 13

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– 依存関係の障害。このパッケージまたはバンドルをインストールする前に、エラー・メッセージに示されているパッケージをインストールする必要があります。

8. 以下のコマンドによって、 bc アプリケーション・パッケージをインストールします。

rpm -Uhv RPMS/ppc/bc-*.rpm

代替ディスクのインストールを利用した rootvg のクローン作成このシナリオに従えば、 rootvg 上で実行している AIX のクローンを同じシステムの代替ディスクに作成し、ユーザー定義のソフトウェア・バンドルをインストールできます。さらに、代替ディスク上の AIX イメージをカスタマイズするために、ユーザー定義のスクリプトを実行することもできます。

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

代替ディスクのインストール・プロセスには、ターゲットの代替ディスクに既存の rootvg のクローンを作成する作業が含まれるため、ターゲットの代替ディスクはまだボリューム・グループに未割り当てでなければなりません。

実行する作業は、次のとおりです。

v 代替ディスクのインストールの準備

v 代替ディスクのインストールおよびカスタマイズの実行

v 代替ディスクのブートオフ

v 操作の検査

代替ディスクのインストールについては、『代替ディスクへのインストール』を参照してください。また、alt_disk_install マニュアル・ページも参照してください。

ステップ 1. 代替ディスクのインストールの準備1. システム上の物理ディスクの状況を検査します。次のように入力します。

# lspv

次のような出力が表示されます。

hdisk0 0009710fa9c79877 rootvg activehdisk1 0009710f0b90db93 None

ここでは、物理ディスク hdisk1 にボリューム・グループがまだ割り当てられていないので、このディスクを代替ディスクとして使用できます。

2. ファイルセット alt_disk_install がインストール済みかどうかを検査するために、以下を実行します。

# lslpp -L bos.alt_disk_install.rte

ファイルセット alt_disk_install が未インストールの場合、出力は例えば以下のように表示されます。

lslpp: 0504-132 Fileset bos.alt_disk_install.rte not installed.

3. AIX インストール・メディアのボリューム 1 を使用して、 alt_disk_install ファイルセットをインストールするために、以下を実行します。

# geninstall -d/dev/cd0 bos.alt_disk_install.rte

14 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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次のような出力が表示されます。

+-----------------------------------------------------------------------------+Summaries:

+-----------------------------------------------------------------------------+

Installation Summary--------------------Name Level Part Event Result-------------------------------------------------------------------------------bos.alt_disk_install.rte 5.3.0.0 USR APPLY SUCCESS

4. /usr/sys/inst.data/user_bundles/MyBundle.bnd というユーザー定義のバンドルを作成します。このバンドルには、以下のファイルセットが含まれます。

I:bos.content_listI:bos.games

ユーザー定義のソフトウェア・バンドルを作成する方法について、詳しくは、ソフトウェア・バンドルの作成とインストールを参照してください。

5. /home/scripts ディレクトリーを作成します。

mkdir /home/scripts

6. /home/scripts ディレクトリーに、AddUsers.sh というユーザー定義のカスタマイズ・スクリプトを作成します。

touch /home/scripts/AddUsers.shchmod 755 /home/scripts/AddUsers.sh

7. /home/scripts/AddUsers.sh を編集して以下の行を含めます。

mkuser johndoetouch /home/johndoe/abc.txttouch /home/johndoe/xyz.txt

ステップ 2. 代替ディスクのインストールおよびカスタマイズの実行1. rootvg のクローンを代替ディスクに作成するには、コマンド行で以下を入力して SMIT メニューを開きます。

# smit alt_clone

2. 「Target Disk to Install (インストール先のディスク)」フィールドで、 hdisk1 を選択します。

3. 「Bundle to Install (インストールするバンドル)」フィールドで、 MyBundle バンドルを選択します。

4. インストール・メディアのボリューム 1 を挿入します。

5. 「Directory or Device with images (イメージを含むディレクトリーまたはデバイス)」フィールドに、/dev/cd0 と入力します。

6. 「Customization script (カスタマイズ・スクリプト)」フィールドに、 /home/scripts/AddUsers.sh と入力します。

7. Enter を押して、代替ディスクのインストールを開始します。

8. 代替ディスクが作成されたことを検査するために、以下を実行します。

# lspv

次のような出力が表示されます。

hdisk0 0009710fa9c79877 rootvghdisk1 0009710f0b90db93 altinst_rootvg

インストールおよび移行 15

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ステップ 3. 代替ディスクからのブート1. デフォルトでは、代替ディスクのインストール・プロセスによって boot リストが代替ディスクに変更されます。これを検査するには、以下を実行します。

# bootlist -m normal -o

次のような出力が表示されます。

hdisk1

2. システムをリブートします。次のように入力します。

# shutdown -r

システムは、代替ディスク上のブート・イメージ (hdisk1) からブートします。

ステップ 4. 操作の確認1. システムがリブートすると、代替ディスクから実行されます。これを検査するには、以下を入力します。

# lspv

次のような出力が表示されます。

hdisk0 0009710fa9c79877 old_rootvghdisk1 0009710f0b90db93 rootvg

2. カスタマイズ・スクリプトが正しく実行されることを検査するために、以下を入力します。

# find /home/johndoe -print

次のような出力が表示されます。

/home/johndoe/home/johndoe/.profile/home/johndoe/abc.txt/home/johndoe/xyz.txt

3. ソフトウェア・バンドルの内容がインストールされたことを検査するために、以下を入力します。

# lslpp -Lb MyBundle

次のような出力が表示されます。

Fileset Level State Description----------------------------------------------------------------------------bos.content_list 5.3.0.0 C AIX Release Content Listbos.games 5.3.0.0 C Games

EZNIM を使用する NIM の構成このシナリオでは、 SMIT EZNIM オプションを使用して NIM 環境を初めて構成します。

考慮すべき点

16 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

SMIT EZNIM オプションは、bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをインストールし、NIM 環境を構成します。構成には、NIM データベースを作成し、いくつかのデフォルト項目とともにデータベースにデータを入れる操作が含まれます。その後、基本的な NIM リソースが定義され、 NIM データベース内に定義されます。

1. # smitty eznim と入力します。

2. 「Configure as a NIM Master (NIM マスターとして構成)」を選択して、Enter を押します。

3. 「Setup the NIM Master Environment (NIM マスター環境のセットアップ)」を選択して、Enter を押します。

4. ソフトウェア・ソース、ボリューム・グループ、およびファイルシステムのそれぞれのデフォルトが、実際の環境に適切に選択されているかどうかを確認します。必要であれば、選択内容を変更します。

5. Enter を押して、NIM 環境の構成を開始します。

6. 作成済みの NIM リソースを表示するには、以下のようにします。

a. SMIT eznim_master_panel 高速パスを使用して、EZNIM マスター・メニューを開きます。

b. 「Show the NIM environment (NIM 環境の表示)」を選択して、Enter を押します。

NIM を使用したクライアント・インストールこのシナリオに従って、 NIM クライアント上で新しい BOS (基本オペレーティング・システム) を完全にインストールすることができます。

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

なお、既に NIM マスターが構成済みで、基本的 NIM リソースの定義、およびインストール対象の NIM

クライアントの定義が終わっていることを想定しています。

NIM 環境の構成およびリソースの定義については、『NIM タスク・ロードマップ』を参照してください。

実行する作業は、次のとおりです。

1. BOS (rte) インストールを実行します。

2. bosinst_data リソースを使用して、プロンプトなしのインストールを実行します。プロンプトなしインストール用の bosinst.data ファイルを作成する方法については、『bosinst.data ファイルの使用法』を参照してください。

3. resolv_conf リソースを使用して、ネットワーク・ネーム・サーバーおよびドメインを構成します。

システムの安全なリカバリーを可能にするために、まずクライアントのシステム・バックアップを取ることをお勧めします。システム・バックアップの作成方法については、システム・バックアップの作成を参照してください。

1. # smit nim_bosinst と入力します。

2. BOS インストール用の lpp_source リソースを選択します。

3. BOS インストール用の SPOT リソースを選択します。

インストールおよび移行 17

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4. 「BOSINST_DATA to use during installation (インストール中に使用する BOSINST_DATA)」オプションを選択し、プロンプトなしの BOS インストールを実行できる bosinst_data リソースを選択します。

5. 「RESOLV_CONF to use for network configuration (ネットワーク構成に対して使用するRESOLV_CONF)」オプションを選択し、resolv_conf リソースを選択します。

6. 「Accept New License Agreements (新規ご使用条件に同意する)」オプションを選択し、「Yes (はい)」を選択します。残りのメニュー・オプションについては、デフォルト値を受け入れます。

7. Enter を押し、確認した後、 NIM クライアントのインストールが開始されます。

8. NIM クライアントのインストール状況を検査するには、以下を入力します。# lsnim -l va09 次のような出力が表示されます。

va09:class = machinestype = standalonedefault_res = basic_res_grpplatform = chrpnetboot_kernel = upif1 = master_net va09 0cable_type1 = bncCstate = Base Operating System installation is being performedprev_state = BOS installation has been enabledMstate = in the process of bootinginfo = BOS install 7% complete : 0% of operations completed.boot = bootbosinst_data = bid_tty_owlpp_source = 520lpp_resnim_script = nim_scriptresolv_conf = master_net_confspot = 520spot_rescpuid = 0009710F4C00control = masterCstate_result = success

JS20 ブレードのネットワーク・インストールここでは、JS20 ブレードに AIX を初めてインストールする場合、またはオペレーティング・システムの既存のバージョンを上書きする場合について説明します。

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

実行する作業は、次のとおりです。

v JS20 ブレードの必要な TCP/IP 情報を収集する。

v ネットワーク・インストール・マネージメント (NIM) 環境を準備する。

v NIM マスターを構成する。

v NIM インストール・リソースを作成する。

v JS20 ブレードを NIM クライアントとして定義する。

v JS20 ブレードのネットワーク・インストールを準備する。

v ダイレクト bootp またはブロードキャスト bootp 方式を使用して JS20 ブレードをネットワークからブートオフする。

18 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ネットワーク・インストールを実行する場合、NIM マスターをまだ構成していなければそれを構成する必要があります。 NIM マスターの作成方法については、『NIM および他の基本操作の構成』を参照してください。

注: この手順では、基本オペレーティング・システムをシャットダウンしてから再インストールすることが必要になります。オペレーティング・システムを再インストールする際には、データや機能が失われないようにするためのワークロードに対する影響が最小限で済むようなタイミングでシャットダウンを実行してください。新規および完全上書きインストールを実行する前に、データやカスタマイズされたアプリケーションやボリューム・グループの信頼できるバックアップを必ず作成しておいてください。システム・バックアップの作成方法については、システム・バックアップの作成を参照してください。

ブロードキャスト bootp ネットワーク・インストールの実行

ブロードキャスト bootp を実行するには、インストールする JS20 ブレードと NIM サーバーが同じサブネット上にあるようにします。JS20 ブレードは、ブロードキャスト bootp 時に、ブロードキャスト bootp

パケットをそのサブネットに送信します。 NIM サーバーはこのパケットを受信して応答します。NIM マスターでの JS20 ブレード NIM クライアント定義には、インストール時に使用する JS20 ブレードのネットワーク・アダプターの MAC アドレスが含まれていなければなりません。これが定義されていないと、NIM サーバーはブロードキャスト bootp に応答しません。NIM マスターが異なるサブネット上にある場合にブロードキャスト bootp を実行するには、クライアントのサブネットにもう 1 つのシステムをセットアップして、ブロードキャスト bootp パケットを転送する必要があります。

ブロードキャスト bootp パケットを転送するシステムをセットアップするには、以下のステップを実行します。

1. NIM サーバーの IP アドレスを、パケットを転送するシステムの /etc/dhcprd.cnf ファイルに追加します。例えば NIM サーバーの IP アドレスが 192.24.24.1 の場合、server 192.24.24.1 を/etc/dhcprd.cnf に追加します。

2. startsrc -s dhcprd を実行します。

これでこのシステムが、ブロードキャスト bootp パケットを、異なるサブネットにある NIM サーバーに転送するようになります。また、クライアントの最新のファームウェア・バージョンをクライアントにインストールして、ブロードキャスト bootp パケットを転送するシステムからの bootp 応答を正しく処理できるようにする必要があります。

ステップ 1: NIM サーバーの準備

ブロードキャスト bootp の実行は、ダイレクト bootp に似ています。ネットワーク・インストールに使用する JS20 ブレードのネットワーク・アダプターの MAC アドレス情報を取得しなければならないことを除けば、ステップは同じです。

1. 以下のステップを実行して、MM Web インターフェースから MAC アドレス情報を取得します。

a. 「Monitor (モニター)」 → 「Hardware VPD (ハードウェア VPD)」を選択します。

b. 「BladeCenter® Server MAC Addresses (BladeCenter サーバー MAC アドレス)」までスクロールダウンします。

c. インストールする予定の JS20 ブレードと、インストールの実行に使用するアダプターに対応する MAC アドレスを見つけます。この MAC アドレスを書き留めておいてください。

2. JS20 ブレードを NIM クライアントとして定義するときに、MAC アドレスを指定します。smitty nim_mkmac コマンドを使用する場合は、「Network Adapter Hardware Address (ネットワーク・アダプターのハードウェア・アドレス)」SMIT 画面で MAC アドレスを指定しま

インストールおよび移行 19

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す。 MAC アドレスを指定するときは、コロン (「:」) を含めないでください。クライアントが既に定義されている場合は、smitty nim_chmac コマンドを使用して MAC アドレスを変更できます。

3. 以下のステップを実行して、NIM マスターを JS20 ブレードをインストールするようにセットアップします。

a. smitty nim_bosinst コマンドを実行します。

b. ターゲットとして定義されている JS20 ブレードを選択します。

c. 実行するインストールのタイプを選択し、JS20 ブレードのインストールに使用するインストール・リソースを選択します。

コマンド行で bos_inst NIM 操作を使用して JS20 ブレードのインストールを準備することもできます。 bos_inst 操作の使用法について詳しくは、『NIM bos_inst 操作の使用法』を参照してください。

4. JS20 ブレードの電源をオフにします。JS20 ブレードが自動的にリブートしないようにするには、SMIT 画面で「Initiate reboot and installation now? (リブートおよびインストールを即時開始する)」を「no」に設定し、Enter キーを押します。

ステップ 2: マネージメント・モジュールからのインストールの開始

この bootp プロトコルでは、ダイレクト bootp またはブロードキャスト bootp 要求によるインストールが可能です。

1. MM Web インターフェースの「Blade Tasks (ブレードのタスク)」 → 「Configuration (構成)」を選択して、JS20 ブレードのブート・リストがネットワークからのインストールになるように設定しておき、「Boot Sequence (ブート・シーケンス)」をスクロールダウンします。

2. インストールする JS20 ブレードをクリックし、リストの 1 番目のデバイスが「Network -BOOTP (ネットワーク - BOOTP)」になっていることを確認します。JS20 ブレードのインストールは、ブートされたときに bootp 応答を最初に受信したネットワーク・アダプターから行われます。

注: JS20 ブレードの電源をオンにするときに、インストールしようとする JS20 ブレードへのLAN シリアル接続をオープンしておかないでください。

3. 「Save (保管)」をクリックします。

4. MM Web インターフェースの「Blade Tasks (ブレードのタスク)」 → 「Power/Restart (電源/再始動)」を選択して、JS20 ブレードの電源をオンにします。

5. インストールする JS20 ブレードを選択し、「Power On Blade (ブレードの電源オン)」をクリックします。

JS20 ブレードへの LAN シリアル接続がない場合は、NIM マスターから次のコマンドを実行することで、インストールの状況を表示することができます。

lsnim -l js20_nim_name

例えば、JS20 ブレードが JS20blade1 として定義されている場合は、次のコマンドを実行します。

lsnim -l JS20blade1

注: AIX bootlist コマンドを実行してネットワーク・アダプターの IP パラメーターを設定し、システムをリブートすると、その IP パラメーターは NVRAM に保管されます。ブート・シーケンスが「Network-BOOTP (ネットワーク BOOTP)」に設定されている MM から JS20 ブレードをリブートすると、JS20 ブレードはブロードキャスト bootp を実行する代わりに、NVRAM に保管されている IP パラメーターを使用しようとします。ブロードキャスト bootp を実行するには、

20 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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bootlist コマンドを実行して各 IP パラメーターを 0.0.0.0 に指定し、AIX から shutdown -Fr コマンドを使用してリブートします。例えば、ent1 にブロードキャスト bootp を実行するには、次のコマンドを実行します。

# bootlist -m normal ent1 client=0.0.0.0 bserver=0.0.0.0 gateway=0.0.0.0 hdisk0# shutdown -Fr

AIX システムにログインできない場合は、「Open Firmware (オープン・ファームウェア)」プロンプト介してダイレクト bootp を実行する場合の説明に従ってください。ただし、この場合も各 IP

アドレスを「0.0.0.0」に指定します。JS20 ブレードのインストールが正常に終了すると、ブートIP パラメーターは「0.0.0.0」にリセットされます。

ダイレクト bootp ネットワーク・インストールの実行

ダイレクト bootp を使用して、NIM サーバーから JS20 ブレードをインストールすることができます。この場合、NIM サーバーが JS20 ブレードと同じサブネットにある必要はありません。

このオプションを使用する場合は、JS20 ブレードのネットワーク・アダプターの MAC アドレス情報は必要ありません。ダイレクト bootp を実行するには、「Open Firmware (オープン・ファームウェア)」で IP

パラメーターを指定できるように、ブレードへの LAN シリアル接続が必要です。 LAN シリアルを使用して NIM インストールを実行するには、現在はネットワーク・アダプターが 2 つ必要です。 LAN シリアルを使用するアダプターと同じアダプターで AIX をインストールすることはできません。

ステップ 1: NIM サーバーの準備

1. NIM サーバーにインストールするレベルの AIX で必要となる SPOT、lpp_source、および他のリソースを作成します。NIM サーバーは通常は NIM マスターですが、NIM クライアントをNIM サーバーとしてセットアップすることもできます。 NIM リソースの作成方法については、『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

2. インストールに進む前に、JS20 ブレードについて、次のワークシートの情報を確認してください。

表 2. ネットワーク構成情報ワークシートネットワーク属性 値

ネットワーク・インターフェース (例: ent1)

ホスト名

IP アドレス _______.________.________.________

ネットワーク・マスク _______.________.________.________

ネーム・サーバー _______.________.________.________

ドメイン名

ゲートウェイ _______.________.________.________

3. NIM マスターで smitty nim_mkmac コマンドを実行して、NIM マスターに JS20 ブレードをNIM クライアントとして定義します。このコマンドによって、JS20 ブレードのクライアント定義が作成されます。コマンド行で define NIM 操作を使用して JS20 ブレードを定義することもできます。

4. インストール後に JS20 ブレードのネーム・サーバーとドメイン名を設定する場合は、resolv_conf リソースを使用します。resolv_conf リソースの作成の詳細については、『nim_script リソースの使用法』を参照してください。

5. smitty nim_bosinst コマンドを実行して、NIM マスターを JS20 ブレードをインストールするようにセットアップします。先にターゲットとして定義した JS20 ブレードを選択します。次

インストールおよび移行 21

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に、実行するインストールのタイプを選択し、JS20 ブレードのインストールに使用するインストール・リソースを選択します。コマンド行で bos_inst NIM 操作を使用して JS20 ブレードのインストールを準備することもできます。

注:

a. JS20 ブレードの電源がオフになっているかインストールされていない場合は、SMIT インターフェースの「Initiate reboot and installation now? (リブートおよびインストールを即時開始する)」を「no」に設定し、Enter を押してください。

b. JS20 ブレードの電源がオンになっていて、AIX が実行されている場合は、SMIT インターフェースの「Initiate reboot and installation now? (リブートおよびインストールを即時開始する)」を「yes」に設定してください。このオプションを選択すると、デフォルトでダイレクト bootp が開始されます。このオプションを選択した場合はステップ 2 をスキップできます。このコマンドを実行する前に、JS20 ブレードが登録済み NIM クライアントであることを確認してください。これを行うには、JS20 ブレードで smitty niminit を実行します。次に NIM マスターのホスト名と、インストールに使用するインターフェースを指定します。コマンド行で niminit コマンドを使用して JS20 ブレードを初期設定することもできます。

ステップ 2: JS20 ブレードからのダイレクト bootp の指定

1. Web ブラウザーを使用して MM の IP アドレスまたはホスト名にナビゲートし、MM の Web

インターフェースをオープンします。

2. MM Web インターフェースで「Blade Tasks (ブレードのタスク)」 → 「Serial Over LAN(LAN シリアル)」を選択して、JS20 ブレードへの LAN シリアルを使用可能にします。

3. インストールする JS20 ブレードを選択し、「Enable Serial Over LAN (LAN でシリアルを使用可能にする)」をクリックします。

4. MM Web インターフェースの「Blade Tasks (ブレードのタスク)」 → 「Power/Restart (電源/再始動)」を選択して、JS20 ブレードの電源をオンにします。

5. インストールする JS20 ブレードを選択し、「Power On Blade (ブレードの電源オン)」をクリックします。

6. MM に Telnet でログインして console コマンドを実行することにより、JS20 ブレードへのLAN シリアル接続をオープンします。例えば、JS20 ブレードがスロット 3 にある場合は、次のコマンドを実行します。

console -T blade[3]

LAN シリアル接続に一連の LED 数値が示されます。

7. E1F1 が表示されたらキーボードの 8 を押して「Open Firmware (オープン・ファームウェア)」プロンプトに移動します。

8. boot net:bootp,server_ip,,client_ip,gateway_ip を実行してネットワークからブートします。

v net タイプのブートを使用する場合は、例えば以下のようなコマンドを実行します。

boot net:bootp,192.168.2.10,,192.168.1.11,192.168.1.1

v ent1 を使用する場合は、例えば以下のようなコマンドを実行します。

boot /pci@8000000f8000000/pci@0/ethernet@1,1:bootp,192.168.2.10,,192.168.1.11,192.168.1.1

注: このコマンドでは絶対装置パス名を指定する必要があります。デバイスの絶対パスを判別するには、「Open Firmware (オープン・ファームウェア)」プロンプトで ls コマンドを実行してデバイス・ツリーをリストします。このコマンドから、例えば以下のような出力が表示されます。

22 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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0 > ls000000c87f18: /ibm,serial000000c88840: /chosen000000c88a98: /packages

...000000d31488: /vdevice000000d327a8: /vty@0000000d32f88: /IBM,sp@4000000000d33f10: /rtc@4001000000d34a18: /pci@8000000f8000000000000d384d0: /pci@0000000d4bbd0: /ethernet@1000000d5af50: /ethernet@1,1000000d3be00: /pci@3000000d6a350: /usb@0000000d845f8: /hub@1000000d854b8: /usb@0,1000000d9f760: /hub@1000000d3f798: /pci@1f000000d45ed8: /ide@4,1000000d47b10: /disk@0

強調して示されている項目は、2 番目のイーサネット・アダプターのパスです。この情報をboot コマンドに渡すと、2 番目のイーサネット・アダプターからネットワーク・ブートが開始されることになります。

9. boot コマンドを実行した後に、ネットワーク・インストールが始まります。 LAN シリアル接続に、例えば以下のような出力が表示されます。

BOOTP: chosen-network-type = ethernet,auto,none,autoBOOTP: server IP = 192.168.2.10BOOTP: requested filename =BOOTP: client IP = 192.168.1.11BOOTP: client HW addr = 0 d 60 1e c cbBOOTP: gateway IP = 192.168.1.1BOOTP: device /pci@8000000f8000000/pci@0/ethernet@1,1BOOTP: loc-code U8842.P1Z.23A0984-P1-T7

BOOTP R = 1FILE: /tftpboot/js20blade1.austin.ibm.comLoad Addr=0x0000000000004000, Max Size=0x0000000000bfc000FINAL Packet Count = 21131FINAL File Size = 10818623 bytes.load-base=0x4000real-base=0xc00000

Elapsed time since release of system processors: 2 mins 28 secs...

テープへのシステム・バックアップの作成このシナリオに従えば、ブート可能なシステム・バックアップ (ルート・ボリューム・グループのバックアップ または mksysb イメージ ともいう) を作成して検査することができます。

考慮すべき点

インストールおよび移行 23

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ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

ステップ 1. システム・バックアップ作成の準備

システム・バックアップを作成する前に、以下の前提条件を完全に整えてください。

v root ユーザーとしてログインしていることを確認します。

v 他の異なる構成のターゲット・システムにインストールするために、バックアップ・イメージを使用する場合は、ソース・システムを構成する前に イメージを作成するか、または bosinst.data ファイルで、 RECOVER_DEVICES 変数を no に設定する必要があります。bosinst.data ファイルについての詳細は、「インストールおよびマイグレーション」の『bosinst.data ファイル』を参照してください。

v ソース・システムのマスター・コピーを作成するためにバックアップを使用する場合は、パスワードおよびネットワーク・アドレスの変更を考えてください。ソースからターゲット・システムへパスワードをコピーすると、セキュリティー上の問題が発生する可能性があります。また、ネットワーク・アドレスをターゲット・システムにコピーすると、重複するアドレスによって、ネットワーク通信が混乱する場合もあります。

v バックアップしたいすべてのファイルシステムをマウントしてください。 mksysb コマンドは、 rootvg内にマウントされている JFS および JFS2 のみをバックアップします。ファイルシステムをマウントするには、mount コマンドを使用してください。

注: mksysb コマンドは、 NFS ネットワークにマウントされたファイルシステムをバックアップしません。

v 別のローカル・ディレクトリーの上にマウントされているローカル・ディレクトリーは、アンマウントしてください。

注: 同一ファイルシステム内で、ローカル・ディレクトリーが別のローカル・ディレクトリーの上にマウントされている場合、このバックアップ手順では、ファイルは 2 回バックアップされます。例えば、/usr/tmp の上に /tmp をマウントすると、 /tmp ディレクトリー内のファイルが 2 回バックアップされます。この重複によって、 1 つのファイルシステムに保持できるファイル数を超える可能性があり、バックアップ・イメージの将来のインストールが失敗するかもしれません。

v バックアップしたくないファイルのリストを作成するには、 /etc/exclude.rootvg ファイルを使用してください。

v /tmp ディレクトリーでは、最低 12 MB の空きディスク・スペースを使用可能にしてください。mksysb コマンドは、バックアップ期間中は、このワークスペースを必要とします。

/tmp ディレクトリーでのフリー・スペースを確認するには、df コマンドを使用してください。 512 バイト・ブロック単位で報告されます。必要に応じて、chfs コマンドを使用して、ファイルシステムのサイズを変更してください。

例えば、以下のコマンドは、4 MB の区画があるシステムの /tmp ディレクトリーに、12 MB のディスク・スペースを追加します。

# chfs -a size=+24000 /tmp

v テープやメディア・ドライブなどの外部デバイスも含めて、すべてのハードウェアが既にインストールされている必要があります。

v bos.sysmgt.sysbr ファイルセットがインストールされている必要があります。 bos.sysmgt.sysbr ファイルセットは、AIX 5.3 では自動的にインストールされます。システムに bos.sysmgt.sysbr ファイルセットがインストールされているかどうかを確認するには、以下を入力します。

24 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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# lslpp -l bos.sysmgt.sysbr

lslpp コマンドによって、bos.sysmgt.sysbr ファイルセットがリストされない場合は、バックアップ手順を続ける前に、そのファイルセットをインストールしてください。以下を入力します。

# installp -agqXd /dev/cd0 bos.sysmgt.sysbr

ステップ 2. テープへのシステム・バックアップの作成1. smit mksysb 高速パスを入力します。

2. 「Backup DEVICE or File (バックアップの出力デバイスまたはファイル)」フィールドで、磁気テープ装置を選択します。

3. マップ・ファイルを作成したい場合は、「Create Map Files? (マップ・ファイルを作成する)」で、「yes (はい)」を選択します。

詳しくは、「オペレーティング・システムおよびデバイスの管理」の『正確な割り当てのためのマップ・ファイルの使用』を参照してください。

注: ソース・システムでなくターゲット・システムへバックアップを再インストールする場合、またはバックアップを再インストールする前に、ソース・システムのディスク構成が変更される可能性のある場合、マップ・ファイルは作成しないでください。

4. 特定のファイルをバックアップから除外するには、「Exclude Files (ファイルの除外)」フィールドでyes を選択します。

5. 「List files as they are backed up (バックアップするファイルをリストする)」フィールドで、yes を選択します。

6. バックアップの間に他のプログラムを実行する場合は、「Disable software packing of backup? (バックアップのソフトウェア・パッキングを使用不可にする)」フィールドで yes を選択します。

7. 残りのメニュー・オプションは、デフォルト値を使用します。

8. Enter を押し、確認した後、システム・バックアップ・プロセスが開始されます。

9. 「COMMAND STATUS (コマンド状況)」画面が表示され、システムがバックアップ・イメージを作成している間に、状況メッセージが表示されます。バックアップ処理が完了すると、「COMMAND: (コマンド:)」フィールドが「OK (了解)」に変わります。

10. バックアップ完了後に SMIT を終了するには、 F10 (または Esc + 0) を押します。

11. テープを取り外して、テープにラベルを付けます。バックアップ・テープは、ライト・プロテクトにしてください。

12. バックアップの root パスワードおよびユーザー・パスワードがある場合は、それを記録しておいてください。これらのパスワードは、バックアップを使用して、このシステムを復元する場合、または別のシステムにインストールする場合に、アクティブになります。

これで、rootvg のバックアップ作成が完了しました。システム・バックアップにはブート・イメージが含まれるので、何らかの理由でハード・ディスクからブートできなくなった場合には、このテープを使用してシステムを始動できます。

システム・バックアップ・テープを使用するシステムのクローン作成mksysb を用いて、1 つのシステム・イメージのクローンを、複数のターゲット・システム上に作成することができます。

考慮すべき点

インストールおよび移行 25

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ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

これらのターゲット・システムは、場合によっては、同じハードウェア・デバイスやアダプターを備えていなかったり、同じカーネル (ユニプロセッサーまたはマイクロプロセッサー) を必要としたり、ソース・システムと同じハードウェア・プラットフォームであったりします。

AIX 5.2 から、基本オペレーティング・システム (BOS) インストール・プロセスの際に、すべてのデバイスおよびカーネルのサポートがデフォルトでインストールされるようになりました。「Install Software (ソフトウェアのインストール)」メニューの「Enable System Backups to install any system (システム・バックアップを使用可能にして任意のシステムにインストールする)」選択が「yes (はい)」に設定されていると、サポートされるシステムのブートとインストールを行う mksysb イメージを作成できます。以下のように入力して、ご使用のシステムにおいてすべてのデバイスおよびカーネルのサポートがインストールされていることを確認してください。

# grep ALL_DEVICES_KERNELS /var/adm/ras/bosinst.data

次のような出力が表示されます。

ALL_DEVICES_KERNELS = yes

BOS インストールの際に、システムにすべてのデバイスおよびカーネルのサポートをインストールしなかった場合は、以下のシナリオを使用してください。ブートは、必ず、ご使用のシステムに適したプロダクト・メディアから行い、このときの BOS (基本オペレーティング・システム) のメンテナンス・レベルまたはテクノロジー・レベルは、 mksysb が作成されたときの BOS インストール済みのソース・システムと同じにしてください。例えば、BOS AIX 5.3 メディアを、AIX 5.3 システムからの mksysb と一緒に使用します。この方法は、システム・バックアップ・テープを別のシステムにインストールする場合に使用します。

実行する作業は、次のとおりです。

1. メディア・ドライブに AIX Volume 1 メディア、磁気テープ装置にシステム・バックアップ・テープを入れてシステムをブートします。

2. 「Start Maintenance Mode for System Recovery (システム・リカバリー用保守モードの開始)」を選択します。

3. 「Install from a System Backup (システム・バックアップからのインストール)」を選択します。

4. バックアップ・テープが入っているドライブを選択してから、 Enter を押します。

システムは、そのメディアを読み取り、インストールを開始します。

BOS インストール言語をたずねるプロンプトが出され、「Welcome (ようこそ)」画面が表示されます。クローン作成はプロンプトなしインストールではサポートされないため、「Prompted Installation (プロンプト付きインストール)」から続けてください。

バックアップ・テープを復元するためにプロダクト・メディアからクローンを作成している場合は、メディア・ドライブからメディアを取り出さないでください。

mksysb インストールが完了したあと、インストール・プログラムは、ブート元のオリジナル・プロダクト・メディアを使用して、追加のデバイスとカーネル (ユニプロセッサーまたはマイクロプロセッサー)

を、システムに自動的にインストールします。情報は、BOS インストール・ログ・ファイルに保管されます。 BOS インストール・ログ・ファイルを見たいときは、 cd /var/adm/ras と入力し、このディレクトリーの devinst.log ファイルを表示してください。

26 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ソース・システムに正しいパスワードとネットワーク情報がない場合は、この時点で、ターゲット・システム上で修正を行うことができます。また、プロダクトによっては、デバイス特有のファイルを提供するものもあります (graPHIGS など)。ソースのグラフィックス・アダプターが、ターゲット・システムとは異なっている場合は、グラフィックス関連の LPP 用のデバイス特有のファイルセットがインストールされているか、確認してください。

失敗したソフトウェア・インストールのクリーンアップこのシナリオを使用すると、インストールが割り込まれた、あるいは失敗した後に、ソフトウェア・プロダクトおよび保守更新をクリーンアップすることができます。

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

クリーンアップ手順では、部分的にはインストールされたか、不完全な状態で残されている項目を削除しようとします。このシナリオは、オプションのソフトウェア製品の更新またはインストールにのみ適用されます。 AIX 5.2BOS のインストールが失敗した場合は、BOS のインストール後のトラブルシューティングを参照してください。

注: システムを安全にリカバリーできるようにするには、更新されたソフトウェアをインストールする前に、まずシステム・バックアップを実行することをお勧めします。システム・バックアップの作成方法については、システム・バックアップの作成 を参照してください。

クリーンアップ手順では、更新をその前の状態に復帰させようとします。例えば、「COMMITTING (コミット中)」状態のときに割り込まれた更新をクリーンアップする場合、クリーンアップ手順は、更新をその「APPLIED (適用)」状態に戻そうとします。

更新インストールが割り込まれた場合は、lslpp -l コマンドを実行して、更新の現在の状態を確認します。例えば、更新インストールが割り込まれた場合に lslpp -l を実行すると、更新状況を「APPLIED (適用済み)」ではなく「APPLYING (適用中)」と報告する場合があります。

インストールの初期状態の間に割り込みが発生した場合、クリーンアップ手順はインストールを完全に削除し、プロダクトの前のバージョン (あれば) を復元しようとします。前のバージョンが復元されたら、それがアクティブ・バージョンになります。前のバージョンを復元できない場合、そのソフトウェアは lslpp -lコマンドによって「BROKEN (壊れた)」としてリストされます。

プロダクトが削除された場合、または「BROKEN (壊れた)」の状態になった場合、ソフトウェアの再インストールを試みることができます。「BROKEN (壊れた)」の状態のプロダクトをクリーンアップできません。再インストールするかまたは除去するしかありません。

SMIT を使用するクリーンアップ手順の開始

1. コマンド行に smit maintain_software と入力します。

2. 「Clean Up After Failed or Interrupted Installation (インストールの障害または割り込み後のクリーンアップ)」を選択してから、Enter を押します。

コマンド行からのクリーンアップ手順の開始コマンド行で installp -C と入力して、Enter を押します。

クリーンアップ手順を実行後、システムをリブート (再始動) するようプロンプトが出されたなら、リブートしてください。

インストールおよび移行 27

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クリーンアップできるはずのプロダクトが見つからなかったことを示すメッセージが出された場合は、必要ないときにクリーンアップ手順を実行してしまった可能性があります。インストールを再度試みてください。

区画インストール用メディア・デバイスを使用した AIX のインストール(HMC を使用)この手順では、ロジカル・パーティションに、その区画のメディア・デバイスを使用して、基本オペレーティング・システムの新規および完全インストールを行います。この手順は、管理下のシステムに HMC が接続されていることを前提としています。

前提条件

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

注: 選択するインストール方式に応じて、記載してあるステップの順序に必ず従うようにしてください。手順ごとに、AIX を使用して実行する必要があるインストール・ステップと、HMC インターフェースを使用して実行するステップがあります。

この手順を始める前に、HMC を使用して、クライアントの区画および区画プロファイルを作成しておく必要があります。メディア・デバイスに接続する SCSI バス・コントローラー、ネットワーク・アダプター、および十分な AIX オペレーティング・システム用ディスク・スペースを区画に割り当てます。この区画のブート・モードを SMS モードに設定します。区画と区画プロファイルを正常に作成したら、区画を作動可能 状態にしておきます。ロジカル・パーティションおよび区画プロファイルの作成方法については、「IBM® eServer™ ハードウェア Information Center」内の『Creating logical partitions and partition profiles』の項目を参照してください。

ステップ 1. 区画の活動化とインストール (このステップは HMC インターフェースで実行)1. 以下のようにして区画を活動化します。

a. AIX 5L Volume 1 メディアを管理下のシステムのメディア・デバイスに挿入します。

b. 区画を右マウス・ボタンでクリックしてメニューをオープンします。

c. 「Activate (活動化)」を選択します。「Activate Partition (パーティションの活動化)」メニューがオープンし、ここで区画プロファイルを選択します。正しいプロファイルが強調表示されていることを確認してください。

d. メニューの下部にある「Open a terminal window or console session (端末ウィンドウまたはコンソール・セッションのオープン)」を選択して仮想端末 (vterm) ウィンドウを開きます。

e. 「Advanced (詳細)」を選択して「Advanced options (詳細オプション)」メニューを開きます。

f. 「Boot mode (ブート・モード)」として「SMS」を選択します。

g. 「OK (了解)」を選択して「Advanced options (詳細オプション)」メニューを閉じます。

h. 「OK (了解)」を選択します。パーティションの vterm ウィンドウがオープンします。

2. vterm の SMS メニューで、以下のようにします。

a. 5 キーを押してから Enter を押して「5. Select Boot Options (5. ブート・オプションの選択)」を選択します。

28 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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PowerPC FirmwareVersion SF220_001SMS 1.5 (c) Copyright IBM Corp. 2000, 2003 All rights reserved.-------------------------------------------------------------------------------Main Menu

1. Select Language2. Setup Remote IPL (Initial Program Load)3. Change SCSI Settings4. Select Console5. Select Boot Options

-------------------------------------------------------------------------------Navigation Keys:

X = eXit System Management Services-------------------------------------------------------------------------------Type the number of the menu item and press Enter or select Navigation Key: 5

b. 2 キーを押してから Enter を押して「2. Select Boot Devices (2. ブート・デバイスの選択)」を選択します。

c. 1 キーを押してから Enter を押して「1. Select 1st Boot Device (1. 1 番目のブート・デバイスの選択)」を選択します。

d. 3 キーを押してから Enter を押して「3. CD/DVD」を選択します。

e. メディア・デバイスが該当するメディア・タイプを選択し、Enter キーを押します。

f. メディア・デバイスが該当するデバイス番号を選択し、Enter キーを押します。これでメディア・デバイスが、「Current Boot Sequence (現在のブート・シーケンス)」リストの 1 番目のデバイスになります。

g. 「Configure Boot Device Order (ブート・デバイス順序の構成)」メニューに戻るまで ESC キーを押します。

h. 2 キーを押して「2. Select 2nd Boot Device (2. 2 番目のブート・デバイスの選択)」を選択します。

i. 5 キーを押してから Enter を押して「5. Hard Drive (5. ハード・ディスク)」を選択します。

j. 区画にハード・ディスクが複数ある場合は、どのハード・ディスクを使用して AIX のインストールを行うかを決定します。ハード・ディスクが該当するメディア・タイプを選択し、Enter キーを押します。

k. ハード・ディスクが該当するデバイス番号を選択し、Enter キーを押します。

l. x キーを押して SMS メニューを終了します。 SMS を終了することを確認します。

3. 以下のようにして、AIX 5L Volume 1 からブートします。

a. コンソールを選択し、Enter キーを押します。

b. BOS インストール・メニューの言語を選択し、Enter キーを押すと、「Welcome to Base Operating

System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」メニューが表示されます。

c. 「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して Enter を押すことにより、「Change/Show InstallationSettings and Install (インストール設定値の変更/表示、およびインストール)」を選択します。

インストールおよび移行 29

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Welcome to Base Operating SystemInstallation and Maintenance

Type the number of your choice and press Enter. Choice is indicated by >>>.

1 Start Install Now with Default Settings

2 Change/Show Installation Settings and Install

3 Start Maintenance Mode for System Recovery

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]: 2

4. 以下のようにして、BOS インストール設定の確認または変更を行います。

a. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して、「System Settings (システム設定)」を選択します。

b. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して Enter を押すことにより、「New and Complete

Overwrite (新規および完全上書き)」を選択します。

注: 使用可能なインストール方式は、ディスクに AIX の前にバージョンがインストール済みであるかどうかによって異なります。

c. 「Change Disk(s) (ディスクの変更)」画面が開くと、インストールの宛先ディスクを変更できます。表示されたデフォルトが正しければ、「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押します。宛先ディスクを変更するには、以下のようにします。

1) 「Choice (選択)」フィールドに、選択する各ディスクの番号を入力して、 ENTER キーを押します。すべてのディスクを選択し終わるまで、 Enter キーを最後まで押さないで ください。あるディスクを選択解除する必要がある場合、その番号を再び入力し、ENTER キーを押します。

2) ディスクの選択が終わったら、「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押します。「Installation and Settings (インストールと設定)」画面が表示され、「System Settings (システム設定)」の下に選択済みディスクがリストされます。

d. 必要な場合は 1 次言語環境を変更します。このインストールで使用される 1 次言語を変更するには、以下のステップに従って、使用する言語と国/地域別情報を選択します。

注: 1 次言語環境に対する変更は、基本オペレーティング・システムのインストールが完了してシステムがリブートされるまで、効力をもちません。

1) 「Installation and Settings (インストールと設定)」画面の「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して、「Primary Language Environment Settings (1 次言語環境設定)」オプションを選択します。

2) 国/地域別情報、言語、およびキーボードのオプションの該当するセットを選択します。大半のオプションは、事前に組み合わせて定義したものですが、ユーザー自身によるオプションの組み合わせを定義することもできます。

v 事前定義の 1 次 言語環境 を選択するには、「選択」フィールドに該当する番号を入力して、Enter キーを押します。

v ユーザー独自の 1 次言語環境を構成するには、以下のようにします。

a) 「MORE CHOICES (選択項目の続き)」を選択します。

b) 「Create Your Own Combination (ユーザー独自の組み合わせの作成)」を選択します。

c) 「Set Primary Cultural Convention (1 次国/地域別情報の設定)」画面が開いたら、ユーザーが選択する国/地域別情報に該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力して Enter

を押します。

30 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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d) 「Set Primary Language (1 次言語の設定)」画面が開いたら、選択する 1 次言語に該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力して Enter を押します。

e) 「Set Keyboard (キーボードの設定)」画面が開いたら、システムに接続されているキーボードに該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力して Enter を押します。

e. 選択をすべて終えたら、選択内容が正しいことを確認してください。 Enter キーを押すと選択の確認が行われ、BOS インストールが開始されます。インストール完了後、システムは自動的にリブートします。

5. 区画の通常モードへの切り替えを、以下のようにして行います。

a. 区画プロファイルを右マウス・ボタンでクリックしてメニューをオープンします。正しい区画プロファイルが強調表示されていることを確認してください。

b. 「Properties (属性)」を選択します。

c. 「Settings (設定)」タブを選択します。

d. 「Boot Mode (ブート・モード)」として「Normal (通常)」を選択します。

e. 「OK (了解)」を選択して、「Properties (属性)」メニューを閉じます。

f. 区画を右マウス・ボタンでクリックしてメニューをオープンします。

g. 「Restart Partition (パーティションの再始動)」を選択します。

h. 「Restart Options (再起動オプション)」として「Immediate (即時)」を選択します。

i. 区画を再始動することの確認が行われます。

j. 区画が再始動したら、区画を右マウス・ボタンでクリックしてメニューをオープンします。

k. 「Open terminal window (端末エミュレーターを開く)」を選択して、仮想端末 (vterm) ウィンドウを開きます。

6. BOS インストールを、以下のようにして完了します。

a. ターミナル・タイプとして vt100 と入力します。

Set Terminal TypeThe terminal is not properly initialized. Please enter a terminal typeand press Enter. Some terminal types are not supported innon-English languages.

ibm3101 tvi912 vt330ibm3151 tvi920 vt340ibm3161 tvi925 wyse30ibm3162 tvi950 wyse50ibm3163 vs100 wyse60ibm3164 vt100 wyse100ibmpc vt320 wyse350lft sun

+-----------------------Messages------------------------| If the next screen is unreadable, press Break (Ctrl-c)

88 Help ? | to return to this screen.99 Exit |

|>>> Choice []: vt100

b. 「License Agreement (ご使用条件)」メニューで「Accept License Agreements (ソフトウェアのご使用条件に同意)」を選択します。

c. 「ACCEPT Installed License Agreements (インストール済みのご使用条件に同意)」に対して「yes」を選択します。

d. F10 キー (または Esc キーを押しながら 0 キー) を押して「License Agreement (ご使用条件)」メニューを終了します。

インストールおよび移行 31

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e. 「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューで「Set Date and Time (日付および時刻の設定)」を選択します。

Installation Assistant

Move cursor to desired item and press Enter.

Set Date and TimeSet root PasswordConfigure Network CommunicationsInstall Software ApplicationsUsing SMIT (information only)

F1=Help F2=Refresh F3=Cancel F8=ImageF9=Shell F10=Exit Enter=Do

f. 正しい日付、時刻、およびタイムゾーンを設定します。F3 キー (または Esc キーを押しながら 3

キー) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューに戻ります。

g. 「Set root Password (root パスワードの設定)」を選択します。パーティションの root パスワードを設定します。

h. 「Configure Network Communications (ネットワーク通信の構成)」を選択します。「TCP/IPStartup (TCP/IP の始動)」を選択します。「Available Network Interfaces (使用可能なネットワーク・インターフェース)」の中から選択して Enter キーを押します。「Minimum Configuration and

Startup (最小構成と始動)」メニューの該当するネットワーク情報を入力し、Enter キーを押します。F3 キー (または Esc キーを押しながら 3 キー) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューに戻ります。

i. F10 キー (または Esc キーを押しながら 0 キー) を押して「Installation Assistant (インストール・アシスト)」を終了します。

j. vterm ウィンドウにログイン・プロンプトが表示されます。

ステップ 2. 区画の管理 (このステップは AIX 環境で実行)

インストールが完了してシステムがリブートすると、vterm ウィンドウにログイン・プロンプトが表示されます。

このとき、一般的なシステム管理手順をいくつか実行することができます。次の表は、それらの手順の実行に関する情報がどこにあるかをリストしたものです。

表 3. 一般的なシステム管理手順

手順 参照先

システム・バックアップのバックアップとリカバリー

「インストールおよびマイグレーション」の『システム・バックアップの作成とインストール』

ユーザーおよびグループの管理 「セキュリティー」の『ユーザー、ロール、およびパスワード』

ソフトウェアのインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新』

フィックス/更新のインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新』

システムのパフォーマンスの調整 「パフォーマンス・マネージメント」の『パフォーマンス・チューニング』

プリンターの構成 プリンターおよび印刷

32 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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区画インストール用メディア・デバイスを使用した AIX のインストール(HMC を非使用)この手順では、スタンドアロン・システムに、システムの内蔵メディア・デバイスを使用して、基本オペレーティング・システムの新規および完全インストールを行います。

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

ここには AIX オペレーティング・システムをインストールするための手順情報が記載してあります。AIX 基本オペレーティング・システムのインストールを実行する場合の概念と考慮事項、またはネットワーク・インストール・マネージャー (NIM) を使用して AIX のインストールおよび保守を行う場合の概念と要件について詳しくは、「インストールおよびマイグレーション」を参照してください。

この時点で、BOS のインストールは完了し、システムの初期構成作業も完了しています。

ステップ 1. インストールのためのシステムの準備v 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX 5.3 256 から 512 MB

のメモリーと 2.2 GB の物理ディスク・スペースが必要です。追加のリリース情報については、「AIX

5.3 リリース・ノート」を参照してください。

v すべての外付けデバイスを含め、ハードウェアが完全に設置および接続されていることを確認してください。設置や接続の手順については、システム装置付属のマニュアルを参照してください。

v 他のシステムと通信し、他のシステムのリソースにアクセスすることが必要なシステムの場合は、インストールを開始する前に下記のワークシートの情報を調べておいてください。

表 4. ネットワーク構成情報ワークシートネットワーク属性 値

ネットワーク・インターフェース (例: en0、et0)

ホスト名

IP アドレス _______.________.________.________

ネットワーク・マスク _______.________.________.________

ネーム・サーバー _______.________.________.________

ドメイン名

ゲートウェイ _______.________.________.________

ステップ 2. AIX プロダクト・メディアからのブート1. AIXVolume 1 のメディアをメディア・デバイスに挿入します。

2. システムに接続されているすべての外付けデバイス (CD-ROM ドライブ、テープ・ドライブ、DVD デバイス、端末装置など) の電源がオンになっていることを確認します。 AIX のインストールに使用する以外のメディア・ドライブには、インストール・メディアが入っていないようにしてください。

3. AIX プロダクト・メディアからブートさせるためのシステムの電源オンに必要などのような手順にも従います。必要であれば、ハードウェア資料の説明をお読みください。

注: ほとんどの旧マイクロチャネル・システムでは、システムの電源オン前にキーロックをサービス位置に設定する必要があります。一部の旧 PCI システムでは、電源オン後に数秒間、システムがビープ音を出し、コンソール上で IBM または RS/6000 の表示を繰り返す場合に、5 を入力するかまたは F5

インストールおよび移行 33

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キーを押す必要があります (ASCII 端末またはカラー・グラフィックス・ディスプレイ・コンソールのいずれが備わっているかに応じて決まります)。ほとんどの現行 PCI システムでは、プロンプトが出されたときに繰り返し 5 キーを押すだけで済みます (どのタイプのコンソールが備わっているかに関係なく)。また、ほとんどの現行システムは、サービス・プロセッサー・メニューを使用した電源オンの前に代替メディアからブートするように設定することができます。詳しくは、ご使用のハードウェアに付属の資料をお読みください。

4. プロンプトで示されるキー (1、2、F1、F2 など) を押すことによってプロンプトが出されたときに、システム・コンソールを選択します。

5. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力することにより、基本オペレーティング・システム (BOS) インストール・メニューの言語として英語を選択します。 Enter キーを押すと、「Welcome to the Base

Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」画面が表示されます。

6. 「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して Enter を押すことにより、「2 Change/Show InstallationSettings and Install (2 インストール設定値の変更/表示、およびインストール)」を選択します。

Welcome to Base Operating SystemInstallation and Maintenance

Type the number of your choice and press Enter. Choice is indicated by >>>.

1 Start Install Now with Default Settings

2 Change/Show Installation Settings and Install

3 Start Maintenance Mode for System Recovery

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]: 2

ステップ 3. BOS インストール設定値の設定と確認1. 「Installation and Settings (インストールと設定)」画面で、インストールのさまざまな設定値が正しいものであることを確認します。確認するべき設定値には、インストール方法 (新規および完全上書き)、インストール先ディスク、1 次言語環境設定、および詳細オプションがあります。

2. 「System Settings (システム設定値)」を変更するには、「Choice (変更)」フィールドに 1 を入力してから Enter を押します。システム設定値には、インストール方法、およびインストール先ディスクが含まれています。

Installation and Settings

Either type 0 and press Enter to install with current settings, or type thenumber of the setting you want to change and press Enter.

1 System Settings:Method of Installation.............New and Complete OverwriteDisk Where You Want to Install.....hdisk0

>>> Choice [0]: 1

3. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して Enter を押すことにより、「New and Complete

Overwrite (新規および完全上書き)」を選択します。「Change Disk(s) Where You Want to Install (インストールするディスクの変更)」画面が表示されます。

34 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Change Disk(s) Where You Want to Install

Type one or more numbers for the disk(s) to be used for installation and pressEnter. To cancel a choice, type the corresponding number and Press Enter.At least one bootable disk must be selected. The current choice is indicatedby >>>.

Name Location Code Size(MB) VG Status Bootable

1 hdisk0 04-B0-00-2,0 4296 none Yes2 hdisk1 04-B0-00-5,0 4296 none Yes3 hdisk2 04-B0-00-6,0 12288 none Yes

>>> 0 Continue with choices indicated above

66 Disks not known to Base Operating System Installation77 Display More Disk Information88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [0]:

4. 「Change Disk(s) Where You Want to Install (インストールするディスクの変更)」画面で、

a. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して Enter を押すことにより、hdisk0 を選択します。選択されたディスクには、>>> が表示されます。インストール先ディスクを選択解除するには、その番号をもう一度入力してから Enter を押してください。

b. 「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押すことにより、ディスクの選択作業を終了します。「Installation and Settings (インストールと設定)」画面が表示され、「System Settings (システム設定)」の下に選択されたディスクがリストされます。

5. 「Primary Language Environment Settings (1 次言語環境設定)」を米国英語に変更します。以下のステップに従って、「Cultural Convention (国/地域別情報)」、「Language (言語)」、および「Keyboard (キーボード)」を英語に変更します。

a. 「Installation and Settings (インストールと設定)」画面の「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して、「Primary Language Environment Settings (1 次言語環境設定)」オプションを選択します。

b. 「Choice (選択)」フィールドで、「Cultural Convention (国/地域別情報)」の米国英語に対応する番号を入力して、Enter を押します。

c. キーボードと言語のオプションについて、該当するオプションを選択します。

6. 「Overwrite Installation Summary (上書きインストールの要約)」画面で、選択した値が正しいことを確認してください。次のとおりです。

Overwrite Installation Summary

Disks: hdisk0Cultural Convention: en_USLanguage: en_USKeyboard: en_US64 Bit Kernel Enabled: NoJFS2 File Systems Created: NoDesktop: CDEEnable System Backups to install any system: Yes

Optional Software being installed:

>>> 1 Continue with Install88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]:

インストールおよび移行 35

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7. Enter を押すと、BOS のインストールが始まります。インストール完了後、システムは自動的にリブートします。

ステップ 4. インストール後のシステムの構成1. グラフィック・ディスプレイのシステムでは、新規および完全上書きインストールの後、「Configuration Assistant (構成アシスト)」が表示されます。 ASCII ディスプレイのシステムでは、新規および完全上書きインストールの後、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」が表示されます。

2. 「Accept Licenses (ご使用条件に同意)」オプションを選択して、オペレーティング・システムの電子ライセンスに同意してください。

3. 日付および時刻を設定し、管理者 (root ユーザー) のパスワードを設定し、ネットワーク通信 (TCP/IP)

を構成します。

その他のオプションがあるなら、この時点で使用します。コマンド行で configassist または smitty

assist を入力すると、「Configuration Assistant (構成アシスト)」または「Installation Assistant (インストール・アシスト)」に戻ります。

4. 「Exit the Configuration Assistant (構成アシストの終了)」を選択した後、「Next (次へ)」を選択します。あるいは、F10 (または ESC+0) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」を終了します。

5. 「Configuration Assistant (構成アシスト)」の場合は、「Finish now, and do not start ConfigurationAssistant when restarting AIX (ここで完了し、オペレーティング・システムの再起動時に構成アシストを起動しない)」を選択して、「Finish (完了)」を選択します。

ステップ 5. システムの管理

このとき、一般的なシステム管理手順をいくつか実行することができます。次の表は、それらの手順の実行に関する情報がどこにあるかをリストしたものです。

表 5. 一般的なシステム管理手順

手順 参照先

システム・バックアップのバックアップとリカバリー

「インストールおよびマイグレーション」の『システム・バックアップの作成とインストール』

ユーザーおよびグループの管理 「セキュリティー」の『ユーザー、ロール、およびパスワード』

ソフトウェアのインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新』

フィックス/更新のインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新』

システムのパフォーマンスの調整 「パフォーマンス・マネージメント」の『パフォーマンス・チューニング』

プリンターの構成 プリンターおよび印刷

新規インストール後の AIX 5L システムの構成新規および完全上書きインストール後に構成アシストを使用します。

考慮すべき点

36 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

v グラフィック・ディスプレイのシステムでは、新規および完全上書きインストールの後、「Configuration

Assistant (構成アシスト)」が表示されます。

1. 「Accept Licenses (ご使用条件に同意)」オプションを選択して、オペレーティング・システムの電子ライセンスに同意してください。

2. 日付および時刻を設定し、管理者 (root ユーザー) のパスワードを設定し、ネットワーク通信(TCP/IP) を構成します。

その他のオプションがあるなら、この時点で使用します。コマンド行で configassist と入力することにより、「Configuration Assistant (構成アシスト)」にいつでも戻ることができます。

3. 「Exit the Configuration Assistant (構成アシストの終了)」を選択した後、「Next (次へ)」を選択します。

4. 「Configuration Assistant (構成アシスト)」の場合は、「Finish now, and do not start ConfigurationAssistant when restarting AIX (ここで完了し、オペレーティング・システムの再起動時に構成アシストを起動しない)」を選択して、「Finish (完了)」を選択します。

この時点で、BOS のインストールは完了し、システムの初期構成作業も完了しています。

v ASCII ディスプレイのシステムでは、新規および完全上書きインストールの後、「Installation Assistant

(インストール・アシスト)」が表示されます。

1. 「Set Terminal Type (ターミナル・タイプの設定)」メニューが表示されたら、ターミナル・タイプとして vt100 と入力します。

Set Terminal TypeThe terminal is not properly initialized. Please enter a terminal typeand press Enter. Some terminal types are not supported innon-English languages.

ibm3101 tvi912 vt330ibm3151 tvi920 vt340ibm3161 tvi925 wyse30ibm3162 tvi950 wyse50ibm3163 vs100 wyse60ibm3164 vt100 wyse100ibmpc vt320 wyse350lft sun

+-----------------------Messages------------------------| If the next screen is unreadable, press Break (Ctrl-c)

88 Help ? | to return to this screen.99 Exit |

|>>> Choice []: vt100

2. 「License Agreement (ご使用条件)」メニューで「Accept License Agreements (ソフトウェアのご使用条件に同意)」を選択します。

3. 「ACCEPT Installed License Agreements (インストール済みのご使用条件に同意)」に対して「yes」を選択します。

4. F10 キー (または Esc キーを押しながら 0 キー) を押して「License Agreement (ご使用条件)」メニューを終了します。

5. 「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューで「Set Date and Time (日付および時刻の設定)」を選択します。

インストールおよび移行 37

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Installation Assistant

Move cursor to desired item and press Enter.

Set Date and TimeSet root PasswordConfigure Network CommunicationsInstall Software ApplicationsUsing SMIT (information only)

F1=Help F2=Refresh F3=Cancel F8=ImageF9=Shell F10=Exit Enter=Do

6. 正しい日付、時刻、およびタイムゾーンを設定します。F3 キー (または Esc キーを押しながら 3

キー) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューに戻ります。

7. 「Set root Password (root パスワードの設定)」を選択します。パーティションの root パスワードを設定します。

8. 「Configure Network Communications (ネットワーク通信の構成)」を選択します。「TCP/IPStartup (TCP/IP の始動)」を選択します。「Available Network Interfaces (使用可能なネットワーク・インターフェース)」の中から選択して Enter キーを押します。「Minimum Configuration and

Startup (最小構成と始動)」メニューの該当するネットワーク情報を入力し、Enter キーを押します。F3 キー (または Esc キーを押しながら 3 キー) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューに戻ります。

9. F10 キー (または Esc キーを押しながら 0 キー) を押して「Installation Assistant (インストール・アシスト)」を終了します。

10. vterm ウィンドウにログイン・プロンプトが表示されます。

この時点で、BOS のインストールは完了し、システムの初期構成作業も完了しています。

インストール後の AIX システムの管理

このとき、一般的なシステム管理手順をいくつか実行することができます。次の表は、それらの手順の実行に関する情報がどこにあるかをリストしたものです。

表 6. 一般的なシステム管理手順

手順 参照先

システム・バックアップのバックアップとリカバリー

「インストールおよびマイグレーション」の『システム・バックアップの作成とインストール』

ユーザーおよびグループの管理 「セキュリティー」の『ユーザー、ロール、およびパスワード』

ソフトウェアのインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプショナル・ソフトウェア製品およびメンテナンス更新』

修正/更新のインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプショナル・ソフトウェア製品およびメンテナンス更新』

システムのパフォーマンスの調整 「パフォーマンス・マネージメント」

プリンターの構成 「プリンターおよび印刷」

基本オペレーティング・システムのインストールAIX 基本オペレーティング・システムをインストールする方法はいくつかあります。

38 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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基本オペレーティング・システム (BOS) のインストール・プログラムは、最初に実行時 bos イメージを復元してから、ユーザーの選択に応じたファイルセットをインストールします。インストール・プログラムは、ユーザーが選択した言語に応じて、必要なメッセージ・ファイルセットを自動的にインストールします。

旧バージョンのシステムを再インストールする場合、DVD メディアはブートのためだけに使用するか、または 64 ビット・メディアを再インストールします。使用しているシステムが 32 ビット・システムであるか、または 64 ビット・システムであるかを判別するには、 -c フラグを指定した prtconf コマンドを実行します。

インストール・オプションの詳細については、 42ページの『BOS インストール・オプション』を参照してください。

AIX では、以下のインストール方式が使用可能です。

新規および完全上書きこの方式は、AIX 5.3 を新規マシンにインストールするか、ユーザーのシステム上の既存の任意のBOS バージョンを完全に上書きします。

AIX 5.3 を新規マシンにインストールする手順、または既存のマシンに BOS を完全に上書きする手順については、 57ページの『BOS の新規および完全上書きインストールまたは保存インストール』を参照してください。

保存 この方式では、前のバージョンの BOS は置き換えられますが、ルート・ボリューム・グループ、ユーザー作成論理ボリューム、および /home ファイルシステムは保存されます。/usr、/var、/tmp、/opt、および / (ルート) の各システム・ファイルシステムは上書きされます。製品 (アプリケーション) ファイル、およびこれらのファイルシステムに保管されている構成データは消失します。非システム・ファイルシステムに保管されている情報は保存されます。

既存の BOS のユーザー定義の構造を保存する方法に関する説明は、 57ページの『BOS の新規および完全上書きインストールまたは保存インストール』を参照してください。

マイグレーションこの方式は、AIX 4.2、4.3、5.1、または 5.2 バージョンの BOS を、AIX 5.3 にアップグレードします (リリース情報で制約事項を参照してください)。マイグレーション・インストール方式は、AIX の既存のバージョンまたはリリースから、 AIX の最新のバージョンまたはリリースにアップグレードするために使用されます。マイグレーション・インストールでは、ルート・ボリューム・グループ、論理ボリューム、およびシステム構成ファイルを含め、ほとんどのファイルシステムが保存されます。 /tmp ファイルシステムは上書きされます。

AIX の既存のバージョンまたはリリースから、 AIX の最新のバージョンまたはリリースへの移行に関する説明は、 156ページの『AIX の移行』を参照してください。

以下の表は、各インストール方式におけるインストール・ステップの違いを示しています。

表 7. AIX BOS インストール方式インストール・ステップ 新規および完全上書き 保存 マイグレーション

rootvg の作成 あり なし なし

ファイルシステム /、/usr、/var の作成 あり あり なし

ファイルシステム /home の作成 あり なし なし

構成の保管 なし なし あり

BOS の復元 あり あり あり

追加のファイルセットのインストール あり あり あり

インストールおよび移行 39

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表 7. AIX BOS インストール方式 (続き)

インストール・ステップ 新規および完全上書き 保存 マイグレーション

構成の復元 なし なし あり

「BOS」メニューの使用「BOS」メニュー・ウィンドウの有効な選択について説明します。

「BOS」メニューで使用するコンソールおよび言語を選択したら、次のように「Welcome to Base Operating

System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守へようこそ」ウィンドウが表示されます。

Welcome to Base Operating SystemInstallation and Maintenance

Type the number of your choice and press Enter. Choice is indicated by >>>.

>>> 1 Start Install Now with Default Settings

2 Change/Show Installation Settings and Install

3 Start Maintenance Mode for System Recovery

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]:

注: BOS インストール・プロセスのデバッグ・モードをオンにするには、「Choice (選択)」フィールドに911 と入力してから Enter キーを押します。「Welcome to Base Operating System Installation and

Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守へようこそ)」ウィンドウが最新表示され、インストールが始まると BOS インストール・・プロセスがデバッグ・モードで実行されます。手順に従ってオプションを選択し、データを指定して、インストールが始まるまで操作を続けます。デバッグ出力は、インストールが進むにつれてクライアントのディスプレイに表示されます。

「Start Install Now with Default Settings (デフォルト設定でインストールをすぐに開始する)」を選択すると、 BOS コマンドはユーザーのシステムの構成の際にデフォルトのインストール方式を使用するものと判断します。以下のような要約ウィンドウが表示され、インストール方式およびインストール・オプションが確認できます。

Overwrite Installation Summary

Disks: hdisk0Cultural Convention: en_USLanguage: en_USKeyboard: en_US64 Bit Kernel Enabled: NoJFS2 File Systems Created: NoDesktop:Enable System Backups to install any system: Yes

Optional Software being installed:Kerberos_5 (Expansion Pack)

>>> 1 Continue with Install88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]:

40 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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選択が正しければ、Enter キーを押して、BOS インストールを開始します。

ただし、インストール方式またはオプションを変更した場合は、BOS の「Welcome (ようこそ)」ウィンドウで「Change/Show Installation Settings and Install (インストール設定値の変更/表示、およびインストール)」を選択します。次のように「Installation and Settings (インストールと設定)」ウィンドウが表示されます。

Installation and Settings

Either type 0 and press Enter to install with current settings, or type thenumber of the setting you want to change and press Enter.

1 System Settings:Method of Installation.............New and Complete OverwriteDisk Where You Want to Install.....hdisk0

2 Primary Language Environment Settings (AFTER Install):Cultural Convention................English (United States)Language ..........................English (United States)Keyboard ..........................English (United States)Keyboard Type......................Default

3 More Options (Desktop, Security, Kernel, Software, ...)

>>> 0 Install with the current settings listed above.

+-----------------------------------------------------88 Help ? | WARNING: Base Operating System Installation will99 Previous Menu | destroy or impair recovery of ALL data on the

| destination disk hdisk0.>>> Choice [0]:

「BOS」メニュー・オプションに関する詳細は、「Choice (選択)」フィールドで 88 と入力して、「Help

(ヘルプ)」をいつでも参照してください。

電子的なライセンス契約AIX 5.3 では、電子的に表示できるソフトウェア・ライセンス契約が付いています。

プロダクトに電子的なライセンス契約が付いている場合は、それを受け入れないと、ソフトウェア・インストールが続行できません。 BOS の最初のインストールの場合、インストールが始まった後、ダイアログがライセンス契約を表示し、それに受諾または拒否をすることができますが、その前でも、構成アシスト (グラフィックス・コンソール) またはインストール・アシスト (ASCII コンソール) として、部分的にシステムを使用できます。

AIX BOS には、ライセンス契約が入っていますが、すべてのソフトウェア・パッケージに入っているわけではありません。 BOS インストールのライセンス契約を受諾すると、 BOS と一緒に自動的にインストールされるすべてのソフトウェアのライセンス契約を受諾することになります。 GNOME や KDE デスクトップなど、いくつかのソフトウェアを、 BOS インストール時にオプションとしてインストールできます。これらのソフトウェアの適切なライセンス情報は、個々に表示されます。

カスタマイズした bosinst.data ファイルが使用される場合 (通常、不在インストールまたはプロンプトなしインストール)、control_flow スタンザの ACCEPT_LICENSES フィールドをライセンス契約の受諾のために使用できるため、リブート時にユーザーに対してプロンプトが出されることはありません。ネットワーク・インストール・マネージメント (NIM) 環境を使用して「プッシュ」インストールを実行する場合、インストールを続けるには、インストールを初期化するときに行う選択か、またはカスタマイズしたbosinst.data ファイルのいずれかで、ライセンス契約を受諾する必要があります。 bosinst.data ファイルの詳細については、 46ページの『bosinst.data ファイル』を参照してください。

インストールおよび移行 41

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他のソフトウェア・パッケージの場合でも、適切なライセンス契約が受諾されないと、インストールできません。このオプションは、ライセンスをプレビューするオプションと併せて、System Management Interface

Tool (SMIT) および Web-based System Manager インストール・インターフェースの両方で提供されます。installp コマンドを使用する場合は、ライセンスの同意には、 -Y フラグを使用し、メディア上のライセンス契約ファイルを表示するには、 -E フラグを使用します。

ライセンス契約の取り扱いについての詳細は、「AIX 5L™ バージョン 5.3 コマンド・リファレンス」のinulag コマンドの説明を参照してください。

BOS インストール・オプションBOS のインストールに使用できるオプションについて説明します。

インストール・オプションは、「Installation and Settings (インストールと設定)」ウィンドウの「MoreOptions (詳細オプション)」フィールドで 3 と入力すると使用できます。

使用可能なインストール・オプションは以下のとおりです。

Desktop (デスクトップ)デフォルトは、新規および完全上書きインストールの CDE です。「NONE (なし)」を選択する場合、X11、Java™、perl、SMIT、および Web-based System Manager (「Graphics Software (グラフィックス・ソフトウェア)」が選択される場合) を含む最小限の構成がインストールされます。

「GNOME」または「KDE」を選択すると、BOS インストール・プロセスにより AIX Toolbox for

Linux Applications メディアを求めるプロンプトが出されます。このメディアが使用不可である場合、q を入力して、AIX Toolbox for Linux Applications メディアを使用せずにインストールを続行できます。「Install More Software (他のソフトウェアのインストール)」メニューから追加デスクトップを選択することができます。

Enable Trusted Computing Base (トラステッド・コンピューティング・ベースを使用可能にする)トラステッド・コンピューティング・システム (TCB) は、システムの一部として、システムの機密保護ポリシーを実行します。すべてのコンピューター・ハードウェアは、TCB に組み込まれていますが、システムの管理者は、 TCB のソフトウェア・コンポーネントに主として関心を払う必要があります。

トラステッド・コンピューティング・ベース・オプションをインストールすると、トラステッド・パス、トラステッド・シェル、およびシステム保全性検査 (tcbck コマンド) が使用可能になります。これらのフィーチャーは、BOS インストール中においてのみ、使用可能にできます。

選択項目は yes および no です。トラステッド・コンピューティング・ベースを使用可能にするには、2 を入力して Enter を押します。デフォルトは、no です。

Enable CAPP and EAL4+ Technology (CAPP および EAL4+ テクノロジーを使用可能にする)新規および完全上書きインストールで使用可能です。 Controlled Access Protection Profile (CAPP)

および Evaluation Assurance Level 4+ (EAL4+) が使用可能な場合には、以下のような他の制約がインストールの選択の際に存在します。

v デスクトップ = CDE または NONE

v TCB = yes

v 64 ビット・カーネル = yes

v JFS2 = yes

v システム・バックアップを使用可能にして、すべてのシステムをインストールする (すべてのデバイスおよびカーネルのインストール) = no

42 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v より多くのソフトウェア・オプションをインストールする = no

CAPP および EAL4+ に関する詳細は、「セキュリティー」の『Controlled Access Protection

Profile および Evaluation Assurance Level 4+』を参照してください。

Import User Volume Groups (ユーザー・ボリューム・グループをインポートする)マイグレーション・インストールおよび保存インストールで使用可能です。 インストールが完了した後に、ユーザー・ボリューム・グループをインポートするためのオプションがあります。こうしたボリューム・グループは、後ほど手動でインポートすることができます。

Enable 64-bit Kernel (64 ビット・カーネルを使用可能にする)64 ビットの Common Hardware Reference Platform (CHRP) システムでのみ使用可能です。 no(デフォルト) と yes の選択を切り替えるには、3 を入力して Enter を押します。no を選択すると、64 ビット・カーネルは依然としてインストールされますが、実行中の /unix にはリンクされません。 yes を選択すると、64 ビット・カーネルがインストールされ、システムがリブートされると実行を開始します。

Create JFS2 File Systems (JFS2 ファイルシステムの作成)新規および完全上書きインストール、および 64 ビット・カーネルのオプションを使用可能にした保存インストールで使用可能です。 BOS インストールの際に、拡張ジャーナル・ファイルシステムを作成します。

Graphics Software (グラフィックス・ソフトウェア)新規および完全上書きインストールと保存インストールで使用可能です。 グラフィックス・ソフトウェア・サポートをインストールします。

Remove Java 1.1.8 Software (Java 1.1.8 ソフトウェアを除去する)マイグレーション・インストールで使用可能です。 Java バージョン 1.1.8 ソフトウェアをすべて除去するためのオプションがあります。

Enable System Backups (システム・バックアップを使用可能にする)「Enable System Backups to install any system (任意のシステムにインストールするためシステム・バックアップを使用可能にする)」を選択すると、すべてのデバイスおよびカーネルがインストールされるので、システム・バックアップは別のシステムにインストールが可能です。システム・バックアップの別のシステムへのインストールについての詳細は、 185ページの『システム・バックアップのクローン作成』を参照してください。

Install More Software (他のソフトウェアをインストールする)新規および完全上書きインストール方式と保存インストール方式で使用可能です。BOS インストール・プロセスが終了してから、「Install More Software (他のソフトウェアをインストールする」を選択して、他のソフトウェアをインストールするために選びます。ソフトウェア・バンドル・ファイルは、必要なパッケージやファイルセットが含まれるそれぞれの選択に対応します。以下のソフトウェア・バンドルが使用可能です。

インストールおよび移行 43

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Install More Software

1. Mozilla (Mozilla CD).............................................. No2. Kerberos_5 (Expansion Pack)....................................... No3. Server (Volume 2)................................................ No4. GNOME Desktop (Toolbox for Linux Applications).................... No5. KDE Desktop (Toolbox for Linux Applications)...................... No

>>> 0 Install with the current settings listed above.

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [0]:

32 ビット・システムの場合、新規および完全上書きインストール・オプションは以下のとおりです。

Install Options

1. Desktop.......................................................... NONE, CDE, GNOME, KDE2. Enable Trusted Computing Base.................................... No3. Graphics Software................................................ Yes4. Enable System Backups to install any system...................... Yes

(Installs all devices and kernels)

>>> 5. Install More Software

0 Install with the current settings listed above.

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [5]:

64 ビット・システムの場合、新規および完全上書きインストール・オプションは以下のとおりです。

Install Options

1. Desktop.......................................................... NONE, CDE, GNOME, KDE2. Enable Trusted Computing Base.................................... No3. Enable CAPP and EAL4+ Technology................................. No

(English only, 64-bit kernel enablement, JFS2 file systems)4. Enable 64-bit Kernel............................................. Yes5. Create JFS2 File Systems......................................... Yes6. Graphics Software................................................ Yes7. Enable System Backups to install any system...................... Yes

(Installs all devices and kernels)

>>> 8. Install More Software

0 Install with the current settings listed above.

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [8]:

64 ビット・システムの場合、保存インストール・オプションは以下のとおりです。

44 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Install Options

1. Desktop.......................................................... NONE, CDE, GNOME. KDE2. Enable Trusted Computing Base.................................... No3. Import User Volume Groups........................................ Yes4. Graphics Software................................................ Yes5. Enable System Backups to install any system...................... Yes

(Installs all devices and kernels)

>>> 6. Install More Software

0 Install with the current settings listed above.

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [6]:

64 ビット・システムの場合、マイグレーション・インストール・オプションは以下のとおりです。

Install Options

1. Enable Trusted Computing Base.................................... No2. Import User Volume Groups........................................ Yes3. Enable System Backups to install any system...................... Yes

(Installs all devices and kernels)4. Remove Java 1.1.8 Software....................................... No

>>> 0 Install with the current settings listed above.

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [0]:

グラフィカル・インストール・メニューグラフィカル・インストール・メニューは、グラフィカル・ユーザー・インターフェースを使用して、新規および完全上書き BOS インストールを迅速に開始するための方法を提供します。

グラフィカル・インストール・メニューは、以下の条件を満たしている場合のみ使用されます。

v システムにオペレーティング・システムが構成されていない。

v システムに DVD ドライブがある。

v システムにグラフィックス用のハードウェアがある。

これらの条件を満たしている場合は、次の手順で「グラフィカル・インストール・メニューを起動することができます。

1. AIX DVD を DVD ドライブに挿入します。

2. システム装置の電源スイッチをオフ (0) からオン (1) に切り替えます。

3. システムのビープ音が 2 回鳴ったら、F5 を押します。ビープ音が鳴ると画面上にキーボードのアイコンが表示されます。システムはインストール・メディアから始動します。

4. F1 を押してシステム・コンソールを選択し、Enter を押します。

5. コンソールが選択されると、グラフィカル・インストール・メニューがロードされます。「Welcome toBase Operating System Installation (基本オペレーティング・システムのインストール)」メニューが表示されます。このメニューを使用して、インストール時に使用する言語を選択します。

インストールおよび移行 45

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6. 「Select the Type of Base Operating System Installation (基本オペレーティング・システムのインストールのタイプの選択)」メニューが表示されたら、「Traditional Install (従来のインストール)」をクリックしてグラフィカル・インストール・メニューを終了し、基本オペレーティング・システム (BOS)

メニューをロードします。それ以外の場合は、「Quick Install (簡易インストール)」ボタンをクリックして続行します。

7. 次に、「Summary of the BOS Installation (BOS インストールの要約)」メニューが表示されます。このメニューを使用すると、基本オペレーティング・システムの「Language (言語)」、「CulturalConvention (国/地域別環境)」、および「Keyboard (キーボード)」を選択することができます。デフォルトの BOS インストールを開始するには、「Start Quick Install (簡易インストールの開始)」をクリックします。デフォルトの BOS インストール設定を変更するには、「Switch to Traditional Install(従来のインストールに切り替える)」ボタンを選択してグラフィカル・インストール・メニューを終了し、BOS メニューをロードします。

bosinst.data ファイルbosinst.data ファイルの内容と使用法について説明します。

bosinst.data ファイルのスタンザの説明ファイル例を含んだスタンザの説明を示します。

bosinst.data control_flow スタンザの説明:

control_flow スタンザには、インストール・プログラムの動作を制御する変数が入っています。

変数 説明CONSOLE コンソールとして使用したいデバイスの絶対パス名を指定します。この値が

Default でプロンプトなしのインストールを行う場合、コンソールは/dev/lft0 に設定されます (そのデバイスがある場合)。 /dev/lft0 が存在しない場合は、コンソールはシステムに応じて /dev/vty0 または /dev/tty0 に設定されます。(どのキーを押すかは、画面に指示が出されます。) PROMPT

変数を no に変更するときは、ここでコンソールを指定する必要があります。

INSTALL_METHOD インストール方式、つまり migrate (マイグレーション)、preserve (保存)、erase_only (消去のみ)、 または overwrite (新規および完全上書き) を指定します。デフォルト値は、最初はブランクです。インストール・プログラムは、前にインストールされていた AIX のバージョンに応じて、値を割り当てます。詳しくは、 38ページの『基本オペレーティング・システムのインストール』を参照してください。

デフォルトのインストールの方式は、オペレーティング・システムの前のバージョンがマシン上にあるときは、 migrate です。前のバージョンがない場合は、デフォルト・メソッドは、overwrite です。値として erase_only を指定すると、ハード・ディスクの消去のみが行われ、インストールは行われません。

46 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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PROMPT ユーザーが選択をするメニューを、インストール・プログラムが使用するかどうかを指定します。指定できる値は、yes (デフォルト) および no です。

注: PROMPT 変数を no に設定した場合は、ディスクを一意的に識別するために、locale スタンザにあるすべての変数について値を入力する必要があります。同様に、PROMPT が no の場合は、2 つの例外、すなわち ERROR_EXIT 変数および CUSTOMIZATION_FILE

変数 (これらはオプション) を除いて、control_flow スタンザにある変数に値を入力する必要があります。

重要: PROMPT 変数を no に設定した場合、 target_disk_data スタンザのすべての変数について値を入力してください。 BOS インストール・プログラムはブランクの変数に対してターゲット・ディスクを割り当てます。インストール・プログラムが、データを保管しているディスクを割り当てると、データが消失することもあります。

EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE インストール・プログラムが既存のボリューム・グループを上書き 可能かを確認します。この変数は、プロンプトなしの上書きインストールの場合にだけ、適用されます。使用できる値は、no (デフォルト)、 yes、および any

です。

no (デフォルト) ボリューム・グループの一部でないディスクだけを、インストールに使用することができます。

yes ルート・ボリューム・グループが入ったディスクが最初に使用され、さらに追加のディスクのインストールが必要な場合は、ボリューム・グループの入っていないディスクが使用されます。

any すべてのディスクがインストールに使用できます。

インストールがプロンプトなしであり、target_disk_data スタンザが空の場合は、インストール・プロセスでは、EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE フィールドの値を使用して、インストールすべきディスクが決定されます。

プロンプト付きのインストールを実行する場合は、この値は yes に変更され、他の変更とともに /var/adm/ras/bosinst.data ファイル内に保管されます。Network Install Manager (NIM) は、yes に設定されたこの値で、デフォルトの bosinst.data ファイル (NIM bosinst_data リソース) を作成します。また、システム・バックアップでは、/var/adm/ras ディレクトリーからコピーされた bosinst.data ファイルを使用します。したがって、ほとんどの場合、この値は既に yes に設定されています。このフィールドを no に設定すると、/usr/lpp/bosinst/bosinst.template ファイルに見られるように、インストールの完了に必要な基準を満たすディスクが不足している旨のエラー・メッセージが、プロンプトなしのインストール時に表示されます。その結果、BOS インストールはプロンプト付きのインストールに変更され、EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE フィールドの値は yes に設定されます。

INSTALL_X_IF_ADAPTER デスクトップをインストールするかどうかを指定します。指定できる値はyes、all、および no です。このフィールドのデフォルト値は yes です。つまり、システムにグラフィカル・コンソールがある場合に、 DESKTOP を指定すると、DESKTOP がインストールされることを意味します。 all に設定して DESKTOP を指定すると、システムにグラフィカル・コンソールがあってもなくても、デスクトップがインストールされます。 no に設定されている場合に DESKTOP が指定されても、デスクトップはインストールされません。

インストールおよび移行 47

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RUN_STARTUP システムにグラフィカル・インターフェースがある場合は、 BOS インストールが完了した後の最初のブートで、構成アシストを開始します。マシンにASCII インターフェースがある場合は、インストール・アシストを開始します。指定できる値は yes (デフォルト) および no です。 no 値はACCEPT_LICENSES フィールドが yes に設定されているときのみ有効です。

RM_INST_ROOTS /usr/lpp/*/inst_roots ディレクトリーにあるファイルとディレクトリーを、すべて除去します。指定できる値は、no (デフォルト) および yes です。

マシンがネットワーク・サーバーとして使用される場合は、/usr/lpp/bos/inst_roots ディレクトリーを残しておく必要があります。マシンがネットワーク・サーバーにならない場合は、ディスク・スペースを節約するために、この値を yes に設定します。

ERROR_EXIT インストール・プログラムにエラーが起こった場合に、実行可能プログラムを開始します。デフォルト値はブランクであり、インストール・メディアと一緒に出荷されるコマンドを使用するよう、 BOS インストールにシグナルを出します。インストール・プログラムがエラーのために停止すると、このコマンドが、エラー・メッセージ・ルーチンを開始します。デフォルトに代わる方法として、カスタマイズされたエラー・ルーチンに対するユーザー独自のスクリプトまたはコマンドのパス名を入力することができます。

CUSTOMIZATION_FILE ユーザーが作成するカスタマイズ・ファイルのパス名を指定します。デフォルト値はブランクです。カスタマイズ・ファイルは、インストール・プログラムの終了後すぐに開始されるスクリプトです。

TCB トラステッド・コンピューティング・ベース (TCB) をインストールするかどうかを指定します。 TCB をインストールすると、トラステッド・パス、トラステッド・シェル、およびシステム保全性検査がインストールされます。 TCB は、オペレーティング・システムをインストールするときにインストールして、初期化する必要があります。 TCB を後でインストールすることはできません。 TCB をインストールしなければ、インストール時間は短くなります。指定できる値は、no (デフォルト) および yes です。

INSTALL_TYPE CC_EVAL に設定すると、CAPP および EAL4+ テクノロジーが使用可能になります。これが可能なのは、INSTALL_METHOD が上書きされたときのみです。これを設定すると、locale スタンザの CULTURAL_CONVENTION

および MESSAGES フィールドに指定できるのは en_US または C に限られます。システムは 64 ビットである必要があり、ENABLE_64BIT_KERNEL および CREATE_JFS2_FS を yes に設定する必要があります。 ALL_DEVICES_KERNELS は no、 TCB は yes に設定する必要があります。 DESKTOP は NONE または CDE に設定できます。追加のソフトウェア・バンドルの MOZILLA、HTTP_SERVER_BUNDLE、KERBEROS_5_BUNDLE、SERVER_BUNDLE、およびALT_DISK_INSTALL_BUNDLE は、no に設定する必要があります。

48 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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BUNDLES どのソフトウェア・バンドルをインストールするかを指定します。各バンドル・ファイルの絶対パス名を入力します。ユーザーが BUNDLES 変数で指定しているソフトウェア用のターゲット・マシンに、ディスク・スペースとページング・スペースが十分あることを確認してください。

このバンドル・ファイル名のリストは、139 バイトに制限されています。ユーザーのバンドル・ファイル名のリストが 139 バイトより長い場合は、 cat

コマンドを使用して、バンドル・ファイルを単一のカスタム・バンドル・ファイルに結合し、ユーザーのカスタム・バンドル・ファイルの名前をこのフィールドに入力します。

テープからインストールしている場合は、プロダクト・メディアのシステム定義のバンドルを指定するために、それぞれのバンドル・ファイルの絶対パス名を次のように使用します。

/usr/sys/inst.data/sys_bundles/BundleFileName

ユーザー独自のバンドル・ファイルを定義するために bosinst.data ディスケットを使用している場合は、それぞれのバンドル・ファイルの絶対パス名を、/../DirectoryName/BundleFileName のように指定します。例えば、mybundle という名前のバンドル・ファイルを root ディレクトリーに入れる場合、絶対パス名は /../mybundle になります。

保存インストールを使用している場合は、インストールを開始する前に、バンドル・ファイルを作成します。 /home の中にファイルを作成して、それぞれのバンドル・ファイルの絶対パス名を次のように指定してください。

/home/BundleFileName

RECOVER_DEVICESデバイスを再構成するかどうかを指定します。デフォルト値は Default です。 mksysb インストールの場合、 ODM 構成データベースがイメージに保管されます。デバイス名と属性は、そのデータベースから自動的に抽出され、BOS インストール・プログラムは、 mksysb が作成されたマシン上にデバイスが存在したときと同じ方式で、デバイスを再作成しようとします。これは、同一システムでの mksysb の正規の復元の標準的な方法です。しかし、(別のシステムに mksysb イメージをインストールする) クローン作成の場合、特にネットワーク構成では、これらのデバイスをそのように構成したくない場合があります。

mksysb イメージが作成されると、CPU ID が保管されます。同じシステムに再インストールする場合は、デバイス情報がリカバリーされます。mksysb イメージを使用して別のシステムをインストールすると、デバイス情報は mksysb イメージからリカバリーされません。

Default 値は上書きできます。例えば、ご使用のシステムのプレーナーを交換した場合、または別のシステムにアップグレードした場合、デバイスをリカバリーすることができます。この場合は「Backup Restore (バックアップの復元)」メニューで yes を選択すると、デバイスがリカバリーされます。

BOSINST_DEBUG BOS インストール中にデバッグ出力を表示するかどうかを指定します。値yes を指定すると、 BOS インストール中に set -x デバッグ出力が画面に送られます。指定できる値は、no (デフォルト) および yes です。

インストールおよび移行 49

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ACCEPT_LICENSES BOS インストール時に、ソフトウェア使用条件を受諾するかどうかを指定します。デフォルトは no です。自動的に受諾するには、この値を yes に設定します。 BOS インストール時にソフトウェア使用条件を受け入れなかった場合は、ソフトウェア使用条件を読んで受諾することを促すプロンプトを、構成アシストまたはインストール・アシストが出します。 BOS のインストール時にこの値がブランクの場合は、デフォルトの no と見なされます。

mksysb インストールの場合、ACCEPT_LICENSES フィールドが no であれば、使用条件を再度受諾しないとシステムの使用を続行できません。ACCEPT_LICENSES が yes に設定されていると、ユーザーに代わって使用条件が自動的に受諾されます。ブランクの場合は、ライセンスの状態はmksysb が作成されたときの状態と同じです。

DESKTOP インストールするデスクトップを指定します。使用可能なデスクトップの選択として、 CDE (デフォルト)、NONE、GNOME、および KDE があります。 GNOME または KDE を選択すると、AIX Toolbox for Linux

Applications CD を求めるプロンプトが出されます。INSTALL_DEVICES_AND_UPDATES ハードウェア構成が異なるシステムに mksysb イメージをインストールする

ときは、プロダクト・メディアからブートして、不足しているデバイス・ドライバーをインストールします。なお、プロダクト・メディアが mksysb よりも後のレベルの AIX の場合は、mksysb イメージ内のソフトウェアは更新されます。これらのどちらかの追加インストールが必要にならないようにするには、このフィールドの値を no に設定します。デフォルトは yes です。

IMPORT_USER_VGS システムがインストールされた後にユーザー・ボリューム・グループを自動的にインポートするかどうかを指定します。選択項目は yes および no です。

ENABLE_64BIT_KERNEL 64 ビット・カーネルを使用可能にするかどうかを指定します。選択項目はyes および no です。

CREATE_JFS2_FS 拡張ジャーナル・ファイルシステムを作成するかどうかを指定します。選択項目は yes および no です。

ALL_DEVICES_KERNELS デバイスおよびカーネル・ファイルセットをすべてインストールするかどうかを指定します。選択項目は yes および no です。 no を選択すると、使用中のシステム構成に固有のデバイスおよびカーネルがシステムにインストールされます。 yes を選択すれば、ご使用のシステムのシステム・バックアップを作成しておくと、そのシステム・バックアップを使って任意のシステムにインストールできます。

GRAPHICS_BUNDLE BOS インストール時にグラフィックスのソフトウェア・バンドルをインストールするかどうかを指定します。このソフトウェア・バンドルには、Web-based System Manager および Linux デスクトップのためのグラフィックス・サポートが含まれています。選択項目は yes および no です。

MOZILLA_BUNDLE BOS インストール時に Mozilla ソフトウェア・バンドルをインストールするかどうかを指定します。このソフトウェア・バンドルは Mozilla Web ブラウザー・ソフトウェアを含んでいます。選択項目は yes および no です。

KERBEROS_5_BUNDLE BOS インストール時に Kerberos 5 クライアント・ソフトウェア・バンドルをインストールするかどうかを指定します。このソフトウェア・バンドルによって Kerberos 5 クライアント・ソフトウェアがインストールされます。選択項目は yes および no です。

SERVER_BUNDLE BOS インストール時に AIX サーバー・ソフトウェア・バンドルをインストールするかどうかを指定します。このソフトウェア・バンドルによって、ネットワーキング・ソフトウェア、パフォーマンス・ツール、およびアカウンティング・サービス・ソフトウェアが追加でインストールされます。選択項目は yes および no です。

ALT_DISK_INSTALL_BUNDLE BOS インストール時に代替ディスクのインストールのソフトウェアをインストールするかどうかを指定します。選択項目は yes および no です。

REMOVE_JAVA_118 マイグレーション・インストール実行時に現行システムから Java 1.1.8 ソフトウェアを除去するかどうかを指定します。選択項目は yes および no です。

50 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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HARDWARE_DUMP ファームウェアおよびハードウェアのダンプ・データを含むダンプ論理ボリュームを作成します。ダンプ論理ボリュームは、ファームウェアおよびハードウェアのダンプ・データの作成をサポートするハードウェア上でのみ作成されます。選択項目は yes および no です。

ERASE_ITERATIONS インストールが行われる前に選択済みハード・ディスクを消去する回数を指定します。このフィールドは、INSTALL_METHOD フィールドが overwrite

または erase_only に設定されている場合のみ有効です。このフィールドで選択できるのは、数値の 0 から 8 です。このフィールドが 0 に設定されると、ハード・ディスクの消去は行われません。デフォルトは 0 です。

ERASE_PATTERNS 選択したハード・ディスクに書き込むパターンを指定します。このフィールドの値は、ドライブの消去ごとに使用されるパターンのコンマ区切りリストです。有効なパターンは、16 進値の 0 から ffffffff です。指定するパターンの数は、ERASE_ITERATIONS で指定した反復回数より大きいか等しくなければなりません。ERASE_ITERATIONS が 0 の場合は、このフィールドは無視されます。ERASE_ITERATIONS = 3 の場合、このフィールドで有効な値は ERASE_PATTERNS = 00,ff,0a0a0a0a です。

ADD_CDE 追加デスクトップとして CDE を追加します。DESKTOP フィールドがCDE 以外で、ADD_CDE が yes に設定される場合、DESKTOP で指定されたデスクトップに加えて CDE デスクトップがインストールされます。デフォルト値は no です。 DESKTOP が none に設定されると、この属性は無視されます。

ADD_KDE 追加デスクトップとして KDE を追加します。DESKTOP フィールドがKDE 以外で、ADD_KDE が yes にされる場合、DESKTOP で指定されたデスクトップに加えて KDE デスクトップがインストールされます。デフォルト値は no です。 DESKTOP が none に設定されると、この属性は無視されます。

ADD_GNOME 追加デスクトップとして GNOME を追加します。DESKTOP フィールドがGNOME 以外で、ADD_GNOME が yes に設定される場合、DESKTOP で指定されたデスクトップに加えて GNOME デスクトップがインストールされます。デフォルト値は no です。 DESKTOP が none に設定されると、この属性は無視されます。

MKSYSB_MIGRATION_DEVICE 設定される場合、mksysb イメージを移行のために復元するのに使用されるデバイスを指定します。デフォルトはブランクです。有効な値は、/dev/cddevice

number (CD-DVD の mksysb イメージの場合)、および /dev/rmtdevice

number (テープの mksysb イメージの場合) です。ネットワーク・インストールの場合、有効な値は network という語です。

bosinst.data target_disk_data スタンザ:

target_disk_data スタンザには、プログラムが BOS をインストールするマシン内のディスク用の変数が入っています。

デフォルトの bosinst.data ファイルには、 1 つの target_disk_data スタンザがありますが、複数のディスクに BOS をインストールするために、各スタンザごとに 1 つずつスタンザを追加することができます。

target_disk_data スタンザを複数存在させることができます。これらは、どのディスクにルート・ボリューム・グループが含まれるかを定義します。 BOS インストールでディスクが選択されるようにするには、1

つのフィールド (PVID、PHYSICAL_LOCATION、SAN_DISKID、CONNECTION、LOCATION、SIZE_MB、HDISKNAME) だけをヌル以外の文字にしなければなりません。優先順位は、PVID (物理ボリューム ID)、PHYSICAL_LOCATION、SAN_DISKID、CONNECTION (親属性//connwhere 属性)、LOCATION、SIZE_MB、そして HDISKNAME の順になります。BOS インストール・プロセスは、以下のロジックに基づいて target_disk_data stanza スタンザ情報の使い方を判別します。

v PVID が設定されていると、 BOS インストールは、ディスクがその値と一致しているかチェックします。一致していると、その他の属性は無視されます。

インストールおよび移行 51

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v PVID が空で、PHYSICAL_LOCATION が設定されていると、 BOS インストールは、parent 属性とconnwhere 属性 (″//″ で区切る) がディスクと一致しているかどうかをチェックします。一致していると、その他の属性は無視されます。

v PVID または PHYSICAL_LOCATION のいずれかが設定されていても、どの値もターゲット・システムのディスクと一致せず、その他の属性は設定されていない場合は、エラー・メッセージが出され、ディスクを明示的に選択する必要があります。

v PVID および PHYSICAL_LOCATION が空で、SAN_DISKID が設定されている場合、BOS インストールは、SAN_DISKID を、ファイバー・チャネル接続ディスクのワールド・ワイド・ポート名と論理装置 ID (″//″ で区切られている) と解釈します。ワールド・ワイド・ポート名 (ww_name) と論理装置 ID

(lun_id) は、実行中のシステムで lsattr コマンドを使って取得することができます。

SAN_DISKID フィールドは CONNECTION フィールドの前にチェックされます。

v ww_name および lun_id がディスクと一致する場合は、他の属性は無視されます。

v PVID または SAN_DISKID のいずれかが設定されていても、どの値もターゲット・システムのディスクと一致せず、その他の属性は設定されていないという場合は、エラー・メッセージが出され、ディスクを明示的に選択する必要があります。

v PVID と SAN_DISKID が空で、CONNECTION が設定されている場合、BOS インストールは、(″//″で区切られた) parent と connwhere 属性がディスクと一致しているかどうかを調べます。一致していると、その他の属性は無視されます。

v CONNECTION が設定されてその値がターゲット・システムのディスクと一致せず、他の属性も設定されていない場合は、エラー・メッセージが出され、ディスクを明示的に選択する必要があります。

v 他の属性が指定されている場合は、以下のような処理が行われます。

– LOCATION が設定されている場合は、BOS インストールは、 SIZE_MB と HDISKNAME を無視します。

– LOCATION は設定されていないが、 SIZE_MB は設定されているという場合は、 BOS インストールは、SIZE_MB に基づいてディスクを選択し、 HDISKNAME を無視します。

– LOCATION と SIZE_MB が両方とも空の場合は、 BOS インストールは、HDISKNAME で指定されたディスクを選択します。

– すべてのフィールドが空の場合は、BOS インストールが、ユーザーに代わってディスクを選択します。

PVID、PHYSICAL_LOCATION、SAN_DISKID、および CONNECTION フィールドについては、BOS インストール・プロセスは、以下のロジックに基づいて target_disk_data スタンザ情報の使い方を決定します。

v PVID、PHYSICAL_LOCATION、SAN_DISKID、および CONNECTION フィールドの内の 1 つ以上のフィールドの情報が、そのディスクの情報と一致するか調べます。

v そのディスクの情報がこれら 4 つのフィールドの内の 1 つにある情報と一致している場合は、一致した情報を使用します。

v そのディスク情報がこれら 4 つのフィールドの 1 つにある情報と一致していない 場合で、さらにLOCATION、SIZE_MB、および HDISKNAME フィールドが設定されていなければ、エラー・メッセージを表示し、正しいディスク情報を求めるプロンプトを出します。

PHYSICAL_LOCATION 情報は lsdev コマンドで検索ができます。以下に例を挙げます。

# lsdev -Cc disk -l hdisk0 -F "name physloc"

hdisk0 ディスク名と P2/Z1-A8 という物理ロケーションが検索結果として戻されます。

52 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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重要: prompt=no の場合、 BOS インストールがどのディスクを上書きするか重要でないとき以外は、 target_disk_data スタンザを空にしておかないでください。これは、インストールをするデフォルト・ディスクを決めるアルゴリズムが常に予測可能とは限らないためです。

SIZE_MB フィールドには、サイズまたは largest という語を入れることができます。サイズがリストされている場合は、BOS インストールは、ディスク上に「最適値」をとります。 largest という語がそのフィールドにあると、 BOS インストールは、最大のディスクを選択します。複数の target_disk_data スタンザがある場合は、BOS インストールは、 2 つの「最大の」ディスクを選択します。

PVID 該当ディスクの 16 桁の物理ボリューム ID を指定します。PHYSICAL_LOCATION 物理ロケーション・コードにより、BOS インストール時にファイバー・チャネル・ディスクの識別

方法が可能となります。ファイバー・チャネル・ディスクの場合、PHYSICAL_LOCATION フィールドには、SAN_DISKID フィールドのワールド・ワイド・ポート名と LUN ID が組み込まれています。 PHYSICAL_LOCATION フィールドの情報は SAN_DISKID フィールドの情報より優先されます。

SAN_DISKID ファイバー・チャネル接続ディスクのワールド・ワイド・ポート名と論理装置 ID を指定します。ww_name と lun_id を、2 つのスラッシュ (//) で区切ります。この情報は、実行中のシステムでlsattr コマンドを使って取得することができます。

CONNECTION ディスクと関連付けられた parent 属性と connwhere 属性の組み合わせを指定します。 parent 値とconnwhere 値は、 2 つのスラッシュ (//) で区切られています。 parent 値が scsi0 で、connwhere 値が 0,1 のときは、 CONNECTION 値は scsi0//0,1 になります。 SSA ディスクのCONNECTION 値の例は、 ssar//000629CCC07300D となります。この例では、parent 属性は ssar

で表され、ディスク・ドライブ 000629CCC07300D の ConnectionLocation (15 文字の固有の ID) はconnwhere 属性に使用されます。

SIZE_MB プログラムが BOS をインストールするディスクのフォーマット済みのサイズを、メガバイト単位で指定します。デフォルト値はブランクです。フォーマット済みのディスクで使用できるメガバイト数を入力することによって、対象のターゲット・ディスクのサイズを指定することができます。また、インストール・プログラムが見つけた最大のディスク (まだ選択されていないもの) を使用したい場合は、 largest と入力してください。

LOCATION プログラムが BOS をインストールするディスクのロケーション・コードを指定します。デフォルト値はブランクです。値を指定しないと、インストール・プログラムは、次の 2 つの変数に基づいて値を割り当てます。物理ロケーション・コードについての詳細は、「Diagnostic Information for

Multiple Bus Systems」ガイドを参照してください。HDISKNAME ターゲット・ディスクのパス名を指定します。デフォルト値はブランクです。ターゲット・ディスク

の名前を指定するときは、hdiskname フォーマットを使用してください。ここで、hdiskname は、対象ディスクのデバイス名 (例えば、hdisk0) です。

bosinst.data target_iscsi_data スタンザ:

オプションの target_iscsi_data スタンザには、基本オペレーティング・システムをインストールするためにプログラムが常駐するマシンのディスクの親 iSCSI アダプター用の変数が含まれています。

bosinst.data ファイルに target_iscsi_data スタンザが含まれるのは、ルート・ボリューム・グループにiSCSI ディスクがある場合のみです。target_iscsi_data スタンザは 1 つしか存在できません。これはルート・ボリューム・グループが含まれるディスクの iSCSI ターゲットを定義します。正しい処理を行うには、target_iscsi_data スタンザをすべての target_disk_data スタンザの後に配置する必要があります。

インストールおよび移行 53

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変数 説明

ADAPTER_NAME この iSCSI ターゲットが構成される iSCSI TOE アダプターの名前 (ics0 など)、または iSCSI ソフトウェア・ソリューション・プロトコル・デバイスの名前 (iscsi0 など) を指定します。これは必須フィールドです。

ISCSI_GROUP このフィールドは static 値に設定します。

TARGET_NAME iSCSI ターゲットの iSCSI ターゲット名を指定します。 mkiscsi コマンドは、TARGET_NAME での正規化を行いません。

INITIATOR_NAME iSCSI イニシエーターの iSCSI イニシエーター名を指定します。

PORT_NUMBER iSCSI ターゲットの TCP ポート番号を指定します。

IP_ADDRESS iSCSI ターゲットの IP アドレスを指定します。

SW_INITIATOR<yes, no> アダプターが iSCSI ソフトウェア・ソリューション・プロトコル・デバイスであるかどうかを指定します。アダプターが iSCSI ソフトウェア・プロトコル・デバイスである場合は、NIM が構成するネットワーク・インターフェースを使用して iSCSI ターゲットに接続します。

DISC_POLICY このフィールドは odm 値に設定します。

ADAPTER_IP SW_INITIATOR が no の場合に、iSCSI TOE アダプターの IP アドレスを指定します。

ADAPTER_GW SW_INITIATOR が no の場合に、iSCSI TOE アダプターが使用するゲートウェイの IP アドレスを指定します。

ADAPTER_SNM SW_INITIATOR が no の場合に、iSCSI TOE アダプターが使用するサブネット・マスクを指定します。

アダプターがソフトウェア・イニシエーター・アダプターである構成に対する target_iscsi_data スタンザの例を次に示します。

target_iscsi_data:ADAPTER_NAME = iscsi0ISCSI_GROUP = staticTARGET_NAME = iqn.sn1234.iscsi_hw1INITIATOR_NAME= iqn.2000-01.ibm.bootPORT_NUMBER = 3260IP_ADDRESS = 10.1.1.130SW_INITIATOR = yesDISC_POLICY = odm

iSCSI TOE アダプターを使用する target_iscsi_data スタンザの例を次に示します。

target_iscsi_data:ADAPTER_NAME = ics0ISCSI_GROUP = staticTARGET_NAME = iqn.sn1234.iscsi_hw1INITIATOR_NAME= iqn.2000-01.ibm.bootPORT_NUMBER = 3260IP_ADDRESS = 10.1.1.130SW_INITIATOR = noDISC_POLICY = odmADAPTER_IP = 10.1.2.115ADAPTER_GW = 10.1.2.1ADAPTER_SNM = 255.255.255.0

bosinst.data ファイルの locale スタンザ:

locale スタンザには、インストール済みのマシンが使用する 1 次言語の変数が入っています。

「AIX 5L バージョン 5.3 ナショナル・ランゲージ・サポート ガイドおよびリファレンス」の『ロケール・カテゴリーについて』を参照してください。変数を編集するときに使用するロケールとフォーマットについて説明しています。

54 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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BOSINST_LANG インストール・プログラムがプロンプト、メニュー、およびエラー・メッセージに使用する言語を指定します。デフォルト値はブランクです。

CULTURAL_CONVENTION インストールする 1 次ロケールを指定します。デフォルト値はブランクです。MESSAGES インストールするメッセージ・カタログのロケールを指定します。デフォルト値はブラン

クです。KEYBOARD インストールするキーボード・マップを指定します。デフォルト値はブランクです。

bosinst.data large_dumplv スタンザ:

オプションの large_dumplv スタンザは、専用ダンプ・デバイスがシステムで作成される場合に、使用される特性を指定します。

専用ダンプ・デバイスは、メモリーが 4 GB 以上のシステムにのみ作成されます。大規模な専用ダンプ・デバイスに対して、次の特性を使用できます。

DUMPDEVICE 専用ダンプ・デバイスの名前を指定します。SIZEGB 専用ダンプ・デバイスのサイズをギガバイトで指定します。

スタンザが存在しないと、専用ダンプ・デバイスが必要な時点で作成されます。専用ダンプ・デバイスは、上書きインストール時に、実メモリーが少なくとも 4 ギガバイトあるマシンで作成されます。デフォルトでは、専用ダンプ・デバイスの名前は、lg_dumplv で、そのサイズは、次の計算式で決まります。

4>= RAM < 12 size of dump device= 1 GB12>= RAM < 24 size of dump device= 2 GB24>= RAM < 48 size of dump device= 3 GB

RAM >= 48 size of dump device= 4 GB

bosinst.data dump スタンザ:

dump スタンザは、システム・ダンプの特性を指定します。

PRIMARY sysdumpdev -P -p device によって設定される 1 次ダンプ・デバイスを指定します。SECONDARY sysdumpdev -P -s device によって設定される 2 次ダンプ・デバイスを指定します。COPYDIR システム・ブート時にダンプがコピーされる先のディレクトリーを指定します。FORCECOPY コピーが失敗したときに、外部メディアにダンプをコピーできるようなメニューで、システムがブートす

るかどうか指定します。ALWAYS_ALLOW ダンプが要求されたときに、キー・モード・スイッチを無視できるかどうかを指定します。

スタンザが bosinst.data ファイルに存在しない場合は、既に行われているもの以外には、追加のダンプ・デバイス処理は行われません。フィールドの値のチェックは制限されます。つまり、ダンプ・デバイス用に指定されたデバイスが有効でないと、エラー処理はいずれも、 sysdumpdev コマンドから行われ、コンソールに送られて、 BOS インストール・ログに保管されます。

v FORCECOPY が指定され、COPYDIR が指定されていない場合、/etc/objrepos/SWservAt からのautocopydump 属性の値フィールドが検索され、sysdumpdev -[d|D] copydir 操作に使用されます。

v FORCECOPY が指定されずに、COPYDIR だけが指定されると、 forcecopy は、デフォルトで yes になります。 sysdumpdev -d (FORCECOPY = no) または sysdumpdev -D (FORCECOPY = yes) は、コピー・ディレクトリーを設定するために使用されます。

v ALWAYS_ALLOW=yes の場合は、sysdumpdev -K を実行してください。それ以外の場合は、sysdumpdev -k を実行してください。

v FORCECOPY または ALWAYS_ALLOW で yes および no 以外の値が指定されていると、デフォルトのアクションが実行され、処理は続行します。

インストールおよび移行 55

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v 特定のダンプ・フィールドに対して値が指定されていないと、類似の sysdumpdev 操作は行われません。このようにすると、移行またはシステム・バックアップ・イメージのインストールの場合でも、システム値は、しかるべき状態におかれたままになります。 COPYDIR が指定されているが、FORCECOPY は指定されていない場合、/etc/objrepos/SWservAt ファイルから forcecopydump 属性の値が検索され、呼び出す sysdumpdev の正しい形式が決定されます。

bosinst.data ファイルの使用この例の bosinst.data ファイルの中の値はネットワーク・インストール特有のものではないので、mksysb インストールなどの他のタイプのインストールにも適用することができます。

注: 示されている値は、フォーマットを示す目的に使用されているだけであって、実際のインストールには適用されません。

bosinst.data の変数や値についての詳細は、 46ページの『bosinst.data ファイルのスタンザの説明』を参照してください。

カスタマイズ済みの bosinst.data ファイルの内容を検査するには、次のように bicheck コマンドを使用します。

/usr/lpp/bosinst/bicheck filename

bosinst.data ファイルのプロンプトなしネットワーク・インストール:

変更済みの bosinst.data ファイルの例を示します。このファイルは、プロンプトなしのネットワーク・インストールに使用することができます。

control_flow:CONSOLE = DefaultINSTALL_METHOD = overwritePROMPT = noEXISTING_SYSTEM_OVERWRITE = yesINSTALL_X_IF_ADAPTER = yesRUN_STARTUP = yesRM_INST_ROOTS = noERROR_EXIT =CUSTOMIZATION_FILE =TCB = noINSTALL_TYPE =BUNDLES =RECOVER_DEVICES = noBOSINST_DEBUG = noACCEPT_LICENSES = yesDESKTOP = NONEINSTALL_DEVICES_AND_UPDATES = yesIMPORT_USER_VGS =ENABLE_64BIT_KERNEL = DefaultCREATE_JFS2_FS = DefaultALL_DEVICES_KERNELS = yesGRAPHICS_BUNDLE = yesMOZILLA_BUNDLE = noKERBEROS_5_BUNDLE = noSERVER_BUNDLE = noREMOVE_JAVA_118 = noHARDWARE_DUMP = yesADD_CDE = noADD_GNOME = noADD_KDE = noERASE_ITERATIONS = 0ERASE_PATTERNS =

target_disk_data:

56 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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LOCATION =SIZE_MB =HDISKNAME =

locale:BOSINST_LANG =CULTURAL_CONVENTION =MESSAGES =KEYBOARD =

mksysb_migration_devicemksysb または移行操作の実行方法の記述時に mksysb イメージを見つけることができるデバイス・タイプまたは名前。

ネットワーク・インストールの場合は、mksysb イメージ・デバイスはネットワーク・リソースでなければならず、「ネットワーク」の値をこの変数を用いて指定する必要があります。メディアからのインストールの場合は、mksysb イメージ・デバイスを、AIX に認識されているデバイス論理名 (例えば、/dev/cd0、/dev/rmt0) を用いて指定する必要があります。

BOS の新規および完全上書きインストールまたは保存インストール次の手順に従い、基本オペレーティング・システムの新規および完全上書きインストールまたは保存インストールを行います。

ステップ 1. 前提条件の完了BOS インストールを開始する前に、以下の前提条件を完了してください。

インストールを開始する前に、以下の前提条件を完全に整えてください。

v 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX 5.2 および AIX 5.3 には、256 から 512 MB のメモリーと 2.2 GB の物理ディスク・スペースが必要です。追加のリリース情報については、ご使用の AIX オペレーティング・システムのレベルに対応した「AIX リリース・ノート」 を参照してください。

v 外部デバイス (磁気テープ・ドライブ、CD-ROM ドライブまたは DVD-ROM ドライブなど) を含め、すべての必要なハードウェアが、物理的に接続状態になっている必要があります。詳細な情報が必要な場合は、システムに備えられている、ハードウェア文書を参照してください。

v インストール・メディアがブート・デバイスにロードされている必要があります。

v システムは、インストール・メディアがロードされているデバイスからブートするように設定されている必要があります。ブート・デバイスの設定に関しては、システムに付属しているハードウェアに関するマニュアルを参照してください。

v インストールを開始する前に、インストール対象のシステムに対するアクセス権が与えられている他のユーザーは、ログオフしておく必要があります。

v インストール対象のシステムが現在稼働中の場合は、システムのバックアップを作成するか、または所在を確認します。システム・バックアップの作成方法については、 169ページの『システム・バックアップの作成』を参照してください。

v 他のシステムと通信し、他のシステムのリソースにアクセスすることが必要なシステムの場合は、インストールを開始する前に下記のワークシートの情報を調べておいてください。

インストールおよび移行 57

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表 8. ネットワーク構成情報ワークシートネットワーク属性 値

ネットワーク・アダプター

ホスト名

IP アドレス _______.________.________.________

ネットワーク・マスク _______.________.________.________

ネーム・サーバー _______.________.________.________

ドメイン名

ゲートウェイ _______.________.________.________

ステップ 2. インストールのためのシステムの準備新規および完全上書きインストールまたは保存インストールの準備を行います。

以下を実行します。

1. AIX Volume 1 のメディアをメディア・デバイスに挿入します。

2. システムをシャットダウンします。マシンが現在稼働中の場合は、以下のステップを実行して、その電源をオフにします。

a. root ユーザーとしてログインします。

b. 以下のコマンドを入力してください。

shutdown -F

c. システムが自動的には電源オフにならない場合、電源スイッチを Off (0) の位置にします。

重要: 59ページの『ステップ 4. インストール・メディアからのブート』で指示されるまでは、システム装置をオンにしないでください。

3. 接続されているすべての外部デバイスをオンにします。これには、以下のものが含まれます。

v 端末装置

v CD-ROM または DVD-ROM ドライブ

v テープ・ドライブ

v モニター

v 外部ディスク・ドライブ

外部デバイスの電源を先にオンにし、始動 (ブート) 処理中にシステム装置が周辺装置を識別できるようにする必要があります。

ステップ 3. ASCII 端末のセットアップASCII 端末の通信、キーボード、およびディスプレイのオプションを設定するには、以下の基準を使用します。

グラフィックス端末を使用している場合は、直接 59ページの『ステップ 4. インストール・メディアからのブート』に進んでください。

ASCII 端末を使用している場合は、下記の基準とご使用の端末の解説書を使用して、通信、キーボード、およびディスプレイのオプションを設定してください。以下の設定は一般的なものです。端末によっては、ここにリストされたオプション名や設定とは異なる場合があります。

注: ご使用の端末が IBM 3151、3161、または 3164 の場合は、Ctrl + Setup キーを押して「Setup Menu

(セットアップ・メニュー)」を表示し、画面に表示される指示に従って、これらのオプションを設定してく

58 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ださい。

通信オプション

オプション 設定

回線速度 (ボー・レート) 9600

ワード長 (1 文字当たりのビット数) 8

パリティー no

ストップ・ビットの数 1

インターフェース RS-232C (または RS-422A)

回線制御 IPRTS

キーボードおよびディスプレイのオプション

オプション 設定

画面 normal

行と列 24x80

スクロール jump

自動 LF (改行) off

行折り返し on

強制挿入 line (または both)

TAB field

演算モード echo

ターンアラウンド文字 CR

Enter (入力) return

Return (リターン) new line

改行 CR

送信 page

文字挿入 space

ステップ 4. インストール・メディアからのブート以下の手順に従って、インストール・メディアからブートします。

1. システム装置の電源スイッチをオフ (0) からオン (|) に切り替えます。

2. システム・ビープ音が 2 回鳴ったら、キーボードの F5 (または ASCII 端末装置の場合は 5) を押します。グラフィック・ディスプレイを使用しているなら、ビープ音が鳴った時点で画面上にキーボードのアイコンが表示されます。 ASCII 端末装置 (tty 端末装置) を使用している場合は、ビープ音が鳴った時点で keyboard の文字が表示されます。

注: F5 key (ASCII 端末の場合は 5) を押してもシステムがブートしない場合は、ハードウェア付属のマニュアルを参照し、AIX プロダクト・メディアからシステムをブートする方法について調べてください。

システムは、インストール・メディアからのブート処理を開始します。

3. 複数のコンソールがある場合、それぞれに、システム・コンソールを識別するためのキーを押すように指示するウィンドウが表示されます。このウィンドウが表示される各コンソールごとに、異なるキーが

インストールおよび移行 59

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指定されています。このウィンドウが表示されたら、インストールに使用するコンソールでのみ、指定されたキーを押してください。(システム・コンソールとは、インストールとシステム管理に使用するキーボードとディスプレイ・デバイスのことです。)

インストール中に使用される言語の選択を求めるウィンドウが表示されます。

4. インストール中に使用したい言語を選択します。

5. 「Welcome to Base Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」ウィンドウが表示されたら、「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して「Change/Show Installation Settings and Install (インストールの設定の変更/表示、およびインストール)」を選択し、Enter を押します。インストール設定の確認または変更についての説明は、『ステップ5. インストール設定の確認または変更』にあります。

ステップ 5. インストール設定の確認または変更以下の手順に従って、インストール設定の確認または変更を行います。

「Installation and Settings (インストールと設定)」ウィンドウから、デフォルトのインストール設定を確認します。インストールとシステムの設定が正しければ、「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力し、Enter

を押します。「Installation Summary (インストール要約)」ウィンドウで選択内容が正しいことを確認し、Enter を押して BOS インストールを開始します。 62ページの『ステップ 6. BOS インストールの完了』に進んでください。

インストール設定を変更するには、以下の手順に従ってください。

1. 「New and Complete Overwrite Installation (新規および完全上書きインストール)」または「Preservation Installation (保存インストール)」のいずれかを選択します。

a. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して、「System Settings (システム設定)」を選択します。

b. 「Change Method of Installation (インストール方式の変更)」ウィンドウが表示されたら、「Choice(選択)」フィールドに希望するインストールに対応する番号 (「New and Complete Overwrite (新規および完全上書き) の 1、または「Preservation (保存)」の 2) を入力して、Enter を押します。

注: 選択可能なインストール方式は、システムに AIX の前のバージョンがインストール済みであるかどうかによって異なります。

単に AIX の次に推奨されるメンテナンス・レベルまたはテクノロジー・レベルをインストールしたい場合は、 87ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備』を参照してください。また、SMIT update_all 高速パスまたは install_all_updates コマンドを使用して、既存のファイルセットを次に推奨されるメンテナンス・レベルまたはテクノロジー・レベルに更新することもできます。

c. 「Change Disk(s) (ディスクの変更)」ウィンドウが表示されたら、インストールの宛先ディスクを変更できます。保存インストールを選択した場合、ウィンドウには、rootvg が含まれるディスクのみがリストされます。

ディスク名、位置、ディスクのサイズ、およびルート・ボリューム・グループの状況が、各使用可能なディスクごとに表示されます。「Bootable (ブート可能)」列には、ディスクがブート可能かどうかが示されます。 77 を入力して「Display More Disk Information (他のディスク情報を表示する)」を選択して、物理ボリューム ID、デバイス・アダプター接続位置、またはワールド・ワイド・ポート名//LUN ID などの他のディスク属性を表示します。

表示されたデフォルトが正しければ、「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押します。宛先ディスクを変更するには、以下の手順に従ってください。

60 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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1) 「Choice (選択)」フィールドに、選択する各ディスクの番号を入力して、 ENTER キーを押します。すべてのディスクを選択し終わるまで、 Enter キーを最後まで押さないで ください。あるディスクを選択解除する必要がある場合、その番号を再び入力し、 ENTER キーを押します。

v 「Disks not known to Base Operating System Installation (BOS インストールにとって未知のディスク)」オプションに対して 66 を入力し、Enter キーを押すことによって、補足ディスクを指定することができます。このオプションは、新規メニューをオープンして、補足ディスク用のデバイス・サポート・メディアを要求するプロンプトを出します。デバイス・サポート・メディアは、総称 SCSI またはバス接続のデバイス・ドライバーによってデバイスが構成できない場合に限って、必要です。 BOS インストールは、システムをディスク用に構成してから、「Change Disk (ディスクの変更)」ウィンドウに戻ります。

v これが上書きインストールの場合、「More Disk Options (他のディスク・オプション)」オプションの 55 を入力して Enter キーを押すことにより、インストール用に選択したディスクをインストールが行われる前に消去するように指定することができます。このオプションを指定すると新規メニューがオープンし、パターン書き込み回数 (ドライブが上書きされる回数) のプロンプトが出されます。パターン書き込み回数として 0 を選択すると、インストール前のディスクの消去は行われません。このメニューでは、ディスクの消去ごとの使用パターンのプロンプトも出されます。このパターンは、16 進値の 00、a5、5a、または ff から選択します。例えば 00 というパターンを選択すると、ドライブにはすべてゼロが書き込まれます。ドライブの消去は時間を要する処理であるため、このオプションを利用できるのは、diag コマンドがサポートしているドライブ・タイプのみです (例えば IDE ドライブの消去はサポートされていません)。

2) ディスクの選択が終わったら、「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押します。「Installation and Settings (インストールと設定)」ウィンドウが表示され、「System

Settings (システム設定)」の下に選択済みディスクがリストされます。

2. 必要に応じて、1 次言語環境を変更します。以下のステップに従って、このインストールに使用される1 次言語を変更します。

注: 1 次言語環境に対する変更は、BOS がインストールされたあと、対象のシステムがリブートされるまで、効力をもちません。

a. 「Installation and Settings (インストールと設定)」ウィンドウの「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して、「Primary Language Environment Settings (1 次言語環境設定)」オプションを選択します。

b. 国/地域別情報、言語、およびキーボードのオプションの該当するセットを選択します。大半のオプションは、事前に組み合わせて定義したものですが、ユーザー自身によるオプションの組み合わせを定義することもできます。

v 事前定義の 1 次 言語環境 を選択するには、「選択」フィールドに該当する番号を入力して、Enter キーを押します。

v ユーザー自身の 1 次言語環境を構成するには、以下のように行います。

1) 「MORE CHOICES (選択項目の続き)」を選択します。

2) 選択項目のページ送りをして、「Create Your Own Combination (ユーザー自身の組み合わせの作成)」オプションを選択します。

3) 「Set Primary Cultural Convention (1 次国/地域別情報の設定)」ウィンドウが表示されたら、ユーザーが選択する国/地域別情報に該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力してEnter を押します。

4) 「Set Primary Language (1 次言語の設定)」ウィンドウが表示されたら、選択する 1 次言語に該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力して Enter を押します。

インストールおよび移行 61

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5) 「Set Keyboard (キーボードの設定)」ウィンドウが表示されたら、システムに接続されているキーボードに該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力して Enter を押します。

3. 3 を入力して「More Options (詳細オプション)」を選択してから Enter を押して、インストール・オプションを変更します。インストール・オプションについて詳しくは、 42ページの『BOS インストール・オプション』を参照してください。

4. 「Installation Summary (インストール要約)」ウィンドウの選択内容を確認してから、Enter を押してBOS インストール・プロセスを開始します。

インストールが完了後、システムは自動的にリブートされます。 『ステップ 6. BOS インストールの完了』に進んでください。

ステップ 6. BOS インストールの完了以下の手順に従って、BOS インストールを完了します。

1. 「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」ウィンドウにインストールの状況が表示されます。

基本実行時環境がインストールされたあと、インストールが進行中の他のソフトウェアに関して状況情報が表示されます。

2. システムは、自動的にリブートを行います。

3. システムが再始動された後、インストールを構成するようプロンプトが出されます。 BOS インストール・プロセス後のシステムの構成については、 153ページの『AIX の構成』を参照してください。

注: インストールしているシステムが、4 GB 以上のメモリーを持っていて、上書きインストールを実行した場合、専用のダンプ・デバイスが作成されます。その場合、デバイス名は /dev/lg_dumplv で、そのサイズは次の数式に基づきます。

4>= RAM < 12 size of dump device= 1 GB12>= RAM < 24 size of dump device= 2 GB24>= RAM < 48 size of dump device= 3 GB

RAM >= 48 size of dump device= 4 GB

関連情報BOS インストールに関連する情報へのリンクを示します。

v さらに詳しいリリース情報については、ご使用の AIX のレベルに対応した「AIX リリースノート」を参照してください。

v 構成プロセスとインストール済みソフトウェアに関する情報を含む、最新の情報については、README

ファイルを参照してください。

v オプションのソフトウェアのインストールについての詳細は、 87ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備』を参照してください。

iSCSI ディスクのインストールAIX では、iSCSI ディスクへの基本オペレーティング・システムのインストールをサポートしています。

iSCSI ディスクの基本オペレーティング・システム使用を構成するには、インストールを開始する前にいくつかのパラメーターを指定する必要があります。次のパラメーターを用意します。

v Adapter Name: iSCSI に使用するネットワーク・アダプターの名前。iSCSI TOE アダプターの場合、このフィールドの形式は ics# です。ここで # は数値です。iSCSI SW イニシエーターの場合、このフィールドはイーサネット・インターフェース名となり、形式は en# です。ここで # は数値です。

62 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v IP Address of Adapter: Adapter Name で指定されるアダプターに割り当てられる IP アドレス。

v IP Address of Gateway: Adapter Name で指定されるアダプターが使用するゲートウェイの IP アドレス。

v Subnet Mask: Adapter Name で指定されるアダプターに割り当てられるサブネット・マスク。

v iSCSI Target Name: iSCSI ターゲットに構成される名前。詳しくは、ご使用の iSCSI のベンダーが提供する資料を参照してください。

v iSCSI Initiator Name: iSCSI ターゲットに構成されるイニシエーター名。詳しくは、ご使用の iSCSI のベンダーが提供する資料を参照してください。

v Port Number: iSCSI ターゲットに構成されるポート番号。詳しくは、ご使用の iSCSI のベンダーが提供する資料を参照してください。

v IP Address of Target: iSCSI ターゲットに構成される IP アドレス。詳しくは、ご使用の iSCSI のベンダーが提供する資料を参照してください。

注:

1. 詳しくは、ご使用の iSCSI のベンダーが提供する資料を参照してください。

2. iSCSI ディスク・インストールのための IPv6 サポートはサポートされません。

AIX のプロンプト・インストールの場合は、これらのパラメーターを「iSCSI configuration (iSCSI 構成)」メニューを使用して実行依頼することができます。AIX のプロンプト・インストール以外の場合は、これらのパラメーターを『bosinst.data ファイルのスタンザの説明』を使用して指定することができます。

基本オペレーティング・システムのインストールのために使用されるルート・ボリューム・グループに構成できる iSCSI ターゲットは 1 つのみです。ルート・ボリューム・グループは、iSCSI ディスクを非 iSCSI

ディスクと組み合わせて作成することはできません。

iSCSI 構成メニューの使用iSCSI 構成メニューは、基本オペレーティング・システム・メニューのメインメニューからアクセスできます。

iSCSI 構成メニューにアクセスするには、次の手順を実行します。

1. 基本オペレーティング・システム (BOS) メニューから、「Welcome to Base Operating SystemInstallation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」を選択します。

2. 「Configure Network Disks (iSCSI) (ネットワーク・ディスクの構成)」オプションを選択して、iSCSI

構成メニューをロードします。

3. 「Configure iSCSI (iSCSI の構成)」の SMIT メニューで、「iSCSI Configuration (iSCSI 構成)」オプションを選択します。

4. iSCSI パラメーターを入力し、Enter を押します。

メニューが実行依頼されると、構成コマンドからの出力と、正しく構成された iSCSI ディスクをリストした出力を表示できます。

5. iSCSI ディスクが正しく構成されている場合は、F10 を押して BOS インストールに進み、BOS メニューを終了します。

6. 「Change/Show Installation Settings and Install (インストール設定の変更/表示、およびインストール)」を選択して、インストール用の iSCSI ディスクを選択します。

インストールおよび移行 63

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iSCI パラメーターのリカバリーのための保守モードへのアクセスBOS を iSCSI ディスクから始動できない場合は、保守モードにアクセスして、ブート時に使用されるiSCSI パラメーターを再構成する必要がある可能性があります。

保守モードにアクセスするには、インストール・メディアの CD または DVD ブートを使用します。詳しくは、『ハード・ディスクからブートできない場合のシステムへのアクセス』を参照してください。また、NIM を使用してネットワークを始動しても、保守モードにアクセスすることができます。詳しくは、『保守モードでのブート』を参照してください。保守モードにアクセスしたら、以下のステップを実行します。

1. 「Configure Network Disks (iSCSI) (ネットワーク・ディスクの構成)」を選択します。「iSCSI 構成」メニューが起動します。

注: NIM を使用して bosinst.data ファイルからすべての iSCSI パラメーターを指定した場合は、このステップは必要ないことがあります。適切なディスクが構成されている場合は、「iSCSI configuration (iSCSI 構成)」メニューを終了します。

2. 「Maintenance (保守)」メニューで、前のステップで構成したディスクの iSCSI 構成パラメーターをディスク上のルート・ボリューム・グループに保管します。オプション 1、「Access a Root VolumeGroup (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)」を選択します。「Warning (警告)」画面が表示されます。

3. 「Warning (警告)」画面に表示される説明をお読みください。先に進む準備ができたら、0 を入力してEnter キーを押します。「Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)」メニューが表示されます。

4. ステップ 2 で構成したディスク上のルート・ボリューム・グループを選択します。選択値を入力すると、「Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)」メニューが表示されます。

注: 「Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)」メニューでディスク情報とロケーション・コード情報を調べることで、選択したボリューム・グループがルート・ボリューム・グループかどうかを判別できます。選択したボリューム・グループがルート・ボリューム・グループでなかった場合は、「Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)」画面に戻ります。ルート・ボリューム・グループを選択しないと、「Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)」メニューより先には進めません。

5. 「Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)」メニューから「Choice 1 (選択 1)」を選択して、Enter キーを押します。シェルとシステム・プロンプトが表示されます。

6. システム・プロンプトで update_iscsi コマンドを実行して、iSCSI 構成をルート・ボリューム・グループに保管します。これでシステムは更新された iSCSI パラメーターを使用して再始動できます。

詳しくは、『iSCSI 構成メニューの使用』を参照してください。

代替ディスクへのインストール代替ディスクのインストールにより、オペレーティング・システムが稼働中にオペレーティング・システムのインストールが可能になり、インストールやアップグレードに伴うダウン時間を大幅に短縮することができます。

また、代替ディスクのインストールでは、システムのインストールに時間的な制限がないため、大規模な設備の場合でもアップグレードの管理が容易になります。システムを前のバージョンで稼働させながら、同時に新規バージョンへの切り替えを行うことも可能です。

代替ディスクのインストールのファイルセット代替ディスクのインストールでは、以下のファイルセットを使用します。

64 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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bos.alt_disk_install.boot_images 代替ディスク mksysb のインストールには、このファイルセットがインストールされていることが必要です。

bos.alt_disk_install.rte rootvg のクローン作成、および代替ディスク mksysb のインストールには、このファイルセットがインストールされていることが必要です。

代替 mksysb ディスクのインストール代替 mksysb のインストールは、別のシステムで既に作成されている mksysb イメージを、ターゲット・システムの代替ディスク上にインストールすることです。代替ディスク (1 台以上) にボリューム・グループを含めることはできません。

mksysb イメージは、ターゲット・システムと同じハードウェア構成のシステムで作成されるか、あるいは、異なるマシン・タイプかプラットフォームまたは異なるデバイス用に、すべてのデバイスとカーネルのサポートがインストールされたシステムで作成されます。インストールされるデバイスおよびカーネルのサポートは、次のとおりです。

v devices.*

v bos.mp

v bos.mp64 (必要な場合)

注: AIX 5.2 から、基本オペレーティング・システムのインストール時に、すべてのデバイスおよびカーネルのサポートが自動的にインストールされます。

alt_disk_install コマンドが実行されるときに (カスタマイズ済みの image.data が提供されていない限り)、デフォルトにより、mksysb イメージ内の image.data ファイルが用いられて、論理ボリュームとファイルシステムが作成されます。論理ボリューム名には、接頭部 alt_ が追加され、ファイルシステムは、接頭部 /alt_inst を付けて作成されます。例えば、hd2 は alt_hd2 として作成され、そのファイルシステムである 1 は、/alt_inst/usr として作成されます。これらの名前は、代替ディスクのインストール・プロセスの終了時に、元の名前に戻されます。

その後、mksysb イメージは、代替ファイルシステムに復元されます。次いで、定義済みのブート・イメージが、altinst_rootvg のブート論理ボリュームにコピーされ、ブート・ディスクのブート・レコードが、ディスクからのブートが可能になるように変更されます。

この時点で、システムをリブートする前に、カスタマイズを可能にするために、スクリプトを実行することができます。代替ファイルシステムは、まだ /alt_inst/real_file_system (例えば、 /alt_inst/usr、/

alt_inst/home) としてマウントされています。この時点でファイルにアクセスすることはできますが、mksysb イメージのカーネルとライブラリーが実行中のシステムのものと一致しないことがあるため、代替ファイルシステムには何もインストールすることができません。

オプション・スクリプトの実行後、ファイルシステムはアンマウントされ、論理ボリュームとファイルシステムの名前は、image.data ファイルの名前と一致するように変更されます (例えば、alt_inst_hd6 は、ボリューム・グループ記述領域で hd6 に変更されます)。論理ボリュームは、オブジェクト・データ・マネージャー (ODM) からエクスポートされますが、 altinst_rootvg は、オフに変更されるだけです。プレースホルダーとして ODM にとどまるため、ディスクが偶発的に上書きされることはありません。次いでalt_disk_install コマンドのデフォルトのアクションがブート・リストに設定され、次回システムがブートするときには、この新しくインストールされたボリューム・グループからブートされるようになります。このデフォルトのアクションは、オフにすることができます。それが指定されると、システムはこの時点でリブートされ、システムは、新しい rootvg からリブートされます。ブート・プロセスは、ある時点までは、新

1. /usr

インストールおよび移行 65

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しくマウントされた rootvg のファイルシステムを用いてブートし、「通常の」ブート論理ボリュームを再構築するために bosboot コマンドが呼び出されます。その後、システムはリブートを行います。

新しい代替ディスクからのリブート後に、前の rootvg ボリューム・グループが lspv リストに old_rootvg

として入れられます。これには元の rootvg の中のすべてのディスクが含まれます。この元の rootvg ボリューム・グループは、リブート時に not varyon に設定されるので、 -X フラグによってのみ 除去する必要があります。例えば、次のとおりです。

alt_disk_install -X old_rootvg

元の rootvg に戻る必要がある場合には、bootlist コマンドを使用して、元の rootvg からリブートするようブート・リストを変更します。

どのディスクが特定のボリューム・グループ用のブート・ディスクであるのか分からない場合は、 -q フラグを使用して、そのブート・ディスクを判別することができます。このフラグは、ボリューム・グループが複数のディスクを構成しており、ブート・リストの変更が必要な場合に役立ちます。

代替ディスクへの rootvg のクローン作成代替ディスクに rootvg のクローンを作成することには、多くの利点があります。 1 つの利点は、ディスク・クラッシュの際にオンラインのバックアップとして使用できることです。オンライン・バックアップを保持すると、システムで使用できるようにするための余分なディスクが必要になります。

rootvg のクローン作成による他の利点は、新しいメンテナンス・レベルまたはテクノロジー・レベルの更新を適用する場合に生じます。 rootvg の代替ディスクへのコピーが行われた後で、そのコピーに更新内容を適用します。この間、システムは中断することなく実行を続けます。これがリブートされるときは、システムは、テストのために新しく更新された rootvg からブートされます。更新によって何らかの問題が発生した場合、ブート・リストをリセットしてリブートするだけで、 old-rootvg を検索することができます。

alt_disk_install コマンドを呼び出すと、デフォルトでは次のことが行われます。

1. 現在の rootvg の構成に基づいて、 /image.data ファイルが作成されます。カスタマイズしたimage.data ファイルを使用することができます。

2. 代替 rootvg (altinst_rootvg) が作成されます。

3. プレフィックスが alt_inst の論理ボリュームおよびファイルシステムが作成されます。

4. rootvg からバックアップされるファイルのリストが生成され、 exclude.list ファイルが指定されている場合には、そのファイルがリストから除外されます。

5. 最終リストが altinst_rootvg のファイルシステムにコピーされます。

6. installp コマンドが指定されている場合には、これによって、更新、修正、新規ファイルセットが、代替ファイルシステムにインストールされます。

7. bosboot コマンドが、代替ブート・ディスクにブート論理ボリュームを作成します。

8. カスタマイズ・スクリプトが指定されている場合は、この時点で実行されます。

9. その後、ファイルシステムはアンマウントされ、論理ボリュームとファイルシステムの名前が変更されます。

10. 同一の ODM 名との混乱を避けるために、論理ボリュームの定義はシステムからエクスポートされますが、 altinst_rootvg の定義は、ODM プレースホルダーとして残されます。

11. デフォルトでは、次回のリブートでは新しくクローンが作成された rootvg からブートするように、ブート・リストが設定されます。

フェーズに分割された代替ディスクのインストール:

66 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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AIX 4.3.1 以降のバージョンの場合、代替ディスクのインストールを段階的に実行できます。

インストールは、3 つのフェーズに分割されます。デフォルトでは、3 つすべてのフェーズが同一の呼び出しで実行されます。フェーズは、次のとおりです。

フェーズ 1 altinst_rootvg ボリューム・グループ、alt_ 論理ボリューム、および /alt_inst ファイルシステムを作成します。 mksysb または rootvg データも復元します。

フェーズ 2 指定されたカスタマイズ・スクリプトがあれば、すべて実行します。クローン作成の場合に限り、更新プログラム、新規ファイルセット、フィックス、またはバンドルをインストールします。また、resolv.conf ファイル (指定された場合) および NIM クライアントを残すために必要なファイル (指定された場合) もコピーします。

フェーズ 3 /alt_inst ファイルシステムをアンマウントし、ファイルシステムおよび論理ボリュームの名前変更を行い、ODM から alt_ 論理ボリューム名を除去し、そして altinst_rootvg をオフに変更します。これは、ブート・リストおよびリブート (指定された場合) もセットします。

3 つのフェーズすべてを実行する代わりに、これらのフェーズを、次のいずれかのメソッドによって完了することができます。

v 各フェーズを別々に実行する。

v フェーズ 1 と 2 を一緒に実行する。

v フェーズ 2 と 3 を一緒に実行する (フェーズ 2 は、フェーズ 3 を実行する前に複数回実行することができます)。

使用可能な rootvg を入手するために、フェーズ 3 を実行する必要があります。フェーズ 1 と 2 の実行では、 /alt_inst ファイルシステムは、マウントされたままになります。以下のコマンドを使用すれば、フェーズ・プロセスの間のどこかで、リブートの前に altinst_rootvg を除去し、ディスクのクリーンアップを行うことができます。

alt_disk_install -X

代替ディスクのマイグレーション・インストールの実行代替ディスクのマイグレーション・インストールを実行すると、rootvg のコピーを空きディスクに作成し、それをネットワーク・インストール管理 (NIM) によって新規リリース・レベルに移行できます。

代替ディスクのマイグレーション・インストールを使用すると、従来型の移行と比べて、次のような利点があります。

v ダウン時間が短くなる。この移行はシステムが通常に稼働している間に実行でき、メディアからブートする必要がありません。

v 移行が失敗した場合には即時にリカバリーできる。

v 柔軟性およびカスタマイズのレベルが高度である。

ダウン時間が短くなる。この移行はシステムが稼働している間に実行されます。インストール・メディアからブートする必要はなく、処理のほとんどは NIM マスター上で行われます。

移行が失敗した場合には即時にリカバリーできる。 rootvg のコピーを作成するので、すべての変更はそのコピー (altinst_rootvg) に対して実行されます。マイグレーション・インストールで深刻な障害が発生しても、失敗した移行はクリーンアップされるので、管理者は他の処置を取る必要はありません。新しい (移行された) レベルの AIX で問題が起きた場合には、元のディスクからブートすることにより、システムを移行前のオペレーティング・システムに戻すことができます。

インストールおよび移行 67

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マイグレーション・プロセスにおける柔軟性およびカスタマイズのレベルが高度である。 これを行うには、オプションの NIM カスタマイズ・リソース、つまり image_data、bosinst_data、exclude_files、移行前スクリプト、installp_bundle、および移行後スクリプトを使用します。

Network Install Manager Alternate Disk Migration (nimadm) は、以下を実行できるユーティリティーです。

v rootvg のコピーを空きディスク (複数可) に作成し、同時にそれを新規バージョンまたはリリース・レベルの AIX に移行します。

v rootvg のコピーを使用して、新規バージョンまたはリリース・レベルの AIX に移行されている新しいnim mksysb リソースを作成します。

v nim mksysb リソースを使用して、新規バージョンまたはリリース・レベルの AIX に移行された新しいnim mksysb リソースを作成します。

v nim mksysb リソースを使用して、空きディスク (複数可) に復元し、同時にそれを新規バージョンまたはリリース・レベルの AIX に移行します。

nimadm は、上記の機能を実行するために NIM リソースを使用します。

nimadm コマンドについての詳細は、「AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス」を参照してください。

代替ディスクの移行の準備:

代替ディスクのマイグレーション・インストールには要件があります。

v AIX 5.1 以降 (AIX メンテナンス・レベル 5100-03 以降) を実行する構成済み NIM マスター。

v NIM マスターで使用される rootvg および SPOT に bos.alt_disk_install.rte がインストールされていなければならない。

v bos.alt_disk_install.rte ファイルと bos.alt_disk_install.boot_images ファイルを含む、NIM マスターrootvg、lpp_source、および SPOT 上のファイルセットのレベルは同一でなければならない。

v クライアント (移行先システム) は、AIX 4.3.2 またはそれ以降。

v クライアントに、rootvg をクローンするのに十分な容量のディスクがあり、さらに移行用に (約) 500

MB のフリー・スペースがあること。必要スペースの合計は、工場出荷時のシステム構成と移行のカスタマイズによって異なる。

v クライアントは、マスターに NIM クライアントとして登録されていなければならない。

v NIM マスターは、rshd プロトコルを使用して、クライアントにリモート・コマンドを実行できなければならない。

v クライアントに最小 256 MB から 512 MB のメモリーが必要。

v NIM マスターとクライアントの間に、大容量の NFS トラフィックを容易に処理でき、信頼性のあるネットワークが存在すること。

v クライアントのハードウェアが、移行するレベルをサポートし、他の標準的な移行の要件を満たしていること。

注: 代替ディスクのマイグレーション・インストールの要件 1 から 10 が満たされていない場合は、従来型の移行を実行してください。従来型のマイグレーション・インストールの方法については、 156ページの『AIX の移行』を参照してください。要件 11 を満たせない場合には、どのマイグレーション・インストールも不可能です。

68 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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代替ディスクのマイグレーション・インストールを実行する前に、インストールするソフトウェアのソフトウェアご使用条件にすべて同意することが必要です。これを行うには、代替ディスク移行コマンドの引数として -Y フラグを指定するか、あるいは ADM_ACCEPT_LICENSES 環境変数を yes に設定してください。

代替ディスクの移行の制限:

以下は、代替ディスクのマイグレーション・インストールに適用される制限です。

制限は次のとおりです。

v クライアントの rootvg で、「トラステッド・コンピューティング・ベース (Trusted Computing Base)」オプションが使用可能になっている場合、これを (永久的に) 使用不可にするか、従来型の移行を実行してください。 TCB は、NFS からは不可視の metadata ファイルにアクセスする必要があります。

v 使用される NIM リソースすべては、NIM マスターから見てローカルでなければなりません。

v 移行中は、ディスク入出力の増加、nfsd アクティビティー、および alt_disk_install のクローン作成に関連した CPU 使用により、クライアントのアクティブな rootvg のパフォーマンスが若干低下することがあります。

v パフォーマンスを最適化するためには、NFS チューニングが必要です。

代替ディスク・マイグレーション・インストールの使用方法:

代替ディスクのマイグレーション・インストールで使用するコマンドの構文について説明します。

構文は次のとおりです。

nimadm -l lpp_source -c NIMclient -s SPOT -d Targetdisks[-a PreMigrationScript] [-b installp_bundle] [-z PostMigrationScript][-e exclude_files] [-i image_data] [-m NFSMountOptions] [-o bosinst_data][-P Phases] [-Y] [-F] [-D] [-E] [-V] [{ -B | -r }]

nimadm コマンドを使用して aix1 NIM クライアントをターゲットにします。そのためには、spot1 NIM

SPOT リソース、lpp1 NIM lpp_source リソース、および hdisk1 および hdisk2 ターゲット・ディスクを使用して、次のように入力します。

nimadm -c aix1 -s spot1 -l lpp1 -d "hdisk1 hdisk2" -Y

-Y フラグを使用して、インストールするソフトウェアで必須のソフトウェアご使用条件をすべて受諾します。

代替ディスクのマイグレーション・インストール:

nimadm コマンドは、移行を 12 のフェーズで実行します。

それぞれのフェーズは、-P フラグを使用して、個々に実行することができます。移行をフェーズごとに実行する前に、nimadm プロセスをよく理解しておいてください。 nimadm フェーズは、次のとおりです。

1. マスターは、クライアントに alt_disk_install コマンドを出し、クライアントは rootvg のコピーをターゲット・ディスクに作成します (これは alt_disk_install プロセスのフェーズ 1 です)。このフェーズでは、altinst_rootvg (代替 rootvg) が作成されます。ターゲットの mksysb が指定されている場合、その mksysb を使用して、NIM マスター上のローカル・ディスク・キャッシングにより、rootvg が作成されます。

2. マスターは、リモート・クライアント・コマンドを実行してすべての /alt_inst ファイルシステムをマスターにエクスポートします。このファイルシステムは、マスターへのルート・アクセス付きで、読

インストールおよび移行 69

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み取り/書き込み可能なものとしてエクスポートされます。ターゲットの mksysb が指定されている場合、キャッシュ・ファイルシステムは、その mksysb からの image.data に基づいて作成されます。

3. マスターが、フェーズ 2 でエクスポートされたファイルシステムを NFS マウントします。ターゲットの mksysb が指定されている場合、その mksysb アーカイブは、フェーズ 2 で作成されたキャッシュ・ファイルシステムに復元されます。

4. 移行前スクリプト・リソースが指定されている場合、それはこの時点で実行されます。

5. システム構成ファイルが保管されます。初期移行スペースが計算され、それに応じてファイルシステムが拡張されます。 bos イメージが復元され、デバイス・データベースがマージされます (従来型の移行と同様です)。移行マージ・メソッドのすべてが実行され、その他の処理が行われます。

6. すべてのシステム・ファイルセットが installp を使用して移行されます。必要な RPM イメージも、このフェーズでインストールされます。

7. 移行後スクリプト・リソースが指定されている場合、それはこの時点で実行されます。

8. bosboot コマンドを実行すると、クライアント・ブート・イメージが作成され、クライアントのブート論理ボリューム (hd5) に書き込まれます。

9. フェーズ 3 でマスターに作成されたマウントが除去されます。

10. フェーズ 2 で作成されたクライアント・エクスポートがすべて除去されます。

11. alt_disk_install コマンドが再び呼び出され (alt_disk_install のフェーズ 3)、最終的な調整がなされ、altinst_rootvg がスリープします。ブート・リストがターゲット・ディスクに設定されます (-B フラグが使用されない場合)。出力の mksysb が指定されている場合、キャッシュは mksysb ファイルにアーカイブされて、nim mksysb リソースになります。

12. クリーンアップが実行されて、移行が終了します。 -r フラグが指定されている場合、クライアントはリブートします。

注: nimadm コマンドは、複数のクライアントの同時移行をサポートします。

元の rootvg と新しい代替ディスクの間のデータ・アクセス元の rootvg と新しい代替ディスクの間でデータ・アクセスを開始することができます。

ブートされていないボリューム・グループに関して、ボリューム・グループの「ウェイクアップ」を行うことができます。「ウェイクアップ」により、そのボリューム・グループは、 post alt_disk_install のフェーズ 1 の状態に置かれます。例えば、/alt_inst ファイルシステムがマウントされることになります。

「ウェイクアップ」が行われたボリューム・グループの名前は、 altinst_rootvg に変わります。データ・アクセスが必要でなくなった場合は、そのボリューム・グループを「スリープ」させることができます。

注:

1. 実行中のオペレーティング・システムのバージョンは、「ウェイクアップ」が行われるボリューム・グループのバージョンと等しいか、またはそれより新しいものでなければなりません。このため、altinst_rootvg からブートして、 old_rootvg をウェイクアップさせなければならないことがあります。例えば、代替ディスクが AIX 4.3.0 システム上で、alt_disk_install AIX 5.2 mksysb から作成されるとします。その場合、2 つのボリューム・グループ間でデータ・アクセスを行うためには、AIX 5.2 の代替ディスクからブートして、AIX 4.3.0 の old_rootvg ボリューム・グループを「ウェイクアップ」させる必要があります。

この制限は、jfs (ジャーナル・ファイルシステム) ログ項目に互換性がないために生じます。より新しいバージョンを含んだボリューム・グループを「ウェイクアップ」させることはできますが、そのボリューム・グループは、今までシステム rootvg であった可能性がないものです。もしそうであったとし

70 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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たら、そのボリューム・グループは、「ウェイクアップ」が行われていたときに、古いバージョンのrootvg では解釈できない jfs ログ項目を作成していたことになります。

FORCE 環境変数が yes に設定されない限り、alt_disk_install コマンドを使用して、より新しい AIX

バージョンを含んだボリューム・グループに関して「ウェイクアップ」を行うことはできません。

2. 「ウェイクアップ」が行われたボリューム・グループは、ブートして rootvg として使用するためには、まず「スリープ」させなければなりません。

重要: 実行中のオペレーティング・システムより新しいバージョンを含んでいるボリューム・グループに関して、強制「ウェイクアップ」が試みられ、かつ「ウェイクアップ」されるボリューム・グループが、システム rootvg であった場合には、エラーが生じます。

Web-based System Manager を使用する代替ディスクへのインストールグラフィカル・インターフェースによって、Web-based System Manager オプションにアクセスして、代替ディスクに mksysb をインストールしたり、代替ディスクに rootvg のクローンを作成することができます。

以下の手順のどこからでも、「ヘルプ・メニュー」で「Contents (目次)」を選択して全般ヘルプを表示することができます。

mksysb を代替ディスクにインストールするには、以下のステップを実行します。

1. コマンド行で wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. 「Software (ソフトウェア)」コンテナーを選択します。

3. プルダウンから、「Alternate Disk Install (代替ディスク・インストール)」 → 「Install Mksysb on anAlternate Disk (代替ディスクへの mksysb のインストール)」を選択します。

rootvg のクローンを代替ディスクに作成するには、以下のステップを実行します。

1. コマンド行で wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. 「Software (ソフトウェア)」コンテナーを選択します。

3. プルダウンから、「Alternate Disk Install (代替ディスク・インストール)」 → 「Clone the Rootvg toan Alternate Disk (代替ディスクへの rootvg のクローン作成)」を選択します。

SMIT からの代替ディスク・インストールの実行SMIT を使用して代替ディスク・インストールを実行する手順について説明します。

代替ディスク mksysb のインストールを実行する場合は、次のように行います。

1. システム・プロンプトに対して、smit alt_mksysb 高速パスを入力します。

2. 入力フィールドに値を入力するか、または値を選択します。希望どおりの変更をすべて行ったら、Enter

キーを押します。

代替ディスクへの rootvg のクローン作成を実行する場合は、次のように行います。

1. システム・プロンプトに対して、smit alt_clone 高速パスを入力します。

2. 入力フィールドに値を入力するか、または値を選択します。希望どおりの変更をすべて行ったら、Enter

キーを押します。

動的ロジカル・パーティショニングを使用する代替ディスクのインストール動的ロジカル・パーティショニング (DLPAR) をサポートするシステムでは、ディスクを使用して、実行中のロジカル・パーティション (LPAR) にアダプターを動的に追加できます。次に、alt_disk_install コマン

インストールおよび移行 71

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ドと、クローンまたは mksysb のいずれかのオプションを使用して、新規 rootvg ボリューム・グループをこの新しく追加されたターゲット・ディスクにインストールできます。

alt_disk_install コマンドを、LPAR システム上に動的に追加されたターゲット・ディスクで実行している場合は、次のフラグを使用することになります。

-O 操作実行中以外の LPAR をブートするためにターゲット・ディスクを使用する場合は、-O フラグを使用してデバイス情報をリセットします。

-B このフラグは bootlist コマンドの実行を回避します。動的に追加されたディスクの一般的な制限は、初期リブート操作を行う前には、ブート・デバイスとしては指定できないことです。動的に追加されたディスクから LPAR をブートしようとする場合、「System Management Services (SMS)

(システム管理サービス (SMS)」メニューでブート・リストを設定します。

-g このフラグを指定すると、ディスクがブート可能であることを確認せずに alt_disk_install コマンドが実行されます。動的に追加されたディスクは、リブート操作が終了するまで、AIX にブート可能とは表示されません。ユーザーは、新規に追加されたアダプターおよびディスクがブート可能であることを確認する必要があります。

代替ディスクのインストール: 例代替ディスクのインストールの例を示します。

代替ディスクをインストールするには、以下のいずれかの手順を実行します。

1. 4.3.2.0 で実行中の rootvg のクローンを hdisk1 に作成し、そのクローンを、cd0 にある最新のメンテナンス・レベル 4.3.3.0 に更新する場合は、以下のコマンドを実行します。

alt_disk_install -C -b update_all -l /dev/cd0 hdisk1

SMIT では、smit alt_clone 高速パスを使用して、「Target Disk(s) to install (インストールするターゲット・ディスク)」のリストの中から hdisk1 を選択し、「Bundle to Install (インストールするバンドル)」フィールドのリストから update_all バンドルを、「Directory or Device with images (イメージを含むディレクトリーまたはデバイス)」フィールドのリストから /dev/cd0 を選択します。

2. 4.3.2 で実行中の rootvg のクローンを hdisk3 に作成して、その後、/433fixes 上の別のシステムからマウントされる最新フィックスに更新して、 /tmp/finish_alt_install という名前のカスタマイズ済みスクリプトを実行する場合は、以下のコマンドを実行します。

alt_disk_install -C -b update_all -l /433fixes ¥-s /tmp/finish_alt_install hdisk3

SMIT では、smit alt_clone 高速パスを使用して、「Target Disk(s) to install (インストールするターゲット・ディスク)」のリストから hdisk3 を選択し、「Bundle to Install (インストールするバンドル)」フィールドのリストから update_all を選択し、「Directory or Device with images (イメージを含むディレクトリーまたはデバイス)」フィールドに /433fixes と入力して、「Customization script (カスタマイズ・スクリプト)」フィールドに /tmp/finish_alt_install と入力します。

3. ターゲットと同じハードウェア構成を備えたマシンから作成された AIX 5.2 mksysb テープを hdisk1

にインストールする場合は、次のコマンドを実行します。

alt_disk_install -d /dev/rmt0 hdisk1

SMIT では、smit alt_mksysb 高速パスを使用して、「Target Disk(s) to install (インストールするターゲット・ディスク)」フィールドのリストから hdisk1 を選択し、「Device or image name (デバイスまたはイメージ名)」フィールドのリストから /dev/rmt0 を選択します。

72 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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4. カスタマイズ済みの image.data ファイル、および ^./tmp/ を含む除外ファイルを用いて、代替ディスク hdisk2 に、ファイルシステム /mksysbs で NFS マウントされている AIX 5.2 mksysb イメージをインストールする場合は、次のコマンドを入力します。

alt_disk_install -d /mksysbs/my_52_mksysb -i /mksysbs/my_52_image.data ¥-e /mksysbs/my_exclude_file hdisk2

^./tmp/ パターンを使用する場合、/tmp ディレクトリー内のファイルはバックアップされませんが、/var/tmp ディレクトリー内のファイルはバックアップされます。

注: すべてのファイルは、現行ディレクトリーとの関連でバックアップされます。このディレクトリーは、. (ドット文字) で表されます。ファイルまたはディレクトリーを除外する場合に、行の先頭の文字列を突き合わせて検索することが重要な場合は、検索文字列の最初の部分が ^. (脱字記号の後にドット文字) で、その後に、除外するファイル名またはディレクトリーを置きます。形式は、次のとおりです。

^./filename

除外されるファイルまたはディレクトリーが、別のファイル名またはディレクトリーの文字列の一部である場合は、^. (脱字記号の後にドット文字) を使用して行の最初で検索を開始し、$ (ドル記号) を使用して行の最後で検索を終了します。

SMIT では、smit alt_mksysb 高速パスを使用して、「Target Disk(s) to install (インストールするターゲット・ディスク)」フィールドで hdisk2 を選択します。次に、「Device (デバイス)」またはイメージ名フィールドに /mksysbs/my_52_mksysb を、「image.data」ファイル・フィールドに/mksysbs/my_52_image.data を、「Exclude (除外)」リスト・フィールドに /mksysbs/my_exclude_fileを入力します。

5. 新しい代替ディスクからのブート後に、元の rootvg を「ウェイクアップ」させる場合は、以下のコマンドを実行します。

alt_disk_install -W hdisk0

次の例は、上記で説明したコマンドの実行時に表示される可能性のある出力を示したものです。

# lspvhdisk0 000040445043d9f3 old_rootvghdisk1 00076443210a72ea rootvg

# alt_disk_install -W hdisk0

# lspvhdisk0 000040445043d9f3 altinst_rootvghdisk1 00076443210a72ea rootvg

この時点で、altinst_rootvg ボリューム・グループがオンに変更され、 /alt_inst ファイルシステムがマウントされることが分かります。

6. 「ウェイクアップ」が行われたボリューム・グループを「スリープ」させる場合は、次のコマンドを入力します。

alt_disk_install -S

次の例は、上記で説明したコマンドの実行時に表示される可能性のある出力を示したものです。

# lspvhdisk0 000040445043d9f3 altinst_rootvghdisk1 00076443210a72ea rootvg

# alt_disk_install -S

インストールおよび移行 73

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# lspvhdisk0 000040445043d9f3 altinst_rootvghdisk1 00076443210a72ea rootvg

これ以後は、altinst_rootvg がオンに変更されることはなくなり、 /alt_inst ファイルシステムがマウントされることはなくなります。 altinst_rootvg ボリューム・グループ名を、再び old_rootvg に変更する必要が生じた場合には、 -v フラグを用いてこの変更を行います。

multibos ユーティリティーの使用multibos ユーティリティーを使用すると、root として、同じルート・ボリューム・グループ (rootvg) に複数の AIX のインスタンスを作成することができます。

multibos セットアップ操作では、別のブート論理ボリューム (BLV) からブートするスタンバイ基本オペレーティング・システム (BOS) が作成されます。これにより、1 つの rootvg に、BOS のブート可能な 2

つのインスタンスが作成されます。それぞれの BLV を bootlist コマンドに対する引数として指定するか、システム・ファームウェア・ブート操作を使用して、いずれの BOS のインスタンスからでもブートできます。

BOS の 2 つのブート可能なインスタンスを同時に保守することができます。ブートされた BLV に関連付けられている BOS のインスタンスは、アクティブな BOS です。ブートされていない BLV に関連付けられている BOS のインスタンスは、スタンバイ BOS です。 rootvg ごとに、BOS の 2 つのインスタンスのみがサポートされます。

multibos ユーティリティーでは、セットアップ時または後続のカスタマイズ操作時に、スタンバイ BOS

へのアクセスや、スタンバイ BOS のインストール、保守、更新、およびカスタマイズを行うことができます。スタンバイ BOS に保守レベルまたはテクノロジー・レベルの更新をインストールしても、アクティブな BOS にあるシステム・ファイルは変更されません。これにより、アクティブな BOS が実動している間に、スタンバイ BOS の並行更新を行うことができます。

multibos ユーティリティーは、論理ボリュームおよびファイルシステムのコピーまたは共有を行うことができます。デフォルトで、multibos ユーティリティーは、BOS ファイルシステム (現在は/、/usr、/var、/opt、および /home ディレクトリー)、関連するログ・デバイス、およびブート論理ボリュームをコピーします。 BOS オブジェクト (-L フラグを参照) のコピーを作成することもできます。その他のファイルシステムおよび論理ボリュームはすべて BOS のインスタンス間で共用されます。個々のログ・デバイス論理ボリューム (ファイルシステム内に含まれていない論理ボリューム) はコピー用にはサポートされず、共用されます。

multibos ユーティリティーの要件multibos ユーティリティーには、オペレーティング・システム、スペース、および論理ボリュームに対する要件があります。

以下に、一般的な要件と制限を示します。

v multibos ユーティリティーは、AIX 5L バージョン 5.3 (5300-03 推奨メンテナンス・パッケージ適用)

およびそれ以降のバージョンでサポートされます。

v 現在の rootvg には、それぞれの BOS オブジェクト・コピーごとに十分なスペースがあります。BOS

オブジェクト・コピーは、元のディスク (複数可) と同じディスクに置かれます。

v コピーされる論理ボリュームの総数は、128 を超えてはなりません。コピーされる論理ボリュームと共用される論理ボリュームの総数は、ボリューム・グループの制限によって異なります。

74 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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スタンバイ BOS セットアップ操作スタンバイ BOS セットアップ操作について説明します。

multibos セットアップ操作では、-s フラグを使用して、以下のステップを実行します。

1. multibos メソッドは初期化されます。

2. カスタマイズ済みの image.data ファイルを用意している場合、それは論理ボリューム属性に使用されます。そうでない場合、新しいファイルが生成されます。カスタマイズ済みの image.data ファイルを使用して、BOS オブジェクト (論理ボリュームまたはファイルシステム) 属性を変更することができます。カスタマイズ済みの image.data ファイルを章して、BOS 論理ボリュームまたはファイルシステムの追加または削除を行うことはできません。

3. スタンバイ論理ボリュームは、image.data 属性に基づいて作成されます。アクティブおよびスタンバイの論理ボリュームは、論理ボリューム制御ブロックで固有のタグを使用してマークされます。multibos ユーティリティーは、これらのタグを使用して、コピーされた論理ボリュームを識別します。アクティブな論理ボリューム名が古典的な 名前 (例えば hd2、hd4、hd5 など) である場合、bos_プレフィックスが前に付加されて、新しいスタンバイの名前が作成されます。アクティブな論理ボリューム名に既に bos_ プレフィックスが付いている場合、そのプレフィックスは新しいスタンバイの名前を作成するために除去されます。

注: 論理ボリューム・マネージャー (LVM) では、論理ボリューム名の最大長が 15 文字に制限されます。つまり、どの論理ボリュームの古典的な名前も 11 文字を超えてはなりません。11 文字を超える古典的な名前を持つ論理ボリュームは、chlv コマンドを使用して名前変更することができます。アクティブな論理ボリューム名に既に bos_ プレフィックスが付いている場合、そのプレフィックスはスタンバイの名前から除去されます。

4. スタンバイ・ファイルシステムは、image.data 属性に基づいて作成されます。アクティブおよびスタンバイのファイルシステムは、ホストの論理ボリューム制御ブロックおよび /etc/filesystems で固有のタグを使用してマークされます。multibos ユーティリティーは、これらのタグを使用して、コピーされた論理ボリュームを識別します。/bos_inst プレフィックスが元のアクティブなファイルシステム名の前に付加されて、スタンバイ・ファイルシステム名が作成されます。スタンバイ・ファイルシステム名は、システムの PATH_MAX 制限を超えてはなりません。スタンバイ・ファイルシステムは、アクティブな BOS /etc/filesystems で標準のエントリーとして表示されます。

5. スタンバイ・ファイルシステムがマウントされます。

6. アクティブな BOS からコピーされるファイルのリストが生成されます。このリストは、オプションの除外リストをしようして除外したファイル (-e フラグを参照) を除き、コピーされたアクティブなBOS ファイルシステムにある現在のファイルで構成されます。

7. 前のステップで生成されたファイルのリストは、バックアップおよび復元ユーティリティーを使用して、スタンバイ BOS ファイルシステムにコピーされます。

8. オプションのカスタマイズが実行されます (該当する場合)。これには、ファイルセットの更新またはその他のソフトウェアのインストールなどが含まれます。

9. AIX bosboot コマンドを使用して、スタンバイ・ブート・イメージが作成され、スタンバイ BLV に書き込まれます。このステップは、-N フラグを使用してブロックすることができます。-N フラグを使用するのは、経験のあるアドミニストレーターで、AIX ブート・プロセスについて精通している場合に限ってください。

10. スタンバイ BLV が最初のブート・デバイスとして設定され、アクティブな BLV は 2 番目のブート・デバイスとして設定されます。このステップは、-t フラグを使用してスキップできます。

インストールおよび移行 75

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自動的なファイルシステム拡張

すべての multibos 操作は、multibos -X フラグの自動拡張フィーチャーを指定して実行してください。このフラグにより、multibos 関連のタスクを実行するのにスペースが必要な場合に、自動的なファイルシステム拡張が行われます。

スタンバイ BOS のブートbootlist コマンドは、複数の BLV をサポートします。

一例として、ディスク hdisk0 と BLV bos_hd5 からブートするには、# bootlist –m normal hdisk0

blv=bos_hd5 と入力します。 システムがスタンバイ BOS からリブートした後、スタンバイ BOS の論理ボリュームが通常の BOS マウント・ポイント (例えば /、/usr、/var など) を使用してマウントされます。

現在ブートされている BLV、論理ボリューム、ファイルシステムなどの一連の BOS オブジェクトは、論理ボリューム名に関わらず、アクティブな BOS と見なされます。それまでアクティブであった BOS は、既存のブート環境でスタンバイ BOS になります。

スタンバイ BOS のマウントスタンバイ BOS のファイルシステムをそのファイルシステムのマウント・ポイントを使用してマウントすることにより、スタンバイ BOS にアクセスしてそれを変更することができます。multibos マウント操作では、-m フラグを使用して、すべてのスタンバイ BOS ファイルシステムを適切な順序でマウントします。

自動的なファイルシステム拡張

すべての multibos 操作は、multibos -X フラグの自動拡張フィーチャーを指定して実行してください。このフラグにより、multibos 関連のタスクを実行するのにスペースが必要な場合に、自動的なファイルシステム拡張が行われます。

プレビュー・オプション

-p フラグを使用するプレビュー・オプションは、セットアップ、除去、マウント、アンマウント、およびカスタマイズの操作に適用されます。プレビュー・オプションを指定すると、操作では、実行される予定のアクションに関する情報が提示されますが、実際の変更は実行されません。

スタンバイ BOS のアンマウントmultibos unmount 操作では、-u フラグを使用して、すべてのスタンバイ BOS ファイルシステムを適切な順序でアンマウントします。

自動的なファイルシステム拡張

multibos -X フラグの自動拡張フィーチャーにより、multibos 関連タスクを実行するのにスペースが必要な場合に、自動的なファイルシステム拡張が行われます。このフラグを指定して、すべての multibos 操作を実行してください。

プレビュー・オプション

-p フラグを使用するプレビュー・オプションは、セットアップ、除去、マウント、アンマウント、およびカスタマイズの操作に適用されます。プレビュー・オプションを指定すると、操作では、実行される予定のアクションに関する情報が提示されますが、実際の変更は実行されません。

76 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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スタンバイ BOS のカスタマイズmultibos カスタマイズ操作では、-c フラグを使用して、スタンバイ BOS を更新することができます。

カスタマイズ操作には、イメージのソース (-l device または directory フラグ)、および少なくとも 1 つのインストール・オプション (バンドルによるインストール、フィックスによるインストール、またはupdate_all) が必要です。カスタマイズ操作は、以下のステップを実行します。

1. スタンバイ BOS ファイルシステムがマウントされます (まだマウントされていない場合)。

2. -b フラグを使用してインストール・バンドルを指定する場合、geninstall ユーティリティーを使用してインストール・バンドルがインストールされます。インストール・バンドルの構文は、geninstall 規則に従います。-p プレビュー・フラグを指定する場合、geninstall がプレビュー操作を実行します。

3. -f フラグを使用してフィックス・リストを指定する場合、instfix ユーティリティーを使用してフィックス・リストがインストールされます。フィックス・リストの構文は、instfix 規則に従います。-p プレビュー・フラグを指定する場合、instfix がプレビュー操作を実行します。

4. -a フラグを使用して update_all 機能を指定する場合、install_all_updates ユーティリティーを使用して実行されます。-p プレビュー・フラグを指定する場合、install_all_updates がプレビュー操作を実行します。

注: 単一のカスタマイズ操作の中で、1 つ、2 つ、またはすべてのインストール・オプションを実行することができます。

5. AIX bosboot コマンドを使用して、スタンバイ・ブート・イメージが作成され、スタンバイ BLV に書き込まれます。このステップは、-N フラグを使用してブロックすることができます。-N フラグを使用するのは、経験のあるアドミニストレーターで、AIX ブート・プロセスに精通している場合に限ってください。

6. ステップ 1 でスタンバイ BOS ファイルシステムがマウントされていた場合、アンマウントされます。

自動的なファイルシステム拡張

multibos -X フラグの自動拡張フィーチャーにより、multibos 関連タスクを実行するのにスペースが必要な場合に、自動的なファイルシステム拡張が行われます。このフラグを指定して、すべての multibos 操作を実行してください。

プレビュー・オプション

-p フラグを使用するプレビュー・オプションは、セットアップ、除去、マウント、アンマウント、およびカスタマイズの操作に適用されます。プレビュー・オプションを指定すると、操作では、実行される予定のアクションに関する情報が提示されますが、実際の変更は実行されません。

スタンバイ BOS の除去除去操作では、-R フラグを使用して、BLV、論理ボリューム、ファイルシステムなどのスタンバイ BOS

オブジェクトをすべて削除します。

除去操作は、新しいスタンバイ BOS のために場所を空けたり、失敗した multibos インストールをクリーンアップするために使用できます。除去操作では、それぞれのオブジェクトを除去する前に、スタンバイ・タグ検査を実行します。除去操作は、名前またはラベルに関わらず、multibos が作成した BOS オブジェクトに対してのみ作用します。その他の BOS オブジェクトは、いつでも標準の AIX ユーティリティー(例えば、Rmlv、rmfs、rmps など) を使用して除去することができます。multibos 除去操作は、以下のステップを実行します。

1. スタンバイ BLV へのブート参照はすべて除去されます。

インストールおよび移行 77

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2. ブート・リストはアクティブな BLV に設定されます。このステップは、-t フラグを使用してスキップできます。

3. マウント済みのスタンバイ BLV はすべてアンマウントされます。

4. スタンバイ・ファイルシステムが除去されます。

5. 残りのスタンバイ論理ボリュームが除去されます。

自動的なファイルシステム拡張

multibos -X フラグの自動拡張フィーチャーにより、multibos 関連タスクを実行するのにスペースが必要な場合に、自動的なファイルシステム拡張が行われます。このフラグを指定して、すべての multibos 操作を実行してください。

プレビュー・オプション

-p フラグを使用するプレビュー・オプションは、セットアップ、除去、マウント、アンマウント、およびカスタマイズの操作に適用されます。プレビュー・オプションを指定すると、操作では、実行される予定のアクションに関する情報が提示されますが、実際の変更は実行されません。

スタンバイ BOS ブート・イメージの再作成ブート・イメージ再作成操作では、-B フラグを使用して、スタンバイ BOS ブート・イメージを再作成することができます。

新しいブート・イメージはスタンバイ BOS システム・ファイルに基づき、スタンバイ BLV に書き込まれます。multibos ブート・イメージ作成操作は、以下のステップを実行します。

1. スタンバイ BOS ファイルシステムがマウントされます (まだマウントされていない場合)。

2. AIX bosboot コマンドを使用して、スタンバイ・ブート・イメージが作成され、スタンバイ BLV に書き込まれます。

3. ステップ 1 でスタンバイ BOS ファイルシステムがマウントされていた場合、アンマウントされます。

自動的なファイルシステム拡張

multibos -X フラグの自動拡張フィーチャーにより、multibos 関連タスクを実行するのにスペースが必要な場合に、自動的なファイルシステム拡張が行われます。このフラグを指定して、すべての multibos 操作を実行してください。

スタンバイ BOS シェル操作の使用multibos シェル操作の -S フラグを使用すると、スタンバイ BOS ファイルシステムで、限定された対話式の chroot シェルを開始することができます。

このシェルにより、標準パスを使用してスタンバイ・ファイルにアクセスすることができます。例えば、/bos_inst/usr/bin/ls はシェル内で /usr/bin/ls にマップされます。アクティブな BOS ファイルは、スタンバイ・ファイルシステムを使用してマウントされている場合を除き、シェルの外部から可視ではありません。シェル操作の使用はデータ・ファイルを変更する場合に限定し、カーネル、処理プログラム・テーブル、またはその他のオペレーティング・システム構造に対して永続的な変更を行わないでください。BOS

シェルを使用するのは、chroot 環境に精通している場合に限ってください。

multibos シェル操作は、以下のステップを実行します。

1. スタンバイ BOS ファイルシステムがマウントされます (まだマウントされていない場合)。

78 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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2. 対話式のスタンバイ BOS シェルを開始するために、chroot ユーティリティーが呼び出されます。シェルは、終了まで実行されます。

3. ステップ 1 でスタンバイ BOS ファイルシステムがマウントされていた場合、アンマウントされます。

次に、multibos シェルで実行できる操作の例をいくつか示します。

MULTIBOS> lppchk –v # check system fileset consistencyMULTIBOS> installp -ug bos.games # removes bos.gamesMULTIBOS> oslevel –r # reports recommended maintenance level for standby BOS

自動的なファイルシステム拡張

multibos -X フラグの自動拡張フィーチャーにより、multibos 関連タスクを実行するのにスペースが必要な場合に、自動的なファイルシステム拡張が行われます。このフラグを指定して、すべての multibos 操作を開始してください。

追加の multibos オプションスタンバイ BOS にコピーする追加の論理ボリューム、ファイルシステム、ページング・スペースなどを指定できます。

プレビュー・オプション

-p フラグを使用するプレビュー・オプションは、セットアップ、除去、マウント、アンマウント、およびカスタマイズの操作に適用されます。プレビュー・オプションを指定すると、操作では、実行される予定のアクションに関する情報が提示されますが、実際の変更は実行されません。

除外リスト・ファイル

オプションの除外リストをセットアップ操作で使用することができます。除外のルールは、egrep コマンドのパターン・マッチング・ルールに従います。

例えば、/tmp ディレクトリーの内容を除外する場合に、パス名に /tmp が含まれるその他のディレクトリーを除外しないようにするには、除外ファイルを次のように編集します。^./tmp/

注: すべてのファイルは、現在の作業ディレクトリー (″.″) に関連してバックアップされます。ファイルまたはディレクトリーを除外する場合に、行の先頭にある文字列が一致するように検索することが重要な場合は、検索文字列の最初の文字として脱字記号 (^) を使用し、その後にドット文字 (.) を付けてから、除外するファイル名またはディレクトリーを置きます。除外するファイル名またはディレクトリーが、別のファイル名またはディレクトリーの文字列の一部である場合は、脱字記号の後にドット文字 (^.) を使用して、検索を行の先頭で開始します。検索が行の最後で終了するよう示すには、ドル記号 ($) を使用します。

追加の BOS オブジェクトの指定

デフォルトで、BOS ファイルシステムの一部のみがスタンバイ BOS にコピーされます。現在、これらのファイルシステムは、/、/usr、/var、/opt、および /home です。ブート論理ボリュームもスタンバイ BOS

にコピーされます。スタンバイ BOS にコピーする追加の論理ボリューム、ファイルシステム、ページング・スペースなどを指定するには、-L AddFile フラグを使用します。AddFile ファイルには、BOS オブジェクトに関連付けられた論理ボリューム名が入っている必要があります。例えば、/mylocal ファイルシステムをコピーする場合、/mylocal を使用してマウントされた論理ボリュームの名前 (例えば Lv01) を組み込む必要があります。ファイルシステムのマウント・ポイントを論理ボリュームに一致させる方法について

インストールおよび移行 79

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詳しくは、lsfs コマンドを参照してください。個々のログ・デバイス (ファイルシステム内に含まれていないログ・デバイス) はコピー用にはサポートされず、AddFile ファイルにリストされている場合でもコピーされません。

注: multibos コピーでサポートされるのは、LVM ベースのオブジェクト (つまり、論理ボリュームに関連付けられているオブジェクト) のみです。

自動的なファイルシステム拡張

multibos -X フラグの自動拡張フィーチャーにより、multibos 関連タスクを実行するのにスペースが必要な場合に、自動的なファイルシステム拡張が行われます。このフラグを指定して、すべての multibos 操作を実行してください。

インストールのカスタマイズAIX インストールをカスタマイズすることができます。インストールをカスタマイズするには、bosinst.data ファイルを編集して、インストール・メディアとともに使用する必要があります。

初めてインストールするときは、基本オペレーティング・システム (BOS) のインストール・プログラムがメニューを提示するので、ユーザーはそこからセットアップ・オプションを選択する必要があります。この初期インストールによって、インストール後の構成プログラムである、グラフィカル構成アシストまたはASCII インストール・アシストのどちらかが自動的に開始されます。構成アシストとインストール・アシストについての詳細は、 153ページの『AIX の構成』を参照してください。

後続のインストールでは、bosinst.data ファイルを編集することによって、デフォルトの BOS インストール・プログラムの多くの性質を変更することができます。例えばメニューなしで BOS をインストールする場合は、プロンプトが出されないように指定することができます。また、構成アシストまたはインストール・アシストをバイパスするよう、 BOS インストールをカスタマイズして、ユーザー独自の構成スクリプトを開始することもできます。 bosinst.data ファイルを使用して、一連のインストール設定値を他のマシンに複製することもできます。例えば、システム管理者は、同じ構成をもつ、すべてのサポート対象マシンのインストールに使用できる設定値をもつ、 bosinst.data ファイルを作成することができます。 AIX

4.3.3 以降のバージョンのオペレーティング・システムでは、Web-based System Manager の「Reinstall Base

Operating System (基本オペレーティング・システムの再インストール)」ウィザードを使用して、プロダクト・メディアまたはバックアップ・メディアからシステムをインストールすることができます。このアプリケーションにより、インストール前にプロンプトに応答することによって、インストールをカスタマイズすることが可能になり、必要なインストールのタイプに合う bosinst.data ファイルを作成できます。bosinst.data ファイルの詳細は、 46ページの『bosinst.data ファイル』を参照してください。

ユーザーが独自の構成スクリプトを、 bosinst.data ファイルまたはネットワーク・インストール・マネージメント (NIM) インターフェースから実行している場合は、そのスクリプトが実行されている時点で使用されている環境は、単一ユーザー環境 です。この環境は、マルチユーザー環境としては使用できないので、構成スクリプトから実行できるものには限度があります。 /etc/init ファイルは実行されないので、プロセス管理は行われません。 RAM ファイルシステムがまだ存在しているために、すべての使用可能なメモリーが実際には使用できないので、実行のために大量のメモリーを要求するデバイスは、構成できないこともあります。さらに、シグナルの処理も使用できません。

単一ユーザー環境のためには、構成スクリプトに関して、次の指針に従ってください。

v 基本デバイスを構成することができますが、デーモンやもっと複雑な構成を必要とするデバイスは、/etc/firstboot スクリプトの終わりに必要なコードを追加することによって、リブート時に始動すべきです。

80 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v デーモンを始動してはなりません。

v システム・リソース・コントローラー (SRC) コマンドを使用する NIS 構成のような項目は、別個のエントリーを /etc/inittab ファイルに作成し、リブート時に構成スクリプトを実行することによって始動する必要があります。

v AIX 5.2 から、BOS インストール・プロセスによって、使用可能メモリーに基づいたページング・スペースが自動的に作成されて拡張されます。

bosinst.data ファイルは、 BOS インストール・プログラムによる処理を指示します。このファイルは、インストール済みのマシンの /var/adm/ras ディレクトリーのみに常駐するもので、市販のテープや AIX

5.2 が入っていたメディアではアクセスできません。

bosinst.data ファイルには、デフォルト値にセットされた変数をもつスタンザが含まれています。各変数ごとに改行されていて、変数 = 値 というフォーマットになっています。各スタンザは、ブランク行で区切ってあります。これらのスタンザは、インストール方式やタイプ、マシン内部のディスク、および使用言語などの情報をインストール・プログラムに対して指定するものです。 ASCII テキスト・エディターで編集することによって、デフォルト変数を新しい値に置き換えることができます。

もう 1 つのインストール・ファイル image.data も、 BOS インストール中に変更して、使用することができます。 image.data ファイルには、BOS インストール・プロセス中に作成される、ルート・ボリューム・グループ・イメージを記述した情報があります。この情報には、ルート・ボリューム・グループにある論理ボリュームとファイルシステムのサイズ、名前、マップ、およびマウント・ポイントが記載されています。また、インストール・プログラムは、インストール対象のマシンに関するデフォルトについては、image.data ファイルから入力をとります。 image.data ファイルの説明は、「AIX 5L Version 5.3 Files

Reference」を参照してください。BOS インストールをカスタマイズするために、 bosinst.data ファイルを使用する手順が、 image.data ファイルにも適用されます。変更されたファイルを一緒に使用して、BOS

インストールのデフォルトを指定変更できます。

また、本章の指示に従って、保存インストール中に使用される、変更済みの preserve.list ファイルを収納した、補足ディスケット、CD-R、または DVD-RAM を作成することもできます。保存インストールの詳細については、 38ページの『基本オペレーティング・システムのインストール』を参照してください。

bosinst.data ファイルのカスタマイズと使用BOS をインストールした後でなければ、デフォルトの bosinst.data ファイルへのアクセスや変更はできません。

Web-based System Manager の「Reinstall Base Operating System (基本オペレーティング・システムの再インストール)」ウィザードを使用して、次回のインストールの準備、および bosinst.data ファイルのカスタマイズを行うことができます。また、bosinst.data ファイルをその他の ASCII ファイルと同様に編集することもできます。

このファイルの内容および編集したファイルの例については、 46ページの『bosinst.data ファイルのスタンザの説明』および 56ページの『bosinst.data ファイルの使用』を参照してください。変更したbosinst.data ファイルの内容を確認するには、bicheck コマンドを使用します。

注: /bosinst.data ファイルがシステム・バックアップ (mksysb) の一部になるようにカスタマイズする場合、AIX 4.3.3 以降では、mksysb コマンドが常に target_disk_data スタンザを更新して rootvg の現行ディスクを反映します。この更新が行われないようにしたい場合は、 /save_bosinst.data_file ファイルを作成する必要があります。このファイルの存在は、target_disk_data スタンザの更新前に、 mksysb コマンドによって確認されます。

インストールおよび移行 81

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bosinst.data ファイルを編集して使用するには、次のいずれかの手順を使用してください。

NIM でのカスタマイズした bosinst.data ファイルの使用カスタマイズした bosinst.data ファイルをネットワーク・インストールに使用することができます。

カスタマイズした bosinst.data ファイルを各クライアントごとに 1 つずつ作成し、そのファイルを、ネットワーク・インストール・マネージメント (NIM) を使用して NIM リソースとして定義します。bosinst.data ファイルをネットワーク・インストールでのリソースとして使用する方法の詳細は、 46ページの『bosinst.data ファイル』を参照してください。

補足 bosinst.data メディアの作成と使用補足メディアを作成してそれを今後のインストールで使用するには、以下の手順を実行します。

1. 以下のステップで bosinst.data ファイルをカスタマイズして署名ファイルを作成します。

a. 次の mkdir コマンドを使用して /tmp/mycd というディレクトリーを作成します。mkdir /tmp/mycd

b. 次の cd コマンドを使用してディレクトリーを /tmp/mycd ディレクトリーに変更します。cd

/tmp/mycd

c. /var/adm/ras/bosinst.data ファイルを /tmp/mycd にコピーします。

d. /var/adm/ras/bosinst.data ファイルを /tmp/mycd にコピーします。

e. bosinst.data ファイルを ASCII エディターで編集してカスタマイズします。

f. 次のようにして署名ファイルを作成します。echo data > signature

g. 次のコマンドを使用して、ファイルのアクセス権を変更します。# chmod 777 *

2. 以下のステップで、カスタマイズ・メディアを作成します。

a. cd コマンドを使用してディレクトリーを / ディレクトリーに移動します。

b. 次のコマンドを使用してカスタマイズ・メディアを作成します (/dev/cd1 は、ご使用の CD 書き込みデバイスによって異なります)。# mkcd -d /dev/cd1 -r /tmp/mycd

3. インストールにカスタマイズ・メディアを使用するには、以下のステップで行います。

メディア・ドライブが 1 台だけで、CD または DVD からインストールする場合は、以下のようにします。

a. AIX をインストールするマシンのメディア・ドライブに、インストール・メディアを挿入します。

b. インストール・メディアからマシンをブートします。

c. BOS 初期画面で 311 と入力します。カスタマイズ・メディアの挿入のプロンプトが出されます。

d. カスタマイズ・メディアを挿入します。 BOS インストール・プログラムは、ブート・メディアに含まれる bosinst.data ファイルではなく、このメディアに含まれる bosinst.data ファイルを使用します。 bosinst.data ファイルの詳細は、 46ページの『bosinst.data ファイル』を参照してください。

ネットワーク・インストールまたはテープ mksysb インストールを行う場合、またはメディア・ドライブが複数ある場合は、以下のようにします。

a. AIX をインストールするマシンのメディア・ドライブに、カスタマイズ・メディアを挿入します。

b. ネットワークまたはテープからマシンをブートします。

c. BOS 初期画面で 311 と入力します。プロンプトなしのインストールではインストールが続行され、プロンプトありのインストールではメニューが表示されます。

82 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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BOS インストール・プログラムは、ブート・メディアに含まれる bosinst.data ファイルではなく、このメディアに含まれる bosinst.data ファイルを使用します。 bosinst.data ファイルの詳細は、 46ページの『bosinst.data ファイル』を参照してください。

補足 bosinst.data ディスケットの作成と使用補足 bosinst.data ディスケットを作成して、カスタマイズ・インストールに使用することができます。

補足ディスケットを作成するために次のプロセスを完了します。

1. 以下のステップで bosinst.data ファイルをカスタマイズして署名ファイルを作成します。

a. 次の mkdir コマンドを使用して /tmp/mydiskette というディレクトリーを作成します。mkdir

/tmp/mydiskette

b. 次の cd コマンドを使用してディレクトリーを /tmp/mydiskette ディレクトリーに変更します。cd

/tmp/mydiskette

c. /var/adm/ras/bosinst.data ファイルを /tmp/mydiskette にコピーします。

d. bosinst.data ファイルを ASCII エディターで編集してカスタマイズします。

e. 次のようにして署名ファイルを作成します。echo data > signature

2. 以下のステップを実行して、ディスケットを作成し、それをインストールに使用します。

a. 次のコマンドを使用して、編集済みの bosinst.data ファイルと新しい signature ファイルのバックアップをディスケットに作成します。ls ./bosinst.data ./signature | backup -iqv

または

mybundle というバンドル・ファイルを作成する場合は、次のコマンドを使用して、編集済みのbosinst.data ファイル、新規の signature ファイル、およびバンドル・ファイルのバックアップをディスケットに作成します。ls ./bosinst.data ./signature ./mybundle | backup -iqv

b. インストールするターゲット・マシンのディスケット・ドライブに、ディスケットを挿入します。

c. ターゲット・マシンをインストール・メディア (テープ、CD または DVD-ROM、あるいはネットワーク) からブートして、オペレーティング・システムをインストールします。 BOS インストール・プログラムは、インストール・メディアと一緒に出荷されたデフォルトの bosinst.data ファイルではなく、このディスケット・ファイルを使用します。 bosinst.data ファイルの詳細は、 46ページの『bosinst.data ファイル』を参照してください。

ディスク数が多いシステムへの AIX のインストールシステムをインストールするディスクを指定して、AIX のインストールに要する時間を短縮します。

一般的に、AIX システムをインストールするディスク (ルート・ボリューム・グループ) を指定しないと、前に AIX がインストールされていたディスクに、オペレーティング・システムがインストールされます。データ・ボリューム・グループを含むディスクの数が多く、前のルート・ボリューム・グループが検出される前にこれらのデータ・ボリューム・グループがディスカバーされた場合、適切なディスクが検出されるまでインストールが遅延することがあります。AIX 5L バージョン 5.3 (5300-03 推奨メンテナンス・パッケージ適用) 以降では、システムをインストールするディスクを最初に指定すると、時間を節約できます。以下のいずれかの方法で、インストール・ディスクを指定できます。

v 物理ロケーション・コード (PHYSICAL_LOCATION) または物理ボリューム ID (PVID) によって、bosinst.data ファイルでインストール・ディスクを指定します。

1. 実行中のシステムで物理ロケーションを判別するには、次のように入力します。

lsdev -F "name physloc" -l hdisk

インストールおよび移行 83

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2. 実行中のシステムで物理ボリューム ID を判別するには、次のように入力します。

lsattr -E -O -a pvid -l hdisk

3. インストールにファイバー・チャネル・ディスクを使用する場合、bosinst.data ファイルで次のコマンドを使用できます。

SAN_DISKID=worldwide_portname//lun_id

v CD または DVD からのインストール、またはネットワーク・インストールのいずれかを使用して、2 ファイルでインストール・ディスクを指定します。

1. ネットワーク・インストールの場合、次のコマンドを入力して、bosinst.data ファイルでインストール・ディスクを指定します。

nim -o bos_inst -a bosinst_data=value ...

2. CD または DVD からのインストールの場合、 81ページの『bosinst.data ファイルのカスタマイズと使用』 の手順に従って、bosinst.data ファイルでインストール・ディスクを指定します。

ターゲット・システムの bosinst.data ファイルでディスクの特性を指定しない場合、インストール・ディスクは、bosinst.data ファイルの control_flow スタンザのフラグに基づいて選択されます。EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE=no を指定しない限り、最初の適切なルート・ボリューム・グループがインストール用として選択されます。上書きインストールまたは保存インストールの場合は、どのルート・ボリューム・グループでも使用できます。マイグレーションの場合、ボリューム・グループは、インストールされているレベルに移行できるオペレーティング・システムのバージョンを使用してインストールされる必要があります。bosinst.data ファイルの control_flow スタンザで EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE=no を指定すると、インストールは最初の未使用ディスクで行われます。

関連情報BOS インストールのカスタマイズに関連する情報へのリンクを示します。

bosinst.data ファイルの詳細については、 46ページの『bosinst.data ファイル』を参照してください。

image.data ファイルの説明は、「AIX 5L Version 5.3 Files Reference」を参照してください。

オプションのプロダクトおよび保守更新基本オペレーティング・システム (BOS) をインストールした後に、オプションのソフトウェアまたは保守更新をインストールしたい場合があります。

注: bos.cdmount ファイルセットに含まれる CD および DVD の自動マウント機能の cdromd は、AIX

5.2 から提供が開始されています。ご使用のシステムで cdromd デーモンが使用可能かどうかを判別するには、次のコマンドを実行します。

# lssrc -s cdromd

デバイスが既に使用可能かどうかを最初に検査しないで、スクリプト、アプリケーション、または命令でCD または DVD デバイスをマウントしようとすると、cdromd デーモンによって妨げられる場合があります。その状況では、リソースまたはデバイス使用中エラーになります。その場合は cdumount またはcdeject コマンドを使ってデバイスをアンマウントします。次にプログラムまたは命令でデバイスをマウントします。あるいは、 cdcheck -m または mount コマンドを使って、デバイスの現行マウント・ポイントを決定します。詳しくは、「AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス」に記載されている cdromdコマンドについての説明を参照してください。

2. bosinst.data

84 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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インストール・コードではこの自動マウントが行われます。 cdromd を使用可能にして mkcd コマンドを実行すると、イメージの完了後に CD-R または DVD-RAM がイジェクトされます。メディアをイジェクトしたくない場合は、次のコマンドを使用して cdromd デーモンが機能しないようにする必要があります。

# stopsrc -s cdromd

オプションでインストールされるソフトウェアオプションでインストールされるソフトウェアを構成するものについて説明します。

オプションとしてインストール可能なソフトウェアには、次のものが含まれています。

v 任意選択ソフトウェア製品: BOS のインストール時に自動的にシステムにインストールされないソフトウェア。ソフトウェア・プロダクトには、オペレーティング・システムと一緒に出荷されるものと、それとは別途に購入されるものがあります。 BOS は、bos.rte.install のように個別に更新可能なサブシステムに分かれています。bos.rte で始まる更新は、BOS サブシステムを更新します。

v 保守更新: BOS または任意選択ソフトウェア製品の欠陥を訂正するソフトウェア。保守更新は、ファイルセットで編成されています。このタイプの更新は、常にファイルセットの部分を変更します。

ソフトウェア・プロダクトは、以下のカテゴリーに分けることができます。

ライセンス・プログラムライセンス・プログラム (LP) は、ライセンス・プログラム・プロダクト (LPP) またはプロダクトとも呼ばれます。LP は、そのライセンス・プログラムに関連するすべてのパッケージが入っているソフトウェア製品一式のことです。例えば、bos (基本オペレーティング・システム) はライセンス・プログラムです。

パッケージ関連機能のセットを提供する、分離してインストール可能なユニットのグループ。例えば、bos.netはパッケージです。

ファイルセット個別にインストール可能なオプション。ファイルセットは、特定の機能を提供します。ファイルセットの例として、bos.net.nfs.client 5.1 があります。ファイルセット・パッケージについて詳しくは、 193ページの『ファイルセット・インストール・パッケージ』を参照してください。

ファイルセットの更新個別にインストール可能な更新。ファイルセット更新は、以前にインストール済みのファイルセットを機能強化するかまたはその欠陥を訂正します。

バンドル個人用生産性向上ソフトウェアまたはネットワーク環境におけるクライアント・マシン向けのソフトウェアの提供など、特定の目的に合致する、パッケージ、プロダクト、または個別のファイルセットの集まり。バンドルのセットは、オプションのソフトウェアの特定のセットを含んでいるBOS と一緒に提供されます。バンドル・パッケージについて詳しくは、 194ページの『ソフトウェア・バンドルのパッケージ化』を参照してください。

プロダクトはいくつかのパッケージで構成することができます。さらに、それらのパッケージは、異なるファイルセットで構成することができます。プロダクトは、その全体をインストールすることができますし、またはそのプロダクトの、あるパッケージまたはファイルセットだけをインストールすることもできます。ソフトウェア・プロダクトは、このように細分割されます。なぜなら、多くのソフトウェア・プロダクト

インストールおよび移行 85

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は、大規模であり、個別に独立して使用できる、多くの部分をもっているからです。プロダクトを、分離してインストール可能なファイルセットに分けることによって、必要なファイルセットだけをインストールすることが可能になります。

パッケージに含まれているすべてのファイルセットまたはプロダクト全体をインストールすることができます。あるいは、特にハード・ディスク・スペースに制限があれば、選択された ファイルセットだけをインストールすることもできます。

ソフトウェア・プロダクトの識別プロダクト名、レベル番号、およびプロダクト識別フィールドについて説明します。

プロダクト名とレベル番号がソフトウェア・プロダクトを識別します。 AIX におけるソフトウェア・プロダクト・レベルのフォーマットは、次のとおりです。

versionnumber.releasenumber.modificationlevel.fixlevel

ソフトウェア・プロダクト識別の各フィールドは、次のように定義されています。

v versionnumber フィールドは、バージョン番号を識別する 1 から 2 桁の数字で構成されます。

v releasenumber フィールドは、リリース番号を識別する 1 から 2 桁の数字で構成されます。

v modificationlevel フィールドは、修正レベルを識別する 1 から 4 桁の数字で構成されます。

v fixlevel フィールドは、フィックス・レベルを識別する 1 から 4 桁の数字で構成されます。

例えば、05.01.0000.0000 はソフトウェア・プロダクト・レベル番号で、05.01.0000.0032 はソフトウェア・プロダクト更新レベルです。そのレベルのバージョン、リリース、修正レベルおよびフィックス・レベルなどのフィールドの先行ゼロを含める必要はありません。レベル 05.01.0000.0000 は、5.1.0.0 と書くこともできます。

ソフトウェア・ライセンスソフトウェア購入の際に行うソフトウェア・ライセンス交付のタイプには、実行時ライセンス交付と、ソフトウェア・ライセンス契約の受諾があります。

通常、実行時ライセンスを必要とするソフトウェアは、そのソフトウェアを使用するライセンスをもっているときにのみ、インストールのために選択できます。 Web-based System Manager および System

Management Interface Tool (SMIT) を使用すれば、ユーザーがライセンスを所有していなくても、ライセンス・ソフトウェアをインストールすることはできますが、該当するライセンスを取得するまでは、新規にインストールされたソフトウェアの使用を抑制されることがあります。

ソフトウェア・ライセンス契約を受諾するには、ライセンス契約がインストール・プロセスの一部として受諾されることが必要です。 BOS インストールの一部としてインストールされたソフトウェアにソフトウェア・ライセンス契約の受諾が必要な場合は、そのライセンス契約が受諾されるまでは構成アシスト (グラフィックス・コンソール以外のコンソールの場合は、インストール・アシスト) を終了できません。ユーザーは、そのライセンス契約を表示して受諾することができます。 BOS インストールは、ソフトウェア・ライセンスを自動的に受諾するようにカスタマイズできます。詳しくは、 80ページの『インストールのカスタマイズ』を参照してください。

オプションのソフトウェアのインストールについては、smit license_on_media 高速パスまたは installp -Elコマンドを使用して、インストール・メディア上でライセンス契約をプレビューすることができます。インストール・プロセスでソフトウェア・ライセンスを受諾するには、メニュー項目を使用するか、installp コマンドで -Y フラグを指定します。受諾したライセンス契約をシステム上で表示するには、SMIT の smit

86 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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installed_license 高速パスまたは lslpp -E コマンドを使用することができます。Web-based System Manager

を使用してライセンスを表示するには、wsm を入力してアプリケーションを開始し、「Software (ソフトウェア)」を選択します。プロダクトがアンインストールされるときには、ライセンス契約受諾は、非アクティブ状態に変更されます。プロダクトが再インストールされるときには、ライセンス契約の再受諾のプロンプトは出されません。

次のセクションの前提条件を満たした後、次のステップとして、ソフトウェアのインストールに Web-based

System Manager または SMIT のどちらを使用するかを決定します。両方のアプリケーションをこの章で説明します。

オプションのソフトウェアおよび保守更新をインストールする前に、使用するインストール・メディアに付属の説明書を参照してください。システムの再インストールが必要な場合は、インストール・メディアの指示を参照してください。

注: installp コマンドを使用してインストールするソフトウェア・プロダクトの開発については、「AIX 5L バージョン 5.3 プログラミングの一般概念: プログラムの作成およびデバッグ」の『インストール用ソフトウェアのパッケージ化』を参照してください。

オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備オプション・ソフトウェアまたは保守更新をインストールするための前提条件を示します。

次のいずれかの条件に該当する場合は、そこで示されているセクションに進んでください。該当しない場合は、この章の手順に従って進んでください。

v 更新をコミットするか、以前にインストールしたソフトウェアを除去する必要がある場合は、 92ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守』に進んでください。

v ネットワーク・インストール・サーバーを使用する場合は、 197ページの『ネットワーク・インストール管理を使用するインストール』を参照してください。

前提条件の完了

オプションのソフトウェアまたは保守更新をインストールする前に、以下の前提条件をすべて満たしてください。

v root ユーザーとしてシステムにログインしている必要があります。

v AIX 5.3 BOS がシステムにインストールされている必要があります。BOS がまだシステムにインストールされていない場合は、 38ページの『基本オペレーティング・システムのインストール』に進んでください。あるいは、ネットワークを介してインストールする場合は、ネットワーク・インストール管理を使用するインストールを参照してください。

v オプションのソフトウェアまたは保守更新が入っているメディアを適切なドライブに挿入するか、あるいは、ソフトウェアへのローカルのパスまたは経路指定されたパスを知ること。

v 保守更新をインストールしていて、システムの現在のバックアップをとっていない場合は、 169ページの『システム・バックアップの作成』の手順を使用します。システム・バックアップを作成するには、バックアップ・ファイルセット (bos.sysmgt.sysbr) を対象のシステムにインストールしておく必要があります。

v システム・ファイルが修正されている場合は、更新プロセスで構成ファイルが置き換えられる可能性があるため、更新を適用する前に別途それらのバックアップをとっておきます。

インストールおよび移行 87

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v CD または DVD からインストールしていて、インストールに使用するメディア・ドライブそのものにドキュメンテーション・ディスクがマウントされている場合は、次のコマンドを示される順序で実行します。

# unlinkbasecd# umount /infocd

v メディア・ドライブのイジェクト・ボタンを最低 2 秒間押して、ドキュメンテーション・ディスクをイジェクトします。

オプションのソフトウェア・プロダクトまたは保守更新のインストールオプションのソフトウェア・プロダクトと保守更新は、オペレーティング・システムで提供されるシステム管理ツールを使用してインストールすることができます。

インストール中にファイルを表示するには、次のようにします。

v SMIT では、「DETAILED Output (詳細出力)」フィールドで「yes (はい)」を設定して、インストール時に復元されるファイルをリストすることができます。

v Web-based System Manager で「Software (ソフトウェア)」コンテナーを展開して、「Installed Software(インストールされたソフトウェア)」を選択します。「Software (ソフトウェア)」メニューから、「NewSoftware (Install/Update) (新規ソフトウェア (インストール/更新))」 → 「Install Additional Software(他のソフトウェアのインストール)」 → 「Advanced Method (詳細)」を選択します。その結果の画面で、ソース・ドライブを選択して、「Advanced (詳細)」をクリックします。その結果のダイアログで、「Show detailed messages (詳細メッセージを表示する)」の横をクリックします。

v installp コマンドを詳細オプション (-V2) と一緒に使用して、更新されたファイルを表示することもできます。

Web-based System Manager からのオプションのソフトウェアのインストールWeb-based System Manager を使用してオプションのソフトウェア・プロダクトまたは保守更新をインストールします。

グラフィックス・インターフェースは、以下をインストールするために、Web-based System Manager オプションへのアクセスを提供します。

v オプションのソフトウェア

v 保守更新

v ソフトウェア・バンドル

Web-based System Manager を使用すると、ソフトウェアをインストールできると同時に、システムのデフォルトのインストール設定を変更したり、その他のオプションを指定することができます。デフォルトで、Web-based System Manager は、インストールしているすべてのソフトウェアの更新を適用 して、コミットします。ただし、このデフォルトの設定を変更して、ソフトウェアの更新の適用だけを行うことができます。

注: 基本ソフトウェア・アプリケーションは常にコミットされます。そのソフトウェアの前のバージョンがインストールされていても、それを保管できません。

Web-based System Manager を使用するオプション・ソフトウェアのインストール:

Web-based System Manager を使用してオプション・ソフトウェアをインストールするには、以下の手順に従います。

1. コマンド行に wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

88 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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2. マシン名を展開します。

3. ナビゲーション領域の「Software (ソフトウェア)」を展開します。

4. 「Overview and Tasks (概説およびタスク)」を選択します。

5. 「Install Software (ソフトウェアのインストール)」を選択します。

Web-based System Manager を使用する保守更新のインストール:

Web-based System Manager を使用して保守更新をインストールするには、以下の手順に従います。

1. コマンド行で wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. マシン名を展開します。

3. ナビゲーション領域の「Software (ソフトウェア)」を展開します。

4. 「Overview and Tasks (概説およびタスク)」を選択します。

5. 「Update Software to the Latest Level (ソフトウェアを最新のレベルに更新する)」を選択します。

Web-based System Manager からのソフトウェア・バンドルのインストール:

Web-based System Manager を使用してソフトウェア・バンドルをインストールするには、以下の手順に従います。

1. コマンド行で wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. マシン名を展開します。

3. ナビゲーション領域の「Software (ソフトウェア)」を展開します。

4. 「Installed Software (インストールされたソフトウェア)」を選択します。

5. 「Software (ソフトウェア)」メニューから、「New Software (Install/Update) (新規ソフトウェア (インストール/更新))」 → 「Install Bundles (Easy) (バンドルのインストール (簡易))」を選択します。

SMIT を使用するオプション・ソフトウェアおよび保守更新のインストールSMIT を使用して、オプション・ソフトウェアおよび保守更新をインストールします。

SMIT では、以下のインストール・パスが使用可能です。

Install Software (ソフトウェアのインストール)メディア上で選択可能なソフトウェアの最新レベルから、ソフトウェアをインストールまたは更新します。表示されるソフトウェアのリストを短くするために、メッセージとロケール・ソフトウェアはリストから省略されます。このオプションを使用するには、コマンド行で smit

install_latest と入力します。

Update Installed Software to Latest Level (インストール済みソフトウェアを最新レベルに更新 (すべて更新)) 現在インストール済みのすべてのソフトウェアを、インストール・メディア上で選択可能な最新レ

ベルに更新します。このオプションを使用するには、コマンド行で smit update_all と入力します。

AIX 5L バージョン 5.2 (5200-01 推奨メンテナンス・パッケージ適用) 以降では、BOS インストール時にすべてのデバイスとカーネルをインストールするオプションを選択すると、後続のupdate_all 処理により、すべての新しい devices.* ファイルセットがインストール・メディアからインストールされます。このオプションは、/var/adm/ras/bosinst.data ファイルのALL_DEVICES_KERNELS 変数を no に設定することによりオフにできます。

Install Software Bundle (ソフトウェア・バンドルのインストール)入力デバイスおよびインストールするバンドルを指定するだけで、ソフトウェアの完全なバンドル

インストールおよび移行 89

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をインストールします。バンドルのインストールをプレビューして、インストールされるソフトウェアと、そのバンドルをインストールするために必要なファイルシステム内のスペースの量を、確認することができます。このオプションを使用するには、コマンド行で smit install_bundle と入力します。

Update Software by Fix (フィックスによるソフトウェアの更新)ある問題に対して特定のフィックスをインストールします。このメニューで、インストール・メディアにあるすべてのサービス・フィックスをリストして、インストールするフィックス・プログラムを選択することができます。また、インストールをプレビューして、更新されるソフトウェア、およびフィックスを適用するためにファイルシステム内に必要になるスペースの量を、確認することができます。このオプションを使用するには、コマンド行で smit update_by_fix と入力します。

Install and Update from ALL Available Software (選択可能なすべてのソフトウェアからのインストールおよび更新)

メディア上で選択可能なすべてのソフトウェアから、ソフトウェアをインストールまたは更新します。このオプションを使用するには、コマンド行で smit install_all と入力します。

注: オプション・ソフトウェアのインストール中に、インストール・プロセスを異常停止するような問題が発生した場合、それを再インストールする前に、一部インストールされたソフトウェアをシステムから除去するために、クリーンアップ 手順を実行しなければならないこともあります。システムが、クリーンアップを行うよう指示する場合は、 96ページの『オプションのソフトウェア製品および保守更新のクリーンアップ』に進んでください。

SMIT インストールの完了および状況メッセージの読み方インストール・プロセスが開始された後の、システム稼働状況とユーザーが行う必要のあるアクションについて説明します。

以下のステップを実行します。

1. Enter キーを押してインストールを開始すると、「COMMAND STATUS (コマンド状況)」画面が表示されます。インストールが進むにつれて、一連のメッセージが表示されます。インストールの所要時間は、ユーザーのシステムと、インストールおよび更新を行うソフトウェアによって異なります。

注: システムは、以下のようなメッセージを出して、インストール・メディアのボリュームを挿入するよう、ユーザーにプロンプトを出すことがあります。

Mount volume 2 on /dev/cd0.Press the Enter key to continue.

このメッセージが表示されたら、指定されたメディアを挿入して、Enter キーを押します。

インストールが終了すると、「COMMAND STATUS (コマンド状況)」画面の「Command: status (コマンド: 状況)」フィールドが、「OK (了解)」または「failed (失敗)」に変わります。「OK (了解)」は、正常にインストールされなかったファイルセットがいくつかあったとしても、インストールは最後まで実行されたことを意味します。「failed (失敗)」の状況は、インストールに問題があったことを意味します。インストールのプレビューは、常に「OK (了解)」の状況で終わりますが、必ず要約を確認してください。

エラー・メッセージの詳細については、 139ページの『インストール関連のシステム・メッセージおよびエラー・メッセージの解釈』を参照してください。

90 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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2. インストールが停止または終了すると、画面はインストール中に表示されたメッセージ・リストの先頭に戻ります。次に示すステップに従ってメッセージ・リストを検討することも、SMIT を終了して、smit.log ファイル (/smit.log または、 /home/user_id/smit.log) を検討することもできます。

3. 正常にインストールされなかった可能性があるソフトウェア・プロダクトまたは保守更新についてのエラー・メッセージがあるかどうか、メッセージ・リストを調べます。以下の手順を用いて、インストール中のエラーを訂正してください。

a. メッセージ・リストの最後にあるインストール前の要約とインストール後の要約を見て、インストール障害が起こったかどうかを調べます。

b. メッセージ・リストを使用して問題を判別し、どのソフトウェア・プロダクトまたは保守更新が関係しているかを判断します。例えば、あるソフトウェアについてスペース制限を超過していたり、必須条件が満たされていないことなどがあります。システムは、必要とされる追加スペースの量、インストールすべき必須のソフトウェア・プロダクトや保守更新のリストを示します。

c. 「FAILED (失敗)」、「BROKEN (損傷)」、または「CANCELLED (取り消し)」とマークされたプロダクトは、失敗の原因となった条件が訂正された後に、インストールし直すことができます。インストール要約レポートに「SUCCESS (成功)」とマークされた保守更新またはソフトウェア・プロダクトは、再インストールする必要はありません。インストールを再度実行する必要がある場合は、インストールの設定値を適切に変更してください。例えば、必要条件が欠けていた場合は、「AUTOMATICALLY install requisite software? (必要条件ソフトウェアを自動的にインストールする)」を「yes (はい)」に設定します。インストールを完了するにはスペースが十分ではなかった場合は、「EXTEND file systems if space needed? (スペースが必要な場合にファイルシステムを拡張する)」を「yes (はい)」に設定します。

再度インストールする必要があって AIX BOS マルチボリューム・メディアをお持ちの場合、 AIX

プロダクト CD のボリューム 1 を挿入します。 F3 を押して前の画面に戻り、インストールを再開します。インストール・プログラムの実行中に起こる可能性のある、 bosboot コマンドのエラー、およびそれらのエラーからのリカバリー手順については、 139ページの『インストール関連のシステム・メッセージおよびエラー・メッセージの解釈』を参照してください。

重要: システム・ログ・ファイルに、リブートが必要であることを示す次のメッセージがある場合は、ステップ 6 で示すリブートを実行してください。

* * * A T T E N T I O N * * *System boot image has been updated. You should reboot thesystem as soon as possible to properly integrate the changesand to avoid disruption of current functionality.

d. インストールが (例えば、停電などで) 中断された場合は、処理を続ける前に、クリーンアップ手順を使用しなければならないこともあります。 F10 (または Esc+0) を押して SMIT を終了し、 96ページの『オプションのソフトウェア製品および保守更新のクリーンアップ』を参照してください。

e. ソフトウェアが正常にインストールされ、インストールするソフトウェアが他になければ、ステップ4 に進みます。

別のインストール・メディアからインストールする他のソフトウェアがあれば、ドライブに入っているメディアを取り出し、新しいメディアを挿入します。

F3 (または Esc+3) を押して前の画面に戻り、ソフトウェア・プロダクトまたは保守更新のインストールを続けます。

4. F10 (または Esc+0) を押して SMIT を終了します。

5. すべてのインストール・メディアをドライブから取り出します。

6. 指示されたら、次のように入力してシステムをリブートします。# shutdown -Fr

インストールおよび移行 91

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コマンド行からのインストール済みソフトウェアの更新install_all_updates コマンドは、インストール済みのシステム・ソフトウェアをメディア上の最新レベルに更新して、現行の推奨テクノロジー・レベルを検査します。

AIX 5L バージョン 5.2 (5200-01 推奨メンテナンス・パッケージ適用) 以降では、BOS インストール時にすべてのデバイスとカーネルをインストールするオプションを選択すると、後続の update_all 処理により、すべての新しい devices.* ファイルセットがインストール・メディアからインストールされます。このオプションは、/var/adm/ras/bosinst.data ファイルの ALL_DEVICES_KERNELS 変数を no に設定することによりオフにできます。

ALL_DEVICES_KERNELS 変数が no に設定されている場合、install_all_updates コマンドは、インストール・メディアに入っていてもシステムにインストールされていないファイルセットをインストールしません。ただし、これらのファイルセットが、別途選択されたファイルセットの必要条件としてインストールされる場合は除きます。

installp イメージについては、installp のすべての必要条件が強制的にインストールされます。

次の例は、installp のすべての更新をデバイス /dev/cd0 にインストールして、現行の推奨テクノロジー・レベルを検査する方法を示しています。

# install_all_updates -d /dev/cd0

install_all_updates コマンドについての詳細は、「AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス」を参照してください。

構成ファイルへの変更の検査geninstall コマンドは、/etc/check_config.files にリストされている構成ファイルに対して、どのような変更が行われたかを調べる簡単な方法を提供します。

geninstall インストールまたは更新操作中にこれらのファイルが変更されると、旧ファイルと新ファイル間の違いが /var/adm/ras/config.diff ファイルに記録されます。/etc/check_config.files で旧ファイルを保管するように要求している場合は、旧ファイルは /var/adm/config ディレクトリーにあります。/etc/check_config.files ファイルは編集することができ、変更された旧構成ファイルを保管するか (s で示す)、または削除するか (d で示す) を指定するために使用することができます。フォーマットは次のとおりです。

d /etc/inittab

オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守インストール中およびインストール後にオプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新に関して行える主な保守アクションとして、次のものがあります。

特定のアクションをとることができるかどうかは、そのアクションがソフトウェア・プロダクト全体に適用されるのか、または以前にアクションがとられたことのある保守更新のみに適用されるのかによって異なります。

これらのアクションは、Web-based System Manager または System Management Interface Tool (SMIT) を使用して、あるいはコマンド行から直接コマンドを使用して実行することができます。以下のセクションで、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンドを使用する各アクションの実行方法について簡単に説明します。Web-based System Manager および SMIT は両方とも、各プロセス中にオンライン・ヘルプによってユーザーをガイドします。

92 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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重要: アクティブ・プロセスによって使用されている暫定修正または保守更新で更新されるライブラリーまたは実行可能プログラムは、再始動しない限りそのプロセスには反映されません。例えば、ksh を変更する更新の場合、既に実行中の ksh プロセスには変更は反映されません。これと同様に、libc.a ライブラリーへの更新は、既に実行中のプロセスには反映されません。さらに、ライブラリーを使用しており、ライブラリーの更新後に同じライブラリーの dlopen 操作を行うプロセスの場合は、再始動しないと不整合が生じる可能性があります。

保守更新の適用保守更新をインストールするとき、適用済み 状態のままにしておくことができます。

この状態では、そのソフトウェア・プロダクトの元のバージョンは、/usr/lpp/PackageName ディレクトリーに保管されます。保守更新を適用済みの状態にしておくことによって、ソフトウェアの元のバージョンを、再インストールせずに復元することができます。

適用済みの状態にしておくことができるのは、保守更新だけです。対照的に、ソフトウェア・プロダクト全体をインストールした後は、そのプロダクトはコミット状態 のままになります。コミット状態にあるソフトウェア・プロダクトは、ソフトウェアの元のバージョンを保管しません。なぜなら、同一ソフトウェア・プロダクトの 2 つのバージョンを同時にインストールできないからです。

Web-based System Manager からの保守更新の適用

1. コマンド行で wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. マシン名を展開します。

3. 「Software (ソフトウェア)」を展開します。

4. 「Overview and Tasks (概説およびタスク)」を選択します。

5. 「Update Software to the Latest Level (ソフトウェアを最新のレベルに更新する)」を選択します。

SMIT からの保守更新の適用コマンド行で smit update_by_fix と入力します。

コマンド行からの保守更新の適用installp -a コマンドを使用して、更新の適用のみを行います。

Web-based System Manager を使用する保守更新のコミット保守更新をコミットすると、プロダクトの前のバージョンがシステムから除去されます。これによってディスク・スペースが節約されます。

いったんソフトウェア・プロダクトまたは更新がコミットされてしまうと、ソフトウェア・プロダクト全体(基本レベルのプロダクトとそのすべての更新) を除去するか、または前のレベルに強制インストールする場合を除いて、システムから削除することはできません。強制インストールをするには、使用可能なファイルセットの基本レベルをメディアに用意する必要があります。

保守更新の適用とコミットは別々のアクションですが、両方とも更新のインストール中に実行することができます。実際、Web-based System Manager および SMIT でのデフォルトのアクションは、インストール中に保守更新の適用とコミットの両方を実行します。このデフォルトは、更新の適用のみを実行するように変更可能です。

Web-based System Manager を使用する保守更新のコミット

1. コマンド行に wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. マシン名を展開します。

3. 「Software (ソフトウェア)」コンテナーを展開します。

インストールおよび移行 93

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4. 「Installed Software (インストールされたソフトウェア)」を選択します。

5. 「Software (ソフトウェア)」メニューから、「Software Utilities (ソフトウェア・ユーティリティー)」 → 「Commit Applied Updates (適用済み更新のコミット)」を選択します。

「Software (ソフトウェア)」メニューから「List Installed Software (インストール済みソフトウェアのリスト)」 → 「Updates in Applied State (適用済み状態の更新)」を選択することにより、適用済み状態のすべての保守更新をリストすることができます。

SMIT を使用する保守更新のコミットコマンド行で smit commit と入力します。

コマンド行で smit list_installed と入力することによって、適用済み状態のすべての保守更新をリストすることができます。

コマンド行からの保守更新のコミットinstallp -c コマンドを使用して、適用済み更新をコミットします。

コマンド行で installp -s と入力することによって、適用済み状態のすべての保守更新をリストすることができます。

Web-based System Manager または SMIT からの保守更新のリジェクト適用済み保守更新をリジェクトすると、更新ファイルはシステムから除去され、ソフトウェアの前のバージョンが復元されます。

適用済み状態の保守更新のみをリジェクトできます。 Web-based System Manager または SMIT を使用して、適用済みの保守更新をリジェクトできます。

Web-based System Manager からの保守更新のリジェクト

1. コマンド行で wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. マシン名を展開します。

3. 「Software (ソフトウェア)」コンテナーを展開します。

4. 「Installed Software (インストールされたソフトウェア)」を選択します。

5. 「Software (ソフトウェア)」メニューから、「Software Utilities (ソフトウェア・ユーティリティー)」 → 「Reject Applied Updates (適用済み更新のリジェクト)」を選択します。

SMIT からの保守更新のリジェクトコマンド行で smit reject と入力します。

コマンド行からの保守更新のリジェクトinstallp -r コマンドを使用して、適用済み更新をリジェクトします。

重要: リジェクトの完了後、システム・ログ・ファイルに、リブートが必要であることを示す次のメッセージがある場合は、可能な限り早くリブートを実行してください。

* * * A T T E N T I O N * * *System boot image has been updated. You should reboot thesystem as soon as possible to properly integrate the changesand to avoid disruption of current functionality.

Web-based System Manager または SMIT からのソフトウェア・プロダクトの除去ソフトウェア・プロダクトを除去すると、そのプロダクトのファイルはシステムから除去され、ソフトウェア重要プロダクト・データ情報は、そのプロダクトが除去されたことを示すように変更されます。

94 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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除去プロセスはまた、システムの構成をその前の状態に復元しようとします。ただし、これはプロダクトによって異なり、必ずしも完全に行われるとは限りません。プロダクトが除去された後は、そのプロダクトのどのバージョンも、システム上で稼働状態にありません。

Web-based System Manager または SMIT を使用して、ソフトウェア・プロダクトを除去します。いずれのアプリケーションでも、「Remove dependent software? (従属ソフトウェアを除去する)」フィールドを「yes (はい)」に設定すると、すべての必須条件ソフトウェア (除去しているプロダクトに依存しているソフトウェア) も除去されます。ただし、システム上のその他のソフトウェアが必要としているソフトウェアについては、その限りではありません。

Web-based System Manager からのソフトウェア・プロダクトの除去

1. コマンド行に wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. マシン名を展開します。

3. 「Software (ソフトウェア)」コンテナーを展開します。

4. 「Installed Software (インストールされたソフトウェア)」を選択します。

5. 除去したいソフトウェア・プロダクトを選択します。

6. 「Selected (選択済み)」メニューから「Remove Software (ソフトウェアの除去)」を選択します。

SMIT からのソフトウェア・プロダクトの除去コマンド行で smit remove と入力します。

コマンド行からのソフトウェア・プロダクトの除去geninstall -u コマンドを使用して、プロダクトを除去します。

ソフトウェア・バンドルを今後のインストール用にハード・ディスクにコピー「Copy Software Bundle to Hard Disk for Future Installation (ソフトウェア・バンドルを今後のインストール用にハード・ディスクにコピー)」オプションを使って、指定したソースのソフトウェア・バンドルをローカル・システムのロケーションにコピーすることができます。

インストール・ソフトウェア・バンドルには、次のものが含まれます。

v Alt_Disk_Install

v App-Dev

v CC_EVAL.Graphics

v CDE

v GNOME

v Graphics

v KDE

v Kerberos_5

v Mozilla

v Server

v cas_client

v cas_server

v devices

v openssh_client

v openssh_server

インストールおよび移行 95

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v wsm_remote

オプションのソフトウェア製品および保守更新のクリーンアップクリーンアップ手順では、部分的にはインストールされたか、不完全な状態で残されている項目を削除しようとします。例えば、更新が割り込まれた後、lslpp -l コマンドは、更新状況を、適用済みではなくて、適用中と報告する場合があります。

注: この手順は、オプションのソフトウェア製品の更新またはインストールにのみ適用されます。AIX 5.3

BOS のインストールが失敗した場合は、詳細について 135ページの『ハード・ディスクからブートしないシステムのトラブルシューティング』を参照してください。

クリーンアップ手順では、更新をその前の状態に復帰させようとします。例えば、「COMMITTING (コミット中)」状態のときに割り込まれた更新をクリーンアップする場合、クリーンアップ手順は、更新をその「APPLIED (適用)」状態に戻そうとします。

インストールの初期状態の間に割り込みが発生した場合、クリーンアップ手順はインストールを完全に削除し、プロダクトの前のバージョン (あれば) を復元しようとします。前のバージョンが復元されたら、それがアクティブ・バージョンになります。前のバージョンを復元できない場合、そのソフトウェアは、lslpp-l コマンドによって、「BROKEN (壊れた)」としてリストされます。

プロダクトが削除された場合、または「BROKEN (壊れた)」の状態になった場合、ソフトウェアの再インストールを試みることができます。「BROKEN (壊れた)」の状態のプロダクトをクリーンアップできません。再インストールするかまたは除去するしかありません。

インストールが失敗するかまたは割り込まれると、システムは自動的にクリーンアップを開始します。通常、インストール中にシステムがシャットダウンするか停電になった場合、またはインストール・プロセスが異常終了した場合は、ユーザーがクリーンアップ手順を開始する必要があります。時には、クリーンアップ手順を実行後、システムをリブート (再始動) するようプロンプトが出されます。

クリーンアップできるはずのプロダクトが見つからなかったことを示すメッセージが出された場合は、必要ないときにクリーンアップ手順を実行してしまった可能性があります。インストールを再度試みてください。

失敗したインストールをクリーンアップする必要があることを示すメッセージが出された場合は、販売元に連絡して援助を求めてください。

Web-based System Manager からのクリーンアップ手順の開始Web-based System Manager を使用してクリーンアップ手順を開始するには、次のステップに従います。

1. コマンド行で wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. マシン名を展開します。

3. 「Software (ソフトウェア)」コンテナーを展開します。

4. 「Installed Software (インストールされたソフトウェア)」を選択します。

5. 「Software (ソフトウェア)」メニューから、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」 →

「Cleanup Failed or Interrupted Installation (インストールの障害または割り込み後のクリーンアップ)」を選択します。

96 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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SMIT を使用するクリーンアップ手順の開始SMIT を使用してクリーンアップ手順を開始するには、次のステップに従います。

1. コマンド行に smit maintain_software と入力します。

2. 「Clean Up After Failed or Interrupted Installation (インストールの障害または割り込み後のクリーンアップ)」を選択します。

コマンド行からのクリーンアップ手順の開始コマンド行からクリーンアップ手順を開始するには、このステップを実行します。

コマンド行に installp -C と入力します。

既存の installp イメージのソースの管理lppmgr コマンドを使って、既存の installp イメージのソースを管理します。

lppmgr コマンドは、既存の installp イメージのソース (NIM 環境では lpp_source リソースとも呼ばれる) に対して次の機能を実行します。

v 重複している更新を除去する (-u フラグ)。

v 重複しているベース・レベルを除去する (-b フラグ)。

v 同じファイルセットのベース・イメージと同じレベルの更新イメージを除去する。このような更新イメージがあると、インストールの失敗につながる矛盾が起こる場合があります (-u フラグ)。

v 指定する言語以外のメッセージおよびロケール・ファイルセットを除去する (-k フラグ)。

v 取り替えられたファイルセットを除去する (-x フラグ)。

v システム以外のイメージを NIM lpp_source リソースから除去する (-X フラグ)。

デフォルトでは、 lppmgr は前ルーチンでフィルター済みのすべてのイメージをリストします。 -r フラグを使ってフィルター済みイメージを除去でき、 -m フラグを使ってイメージを別のロケーションに移動することができます。

lppmgr コマンドは bffcreate コマンドを置き換えるものではなく、また何かをインストールしたり、インストール済みファイルセットで作業するものでもありません。 -X フラグを使用する前に、NIM、システム・イメージ (NIM では SIMAGES と呼ぶ)、および NIM lpp_source リソースの動作について十分に理解しておくことが必要です。

/myimages イメージ・ソース・ディレクトリー内の重複および矛盾している更新をすべてリストするには、次を入力します。

# lppmgr -d /myimages -u

/myimages イメージ・ソース・ディレクトリー内の重複および矛盾している更新をすべて除去するには、次を入力します。

# lppmgr -d /myimages -u -r

lppmgr コマンドについての詳細は、「AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス」を参照してください。

インストールおよび移行 97

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「Software Service Management (ソフトウェア・サービス管理)」メニューの使用 (SUMA を含む)「Software Service Management (ソフトウェア・サービス管理)」メニューからサービス更新管理アシスタント (SUMA) 機能を利用することができます。この機能を使用すると、Web からのテクノロジー・レベル更新のダウンロードをポリシーに基づいて自動的に行えるため、システム更新処理が大幅に単純化されます。

「Software Service Management (ソフトウェア・サービス管理)」メニューで、システムにインストールされているファイルセット、リポジトリーに含まれるファイルセット、および IBM System p® サポート Web

サイトから入手できるファイルセットの管理に使用できるレポートを生成することができます。また、このメニューから、リポジトリー内のソフトウェア・イメージのクリーンアップと名前変更を行うこともできます。

これらのアクションを実行するには、SMIT の service_software 高速パスを使用するか、コマンド行から直接コマンドを使用します。SMIT またはコマンドを使って各アクションを実行する方法を、以下のセクションで簡潔に説明します。

サービス更新管理アシスタント (SUMA) の使用サービス更新管理アシスタント (SUMA) を使用すると、システム管理者は、Web からメンテナンス更新を手動で取り出すという作業から離れることができるようになります。

SUMA には、フィックス配布 Web サイトからフィックスをシステムにダウンロードするための自動インターフェースをセットアップできる柔軟なオプションがあります。 SUMA を特定の新規フィックスおよびメンテナンス・レベル全体の可用性を定期的に検査するように構成できるため、システム管理者がそのような作業を行う場合に費やす時間が大幅に削減されます。

SUMA には、suma コマンドまたは SMIT suma 高速パスを使用してアクセスできます。

SUMA コマンド行インターフェースの使用:

suma コマンドを使用して、SUMA タスクまたはポリシーに対して以下の操作を実行できます。

v 作成

v 編集

v リスト

v スケジュール

v スケジュール解除

v 削除

RqType パラメーターで、要求するダウンロードのタイプ (重大修正、特定のファイルセット、APAR など)

を指定します。以下のタイプの修正を検索するようにポリシーをセットアップすることができます。

APAR APAR (例えば、IY12345) のダウンロード要求を指定します。

PTF PTF (例えば、U123456) のダウンロード要求を指定します。

ML 特定のメンテナンス・レベル (例えば、5300-03) のダウンロード要求を指定します。

TL 特定のテクノロジー・レベル (例えば、5300-04) のダウンロード要求を指定します。

SP™ 特定のサービス・パックまたは終結サービス・パック (例えば、5300-04-02 または 5300-04-CSP)

のダウンロード要求を指定します。

Fileset 特定のファイルセット (例えば、bos.rte.lvm) のダウンロード要求を指定します。

98 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Security最新のセキュリティー修正のダウンロード要求を指定します。

Critical最新の重大修正のダウンロード要求を指定します。これにより、極めて広範囲な (HIPER) 問題が解決されます。

Latest 最新のすべての修正のダウンロード要求を指定します。

suma コマンドには、要求をさらに指定できるフラグ・オプションがいくつかあります。これらのコマンド・オプションを使用して、さまざまなタスクまたはポリシーをリスト、編集、作成、スケジュール、スケジュール解除、および削除することができます。

例えば、最新の重大修正を毎月 15 日の午前 2:30 (cron 形式を使用) にダウンロードするタスクを作成してスケジュールし (-s)、DisplayName フィールドを使用してポリシー・ラベル (SMIT からポリシーをリストするときに便利) を追加するには、次のように入力します。

suma -s "30 2 15 * *" -a RqType=Critical ¥-a DisplayName="Critical fixes - 15th Monthly"

前記の例は、suma -D コマンドで表示できるタスクのデフォルトを使用しています。

5300-02 メンテナンス・レベル全体を月曜日午後 11:00 に /lppsrc/5302 ディレクトリーにダウンロードするタスクを作成してスケジュールし、ダウンロード後にインストール済みソフトウェアに対するフィルター操作をオフにし (FilterSysFile)、lppmgr clean 操作を実行して、置き換えられる更新、重複しているベース・レベル、および矛盾する更新を除去するには、次のコマンドを入力します。

suma -s "0 23 * * 1" -a Action=Clean -a RqType=ML -a RqName=5300-02 ¥-a DLTarget=/lppsrc/5302 -a FilterSysFile=/dev/null

注: Action=Clean を指定するタスクを実行する前に、suma -c を実行して、lppmgr の実行時に使用される SUMA グローバル構成設定を検査することができます。REMOVE_SUPERSEDE、REMOVE_DUP_BASE_LEVELS、および REMOVE_CONFLICTING_UPDATES を yes に設定すると、結果として上記の例の意図されたアクションになります。

suma コマンドの機能を詳細に示す例の完全リストは、『suma コマンド』を参照してください。

「Comparison Reports (比較レポート)」メニューの使用「Comparison Reports (比較レポート)」メニューで何種類かの比較レポートを生成し、システムにインストールされているファイルセットを別のソースと比較することによって、特定のフィックスまたは予防保守パッケージ用のファイルセットがインストールされていることを検査することができます。このソースは、lpp_source やフィックス・ディレクトリーなどのフィックス・リポジトリー、または IBM System p サポート Web サイトからダウンロードしたリストが相当します。

lpp_source が最新のものであることを検査するには、フィックス・リポジトリーを、ダウンロードしたリストと比較することもできます。

これらのアクションは、SMIT compare_report 高速パス、または compare_report コマンドを使用して実行できます。

「Compare Installed Software to Fix Repository (インストール済みソフトウェアをフィックス・リポジトリーと比較)」メニューの使用:

インストールおよび移行 99

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「Compare Installed Software to Fix Repository (インストール済みソフトウェアをフィックス・リポジトリーと比較)」メニューで、システムにインストールされているファイルセットをフィックス・リポジトリーと比較することができます。

次のレポート・リストが生成されます。

v システム上の、バックレベルのファイルセット (lowerlevel.rpt)

v システム上の、以降のレベルのファイルセット (higherlevel.rpt)

v フィックス・リポジトリーにあるが、システムにインストールされていないファイルセット(notinstalled.rpt)

v システムにインストールされているがフィックス・リポジトリーにないファイルセット(no_update_found.rpt)

「Compare Installed Software to Fix Repository (インストール済みソフトウェアをフィックス・リポジトリーと比較)」オプションは、SMIT instofix_compare 高速パスを使用するか、または compare_report コマンドで次のオプションを使用して実行します。

compare_report -s -i FixDir {[-l] [-h] [-m] [-n]} [-t ReportDir -Z | -v]

compare_report -b BaseList -i FixDir {[-l] [-h] [-m] [-n]} [-t ReportDir] -Z | -v]

-l (低位) または -h (高位) フラグを使用すると、比較レポートには、暫定フィックスがインストールされることのみが表示されます。高位 (higher) または低位 (lower) 概念は現在使用できません。

「Compare Installed Software to List of Available Updates (インストール済みソフトウェアを使用可能な更新のリストと比較)」メニュー:

「Compare Installed Software to List of Available Updates (インストール済みソフトウェアを使用可能な更新のリストと比較)」メニューで、システムにインストールされているファイルセットを IBM System p サービス Web サイトからダウンロードした使用可能な更新のリストと比較することができます。

次のレポート・リストが生成されます。

v システム上の、最新のものからはバックレベルのファイルセット (lowerthanlatest1.rpt)

v システム上の、最新メンテナンス・レベルおよびテクノロジー・レベル以降のファイルセット(higherthanmaint.rpt)

v システム上の、最新メンテナンス・レベルおよびテクノロジー・レベルからはバックレベルのファイルセット (lowerthanmaint.rpt)

「Compare Installed Software to List of Available Updates (インストール済みソフトウェアを使用可能な更新のリストと比較)」オプションは、SMIT instolist_compare 高速パスを使用するか、compare_report コマンドで次のオプションを使用して実行します。

compare_report -s -r ServiceReport {[-l] [-h]} [-t ReportDir -Z | -v]

compare_report -b BaseList -r ServiceReport {[-l] [-h]} [-t ReportDir] -Z | -v]

-l (低位) または -h (高位) フラグを使用すると、比較レポートには、暫定フィックスがインストールされることのみが表示されます。高位 (higher) または低位 (lower) 概念は現在使用できません。

「Compare Fix Repository to List of Available Updates (フィックス・リポジトリーを使用可能な更新のリストと比較)」メニュー:

100 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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「Compare Fix Repository to List of Available Updates (フィックス・リポジトリーを使用可能な更新のリストと比較)」メニューで、フィックス・ディレクトリーや lpp_source などのフィックス・リポジトリーにあるファイルセットを、IBM System p サービス Web サイトからダウンロードした使用可能な更新のリストと比較することができます。

生成されるレポートのリストには、フィックス・ディレクトリーにある、最新のものからはバックレベルのファイルセットに関する情報が含まれます (lowerthanlatest2.rpt)。

「Compare Fix Repository to List of Available Updates (フィックス・リポジトリーを使用可能な更新のリストと比較)」オプションは、 SMIT fixtolist_compare 高速パスを使用するか、または compare_report コマンドで次のオプションを使って実行します。

compare_report -i FixDir -r ServiceReport [ -t ReportDir -Z | -v ]

基本システム上のインストール済みソフトウェアのリストと別のシステムとの比較:

基本システム上のインストール済みソフトウェアのリストと別のシステムとの比較オプションを使用すると、システムにインストールされているファイルセットを別のシステムと比較することができます。

あるシステムの lslpp -Lc 出力がファイルに保管されて、別のシステムの lslpp -Lc 出力と比較されます。次のレポート・リストが生成されます。

v 基本システムにインストールされている、下位レベルのソフトウェアのリスト (baselower.rpt)

v 基本システムにインストールされていないが他のシステムにインストールされているファイルセット(otheronly.rpt)

v 基本システムにインストールされている、高位レベルのソフトウェアのリスト (basehigher.rpt)

v 基本システムにインストールされていて他のシステムにはインストールされていないファイルセット(baseonly.rpt)

基本システムにインストールされているソフトウェアのリストを別のシステムと比較するには、compare_report コマンドで次のオプションを使って行います。

compare_report -b BaseList -o OtherList {[-l] [-h] [-m] [-n]} [-t ReportDir -Z | -v]

「Rename Software Images in Repository (リポジトリー内のソフトウェア・イメージの名前変更)」オプションの使用「Rename Software Images in Repository (リポジトリー内のソフトウェア・イメージの名前変更)」オプションを使って、フィックス ID 番号が名前になっている更新を名前変更して、例えば今後のインストールのために更新をハード・ディスクにコピーするときに生成される名前のような、より意味のあるファイルセット名にすることができます。このアクションによって、指示されたディレクトリー内のすべてのファイルセットが同じ形式で名前変更されます。

このオプションは、SMIT rename_software 高速パスを使用して実行できます。

また、bffcreate コマンドを使用して、ディレクトリー内のソフトウェア・イメージを名前変更することもできます。bffcreate コマンドを使用してディレクトリー内のソフトウェア・イメージを名前変更するには、ファイルセットが入っているディレクトリーに対して -c フラグと -d フラグを使用します。例えば、/usr/sys/inst.images ディレクトリー内のファイルセットを名前変更する場合は、次を入力します。

# /usr/sbin/bffcreate -cd /usr/sys/inst.images

また、次の例のように、-s logfile オプションを使用して、古い名前と新しい名前のマッピングを含むログ・ファイルを作成することもできます。

インストールおよび移行 101

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# /usr/sbin/bffcreate -cd /usr/sys/inst.images -s /usr/sys/inst.images/names.log

この例で作成される /usr/sys/inst.images/names.log ファイルには、次の形式の内容が含まれます。

old_fileset_name:new_fileset_name

このオプションは、SMIT の「Rename Software Images in Repository (リポジトリー内のソフトウェア・イメージの名前変更)」メニューの「LOG software name changes (location of log file) (ソフトウェア名の変更をログに記録する (ログ・ファイルの場所))」オプションでも使用できます。

「Clean Up Software Images in Repository (リポジトリー内のソフトウェア・イメージのクリーンアップ)」オプションの使用「Clean Up Software Images in Repository (リポジトリー内のソフトウェア・イメージのクリーンアップ)」オプションを使用すると、ソフトウェア・イメージのローカル・リポジトリーにある不要なまたは重複したソフトウェア・イメージを除去することができます。

次のように、重複しているソフトウェア、取り替えられた更新、および言語ソフトウェアを除去することができます。

v 「Remove Duplicate software (重複ソフトウェアを除去する)」オプションを使用すると、指定したディレクトリーから重複している基本および更新イメージを除去することができます。

v 「Remove Superseded updates (置き換えられた更新を除去する)」オプションを使用すると、指定したディレクトリーから、取り替えられたファイルセットを除去することができます。このアクションは更新イメージに対してのみ適用されます。

v 「Remove Language software (言語ソフトウェアを除去する)」オプションを使用すると、実際のシステムでは不必要な言語およびロケール・ファイルセットを除去することができます。このオプションにより、「PRESERVE language (保存する言語)」フィールドで指定した言語以外の、すべての言語およびロケール・ファイルセットが、指定ディレクトリーから除去されます。デフォルトでは、システムのLANG 環境変数の値が保存する言語を決定するために使用されます。

v 「Save Removed files (除去されたファイルを保存する)」オプションを使用すると、除去されたすべてのファイルを、「DIRECTORY for storing saved files (保存したファイルを保管するディレクトリー)」フィールドで指定されたロケーションに保存することができます。イメージをハード・ディスクから除去するのではなく別のロケーションに移動する場合は、このフィールドで true (真) を選択してください。

このオプションは、SMIT cleanup_software 高速パスを使用して実行できます。

InstallShield MultiPlatform の使用AIX のインストール用に配布されるプロダクトの一部は、InstallShield MultiPlatform (ISMP) と共にパッケージされてインストールされます。

プロダクトのプロンプトなしインストール (サイレント・インストール) のみを提供する installp またはRPM Package Manager (RPM) のインストールとは異なり、ISMP パッケージのプロダクトは、プロダクトのインストールおよびアンインストールにおいて、対話式インターフェースとサイレント・インターフェースの両方を提供します。

installp および RPM と共にパッケージされたインストールされているプロダクトと同様、ISMP パッケージのプロダクトも、SMIT および Web-based System Manager などの AIX システム管理ツールを使ってインストールすることができます。これらのツールでは、geninstall コマンドを使用して、installp、RPM、または ISMP と共にパッケージされてインストールされているプロダクトのインストールまたはアンインス

102 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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トールを行います。もちろん、geninstall コマンドを直接使って、 ISMP パッケージのプロダクトのインストール、リスト作成、あるいはアンインストールを行うことができます。

ISMP とともにパッケージされてインストールされている特定のプロダクトのインストールおよびアンインストールについての説明は、該当プロダクトの資料を参照してください。

InstallShield MultiPlatform のプロダクトのインストールInstallShield MultiPlatform プロダクトをインストールするには、SMIT、Web-based System Manager、geninstall コマンド、またはプロダクトが提供するファイルを使用します。

v プロダクトのインストール・ファイルの正確なロケーションが不明でも、 SMIT install_software 高速パスを使って ISMP プロダクトをインストールできます。 SMIT を使用するオプションのソフトウェアのインストールについては、 87ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備』を参照してください。インストールするプロダクトを選択するには、「SOFTWAREto install (インストールするソフトウェア)」フィールドで F4 キーを使用します。ISMP プロダクトがinstallp パッケージや RPM パッケージと似たようなリストに表示されます。 ISMP プロダクトを選択して Enter キーを押すとインストールが始まります。

デフォルトでは、SMIT を使用して起動した ISMP プロダクトのインストールは、サイレント つまりプロンプトなしの インストールになります。対話式インストールを行う場合は、Web-based System

Manager または geninstall コマンドを使用するか、該当プロダクトの資料に記載されている説明に従ってください。

SMIT にはプレビュー・オプションがありますが、このオプションは ISMP インストールには使用できません。プレビュー・オプションを選択すると、 Web-based System Manager かコマンド行を使って対話式インストールを起動するよう指示するメッセージが出されます。これらを使用するとプロダクトのインストールを完了する前にプリインストール要約パネルを表示することができます。

v Web-based System Manager の「Software Application (ソフトウェア・アプリケーション)」を使って、ISMP パッケージのプロダクトのインストールを起動できます。 Web-based System Manager を使用するオプション・ソフトウェアのインストールについては、 87ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備』を参照してください。「Browse (ブラウズ)」ボタンを押すとメディア上のプロダクトがリストされ、そのリストに ISMP パッケージのプロダクトが表示されます。

注: プレビュー・オプションを選択してもインストール・ウィザード全体を進むと、プロダクトはインストールされます。 ISMP プロダクトの大部分にプリインストール要約パネルが組み込まれており、ここにはスペース所要量やファイルシステムの拡張を含むインストールに関するプレビュー情報が表示されます。この情報を見た後でインストールを進めたくない場合は、「CANCEL (取消)」ボタンを押してウィザードを終了します。

v geninstall コマンドを使って ISMP パッケージのプロダクトをインストールすることができます。対話式インストールを行う場合は、プロダクトのインストール・ファイルを含むデバイスまたはディレクトリーを -d フラグを使って指定し、プロダクト名を指定します。プロダクト名は、プロダクトのインストール・ファイルを含むサブディレクトリー名と同じです。例えば MyProduct というプロダクトがあってそのプロダクトのインストール・ファイルが /usr/sys/inst.images/ismp/ppc/MyProduct/ ディレクトリーにある場合、対話式インストールを行うには次のコマンドを使用します。

/usr/sbin/geninstall -d /usr/sys/inst.images J:MyProduct

J: プレフィックスは、このプロダクトが ISMP パッケージであることを geninstall コマンドに通知するために使用します。 geninstall コマンドは ismp/ppc サブディレクトリーを認識しますが、RPM パッケージの場合は RPMS/ppc を、installp パッケージの場合は installp/ppc をそれぞれ認識するため、パス

インストールおよび移行 103

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する必要があるのは /usr/sys/inst.images 基本ディレクトリーのみです。インストール・ファイルを含むディレクトリーを使用することもできます。この例ではディレクトリーを次のように指定します。

/usr/sbin/geninstall -d /usr/sys/inst.images/ismp/ppc/MyProduct J:MyProduct

geninstall を使ってサイレント つまりプロンプトなしの インストールを起動する場合は、次のように-Z フラグを組み込みます。

/usr/sbin/geninstall -d /usr/sys/inst.images -Z J:MyProduct

サイレント・インストールについての詳細は、 105ページの『応答ファイルを使用するサイレント・インストールの実行』を参照してください。

v プロダクト開発者から ISMP パッケージのプロダクトのインストール用に提供されるインストール・ファイルを使用することができます。 ISMP パッケージのプロダクトのインストールの起動に使用できるスクリプトまたは実行可能プログラムがプロダクト開発者から提供されることもあります。詳しくは、プロダクトの付属資料を参照してください。

InstallShield MultiPlatform プロダクトのアンインストールISMP プロダクトをアンインストールするには、 SMIT、Web-based System Manager、geninstall コマンド、またはプロダクト開発者から提供されるファイルを使用します。

v SMIT remove 高速パスを使って ISMP パッケージのプロダクトをアンインストールすることができます。 F4 キーを使って「SOFTWARE to remove (除去するソフトウェア)」フィールドにインストール済みのソフトウェアをリストすると、そのリストに ISMP パッケージのプロダクトが表示されます。このフィールドにプロダクトの名前を入力することもできます。

デフォルトでは、SMIT のアンインストール・プロセスは、サイレント つまりプロンプトなし で行われます。対話式アンインストールを行う場合は、Web-based System Manager または geninstall コマンドを使用するか、該当プロダクトの資料に記載されている説明に従ってください。

ISMP プロダクトのアンインストール手順に SMIT のプレビュー・オプションを使用することはできません。アンインストールをプレビューしようとすると、 Web-based System Manager かコマンド行を使って対話式アンインストールを起動するよう指示するメッセージが出されます。これらを使用すると、プロダクトのアンインストールを完了する前に事前アンインストール要約パネルを表示することができます。

v Web-based System Manager の「Software Application (ソフトウェア・アプリケーション)」を使って、ISMP パッケージのプロダクトをアンインストールすることができます。

注: プレビュー・オプションを選択してもアンインストール・ウィザード全体を進むと、プロダクトはアンインストールされます。 ISMP プロダクトの大部分に事前アンインストール要約パネルが組み込まれており、ここにはアンインストールに関するプレビュー情報が表示されます。この情報を見た後でインストールを進めたくない場合は、「CANCEL (取消)」ボタンを押してウィザードを終了します。

v geninstall コマンドを使って ISMP パッケージのプロダクトをアンインストールすることができます。対話式にアンインストールを行う場合は、アンインストールの -u フラグとプロダクト名を指定します。例えば MyProduct プロダクトをアンインストールする場合は、次のように入力します。

/usr/sbin/geninstall -u J:MyProduct

処理を速くするには、J: プレフィックスを使用して、ISMP パッケージのプロダクトをアンインストールすることを、geninstall コマンドに通知します。

geninstall コマンドを使用してサイレント つまりプロンプトなし アンインストールを行う場合は、次のように -Z フラグを使用します。

104 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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/usr/sbin/geninstall -Zu J:MyProduct

v プロダクト開発者から ISMP パッケージのプロダクトのアンインストール用に提供されるインストール・ファイルを使用することができます。 ISMP パッケージのプロダクトのアンインストールを行うための手順がプロダクト開発者から提供されることもあります。詳しくは、ISMP プロダクトの付属資料を参照してください。

応答ファイルを使用するサイレント・インストールの実行応答ファイルを使用して、ISMP パッケージのプロダクトのサイレント・インストールを実行することができます。

応答ファイルにはインストールに対応した、あらかじめ決められた応答が入っています。デフォルトでは、geninstall コマンドは ISMP プロダクトのサブディレクトリーのプロダクト・メディア上で、各 ISMP プロダクトごとに応答ファイルを検索します。例えば、MyProduct ISMP プロダクトのサブディレクトリーは次のようになります。

/basedir/ismp/ppc/MyProduct/

geninstall コマンドは、ISMP プロダクトのサブディレクトリーで、MyProduct.response ファイル用のインストール・リストまたはバンドルを指定した各 ISMP プロダクトを検索します。MyProduct.response ファイルが存在しないか、見つからない場合、geninstall はインストーラーで構成されているデフォルトを使用して続行します。

-t ResponseFileLocation オプションを使用して、応答ファイルまたは応答ファイル・テンプレートに対して代替ロケーションを指定できます。 ResponseFileLocation はファイル名としてもまたはディレクトリー名としても存在できます。 ResponseFileLocation がディレクトリーであれば、既に存在しているはずです。ResponseFileLocation がディレクトリーとして存在していなければ、あるファイル名を指定することになります。

ISMP プロダクトに対して応答ファイルを使用する場合のメソッドは、次のようになります。

v 応答ファイル・テンプレートを作成します。デフォルトのロケーションに ISMP 応答ファイル・テンプレートを作成するには、geninstall コマンドの -T フラグを使用します。 -T フラグはデフォルト・ロケーション (プロダクト・インストールを含むディレクトリー) 内に ISMP 応答ファイル・テンプレートを作成します。作成されたテンプレートは、今後同じプロダクトをインストールするときに、好ましいオプションでインストールするための、応答ファイル作成用として使用できます。応答ファイル・テンプレートを作成しても ISMP プロダクトのインストールは終了しません。

プロダクト・インストール・ファイルを使用して、MyProduct ISMP プロダクトの ISMP 応答ファイル・テンプレートを作成するには、/usr/sys/inst.images/ismp/ppc/MyProduct/ デフォルト・ディレクトリーで次のように入力します。

/usr/sbin/geninstall -d /usr/sys/inst.images -T J:MyProduct

生成される MyProduct.template 応答ファイル・テンプレートは、次のようなものになります。

######################################################################### InstallShield Options File Template## Wizard name: Setup# Wizard source: setup.jar# Created on: Tue Jun 25 10:59:55 CDT 2004# Created by: InstallShield Options File Generator## This file can be used to create an options file (i.e., response file) for the# wizard "Setup". Options files are used with "-options" on the command line to

インストールおよび移行 105

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# modify wizard settings.## The settings that can be specified for the wizard are listed below. To use# this template, follow these steps:## 1. Enable a setting below by removing leading '###' characters from the# line (search for '###' to find settings you can change).## 2. Specify a value for a setting by replacing the characters <value>.# Read each settings documentation for information on how to specify its# value.## 3. Save the changes to the file.## 4. To use the options file with the wizard, specify -options <filename># as a command line argument to the wizard, where <filename> is the name# of this options file.############################################################################################################################################# My Product Install Location## The install location of the product. Specify a valid directory into which the# product is installed. If the directory contains spaces, enclose it in# double-quotes. For example, to install the product to C:¥Program Files¥My# Product, use## -P installLocation="C:¥Program Files¥My Product"#### -P installLocation=<value>

これは単純な例ですが、多くの場合プロダクトにはユーザーが構成可能なオプションが多数あり、それらが応答ファイルに設定されることがあります。それらのオプションはそれぞれ、そのオプションの期待値の説明とともにテンプレートに示されます。

v 応答ファイル記録を作成します。応答ファイル記録を作成するには、 geninstall コマンドの -E フラグを使用します。 -E フラグは、プロダクト・インストール・ファイルが入ったディレクトリーのデフォルト・ロケーションに ISMP 応答ファイル記録を作成します。このオプションは ISMP のインストールを対話式でかつ完全なかたちで実行します。応答ファイル記録を作成すると、ISMP プロダクトもまたインストールされます。

MyProduct ISMP プロダクトの MyProduct.response 応答ファイルおよび /usr/sys/inst.images/ismp/

ppc/MyProduct/ デフォルト・ディレクトリーのプロダクト・インストール・ファイルを記録するには、次のようにします。

/usr/sbin/geninstall -d /usr/sys/inst.images -E J:MyProduct

これで対話式インストールのウィザードが開始されます。応答ファイル記録を正常に作成するには、このウィザードを完了するまで実行することが必要です。完了すると次のようなメッセージが表示されます。

Options record mode enabled - run the wizard to completion to create the options file response.file

その結果のファイル MyProduct.response 応答ファイルは、次のようなものになります。

################################################################## InstallShield Options File## Wizard name: Setup# Wizard source: setup.jar# Created on: Tue Jun 25 11:05:34 CDT 2002

106 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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# Created by: InstallShield Options File Generator## This file contains values that were specified during a recent execution of# Setup. It can be used to configure Setup with the options specified below when# the wizard is run with the "-options" command line option. Read each setting's# documentation for information on how to change its value.## A common use of an options file is to run the wizard in silent mode. This lets# the options file author specify wizard settings without having to run the# wizard in graphical or console mode. To use this options file for silent mode# execution, use the following command line arguments when running the wizard:## -options "record.txt" -silent################################################################################################################################################################### My Product Install Location## The install location of the product. Specify a valid directory into which the# product is installed. If the directory contains spaces, enclose it in# double-quotes. For example, to install the product to C:¥Program Files¥My# Product, use## -P installLocation="C:¥Program Files¥My Product"#-P installLocation="/opt/MyProduct"

-P installLocation の値は、ウィザードの実行中に指定した応答に基づいてすべて記入されています。この例の /opt/MyProduct ディレクトリーは、ウィザードでインストール・ロケーションとして指定されたものです。このアクションによって生成された応答ファイルを使用して、選択済みのインストール・ロケーションでサイレント・インストールを直接開始することができます。

v サイレント・インストール用の応答ファイルを使用します。前記の 2 つのメソッドで生成される応答ファイルを使うか、あるいはプロダクトに付属していて必要なオプションを備えているサイレント・インストールを行う応答ファイルを使用します。

geninstall コマンド、MyProduct プロダクト、および /usr/sys/inst.images/ismp/ppc/MyProduct/ デフォルト・ディレクトリーのインストール・ファイルと応答ファイルを用いて、サイレント・インストール用応答ファイルを使用するには、次のように入力します。

/usr/sbin/geninstall -Zd /usr/sys/inst.images J:MyProduct

geninstall コマンド、MyProduct プロダクト、/usr/sys/inst.images/ismp/ppc/MyProduct/ ディレクトリーのインストール・ファイル、および /tmp/MyProduct/MyProduct.response 応答ファイルを用いて、サイレント・インストール用応答ファイルを使用するには、次のように入力します。

/usr/sbin/geninstall -Zd /usr/sys/inst.images ¥-t /tmp/MyProduct/MyProduct.response J:MyProduct

NIM と応答ファイルの使用1 つ以上の NIM クライアントで、ISMP パッケージ・プロダクトをインストールするために NIM を使用する場合は、各クライアントごとに別々の応答ファイルを作成し、使用できます。

個別の応答ファイルは、クライアントごとにインストール操作の属性を別々に構成する必要がある場合に役立ちます。複数のクライアントにインストールするためには、応答ファイル CLIENT_NAME.response にそれぞれ名前を付けます。この応答ファイルはデフォルト・ロケーション (プロダクト・インストーラー・ファイルと同じ場所) になければなりません。

インストールおよび移行 107

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例えば、CLIENT1 および CLIENT2 のクライアント上の /export/lpp_source/lpp_source1/ismp/ppc/

MyProduct ディレクトリーの lpp_source リソースにある MyProduct ISMP パッケージ・プロダクトをインストールするには、次のようにします。

1. CLIENT1.response と CLIENT2.response 応答ファイルを作成します。

2. 応答ファイルを /export/lpp_source/lpp_source1/ismp/ppc/MyProduct ディレクトリーに置きます。

3. それぞれのクライアントごとに、対応する応答ファイルで正しい応答を作成します。

4. NIM cust 操作を実行して MyProduct ISMP パッケージ・プロダクトを CLIENT1 および CLIENT2にインストールすると、それぞれのクライアントごとに応答ファイルが自動的かつ適切に使用されます。

すべてのクライアントに同じ応答ファイルを使用する場合は、応答ファイル PRODUCT_NAME.response に名前を付けて、ISMP パッケージ・プロダクトと同じデフォルトのロケーション (lpp_source リソース内のプロダクト・ロケーション) に置きます。例えば、MyProduct.response という応答ファイルを/export/lpp_source/lpp_source1/ismp/ppc/MyProduct/ ディレクトリーに作成します。 NIM cust 操作の実行時にクライアント応答ファイルがなければ、MyProduct.response ファイルが自動的に使用されます。

暫定修正管理ソリューション暫定修正管理ソリューションを使用して、システム上の暫定修正パッケージのトラッキングと管理を行うことができます。

暫定修正パッケージは、暫定修正、デバッグ・コード、またはテスト・コードであり、これらには、暫定修正パッケージのインストール時に実行されるコマンド、ライブラリー・アーカイブ・ファイル、またはスクリプトが含まれます。

暫定修正管理ソリューションは、暫定修正パッケージャー (epkg) コマンド、および暫定修正マネージャー(emgr) コマンドで構成されます。

epkg コマンドは、emgr コマンドでインストールできる暫定修正パッケージを作成します。emgr コマンドは、システムの暫定修正のインストール、除去、リスト、および検査を行います。

注: パッケージ という用語は、installp では用語ファイルセット を指します。

暫定修正パッケージのインストールと管理epkg コマンドで作成されたパッケージをインストールして管理することができます。

epkg コマンドは、epkg コマンドで作成されたパッケージのインストールと管理を行い、システム上の暫定修正情報でデータベースを保守します。emgr コマンドは次の操作を実行します。

暫定修正パッケージの表示:

暫定修正パッケージで表示される情報のレベルについて説明します。

emgr コマンドの -d フラグを使用すると、efix パッケージの内容とトポロジーを表示できます。 -d フラグは -v (詳細) フラグと連動します。デフォルトの詳細レベルは 1 ですが、このレベルは 1、2、または 3

に設定できます。暫定フィックス・パッケージ表示の構文は次のとおりです。

emgr -d -e interim fixPackage | -f ListFile [-w Directory] [-v{1|2|3}]

例えば、暫定修正パッケージの test.102403.epkg.Z についてレベル 1 の詳細出力を得るには、次のコマンドを入力します。

108 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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# emgr -d test.102403.epkg.Z

各詳細レベルには次の情報が含まれています。

LEVEL 1次の情報を使用し、行単位で暫定修正をリストします。

v 暫定修正パッケージのラベル

v パッケージに含まれる暫定修正ファイル

v 暫定修正ファイル別のターゲット・ロケーション

LEVEL 2次の情報をリストします。

v すべての LEVEL 1 情報

v 概要

v リブート要求 (yes または no)

v 必要な前提条件

v インストールの前処理スクリプト

v インストールの後処理スクリプト

v 除去の前処理スクリプト

v 除去の後処理スクリプト

v 暫定修正ファイル別のファイル・タイプ

LEVEL 3次の情報をリストします。

v すべての LEVEL 2 情報

v 暫定修正ファイル別のパッケージ化の日付

v パッケージ別の仮想固有 ID (VUID)

v 暫定修正ファイル別のファイル・サイズ

v 暫定修正ファイル別のチェックサム

v 暫定修正ファイル別パッケージ

v 暫定修正ファイルごとの説明

v インストール・スクリプトおよび制御ファイルの内容 (読み取り可能テキストの場合)

v 暫定修正ファイルごとのリブート・シナリオ

v 暫定修正ファイルの他の暫定修正ファイルについての前提条件

v 暫定修正をインストールするとロックされるパッケージ

v 暫定修正をインストールすると置き換えられる暫定修正

注: 暫定修正管理の最初のリリースでは、表示はサポートされていません。この機能を使用可能にするには、最新レベルの暫定修正管理に更新する必要があります。暫定修正管理を更新するには、bos.rte.installを最新レベルに更新してください。

暫定修正パッケージのインストール:

emgr コマンドは、epkg コマンドを使用して作成した暫定修正パッケージをインストールします。

次の例は、暫定修正パッケージをインストールするときの構文を示しています。

インストールおよび移行 109

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emgr -e interim fixPackage | -f ListFile [-w Directory] [-b] [-k] [-p] ¥[-I] [-q] [-m] [-o] [-X] [-a path]

暫定修正パッケージのインストール操作は、次のフェーズで構成されます。

インストール・プレビュー・フェーズ:

インストール・プレビュー・フェーズでは、以下のステップが行われます。

1. 暫定修正マネージャーはすべてのコマンドとライブラリーを初期化し、暫定修正パッケージから暫定修正メタデータを抽出します。

2. 暫定修正の属性および記述をリストします。

3. emgr コマンドは、この暫定修正パッケージで提供しているターゲット・ファイルに既存の暫定修正が既にインストールされていないか、インストール済みの暫定修正データの検査を行い、ロック検査手順を実行します。この暫定修正パッケージが提供した 1 つ以上の暫定修正ファイルがロックされていれば、emgr コマンドはインストールまたはインストール・プレビューの続行を許可しません。

4. emgr コマンドは、installp パッケージの前提条件の検査を実行します。installp 前提条件ファイルが提供されると、emgr コマンドはこの段階で前提条件を検査します。1 つ以上の前提条件の不一致があれば、emgr コマンドはインストールまたはインストール・プレビュー操作を中止します。

5. emgr コマンドは、暫定修正に対する暫定修正前提条件の検査を実行します。 emgr コマンドは次の検査を行います。

v 検査対象の暫定修正パッケージの暫定修正前提条件がすべてインストールされていること。

v 検査対象の暫定修正パッケージの暫定修正 xrequisite がすべてインストールされていないこと。

v 検査対象の暫定修正を xrequisite とする暫定修正が前にインストールされていないこと。

注: epkg コマンドを使用して、パッケージの暫定修正に対する暫定修正前提条件を指定できます。前提条件の検査の詳細については、 122ページの『ユーザー指定暫定修正パッケージ・コンポーネント』を参照してください。

6. emgr コマンドは、ターゲット・ファイルシステムに、暫定修正パッケージをインストールするのに十分なスペースがあるか検査して、スペース所要量を検査します。これには、暫定修正ファイルのアンパック、データベース・エントリーの作成、置き換えファイルの保管、暫定修正ファイルのインストール、-m フラグを使用する場合の暫定修正マウントの作成、ライブラリー・メンバーのアーカイブ、およびその他の各種タスクのためのスペースが含まれます。emgr コマンドはファイルのメタデータおよび他のファクターに計上するために、小さなバッファーも様々なスペース計算に追加します。

-X フラグを使用して自動拡張フラグを指定すると、emgr コマンドはファイルシステムを要求されたサイズに拡張しようと試みます。スペース所要量に満たない場合、emgr コマンドはインストールを停止します。-p フラグを使用してプレビュー・インストールを指定すると、emgr コマンドは、拡張を試行せずに単にスペース統計を報告します。

-p フラグを使用してプレビュー・インストールを指定する場合、emgr コマンドは、暫定修正インストール・フェーズを実行しません。この場合の emgr コマンドは、インストールの要約およびクリーンアップ・フェーズにスキップします。

インストール・フェーズ:

暫定フィックス・パッケージ・インストールのインストール・フェーズでは、以下のステップが行われます。

1. 暫定修正インストール設定ステップ時に、すべての暫定修正パッケージはアンパックされ、インストール・ツールは初期化されます。

110 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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2. emgr コマンドは、現在インストール済みの他の暫定修正ファイルが、暫定修正パッケージに置き換わるかどうかを検査します。インストール済みの暫定修正ファイルが置き換えられる場合、emgr コマンドはそれを除去します。

注: epkg コマンドを使用して、暫定修正パッケージをインストールするときに置き換えられる別の暫定修正パッケージを指定することができます。置き換えの詳細については、 122ページの『ユーザー指定暫定修正パッケージ・コンポーネント』を参照してください。

3. pre_install スクリプトが指定されれば、実行されます。pre_install スクリプトが「failure (失敗)」を戻すと emgr コマンドはインストールを停止します。pre_install スクリプトが成功すると、emgr コマンドはインストールを続行し、暫定修正の状態を INSTALLING に設定します。

4. 暫定修正パッケージの暫定修正ファイルで置き換えられるすべてのファイルは、保護ディレクトリーに保管されます。暫定修正パッケージがどのファイルにも提供されなければ、このステップはスキップされます。

この時点より後は、すべての主要な障害について、失敗したインストールのクリーンアップをするために emgr コマンドにより、障害クリーンアップ手順が実行されます。このプロセスが失敗すると、暫定修正は BROKEN 状態となります。

5. 暫定修正ファイルはすべてターゲット・ロケーションにインストールされます。 -m フラグを使用するマウント・インストール操作でインストールする場合は、emgr コマンドはターゲット・ファイルの親ディレクトリー内に固有のマウント・ファイルを作成します。その後でターゲット・ファイルは、暫定修正マウント・ポイントにより上書きマウントされます。マウント・インストール操作の詳細については、 115ページの『暫定修正のマウント・インストール操作の実行』を参照してください。

6. パッケージ・ロックの発生。暫定修正パッケージ・ロックが処理されます。暫定修正パッケージを作成するインストーラーが暫定修正パッケージ・ロックをサポートする場合、emgr コマンドはステップ 4

でインストールされた暫定修正ファイルに関連付けられたパッケージをロックします。例えば、installpコマンドが暫定修正ロックをサポートする場合、installp パッケージ用に作成された暫定修正が暫定修正パッケージ・ロックをサポートします。

注: 暗黙ロックのほかに、epkg を使用して、別のパッケージがインストールされるときに特定のパッケージが明示的にロックされるように指定することができます。ロックの詳細については、 122ページの『ユーザー指定暫定修正パッケージ・コンポーネント』を参照してください。

7. post_install スクリプトが指定されれば、実行されます。post_install スクリプトが「失敗 (failure)」を戻すと emgr コマンドはインストールを停止します。

8. リブート処理が行われます。暫定修正パッケージがリブート操作の要求を指定すると、emgr コマンドは、ユーザーにメッセージを発行し、ブート・イメージに対して必要なあらゆる変更を行います。emgrコマンドは、システムを自動的にリブートしません。

9. この時点で、インストール・ステップはすべて完了し、emgr コマンドは暫定修正の状態を STABLE (標準インストール操作の場合) または MOUNTED (マウント・インストール操作の場合) に変更します。

要約とクリーンアップのフェーズ:

要約とクリーンアップのフェーズでは、以下のステップが行われます。

1. emgr コマンドはすべての操作および結果を表示します。 -f フラグを使用して、複数の暫定修正パッケージが入力ファイルで指定された場合、emgr コマンドは、それぞれの暫定修正パッケージごとにレポートを提供します。

2. emgr コマンドはすべての一時ディレクトリーとファイルをクリーンアップします。また、メモリー内にロードされているメモリー・モジュールをすべてアンロードします。

インストールおよび移行 111

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暫定修正パッケージの除去:

暫定修正の除去操作は、インストール済みの暫定修正を除去します。

いずれかの暫定修正識別メソッドを使用して、個別の暫定修正を指定できます。また、リスト・ファイルを使用していくつかの暫定修正を個別に指定することもできます。暫定修正識別メソッドの詳細については、117ページの『暫定修正の参照』を参照してください。

インストール済み暫定修正の除去に使用する構文は次の通りです。

emgr -r -L Label | -n interim fixNumber | -u VUID | -f ListFile [-w Directory] ¥[-a path] [-b] [-k] [-p] [-I] [-q] [-X]

除去プレビュー・フェーズ:

除去プレビュー・フェーズでは、以下のステップが行われます。

1. 暫定修正マネージャーはすべてのコマンドとライブラリーを初期化し、暫定修正データベースから暫定修正メタデータをロードします。

2. 暫定修正の属性および記述がリスト表示されます。

3. スペース所要量が検査されます。 emgr コマンドは、ターゲット・ファイルシステムが保管されるファイルに対して十分なスペースを持っているかを検査します。これには、データベース・エントリーのスペース変更、保管されたファイルの復元、ライブラリー・メンバーの保存、およびその他のタスクが含まれます。 emgr コマンドはファイルのメタデータおよび他のファクターに計上するために、小さなバッファーも様々なスペース計算に追加します。

-X フラグを使用してファイルシステムの自動拡張を指定すると、emgr コマンドはファイルシステムを要求されたサイズに拡張しようと試みます。スペース所要量に満たない場合は、emgr コマンドは除去操作を停止します。 -p フラグを使用してプレビュー・インストール操作を指定すると、emgr コマンドは、ファイルシステムの拡張を試行せずに単にスペース統計を報告します。

-p フラグを使用してプレビュー・インストールを指定する場合、emgr コマンドは、暫定修正の除去を実行せず、要約とクリーンアップのフェーズにスキップします。

除去フェーズ:

除去フェーズでは、以下のステップが行われます。

注: 除去フェーズでいかなる障害が発生しても、暫定修正の状態は BROKEN に変更されます。

1. emgr コマンドは除去ユーティリティーをすべて初期化し、暫定修正の状態を REMOVING に変更します。

2. パッケージ・アンロックが発生します。除去する暫定修正ファイルでロックされているパッケージはすべてアンロックされます。複数の暫定修正により単一のパッケージがロックされている可能性があるため、emgr コマンドは、この暫定修正ファイルが最後の (または唯一の) 暫定修正ファイルである場合は単にパッケージをアンロックして、特定のパッケージにはロックをかけたままにします。

3. pre_remove スクリプトが指定されれば、実行されます。pre_remove スクリプトが「failure (失敗)」を戻すと、emgr コマンドは除去操作を停止します。

4. emgr は、除去される暫定修正が、インストール済みの別の暫定修正の前提条件になっていないことを検査します。

112 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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5. 暫定修正は除去されます。暫定修正が標準インストール操作でインストールされている場合、emgr コマンドは現行の暫定修正ファイルを前に保管したファイルと置き換えます。マウント・インストール操作でインストールされた場合は、emgr コマンドは、暫定修正ファイルをアンマウントし、そのファイルをシステムから除去します。

6. post_remove スクリプトが指定されれば、実行されます。post_remove スクリプトが「failure (失敗)」を戻すと、emgr コマンドはインストールを停止します。

7. リブート処理が行われます。暫定修正パッケージがリブートの要求を指定すると、emgr コマンドは、ユーザーにメッセージを発行し、ブート・イメージに対して必要な変更をすべて行います。emgr コマンドは自動的にはシステムをリブートしません。

注: epkg を使用して、別のパッケージがインストールされるときに必要となるリブート・シナリオを指定できます。リブート・シナリオの詳細については、 122ページの『ユーザー指定暫定修正パッケージ・コンポーネント』を参照してください。

8. この時点で、除去ステップはすべて成功し、emgr コマンドは残りの暫定修正データをデータベースから除去し、ディレクトリーを保管します。

要約とクリーンアップのフェーズ:

暫定修正除去の要約とクリーンアップのフェーズでは、以下のステップが行われます。

1. emgr コマンドはすべての操作および結果を表示します。 -f フラグを使用して、複数の暫定修正パッケージが入力ファイルで指定された場合、emgr コマンドは、それぞれの暫定修正パッケージごとにレポートします。

2. emgremgr コマンドは、すべての一時ディレクトリーとファイルをクリーンアップします。また、ロードされているメモリー・モジュールをすべてアンロードします。

暫定修正のリスト作成:

emgr コマンドは、インストール済み暫定修正のデータをさまざまな詳細レベルでリスト化します。

暫定修正のリスト作成に使用する構文は次の通りです。

emgr -l [-L Label | -n interim fixNumber | -u VUID ] [-v{1|2|3}] [-X] [-a path]

デフォルトでは、emgr コマンドは、インストール済み暫定修正のすべてについてのデータを報告します。いずれかの暫定修正識別メソッドを使用して、個別の暫定修正を指定することができます。暫定修正識別メソッドの詳細については、 117ページの『暫定修正の参照』を参照してください。

デフォルトの詳細レベルは 1 です。-v フラグを使用して、レベル 3 までの指定が可能です。各詳細レベルには次の情報が含まれています。

LEVEL 1次の情報を使用し、行単位で暫定修正をリストします。

v 暫定修正 ID

v 暫定修正の状態

v インストール時間

v 暫定修正の要約

LEVEL 2次の情報をリストします。

v すべての LEVEL 1 情報

インストールおよび移行 113

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v 暫定修正ファイル別の仮想固有 ID (VUID)

v 暫定修正ファイル数

v 暫定修正ファイル別のロケーション

v 暫定修正ファイル別のパッケージ

v 暫定修正ファイル別のインストーラー

v 暫定修正ファイル別のマウント・インストール (yes または no)

LEVEL 3次の情報をリストします。

v すべての LEVEL 2 情報

v リブート要求 (yes または no)

v 必要な前提条件

v インストールの前処理スクリプト

v インストールの後処理スクリプト

v 除去の前処理スクリプト

v 除去の後処理スクリプト

v 暫定修正ファイル別のファイル・タイプ

v 暫定修正ファイル別のファイル・サイズ

v 暫定修正ファイル別のチェックサム

v 暫定修正ファイル別のアクセス所有権およびアクセス・モード

v 前提条件情報

v 暫定修正の説明

v 暫定修正ファイル別のアーカイブ・メンバー名

v マウント・インストール操作の場合は、暫定修正ファイル別にマウント状態が表示されます。

v 暫定修正ファイルごとのリブート・シナリオ

v 暫定修正ファイル別の暫定修正に対する暫定修正の前提条件

v 暫定修正をインストールするとロックされるパッケージ

v 暫定修正をインストールすると置き換えられる暫定修正

暫定修正の検査:

emgr コマンドは、インストール済み暫定修正の状態を検査します。

暫定修正検査の構文は次の通りです。

emgr -c [-L Label | -n interim fixNumber | -u VUID | -f ListFile] [-w Directory] [-a path] ¥[-v{1|2|3}] [-X]

デフォルトでは、emgr コマンドはインストール済み暫定修正のすべてを検査します。暫定修正識別メソッドの 1 つを使用して、個別に暫定修正を指定できます。また、リスト・ファイルを使用していくつかの暫定修正を個別に指定することもできます。暫定修正識別メソッドの詳細については、 117ページの『暫定修正の参照』を参照してください。

デフォルトの検査レベルは、「1」です。-v フラグを使用してレベル 3 までの指定が可能です。各検査レベルには次の情報が含まれています。

114 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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LEVEL 1次の情報を検査します。

v 暫定修正のデータおよび状態

v マウント・インストール操作の場合は、すべてのファイルの暫定修正のマウント状態を検査

注: 暫定修正ファイルがアンマウント済みであれば、emgr コマンドは暫定修正の状態をUNMOUNTED に変更します。

v すべての暫定修正ファイルまたはアーカイブ・メンバーについて暫定修正チェックサム

LEVEL 2次の情報を検査します。

v すべての LEVEL 1 検査情報

v すべての暫定修正ファイルまたはアーカイブ・メンバーについての暫定修正の所有権およびモード

LEVEL 3次の情報を検査します。

v すべての LEVEL 2 検査情報

v すべての前提条件

v 以下を含む暫定修正対暫定修正のすべての前提条件

– 検査対象暫定修正のパッケージの暫定修正前提条件がすべてインストールされていること。

– 検査対象の暫定修正パッケージの暫定修正 xrequisite がすべてインストールされていないこと。

– 検査対象の暫定修正を xrequisite としてリストする暫定修正がインストールされていないこと。

暫定修正のマウント・インストール操作の実行:

暫定修正のインストール時に -m フラグを指定すると、emgr コマンドは、暫定修正パッケージのマウント・インストール操作を実行します。

これは、修正される既存のファイルが現在のロケーションから除去されないことを意味しています。その代わり、暫定修正ファイルは既存のファイルをオーバー・マウントします。この方法には、利点と欠点の両方があります。利点の 1 つは、システムのリブートですべての暫定修正をアンマウントすることです。これは、重大な問題を起こした暫定修正は、リブート後にはマウントされないことを意味します。欠点は、管理者が暫定修正のマウント状態をモニターしなければならないこと、および暫定修正のいくつかはリブートなしには除去できない可能性があることです。

マウント・インストール操作は、新規に提供されたファイルの暫定修正パッケージではサポートされません。

暫定修正のマウントおよびアンマウント操作:

emgr コマンドは、マウント・インストール操作を使用してインストールされている暫定修正をマウントまたはアンマウントします。

暫定修正検査の構文は次の通りです。

emgr -M | -U [-L Label | -n interim fixNumber | -u VUID | -f ListFile][-w Directory] [-a path] [-X]

インストールおよび移行 115

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デフォルトでは、emgr コマンドは、インストール済み暫定修正のすべてにマウントまたはアンマウント操作を適用します。暫定修正識別メソッドの 1 つを使用して、個別に暫定修正を指定できます。また、リスト・ファイルを使用していくつかの暫定修正を個別に指定することもできます。暫定修正識別メソッドの詳細については、 117ページの『暫定修正の参照』を参照してください。

-M フラグでマウント操作を使用すると、emgr コマンドは、すべてのアンマウントされた暫定修正ファイルをマウントしようとします。すべての暫定修正ファイルが正常にマウントされ、直前の暫定修正の状態がUNMOUNTED であれば、emgr コマンドは暫定修正の状態を MOUNTED に変更します。

-U フラグでアンマウント操作を使用すると、emgr コマンドは、すべてのマウントされた暫定修正ファイルをアンマウントしようとします。少なくとも 1 つの暫定修正ファイルが正常にアンマウントされ、直前の暫定修正の状態が MOUNTED であれば、emgr コマンドは暫定修正の状態を UNMOUNTED に変更します。

暫定修正パッケージ・ロック表示操作の使用:

パッケージ・ロック表示操作は、暫定修正マネージャー、インストーラー、およびロック・ラベルでロックされているすべてのパッケージを表示します。

パッケージ・ロック表示操作で使用する構文は次のとおりです。

emgr -P [Package] [-a path] [-X]

デフォルトでは emgr コマンドは、ロックされたパッケージをすべて表示します。個別パッケージを引数として、-P フラグに指定することができます。

暫定修正強制除去操作の使用:

強制除去操作は、暫定修正データを除去します。

また、この操作により、暫定修正ラベルに関連付けられた暫定修正パッケージがすべてアンロックされます。ただし、実際の暫定修正ファイルは除去されず、除去スクリプトも実行されず、処理もブートされません。強制除去操作は、一度に 1 つの暫定修正でのみ実行可能であるため、ターゲットの暫定修正を識別するために暫定修正ラベルが必要です。強制除去操作の実行で使用する構文は次の通りです。

emgr -R interim fix fixLabel [-w Directory] [-a path] [-X]

注: 強制除去操作は 1 つの緊急手順とみなしてください。他の暫定修正の除去方法がすべて失敗したときのみ 実行する必要があります。この方法により、ターゲット・システム上で不整合が引き起こされる可能性があります。

その他の暫定フィックス情報以下は、その他のフィックス情報へのリンクです。

MD5 チェックサムの生成と使用:

epkg でフォーマットされたイメージに関する操作の最初に、emgr は、MD5 チェックサムの生成をサポートするコマンドがシステムにないか探します。コマンドが見つかると、emgr はそのコマンドを実行し、その結果として得られる MD5 チェックサムを表示します。

この MD5 チェックサムを、保護ソースの相互検査に使用できます。コマンドが見つからない場合、emgrはそれ以上のアクションは起こしません。 EMGR_MD5_CMD シェル変数をエクスポートすることにより、チェックサムを生成するコマンドの明示的パスを強制設定することができます。この変数には、そのコマンドの絶対パスを含める必要があります。 emgr は、EMGR_MD5_CMD 変数にユーザーが設定したコ

116 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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マンドが、実際に MD5 チェックサムを生成するコマンドであるかどうかは検査しません。emgr が MD5

チェックサムを生成するときに使用する構文は、次のとおりです。

$EMGR_MD5_CMD epkg image file

予期出力は、出力の最初のワードの MD5 チェックサムです。

注: 暫定修正管理の最初のリリースでは、この機能はサポートされていません。この機能を使用可能にするには、最新レベルの暫定修正管理に更新する必要があります。暫定修正管理を更新するには、bos.rte.install を最新レベルに更新してください。

暫定修正の参照:

以下は、暫定修正を参照する方法です。

ラベルによる参照

任意のシステムにインストールした暫定修正ごとに固有の暫定修正ラベルが指定されます。このラベルは固有キー と呼ばれ、これによって異なるデータベース・オブジェクトがバインドされます。ラベルにより暫定修正を参照するには、そのラベルを引数として -L フラグにパスします。

例えば、ラベル ABC123 の暫定修正に対してチェック操作を実行するには、次のように入力します。

# emgr -cL ABC123

暫定フィックス ID による参照

任意のシステムにインストールした暫定修正ごとに固有の暫定修正 ID が指定されます。この ID

は、暫定修正データベースにリストされている暫定修正のオーダー番号です。このオプションを使用すると、暫定修正リストに基づいて暫定修正に対する操作を実行する場合に便利です。 emgr コマンドは、任意の操作を実行する前に、暫定修正 ID を暫定修正ラベルに変換します。ID ごとに暫定修正を参照するには、その ID を引数として -n フラグにパスします。

例えば、ID を 1 に設定して最初の暫定修正上で検査操作を実行するには、次のように入力します。

# emgr -cn1

注: 緊急フィックス ID が有効なのは短期間であり、暫定修正が除去されたり追加されたりすると変わります。 -l フラグを使用して暫定修正をリストし、現行の暫定修正 ID 番号を常に 検査してください。

VUID による参照VUID は同一ラベルのパッケージを区別するために使用します。公式にトラッキングされるプログラム診断依頼書 (APAR) とは異なり、緊急フィックスはどの部門でもトラッキングされないので、同一ラベルで 2 つの暫定修正パッケージを持つことが可能です。ただし、emgr コマンドでは、同一のラベルで複数の暫定修正をインストールすることはできません。emgr コマンドは、操作を実行する前に、VUID を暫定修正ラベルに変換します。例えば、VUID 000775364C00020316020703

を指定して、インストール済みの暫定修正をリストするには、次のように入力します。

# emgr -l -u 000775364C00020316020703

VUID は、暫定修正のインストールおよび除去操作時にも、詳細レベル 2 以上でリスト作成操作を使用すれば、プレビュー・セクションに表示されます。詳細レベルについて詳しくは、 113ページの『暫定修正のリスト作成』を参照してください。

暫定修正リスト・ファイルの生成:

インストールおよび移行 117

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リスト・ファイルを指定して、一連の暫定修正に対する操作を実行できます。

インストール操作にあたり、1 行あたり 1 つの暫定修正パッケージのロケーションがリスト・ファイルに含まれている必要があります。除去操作およびマウント/アンマウント操作では、1 行あたり 1 つの暫定修正ラベル名がリスト・ファイルに含まれている必要があります。emgr コマンドの -f フラグを使用して、以下のいずれかを含むファイルを指定することができます。

v インストール操作用のパッケージのロケーションのリスト (1 行につき 1 つ)

v 除去、マウント、アンマウント、および検査の各操作用の暫定フィックス・ラベルのリスト (1 行につき1 つ)

emgr コマンドは、すべてのブランク行、または最初の非スペース文字が # 文字になっている行を無視します。

暫定修正の状態について:

emgr コマンドは、インストール済み暫定修正ごとに状態を保守します。

以下のインストール済み暫定修正の状態が、emgr コマンドにより維持されます。

STABLE標準インストールで暫定修正がインストールされ、最後のインストール操作が正常に完了しています。暫定修正の詳細を検査するには、該当する efix または暫定修正上でチェック操作を実行します。

MOUNTEDマウント・インストール操作で暫定修正がインストールされ、最後のインストールまたはマウント操作が正常に完了しています。MOUNTED 状態は必ずしもすべての暫定修正が現在マウント済みであることを意味しません。例えば、暫定修正は手動でアンマウント済みかもしれません。この状態は、マウント状態について emgr コマンドが取った直前のアクションと判別結果を示しています。マウント状態を含む暫定修正の詳細を確認するには、所定の暫定修正 (複数可) に対するチェック操作を実行します。

UNMOUNTED暫定修正はマウント・インストール操作でインストールされ、1 つ以上の暫定修正ファイルが直前の emgr コマンド操作でアンマウントされています。 UNMOUNTED 状態は、必ずしもすべての暫定修正が現在アンマウント済みであることを意味しません。例えば、暫定修正は手動で一部がマウント済みかもしれません。この状態は、マウント状態について emgr コマンドが取った直前のアクションと判別結果を示しています。マウント状態を含む暫定修正の詳細を確認するには、所定の暫定修正 (複数可) に対するチェック操作を実行します。

BROKENインストール中または除去操作中にリカバリー不能エラーが発生しました。この暫定修正状態は確実ではありません。この暫定修正を除去し、暫定修正パッケージから再度インストールすることができます。

INSTALLING暫定修正状態はインストール中であることを示しています。通常、この状態は、暫定修正のインストール中の短時間の間にだけ起こります。ただし、暫定修正のインストールが (突然の電力損失、システム・クラッシュなどで) 突然中断し、emgr コマンドが失敗したインストールをクリーンアップできない場合、暫定修正が INSTALLING 状態のままになる可能性があります。この暫定修正を除去し、暫定修正パッケージから再度インストールすることができます。

118 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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REBOOT REQUIRED暫定修正は正常にインストールされており、ターゲット・システムに完全に組み込むにはリブートが必要です。ターゲット・システムをリブートすると、emgr は暫定修正の状態を STABLE に変更します。

注:

1. 暫定修正管理の最初のリリースでは、この機能はサポートされていません。この機能を使用可能にするには、最新レベルの暫定修正管理に更新する必要があります。暫定修正管理を更新するには、bos.rte.install を最新レベルに更新してください。

2. emgr は、システム始動時に -B ブート・フラグを使用した init によって呼び出されます。emgr はすべての暫定修正の状態データを調べ、必要に応じて暫定修正の状態を変更します。emgr が最初に暫定修正ファイルをインストールすると、/etc/inittab エントリーの rcemgr

が作成されます。rcemgr は、ブロックされたり再作成されたりしないように設定されます。rcemgr のアクティビティーと出力はすべて、/var/adm/ras/emgr.log の emgr ログに記録されます。 -B フラグを使用して emgr を直接実行しないでください。

REMOVING暫定修正の状態は除去が処理途中であることを示しています。通常、この状態は、暫定修正の除去処理中の短時間の間にだけ起こります。ただし、暫定修正のインストールが (急な電力損失、システム・クラッシュなどで) 突然中断し、emgr コマンドが失敗したインストールをクリーンアップできない場合、暫定修正が REMOVING 状態のままになる可能性があります。この暫定修正を除去し、暫定修正パッケージから再度インストールすることができます。

暫定修正のログ:

以下の操作が、/var/adm/ras/emgr.log emgr ログ・ファイルに記録されます。

v インストール (Installation)

v 除去 (Removal)

v チェック (Checking)

v マウント (Mounting)

v アンマウント (Unmounting)

v 強制除去 (Force Removal)

失敗した暫定修正インストールのクリーンアップ:

障害のクリーンアップ手順は、インストール・プレビュー (および、指定してあれば pre_install スクリプトも) の後で、暫定修正インストール操作が失敗した場合に実行されます。

障害クリーンアップ手順は、インストール処理で発生したすべての変更を元に戻そうと試みます。この障害クリーンアップ手順は、暫定修正除去操作の除去フェーズによく似ています。この手順によって、EMGR_UNDO グローバル環境変数が 1 に設定され、パッケージ化の pre_remove および post_removeスクリプトで別のパスを取ることができます。

トラステッド・コンピューティング・ベース使用時の暫定修正ファイルの管理:

emgr コマンドは、システムでトラステッド・コンピューティング・ベース (TCB) が使用可能であるかを、自動的に検出します。

TCB が使用可能であれば、emgr コマンドは、インストール済み暫定修正をすべて、暫定修正データベースに登録します。暫定修正が除去されている場合、emgr コマンドは元の TCB データを復元します。暫定

インストールおよび移行 119

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修正ファイルがマウントまたはアンマウントされる時に、マウント・インストール操作によりファイル属性が変動する可能性があるため、マウント操作は TCB 対応システムではサポートされず、emgr コマンドによりブロックされます。

emgr コマンドが自動的に TCB データを管理するのを望まない場合は、EMGR_IGNORE_TCB 変数をエクスポートして、この変数をヌル以外の任意の値に設定します。EMGR_IGNORE_TCB 変数が設定されると、emgr コマンドは、TCB 対応でないシステムの場合のように動作します。EMGR_IGNORE_TCB 変数が TCB 対応システムで設定されると、TCB 内で暫定修正ファイルを手動で管理するよう要求される場合があります。

ご使用のシステムで TCB が使用可能かどうかを検査するには、/usr/bin/tcbck コマンドを実行します。使用法ステートメントが戻されたら、TCB が使用可能です。そうでない場合は、TCB が使用可能でないというメッセージが戻されます。

emgr を使用する暫定修正コマンド・パスの管理:

emgr コマンドは、以下の UNIX® コマンドを 1 つ以上呼び出します。

ar

awk

cat

chmod

chown

compress

cp

date

df

diff

du

egrep

fuser

id

ksh

ln

ls

mkdir

mount

mv

printf

ps

rm

rmdir

sed

sleep

120 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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sort

sum

tail

tar

tee

touch

umount

uname

vi

wc

zcat

emgr コマンドは、以下の AIX コマンドを 1 つ以上呼び出します。

aclget

aclput

bosboot

lslpp

odmchange

odmget

slibclean

tcbck

emgr コマンドは、上記の UNIX および AIX コマンドを、以下のパスの順序で探します。

1. /usr/emgrdata/bin

2. /usr/bin

3. /usr/sbin

4. /bin

5. /sbin

6. /usr/local/bin

7. /usr/local/sbin

/usr/emgrdata/bin ディレクトリーは、emgr コマンドが最初に実行された時に作成された保護ディレクトリーです。

emgr コマンドで使用するコマンドの 1 つに対して暫定修正をインストールまたは除去しようと試みる場合、その操作は正常に完了できない可能性があります。この問題を解決するには、次の手順を実行してください。

1. 暫定修正ファイルを /usr/emgrdata/bin ディレクトリーに手動でインストールします。

2. emgr 操作を実行します。

3. 手動でインストールした暫定修正ファイルを /usr/emgrdata/bin ディレクトリーから除去します。

この方法により、暫定修正は暫定修正マネージャーにより登録され、トラッキングされ、他の emgr コマンド処理はすべて開始されます。

インストールおよび移行 121

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この暫定修正ファイルが /usr/bin/ksh ファイルであり、修正する問題がある場合、emgr コマンド操作が継続されないようにするには、次の処理を行います。

1. 元の /usr/bin/ksh ファイルをバックアップします。

2. /usr/bin/ksh 暫定修正ファイルを /usr/bin/ksh へ手動でインストールします。

3. emgr コマンドでインストールまたは除去操作を実行します。

installp 更新イメージによる暫定修正組み込みの理解:

暫定修正管理コマンドは APAR 参照ファイルを使用して、暫定修正と APAR 番号を関連付けます。

APAR イメージが使用可能である場合、installp コマンドは、更新イメージに含まれる APAR 番号と暫定修正のときにインストールされた APAR 番号とマッチングします。すべての APAR 番号がこの更新と一致すると、暫定修正は自動的に除去されます。

暫定修正パッケージの作成独自の暫定修正を作成し、配布用にパッケージする必要がある場合、epkg コマンドを使用して、暫定修正をパッケージします。

epkg コマンドは 2 つのモード、すなわち対話式 およびテンプレート・ベース で実行が可能です。対話式方式では、ユーザーにいくつかの質問によりプロンプトが出され、その回答を基に暫定修正パッケージが作成されます。テンプレート・ベース方式は、(対話モードで質問された) デフォルトの回答で事前に入力済みの暫定修正制御ファイルを使用します。この後で、暫定修正パッケージを emgr コマンドによりインストールできます。

暫定修正制御ファイルをテンプレートとして使用すると、暫定修正パッケージを非対話式で作成することができます。完全な暫定修正制御ファイルの例については、「epkg」コマンドを参照してください。

ユーザー指定暫定修正パッケージ・コンポーネント:

以下の暫定修正制御ファイル・コンポーネントは、暫定修正パッケージ全体の一部であり、特定のファイルに関連するものではありません。

ABSTRACT暫定修正パッケージの説明です。 Abstract のサイズは 38 バイトの制限があります。

DESCRIPTIONインストールされる暫定修正パッケージの詳細説明が入ります。

APARREFAPAR 番号またはこの暫定修正に関連付けられた番号を含む、ファイルのロケーションを指定します。このコンポーネントは必須です。ファイルに含めるには 1 行あたり 1 APAR 番号でなければなりません。

E2E_PREREQインストールされる暫定修正パッケージの前提条件となる暫定修正の暫定修正ラベル名をリスト表示します。このファイルを使用することにより、暫定修正 PREREQ ラベルがインストールされているかどうかを emgr が検査するようになります。前提条件がインストールされていなければ、emgr は、暫定修正パッケージのインストールを打ち切ります。このファイルを使用して、XREQ暫定修正ラベルを指定することもできます。 XREQ 暫定修正ラベルを指定すると、emgr は、指定した暫定修正がインストールされている場合に、暫定修正パッケージをインストールしません。サポートされる暫定修正ラベルの最大数は 32 です。検査対象の暫定修正ラベルを指定するには、以下のようにします。

122 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v -g フラグを使用してファイルの場所を指定します。例えば、暫定修正prereq.epkg を指定するには、次のように入力します。

# epkg -g /tmp/efixprereq.epkg myefix

v 拡張オプションの対話モードで -v フラグを使用して、epkg のプロンプトでファイルの場所を入力します。例えば、interim_fixprereq.epkg を指定するには、プロンプトで次のように入力します。

Enter the location for the supersede file or "." to skip.-> /tmp/interim_fixprereq.epkg

v 暫定修正制御ファイル内の E2E_PREREQ 属性を、暫定修正前提条件ファイルのローカル・ファイル・ロケーションに設定します。例えば interim_fixprereq.epkg を指定するには、この属性を次のように設定します。

E2E_PREREQ=/tmp/interim_fixprereq.epkg

暫定修正前提条件ファイルのエントリーのフォーマットは、次のとおりです (RequisiteType はPREREQ または XREQ)。

EfixLabel RequisiteType

「#」記号で始まるコメントや、先行空白スペースは無視されます。以下に例を挙げます。

oldefix1 PREREQ # Make sure oldefix1 is already installedoldefix4 XREQ # Make sure oldefix4 is NOT installed

注: 暫定修正管理の最初のリリースでは、この機能はサポートされていません。この機能を使用可能にするには、最新レベルの暫定修正管理に更新する必要があります。暫定修正管理を更新するには、bos.rte.install を最新レベルに更新してください。

PKGLOCKSファイル所有権に基づいて自動的にロックされるパッケージとは別に、emgr がロックする必要があるパッケージをリストします。パッケージの名前、パッケージ・ロック・アクション (ALWAYS

または IFINST)、およびパッケージ・ファイル・タイプを指定する必要があります。 ALWAYS はこのパッケージをロックしようと常に試みることを意味し、このパッケージのロックに失敗すると暫定修正のインストールは失敗になります。 IFINST はこのパッケージがインストールされた場合のみこのパッケージをロックしようとすることを意味し、インストール済み パッケージのロックに失敗すると暫定修正のインストールは失敗になります。サポートされる暫定修正ラベルの最大数は 32 です。ロックされるパッケージを指定するには、以下のようにします。

v -l フラグを使用してファイルの場所を指定します。例えば、pkglock.epkg を指定するには、次のように入力します。

# epkg -l /tmp/pkglock.epkg myefix

v 拡張オプションの対話モードで -v フラグを使用して、epkg のプロンプトでファイルの場所を入力します。例えば、pkglock.epkg を指定するには、プロンプトで次のように入力します。

Enter the location for the supersede file or "." to skip.-> /tmp/pkglock.epkg

v 暫定修正制御ファイル内の PKGLOCKS 属性を、ロックされるパッケージのローカル・ファイル・ロケーションに設定します。例えば、pkglock.epkg を指定するには、この属性を次のように設定します。

PKGLOCKS=/tmp/pkglock.epkg

暫定修正パッケージ・ロック・ファイルのエントリーのフォーマットは、次のとおりです。

PackageName PackageAction PackageType

インストールおよび移行 123

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「#」記号で始まるコメントや、先行空白スペースは無視されます。次の例では、emgr はインストール時に bos.rte.lvm をロックしようと常に試み、そのアンロックを除去時に行います。 emgr はbos.games がインストールされた場合に (のみ) それをロックし、そのアンロックを除去時に行います (ロックされた場合)。

bos.rte.lvm ALWAYS installpbos.games IFINST installp

注: 暫定修正管理の最初のリリースでは、この機能はサポートされていません。この機能を使用可能にするには、最新レベルの暫定修正管理に更新する必要があります。暫定修正管理を更新するには、bos.rte.install を最新レベルに更新してください。

PRE_INSTALLインストール・プレビュー後の暫定修正ファイルのインストール前に実行します。 pre_install

スクリプトに障害があると、暫定修正パッケージ・インストールが中断されます。このスクリプトは任意のプリインストール検査または作業を行うのに役立ちます。emgr コマンドはプリインストール障害用の障害クリーンアップ手順を呼び出さないので、このスクリプトが、作業の終了前に、スクリプトに関連した障害のクリーンアップを実行します。このコンポーネントはオプションです。

POST_INSTALL暫定修正ファイルがすべて正常にインストールされた後に実行します。 post_install スクリプトで障害があると、インストールが失敗し、暫定修正マネージャーが障害クリーンアップ手順を実行します。このコンポーネントはオプションです。post_install スクリプトについての詳細は、108ページの『暫定修正パッケージのインストールと管理』を参照してください。

PRE_REMOVE除去操作での除去プレビュー後の暫定修正ファイルの除去前、および障害クリーンアップ手順の最初の段階で実行します。 pre_remove スクリプトに障害があると、所定の操作は失敗します。障害のクリーンアップ手順の場合、emgr コマンドは EMGR_UNDO グローバル環境変数を 1 に設定します。 EMGR_UNDO 変数が、障害のクリーンアップとは異なる別の除去アクションをとるために使用されます (必要な場合)。このコンポーネントはオプションです。

POST_REMOVE除去操作および障害クリーンアップ手順で暫定修正ファイルが除去された後で実行します。除去の後処理スクリプトで障害があると、所定の操作は失敗します。障害のクリーンアップ手順の場合、emgr コマンドは EMGR_UNDO グローバル環境変数を 1 に設定します。EMGR_UNDO 変数が、障害のクリーンアップとは異なる別の除去アクションをとるために使用されます (必要な場合)。このコンポーネントはオプションです。

REBOOTこの暫定修正にリブート操作が必要かどうかを示します。この変数を使用して、以下のいずれかのリブート・シナリオを指定します。

v リブートは不要。

v リブートが必要でブート・イメージを再構築する。

v リブートが必要だがブート・イメージは再構築しない。

これらのリブート・シナリオのどれが必要かを指定するには、以下のようにします。

v -r フラグを使用してリブート・シナリオを指定します。このフラグの引数は、n (リブートは不要)、y (リブートが必要でブート・イメージを再構築する)、および o (リブートが必要だがブート・イメージは再構築しない) です。例えば次のコマンドは、リブートは不要であることを指定します。

124 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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# epkg -r n

v 拡張オプションの対話モードで -v フラグを使用して、epkg のプロンプトで、必要なリブート・シナリオを選択します。以下に例を挙げます。

Select reboot policy for this efix package:1) Reboot is NOT required.2) Reboot is required. The boot image will be rebuilt.3) Reboot is required. The boot image will NOT be rebuilt.

v 暫定修正制御ファイル内の REBOOT および BUILD_BOOTIMAGE 属性を、必要なリブート・シナリオの該当する値に設定します。例えば、リブートは不要であることを指定するには、これらの属性を以下のように設定します。

REBOOT=noBUILD_BOOTIMAGE=no

リブートが必要でブート・イメージを再構築することを指定するには、これらの属性を以下のように設定します。

REBOOT=yesBUILD_BOOTIMAGE=yes

リブートが必要だがブート・イメージは再構築しないことを指定するには、これらの属性を以下のように設定します。

REBOOT=yesBUILD_BOOTIMAGE=no

注:

1. REBOOT を no に、BUILD_BOOTIMAGE を yes に設定すると、epkg でエラーが発生します。

2. 暫定修正管理の最初のリリースでは、この機能はサポートされていません。この機能を使用可能にするには、最新レベルの暫定修正管理に更新する必要があります。暫定修正管理を更新するには、bos.rte.install を最新レベルに更新してください。

PREREQinstallp 前提条件を含めます。このコンポーネントはオプションです。

v このファイルは 1 行あたり 1 つの前提条件を持っています。

v 前提条件エントリーのフォーマットは次の通りです。

Fileset Min Level Max Level Type

Fileset 必要条件 installp ファイルセットの名前。

Min Levelファイルセット必要条件の最小レベル。NONE を指定すると、最小レベルがないことを示します。

Max Levelファイルセット必要条件の最大レベル。NONE を指定すると、最大レベルがないことを示します。

Type PREREQ および IFREQ の 2 つのタイプがサポートされます。 PREREQ はデフォルトのタイプであり、必要条件ファイルセットがすべての基準を満たしていることを要求します。 IFREQ は、必要条件ファイルセット (インストール済みの場合のみ) がすべての基準を満たしていることを要求します。

v ブランク行または # で始まる行は無視されます。次に例を示します。

インストールおよび移行 125

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# Require that abc.xyz is installed at any level:abc.xyz NONE NONE

# Require that bos.rte.lvm is installed at level 5.1.0.10 or above:bos.rte.lvm 5.1.0.10 NONE

# Require bos.mp be between 5.1.0.0 and 5.1.0.40 if it is installed:bos.mp 5.1.0.0 5.1.0.40 IFREQ

SUPERSEDEepkg がインストールされるときに置き換えられる 1 つ以上の暫定修正の暫定修正ラベル名を指定します。このファイルを使用すると、emgr は、このファイルで指定された暫定修正ラベルがインストールされている場合はそれを除去してから、暫定修正パッケージをインストールするようになります。インストール済みの置き換え対象暫定修正の除去に失敗すると、暫定修正パッケージのインストールは打ち切られます。サポートされる置き換え対象ラベルの最大数は 32 です。置き換え対象ファイルを指定するには、以下のようにします。

v -S フラグを使用してファイルの場所を指定します。例えば、susperseded.epkg を指定するには、次のように入力します。

# epkg -S /tmp/superseded.epkg myefix

v 拡張オプションの対話モードで -v フラグを使用して、epkg のプロンプトでファイルの場所を入力します。例えば susperseded.epkg を指定するには、プロンプトで次のように入力します。

Enter the location for the supersede file or "." to skip.-> /tmp/superseded.epkg

v 暫定修正制御ファイル内の SUPERSEDE 属性を、置き換えられるファイルのローカル・ファイル・ロケーションに設定します。例えば、susperseded.epkg を指定するには、この属性を次のように設定します。

SUPERSEDE=/tmp/superseded.epkg

置き換え対象ファイルのリストは、置き換えられる暫定修正ラベルが 1 行に 1 つというフォーマットにします。「#」記号で始まるコメントや、先行空白スペースは無視されます。以下に例を挙げます。

# Requisites for efix myefix3myefix1myefix2

注: 暫定修正管理の最初のリリースでは、この機能はサポートされていません。この機能を使用可能にするには、最新レベルの暫定修正管理に更新する必要があります。暫定修正管理を更新するには、bos.rte.install を最新レベルに更新してください。

暫定修正ファイル・コンポーネント:

次の暫定修正制御ファイル・コンポーネントは特定のファイルに関連しています。 epkg および emgr コマンドがサポートするそれぞれの暫定修正ごとの暫定修正ファイルの最大数は 200 です。

EFIX_FILE_NUM所定のファイル数 (1 から 200)。

SHIP_FILEepkg コマンドが暫定修正パッケージにアーカイブしているローカル・ファイル・ロケーション。このファイルへの絶対パスまたは相対パスを指定します。このシップ・ファイルは、供給された暫定修正です。

TARGET_FILESHIP_FILE がインストールされているターゲット・ファイルのロケーション。このロケーションは、暫定修正パッケージがインストールされているシステムにあります。このファイルへの絶対パ

126 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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スを指定します。このファイルが、RPM または installp パッケージのような登録済みパッケージの一部であれば、記録されているロケーションを指定する必要があります。

INSTALLERこの変数は、暫定修正パッケージが入っているインストーラーのタイプを表しています。有効な整数選択項目は次の通りです。

1 installp で追跡される

2 RPM

3 ISMP で追跡される

4 別のインストーラーで追跡される

5 installp で追跡される新規ファイル

6 RPM

7 ISMP で追跡される新規ファイル

8 別のインストーラーで追跡される新規ファイル

9 インストーラーで追跡されない

TYPE インストールするファイルのタイプです。有効な選択項目は次のとおりです。

1 標準ファイルまたは実行可能ファイル

2 ライブラリーまたはアーカイブ・メンバー

TYPE 1 の例として、/usr/bin/ls ファイルまたは /usr/bin/rm ファイルが挙げられます。TYPE2 の例は、libc.a ライブラリー・メンバーのような shr.o アーカイブ・メンバーです。

ACL 任意のファイルに対するアクセス属性 (モードおよび所有権) を指定します。この属性を DEFAULT

に設定すると、emgr コマンドは置換されるファイルの現行アクセス権を維持します。ただし、ターゲット・ファイルが新規ファイルである場合、またはユーザーが -v フラグを使用してアクセス権を指定したい場合は、ACL 属性は Owner:Group:OctalModes 構文を用いて、次の例のように入力できます。

ACL= root:system:555

AR_MEMアーカイブ・メンバーの名前を指定します。このオプションは TYPE=2 の場合のみ有効です。この場合、SHIP_FILE は、配布されたアーカイブ・メンバーのローカル・ロケーションを、TARGET_FILE はターゲット・アーカイブを表しており、ACL がこのアーカイブ・メンバーに適用されます。例えば、次の属性は、/usr/ccs/lib/libc.a ターゲット・アーカイブで、myshr.o ローカル・ファイルを shr.o メンバーに配布します。

TYPE=2SHIP_FILE=/home/myshr.oTARGET_FILE=/usr/ccs/lib/libc.aAR_MEM=shr.o

暫定修正の自動的共通コンポーネント:

以下のコンポーネントは、暫定修正パッケージ全体の一部であり、特定のファイルに関連するものではありません。

これらのコンポーネントは epkg コマンドにより自動的に決定されます。通常、ユーザーは次のようなコンポーネントを設定しません。

インストールおよび移行 127

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DATE バックアップが行われた日時。

INSTWORK暫定修正メタデータをアンパックするために必要なスペースの量 (512 バイト・ブロック単位で)。

VUID 仮想固有 ID。時刻と cpuid の組み合わせ。この ID は類似のフィックスを区別するために使用します。

QNEXT および QORDER対話モード用の内部トラッカー。非プロンプト・モードで暫定修正制御ファイルを使用する場合、QNEXT および QORDER が設定されていないことを確認してください。または、QEND に設定してください。

暫定修正の自動的ファイル・コンポーネント:

以下のコンポーネントは、特定のファイルに関連しています。これらのコンポーネントは epkg コマンドにより自動的に決定されます。通常、ユーザーは次のようなコンポーネントを設定しません。

CKSUM所定のファイルのチェックサム

SIZE 所定のファイルのサイズ

暫定修正対話モードでの epkg コマンドの実行:

デフォルトでは、epkg コマンドは対話モードで実行されます。必須パラメーターは、暫定修正ラベルのみです。

実行中の epkg コマンド・セッションに割り込みがあると、暫定修正制御ファイルは保管されます。同じ暫定修正ラベルで新規セッションを開始すると、それまでの暫定修正制御ファイルを使って作業を継続するかどうかの質問が出されます。この質問には -u フラグを使用して応答することができます。

epkg コマンドは、質問順序の記録を維持しており、ユーザーはサブコマンドを使用して各種質問に対してナビゲートが可能です。さらに、epkg コマンドは前の作成された回答を記憶しているので、それをデフォルトの回答としてセットします。 epkg サブコマンドは次の通りです。

b! 前の質問に戻します。

s! 現行の暫定修正制御ファイルを示します。

q! 暫定修正制御ファイルを保管せずに終了します (Ctrl-C キー・シーケンスを使用すると、このサブコマンドが実行されます)。

h! 現在の質問に対するヘルプ情報を表示します。

epkg コマンドは、次のような質問を 1 つずつします。

1. Enter interim fix abstract [38 bytes maximum]:** If "-s" flag is specified, go to question #3 ***

2. Does this interim fix deliver one or more files ? (yes/no):** If "no", go to question #9 **

3. Enter the local ship file location for interim fix file number 1:

4. Enter target location for interim fix file number 1:

5. Select file type for interim fix file number 1:1) Standard (file or executable)2) Library member

128 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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6. Select the installer which tracks the file that is being fixed by interim fixfile number 1:1) Currently tracked by installp.2) Currently tracked by RPM.3) Currently tracked by ISMP.4) Currently tracked by another installer.5) This is a NEW file that will be tracked by installp.6) This is a NEW file that will be tracked by RPM.7) This is a NEW file that will be tracked by ISMP.8) This is a NEW file that will be tracked by another installer.9) Not tracked by any installer.

*** If "-m flag" and not new go to #7.1 ****** If new, go to #7.2 ****** Else, go to #8 ***

7.1 Enter the ACL for file 1 in the format of <owner>:<group>:<octal modes>.For example to make the user="root", the group="system", and the modes "444",you would enter root:system:444. Enter "." if you want to keep the default(i.e. current) permissions on the existing target file.

7.2 Enter the ACL for file 1 in the format of <owner>:<group>:<octal modes>.For example to make the user="root", the group="system", and the modes "444",you would enter root:system:444.

8. Are there more interim fix files ? (yes/no):** If "yes", increment file and go to question #3 **** If "no" and "-s" flag, go to #14 **** If "no" go to question #9 **

9. Enter the local location for the pre-install script or "." to skip.

10. Enter the local location for the post-install script or "." to skip.

11. Enter the local location for the pre-remove script or "." to skip.

12. Enter the local location for the post-remove script or "." to skip.

14. Is a reboot required after installing this interim fix ? (yes/no):

15. Enter the location for the APAR reference file.

16. Enter the local location for the installp prerequisite file or "." to skip.*** This question is skipped if -p flag ***

17. Enter the local location for the interim fix description file or "." to compose itin an editor:

*** This question is skipped if "-d" flag is specified ****** If the description file is not specified, the user will be ****** put into an editor to compose it. The user can specify ****** which editor to use by setting the EDITOR global environment ****** variable. The default editor is /usr/bin/vi. ***

すべての質問に回答すると、epkg コマンドは、暫定修正制御ファイルを検査し、圧縮した tar パッケージを作成します。このパッケージは emgr コマンドを使用してインストール可能です。

関連情報以下は、オプションのソフトウェア製品および保守更新に関する追加情報へのリンクです。

v installp コマンドを使用してインストールするソフトウェア・プロダクトの開発については、「AIX 5L

バージョン 5.3 プログラミングの一般概念: プログラムの作成およびデバッグ」の『インストール用ソフトウェアのパッケージ化』を参照してください。

インストールおよび移行 129

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v システムの新規バックアップの作成については、 169ページの『システム・バックアップの作成』を参照してください。

v 追加のリリース情報については、「AIX 5.3 リリース・ノート」を参照してください。

インストールのトラブルシューティングインストールおよび構成に関する問題を切り分ける方法、およびその解決策について説明します。

システム・バックアップからのインストールに関するトラブルシューティングmksysb コマンドを使用して作成したシステム・イメージからインストールする場合の、共通問題のトラブルシューティングについて説明します。

システム・バックアップからブートできない場合のインストールバックアップ・テープでブートできない場合でも、テープに保管されている mksysb イメージを使用してインストールを行うことができます。

マシンをプロダクト・メディア (複数ある場合はボリューム 1) からブートし、その後で保守モードからバックアップをインストールします。ブートの指示については、 38ページの『基本オペレーティング・システムのインストール』を参照してください。「Welcome to the Base Operating System Installation and

Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守へようこそ)」画面が表示されるまで、上記の手順に従ってください。

システムが mksysb テープからのブートに失敗した場合、以下の説明で識別できて解決できる問題が発生した可能性があります。該当するシステムには、モデル F50 から始まった CHRP アーキテクチャーのすべてのシステムが含まれます。ファームウェア・コマンド行プロンプトを使用します。このプロンプトは通常、SMS メニューのオプションとして表示されます。ファームウェア・コマンド行プロンプトで、次の 2

つのコマンドを入力します。

setenv real-base 1000000reset-all

これでシステムがリブートされ、テープ・メディアに別の有効なブート・イメージがあれば、テープからブートできるようになります。

プロダクト・メディアからのシステム・バックアップのブート:

プロダクト・メディアからシステム・バックアップをブートするには、以下の手順に従います。

「Welcome (ようこそ)」画面が表示されたら、次のステップを実行します。

1. 「Start Maintenance Mode for System Recovery (システム・リカバリー用保守モードの開始)」オプションを選択します。

2. 「Install from a System Backup (システム・バックアップからのインストール)」オプションを選択します。

3. バックアップ・テープが入っているドライブを選択します。

システムは、テープを読み取り、インストールを開始します。

4. ディスクをメディア・ドライブから取り出さないでください。

130 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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システムは、ターゲット・システムに必要なカーネルとデバイス・サポートをディスクからインストールします。

5. 『ソース・マシンのシステム・バックアップのインストール』手順のステップ 9 (190ページ)に戻り、バックアップをインストールする手順を続けます。

注: 保守モードでは、「Use Maps (マップの使用)」オプションはサポートされていません。保守モードでのマップ・オプションについて詳しくは、 186ページの『ソース・マシンでのシステム・バックアップのインストール』を参照してください。

システム・バックアップ・テープでの mksysb イメージの構成mksysb コマンドを使用して、ブート・イメージ、BOS インストール/保守イメージ、および目次イメージがテープの block_size 値を 512 にして作成されていることを確認します。

ブート可能 mksysb テープは次のイメージを備えています。

v ブート・イメージ

v BOS インストール/保守イメージ

v 目次イメージ

v システム・バックアップ・イメージ

システム・バックアップ・イメージは、 JFS がマウントされたすべてのファイルシステムにおける、rootvg のファイルの実際のバックアップです。

ブート・イメージ、BOS インストール/保守イメージ、および目次イメージは、テープの block_size 値を512 にして作成する必要があります。mksysb コマンドは、これらのイメージが作成されるときに、そのブロック・サイズが 512 であることを確認します。テープ上で 4 番目のイメージ (システム・バックアップ・イメージ) に使用されるブロック・サイズには、制限がありません。一時的に 512 に設定される前の、システムのブロック・サイズが、テープの 4 番目のイメージに使用されます。

テープ上の 2 番目のイメージにある /tapeblksz ファイルに、ブロック・サイズの値を保存する必要があります。 2 番目と 4 番目のイメージは、バックアップ/復元のフォーマットで保存されます。再度 mksysbは、 mksysb コマンドを使用して作成されたテープが正しいことを確認します。

bosinst.data ファイル、image.data ファイル、あるいは tapeblksz ファイルに問題がある場合は、これらのファイルは、テープの 2 番目のイメージから復元され、調べることができます。これらのファイルは、RAM ファイルシステムでの実行に必要なコマンド (磁気テープからのブートの後、保守モードで実行する場合) と同様に、2 番目のイメージに保存されます。

2 番目のイメージまたはテープからのファイルの復元:

2 番目のイメージからファイルを復元するには、以下のステップに従います。

1. 次のコマンドを入力して、テープ・ブロック・サイズが 512 であることを確認します。# lsattr -E -lrmt0.

ブロック・サイズが正しくない場合、次のコマンドを使用して 512 に設定します。# chdev -l rmt0 -ablock_size=512.

2. テープが巻き戻されていることを確認してください。テープが巻き戻されていない場合、次のコマンドを入力します。# tctl -f /dev/rmt0 rewind

3. 次のコマンドを入力して、必要なファイルを抽出します。# restore -xvq -s2 -f /dev/rmt0.1.filename

注: ファイル名は、絶対パスで、必ず . (ドット文字) で始まります (./tapeblksz など)。

インストールおよび移行 131

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4. 次のコマンドを入力して、テープを巻き戻します。# tctl -f /dev/rmt0 rewind

5. 必要なら、ブロック・サイズを元の値に戻します。

mksysb バックアップからのインストールに関する問題のトラブルシューティング以下に示すトラブルシューティングのヒントは、mksysb イメージからのインストールについて報告された問題に適用されます。

v 一時ファイルを書き込むのに十分な空きブロックがファイルシステム内にあることを確認してください。

v mksysb バックアップ・イメージの作成時に、各ファイルシステムに少なくとも 500 ブロックの空きがあることを確認してください。 mksysb バックアップ・イメージからのインストールの場合は、システムは、各ファイルシステム内にワークスペースを必要とします。

注: ファイルシステム内のデータまたはファイルのタイプに応じて、さらにブロックの空きが必要な場合があります。例えば、ファイルシステムに多くの小さいファイルがある場合は、メタデータの拡張のために追加の 4 KB が自動的に割り当てられます。

v 選択した記録密度の設定値に対して、正しいテープ装置を使用していることを確認してください。

v テープが書き込み保護されていない ことを確認してください。

v 推奨されている期間ごとにテープ・ドライブをクリーニングし、認可されているデータ・グレードのテープだけを使用してください (8 mm のビデオ・テープは使用しないでください)。

v 7206 型 4-mm デジタル・オーディオ・テープ (DAT) テープ・ドライブに、 Dataphone Digital Services

(DDS) 記号のマークの入った DAT テープだけが使用されていることを確認してください。その他のDAT テープ (例えば、音声グレードのもの) は、使用できません。

v SMIT からのエラーが記録されていないかどうか、/smit.log ファイルを確認してください。

v mksysb バックアップ・イメージに、 image.data ファイルが含まれていることを確認してください。Web-based System Manager または SMIT を使用して mksysb バックアップ・イメージを作成する場合、このファイルは自動的に組み込まれます。コマンド行から mksysb を実行する場合は、まず最初にmkszfile コマンドを実行するか、mksysb コマンドに -i フラグを指定してください。

マイグレーション・インストールのトラブルシューティング以下では、マイグレーション・インストール時に生じる問題の解決策について説明します。

ブート論理ボリューム・エラーのトラブルシューティングブート論理ボリュームの容量不足を示すエラーに対応するためのリファレンスについて説明します。

ブート論理ボリュームの容量不足を示すエラーが出た場合は、 139ページの『インストール関連のシステム・メッセージおよびエラー・メッセージの解釈』を参照してください。

マイグレーション用のディスク・スペース不足に関するトラブルシューティングマイグレーション・インストールの開始のときに、システムは、移行を行うためのスペースが十分であるか確認します。ディスク・スペースが十分でない場合は、さらにどれだけのスペースが必要かを説明するメッセージが表示されます。

そこで、現行バージョンの AIX が入っているメディアからマシンをリブートし、rootvg ボリューム・グループに、より大きなスペースを割り当てます。この後、移行が続行できるか試してください。

以下のオプションを使用して、マイグレーション・インストール用にディスク・スペースを追加できます。

132 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v SMIT smit extendvg 高速パスまたは extendvg コマンドのいずれかを使用して、別のディスクを rootvgボリューム・グループに追加します。

v rootvg ボリューム・グループから別のボリューム・グループに、ユーザー・データ論理ボリュームを移動します。SMIT smit cplv 高速パスまたは cplv コマンドのいずれかを使用して、個々の論理ボリュームを別のボリューム・グループのディスクに移動することができます。システム論理ボリュームだけをrootvg に入れて、ユーザー・データ論理ボリュームは別のボリューム・グループに入れるのも 1 つの方法です。

cplv コマンドを使用した後、rmlv コマンドで元の論理ボリュームを除去する必要があります。移動された論理ボリュームにファイルシステムが入っている場合、/etc/filesystems ファイルの中の対応する項目を変更して、新しい論理ボリューム名を反映させる必要があります。

論理ボリュームおよびボリューム・グループの取り扱いについての詳細は、「オペレーティング・システムおよびデバイスの管理」の『論理ボリューム』を参照してください。

v 不要の論理ボリューム (およびファイルシステム) を rootvg から除去します。 lsvg -l rootvg コマンドを実行して、rootvg ボリューム・グループにあるすべての論理ボリュームを表示します。rootvg の中にあるべき論理ボリュームは、hd2、hd3、hd4、hd5、hd6、hd8、および hd9var だけです。必要な場合、hd1 (/home) 論理ボリュームは、別のボリューム・グループに入れておくこともできます。

AIX 5.1 から、ページング・スペース (hd6) が使用されているため、hd7 (システム・ダンプ) 論理ボリュームは必要ではありません。スペースが必要であれば、移行コードが自動的にこの論理ボリュームを除去しますが、以下のコマンドを使用して、ユーザーが前もって除去しておくこともできます。

sysdumpdev -P -p /dev/hd6rmlv -f hd7

v rootvg の中に余分のスペースが見つからない場合は、AIX へのマイグレーション・インストールの代わりに保存 インストールを行わなければならないことがあります。保存インストールは、すべての「システム以外」の論理ボリュームとファイルシステムは保存しますが (例えば、/home)、hd2、hd3、hd4、hd5、および hd9var の論理ボリュームは除去して、再作成します。

保存インストールを行う場合は、保存インストールが完了した後で、rootvg にインストールされていたアプリケーションを再インストールする必要があります。ユーザーは、デバイスを再構成したり、ユーザーおよびグループを再作成する必要があります。保存インストールの詳細については、 38ページの『基本オペレーティング・システムのインストール』を参照してください。

十分なスペースを解放したあとで、使用しているインストール・メディアからリブートして、マイグレーション・インストールを再試行してください。マイグレーション・インストールを完了するには、最低 8

MB の空きディスク・スペースが必要です。

BOS インストール・プロセス中に、マイグレーション・インストールを完了させるためのスペースが不足しているときは、インストールの終わりに以下のようなメッセージが表示されます。

An error occurred while migrating packages.

Some packages have not been installed.

Please see /var/adm/ras/devinst.log for details or perform an overwrite orpreservation install.

通常であれば自動的に移行されるすべてのソフトウェアの移行が、スペースの制約が原因で不可能な場合は、インストール・プログラムは、保存インストールまたは上書きインストール用にインストールされるソフトウェアを、インストールしようとします。この時点でまだディスク・スペースが不足している場合は、そのシステムの使用をサポートするのに必要な、最小のセットのソフトウェアがインストールされます。

インストールおよび移行 133

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通常移行されるソフトウェアのすべてを移行するには、スペースが足りないという場合は、あとで他のソフトウェアをインストールするときに、移行バンドルと呼ばれるソフトウェアの集まりを使用することができます。最小のセットのソフトウェアがインストールされている場合、またはインストールがグラフィックス・コンソールからは行われていない場合は、 Graphics_Startup バンドルが作成されます。このいずれかのバンドルをインストールする場合は、その前に、インストールしたいマシン上に追加のディスク・スペースを作成します。ソフトウェア・バンドルのインストール、ならびにオプション・ソフトウェア製品の移行またはインストールについての詳細は、 84ページの『オプションのプロダクトおよび保守更新』を参照してください。 92ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守』では、システムからソフトウェアを除去して、ディスク・スペースを解放する方法について説明しています。

代替ディスクのインストール・エラーに関するトラブルシューティング代替ディスクのインストール中に表示されることがあるエラー・メッセージを以下に示します。

下記のエラー・メッセージのいずれかを受け取った場合は、 139ページの『インストール関連のシステム・メッセージおよびエラー・メッセージの解釈』を参照してください。

v 0505-113 alt_disk_install: No target disk name provided.

v 0505-117 alt_disk_install: Error restoring image.data file from mksysb image.

代替ディスクのインストールに関するその他の問題のトラブルシューティング代替ディスクのインストールでは、以下のいずれかの問題が生じる可能性があります。

症状: 代替ディスクへの mksysb イメージのクローン作成またはインストールを行うために、alt_disk_install コマンドを実行したか、または SMIT メニューを使用しました。しかし、ディスクを使用して alt_disk_install コマンドを再度実行できるようにする、あるいはディスクを別の目的に使用できるようにするために、定義を除去したいと考えました。

処置: exportvg コマンドは実行しないでください。 exportvg は、ディスク (ここでは、hd1、hd2、hd3 などの rootvg 名で呼び出される) の論理ボリュームを調べて、該当する項目を/etc/filesystems ファイルから除去しようとします。これを実行すると、稼働中のシステムから実際のファイルシステム・スタンザを除去するため、この欠落しているスタンザを用いてリブートするとブートの問題が引き起こされます。

alt_disk_install -X コマンドを使用して、データベースから altinst_rootvg 名を除去します。これにより、CuDv データベースから ODM 情報のみが除去されるため、 lspv コマンドを実行すると、ディスクは、もはや altinst_rootvg には属していないものとして表示されます。また、ブート・リストが、 hd5 ブート論理ボリュームが常駐しているブート・ディスクにリセットされます。ボリューム・グループ、論理ボリューム、およびファイルシステムの情報がディスク上に残っているため、altinst_rootvg からのブートは、依然として可能です。ただし、ブート・リストを altinst_rootvg ブート・ディスクに設定することが必要です。

BOS インストール後のトラブルシューティングここでは、BOS インストールの後に発生する可能性のある問題について、トラブルシューティングのヒントを提供します。

ネットワーク・インストール・サーバーでシステムをインストールした場合は、 BOS インストール・プログラムの完了時に、構成アシストまたはインストール・アシストは表示されません。

134 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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構成アシストおよびインストール・アシストには、マシンをサーバーとして構成するために必要なタスクは含まれていません。特定のリソース用にシステムを構成する必要がある場合は、そのリソースに関する資料を参照してください。

端末タイプが設定されていない場合、 ASCII インストール・アシストで表示される最初のメニューで、端末タイプ (tty) を入力する必要があります。無効な端末タイプを入力すると、有効なタイプを入力するまでこのメニューが繰り返し表示されます。

正しい端末タイプであっても、使用している端末と一致しない場合は、表示される画面が読めない場合があります。この場合、BREAK キー・シーケンスを押して、「Set Terminal Type (端末タイプの設定)」画面に戻ります。ほとんどの端末タイプでは、BREAK キー・シーケンスは、Ctrl-C です。

ハード・ディスクからブートしないシステムのトラブルシューティング次の手順に従い、ハード・ディスクからブートしないシステムにアクセスします。

mksysb バックアップ・テープからのブートに失敗した場合の指示については、 130ページの『システム・バックアップからのインストールに関するトラブルシューティング』を参照してください。

この手順を使用すると、表示されるシステム・プロンプトに従って、システムからのデータ・リカバリーを試みるか、またはシステムがハード・ディスクからブートできるようにするための訂正処置を実行することができます。

注:

1. この手順は、ハード・ディスクからブートできないシステムのブート方法や、そのようなシステムからのデータ・リカバリー方法についての知識のある、熟練した管理者を対象としたものです。通常の管理者は、この手順を実行せずに、ローカルの問題報告手順に従ってください。

2. この手順は、新規インストール完了直後の管理者に向けたものではありません。その段階では、システムにリカバリーの必要なデータは含まれていないからです。新規インストールの完了後にハード・ディスクからブートできない場合は、ローカルの問題報告手順に従ってください。

以下のステップは、ブートできないシステムにアクセスする手順を要約したものです。

1. BOS メディアのボリューム 1 またはブート可能テープから、システムをブートします。

2. 「Maintenance Options (保守オプション)」を選択します。

3. システム・プロンプトを使用して、データをリカバリーするか、訂正処置を実行します。

ブートしないシステムへのアクセスの準備ハード・ディスクからブートしないシステムにアクセスする前に、以下の前提条件を満たす必要があります。

以下を確認してください。

v システムがハード・ディスクからブートできない。

v すべてのハードウェアがインストール済みである。

v AIX 基本オペレーティング・システム (BOS) がインストール済みである。

v システム装置の電源が切られている。

ハード・ディスクからブートできない場合のシステムへのアクセスこの手順は、ハード・ディスクからブートできない場合に使用してください。

インストールおよび移行 135

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この手順の最初の部分は、基本オペレーティング・システムのインストールに使用した手順に似ています。ただし、この手順を完了するには、インストール画面ではなく、保守画面を使用します。

1. システム装置の電源をオンにする前 に、端末、メディア・ドライブ、テープ・ドライブ、モニター、外付けディスク・ドライブなど、接続されているすべての外付けデバイスの電源をオンにします。システム装置の電源は、ステップ 5 まではオンにしないでください。外付けデバイスの電源を先にオンにし、始動 (ブート) 処理中に、システム装置が外付けデバイスを識別できるようにする必要があります。

v ネットワーク・デバイスからブートする場合は、ネットワークを介したマシンのブートを参照してください。

v ネットワーク・デバイスからブートしない場合は、ステップ 3 に進んでください。

2. インストール・メディアのボリューム 1 を、テープ・ドライブまたはメディア・ドライブに挿入します。メディア・ドライブによっては、取り外し可能なディスク・キャディーが付いているものと、スライド式ドロワーが付いているものがあります。使用中のシステムのメディア・ドライブにスライド式ドロワーが付いている場合は、ドロワーの中にメディアを入れて、ドロワーを押し込んでください。使用中のシステムのメディア・ドライブにスライド式ドロワーが付いていない場合は、メディアをディスク・キャディーに入れてから、そのキャディーを CD-ROM ドライブに挿入してください。

注:

a. ハードウェアによっては、システム装置の電源が切れている間は、テープ・ドライブのドアが開かないものがあります。インストール中にテープ・ドライブのドアの開閉に支障が生じた場合は、以下の手順を行ってください。

1) システム装置の電源をオンにします。

2) BOS テープを挿入します (複数のボリュームがある場合には、ボリューム 1 を挿入します)。

3) システム装置をオフにして、30 秒待ちます。

b. テープ・ドライブにドアの付いたモデルの中には、テープ・ドライブを開けるためのボタンを押してからテープ・ドライブのドアが開くまでに、最大 3 分の待ち時間を要するものがあります。また、モデルによっては、テープ・ドライブのドアを開けるためのボタンを数秒間押したままにしないと、テープ・ドライブのドアが開かないものもあります。

c. モデルによっては、ディスク・キャディーに入っているメディアをイジェクトするには、イジェクト・ボタンを少なくとも 2 秒間は押さなければならないものがあります。

3. ASCII 端末を使用していない場合は、ステップ 5 に進んでください。 ASCII 端末を使用している場合は、次のように通信オプションを設定してください。

v Line Speed (回線速度、ボー・レート) = 9600

v Word Length (ワード長、1 文字当たりのビット数) = 8

v Parity (パリティー) = no (なし)

v Number of Stop Bits (ストップ・ビットの数) = 1

v Interface (インターフェース) = RS-232C (または RS-422A)

v Line Control (回線制御) = IPRTS

キーボード・オプションとディスプレイ・オプションを次のように設定します。

v Screen (画面) = Normal

v Row and Column (行と桁) = 24x80

v Scroll (スクロール) = jump

v Auto LF (自動改行) = off

136 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v Line Wrap (行折り返し) = on

v Forcing Insert (強制挿入) = line (または both)

v Tab (タブ) = field

v Operating Mode (動作モード) = echo

v Turnaround Character (ターンアラウンド文字) = CR

v Enter (入力) = return

v Return (リターン) = new line

v New Line (改行) = CR

v Send (送信) = page

v Insert Character (挿入文字) = space

注: 使用端末が IBM 3151、3161、または 3164 の場合は、 Ctrl+Setup キーを押して「Setup

(セットアップ)」メニューを表示し、画面に表示される指示に従って、これらのオプションを設定してください。他の ASCII 端末を使用している場合は、これらのオプションの設定方法に関する情報について、該当の資料を参照してください。端末によっては、ここにリストされたオプション名や設定値が異なる場合もあります。

4. システム装置の電源スイッチをオンの位置にします。システムは、インストール・メディアからのブート処理を開始します。システムがテープからブートしている場合、テープが進んだり戻ったりするのは正常な動作です。数分後に、LED に c31 が表示されます。

複数のコンソールがある場合、それぞれの端末と直接接続ディスプレイ・デバイス (またはコンソール) に、システム・コンソールを識別するためのキーを押すように指示する画面が表示されます。この画面が表示される各端末ごとに、異なるキーが指定されています。この画面が表示されたら、システム・コンソールとして使用したいデバイスで、指定されたキーを押してください。システム・コンソールとは、インストールとシステム管理に使用するキーボードとディスプレイ・デバイスのことです。 1

つのコンソールでだけキーを押してください。

5. 「Welcome to the Base Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守へようこそ)」画面が表示されたら、3 を入力して、「Start MaintenanceMode for System Recovery (システム・リカバリー用保守モードの開始)」を選択します。

注: インストール・メディアの bosinst.data ファイルをカスタマイズして、プロンプトなしのインストールを指定してある場合は、インストール/保守用の画面は表示されません。代わりに、システムは、 bosinst.data ファイル内に既に定義されている設定値を使用して、インストール・メディアからリブートします。インストール/保守用の画面にアクセスするには、プロンプトなしモードを指定変更します。この指定変更ができるのは、画面に 0 が 3 つ表示されたときです。画面に 0 が 3 つ表示されたら、端末で 000 (ゼロ 3 つ) を入力して、 Enter キーを押してください。

この画面または後続のどの画面でも、88 を選択するとヘルプを表示することができます。

「Start Maintenance Mode for System Recovery (システム・リカバリー用保守モードの開始)」オプションを選択すると、「Maintenance (保守)」画面が表示されます。

6. 「Maintenance (保守)」画面で、オプション 1 の「Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)」を選択します。「Warning (警告)」画面が表示されます。

7. 「Warning (警告)」画面に表示される説明を読んでください。先に進む準備ができたら、0 を入力してEnter キーを押します。「Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)」画面が表示されます。

インストールおよび移行 137

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8. 論理ボリューム情報を表示したいルート・ボリューム・グループ用のオプションを選択します。「Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)」画面には、システムのすべて (ルートおよびその他) のボリューム・グループがリストされています。選択値を入力すると、「Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)」画面が表示されます。

注: 「Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)」画面で、ディスク情報とロケーション・コード情報を調べることによって、選択したボリューム・グループがルート・ボリューム・グループかどうかを判別できます。選択したボリューム・グループがルート・ボリューム・グループでなかった場合は、「Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)」画面に戻ります。ルート・ボリューム・グループを選択しないと、「Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)」画面より先には進めません。

9. 「Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)」画面からオプションの 1 つを選択して、Enter キーを押します。各オプションで実行される処理は次のとおりです。

選択項目 1 Access this volume group and start a shell (このボリューム・グループにアクセスし、シェルを開始)。 この選択項目を選択すると、ボリューム・グループがインポートされて活動化され、シェルとシステム・プロンプトが表示される前に、このルート・ボリューム・グループ用のファイルシステムがマウントされます。

選択項目 2 Access this volume group and start a shell before mounting file systems (このボリューム・グループにアクセスし、ファイルシステムのマウント前にシェルを開始)。 この選択項目を選択すると、ボリューム・グループがインポートされて活動化され、このルート・ボリューム・グループ用のファイルシステムがマウントされる前に、シェルとシステム・プロンプトが表示されます。

選択項目 99 99 を入力すると、「Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)」画面に戻ります。

選択項目 1 または 2 を選択した後、シェルとシステム・プロンプトが表示されます。

10. データ・リカバリーのための適切な処置を行うか、システムを正常にブートさせるための処置(bosboot コマンドの使用など) を行います。

フルになった /usr ファイルシステムのトラブルシューティングフルになった /usr ファイルシステムのトラブルシューティングを行うには、以下の手順に従います。

フルになった /usr ファイルシステムのスペースを解放するには、以下のタスクのうち 1 つ以上を実行してください。

v installp -c all と入力して、すべての更新をコミットし、/usr ファイルシステム内のスペースを解放する。

v システムが、共用プロダクト・オブジェクト・ツリー (SPOT) にサービス提供するネットワーク・インストール管理 (NIM) でない場合、/usr/lib/instl/inurid -r と入力して、root ファイルシステムのインストール用のクライアント情報を除去する。NIM および SPOT について詳しくは、『NIM リソース』セクションの 224ページの『SPOT (共用プロダクト・オブジェクト・ツリー) リソースの使用』を参照してください。

v 不要なソフトウェアを除去する。 92ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守』を参照してください。

BOS インストール・ログの表示BOS インストール・ログ・ファイルに保管されている情報は、インストールに関する問題の原因の判別に役立つことがあります。

138 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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BOS インストール・ログ・ファイルを表示するには、cd /var/adm/ras と入力して、このディレクトリー内のファイルを表示します。1 つの例として devinst.log が挙げられます。これはテキスト・ファイルで、任意のテキスト・エディターで見ることができます。

SMIT を使用する BOS インストール・ログの表示SMIT 高速パスを使用して、/var/adm/ras ディレクトリー内のログを表示することができます。

/var/adm/ras ディレクトリー内のログを表示するには、次の SMIT 高速パスを使用します。

smit alog_show

その結果、alog コマンドで表示可能なすべてのログがリストされます。 F4 キーでリストから選択します。

alog コマンドを使用する BOS インストール・ログの表示alog コマンドを使用して、/var/adm/ras ディレクトリー内のログを表示することができます。

/var/adm/ras ディレクトリー内のログを表示するには、次のように入力します。

alog -o -f bosinstlog

インストール関連のシステム・メッセージおよびエラー・メッセージの解釈AIX 5.1 以降のインストール中に、以下のメッセージが表示されることがあります。

ほとんどのメッセージに関する説明は、次のフォーマットで提供されています。

システム・メッセージ システム・メッセージは、太字で表示されます。

説明 システム・メッセージが表示されることになった原因と考えられる事柄について説明します。

システムの処置 メッセージを表示した後でシステムが行う処置について説明します。

ユーザーの処置 システム・メッセージが示す問題に対して、対処可能な解決策を示します。

注: 同じ説明、同じシステムの処置、同じユーザーの処置が、複数のメッセージに対して記載されていることがあります。

0516-404 allocp: Not enough resources available to fulfill allocation. Either not enough free partitions ornot enough physical volumes to keep strictness. Try again with different allocation characteristics.

0516-788: extendlv: Unable to extend logical volume

0503-008 installp: There is not enough free disk space in file system /usr (506935 more 512 byte blocksare required.) An attempt to extend this file system was unsuccessful. Make more space available, thenretry this operation.

説明 インストールを完了するのに十分なスペースがありません。

システムの処置 問題が解決されるまで、インストールは開始できません。

インストールおよび移行 139

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ユーザーの処置 以下のように、複数のオプションがあります。

v 最初にインストール用に選択した数より少ないファイルセットを選択してください。

または

v ルート・ボリューム・グループを別のディスクに拡張してください。 extendvg rootvg hdisk

Number と入力します。この Number は、指定したディスクの番号です。

または

v ユーザー定義のファイルシステムを除去して、 rootvg ファイルシステムの中のスペースを解放してください。

または

v 138ページの『フルになった /usr ファイルシステムのトラブルシューティング』の指示に従ってください。

BOS Install: After saving all the data from the previous system into /tmp, it was discovered that therewill not be enough free space in /tmp to make the boot image. Please reboot in normal mode andincrease the size of /tmp or reduce the number of files to save as listed in the /etc/preserve.list file.

説明 保存インストールの間、/etc/preserve.list ファイルに出力されたファイルが、 /tmp ファイルにコピーされました。その後で、/tmp の中にブート・イメージを作成するのに十分なスペースが残っていませんでした。

システムの処置 インストールは続行できません。

ユーザーの処置 通常モードでリブートし、/tmp のサイズを増やすか、保管するファイルの数を減らしてください。

BOS Install: You chose to create logical volumes mapped exactly as they were on the previous disks,but there are no map files specified in the image.data file.

説明 システム・バックアップの復元で、 image.data ファイルに EXACT_FIT = yes が指定されていますが、 image.data ファイルにマップ・ファイルが指定されていませんでした

システムの処置 プロンプトなしモードが終了します。ユーザーに対してプロンプトが表示されます。

ユーザーの処置 システム・バックアップ・テープを作成する前に、 mkszfile コマンドに -m オプションを指定して実行してください。

または

image.data ファイルに EXACT_FIT = yes を指定しないでください。

The boot logical volume (hd5) must be at least 12 MB. The system you are installing has a boot logicalvolume smaller than this, and the system does not have enough free contiguous physical partitions ondiskname to increase the size of the boot logical volume. Please reboot in normal mode and correct thisproblem, or restart the installation and choose an overwrite install. Use the lspv -M diskname commandto see the current allocation map of the disk.

または

Error: No space available to create a larger boot logical volume. In order to proceed with thisinstallation the size of the boot logical volume (hd5) must be increased to 12 MB. At this time thereare not N contiguous physical partitions available on the boot disk (diskname) for recreating the largerboot logical volume. You must free up this space by removing or relocating one or more logicalvolumes or file systems from diskname. Use lspv -M diskname to see its current partition allocation

140 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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map.

説明 AIX 5.2 からは、ブート論理ボリューム (blv) の論理ボリューム hd5 は、 12 メガバイトより大きくなければなりません。システムのディスクのサイズがルート・ボリューム・グループで 4 ギガバイトより少なかった場合、またはシステムが元々 AIX 4.3.3 より前のバージョンの AIX を用いてインストールされたものであった場合、使用できるブート論理ボリュームが 4 メガバイトにしかならないことがあります。保存インストールまたはマイグレーション・インストールのときに、この障害が生じる場合があります。上書きインストールでは、最小 12 メガバイトのサイズのブート論理ボリュームが作成されます。 hd5 に隣接する空き区画が使用できる場合、または hd5 を含むディスク上に他の場所が指示されている場合、インストール・プロセスは、hd5 のサイズを増やして、続行します。ブート論理ボリュームのサイズを大きくするための追加の区画があるかどうかについては、ブート論理ボリュームが現在入っているディスクのみが確認されます。 rootvg 内の他のディスクは、調べられません。

システムの処置 既存の rootvg から通常モードでリブートしてブート論理ボリュームを大きくするか、またはインストールを再開して上書きインストールを選択するように求められます。

ユーザーの処置 root 権限をもっているシステム管理者のみが、ブート論理ボリュームを大きくするよう試みる必要があります。ブート論理ボリュームを大きくするには、下記のプロセスに従ってください。

このエラーが起きるのは、区画サイズが 8 メガバイトより少ない場合であり、 hd5 (ブート論理ボリューム) 内の区画の数を増やす必要があります。次の手順で区画サイズを調べることができます。

1. 以下を入力します。

# lsvg rootvg

2. 「PP SIZE:」というフィールドを調べてください。

3. 次の手順で hd5 内の区画の現在の数を取得します。

# lslv hd5

4. 「LPs :」というフィールドを調べてください。

5. ブート論理ボリュームには、以下のように、十分な区画が入っている必要があります。

v PP SIZE に LP を掛けた数値が、 8 以上になるようにします。

v ブート論理ボリュームの各区画は、隣接していなければなりません。

hd5 の隣、または hd5 が入っているディスク上の他の場所に使用可能な空き区画があった場合、インストール・プロセスは、hd5 のサイズを増加して、処理を続行している場合があります。

ディスクの現在の割り当てマップ (空き区画と使用中の区画) を表示するには、次のコマンドを使用します。

# lspv -M diskname

インストールおよび移行 141

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ユーザーの処置 (続き)隣接する空き区画が十分にはない場合は、下記のいずれかのオプションを使用してブート論理ボリューム (hd5) のサイズを増やしてから、インストールを再実行する必要があります。ブート論理ボリュームのサイズを大きくするためのオプションは、次のとおりです。

v ユーザー作成の論理ボリュームまたはファイルシステムが、ディスク上の hd5 の後にあり (これについては、割り当てマップを調べてください)、かつ空き区画を保持している場合には、その論理ボリュームのバックアップ、除去、再作成、および復元を行うことができます。

v rootvg 内に十分な隣接する空き区画を保持している別のディスクがある場合には、次の手順に従って、hd5 をその別のディスクに移すことができます。

1. 次のコマンドを使用して、 hd5 の移動先のディスクがブート可能であるかを確認します。

bootinfo -B diskname

– 1 が戻される場合は、そのディスクはブート可能です。

– 0 が戻される場合は、そのディスクはブート可能ではありません。

2. 次のコマンドを使用して割り当てマップを表示することにより、必要な隣接する空き区画を別のディスク上で見つけます。

lspv -M diskname

3. hd5 の再作成時に使用するマップ・ファイルを作成します。例えば、区画 88 と 89 の hdisk2

に hd5 を再作成したい場合は、次のコマンドを使用します。

echo "hdisk2:88-89" > your_MAP_file

4. 既存の hd5 を除去します。

rmlv -f hd5

5. 新しい hd5 を作成します。

mklv -y hd5 -t boot -m your_MAP_file rootvg 2

2 は区画の数であり、必要に応じて変更することができます。注: mklv コマンドが、 hd5 を新しい場所に移動させる場合は、次のコマンドを実行する必要があります。

echo ":C:C:C" | /usr/lpp/bosinst/blvset -d /dev/hdiskN

ここで、C は、それぞれメッセージ、ロケール、およびキーボードであり、 hdiskN は、hd5 が入るディスクです。

6. 前に hd5 (ブート論理ボリューム) が入っていたディスクからブート・レコードを消去するために、 mkboot コマンドを実行します。例えば、hd5 が前に hdisk0 にあった場合には、次のコマンドを使用します。

mkboot -d /dev/hdisk0 -c

7. bosboot コマンドを使用して、新しいディスクにブート・イメージとブート・レコードを再作成します。例えば、 hd5 が hdisk2 に再作成された場合には、次のコマンドを使用します。

bosboot -a -d /dev/hdisk2

142 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ユーザーの処置 (続き) 1. 新しいディスクからブートするために、システムのブート・リストを変更します。現在のブート・リストを表示するには、次のコマンドを使用します。

bootlist -m normal -o

または

前の hd5 が hdisk0 にあった場合は、出力は次のようになります。

hdisk0

hdisk2 を使用するようにブート・リストを変更するには、次のコマンドを使用します。

bootlist -m normal hdisk2

ブート・リストに追加の項目があれば、それらを hdisk2 の後に追加し、各項目をスペースで区切ってください。

2. エラーがなければシステムをリブートします。

3. それが作成 (クローン作成) されたシステム以外のシステムで、 mksysb をインストールしているときにこのエラーが生じた場合には、カスタマイズされた image.data ファイルを使用して、 hd5

のサイズを大きくすることができます。

vg_data スタンザには、 PPSIZE フィールドの物理区画のサイズが含まれています。この情報を使用して、hd5 のために必要な区画の数を決めます。 hd5 の lv_data スタンザには、LPAR の数(LPs)、物理区画の数 (PP)、および論理ボリュームに必要な LPAR の最小数 (LV_MIN_LPS) のフィールドが含まれています。これらのフィールドは、必要とされる区画の数に設定されている必要があります。

bosinst.data ファイルおよび image.data ファイルのディスケットへの書き込みについては、 83

ページの『補足 bosinst.data ディスケットの作成と使用』 を参照してください。

ソース・マシンに空き区画がなく、ターゲット・マシンが同じディスク・サイズの場合には、カスタマイズされた image.data ファイルだけでなく、縮小オプションも使用してインストールする必要が生じる場合があります。

BOS Install: Could not create boot image.

説明 bosboot コマンドが失敗しました。

システムの処置 ブート・イメージは、作成されませんでした。

ユーザーの処置 エラーがないか、/var/adm/ras/bosinst.log ファイルをチェックしてください (alog -o -f bosinst.log

| pg)。このログの更新は、追加することによって行われているため、最後の項目をチェックしてください。

The bosinst.data file does not specify any bootable disks.

説明 bosinst.data ファイルに、ブート可能なディスクが指定されていません。

システムの処置 プロンプトなしモードが終了します。ユーザーに対してプロンプトが表示されます。

ユーザーの処置 システムのプロンプトが表示されたら、インストール先のブート可能ディスクを選択してください。

または

ブート可能ディスクを、bosinst.data ファイルの target_disk_data スタンザに追加してください。

The bosinst.data file specified doing a migration install, but there is no existing root volume group oflevel 4.2, 4.3, or 5.1.

インストールおよび移行 143

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説明 bosinst.data ファイルには、BOS インストール方式として、migration が指定されていますが、既存のボリューム・グループは、レベル 3.1 または 5.2 です。

システムの処置 このエラーが発生するのは、プロンプトなしの BOS インストールの場合だけです。インストール・メニューが表示されます。

ユーザーの処置 メニューのプロンプトに応答して、インストールを完了してください。

The bosinst.data file specified doing either a migration or a preservation install, but there is no existingroot volume group.

説明 bosinst.data ファイルには BOS インストール方式として migrate または preserve が指定されていましたが、ルート・ボリューム・グループが見つかりませんでした。

システムの処置 このエラーが発生するのは、プロンプトなしの BOS インストールの場合だけです。インストール・メニューが表示されます。

ユーザーの処置 メニューのプロンプトに応答して、インストールを完了してください。

The data file did not specify enough disk space to contain the operating system.

説明 プロンプトなしモードが指定されていますが、 bosinst.data ファイルには、オペレーティング・システムを保持するのに十分なディスクが指定されていませんでした。

システムの処置 プロンプトなしモードが終了します。ユーザーに対してプロンプトが表示されます。

ユーザーの処置 システムのプロンプトが表示されたら、インストール先のディスクを選択してください。

または

さらに target_disk_data スタンザを bosinst.data ファイルに追加してください。

Duplicate lv_data stanzas specified in the image.data file. The installation cannot continue because datamay be lost.

説明 lv_data スタンザが、image.data ファイルで重複しています。

システムの処置 インストールは続行できません。

ユーザーの処置 問題を訂正して、インストールを再実行してください。

Duplicate fs_data stanzas specified in the image.data file. The installation cannot continue because datamay be lost.

説明 fs_data スタンザが、image.data ファイルで重複しています。

システムの処置 インストールは続行できません。

ユーザーの処置 問題を訂正して、インストールを再実行してください。

The following disks failed the preliminary diagnostic tests: <disk name>

bosset: No hard disks can be accessed.

144 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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説明 リストされているディスクで、プリテストが失敗しました。

システムの処置 システムは、指定されたディスクで診断プリテストを開始しました。

ユーザーの処置 指定されたディスクで完全診断を実行してください。

Disks specified in bosinst.data do not define a root volume group.

説明 プロンプトなしモードが指定されました。インストール方式が preserve または migrate に設定されていましたが、bosinst.data で指定されたディスクにルート・ボリューム・グループが定義されていません。

システムの処置 プロンプトなしモードが終了します。ユーザーに対してプロンプトが表示されます。

ユーザーの処置 システムのプロンプトが表示されたら、インストール先のルート・ボリューム・グループを選択してください。

または

ルート・ボリューム・グループを定義しているディスクを、 bosinst.data ファイルに指定してください。

Encountered an unrecoverable error.

説明 メニュー・サブシステムが、リカバリー不能エラーを検出しました。

システムの処置 メニューが再始動されます。

ユーザーの処置 ありません。

The image.data file contains no vg_data stanza for rootvg. The installation cannot continue.

説明 image.data ファイルが不完全です。

システムの処置 インストールは続行できません。

ユーザーの処置 プロダクト・メディアと一緒に出荷された、デフォルトの image.data ファイルを使用してください。

image.data has invalid logical volume data. Cannot continue.

説明 システムは、image.data ファイル内の論理ボリューム・スタンザの構文解析ができませんでした。

システムの処置 インストールは続行できません。

ユーザーの処置 プロダクト・メディアと一緒に出荷された、デフォルトの image.data ファイルを使用してください。

image.data has invalid file system data. Cannot continue.

説明 システムは、image.data ファイル内で、無効なファイルシステム・データ・スタンザを検出しました。

システムの処置 インストールは続行できません。

ユーザーの処置 プロダクト・メディアと一緒に出荷された、デフォルトの image.data ファイルを使用してください。

0516-366 putlvodm: Volume group rootvg is locked. Try again.

0516-788: extendlv: Unable to extend logical volume.

インストールおよび移行 145

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説明 ユーザーが、オプションのソフトウェアのインストールを中断しました。

システムの処置 インストールが中断された場合、システムがルート・ボリューム・グループをロックすることがあります。

ユーザーの処置 ルート・ボリューム・グループをアンロックします。その後で、インストール手順を再開してください。

ルート・ボリューム・グループをアンロックする方法は、次のとおりです。

1. root ユーザー権限でログインします。

2. chvg -u rootvg と入力します。

3. smit_install と入力して、オプションのソフトウェア・プロダクトのインストールを再試行します。

installp: An error occurred during bosboot processing.

Please correct the problem and rerun.

0301-52 bosboot: not enough file space to create: /tmp/disk.image.

または

0301-152 bosboot: not enough file space to create: /tmp/unix.

説明 /tmp のスペースが不足しているために、 bosboot コマンドが処理を完了できませんでした。

システムの処置 bosboot プロセスは中断します。エラー・メッセージ、必要なディスク・スペースの量、および使用可能なディスク・スペースが表示されます。表示されるディスク・スペースは、必要とされるブロック数 (1024 KB 単位) で示されています。

ユーザーの処置 /tmp ファイルシステム内のスペースを解放するか、または /tmp ファイルシステムを拡張してください。その後、インストール・プロセスを続行するかまたは再始動します。

/tmp ファイルシステムのサイズを変更して、インストールを完了するには、次のようにします。

1. 直前に出されたエラー・メッセージに注意してください。このメッセージの直前に表示されるメッセージは、「bosboot verification starting」または「bosboot process starting」のいずれかです。

2. ディレクトリーを /tmp に変更します。ファイルをリストして、削除できるファイルを判別してください。使用可能なスペースが十分にある場合には、ステップ 6 に進みます。 /tmp ファイルシステムを拡張する必要がある場合は、この手順を続けてください。

3. smit chfs と入力します。

4. 表示されたリストから、/tmp ファイルシステムを選択します。

5. 必要な追加ブロック・スペースを追加します。 smit chfs コマンドでは、ディスク・スペースを512 KB 単位のブロックの数で定義する必要があります。システム・メッセージに表示されている必要ディスク・スペースの 2 倍の値を指定してください。

6. メッセージ「installp: An error occurred during bosboot processing」が、メッセージ「bosboot verification starting」の後に表示された場合、インストール手順を再実行してください。

または

メッセージ「installp: An error occurred during bosboot processing」が、メッセージ「bosboot process starting」の後に表示された場合、installp -C と入力します。

7. インストール・プロセスを続行してください。

installp: An error occurred during bosboot processing.

146 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Please correct the problem and rerun.

301-155 bosboot: Invalid or no boot device specified.

説明 bosboot -d コマンドで指定されたデバイスが無効です。 bosboot コマンドは、要求されたブート・デバイスを見つけることができなかったために、処理を完了できませんでした。 installp コマンドは、/dev/ipldevice を使用して、 bosboot コマンドを呼び出します。このエラーが発生する原因は、おそらく /dev/ipldevice が存在しないことです。 /dev/ipldevice は、ブート・ディスクへのリンクです。

システムの処置 bosboot プロセスは中断します。

ユーザーの処置 ブート・デバイスへのリンクが欠落しているか、または誤っていることがないかどうかを調べ、エラーを訂正して、インストール・プロセスを完了してください。

ブート・デバイスを識別し、インストールを完了するには、次のようにします。

1. ブート・ディスクを識別するには、lslv -m hd5 と入力します。ブート・ディスクの名前が表示されます。

2. 表示されているブート・デバイスと /dev/ipldevice ファイルとの間のリンクを作成します。次のように入力します。

ln /dev/boot_device_name /dev/ipldevice

(boot_device_name の例としては、rhdisk0 があります。)

3. メッセージ「installp: An error occurred during bosboot processing」が、メッセージ「bosboot verification starting」の後に表示された場合、インストール手順を再実行してください。

または

メッセージ「installp: An error occurred during bosboot processing」が、メッセージ「bosboot process starting」の後に表示された場合、installp -C と入力します。インストール・プロセスを続行してください。

Missing image.data file. The tape does not contain a valid install image.

説明 システムは、image.data ファイルを見つけることができませんでした。

システムの処置 インストールは続行できません。

ユーザーの処置 このエラーの原因として一番考えられることは、テープの不具合です。別のテープを使用してください。

0512-0016 mksysb: Attempt to create a bootable tape failed: bosboot -d /dev/device -a failed with returncode xxx.

または

0512-0016 mksysb: Attempt to create a bootable tape failed: mkinsttape /dev/device failed with returncode xxx.

インストールおよび移行 147

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説明 戻りコード xxx は、以下のエラーを示します。

5 または 1

3 つのうちの 1 つまたは複数のファイルシステムのスペースが不足しています。

v / には、1 KB のブロックが少なくとも 500 個必要です。

v /tmp には、1 KB のブロックが少なくとも 7400 個必要です。

v /usr には、1 KB のブロックが少なくとも 4000 個必要です。

11 テープが損傷しています。

42 または 45

/usr/lib/boot/unix ファイルが壊れている (長さが 0 の可能性があります) か、 /unix へのリンクが欠落しています。

48 テープ・ドライブへの書き込み、または /dev/blv の読み取りができません。これは、おそらく、テープ・ドライブの記録密度の設定が間違っていることが原因です。テープ・ドライブにハードウェア上の問題がある場合、またはドライブのヘッドが汚れている場合もあります。

システムの処置 mksysb コマンドは、ブート可能テープの作成に失敗しました。

ユーザーの処置 戻りコード xxx は、以下の必要な処置を示します。

5 または 1

/、/tmp、および /usr の各ファイルシステムを調べ、必要に応じてさらにスペースを作成してください。

11 損傷しているテープを交換してください。

42 または 45

/usr/lib/boot/unix ファイルをオリジナル・テープから復元するか、欠落しているリンクを作成してください。

48 テープ・ドライブの設定値を確認し、ヘッドをクリーニングしてください。

There are no disks available on this system.

説明 システムに構成済みのハード・ディスクがありません。したがって、使用できる唯一のメニュー・オプションは、保守オプションです。

システムの処置 問題が解決されるまで、インストールは開始できません。

148 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ユーザーの処置 以下のように、複数のオプションがあります。

v 「Welcome to Base Operating System Install (基本オペレーティング・システムのインストールへようこそ)」メニューから「Maintenance (保守)」(オプション 3) を選択し、次に「Limited Function

Maintenance Shell (制限付き機能保守シェル)」を選択します。次のコマンドを入力して、ディスクが構成されていないことを確認します。

lsdev -Cc disk

構成エラーがないかどうかを判別するために、次のコマンドを入力します。

cfgmgr -v 2>1 | tee /tmp/cfgmgr.out

cat コマンドを使用して /tmp/cfgmgr.out ファイルを表示し、特にディスクの構成にエラーがないか調べることができます。dd または pax コマンドのいずれかを使用して、ファイルをディスケット・メディアにコピーし、実行中のシステムに移動して、容易に表示することができます。

または

v システムの電源を切って、SCSI デバイスのあるシステムで、次の事項を調べます。

– すべての SCSI デバイスを調べて、SCSI アドレスが固有であることを確認する。

– SCSI カードが適切に終端されていることを確認する。

– 外付けの SCSI デバイスを使用している場合には、SCSI チェーンが終端されていて、そのデバイスの電源が入っていることを確認する。

– SCSI の配線と接続を確認する。

– リブートしてからインストールを再実行する。

または

v システムの電源を切って、IDE デバイスのあるシステムで次の事項を調べます。

– すべての IDE デバイスを確認して、 IDE マスター設定値およびスレーブ設定値がコントローラーごとに固有であることを確認する。コントローラーに接続されている IDE デバイスが 1 つしかない場合、そのデバイスはマスターとして設定してください。 ATA デバイス (ディスク) とATAPI デバイス (CD-ROM またはテープ) が同じコントローラーに接続されている場合は、ATA デバイスをマスター・デバイスとして設定し、ATAPI デバイスをスレーブ・デバイスとして設定する必要があります。

– IDE の配線と接続を確認する。

– リブートしてからインストールを再実行する。

または

v 診断からブートして、ハード・ディスクを調べます。

または

v ローカルの問題報告手順に従います。

There are no disks on this system which can be booted.

説明 システムは、システム上にブート可能ディスクを見つけることができませんでした。

システムの処置 インストールは続行できません。

ユーザーの処置 サード・パーティーのディスクの中には、ブート不能なものがあります。ディスクはブート可能であるのに、ブートできない場合は、診断を実行してください。

You chose to install only onto disks in the existing root volume group and those not in any volumegroup. There are not enough of those disks to contain the mksysb image.

インストールおよび移行 149

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説明 bosinst.data の EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE フィールドが yes に設定され、プロンプトが no

に設定されましたが、システムには、ルート・ボリューム・グループが入ったディスクあるいはボリューム・グループのないディスクが十分にありませんでした。

システムの処置 プロンプトなしモードが終了します。ユーザーに対してプロンプトが表示されます。

ユーザーの処置 target_disk_data スタンザを使用してインストール先のディスクを指定するか、 image.data ファイルで SHRINK を yes に設定するか、あるいは BOS インストール・プロンプトで、 bosinst.data ファイルの EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE を any に設定してください。これにより、すべてのディスクがインストールに使用できます。

重要: EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE が any に設定されていると、ユーザー・ボリューム・グループが上書きされる場合があります。

または

システムからプロンプトが出されたときに、インストール先のディスクを選択するか、ファイルシステムの圧縮を選択します。

You chose to install only onto disks which are not contained in a volume group, but there are notenough of those disks to contain the mksysb image.

説明 bosinst.data の EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE フィールドが no に設定され、プロンプトが no

に設定されましたが、システムには、ボリューム・グループが入ったディスクが十分にありませんでした。

システムの処置 プロンプトなしモードが終了します。ユーザーに対してプロンプトが表示されます。

ユーザーの処置 システムにインストール先のディスクを選択させる場合は、 target_disk_data スタンザを使用してターゲット・ディスクを指定し、「EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE」を適切に設定して、bosinst.data ファイルにある「EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE」をブランクのままにするか、image.data ファイルにある「SHRINK」を「yes」に設定してインストールを再試行します。

または

システムのプロンプトが表示されたら、インストール先のディスクを選択してください。

0505-113 alt_disk_install: No target disk name provided.

説明 このメッセージは、次の状況で表示されます。

v ターゲット・ディスクを入れていない。

v ターゲット・ディスクとして指定されたディスクには、既にそれに関連付けられているボリューム・グループがある。 lspv コマンドを実行すると、それらに関連付けられているボリューム・グループのないディスクによって、 None という語が表示されます。これは、alt_disk_install コマンドが検査します。

v 指定された 1 つまたは複数のターゲット・ディスクがブート不能。 alt_disk_install コマンドは、ターゲット・ディスク・リストで指定されている各ディスク上で、 bootinfo -B disk_name を実行します。どの bootinfo -B コマンドも 0 を戻す場合、そのディスクはブート不能であり、alt_disk_install 操作用のターゲット・ディスクとして使用できません。

0505-117 alt_disk_install: Error restoring image.data file from mksysb image.

150 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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説明 このメッセージは、テープから mksysb イメージをインストールしようとした場合に表示されます。

alt_disk_install コマンドは、まず最初に ./tapeblksz ファイル (mksysb イメージ作成時のブロック・サイズが入っている) 用のテープに入っている 2 番目のイメージを調べます。 mksysb コマンドは、このファイルを作成して、テープの 2 番目のイメージに入れます。 mksysb テープの先頭の 3 つのイメージは、常に、512 バイトのブロック・サイズで作成されます。 mksysb イメージ (テープの 4 番目のイメージ) は、別のブロック・サイズで作成することができます。

alt_disk_install コマンドが、 2 番目のイメージから ./tapeblksz ファイルを復元できない場合、ブロック・サイズは、alt_disk_install コマンドの開始時のサイズのままになります。このコマンドは、mksysb イメージからの ./image.data ファイルの復元を試みます。このブロック・サイズが、 mksysb イメージ作成時のブロック・サイズと一致していない場合、復元は失敗し、alt_disk_install コマンドは、このエラーを生成します。

The size of a disk is too large for the running kernel.

説明 このメッセージは、インストール用に選択されたいずれかのディスクのサイズが 1 TB (1048576 MB)

より大きいことを示すために BOS メニューがロードされる場合に表示されます。

システムの処置 プロンプトなしモードが終了します。ユーザーに対してプロンプトが表示されます。

ユーザーの処置 プロンプトが出されたら、より小さいサイズのディスクを選択します。

または

64 ビット・カーネルのブートをサポートする AIX メディア (製品または mksysb イメージ) を使用してインストールを再始動します。

Could not determine kernel type.

説明 このメッセージは、インストール・プログラムがインストール時にカーネル・タイプを判別できない場合に表示されます。

システムの処置 インストールはトラブルシューティングのために一時停止します。

ユーザーの処置 トラブルシューティングのためにサービス技術員に連絡してください。

Could not determine the largest disk size.

説明 このメッセージは、インストール・プログラムがシステム上の最大ディスク・サイズを判別できない場合に表示されます。

システムの処置 インストールはトラブルシューティングのために一時停止します。

ユーザーの処置 bosinst.data ファイル内の target_disk_data スタンザのデータが正しいこと、かつbosinst.template.README ファイルで指定されたスタンザ検証のガイドラインに沿っていることを確認します。

The size of the Logical Volume (logical volume name) is larger than the size supported by the runningkernel.

インストールおよび移行 151

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説明 このメッセージは、作成されるいずれかの論理ボリュームが 1 TB (1048576MB) より大きいこと、かつ実行中のカーネルが 64 ビット・カーネルではないことをインストール・プログラムが検出した場合に表示されます。

システムの処置 インストールはトラブルシューティングのために一時停止します。

ユーザーの処置 データ損失またはエラーを抑止するために、64 ビット・カーネルのブートをサポートする AIX メディア (製品または mksysb イメージ) を使用してインストールを再始動します。

The size of one of the Logical Volumes in the rootvg disk or disks is larger than the size supported bythe running kernel.

説明 このメッセージは、インポートしようとするルート・ボリューム・グループのいずれかの論理ボリュームが 1 TB (1048576MB) より大きいこと、かつ実行中のカーネルが 64 ビット・カーネルではないことをインストール・プログラムが検出した場合に表示されます。

システムの処置 インストールはトラブルシューティングのために一時停止します。

ユーザーの処置 データ損失またはエラーを抑止するために、64 ビット・カーネルのブートをサポートする AIX メディア (製品または mksysb イメージ) を使用してインストールを再始動します。

man コマンドの内容のインストール英語版の AIX のコマンド、ライブラリー、およびファイルの中の man コマンドの内容は、基本 AIX オペレーティング・システム CD1 または DVD と、AIX Documentation CD1 または AIX Documentation

DVD の両方に収められています。これらのファイルセットの翻訳版は、AIX Documentation CD2 と AIX

Documentation DVD にのみ収められています。

注: これらのファイルセットは、すべての言語に翻訳されているわけではありません。

CD からのインストール

CD から man コマンドの翻訳済み内容をインストールするには、以下の手順に従います。

1. AIX Documentation CD1 または AIX Documentation CD2 を CD ドライブに挿入します。

2. 示されている順序で以下の情報を入力してドライブをマウントします。

a. mount -v cdrfs -r /dev/cd0 /mnt/cdrom

b. cd /mnt/cdrom

3. インストールを開始します。

runAIX コマンドを実行します。

次のインストール・ウィザードが表示されます。

Welcome to the InstallShield Wizard for the AIX Information Center

The InstallShield Wizard will install AIX Information Center on your computer.To continue, choose Next.

Next Cancel

「Next (次へ)」を選択します。

次の画面で「General Terms and Conditions (一般条件)」に同意します。

152 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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どのインストール・タイプを選択したいかを求められたら、「Custom Install (カスタム・インストール)」を選択します。

infocenter.man.XX_XX 項目の隣のボックスにチェックマークが付いていることを確認します。ここで、XX_XX は言語 (JA_JP など) です。AIX Documentation CD1 では、EN_US のみが表示されます。

DVD からのインストール

DVD から man コマンドの翻訳済み内容をインストールするには、以下の手順に従います。

1. AIX Documentation DVD を DVD ドライブに挿入します。

2. 示されている順序で以下の情報を入力してドライブをマウントします。

a. mount -v cdrfs -r /dev/cd0 /mnt/cdrom

b. cd /mnt/cdrom

c. runAIX

3. インストールを開始します。

runAIX コマンドを実行します。

runAIX コマンドを実行すると、DVD からインフォメーション・センターをインストールするかまたは表示するかの選択を求める次のパネルが表示されます。

Welcome to the AIX Information Center

Install Install the Information Center

View View the Information Center from media

「Next (次へ)」を選択します。

次の画面で「General Terms and Conditions (一般条件)」に同意します。

どのインストール・タイプを選択したいかを求められたら、「Custom Install (カスタム・インストール)」を選択します。

infocenter.man.XX_XX 項目の隣のボックスにチェックマークが付いていることを確認します。ここで、XX_XX は言語 (EN_US、JA_JP など) です。

AIX の構成新規にインストールされたシステムに適用される、すべての構成作業を完了します。ユーザーを援助するために、2 つの構成ツールが使用できます。

ユーザーが使用しているコンソールのタイプによって、インストール後に、以下のうちのいずれかが、通常自動的に開始されます。

v グラフィックス・コンソールの構成アシスト

v ASCII コンソールのインストール・アシスト

注:

v システムがネットワーク・インストール・サーバーによってインストールされた場合は、 BOS インストール・プログラムが完了したときに、構成アシストまたはインストール・アシストは表示されません。

インストールおよび移行 153

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システム・バックアップ・イメージを使用してシステムをインストールした場合、あるいは BOS インストールがカスタマイズされていた場合、あるいは AIX バージョン 4.2 またはそれ以降からのマイグレーション・インストールを選択した場合には、 BOS インストール・プログラムが完了するときに、構成アシストまたはインストール・アシストが表示されないことがあります。

v 構成アシストおよびインストール・アシストには、ユーザーのマシンをサーバーとして構成するために必要なタスクは入っていません。特定のリソース用にシステムを構成する必要がある場合は、そのリソースに関する資料を参照してください。

v 端末タイプが設定されていない場合、 ASCII インストール・アシストで表示される最初のメニューで、端末タイプ (tty) を入力する必要があります。無効な端末タイプを入力すると、有効なタイプを入力するまでこのメニューが繰り返し表示されます。

有効な端末タイプで、ユーザーの端末に一致しないものを入力すると、次に表示される画面が判読不能になる場合があります。この場合、BREAK キー・シーケンスを押して、「Set Terminal Type (端末タイプの設定)」画面に戻ります。ほとんどの端末タイプでは、BREAK キー・シーケンスは、Ctrl-C です。

構成アシストを使用した AIX の構成グラフィカル・インターフェースがあるシステムでは、新規にインストールされた BOS がリブートされ、構成アシストが構成タスクをガイドします。

マシンを継続して使用する前に受諾する必要があるが、まだ受諾していないソフトウェア・ライセンス契約がある場合、構成アシストはそれらの契約を表示して、受諾するようにプロンプトを出します。

構成アシストは、以下の構成タスクについて、ユーザーをガイドします。

v Set or verify system date and time (システム日付および時刻の設定と確認)。

v Set password for administrator (root user) (管理者 (root ユーザー) のパスワードの設定)。

v Configure network communications (TCP/IP) (ネットワーク通信 (TCP/IP) の構成)。

注: マシンを NFS サーバーとして構成するには、「ネットワークおよびコミュニケーションの管理」の『NFS サーバーの構成』を参照してください。

v Configure the Web server for Web-based System Manager remote management (Web サーバーのWeb-based System Manager リモート管理の構成)。

v Manage Software (ソフトウェアの管理)。

v Exit the Configuration Assistant (構成アシストの終了)。

「Manage Software (ソフトウェアの管理)」オプションによって、 BOS インストールの後に、ソフトウェアの管理タスクを即時に実行できます。以下のオプションが使用可能です。

v List installed software (インストール済みソフトウェアをリスト)

v Install additional software (他のソフトウェアのインストール)

v List software licenses with license text (ソフトウェア・ライセンスをソフトウェア・テキストと共にリスト)

「List installed software (インストール済みソフトウェアをリスト)」を選択する場合、以下のオプションが使用可能です。

v 自動インストールされたソフトウェアのリスト。 インストールされたすべてのパッケージのリストを表示します。

v オプションでインストールしたソフトウェアのリスト。 BOS インストール時に選択してインストールしたすべてのオプションのソフトウェアのリストを表示します。

154 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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「Install additional software (他のソフトウェアのインストール)」を選択する場合、以下のオプションが使用可能です。

v バンドルによるインストール。他のソフトウェア (Mozilla Software Bundle またはユーザー定義のSoftware Bundle) をインストールするためにソフトウェア・バンドルのリストから選択できるようにします。

v 選択インストール。特定のパッケージまたはパッケージ・セットを選択してインストールできます。

構成アシストのグラフィカル・インターフェースは、各構成タスクを完了するためのステップバイステップの指示を提供します。タスクは、ユーザーに対して論理的な順序で提示されます。システムを使用する前に、すべての構成タスクを完了してください。

構成アシストを終了するときに、次にオペレーティング・システムを再始動するときに、再び構成アシストを始動するつもりかどうかをガイドが尋ねてきます。構成アシストを終了した後、AIX へのログインとその使用を開始できます。

後から構成アシストにアクセスする場合は、コマンド行に configassist と入力します。

インストール・アシストを使用した AIX の構成ASCII インターフェースを持っているシステムでは、新規インストールされた BOS がリブートされ、インストール・アシストが構成タスクをガイドします。

インストール・アシストを使用するためには、root ユーザー権限をもっている必要があります。後でインストール・アシストにアクセスする場合は、コマンド行で install_assist と入力します。また、SMIT

smit assist 高速パスによって、グラフィックス・システムからアクセスすることもできます。

マシンを継続して使用する前に受諾する必要があるが、まだ受諾していないソフトウェア・ライセンス契約がある場合、インストール・アシストはそれらの契約を表示して、受諾するようにプロンプトを出します。

インストール・アシストは、以下の構成タスクについて、ユーザーをガイドします。

v Set the system date and time for your time zone (ユーザーのタイムゾーンのシステム日付および時刻の設定)

v Set a root user account password to restrict access to system resources (システム・リソースへのアクセスを制限する、root ユーザー・アカウント・パスワードの設定)

v Configure network communications (ネットワーク通信の構成)

v Install software applications (ソフトウェア・アプリケーションのインストール)

v Using SMIT (SMIT の使用) (情報のみ)

v Tasks Completed - Exit to Login (タスクを完了 - ログインに戻る)

「Install software applications (ソフトウェア・アプリケーションのインストール)」オプションによって、BOS インストールの後に、ソフトウェアの管理タスクを即時に実行できます。以下のオプションが使用可能です。

v Install and Update Software (ソフトウェアのインストールおよび更新)

v Add License Passwords for Applications (アプリケーションのライセンス・パスワードの追加)

v Show Installed License Agreements (インストール済みのご使用条件を表示)

「Install and Update Software (ソフトウェアのインストールおよび更新)」を選択すると、次のメニューが表示されます。

インストールおよび移行 155

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Install and Update Software

Move cursor to desired item and press Enter.

Install SoftwareUpdate Installed Software to Latest Level (Update All)Install Software BundleUpdate Software by Fix (APAR)Install and Update from ALL Available Software

この「SMIT」メニューには、install_update 高速パスを使用してもアクセスできます。

関連情報AIX の構成に関連する情報へのリンクを示します。

CD または DVD-ROM からインストールする場合、またはオプションのソフトウェアのインストールについての詳細を知りたい場合は、 87ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備』を参照してください。

AIX の移行移行中は、インストール・プロセスにより、オペレーティング・システムの既存のバージョンにインストールされるオプションのソフトウェア製品が判別されます。 AIX 5.3 の新規ソフトウェアで置き換えられた前のリリースのコンポーネントは、 AIX 5.3 レベルでインストールされます。

移行 は、AIX 4.2 以降から AIX 5.3 に移行する場合のデフォルトのインストール方式です。

注: オペレーティング・システムの次の推奨メンテナンス・レベルまたはテクノロジー・レベルをインストールしたい場合は、SMIT update_all 高速パスまたは install_all_updates コマンドを使用して、現在インストール済みのファイルセットを更新します。 AIX の次の推奨メンテナンス・レベルまたはテクノロジー・レベルへの更新の詳細については、 84ページの『オプションのプロダクトおよび保守更新』を参照してください。

移行では、オペレーティング・システムを新規レベルのソフトウェアに移行しながら、すべてのユーザー構成を保存しようと試行されます。この目標を達成するため、以下のステップが実行されます。

v 構成ファイルの保存

v 古いファイルの準備と除去

v 新規ファイルの復元

v サポートされないまたは不必要なファイルセットの除去

v 構成データの移行 (可能な場合にはいつでも)

v インストール用の VPD の準備

v 追加のファイルセットの更新

移行を実行すると、以下のようなことが起こります。

v /usr/lib/drivers、/usr/lib/microcode、/usr/lib/methods、および /dev ディレクトリーにあるファイルはすべてシステムから除去されるので、デバイス・ドライバー用のソフトウェア・サポートを再インストールする必要があります。デバイス以外のソフトウェア・プロダクトおよびアプリケーションはシステムに残ります。またこれらのソフトウェア・プロダクトは、 157ページの『AIX 5.3 と以前のバージョンの間のバイナリー互換性』に説明されているファイルに該当する場合は、正しく機能します。

156 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v 以下のようなソフトウェア・プロダクトが、システムから除去されます。

– AIXwindows インターフェース・コンポーザー

– リモート・カスタマー・サービス

– AIXwindows 開発環境

– AIXwindows 実行時環境拡張の Display PostScript® 機能

– 拡張コマンドのパフォーマンス測定ツール機能

– OpenGL および graPHIGS

– Xstation Manager®

マイグレーション・インストールでは、新しいバージョンがインストールされるとき、ほとんどの場合、プロダクトの以前のバージョンからのユーザー構成ファイルは保存されます。

AIX 5.3 と以前のバージョンの間のバイナリー互換性マイグレーション・インストールの後、システム上のファイルセットが OBSOLETE 状態にあることが判明することがあります。古いファイルセットは、オペレーティング・システムの初期のバージョンでインストールされたもので、移行は、それらファイルセットの中の全ファイルではなく、一部のファイルのみを置換したので、現在もこれらのファイルセットは、システムに残っているわけです。これらのファイルセットは、オペレーティング・システムの複数のレベルが混在して実行されているシステムでは、引き続き必要なものです。

マイグレーション・インストール中に、以下のファイルセットが自動的に組み込まれます。

v 基本オペレーティング・システム・コマンド

v 基本オペレーティング・システム・ライブラリー

v 基本オペレーティング・システム curses/termcap

v 基本オペレーティング・システム・ネットワーキング

v 基本オペレーティング・システム・ディレクトリー/ファイル (symlinks)

v メッセージ

v X11R3

v X11R4

v X11 フォント

AIX 4.2 を基にしたすべてのオペレーティング・システム、ならびに POWER® family、POWER2™、および POWER ベース モデルでの使用を想定したオペレーティング・システムは、これらの同じモデルを再コンパイルすることなく、AIX 5.3 で互換性を保って実行することができます。上記の件の唯一の例外は、以下のものを使用しているアプリケーションです。

v サポートされていない、自己ロード可能なカーネル・エクステンション

v 一部の高機能端末装置 (HFT) 制御インターフェース

v X11R3 入力デバイス・インターフェース

v CIO LAN デバイス・ドライバー・インターフェース

v SCSI デバイス構成メソッド (IHV)

v nlist サブルーチン・インターフェース

v DCE スレッド

インストールおよび移行 157

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v POWER2 または POWER ベース のコンパイラー・オプションを使用してコンパイルされ、 POWER2

または POWER ベース 以外のモデルで実行されるアプリケーション。

注: あらゆる環境 (POWER family、POWER2、および POWER ベース モデル 601 以上) で実行する必要のあるプログラムはすべて、コンパイラーの共通モードを使用してコンパイルされる必要があります。 POWER2 テクノロジーを活用してコンパイルされたプログラムは、 POWER2 プロセッサーで実行する必要があります。既存のコードは、実行するために再コンパイルする必要はありません。

AIX 4.2 を使用するシステムは、AIX 5.3 を使用するクライアント・マシンに対する、サーバー・システムとして稼働することができます。ただし、以下の例外があります。

v AIX 5.3 クライアントのネットワーク・インストール

v AIX 5.3 クライアントに対する SNA または X.25 のサービス

v AIX 5.3 クライアントに対する HCON のサービス

v PEX および PEX-PHIGS の CGE 拡張機能のサービス

v AIX 5.3 クライアント・インストール・フォーマットの使用

サーバーとクライアントの間で確実に AIXwindows を処理するために、AIX 5.3 クライアントにフォント・サーバーが必要な場合があります。

AIX 5.3 を使用するシステムは、必要な互換性オプションがインストールされていれば、AIX 4.2 またはそれ以降のバージョンを使用するクライアント・マシンに対するサーバー・システムとして稼働することができます。バイナリー互換性に関するすべてのステートメントが、このケースに適用されます。 AIX 5.3

アプリケーションは、AIX 5.3 ファイルシステムが提供するリモート・ネットワーク・マウントを使用している AIX 4.2 システムでは、正しく実行されない場合があります。

BOS の移行前および移行後の検査マイグレーション・インストールを確実に成功させるため、pre_migration および post_migration コマンドで様々なシステム・チェックを行います。コマンドは両方とも bos.rte ファイルセットに入っています。

マイグレーション・インストールの実行前に検査したい AIX のレベルに pre_migration コマンドが存在しない場合は、pre_migration コマンドはメディア・ファイルシステムの usr/lpp/bos ディレクトリーにあります。移行を実行しようとしている新規の AIX メディア・バージョンの usr/lpp/bos ディレクトリーからpre_migration コマンドをコピーしてください。

pre_migration コマンドの出力は /home/pre_migration date ディレクトリー内のシステムに保管されます。

pre_migration コマンドは次のアクションを実行します。

v 除去するデバイスのファイルセットをリストする。

v 除去する他のファイルセットをすべてリストする。

v マージされない保管済みの基本構成ファイルをリストする。

v マージされる構成ファイルをリストする。

v ファイルセットのバージョンの整合性を確認する。

v インストール済みファイルセットのリストをすべて作成する。post_migration コマンドで使用します。

v ブートする論理ボリュームのサイズとロケーションを検査する。

v rootvg のメジャー番号が 10 であるか検査する。

v bos.net.ipsec.keymgt ファイルセット用の DB ディレクトリーが欠落していないか検査する。

158 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v Kerberos が使用されているか判別する。

v ディスク・サイズとメモリー・サイズを検査する。

v IBM System p5® 7025/7026 システムのファームウェア・レベルを検査する。

注: 必要なファームウェア・バージョンは、次の Web サイトから入手することができます。

http://techsupport.services.ibm.com/server/mdownload

AIX 5L バージョン 5.3 サポートの記述のファームウェア・レベルのヒストリー・セクションを参照してください。

v AIX バージョン 4.2 からの移行であれば、正しい更新が適用されているか確認する。

v システムのプラットフォームを確認する。

注: プラットフォームが AIX 5.3 でサポートされていない場合は、システムが mksysb 移行に使用できるため、最小限の事前移行検査が行われます。

v 移行前にシステム・バックアップを作成するように勧告表示する。

post_migration コマンドからの出力は /home/post_migration date ディレクトリーに保管されます。

post_migration コマンドは次のアクションを実行します。

v ファイルセットのバージョンの整合性を確認する。

v 移行前にインストール・リストをチェックし、移行の必要がありそうなファイルセットがまだ他にあればユーザーに伝える。

v 保管済み構成スクリプトと移行済み構成スクリプトを比較し、差異を保管する。

AIX 5.3 への移行AIX 5.3 に移行するには、以下の手順に従います。

注:

1. ブート論理ボリュームは、連続する 12 MB のディスク・スペースを必要とします。移行中にinuextendblv コマンドが実行され、hd5 のための連続する区画があることを確認します。連続する区画がない場合は、inuextendblv コマンドがそうした区画を作成しようとします。そのような区画がなく、かつ inuextendblv コマンドもその作成に失敗すると、移行は停止します。

2. ブート・リストの設定は移行されません。移行の後、ブート・リストは 1 次ブート・デバイスに設定されます。

重要: この手順では、基本オペレーティング・システムをシャットダウンしてから再インストールすることが必要になります。オペレーティング・システムを再インストールする際には、データや機能が失われないようにするためのワークロードに対する影響が最小限で済むようなタイミングでシャットダウンを実行してください。マイグレーション・インストールを実行する前に、データやカスタマイズされたアプリケーションやボリューム・グループの信頼できるバックアップを必ず作成しておいてください。システム・バックアップの作成方法については、 169ページの『システム・バックアップの作成』を参照してください。

前提条件

移行を開始する前に、以下の前提条件を完全に整えてください。

インストールおよび移行 159

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v 外部デバイス (磁気テープ・ドライブ、CD ドライブまたは DVD-ROM ドライブなど) を含め、すべての必要なハードウェアが、物理的に接続状態になっている必要があります。詳細な情報が必要な場合は、システムに付属のハードウェア資料を参照してください。

v BOS を AIX バージョン 5.3 に移行する前に、 root ユーザーが SYSTEM の 1 次認証方法を持っていることを確認してください。次のコマンドを入力して、この条件を確認できます。

# lsuser -a auth1 root

必要であれば、次のコマンドを入力して値を変更します。

# chuser auth1=SYSTEM root

v インストールを開始する前に、インストール対象のシステムに対するアクセス権が与えられている他のユーザーは、ログオフしておく必要があります。

v アプリケーションが AIX バージョン 5.3 で実行されていることを確認します。また、アプリケーションが AIX バージョン 5.3 とバイナリー互換であることも確認してください。現在のシステムがアプリケーション・サーバーなら、ライセンスの問題がないことを確認してください。アプリケーションでどのレベルの AIX がサポートされ、ライセンス交付を受けているかについては、アプリケーションのマニュアルを参照するか、またはアプリケーションの提供元にお問い合わせください。また、次の Web アドレスにある「AIX application availability guide」も参照してください。http://www-1.ibm.com/servers/aix/

products/ibmsw/list/

v ハードウェア・マイクロコードが最新であることを確認します。

v 外部デバイス (磁気テープ・ドライブ、CD ドライブまたは DVD-ROM ドライブなど) を含め、すべての必要なハードウェアが、物理的に接続されて電源オンになっている必要があります。詳細な情報が必要な場合は、システムに付属のハードウェア資料を参照してください。

v errpt コマンドを使用することにより、システム・エラー・ログ中の項目に基づいてエラー・レポートを生成します。詳細なレポートを表示するには、次のように入力します。

# errpt -a

v 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX 5.3 には、256 から 512

MB のメモリーと 2.2 GB の物理ディスク・スペースが必要です。追加のリリース情報については、「AIX 5.3 リリース・ノート」を参照してください。

v 移行前スクリプトを実行します。

v システム・ソフトウェアおよびデータのバックアップ・コピーを作成します。システム・バックアップの作成方法については、 169ページの『システム・バックアップの作成』を参照してください。

BOS インストールのためのシステムの準備AIX 5.3 BOS に移行するために準備するには、以下の手順に従います。

AIX 5.3 BOS への移行の準備として、以下を行います。

1. AIX Volume 1 のディスクをメディア・デバイスに挿入します。

2. システムをシャットダウンします。マシンが現在稼働中の場合は、以下のステップによって、直ちにその電源をオフにします。

a. root ユーザーとしてログインします。

b. 以下のコマンドを入力します。# shutdown -F

c. システムが自動的に電源オフにならない場合、電源スイッチを Off (0) の位置にします。

重要: 161ページの『インストール・メディアからのブート』で指示されるまでは、システム装置をオンにしないでください。

3. 接続されているすべての外部デバイスをオンにします。これには、以下のものが含まれます。

160 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v 端末装置

v CD または DVD-ROM ドライブ

v テープ・ドライブ

v モニター

v 外部ディスク・ドライブ

外部デバイスの電源を先にオンにし、始動 (ブート) 処理中にシステム装置が周辺装置を識別できるようにする必要があります。

インストール・メディアからのブート以下の手順によって、オペレーティング・システムの現行バージョンを AIX 5.3 に移行します。

以前のシステムでは定義されていなかった ASCII コンソールを使用しようとしている場合、先へ進む前に、 58ページの『ステップ 3. ASCII 端末のセットアップ』を完了してください。

以下のステップによって、オペレーティング・システムの現行バージョンを AIX バージョン 5.3 へ移行します。

1. システム装置の電源スイッチをオフ (0) からオン (|) に切り替えます。

2. システム・ビープ音が 2 回鳴ったら、キーボードの F5 (または ASCII 端末装置の場合は 5) を押します。グラフィック・ディスプレイを使用している場合は、ビープ音が鳴った時点で画面上にキーボードのアイコンが表示されます。 ASCII 端末 (tty 端末装置) を使用している場合は、ビープ音が鳴った時点で keyboard の文字が表示されます。

注: F5 key (ASCII 端末の場合は 5) を押してもシステムがブートしない場合は、ハードウェア付属のマニュアルを参照し、AIX プロダクト CD からシステムをブートする方法について調べてください。

システムは、インストール・メディアからのブート処理を開始します。

3. ご使用のシステムに LED ディスプレイがある場合は、 3 桁の LED に c31 と表示されるはずです。

複数のコンソールがある場合、それぞれに、システム・コンソールを識別するためのキーを押すように指示するウィンドウが表示されます。このウィンドウが表示される各コンソールごとに、異なるキーが指定されています。このウィンドウが表示されたら、システム・コンソールとして使用するデバイス上でのみ、指定されたキーを押してください。 (システム・コンソールとは、インストールとシステム管理に使用するキーボードとディスプレイ・デバイスのことです。) 1 つのコンソールでだけ キーを押してください。

インストール指示に使用される言語の選択を求めるウィンドウが表示されます。

4. インストール指示に使用したい言語を選択します。

5. 「Welcome to Base Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守にようこそ)」ウィンドウが表示されたら、1 を入力して「Start Install Now withDefault Settings (デフォルト設定でインストールをすぐに開始する)」を選択して移行を即時に開始するか、または 2 を入力して「Change/Show Installation Settings and Install (インストール設定の変更/表示、およびインストール)」を選択してインストール設定とシステム設定を確認します。設定を変更したい場合は、 60ページの『ステップ 5. インストール設定の確認または変更』の手順に従います。

注:

インストールおよび移行 161

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v 単にマイグレーション・インストール方式を選択するために、設定を変更する必要はありません。オペレーティング・システムの前のバージョンが存在する場合、インストール方式はマイグレーションになります。

v 使用可能なインストール方式は、現在インストール済み (移行する前) のオペレーティング・システムのバージョンによって異なります。 BOS インストール方式の詳細については、 38ページの『基本オペレーティング・システムのインストール』を参照してください。マイグレーション・インストールで使用可能なインストール・オプションの詳細については、 42ページの『BOS インストール・オプション』を参照してください。

6. 「Migration Installation Summary (マイグレーション・インストールの要約)」ウィンドウで選択内容を確認し、Enter を押します。

7. 「Migration Confirmation (移行確認)」ウィンドウでマイグレーション・インストール・プロセスを確認してから、Enter を押してマイグレーション・インストールを開始します。

BOS の移行の完了確認のプロンプトのあとで、インストール・プロセスが開始されます。「Installing Base Operating System

(基本オペレーティング・システムのインストール)」ウィンドウが表示されます。

インストールが進行するにつれて、完了率と経過時間のフィールドの数字が増加して、インストール状況が示されます。基本実行時環境がインストールされたあと、インストールが進行中の他のソフトウェアに関して状況情報が表示されます。 BOS インストールが完了すると、システムは自動的にリブートされます。

システムが再始動された後、BOS のインストールを構成するようプロンプトが出されます。構成プロセスについては、 153ページの『AIX の構成』を参照してください。

注: 通常移行されるソフトウェアのすべてを移行するにはスペースが足りないという場合は、後で他のソフトウェアをインストールするときに、移行バンドルと呼ばれるソフトウェアの集まりを使用することができます。インストール対象のマシンに追加のディスク・スペースを作成する必要があります。次に、smitupdate_all を実行してインストール完了します。そのインストールの間に、移行バンドルがインストールされます。

グラフィックス・コンソールからインストールを実行していない場合、 Graphics_Startup バンドルが作成されます。ソフトウェア・バンドルのインストール、ならびにオプショナル・ソフトウェア製品の移行またはインストールについての詳細は、 87ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備』を参照してください。 92ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守』では、システムからソフトウェアを除去して、ディスク・スペースを解放する方法について説明しています。移行後スクリプトを実行して出力ファイルを検査します。

構成ファイルへの変更の検査geninstall コマンドは、/etc/check_config.files にリストされている構成ファイルに対して、どのような変更が行われたかを調べる簡単な方法を提供します。

geninstall インストールまたは更新操作中にこれらのファイルが変更されると、旧ファイルと新ファイル間の違いが /var/adm/ras/config.diff ファイルに記録されます。/etc/check_config.files で旧ファイルを保管するように要求している場合は、旧ファイルは /var/adm/config ディレクトリーにあります。/etc/check_config.files ファイルは編集することができ、変更された旧構成ファイルを保管するか (s で示す)、または削除するか (d で示す) を指定するために使用することができます。フォーマットは次のとおりです。

d /etc/inittab

162 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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mksysb の移行mksysb の移行により、mksysb を、古いシステムから AIX 5.3 をサポートするシステムに復元し、mksysb を移行することができます。

従来の移行では、サポートされるハードウェア構成のオペレーティング・システムを新しいレベルに移動しています。mksysb マイグレーション・インストールは、AIX 4.3 を実行しているサポートされないハードウェア構成を、AIX 5.3 を実行する新しいサポートされるハードウェア構成に移動するための推奨されるインストール方法です。

mksysb の移行は、従来の移行で移行できるシステムは対象としていません。この方法では、mksysb を新しいハードウェア構成で復元し、AIX 4.3 を実行せずにそれを移行することにより、ハードウェアの制限を迂回することができます。その結果、システムは新しいレベルの AIX を実行することができます。

mksysb の移行でカスタマイズ済みの bosinst.data ファイルを使用するための要件mksysb マイグレーション・インストールを実行するには、カスタマイズされた bosinst.data ファイルが必要です。

カスタマイズされた bosinst.data ファイルは、mksysb 移行で使用するために以下の要件を満たしている必要があります。

v ファイルが、補足ディスケット方式またはクライアント・ファイル方式 (NIM) を使用して提供用意されている。このファイルの作成方法について詳しくは、 80ページの『インストールのカスタマイズ』を参照してください。補足 CD または DVD 方式は、mksysb 移行ではサポートされていません。

v ファイルに、新しい変数 MKSYSB_MIGRATION_DEVICE が含まれている。この変数は、mksysb が入っているデバイスの名前を指定します。この変数にサポートされる値について詳しくは、 46ページの『bosinst.data control_flow スタンザの説明』を参照してください。

v CONTROL_FLOW スタンザの変数が、次のように設定されている。

– PROMPT は no に設定する。

– INSTALL_METHOD は migrate に設定する。

– EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE は yes に設定する。

– RECOVER_DEVICES を no に設定する必要があります。 mksysb 移行は、mksysb ODM の指定に従って、ソース・システムの SYS0 属性をリカバリーしようとしますが、ソース・システムからその他のデバイス固有のデータはリカバリーされません。

これらの変数に対するユーザー指定の値は無視されます。

v TARGET_DISK_DATA スタンザにインストールされるディスクのみが使用されるように、これらのディスクがファイルにリストされている。mksysb 移行は、上書きインストールとマイグレーション・インストールの組み合わせです。ターゲット・ディスク上のデータはすべて、上書きの部分により破壊されます。TARGET_DISK_DATA スタンザには、ディスクを明確に選択するために十分な情報が必要です。TARGET_DISK_DATA スタンザが空の場合、プラットフォームのデフォルトのディスクが使用されます(ある場合)。次の例は、TARGET_DISK_DATA スタンザに指定可能な値を示しています。

例 1. ディスク名のみ (2 つのディスク)target_disk_data:

PVID =PHYSICAL_LOCATION =CONNECTION =LOCATION =SIZE_MB =HDISKNAME = hdisk0

インストールおよび移行 163

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target_disk_data:PVID =PHYSICAL_LOCATION =CONNECTION =LOCATION =SIZE_MB =HDISKNAME = hdisk1

例 2. 指定された物理ロケーション (1 つのディスク)target_disk_data:

PVID =PHYSICAL_LOCATION = U0.1-P2/Z1-A8CONNECTION =LOCATION =SIZE_MB =HDISKNAME =

例 3. 物理ボリューム ID ごと (2 つのディスク)target_disk_data:

PVID = 0007245fc49bfe3ePHYSICAL_LOCATION =CONNECTION =LOCATION =SIZE_MB =HDISKNAME =

target_disk_data:PVID = 00000000a472476fPHYSICAL_LOCATION =CONNECTION =LOCATION =SIZE_MB =HDISKNAME =

CD または DVD インストールによる mksysb 移行AIX 5.3 の CD または DVD インストールを用いて、mksysb 移行を実行することができます。

前提条件v 外部デバイス (磁気テープ・ドライブ、CD ドライブまたは DVD-ROM ドライブなど) を含め、すべての必要なハードウェアが、物理的に接続状態になっている必要があります。外部デバイスの接続についての詳細は、システムに付属のハードウェア資料を参照してください。

v インストールを開始する前に、インストール対象のシステムに対するアクセス権が与えられている他のユーザーは、ログオフしておく必要があります。

v アプリケーションが AIX 5.3 で実行されることを確認します。また、アプリケーションが AIX バージョン 5.3 とバイナリー互換であることも確認してください。現在のシステムがアプリケーション・サーバーなら、ライセンスの問題がないことを確認してください。アプリケーションでどのレベルの AIX がサポートされ、ライセンス交付を受けているかについては、アプリケーションのマニュアルを参照するか、またはアプリケーションの提供元にお問い合わせください。また、次の Web アドレスにある「AIX

application availability guide」も参照してください。http://www-1.ibm.com/servers/aix/products/ibmsw/list/

v ハードウェア・マイクロコードが最新であることを確認します。

v 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX 5.3 には、256 から 512

MB のメモリーと 2.2 GB の物理ディスク・スペースが必要です。追加のリリース情報については、「AIX 5.3 リリース・ノート」を参照してください。

164 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v システム・ソフトウェアおよびデータのバックアップ・コピーを作成します。システム・バックアップの作成方法については、 169ページの『システム・バックアップの作成』を参照してください。このバックアップは、mksysb マイグレーション・インストールで、移行の前にシステム・ファイルを復元するために使用されます。

v ソース・システムが使用可能な場合、そこで移行前スクリプトを実行します。移行はターゲット・システムで行われるため、ソース・システムのハードウェア構成に関連するメッセージは無視します。その他の問題は、スクリプトで推奨されるように訂正します。

ステップ 1. インストールのためのシステムの準備

AIX 5.3 BOS への移行の準備として、以下を行います。

1. AIX Volume 1 のディスクをメディア・デバイスに挿入します。

2. ターゲット・システムをシャットダウンします。マシンが現在稼働中の場合は、以下のステップを実行して、その電源をオフにします。

a. root ユーザーとしてログインします。

b. shutdown -F と入力します。

c. システムが自動的に電源オフにならない場合、電源スイッチを Off (0) の位置にします。

重要: 指示されるまで、システム装置をオンにしないでください。

3. 接続されているすべての外部デバイスをオンにします。外部デバイスには、次のものが含まれます。

v 端末装置

v CD-ROM ドライブ

v DVD-ROM ドライブ

v テープ・ドライブ

v モニター

v 外部ディスク・ドライブ

外部デバイスの電源を先にオンにし、始動 (ブート) 処理中にシステム装置が周辺装置を識別できるようにする必要があります。

4. MKSYSB_MIGRATION_DEVICE がテープである場合、mksysb のテープをテープ・ドライブに挿入します。MKSYSB_MIGRATION_DEVICE が CD または DVD で、システムに (AIX のブートに使用しているドライブ以外に) 他の CD または DVD ドライブがある場合、メディアの交換を求めるプロンプトが出されないように、mksysb CD または DVD をそのドライブに挿入してください。

5. カスタマイズ済みの bosinst.data 補足ディスケットをディスケット・ドライブに挿入します。システムにディスケット・ドライブがない場合、mksysb 移行のネットワーク・インストール方式を使用します。

ステップ 2. インストール・メディアからのブート

以下のステップによって、オペレーティング・システムの現行バージョンを AIX 5.3 に移行します。以前のシステムでは定義されていなかった ASCII コンソールを使用する場合、それを定義する必要があります。ASCII コンソールの定義についての詳細は、 58ページの『ステップ 3. ASCII 端末のセットアップ』を参照してください。

1. システム装置の電源スイッチをオフ (0) からオン (|) に切り替えます。

インストールおよび移行 165

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2. システムのビープ音が 2 回鳴ったら、キーボードの F5 (または ASCII 端末の 5) を押します。グラフィック・ディスプレイを使用しているなら、ビープ音が鳴った時点で画面上にキーボードのアイコンが表示されます。 ASCII 端末 (tty 端末装置) を使用している場合は、ビープ音が鳴った時点で「keyboard」の文字が表示されます。

注: F5 key (ASCII 端末の場合は 5) を押してもシステムがブートしない場合は、ハードウェア付属のマニュアルを参照し、AIX プロダクト・メディアからシステムをブートする方法について調べてください。

システムは、インストール・メディアからのブート処理を開始します。 mksysb マイグレーション・インストールは、不在インストール (プロンプトなしインストール) として続行されます。ただし、MKSYSB_MIGRATION_DEVICE がシステムのブートとインストールに使用されているのと同じ CD または DVD ドライブである場合は除きます。その場合、image.data および /etc/filesystems ファイルを復元するために、mksysb CD または DVD のプロダクト・メディアに切り替えるようプロンプトが出されます。その後、もう一度プロダクト・メディアを挿入するようプロンプトが出され、インストールは続行します。mksysb イメージを復元するときに、同じ手順が繰り返されます。

BOS メニューでは現在 mksysb 移行がサポートされていないため、BOS メニューはロードされません。従来の移行では、メニューを使用してユーザーに情報を求めるプロンプトを出せば修正できるエラーが発生した場合は、BOS メニューがロードされます。そのようなエラーまたは問題が mksysb 移行中に検出された場合、インストールはアサートし、移行を続行できないというエラーが表示されます。アサートの原因となったエラーによっては、エラー固有の情報が表示されることがあります。インストールがアサートすると、LED に「088」が示されます。

ステップ 3. BOS 移行の完了

インストール・プロセスが始まると、「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」画面が表示されます。

インストールが進行するにつれて、完了率と経過時間のフィールドの数字が増加して、インストール状況が示されます。mksysb が復元された後、基本ランタイム環境がインストールされ、インストールが進行中の他のソフトウェアに関して状況情報が表示されます。BOS インストールが完了すると、システムは自動的にリブートされます。

システムが再始動された後、BOS のインストールを構成するようプロンプトが出されます。 BOS の構成について詳しくは、 153ページの『AIX の構成』を参照してください。

注:

通常移行されるソフトウェアのすべてを移行するにはスペースが足りないという場合は、後で他のソフトウェアをインストールするときに、移行バンドルと呼ばれるソフトウェアの集まりを使用することができます。移行バンドルをインストールするマシンに追加のディスク・スペースを作成する必要があります。次に、smit update_all を実行してインストールを完了します。そのインストールの間に、移行バンドルがインストールされます。

グラフィックス・コンソールからインストールを実行していない場合、Graphics_Startup バンドルが作成されます。詳しくは、 84ページの『オプションのプロダクトおよび保守更新』を参照してください。システムからソフトウェアを除去して、ディスク・スペースを解放する方法については、 92ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守』を参照してください。

166 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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移行前スクリプトがソース・システムで実行された場合、移行後スクリプトを実行して出力ファイルを検査します。

NIM インストールによる mksysb 移行の実行AIX 5.3 の NIM インストールを用いて、mksysb 移行を実行することができます。

前提条件v 外部デバイス (磁気テープ・ドライブ、CD ドライブまたは DVD-ROM ドライブなど) を含め、すべての必要なハードウェアが、物理的に接続状態になっている必要があります。外部デバイスの接続についての詳細は、システムに付属のハードウェア資料を参照してください。

v インストールを開始する前に、インストール対象のシステムに対するアクセス権が与えられている他のユーザーは、ログオフしておく必要があります。

v アプリケーションが AIX 5.3 で実行されることを確認します。また、アプリケーションが AIX バージョン 5.3 とバイナリー互換であることも確認してください。現在のシステムがアプリケーション・サーバーなら、ライセンスの問題がないことを確認してください。アプリケーションでどのレベルの AIX がサポートされ、ライセンス交付を受けているかについては、アプリケーションのマニュアルを参照するか、またはアプリケーションの提供元にお問い合わせください。また、次の Web アドレスにある「AIX

application availability guide」も参照してください。http://www-1.ibm.com/servers/aix/products/ibmsw/list/

v ハードウェア・マイクロコードが最新であることを確認します。

v 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX バージョン 5.3 には、256 MB のメモリーと 2.2 GB の物理ディスク・スペースが必要です。追加のリリース情報については、「AIX 5.3 リリース・ノート」を参照してください。

v システム・ソフトウェアおよびデータのバックアップ・コピーを作成します。システム・バックアップの作成方法については、 169ページの『システム・バックアップの作成』を参照してください。このバックアップは、mksysb マイグレーション・インストールで、移行の前にシステム・ファイルを復元するために使用されます。

v ソース・システムが使用可能な場合、そこで移行前スクリプトを実行します。移行はターゲット・システムで行われるため、ソース・システムのハードウェア構成に関連するメッセージは無視します。その他の問題は、スクリプトで推奨されるように訂正します。

ステップ 1. インストールのためのシステムの準備

システムを準備するには、以下の条件が満たされていることを確認してください。

v ターゲット・システムが NIM マスターのクライアントとして定義されている。

v 前提条件で説明されている必要なカスタマイズ済みの bosinst.data ファイルが、NIM bosinst.data

リソースであるか、補足ディスケット方式を使用して用意されている。

NIM マスターに対してクライアントのインストールを開始するよう指示するには、次のコマンドを実行します。

# nim -o bos_inst -a source=rte -a spot=spot name -a lpp_source=lpp source name-a bosinst_data=bosinst_data resource name -a mksysb=mksysb name client_name

SPOT ファイルと lpp_source ファイルが、AIX 5.3 レベルでなければなりません。

あるいは、別に alloc を使用して、最初に mksysb をクライアントに割り当てることもできます。その後、コマンド行または smitty nim を使用して、クライアントで bos_inst 操作を実行します。 bos_inst 操作の前に mksysb がクライアントに割り当てられている場合、mksysb の指定は不要です。

インストールおよび移行 167

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ステップ 2. インストール・メディアからのブート

以下のステップによって、オペレーティング・システムの現行バージョンを AIX 5.3 に移行します。以前のシステムでは定義されていなかった ASCII コンソールを使用する場合、そのコンソールを定義する必要があります。ASCII コンソールの定義についての詳細は、 58ページの『ステップ 3. ASCII 端末のセットアップ』を参照してください。

1. ネットワーク・ブート・イメージが転送されたら、システムはネットワーク・リソースを使用してブートを開始します。

2. mksysb マイグレーション・インストールは、不在インストール (プロンプトなし) として続行します。

BOS メニューでは現在 mksysb 移行がサポートされていないため、BOS メニューはロードされません。従来の移行では、メニューを使用してユーザーに情報を求めるプロンプトを出せば修正できるエラーが発生した場合は、BOS メニューがロードされます。そのようなエラーまたは問題が mksysb 移行中に検出された場合、インストールはアサートし、移行を続行できないというエラーが表示されます。アサートの原因となったエラーによっては、エラー固有の情報が表示されることがあります。インストールがアサートすると、LED に「088」が示されます。

ステップ 3. BOS 移行の完了

インストール・プロセスが始まると、「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」画面が表示されます。

インストールが進行するにつれて、完了率と経過時間のフィールドの数字が増加して、インストール状況が示されます。mksysb が復元された後、基本ランタイム環境がインストールされ、インストールが進行中の他のソフトウェアに関して状況情報が表示されます。BOS インストールが完了すると、システムは自動的にリブートされます。

システムが再始動された後、BOS のインストールを構成するようプロンプトが出されます。 BOS の構成について詳しくは、 153ページの『AIX の構成』を参照してください。

注:

通常移行されるソフトウェアのすべてを移行するにはスペースが足りないという場合は、後で他のソフトウェアをインストールするときに、移行バンドルと呼ばれるソフトウェアの集まりを使用することができます。移行バンドルをインストールするマシンに追加のディスク・スペースを作成する必要があります。次に、smit update_all を実行してインストールを完了します。そのインストールの間に、移行バンドルがインストールされます。

グラフィックス・コンソールからインストールを実行していない場合、Graphics_Startup バンドルが作成されます。詳しくは、 84ページの『オプションのプロダクトおよび保守更新』を参照してください。システムからソフトウェアを除去して、ディスク・スペースを解放する方法については、 92ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新の保守』を参照してください。

移行前スクリプトがソース・システムで実行された場合、移行後スクリプトを実行して出力ファイルを検査します。

関連情報以下は、AIX の移行に関連する情報へのリンクです。

v 追加のリリース情報については、「AIX 5.3 リリース・ノート」を参照してください。

168 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v 構成プロセスとインストール済みソフトウェアに関する情報を含む、最新の情報に関しては、 README

ファイルを参照してください。

v オプションのソフトウェアのインストールについての詳細は、 87ページの『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新のインストールの準備』を参照してください。

システム・バックアップの作成とインストール次の情報を使用してシステム・バックアップの作成とインストールを行います。

注:

1. CD に関する説明は、DVD にも適用されます。

2. AIX 5.3 には、CD および DVD の自動マウント機能 cdromd があり、これは bos.cdmount ファイルセットに含まれています。ご使用のシステムで cdromd デーモンが使用可能かどうかを判別するには、次のコマンドを実行します。

# lssrc -s cdromd

デバイスが既に使用可能かどうかを最初に検査しないで、スクリプト、アプリケーション、または命令で CD または DVD デバイスをマウントしようとすると、cdromd デーモンによって妨げられる場合があります。その状況では、リソースまたはデバイス使用中エラーになります。その場合は cdumount または cdeject コマンドを使ってデバイスをアンマウントします。次にプログラムまたは命令でデバイスをマウントします。あるいは、 cdcheck -m または mount コマンドを使って、デバイスの現行マウント・ポイントを決定します。詳しくは、「AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス」のcdromd コマンドについての説明を参照してください。

インストール・コードではこの自動マウントが行われます。 cdromd を使用可能にして mkcd コマンドを実行すると、イメージの完了後に CD-R または DVD-RAM がイジェクトされます。メディアをイジェクトしたくない場合は、次のコマンドを使って cdromd デーモンが機能しないようにする必要があります。

# stopsrc -s cdromd

システム・バックアップの作成ルート・ボリューム・グループのブート可能なバックアップ・コピー、つまり mksysb イメージ を作成して検証することができます。また、ユーザー・ボリューム・グループの別のバックアップ・コピーを作成することもできます。

ルート・ボリューム・グループ は、以下のものを含むハード・ディスクまたはディスク・グループです。

v スタートアップ・ファイル

v 基本オペレーティング・システム (BOS)

v システム構成情報

v オプショナル・ソフトウェア製品

非ルート・ボリューム・グループ とも呼ばれる、ユーザー・ボリューム・グループ には、通常、データ・ファイルおよびアプリケーション・ソフトウェアが含まれます。

システム・バックアップを使用すれば、以下のことを行うことができます。

v システムの作業用コピーをもつ。システム・データが破壊されたときに、この情報を使用して、システムを動作可能状態に復元することができます。

インストールおよび移行 169

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v インストールおよび構成されたソフトウェアを、特定のシステムから別のシステムへ転送する。Web-based System Manager または SMIT を使用して、ルート・ボリューム・グループまたはユーザー・ボリューム・グループのバックアップ・イメージを作成することができます。

バックアップは、以下の構成をソース・システムからターゲット・システムへ転送します。

v rootvg ボリューム・グループ情報

v ページ・スペース情報

v 論理ボリューム情報

v LPAR の配置 (Web-based System Manager または SMIT でマップ・ファイルの作成が選択されている場合)

注: ソース・システムでなく、ターゲット・システムへバックアップを再インストールする場合、またはバックアップを再インストールする前に、ソース・システムのディスク構成を変更する場合、マップ・ファイルの使用はお勧めできません。

Web-based System Manager または SMIT のバックアップ・メニューを使用すると、構成情報を保存することができるため、システム・バックアップを復元した後に通常必要とされる、構成作業の一部を回避することができます。バックアップは、以下の場合に構成を保存します。

v ターゲット・システムが、ソース・システムと同じハードウェア構成をもっている。

および

v ターゲット・ディスクが、バックアップ・イメージを保持するのに十分なスペースをもっている。

Web-based System Manager および SMIT のいずれの場合も、mksysb コマンドを使用してバックアップ・イメージが作成されます。このバックアップ・イメージは、CD、DVD、テープ、またはファイルのいずれかに保管されます。CD、DVD、またはテープを選択すると、バックアップ・プログラムはデフォルトでブート・イメージ を書き込みます。これによりそのメディアは、インストールに適応できるものになります。詳しくは、 174ページの『CD-R、DVD-R、または DVD-RAM へのシステム・バックアップの作成』を参照してください。

mksysb イメージからのインストールに問題がある場合は、『mksysb バックアップからのインストールに関する問題のトラブルシューティング』を参照してください。

バックアップ作成前のすべてのデバイスおよびカーネル・サポートのインストールすべてのデバイスおよびカーネル・タイプを含むシステム・バックアップを作成します。

基本オペレーティング・システムのインストールを行うと、デフォルトではすべてのデバイスとカーネルがインストールされます。これにより、すべてのデバイスおよびカーネル・タイプを含むシステム・バックアップを作成することができます。システム・バックアップにはすべてのデバイスとカーネルのサポートが含まれるため、AIX プロダクト・メディアを使用しなくても、システム・バックアップを使用して別のシステムにインストールすることができます。このオプションは、 BOS インストール・メニューの中の、次に示す「Install Options (オプションのインストール)」メニューにあります。デフォルト (yes) を no に変更すると、システム構成に合わせたデバイスおよびカーネル・タイプのみがインストールされます。

この値は、システムのブートに使用したプロダクト・メディアの /var/adm/ras/bosinst.data ファイルのALL_DEVICES_KERNELS フィールドから読み取られます。

システムのインストール後、すべてのデバイスとカーネル・タイプがシステムにインストールされているかどうかを検査するには、次のようにします。

170 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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# grep ALL_DEVICES_KERNELS bosinst.data

次のような出力が表示されます。

ALL_DEVICES_KERNELS = yes

bosinst.data ファイルの詳細については、 80ページの『インストールのカスタマイズ』を参照してください。

システム・バックアップを作成する準備システム・バックアップを作成する前に、以下の前提条件を満たしてください。

システム・バックアップを作成する前に、以下の前提条件を完全に整えてください。

v root ユーザーとしてログインしていることを確認します。

v ソース・システムのマスター・コピーを作成するためにバックアップを使用する場合は、パスワードおよびネットワーク・アドレスの変更を考えてください。ソースからターゲット・システムへパスワードをコピーすると、セキュリティー上の問題が発生する可能性があります。また、ネットワーク・アドレスをターゲット・システムにコピーすると、重複するアドレスによって、ネットワーク通信が混乱する場合もあります。

v バックアップしたいすべてのファイルシステムをマウントしてください。 mksysb コマンドは、rootvg内にマウント済みの JFS (ジャーナル・ファイルシステム) と JFS2 (拡張ジャーナル・ファイルシステム) のバックアップをとります。詳しくは、mount コマンドを参照してください。

注: mksysb コマンドは、 NFS ネットワークにマウントされたファイルシステムをバックアップしません。

v 別のローカル・ディレクトリーの上にマウントされているローカル・ディレクトリーは、アンマウントしてください。

同一ファイルシステム内で、ローカル・ディレクトリーが別のローカル・ディレクトリーの上にマウントされている場合、このバックアップ手順では、ファイルは 2 回バックアップされます。例えば、/usr/tmp の上に /tmp をマウントすると、 /tmp ディレクトリー内のファイルが 2 回バックアップされます。この重複によって、ファイルシステムが保持できるファイル数を超える場合があり、バックアップ・イメージの将来のインストールが、失敗する可能性があります。

v バックアップしたくないファイルのリストを作成するには、 /etc/exclude.rootvg ファイルを使用してください。

v /tmp ディレクトリーでは、最低 12 MB の空きディスク・スペースを使用可能にしてください。mksysb コマンドは、バックアップ期間中は、このワークスペースを必要とします。

/tmp ディレクトリーでのフリー・スペースを確認するには、df コマンドを使用してください。 512 バイト・ブロック単位で報告されます。必要に応じて、chfs コマンドを使用して、ファイルシステムのサイズを変更してください。

例えば、以下のコマンドは、4 MB の区画があるシステムの /tmp ディレクトリーに、12 MB のディスク・スペースを追加します。

chfs -a size=+24000 /tmp

v テープやメディア・ドライブなどの外部デバイスも含めて、すべてのハードウェアが既にインストールされている必要があります。

インストールおよび移行 171

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v BOS システム管理ツールおよびアプリケーション・ソフトウェア・パッケージの bos.sysmgt.sysbr ファイルセットがインストールされている必要があります。bos.sysmgt.sysbr ファイルセットは自動的にインストールされます。システムに bos.sysmgt.sysbr ファイルセットがインストールされているかどうかを確認するには、以下を入力します。

lslpp -l bos.sysmgt.sysbr

システムに bos.sysmgt.sysbr ファイルセットがインストールされている場合は、次の手順のいずれかに進んでください。

– 『テープまたはファイルへのルート・ボリューム・グループのバックアップの作成』

– 174ページの『CD-R、DVD-R、または DVD-RAM へのシステム・バックアップの作成』

– 180ページの『ユーザー・ボリューム・グループのバックアップ』

lslpp コマンドによって、bos.sysmgt.sysbr ファイルセットがリストされない場合は、バックアップ手順を続ける前に、そのファイルセットをインストールしてください。 84ページの『オプションのプロダクトおよび保守更新』の指示を参照するか、次のコマンドを入力します。

installp -agqXd device bos.sysmgt.sysbr

ここで、device は、ソフトウェアのロケーションです。例えば、CD-ROM ドライブの場合は /dev/cd0

です。

テープまたはファイルへのルート・ボリューム・グループのバックアップの作成ルート・ボリューム・グループのバックアップをテープまたはファイルに作成するには、次の手順を実行します。

Web-based System Manager または SMIT のいずれかを使用して、システム・バックアップを作成し、テープまたはファイルに保管することができます。

CD または DVD へのバックアップ方法の説明については、 174ページの『CD-R、DVD-R、またはDVD-RAM へのシステム・バックアップの作成』を参照してください。

ルート・ボリューム・グループのバックアップを作成するには、以下のようにします。

v Web-based System Manager の「Backup and Restore (バックアップおよび復元)」アプリケーションを使用し、「Back up the system (システムのバックアップ)」を選択します。

または

v 以下の SMIT 手順に従います。

1. smit mksysb 高速パスを入力します。

2. 「Back Up the System (システムのバックアップ)」メニューで、以下のように選択します。

– 「Backup DEVICE or File (バックアップ・デバイスまたはファイル)」フィールドで、使用したいメディアを選択します。ブート可能バックアップを作成したい場合は、メディアをテープまたはCD/DVD にする必要があります。詳しくは、 174ページの『CD-R、DVD-R、または DVD-RAM

へのシステム・バックアップの作成』を参照してください。次に、以下の該当するオプションを選択します。

テープ F4 キーを押して、使用可能なデバイスをリストし、デバイス名を強調表示します。

ファイル入力フィールドに、絶対パスおよびファイル名を入力します。

172 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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– マップ・ファイルを作成したい場合は、「Create Map Files? (マップ・ファイルを作成する)」で、「yes (はい)」を選択します。

マップ・ファイルは、ドライブ上の物理区画を、その論理区画に一致させます。バックアップ・イメージからインストールする場合は、 BOS インストール・プログラムは、マップ・ファイルを使用して、論理ボリュームをターゲット・ドライブ上で、ソース・システムにあったのと同じ区画に配置します。マップ・ファイルを作成しない場合は、インストール・プログラムは論理ボリューム・マネージャー (LVM) を使用して、論理ボリュームの配置を決定します。詳しくは、「オペレーティング・システムおよびデバイスの管理」の『正確な割り当てのためのマップ・ファイルの使用』を参照してください。

注: ソース・システムでなくターゲット・システムへバックアップを再インストールする場合、またはバックアップを再インストールする前に、ソース・システムのディスク構成が変更される可能性のある場合、マップ・ファイルは作成しないでください。

– バックアップから特定のファイルを除外するには、「Exclude Files (ファイルの除外)」で「yes(はい)」を選択してから、ASCII エディターで /etc/exclude.rootvg ファイルを作成し、システム・バックアップ・イメージに入れたくないファイル名を入力します。grep コマンドのパターン・マッチング規則に準拠するファイル名のパターンを使用することができます。例えば、scratch というディレクトリーのすべての内容を除外するには、除外ファイルに以下の行を入れます。

/scratch/

もう 1 つの例として、/tmp というディレクトリーの内容を除外するが、パス名に /tmp が含まれるその他のディレクトリーを除外しないようにするには、除外ファイルに以下の行を追加します。

^./tmp/

注: すべてのファイルは、現在の作業ディレクトリーに関連してバックアップされます。このディレクトリーは、. (ドット文字) で表されます。ファイルまたはディレクトリーを除外する場合に、行の先頭にある文字列が一致するように検索することが重要な場合は、検索文字列の先頭文字として ^ (脱字記号) を使用し、その後に . (ドット文字) を付けてから、除外するファイル名またはディレクトリーを入力します。

除外するファイル名またはディレクトリーが別のファイル名またはディレクトリーの文字列の一部である場合は、^. (脱字記号の後にドット文字) を使用して検索を行の先頭から開始すべきことを指示するか、または $ (ドル記号文字) を使用して検索を行の最後で終了すべきことを指示します(あるいは、その両方を行います)。

– ファイルのバックアップが行われるときに各ファイルをリスト表示するには、「List files as theyare backed up? (バックアップするファイルをリストする)」で「yes (はい)」を選択します。 これを行わない場合は、バックアップの作成中に、完了のパーセントを示す進行メッセージが表示されます。

– image.data ファイルを変更し、新規ファイルを作成しない場合は、「Generate new /image.datafile? (新規の /image.data ファイルを生成する)」で「no (いいえ)」を選択します。(image.data ファイルには、 rootvg 内のすべてのファイルシステムおよび論理ボリュームのサイズに関する情報が含まれています。)

– ブート可能テープを作成し、システムの /tmp ファイルシステムを (バックアップ・プログラムで必要な場合) 拡張するには、「EXPAND /tmp if needed? (必要な場合に /tmp を拡張する)」で「yes (はい)」を選択します。

インストールおよび移行 173

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– 使用中のテープ・ドライブにパッキング (圧縮) 機能がある場合、「Disable software packing ofbackup? (backup のソフトウェア・パッキングを使用不可にする)」フィールドを「yes (はい)」に設定します。

– バックアップ・メディアとしてテープを選択する場合は、「Number of BLOCKS to write in asingle output (1 回の出力で書き込むブロック数)」フィールドをデフォルトにしておくか、別の数を入力します。

– バックアップ・メディアとしてファイルを選択する場合は、 Enter キーを押します。バックアップ・メディアとしてテープを選択した場合は、最初のブランクのバックアップ・テープをドライブに挿入してから、Enter キーを押します。

3. 「COMMAND STATUS (コマンド状況)」画面が表示され、システムがバックアップ・イメージを作成している間に、状況メッセージが表示されます。

バックアップ・メディアとしてテープを選択した場合は、バックアップ中に、システムが次のようなメッセージを表示して、次のテープを挿入するように求めることがあります。

Mount next Volume on /dev/rmt0 and press Enter.

このメッセージが表示されたら、テープを取り出して、それに BOS バージョン番号を記入したラベルを付けてください。そして、次のテープを挿入し、Enter キーを押してください。

バックアップ処理が完了すると、「COMMAND: (コマンド:)」フィールドが「OK (了解)」に変わります。

4. バックアップが完了したら、F10 を押して、SMIT を終了します。

5. バックアップ・メディアとしてテープを選択した場合は、最後のテープを取り出し、ラベルを付けてください。バックアップ・テープをライト・プロテクトにしてください。

6. バックアップの root パスワードおよびユーザー・パスワードがある場合は、それを記録しておいてください。これらのパスワードは、バックアップを使用して、このシステムを復元する場合、または別のシステムにインストールする場合に、アクティブになります。

これで、ルート・ボリューム・グループ (rootvg) のバックアップが作成されました。ブート可能テープを作成した場合は、何らかの理由でハード・ディスクからブートできなくなった場合に、このテープを使用してシステムを始動することができます。

CD-R、DVD-R、または DVD-RAM へのシステム・バックアップの作成CD-R、DVD-R、または DVD-RAM メディア上へのバックアップの作成は、個人使用のためのバックアップ・テープの作成と似ていますが、いくつかの注意すべき違いがあります。

DVD メディアの場合、バックアップの作成に使用できるフォーマットは次のとおりです。

v ISO9660 CD フォーマット。 DVD-R/DVD-RAM メディアに使用できます。

v ユニバーサル・ディスク・フォーマット (UDF)。 DVD-RAM メディアに使用できます。 UDF を使用する DVD-RAM へのバックアップの作成については、 178ページの『DVD-RAM メディアおよびユニバーサル・ディスク・フォーマットを使用するシステム・バックアップの作成』を参照してください。

注: CD-R、DVD-R、または DVD-RAM ドライブ、および CD-R、DVD-R、または DVD-RAM 作成ソフトウェアについては、次の README ファイルを参照してください。

/usr/lpp/bos.sysmgt/mkcd.README.txt

Web-based System Manager および SMIT は両方とも、mkcd コマンドを使用します。このコマンドは、mksysb コマンドまたは savevg コマンドを必要に応じて呼び出します。

174 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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システム・バックアップ用として、次の CD または DVD を作成することができます。

v ブート不可 CD または DVD

v ブート可能 CD または DVD

ブート可能システム・バックアップには、ブート・イメージと、システムのインストールに必要なすべてのデバイスおよびカーネルのパッケージが含まれます。バックアップ CD または DVD を使って、多数のマシンにインストール (クローン作成) することができます。これは、システム環境内の各マシンに同じイメージがインストールされている必要がある場合に便利です。

注: 同じタイプのマシンであっても、ハードウェア構成がすべて同じであるとは限らないため、バックアップ CD または DVD でブートされないマシンがある可能性があります。バックアップ作成時にどのパッケージを使用可能にしたかにより、バックアップには個々のシステムをブートするために必要なすべてのパッケージは含まれていない場合があります。システムにとって最も必要なパッケージは、BOS AIX 5.2 メディアに入っています。

Web-based System Manager および SMIT インターフェースで、mkcd コマンドを使用することができます。オンライン・ヘルプが必要なステップを指示してくれます。

システム・バックアップのハードウェアおよびソフトウェアの要件:

CD-R、DVD-R、または DVD-RAM へのシステム・バックアップにはハードウェアおよびソフトウェアの要件があります。

mkcd コマンドを使用するには、CD または DVD ファイルシステムを Rock Ridge フォーマットで作成し、CD または DVD の焼き付け つまり書き込みを行うソフトウェアが既にインストールされている必要があります。GNU バージョンの cdrecord および mkisofs コマンドが BOS インストール時にインストールされます。このコマンドでテストされたソフトウェアおよびハードウェアには、以下のようなものがあります。

ソフトウェア ハードウェア

GNU and Free Software Foundation, Inc.

readcd command version 1.9

mkisofs command version 1.13

DVD-RAM

mkcd コマンドの実行の準備:

mkcd コマンドを実行するには、追加のワークスペースが必要です。

別個のファイルシステムまたはディレクトリーが、下記の目的のためにそれぞれ必要です。

v mksysb または savevg イメージの格納

v CD または DVD ファイルシステムの内容の保管

v 記録する前の CD または DVD イメージの保管

mkcd コマンドでは、以下のファイルシステムがまだ存在していないか、または代わりのファイルシステムまたはディレクトリーが指定されていない場合は、以下のファイルシステムが作成されます。

インストールおよび移行 175

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/mkcd/mksysb_imageスペース所要量は、作成される mksysb イメージのサイズに応じて決まります。 mkcd コマンドは、mksysb イメージの作成を開始する前に、このスペースの計算を試み、使用可能なスペースが十分にあるか確認します。

注: mkcd コマンドは /mkcd/mksysb_image ディレクトリーに必要なスペース所要量の計算に、除外されたファイル (/etc/exclude.rootvg) によって使用されるスペースも加えます。そのため mkcdコマンドは /mkcd/mksysb_image ディレクトリーを作成できないことがあります。

/mkcd/cd_fs645 MB 必要です (DVD では 4.38 GB まで)。

/mkcd/cd_images少なくとも 645 MB のスペースが必要です (DVD では 4.38 GB まで)。イメージを除去しないことを指定するために、 -R または -S フラグを使用する場合で、複数のボリュームが必要なときは、それ以上のスペースを用意する必要があります。

これらのファイルシステムで使用されるスペースは、一時的なものです (イメージを保管するために、 -Rまたは -S フラグが指定されていない限り)。 mkcd コマンドが作成したファイルシステムは、後で除去されます。各ファイルシステムまたはディレクトリーのスペース所要量は、 645 MB を超える可能性があります (DVD では、4.38 GB まで)。

マシンに十分なスペースがない場合は、 NFS を使って別のサーバー・システムのスペースをマウントすることができます。ただし、そのファイルシステムは書き込み可能でなければなりません。非常に大容量の/mkcd ファイルシステムを作成することができます (CD の場合は 1.5 GB、DVD の場合は 9 GB)。こうすると、クライアントで自身のシステムのバックアップ CD または DVD の作成が必要なときに、 /mkcdファイルシステムを各クライアントにマウントすることができます。 mkcd コマンドを使用して (2 GB

を超える) 非常に大規模なバックアップを作成するときは、ファイルシステムが大規模ファイルを使えるようになっていて、 ulimit の値を unlimited に設定する必要があります。

mkcd コマンドの -L フラグを使うと、DVD サイズの ISO9660 イメージを作成することができます。mkcd コマンドの -U フラグを使うと、UDF DVD イメージを作成することができます。 AIX バージョン5.3 以降では、mkdvd コマンドを使用して DVD サイズの ISO9660 イメージを作成することもできます。

ISO9660 フォーマットによる CD または DVD のルート・ボリューム・グループ・バックアップの作成:

ISO9660 フォーマットで CD または DVD にルート・ボリューム・グループのバックアップを作成するには、以下の手順に従います。

Web-based System Manager または SMIT を使用して、次のように、ISO9660 フォーマットで CD またはDVD にルート・ボリューム・グループのバックアップを作成できます。

v Web-based System Manager の「Backup and Restore (バックアップおよび復元)」アプリケーションを使用し、「System backup wizard method (システム・バックアップ・ウィザード・メソッド)」を選択します。このメソッドを使用すると、ブート可能またはブート不可のバックアップを CD-R、DVD-R、または DVD-RAM メディア上に作成することができます。

または

v バックアップを CD に作成する場合は、smit mkcd 高速パスを使用します。

v バックアップを DVD に作成する場合は、smit mkdvd 高速パスを使用して、「ISO9660 (CD format)(ISO9660 (CD フォーマット))」を選択します。

176 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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以下の手順は SMIT を使用して CD にシステム・バックアップを作成する方法を示しています。(ISO9660 DVD にシステム・バックアップを作成する SMIT 手順も CD の手順とほとんど同じです。)

1. smit mkcd 高速パスを入力します。システムによって、既存の mksysb イメージを使用するかどうか尋ねられます。

2. CD-R デバイスの名前を入力します。 (「Create the CD now? (すぐに CD を作成する)」フィールドが「no (いいえ)」に設定されていれば、このフィールドをブランクにしておくこともできます。)

3. mksysb イメージを作成する場合、mksysb 作成オプション、「Create map files? (マップ・ファイルを作成する)」、および「Exclude files? (ファイルを除外する)」に対して、「yes (はい)」または「no(いいえ)」を選択します。選択されているものを確認するか、または必要に応じて変更します。

mkcd コマンドは常に、 /tmp を拡張するフラグを付けて mksysb コマンドを呼び出します。

既存の image.data ファイルを指定するか、ユーザー定義の image.data ファイルを指定します。ステップ 16 (178ページ) を参照してください。

4. mksysb イメージを保管するファイルシステムを入力します。このファイルシステムは、rootvg、別のボリューム・グループ、または NFS にマウントされて読み取り/書き込みアクセス権のあるファイルシステムで作成されたものにすることができます。このフィールドをブランクにしておくと、mkcd コマンドはファイルシステムを作成し、そのファイルシステムが存在しない場合はコマンドの完了時にそのファイルシステムを除去します。

5. CD または DVD のファイル構造と最終的な CD または DVD イメージを保管するファイルシステムを入力します。これらのファイルシステム/ディレクトリーは、rootvg、別のボリューム・グループ、または NFS マウントのファイルシステムに作成したファイルシステムにすることができます。これらのフィールドをブランクにしておくと、この手順の後のステップで別の指定をしない限り、mkcd コマンドはこれらのファイルシステムを作成しますが、コマンドが完了するとそれらを除去します。

6. ファイルシステムのフィールドに何も情報を入力しない場合は、mkcd コマンドが、rootvg または別のボリューム・グループにこれらのファイルシステムを作成することを選択できます。デフォルトのrootvg を選択し、mksysb イメージを作成する場合は、mkcd コマンドはファイルシステムの除外ファイルに追加し、-e 除外ファイル・オプションを使用して mksysb コマンドを呼び出します。

7. 「Do you want the CD or DVD to be bootable? (CD または DVD をブート可能にする)」フィールドで yes を選択して、CD または DVD にブート・イメージが作成されるようにします。no を選択した場合は、同じバージョン/リリース/保守 レベルの製品からブートした後、システム・バックアップCD からシステム・バックアップをインストールする必要があります。

8. 「Remove final images after creating CD? (CD の作成後に最終イメージを除去する)」フィールドをno に変更すると、CD イメージ用のファイルシステム (この手順の前の方で指定した) は、CD の記録後に残ります。

9. 「Create the CD now? (すぐに CD を作成する)」フィールドを no に変更すると、CD イメージ用のファイルシステム (この手順の前の方で指定した) は残ります。この手順で選択した設定は有効のままですが、この時点では、CD は作成されません。

10. インストール・バンドル・ファイルを使用する場合は、バンドル・ファイルへの絶対パス名を入力してください。 mkcd コマンドは、そのファイルを CD ファイルシステムにコピーします。バンドル・ファイルは、mksysb イメージの bosinst.data ファイル、またはユーザー指定の bosinst.data ファイルで、BUNDLES フィールドに事前に指定しておく必要があります。このオプションを使用してバンドル・ファイルを CD に入れる場合は、 bosinst.data ファイルの BUNDLES フィールドのロケーションは、次のようになっていなければなりません。

/../usr/sys/inst.data/user_bundles/bundle_file_name

インストールおよび移行 177

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11. 追加パッケージを CD または DVD に入れるには、パッケージのリストが入っているファイルの名前を「File with list of packages to copy to CD (CD にコピーするパッケージのリストがあるファイル)」フィールドに入力します。このファイルのフォーマットは、1 行につき 1 つのパッケージ名です。

mksysb イメージを復元した後に、 1 つ以上のバンドルをインストールする場合は、前の指示に従って、バンドル・ファイルを指定してください。このオプションを使用して、バンドルにリストされたパッケージを CD 上で使用可能にすることができます。このオプションを使用する場合は、次のステップでインストール・イメージのロケーションも指定する必要があります。

12. CD ファイルシステムにコピーするインストール・イメージのロケーションを (ある場合)、「Locationof packages to copy to CD (CD にコピーするパッケージのロケーション)」フィールドに入力します。 CD に追加パッケージを入れる場合、このフィールドは必要です (直前のステップを参照)。ロケーションは、ディレクトリーまたは CD デバイスにすることができます。

13. 「Customization script (カスタマイズ・スクリプト)」フィールドで、カスタマイズ・スクリプトの絶対パス名を指定することができます。これを指定すると、mkcd コマンドは、スクリプトを CD ファイルシステムにコピーします。 mksysb イメージの bosinst.data ファイルでCUSTOMIZATION_FILE フィールドを設定しておくか、CUSTOMIZATION_FILE フィールドが設定されたユーザー指定の bosinst.data ファイルを使用する必要があります。mkcd コマンドは、このファイルを、RAM ファイルシステムにコピーします。したがって、CUSTOMIZATION_FILE フィールドでのパスは、次のようになっている必要があります。

/../filename

14. 「User supplied bosinst.data file (ユーザー提供の bosinst.data ファイル)」フィールドでユーザーのbosinst.data ファイルの絶対パス名を入力することによって、mksysb イメージ内のものではなく、ユーザー独自の bosinst.data ファイルを使用することができます。

15. mkcd コマンドでデバッグをオンにするには、「Debug output? (デバッグ出力する)」を「yes (はい)」に設定します。デバッグ出力は、smit.log に出力されます。

16. 「User supplied image.data file (ユーザー提供の image.data ファイル)」にユーザーの image.data ファイルの絶対パス名を入力することによって、mksysb イメージ内の image.data ファイルではなく、ユーザー独自の image.data ファイルを使用することができます。

DVD-RAM メディアおよびユニバーサル・ディスク・フォーマットを使用するシステム・バックアップの作成:

ユニバーサル・ディスク・フォーマット (UDF) を使用すると、DVD-RAM メディア上でファイルを直接操作することができます。

システム・バックアップ・イメージは、多くのファイルから構成されているアーカイブ対象ファイルであり、操作不能です。ただし、バックアップ・イメージに含まれないインストール・パッケージとファイルは、 DVD-RAM 上で直接操作することができます。 DVD をマウントすると、エディターを使用してそれらのファイル変更することが可能となり、cp、mv、および restore コマンドなどの様々なコピーや復元コマンドを用いて新規ファイルを DVD にコピーできます。

UDF と DVD-RAM を使う場合は、バックアップ・イメージのために必要なのはシステム・スペースのみです。 UDF バックアップ処理の概略は次のようになります。

1. バックアップ・イメージを保持できるだけのスペースがあるハード・ディスク上のファイル (アーカイブ) に、ボリューム・グループのバックアップを作成します。

2. システムのブートとインストールに必要なファイルを UDF に取り込みます。

3. バックアップを DVD-RAM メディアにコピーします。

178 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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mkcd または mkdvd コマンドの -U フラグを使って DVD-RAM 上に UDF ファイルシステムを作成します。

UDF を使用すると、 DVD-RAM メディア上の bosinst.data ファイルおよび image.data またはvgname.data ファイルなどのファイルを直接変更することができます。例えば UDF を使用しない場合、ユーザー定義の bosinst.data ファイルをバックアップ・イメージに追加するためには、バックアップ・イメージをロケーションに復元し、そのファイルを追加してから各ファイルを再度バックアップする必要があります。

あるいは、変更した bosinst.data ファイルを含む補足ディスケットを作成し、その補足ディスケットをバックアップと併用する必要があります。ただしシステム構成によってはディスケット・ドライブが提供されないこともあり、その場合のこの手順は少し複雑になります。

ユニバーサル・ディスク・フォーマットを使用する DVD-RAM へのルート・ボリューム・グループ・バックアップの作成:

ユニバーサル・ディスク・フォーマット (UDF) を使用して DVD-RAM 上にルート・ボリューム・グループのバックアップを作成します。

UDF を使って DVD-RAM 上にルート・ボリューム・グループのバックアップを作成するには、以下のようにします。

v Web-based System Manager の「Backup and Restore (バックアップおよび復元)」アプリケーションを使用し、「System backup wizard method (システム・バックアップ・ウィザード・メソッド)」を選択します。このメソッドを使用すると、ブート可能またはブート不可のバックアップを DVD-RAM メディア上に作成することができます。

または

v SMIT を使ってバックアップを UDF の DVD-RAM に作成するには次の手順を行います。

1. smit mkdvd 高速パスを入力します。システムによって、既存の mksysb イメージを使用するかどうか尋ねられます。

2. 「UDF (Universal Disk Format) (UDF (ユニバーサル・ディスク・フォーマット))」を選択します。

3. DVD-RAM デバイスの名前を入力します。

4. mksysb イメージを作成する場合は、 mksysb 作成オプションに対して yes または no を選択します。オプションは、次のとおりです。

– Create map files? (マップ・ファイルを作成する)

– Exclude files? (ファイルを除外する)

mkcd コマンドは常に、 /tmp を拡張するフラグを付けて mksysb コマンドを呼び出します。

既存の image.data ファイルを指定するか、ユーザー定義の image.data を指定します。ステップ14 (180ページ) を参照してください。

5. mksysb イメージを保管するファイルシステムまたはディレクトリーを入力します。このファイルシステムは、 rootvg 内、別のボリューム・グループ内、または NFS にマウントされて読み取り/書き込みアクセス権のあるファイルシステム内に作成済みのものにすることができます。ブランクにしておく場合は、mkcd コマンドはファイルシステムを作成しますが、コマンドが完了するとそのファイルシステムを除去します。

6. ファイルシステムのフィールドに情報を何も入力しない場合は、 mkcd コマンドが、 rootvg または別のボリューム・グループにこれらのファイルシステムを作成するようにできます。デフォルト

インストールおよび移行 179

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の rootvg を選択し、mksysb イメージを作成する場合は、mkcd コマンドはファイルシステムを除外ファイルに追加し、除外ファイル・オプション -e を使用して mksysb コマンドを呼び出します。

7. 「Do you want the DVD to be bootable? (DVD をブート可能にする)」。 no を選択した場合は、同じバージョン/リリース/保守 レベルの製品 CD からブートした後、システム・バックアップDVD からシステム・バックアップをインストールする必要があります。

8. インストール・バンドル・ファイルを使用する場合は、バンドル・ファイルへの絶対パス名を入力してください。 mkcd コマンドは、そのファイルを DVD ファイルシステムにコピーします。バンドル・ファイルは、mksysb イメージの bosinst.data ファイル、またはユーザー指定のbosinst.data ファイルで、BUNDLES フィールドに事前に指定しておく必要があります。このオプションを使用してバンドル・ファイルを DVD に入れる場合は、 bosinst.data ファイルのBUNDLES フィールドのロケーションは、次のようになっていなければなりません。

/../usr/sys/inst.data/user_bundles/bundle_file_name

9. パッケージのリストが入っているファイルの名前を、「File with list of packages to copy to DVD(DVD にコピーするパッケージのリストがあるファイル)」フィールドに入力することにより、追加のパッケージを CD に入れることができます。このファイルのフォーマットは、1 行につき 1 つのパッケージ名です。

mksysb イメージを復元した後に、 1 つ以上のバンドルをインストールする場合は、前の指示に従って、バンドル・ファイルを指定してください。このオプションを使用して、バンドルにリストされたパッケージを DVD 上で使用可能にすることができます。このオプションを使用する場合は、次のステップでインストール・イメージのロケーションも指定する必要があります。

10. CD ファイルシステムにコピーするインストール・イメージのロケーションを (ある場合)、「Location of packages to copy to DVD (DVD にコピーするパッケージのロケーション)」フィールドに入力します。 DVD に追加パッケージを入れる場合、このフィールドは必須です (直前のステップを参照)。ロケーションは、ディレクトリーまたは DVD デバイスにすることができます。

11. 「Customization script (カスタマイズ・スクリプト)」フィールドで、カスタマイズ・スクリプトの絶対パス名を指定することができます。これを指定すると、mkcd コマンドは、スクリプトを CD

ファイルシステムにコピーします。 mksysb イメージの bosinst.data ファイルでCUSTOMIZATION_FILE フィールドを設定しておくか、CUSTOMIZATION_FILE フィールドが設定されたユーザー指定の bosinst.data ファイルを使用する必要があります。mkcd コマンドは、このファイルを、RAM ファイルシステムにコピーします。したがって、CUSTOMIZATION_FILEフィールドでのパスは、次のようになっている必要があります。

/../filename

12. 「User supplied bosinst.data file (ユーザー提供の bosinst.data ファイル)」フィールドでユーザーのbosinst.data ファイルの絶対パス名を入力することによって、mksysb イメージ内のものではなく、ユーザー独自の bosinst.data ファイルを使用することができます。

13. mkcd コマンドのデバッグを使用可能にするには、「Debug output? (デバッグ出力する)」を「yes(はい)」に設定します。デバッグ出力は、smit.log に出力されます。

14. 「User supplied image.data file (ユーザー提供の image.data ファイル)」にユーザーの image.data

ファイルの絶対パス名を入力することによって、mksysb イメージ内の image.data ファイルではなく、ユーザー独自の image.data ファイルを使用することができます。

ユーザー・ボリューム・グループのバックアップsavevg コマンドを使用して、ユーザー・ボリューム・グループのバックアップを CD、DVD、テープ、またはファイルに作成することができます。

180 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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savevg コマンドは、指定されたボリューム・グループに属しているすべてのファイルを検索してバックアップをとります。ボリューム・グループがオンに構成変更されていて、ファイルシステムがマウントされていなければなりません。

このユーザー・バックアップには non-rootvg ボリューム・グループのコピーが入っており、ユーザー・データを含むボリューム・グループに使用すると便利です。

savevg コマンドは、mkvgdata コマンドで作成されるデータ・ファイルを使用します。作成されるデータ・ファイルは次のものです。

/tmp/vgdata/vgname/vgname.data

vgname.data ファイルには、ユーザー・ボリューム・グループに関する情報が含まれます。savevg コマンドはこのファイルを使用してバックアップ・イメージを作成します。このバックアップ・イメージをrestvg コマンドで使用して、ユーザー・ボリューム・グループを再作成することができます。

savevg コマンドで -r フラグを使用すると、ユーザー・ボリューム・グループの論理ボリューム構造情報のみをバックアップできます。 バックアップ属性のリストに必要なデータもバックアップされます。-r フラグは、vgname.data ファイルを作成するために指定したボリューム・グループ用の mkvgdata コマンドを実行します。-r フラグは、vgname.data ファイル、すべてのマップ・ファイル、および backup.data ファイルのみをバックアップします。作成されたバックアップ・イメージは、restvg -r コマンド・オプションで使用されて、ボリューム・グループ、論理ボリューム、およびそのファイルのファイルシステム情報のみを作成し、他のデータは復元しません。例えば、paul ユーザー・ボリューム・グループ構造情報のみを/vg_backup/paul_vg_data ファイルにバックアップする場合は、次のように入力します。

savevg -r -f /vg_backup/paul_vg_data paul

また、mkcd コマンドを使用して、ユーザー・ボリューム・グループのバックアップを CD または DVD

に作成することもできます。mkcd コマンドは、一度に 1 つのボリューム・グループを CD または DVD

に保管します。

mkcd コマンドで -L フラグを使用すると、ISO9660 DVD サイズのイメージを作成することができます。mkcd または mkdvd コマンドで -U フラグを使用すると、UDF DVD イメージを作成することができます。

rootvg イメージと savevg イメージが 1 枚の CD または DVD に収まる程度の大きさの場合は、両方とも -l (stacklist) および -z (customization_script) フラグを使用して保管することができます。-l フラグを使用すると、CD または DVD にコピーするイメージのリストが得られます。-z フラグを使用すると、savevg バックアップを復元するスクリプトを作成することができます。例えば、前もって non-rootvg ボリューム・グループのコピーを作成しておき、restvg コマンドを呼び出すスクリプトを作成する場合、non-rootvg ボリューム・グループは、次のコマンドによって、rootvg のインストールの最後で hdisk2 に復元されます。

restvg -d /SPOT/installp/ppc/savevg_image hdisk2

この手順は、インストールのたびに non-rootvg ボリューム・グループの復元を行うと分かっている場合にのみ、お勧めします。そうでない場合は、ボリューム・グループを単に CD/DVD に保管し、リブートの後に restvg を使用してそれを復元することをお勧めします。イメージの名前が savevg_image の場合は、restvg コマンドで CD または DVD から復元することができます。別のファイル名で non-rootvg バックアップを CD または DVD に保管する場合は、その CD または DVD を挿入して、ファイル名の絶対パスを restvg コマンドに対するデバイスとして使用することができます。

インストールおよび移行 181

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ユーザー・ボリューム・グループを CD または DVD にバックアップするには、Web-based System

Manager または SMIT のいずれかを使用してください。

Web-based System Manager を使用するユーザー・ボリューム・グループのバックアップ:

ユーザー・ボリューム・グループのボリューム・グループ・バックアップ・イメージのみが入った、ブート不可の CD または DVD を作成するためのウィザードを使用できます。

Web-based System Manager を使用して、「System backup wizard method (システム・バックアップ・ウィザード)」を選択します。

SMIT を使用するユーザー・ボリューム・グループ・バックアップの作成:

この手順では、SMIT を使用して、ユーザー・ボリューム・グループのバックアップ・イメージを作成します。

1. SMIT を使用してユーザー・ボリューム・グループをテープまたはファイルにバックアップするには、コマンド行で smit savevg と入力します。ユーザー・ボリューム・グループを CD にバックアップするには、コマンド行で smit savevgcd と入力します。ユーザー・ボリューム・グループを DVD にバックアップするには、コマンド行で smit savevgdvd と入力します。

2. 「Save a Volume Group (ボリューム・グループの保管)」画面が表示されたら、ルート・ボリューム・グループのバックアップのときのステップを参考にして、ユーザー・ボリューム・グループをバックアップします。この手順には、例外が 1 つあります。ユーザー・ボリューム・グループ内のファイルをバックアップ・イメージから除外する場合、/etc/exclude.volume_group_name という名前のファイルを作成します。ここで、volume_group_name は、バックアップするボリューム・グループの名前です。

3. ファイルを除外する場合、/etc/exclude.volume_group_name ファイルを編集して、バックアップ・イメージに入れたくないファイル名のパターンを入力してください。このファイルのパターンは、grep コマンドのパターン・マッチング規則に入力され、バックアップからどのファイルを除外するかが判別されます。

ユーザー・ボリューム・グループのバックアップ・オプションの使用システム・バックアップやユーザー・ボリューム・グループ・バックアップがあれば、バックアップ・イメージについてバックアップやリスト情報を検査することができます。

バックアップ・イメージで実行できる操作には、この情報を使用することができます。これらの操作の実行に使用するコマンドは、システム・バックアップ用の lsmksysb コマンドと、ユーザー・ボリューム・グループ用の lssavevg コマンドです。 lsmksysb コマンドまたは lssavevg コマンドを使用して、以下のトピックで説明されている操作を実行できます。

ボリューム・グループ・バックアップに関する情報のプレビュー:

プレビュー・オプションを使うと、ボリューム・グループ情報、バックアップが作成された日付と時刻、および AIX のレベルを表示することができます。

バックアップ・イメージをプレビューするには、 lsmksysb コマンドまたは lssavevg コマンドの -l オプションを使用します。例えば /tmp/mybackup というシステム・バックアップ・ファイルをプレビューする場合は、次を入力します。

# lsmksysb -l -f /tmp/mybackup

次のような出力が表示されます。

182 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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VOLUME GROUP: rootvgBACKUP DATE/TIME: Mon Jul 29 22:03:27 CDT 2002UNAME INFO: AIX va08 2 5 000974AF4C00BACKUP OSLEVEL: 5.2.0.0noneMAINTENANCE LEVEL: noneBACKUP SIZE (MB): 1408SHRINK SIZE (MB): 1242

rootvg:LV NAME TYPE LPs PPs PVs LV STATE MOUNT POINThd5 boot 1 1 1 closed/syncd N/Ahd6 paging 16 16 1 open/syncd N/Ahd8 jfs2log 1 1 1 open/syncd N/Ahd4 jfs2 1 1 1 open/syncd /hd2 jfs2 21 21 1 open/syncd /usrhd9var jfs2 1 1 1 open/syncd /varhd3 jfs2 1 1 1 open/syncd /tmphd1 jfs2 1 1 1 open/syncd /homehd10opt jfs2 1 1 1 open/syncd /optfslv00 jfs2 31 31 1 open/syncd /export/nimfslv01 jfs2 1 1 1 open/syncd /tftpboot

SMIT でバックアップ・イメージをプレビューするには、 lsbackupinfo 高速パスを使用します。

システム・バックアップの検査 (テープのみ):

テープ上の mksysb イメージの内容をリストすることができます。

テープ上の mksysb イメージの内容をリストするには、Web-based System Manager (コマンド行で wsm と入力してから、「Backup and Restore (バックアップおよび復元)」アプリケーションを選択) または SMIT

(コマンド行で smit lsmksysb と入力) のいずれかを使用できます。リストすることによりテープ上のほとんどの情報を検査することができますが、バックアップ・メディアからインストール用にブートできるかどうかは検査できません。 mksysb テープ上のブート・イメージが適切に機能するかどうかを検査する唯一の方法は、メディアからブートする方法です。

ボリューム・グループおよびシステム・バックアップのバックアップ・ログの表示:

ボリューム・グループがバックアップされるたびに作成されるバックアップ・ログを表示することができます。このログ・ファイルには、直前のボリューム・グループおよびシステムのバックアップに関する情報が含まれています。

バックアップ・ログ・ファイルを表示するには、 lsmksysb コマンドまたは lssavevg コマンドの -B オプションを使用します。次のように入力します。

# lsmksysb -B

次のような出力が表示されます。

#Device;Command;Date;Shrink Size;Full Size;Maintenance Level/export/mksysb/generic_sysb;"mksysb -X -e /export/mksysb/generic_sysb";Mon Jul 29 22:11:17 CDT 2002;1242;1408;/export/mksysb/generic_sysb;"mksysb -X -e /export/mksysb/generic_sysb";Tue Jul 30 16:38:31 CDT 2002;2458;2720;

SMIT でバックアップ・ログを表示するには、「System Backup Manager (システム・バックアップ・マネージャー)」メニューで「View the Backup Log (バックアップ・ログを表示する)」を選択します。

システム・バックアップにインストールされているファイルセットの表示:

インストールおよび移行 183

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lsmksysb コマンドの -L オプションを使用して、システム・バックアップにインストールされているファイルセットを表示することができます。

例えば、システム・バックアップにインストールされているファイルセットを表示するには、次を入力します。

# lsmksysb -L -f generic_sysb

次のような出力が表示されます。

Fileset Level State Description----------------------------------------------------------------------------Path: /usr/lib/objreposIMNSearch.bld.DBCS 2.4.0.0 COMMITTED NetQuestion DBCS BuildtimeModules...bos.terminfo.wyse.data 5.2.0.0 COMMITTED Wyse Terminal Definitionsbos.txt.spell.data 5.2.0.0 COMMITTED Writer's Tools Databos.txt.tfs.data 5.2.0.0 COMMITTED Text Formatting Services Data

システム・バックアップにインストールされているファイルセットを SMIT で表示するには、lslppbackup 高速パスを使用します。

注: この機能は、AIX バージョン 5.2 以降で作成されたバックアップにのみ使用可能です。

システム・バックアップのインストールmksysb イメージ というシステム・バックアップを使用して基本オペレーティング・システム (BOS) をインストールすることができます。

システム・バックアップを使用して、破壊されたオペレーティング・システムを復元できます。バックアップからシステムをインストールすると、インストールと構成の作業を繰り返す手間が減ります (なくなることもあります)。例えば、バックアップを使用して、基本オペレーティング・システムのほかに、ソース・システム (バックアップ・コピーを作成したマシン) にインストールされているオプションのソフトウェアを転送することもできます。また、多くのユーザー構成設定も、バックアップ・イメージによってターゲット・システム (システム・バックアップをインストールする別のマシン) に転送されます。

テープ、CD、DVD、またはファイルに格納されたバックアップ・イメージから、システムをインストールすることができます。ネットワーク・インストール・サーバーのディレクトリーに保管されているバックアップをインストールする場合は、 267ページの『mksysb イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール』を参照してください。

バックアップからのインストール手順は、/bosinst.data ファイルで設定された条件、およびバックアップ・イメージとインストール済みのマシンの間の互換性に応じて、プロンプト付きまたはプロンプトなしのいずれかのモードで実行されます。システム・バックアップを作成するときに、インストール・パラメーターを事前設定するために bosinst.data ファイルを変更する方法について詳しくは、 80ページの『インストールのカスタマイズ』 を参照してください。

バックアップ・イメージをインストールするときに、システムは、バックアップに保管されているすべての論理ボリュームを作成できるだけの十分なディスク・スペースが、ターゲット・システムにあるかどうかチェックします。十分なスペースがあれば、バックアップ全体がリカバリーされます。不足している場合は、インストールが停止し、出力先のハード・ディスクを追加選択するよう、システムからプロンプトが出されます。

184 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ターゲット・システムで作成されるファイルシステムのサイズは、バックアップ・イメージを作成したときに、image.data ファイルの SHRINK が yes に設定されたか、BOS インストール・メニューで yes が選択されていなければ、ソース・システムでのサイズと同じになります。/tmp ディレクトリーは、その例外で、bosboot コマンドのための十分なスペースを割り当てられるように、増やすことができます。変数の設定についての詳細は、「AIX 5L Version 5.3 Files Reference」の『image.data』ファイルを参照してください。

ソース・マシンにシステム・バックアップをインストールすると、インストール・プログラムはそのマシンにオブジェクト・データ・マネージャー (ODM) を復元します。 ODM が復元されることにより、デバイスの番号は元のシステムでの番号と同じになります。例えば、ソース・マシンにイーサネット・カードが 2

枚インストールされている場合 (スロット 3 に最初の en0、スロット 1 に次の en1)、システム・バックアップをインストールするときにそれらが逆の順序で検出されても、カードの再番号付けは行われません。システム・バックアップのクローンを作成する場合、インストール・プログラムは、ターゲット・システムにイメージをインストールした後で ODM を再構築するため、デバイスは再番号付けされます。いずれの場合も、rootvg およびすべての論理ボリュームには、異なる ID が付けられます。

ソース・マシンにシステム・バックアップを再インストールするときに、ターゲット・システムとソース・システムのハードウェア構成がまったく同じでなければ、インストール・プログラムはターゲット・システムの以下のファイル内のデバイス属性を変更することがあります。

v /etc/objrepos ディレクトリー内の「Cu」で始まるすべてのファイル

v /dev ディレクトリー内のすべてのファイル

ブート・リストの設定は復元されません。システム・バックアップの復元後、ブート・リストは 1 次ブート・デバイスにリセットされます。

共用ボリューム・グループの AUTO ON は no に設定されています。 AIX 5L バージョン 5.2 からAUTO ON が yes に設定されているユーザー・ボリューム・グループのみがインポートされます。これは、mksysb 復元操作のときに共用ボリューム・グループに対してインストール照会が行われるため、共用ボリューム・グループが他のシステムのボリューム・グループへのアクセスをロックアウトすることがあるためです。

mksysb イメージからのインストールに問題がある場合は、『mksysb バックアップからのインストールに関する問題のトラブルシューティング』を参照してください。

システム・バックアップのクローン作成システム・バックアップをターゲット・マシンにインストールして、オペレーティング・システム、オプションのソフトウェア、および構成の設定を整合性を持って広げることができます。

mksysb イメージを用いて、1 つのシステム・イメージのクローンを、複数のターゲット・システム上に作成することができます。ただし、ターゲット・システムが備えているハードウェア・デバイスやアダプター、あるいはターゲット・システムが必要とするカーネルが、ソース・システムと同じではないことがあります。 BOS インストールの際にすべてのデバイスとカーネルが自動的にインストールされます。その結果、システム・バックアップを作成すると、 mksysb イメージにはすべてのデバイスおよびカーネル・サポートが含まれます。例えば、System_A のシステム・バックアップを作成して、System_A の mksysb イメージを System_B にインストールすることができます。その際、System_B をブートするためにプロダクト・メディアを使用する必要はありません。すべてのデバイスおよびカーネルのインストールについて詳しくは、 170ページの『バックアップ作成前のすべてのデバイスおよびカーネル・サポートのインストール』を参照してください。

インストールおよび移行 185

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クローン・インストールを行う場合、デフォルトでは、デバイス情報はターゲット・システムに復元されません。クローン・インストール時、 mksysb イメージがインストール先のシステムのものかどうかが、BOS インストール・プロセスによって検査されます。ターゲット・システムと mksysb イメージが異なる場合は、デバイス情報はリカバリーされません。この振る舞いは、bosinst.data ファイル内のRECOVER_DEVICES 変数で決まります。この変数は、Default、yes、または no に設定できます。それぞれの値で決まる振る舞いは、以下のとおりです。

Defaultデバイスのリカバリーはありません。

yes ODM の再構築を試みます。

no デバイスのリカバリーはありません。

注: 「Backup Restore (バックアップの復元)」メニューで yes または no を選択するか、bosinst.data ファイルで属性の値を編集することにより、RECOVER_DEVICES のデフォルト値をオーバーライドすることができます。

ソース・システムに正しいパスワードとネットワーク情報がない場合は、この時点で、ターゲット・システム上で修正を行うことができます。また、プロダクトによっては、デバイス特有のファイルを提供するものもあります (graPHIGS など)。ソースのグラフィックス・アダプターが、ターゲット・システムとは異なっている場合は、グラフィックス関連の LPP 用のデバイス特有のファイルセットがインストールされているか、確認してください。

ソース・マシンでのシステム・バックアップのインストールWeb-based System Manager またはコマンド行を使用して、バックアップを作成した元の同じマシンにオペレーティング・システムを復元できます。

いずれのインターフェースについても、手順を開始する前に、次の条件を満たしておく必要があります。

v テープや CD/DVD-ROM ドライブなどの外部デバイスも含めて、すべてのハードウェアが既にインストールされている必要があります。

v 次のいずれかのソースから、システム・バックアップ・イメージを入手しておきます。

CD または DVD 次のいずれかの方法で作成された BOS CD

v Web-based System Manager の「Backup and Restore (バックアップおよび復元)」アプリケーションを使用。「System backup to writable CD (書き込み可能 CD へのシステム・バックアップ)」を選択します。

v SMIT の「Back Up This System to CD (CD へのシステムのバックアップ)」メニューを使用。

v コマンド行から mkcd または mkdvd コマンドを使用。テープ 次のいずれかの方法で作成された BOS テープ

v Web-based System Manager の「Backup and Restore (バックアップおよび復元)」アプリケーションを使用。「Back up the system (システムのバックアップ)」を選択します。

v SMIT の「Back Up the System to Tape/File (テープ/ファイルへのシステムのバックアップ)」メニューを使用。

v コマンド行から mksysb -i Target コマンドを使用。

注: バックアップの作成後にシステムのデバイスが除去されたか置き換えられた場合でも、バックアップをインストールするとそれらのデバイスの情報が復元されます。 ODM は、再構築されるのではなく、バックアップ時のシステムのものが復元されるため、システムが示すのは、それらの定義済み状態のデバイスになります。

ネットワーク バックアップ・イメージ・ファイルまでのパス。ネットワークを介したバックアップのインストールについては、mksysb イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール を参照してください。

186 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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注: 始動に先立って、1 次ブート・デバイスとして、テープ・ドライブまたは CD/DVD-ROM ドライブを選択します。追加情報は、お手元のハードウェアに関する資料のシステム管理サービスの項を参照してください。

mksysb コマンドの機能拡張が行われたため、システム・バックアップをソース・マシンにインストールするときのデバイスのリカバリー方法を制御できます。この振る舞いは、bosinst.data ファイル内のRECOVER_DEVICES 変数で決まります。この変数は、default、yes、または no に設定できます。それぞれの値で決まる振る舞いは、以下のとおりです。

default ODM が復元されます。

yes ODM が復元されます。

no デバイスのリカバリーはありません。

注: 「Backup Restore (バックアップの復元)」メニューで yes または no を選択するか、bosinst.data ファイルで属性の値を編集することにより、RECOVER_DEVICES のデフォルト値をオーバーライドすることができます。

Web-based System Manager を使用する場合

1. コマンド行で root ユーザーとして wsm と入力して、Web-based System Manager を開始します。

2. ナビゲーション領域の「Software (ソフトウェア)」を拡張して、「Overview and Tasks (概説およびタスク)」、「Reinstall Operating System (オペレーティング・システムの再インストール)」を選択します。

3. インストール・デバイスを選択します。

v ネットワーク

このオプションを選択する場合は、マシンが構成済みの NIM クライアントであるか、または NIM

環境にアクセスできる必要があります。マシンが NIM クライアントでない場合は、「Reinstall Base

Operating System (基本オペレーティング・システムの再インストール)」ウィザードによるプロセスに従ってください。 NIM 環境の設定についての詳細は、インストール・イメージを使用する NIM

クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール を参照してください。

v テープまたは CD/DVD-ROM

4. インストール・タイプとして、「Install a system backup image (mksysb) (システム・バックアップ・イメージのインストール)」を選択します。

5. ウィザードのプロンプトに従って手順を完了します。

コマンド行を使用する場合

1. bootlist コマンドを使用して 1 次ブート・デバイスの表示または変更を行えます。

1 次ブート・デバイスを表示するには、次のようにします。

bootlist -m normal -o

1 次ブート・デバイスを変更するには、次のようにします。

bootlist -m normal rmt0bootlist -m normal cd0

2. 以下のステップに従って、マシンの電源をオフにします。

a. root ユーザーとしてログインします。

b. 以下のコマンドを入力します。

インストールおよび移行 187

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shutdown -F

c. システムが自動的には電源オフにならない場合、電源スイッチをオフ (0) の位置にします。

重要: システム装置の電源は、ステップ 6 (189ページ) までは、オンにしないでください。

3. 接続されているすべての外部デバイスをオンにします。これには、以下のものが含まれます。

v 端末装置

v CD または DVD ドライブ

v テープ・ドライブ

v モニター

v 外部ディスク・ドライブ

外付けデバイスの電源を先にオンにするのは、始動 (ブート) 処理中に、システム装置が外付けデバイスを識別するために必要です。

4. インストール・メディアをテープ、CD または DVD ドライブに挿入します。

使用する磁気テープ装置によっては、システムがオフになっている間は、扉が開かないことがあります。この問題が生じた場合は、次の手順に従ってください。

a. システム装置の電源をオンにします。

b. ブート・インストール・テープを挿入します (複数のボリュームがある場合には、ボリューム 1 を挿入します)。

c. システム装置をオフにして、30 秒待ちます。

5. ASCII 端末を使用しない場合はステップ 6 に進んでください。 ASCII 端末を使用する場合は以下の基準に従って、通信、キーボード、および表示の各オプションを設定してください。

注: 使用端末が IBM 3151、3161、または 3164 の場合は、 Ctrl + Setup キーを押して「Setup (セットアップ)」メニューを表示し、画面に表示される指示に従って、これらのオプションを設定してください。他の ASCII 端末を使用している場合は、これらのオプションの設定方法に関する情報について、該当の資料を参照してください。端末によっては、ここにリストされたオプション名や設定値が異なる場合もあります。

通信オプション

オプション 設定

回線速度 (ボー・レート) 9600

ワード長 (1 文字当たりのビット数) 8

パリティー no

ストップ・ビットの数 1

インターフェース RS-232C (または RS-422A)

回線制御 IPRTS

188 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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キーボードおよびディスプレイのオプション

オプション 設定

画面 normal

行と列 24x80

スクロール jump

自動 LF (改行) off

行折り返し on

強制挿入 line (または both)

TAB field

演算モード echo

ターンアラウンド文字 CR

Enter (入力) return

Return (リターン) new line

改行 CR

送信 page

文字挿入 space

6. システム装置の電源スイッチをオフ (0) からオン (|) に切り替えます。システムは、バックアップ・メディアからのブート処理を開始します。システムがテープからブートしている場合、テープが進んだり戻ったりするのは正常な動作です。ご使用のシステムに LED ディスプレイがある場合は、 3 桁のLED に c31 と表示されるはずです。

注: バックアップ・メディアからのブートに失敗した場合は、プロダクト・メディア (テープまたはCD) からブートできます。最初のウェルカム画面にあるオプションによって、バックアップ・メディアからのインストールを続行できる保守モードに入ることができます。詳しくは、システム・バックアップからのインストールに関するトラブルシューティング を参照してください。

複数のコンソールがある場合、それぞれの端末と直接接続ディスプレイ・デバイス (またはコンソール) に、システム・コンソールを識別するためのキーを押すように指示する画面が表示されます。この画面が表示される各端末ごとに、異なるキーが指定されています。この画面が表示されたら、システム・コンソールとして使用するデバイス上でのみ、指定されたキーを押してください。 (システム・コンソールとは、インストールとシステム管理に使用するキーボードとディスプレイ・デバイスのことです。) 1 つのコンソールでだけキーを押してください。

注: bosinst.data ファイルが、 CONSOLE 変数にとって有効なディスプレイ・デバイスをリストしているときは、システム・コンソールを手動で選択はしません。 bosinst.data ファイルの詳細については、『インストールのカスタマイズ』を参照してください。

7. 開始するインストールのタイプは、 bosinst.data ファイルの control_flow スタンザの、 PROMPT フィールドの設定によって決まります。以下の基準に従って、使用するインストールのタイプを決めてください。

インストールおよび移行 189

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PROMPT = no プロンプトなしのインストール。このインストール方式は、バックアップ・イメージが自動的にインストールされるように設定されている場合に使用されます。したがって、インストール・プログラムに応答する必要はありません。ステップ 8 に進んでください。

PROMPT = yes プロンプト付きのインストール。このインストール方式は、メニュー・プロンプトを使用してバックアップ・イメージをインストールする必要がある場合に、使用されます。プロンプトなしインストールが停止して、「Welcome to Base Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」画面が表示された場合も、このインストール方式を使用します。ステップ 9

に進んでください。

8. プロンプトなしのインストールは自動的に行われるため、インストールが成功したときは、以降の指示は必要ありません。

注: バックアップ・イメージに保持されているソース・システム構成情報が、ターゲット・システムとの間に互換性をもたない場合は、プロンプトなしのインストールが停止し、プロンプト付きのインストールが開始されます。

インストールが始まる前に、「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」画面が表示されます。プロンプトなしのインストールでは、約 5 秒間休止してから処理を開始します。この後にプロンプトなしのインストールが続行されて完了します。

ただし、自動インストールを中断してプロンプト付きのセッションを開始したい場合は、端末で 000

(ゼロを 3 つ) を入力して、この手順の残りのステップに従ってください。

9. 「Welcome to the Base Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」画面が表示されます。

注: このインストール処理の各画面で、 88 を入力してヘルプ情報を表示できます。

「Change/Show Installation Settings and Install (インストール設定の変更/表示、およびインストール)」を選択します。

10. 「System Backup Installation and Settings (システム・バックアップ・インストールと設定値)」画面が表示されます。この画面では、システムの現在の設定値が表示されます。複数のリストが選択される場合は、1 行目にリストされたディスクの後に省略符号が付いています。

11. 設定値を受け入れるか、変更してください。マップ・ファイルの使用法の詳細については、『システム・バックアップの作成』を参照してください。

設定値を受け入れて、インストールを開始するときは、ステップ 16 に進んでください。

設定値を変更するときは、ステップ 12 から継続します。

12. バックアップ・イメージをインストールするディスクを指定するために、「System Backup Installation

and Settings (システム・バックアップ・インストールと設定値)」画面で 1 を入力します。「Change

Disk(s) Where You Want to Install (インストールするディスクの変更)」画面が表示されます。この画面には、システム・バックアップ・イメージをインストールするために使用できる、すべてのディスクがリストされています。選択された各ディスクには、>>> (3 文字の大なり記号) が付いています。

選択する各ディスクについて、番号を入力し、Enter キーを押します。選択されたディスクの番号を入力して、選択解除します。複数のディスクを選択することができます。

注: 「Disks not known to Base Operating System Installation (BOS インストールにとって未知のディスク)」オプションに対して 66 を入力し、 Enter キーを押すことによって、補足ディスクを指定することもできます。このオプションは、新規メニューをオープンして、補足ディスク用のデバイス・サ

190 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ポート・メディアを要求するプロンプトを出します。 BOS インストールはシステムにディスクを構成してから、「Change Disk(s) Where You Want to Install (インストールするディスクの変更)」画面に戻ります。

13. ディスクの選択を完了したら、Enter キーを押します。

Enter キーを押した後に表示される画面は、選択されたすべての ディスクに対して、使用可能なマップ・ファイルがあるかどうかによって、異なります。この基準は次のとおりです。

v 選択されたディスクの中にマップをもたないものが 1 つ以上あると、 BOS インストールは直接「System Backup Installation and Settings (システム・バックアップ・インストールと設定値)」画面に戻ります。

v 選択されたすべてのディスクにマップがある場合は、「Change Use Maps Status (マップ使用状況の変更)」画面が表示されます。この中で、インストールにマップを使用するかしないかを選択します。ステップ 14 に進みます。

将来のバックアップの復元に備えて、論理ボリュームの配置を保存しておくため、システムをバックアップする前に、マップ・ファイルを作成することができます。マップ・ファイルは、/tmp/vgdata/rootvg ディレクトリーに保管されており、ドライブの物理区画をその LPAR に対応させます。 SMIT

の「Backup the System (システムのバックアップ)」メニューまたは Web-based System Manager を使用するか、mksysb コマンドの実行時に -m オプションを指定することによって、マップ・ファイルを作成します。

マップ・ファイルの詳細は、「オペレーティング・システムおよびデバイスの管理」の『正確な割り当てのためのマップ・ファイルの使用』を参照してください。

14. 「Change Use Maps Status (マップ使用状況の変更)」画面で、1 または 2 を入力して、インストール・プログラムがマップを使用するかどうか指定します。

この選択が完了すると、BOS インストールは、「System Backup Installation and Settings (システム・バックアップ・インストールと設定値)」画面に戻ります。

15. システムのインストール先のディスクで、 BOS インストールがファイルシステムを圧縮するかどうかを決定します。このオプションを選択すると、ボリューム・グループにある論理ボリュームとファイルシステムが、データを収容できる最小限のサイズになるように再作成されます。このようにすると、ファイルシステムの中の無駄なフリー・スペースが減少します。

バックアップ・イメージのファイルシステムの方が、インストールされるファイルに必要なサイズより大きいことがあります。「System Backup Installation and Settings (システム・バックアップ・インストールと設定値)」画面で、「Shrink File Systems (ファイルシステムの圧縮)」オプションの Yes と Noを切り替えるには、 2 キーを押します。デフォルトの設定値は、No です。

注: ファイルシステムを圧縮すると、マップの使用は不可能になります。

16. 「System Backup Installation and Settings (システム・バックアップ・インストールと設定値)」画面で0 を入力して受諾します。

「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」画面に、完了までの進行率と所要時間が表示されます。

ステップ 12 で補足ディスクを指定していれば、「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」画面は表題のない画面に一時的に置き換わります。この画面で、ド

インストールおよび移行 191

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ライブにデバイス・サポート・メディアを挿入して、Enter キーを押すよう指示されます。 BOS インストールは補足ディスクを再構成し、その後で「Installing Base Operating System (基本オペレーティング・システムのインストール)」画面に戻ります。

インストール完了後、システムは自動的にリブートを行います。

ソフトウェア・プロダクト・パッケージ以下は、追加のソフトウェア・プロダクト・パッケージ情報です。

さまざまなフォーマットのソフトウェア・パッケージのインストール次の情報を使用して、さまざまなフォーマットで受け取ったソフトウェア・パッケージをインストールすることができます。

AIX 5.1 以降、installp フォーマットのパッケージに加えて、 RPM Package Manager (RPM) およびInstallShield MultiPlatform (ISMP) フォーマットのパッケージもインストールできるようになっています。 Web-based System Manager、SMIT、または geninstall コマンドのいずれかを使用して、これらのタイプのパッケージをインストールおよびアンインストールします。geninstall コマンドは、指定されたパッケージのフォーマット・タイプを検出して、適切なインストール・コマンドを実行します。

AIX 5.1 より、AIX プロダクト・メディアには、installp パッケージおよび RPM パッケージが含まれており、これらは基本オペレーティング・システム (BOS) インストール時にインストールされます。installpパッケージは、次のパスにあります。

/mount_point/installp/ppc

RPM パッケージは、次のパスにあります。

/mount_point/RPMS/ppc

メディアに AIX 5.1 以降用の ISMP パッケージが含まれている場合、ISMP パッケージは次のパスにあります。

/mount_point/ISMP/ppc

geninstall コマンドは、次のファイル名を ISMP インストール・イメージとして認識します。

v setupaix*

v install*

v setup.jar

geninstall コマンドを使用して RPM または ISMP パッケージをインストールする場合には、接頭部タイプを使用して、インストールするパッケージのタイプを geninstall コマンドに指示します。パッケージ接頭部タイプには次のものがあります。

I: installp フォーマット

R: RPM フォーマット

J: ISMP フォーマット

E: interim fix フォーマット

192 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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例えば、cdrecord RPM パッケージおよび bos.games installp パッケージをインストールするには、次のように入力します。

# geninstall -d/dev/cd0 R:cdrecord I:bos.games

geninstall コマンドは、cdrecord パッケージが RPM パッケージ・タイプであることを検出し、rpm コマンドを実行して cdrecord パッケージをインストールします。その後、geninstall コマンドは、bos.gamesが installp パッケージ・タイプであることを検出し、installp コマンドを実行して bos.games パッケージをインストールします。アンインストールのプロセスも、インストール・プロセスと同様です。

Web-based System Manager および SMIT では、ソフトウェア・リストからパッケージを選択する場合、接頭部タイプを指定する必要はありません。

ファイルセット・インストール・パッケージプロダクトの中の各ファイルセットのインストール・パッケージは、3 つの部分に分割できます。

3 つの部分とは、ユーザー (usr) 部分、ルート (root) 部分、共用部分です。パッケージを理解する上では複雑になりますが、AIX 5.1 以降のディスクレス・クライアントやデータレス・クライアントを使用するためには、このソフトウェア・プロダクトの区分けが必要です。

このように区分けされているため、プロダクトを 1 つのマシン (サーバー と呼ばれます) をインストールしてから、ネットワーク上の他のマシン (クライアント と呼ばれます) が、リモートでそのプロダクトを使用できるようにすることができます。

注: プロダクトのユーザー部分とルート部分は、同一のインストール可能パッケージに組み込まれています。

ユーザー部分 ソフトウェア・プロダクトのユーザー部分には、そのプロダクトの、同じハードウェア・アーキテクチャーを備えたマシンが共有できる部分が含まれています。プロダクトの一部を構成するソフトウェアのほとんどが、通常このカテゴリーに入ります。

標準システムでは、プロダクトのユーザー部分は /usr ファイル・ツリーに保管されています。例えば、ls コマンドは /usr/bin/ls ファイルに入っています。

ルート部分 ユーザー部分は、どのプロダクトにもあります。ソフトウェア・プロダクトのルート部分には、プロダクトの共用不能な部分が含まれています。プロダクトのルート部分はオプションです。これは、プロダクトの多くが、個々のマシンに特有であることが必要とされるファイルをもたないためです。

クライアント/サーバー環境では、これらは、1 つのサーバーの各クライアントごとに、固有なコピーが存在する必要があるファイルです。ルート・ソフトウェアのほとんどは、マシンまたはプロダクトの構成に関係があります。

標準システムでは、プロダクトのルート部分は、ルート (/) ファイル・ツリーに保管されています。/etc/objrepos ディレクトリーには、インストール可能なソフトウェア・プロダクトの重要プロダクト・データ (VPD) のルート部分が入っています。

共用部分 ソフトウェア・プロダクトの共用部分には、そのプロダクトの、異なるハードウェア・アーキテクチャーを備えたマシンの間でも共用できる部分が含まれています。これには、実行可能でないテキストやデータ・ファイルが含まれます。例えば、プロダクトの共用部分には、ASCII テキストで書かれた文書や、特殊フォントを含むデータ・ファイルが入っています。

プロダクトの共用部分はオプションです。これは、異種ハードウェア・クロスプラットフォームで共用できるファイルがまったくないプロダクトも、多くあるためです。プロダクトの共用部分は、常に、個別にインストール可能なパッケージに組み込まれています。

標準システムでは、プロダクトの共用部分は通常、/usr/share ファイル・ツリーに保管されています。例えば、辞書データベースは /usr/share/dict/words ファイルに格納されます。

インストールおよび移行 193

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ソフトウェア・パッケージの作成mkinstallp コマンドにより、AIX 用に独自のソフトウェア・パッケージを作成することができます。

mkinstallp コマンドで作成したパッケージは installp フォーマットで、mkinstallp コマンドを使用してインストールまたは除去します。

mkinstallp コマンドでパッケージするファイルはディレクトリー構造でなければならないため、ルート・ビルド・ディレクトリーに相対するファイルの場所は、インストール後のファイルの宛先と同じになります。例えば、/usr/bin/somecommand コマンドを、mkinstallp パッケージを使用してインストールする必要があれば、mkinstallp コマンドの起動時に somecommand パラメーターが buildroot/usr/bin ディレクトリーに存在しなければなりません。

パッケージの内容が正しいディレクトリー構造である場合、mkinstallp コマンドは、コマンド行から基本パッケージ・データを求めるプロンプトを出します。このデータにはパッケージ名、必要条件、パッケージするファイルの説明などが含まれます。その後、mkinstallp コマンドは、ユーザーが指定した応答に基づいてテンプレート・ファイルを生成します。テンプレート・ファイルの使用中にコマンド行からのプロンプトが出ないようにするには、直接テンプレート・ファイルを作成して、編集し、-T フラグを指定してmkinstallp コマンドを実行します。

例えば、ビルド・ルートとして /tmp/packages を使用して /usr/bin/foo コマンドをパッケージするには、コマンド行で次のように入力して、次のディレクトリー構造が存在することを確認してください。

mkdir /tmp/packagestouch /tmp/packages/usr/bin/foo

次のように入力します。

mkinstallp -d /tmp/packages

その他の例については、/usr/lpp/bos/README.MKINSTALLP ファイルを参照してください。

mkinstallp コマンドは、bos.adt.insttools ファイルセットに組み込まれています。

ソフトウェア・バンドルのパッケージ化Web-based System Manager および SMIT のインストール・アプリケーションは、/usr/sys/inst.data/sys_bundles および /usr/sys/inst.data/user_bundles の中でバンドルを探します。

sys_bundles ロケーションは、通常、システム定義のバンドル (AIX に付属) 用に予約されています。ユーザーは、独自のバンドル・ファイルを user_bundles ディレクトリーに作成することができます。

バンドル定義ファイル名の末尾は .bnd にする必要があります。バンドルを処理する AIX インストール・インターフェースが、.bnd で終わるバンドル・ファイルだけを認識するためです。任意のエディターを使用して、バンドル・ファイルを作成してください。この中にコメントとファイルセット名を入れることができます。ポンド記号 (#) で始まる行は、コメントとして認識され、バンドル処理コードにより無視されます。ファイルセットのリストを完了したら、そのファイルを保管した上で、ファイルが適切な読み取りアクセス権をもっているか確認してください。バンドル・インストール・インターフェースを呼び出すと、.bnd拡張子を持たないバンドルが表示されます。

以下に、事前定義バンドルの例を示します。

v サーバー・バンドル。マルチユーザーのスタンドアロンまたはネットワーク環境で AIX を実行するマシン用のソフトウェア・パッケージの集合。このバンドルは、ディスク使用率よりも、機能性を強調します。

194 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v グラフィックス・バンドル。グラフィカル環境のサポートを提供するソフトウェア・パッケージの集合。グラフィカル・サポートは、一部のシステムでは、 BOS インストール中に自動的にインストールされることもあります。

v 移行バンドル。このバンドルは、BOS 移行プロセス中に、マイグレーション・インストールを完了するのに必要なディスク・スペースが不足した場合にだけ、作成されます。このバンドルは、移行を完了するためにインストールする必要のある、ソフトウェア・パッケージの集合で構成されます。マイグレーション・インストールを完了させるには、このバンドルをインストールする必要があります。 smitupdate_all 高速パスを使用してバンドルをインストールしてください。

また、グラフィックス・バンドル もインストールする必要がある場合があります。

一部のシステム・バンドルは、複数のメディアにまたがって展開されている、インストール・イメージを参照することがあります。使用中のメディアにファイルセットが見つからないというエラーがあった場合は、そのファイルセットが入ったメディアを挿入して、バンドルのインストールを再試行してください。

システム・バンドルは、/usr/sys/inst.data/sys_bundles ディレクトリーにあります。次のようにタイプして、システム・バンドルをリストします。

ls /usr/sys/inst.data/sys_bundles/*.bnd

または、SMIT list_bundle 高速パスを使用して、システム・バンドルをリストすることもできます。

AIX 5L バージョン 5.2 (5200-01 推奨メンテナンス・パッケージ適用) より、geninstall および gencopyコマンドは、バンドル・ファイルを使用するときに指定される複数のソフトウェア・ソースを取り扱えるようになりました。これは、バンドル・ファイルの #MEDIA= 見出し機能で、ソフトウェア・イメージをグループ化することによって行われます。見出し機能の下でリストされたイメージはすべて指定したメディアに必ず存在します。メディアは、CD (例えば、Base Install Media Volume 1 または AIX Linux Toolbox

CD) またはローカル・ディレクトリー (例えば、/usr/sys/inst.images ディレクトリー) のように名前で指定することができます。

#MEDIA= 見出しは、バンドル内のファイルセットまたはパッケージのロケーションを指定するために使用します。例えば、BaseAndLinuxCD Bundle に次の情報が含まれているとします。

# BaseAndLinuxCDBundle contains packages on volume 1 of base media and on the AIX# Linux Toolbox CD

#MEDIA=Base Install Media Volume 1I:bos.adt.prof

#MEDIA=AIX Linux Toolbox CDR:mtoolsR:vim-common

geninstall および gencopy コマンドが追加のメディアを求めるプロンプトを出す場合、#MEDIA= 行に示されるワードを使用します。上記の例では、geninstall および gencopy コマンドは、bos.adt.prof installpパッケージが Base Install Media Volume 1 にあるというメッセージを表示しています。また、mtools および vim-common RPM パッケージが AIX Linux Toolbox CD にあるメッセージも表示しています。

#MEDIA= 見出しはディレクトリーを示すためにも使用されます。例えば、CD_Directory Bundle に次の情報が含まれているとします。

# CD_DirectoryBundle contains packages on volume 1 of base install media# and in /usr/sys/inst.images

#MEDIA=/usr/sys/inst.imagesI:bos.games

インストールおよび移行 195

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#MEDIA=Base Install Media Volume 1I:bos.adt.profR:cdrecord-1.9-4

これは、geninstall および gencopy コマンドに、bos.games installp パッケージが 3 ディレクトリーにあること、bos.adt.prof installp パッケージおよび cdrecord-1.9-4 RPM パッケージが Base Install Media

Volume 1 にあることを通知しています。

AIX 5L バージョン 5.3 (5300-03 推奨メンテナンス・パッケージ適用)より、geninstall および gencopy コマンドは、バンドル・ファイル内の「%L」ワイルドカードを認識するようになっています。このワイルドカードは、実行時に、適切なロケール環境変数の値に置き換えられます。LC_ALL が最初に検査され、次に LC_MESSAGES、その後に LANG が検査されます。これにより、複数のインストール構成に対応する単一のバンドル・ファイルを作成することができます。

例えば、ABC プロダクトがあるとします。これには、abc.rte および abc.com ファイルセット、ならびにメッセージ・カタログ・ファイルセットおよび文書ファイルセットが必要です。その後、次のようにして、英語、フランス語、およびドイツ語のメッセージ・ファイルセットと文書ファイルセットを用意します。

abc.cat.en_USabc.cat.fr_FRabc.cat.de_DE

abc.doc.en_USabc.doc.fr_FRabc.doc.de_DE

次のバンドル・ファイルにより、ターゲット・システムのロケール変数に応じて、インストールされるファイルセットが適切に組み合わされます。

I:abc.rteI:abc.comI:abc.cat.%LI:abc.doc.%L

注: %L ワイルドカードを展開しても、インストール・メディアで使用可能なファイルセットに対応したファイルセット名が生成されない場合、現行ロケールの UTF-8 バージョンが試行され、次に en_US、その後に EN_US が試行されます。

バンドルの内容がシステムにインストールされているかどうかを、lslpp -Lb コマンドを使用して判別できます。例えば、/usr/sys/inst.data/sys_bundles ディレクトリーにある Alt_Disk_Install バンドルのコンポーネントがインストールされているかどうかを判別するには、次のコマンドを実行します。

lslpp -Lb Alt_Disk_Install.bnd

例えば、次のような出力が表示されます。

3. /usr/sys/inst.images

196 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Fileset Level State Type Description------------------------------------------------------------------------------------------------------bos.alt_disk_install.boot_images 5.3.00 C F Alternate Disk Installation Disk Boot Imagebos.alt_disk_install.rte 5.3.00 C F Alternate disk Installation Runtime

State codes:A -- Applied.B -- Broken.C -- Committed.E -- EFIX Locked.O -- Obsolete. (partially migrated to newer version)? -- Inconsistent State...Run lppchk -v.

Type codes:F -- Installp FilesetP -- ProductC -- ComponentT -- FeatureR -- RPM Package

ネットワーク・インストール管理を使用するインストールAIX ネットワーク・インストール管理 (NIM) を使用すると、1 台または複数のマシンへの基本オペレーティング・システム (BOS) およびオプションのソフトウェアのインストールを管理することができます。

共通に構成された複数のマシンを 1 つのグループとしてインストールすることも、指定のマシンの特定のニーズを満たすようにインストールをカスタマイズすることもできます。同時にインストールできるマシンの数は、ネットワークのスループット、インストール・サーバーのディスク・アクセスのスループット、およびサーバーのプラットフォームのタイプによって異なります。

NIM 環境は、クライアント・マシンとサーバー・マシンで構成されます。サーバー は、他のマシンにリソース (例えばインストールに必要なファイルやプログラム) を提供します。サーバーに依存してリソースの提供を受けるマシンを、クライアント といいます。NIM リソースを受け取るマシンはクライアントですが、同じマシンがネットワーク環境全体においてはサーバーになることもあります。

NIM 環境では、ほとんどのインストール作業は、マスター と呼ばれる 1 台のサーバーから実行します。一連のインストール作業を NIM クライアントから実行することもできます。ネットワークのインストール設定が完了すると、スタンドアロン・クライアントのユーザーは、 NIM サーバーで使用可能なソフトウェアを、そのクライアントからインストールできます。

NIM オブジェクトNIM 環境で管理するマシン、そのリソース、およびマシンが通信に使用するネットワークはすべて、マスター上に存在するセントラル・データベース内部のオブジェクト として表現されます。

ネットワーク・オブジェクトとその属性には、ネットワーク環境の物理的特性が反映されます。この情報は、物理ネットワークの実行に影響せず、NIM によって構成情報のために内部的に使用されます。

NIM 環境の各オブジェクトには、オブジェクトを定義するときに指定する固有名があります。 NIM 名は、それが識別するオブジェクトの物理的特性とは独立していて、NIM 操作だけに使用されます。固有名の利点は、使用する物理属性を指定せずに、NIM 名を使って操作を実行できるという点です。どのオブジェクト属性を使用するかは、NIM が判別します。例えば、NIM クライアントを識別しやすくするためにシステムのホスト名を NIM オブジェクト名として使用できますが、これらの名前は互いに独立しています。あるマシンである操作を実行すると、マシンの NIM 名を使ってそのマシンに関する他のすべてのデータが(ホスト名も含めて) NIM データベースから検索されます。

インストールおよび移行 197

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NIM マシンNIM 環境で管理できるマシンのタイプは、スタンドアロン、ディスクレス、およびデータレス の各クライアントです。ここでは、マシン間の違い、マシンを定義するために必要な属性、およびそれらのマシンで実行できる操作について説明します。

NIM 環境は、2 種類の基本的な役割を果たすマシン、つまり、マスター とクライアント で構成されます。 NIM マスターは、NIM 環境の他のマシンのインストールを管理します。マスターは、NIM コマンドをリモートのクライアント上で実行できる唯一のマシンです。 NIM 環境に含まれる他のすべてのマシンは、リソースの運用を担当するマシンも含めて、マスターに対するクライアントになります。

クライアント・マシンでの NIM の操作いろいろなクライアント構成を初期化するために、固有の操作があります。 NIM は、操作が特定のクライアント構成に対して有効であるかをチェックします。

次の表は、様々なクライアント構成タイプで実行できる操作を示しています。

NIM 操作 マシン構成

スタンドアロン ディスクレス データレス

bos_inst x

dkls_init x

dtls_init x

diag x x x

cust x

fix_query x

lppchk x

maint x

maint_boot x

reset x x x

check x x x

showlog x x x

reboot x x x

NIM クライアントの定義NIM の定義操作を用いて、スタンドアロン、ディスクレス、およびデータレスのクライアントを定義できます。

コマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t MachineType -a Attribute=Value ... MachineName

次の属性は必須です。

198 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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-t MachineType 定義するマシンのタイプを指定します。有効な値は、standalone、diskless、および dataless です。-a if=Value ... NIM クライアントについてのネットワーク・インターフェース情報を格納します。指定する場合は、

順序番号が必要です。この属性の値は、3 つの要求値と 4 番目に指定するオプション値で構成されます。

Value 1 このインターフェースの接続先となる NIM ネットワークの名前を指定します。その NIM ネットワークの名前が不明な場合は、find_net キーワードを使用して、クライアントの IP アドレスを定義済みの NIM ネットワークと突き合わせて調べることができます。 find_net キーワードを使用しても NIM で一致するネットワークが見つからない場合は、オプションのnet_definition 属性を使用して、同様にネットワークを定義します。

Value 2 このインターフェースに関連したホスト名を指定します。

Value 3 このインターフェースのネットワーク・アダプター・ハードウェア・アドレスを指定します。値 0 は、クライアントのネットワーク・ブート用にブロードキャストを使用していない場合に限り指定できます。

Value 4 このインターフェースに使用するネットワーク・アダプターの論理デバイス名を指定します。この値を指定しなかった場合は、NIM では、定義済みのネットワーク・インターフェースのタイプに基づくデフォルトが使用されます。異機種ネットワークのクライアントを定義する場合は、このフィールドは必須です。

この属性には、複数のネットワーク・インターフェースのそれぞれを NIM が区別するための順序番号が必要です。マシンはマルチホーム構成になっていることがあるので、NIM ではマシン 1 台について複数の if 属性を指定できます。

次の属性はオプションです。

-a ring_speed=Value クライアントのトークンリング・アダプターのリング速度を指定します。クライアントの NIM

ネットワークがトークンリングの場合は、この値は必須です。この属性には、マシン上の複数のインターフェースのそれぞれについて NIM がリング速度を区別するための順序番号が必要です。

-a cable_type=Value クライアントのイーサネット・アダプターのケーブル・タイプを指定します。クライアントのNIM ネットワークがイーサネットの場合は、この値は必須です。この属性には、マシン上の複数のインターフェースのそれぞれについて NIM がケーブル・タイプを区別するための順序番号が必要です。

-a netboot_kernel=Value クライアントのカーネル・タイプを指定します。有効な値は、ユニプロセッサー・マシンの場合は up で、マルチプロセッサー・マシンの場合は mp です。デフォルト値は up です。

-a iplrom_emu=Value IPL ROM エミュレーション・ソフトウェアが入っているデバイスを指定します。 bootp 開始の IPL ROM を備えていないマシンの場合、IPL ROM エミュレーションは必須です。

インストールおよび移行 199

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-a net_definition=Value ... 定義中のクライアントに関連付ける NIM ネットワークを定義します。この属性の値は、以下の要求値とオプショナル値で構成されます。

Value 1 = NetworkType (必須)

指定される値は tok、ent、fddi および generic です。

Value 2 = SubnetMask (必須)

ネットワークのドット 10 進マスクを指定します。

Value 3 = ClientGateway (オプション)

定義中のマシンが NIM マスターと通信するために使用する、デフォルト・ゲートウェイの IP アドレスまたはホスト名を指定します。

Value 4 = MasterGateway (オプション)

NIM マスターが他のサブネットのクライアントと通信するために使用する、デフォルト・ゲートウェイ IP アドレスまたはホスト名を指定します。

Value 5 = NetworkName (オプション)

ネットワーク用に作成された NIM 定義に与える名前を指定します (指定しなかった場合は、固有のデフォルト値が割り当てられます)。

マシン定義を作成または変更するために net_definition 属性を指定する場合は、マシンの if 属性の最初のコンポーネントとして、 find_net キーワードを指定する必要があります。net_definition 属性は、マシン定義で追加の NIM インターフェース (if 属性) を定義するときにも指定できます。

-a cpuid=Value 定義中のマシンの CPU ID を指定します。この属性は、NIM 操作の実行中にクライアントを確認するために使用できます。実行中のマシンで CPU ID を表示するには uname -m コマンドを使用します。このフィールドは、オプションでクライアントが NIM マスターと初めて通信するときに自動的に設定されます。

-a master_port=Value NIM マスターがクライアントとのソケット通信に使用するポート番号を指定します。デフォルトのマスター・ポート番号は、1058 です。

-a registration_port=Value クライアントが、自身を NIM マスターに登録するために使用するポート番号を指定します。デフォルトの登録ポート番号は、1059 です。

-a group=Value クライアントの追加先のマシン・グループを指定します。指定のグループが存在していない場合は、新たに定義されます。

-a comments=Value 定義中のクライアントについてのコメントを記述します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、verbose=5 を使用しま

す。-a net_settings=Value1 Value2 ネットワーク・インストール時にクライアントのイーサネット・アダプターで使用する速度と二

重通信方式の設定を指定します。指定するときにシーケンス番号が必要です。クライアントのインストールおよびリブートの開始時に、これらのパラメーターが NIM によってブート・リストに設定されます。この属性は、AIX バージョン 5.2 以上を実行するクライアントにのみ有効です。

Value1= auto、10、100、または 1000

デフォルト値は 100 です。

Value2 = auto、half、または full

デフォルト値は full です。以下に例を挙げます。

nim -o change -a net_settings1="10 half" jellyfish

-a connect=Value NIM クライアントが NIM コマンドのリモート実行に使用する通信サービスを指定します。値のオプションは shell (RSH 用) と nimsh です。デフォルト設定は connect=shell です。

スタンドアロン NIM クライアントのブートおよび操作スタンドアロン NIM クライアントのブートおよび操作は、ローカル・リソースから行うことができます。

200 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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スタンドアロン・クライアントは、すべてのファイルシステムをローカル・ディスクからマウントしローカル・ブート・イメージを持っています。スタンドアロン・クライアント操作はネットワーク・サーバーに依存していません。

ネットワークからのスタンドアロン・クライアントのブート:

インストール後のスタンドアロン・クライアントはローカル・ディスクからブートできますが、特定のNIM 操作は、クライアントのネットワーク・ブートを実行しなければならない場合があります。

NIM がクライアントの BOS インストール (bos_inst) を実行する場合、またはブート時に保守モード(maint_boot) に入って診断 (diag) を実行する場合は、ネットワークを介してクライアントをブートする必要があります。ネットワークを介したクライアントのブートについては、『ネットワークを介した特定マシンのブート』を参照してください。

スタンドアロン・クライアントでのソフトウェアの管理:

AIX 基本オペレーティング・システムは、NIM の bos_inst 操作を用いてスタンドアロン・クライアントに直接インストールできます。

追加のソフトウェアおよび更新は、NIM の cust および maint 操作を用いてスタンドアロン・クライアントにインストールして、管理することができます。操作についての詳細は、 228ページの『NIM 操作』を参照してください。

ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの定義ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントは、ネットワーク上のサーバーの助けを借りなければブートも実行もできないマシンです。

名前からも分かるように、ディスクレス・クライアントにはハード・ディスクがなく、データレス・クライアントには、ディスクはありますが、操作に必要なデータをすべて保持できません。ディスクレス・マシンは、ページング・スペースおよびすべてのファイルシステムをリモート・サーバーからマウントする必要があります。データレス・マシンは、ページング・スペース用のローカル・ディスクと、/tmp および /home

ファイルシステムだけを使用できます。ディスクレス・クライアントにもデータレス・クライアントにもローカル・ブート・イメージはなく、どちらのクライアントもネットワーク上のサーバーからブートする必要があります。

マシンをディスクレスまたはデータレスとして定義する利点は、次のようなものです。

v 費用が節減できる

ディスクレス・クライアントの場合は、ハード・ディスクは不要です。データレス・クライアントの場合は、小容量のハード・ディスクがあれば済みます。

v 各マシンのソフトウェア構成を管理できる

ディスクレス・クライアントやデータレス・クライアント上では、BOS を搭載したファイルシステムはサーバーからマウントされます。 BOS 用の同じファイルシステムをマウントするすべてのクライアント・システムは、同一のソフトウェアから実行されます。

v ユーザー・データのストレージを管理できる

ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアント用のユーザー・データは、リモート・サーバーに格納されます。システム管理者は各マシンにあるデータを個別に管理しなくてもサーバー上のデータを管理することによってクライアント・マシン用のストレージ割り当てとデータ・バックアップを管理できます。

インストールおよび移行 201

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ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのリソース:

ディスクレスおよびデータレスのクライアント・マシンによりマウントされたファイルシステムは、 NIM

環境内のリソースとして取り扱われます。これらのリソースは、他のリソースと同様に NIM 環境内部に存在していて、それらを使用するクライアントに宛てて NFS エクスポートされます。

ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントをサポートするために NIM が管理するリソースは、次のとおりです。

boot NIM クライアント用のネットワーク・ブート・イメージとして定義されます。ブート・リソースは、NIM

により自動的に管理されるもので、ユーザーが明示的に割り当てまたは割り当て解除することはできません。

SPOT すべてのマシンに共通の AIX 実行時ファイルが含まれるディレクトリー構造として定義されます。これらのファイルは、ファイルセットのユーザー部分と呼ばれます。SPOT リソースは、/usr ファイルシステムとしてディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントにマウントされます。

ファイルセットのルート部分が含まれています。ファイルセットのルート部分とは、特定のマシン用のソフトウェアを構成するために使用されるファイルのセットです。これらのルート・ファイルは、SPOT 内部の特殊ディレクトリーに格納され、初期化時にディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのルート・ディレクトリーに転送するために使用されます。

クライアントのブートに使用されるネットワーク・ブート・イメージは、SPOT にインストールされているソフトウェアから作成されます。

SPOT リソースは、ディスクレス・クライアントの場合もデータレス・クライアントの場合も必須です。root クライアントの「/」(ルート) ディレクトリーの親ディレクトリーとして定義されます。ルート・リソース

内のクライアント・ルート・ディレクトリーは、「/」(ルート) ファイルシステムとしてクライアントにマウントされます。

クライアント用のリソースの初期化時に、クライアントのルート・ディレクトリーに構成ファイルが転送されます。これらの構成ファイルは、同じマシンに割り当てられた SPOT リソースからコピーされます。

root リソースは、ディスクレス・クライアントの場合もデータレス・クライアントの場合も必須です。dump クライアントのダンプ・ファイルの親ディレクトリーとして定義されます。ダンプ・リソース内のクライア

ント・ダンプ・ファイルは、クライアント用のダンプ・デバイスとしてマウントされます。

ダンプ・リソースは、ディスクレス・クライアントの場合もデータレス・クライアントの場合も必須です。paging クライアントのページング・ファイルの親ディレクトリーとして定義されます。ページング・リソース内の

クライアント・ページング・ファイルは、クライアント用のページング・デバイスとしてマウントされます。

ページング・リソースは、ディスクレス・クライアントの場合は必須、データレス・クライアントの場合はオプションです。

home クライアントの /home ディレクトリーの親ディレクトリーとして定義されます。ホーム・リソース内のクライアント・ディレクトリーは、/home ファイルシステムとしてクライアントにマウントされます。

home リソースは、ディスクレス・クライアントの場合もデータレス・クライアントの場合もオプションです。

shared_home 複数のクライアントで共有する /home ディレクトリーとして定義されます。shared_home リソースを使用するすべてのクライアントは、/home ファイルシステムと同じディレクトリーをマウントします。

shared_home リソースは、ディスクレス・クライアントの場合もデータレス・クライアントの場合もオプションです。

tmp クライアントの /tmp ディレクトリーの親ディレクトリーとして定義されます。tmp リソース内のクライアント・ディレクトリーは、/tmp ファイルシステムとしてクライアントにマウントされます。

tmp リソースは、ディスクレス・クライアントの場合もデータレス・クライアントの場合もオプションです。

202 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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resolv_conf ネーム・サーバー IP アドレスとネットワーク・ドメイン・ネームが含まれています。

ディスクレス/データレス・クライアントで使用される他のリソースとは異なり、resolv_conf リソースは、クライアントにマウントされた状態のままにはなりません。このリソースは、クライアントのルート・ディレクトリーの /etc/resolv.conf ファイルにコピーされます。

resolv_conf リソースは、ディスクレス・クライアントの場合もデータレス・クライアントの場合もオプションです。

ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの初期化:

ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントは、スタンドアロン・マシンとは異なる方法でインストールされます。これらのクライアントは、初期化されます。ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの初期化には、次に示すようないくつかの操作フェーズが含まれています。

リソースの割り当て ディスクレス/データレス・クライアントをサポートするのに必要なリソースは、初期化操作の前または途中で、クライアントに割り当てる必要があります。

リソースがクライアント・ディレクトリーの親ディレクトリーである場合は、この割り当てにより、クライアント用の空のサブディレクトリーが作成されます。次に、このクライアント・サブディレクトリーがクライアントに NFS エクスポートされます。初期化が実際に実行されるまでは、このクライアント・サブディレクトリーは転送されません。

クライアントの初期化 dkls_init および dtls_init 操作は、クライアントが使用するリソースを初期化するために NIM で使用されます。

クライアントの初期化時に実行される操作は次のとおりです。

v ネットワーク・ブートを実行するために、ブート・イメージがクライアントにとって使用可能になる。

v マシン固有のカスタマイズに使用されるルート・ファイルが、ルート・リソース内のクライアントのサブディレクトリーにコピーされる。クライアントのルート・ディレクトリーにコピーされるファイルは、そのクライアントに割り当てられた SPOT リソースから取り出されます。

v /tftpboot/Client.info ファイルがブート・サーバー (つまり SPOT サーバー) 上に作成される。このファイルには、始動構成処理の実行中にディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントとして正常に構成するためにクライアントで必要とされる情報が含まれています。

Client.info ファイルに定義される変数をいくつか次に示します。

export NIM_CONFIGURATION=disklessexport RC_CONFIG=rc.dd_bootexport ROOT=Host:Client_Root_Directoryexport SPOT=Host:SPOT_Location

ページング・ロケーションは、/etc/swapspaces ファイル内のクライアントのルート・ディレクトリーに設定されます。

クライアントのネットワーク・ブート

クライアントのネットワーク・ブート・クライアント・マシンは、該当のマシン・タイプの標準bootp プロシージャーを使用して、ネットワークを介してブートされます。クライアントはブート・イメージを取得し、RAM 内のファイルシステムでミニカーネルの実行を開始します。

クライアントは、Client.info ファイルを SPOT サーバーの /tftpboot ディレクトリーから tftp 転送します。 Client.info ファイルの中の情報は、そのクライアントをディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンとして正しく構成するために使用されます。

リモート・ファイルシステムは、リソース・サーバーからマウントされます。

クライアントがデータレス・クライアントであってページング、tmp、ホーム またはshared_home リソースが割り当てられていない場合はそのクライアントは欠落ファイルシステムをローカル・ハード・ディスクに作成することになります。

インストールおよび移行 203

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ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのソフトウェアの管理:

ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの /usr およびルート・ファイルシステムは、サーバーからマウントされたリソースです。したがってディスクレスまたはデータレス・クライアントのソフトウェアをインストールまたはアンインストールするためには、クライアントが使用するリソース上でその処理が実際に実行される必要があります。

SPOT には、インストール済みの /usr ファイルシステムのディレクトリー構造が含まれています。また、インストール済みのファイルセットの「ルート」部分のサブディレクトリーも含まれています。 SPOT には usr とルート・ファイルの両方が含まれているため、クライアントで実行するソフトウェアを更新するには、ソフトウェア保守を SPOT に対して実行する必要があります。このようなアクションは、NIM のcust および maint 操作を使って実行します。 cust および maint 操作についての詳細は、 228ページの『NIM 操作』を参照してください。

SPOT が現在クライアント用に割り当てられている場合は、NIM はそれに対するソフトウェア・カスタマイズ操作を実行されないようにします。これは、実行中のクライアント・マシンに悪影響を及ぼすような変更から、SPOT を保護するための措置です。ただし、この制限は、操作の実行時に「force (強制)」オプションを指定してオーバーライドすることができます。

NIM を使用して SPOT にソフトウェアをインストールする場合は、ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアント用のソフトウェアを管理するために、次の操作が実行されます。

1. /usr ファイルが SPOT にインストールされます。これらのファイルは自動的に、SPOT を自分の /usrファイルシステムとしてマウントするすべてのクライアントから見える状態になります。

2. ルート・ファイルが SPOT 内の特殊サブディレクトリーにインストールされます。

3. すべてのファイルセットが SPOT にインストールされると、SPOT に基づいて初期化されたすべてのディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントのルート・ディレクトリーに、ルート・ファイルがコピーされます。

NIM を使用して SPOT 内のソフトウェアをアンインストールする場合は、ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアント用のソフトウェアを管理するために、次の操作が実行されます。

1. /usr ファイルが SPOT から除去されます。これによって、ファイルは、クライアント・システムからも自動的に「除去」されます。

2. ソフトウェアのルート・ファイルが、クライアントのルート・ディレクトリーから除去されます。

NIM には、sync_roots 操作も備わっています。この操作では、クライアントのルート・ディレクトリーとSPOT に格納されているルート部分との一致を確保するための整合性検査と訂正が実行されます。

NIM ネットワークの確立NIM マスターを構成する場合は、マスターに関連するネットワークは NIM 環境に自動的に定義されます。追加の NIM ネットワークを定義する必要があるのは、クライアントが別のローカル・エリア・ネットワークまたはサブネット上にある場合のみです。

ある種の NIM 操作を実行するには、クライアントのネットワーク・インターフェースの構成に必要な情報を NIM マスターが提供できるようになっている必要があります。また、NIM マスターは、操作をサポートするために必要なすべてのリソースにクライアント・マシンがアクセスできることを確認する必要があります。個々のクライアントについてネットワーク情報を繰り返し指定することから生じるオーバーヘッドを避けるために、NIM ネットワークを使用して、同じ NIM 環境内のネットワークを表します。 NIM クラ

204 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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イアントを定義する場合は、各クライアントに関連するネットワークを指定する必要があります。 NIM 操作の実行中に、NIM マスターは必要に応じて、クライアントのネットワーク定義から情報を取り出して使用できます。

サポートされる NIM ネットワーク・タイプ以下のネットワーク・タイプを使用して NIM をサポートすることができます。

v イーサネット

v 標準イーサネット

v IEEE 802.3 イーサネット

v トークンリング

v FDDI

v ATM

v 汎用

イーサネット、トークンリング、および FDDI は、ネットワーク・ブート・サポートが提供されています。他のネットワーク・アダプターとは異なり、 ATM アダプターは、マシンをブートするためには使用できません。したがって、ATM ネットワークを介してマシンをインストールするには特別な処理が必要です。 272ページの『ATM ネットワークでの NIM の使用』を参照してください。汎用ネットワーク・タイプは、ネットワーク・ブート・サポートが使用できない他のすべてのネットワーク・タイプを表すために使用されます。汎用ネットワークのクライアントは、ネットワーク・ブートの必要な NIM 操作 (bos_instや diag など) はサポートされません。ただし、cust や maint などの非ブート操作は実行できます。ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントは、本質的にネットワーク・ブート機能に依存する性格のものなので、汎用ネットワークに関連付けることはできません。

NIM ネットワークの定義NIM 環境では、ネットワークは NIM の define 操作を使用して定義されます。

コマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t NetworkType -a Attribute=Value ... MachineName

次の属性は必須です。

-a net_addr=Value 定義対象のネットワークの IP アドレスを指定します。ネットワーク・アドレスが不明な場合は、 206ページの『ネットワークの IP アドレスの判別』を参照してください。

-a snm=Value ネットワークのサブネット・マスクを指定します。-t NetworkType 定義対象のネットワークのタイプを指定します。有効な値は、atm、tok、ent、fddi、および

generic です。

次の属性はオプションです。

-a comments=Value このネットワークについてのコメントを記述します。-a ieee_ent=Value IEEE 802.3 イーサネット構成を指定します。この指定は、ent タイプを指定して定義さ

れているネットワーク、または other_net_type 属性を ent に設定しているネットワークの場合のみ有効です。

インストールおよび移行 205

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-a other_net_type=Value この論理ネットワークに適用する別のネットワーク・タイプを指定します。各 NIM ネットワークは、NIM 環境に存在する 1 つの論理ネットワークを表すために使用されます。ネットワークを定義するときは、ネットワークで使用するネットワーク・インターフェースのタイプを指定する必要があります。一般に、1 つのネットワークは 1 つだけのタイプで構成されます。しかし、ブリッジを使用して異機種ネットワーク・タイプを接続して、1 つの論理ネットワークを形成できます。この場合は、他のネットワーク・インターフェース・タイプが何かを NIM に知らせる必要があり、その情報を指定するためにこの属性を使用します。 other_net_type 属性の使用方法について詳しくは、 207

ページの『異機種ネットワークの定義』を参照してください。-a routing=Value ... ネットワーク用の NIM 経路指定情報を格納します。この属性を指定する場合は、順序

番号が必要です。新しい NIM 経路を指定する場合、routing 属性は次の 3 つの値で構成されます。

Value 1 この経路の宛先ネットワークの NIM 名を指定します。

Value 2 宛先ネットワークと通信するために使用するゲートウェイのホスト名を指定します。

Value 3 宛先ネットワークがこのネットワークに返信するために使用するゲートウェイのホスト名を指定します。

この属性を使用して、デフォルト経路または静的経路を追加できます。デフォルト経路を追加するには、default を Value 1 に指定します。次に、ネットワークのデフォルト・ゲートウェイを Value 2 に指定します。Value 3 はブランクにしておきます。

経路の追加および変更について詳しくは、 207ページの『NIM 経路の定義』、 309ページの『ネットワーク間のデフォルト NIM 経路の確立』、および 310ページの『ネットワーク間の静的 NIM 経路の確立』を参照してください。

-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、verbose=5 を使用します。

クライアント・マシンを定義するときに NIM ネットワークを自動的に定義することもできます。そのためには、クライアントの定義時に、属性 find_net および net_definition を使用します。詳しくは、 198ページの『NIM マシン』を参照してください。

ネットワークの IP アドレスの判別NIM は、ネットワークのサブネット・マスクのバイナリー表現および同じネットワーク上の任意のマシンの IP アドレスのアドレスに対して、ビット単位の「AND」演算を実行することによって、ネットワークの IP アドレスを判別します。

以下に例を挙げます。

subnet mask = 255.255.254.0client address = 129.35.58.207

In binary:

subnet mask = 11111111.11111111.11111110.00000000client address = 10000001.00100011.00111010.11001111

network address = 10000001.00100011.00111010.00000000

In decimal:

network address = 129.35.58.0

206 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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NIM 経路の定義NIM は、経路指定情報を内部的に使用して、あるネットワークのクライアントが別のネットワークのサーバーと確実に通信できるようにします。この情報は、あるネットワークから別のネットワークに向かうために使うゲートウェイを定義します。

NIM はデフォルト経路または静的経路を定義するための機能を提供します。デフォルト NIM 経路には、静的経路に比べて次の利点があります。

v 共通ネットワーク環境のネットワーク構成のモデル化がより厳密です。

v NIM 環境内のどのクライアントから、NIM 環境全体に分散するリソースにより簡単にアクセスできるようになります。

特定のネットワーク上のマシンが使用するゲートウェイを判別するには、そのネットワークで実行中のマシンで netstat -rn を実行して、デフォルト・ゲートウェイがリストされるかどうかを調べます。また、該当のネットワークで実行中のマシンから traceroute Host_Name を発行して判別することもできます。ここで、Host_Name は、クライアントのゲートウェイを判別する場合はマスターの 1 次ネットワーク・インターフェースの名前であり、マスターが使用するゲートウェイを判別する場合はターゲット・クライアントの名前です。最初にリストされるゲートウェイは、指定されたネットワークでマシンが使用するゲートウェイです。

NIM 環境で定義されている唯一のネットワークが NIM マスターで定義されたインターフェース (if 属性)

に関連付けられていて、すべてのリソースがマスターで定義されている場合、NIM 経路は必要がないことに注意してください。リソースがマスター以外のマシンの担当下にあり、サーバーと同じネットワーク上にないクライアントに提供されている場合は、すべてのネットワークがそのマスターに所属しているインターフェースに接続されていたとしても、これらネットワーク間に NIM 経路が必要です。このことは、すべてのネットワークがマスターに所属している場合も同じです。この場合、マスターは (IP 転送スイッチがオンになった) ゲートウェイとして機能している必要があり、マスター上のインターフェースのホスト名をゲートウェイとして使用する必要があります。

NIM マシンが定義されているとき、デフォルト経路のネットワークが自動的に作成されることがあります。

ネットワーク間の通信は、いくつかのゲートウェイを経由して行われます。ただし、ネットワーク用のNIM 経路を定義する場合は、関心の対象にするゲートウェイはネットワークが宛先に到達するために使用する最初のゲートウェイのみであるということを覚えておくことが重要です。発信元ネットワークと宛先ネットワークの間にある中間ゲートウェイは、NIM の経路指定という目的にとっては意味がありません。

異機種ネットワークの定義NIM の機能により、異なるデータ・リンク・プロトコル・セグメントで構成されるネットワークをモデル化することができます。

異なるデータ・リンク・プロトコル・セグメントで構成されるネットワークは、ブリッジを使用して、異なるデータ・リンク・プロトコルを持つ 2 つのセグメントを接続します。トークンリング・セグメントとイーサネット・セグメントから成るネットワークを接続して、次の図に示すように、単一の論理ネットワークを形成できます。

インストールおよび移行 207

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単一の NIM ネットワーク・オブジェクトを使用して 1 つのネットワークを表すため、同じネットワーク内で共存できる異なるタイプのインターフェースのために other_net_type 属性が予約されています。other_net_type 属性は、ネットワーク・オブジェクトの定義に追加することができます。other_net_type 属性がネットワーク定義にある場合、この属性は NIM に対して、この論理ネットワークがブリッジを使用して、他のネットワーク・タイプをオブジェクトの定義時に指定されたネットワーク・タイプに接続することを伝えます。

ネットワーク・オブジェクトに接続するマシン・オブジェクトを定義すると、NIM はネットワークにother_net_type 属性があるかどうかを検査します。この属性がある場合は、NIM は、if 属性の 4 番目のフィールド (通常はオプション) が指定されることを要求します。このフィールドは、クライアントのネットワーク・アダプターの論理名を指定します。以下の例は、トークンリングとイーサネット・セグメントを結合するブリッジがあるネットワーク・オブジェクトを定義します。

nim -o define -t tok -a net_addr=129.35.129.0 ¥-a snm=255.255.240.0 -a other_net_type1=ent b905net

lsnim -l b905net

class = networktype = toknet_addr = 129.35.128.0snm = 255.255.240.0other_net_type1 = entNstate = ready for useprev_state = information is missing from this object's def>

ネットワークはブリッジによりリンクされる 3 タイプのすべてのインターフェースで構成される場合があるため、other_net_type 属性にはシーケンス番号が必要になります。

ブリッジを使って、トークンリング・ネットワークに結合されたイーサネット・セグメントに物理的に接続される (マスターがトークンリング側にある) クライアントのインターフェースを定義するときは、第 4

フィールドを指定する必要があります。

nim -o define -t standalone -a if1='find_net mymac 08005ac9430c ¥ent' -a cable_type1=bnc mymac

図 1. 異機種ネットワーク: この図は、マスター・サーバーが、トークンリング接続とブリッジを使用して、イーサネット・セグメント上のクライアントと通信を行う、単一の IP ネットワークを示しています。

208 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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NIM ネットワークへの別のネットワーク・タイプの追加Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用して、NIM ネットワークに別のネットワーク・タイプを追加することができます。

Web-based System Manager を使用する NIM ネットワークへの別のネットワーク・タイプの追加:

Web-based System Manager を使用して NIM ネットワークに別のネットワーク・タイプを追加するには、次の手順に従います。

1. NIM ネットワーク・コンテナーで、任意のネットワークのアイコンをダブルクリックします。「Properties (属性)」ノートブックの「General (一般)」ページが開きます。

2. 「General (一般)」ページを使用して、1 つのネットワーク・タイプをネットワークに追加します。

SMIT を使用する NIM ネットワークへの別のネットワーク・タイプの追加:

SMIT を使用して NIM ネットワークに別のネットワーク・タイプを追加するには、次の手順に従います。

1. 別のネットワーク・タイプを追加するには、smit nim_chnet 高速パスを入力します。

2. 変更するネットワークを選択します。

3. サポートする追加ネットワーク・タイプを指定します。

コマンド行からの NIM ネットワークへの別のネットワーク・タイプの追加:

コマンド行から NIM ネットワークに別のネットワーク・タイプを追加するには、次の手順に従います。

NIM ネットワークを定義するには、次のように入力します。

nim -o change -a other_net_typeSequenceNumber=NetworkType NetworkName

例えば、network1 というトークンリング・ネットワークを、イーサネットと FDDI もサポートするように変更するには、次のように入力します。

nim -o change -a other_net_type1=ent -a other_net_type2=fddi network1

NIM リソースNIM 環境のクライアント上のすべての操作は、1 つ以上のリソースを必要とします。

NIM リソース・オブジェクトは、あるタイプの NIM 操作をサポートするために使用されるファイルとディレクトリーを表します。 NIM リソースは、AIX オペレーティング・システムの通常のファイルシステム・オブジェクトであるため、NIM リソースのほとんどは、標準ネットワーク・ファイルシステム (NFS)

ソフトウェアを使用してクライアントに提供されます。つまり、NFS はファイルシステム・オブジェクトをエクスポートするだけなので、多くのリソースはこれらのリソースを提供するサーバー上に、ローカルに存在する必要があります。ファイルシステム・オブジェクトは、エクスポートされるマシンのローカル・メディアに格納されています。

NIM ソフトウェアのインストールおよび保守操作をサポートするには、多数のリソース (ファイルおよびディレクトリー) が必要です。リソースは、Web-based System Manager の「New Resources (新規リソース)」ウィザードにより追加することができます。

個々のリソースについての詳細情報を入手するには、NIM マスターから次のように入力します。

lsnim -Pa ResourceType

Web-based System Manager および SMIT インターフェースの場合は、コマンド行インターフェースの場合には必要となる細かな指定の多くをユーザーが行う必要がないように構成されています。したがって、この

インストールおよび移行 209

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セクションでは、コマンド行で使用するリソース・タスク手順についてのみ説明します。次の情報は他の 2

つのインターフェースにも同様に当てはまりますが、これらのインターフェースについての説明は、該当のアプリケーションで利用可能なオンラインのコンテキスト・ヘルプを参照してください。

adapter_def リソースの使用adapter_def リソースは、bos_inst および cust 操作で使用される 2 次アダプター構成ファイルを含むディレクトリーを表します。

adapter_def リソース・ディレクトリーは、nimadapters コマンドにより 2 次アダプター構成ファイルと共に転送されます。

adapter_def リソースの定義:

adapter_def リソースを定義するために、次の構文と属性を使用できます。

adapter_def リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t adapter_def -a Attribute=Value ... adapter_defName

adapter_def リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value adapter_def リソース・ディレクトリーの絶対パス名を指定します。-a server=Value adapter_def リソース・ディレクトリーが常駐しているマシンの名前を指定します。マスターだけ

が adapter_def リソースを供給できます。

次の属性は、adapter_def リソースでは、オプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value 操作に使用するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。

2 次アダプター・サポートは、AIX 5.2 以降で使用可能です。 2 次アダプターを使用可能にする前に、クライアントが実行される AIX のバージョンを確認する必要があります。 2 次アダプター・サポートは、AIX 5.1 以前でのクライアントでは使用できません。 NIM による /usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods/

c_cfgadptrs クライアント・メソッドの検出ができないために、2 次アダプターは構成に失敗することになります。このサポートを NIM マスターで使用可能にしようとした場合の結果の例を、次に示します。

nim -o cust -a adapter_def=adapter_def1 rspc10trigger.austin.xyz.com. 0042-001 nim: processing error encountered on "master":0042-001 m_cust: processing error encountered on "rspc10":0042-175 c_script: An unexpected result was returned by the"trigger.austin.xyz.com:/export/nim/scripts/rspc10.script" command:/tmp/_nim_dir_4714/script[10]: /usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods/c_cfgadptrs: not found.

boot リソースの使用boot リソースは、内部的に管理される NIM リソースで、ブート・イメージがクライアントに割り当てられたことを示すために使用されます。

boot リソースは、ネットワーク・ブートを必要とする NIM 操作をサポートするために、クライアントに自動的に割り当てられます。操作が完了すると、boot リソースは自動的に割り当て解除されます。

bosinst_data リソースの使用bosinst_data リソースを使用すると、インストールの前にデータを NIM リソースで指定することができます。

210 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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bosinst_data リソースは、BOS インストール・プログラム用の情報が含まれているファイルを表します。通常、BOS インストール・プログラムは、BOS インストール・イメージの中にある /bosinst.data ファイルでこの情報を探します。このファイルが存在しないか、あるいは BOS インストール・プログラムに必要なすべての情報がこのファイルに含まれていない場合は、BOS インストール・プログラムは、ターゲットにとってローカルなコンソールを使って情報を入力するように求めます。この場合は、情報を手操作で入力しないと、BOS インストールが先に進みません。bosinst_data リソースを使用すると、インストールの前にデータを NIM リソースで指定できるため、コンソールでプロンプトに答える必要がなくなります。

サンプルの bosinst.data ファイル (SPOT_Offset /usr/lpp/bosinst/bosinst.template) は、SPOT リソース・サーバーに入っています。また、 271ページの『プロンプトなしの BOS インストールの実行』 でサンプルの bosinst_data ファイルも参照してください。

bosinst_data ファイルの作成および使用方法については、 271ページの『プロンプトなしの BOS インストールの実行』を参照してください。

bosinst_data リソースの定義:

bosinst_data リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

bosinst_data リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t bosinst_data -a Attribute=Value ... bosinst_dataName

bosinst_data リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value bosinst_data リソース・ファイルの絶対パス名を指定します。-a server=Value bosinst_data リソース・ファイルが常駐しているマシンの名前を指定します。

次の属性は、bosinst_data リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。-a source=Value 新規リソースの定義時に複製する既存の bosinst_data リソースを指定します。ソース・リソースで

指示されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

dump リソースの使用dump リソースは、クライアント・ダンプ・ディレクトリーを維持するディレクトリーを表します。

dump リソースがクライアントに割り当てられている場合、NIM はそのクライアント専用のサブディレクトリーを作成します。この割り当てられたサブディレクトリーは、dkls_init または dtls_init 操作により初期化され、その結果、このサブディレクトリーに空のファイルが作成されます。初期化後は、クライアントは、作成する ダンプ・イメージを保管するために、このファイルを使用します。

注: その後、ユーザーがこのリソースを割り当て解除すると、NIM はダンプ・ファイルと、クライアント専用に作成したサブディレクトリーを除去します。

dump リソースの定義:

dump リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

dump リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t dump -a Attribute=Value ... DumpName

インストールおよび移行 211

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dump リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value クライアントのダンプ・ファイルの親ディレクトリーの絶対パス名を指定します。-a server=Value dump リソースのディレクトリーが作成されるマシンの名前を指定します。

次の属性は、dump リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。

exclude_files リソースの使用このリソースは、実行中の NIM クライアントから mksysb リソースを作成するときに使用できます。

exclude_files リソースは、システム・バックアップ・イメージを作成するときに除外するファイルおよびディレクトリーのリストが含まれているファイルを表します。

exclude_files リソースの定義:

exclude_files リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

exclude_files リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t exclude_files -a Attribute=Value ... exclude_filesName

exclude_files リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value mksysb から除外するファイルとディレクトリーのリストを含むファイルの絶対パス名を指定します。

-a server=Value exclude_files リソースのファイルが常駐しているマシンの名前を指定します。

次の属性は、exclude_files リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。-a source=Value 新規リソースの定義時に複製する既存の exclude_files リソースを指定します。ソース・リソース

で指示されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

fb_script リソースの使用fb_script リソースを使用して、デバイス構成情報を指定します。

fb_script リソースは、BOS インストール・プロセスが完了した後、NIM クライアントが初めてブートする際に、デバイスを構成するために使用するファイルを表します。カスタマイズ操作の中には、BOS のインストール中に実行できないものがあります (入出力装置構成など)。これは、特定のデーモンが実行していることが必要なためですが、 BOS インストールのこの時点では、デーモンは使用不可です。そのため、一部のデバイスはシステムのリブート中には構成されず、システムがブートした後に手動で構成しなければなりません。

fb_script リソースを使用して、デバイス構成情報を指定することができます。BOS インストール・プロセスは、fb_script リソースの内容を、クライアントが初めてブートする時に実行される /etc/firstboot ファイルに追加します。それから、/etc/firstboot ファイルがデバイス構成を実行します。

212 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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fb_script リソースの定義:

fb_script リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

fb_script リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t fb_script -a server=server_name ¥-a location=fbscript_file_location fbscript_object_name

fb_script リソースが定義された後、このリソースを割り当て、以下のように fb_script リソースを使用して BOS インストール操作を開始することができます。

nim -o bos_inst -a fb_script=fbscript_object_name client_name

fb_script リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value fb_script リソースとして定義されるファイルの絶対パス名を指定します。-a server=Value fb_script リソースのファイルが常駐するマシンの名前を指定します。

次の属性は、fb_script リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a source=Value 新規リソースの定義時に複製する既存の fb_script リソースを指定します。ソース・リソースで指

示されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

fix_bundle リソースの使用fix_bundle リソースは、instfix コマンドで使用する fix キーワードが含まれているファイルを表します。このコマンドは、NIM の cust および fix_query 操作により呼び出されます。

NIM は fix_bundle リソースをクライアントにマウントするため、このリソースをローカルの instfix コマンドで使用することができます。操作が完了すると、 NIM はこのリソースを自動的にアンマウントします。

フィックスには、単一のファイルセット更新ソフトウェアか、または何らかの形で相互に関連のある複数のファイルセット更新ソフトウェアが含まれています。フィックスは、固有のキーワードにより識別されます。フィックスがプログラム診断依頼書 (APAR) 番号により識別されている場合は、その番号に対応する報告済みソフトウェア問題は、このフィックスに入っているファイルセット更新ソフトウェアによって解決できます。

fix_bundle リソースの定義:

fix_bundle リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

fix_bundle リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t fix_bundle -a Attribute=Value ... fix_bundleName

fix_bundle リソースには、次の属性が必須です。

インストールおよび移行 213

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-a location=Value 管理するフィックスのリストが含まれているファイルの絶対パス名を指定します。-a server=Value fix_bundle リソース・ファイルが常駐しているマシンの名前を指定します。

次の属性は、fix_bundle リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。-a source=Value 新規リソースの定義時に複製する既存の fix_bundle リソースを指定します。ソース・リソースで

指示されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

home リソースの使用home リソースは、クライアントの /home ディレクトリーを維持するディレクトリーを表します。

home リソースがクライアントに割り当てられている場合、NIM はそのクライアント専用のサブディレクトリーを作成します。この割り当てられたサブディレクトリーは、その後、dkls_init または dtls_init 操作を実行した時点で初期化されます。初期化後は、クライアントがネットワーク・ブートを実行するたびに、NFS クライアントはこのサブディレクトリーを /home にマウントし、そのクライアント専用にセットアップされたホーム・ディレクトリーにアクセスできるようにします。このサブディレクトリーは、クライアントの実行中はずっと、そのクライアント上の /home にマウントされた状態になっています。

注: このリソースを割り当て解除するたびに、NIM は、そのクライアント専用に作成したサブディレクトリーを除去します。したがって、保管しておきたいファイルがクライアントのサブディレクトリーに入っている場合は、このタイプのリソースを割り当て解除する前に、それらのファイルのバックアップをとる必要があります。

home リソースの定義:

home リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

home リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t home -a Attribute=Value ... HomeName

home リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value クライアントの /home ディレクトリーの親ディレクトリーの絶対パス名を指定します。-a server=Value home リソースのディレクトリーが作成されるマシンの名前を指定します。

次の属性は、home リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。

image_data リソースの使用image_data リソースは、BOS インストール・プログラム用の情報が含まれているファイルを表します。この情報には、インストール時にルート・ボリューム・グループ内の物理ディスクおよびファイルシステムをどのように構成するかが記述されています。

214 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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通常、BOS インストール・プログラムは、使用するデフォルト値を判別するか、復元中の mksysb から取り出した image.data ファイルを使用します。カスタマイズした image_data リソースを使用するのは、特別な場合だけです。

サンプルの image.data ファイル (SPOT_Offset/usr/lpp/bosinst/image.template) は、SPOT リソース・サーバーに入っています。image.data ファイルについての詳細は、「AIX 5L Version 5.3 Files Reference」を参照してください。

image_data リソースの定義:

image_data リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

image_data リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t image_data -a Attribute=Value ... image_dataName

image_data リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value image_data リソース・ファイルの絶対パス名を指定します。-a server=Value image_data リソース・ファイルが常駐しているマシンの名前を指定します。

次の属性は、image_data リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。-a source=Value 新規リソースの定義時に複製する既存の image_data リソースを指定します。ソース・リソースで

指示されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

installp_bundle リソースの使用installp_bundle リソースは、NIM により管理される必要のあるファイルセットの名前が含まれているファイルを表します。

インストール操作または保守操作の実行中に、NIM は installp_bundle ファイルをクライアント・マシンにマウントするため、このファイルをローカルの installp コマンドで使用することができます。操作が完了すると、NIM は、このリソースをクライアントから自動的にアンマウントします。

installp_bundle リソースの定義:

installp_bundle リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

installp_bundle リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t installp_bundle -a Attribute=Value ... installp_bundleName

installp_bundle リソースには、次の属性が必須です。

インストールおよび移行 215

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-a location=Value 管理するソフトウェアのリストが含まれているファイルの絶対パス名を指定します。-a server=Value installp_bundle リソース・ファイルが常駐しているマシンの名前を指定します。

次の属性は、installp_bundle リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。-a source=Value 新規リソースの定義時に複製する既存の installp_bundle リソースを指定します。ソース・リソー

スで指示されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

lpp_source リソースの使用lpp_source リソースは、ソフトウェア・インストール・イメージが格納されているディレクトリーを表します。

lpp_source に、マシンのインストールに必要な最小セットのサポート・イメージが含まれている場合、このリソースは、simages 属性が指定され、BOS インストール (bos_inst) 操作に使用できます。lpp_sourceに simages lpp_source として十分なソフトウェアが含まれていない場合、このリソースは、NIM の cust操作で、実行中のマシンおよび SPOT にソフトウェアをインストールするためにのみ使用できます。

NIM lpp_source リソースには、次のような推奨タイプがあります。

v 完全な (simages=yes) NIM lpp_source リソース。 AIX 基本インストール・ファイルセット (AIX マシン上で AIX オペレーティング・システムをインストールすることができる AIX 基本インストール・メディアから生成される) が含まれています。

v 更新 lpp_source リソース。テクノロジー・レベルまたは Service Pack の更新 (AIX 更新メディアに収められているもの、または IBM サービス・サイトからダウンロードできるものなど) だけが含まれます。

v アプリケーション lpp_source リソース。追加のアプリケーション・ソフトウェア (基本オペレーティング・システムのインストール後にインストールされるソフトウェア) が含まれます。

これらのイメージを 1 つの lpp_source リソースに結合する場合は、 lppmgr コマンドを使用して、置き換えられたイメージまたは重複しているイメージを除去します。

注: テクノロジー・レベルの基本メディアから作成された lpp_source リソースと、同じテクノロジー・レベルの更新メディアから作成されたイメージを結合しないでください。

NIM は、lpp_source をインストール操作に使用する場合、まず最初に lpp_source をクライアント・マシンにマウントします。次に、マウントされた lpp_source をインストール・イメージのソースとして使用して、クライアント上で installp コマンドが開始されます。インストール操作が完了すると、NIM は自動的にリソースをアンマウントします。

lpp_source リソースは、マシンのインストールのためにイメージを提供するほか、SPOT リソースの作成および更新にも使用できます。

AIX 5.2 以降で、lpp_source に simages 属性を指定するために必要な最小セットのイメージは、次のとおりです。

216 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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POWER ベース Itanium ベース

bos bos

bos.64bit (AIX 4.3 以降の場合) N/A

bos.rte.up (AIX 4.1 の場合) N/A

bos.rte.mp (AIX 4.1 の場合) N/A

bos.up (AIX 4.2 以降の場合) N/A

bos.mp (AIX 4.2 以降の場合) bos.mp

bos.net bos.net

bos.diag bos.diag

bos.sysmgt bos.sysmgt

bos.terminfo bos.terminfo

bos.terminfo.data bos.terminfo.data

devices.base devices.ia64.base

devices.buc N/A

devices.common devices.common

devices.graphics devices.graphics

devices.mca devices.pci

devices.rs6ksmp.base N/A

devices.scsi devices.scsi

N/A devices.ide

devices.sio devices.isa_sio

devices.sys N/A

devices.tty devices.tty

xlC.rte xlC.rte

注: lpp_source として定義する予定のデバイス・イメージをディレクトリーにコピーする場合、必ず、その装置タイプのすべてのデバイス・イメージをコピーしてください。例えば、次のように入力します。

cp /cdfs/usr/sys/inst.images/devices.pci.* lpp_source_directory

lpp_source を定義するには、次のようにいくつかの方法があります。

v インストール・イメージが含まれている既存のディレクトリーがある場合は、それを直接 lpp_source リソースとして定義できます。

v BOS インストール用のデフォルトのサポート・イメージ・セットを使用して、NIM によりディレクトリーを作成し、転送する必要がある場合は、リソースを定義するときに source 属性を使用します。この属性には、インストール・イメージが含まれているデバイスの名前を指定します。NIM は、このデバイスから lpp_source 用に指定された位置に、ソフトウェア・イメージをコピーします。コピーされるイメージには、simages リストの内容、使用可能なすべてのデバイス・サポート、および通常インストールされるいくつかの追加ソフトウェア (例えば、X11) が同様に含まれています。

v デフォルトのイメージ・セット以外の一連のソフトウェアを使って、lpp_source をソース・デバイスから作成する必要がある場合は、lpp_source を定義するときに packages 属性を指定します。コピーするソフトウェア・イメージの代替セットをリストするには、packages 属性を使用します。

lpp_source のサイズは、それに組み込まれるソフトウェアの量により大幅に異なります。simages 属性をかろうじて獲得できる程度のソフトウェアだけを組み込んだ最小の lpp_source であれば 100 MB 以下になることもありますが、CD-ROM から作成するデフォルトの lpp_source は 350 MB を超える可能性があります。スペースを管理しやすくするために、lpp_source を入れる別のファイルシステムを作成することを

インストールおよび移行 217

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お勧めします。デフォルトでは、lpp_source を作成してソース・デバイスからイメージをコピーするときに、必要に応じて NIM が自動的にファイルシステムを拡張します。

AIX 5.2 より、simages メッセージは、lpp_source リソースをデフォルト・インストール・パッケージで作成する場合にのみ表示されます。simages メッセージは、simages 属性を lpp_source に設定できなかった場合に表示されます。ユーザーが lpp_source を作成し、パッケージのリストを指定した場合、simagesメッセージは表示されません。simages 属性は、simages メッセージが表示されるかどうかに関わらず、正しく設定されます。

rte BOS インストールを、simages 属性が指定されていない lpp_source で試みると、エラーがユーザーに送信されます。このエラー・メッセージは、rte BOS インストールに必要な欠落しているパッケージを判別するために、nim -o check を lpp_source 上で実行するよう、ユーザーに知らせます。 lpp_source が作成された後、この上で nim -o check を実行するといつでも、rte BOS インストールに必要なすべてのイメージが lpp_source に含まれていない場合に、simages メッセージが表示されます。

lpp_source リソースの定義:

lpp_source リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

lpp_source リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t lpp_source -a Attribute=Value ... lpp_sourceName

lpp_source リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value インストール・イメージを入れるためのディレクトリーを指定します。-a server=Value lpp_source が作成されるマシンの名前を指定します。

次の属性は、lpp_source リソースではオプションです。

-a comments=Value lpp_source を記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a multi_volume=Value ソースとして /dev/cd* を指定して lpp_source を作成するときに、2 枚目の CD を

CD-ROM ドライブに挿入するプロンプトをユーザーに出すかどうかを指定します。この属性のデフォルト値は no です。この属性が yes に設定され、リソースのサーバーがマスターでない場合、警告が表示されて単一ボリュームの lpp_source が作成されます。

-a packages=Value デフォルトのイメージ・リストを使いたくない場合に、lpp_source にコピーするファイルセットのリストを指定します。

-a show_progress=Value lpp_source が作成されたときの情報出力の表示を使用可能にします。この属性のデフォルト値は yes です。この属性は、AIX 5.3 以降でのみ使用可能です。show_progess 属性が yes に設定され、server 属性が旧バージョンの bos.sysmgt.nim.client ファイルセットがある別のマシンに設定されている場合は、情報出力を使用可能にできないという警告が表示されます。

-a source=Value lpp_source を定義するときにインストール・イメージをコピーするためのソース・デバイスを示します。lpp_source の位置にインストール・イメージが既に含まれている場合は、この属性は必要ありません。

-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。

NIM クライアント・マシンでマイグレーション・インストールを実行する場合は、マシンの移行に必要なすべてのソフトウェアが、操作に使用する lpp_source に含まれている必要があります。

location 属性で指定されたディレクトリーがない場合、NIM がそのディレクトリーを作成します。また、NIM は、後で lpp_source が除去されると、このディレクトリーとその内容を除去します。

218 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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power POWER ベース アーキテクチャー (rs6k、rspc、および chrp タイプのプラットフォームに使用)

ia64 Itanium ベース アーキテクチャー (ia64 タイプのプラットフォームに使用)

mksysb リソースの使用mksysb リソースは、mksysb コマンドを使って作成されたシステム・バックアップ・イメージであるファイルを表します。このタイプのリソースは、クライアントのインストールのソースとして使用できます。

mksysb イメージをリソースとして定義するには、このイメージが NIM 環境内のマシンのハード・ディスク上に置かれている必要があります。テープまたはその他の外部メディアに入っていてはなりません。

mksysb リソースは、NIM マスターまたは任意の NIM クライアントのハード・ディスクに既に存在しているイメージから定義できます。そのようなイメージが存在していない場合は、リソースを定義するときに作成できます。リソースの定義時にイメージを作成するには、バックアップのソースとなる NIM クライアントの名前を指定し、mksysb リソースを定義するためのコマンドで mk_image 属性を yes に設定します。バックアップ・イメージに組み込みたくないファイルおよびディレクトリーをリストするには、exclude_files リソースを使用します。

mksysb リソースの定義:

mksysb リソースを定義するために、次のコマンド行構文、フラグ、および属性を使用できます。

mksysb リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t mksysb -a Attribute=Value ... mksysbName

mksysb リソースでは、次のフラグが有効です。

v -a

v -i

v -m

v -e

v -b

v -X

v -p

これらのフラグの説明は、『nim コマンド』を参照してください。

mksysb リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value mksysb イメージの絶対パス名を指定します。-a server=Value mksysb イメージが常駐している、または作成されるマシンの名前を指定します。

次の属性は、mksysb リソースではオプションです。

インストールおよび移行 219

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-a comments=Value mksysb を記述します。-a exclude_files=Value システム・バックアップからファイルおよびディレクトリーを除外するために使用する

exclude_files リソースを指定します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a mk_image=Value NIM 環境内のマシンから mksysb イメージを作成するために使用するフラグを指定しま

す。-a mksysb_flags=Value バックアップの作成方法をコマンドに指示するために使用するフラグを指定します。-a size_preview=Value mksysb イメージを作成する前にスペースが使用可能かどうかを検査するためのフラグを

指定します。-a source=Value mksysb イメージにバックアップするマシンの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定しま

す。-a source=Value mk_image 属性を指定している場合は、mksysb イメージにバックアップするマシンの名

前を指定します。mk_image 属性を指定していない場合、この値は、新しい mksysb の定義時に複製する既存の mksysb リソースを指定します。ソース・リソースで指示されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

nim_script リソースの使用nim_script リソースは、内部的に管理される NIM リソースで、スクリプトが NIM 操作の一部としてNIM により実行される必要があることを示すために使用されます。

nim_script リソースは、一部の NIM 操作をサポートするために自動的に割り当てられ、操作が完了すると自動的に割り当て解除されます。

NIM は、次の規則を使用して、操作ごとにどの NIM サーバーに nim_script リソースを置くかを判別します。

v bos_inst 操作の場合、nim_script リソースは SPOT サーバーに置かれます。

v lpp_source を指定した cust 操作の場合、nim_script リソースは lpp_source サーバーに置かれます。

v lpp_source を指定しない cust 操作の場合、nim_script リソースはスクリプト・サーバーに置かれます。

v それ以外の操作では、nim_script リソースは NIM マスターに置かれます。

ページング・リソースの使用ページング・リソースは、クライアントのページング・ファイルが維持されるディレクトリーを表します。

このタイプのリソースをクライアントに割り当てると、そのクライアント専用のサブディレクトリーをNIM が作成します。この割り当てられたサブディレクトリーは、dkls_init または dtls_init 操作によって初期化され、その結果、クライアントがネットワーク・ブートの実行時にページング・デバイスとして構成するファイルが、このサブディレクトリーに作成されます。デフォルトでは、このファイル用に 32 MB

が確保されます。別の値を指定するには、dkls_init または dtls_init 操作の実行時に size フラグを使用します。

リソースがクライアント用に初期化された後は、クライアントがネットワーク・ブートを実行するたびに、そのリソースは、クライアントにより、ページング・デバイスとして構成されます。

注: このリソースを後で割り当て解除すると、NIM は、ページング・ファイルとクライアント用に作成したサブディレクトリーを除去します。

ページング・リソースの定義:

ページング・リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

220 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ページング・リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t paging -a Attribute=Value ... PagingName

ページング・リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value クライアントのページング・ファイルの親ディレクトリーの絶対パス名を指定します。-a server=Value ページング・リソースのディレクトリーが作成されるマシンの名前を指定します。

次の属性は、ページング・リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value 操作に使用するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。

resolv_conf リソースの使用resolv_conf リソースは、ローカル resolver ルーチンについてのドメイン・ネーム・プロトコルのネーム・サーバー情報を定義するための、有効な /etc/resolv.conf エントリーが含まれているファイルを表します。

resolv_conf リソースは、bos_inst 操作の一部としてスタンドアロン・マシンに割り当てたり、dkls_init または dtls_init 操作の一部としてディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンに割り当てることができます。インストールとリブートが正常に実行されると、マシンは、該当リソースにより定義されたドメイン・ネーム・サービスを使用できる構成になっています。

次に、resolv_conf リソース・ファイルのサンプル・エントリーを示します。

nameserver 129.35.143.253domain test.ibm.com

resolv_conf リソースの定義:

resolv_conf リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

resolv_conf リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t resolv_conf -a Attribute= ... resolv_confName

resolv_conf リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value ドメイン・ネーム・サーバー (DNS) のネーム・レゾリューション用の情報が含まれているファイルの絶対パス名を指定します。

-a server=Value resolv_conf リソース・ファイルが常駐しているマシンの名前を指定します。

次の属性は、resolv_conf リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。-a source=Value 新規リソースの定義時に複製する既存の resolv_conf リソースを指定します。ソース・リソースで

指示されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

root リソースの使用root リソースは、クライアントの ルート・ディレクトリーを維持するディレクトリーを表します。

インストールおよび移行 221

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root リソースをディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントに割り当てると、NIM はそのクライアント専用のサブディレクトリーを作成します。この割り当てられたサブディレクトリーは、その後、dkls_init または dtls_init 操作を実行した時点で初期化されます。

初期化後は、クライアントがネットワーク・ブートを実行するたびに、NFS クライアントはこのサブディレクトリーを「/」にマウントし、そのクライアント専用にセットアップされたルート・ディレクトリーにアクセスできるようにします。このサブディレクトリーは、クライアントの実行中はずっと、そのクライアントの / にマウントされた状態になっています。

注: このリソースを割り当て解除するたびに、NIM は、そのクライアント専用に作成したサブディレクトリーを除去します。したがって、保管しておきたいファイルがクライアントのサブディレクトリーに入っている場合は、このタイプのリソースを割り当て解除する前に、それらのファイルのバックアップをとる必要があります。

root リソースの定義:

root リソースを定義するために、次のコマンド行構文を使用できます。

root リソースを定義するためのコマンド行構文と属性は次のとおりです。

nim -o define -t root -a Attribute=Value ... RootName

root リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value その下にクライアントのルート・ディレクトリーが作成されるディレクトリーの絶対パス名を指定します。

-a server=Value root リソースのディレクトリーが作成されるマシンの名前を指定します。

次の属性は、root リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value 操作に使用するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。

script リソースの使用script リソースは、ユーザー定義のシェル・スクリプトであるファイルを表します。このタイプのリソースは、定義した後で、クライアント上での処理の実行時に NIM の cust または bos_inst 操作の一部として使用できます。

script リソースは常に cust または bos_inst 操作でソフトウェア・インストールが実行された後で、NIM

によって実行されます。 したがってスクリプトは、すべてのソフトウェアがインストールされた後でクライアントに対する構成処理を実行できます。複数の script リソースをクライアントで使用するために割り当てることができますが、それらのスクリプトの実行順序は予測できません。

注: script リソースは、/export/nim/scripts ディレクトリーに常駐しているファイルを指し示しているものであってはなりません。このディレクトリーは、NIM が管理する nim_script リソースに使用されるものです。NFS 制限により、同一ロケーション内に複数のリソースを定義できません。

script リソースの定義:

script リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

script リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

222 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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nim -o define -t script -a Attribute=Value ... ScriptName

script リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value script リソース・ファイルの絶対パス名を指定します。-a server=Value script リソース・ファイルが常駐しているマシンの名前を指定します。

次の属性は、script リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。-a source=Value 新規リソースの定義時に複製する既存の script リソースを指定します。ソース・リソースで指示

されたファイルは、新しい場所にコピーされます。

shared_home リソースの使用shared_home リソースは、1 台または複数のクライアントが共通の /home ディレクトリーとして使用できるディレクトリーを表します。

shared_home リソースがクライアントに割り当てられている場合に、dkls_init または dtls_init 操作が実行されると、NIM は、この共通ディレクトリーを使用するようにクライアントを構成します。初期化後は、クライアントがネットワーク・ブートを実行するたびに、そのクライアントはこの共通ディレクトリーを/home ディレクトリーに NFS マウントします。この共通ディレクトリーは、クライアントの実行中はずっとマウントされた状態になっています。

注: このリソースを割り当て解除するたびに、NIM は該当クライアントの構成だけを変更して、以後クライアントがこのディレクトリーを使用できないようにします。 NIM が、共通ディレクトリーの除去をすることはありません。

shared_home リソースの定義:

shared_home リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

shared_home リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t shared_home -a Attribute=Value ... shared_homeName

shared_home リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value クライアント間で共通の /home ディレクトリーとして使用されるディレクトリーの絶対パス名を指定します。

-a server=Value shared_home リソースのディレクトリーが作成されるマシンの名前を指定します。

次の属性は、shared_home リソースではオプションです。

インストールおよび移行 223

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-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。

SPOT (共用プロダクト・オブジェクト・ツリー) リソースの使用SPOT (共用プロダクト・オブジェクト・ツリー) は、NIM 環境の基礎となるリソースです。これは、すべてのマシン構成タイプのインストールまたは初期化を行うために必要です。

SPOT は、ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントに /usr ファイルシステムを提供すると共に、すべてのクライアントにネットワーク・ブート・サポートを提供します。

AIX カーネル、実行可能コマンド、ライブラリー、アプリケーションなどマシンが /usr ファイルシステムで必要とするものはすべて SPOT に含まれています。マシン固有の情報やユーザー・データは、通常他のファイルシステムに格納されています。SPOT は、マスターを含め、NIM 環境の中のどのスタンドアロン・マシンにでも置くことができます。SPOT を別のシステムに置く場合でも SPOT の作成、制御、および保守はマスターから実行します。

/usr ファイルシステム (/usr SPOT) を変換することによって、SPOT を作成することができます。あるいは、SPOT を、サーバー上のファイルシステム (/usr 以外の SPOT) 内の任意の場所に置くこともできます。

/usr SPOT は、サーバーに既にインストールされているすべてのオプションのソフトウェアを継承します。/usr SPOT を使うすべてのクライアントはサーバーにインストールされたオプションのソフトウェアにアクセスできます。/usr 以外の SPOT を使うと、サーバーにインストールされ、ライセンスされているものとは異なるオプションのソフトウェア群を管理できます。

/usr ファイルシステムを変換して SPOT を作成する方法には、高速で使われるディスク・スペースも少なくてすむという利点があります。しかし、この方法には SPOT に組み込むソフトウェア・パッケージを選択できる柔軟性がありません。なぜなら、SPOT にサービスを提供するマシンの /usr ファイルシステムにインストールされているすべてのパッケージおよびファイルセットが、SPOT に組み込まれるためです。2

番目の方法、つまり /usr 以外の SPOT を作成する方法では、使用するディスク・スペースは多くなりますが、柔軟性が増します。最初は NIM クライアントをサポートするために必要な最小セットのソフトウェア・パッケージだけが SPOT にインストールされますが、追加のパッケージおよびファイルセットもインストールすることができます。また、複数の SPOT を作成し、それぞれの異なる追加パッケージおよびファイルセットをインストールして、それぞれ異なるクライアントにサービスを提供させることも可能です。

注: /usr サブディレクトリーには /usr 以外の SPOT を作成しないでください。

SPOT のサイズは、インストールされたソフトウェアに応じて 100 MB から最大 300 MB までさまざまで、場合によっては 300 MB を超えることもあります。すべてのデバイス・サポートが SPOT にインストールされ、概してデバイスのファイルセットの数も増加するため、AIX の 1 つのリリースから別のリリースのサイズを予測することは容易ではありません。

SPOT は、ネットワークを介してマシンをブートする必要のあるすべての NIM 操作をサポートするために使用されます。この種の操作は次のとおりです。

v bos_inst

v maint_boot

v diag

v dkls_init

224 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v dtls_init

SPOT が作成されると、新規に作成されたばかりの SPOT からのコードを使用して、ネットワーク・ブート・イメージが SPOT サーバーの /tftpboot ディレクトリーに作成されます。クライアントはネットワーク・ブートを実行するときに、tftp を使用してサーバーからブート・イメージを取得します。ブート・イメージがクライアントのメモリーにロードされると、SPOT がクライアントの RAM ファイルシステムにマウントされ、操作を完了するのに必要な追加ソフトウェア・サポートをすべて提供します。

作成される各ブート・イメージのサイズは、最高 12 MB です。 SPOT を作成する前に、ルート (/) ファイルシステムに十分なスペースがあることを確認するか、/tftpboot 用の別個のファイルシステムを作成して、ネットワーク・ブート・イメージに必要なスペースを管理します。

マイクロチャネル・ベースのシステムは、トークンリング、イーサネット、または FDDI を使用するネットワークからのブートをサポートします。 POWER ベース PCI バス・ベースのシステムは、トークンリングまたはイーサネットを使用するネットワークからのブートをサポートします。ユニプロセッサー MCA

および PCI バス・ベースのシステムは、ディスクレス構成またはデータレス構成で使用できます。

単一のネットワーク・ブート・イメージに、複数のクライアントがアクセスする可能性があります。したがって、ネットワーク・ブート・イメージには、クライアント固有の構成情報を組み込むことはできません。プラットフォーム・タイプはマシン・オブジェクトの定義時に指定します。これに対して、ネットワーク・タイプは、 1 次インターフェース定義に基づいて決定されます。ネットワーク・ブートされる個々のクライアントごとに、ClientHostName および ClientHostName.info という 2 つのファイルが SPOT サーバーの/tftpboot ディレクトリーに作成されます。ClientHostName ファイルは正しいネットワーク・ブート・イメージへのリンクであり、ClientHostName.info ファイルにはクライアント構成情報が含まれています。

SPOT の定義時 (および作成時) に、次の処理が行われます。

v BOS イメージがアーカイブから検索されるか、/usr 変換の場合はルート・ディレクトリーだけがアーカイブ (/usr/lpp/bos/inst_root) から検索されます。

v NIM 操作をサポートするために必要なデバイス・サポートがインストールされます。

v ネットワーク・ブート・イメージが /tftpboot ディレクトリーの中に作成されます。

SPOT にインストールされているソフトウェアをリストするには、次のコマンドを入力します。

nim -o lslpp SPOTName

/usr SPOT を通常の /usr ファイルシステムに戻すには、NIM データベースから SPOT を除去する必要があります。

SPOT で実行できるソフトウェアのインストールおよび保守作業については、 274ページの『NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズ』を参照してください。

AIX 4.2 SPOT のネットワーク・ブート・イメージの使用:

各ネットワーク・ブート・イメージは、単一のネットワーク・タイプ、プラットフォーム・タイプ、カーネル・タイプをサポートします。ネットワーク・ブート・イメージ・ファイルの名前は、SPOTName.Platform.Kernel.Network です。ネットワーク・タイプは、トークンリング、イーサネット、FDDI

です。

プラットフォーム・タイプは以下のとおりです。

インストールおよび移行 225

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rs6k (AIX 5.1 以前) POWER family/POWER family2/P2SC/POWER ベース MCA バス・ベースのマシンに使用されます。rspc (AIX 5.1 以前) POWER ベース リファレンス・プラットフォーム (PREP) アーキテクチャー・ベースのマシンに使用さ

れます。chrp POWER ベース 共通ハードウェア・リファレンス・プラットフォーム (CHRP) アーキテクチャー・ベー

スのマシンに使用されます。

AIX 4.2 (およびそれ以降) の SPOT の rs6ksmp プラットフォームは、プラットフォーム・タイプ rs6kおよびカーネル・タイプ mp を持つブート・イメージで表現されます。

カーネル・タイプは次のとおりです。

up シングル・プロセッサー・マシンに使用されます。mp 複数のプロセッサー・マシンに使用されます。

個々のプラットフォームおよびネットワーク・タイプごとに、up および mp ブート・イメージが作成されます。/tftpboot に入っている 42spot という名前の SPOT のためのネットワーク・ブート・イメージは、次のとおりです。

42spot.rs6k.mp.ent

42spot.rs6k.mp.fddi

42spot.rs6k.mp.tok

42spot.rs6k.up.ent

42spot.rs6k.up.fddi

42spot.rs6k.up.tok

42spot.rspc.mp.ent

42spot.rspc.mp.tok

42spot.rspc.up.ent

42spot.rspc.up.tok

/tftpboot ディレクトリーの中でブート・イメージ用に使用されるスペースの量は、非常に大きくなる可能性があります。プラットフォーム、カーネル・タイプ、およびネットワーク・アダプターのすべての考えられる組み合わせについてのネットワーク・ブートをサポートするには、AIX 4.2.1 (またはそれ以降) のSPOT は、/tftpboot 内に 60 MB を必要とします。同じサーバーが複数の SPOT の運用を担当する場合、それぞれの SPOT が独自のブート・イメージのセットを作成するため、/tftpboot で必要なスペースはさらに大きくなります。

AIX 4.3 以降の SPOT のネットワーク・ブート・イメージの使用:

AIX 4.3 以降のネットワーク・ブート・イメージを使用して、SPOT リソースからブート・イメージを作成するのに使用されるディスク・スペースの量や必要な時間を減らすことができます。

AIX 4.3 以降では、NIM はデフォルトで、環境で定義されたマシンおよびネットワークのタイプをサポートするのに必要なブート・イメージのみを作成します。これにより、SPOT リソースからブート・イメージを作成するのに使用されるディスク・スペースの量や必要な時間が大幅に少なくなります。

注: カーネル変更により、AIX 5.2 以降では、AIX 4.2 以前の SPOT を作成または使用するための NIM

サポートは提供されていません。

226 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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AIX 5.3 (5300-03 適用) 以降で AIX 4.3.3 の SPOT リソースを作成するには、次のように環境変数INST_DEBUG を設定する必要があります。

export INST_DEBUG=yes

INST_DEBUG 変数を設定しないと、NIM は AIX 4.3.3 の SPOT リソースを作成できません。

SPOT リソースの定義:

SPOT リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

SPOT リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t spot -a Attribute=Value ... SPOTName

SPOT リソースには、次の属性は必須です。

-a location=Value その下で SPOT を作成する親ディレクトリーを指定します。-a server=Value SPOT が作成されるマシンの名前を指定します。-a source=Value SPOT の作成とインストールを行うためのインストール・イメージのソース・デバイスを示

します。

次の属性は、SPOT リソースではオプションです。

-a auto_expand=Value SPOT のインストール時に、必要に応じてファイルシステムを拡張します。デフォルト値は yes です。

-a comments=Value SPOT を記述します。-a debug=Value デバッグにより開始されるネットワーク・ブート・イメージを作成します。デフォル

ト値は no です。-a installp_flags=Value installp がソフトウェアを SPOT にインストールする方法を記述するフラグを指定し

ます。デフォルト値は agQX です。-a show_progress=Value SPOT のインストール時に installp 出力を表示します。デフォルト値は yes です。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定し

ます。

注: デフォルトでは、SPOT を作成すると大量の出力が生成されます。致命的でないエラーや警告は、成功を示す戻りコードには明示されていないことがあるので、出力全体を調べてそのようなエラーや警告の有無をチェックしてください。

tmp リソースの使用tmp リソースは、クライアントの /tmp ファイルを維持するディレクトリーを表します。

このタイプのリソースをクライアントに割り当てると、そのクライアント専用のサブディレクトリーをNIM が作成します。この割り当てられたサブディレクトリーは、その後、dkls_init または dtls_init 操作を実行した時点で初期化されます。初期化後は、クライアントがネットワーク・ブートを実行するたびに、このサブディレクトリーを /tmp に NFS マウントし、そのクライアント専用にセットアップされた /tmpディレクトリーにアクセスできるようにします。このサブディレクトリーは、クライアントの実行中はずっと、そのクライアント上の /tmp にマウントされた状態になっています。

注: このリソースを割り当て解除するたびに、NIM は、そのクライアント専用に作成したサブディレクトリーを除去します。したがって、保管しておきたいファイルがクライアントのサブディレクトリーに入っている場合は、このタイプのリソースを割り当て解除する前に、それらのファイルのバックアップをとる必要があります。

インストールおよび移行 227

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tmp リソースの定義:

tmp リソースを定義するために、次のコマンド行構文と属性を使用できます。

tmp リソースを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t tmp -a Attribute=Value ... TmpName

tmp リソースには、次の属性が必須です。

-a location=Value クライアントの /tmp ディレクトリーが作成されるディレクトリーの絶対パス名を指定します。-a server=Value tmp リソースのディレクトリーが作成されるマシンの名前を指定します。

次の属性は、tmp リソースではオプションです。

-a comments=Value リソースを記述します。-a group=Value このリソースを追加するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。最も詳細な情報を表示するには、値 5 を指定します。

NIM リソースの分散NIM 管理者は通常 NIM マスターをすべてのリソースのサーバーとして使用します。この方法ではすべてのリソースを 1 台のマシンで管理できます。しかし次に示すようないくつかの理由でリソースを複数のクライアント・マシンに分散させる場合があります。

v NIM 環境で複数の大きいリソースを定義する必要がある場合、ディスク・スペースの制限があるために、それらのリソースすべてを同じサーバーに配置することができない場合があります。異なるマシン上にリソースを作成すれば、ディスク使用量の負担を複数のマシンに分散できます。

v 異なるマシンからリソースを提供することで、多数のクライアントに対する NIM 操作を実行する場合のボトルネックを回避することができます。ボトルネックはサーバー・マシンまたはネットワーク・ゲートウェイに発生することがあるので、異なるサブネットで実行されているサーバー間にリソースを分散させると効果があります。

v 同じタイプの複数のリソースを異なるマシン上に作成することで、定期保守のためにサーバーがオフラインになったときのリソースの可用性を高めることができます。

v SPOT リソースのなかには、ある種のレベルのマシンでは運用を提供できないものがあります。具体的には、SPOT にインストールされている AIX のレベルが、サーバーで実行中の AIX のレベルより高い場合には、SPOT の作成はサポートされません。複数レベルの SPOT を作成するには、それらの SPOTを異なるサーバーに分散させることが必要になることがあります。

リソースを NIM 環境内の異なるマシンに分散させるということは、単に、リソースを定義するときに正しいサーバー情報を指定するということです。リソースは、作成された後は、マスターに定義されているリソースと同じ方法で使用されます。

NIM 操作NIM 環境を管理してソフトウェアのインストールと保守を実行するための操作は多数あります。

Web-based System Manager および SMIT インターフェースの場合は、コマンド行インターフェースの場合には必要となる細かな指定の多くをユーザーが行う必要がないように構成されています。したがってこのセクションでは、コマンド行からの操作の場合についてのみ説明します。この情報はすべて、他の 2 つのインターフェースにも同様に当てはまりますが、これらのインターフェースについての解説は、それぞれのアプリケーションで利用可能なオンラインのコンテキスト・ヘルプに譲ります。

228 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ほとんどの NIM 操作は、可能な各操作についての各種の属性を指定して nim コマンドを実行することによって、使用できます。コマンド行構文は次のとおりです。

nim -o OperationName -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

NIM allocate 操作の使用allocate 操作を使用して、リソースを NIM クライアントが以降の操作に使用できるようにします。

allocate 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o allocate -a ResourceType=ResourceName ... TargetName|TargetNames

allocate 操作のターゲットには、1 つの NIM クライアント、または NIM クライアントのグループを指定できます。

allocate 操作には、次の属性を指定できます。

-a ResourceType=ResourceName (required) クライアントに割り当てるリソースを指定します。例えば、lpp_source=42_images と指定します。

リソースがクライアントに割り当てられると、リソース・サーバーの /etc/exports ファイルにエントリーが追加され、リソースがクライアントに NFS エクスポートされます。リソースの割り当てカウントも増分されます。割り当てカウントが 0 より大きい場合は、リソースは修正できません。NIM 操作の実行中に、クライアントは、それに割り当てられたリソースをマウントして使用します。

NIM alt_disk_install 操作の使用alt_disk_install 操作 (AIX 4.3 以降で使用可能) を使用して、クライアント・システムの代替ディスク (複数可) に mksysb イメージをインストールしたり、代替ディスクに rootvg を実行するクライアントのクローンを作成することができます。

alt_disk_install mksysb 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o alt_disk_install -a source=mksysb -a mksysb=mksysb_resource ¥-a disk=target_disk(s) -a attribute=Value.... TargetName |TargetNames

alt_disk_install rootvg クローン操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o alt_disk_install -a source=rootvg -a disk=target_disk(s) ¥-a attribute=Value.... TargetName |TargetNames

alt_disk_install 操作のターゲットには、スタンドアロンの NIM クライアント、またはスタンドアロンのNIM クライアントのグループを指定できます。クライアントには、bos.alt_disk_install.rte ファイルセットもインストールする必要があります。

インストールの進行中に代替ディスク・インストール状況を表示するためには、マスターで以下のコマンドを入力します。

lsnim -a info -a Cstate ClientName

または

lsnim -l ClientName

以下に、alt_disk_install mksysb 操作の必須属性を示します。

インストールおよび移行 229

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-a source=mksysb 実行する alt_disk_install のタイプを指定します。-a disk=target_disk(s) mksysb イメージが復元されるクライアント・システム上のディスクを指定します。このディ

スク (複数の場合もあります) は、現在、ボリューム・グループ定義が含まれているものであってはなりません。lspv コマンドは、これらのディスクをボリューム・グループ None に属するものとして示す必要があります。複数のディスクを指定する場合、ディスク名を 1 対の単一引用符で囲む必要があります。例えば、'hdisk2 hdisk3' です。

-a mksysb=mksysb_resource 使用する mksysb リソースを指定します。

以下に、alt_disk_install rootvg クローン操作の必須属性を示します。

-a source=rootvg 実行する alt_disk_install のタイプを指定します。-a disk=target_disk(s) mksysb イメージが復元されるクライアント・システム上のディスクを指定します。このディスク

(複数の場合もあります) は、現在、ボリューム・グループ定義が含まれているものであってはなりません。lspv コマンドは、これらのディスクをボリューム・グループ None に属するものとして示します。複数のディスクを指定する場合、ディスク名を 1 対の単一引用符で囲む必要があります。例えば、'hdisk2 hdisk3' です。

以下に、alt_disk_install mksysb および alt_disk_install rootvg クローン操作の両方に指定できるオプション属性を示します。

-a concurrent=Value どの時点においてもインストールすべき、選択済みグループからのマシンの最大数を指定します。この属性を適用できるのは、操作のターゲットがマシン・グループの場合のみです。これを指定すると、 NIM は、グループ内のすべてのマシンの進行状況をモニターし、指定のインストール台数より多くも少なくもなく、グループ内のすべてのマシンがインストールされるまで、インストールを続けようとします。

-a set_bootlist=Value インストールが完了した時点で新しい rootvg を指すブート・リストを設定するかどうかを指定します。Value は、yes または no とすることができます。ここでは、yes がデフォルト値です。Value が yes に設定された場合は、システムが次にリブートされるときには、新たにインストールされた代替ディスクからブートされます。

-a boot_client=Value alt_disk_install 操作が完了した時点でクライアントをリブートするかどうかを指定します。Value

は、yes または no とすることができます。ここでは、no がデフォルト値です。この属性は、通常、set_bootlist 属性も yes に設定されている場合にのみ設定されます。

-a debug=Value alt_disk_install スクリプトからデバッグ (set -x) 出力を印刷するかどうかを指定します。Value

は、yes または no とすることができます。ここでは、no がデフォルト値です。この出力は画面には表示されませんが、クライアント・システムの NIM ログ /var/adm/ras/nim.alt_disk_install に保管されます。このファイルは、alt_disk_install が完了した後、調べることができます。

-a image_data=Value 新しい代替 rootvg およびその論理ボリュームとファイルシステムを作成するときに使用するimage_data リソースを指定します。新しいボリューム・グループの大きさは、mksysb イメージまたは実行中の rootvg のコピーを復元するのに十分でなければなりません。 exclude_files 属性をalt_disk_install rootvg クローンと一緒に使用して、バックアップしないファイルまたはディレクトリーを指定することもできます。

-a resolv_conf=Value システムがリブートされた時点でクライアント・システム上でドメインおよびネーム・レゾリューションを構成するために使用する resolv_conf を指定します。これは、代替ディスクのファイルシステムにコピーされる /etc/resolv_conf ファイルです。これは、使用している mksysb イメージにある /etc/resolv_conf ファイルが、クライアントで保存したいファイルとは異なる場合に役立ちます。

-a script=Value alt_disk_install 操作の終了時に呼び出すスクリプト・リソースを指定します。このスクリプトは、/alt_inst ファイルシステムがアンマウントされる前に実行中のシステム上で呼び出されるため、リブートの前に、実行中のシステムから /alt_inst ファイルシステムにファイルをコピーすることができます。これは、代替ファイルシステム内でファイルのコピーまたは変更を行う唯一の機会です。論理ボリューム名は、rootvg の論理ボリューム名と一致するように変更され、システムが新しい代替 rootvg でリブートされるまでアクセスできなくなるためです。

-a time_limit=Value, 最大何時間が経過したら、選択したマシン・グループの追加メンバーのインストール開始を中止するか、その時間数を指定します。この値は、グループでの並行操作数を制限する場合だけ指定できます。

230 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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-a verbose=Value ファイルが rootvg クローンのためにバックアップされているとき、あるいは mksysb インストールのために復元されているときに、それらのファイルを表示するかどうかを指定します。Value

は、yes または no とすることができます。ここでは、no がデフォルト値です。出力はクライアントの alt_disk_install ログ、つまり /var/adm/ras/alt_disk_inst.log に送られます。

以下に、alt_disk_install rootvg クローン操作にのみ指定できるオプション属性を示します。

-a exclude_files=Value rootvg からファイルおよびディレクトリーを除外するために使用する exclude_files リソースを指定します。このファイルで指定されたファイルおよびディレクトリーは、新しくクローン作成された rootvg にはコピーされません。

-a filesets=Value rootvg のクローン作成が完了した後で代替 rootvg にインストールするファイルセットのリストを指定します。

-a fixes=Value 実行中の rootvg のクローンが作成された後で代替 rootvg にインストールする APAR を指定します。フィックスのフォーマットは、″IX123456″ または ″update_all″ です。

-a fix_bundle=Value 実行中の rootvg のクローンが作成された後で代替 rootvg にインストールする APAR をリストする fix_bundle リソースを指定します。

-a installp_bundle=Value 実行中の rootvg のクローンが作成された後で代替 rootvg にインストールするファイルセットをリストする installp_bundle リソースを指定します。

-a installp_flags=Value installp に、ファイルセット、installp_bundle、フィックス、または fix_bundles 属性の適用方法を指示します。デフォルト値は installp_flags=-acgX です。

NIM bos_inst 操作の使用bos_inst 操作を使用して、AIX BOS をスタンドアロン・クライアントにインストールします。

bos_inst 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o bos_inst -a source=Value -a Attribute=Value ... TargetName|TargetNames

bos_inst 操作のターゲットには、スタンドアロンの NIM クライアント、またはスタンドアロンの NIM クライアントのグループを指定できます。

次の NIM リソースは、マシンのインストールおよびカスタマイズを行うために bos_inst 操作に指定できる必須属性です。

-a lpp_source=Value

使用する lpp_source リソースを示します。lpp_source リソースが必要なのは、rte インストールの場合に限られます。指定する lpp_source リソースには、simages 属性が設定されている必要があります。ただし、mksysb リソースと lpp_source リソースを使用して bos_inst 操作を実行する場合、simages 属性はオプションです。lpp_source はマシンのカスタマイズのためのソフトウェアを提供します。また、source 属性が rte の場合、インストール用の BOS イメージも提供します。

-a source=Value

BOS 実行時ファイル用のソースを示します。有効な値は次のとおりです。

rte lpp_source の中の BOS イメージからインストールします。

mksysbmksysb イメージからマシンをインストールします。

spot SPOT コピーからマシンをインストールします。

注: SPOT コピーが不完全な場合、インストールは正常に終了しますが、ターゲット・マシンがブート可能にならないことがあります。ターゲット・システムをブートするには、

インストールおよび移行 231

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SPOT コピーが適切なデバイスをサポートしていなければなりません。SPOT コピーからのインストールは最も高速なインストール方式ですが、rte または mksysb を使用したほうが信頼性が高く、より機能的です。

注: SPOT コピーは BOS.autoi バンドルの一部であるファイルセットもインストールします。

-a spot=Value

使用される SPOT リソースを示します。SPOT は、ネットワーク・ブートおよびブート環境での操作のためのサポートを提供します。

次の NIM リソースは、bos_inst 操作に指定できるオプション属性です。

-a accept_licenses=Value

BOS インストール時に使用条件を受諾する必要があるかどうかを指定します。インストール処理が完了する前に、この属性を yes に設定しておく必要があります。デフォルト値はaccept_licenses=no です。 bosinst_data リソースが NIM マスターにある場合、bosinst_data リソースの ACCEPT_LICENSES フィールドも yes に設定できます。また、NIM マスターで、NIM_LICENSE_ACCEPT グローバル環境変数を yes に設定することもできます。

-a adapter_def=Value

2 次アダプター定義ファイルを含んでいるディレクトリーを指定します。 nimadapters コマンドは、2 次アダプターのスタンザ・ファイルを解析し、NIM 2 次アダプター定義を adapter_def リソースの一部として NIM 環境に追加するために必要なファイルを構築します。 nimadapters コマンドは、2 次アダプターを構成しません。実際の構成は、adapter_def リソースを参照する nim -obos_inst または nim -o cust 操作の実行中に行われます。

-a async=Value

NIM がグループ・メンバーに非同期に操作を実行し、あるメンバーでの操作の完了を待たずに次のメンバーに対する操作を開始するかどうかを指定します。デフォルト値は async=yes です。

-a auto_expand=Value

クライアントを force_push インストール用にセットアップする場合に、ファイルシステムを拡張するかどうかを示します。デフォルト値は auto_expand=yes です。

-a boot_client=Value

NIM が BOS インストールのためにただちにクライアントをリブートするかどうかを指示します。boot_client 属性は、no_client_boot 属性の逆の働きをします。デフォルト値は boot_client=yesで、NIM にクライアントのリブートを指示します。

-a bosinst_data=Value

プロンプトなしのインストールに使用する bosinst_data リソースを指定します。

-a concurrent=Valueどの時点においてもインストールすべき、選択済みグループからのマシンの最大数を指定します。この属性を適用できるのは、操作のターゲットがマシン・グループの場合のみです。これを指定すると、 NIM は、グループ内のすべてのマシンの進行状況をモニターし、指定のインストール台数より多くも少なくもなく、グループ内のすべてのマシンがインストールされるまで、インストールを続けようとします。

-a filesets=Value

BOS インストール後にターゲット上にインストールするファイルセットのリストを指定します。

-a force_push=Value

force_push インストールを実行するかどうかを示します。force_push は、実行中であって、NIM

232 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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クライアント・ファイルセットを使って構成されていないマシンのインストールを行う場合に使用します。詳しくは、 236ページの『force_push 属性の使用』を参照してください。

-a group=Value

操作に使用するリソース・グループの名前を指定します。複数のリソースを個別の属性として指定する代わりに、リソース・グループを指定できます。リソース・グループを指定し、そのグループに SPOT および lpp_source が含まれている場合には、spot および lpp_source 属性を指定する必要はありません。

-a image_data=Value

クライアント上の物理データおよび論理データをどのように編成するかを記述する image_data リソースを指定します。

-a installp_bundle=Value

BOS インストール後にターゲット上にインストールするファイルセットをリストするinstallp_bundle リソースを指定します。

-a installp_flags=Value

installp に、filesets または installp_bundle 属性で指定されたファイルセットの適用方法を指示します。デフォルト値は installp_flags=-agQX です。

-a mksysb=Value

source 属性が mksysb の場合に、BOS 用の実行時ファイルおよびその他のファイルセットを提供します。mksysb の BOS 実行時ファイルのレベルは、インストールに使用される SPOT リソースのレベルと同じでなければなりません。

SPOT リソースのレベルが mksysb リソースのレベルより高い場合、lpp_source リソースを使用して SPOT リソースのレベルを一致させる必要があります。 このような状態が起きるとデフォルトで更新操作が実行されます。

-a no_client_boot=Value

インストールの完了後にターゲットを NIM 環境に残すかどうかを指示します。デフォルト値はno で、ターゲット・システムを NIM 環境に残すことを示します。

-a physical_loc=Value

インストール・ディスクの物理ロケーション・コードまたは AIX ロケーション・コードを BOS

インストール・プロセスに指定します。この属性により、インストールするディスクのロケーション・コードをコマンド行で指定でき、ロケーション・コード情報をもたない generic bosinst.dataファイルを取得することができます。

ディスクの物理ロケーション・コードを判別するには次のように入力します。

lsdev -Cc disk -l hdisk0 -F "name physloc"

ロケーション・コードの詳細については、「オペレーティング・システムおよびデバイスの管理」の『デバイスのロケーション・コード』を参照してください。

-a preserve_res=Value

rootvg 以外のファイルシステムの中のリソースをインストール対象のクライアント・システムに保存するかどうかを指示します。デフォルト値は preserve_res=no です。

-a resolv_conf=Value

クライアントでドメインおよびネーム・レゾリューションを構成するために使用する resolv_confリソースを指定します。

インストールおよび移行 233

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-a script=Value

すべてのソフトウェアをインストールした後でターゲット・システムで実行する script リソースを指定します。

-a set_bootlist=Value

NIM でクライアントのブート・リストを設定して、次のリブート時にクライアントがネットワークを介してブートするかどうかを指示します。通常、インストールするためにただちにインストールをリブートしない場合 (no_client_boot=yes または boot_client=no) は、set_bootlist を yes にします。デフォルト値は set_bootlist=no です。

-a show_progress=Value

インストール・ターゲットがマシン・グループの場合に、個々のグループ・メンバーについて状況を表示するかどうかを指示します。デフォルト値は yes です。

-a time_limit=Value

最大何時間が経過したら、選択したマシン・グループの追加メンバーのインストール開始を中止するか、その時間数を指定します。この値は、グループでの並行操作数を制限する場合だけ指定できます。

-a verbose=Value

デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示するには、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

クライアントで bos_inst 操作を実行すると、次の処理が行われます。

SPOT サーバーでは次のとおりです。

1. /tftpboot の中に、クライアントのプラットフォーム・タイプ、カーネル・タイプ、およびネットワーク・アダプターに一致するブート・イメージへのリンクが作成されます。

2. クライアント情報を使って /etc/bootptab ファイルが更新され、ブート・イメージが使用できるようになります。

3. ClientName.info ファイルが /tftpboot の中に作成されます。このファイルは、ブート環境で、クライアント固有のインストール情報または構成情報を提供します。

4. /tftpboot ディレクトリーにアクセスできるように、必要に応じて /etc/tftpaccess.ctl ファイルが変更されます。

ターゲット・システムでは次のとおりです。

1. ブート・リストが変更され、ネットワーク・アダプターが通常モード・ブート用のデフォルト・ブート・デバイスになります (ただし、no_client_boot=yes、set_bootlist=no、および force_push=no が指定されていない場合)。

2. クライアントがリブートされ、インストールが始まります (ただし、no_client_boot=yes、boot_client=no、および force_push=no が指定されていない場合)。

ネットワーク・アダプターを会してクライアントがブートする倍、そのクライアントはブート・イメージをSPOT サーバーから取得します。このブート・イメージにより、デバイスが構成され、マシンが BOS インストール用にセットアップされます。 Client.info ファイルがクライアント・マシンに転送され、その内容に基づいて、ブート環境でネットワーク・アダプターが構成され、経路が追加されて、NIM リソースがマウントされます。そして、処理の制御が BOS インストール・プログラムに渡されます。

NIM BOS インストール・データ:

234 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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BOS インストール・プログラムは、BOS 実行時ファイルを含むイメージにアクセスする必要があります。BOS インストール・プログラムは、このイメージを使って、ターゲットの /usr ファイルシステムへの転送を行います。

NIM 環境では、このイメージは、次のリソースのいずれかから得られます。

v ターゲットに割り当てられた lpp_source リソースの一部である BOS 実行時イメージ

v ターゲットに割り当てられた SPOT リソース

v ターゲットに割り当てられた mksysb イメージ

spot および lpp_source は、bos_inst rte 操作をサポートするために常に必要なものです。bos_inst mksysb操作には、spot リソースのみが必要になります。

どの BOS イメージを使うかを指示するために、bos_inst 操作の実行時に source 属性を指定する必要があります。source 属性には、次の値のいずれかを指定できます。

rte rte 値 (デフォルト) を source 属性に使用すると、NIM は BOS インストール・プログラムに、lpp_source ディレクトリーの中の BOS 実行時イメージを使うように指示します。このイメージには、BOS 実行時ファイルのみが含まれています。オプションのソフトウェア・パッケージは含まれていません。rte ソースを選択すると、BOS インストール時間が長くなる場合があります。なぜなら、BOS インストール・プログラムは、ターゲットの /usr ファイルシステムを転送してターゲットを実行可能にした後で、適切なデバイス・サポートをインストールするためです。NIM

のカスタマイズ・フェーズで追加の installp アクティビティーが発生して、インストール時間が長くなることもあります。

注: BOS マイグレーション・インストールの実行時には、rte ソースを使う必要があります。

mksysbmksysb をソースとして使用すると、ターゲット・マシンは mksysb イメージを作成したマシンと同じ構成になります。これによってインストール時間と構成時間が短縮される場合があります。mksysb イメージは非常に大きい場合があるため、ターゲットにそのイメージを収容できるだけの十分なディスク・スペースがない場合は、インストールが失敗します。

インストールがマスターから開始された後、NIM マスターは、ターゲットと連絡を取ってシステムをリブートさせるスクリプトを実行しようと試みます。ターゲット・システムはシャットダウンした後 BOOTP

要求をサーバーに対して発行します。ターゲットがただちに BOOTP 要求を発行しない場合でも bos_inst操作は完了したと見なされます。ターゲットは BOOTP 要求を発行して、ネットワーク・ブート・イメージをサーバーからロードし、インストールを開始する必要があります。

何らかの理由 (例えば、システムがオフになっている、システムが実行中 NIM クライアントではない、ネットワーク障害があるなど) で、マスターがターゲット・システムと連絡を取れない場合、メッセージが表示されます。その場合、IPL ROM を使って BOOTP 要求を発行するように、ユーザーの介入がターゲット側で要求されます。 ネットワークを介した特定マシンのブート を参照してください。

デフォルト (no_nim_client=no) では、NIM は、インストール後にターゲットを NIM クライアントの状態にしておくために必要なカスタマイズも組み込みます。このカスタマイズには、bos.sysmgt.nim.client

ファイルセットおよびその必須ファイルセット、bos.net.tcp.client および bos.net.nfs.client のインストールと構成が組み込まれているため、インストール後に、NIM マスターはクライアントと通信したり、クライアントを制御することができます。installp_flags は、ソフトウェアをスタンドアロン・クライアントにインストールするために、installp コマンドに渡されます。filesets 属性を使うと、割り当て済みのlpp_source から、一連の追加ファイルセットまたはソフトウェア・パッケージをインストールできます。

インストールおよび移行 235

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インストールの進行中に BOS インストール状況情報を表示するために、以下のコマンドをマスター側で入力してください。

lsnim -a info -a Cstate ClientName

または

lsnim -l ClientName

nim_script または boot リソース・タイプの割り当て時のエラーは致命的エラーです。それらのリソースがないと、ネットワーク BOS インストール・プロセスは続行できないためです。他方ターゲットに BOOTP

要求を発行させようと試みたときに検出されたエラーは NIM にとって致命的なエラーではありません。NIM はその時点でネットワーク・インストールを実行するための環境の初期化を完了しているからです。ターゲットが、割り当てられたネットワーク・ブート・イメージのロードを完了すると、ただちに BOS インストール・プロセスが開始されます。

force_push 属性の使用:

force_push 属性に値 yes を割り当てると、NIM に対して、bos_inst 操作のターゲットにbos.sysmgt.nim.client ファイルセットがインストールされ、構成されていない可能性があることが通知されます。

この場合、NIM は、基本オペレーティング・システムの不在インストールまたは移行を実行するために最小限のクライアント・サポートをターゲット・システムに NFS マウントまたはコピーしようとします。クライアント・サポートがターゲット・マシンにコピーされると、bos_inst の auto_expand 属性が no に設定されていない限り、NIM はターゲット上の必要なファイルシステムを自動的に拡張します。

force_push 属性を指定するには、クライアントがマスターにルート rsh アクセス権を認可していること、およびクライアント上のキーが「Normal」の位置になっていることが必要です。また、force_push 属性では、bosinst_data ファイルがターゲット・マシンに割り当てられていて、プロンプトなしのインストールの実行が指示されていることも必要です。SMIT を使用して bos_inst 操作を実行しているときに「Force

Unattended Installation Enablement? (不在インストール使用可能を強制実行する)」オプションで yes に設定すると、force_push 属性が yes に設定されます。

boot_client 属性の使用:

boot_client 属性に値 no を割り当てると、bos_inst 操作によりインストールをセットアップした後でターゲット・マシンでの BOS インストールを開始しないように、NIM に指示できます。これによって、BOS

インストールのセットアップだけを行い、実際のインストールは後でクライアントがリブートされるまで延期できます。

また、この属性を指定しておくと、クライアントが稼働中のマシンではない場合に、リブートの試行がタイムアウトまたは失敗するまでサーバーが待機状態になってしまうのを回避できます。クライアント・システムのインストールを後でサーバーから開始する場合は、クライアントのリブート時にネットワーク・ブートが試行されるように、クライアントの通常モード・ブート・デバイス・リストを設定する必要があります。boot_client を no に設定しておくと、force_push 属性または set_bootlist 属性が指定され、さらに値 yesに設定されていない限り、ブート・リストを変更する試行は行われません。 SMIT を使用して bos_inst 操作を実行しているときに「Initiate Boot Operation on Client (クライアントでブート操作を開始)」を「no(いいえ)」に設定すると、boot_client 属性が no に設定されます。

set_bootlist 属性の使用:

236 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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set_bootlist 属性を boot_client 属性と使用すると、通常モード用のクライアントのブート・デバイス・リストを変更して、クライアントのリブート時にネットワーク・ブートが試みられるようにすることができます。

force_push 属性を yes に設定した場合、または boot_client を指定していないか yes に設定した場合は、set_bootlist を指定する必要はありません。どちらの場合も、デフォルトによりブート・リストがフィックスされます。 set_bootlist に有効な値は yes および no だけです。 SMIT を使用して bos_inst 操作を実行しているときに、「クライアント上でブートが初期化しない場合にブート・リストを設定しますか?」を設定すると、 set_bootlist 属性が yes に設定されます。

preserve_res 属性の使用:

preserve_res 属性を使用すると、再インストール中の NIM クライアントにあるリソースの NIM データベース定義を保持することができます。

preserve_res を yes に設定すると、BOS インストール・プロセスにより保存されているファイルシステムの中のリソースもすべて保存されます。

NIM change 操作の使用change 操作を使用して、NIM オブジェクトの属性を変更します。

コマンド行構文は次のとおりです。

nim -F -o change -a Attribute=Value ... TargetName|TargetNames

-F (オプション) ターゲットが現在使用中の場合には操作を「強制」するように NIM に指示します。

change 操作のターゲットには、NIM 環境内の任意のネットワーク、マシン、リソース、またはグループを指定できます。ターゲットのすべての属性を変更できるわけではありません。通常、属性は他の操作の一部として自動的に変更されるため、明示的に change 操作を使用する必要はほとんどありません。

NIM check 操作の使用check 操作を使用して、NIM 環境のマシンまたはリソースの使用可能度を確認します。

check 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -F -o check -a debug=Value TargetName |TargetNames

check 操作のターゲットには、任意の NIM クライアント、NIM クライアントのグループ、SPOT リソース、または lpp_source リソースを指定できます。

check 操作に指定できるフラグおよび属性は次のとおりです。

-F (オプション) ターゲットが現在使用中の場合には操作を「強制」するように NIM に指示します。ターゲットが SPOT の場合に -F フラグを指定すると、SPOT のネットワーク・ブート・イメージの再作成が強制されます。通常、クライアント・マシンに対して check 操作を実行する場合、-F

フラグは不要です。-a debug=Value (オプション) debug=yes が指定されている場合に、デバッグ・モードで SPOT のネットワーク・ブート・

イメージを作成します。この属性が有効なのは、ターゲットが SPOT リソースの場合だけです。デフォルト値は debug=no です。 debug 属性についての詳細情報は、 399ページの『ネットワーク・ブート・イメージからのデバッグ出力の生成』参照してください。

インストールおよび移行 237

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check 操作は、NIM クライアントに適用されると、クライアントのマシン状態 (Mstate) を更新します。クライアントに到達可能かどうかを調べるために、ping テストが実行されます。check 操作の実行後に、クライアントの Mstate は running または not running のいずれかに設定されます。

check 操作は、SPOT リソースの適用されると、ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのルート同期化を実行し、必要に応じて SPOT のネットワーク・ブート・イメージを再作成します。

check 操作は、lpp_source リソースに適用されると、lpp_source ディレクトリーの中の目次 (.toc) ファイルを再作成します。また、この操作は、lpp_source を simages 属性に適合させるためにすべてのファイルセットをリソースに組み込むかどうかも判別します。

NIM cust 操作の使用cust 操作を使用して、ソフトウェア・ファイルセットと更新をスタンドアロン・クライアントおよびSPOT リソースにインストールします。

スタンドアロン NIM クライアントのソフトウェアをカスタマイズする方法は、 274ページの『NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズ』を参照してください。

cust 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o cust -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

cust 操作のターゲットには、スタンドアロン NIM クライアント、スタンドアロン NIM クライアントのグループ、または SPOT リソースを指定できます。

cust 操作に指定できる必須属性は次のとおりです。

-a filesets=Value ターゲット上にインストールするファイルセットのリストを指定します。この操作にinstallp_bundle を指定していない場合は、この属性を指定する必要があります。

-a installp_bundle=Value ターゲット上にインストールするファイルセットをリストする installp_bundle リソースを指定します。filesets を指定していない場合は、この属性を指定する必要があります。

-a lpp_source=Value cust 操作にインストール・イメージを提供する lpp_source リソースを示します。

cust 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a accept_licenses=Value インストール中にソフトウェア・ライセンスを自動的に受け入れる必要があるかどうかを示します。 accept_licenses=yes の場合、-Y フラグが installp コマンドに渡され、使用条件が自動的に受諾されます。 accept_licenses=no の場合は、ライセンスの処理はinstallp_flags 属性で制御されます。デフォルト値は accept_licenses=no です。

-a async=Value NIM がグループ・メンバーに非同期に操作を実行し、あるメンバーでの操作の完了を待たずに次のメンバーに対する操作を開始するかどうかを指定します。デフォルト値はasync=yes です。

-a concurrent=Value どの時点においてもインストールすべき、選択済みグループからのマシンの最大数を指定します。この属性を適用できるのは、操作のターゲットがマシン・グループの場合のみです。これを指定すると、 NIM は、グループ内のすべてのマシンの進行状況をモニターし、指定のインストール台数より多くも少なくもなく、グループ内のすべてのマシンがインストールされるまで、インストールを続けようとします。

-a fix_bundle=Value ターゲット上にインストールするフィックスのリストが含まれます。フィックスは、1 行に1 つずつ APAR 番号別に fix_bundle リソースにリストされる必要があります。

-a fixes=Value ターゲット上にインストールするフィックスのリストを識別します。各フィックスは、APAR 番号順に出力します。例えば、fixes="IX12345 IX54321" のようになります。

238 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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-a group=Value インストールに使用するリソース・グループの名前を指定します。複数のリソースを個別の属性として指定する代わりに、リソース・グループを指定できます。リソース・グループを指定し、そのグループに lpp_source が含まれている場合には、lpp_source 属性を指定する必要はありません。

-a installp_flags=Value installp に、filesets、installp_bundle、fixes、および fix_bundle 属性で指定されたファイルセットの適用方法を指示するフラグを示します。デフォルト値は installp_flags=agQX です。

-a resolv_conf=Value クライアントでドメインおよびネーム・レゾリューションを構成するための resolv_conf リソースを指定します。

-a script=Value すべてのソフトウェアをインストールした後でターゲット・システムで実行する script リソースを指定します。

-a show_progress=Value ソフトウェアをインストールしている間、状況を表示するかどうかを指示します。デフォルト値は show_progress=yes です。

-a time_limit=Value, 最大何時間が経過したら、選択したマシン・グループの追加メンバーのインストール開始を中止するか、その時間数を指定します。この値は、グループでの並行操作数を制限する場合だけ指定できます。

NIM deallocate 操作の使用deallocate 操作は、NIM クライアントにとってリソースがそれ以上必要でなくなったときに、リソースをアンロックし、アンエクスポートします。

通常、NIM 操作の後で明示的に割り当て解除を実行する必要はありません。操作が正常に完了すると、その操作によってリソースが自動的にクライアントから割り当て解除されるからです。

deallocate 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o deallocate -a ResourceType=ResourceName ... -a subclass=all TargetName |TargetNames

deallocate 操作のターゲットは、NIM クライアント、または NIM クライアントのグループを指定できます。

次のリストには、deallocate 操作に指定できる属性がすべて示されています。

-a ResourceType=ResourceName クライアントから割り当て解除するリソースを指定します。例えば、lpp_source=42_images となります。これは必須属性です。

-a subclass=all すべてのリソースをターゲットから割り当て解除することを指定します。これはオプション属性です。

リソースがクライアントから割り当て解除されると、リソース・サーバーの /etc/exports ファイルが変更され、リソースがクライアントからアンエクスポートされます。リソースの割り当てカウントも減分されます。

NIM define 操作の使用ネットワーク、マシン、およびリソースは、define 操作を使用して作成できます。

define 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t ObjectType -a Attribute=Value ... ObjectName

define 操作の属性は、オブジェクト型によって異なります。各種の NIM オブジェクトの定義に必要な属性の詳細な説明は、 204ページの『NIM ネットワークの確立』、 198ページの『NIM マシン』、 209ページの『NIM リソース』、および 250ページの『NIM グループの使用』を参照してください。

インストールおよび移行 239

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注: NIM リソース・クラス・オブジェクトは、/tmp ディレクトリーまたは /tmp サブディレクトリー(/tmp のもとでマウントされるファイルシステムを含む) のロケーション属性を用いて定義してはなりません。

NIM diag 操作の使用diag 操作は、クライアント用のリソースをネットワーク・ブートして診断モードにする準備をするために使用します。

diag 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o diag -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

diag 操作のターゲットには、任意のスタンドアロン NIM クライアント、またはスタンドアロン NIM クライアントのグループを指定できます。

diag 操作に指定できる必須属性は次のとおりです。

-a spot=Value ネットワーク・ブートおよび診断サポートを提供するために使用する SPOT リソースを指定します。

diag 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a group=Value 操作に使用するリソース・グループの名前を指定します。複数のリソースを個別の属性として指定する代わりに、リソース・グループを指定できます。

-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示するには、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

NIM dkls_init 操作の使用dkls_init 操作は、ディスクレス・クライアントが使用できるようにリソースを準備するために使用します。

dkls_init 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o dkls_init -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

dkls_init 操作のターゲットには、任意のディスクレス NIM クライアント、またはディスクレス NIM クライアントのグループを指定できます。

dkls_init 操作に指定できる必須属性は次のとおりです。

-a dump=Value クライアントのダンプ・ファイルが含まれているダンプ・リソースを指定します。-a paging=Value クライアントのページング・ファイルが含まれているページング・リソースを指定します。-a root=Value クライアントのルート・ディレクトリー (/) が含まれている root リソースを指定します。root

リソースにサービスを提供するマシンは、SPOT リソースにサービスを提供するマシンと同じでなければなりません。

-a spot=Value ネットワーク・ブート・サポートと /usr ファイルシステムをクライアントに提供するために使用する SPOT リソースを指定します。

dkls_init 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

240 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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-a group=Value インストールに使用するリソース・グループの名前を指定します。複数のリソースを個別の属性として指定する代わりに、リソース・グループを指定できます。

-a home=Value クライアントの /home ディレクトリーが含まれている home リソースを指定します。-a resolv_conf=Value クライアントのドメイン・ネーム・プロトコルのネーム・サーバー情報を構成するための

resolv_conf リソースを指定します。-a shared_home=Value 複数のクライアントに共通の /home ディレクトリーが含まれている shared_home リソー

スを指定します。-a size=Value クライアントのページング・ファイルのサイズをメガバイト単位で指定します。-a tmp=Value クライアントの /tmp ディレクトリーが含まれている tmp リソースを指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示する

には、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

dkls_init 操作は、クライアント・ディレクトリーを転送し、クライアントのページング・ファイルおよびダンプ・ファイルを作成します。ネットワーク・ブート・イメージもクライアントに割り当てられます。クライアントは、ネットワークを介してブートされると、ブート・イメージを獲得し、残りのリソースをマウントできるように構成されます。

NIM dtls_init 操作の使用dtls_init 操作は、データレス・クライアントが使用できるようにリソースを準備するために使用します。

dtls_init 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o dtls_init -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

dtls_init 操作のターゲットには、任意のデータレス NIM クライアント、またはデータレス NIM クライアントのグループを指定できます。

dtls_init 操作に指定できる必須属性は次のとおりです。

-a dump=Value クライアントのダンプ・ファイルが含まれているダンプ・リソースを指定します。-a spot=Value ネットワーク・ブート・サポートと /usr ファイルシステムをクライアントに提供するために使

用する SPOT リソースを指定します。-a root=Value クライアントのルート・ディレクトリー (/) が含まれている root リソースを指定します。root

リソースにサービスを提供するマシンは、SPOT リソースにサービスを提供するマシンと同じでなければなりません。

dtls_init 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a paging=Value クライアントのページング・ファイルが含まれている paging リソースを指定します。-a group=Value インストールに使用するリソース・グループの名前を指定します。複数のリソースを個別の

属性として指定する代わりに、リソース・グループを指定できます。-a home=Value クライアントの /home ディレクトリーが含まれている home リソースを指定します。-a resolv_conf=Value クライアントのドメイン・ネーム・プロトコルのネーム・サーバー情報を構成するための

resolv_conf リソースを指定します。-a shared_home=Value 複数のクライアントに共通の /home ディレクトリーが含まれている shared_home リソー

スを指定します。-a size=Value クライアントのページング・ファイルのサイズをメガバイト単位で指定します。-a tmp=Value クライアントの /tmp ディレクトリーが含まれている tmp リソースを指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示する

には、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

インストールおよび移行 241

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dtls_init 操作は、クライアント・ディレクトリーを転送し、クライアントのページング・ファイルおよびダンプ・ファイルを作成します。ネットワーク・ブート・イメージもクライアントに割り当てられます。クライアントは、ネットワークを介してブートされると、ブート・イメージを獲得し、残りのリソースをマウントできるように構成されます。

NIM fix_query 操作の使用fix_query 操作は、指定されたフィックスがクライアント・マシンまたは SPOT リソースにインストールされているかどうかを表示するために使用します。

fix_query 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o fix_query -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

fix_query 操作のターゲットには、任意のスタンドアロン NIM クライアント、スタンドアロン NIM クライアントのグループ、または SPOT リソースを指定できます。

fix_query 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a fix_bundle=Value フィックス・キーワードのリストが含まれている fix_bundle リソースを指定します。この操作に fixes 属性を指定していない場合は、この属性を指定する必要があります。

-a fixes=Value fix_query 操作用のキーワードのリストを指定します。フィックス・キーワードは、複数のファイルセット間にまたがる可能性がある更新ソフトウェアを識別するために使用される APAR 番号です。この操作に fix_bundle を指定していない場合は、この属性を指定する必要があります。

-a group=Value 操作に使用するリソース・グループの名前を指定します。複数のリソースを個別の属性として指定する代わりに、リソース・グループを指定できます。

-a fix_query_flags=Value fix_query 操作に情報の表示方法を指示します。有効なフラグは、instfix コマンドが使用するフラグと同じです。

-a show_progress=Value 操作が実行されるにつれて状況を表示するかどうかを指示します。デフォルト値はshow_progress=yes です。

注: fix_query 操作に必須属性はありません。

NIM lppchk 操作の使用lppchk 操作は、lppchk コマンドを NIM クライアントまたは SPOT リソースに対して実行することによって、ソフトウェアが正常にインストールされたことを検査するために使用します。

lppchk 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o lppchk -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

lppchk 操作のターゲットには、任意のスタンドアロン NIM クライアント、スタンドアロン NIM クライアントのグループ、または SPOT リソースを指定できます。

lppchk 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

242 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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-a async=Value NIM がグループ・メンバーに非同期に操作を実行し、あるメンバーでの操作の完了を待たずに次のメンバーに対する操作を開始するかどうかを指定します。デフォルト値はasync=yes です。

-a filesets=Value lppchk 操作を実行するターゲットのファイルセットのリストを指定します。-a lppchk_flags=Value lppchk コマンドにソフトウェア検査の実行方法を指示します。-a show_progress=Value 操作が実行されるにつれて状況を表示するかどうかを指示します。デフォルト値は

show_progress=yes です。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示

するには、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

注: lppchk 操作に必須属性はありません。

NIM lppmgr 操作の使用NIM lppmgr 操作は、lpp_source にある基本インストール・イメージと更新イメージを管理する上で役立ちます。

lppmgr コマンドは独立したコマンドですが、パラメーターとして NIM オブジェクトを使用します。NIM

に lppmgr 操作があるため、NIM は lppmgr コマンドを呼び出して、これを他のサーバーの lpp_sourceリソースに対して実行し、lppmgr の実行前後に lpp_source を十分に検査することができます。操作の形式は次のとおりです。

コマンドの形式は次のとおりです。

nim -o lppmgr -a lppmgr_flags=<flags> <lpp_source_object>

NIM lppmgr 操作は、SMIT でも使用可能です。この場合は、nim_lppmgr 高速パスを使用します。

lppmgr 操作は、lppmgr_flags 属性に矛盾がないか検査することはありません。

注: インストール・イメージの移動または除去のプロンプトを表示する目的で、-p フラグを使用しないでください。

削除する必要のある重複ファイルセット名のリストを、スペース使用率の情報と共に表示するには、以下のように入力してください。

nim -o lppmgr -a lppmgr_flags="-lsb" lpp_source1

lppmgr コマンドについて詳しくは、「AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス」を参照してください。

NIM maint 操作の使用maint 操作は、スタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェア・ファイルセットをアンインストールし、更新のコミットおよびリジェクトを行うために使用します。

maint 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o maint -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

maint 操作のターゲットには、スタンドアロン NIM クライアント、スタンドアロン NIM クライアントのグループ、または SPOT リソースを指定できます。

maint 操作に指定できる必須属性は次のとおりです。

インストールおよび移行 243

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-a installp_flags=Value installp にインストール済みソフトウェアの処理内容を指示するフラグを示します。

maint 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a async=Value NIM がグループ・メンバーに非同期に操作を実行し、あるメンバーでの操作の完了を待たずに次のメンバーに対する操作を開始するかどうかを指定します。デフォルト値はasync=yes です。

-a filesets=Value ターゲット上で保守するファイルセットのリストを指定します。-a group=Value 操作に使用するリソース・グループの名前を指定します。複数のリソースを個別の属性

として指定する代わりに、リソース・グループを指定できます。-a installp_bundle=Value ターゲット上で保守するファイルセットのリストが含まれる installp_bundle リソースを

指定します。-a show_progress=Value 保守が実行されるにつれて状況を表示するかどうかを指示します。デフォルト値は

show_progress=yes です。

NIM maint_boot 操作の使用maint_boot 操作は、クライアント用のリソースをネットワーク・ブートして保守モードにする準備をするために使用します。

maint_boot 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o maint_boot -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

maint_boot 操作のターゲットには、スタンドアロン NIM クライアント、またはスタンドアロン NIM クライアントのグループを指定できます。

maint_boot 操作に指定できる必須属性は次のとおりです。

-a spot=Value ネットワーク・ブートと保守モード・サポートを提供するために使用する SPOT リソースを指定します。

maint_boot 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a group=Value 操作に使用するリソース・グループの名前を指定します。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示するに

は、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

maint_boot 操作の実行後は、クライアントをネットワークを介してリブートする必要があります。そうすると、ネットワーク・ブート・イメージがロードされて、保守モードに入ります。

NIM reboot 操作の使用reboot 操作は、NIM クライアント・マシンをリブートするために使用します。

reboot 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o reboot -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

reboot 操作のターゲットには、任意のスタンドアロン NIM クライアント、またはスタンドアロン NIM

クライアントのグループを指定できます。

reboot 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

244 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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-a inst_warning=Value マシンがまもなくリブートされることをユーザーに知らせる警告を表示するかどうかを指示します。デフォルト値は inst_warning=yes です。

注: reboot 操作に必須属性はありません。

NIM remove 操作の使用remove 操作は、NIM 環境からオブジェクトを除去するために使用します。

remove 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o remove TargetName |TargetNames

remove 操作に指定する属性はありません。この操作のターゲットには NIM 環境内の任意のネットワーク、マシン、リソース、またはグループを指定できます。

NIM reset 操作の使用reset 操作は、NIM クライアントまたはリソースで NIM 操作を実行できるように、そのクライアントまたはリソースの状態を変更するために使用します。

操作が正常に完了する前に停止された場合は、マシンまたはリソースに対する reset が必要になることがあります。

reset 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -F -o reset TargetName |TargetNames

reset 操作のターゲットには、任意の NIM クライアント、NIM クライアントのグループ、または SPOTリソースを指定できます。

次のリストには、reset 操作に指定できるフラグと属性がすべて示されています。

-F (オプション) ターゲットが現在使用中の場合には操作を「強制」するように NIM に指示します。

reset 操作は、NIM クライアントに適用されると、クライアントの制御状態 (Cstate) を更新します。reset操作の実行後は、クライアントの Cstate が ready に設定され、そのクライアントに対して NIM 操作を実行できるようになります。クライアントの Cstate はこの操作によりリセットされますが、リソースは自動的には割り当て解除されません。リソースの割り当て解除について詳しくは、 239ページの『NIM

deallocate 操作の使用』を参照してください。

reset 操作は、SPOT リソースに適用されると、SPOT のリソース状態 (Rstate) を更新します。reset 操作の実行後は、SPOT の Rstate が ready に設定され、NIM 操作でその SPOT を使用できるようになります。

NIM select 操作の使用select 操作は、グループで実行される操作について、グループ・メンバーの組み込みおよび除外を指定するために使用します。

select 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o select -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

select 操作のターゲットは、NIM クライアントのグループである必要があります。

インストールおよび移行 245

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select 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a exclude=Value グループ対象操作から除外するグループ・メンバーの名前を指定します。-a exclude_all=Value グループのすべてのメンバーをグループ対象操作から除外することを指示します。有効な値は

yes および no です。-a include=Value グループ対象操作に組み込むグループ・メンバーの名前を指定します。-a include_all=Value グループのすべてのメンバーをグループ対象操作に組み込むことを指示します。有効な値は

yes および no です。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示するに

は、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

操作に組み込むグループ・メンバーおよび操作から除外するグループ・メンバーを表示するには、lsnim -gGroupName コマンド構文を使用します。

NIM showlog 操作の使用showlog 操作は、NIM クライアントまたは SPOT リソースにインストールされたソフトウェアをリストするために使用します。

showlog 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o showlog -a Attribute=Value ... TargetName |TargetNames

showlog 操作のターゲットには、任意のスタンドアロン NIM クライアント、スタンドアロン NIM クライアントのグループ、または SPOT リソースを指定できます。

showlog 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a full_log=Value ログ全体を表示するか、最後のエントリーだけを表示するかを指示します。デフォルト値は full_log=no です。

-a log_type=Value 表示するログのタイプを指定します。スタンドアロン・クライアントと SPOT リソースの両方についてサポートされるログ・タイプは次のとおりです。

boot マシンのブート・ログ

bosinst BOS インストール・プログラムからの出力

devinst キー・システムおよびデバイス・ドライバー・ソフトウェアのインストールからの出力

lppchk スタンドアロン NIM クライアントで実行された lppchk 操作からの出力ログ

nimerr nim コマンドの実行中に検出されたエラー

niminst ユーザー指定ソフトウェアのインストール (bos_inst 操作の実行中の NIM クライアント・ソフトウェアのインストールを含む) からの出力

script bos_inst 操作に割り当てられた任意の構成スクリプト・リソースからの出力-a show_progress=Value 操作が実行されるにつれて状況を表示するかどうかを指示します。デフォルト値は

show_progress=yes です。-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示す

るには、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

注: showlog 操作に必須属性はありません。

NIM showres 操作の使用showres 操作は、リソースの内容を表示するために使用します。

表示される内容は、操作の実行対象のリソースのタイプに該当するものです。

246 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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showres 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o showres -a Attribute=Value ... TargetName

showres 操作のターゲットには、SPOT、lpp_source、script、bosinst_data、image_data、installp_bundle、fix_bundle、resolv_conf、exclude_files、または adapter_def リソースを指定できます。

showres 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a client=Value

adapter_def リソースから表示するクライアントの 2 次アダプター構成ファイルを指定します。この属性を適用できるのは、操作のターゲットが adapter_def リソースの場合のみです。

-a filesets=Value

情報を表示するファイルセットのリストを指定します。この属性を適用できるターゲットは、lpp_source および SPOT のみです。

-a installp_flags=Value

installp コマンドにファイルセットの表示フォーマットを指示するフラグを指定します。この属性を適用できるターゲットは、lpp_source および SPOT のみです。

-a instfix_flags=Value

instfix コマンドにフィックスの表示フォーマットを指示するフラグを指定します。この属性を適用できるターゲットは、lpp_source のみです。

-a lslpp_flags=Value

lslpp コマンドにインストール済みソフトウェアの表示フォーマットを指示するフラグを指定します。この属性を適用できるターゲットは、SPOT のみです。

-a reference=Value

ファイルセットの比較に使用する基準マシンまたは SPOT リソースを指定します。この属性を適用できるのは、操作のターゲットが lpp_source の場合のみです。 lpp_source の中の使用可能なファイルセットが、基準マシンまたは SPOT のインストール済みのファイルセットと比較されます。showres 操作を NIM クライアントから実行した場合は、reference 属性は自動的にそのクライアントの名前に設定されます。

-a resource=Value

内容を表示したいリソースの名前を指定します。この属性を指定する必要があるのは、showres 操作を NIM クライアントから実行する場合のみです。

-a sm_inst_flags=Value

sm_inst コマンドにファイルセットの表示フォーマットを指示するフラグを指定します。この属性を適用できるターゲットは、lpp_source および SPOT のみです。この属性は、reference 属性と併用する必要があり、通常は SMIT アプリケーションの中でのみ使用します。

注: showres 操作に必須属性はありません。

v showres 操作のターゲットが SPOT の場合、SPOT にインストールされているファイルセットのリストが表示されます。

v showres 操作のターゲットが lpp_source の場合は、lpp_source に含まれているファイルセットのリストが表示されます。

v showres 操作のターゲットとして有効なその他のリソースの場合はすべて、ファイルの文字内容が表示されます。

インストールおよび移行 247

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NIM sync 操作の使用sync 操作は、NIM データベースと代替マスターを同期します。

このコマンドでローカル NIM データベースのバックアップが取られ、データベースが代替マスターに復元され、復元されたデータベースが更新されます。

sync 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim [-F] -o sync -a Attribute=Value ... TargetName

sync 操作のターゲットは、alternate_master でなければなりません。

showres 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示するには、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

-F NIM がこの操作を「強制」する必要があることを指定します。alternate_master 上のデータベースを上書きする必要がある場合は、強制操作を使用します。

注: sync 操作に必須属性はありません。

NIM sync_roots 操作の使用sync_roots 操作は、ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントに、それぞれが使用する SPOT リソースの正しいルート・ファイルがあるかどうかを検査するために使用します。

sync_roots 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -F -o sync_roots -a num_parallel_syncs=Value TargetName

sync_roots 操作のターゲットは、SPOT リソースでなければなりません。

sync_roots 操作に指定できるオプションのフラグと属性は次のとおりです。

-a num_parallel_syncs=Value SPOT ルート・ファイルと同時に同期するクライアントのルート・ディレクトリーの数を指定します。有効な値は数値だけです。デフォルト値は num_parallel_syncs=5

です。-F NIM がこの操作を「強制」する必要があることを指定します。

SPOT に対して check 操作を実行すると、sync_roots 操作が自動的に実行されることがあります。

NIM takeover 操作の使用takeover 操作を実行すると、alternate_master として構成されているマシンが NIM 環境を制御できるようになります。

代替マスターは、そのデータベースで定義されている各クライアントの /etc/niminfo ファイルを更新することによって、各クライアントの現行マスターになろうとします。 AIX 5.3 以上が実行されているクライアントのみが、この操作で更新されます。また、この操作では、ターゲットの alternate_master にあるデータベースの更新が試みられます。

takeover 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim [-F] -o takeover -a Attribute=Value ... TargetName

takeover 操作のターゲットは、alternate_master でなければなりません。

248 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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takeover 操作に指定できるオプション属性は次のとおりです。

-a verbose=Value デバッグのための情報を表示します。有効値は 1 から 5 です。最も詳細な情報を表示するには、verbose=5 を使用します。デフォルトでは、デバッグ出力は表示されません。

-a show_progress [yes | no] 操作が実行されるにつれて状況を表示するかどうかを指示します。デフォルト値はshow_progress=yes です。

-a async= [yes | no] この属性が「yes」に設定されると、クライアントは新規マスター情報で非同期で更新されます。デフォルトはこのコマンドが非同期で実行されます。

-F NIM がこの操作を「強制」する必要があることを指定します。alternate_master 上のデータベースを上書きする必要がある場合は、強制操作を使用します。

注: takeover 操作に必須属性はありません。

NIM unconfig 操作の使用unconfig 操作は、NIM マスターを構成解除するために使用します。

unconfig 操作を実行してからでなければ、NIM マスターを再構成したり、NIM マスター・ファイルセットをアンインストールできません。

重要: unconfig 操作を実行すると、NIM データベースからすべての情報が除去されるため、この操作を使用する場合は十分に注意してください。

unconfig 操作のコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o unconfig master

unconfig 操作のターゲットは、NIM マスターでなければなりません。

unconfig 操作に指定できる属性はありません。

unconfig 操作は、次の処理を実行することによって、NIM マスターを完全に構成解除します。

v システム・リソース・コントローラー (SRC) から nimesis および nimd デーモン・エントリーを除去する

v nim_attr および nim_object データベースからすべてのデータを除去する

NIM update 操作の使用NIM update 操作は、パッケージの追加および除去によって、lpp_source リソースを更新します。

update 操作のフォーマットは次のとおりです。

nim -o update -a packages=<all | list of packages with levels optional> ¥[-a gencopy_flags=<flags>] ] [-a installp_bundle=<bundle_file>] ¥[-a smit_bundle=<bundle_file>] [-a rm_images=<yes>] ¥[-a source=<dir | device | object>] [-a show_progress=<yes | no>]<lpp_source_object>¥

NIM update 操作は、SMIT でも使用可能です。この場合は、nim_update 高速パスを使用します。

source 属性は、ターゲット lpp_source リソースまたは既存の NIM lpp_source リソースのサーバーから見てローカルなディレクトリーまたはデバイスでなければなりません。デフォルトの操作では、ターゲットlpp_source にパッケージが追加されます。rm_images 属性が指定されている場合は、lpp_source からパッケージが除去されます。ユーザーは、source 属性または rm_images 属性のいずれかを指定する必要があります。また、packages、installp_bundle、または smit_bundle 属性のいずれか 1 つを指定しなければなりません。

インストールおよび移行 249

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通常は、all キーワードを指定すると、ソースが CD-ROM の場合はマルチボリューム・インストールが実行されます。しかし、update 操作では、単一のボリュームのコピーのみが行われます (gencopy -S フラグを渡す場合と同等)。

このコマンドは、デフォルトの動作として出力を表示します。出力をオフにするには、show_progress=noを渡します。

lpp_source リソースにパッケージを追加するには、次のコマンドを実行します。

# nim -o update -a packages=all -a source=/tmp/inst.images lpp_source1

lpp_source リソースからパッケージを除去するには、次のコマンドを実行します。

# nim -o update -a packages="bos.games 5.1.0.25 bos.sysmgt.nim" -a rm_images=yes lpp_source2

NIM グループの使用NIM グループは、本質的にはマシンおよびリソースのリストです。グループを NIM 操作で使用すれば、繰り返し行わなければならない管理作業を単純化できます。

NIM マシン・グループでの作業マシン・グループは、類似タイプのマシンの集合体を表すために使用します。 NIM 操作の中には特定のターゲット・タイプに制限されているものもあるので、 1 つのグループ内のマシン・タイプはすべて同じでなければならず (例えばスタンドアロン、ディスクレス、またはデータレス)、アーキテクチャーも同じでなければなりません。

グループに最初に追加されたメンバーによりそのグループに含めることができるアーキテクチャーおよびマシンのタイプが決まります。複数のマシンを単一グループのメンバーとして定義すれば、そのグループをターゲットとして指定することによって、1 つの操作をすべてのマシンに対して実行できます。NIM は、グループ内のマシンのリスト全体を巡回して、同じ操作を各メンバーに順に実行します。

操作を実行する前にグループ・メンバーに除外のマークを付けることによって、それらのメンバーを NIM

グループ操作から除外できます。メンバーを除外するとグループを表すメンバー・リストにマークが付きNIM はそのリスト内を巡回するときに該当メンバーをスキップします。メンバーを除外しても NIM データベース内のクライアントの定義は変更されません。グループ・メンバーへの組み込みおよび除外マーク付けについては、 337ページの『グループ対象操作におけるグループ・メンバーの組み込みと除外』 を参照してください。

マシンは、グループに追加したり、グループから除去したり、複数のグループのメンバーにすることができます。グループのすべてのメンバーを除去すると、 NIM データベースに入っていた該当のグループ定義は自動的に削除されます。グループ・メンバーの追加または除去の詳細は、 335ページの『マシン・グループへの新規メンバーの追加』および 336ページの『マシン・グループからのメンバーの除去』を参照してください。

マシン・グループを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t mac_group -a Attribute=Value ... MachineGroupName

次の属性はオプションです。

250 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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add_member=Value マシン・グループに追加する NIM クライアントの名前を指定します。NIM は、この属性を、適切な順序番号を付けて member 属性に自動的に変換します。

member=Value マシン・グループに追加する NIM クライアントの名前を指定します。この属性には、順序番号が必要です。

マシン・グループに対して実行される操作は、デフォルトでは、グループ内で特に除外されていないすべてのメンバーに対して非同期に実行されます。NIM は、1 つのグループ・メンバーに対する操作の完了を待たずに、次のメンバーに対する操作を開始します。操作を非同期に実行する場合、各クライアントで出力が発生するにつれてすべての出力を NIM が表示するのは不可能です。したがって、lsnim コマンドを使ってグループ・メンバーの状態をチェックし、操作がどこまで実行されたか、どの程度成功したかを判別する必要があります。エラーが発生した場合は、NIM showlog 操作を使って、クライアント・マシンのログ・ファイルを表示できます。

NIM グループ操作の動作を非同期から同期に変更するには、nim コマンドの実行時に async=no 属性を使用します。

マシン・グループに許可されるマシン数は、NIM によって明確に制限されていません。ただし、実際的な理由から次の要因で数が制限されます。

実行中の操作 リソース集中型ではない操作 (maint 操作または showlog 操作など) は、任意の数のマシンを含むグループに対して実行できます。リソース集中型の操作 (cust 操作または bos_inst 操作など) は、ネットワークのスループット、インストール・サーバーのディスク・アクセス・スループット、およびサーバーのプラットフォーム・タイプにより制限されます。

NFS エクスポートの制限 ルート許可によりファイルまたはディレクトリーをエクスポートできる宛先ホストの最大数は、NFS により 256 に制限されています。さらに、エクスポート・ファイルの行の長さに上限があるので、1 グループに許されるマシンの最大数がその上限により決まる場合があります。リソースの割り当てが可能なマシンの数を増やす方法については、 360ページの『NIM

リソースのグローバルなエクスポート』を参照してください。

NIM リソース・グループでの作業リソース・グループは、NIM リソースの集合体を表すために使用します。

リソース・グループには、複数の installp_bundle リソース、複数の script リソース、および他のそれぞれのタイプからリソースを 1 つずつ入れることができます。NIM 操作で使用するためにリソース・グループを割り当てるかまたは指定すると、グループ内の適用可能なすべてのリソースがターゲットに割り当てられます。リソース・グループを使用すると、1 つのリソース・グループを割り当てれば十分な場合には、NIM 管理者が同じセットのリソースを個別に繰り返し指定する手間が省けます。

リソース・グループを定義するためのコマンド行構文は次のとおりです。

nim -o define -t res_group -a default=Value ¥-a ResourceType=ResourceName ... ResourceGroupName

次の属性はオプションです。

インストールおよび移行 251

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default=Value あるリソース・グループをデフォルトにするかどうかを指定します。デフォルト値は default=no

です。ResourceType グループに追加するリソースのタイプ (例えば、spot、lpp_source、script など) および名前を指定

します。各タイプのリソースを 1 つずつ指定できます。ただし、script リソースとinstallp_bundle リソースは例外で、これらのリソースは 1 つの操作に複数個を組み込むことができます。

個々のリソース・グループ・メンバーの割り当ては、変更したいメンバーについて追加リソース属性を指定することによってオーバーライドできます。

例えば、リソース・グループ res_grp1 には、リソース spot1、lpp_source1、bosinst_data1、script1、および resolv_conf1 が含まれています。このリソース・グループを使用して rte bos_inst 操作をclient1 に実行する (ただし、bosinst_data リソースは使用せず、resolv_conf1 の代わりに resolv_conf2

を使用する) には、次のコマンドを使用します。

nim -o bos_inst -a source=rte -a group=res_group1 ¥-a bosinst_data= -a resolve_conf=resolv_conf2 client1

リソース・グループは、すべての NIM 操作に使用するためのデフォルトのリソース・セットとして指定できます。そのためには、マスターの default_res 属性をリソース・グループの名前 (これがデフォルトになります) に設定します。デフォルト・リソース・グループを定義すると、個別にオーバーライドしない限り、NIM 操作の実行時には常にそのグループの適用可能なメンバー・リソースが自動的に割り当てられます。

デフォルト・リソース・グループを res_group1 に設定するには、次のように入力します。

nim -o change -a default_res=res_group1 master

または、次のように入力します。

nim -o change -a default=yes res_group1

デフォルト・リソース・グループの使用を中止するには、次のように入力します。

nim -o change -a default_res=master

または、次のように入力します。

nim -o change -a default=no res_group1

NIM 作業ロードマップ以下に、NIM 構成作業およびインストール作業、ならびにこのトピックで解説されている場所を示します。また、作業の要旨も示します。適切な場合は、SMIT 高速パスを示します。

表 9. NIM 作業ロードマップNIM 作業 SMIT 高速パス 説明

254ページの『EZNIM の使用』 smit eznimEZNIM を使用して、NIM 環境を構成します。これにより、ご使用のシステムを NIM マスターまたは NIM クライアントとして構成することができます。ご使用のシステムを NIM マスターとして構成する場合は、 EZNIM は最小基本インストール・リソースも作成します。

252 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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表 9. NIM 作業ロードマップ (続き)

257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』

smit nim_config_envNIM マスターを構成すれば、 NIM クライアント・マシンのインストールに最低限必要な基本インストール・リソースを作成して、ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのためのリソースを管理できます。

260ページの『NIM 環境へのスタンドアロン・クライアントの追加』

smit nim_mkmacスタンドアロン・クライアントを NIM 環境に追加する方法について説明します。

265ページの『インストール・イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール』

smit nim_bosinstNIM クライアント上で BOS インストールを実行する方法について説明します。

267ページの『mksysb イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール』

smit nim_bosinstNIM 環境の mksysb リソースから、mksysb イメージおよび他のソフトウェアをターゲット NIM クライアントに復元する方法について説明します。

271ページの『プロンプトなしのBOS インストールの実行』

v smit nim_mkres

v smit nim_bosinstbosinst_data リソースを使用するプロンプトなしの NIM BOS

インストールを実行する方法について説明します。

272ページの『ATM ネットワークでの NIM の使用』 ATM アダプターと連動するように NIM を構成する方法につ

いて、情報を提供します。

265ページの『インストール・イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール』

smit nim_task_instNIM を使用して、実行中の構成済み NIM クライアントおよび SPOT リソースに、ソフトウェア・パッケージ、更新、メンテナンス・レベルをインストールする方法について説明します。

314ページの『NIM クライアントの診断のブート』

smit nim_mac_op診断テープまたは CD-ROM からブートする代わりに、NIM

サーバーから診断ブート・イメージを使用することによって、NIM クライアント上でハードウェア診断を実行できます。したがって、診断用のブート・メディアが不要になるばかりでなく、マシンのローカル・ディスクに診断プログラムをインストールする必要もなくなります。

保守操作をする場合、ブート可能テープまたは CD-ROM を使用する代わりに、 NIM サーバーのブート・イメージからNIM クライアントをブートして保守モードにできます。

342ページの『スタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアの保守』

smit nim_task_maintソフトウェアのコミット、リジェクト、除去、コピー、検査、およびクリーンアップの方法について情報を提供します。

280ページの『NIM 環境へのディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントの追加』

smit nim_task_ddご使用の NIM 環境にディスクレスおよびデータレス・クライアントを追加する方法について情報を提供します。ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアント用のリソースを NIM マスターから管理できます。

284ページの『NIM クライアントの代替ディスクへのインストール』

smit nim_alt_installNIM を使用して実行中の rootvg (ルート・ボリューム・グループ) のクローンを代替ディスクに作成したり、mksysb イメージを代替ディスクにインストールすることができます。

67ページの『代替ディスクのマイグレーション・インストールの実行』

smit nimadmNIM を使用して、NIM クライアントへの代替ディスクのマイグレーション・インストールを実行することができます。

インストールおよび移行 253

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EZNIM の使用SMIT EZNIM フィーチャーは、一般的に使用される NIM 操作を編成して、頻繁に使用される高度な NIM

操作を単純化します。

SMIT EZNIM の機能には、以下のものがあります。

v タスク指向のメニュー。

v 自動的なリソース命名 (NIM リソース作成で使用するソフトウェアのレベルも含まれる)。

v 可能な場合はいつでも、ユーザーはタスクを実行する前に、実行されるステップを見直すことができる。

SMIT eznim 高速パスを使用して、EZNIM メインメニューを開きます。ご使用のシステムで NIM 環境がセットアップされていない場合には、 EZNIM メインメニューが次のオプションを表示します。

v Configure as a NIM Master (NIM マスターとして構成)

v Configure as a NIM Client (NIM クライアントとして構成)

EZNIM を使用する NIM マスターの構成現行システムを NIM マスターとして構成するには、以下のステップに従います。

「Configure as a NIM Master (NIM マスターとして構成)」を選択すると、次のオプションが表示されます。

Setup the NIM Master environmentEnable Cryptographic AuthenticationAdd fixes to the NIM Master environmentAdd client to the NIM environment

Update clientsBackup a clientReinstall clientsReset clients

Show the NIM environmentVerify the NIM environmentRemove NIM environment

v 現行システムを NIM マスターとして構成する場合は、「Setup the NIM Master environment (NIM マスター環境のセットアップ)」を選択します。構成するソフトウェア・ソースを選択し、 NIM リソースに使用するボリューム・グループを選択し、 NIM リソースに使用するファイルシステムを選択します。 NIM マスター環境が構成されると、基本 NIM リソースが作成されます。 EZNIM によって作成された NIM リソースを表示するには、「Show the NIM environment (NIM 環境の表示)」を選択するか、NIM マスターで lsnim コマンドを実行します。

v NIM マスターに SSL 認証を構成するには、「Enable Cryptographic Authentication (暗号化認証を使用可能にする)」を選択します。このオプションを選択すると、OpenSSL RPM パッケージに含まれる暗号化ソフトウェアのインストールと構成が可能になります。 OpenSSL を構成した後は、OpenSSL がインストールされている NIM クライアントは、NIM マスターのサービス要求時に暗号化認証を要求することができます。

v 更新およびメンテナンス・レベルまたはテクノロジー・レベルのパッケージを NIM マスターにインストールするには、「Add fixes to the NIM Master environment (NIM マスター環境にフィックスを追加)」を選択します。このオプションは、デフォルトの SPOT リソースに対して、指定されたフィックスのセットの更新インストールを実行します。この操作により、新たにインストールされたフィックスが含まれる 2 番目の SPOT リソースが作成されます。オプションで、この操作中にすべての NIM クライアントの更新を選択することもできます。

254 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v EZNIM を使用してクライアントを更新するには、「Update clients (クライアントの更新)」を選択します。このオプションにより、lpp_source リソースを使用する選択済みクライアント (複数可) に対して、update_all 操作を実行することができます。

v EZNIM を使用してクライアントをバックアップするには、「Backup a client (クライアントのバックアップ)」を選択します。このオプションによって、選択済みクライアントのシステム・バックアップ・イメージを作成し、そのバックアップ・イメージを NIM マスター上に保管することができます。

v EZNIM を使用してクライアントを再インストールするには、「Reinstall clients (クライアントの再インストール)」を選択します。このオプションにより、選択済みクライアント (複数可) に対して、mksysb復元またはネイティブ rte インストールを実行できます。その場合は復元するシステム・バックアップ・イメージまたはインストールする lpp_source を選択して、今すぐクライアントをリブートしてインストールするかどうかを決める必要があります。

v NIM クライアントを ready 状態にリセットするには、「Reset clients (クライアントのリセット)」を選択します。このオプションは、NIM 環境のクライアント (1 つまたは複数) の状態をリセットします。このオプションは、NIM 操作が失敗した後にクライアントを ready 状態に戻すために使用します。

EZNIM を使用する NIM クライアントの構成EZNIM を使用して NIM クライアントを構成するには、以下のステップに従います。

クライアント・システムで、SMIT eznim 高速パスを使用します。「Configure as a NIM Client (NIM クライアントとして構成)」を選択すると、次のオプションが表示されます。

Add this system to a NIM environmentConfigure Client Communication ServicesUpdate this systemReinstall this systemReset this systemShow the NIM environment

v NIM 環境のクライアントを定義するには、「Add this system to a NIM environment (このシステムをNIM 環境に追加)」を選択します。

v NIM クライアントに SSL 認証を構成するには、「Configure Client Communication Services (クライアント通信サービスの構成)」を選択します。このオプションを選択すると、OpenSSL RPM パッケージに含まれる暗号化ソフトウェアのインストールと構成が可能になります。 OpenSSL を構成した後は、クライアントで使用される通信プロトコルとして nimsh を選択することができます。その場合、着信 NIM

マスター・サービス要求は、SSL ソケット接続を介して認証されます。

v クライアントを更新するには、「Update this system (このシステムを更新)」を選択します。このオプションにより、lpp_source リソースを使用するクライアントに対して、update_all 操作を実行することができます。

v クライアントを再インストールするには、「Update this system (このシステムを更新)」を選択します。このオプションにより、選択済みクライアント (複数可) に対して、mksysb 復元またはネイティブ rteインストールを実行できます。その場合は復元するシステム・バックアップ・イメージまたはインストールする lpp_source を選択して、今すぐクライアントをリブートしてインストールするかどうかを決める必要があります。

v NIM 環境のクライアントをリセットするには、「Reset this system (このシステムをリセット)」を選択します。このオプションは、NIM 環境のクライアントの状態をリセットします。このオプションは、NIM 操作が失敗した後にクライアントを ready 状態に戻すために使用します。

v EZNIM 環境のデフォルト・リソースを表示するには、「Show the NIM environment (NIM 環境の表示)」を選択します。リソースは、「EZNIM Master Operations (EZNIM マスターの操作)」を使用して定義されます。

インストールおよび移行 255

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EZNIM の使用例異なるボリューム・グループを使用して EZNIM セットアップを作成するには、以下のステップに従います。

異なるボリューム・グループを使用して EZNIM セットアップを作成するには、「smitty eznim」 →

「Configure as a NIM Master (NIM マスターとして構成)」 → 「Setup the NIM Master environment(NIM マスター環境のセットアップ)」を実行します。

Easy NIM - Setup the NIM Master environment

Type or select values in entry fields.Press Enter AFTER making all desired changes.

[Entry Fields]Select or specify software source [cd0] +to initialize environment:

Select Volume Group for resources [rootvg] +

Select Filesytem for resources [/export/eznim]

OptionsCREATE system backup image? [yes] +CREATE new Filesystem? [yes] +DISPLAY verbose output? [no] +

「Select Volume Group for resources (リソースのボリューム・グループの選択)」の場合は、ボリューム・グループを選択します。デフォルトの /export/eznim とは異なるファイルシステムを使用する場合は、「Select Filesystem for resources (リソースのファイルシステムの選択)」フィールドに望ましい値を入力します。

nim_master_setup コマンドにフラグ属性 (-a file_system=<value> または -a volume_group=<value>) を指定して、異なるボリューム・グループまたはファイルシステムを選択することもできます。filesystem とrootvg に値を入力することができます。

デバイス /dev/cd0 にあるインストール・メディアの使用時に NIM リソースを定義し、ボリューム・グループ myvg のもとで /export/nimfs という名前の新規ファイルシステムを作成するには、次のように入力します。

nim_master_setup -a volume_group=myvg -a file_system=/export/nimfs

注: /export/nimfs ファイルシステムが現在、存在しない場合は、このファイルシステムが myvg ボリューム・グループのもとで作成されます。myvg ボリューム・グループが存在しない場合は、このボリューム・グループが、次の空の物理ボリューム (ディスク) を使用して作成されます。これは、ディスク属性が指定されていないためです。

NIM およびその他の基本操作の構成基本的な NIM 操作および構成作業を実行するためにいくつかの方法を使用できます。

基本的な NIM 操作および構成作業は、次の方法を用いて実行することができます。

v Web-based System Manager NIM インターフェース

v System Management Interface Tool (SMIT)

v コマンド行

256 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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注: コマンド行で作業を行うには、root ユーザーは ksh を使用しなければなりません。 root ユーザーが、csh など別のシェルを設定している場合には予期しない結果になる場合があります。

Web-based System Manager NIM インターフェースの開始NIM マスターの X Window システム・セッションから Web-based System Manager NIM インターフェースを開始するには、次のように入力します。wsm

Web-based System Manager のオンライン・コンテキスト・ヘルプを使用することができます。インターフェースで全般ヘルプを使用することもできます。全般ヘルプを表示するには、NIM コンテナーのヘルプ・メニューから「Contents (目次)」を選択します。

NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成NIM マスターの構成、NIM クライアント・マシンのインストールに必要な最小限の基本インストール・リソースの作成、およびディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントのリソースの管理は、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用して実行することができます。

注:

1. NIM によって AIX バージョン 4 クライアントにファイルセットをインストールするために AIX バージョン 5 lpp_source を使用することは、サポートされていません。バージョン 4 にバージョン 5 ファイルセットをインストールする必要がある場合、lpp_source を NFS エクスポートして、それをクライアントにマウントした後、installp コマンドまたは geninstall コマンドを使用してインストール手順を実行します。

2. この手順では、大量の出力が生成されます。特に、SPOT リソースの作成時には多くなります。致命的でないエラーや警告は、成功を示す戻りコードには明示されていないことがあるので、出力全体を調べてそのようなエラーや警告の有無をチェックしてください。

前提条件

NIM マスターには、最低 1 GB の使用可能なディスク・スペースが必要です。このようなスペースが使用可能でない場合は、 333ページの『リソース・サーバーとしてのクライアント・マシンの使用』および308ページの『CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義』を参照してください。

Web-based System Manager からの NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成:

Web-based System Manager を使用して、NIM マスターを構成し、基本インストール・リソースを作成するには、次の手順を実行します。

1. AIX 5.3 Volume 1 CD/DVD を指定のマスターの適切なドライブに挿入します。

2. wsm と入力して、Web-based System Manager ソフトウェア・アプリケーションを開始します。

3. ナビゲーション領域で、「NIM」コンテナーを展開して選択し、ウィザードの指示に従います。

SMIT からの NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成:

SMIT を使用して、NIM マスターを構成し、基本インストール・リソースを作成するには、次の手順を実行します。

1. AIX 5.3 Volume 1 CD/DVD を指定のマスターの適切なドライブに挿入します。

2. bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをインストールするには、 smit install_latest 高速パスを入力します。

3. 「LIST (リスト)」オプションを使用して、「INPUT device/directory for software (ソフトウェア用の入力デバイス/ディレクトリー)」で「/dev/cd0」を選択します。

インストールおよび移行 257

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4. インストールするソフトウェアとして bos.sysmgt.nim.master を指定します。

5. この画面のその他のすべてのフィールドは、デフォルト値をそのまま受け入れます。このインストールが正常に完了したら、SMIT を終了します。

6. NIM マスターを構成するには、smit nim_config_env 高速パスを入力します。

7. 「LIST (リスト)」オプションを使用して、「Primary Network Interface for the NIM Master (NIM マスター用 1 次ネットワーク・インターフェース)」を選択します。

8. 「LIST (リスト)」オプションを使用して、「Input device for installation/images (インストール/イメージのための入力デバイス)」フィールドで「/dev/cd0」または「/dev/rmt0」を選択します。

9. ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントをサポートする場合は、「CreateDiskless/Dataless Machine Resources? (ディスクレス/データレス・マシンのリソースを作成しますか?)」フィールドで「yes (はい)」を選択して、作成するリソースの名前を入力します。

10. 「Remove all newly added NIM definitions and file systems if any part of this operation fails? (この操作が一部でも失敗したら新規に追加した NIM 定義およびファイルシステムをすべて除去しますか?)」フィールドで「yes (はい)」を選択します。 このようにすると、途中で障害が起きた場合に、この手順を再開しやすくなります。

11. この画面のその他のすべてのフィールドは、デフォルト値をそのまま受け入れます。

注:

1. マシンのスピードによっては、基本 NIM リソースの作成処理にかなり時間がかかる場合があります。

2. この手順では、単に NIM マスターを構成して、 lpp_source および SPOT リソースを作成するだけでなく、はるかに高度な機能を実行することができます。ただし、この単純な構成で使用されるのは、使用可能な機能の一部のサブセットだけです。熟練した NIM 管理者は、この手順からアクセスできるSMIT 画面を使って、さらに複雑な環境を作成できます。

3. 構成作業について十分理解できるようになれば、障害が発生した際に、すべての構成を自動的に元に戻さない方法を選択することもできます (上記手順のステップ 10 のように)。熟練した管理者にとっては、最後に発生した障害点から続けて作業する方が、構成作業を速く完了できるからです。

コマンド行からの NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成:

コマンド行から NIM マスターを構成し、基本インストール・リソースを作成するには、次の手順を実行します。

1. AIX 5.3 Volume 1 CD/DVD を指定のマスターの適切なドライブに挿入します。

2. ディスクから bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをインストールするには、次のように入力します。# installp -agXd /dev/cd0 bos.sysmgt.nim.master

テープから bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをインストールするには、次のように入力します。# installp -agXd /dev/rmt0 bos.sysmgt.nim.master

3. nimconfig コマンドを使用して NIM マスターを構成するには、次のように入力します。

次の構成の NIM マスターを構成する例を示します。

master host name = master1primary network interface = tr0ring speed = 16platform = chrpkernel type = mp

次のコマンド・シーケンスを入力します。# nimconfig -a netname=network1 -a pif_name=tr0 ¥ -a

ring_speed1=16 -a platform=chrp -a netboot_kernel=mp

258 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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注: 追加の属性については、nimconfig コマンドを参照してください。

4. rootvg ボリューム・グループに、スペースが 400 MB でマウント・ポイントが /export/lpp_source のファイルシステムを作成するには、次のように入力します。

# crfs -v jfs -g rootvg -a size=$((2000*400)) ¥-m /export/lpp_source -A yes -p rw -t no ¥-a frag=4096 -a nbpi=4096 -a compress=no

5. ファイルシステムをマウントするには、次のように入力します。# mount /export/lpp_source

6. lpp_source には、ソース・デバイス (この例では CD-ROM) からコピーしたインストール・イメージが含まれています。 lpp_source のサーバーが NIM マスターになります。このイメージは、/export/lpp_source/lpp_source1 ディレクトリーに格納されます。 lpp_source1 という名前のlpp_source リソースを作成するには、次のように入力します。

# nim -o define -t lpp_source -a source=/dev/cd0 ¥-a server=master -a location=/export/lpp_source/lpp_source1 ¥lpp_source1

7. rootvg ボリューム・グループに、スペースが 200 MB でマウント・ポイントが /export/spot のファイルシステムを作成するには、次のように入力します。

# crfs -v jfs -g rootvg -a size=$((2000*200)) ¥-m /export/spot -A yes -p rw -t no ¥-a frag=4096 -a nbpi=4096 -a compress=no

8. ファイルシステムをマウントするには、次のように入力します。# mount /export/spot

9. SPOT リソースは、イメージ・ソース (この例では、ステップ 6 で作成した lpp_source) 内のイメージからインストールされます。このリソースのサーバーは NIM マスターであり、SPOT は/export/spot/spot1 ディレクトリーに格納されます。 spot1 という名前の SPOT リソースを作成するには、次のように入力します。

# nim -o define -t spot -a source=lpp_source1 ¥-a server=master -a location=/export/spot spot1

10. ディスクレス・クライアントもデータレス・クライアントもサポートしない場合には、この手順を続行する必要はありません。ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントをサポートする場合は、そのリソース用のファイルシステムを作成しマウントします。

rootvg ボリューム・グループに、スペースが 150 MB でマウント・ポイントが /export/dd_resource

のファイルシステムを作成するには、次のように入力します。

# crfs -v jfs -g rootvg -a size=$((2000*150)) ¥-m /export/dd_resource -A yes -p rw -t no ¥-a frag=4096 -a nbpi=4096 -a compress=no

11. ファイルシステムをマウントするには、次のように入力します。# mount /export/dd_resource

12. ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのリソースを /export/dd_resource ディレクトリーのサブディレクトリーに作成します。すべてのリソースが必要なわけではありません。自分の環境で使用するリソースだけを作成してください。

root1 という名前の root リソース (ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの場合は必須) を作成するには、次のように入力します。

# nim -o define -t root -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/root1 root1

dump1 という名前のダンプ・リソース (ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの場合は必須) を作成するには、次のように入力します。

# nim -o define -t dump -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/dump1 dump1

インストールおよび移行 259

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paging1 という名前のページング・リソース (ディスクレス・クライアントの場合は必須) を作成するには、次のように入力します。

# nim -o define -t paging -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/paging1 paging1

home1 という名前の home リソース (オプション) を作成するには、次のように入力します。

# nim -o define -t home -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/home1 home1

shared_home1 という名前の shared_home リソース (オプション) を作成するには、次のように入力します。

# nim -o define -t shared-home -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/shared_home1 shared_home1

tmp1 という名前の tmp リソース (オプション) を作成するには、次のように入力します。

# nim -o define -t tmp -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/tmp1 tmp1

NIM 環境へのスタンドアロン・クライアントの追加NIM 環境にスタンドアロン・クライアントを追加するには、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用します。

スタンドアロン・クライアントとは、インストールが完了すると、ローカル・ハード・ディスクからブート・イメージを取得して、すべてのファイルシステムをマウントできるマシンで、この点がリモート・サーバーに依存するディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントとは異なります。ネットワーク情報の有無に関わらず、クライアントを追加することができます。

Web-based System Manager からのネットワーク情報を使用するクライアントの追加:

Web-based System Manager でネットワーク情報を使用するクライアントを追加するには、ウィザードを使用することができます。

v NIM マスターを構成する必要があります。詳しくは、 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

v サブネット・マスク、クライアント・マシン用のデフォルト・ゲートウェイ、および NIM マスター用のデフォルト・ゲートウェイを知っている必要があります。

1. Web-based System Manager ソフトウェア・アプリケーションを開始するには、wsm と入力します。

2. ナビゲーション領域で、展開して「NIM」コンテナーを選択します。

3. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

4. 「Machines (マシン)」メニューから、「New (新規)」 → 「Machine (マシン)」を選択します。

5. ウィザードを使用して、作業を完了します。

SMIT からのネットワーク情報を使用するクライアントの追加:

SMIT を使用してスタンドアロン NIM クライアントを NIM 環境に追加するには、以下の指示に従います。

クライアント・マシンが稼働中でない場合、またはクライアントに AIX がインストールされていない場合、SMIT を使用してスタンドアロン NIM クライアントを NIM 環境に追加するには、メソッド A を使用してください。 BOS をクライアントにインストールしてそのクライアントを手動でネットワーク・ブー

260 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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トする場合、または force-push 操作によってインストールを開始する場合にも、メソッド A を使用できます。この手順では、必要であれば自動的に NIM ネットワークが追加されます。

AIX が既にインストールされているスタンドアロン NIM クライアントを追加する場合、メソッド B を使用してください。

定義しようとしている NIM クライアントが、現在の NIM 環境に定義されていないネットワーク上にある場合には、 niminit コマンドは失敗します。このような場合には、この手順のメソッド A を使用してNIM マスターでクライアントを定義してから、メソッド B のステップに従って構成を完了させてください。

前提条件

v NIM マスターを構成する必要があります。詳しくは、 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

v サブネット・マスク、クライアント・マシン用のデフォルト・ゲートウェイ、および NIM マスター用のデフォルト・ゲートウェイを知っている必要があります。

クライアントが稼働していない場合に SMIT でネットワーク情報を使用するクライアントの追加 (メソッド A):

クライアントが稼働していない場合に、SMIT でネットワーク情報を使用してクライアントを追加するには、次のステップを実行します。

1. NIM マスター上で、smit nim_mkmac 高速パスを入力して、 NIM 環境にスタンドアロン・クライアントを追加します。

2. クライアントのホスト名を指定します。

3. 次に表示される「SMIT」画面は、クライアントのネットワークについての情報が既に NIM にあるかどうかによって異なります。必須フィールドに値を入力するか、デフォルトを受け入れます。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用するとクライアント・マシンを追加するための正しい値を指定するのに役立ちます。

クライアントが稼働している場合に SMIT でネットワーク情報を使用するクライアントの追加 (メソッドB):

クライアントが稼働している場合に、SMIT でネットワーク情報を使用してクライアントを追加するには、次のステップを実行します。

1. NIM クライアントとして選択したシステムで、次のように入力して、bos.sysmgt.nim.client ファイルセットがインストールされているかどうかを確認します。# lslpp -L bos.sysmgt.nim.client

2. bos.sysmgt.nim.client ファイルセットがインストールされていない場合は、次のように入力して、AIX Volume 1 CD/DVD からファイルセットをインストールします。# installp -acXd /dev/cd0

bos.sysmgt.nim.client

3. smit niminit 高速パスを入力します。

4. 必須フィールドに値を入力するか、デフォルトを受け入れます。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると、クライアント・マシンを定義するための正しい値を指定するのに役立ちます。

コマンド行からのネットワーク情報を使用するクライアントの追加:

コマンド行からスタンドアロン NIM クライアントを NIM 環境に追加するには、以下の指示に従います。

インストールおよび移行 261

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クライアント・マシンが稼働中でない場合、またはクライアントに AIX がインストールされていない場合、コマンド行からスタンドアロン NIM クライアントを NIM 環境に追加するには、メソッド A を使用してください。 BOS をクライアントにインストールしてそのクライアントを手動でネットワーク・ブートする場合、または force-push 操作によってインストールを開始する場合にも、メソッド A を使用できます。この手順では、必要であれば自動的に NIM ネットワークが追加されます。

AIX が既にインストールされているスタンドアロン NIM クライアントを追加する場合、メソッド B を使用してください。

定義しようとしている NIM クライアントが、現在の NIM 環境に定義されていないネットワーク上にある場合には、 niminit コマンドは失敗します。このような場合には、この手順のメソッド A を使用してNIM マスターでクライアントを定義してから、メソッド B のステップに従って構成を完了させてください。

前提条件

v NIM マスターを構成する必要があります。詳しくは、 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

v サブネット・マスク、クライアント・マシン用のデフォルト・ゲートウェイ、および NIM マスター用のデフォルト・ゲートウェイを知っている必要があります。

クライアント・マシンが稼働していない場合にコマンド行からネットワーク情報を使用するクライアントの追加 (メソッド A):

クライアント・マシンが稼働していない場合に、コマンド行からネットワーク情報を使用してクライアントを追加するには、次のステップを実行します。

NIM マスター上で、次のように入力します。

# nim -o define -t standalone -a platform=PlatformType ¥-a netboot_kernel=NetbootKernelType ¥-a if1=InterfaceDescription ¥-a net_definition=DefinitionName -a ring_speed1=SpeedValue ¥-a cable_type1=TypeValue -a iplrom_emu=DeviceName MachineName

例 1:

machine1 というホスト名の、下記の構成のマシンを追加する例を示します。

host name=machine1platform=chrpkernel=upnetwork type=ethernetsubnet mask=255.255.240.0default gateway=gw1default gateway used by NIM master=gw_mastercable type=bncnetwork boot capability=yes (no emulation needed)

下記のコマンド・シーケンスを入力します。

# nim -o define -t standalone -a platform="chrp" ¥-a netboot_kernel="up" -a if1="find_net machine1 0" ¥-a cable_type1="bnc" ¥-a net_definition="ent 255.255.240.0 gw1 gw_master" machine1

例 2:

machine2 というホスト名の、下記の構成のマシンを追加する例を示します。

262 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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host name=machine2platform=chrpnetboot_kernel=upnetwork type=token ringsubnet mask=255.255.225.0default gateway=gw2default gateway used by NIM master=gw_masterring speed=16

下記のコマンド・シーケンスを入力します。

# nim -o define -t standalone -a platform="chrp" ¥-a netboot_kernel="up" -a if1="find_net machine2 0" ¥-a ring_speed1="16" ¥-a net_definition="tok 255.255.225.0 gw2 gw_master" machine2

注:

1. if 属性の find_net キーワードによって、 NIM がネットワーク定義とクライアント定義を突き合わせ、一致した場合には、net_definition 属性は無視されます。

2. NIM クライアントの定義で指定できる属性の詳細については、 198ページの『NIM クライアントの定義』を参照してください。

クライアント・マシンが稼働している場合にコマンド行からネットワーク情報を使用するクライアントの追加 (メソッド B):

クライアント・マシンが稼働している場合に、コマンド行からネットワーク情報を使用してクライアントを追加するには、次のステップを実行します。

1. bos.sysmgt.nim.client ファイルセットをクライアント・マシンにインストールします。

2. クライアントとして定義するマシンから、次のように入力します。

# niminit -a name=ClientDefinitionName -a master=MasterName ¥-a pif_name=Interface -a platform=PlatformType ¥-a netboot_kernel=NetbootKernelType -a ring_speed1=SpeedValue ¥-a cable_type1=TypeValue -a iplrom_emu=DeviceName

注: 属性の詳細については、niminit コマンドを参照してください。

例 1:

machine1 というホスト名の、下記の構成のマシンを追加する例を示します。

host name=machine1NIM master's host name=master_macprimary interface adapter=en0platform=chrpkernel=upcable type=bncnetwork boot capability=yes (no emulation needed)

下記のコマンド・シーケンスを入力します。

# niminit -a name=machine1 -a master=master_mac ¥-a pif_name=en0 -a platform=chrp -a netboot_kernel=up ¥-a cable_type1=bnc

例 2:

machine2 というホスト名の、下記の構成のマシンを追加する例を示します。

インストールおよび移行 263

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host name=machine2NIM master's host name=master_macprimary interface adapter=tr0platform=chrpnetboot_kernel=upring speed1=16

下記のコマンド・シーケンスを入力します。

# niminit -a name=machine2 -a master=master_mac ¥-a pif_name=tr0 -a platform=chrp -a netboot_kernel=up ¥-a ring_speed1=16

SMIT からのネットワーク情報を使用しないクライアントの追加:

AIX バージョン 5.3 から、NIM 環境のクライアントを定義するための新しいリモート・サービスを使用できます。SMIT でこの新しいサービスを使用するには、以下の指示に従います。

この新規サービスは NIM サービス・ハンドラー (NIMSH) と言い、NIM クライアントになるものの上で実行されます。NIMSH を使用してシステムを定義すると、クライアント・オブジェクトを定義するときに情報が不要になります。詳しくは、 326ページの『クライアント通信用 NIM サービス・ハンドラーの使用』を参照してください。

nimquery を使用して NIM クライアントを定義するには、以下のステップを実行してください。

1. NIM マスターで高速パス smitty nim_query を入力します。

2. 照会するマシンのホスト名を指定します。

注: マシンの NIMSH デーモンがアクティブでなければなりません。

3. マシンを NIM クライアントとして追加する場合は、「Adding Machine to the NIM Environment(NIM 環境へのマシンの追加)」のオプションとして yes を選択します。

4. 新規クライアントのオブジェクト名を指定します。

コマンド行からのネットワーク情報を使用しないクライアントの追加:

AIX バージョン 5.3 から、NIM 環境のクライアントを定義するための新しいリモート・サービスを使用できます。コマンド行からこの新しいサービスを使用するには、以下の指示に従います。

この新規サービスは NIM サービス・ハンドラー (NIMSH) と言い、NIM クライアントになるものの上で実行されます。NIMSH を使用してシステムを定義すると、クライアント・オブジェクトを定義するときに情報が不要になります。詳しくは、 326ページの『クライアント通信用 NIM サービス・ハンドラーの使用』を参照してください。

コマンド行で nimquery コマンドを使用して NIM クライアントを定義するには、次を入力します。

# nimquery -a host=hostname -a name=obj_name -d

NIMSH を使用しての NIM クライアントの定義についての詳細は、nimquery コマンドを参照してください。

クライアント・マシンの状況の検査:

niminit コマンドを使用してクライアント・マシンの状況を検査します。

niminit コマンドが正常に完了したことを確認するには、 NIM クライアントで下記のコマンドを入力します。

264 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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# nimclient -l -l MachineObjectName

システムは次のような出力を戻します。

Standalone2:class = machinestype = standaloneCstate = ready for a NIM operationplatform = chrpnetboot_kernel = upif1 = Network2 standalone2 08005acd536dcable_type1 = bnciplrom_emu = /dev/fd0prev_state = customization is being performedcpuid = 000247903100Mstate = currently runningCstate_result = success

この照会へのシステム出力でエラーが表示された場合には、スペリングが正しいか、NIM 名が重複していないかなどを確認して、指定したすべてのデータの妥当性を調べ、niminit 操作を再実行する必要があります。

この操作に関しては、NIM マスターのシステム管理者と調整して、すべて の NIM オブジェクト名がNIM 環境全体で一意であることを確認してください。

注: この作業は、Web-based System Manager または SMIT を使用して実行することはできません。

インストール・イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストールインストール・イメージを使用して基本オペレーティング・システム (BOS) を NIM クライアントにインストールする手順は、従来のテープまたはメディアからの BOS インストールと似ています。これは、BOS

イメージが、lpp_source リソースのインストール・イメージからインストールされるためです。

前提条件

v NIM マスターが構成され、 lpp_source リソースおよび SPOT リソースが定義されている必要があります。 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

v インストールする NIM クライアントは、NIM 環境に既に存在していなければなりません。 クライアントを NIM 環境に追加するには、 260ページの『NIM 環境へのスタンドアロン・クライアントの追加』を参照してください。

インストール・イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール (Web-based System Manager から):

この手順では、インストール・イメージを使用して、Web-based System Manager で基本オペレーティング・システムを NIM クライアントにインストールすることができます。

1. 「NIM」コンテナーから、「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、インストール用のターゲット・スタンドアロン・マシンを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Install Operating System (オペレーティング・システムのインストール)」を選択します。

4. インストールするクライアント・マシンが、既に稼働中の構成済み NIM クライアントでない場合には、 NIM は、インストールのためにそのマシンをネットワークを介して自動的にリブートすることができません。クライアントが自動的にリブートされなかった場合には、インストールのために、そのク

インストールおよび移行 265

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ライアントからネットワーク・ブートを開始します。ネットワーク・ブートの実行の詳細については、ネットワークを介した特定マシンのブートを参照してください。

5. マシンがネットワークを介してブートした後に、クライアント・マシンのディスプレイ上で、インストール時にマシンをどのように構成するかについての情報の入力を求めるプロンプトの表示が開始されます。インストールを続けるには、要求されている情報を指定します。

注: プロンプトを表示せずにインストールを実行するには、 271ページの『プロンプトなしの BOS インストールの実行』に従って、前提条件の作業を完了させます。

インストール・イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール (SMIT から):

インストール・イメージを使用して、SMIT で基本オペレーティング・システムを NIM クライアントにインストールするには、次の手順を実行します。

1. rte インストールを使用して NIM クライアントに BOS をインストールするには、 NIM マスターから smit nim_bosinst と入力します。

2. 操作のターゲットを選択します。

3. インストールの「TYPE (タイプ)」として「rte」を選択します。

4. インストールに使用する「SPOT」を選択します。

5. インストールに使用する「LPP_SOURCE」を選択します。

6. 表示されたダイアログのフィールドに、インストール・オプション用の正しい値を入力するか、またはデフォルト値をそのまま受け入れます。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用できます。

7. インストールするクライアント・マシンが、既に稼働中の構成済み NIM クライアントでない場合には、 NIM は、インストールのためにそのマシンをネットワークを介して自動的にリブートすることができません。クライアントが SMIT から自動的にリブートされなかった場合は、インストールのためにそのクライアントからネットワーク・ブートを開始します。「ネットワークを介した特定マシンのブート」の手順に従い、ネットワーク・ブートを開始します。

8. マシンがネットワークを介してブートした後に、クライアント・マシンのディスプレイ上で、インストール時にマシンをどのように構成するかについての情報の入力を求めるプロンプトの表示が開始されます。インストールを続けるには、要求されている情報を指定します。

注: プロンプトを表示せずにインストールを実行するには、 271ページの『プロンプトなしの BOS インストールの実行』に従って、前提条件の作業を完了させます。

インストール・イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール (コマンド行から):

インストール・イメージを使用して、コマンド行から基本オペレーティング・システムを NIM クライアントにインストールするには、次の手順を実行します。

1. bos_inst 操作を開始するには、次のように入力します。

# nim -o bos_inst -a source=rte -a lpp_source=Lpp_Source ¥-a spot=SPOTName -a accept_licenses=yes -a boot_client=yes/no ClientName

インストールをサポートするために使用するリソースおよびインストールをカスタマイズするためのその他のオプションを指定します。単純な rte インストールを実行するには、 lpp_source リソースおよび SPOT リソースを指定します。

266 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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インストールするクライアント・マシンが、既に稼働中の構成済み NIM クライアントでない場合には、 NIM は、インストールのためにそのマシンをネットワークを介して自動的にリブートすることができません。この場合は、マシンに対して手動でネットワーク・ブートを実行する必要があります。このような場合には、bos_inst コマンドに boot_client=no 属性を指定します。 boot_client 属性値を指定しないと、デフォルトの boot_client=yes になります。

2. クライアントが自動的にリブートされなかった場合には、インストールのために、そのクライアントからネットワーク・ブートを開始します。「ネットワークを介した特定マシンのブート」の手順に従い、ネットワーク・ブートを実行します。

3. マシンがネットワークを介してブートした後に、クライアント・マシンのディスプレイ上で、インストール時にマシンをどのように構成するかについての情報の入力を求めるプロンプトの表示が開始されます。インストールを続けるには、要求されている情報を指定します。

クライアント・マシン machine1 は、稼働中の構成済み NIM クライアントではありません。boot_client=no を指定してください。 lpp_source1 という名前の lpp_source と、 spot1 という名前の SPOT を使用してクライアントをインストールするには、次のように入力します。

# nim -o bos_inst -a source=rte -a lpp_source=lpp_source1 ¥-a spot=spot1 -a accept_licenses=yes -a boot_client=no machine1

注:

a. rte をインストールするステップは、他のタイプの BOS のインストールの実行ステップとほとんど同じです。主な違いは、nim bos_inst コマンドの source 属性に rte を指定しなければならない点です。

b. プロンプトを表示せずにインストールを実行するには、 271ページの『プロンプトなしの BOS インストールの実行』に従って、前提条件の作業を完了させます。

c. NIM で BOS インストールをカスタマイズできる各種の方法の詳細は、 231ページの『NIM

bos_inst 操作の使用』を参照してください。

mksysb イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストールmksysb インストールは、 NIM 環境の mksysb イメージから、BOS および他のソフトウェアをターゲットに復元します。

NIM を使用した BOS インストールをカスタマイズする各種の方法の詳細は、 231ページの『NIM

bos_inst 操作の使用』を参照してください。

mksysb イメージによって、1 つのシステム・イメージのクローンを複数のターゲット・システムに作成できます。ターゲット・システムはソース・システムと同じハードウェア・デバイスやアダプターを含まなくてもよく、同一のカーネル (ユニプロセッサーまたはマルチプロセッサー) は必要ではありません。

NIM はインストールの最後に TCPIP を構成するため、RECOVER_DEVICES フィールドを no に設定して、bosinst_data リソースを mksysb インストールのクローン作成用に割り当てることをお勧めします。これによって、BOS のインストール処理で、デバイスが mksysb イメージのソース・マシン上にあるかのように構成されることを防ぐことができます。

注: ODM データベースに影響を与える NIM カスタマイズは、mksysb を同じシステムにインストールした後では反映されません。 mksysb バックアップを復元すると、ODM によりバックアップが作成されたときの状態に復元されます。

インストールおよび移行 267

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AIX 5.2 から、インストールしている mksysb イメージが同じシステムで作成されたものでない場合、デバイスはリカバリーされなくなっています。

重要: クローン作成したシステムが OpenGL または graPHIGS を使用している場合には、クローン作成後にインストールする必要のある、LPP からのデバイス・ファイルセットが存在する場合があります。OpenGL と graPHIGS には、グラフィック・アダプター固有のファイルセットがあります。このため、異なるグラフィック・アダプターのシステムにクローンを作成する場合には、下記の手順でバンドルを作成する必要があります。

echo OpenGL.OpenGL_X.dev > /usr/sys/inst.data/user_bundles/graphic_dev.bndecho PEX_PHIGS.dev >> /usr/sys/inst.data/user_bundles/graphic_dev.bnd

OpenGL および graPHIGS が lpp_source にある場合、mksysb のインストール時にこのバンドルを割り当てると、デバイス・ファイルセットは自動的にインストールされます。

前提条件

v NIM マスターが構成され、 SPOT および mksysb リソースが定義されている必要があります。 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

v インストールする NIM クライアントは、NIM 環境に既に存在していなければなりません。 クライアントを NIM 環境に追加するには、 260ページの『NIM 環境へのスタンドアロン・クライアントの追加』を参照してください。

v NIM マスターまたは稼働中の NIM クライアントのハード・ディスクで mksysb を使用できる必要があります。そうでない場合は、この手順の中で、mksysb イメージは、NIM マスターまたは稼働中の NIM

クライアントから作成されます。

v SPOT リソースおよび mksysb リソースを NIM BOS インストールに使用する場合には、これらのリソースは同一レベルの AIX でなければなりません。

v 多くのアプリケーション、特にデータベースは、スパース・ファイル にデータを保持しています。スパース・ファイルには、空きスペースやギャップがあり、将来のデータ追加のために残されています。これらの空きスペースが ASCII のヌル文字で埋められても、それが十分に大きい場合には、ファイルはスパース・ファイルになり、ディスク・ブロックは割り当てられません。

この状態により大容量ファイルが作成される危険性はありますが、ディスク・ブロックは割り当てられません。その後、ファイルにデータが追加されるとディスク・ブロックが割り当てられますが、ファイルシステムに十分な空きディスク・ブロックはありません。ファイルシステムは満杯になり、そのファイルシステム内のファイルへの書き込みは失敗します。

システム上にスパース・ファイルを置かないようにするか、あるいは、将来ブロックが割り当てられるのに十分なフリー・スペースをファイルシステムに確保しておくことをお勧めします。

mksysb イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール(Web-based System Manager から):

mksysb イメージを使用して、Web-based System Manager で基本オペレーティング・システムを NIM クライアントにインストールするには、次の手順を実行します。

1. 「NIM」コンテナーで、「Resources (リソース)」コンテナーを選択します。

2. 「Resources (リソース)」メニューから、「New (新規)」 → 「Resource (リソース)」 → 「NewResources (新規リソース)」を選択します。

3. ウィザードを使用して、作業を完了します。

268 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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注: プロンプトを表示せずにインストールを実行するには、 271ページの『プロンプトなしの BOS インストールの実行』に従って、前提条件の作業を完了させます。

mksysb イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール(SMIT から):

mksysb イメージを使用して、SMIT で基本オペレーティング・システムを NIM クライアントにインストールするには、次の手順を実行します。

1. mksysb リソースが既に作成されている場合は、ステップ 6 へ進んでください。まだ作成されていない場合には、mksysb リソースを作成するために、 smit nim_mkres 高速パスを入力します。

2. 定義可能なリソース・タイプのリストか「mksysb」を選択します。

3. 表示されたダイアログで、必須フィールドに値を入力します。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると、 mksysb リソースを定義するための正しい値を指定するのに役立ちます。

4. mksysb イメージが存在しない場合には、「System Backup Image Creation Options (システム・バックアップ・イメージの作成オプション)」のフィールドに値を指定して、そのイメージを作成します。

注: mksysb イメージが、NIM マスターまたはクライアントのハード・ディスク上のファイルとして、既に存在する場合には、mksysb リソースの定義には、これ以上の情報は不要です。

5. この作業が正常に完了したら、SMIT を終了します。

6. mksysb リソースを使用して NIM クライアントをインストールするために、 smit nim_bosinst 高速パスを入力します。

7. 操作のターゲットを選択します。

8. インストールの「TYPE (タイプ)」として「mksysb」を選択します。

9. インストールに使用する「MKSYSB」を選択します。

10. インストールに使用する「SPOT」を選択します。

11. 表示されたダイアログのフィールドに、インストール・オプション用の正しい値を入力するか、またはデフォルト値をそのまま受け入れます。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると役立ちます。

12. SMIT ダイアログを実行して、NIM クライアントをインストールします。

13. インストールするクライアント・マシンが、既に稼働中の構成済み NIM クライアントでない場合には、 NIM は、インストールのためにそのマシンをネットワークを介して自動的にリブートすることができません。クライアントが SMIT から自動的にリブートされなかった場合は、インストールのためにそのクライアントからネットワーク・ブートを開始します。ネットワーク・ブートの開始の詳細については、ネットワークを介した特定マシンのブートを参照してください。

14. マシンがネットワークを介してブートした後に、クライアント・マシンのディスプレイ上で、インストール時にマシンをどのように構成するかについての情報の入力を求めるプロンプトの表示が開始されます。インストールを続けるには、要求されている情報を指定します。

注: プロンプトを表示せずにインストールを実行するには、 271ページの『プロンプトなしの BOS

インストールの実行』に従って、前提条件の作業を完了させます。

mksysb イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール (コマンド行から):

mksysb イメージを使用して、コマンド行から基本オペレーティング・システムを NIM クライアントにインストールするには、次の手順を実行します。

インストールおよび移行 269

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1. mksysb リソースが既に作成されている場合は、ステップ 2 へ進んでください。 mksysb リソースを作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t mksysb -a server=ServerName ¥-a location=LocationName -a mk_image=yes ¥-a source=SourceMachine ResourceName

mksysb イメージのサーバー名および場所を指定します。 mksysb イメージがまだ存在しない場合には、 mk_image 属性および source 属性を使用して作成されます。

mksysb リソースの作成時に指定できるすべてのオプションに関する詳細な説明は、 219ページの『mksysb リソースの使用』を参照してください。

例 1:

mksysb リソースの mksysb_res1 を、マスターの /export/backups/client_mksysb にある既存の mksysbイメージから定義するには、次のように入力します。

nim -o define -t mksysb -a server=master ¥-a location=/export/backups/client_mksysb mksysb_res1

例 2:

マスターの /export/resources/new_mksysb に、クライアント・マシン client1 の mksysb イメージを作成し、mksysb リソースの mksysb_res2 を定義するには、次のように入力します。

nim -o define -t mksysb -a server=master ¥-a location=export/resources/new_mksysb -a mk_image=yes ¥-a source=client1 mksysb_res2

2. bos_inst 操作を開始するには、次のように入力します。

nim -o bos_inst -a source=mksysb -a mksysb=mksysb ¥-a spot=SPOTName -a boot_client=yes/no ClientName

インストールをサポートするために使用するリソースおよびインストールをカスタマイズするためのその他のオプションを指定します。単純な mksysb インストールを実行するには、mksysb リソースおよび SPOT リソースを指定します。

インストールするクライアント・マシンが、既に稼働中の構成済み NIM クライアントでない場合には、 NIM は、インストールのためにそのマシンをネットワークを介して自動的にリブートすることができません。この場合は、マシンに対して手動でネットワーク・ブートを実行する必要があります。このような場合には、bos_inst コマンドに boot_client=no 属性を指定します。 boot_client 属性値を指定しないと、デフォルトの boot_client=yes になります。

3. クライアントが自動的にリブートされなかった場合には、インストールのために、そのクライアントからネットワーク・ブートを開始します。ネットワーク・ブートの実行の詳細については、ネットワークを介した特定マシンのブートを参照してください。

4. マシンがネットワークを介してブートした後に、クライアント・マシンのディスプレイ上で、インストール時にマシンをどのように構成するかについての情報の入力を求めるプロンプトの表示が開始されます。インストールを続けるには、要求されている情報を指定します。

例 3:

mksysb の mksysb1、オプションの lpp_source の lpp_source1、および SPOT の spot1 を使用して、NIM クライアントとして構成済みであるが稼働していないクライアント・マシン machine1 で mksysbインストールを実行するには、次のように入力します。

270 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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nim -o bos_inst -a source=mksysb -a mksysb=mksysb1 ¥-a lpp_source=lpp_source1 -a spot=spot1 -a boot_client=no machine1

注:

1. mksysb インストールを実行するためのステップは、他のタイプの BOS インストールを実行するステップとほとんど同じです。主な違いは、nim bos_inst コマンドの source 属性に mksysb を指定し、操作に mksysb リソースを割り当てる必要があるという点です。

2. プロンプトを表示せずにインストールを実行するには、 『プロンプトなしの BOS インストールの実行』に従って、前提条件の作業を完了させます。

プロンプトなしの BOS インストールの実行この手順は、プロンプトなしの BOS インストールで使用する bosinst_data リソースを作成する方法についての情報を提供します。

bosinst_data リソースを作成した後、次の手順を参照して、プロンプトなしのインストールを実行してください。

v 265ページの『インストール・イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール』

v 267ページの『mksysb イメージを使用する NIM クライアントへの基本オペレーティング・システムのインストール』

前提条件

1. NIM マスターが構成され、 lpp_source リソースおよび SPOT リソースが定義されている必要があります。 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

2. インストールする NIM クライアントは、NIM 環境に既に存在していなければなりません。クライアントを NIM 環境に追加するには、 260ページの『NIM 環境へのスタンドアロン・クライアントの追加』の手順を使用してください。

3. BOS インストール中にインストールされるいずれかのソフトウェアで使用条件の受諾が必要な場合は、BOS インストール中に使用条件を受諾するか、クライアントをブートしてから受諾するかを決めます。ライセンスの受諾は、クライアント側で行う点に注意してください。ライセンス受諾を制御する構文を指定するための bosinst.data ファイルのサンプルについては、 56ページの『bosinst.data ファイルの使用』を参照してください。

Web-based System Manager を使用するプロンプトなしの BOS インストールの実行:

「Install Base OS (基本 OS のインストール)」ウィザードを使用して、 bosinst_data リソースを作成できます。

bosinst_data リソースは、 rte のインストールまたは mksysb のインストールに使用することができます。

bosinst_data リソースを作成したい場合は、次のステップを行います。

1. 「Resources (リソース)」コンテナーで、「Resources (リソース)」メニューから「New (新規)」 →

「Resource (リソース)」を選択します。 「Add New Resource (新規リソースの追加)」ウィザードが表示されます。

2. ウィザードの指示に従って、bosinst_data リソースを作成します。ウィザードは基本的な bosinst.data

ファイルを作成します。これはそのまま使用することも、サンプル・ファイルに従って拡張することもできます。サンプルの bosinst.data ファイルについては、 56ページの『bosinst.data ファイルのプロ

インストールおよび移行 271

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ンプトなしネットワーク・インストール』 を参照してください。プロンプトなしでインストールを行うには、最初に bosinst_data リソースを作成する必要があります。

SMIT を使用するプロンプトなしの BOS インストールの実行:

SMIT を使用してプロンプトなしの BOS インストールを実行することができます。

1. NIM マスターまたは稼働中の NIM クライアントから、 BOS のインストール時にマシンをどのように構成するかを記述する bosinst.data ファイルを作成します。サンプルの bosinst.data ファイルについては、 56ページの『bosinst.data ファイルの使用』 を参照してください。

2. bosinst.data ファイルを、NIM 環境内の bosinst_data リソースとして定義するために、 smitnim_mkres 高速パスを入力します。

3. 画面に表示されたリソース・タイプのリストから、「bosinst_data」を選択します。

4. 必須フィールドに値を入力します。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用して、bosinst_data リソースの定義のために正しい値を指定するのに役立ててください。

5. bosinst_data を定義したら、スタンドアロン・マシンで rte または mksysb のインストールを実行する手順にしたがってください。インストール中に使用するリソースとして、必ず bosinst_data を指定してください。

コマンド行からのプロンプトなしの BOS インストールの実行:

コマンド行からプロンプトなしの BOS インストールを実行することができます。

1. NIM マスターまたは稼働中の NIM クライアントから、 BOS のインストール時にマシンをどのように構成するかを記述する bosinst.data ファイルを作成します。

注: BOS インストール中にインストールするソフトウェアのご使用条件に同意するには、 -a

accept_licenses=yes を nim -o bos_inst コマンドに指定します。

2. bosinst.data ファイルを bosinst_data リソースとして定義するには、次のように入力します。

# nim -o define -t bosinst_data -a server=ServerName ¥-a location=LocationName NameValue

server 属性を使用して、bosinst.data ファイルがあるマシンの名前を指定します。

location 属性を使用して、リソースとして使用する bosinst.data ファイルの絶対パス名を指定します。

3. bosinst_data を定義したら、スタンドアロン・マシンで rte または mksysb のインストールを実行する通常の手順にしたがってください。インストールに使用するリソースとして、必ず bosinst_data を指定してください。

例えば、lpp_source1、spot1、および bosinst_data1 リソースを使用して、machine1 のプロンプトなしの rte インストールを実行するには、次のように入力します。

# nim -o bos_inst -a source=rte -a lpp_source=lpp_source1 ¥-a spot=spot1 -a accept_licenses=yes -a bosinst_data=bosinst_data1 ¥machine1

ATM ネットワークでの NIM の使用ATM ネットワークを介してマシンをインストールするには、特別な処理が必要です。

他のネットワーク・アダプターとは異なり、 ATM アダプターは、マシンをブートするためには使用できません。 ATM ネットワークを介してマシンをインストールするには、特別な処理が必要です。通常の場合、指定のアダプターによってネットワーク・ブートを行うときは、そのアダプターは IPL-ROM または

272 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ファームウェアによって構成されます。これによって、ブート・イメージが、ブート・サーバーから tftpを使用してクライアントに転送されます。このブート・イメージは、さらに構成を実行し、BOS をインストールする前にネットワーク・インストール・リソースをマウントします。

ATM アダプターの場合は、IPL-ROM でもファームウェアでも構成することはできないため、 BOS インストールのためのブート・イメージをネットワークを介して入手できません。マシンをリブートする前に、NIM bos_inst 操作でブート・イメージをクライアントのハード・ディスクにコピーする必要があります。マシンがリブートされるときに ATM アダプターが適切に構成されるように、オブジェクト・データ・マネージャー (ODM) 情報の一部がクライアント・マシンに保管されます。

NIM クライアントに、ATM を介したインストールに必要な特別処理をサポートするプログラムがインストールされていない場合があります。そのため、/usr/lib/boot/bin および /usr/lpp/bos.sysmgt/nim/

methods ディレクトリーが NIM マスターからクライアントにマウントされます。これらのディレクトリーには、 NIM bos_inst 操作によってセットアップが行われる間に実行されるプログラムが入っています。

初期セットアップが完了すると、at ジョブが出されて、1 分後にマシンがリブートされます。マシンがリブートすると、ハード・ディスクにコピーされていたブート・イメージが ATM アダプターを構成し、BOS インストール用のネットワーク・インストール・リソースをマウントします。この後、インストールは、カスタマイズ・フェーズまで通常のとおりに進行します。 NIM カスタマイズのフェーズになると、ODM には、マシンが再インストールされる前に入っていた情報が既に入っているので、 mktcpip コマンドによって ATM アダプターが再構成されることはありません。 NIM カスタマイズのその他の点は、非ATM クライアントの場合と同じです。

汎用ネットワークから ATM ネットワークへの変換:

汎用ネットワークを ATM ネットワークに変換することができます。

前提条件

v ATM を介して BOS をインストールするマシンは、NIM クライアントを構成し、実行している必要があります。

注: 構成済みの NIM クライアントは、bos.sysmgt.nim.client ファイルセットをインストールしており、NIM マスター・データベースに登録され、有効な /etc/niminfo ファイルを持っています。

v ATM アダプターを介した BOS のインストールには、クライアントの at0 インターフェースが使用されます。

v NIM マスター・ファイルセットは、ATM インストール用の更新が適用された AIX 4.3 以降、またはそれに置き換わるレベルでインストールする必要があります。

v クライアントをインストールするために使用する SPOT は、ATM インストール用の更新が適用されたAIX 4.3 以降のバージョン、またはそれに置き換わるレベルである必要があります。

ATM を介して BOS をインストールするときは、その前に、 NIM の他のタイプの操作を行えるように、ATM ネットワークを「汎用」ネットワークとして定義しておく必要があります。汎用ネットワークをATM ネットワークに変換するには、次のコマンドを入力します。

nim -o change -a new_type=atm (network)

ATM ネットワーク上のクライアント・インターフェースのためのアダプター名は、 NIM データベースの中で自動的に at0 に設定されます。

ネットワーク名を変更するには、次のように入力します。

nim -o change -a new_name=new_network_name current_network_name

インストールおよび移行 273

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ブート失敗後の ATM ネットワーク上のクライアントのリカバリー:

ブートが失敗した後に ATM ネットワーク上のクライアントをリカバリーするには、次の手順に従います。

ATM を介した BOS インストールでは、特別なブート・イメージがハード・ディスクで作成されていることが必要なため、マシン内のオリジナル・ブート・イメージは失われます。 BOS が再インストールされる前にインストールの停止または失敗が発生すると、システム保守を実行しない限り通常のクライアントのリブートはできなくなります。システム保守を実行すると、新しいブート・イメージをハード・ディスクに作成することができ、マシンを通常使用のためにブートできるようになります。次の手順を使用してください。

1. CD/DVD からクライアントをブートします。

2. インストール・オプションが表示されたら、システム保守を実行するオプションを選択します。

3. マシンのルート・ボリューム・グループにアクセスするのに必要な選択を行います。

4. 保守シェルにおいて、次の順序でコマンドを実行します。

a. bosboot -ad /dev/ipldevice

b. BLVDISK='lslv -l hd5 | grep hdisk | head -1 |cut -d' ' -f1'

c. bootlist -m normal $BLVDISK

d. sync

e. sync

f. sync

g. reboot -q

ATM ネットワーク上のクライアントのリブートの停止:

ATM ネットワーク上のクライアントのリブートを停止するには、次の手順に従います。

NIM bos_inst 操作中にエラーが検出され、クライアントのマシンがリブートされていない場合は、マシンのリブートを中止し、実行しているシステムで上記のステップ 4 のコマンド・シーケンスを実行することができます。リブートを中止するには、次のようにします。

1. 次のコマンドを入力して、at ジョブをリストします。 at -1

出力フィールドのファーストネームは、そのジョブの名前です。例えば、次のように入力します。

$ at -1root.884205595.a Wed Jan 7 14:39:55 1998

2. at ジョブを除くために、次のコマンドを入力します。at -r name of job

例えば、次のように入力します。

$ at -r root.884205595.aat file: root.884205595.a deleted

注: 次のコマンドを入力して、at ジョブ実行を指示するシャットダウン・スクリプトを除去することでも、リブートを阻止することができます。

rm/tmp/_NIM_shutdown

NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズこの手順では、NIM を使用して、稼働中の構成済み NIM クライアントおよび SPOT リソースにソフトウェアをインストールする方法について説明します。

274 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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前提条件

v ソフトウェアをマシンにインストールする場合、そのマシンは、 NIM マスターにとってプッシュ許可が使用可能になっている実行中の構成済み NIM クライアントである必要があります。クライアントがNIM によって構成されるか、あるいはインストールされた場合には、デフォルトによりプッシュ許可が使用可能になります。

v 実行中ソフトウェアを SPOT リソースにインストールする場合は、その SPOT サーバーが実行中である必要があります。

v ターゲットにインストールされるインストール・イメージが lpp_source リソースで使用可能になっていて、そのイメージが最初にそこにコピーされてから後のどこかの時点で、check 操作が lpp_source で実行されている必要があります。 (check 操作では、lpp_source からこのイメージ用の情報が検索され、その情報を使って .toc ファイルが更新されます。)

Web-based System Manager を使用する NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズ:

Web-based System Manager を使用して NIM クライアントと SPOT リソースをカスタマイズするには、次の手順に従います。

1. 「NIM」コンテナーから、「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域でターゲット・マシン (マスターまたはスタンドアロン) を選択するか、あるいは「Resources (リソース)」コンテナーでターゲット SPOT を選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Install/Update Software (ソフトウェアのインストール/更新)」→ 「Install Additional Software (Custom) (他のソフトウェアのインストール (カスタム))」を選択して、「Install Software (ソフトウェアのインストール)」ダイアログを表示します。

4. ダイアログを使用して、作業を完了します。

SMIT を使用する NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズ:

SMIT を使用して NIM クライアントと SPOT リソースをカスタマイズするには、次の手順に従います。

SMIT 画面は、システムで実行されるローカル・インストール操作に使用する画面と同じ構造に従っています。 NIM カスタマイズ操作を実行するときは、実行したいインストールに最も近いと思われる SMIT 画面を選択してください。

1. コマンド行から、smit nim_task_inst 高速パスを入力します。

2. 実行したいインストールのタイプに一致する SMIT メニュー項目を選択します。

3. 操作のターゲットを選択します。

4. 使用するインストール・イメージが含まれている lpp_source を選択します。

5. その他の必須リソースを選択します。

6. 最後の「SMIT」ダイアログで、必須フィールドに値を入力するか、またはデフォルト値をそのまま受け入れます。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると、正しい値を指定するのに役立ちます。

コマンド行からの NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズ:

コマンド行から NIM クライアントと SPOT リソースをカスタマイズするには、次の手順に従います。

インストール操作を実行するには、次のように入力します。

nim -o cust -a lpp_source=Lpp_Source -a filesets=FilesetsList ¥-a installp_bundle=InstallpBundle ¥-a installp_flags=InstallpFlags TargetName

インストールおよび移行 275

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インストールをサポートするために、使用するリソースおよびカスタマイズ用の追加属性を指定します。

クライアントにインストールするソフトウェアは、コマンド行で filesets 属性を使って指定することも、ソフトウェアを出力する installp_bundle リソースを指定することもできます。

ソフトウェアのインストールに使用されるデフォルトの installp フラグは、-a、 -g、-Q、および -X です。異なるセットの installp フラグを指定する場合は、それらのフラグを installp_flags 属性に出力できます。

例 1:

bos.diag および bos.dosutil ファイルセットを、lpp_source リソースの lpp_source1 を使用して、クライアント machine1 にインストールするには、次のように入力します。

nim -o cust -a lpp_source=lpp_source1 ¥-a filesets="bos.diag bos.dosutil" machine1

例 2:

SPOT リソースの spot1 に、lpp_source リソースの lpp_source1 と installp_bundle リソースで指定されたファイルセットのリストの installp_bundle1 を使用して、ソフトウェアをインストールするには、次のように入力します。

nim -o cust -a lpp_source=lpp_source1 ¥-a installp_bundle=installp_bundle1 spot1

注: この他にも、 cust 操作を使ってコマンド行に指定できるリソースおよび属性がいくつかあります。cust 操作の完全な説明は、 228ページの『NIM 操作』を参照してください。

ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートする NIM マスターの構成とリソースの作成この手順は、NIM 環境をディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの管理専用に使用する場合に限り使用してください。

NIM 環境をスタンドアロン・マシンでのソフトウェアのインストールと保守にも使用する場合は、 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』の手順に従ってください。

注: この手順では、大量の出力が生成されます。特に、SPOT リソースの作成時には多くなります。致命的でないエラーや警告は、成功を示す戻りコードには明示されていないことがあるので、出力全体を調べてそのようなエラーや警告の有無をチェックしてください。

前提条件

NIM マスターに、最低 300 MB の使用可能なディスク・スペースがあることが必要です。このようなスペースが使用可能でない場合は、 333ページの『リソース・サーバーとしてのクライアント・マシンの使用』および 308ページの『CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義』を参照してください。

ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートする NIM マスターの構成とリソースの作成 (Web-based System Manager から):

Web-based System Manager を使用して、ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートするために NIM マスターの構成とリソースの作成を行うには、次の手順に従います。

1. AIX メディアを指定のマスター・マシンの適切なドライブに挿入します。

2. wsm と入力して、Web-based System Manager アプリケーションを開始します。

276 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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3. ナビゲーション領域で、ソフトウェア・コンテナーを選択し拡張します。

4. ナビゲーション領域にいる間に、「Installed Software (インストールされたソフトウェア)」コンテナーを選択します。

5. 「Software (ソフトウェア)」メニューから、「New Software (Install/Update) (新規ソフトウェア (インストール/更新))」 → 「Install Additional Software (他のソフトウェアのインストール)」を選択します。

6. 「Install Software (ソフトウェアのインストール)」ダイアログで、ソフトウェアのソースとして「/dev/cd0」を選択します。

7. インストールするソフトウェアとして、bos.sysmgt.nim を指定します。

8. ナビゲーション領域で、「NIM」コンテナーを選択します。

9. 「NIM」メニューから、「Configure Environment (環境の構成)」を選択します。

10. ウィザードの指示に従って、構成を行ってください。

ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートする NIM マスターの構成とリソースの作成 (SMIT から):

SMIT を使用して、ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートするために NIM

マスターの構成とリソースの作成を行うには、次の手順に従います。

1. AIX メディアを指定のマスター・マシンのメディアまたはテープ・ドライブに挿入します。

2. bos.sysmgt.nim ファイルセットをインストールするには、smit install_latest 高速パスを入力します。

3. 「LIST (リスト)」オプションを使用して、「INPUT device/directory for software (ソフトウェア用の入力デバイス/ディレクトリー)」で「/dev/cd0」または「/dev/rmt0」を選択します。

4. インストールするソフトウェアとして bos.sysmgt.nim を指定します。

5. この画面のその他のすべてのフィールドは、デフォルト値をそのまま受け入れます。このインストールが完了したら、SMIT を終了します。

6. NIM マスターを構成するには、smit nimconfig 高速パスを入力します。

7. 「Network Name (ネットワーク名)」フィールドに、NIM マスターのネットワークに割り当てる名前を指定します。

8. 「LIST (リスト)」オプションを使用して、「Primary Network Interface for the NIM Master (NIM マスター用 1 次ネットワーク・インターフェース)」を選択します。

9. この画面のその他のすべてのフィールドは、デフォルト値をそのまま受け入れます。

10. マスターの構成が終わったら、SMIT を終了します。

11. smit nim_mkres_dd_name_server 高速パスを使って、SMIT を再始動します。

12. プロンプトが表示されたら、クライアント・リソースのサーバーとして NIM マスターを選択します。

13. 「Create a new SPOT? (新規 SPOT を作成する)」フィールドで「yes (はい)」を選択します。これは、現在、環境には定義されている SPOT がないためです。

14. 「LIST (リスト)」オプションを使って、「/dev/cd0」または「/dev/rmt0」をインストール・イメージの入力デバイスとして選択します。

15. 「SPOT Name (SPOT 名)」フィールドに名前を指定します。

16. NIM 環境内に作成する他のリソースの名前を指定します。名前を指定しない場合、そのリソースは作成されません。

インストールおよび移行 277

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17. 「Remove all newly added NIM definitions and file systems if any part of this operation fails? (この操作が一部でも失敗したら新規に追加した NIM 定義およびファイルシステムをすべて除去しますか?)」フィールドで「yes (はい)」を選択します。 このようにすると、途中で障害が起きた場合に、この手順を再開しやすくなります。

18. この画面のその他のすべてのフィールドは、デフォルト値をそのまま受け入れます。

注: ほとんどの NIM 環境には、スタンドアロン・マシンへの基本オペレーティング・システムのインストール操作をサポートするために、 SPOT が既に存在しています。このような環境では、新規SPOT を作成する必要はありません。

ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートする NIM マスターの構成とリソースの作成 (コマンド行から):

コマンド行から、ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートするために NIM マスターの構成とリソースの作成を行うには、次の手順に従います。

1. AIX メディアを指定のマスター・マシンのメディアまたはテープ・ドライブに挿入します。

2. テープからインストールする場合は、ステップ 5 に進んでください。 CD 用のマウント・ポイントを作成するには、mkdir /cdfs と入力します。

3. cdrom ファイルシステムを作成するには、次のように入力します。crfs -v cdrfs -p ro -d’cd0’

-m’/cdfs’

4. ディスクをマウントするには、次のように入力します。mount /cdfs

5. ディスクから bos.sysmgt.nim ファイルセットをインストールするには、次のように入力します。installp -agX -d /cdfs/usr/sys/inst.images bos.sysmgt.nim

あるいは、テープから bos.sysmgt.nim ファイルセットをインストールするには、次のように入力します。installp -agX -d /dev/rmt0 bos.sysmgt.nim

6. CD/DVD からインストールしている場合、cdrom ファイルシステムをアンマウントするには、次のように入力します。unmount /cdfs

7. nimconfig コマンドを使用して NIM マスターを構成するには、次のように入力します。

nimconfig -a attr1=value1 ¥-a attr2=value2 ¥...

次の構成の NIM マスターを構成する例を示します。

master host name = master1primary network interface = tr0ring speed = 16platform = chrpkernel type = mp

下記のコマンド・シーケンスを入力します。

nimconfig -a netname=network1 -a pif_name=tr0 -a ring_speed=16 ¥-a platform=chrp -a netboot_kernel=mp

注: 追加の属性については、nimconfig コマンドを参照してください。

8. rootvg ボリューム・グループに、スペースが 200 MB でマウント・ポイントが /export/spot のファイルシステムを作成するには、次のように入力します。

crfs -v jfs -g rootvg -a size=$((2000*200)) ¥-m /export/spot -A yes -p rw -t no ¥-a frag=4096 -a nbpi=4096 -a compress=no

278 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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9. このファイルシステムをマウントするには、次のように入力します。

mount /export/spot

10. SPOT リソースが、イメージのソース (この例では CD) のイメージからインストールされます。このリソースのサーバーは NIM マスターであり、SPOT は /export/spot/spot1 ディレクトリーに格納されます。 SPOT リソースを作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t spot -a source=/dev/cd0 -a server=master ¥-a location=/export/spot spot1

11. rootvg ボリューム・グループに、スペースが 150 MB でマウント・ポイントが /export/

dd_resource のファイルシステムを作成するには、次のように入力します。

crfs -v jfs -g rootvg -a size=$((2000*150)) ¥-m /export/dd_resource -A yes -p rw -t no ¥-a frag=4096 -a nbpi=4096 -a compress=no

12. ファイルシステムをマウントするには、次のように入力します。mount /export/dd_resource

13. ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのリソースを /export/dd_resource ディレクトリーのサブディレクトリーに作成します。すべてのリソースが必要なわけではありません。自分の環境で使用するリソースだけを作成してください。

root1 という名前の root リソース (ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの場合は必須) を作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t root -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/root1 root1

dump1 という名前のダンプ・リソース (ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの場合は必須) を作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t dump -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/dump1 dump1

paging1 という名前のページング・リソース (ディスクレス・クライアントの場合は必須) を作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t paging -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/paging1 paging1

home1 という名前の home リソース (オプション) を作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t home -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/home1 home1

shared_home1 という名前の shared_home リソース (オプション) を作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t shared_home -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/shared_home1 shared_home1

tmp1 という名前の tmp リソース (オプション) を作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t tmp -a server=master ¥-a location=/export/dd_resource/tmp1 tmp1

注:

a. NIM リソース用にファイルシステムを作成することは必須ではありませんが、ストレージ管理に役立ちます。

b. NIM リソースについての詳細は、 209ページの『NIM リソース』を参照してください。

インストールおよび移行 279

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NIM 環境へのディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントの追加この手順を使用して、クライアント用のエントリーをマスターの NIM データベースに追加することにより、ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントを NIM 環境に追加します。

これは、クライアントからのブート要求を満たすために必要な情報を NIM に提供します。ただし、クライアントを正常にブートし、構成するには、その前にディスクレスまたはデータレス・クライアント・マシン用のリソースを初期化しておく必要があります。詳しくは、 281ページの『ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの初期化とブート』を参照してください。ディスクレス・クライアントは、すべてのファイルシステムをリモート・サーバーからマウントする必要があります。データレス・クライアントの場合は、ページング・スペースのほか、 /tmp および /home の両ファイルシステムをローカル・ディスク上に備えることができます。ディスクレス・クライアントもデータレス・クライアントも、ブート・イメージはローカル・ディスクには入っていません。したがって、これらのクライアントはネットワークを介してブートする必要があります。

前提条件

v NIM マスターの構成と、ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアント用のリソースの定義が済んでいる必要があります。詳しくは、 276ページの『ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートする NIM マスターの構成とリソースの作成』を参照してください。

v サブネット・マスク、クライアント・マシン用のデフォルト・ゲートウェイ、および NIM マスター用のデフォルト・ゲートウェイを知っている必要があります。

Web-based System Manager を使用する NIM 環境へのディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントの追加:

Web-based System Manager を使用して NIM 環境にディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントを追加するには、次の手順に従います。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーで、「Machines (マシン)」メニューから「New (新規)」 → 「OK (了解)」を選択します。「Add New Machine (新規マシンの追加)」ウィザードが表示されます。

2. ウィザード・ガイドの指示にしたがって、 NIM 環境にディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントを追加します。

SMIT を使用する NIM 環境へのディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントの追加:

SMIT を使用して NIM 環境にディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントを追加するには、次の手順に従います。

1. ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントを定義するために、 smit nim_mkmac高速パスを入力します。

2. マシンのホスト名を指定します。

3. 次に表示される SMIT 画面は、クライアントのネットワークについての情報が既に NIM にあるかどうかによって異なります。必須フィールドに値を入力するか、デフォルトを受け入れます。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると、クライアント・マシンを定義するための正しい値を指定するのに役立ちます。

コマンド行からの NIM 環境へのディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントの追加:

コマンド行から NIM 環境にディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントを追加するには、次の手順に従います。

ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントを定義するには、次のように入力します。

280 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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nim -o define -t Diskless/Dataless ¥-a platform=PlatformType -a netboot_kernel=NetbootKernelType ¥-a if1=InterfaceDescription -a net_definition=DefinitionName ¥-a ring_speed1=Speedvalue -a cable_type1=TypeValue ¥-a iplrom_emu=DeviceName MachineName

注: 属性の詳細は、 198ページの『NIM マシン』にあるディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの説明を参照してください。

例 1:

ホスト名 diskless1 のディスクレス・クライアントを次の構成の NIM 環境に追加する例を示します。

host name=diskless1platform=rspckernel=upnetwork type=ethernetsubnet mask=255.255.240.0default gateway=gw1default gateway used by NIM master=gw_mastercable type=bncnetwork boot capability=yes (no emulation needed)

下記のコマンド・シーケンスを入力します。

nim -o define -t diskless -a platform="rspc" ¥-a netboot_kernel="up" -a if1="find_net diskless1 0" ¥-a cable_type1="bnc" ¥-a net_definition="ent 255.255.240.0 gw1 gw_master" ¥diskless1

例 2:

ホスト名 dataless1 のデータレス・クライアントを次の構成の NIM 環境に追加する例を示します。

host name=dataless1platform=rs6knetboot_kernel=upnetwork type=token ringsubnet mask=255.255.225.0default gateway=gw2default gateway used by NIM master=gw_masterring speed=16network boot capability=no (use emulation on a diskette)

下記のコマンド・シーケンスを入力します。

nim -o define -t dataless -a platform="rs6k" ¥-a netboot_kernel="up" -a if1="find_net dataless1 0" ¥-a ring_speed1="16" ¥-a net_definition="tok 255.255.225.0 gw2 gw_master" ¥-a iplrom_emu="/dev/fd0" dataless1

注: if 属性の find_net キーワードによって、 NIM がネットワーク定義とクライアント定義を突き合わせ、一致した場合には、net_definition 属性は無視されます。

ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの初期化とブートこの手順を使用して、マシンを NIM 環境内でディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントとして構成してブートします。

前提条件

インストールおよび移行 281

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v NIM マスターの構成と、ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアント用のリソースの定義が済んでいる必要があります。 276ページの『ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントをサポートする NIM マスターの構成とリソースの作成』を参照してください。

v NIM クライアントが既に NIM 環境の中に存在している必要があります。クライアントを NIM 環境に追加するには、 280ページの『NIM 環境へのディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントの追加』を参照してください。

Web-based System Manager からのディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの初期化とブート:

Web-based System Manager を使用して、ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの初期化とブートを行うには、次の手順に従います。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、初期化したいディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Initialize Machine Resources (マシン・リソースの初期化)」を選択します。

4. 指定するダイアログを使用するか、あるいは初期化に使用するリソースを選択します。マシンの home

リソースまたは shared_home リソースのいずれかを指定しますが、両方を指定することはありません。

5. 初期化操作が完了したら、 423ページの『ネットワークを介した特定マシンのブート』の手順に従って、ネットワークを介してクライアント・マシンをブートします。

注: 旧モデルの rspc システムでは、ファームウェアのメニューからブート・リストを永続的に設定して、該当のクライアントを常にネットワークを介してブートする必要があります。その他のシステムでは、マシンをディスクレス/データ・クライアントとして初めてブートした時点で、ブート・リストが自動的に設定されます。

6. クライアントがネットワークを介してブートされ、必要な初期化処理が実行されると、マシン用のコンソールの選択を求める画面がクライアントから表示されます。

SMIT からのディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの初期化とブート:

SMIT を使用して、ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの初期化とブートを行うには、次の手順に従います。

1. NIM マスター上で、smit nim_dd_init 高速パスを入力します。

2. 画面に表示されるクライアントのリストから、初期化するクライアントを選択します。

3. 必須フィールドに値を入力します。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると、初期化オプションについての正しい値を指定するのに役立ちます。

4. 初期化操作が完了したら、「ネットワークを介した特定マシンのブート」の手順に従って、ネットワークを介してクライアント・マシンをブートします。

注: 旧モデルの rspc システムでは、ファームウェアのメニューからブート・リストを永続的に設定して、該当のクライアントを常にネットワークを介してブートする必要があります。その他のシステムでは、マシンをディスクレス/データ・クライアントとして初めてブートした時点で、ブート・リストが自動的に設定されます。

5. クライアントがネットワークを介してブートされ、必要な初期化処理が実行されると、マシン用のコンソールの選択を求める画面がクライアントから表示されます。

コマンド行からのディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの初期化とブート:

282 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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コマンド行からディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの初期化とブートを行うには、次の手順に従います。

1. ディスクレス・クライアント用のクライアント・リソースを初期化するには、 NIM マスターから次のように入力します。

nim -o dkls_init -a spot=SPOTName -a root=RootName ¥-a dump=DumpName -a paging=PagingName ClientName

2. データレス・クライアント用のクライアント・リソースを初期化するには、 NIM マスターから次のように入力します。

nim -o dtls_init -a spot=SPOTName -a root=RootName ¥-a dump=DumpName ClientName

注: dkls_init 操作および dtls_init 操作に対して指定できるその他の属性の詳細は、 240ページの『NIM

dkls_init 操作の使用』および 241ページの『NIM dtls_init 操作の使用』を参照してください。

3. 初期化操作が完了したら、「ネットワークを介した特定マシンのブート」の手順に従って、ネットワークを介してクライアント・マシンをブートします。

注: 旧モデルの rspc システムでは、ファームウェアのメニューからブート・リストを永続的に設定して、該当のクライアントを常にネットワークを介してブートする必要があります。その他のシステムでは、マシンをディスクレス/データ・クライアントとして初めてブートした時点で、ブート・リストが自動的に設定されます。

4. クライアントがネットワークを介してブートされ、必要な初期化処理が実行されると、マシン用のコンソールの選択を求める画面がクライアントから表示されます。

ディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンの初期化解除reset 操作を実行すると、ディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンは初期化解除されます。

reset 操作では、マシンのすべてのリソースを割り当て解除するオプションも提供されます。ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンからすべてのリソースの割り当てを解除すると、そのマシンのすべてのルート・データが除去されます。初期化解除操作は、リソースの割り当て解除を行わずに、ネットワーク・ブート・イメージだけを割り当て解除します。

Web-based System Manager からのディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンの初期化解除:

Web-based System Manager を使用してディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンの初期化解除を行うには、次の手順に従います。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、初期化したいディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Uninitialize Machine Resources (マシン・リソースの初期化解除)」を選択します。

4. ダイアログを使用して初期化解除を行い、必要に応じてクライアントからすべてのリソースを割り当て解除します。

SMIT からのディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンの初期化解除:

SMIT を使用してディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンの初期化解除を行うには、次の手順に従います。

1. ディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンの初期化を解除するには、 smit nim_dd_uninit 高速パスを入力します。

インストールおよび移行 283

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2. ターゲットを選択します。

3. すべてのルート・データを除去したい場合は、「DEALLOCATE Resource (リソースの割り当て解除)」フィールドの値を「yes (はい)」に変更してください。

コマンド行からのディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンの初期化解除:

コマンド行からディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンの初期化解除を行うには、次の手順に従います。

1. クライアント・マシンの初期化を解除するには、NIM マスターから次のように入力します。

nim -F -o reset ClientName

2. すべてのリソースを初期化解除してルート・データを除去するには、NIM マスターから次のように入力します。

nim -o deallocate -a subclass=all ClientName

NIM クライアントの代替ディスクへのインストールNIM では、AIX 4.3 以降の mksysb イメージ (mksysb リソース) を NIM クライアントの代替ディスクにインストールしたり、NIM クライアントの現行ディスクのクローンを代替ディスクに作成して、更新を適用することができます。インストール中はクライアント・システムが実行しているため、通常のインストールよりも短い時間でインストールすることができます。

注: NIM で代替ディスクのインストールをカスタマイズできる各種の方法については、 229ページの『NIM alt_disk_install 操作の使用』を参照してください。

前提条件

v NIM マスターを構成する必要があります。mksysb イメージを代替ディスクにインストールするために、 mksysb リソースを定義する必要があります。 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

v NIM クライアントは、既に NIM 環境に存在し、稼働していなければなりません。クライアントを NIM

環境に追加するには、 260ページの『NIM 環境へのスタンドアロン・クライアントの追加』を参照してください。

v bos.alt_disk_install.rte ファイルセットを NIM クライアント上にインストールする必要があります。 NIM クライアント上に新規ファイルセットをインストールするには、 274ページの『NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズ』を参照してください。

Web-based System Manager からの NIM クライアントの代替ディスクへのインストール:

Web-based System Manager を使用して、NIM クライアントの代替ディスクにインストールするには、次の手順に従います。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、代替ディスクをインストールするスタンドアロン・マシンを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Alternate Disk Installation (代替ディスクのインストール)」→ 「Clone the Rootvg to an Alternate Disk (代替ディスクへの rootvg のクローン作成)」または「Install Mksysb on an Alternate Disk (代替ディスクへの mksysb のインストール)」を選択します。

4. ダイアログを使用してインストールを終了します。

SMIT を使用する NIM クライアントの代替ディスクへのインストール:

SMIT を使用して、NIM クライアントの代替ディスクにインストールするには、次の手順に従います。

284 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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1. NIM マスターから smit nim_alt_mksysb 高速パスを入力します。

2. インストールする「Target Machine (ターゲット・マシン)」または「Target Group (ターゲット・グループ)」を選択します。

3. ターゲット・マシン上に「Target Disk or Disks (ターゲット・ディスク (複数も可))」を入力します。

4. デフォルト・インストール・オプションを受け入れるか、または、表示ダイアログ・フィールドに別のオプションを指定します。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションをガイドとして使用できます。

5. 代替ディスクのインストールがクライアントで開始され、 lsnim コマンド (smit lsnim) を使用すると進捗状況が表示されます。「Reboot when complete? (完了時にリブートする)」オプションが「yes (はい)」に設定され、「Phase to execute (実行するフェーズ)」が「all (すべて)」であるかまたはフェーズ3 を含む場合、クライアントは、alt_disk_install コマンドが完了した時点で新たにインストールされたディスクからリブートします。

6. NIM クライアントの代替ディスクにディスクのクローンを作成するには、 NIM マスターから smitnim_alt_clone 高速パスを入力します。

コマンド行からの NIM クライアントの代替ディスクへのインストール:

ターゲット・システム上で alt_disk_install コマンドが開始され、lsnim コマンドを使用すると進捗状況が表示されます。

ターゲット・システム上に保持されているログ /var/adm/ras/alt_disk_inst.log には進捗状況メッセージのほか発生する可能性のあるエラー・メッセージまたは警告メッセージが入れられます。/var/adm/ras/nim.alt_disk_install ログには、要求があれば、デバッグ情報が入れられます。

代替ディスクへの mksysb のインストール:

alt_disk_install 操作を開始するには、次のコードを使用します。

次を入力して、alt_disk_install 操作を開始します。

nim -o alt_disk_install -a source=mksysb -a mksysb=Mksysb ¥-a disk='diskname(s)' ClientName

使用する mksysb リソースとインストールをカスタマイズするためのその他のオプション (該当する場合)

を指定します。単純な代替ディスク mksysb インストールを実行する場合は、source、mksysb および diskリソースを指定します。

注: mksysb リソースについての詳細は、 219ページの『mksysb リソースの使用』を参照してください。

代替ディスクへの rootvg のクローン作成:

代替ディスクに rootvg のクローンを作成するには、次のコマンドを使用します。

NIM クライアントの代替ディスクにディスクのクローンを作成するには、次を入力します。

nim -o alt_disk_install -a source=rootvg -a disk=diskname(s) ClientName

インストールをカスタマイズするためのその他のオプションを指定してください。

コマンド行からの NIM クライアントの代替ディスクへのインストール - 例:

コマンド行を使用して、NIM クライアントでの代替ディスクへのインストールを実行するいくつかの例を示します。

インストールおよび移行 285

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クライアント・マシン machine1 はディスク hdisk2 を持つ実行中のシステムですが、現在は、ボリューム・グループにより占有されていません。

v このディスクを 51mksysb という名前の mksysb リソースでインストールするには、次のように入力します。

nim -o alt_disk_install -a source=mksysb -a mksysb=51mksysb ¥-a disk=hdisk2 machine1

v rootvg のクローンを hdisk2 に作成するには、次のように入力します。

nim -o alt_disk_install -a source=rootvg -a disk=hdisk2 machine1

NIM を使用する仮想入出力サーバーのインストール以下の手順を実行して、ネットワーク・インストール管理 (NIM) を使用して、 HMC または Integrated

Virtualization Manager によって管理されている環境に仮想入出力サーバーをインストールすることができます。

前提条件

この手順を開始する前に、次のファイルが必要です。このファイルは、仮想入出力サーバーのインストール・メディアにあります。

v nimol/ioserver_res/mksysb (mksysb イメージ)

さらに、次のシステム要件が満たされている必要があります。

v AIX 5.3 (5300-03 適用) 以降を実行するシステムに、最小 700 MB を使用できるファイルシステムがある。

v 仮想入出力サーバーのタイプの LPAR に、仮想入出力サーバーのインストール用のアクティブなネットワークに接続されたイーサネット・アダプターがある。 LPAR の作成について詳しくは、Creating the

Virtual I/O Server logical partition and partition profile を参照してください。

v 記憶制御装置に、最小 16 GB のディスク・スペースがある。

前提条件が満たされたら、以下のステップに従って、NIM を使用して仮想入出力サーバーをインストールします。

1. Virtual I/O Server DVD を DVD ドライブに挿入します。

2. 引数を指定せずに installios コマンドを実行して、インストール・ウィザードを開始します。その後、installios ウィザードが、仮想入出力サーバーまたは Integrated Virtualization Manager でインストールを開始するために必要な情報の入力をガイドします。

NIM クライアントで installios を実行すると、bos.sysmgt.nim.master ファイルセットのロケーションを求めるプロンプトが出されます。次に、NIM クライアントが NIM マスターとして構成されます。installios のコマンド行の使用法についての詳細は、installios コマンドを参照してください。

installios セットアップ・プロセスにより、インストールを開始するために以下の NIM リソースが作成されます。

v bosinst_data

v installp_bundle

v lpp_source

v mksysb

v resolv_conf

v SPOT

286 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v クライアントの定義

仮想入出力サーバーの LPAR をインストールしており、セキュア・シェル (SSH) および信任状が NIM

マスターで構成されている場合、そのパーティションはハードウェア管理コンソール (HMC) からネットワーク・ブートされて、インストールを開始します。

SSH のない仮想入出力サーバーの LPAR をインストールしている場合、または Integrated Virtualization

Manager をインストールしている場合、ステップ 3 に進んでください。

3. 仮想入出力サーバー・ソフトウェアがインストールされるシステムで、次のステップを実行して、仮想入出力サーバーの LPAR または Integrated Virtualization Manager をシステム管理サービス (SMS) モードでブートします。

v 仮想入出力サーバーの LPAR を SMS でブートする場合

a. HMC で、パーティションを右クリックしてメニューを開きます。

b. 「Activate (活動化)」をクリックします。「Activate Partition (パーティションの活動化)」メニューがオープンし、ここでパーティション・プロファイルを選択します。正しいプロファイルが強調表示されていることを確認してください。

c. 「Open a terminal window or console session (端末ウィンドウまたはコンソール・セッションのオープン)」チェックボックスを選択して、仮想端末 (vterm) ウィンドウを開きます。

d. 「(Advanced...) (詳細...)」をクリックして、詳細オプション・メニューを開きます。

e. 「Boot mode (ブート・モード)」として「SMS」を選択します。

f. 「OK (了解)」をクリックして、詳細オプション・メニューを閉じます。

g. 「OK (了解)」をクリックします。パーティションの vterm ウィンドウがオープンします。

h. vterm ウィンドウで、「Setup Remote IPL (リモート IPL のセットアップ)」(初期プログラム・ロード) を選択します。

i. インストールに使用するネットワーク・アダプターを選択します。

j. 「IP Parameters (IP パラメーター)」を選択します。

k. クライアント IP アドレス、サーバー IP アドレス、およびゲートウェイ IP アドレスを入力します。オプションで、サブネット・マスクも入力できます。これらの値を入力したら Esc を押して、「Network Parameters (ネットワーク・パラメーター)」メニューに戻ります。

l. 「Ping Test (ping テスト)」を選択して、ネットワーク・パラメーターが適切に構成されていることを確認します。Esc を 2 回押して、メインメニューに戻ります。

m. メインメニューから、「Select Boot Options (ブート・オプションの選択)」を選択します。

n. 「Select Install/Boot Device (インストール/ブート・デバイスの選択)」を選択します。

o. 「Network (ネットワーク)」を選択します。

p. 先ほどリモート IPL 設定を構成したネットワーク・アダプターを選択します。

q. 「Normal (通常)」または「Service (保守)」モードを選択するようプロンプトが出されたら、「Normal (通常)」を選択します。

r. 終了するかどうか確認されたら、「Yes (はい)」を選択します。

v Integrated Virtualization Manager を SMS でブートする場合:

a. まず、マシンの電源を切ります。

b. マシンのスイッチを入れて、画面の下部でアイコンが左から右へと表示され始めたら、F1 を押します。

インストールおよび移行 287

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注: F1 を押す前に最後のアイコンが表示された場合は、SMS ではなく通常モードのブート・リストが表示されるため、再試行してください。

c. 「System Management Services (システム管理サービス)」メニューが開きます。「Utilities (ユーティリティー)」を選択します。

d. 「System Management Services Utilities (システム管理サービス・ユーティリティー)」メニューから、「Remote Initial Program Load Setup (リモート初期プログラム・ロード・セットアップ)」を選択します。

e. 「Network Parameters (ネットワーク・パラメーター)」パネルから、「IP Parameters (IP パラメーター)」を選択します。

f. 表示された値を、クライアント・システムにとって正しい値になるように変更します。次のもののIP アドレスを指定します。

– ブートしているクライアント・マシン (「client address (クライアント・アドレス)」フィールドに指定)

– NIM マスター・サーバー (「server address (サーバー・アドレス)」フィールドに指定)」

– クライアントのゲートウェイ (「gateway address (ゲートウェイ・アドレス)」フィールドに指定)

– クライアントのサブネット・マスク (「subnet mask (サブネット・マスク)」フィールドに指定)

g. アドレスを指定したら、Enter キーを押してアドレスを保管し、操作を続けます。

h. 「Network Parameters (ネットワーク・パラメーター)」ウィンドウが開きます。「Ping」オプションを選択します。

i. クライアントのブート・デバイスとして使用するネットワーク・アダプターを選択します。

j. 表示されるアドレスがブート・デバイスについて指定したアドレスと同じであることを確認します。アドレスに誤りがある場合は、メインメニューに戻るまで Esc キーを押します。そして、ステップ e に戻ります。これらのアドレスが正しい場合は、ステップ k に進みます。

k. アドレスが正しければ、Enter キーを押して、ping テストを実行します。 ping テストが完了するのに数秒かかることがあります。

l. ping テストが失敗した場合は、アドレスが正しいかどうかを確認し、ネットワークの問題を分析します。ping テストが正常に完了した場合は、正常完了メッセージを確認したことを示すためにEnter を押します。

m. 「System Management Services (システム管理サービス)」メニューに戻るまで、Esc を押します。

n. 「System Management Services (システム管理サービス)」メニューから、「Select Boot Devices(ブート・デバイスの選択)」オプションを選択します。

o. 表示されたブート可能デバイスのリストから、ネットワーク・ブートに使用するネットワーク・アダプターを選択します。

インストールが完了したら、仮想入出力サーバーの LPAR または Integrated Virtualization Manager を構成して管理することができます。

installios セットアップ・プロセスで作成されたすべての NIM リソースを除去するには、-u フラグを指定して installios コマンドを実行します。installios コマンドがクリーンアップに失敗したら、installios -u を実行するときに -f フラグを指定して、NIM がリセットとクライアントへのリソースの割り当て解除を強制実行するようにしてください。この操作によっても NIM 環境は終了しますが、installios ウィザードで作成されたすべてのリソースとディレクトリー構造は除去されます。ただし、NIM を構成解除したい場

288 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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合、または bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをアンインストールして NIM マスターを元の NIM クライアントに戻したい場合 (NIM クライアントから構成された場合)、installios -u で -U フラグを指定してください。

また、SMIT インターフェースを使用して、仮想入出力サーバーまたは Integrated Virtualization Manager

をインストールすることもできます。smitty installios を実行して、SMIT インターフェースのinstallios コマンドにアクセスします。NIM マスターで呼び出した場合、管理者は「Setup for Virtual I/Oand Integrated Virtualization Manager Installation (仮想入出力および Integrated Virtualization Managerのインストール用にセットアップ)」および「Cleanup after Virtual I/O and Integrated VirtualizationManager Installation (仮想入出力および Integrated Virtualization Manager のインストール後にクリーンアップ)」の 2 つのオプションにアクセスできます。 NIM クライアントで選択できるオプションは、「Configure Client as Master for Virtual I/O and Integrated Virtualization Manager Installation (仮想入出力および Integrated Virtualization Manager をインストールするためにクライアントをマスターとして構成)」だけです。 installios ウィザードで求められる特定のフィールドに入力し、installios コマンドを呼び出して環境をセットアップし、インストールを開始するか、クリーンアップを実行します。

NIM コマンド次の参照により、NIM コマンドの詳細情報が提供されます。

nim_master_setup コマンド:

nim_master_setup コマンドは、bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをインストールし、NIM マスターを構成し、mksysb システム・バックアップを含む、インストールの必須リソースを作成します。

nim_master_setup コマンドは、rootvg ボリューム・グループを使用し、デフォルトで /export/nim ファイルシステムを作成します。これらのデフォルトは、volume_group および file_system オプションを使用して変更することができます。また、別のシステムから mksysb イメージを使用する予定である場合、nim_master_setup コマンドでは、オプションでシステム・バックアップを作成しないことも可能です。nim_master_setup の使用方法は、次のとおりです。

nim_master_setup の使用法: NIM マスターの設定と構成nim_master_setup [-a mk_resource={yes|no}]

[-a file_system=fs_name][-a volume_group=vg_name][-a disk=disk_name][-a device=device][-B] [-v]

-B mksysb リソースを作成しない。-v デバッグ出力を使用可能にする。

デフォルト値:mk_resource = yesfile_system = /export/nimvolume_group = rootvgdevice = /dev/cd0

nim_clients_setup コマンド:

nim_clients_setup コマンドは、ユーザーの NIM クライアントを定義し、インストール・リソースを割り当て、また NIM BOS インストールをクライアントに開始するために使用されます。

nim_clients_setup コマンドは、basic_res_grp リソース内の定義を使用して、選択済みにクライアントにmksysb 復元操作を実行するのに必要な NIM リソースを割り当てます。 nim_clients_setup の使用方法は、次のとおりです。

インストールおよび移行 289

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nim_clients_setup の使用法: NIM クライアントの BOS インストールの設定と初期化nim_clients_setup [-m mksysb_resource]

[-c] [-r] [-v] client_objects-m mksysb リソース・オブジェクト名または絶対ファイル・パスを指定する。-c client.defs ファイルからクライアント。オブジェクトを定義する。-r BOS インストール用のクライアント・オブジェクトをリブートする。-v デバッグ出力を使用可能にする。

注: クライアント・オブジェクト名が与えられていない場合、クライアントが -c option を使用して定義済みでない限り、NIM 環境内のすべてのクライアントが BOS インストール使用可能になります。

その他の NIM コマンド・リファレンス:

一連の「AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス」では、エンド・ユーザー、システム管理者、およびプログラマーのために、NIM コマンド、AIX オペレーティング・システム・コマンド、および他のライセンス・プログラムについての参照情報を提供します。

これらの資料には、コマンドと使用可能なフラグの例や説明が含まれています。コマンド項目は、英字の順序に配置されています。

v AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス 第 1 巻には、ac から cx のコマンドが含まれています。

v AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス 第 2 巻には、da から hy のコマンドが含まれています。

v AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス 第 3 巻には、ib から mw のコマンドが含まれています。

v AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス 第 4 巻には、na から rw のコマンドが含まれています。

v AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス 第 5 巻には、sa から uu のコマンドが含まれています。

v AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス 第 6 巻には、va から yp のコマンドが含まれています。

例えば、AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス 第 3 巻には、NIM lsnim コマンドに関する参照情報が記載されています。AIX 5L バージョン 5.3 コマンド・リファレンス 第 4 巻には、次の NIM コマンドに関する情報が記載されています。

v nim

v nimclient

v nimconfig

v nimdef

v niminit

v nimquery

v nim_update_all

NIM の使用による仮想入出力サーバーの移行NIM を使用して、HMC または Integrated Virtualization Manager によって管理されている環境への仮想入出力サーバーのマイグレーション・インストールを実行するには、以下の手順を使用できます。

290 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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前提条件

仮想入出力サーバーのインストール・メディアが必要です。

さらに、次のシステム要件が満たされている必要があります。

v AIX 5.3 (5300-03 適用) 以降を稼働するシステムに、少なくとも 700 MB を使用できるファイルシステムがある。

v 仮想入出力サーバーのタイプの LPAR に、仮想入出力サーバーのインストール用のアクティブなネットワークに接続されたイーサネット・アダプターがある。 LPAR の作成について詳しくは、Creating the

Virtual I/O Server logical partition and partition profile を参照してください。

v 記憶制御装置に、最小 16 GB のディスク・スペースがある。

前提条件が満たされたら、以下の手順に従い、NIM を使用して仮想入出力サーバーを移行します。

1. 仮想入出力サーバーの移行 DVD を DVD ドライブに挿入します。

2. 引数を指定せずに installios コマンドを実行して、インストール・ウィザードを開始します。次に、installios ウィザードにより、仮想入出力サーバーまたは Integrated Virtualization Manager でインストールを開始するために必要な情報の入力処理についてガイドされます。

NIM クライアントで installios を実行すると、bos.sysmgt.nim.master ファイルセットのロケーションを求めるプロンプトが出されます。次に、NIM クライアントが NIM マスターとして構成されます。installios のコマンド行の使用法についての詳細は、installios コマンドを参照してください。

installios セットアップ・プロセスにより、マイグレーション・インストールを開始するために以下のNIM リソースが作成されます。

v bosinst_data

v installp_bundle

v lpp_source

v resolv_conf

v SPOT

v クライアントの定義

仮想入出力サーバーのロジカル・パーティションをインストールするときに、セキュア・シェル (SSH)

および信任状が NIM マスターで構成済みの場合、そのパーティションは HMC からネットワーク・ブートされて、インストールを開始します。

SSH のない仮想入出力サーバーの LPAR をインストールしている場合、または Integrated Virtualization

Manager をインストールしている場合、ステップ 3 に進んでください。

3. 仮想入出力サーバー・ソフトウェアがインストールされるシステムで、次のステップを実行して、仮想入出力サーバーの LPAR または Integrated Virtualization Manager をシステム管理サービス (SMS) モードでブートします。

v 仮想入出力サーバーの LPAR を SMS でブートする場合

a. HMC で、パーティションを右クリックしてメニューを開きます。

b. 「Activate (活動化)」をクリックします。「Activate Partition (パーティションの活動化)」メニューがオープンし、パーティション・プロファイルの選択項目が表示されます。正しいプロファイルが強調表示されていることを確認してください。

c. 「Open a terminal window or console session (端末ウィンドウまたはコンソール・セッションのオープン)」チェックボックスを選択して、仮想端末 (vterm) ウィンドウを開きます。

インストールおよび移行 291

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d. 「(Advanced...) (詳細...)」をクリックして、詳細オプション・メニューを開きます。

e. 「Boot mode (ブート・モード)」として「SMS」を選択します。

f. 「OK (了解)」をクリックして、詳細オプション・メニューを閉じます。

g. 「OK (了解)」をクリックします。パーティションの vterm ウィンドウがオープンします。

h. vterm ウィンドウで、「Setup Remote IPL (リモート IPL のセットアップ)」(初期プログラム・ロード) を選択します。

i. インストールに使用するネットワーク・アダプターを選択します。

j. 「IP Parameters (IP パラメーター)」を選択します。

k. クライアント IP アドレス、サーバー IP アドレス、およびゲートウェイ IP アドレスを入力します。オプションで、サブネット・マスクも入力できます。これらの値を入力したら Esc を押して、「Network Parameters (ネットワーク・パラメーター)」メニューに戻ります。

l. 「Ping Test (ping テスト)」を選択して、ネットワーク・パラメーターが適切に構成されていることを確認します。Esc を 2 回押して、メインメニューに戻ります。

m. メインメニューから、「Select Boot Options (ブート・オプションの選択)」を選択します。

n. 「Select Install/Boot Device (インストール/ブート・デバイスの選択)」を選択します。

o. 「Network (ネットワーク)」を選択します。

p. 先ほどリモート IPL 設定を構成したネットワーク・アダプターを選択します。

q. 「Normal (通常)」または「Service (保守)」モードを選択するようプロンプトが出されたら、「Normal (通常)」を選択します。

r. 終了するかどうか確認されたら、「Yes (はい)」を選択します。

v Integrated Virtualization Manager を SMS でブートする場合:

a. まず、マシンの電源を切ります。

b. マシンのスイッチを入れて、画面の下部でアイコンが左から右へと表示され始めたら、F1 を押します。

注: F1 を押す前に最後のアイコンが表示された場合は、SMS ではなく通常モードのブート・リストが表示されるため、再試行してください。

c. 「System Management Services (システム管理サービス)」メニューが開きます。「Utilities (ユーティリティー)」を選択します。

d. 「System Management Services Utilities (システム管理サービス・ユーティリティー)」メニューから、「Remote Initial Program Load Setup (リモート初期プログラム・ロード・セットアップ)」を選択します。

e. 「Network Parameters (ネットワーク・パラメーター)」パネルから、「IP Parameters (IP パラメーター)」を選択します。

f. 表示された値を、クライアント・システムにとって正しい値になるように変更します。次のもののIP アドレスを指定します。

– ブートしているクライアント・マシン (「client address (クライアント・アドレス)」フィールドに指定)

– NIM マスター・サーバー (「server address (サーバー・アドレス)」フィールドに指定)」

– クライアントのゲートウェイ (「gateway address (ゲートウェイ・アドレス)」フィールドに指定)

– クライアントのサブネット・マスク (「subnet mask (サブネット・マスク)」フィールドに指定)

g. アドレスを指定したら、Enter キーを押してアドレスを保管し、操作を続けます。

292 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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h. 「Network Parameters (ネットワーク・パラメーター)」ウィンドウが開きます。「Ping」オプションを選択します。

i. クライアントのブート・デバイスとして使用するネットワーク・アダプターを選択します。

j. 表示されるアドレスがブート・デバイスについて指定したアドレスと同じであることを確認します。アドレスに誤りがある場合は、メインメニューに戻るまで Esc キーを押します。そして、ステップ e に戻ります。これらのアドレスが正しい場合は、ステップ k に進みます。

k. アドレスが正しければ、Enter キーを押して、ping テストを実行します。 ping テストが完了するのに数秒かかることがあります。

l. ping テストが失敗した場合は、アドレスが正しいかどうかを確認し、ネットワークの問題を分析します。ping テストが正常に完了した場合は、正常完了メッセージを確認したことを示すためにEnter を押します。

m. 「System Management Services (システム管理サービス)」メニューに戻るまで、Esc を押します。

n. 「System Management Services (システム管理サービス)」メニューから、「Select Boot Devices(ブート・デバイスの選択)」オプションを選択します。

o. 表示されたブート可能デバイスのリストから、ネットワーク・ブートに使用するネットワーク・アダプターを選択します。

マイグレーション・インストールが完了すると、マイグレーション・インストール前の、仮想入出力サーバーのロジカル・パーティションまたは Integrated Virtualization Manager の構成はブートされます。

installios セットアップ・プロセスで作成されたすべての NIM リソースを除去するには、-u フラグを指定して installios コマンドを実行します。installios コマンドがクリーンアップに失敗したら、installios -u を実行するときに -f フラグを指定して、NIM がリセットとクライアントへのリソースの割り当て解除を強制実行するようにしてください。 NIM 環境は存在したままですが、 installios ウィザードによって作成されたすべてのリソースおよびディレクトリー構造は除去されます。ただし、NIM を構成解除したい場合、または bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをアンインストールして、NIM マスターを NIM クライアントに戻したい場合 (NIM クライアントから構成された場合) は、-U フラグの付いた installios -u を指定してください。

nim_move_up を使用する NIM クライアントから POWER5 の LPAR への移行nim_move_up アプリケーションを使用すると、簡単にバックレベルの AIX システムを POWER5™ (以降の) サーバーにある LPAR に移行することができます。

nim_move_up アプリケーションを適切に実行するには、システムが以下の要件を満たしている必要があります。

v NIM マスター要件

– AIX 5.3 (5300-03 適用) 以上を実行する構成済みの NIM マスター

– Perl 5.6 以上

– Openssh (Linux Toolbox メディアから入手可能)

– AIX 4.3.3.75 以上を実行する、少なくとも 1 台のスタンドアロン NIM クライアント

– AIX プロダクト・メディア・バージョン AIX 5L (5200-04 適用) 以上、または AIX プロダクト・メディア・バージョン 5.3 以上、あるいは同等の lpp_source および SPOT NIM リソース

v サーバーおよびリソースの要件

インストールおよび移行 293

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v ターゲット・クライアントの同等の POWER5 構成をサポートするのに十分なハードウェア・リソースを備えた POWER5 サーバー

v クライアントの移行に仮想リソースを使用する場合、仮想入出力サーバーがインストールされ、構成されている必要があります。

v POWER5 サーバーを制御する HMC、ならびに LPAR の始動、停止、および作成に必要な特権

v root ユーザー権限

この nim_move_up プロセスでは、元のクライアントのダウン時間は必要ありません。さらに、nim_move_up は、POWER5 サーバーの仮想入出力機能を使用して、クライアントを仮想ディスクなどの仮想化されたハードウェアに移行することができます。このマイグレーション・プロセスは、nim_move_up アプリケーションで、プロセスを制御するためにフェーズごとに実行することも、ユーザーの相互作用を必要とせずに一度にすべてを完了することもできます。

nim_move_up アプリケーションを使用すると、NIM マスターとそのクライアントを移行の開始点として使用して、以下のハードウェア環境を作成することができます。

v 元の NIM マスター

v 元の NIM クライアントに対応し、NIM マスターにより制御される POWER5 サーバーの LPAR

v NIM マスターと SSH を介して通信する POWER5 サーバーの LPAR を制御するための HMC

v 元の NIM クライアント

以下のフェーズに従って nim_move_up マイグレーション・プロセスを実行すると、プロセスを制御することができます。

1. 「Create NIM Resources (NIM リソースの作成)」フェーズでは、移行ステップの実行に必要な NIM

リソースを作成します (リソースが存在しない場合または前もって準備されていない場合)。

2. 「Pre-migration Software Assessment (移行前ソフトウェア・アセスメント)」フェーズでは、各ターゲット・クライアントでインストールされているソフトウェアおよび移行できるソフトウェアのアセスメントを実行します。lpp_source で欠落しているソフトウェアはすべて、nim_move_up に提供されるインストール・イメージのソースから追加されます。

3. 「Client Hardware and Utilization Data Gathering (クライアントのハードウェアおよび使用状況に関するデータ収集)」フェーズでは、各ターゲット・クライアントのハードウェア・リソースに関するデータを収集し、所定時間におけるこれらのリソースの平均使用率の評価を試行します。

4. 「POWER5 Resource Availability Data Gathering and Client Resource Data Translation (POWER5 リソース可用性データの収集およびクライアント・リソース・データの変換)」フェーズでは、指定された管理対象システムで使用可能なハードウェア・リソースを検索します。前のフェーズで収集されたデータを使用して、管理対象システムの使用可能なリソースを使用する同等の LPAR 構成を作成します。nim_move_up で扱う仮想入出力サーバーの LPAR が指定された場合、物理入出力リソースではなく仮想入出力リソースを使用してクライアントの LPAR を作成します。必要に応じて仮想入出力サーバーで適切なアダプターおよび構成を作成します。

5. 「Create System Backups of Target Clients (ターゲット・クライアントのシステム・バックアップの作成)」フェーズでは、mksysb コマンドを使用して各ターゲット・クライアントおよびそのリソースのインストール可能イメージを作成します。

6. 「Migrate Each System Backup (各システム・バックアップの移行)」フェーズでは、nimadmin コマンドを使用して、新しく作成されたインストール可能イメージを新しいレベルの AIX に移行します。

7. 「Allocate NIM Resources to New LPARs (NIM リソースの新規 LPAR への割り当て)」フェーズでは、nim_move_up アプリケーションに提供されたネットワーク情報を使用して、「POWER5 Resource

Availability Data Gathering and Client Resource Data Translation (POWER5 リソース可用性データの収

294 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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集およびクライアント・リソース・データの変換)」フェーズで作成された新しい LPAR の NIM スタンドアロン・クライアント・オブジェクトを作成します。各 NIM クライアントで、適切な NIM リソースを割り当て、bos_inst pull 操作を実行します (NIM はクライアントのブートを試行しません)。

8. 「Initiate Installation on LPARs (LPAR でのインストール開始)」フェーズでは、制御ホスト (HMC 区画) を介してそれぞれの LPAR をリブートし、インストールを開始します。

注: このフェーズは、インストールが始まると終了します。実際のインストール進行状況はモニターされません。

9. 移行後ソフトウェア・アセスメント

各インストールの後で移行全体が正常に完了したかどうかが評価され、ソフトウェア移行の問題があれば報告します。移行に失敗したファイルセットに対して、報告されたエラーを手動で訂正しなければならない場合があります。

10. インストール後のカスタマイズ

代替の lpp_source、ファイルセット・リスト、またはカスタマイズ・スクリプトが nim_move_up アプリケーションに提供されている場合は、各クライアントで、指定された値を使用して NIM カスタマイズ操作を実行します。これにより、必要に応じて、追加のソフトウェア・アプリケーションのオプション・インストールまたは追加のカスタマイズを行うことができます。

SMIT からの nim_move_up を使用する NIM クライアントから POWER5 の LPARへの移行nim_move_up のルート・メニューへの SMIT 高速パスは smitty nim_move_up です。

nim_move_up アプリケーションの実行に必要なすべての前提条件が満たされると、nim_move_up は、構成とフェーズ実行の 2 つのステップでマイグレーション・プロセスを実行します。次のステップを完了することにより、SMIT から nim_move_up の割り当てを実行することができます。

1. smitty nim_move_up_config と入力します。 「Configure nim_move_up Input Values (nim_move_up入力値の構成)」パネルが開きます。

2. 必須フィールドに情報を入力します。 この情報は、nim_move_up アプリケーションがリセットされない限り、このアプリケーションにより保存されます。この情報は、いつでも「Configure nim_move_upInput Values (nim_move_up 入力値の構成)」パネルから変更することができます。

3. 実際のマイグレーション・プロセスを開始するには、smitty nim_move_up_exec と入力します。「Execute nim_move_up Phases (nim_move_up フェーズの実行)」パネルが開きます。

4. 「Execute nim_move_up Phases (nim_move_up フェーズの実行)」パネルでオプション「Execute AllRemaining Phases? (残りフェーズをすべて実行しますか?)」に該当の応答を入力して、Enter を押します。

nim_move_up アプリケーションを操作するために、「Configure nim_move_up Input Values(nim_move_up 入力値の構成)」パネルと「Execute nim_move_up Phases (nim_move_up フェーズの実行)」パネルのほか、次のようなパネルを使用できます。

Display the Current Status of nim_move_up (nim_move_up の現在の状況の表示)このメニュー・オプションの選択は、nim_move_up の実行で -S フラグを指定するのと同じです。次のフェーズが実行され、保管されたすべてのオプションが表示されます。

Configure SSH Keys on Target HMC (ターゲットの HMC の SSH キーの構成)この SMIT パネルは、リモート制御ホスト (HMC) の SSH キーをセットアップするためのシンプ

インストールおよび移行 295

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ルなインターフェースです。このパネルの使用は、-K コマンド行オプションを使用するのと同じです。リモート制御ホストの SSH キーを構成すると、NIM マスターからコマンドをリモート側の不在モードで実行することができます。

Unconfigure nim_move_up (nim_move_up の構成解除)この SMIT パネルは、nim_move_up 環境を構成解除するためのインターフェースです。環境を構成解除すると、次に実行するフェーズ、フェーズの実行の結果として生成された保管済みデータ、および保管されたすべての入力値など、すべての状態情報が除去されます。オプションで、nim_move_up で作成されたすべての NIM リソースも除去できます。このパネルの使用は、-r コマンド行オプションを使用するのと同じです。

コマンド行で nim_move_up を使用した NIM クライアントから POWER5 論理区画への移行nim_move_up アプリケーションの実行に必要なすべての前提条件が満たされると、nim_move_up は、構成とフェーズ実行の 2 つのステップでマイグレーション・プロセスを実行します。

コマンド行の使用方法

nim_move_up {[-S] | [-K [-h control_host] ] | [-r [-R] ]} | { [-c NIM_client] [-i target_ip[-ending_ip]] [-s

subnet_mask] [-g gateway] [-h control_host] [-m managed_sys] [-V vio_server [-e] [-D] ] [-I img_src] [-l

resource_dir] [-t seconds] [-p loops] [-j nimadm_vg] [-L lpp_source] [-U spot] [-B bosinst_data] [-E

exclude_files] [-C script_resource] [-b installp_bundle] [-f fix_bundle] {{[-n] [-d]} | -O} [-q] }

表 10. 必須フラグフラグ

-c NIM_client NIM スタンドアロン・クライアント (スタンドアロン・オブジェクト型) または NIM マシン・グループ (mac_group オブジェクト型) のいずれか。NIM マスターからネットワーク経由で到達でき、NIM マスターがコマンドを実行できるクライアントを指定する必要があります。この引数で NIM マシン・グループを指定する場合、すべてのマシンが同じ NIM ネットワークになければなりません。このクライアントは、POWER5サーバーの同等のLPAR に移行されるターゲット・マシンとなります。

-i target_ip[-ending_ip] 新しく移行されたクライアントが POWER5 サーバーにインストールされた後、このクライアントの構成に使用される IP アドレス。-c オプションで NIM マシン・グループが指定された場合、ここで IP アドレスの範囲を指定する必要があり、移行されるクライアントの量を列挙するのに十分なアドレスがなければなりません。

-s subnet_mask クライアントが POWER5 サーバーに移行された後、その構成に使用されるサブネット・マスク。

-g gateway クライアントが POWER5 サーバーに移行された後、その構成に使用されるデフォルト・ゲートウェイの IP アドレス。

-h control_host nim_move_up が使用する予定の POWER5 サーバーのハードウェア制御に使用される HMC のホスト名または IP アドレス。

-m managed_sys HMC によりトラッキングされる、POWER5 サーバーに対応する管理下のシステムの名前。

296 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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表 10. 必須フラグ (続き)

フラグ

-I img_src 移行とインストールの実行に必要な NIM リソースを作成するために使用されるインストール・イメージのソースへのパス。このパスには、dev/cd0 などのデバイス (AIX プロダクト・メディアを使用する場合)、またはインストール・イメージが含まれているファイルシステムのロケーションへのパスを指定できます。インストール・イメージの AIX のレベルは、AIX 5L バージョン5.2 (5200-04 推奨メンテナンス・パッケージ適用) 以上、またはAIX 5.3 以上でなければなりません。

-l resource_dir nim_move_up で作成される新しい NIM リソースが含まれるファイルシステムのロケーションへのパス。-L および -U オプションを使用して既存のリソースが指定されない限り、このロケーションには、lpp_source および SPOT を収容できる十分なスペースが必要です。

表 11. 実行フラグおよび制御フラグフラグ

-S 現在のフェーズの実行状況または次に実行されるフェーズを表示します。保管された値もすべて表示されます。nim_move_up

は、情報を表示したら即時に終了します。このフラグは、その他のオプションと一緒に使用することはできません。

-n nim_move_up マイグレーション・プロセスの次のフェーズのみを実行します。nim_move_up は、そのフェーズが完了または失敗すると終了します。このフラグを指定しないと、後続のフェーズがすべて実行されます。nim_move_up は、すべてのフェーズが実行されてから、またはいずれかのフェーズが失敗すると終了します。

-d nim_move_up はバックグラウンドで実行され、呼び出し側に端末装置の制御を戻します。nim_move_up の進行状況は、上記の-S フラグを使用して追跡することができます。

-q 抑制モード。出力は、端末装置に表示されず、ログで保持されます。nim_move_up の実行で上記の -d フラグが指定されると、このフラグは効果がありません。

-O 指定された値のみを保管します。nim_move_up は、その他のオプションで指定された値を保管し、フェーズを実行せずに終了します。このフラグは、その他の実行フラグまたは制御フラグと一緒に使用できません。

-K 指定された HMC で SSH キーを構成して、NIM マスターからパスワード・プロンプトなしにコマンドをリモートの不在モードで実行できるようにします。このフラグは、-h オプション以外のその他のオプションと一緒に使用できません。

-r nim_move_up を構成解除します。これにより、保管されたオプション、フェーズ固有のデータ、および現在のフェーズ情報を含む、すべての保管されたデータがリセットされます。マイグレーション・プロセスが新規クライアントまたはクライアント・セットを移行するために開始された場合は、この操作を実行する必要があります。

-R nim_move_up で作成されたすべての NIM リソースを除去し、環境を構成解除します。このフラグを使用できるのは、上記の -r

が指定された場合のみです。

インストールおよび移行 297

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表 12. オプション・フラグフラグ

-V vio_server 上記の -m フラグで指定された POWER5 サーバーにある仮想入出力サーバーの LPAR 名。

-e 仮想入出力サーバーの LPAR が指定されている場合、POWER5

サーバーに新しい LPAR を作成するために、共用イーサネット・アダプターではなく、物理ネットワーク・アダプターの使用を強制します。このフラグが有効であるのは、上記の -V オプションと一緒に使用される場合のみです。

-D 仮想入出力サーバーの LPAR が指定されている場合、POWER5

サーバーに新しい LPAR を作成するために、仮想 SCSI アダプターではなく、物理ストレージ・コントローラーの使用を強制します。このフラグが有効であるのは、上記の -V オプションと一緒に使用される場合のみです。

-p loops ターゲット NIM クライアントでそのリソース使用率を分析するためにシステム分析ツールを実行する回数。最後のリソース使用率は、各ループから得られた値の平均で、移行する LPAR の派生元となる同等の POWER5 リソースを決定する上で考慮されます。このオプションを指定しない場合、デフォルトの 1 ループに設定されます。

-t seconds 各ループが実行される秒数。このオプションを指定しない場合、デフォルトの 10 秒に設定されます。

-j nimadm_vg データ・キャッシングの基本となる nimadm 呼び出しにより使用されるボリューム・グループ。このオプションを指定しないと、デフォルト値は rootvg です。

-L lpp_source ターゲット・クライアントの移行先の AIX レベルにある既存のlpp_source NIM リソース。このオプションが指定されない場合、nim_move_up は、上記の -I オプションで指定されたインストール・イメージのソースから新しい lpp_source を作成しようとします。

-U spot クライアントの移行とインストールに使用される既存の SPOT

NIM リソース。このオプションが指定されない場合、指定された lpp_source NIM リソースから新しい SPOT が作成されます(上記の -L および -I オプションを参照)。

-B bosinst_data nim_move_up により新規クライアントの POWER5 LPAR へのインストールに使用される既存の bosinst_data NIM リソース。このオプションが指定されない場合、nim_move_up は、デフォルトの不在インストールの値を使用して bosinst_data リソースを生成します。

-E exclude_files nim_move_up が元のクライアントの mksysb イメージを作成するために使用する既存の exclude_files NIM リソース。このオプションが指定されない場合、nim_move_up は、バックアップから /tmp の内容を除外する exclude_files リソースを生成します。

-C script_resource 指定された場合、nim_move_up が、フェーズ 10 (インストール後のカスタマイズ) で、新しく移行されたすべての LPAR に対して実行する既存の script NIM リソース。

-b installp_bundle 既存の installp_bundle NIM リソース。そのソフトウェアが、フェーズ 10 (インストール後のカスタマイズ) で、新しく移行されたそれぞれの LPAR にインストールされます (このオプションが nim_move_up で指定された場合)。

-f fix_bundle 既存の fix_bundle NIM リソース。その APAR が、フェーズ 10

(インストール後のカスタマイズ) で、新しく移行されたそれぞれの LPAR にインストールされます (このオプションがnim_move_up で指定された場合)。

298 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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必須オプションを指定して nim_move_up アプリケーションを構成し、マイグレーション・プロセスの第1 フェーズを開始するには、次のように入力します。

nim_move_up -c client1 -i 192.168.1.100 -s 255.255.255.0 -g 192.168.1.1 -h hmc1.mydomain.com -mmy-p5 -l /big/dir -I /dev/cd0 -n

ここで、

v -c client1 は、NIM マスターからネットワーク経由で到達可能な NIM スタンドアロン・クライアントです。

v -i 192.168.1.100 は、新しく移行されたクライアントが POWER5 サーバーにインストールされた後でこのクライアントの構成に使用される IP アドレスです。

v -s 255.255.255.0 は、クライアントが POWER5 サーバーに移行された後でその構成に使用されるサブネット・マスクです。

v -g 192.168.1.1 は、クライアントが POWER5 サーバーに移行された後でその構成に使用されるデフォルト・ゲートウェイの IP アドレスです。

v -h hmc1.mydomain.com は、nim_move_up アプリケーションが使用する予定の POWER5 サーバーのハードウェア制御に使用される HMC のホスト名または IP アドレスです。

v -m my-p5 は、HMC により追跡される、POWER5 サーバーに対応する管理下のシステムの名前です。

v -l /big/dir は、nim_move_up アプリケーションにより作成される新しい NIM リソースが含まれるファイルシステムのロケーションへのパスです。

v -I /dev/cd0 は、移行とインストールの実行に必要な NIM リソースを作成するために使用されるインストール・イメージのソースへのパスです。

v -n は、マイグレーション・プロセスの次のフェーズを開始します。

その後、マイグレーション・プロセスの残りのフェーズをすべてバックグラウンドで実行して、すべてのライセンスに対する同意を保管するには、次のように入力します。

nim_move_up -Y -d

NIM の詳細構成作業の実行Web-based System Manager NIM インターフェース、System Management Interface Tool (SMIT)、およびコマンド行を使用して、多くのネットワーク・インストール管理 (NIM) の詳細構成作業を実行することができます。

NFS クライアント通信オプションの管理AIX ネットワーク・インストール管理 (NIM) は、ネットワーク・セキュリティーとファイアウォールの強化のためのオプションを備えています。

NIM サービス・ハンドラー (NIMSH) は、リモート・サービス認証のためのオプションを提供し、サービスのネットワーク・ソケット選択を制限します。 NIMSH は、NIM ユーザーに対してサービス認証のためのクライアントの構成可能なオプションを提供します。リソース・サーバーでネットワーク・データを暗号化するか保護するには、ネットワーク・ファイルシステム (NFS) V4 (NIM の一部) を使用します。

NFS V4 は機密保護機能を備えています。

識別 ユーザー、ホスト、またはサービスの識別を確立します。

認証 ユーザー、ホスト、またはサービスの識別を確認します。

許可 各ユーザーまたはエンティティーがアクセスできる共用情報を制御します。

インストールおよび移行 299

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ネットワーク・インストール環境内の機密保護機能は、インストール・モデルの NIM のオブジェクト指向記述を使用します。NIM データベース内のリソース・オブジェクトには、NFS V4 から NIM リソースにアクセスする際に必要となるセキュリティー・オプションの記述のために追加属性が必要です。

NFS V4 ホスト識別:

NFS V4 サーバーは、以下のメソッドを使用してクライアント・ホストを識別します。

基本のホスト識別NFS V4 サーバーは、リモート・プロシージャー・コール (RPC) パケットに指定の IP アドレスでクライアント・ホストを識別します。NFS サーバーはこの IP アドレスをホスト・リゾルバーを使用してホスト名に変換します。ホスト・リゾルバーは、この情報をドメイン・ネーム・システム(DNS) またはローカルの /etc/hosts ファイルから取得します。

Kerberos ホスト識別Kerberos 認証では、ホストを識別するためにマシンのプリンシパルと呼ばれる固有 ID を使用します。マシン・プリンシパルは、ホストを Kerberos レルムに構成する際に設定されます。マシン・プリンシパルの名前は、接頭部に host/ が付いた完全修飾ホスト名です (host/

jsblade00.austin.ibm.com など)。

Kerberos は、ホストが NFS サービス・プリンシパル (ホストで実行される NFS サービスの識別)

を使用することを間接的に識別できます。サービス・プリンシパルの名前は、接頭部に nfs/ が付いた完全修飾ホスト名です (nfs/jsblade00.austin.ibm.com など)。

NFS V4 ホスト認証:

NFS サーバーは、使用される認証メソッドに関係なく、常にクライアント・ホストを IP アドレスとホスト名で識別します。エクスポートされたディレクトリーに対して Kerberos 認証のセキュリティー・メソッドしか認められていない場合は、そのディレクトリー内のデータへのアクセス権を取得する前に、NFS クライアント・セッションが正しく認証されていなければなりません。

NFS V4 は通常、ホスト・レベルではなく、ユーザー・レベルでクライアントを認証します。認証メソッドは、auth_sys (UNIX 認証) と RPCSEC_GSS (Kerberos) の 2 つです。auth_sys セキュリティー・メソッドでは、ユーザーはクライアントで認証され、通常、ログオン名とパスワードが使用されます。NFS サーバーは、そのクライアントが提供するユーザーとグループの識別情報を信頼します。クライアントとサーバーが Kerberos 5 認証を使用している場合、そのクライアントとサーバーは NFS 要求のセキュリティー・コンテキストを確立する必要があります。セキュリティー・コンテキストは、クライアントとサーバーが相互認証手順を完了したことを示すデータ構造です。このコンテキストには、必要に応じて、交換されたデータの保護に使用する暗号キーが含まれることがあります。セキュリティー・コンテキストにはライフタイムがあり、クライアントによるリフレッシュが必要な場合があります。

RPCSEC_GSS 認証プロセスの詳細については、README ファイル、『ネットワーク・ファイルシステムのセキュリティー』、および『コマンド・リファレンス』を参照してください。

NFS V4 ホスト許可:

ネットワーク・ファイルシステム (NFS) でのホスト許可とは、どの NFS クライアント・ホストが NFS

サーバーからエクスポートされたディレクトリーをマウントできるかを制御することを意味します。これは/etc/exports ファイルと exportfs コマンドの組み合わせを使用して AIX で行われます。

NFS V4 には、次の表に示されているセキュリティー関連のオプションがあります。

300 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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オプション 説明

vers どのバージョンの NFS マウントを使用できるかを制御します。有効な値は 2、3、および 4 です。バージョン 2 と3 は単独で実行することはできません。バージョン 2 または 3 を指定すると、クライアントは NFS プロトコルのバージョン 2 または 3 を使用してアクセスできるようになります。バージョン 4 は単独で指定することができ、クライアントがバージョン 4 のプロトコルを使用してアクセスできるようにこのバージョンを指定する必要があります。

NIM でのデフォルト値は 3 です。NIM での有効な値は 3 と 4 です。

sec どのセキュリティー・メソッドを使用できるかを制御します。有効な値は次のとおりです。

sys UNIX 認証、デフォルト・オプション

dh DES 認証

krb5 Kerberos、認証のみ

krb5i Kerberos、認証、および保全性

krb5p Kerberos、認証、保全性、およびプライバシー

none マウント要求を匿名の資格情報で許可します。

NIM でのデフォルト値は sys です。NIM での有効な値は sys と krb5 です。

sec オプションは、ディレクトリーのエクスポート定義に複数回表示されます。これにより、ro、rw、rootなどの異なるアクセス・オプションをさまざまなセキュリティー・オプションに対して指定することができます。例えば、sys セキュリティー・メソッドを使用するホストは読み取りアクセスしか許可されないのに対して、krb5 セキュリティー・メソッドを使用するホストは読み取りアクセスと書き込みアクセスが許可されます。

NIM を NFS で使用する場合、エクスポート・オプションの標準セットを使用できます。ユーザー定義のオプションも使用できますが、これらを使用する場合は、NFS エクスポート・コマンド (mknfsexp、chnfsexp、rmnfsexp など) を使用してディレクトリーまたはファイルシステムに対する NFS エクスポートを管理する必要があります。これらのエクスポート・オプションは、NIM エクスポート・オプションとは別です。

Kerberos 5 を使用する NFS セキュリティーを備えた NIM 環境のセットアップ前提条件:

Kerberos 5 を構成する場合は、事前にご使用のシステムが以下の前提条件を満たしている必要があります。

v NIM マスターに AIX 6.1 以降がインストールされている必要があります。

v NIM マスターが構成されている必要があります。

v IBM Network Access Server (NAS) バージョン 1.4 以降が AIX Expansion Pack CD のサーバー・ファイルからインストールされている必要があります。

– krb5.lic

– krb5.client

– krb5.server

– modcrypt.base

v Kerberos サービスが構成され、鍵配布センター (KDC) サーバーで認証されている必要があります。

v 関連した NIM クライアントに AIX 6.1 以降がインストールされている必要があります。

v IBM NAS バージョン 1.4 以降が AIX Expansion Pack CD のクライアント・ファイルからインストールされている必要があります。

– krb5.lic

インストールおよび移行 301

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– krb5.client

– modcrypt.base

v Kerberos クライアントが構成され、KDC サーバーで認証されている必要があります。

NIM で NFS V4 の構成が可能な場合は、Kerberos 構成の変更のため、NIM 外の KDC 構成とサービスを管理する必要があります。NIM データベース内の sec オプションは、エクスポート・リストの生成に対してのみ使用します。Kerberos をセットアップするために、bos.sysmgt.nim.client ファイルセットのサンプル・スクリプトを使用することができます。Kerberos 5 を NIM 環境で構成したら、認証を行って各クライアントと NIM マスターのチケットを入手する必要があります。チケット付与オプションに対しては、usr/krb5/bin/kinit コマンドを使用します。

NIM と Kerberos 5 に関する追加のヘルプについては、/usr/lpp/bos.sysmgt/nim/README ファイルを参照してください。

SMIT を使用した NFS クライアント通信オプションの管理:

以下の手順を使用すると、SMIT を使用した NFS クライアント通信オプションを構成できます。

v NIM クライアントで smitty nim_global_nfs と入力します。

v 次の表にある NFS クライアント・オプションのいずれかを選択します。

オプション 値

Enable/Disable Global Usage of NFS Reserved

Ports? (NFS 予約済みポートのグローバル使用を使用可能/使用不可にする)

予約済み以外の IP ポート番号を使用することを指定します。この値は disable

です。値 enable は、NFS クライアントが NFS サーバーと通信する場合に予約済みの IP ポート番号を使用します。

Allow NIM to enable port-checking on NIM

master? (NIM マスターでのポート検査を使用可能にする)

NFS 要求が特権のあるポートから発信されているかどうかを検査します。デフォルト値は no です。値 yes は、NFS サーバーに着信 NFS 要求でのポート検査を実行するように指示します。

Specify the NFS Local Domain (NFS ローカル・ドメインを指定する)

システムの NFS ローカル・ドメインを変更することを指定します。指定した値は、NIM 環境属性 nfs_domain の作成に使用され、/etc/nfs/local_domain ファイル内のドメイン名として使用されます。注: このオプションは、NIM リソースを NFS V4 マウントとしてエクスポートする前に設定する必要があります。

コマンド行からの NFS クライアント通信オプションの管理:

これらのコマンドを使用すると、NIM マスターで NFS クライアント通信オプションを構成できます。

NIM マスターで次のコマンドを使用します。

v NFS 予約済みポートのグローバル使用を使用可能にするには、次のコマンドを使用します。

nim -o change -a nfs_reserved_port=yes master

v NFS 予約済みポートのグローバル使用を使用不可にするには、次のコマンドを使用します。

nim -o change -a nfs_reserved_port=no master

v NIM マスターの NFS サーバーでポート検査を使用可能にするには、次のコマンドを使用します。

nfso -o portcheck=1

v NIM マスターの NFS サーバーでポート検査を使用不可にするには、次のコマンドを使用します。

nfso -o portcheck=0

v NIM マスターの NFS サーバーで単純な KDC サーバーとプリンシパルを作成するには、次のコマンドを使用します。

/usr/samples/nim/krb5/config_rpcsec_server -p <password> -u <user principal name>

302 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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このコマンドにより、指定されたプリンシパル名とパスワードに基づいて新規システム・ユーザー名が作成されます。『サンプル KDC サーバー定義ファイル』を参照してください。

v NIM マスターの NFS サーバーで KDC サーバーとプリンシパルを削除するには、次のコマンドを使用します。

/usr/sbin/unconfig.krb

このコマンドにより、すべての Kerberos 5 構成情報が削除されます。

NIM 環境からのマシンの除去NIM データベースからクライアント情報を除去することによって、NIM 環境からマシンを除去できます。

注: クライアントを NIM 環境から除去すると、そのクライアント・マシンからの /etc/niminfo ファイルの除去は、NIM が行います。ただし、NIM マスターについてのクライアント・ファイルセットと rhost アクセス権をクライアント・システムから除去したい場合、このような追加クリーンアップは手動で行う必要があります。

Web-based System Manager を使用する NIM 環境からのマシンの除去:

Web-based System Manager を使用して NIM 環境からマシンを除去するには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、NIM 環境から除去するマシンを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Delete (削除)」を選択して、マシンを除去します。

SMIT を使用する NIM 環境からのマシンの除去:

SMIT を使用して NIM 環境からマシンを除去するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_rmmac 高速パスを入力します。

2. 除去するマシンを選択します。

3. 表示されたダイアログのフィールドで、デフォルト値を受け入れます。

コマンド行を使用する NIM 環境からのマシンの除去:

コマンド行を使用して、NIM 環境からマシンを除去するには、次の手順を実行します。

次のように入力します。

nim -o remove MachineName

ここで、MachineName は除去したいマシンの名前です。

追加インターフェース属性の作成マスターが活動化されたときに 1 次インターフェース、つまり最初のインターフェース (if1) が作成され、その後は順序番号を使ってマシン・オブジェクト定義の中で追加インターフェース (if2、if3、...) が識別されます。

マスター・オブジェクト用の追加の if 属性を作成するには、Web-based System Manager、SMIT、またはnim -o change コマンド操作を使用します。

Web-based System Manager からの追加インターフェース属性の作成:

インストールおよび移行 303

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Web-based System Manager を使用して追加インターフェース属性を作成するには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、任意のマシン (マスター、スタンドアロン、ディスクレス、またはデータレス) を選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Properties (属性)」を選択します。選択したマシンの「Machine Properties (マシン属性)」ノートブックの「General (一般)」ページが表示されます。

4. 「NIM Interfaces (NIM インターフェース)」タブを選択します。

5. ダイアログの指示に従います。

SMIT からの追加インターフェース属性の作成:

SMIT から追加インターフェース属性を作成するには、次の手順を実行します。

1. 追加の if 属性を作成するには、 smit nim_mac_if 高速パスを入力します。

2. 「Define a Network Install Interface (ネットワーク・インストール・インターフェースの定義)」オプションを選択します。

3. マシン・オブジェクト名を選択します。この例では、master です。

4. インターフェースのホスト名を入力します。

5. 「Define a Network Install Interface (ネットワーク・インストール・インターフェースの定義)」画面の入力フィールドに、ネットワーク固有情報を入力します。

注: インターフェースについて指定したホスト名の IP アドレスに対応する NIM ネットワークがまだ存在していない場合は、ネットワークを定義できるように、追加ネットワーク情報の入力を求められます。

コマンド行からの追加インターフェース属性の作成:

コマンド行から追加インターフェース属性を作成するには、次の手順を実行します。

マスター・オブジェクト用の追加の if 属性を作成するには、次のように入力します。

トークンリングの場合:

nim -o change -a ifseq_no='NetworkObjectName AdapterHostName ¥AdapterHardwareAddress' -a ring_speedseq_no=Speed master

イーサネットの場合:

nim -o change -a ifseq_no='NetworkObjectName AdapterHostName ¥AdapterHardwareAddress' -a cable_typeseq_no=Type master

FDDI の場合:

nim -o change -a ifseq_no='NetworkObjectName AdapterHostName ¥AdapterHardwareAddress' master

その他のネットワークの場合:

nim -o change -a ifseq_no='NetworkObjectName AdapterHostName ¥AdapterHardwareAddress' master

注: インターフェースの接続先の NIM ネットワークの名前が分からない場合や、そのインターフェースに対応するネットワークが定義されていない場合は、 find_net キーワードおよび net_definition 属性を使って調べることができます。その方法は、 198ページの『NIM クライアントの定義』を参照してください。

304 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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この例では、以下のコマンドが実行されます。

nim -o change -a if2='Network2 srv1_ent 0' -a ¥cable_type2=bnc master

この構文により、マスター用に追加の if 属性が 1 つ作成されます。この属性は、マスターにはホスト名srv1_ent を使用するイーサネット・インターフェースがあること、イーサネット・アダプターのハードウェア・アドレスが 0 (未使用) であること、およびマスターが Network2 ネットワーク・オブジェクトに接続していることを、NIM に通知します。

マスターについての詳細情報を表示するには、次のように入力します。現在は、if2 属性が示されることになります。

lsnim -l master

このコマンドにより、次のような出力が生成されます。

master:class = machinestype = masterCstate = ready for a NIM operationreserved = yesplatform = rs6kserves = bootserves = nim_scriptcomments = machine which controls the NIM environmentMstate = currently runningprev_state = ready for a NIM operationif1 = Network1 server1 10005AA88399master_port = 1058registration_port = 1059ring_speed1 = 16if2 = Network2 Srv1_ent 02608c2e222ccable_type2 = bnc

/usr SPOT と非 /usr SPOT の定義SPOT リソースには、通常はマシンの /usr ファイルシステムにインストールされるオペレーティング・システム・ファイルが含まれています。マシンのディスク・スペースが制限されている場合、またはSPOT を至急作成する必要がある場合は、まったく別個の SPOT を別の位置に作成する代わりに、マシンの /usr ファイルシステムを SPOT に変換する方が便利な場合があります。

マシンの /usr ファイルシステムを SPOT に変換する場合は、異なるハードウェア構成に対するサポートをマシンに提供するために追加ソフトウェアがマシンにインストールされます。ほとんどのオペレーティング・システム・ファイルは、既にシステムにインストールされているので、 SPOT の作成時には再インストールされません。

/usr ファイルシステムを SPOT に変換した後で、作成済みの /usr SPOT リソースで NIM を使って、マシンに対するすべてのソフトウェアのインストール操作および保守操作を実行する必要があります。そうすることによって、マシンに対するソフトウェアのインストールまたは保守に加えて、すべての必要なSPOT 操作が確実に実行されます。

Web-based System Manager からの /usr SPOT と非 /usr SPOT の定義:

Web-based System Manager を使用して /usr SPOT と非 /usr SPOT を定義するには、次の手順を実行します。

1. 「Resources (リソース)」コンテナーを選択します。

2. 「Resources (リソース)」メニューで、「New Resource (新規リソース)」を選択します。

インストールおよび移行 305

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3. ウィザードの指示に従って、SPOT リソースを作成します。

SMIT からの /usr SPOT と非 /usr SPOT の定義:

SMIT を使用して /usr SPOT と非 /usr SPOT を定義するには、次の手順を実行します。

1. /usr SPOT を作成するには、smit nim_mkres 高速パスを入力します。

2. リソース・タイプを選択します。

3. 「Location of Resource (リソースのロケーション)」フィールドに /usr を入力します。

4. この画面の他のすべてのフィールドについて、値を入力するか、デフォルト値を受け入れます。

コマンド行からの /usr-SPOT の作成:

コマンド行から /usr-SPOT を作成するには、次の手順を実行します。

次のように入力します。

nim -o define -t spot -a server=ServerName ¥-a location=/usr -a source=SourceName ResourceName

例:

マシン client1 の /usr ファイルシステムを、追加インストール・イメージのソースとして lppsource1

を使用して、usrspot という名前の SPOT に変換するには、次のように入力します。

nim -o define -t spot -a server=client1 -a location=/usr ¥-a source=lpp_source1 usrspot

installp コマンドの使用:

/usr ファイルシステムを SPOT に変換した後は、SPOT の運用を担当しているマシン上での installp を使ったソフトウェアのインストールや保守は、お勧めできません。

SPOT に関連付けられたディスクレス・クライアント、データレス・クライアント、およびネットワーク・ブート・イメージは、NIM の cust 操作または maint 操作を使って呼び出さない限り、 installp コマンドでは更新されません。 installp コマンドを使って /usr SPOT サーバーのソフトウェアをインストールまたは保守する必要がある場合は、次のようにします。

1. SPOT に関連したサーバーおよびすべてのクライアント上で、すべての NIM 操作が完了していることを確認します。

2. SPOT をすべてのスタンドアロン・クライアントから割り当て解除します。

3. installp コマンドを実行します。

4. installp コマンドの完了後に、SPOT に対して check 操作を実行します。

nim -o check -F usrSPOTName

注: ブート・イメージを再作成するには、-F フラグが必要です。

5. この SPOT がディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントへの運用を担当して使用されている場合は、installp コマンドの完了後に、 /usr SPOT に対する sync_roots 操作を指定したnim コマンドを発行することにより、すべてのディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントを SPOT と再同期させます。

nim -o sync_roots usrSPOTName

nim -o check -F usrSPOTName

306 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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/usr 以外の SPOT にインストールされたソフトウェアを管理するためには、cust 操作と maint 操作を使う必要があります。

既存ディレクトリーからの SPOT リソースの再作成nim - o define コマンドに server と location 属性を指定すると、既存のファイルとディレクトリーからNIM リソースを定義することができます。SPOT リソースの定義は、インストール・イメージを SPOT 位置に入れることによってソフトウェアをインストールするため、他のリソースより長い時間がかかります。

SPOT は、nim -o コマンド行インターフェースによってインストール・イメージから作成されます。しかし、SPOT のためのディレクトリー構造が以前作成したときから存在していた場合は、ソフトウェアをすべてインストールし直すことなく、 SPOT を再定義するために NIM メソッドを直接呼び出しできます。

既存の SPOT ディレクトリーから SPOT を定義しなければならなくなるのは、通常、システム・リカバリー時に NIM データベースを再作成する必要があるときだけです。

以前 SPOT をインストールしているディレクトリーから SPOT を定義するには、次のコマンドを使用します。

/usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods/m_mkspot -o -a server=server ¥-a location=location -a source=no spotname

例:

spot1 という名前の SPOT が、/export/spot ディレクトリー内の NIM マスターに作成されたとします。その後、NIM データベースが破壊され、再作成する必要が起きました。SPOT ファイルはまだマシンに残っていますが、次のコマンドを使用して NIM に SPOT を再定義する必要があります。

/usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods/m_mkspot -o -a server=master ¥-a location=/export/spot -a source=no spot1

mksysb リソースからの SPOT リソースの作成mksysb リソースから SPOT を作成すると、mksysb で使用されるデバイスのみをサポートすればよいことになります。

SPOT にはソースの mksysb 内のデバイスのブート・イメージのみが含まれるため、この場合の SPOT はインストール・イメージから作成される SPOT に比べて大幅に小さくなります。 mksysb リソースから作成された SPOT は一般的に 30 から 50 MB ですが、インストール・イメージから作成された SPOT は一般的に 300 MB になります。また、この方式では lpp_source リソースは必要ありません。

AIX 5.3 では、SPOT のブートに mp ブート・イメージのみが必要であるため、NIM はこのブート・イメージのみを作成します。

mksysb から作成された SPOT を使用して mksysb の bos_inst 操作を実行するだけです。スタンドアロン・クライアントでの maint および diag などの他の操作の実行は、サポートされていません。また、mksysb から得られた SPOT に対する cust 操作の実行もサポートされていません。

mksysb から作成された SPOT を他の SPOT と区別するために、mksysb_source 属性が使用されます。mksysb_source 属性には、SPOT の作成に使用された mksysb のリソース名が設定されます。

SPOT の作成に使用する mksysb は、4.3.3.75 以降のいずれのレベルでも構いません。

SMIT またはコマンド行を使用する mksysb リソースからの SPOT リソースの作成:

インストールおよび移行 307

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コマンド行で mksysb から SPOT を作成するには、ソース属性に、SPOT の作成の元にする mksysb リソースの名前を設定します。

mksysb リソースの名前が「mksysb1」の場合、NIM マスターがサーバーとなる「spot1」という名前のSPOT を作成するには、次のコマンドを使用します。

nim -o define -t spot -a source=mksysb1 -a server=master -a location=/export/spot spot1

SMIT を使用して mksysb から SPOT を作成するには、高速パス nim_mkres_spot_only およびnim_mkres を使用できます。 source 属性が展開すると、SPOT の作成のソースとして使用可能なすべての mksysb リソースが表示されます。

CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用して、CD-ROM とディスクで lpp_source を定義することができます。

lpp_source リソースは、通常、インストール・メディアから lpp_source サーバーのハード・ディスクにインストール・イメージをコピーすることにより作成します。サーバーのディスク・スペースが制限されている場合、または lpp_source が至急必要な場合は、 CD/DVD-ROM インストール・メディアからマウントしたディレクトリーを lpp_source として使用することができます。

Web-based System Manager からの CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義:

Web-based System Manager を使用して CD/DVD-ROM とハード・ディスクで lpp_source を定義するには、次の手順を実行します。

1. 「Resources (リソース)」コンテナーを選択します。

2. 「Resources (リソース)」メニューで、「New Resource (新規リソース)」を選択します。

3. ウィザードの指示に従って、lpp_source リソースを作成します。

注: 環境の構成中と構成後にも、「Configure NIM (NIM の構成)」ウィザードを使用して lpp_source リソースを定義できます。

SMIT からの CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義:

SMIT を使用して CD/DVD-ROM とディスクで lpp_source を定義するには、次の手順を実行します。

1. CD/DVD を CDROM ファイルシステムとしてマウントします。インストール・イメージは、 CDROM

ファイルシステムのマウント・ポイントの下の /usr/sys/inst.images ディレクトリーに入っています。

2. インストール・イメージのディレクトリーを使って lpp_source を定義するには、 smit nim_mkres 高速パスを入力します。

3. CD/DVD-ROM を持つマシンの名前をサーバーとして指定します。

4. lpp_source のロケーションとして CD_MountPoint/ usr/sys/inst.images として指定し、「Source (ソース)」フィールドはブランクのままにします。

コマンド行からの CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義:

コマンド行を使用して CD/DVD-ROM とディスクで lpp_source を定義するには、次の手順を実行します。

1. CD/DVD を CDROM ファイルシステムとしてマウントします。インストール・イメージは、CDROM ファイルシステムのマウント・ポイントの下の /usr/sys/inst.images ディレクトリーに入っています。

308 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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2. インストール・イメージのディレクトリーを location 属性に使用して、 lpp_source を定義します。既存のイメージのセットが使用されるので、 source 属性には値を指定しないでください。 CD/DVD をNIM マスターの /cdfs にマウントし、lpp_source を cd_images という名前で定義するには、次のように入力します。

nim -o define -t lpp_source -a server=master ¥-a location=/cdfs/usr/sys/inst.images cd_images

ネットワーク間のデフォルト NIM 経路の確立2 つのネットワーク (例えば、Network1 と Network3) の間でデフォルトの NIM 経路を作成することができます。

Web-based System Manager を使用するネットワーク間のデフォルト NIM 経路の確立:

Web-based System Manager を使用して、ネットワーク間でデフォルトの NIM 経路を確立するには、次の手順を実行します。

1. 「Networks (ネットワーク)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、任意のネットワークを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Properties (属性)」を選択します。選択したネットワークの「Properties (属性)」ノートブックの「General (一般)」ページが表示されます。

4. 「NIM Routes (NIM 経路)」タブを選択します。「Properties (属性)」ノートブックの「NIM Routes

(NIM 経路)」ページが表示されます。

5. 「NIM Routes (NIM 経路)」ページを使用して、デフォルト経路を追加します。

SMIT からのネットワーク間のデフォルト NIM 経路の確立:

SMIT を使用してネットワーク間でデフォルトの NIM 経路を確立するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_mkdroute 高速パスを入力します。

2. 表示されたダイアログのフィールドに正しい値を入力するか、デフォルト値をそのまま受け入れます。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用できます。

コマンド行からのネットワーク間のデフォルト NIM 経路の確立:

コマンド行を使用してネットワーク間でデフォルトの NIM 経路を確立するには、次の手順を実行します。

ネットワークにデフォルト NIM 経路を作成するには、次のように入力します。

nim -o change -a routingseq_no='default Gateway' NetworkObject

ここで、default はデフォルト経路を指示するために NIM が使用する予約キーワードで、 Gateway はNIM 環境内の他のネットワークと接続するために NetworkObject 上のクライアントが使用するインターフェースのホスト名 (または IP アドレス) です。

例えば、 Network1 と Network3 の間にデフォルト NIM 経路を確立するには、次のように入力します。

nim -o change -a routing1='default gw1_tok' Network1nim -o change -a routing1='default gw1_fddi' Network3

ここで、gw1_tok は Network1 のマシン用のデフォルト・ゲートウェイのホスト名で、gw1_fddi はNetwork3 のマシン用のデフォルト・ゲートウェイのホスト名です。

ネットワーク・オブジェクトの詳細情報には、ここで、追加されたデフォルト経路が表示されます。 2 つのネットワークについての詳細情報を表示するには、次のように入力します。

インストールおよび移行 309

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lsnim -l Network1 Network3

これにより次のような出力が生成されます。

Network1:class = networkstype = toknet_addr = 9.101.1.0snm = 255.255.255.0Nstate = ready for useprev_state = ready for userouting1 = default gw1_tok

Network3:class = networkstype = fddinet_addr = 9.101.3.0snm = 255.255.255.0Nstate = ready for useprev_state = information is missing from this

object's definitionrouting1 = default gw1_fddi

ネットワーク間の静的 NIM 経路の確立2 つのネットワーク (例えば、Network1 と Network3) の間で静的 NIM 経路を作成するために、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用することができます。

Web-based System Manager を使用するネットワーク間の静的 NIM 経路の確立:

Web-based System Manager を使用して、ネットワーク間で静的 NIM 経路を確立するには、次の手順を実行します。

1. 「Networks (ネットワーク)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、任意のネットワークを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Properties (属性)」を選択します。選択したネットワークの「Properties (属性)」ノートブックの「General (一般)」ページが表示されます。

4. 「NIM Routes (NIM 経路)」タブを選択します。「Properties (属性)」ノートブックの「NIM Routes

(NIM 経路)」ページが表示されます。

5. 「NIM Routes (NIM 経路)」ページを使用して、静的経路を追加します。

SMIT からのネットワーク間の静的 NIM 経路の確立:

SMIT を使用してネットワーク間で静的 NIM 経路を確立するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_mkroute 高速パスを入力します。

2. 表示されたダイアログのフィールドに正しい値を入力するか、デフォルト値をそのまま受け入れます。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用できます。

コマンド行からのネットワーク間の静的 NIM 経路の確立:

コマンド行を使用してネットワーク間で静的 NIM 経路を確立するには、次の手順を実行します。

2 つのネットワーク間の静的 NIM 経路を作成するには、次のように入力します。

nim -o change -a routingseq_no='DestinationNetworkObject ¥Gateway1 Gateway2' NetworkObject

310 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ここで、Gateway1 は、NetworkObject のクライアントが DestinationNetworkObject にアクセスするために使用するインターフェースのホスト名です。Gateway2 は、DestinationNetworkObject のクライアントがNetworkObject に戻るために使用するホスト名です。

例えば、 Network1 と Network3 の間に NIM 経路を確立するには、次のように入力します。

nim -o change -a routing1='Network3 gw1_tok gw1_fddi' Network1

ここで、gw1_tok は、Network1 のマシンが Network3 のマシンと通信するために使用するゲートウェイのホスト名です。gw1_fddi は、Network3 のマシンが Network1 のマシンと通信するために使用するゲートウェイのホスト名です。

ネットワーク・オブジェクトの詳細情報には、追加された経路指定属性が示されます。

2 つのネットワークについての詳細情報を表示するには、次のように入力します。

lsnim -l Network1 Network3

このコマンドにより、次のような出力が生成されます。

Network1:class = networkstype = toknet_addr = 9.101.1.0snm = 255.255.255.0Nstate = ready for useprev_state = ready for userouting1 = Network3 gw1_tok

Network3:class = networkstype = fddinet_addr = 9.101.3.0snm = 255.255.255.0Nstate = ready for useprev_state = information is missing from this object's

definitionrouting1 = Network1 gw1_fddi

/etc/niminfo ファイルのリカバリー/etc/niminfo ファイルは、マスターおよび実行中の NIM クライアント上に常駐し、NIM コマンドとNIM 操作を実行するために必要なファイルです。/etc/niminfo が誤って削除された場合は、次のコマンドをマスターから入力して、ファイルを再作成してください。

Web-based System Manager を使用する /etc/niminfo ファイルのリカバリー:

Web-based System Manager を使用して /etc/niminfo ファイルをリカバリーするには、次の手順を実行します。

1. NIM コンテナーを選択します。

2. NIM メニューから「Advanced Configuration (詳細構成)」 → 「Rebuild Master Configuration File (マスター構成ファイルの再構築)」を選択します。

注: 「Configure NIM (NIM 構成)」ウィザードは、niminfo ファイルはないが、 NIM データベース・エントリーはあるという場合を検知します。ウィザードは、マスター構成ファイルを再作成するかどうかを確認します。

コマンド行からの /etc/niminfo ファイルのリカバリー:

インストールおよび移行 311

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コマンド行から /etc/niminfo ファイルをリカバリーするには、次の手順を実行します。

ファイルを再作成するマスターから次のコマンドを入力します。

nimconfig -r

稼働中の NIM クライアントから /etc/niminfo ファイルを再作成するには、次のように入力します。

niminit -a master_port=PortNumber -a master=MasterHostName ¥-a name=ClientMachineObjectName

NIM データベースのバックアップWeb-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用して、NIM データベースをバックアップすることができます。

NIM データベースおよび /etc/niminfo ファイルのバックアップの格納先となるデバイス、またはファイルの名前を指定するように求めるプロンプトが表示されます。インストール済みの NIM マスター・ファイルセットのレベルが、 /etc/NIM.level という名前のファイルに書き込まれ、バックアップにも保管されます。NIM データベースのバックアップは、バックアップを作成したときとレベルが同じ、またはそれ以上のレベルの NIM マスター・ファイルセットのシステムにのみ復元されます。

Web-based System Manager からの NIM データベースのバックアップ:

Web-based System Manager を使用して NIM データベースをバックアップするには、次の手順を実行します。

1. NIM コンテナーから NIM メニューを選び、そこから、「Back Up Database (データベースのバックアップ)」を選択します。

2. ダイアログを使用して、バックアップ・デバイスまたはバックアップ・ファイルを指定します。

SMIT からの NIM データベースのバックアップ:

NIM データベースをバックアップするには、smit nim_backup_db 高速パスを入力します。

コマンド行からの NIM データベースのバックアップ:

コマンド行から NIM データベースをバックアップするには、以下のファイルを保管してください。

次の NIM ファイルを保管してください。

/etc/niminfo

/etc/objrepos/nim_attr

/etc/objrepos/nim_attr.vc

/etc/objrepos/nim_object

/etc/objrepos/nim_object.vc

NIM データベースの復元と NIM マスターの活動化NIM データベースの復元と NIM マスターの活動化は、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用して実行することができます。

注: NIM データベースは、バックアップに使用したものと同じレベルか、またはそれより後のレベルのNIM に復元する必要があります。

Web-based System Manager を使用する NIM データベースの復元と NIM マスターの活動化:

312 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Web-based System Manager を使用して NIM データベースの復元と NIM マスターの活動化を行うには、次の手順に従います。

1. NIM コンテナーから NIM メニューを選び、そこから、「Restore Database (データベースの復元)」を選択します。

2. ダイアログを使用して、復元デバイスまたは復元ファイルを指定します。

SMIT を使用する NIM データベースの復元と NIM マスターの活動化:

SMIT を使用して NIM データベースの復元と NIM マスターの活動化を行うには、次の手順に従います。

NIM データベース・バックアップから NIM マスターを構成するには、 smit nim_restore_db 高速パスを入力します。

コマンド行を使用する NIM データベースの復元と NIM マスターの活動化:

コマンド行を使用して NIM データベースの復元と NIM マスターの活動化を行うには、次の手順に従います。

312ページの『NIM データベースのバックアップ』で保管したファイルを復元します。

NIM マスターの構成解除この操作では、NIM デーモンがシステムから除去され、すべての構成が NIM データベースから除去されます。

NIM マスターの構成解除を行うのは、NIM 環境を完全に再定義する場合、または NIM マスター・ファイルセットをシステムから除去する場合だけにしてください。

Web-based System Manager からの NIM マスターの構成解除:

Web-based System Manager を使用して NIM マスターを構成解除するには、次の手順を実行します。

1. 「NIM」コンテナーから、「NIM」メニューを選び、そこから「Unconfigure Environment (環境の構成解除)」を選択します。

2. 構成解除アクションを開始する前に NIM データベースをバックアップするオプションが用意されています。

SMIT からの NIM マスターの構成解除:

SMIT を使用して NIM マスターを構成解除するには、次の手順を実行します。

smit nim_unconfig 高速パスを入力します。

SMIT 画面から、NIM マスターを構成解除する前に、まず NIM データベースをバックアップするようプロンプトで指示されます。

コマンド行からの NIM マスターの構成解除:

コマンド行から NIM マスターを構成解除するには、次の手順を実行します。

nim -o unconfig master と入力します。

インストールおよび移行 313

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NIM クライアントの診断のブート診断テープまたは CD/DVD-ROM からブートする代わりに、NIM サーバーから診断ブート・イメージを使って、すべての NIM クライアントでハードウェア診断を実行できます。

これは、診断プログラムをローカル・ディスクにインストールする必要がないためスタンドアロン・クライアントにとって便利な方法です。診断サポートは、SPOT リソースから提供されます。

Web-based System Manager からの診断のブート:

Web-based System Manager を使用して診断をブートするには、次の手順を実行します。

1. NIM コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、診断プログラムのブートに使用できるようにしたいスタンドアロン・マシン、ディスクレス・マシン、またはデータレス・マシンを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューで、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」 → 「EnableDiagnostic Boot (診断ブートを使用可能にする)」を選択します。

4. ダイアログを使用して、ブートを行う「SPOT」リソースを選択します。

SMIT からの診断のブート:

SMIT を使用して、マスターとクライアントから diag 操作を実行するには、次の手順を実行します。

クライアントからの diag 操作の開始:

クライアントから diag 操作を開始するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_client_op 高速パスを入力します。

2. 表示された操作リストから diag 操作を選択します。

マスターからの diag 操作の開始:

マスターから diag 操作を開始するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_mac_op 高速パスを入力します。

2. マシン・オブジェクトを選択します。

3. 操作リストから diag 操作を選択します。

コマンド行からの診断のブート:

マスターとクライアントから diag 操作を実行するには、次の手順を実行します。

クライアントから diag 操作を実行するには、次のように入力します。

nimclient -o diag -a spot=SPOTName

マスターから diag 操作を実行するには、次のように入力します。

nim -o diag -a spot=SPOTName MachineObjectName

diag 操作の検査:

クライアントが診断ブートを使用可能にした後で、クライアントの制御状態 (Cstate) を照会することによって、操作が成功したかどうかを検査できます。

クライアント上で次のように入力します。

314 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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nimclient -l -l ClientMachineObjectName

マスター上で次のように入力します。

lsnim -l ClientMachineObjectName

操作が正常に終了した場合、次のような出力が表示されます。

Cstate = Diagnostic boot has been enabled

クライアントが診断プログラムをブートするために、クライアントをリブートする必要があります。クライアントがディスクレス・クライアントかデータレス・クライアントである場合は、既にネットワーク・アダプターをデフォルト・ブート・デバイス (BOOTP 要求) として定義しているので、追加処置は不要です。スタンドアロン・マシンの場合は、通常ブート用のブート・リストにハード・ディスクが 1 次ブート・デバイスとして出力されます。 ネットワークを介した特定マシンのブートの手順に従ってください。

diag 操作なしの診断プログラムのロード:

diag 操作を使用する手順のほかに、ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントには、診断プログラムをネットワークからロードする方法があります。この方法は、ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントをネットワークから通常の使用のためにブートするのと同じですが、マシンのキー・モード・スイッチは Service の位置にする必要があります。

クライアントのキー・モード・スイッチが、ブート・プロセスの終了時に Service の位置にあると、サーバーの SPOT からハードウェア診断プログラムがロードされます。スタンドアロン・クライアントがキー・モード・スイッチを Service の位置にしてブートすると、診断プログラム (インストールされている場合)

は、ハード・ディスクからロードされます。

保守モードでのブートNIM 環境の一部ではないスタンドアロン・マシン上で保守を実行する必要がある場合、システムをブート可能テープまたは CD/DVD-ROM からブートする必要があります。

そのためには、外部デバイスを接続することが必要な場合があります。マシンが NIM 環境の一部である場合は、 NIM スタンドアロン・マシンについての maint_boot 操作を使用可能にすることによって、保守モードに直接入ることができます。

Web-based System Manager からの保守モードでのブート:

Web-based System Manager を使用して保守モードでブートするには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、保守ブート用に使用可能にしたいターゲット・スタンドアロン・マシンを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューで、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」 → 「EnableMaintenance Boot (保守ブートを使用可能にする)」を選択します。

4. ダイアログを使用して、ブートを行う「SPOT」リソースを選択します。

SMIT からの保守モードでのブート:

SMIT を使用して保守モードでブートするには、次の手順を実行します。

クライアントからの maint_boot 操作の開始:

クライアントから maint_boot 操作を開始するには、次の手順を実行します。

インストールおよび移行 315

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1. smit nim_client_op 高速パスを入力します。

2. maint_boot 操作を選択します。

3. 操作に使用する SPOT を選択します。

4. Enter キーを押すと、クライアントが保守ブートを実行できる状態になります。

マスターからの maint_boot 操作の開始:

マスターから maint_boot 操作を開始するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_mac_op 高速パスを入力します。

2. クライアントのマシン・オブジェクトを選択します。

3. maint_boot 操作を選択します。

4. 操作に使用する SPOT を選択します。

5. Enter キーを押すと、クライアントが保守ブートを実行できる状態になります。

コマンド行からの保守モードでのブート:

コマンド行から保守モードでブートするには、次の手順を実行します。

クライアントから maint_boot 操作を開始するには、次のように入力します。

nimclient -o maint_boot -a spot=SPOTNAME

マスターから maint_boot 操作を開始するには、次のように入力します。

nim -o maint_boot -a spot=SPOTNAME CLIENT

保守ブート操作が稼働したかどうかを検査する方法は、次のとおりです。

1. クライアント上で次のように入力します。

nimclient -l -l ClientMachineObjectName

2. マスター上で次のように入力します。

lsnim -l ClientMachineObjectName

操作が成功すると、クライアントの Cstate 出力は次のようになります。

Cstate = maintenance boot has been enabled

マシンをブートして保守モードにするには、クライアントから BOOTP 要求を開始する手順に従います。BOOTP 要求の開始についての詳細は、ネットワークを介した特定マシンのブート を参照してください。

保守モードの使用コンソールが正常にブートされ、定義された後、「System Maintenance (システム保守)」メニューが表示されます。以下に、保守メニュー・オプションおよびその説明を示します。

316 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス)

このオプションを選択すると、ルート・ボリューム・グループを活動化し、完全セットのコマンドを使って保守シェルを開始できます。

Copy a System Dump to Removable Media (システム・ダンプを取り外し可能メディアにコピー)

このオプションを選択すると、前回のシステム・ダンプを外部メディアにコピーできます。

Access Advanced Maintenance Function (拡張保守機能へのアクセス)

このオプションを選択すると、限定されたコマンド・セットを使って保守シェルを開始できます。

2 次アダプター・サポートの使用以前は、NIM rte BOS インストールの操作時には、BOS インストールで使用したネットワーク・アダプターおよびネットワーク・インターフェースのみが構成されました。NIM 2 次アダプター定義の利用により、BOS インストールまたはカスタマイズ・インストール時に、追加のネットワーク・アダプターおよびインターフェースを構成できます。

nimadapters コマンドは、2 次アダプターのスタンザ・ファイルを解析し、NIM 2 次アダプター定義をadapter_def リソースの一部として NIM 環境に追加するために必要なファイルを構築します。nimadaptersコマンドは、2 次アダプターを構成しません。構成は、nim -o bos_inst 操作時または adapter_def リソースを参照する nim -o cust 操作時に行われます。

2 次アダプター・サポートは、AIX 5.2 以降で使用可能です。 2 次アダプターを使用可能にする前に、クライアントが実行される AIX のバージョンを確認する必要があります。2 次アダプター・サポートは、AIX 5.1 以前でのクライアントでは使用できません。 NIM による /usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods/c_cfgadptrs クライアント・メソッドの検出ができないために、2 次アダプターは構成に失敗することになります。このサポートを NIM マスターで使用可能にしようとした場合の結果の例を、次に示します。

nim -o cust -a adapter_def=adapter_def1 rspc10trigger.austin.xyz.com. 0042-001 nim: processing error encountered on "master":0042-001 m_cust: processing error encountered on "rspc10":0042-175 c_script: An unexpected result was returned by the"trigger.austin.xyz.com:/export/nim/scripts/rspc10.script" command:/tmp/_nim_dir_4714/script[10]: /usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods/c_cfgadptrs: not found.

2 次アダプターのスタンザ・ファイルは nimadapters コマンドで処理され、NIM クライアントの 2 次アダプターまたはインターフェースごとに 1 つのスタンザを含むファイルに代わります。 NIM はこの情報を BOS インストール時に処理して、2 次アダプターを構成します。 要求済みの方法で既に 2 次アダプターが構成されていれば、NIM は 2 次アダプターを構成しません。

注: nimadapters コマンドを使用する前に、NIM マスターを構成しておく必要があります。NIM マスターの構成については、 257ページの『NIM マスターの構成と基本インストール・リソースの作成』を参照してください。

2 次アダプター・ファイル規則の扱い2 次アダプター・ファイルのフォーマットは次の規則に従う必要があります。

v スタンザのヘッダーの後に、Attribute = Value という形式の属性行を続ける。

v 同一スタンザで何度も属性値を定義した場合は、最後の定義のみが使用される。

v 無効な属性キーワードが使用された場合、その属性定義は無視される。

v ヘッダーまたは属性定義はファイルの各行ごとに 1 つだけ持てる。

v 各マシン・ホスト名用の定義ファイルに複数のスタンザの存在が可能。

インストールおよび移行 317

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v マシン・ホスト名用の各スタンザは、NIM クライアントの 2 次アダプター定義を表す。2 次アダプター定義は、同一のマシン・ホスト名に対して同一ロケーションまたは interface_name で、2 つは設定できない。任意の NIM クライアントに設定できる定義は、アダプターまたはインターフェースごとに 1

つだけです。

v スタンザのヘッダー・エントリーが default キーワードであれば、このエントリーはデフォルト値を定義するためにそのスタンザを指定する。

v 任意の 2 次アダプター属性にデフォルト値を指定可能。ただし、netaddr および secondary_hostname属性は必ず固有。また、location および interface_name 属性も NIM クライアント上で必ず固有。

v 2 次アダプターに属性指定がなくデフォルト値のままであれば、その値が使用される。

v 定義ファイルの任意のロケーションでデフォルト値を変更可能。デフォルト値がセットされると、その後に続くすべてのマシン定義にその値が適用される。

v その後に続くすべてのマシン定義に対してデフォルト値をオフにするには、デフォルトのスタンザで属性値をセットしない。

v 単一マシン定義でデフォルト値をオフにするためには、そのマシンのスタンザで属性チケットを設定しない。

v クライアント定義ファイルにコメントの挿入が可能。コメントは番号記号 (#) で始める。

v 定義ファイルのヘッダーおよび属性のキーワードと値を解析している時は、タブ文字およびスペースは無視される。

注: nim -o bos_inst または nim -o cust 操作時に、NIM がクライアントの構成データを検査し、2 次アダプターが既に adapter_def リソースで要求された属性で正確に構成されていると判断すれば、この 2 次アダプターは再構成されません。

2 次アダプター・ファイル・キーワードの使用2 次アダプター・ファイルはマシン属性を指定するために次のようなキーワードを使用します。

必須アダプター属性の使用:

次の属性は、アダプターの構成には必須です。

machine_type = secondary | etherchannel | installmachine_type 属性を secondary と指定すると、nimadapters 入力は nimdef 入力と明確に区別されます。2 次アダプターのファイルが誤って nimdef コマンドに渡されると、エラーとして検出されます。etherchannel オプションは、AIX 5.3 以降が稼働するクライアントでのみサポートされます。machine_type が install のスタンザは無視されます。

netaddr2 次アダプター用のネットワーク・アドレスを指定します。

interface_type = en | et | sn | ml |viネットワーク・インターフェースを指定します。指定できるネットワーク・インターフェースは、en (イーサネット・インターフェース)、et (イーサネット・インターフェース)、sn (スイッチ・ネットワーク・インターフェース)、ml (多重リンク・インターフェース)、または vi (仮想インターフェース) です。この属性は、AIX 5.3 以降が稼働するクライアントでのみサポートされ、推奨されない network_type 属性に代わるものです。

subnet_mask2 次アダプターで使用するサブネット・マスクを指定します。

318 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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注: 2 次アダプターを別のアダプターと同じサブネット上に構成すると、フェイルオーバーは行われません。 2 つのアダプターが同じサブネット上に構成されると、パケットはアダプター間を行き来します。どちらかのアダプターに障害が発生しても、もう 1 つのアダプターは障害の起きたアダプターのワークロードを引き継がないため、そのサブネットに接続の問題が起こることになります。そうなった場合、mountなどのコマンドが失敗することがあります。

オプション属性の使用:

次の属性は、アダプターの構成ではオプションです。

adapter_attributesブランクで区切られた物理アダプター属性と値のリスト。例えば、Attribute1=Value1

Attribute2=Value2 です。要求済みアダプターに設定できる属性のリストを見るには、コマンドlsattr -E -l AdapterName を実行します。この属性は、AIX 5.3 以降が稼働するクライアントでのみサポートされます。

interface_attributesブランクで区切られたインターフェース属性と値のリスト。例えば、Attribute1=Value1

Attribute2=Value2 です。要求済みアダプターに設定できる属性のリストを見るには、コマンドlsattr -E -l InterfaceName を実行します。この属性は、AIX 5.3 以降が稼働するクライアントでのみサポートされ、推奨されない attributes 属性に代わるものです。

cable_typeケーブル・タイプを指定します (network_type が en または et であればオプション)。

comments2 次アダプター定義に組み込むコメントを指定します。コメント文字列を引用符で囲んでください。

interface_name2 次アダプター用のネットワーク・インターフェース名を指定します (例えば、en1、sn0、ml0)。location および interface_name 属性の両方を同時に指定しないでください。

注: interface_name 属性の値は、network_type 属性の値と一致していなければなりません。

locationこのネットワーク・インターフェースに対応するアダプターの物理的位置を指定します。 locationおよび interface_name 属性の両方を同時に指定しないでください。

注: 多重リンクの疑似デバイスを除き、location 属性を使用することを強くお勧めします。location属性を指定せず、複数のアダプターを追加したり、オペレーティング・システムの再インストールと同時にアダプターを追加すると、アダプターおよびネットワーク・インターフェース名名は予期しない方法でオペレーティング・システムから再割り当てされる可能性があります。

multiple_physlocetherchannel または VIPA スタンザを使用するときに、インターフェースに関連付ける物理アダプターを指定します。

media_speedメディア・スピードを指定します (network_type 属性の値が en または et であればオプション)。

secondary_hostnamenetaddr 属性と一緒に /etc/hosts ファイルに保管されるホスト名。このホスト名は、hostname コマンドまたは uname -S コマンドでは設定されません。

インストールおよび移行 319

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推奨されない属性の扱い:

AIX 5.2 クライアントを使用した NIM 2 次アダプター構成を設定している場合、新しい属性はサポートされないため、network_type および attributes を使用する必要があります。

network_typeinterface_type に置き換わりました。

attributesinterface_attribute に置き換わりました。

2 次アダプター・ファイル・スタンザのエラーのトラブルシューティング2 次アダプター・スタンザは次のいずれかの条件によりエラーとなります。

v 定義用のスタンザ・ヘッダーで使用するホスト名を解決できない。

v 必須属性が見つからない。

v 属性に無効な値が指定されている。

v 属性が不一致。例えば、network_type 属性の値が en または et に設定されていない場合、cable_type=bnc または media_speed=1000_Full_Duplex を指定できません。

v スタンザに location 属性と interface_name 属性の両方が含まれている。

v 同じアダプター・ロケーションおよび同じホスト名で 2 次アダプターを複数回定義している。

v 同じ interface_name および同じホスト名で 2 次アダプターを複数回定義している。

2 次アダプターのスタンザが間違っていれば、エラーが報告され、そのスタンザは無視されます。また、その間違ったスタンザにかかわらず次のような入力処理が行われます。

2 次アダプター・ファイルこれは 2 次アダプター・ファイルの例です。

# Set default values.default:

machine_type = secondarysubnet_mask = 255.255.240.0network_type = enmedia_speed = 100_Full_Duplex

# Define the machine "lab1"# Take all defaults and specify 2 additional attributes.# Unlike the case of the client definitions that are input to the# nimdef command, the secondary adapter definition includes at least# one required field that cannot be defaulted.lab1:

netaddr = 9.53.153.233location = P2-I1/E1

# Change the default "media_speed" attribute.

default:media_speed = 100_Half_Duplex

# define the machine "test1"# Take all defaults and include a comment.test1:

comments = "This machine is a test machine."# define a machine with a VIPA interface that uses interfaces en2 and en3.lab2:

machine_type = secondaryinterface_type = viinterface_name = vi0

320 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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netaddr = 9.53.153.235subnet_mask = 255.255.255.0secondary_hostname = lab3interface_attributes = "interface_names=en2,en3"

# define a machine with an etherchannel adapter that uses the adapters at# the following location codes P1-I4/E1 and P1/E1lab4:

machine_type = etherchannelinterface_type = eninterface_name = en2netaddr = 9.53.153.237subnet_mask = 255.255.255.0multiple_physloc = P1-I4/E1,P1/E1

# define a machine with an etherchannel adapter that uses the# ent2 and ent3 adapters and uses mode 8023ad.lab6:

machine_type = etherchannelinterface_type = eninterface_name = en2netaddr = 9.53.153.239subnet_mask = 255.255.255.0adapter_attributes = "adapter_names=ent2,ent3 mode=8023ad"

2 次アダプター定義の扱いNIM 2 次アダプター定義を扱うには、次の手順を実行します。

1. secondary_adapters.defs クライアント定義ファイルをプレビューするには、次のように入力します。

nimadapters -p -f secondary_adapters.defs adapter_def

2. 2 次アダプター定義ファイルの secondary_adapters.defs に記述されている NIM 2 次アダプターを追加するには、次のように入力します。

nimadapters -d -f secondary_adapters.defs adapter_def

3. pilsner クライアント用の NIM 2 次アダプターを定義するには、次のように入力します。

nimadapters -d ¥-a info="en,P2-I1/E1,N/A,1000_Full_Duplex,9.53.153.233,255.255.254.0" ¥-a client=pilsner adapter_def

4. pilsner というクライアントの NIM 2 次アダプター定義を my_adapter_def リソースから除去するには、次のように入力します。

nimadapters -r -a client=pilsner my_adapter_def

5. ファイル secondary_adapters.defs で定義されているクライアントの NIM 2 次アダプター定義を除去するには、次のように入力します。

nimadapters -r -f secondary_adapters.defs my_adapter_def

6. my_adapter_def リソースからすべての NIM 2 次アダプター定義を除去するには、次のように入力します。

nimadapters -r my_adapter_def

NIM 代替マスター・サポートの使用可能化この手順を使用することにより、ご使用の環境での代替 NIM マスターのセットアップ、マスター間のNIM データベースの同期化、およびマスター間のクライアント制御のテークオーバーが可能です。

NIM 代替マスター・サポートを使用可能にする準備:

代替マスターを認識するのは、AIX 5.3 以降が稼働する AIX クライアントのみです。両方のマスターのAIX が同じレベルでなければなりません。

インストールおよび移行 321

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NIM 環境の代替マスターを作成する前に、1 次 NIM マスターを構成しておく必要があります。 NIM マスターの構成方法については、NIM マスターの構成および基本インストール・リソースの作成を参照してください。

代替マスターの初期化:

代替マスターの初期化は、SMIT またはコマンド行を使用して行うことができます。

このシナリオでは、「マスター A」は NIM マスターとして既に構成されており、「マスター B」が代替マスターとして初期化されます。

SMIT からの代替マスターの初期化:

SMIT を使用して代替マスターを初期化するには、次の手順を実行します。

このシナリオでは、「マスター A」は NIM マスターとして既に構成されており、「マスター B」が代替マスターとして初期化されます。

1. AIX 5.3 Volume 1 CD/DVD を指定の代替マスター・マシン (マスター B) の適切なドライブに挿入します。

2. SMIT install_latest 高速パスを入力して bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをインストールします。

3. 「LIST (リスト)」オプションを使用して、「INPUT device or directory for software (ソフトウェア用の入力デバイスまたはディレクトリー)」で「/dev/cd0」を選択します。

4. インストールするソフトウェアとして、bos.sysmgt.nim.master を指定します。

5. この画面のその他のすべてのフィールドは、デフォルト値をそのまま受け入れます。このインストールが正常に完了したら、SMIT を終了します。

6. マスター A を使用して代替マスター (マスター B) を初期化するには、マスター B で smitniminit_altmstr 高速パスを入力します。

7. 「This Machine Name (このマシン名)」のフィールドに、マスター B の名前を入力します。

8. 「LIST (リスト)」オプションを使用して、マスター B の「Primary Network Interface (1 次ネットワーク・インターフェース)」を選択します。

9. 「Host Name of Master with which to Initialize (初期化するマスターのホスト名)」のフィールドに、マスター A のホスト名を入力します。

10. 必要に応じて他のフィールドを変更し、Enter キーを押します。

11. マスター A で smit niminit_altmstr 高速パスを使用してこの処理を繰り返し、マスター A をマスター B に登録します。「This Machine Name (このマシン名)」のフィールドにはマスター A の名前を、「Host Name of Master with which to Initialize (初期化するマスターのホスト名)」のフィールドにはマスター B のホスト名を入力する必要があります。

SMIT から代替マスターを初期化するときは、以下のことを考慮する必要があります。

v niminit コマンドは、登録されるマシンの alternate_master オブジェクトを作成します。この例では、マスター B がマスター A に登録されると、マスター B はマスター A で alternate_master オブジェクトとして定義されます。

v niminit コマンドは、alternate_master がまだ NIM マスターとして構成されていなければ、それを NIM

マスターとして構成します。

322 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v niminit コマンドは、マシンが登録されるマスターに、rsh または nimsh を介してリモート・アクセス権を与えます。この例では、マスター B が登録されるときに、マスター B はマスター A にリモート・アクセス権を与えます。

v NIM 環境に代替マスターが追加されたら、クライアントは自身を再び初期化して、代替マスターを認識できるようにする必要があります。再び初期化することにより、rsh または nimsh を介して、代替マスターにクライアントへのリモート・アクセス権が与えられます。再び初期化したクライアントのsync_required 属性は no に設定されます。これは、クライアントが代替マスターを認識することを示します。 AIX 5.3 以降が稼働するクライアントのみが代替マスターを認識します。

コマンド行からの代替マスターの初期化:

コマンド行から代替マスターを初期化するには、次の手順を実行します。

このシナリオでは、「マスター A」は NIM マスターとして既に構成されており、「マスター B」が代替マスターとして初期化されます。

1. AIX 5.3 Volume 1 CD/DVD を指定の代替マスター・マシン (マスター B) の適切なドライブに挿入します。

2. ディスクから bos.sysmgt.nim.master ファイルセットをインストールするには、次のように入力します。

# installp -agXd /dev/cd0 bos.sysmgt.nim.master

3. マスター A を使用して代替マスター (マスター B) を初期化するには、次を入力します。

# niminit -a is_alternate=yes -a attr1=value1 ¥-a attr2=value2 ¥...

例えば、既存の NIM マスター (マスター A) を使用して代替マスター (マスター B) を初期化するには、次のようにします。

alternate master host name = masterbmaster host name with which to register = masteraprimary network interface = en0cable type = N/Aplatform = chrp

下記のコマンド・シーケンスを入力します。

# niminit -a is_alternate=yes -a master=mastera -a pif_name=en0 ¥-a cable_type1=N/A -a platform=chrp -a name=masterb

属性の詳細については、niminit コマンドを参照してください。

4. niminit コマンドを使用してマスター A をマスター B に登録します。例えば、マスター A で次を入力します。

# niminit -a is_alternate=yes -a master=masterb -a pif_name=en0 ¥-a cable_type1=N/A -a platform=chrp -a name=mastera

代替マスターの NIM データベースの同期化:

代替マスターの NIM データベースの同期化は、SMIT またはコマンド行を使用して行うことができます。

このシナリオでは、マスター A が NIM マスターとして構成され、クライアントやリソースなどのオブジェクトが定義されています。代替マスターとしてマスター B が初期化されていますが、そのデータベースはマスター A のものと一致していません。sync 操作を使用して、マスター B 上の NIM データベース

インストールおよび移行 323

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を、マスター A のデータベースと同期させることができます。sync 操作により、マスター A のデータベースのバックアップが取られ、それがマスター B に復元され、次にすべてのオブジェクト定義の整合がとられます。

代替マスターの NIM データベースを同期化するときは、以下のことを考慮する必要があります。

v マスター A から提供されているリソースは、データベースがマスター B に復元されるときにデータベースから除去されます。

v データベースがマスター B に復元されるときに、オブジェクト定義が再設定されます。

v データベースがマスター B に復元された後は、takeover 操作が実行されるまで、マスター B でのNIM オブジェクトの制御は行われません。その結果、マスター B は、そのデータベース内のどのオブジェクトに対しても、NIM 操作をまったく行えません。

SMIT を使用する代替マスターの NIM データベースの同期化:

SMIT を使用して代替マスターの NIM データベースを同期するには、次の手順を実行します。

1. マスター A で、smit nim_altmstr 高速パスを入力します。

2. 「Synchronize an Alternate Master’s NIM database (代替マスターの NIM データベースを同期化する)」を選択します。

3. マスター B の NIM オブジェクトの名前を入力します。

4. マスター B が NIM マスターとして構成されている場合は、強制オプションの「yes (はい)」を選択します。

5. リソースを代替マスター上に複製しなければならない場合は、複製オプションの「yes (はい)」を選択します。

コマンド行からの代替マスターの NIM データベースの同期化:

コマンド行から代替マスターの NIM データベースを同期するには、次の手順を実行します。

マスター B のデータベースをマスター A のデータベースに同期させるには、マスター A で次を入力します。

# nim -o sync masterb

マスター B のデータベースをマスター A のデータベースに同期させ、さらにマスター A が提供するリソースを複製するには、次を入力します。

# nim -o sync -a replicate=yes masterb

注:

v 強制オプションを使用して、niminit コマンドで作成された既存のデータベースに上書きする必要があります。

v リソースは、代替マスターの該当のファイルシステム・ロケーションに存在しない場合にのみ複製されます。

例えば、次のように入力します。

# nim -Fo sync masterb

複製オプションは、強制オプションと一緒に使用することができます。例えば、次のように入力します。

# nim -Fo sync -a replicate=yes masterb

NIM 環境の制御の取得:

324 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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NIM 環境の制御の取得は、SMIT またはコマンド行を使って行うことができます。

この例では、マスター B が代替マスターとして初期化されており、その NIM データベースはマスター A

と同期されています。マスター B は、NIM 環境のオブジェクトの制御を取得します。

NIM 環境の制御を取得するときは、以下のことを考慮する必要があります。

v マスター B は、AIX 5.3 以降が稼働するクライアントの制御のみを取得できます。これより前のバージョンの AIX が稼働するクライアントは、代替マスターを認識しません。

v マスター A が稼働中で、マスター A がマスター B にネットワーク接続されているときにこの操作を実行すると、マスター A 上のデータベースはマスターでの変更を反映して更新されます。この操作を実行する前に、マスターのクライアントを再設定する必要があります。この操作を行うと、マスター A のクライアントのうち NIM 操作の実行が現在セットアップされているクライアントについて警告が出されます。この操作によって、こうしたクライアントが正常に完了するための再設定が行われることはありません。

v テークオーバー操作時にマスター B がマスター A を更新できない場合は、マスター A は実行開始後直ちに、そのデータベースをマスター B と同期させる必要があります。

v この操作で、クライアント上でリモート・コマンドが実行されることにより、各クライアントの現行マスターが更新されます。マスターを切り替えることができないクライアントが表示されます。クライアントが使用可能なときは、マスター B を使用して初期化するか、マスター B から再度テークオーバー操作を実行してください。

SMIT を使用する NIM 環境の制御の取得:

SMIT を使用して NIM 環境の制御を取得するには、次の手順を実行します。

1. マスター B で smit nim_altmstr 高速パスを入力し、「Takeover control of NIM clients from anAlternate Master (代替マスターから NIM クライアントの制御をテークオーバー)」を選択します。

2. マスター A の NIM オブジェクトの名前を入力します。

コマンド行を使用する NIM 環境の制御の取得:

コマンド行から NIM 環境の制御を取得するには、次の手順を実行します。

マスター B が NIM 環境の制御を取得するようにするには、マスター B で次を入力します。

# nim -o takeover mastera

マスター A が NIM 環境の制御を再取得するには、takeover コマンドをマスター B をターゲットとして実行します。

NIM 環境からの代替マスターの除去:

NIM 環境からの代替マスターの除去は、SMIT またはコマンド行を使って行うことができます。

この例では、NIM 環境からマスター B が除去されます。マスター B を除去するときは、あらかじめマスター A が NIM 環境を制御していなければなりません。

NIM 環境から代替マスターを除去するときは、以下のことを考慮する必要があります。

v 環境からマスター B が除去されると、クライアントはマスター A を使用して自身を再初期化します。再初期化により niminfo ファイルとリモート・アクセス権が更新されます。

v マスター B のローカルで unconfig 操作を実行することにより、マスター B を構成解除できます。

インストールおよび移行 325

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SMIT を使用する NIM 環境からの代替マスターの除去:

SMIT を使用して NIM 環境から代替マスターを除去するには、次の手順を実行します。

1. マスター A で smit nim_altmstr 高速パスを入力し、「Remove an Alternate Master (代替マスターの除去)」を選択します。

2. マスター B の NIM 名を選択します。

コマンド行を使用する NIM 環境からの代替マスターの除去:

NIM 環境から代替マスターを除去するには、次のコマンドを使用します。

NIM 環境からマスター B を除去するには、マスター A で次のコマンドを入力します。

# nim -o remove masterb

クライアント通信用 NIM サービス・ハンドラーの使用NIM は、クライアントでリモート実行を行うときは、リモート・シェル・サーバー (rshd) を利用します。このサーバーは、リモート実行機能に、トラステッド・ホストの特権ポート番号に基づいた認証を提供します。

AIX 5.3 には、NIMサービス・ハンドラー (NIMSH) というサービスがあります。このサービスを使用すると、NIMクライアント通信時の rsh サービスの必要がなくなります。NIM クライアント・デーモン(NIMSH) は予約ポートの 3901 と 3902 を使用し、bos.sysmgt.nim.client ファイルセットの一部としてインストールされます。

NIMSH を使用することにより、ネットワーク・マシンをホスト名で照会できます。NIMSH は照会要求を処理し、 NIM 環境でホストの定義に使用されている NIM クライアント構成パラメーターを戻します。NIMSH を使用すれば、システムまたはネットワーク固有の情報が分からなくても NIM クライアントを定義できます。

NIMSH を使用すると rsh が不要になりますが、鍵暗号化に基づいたトラステッド認証は行われません。NIMSH で暗号化認証を使用するには、NIM 環境に OpenSSL を構成します。NIM クライアントにOpenSSL をインストールすると、NIMSH サービス認証の際に SSL ソケット接続が確立されます。OpenSSL を使用可能にすると、SSL 鍵が生成され、SSL バージョン 3 でサポートされるすべての暗号スイートが組み込まれます。

NIMSH の使用:

基本 NIMSH 機能について説明します。

NIMSH サービス・ポート:

クライアント・デーモンは、ネットワーク通信の際に、Internet Assigned Numbers Authority (IANA) に登録済みの 2 つのポートを使用します。これらのポートを、1 次および 2 次ポートと呼びます。

1 次ポートでは予約ポート 3901 のサービス要求が listen されます。要求が受け入れられると、1 次ポートが stdin および stdout に使用され、stderr が (rcmd() での補助接続のように) 2 次ポート 3902 にリダイレクトされます。このインプリメンテーションにより、NIM マスター接続は、現行サポートの rsh によるクライアント接続との整合性を保つことができます。NIMSH の予約 2 次ポートを使用することで、ファイアウォール管理者は、2 次ポートからの特権ポートへの着信接続を受け入れるためのファイアウォール規則を作成することができます。この規則に、発信元ソケット・アドレス (ホスト名 : 2 次ポート) がトラステッド・ソースからのものであるという要件を含めることができます。

326 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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NIMSH システム・リソース制御:

NIMSH は、システム・リソース・コントローラー (SRC) に登録されています。SRC グループ名はnimclient で、定義済みサブシステムは NIMSH です。

nimclient コマンドを使用して構成ルーチンを実行すると、クライアント・デーモンは SRC によって開始されます。

NIMSH 認証プロセス:

通信中のホスト (NIM マスター) からのサービス要求により、以下の認証用データを含むパケットが作成されます。

v NIM クライアントのホスト名

v NIM クライアントの CPU ID

v NIM マスターの CPU ID

v 2 次 (stderr) 接続の戻りポート

v 照会フラグ (登録情報の取得に使用)

1 次ポートへの接続を受信すると、サービス・ハンドラーは接続中のソケットからピア情報を取得します。発信元ポートは、特権ポート空間になければなりません (root ユーザーのみが特権ポートにバインドできます)。特権ポート空間を使用することにより、発信元ユーザーが root UID をもっていることを確認できます。戻りポート番号が取得され、2 次ポート (/etc/services 内の予約ポート) から接続されます。

以下のセクションで、認証プロセスのフェーズを説明します。

query フラグ・セットquery フラグが 1 に設定されると、サービス・ハンドラーは着信要求をクライアント・ディスカバリー情報として扱います。クライアント・サービス・ハンドラーはそれを NIM クライアントとして定義するのに必要なすべての関連情報を取得し、要求中の NIM マスターにその情報を戻してから接続を終了します。照会フラグが設定されていると、以下のデータが戻されます。

v デフォルト・ホスト名 (inet0 から得られる値)

v デフォルト経路 (inet0 から得られる値)

v ネットワーク・アドレス (ホスト名から得られる値)

v サブネット・マスク (ホスト名から得られる値)

v ネットワーク・インターフェース (ホスト名から得られる値)

メソッド要求照会フラグが設定されていない場合は、サービスの要求 (NIM 操作) は NIM マスターによってプッシュされます。サービス・ハンドラーは、メソッド要求の妥当性を以下のように検査します。

1. NIM マスターのホスト名が、クライアントが認識しているマスターのホスト名であるかどうか検査する。

2. 渡されたクライアント CPU ID を検査する。これはクライアントのマシン ID と一致しなければなりません。

3. 渡されたマスター CPU ID を検査する。これは、メモリーに保管されているマスターのマシンID と一致しなければなりません。

4. 渡された操作が、パス /usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods にあるメソッドかどうかを検査する。

5. 暗号化認証の設定を検査する。

インストールおよび移行 327

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追加セキュリティーとして、NIMSH はプッシュ使用不可をサポートしています。プッシュ使用不可を設定すると、要求がクライアントの NIM マスターによって処理されている NIM クライアント・アクティブ呼び出しに対する応答でない限り、メソッド要求は使用不可になります。プッシュ使用不可が設定されていると、NIMSH は NIM マスターによって制御されるどの NIM 操作も処理しません。プッシュ使用不可が設定されているときにクライアントで NIM 操作を実行する唯一の方法は、クライアント制御 (nimclient コマンド) です。

NIMSH 操作のロギング:

NIM クライアント・デーモンは、その操作時に /var/adm/ras/nimsh.log ファイルにデータをログとして記録します。このログはデバッグの目的でのみ使用されます。

NIMSH のセットアップ:

NIMSH を通信プロトコルとして使用するように、既存のスタンドアロン・クライアントを構成することができます。NIMSH をサービス・オプションとして使用するクライアントを定義することもできます。

これについての詳細は、NIM 環境へのスタンドアロン NIM クライアントの追加を参照してください。

NIMSH のセットアップの準備:

NIMSH を構成する前に、以下の前提条件が満たされている必要があります。

v NIM クライアントが既に構成されている ( 260ページの『NIM 環境へのスタンドアロン・クライアントの追加』を参照)。

v クライアントおよびクライアントの NIM マスターには、次のいずれかがインストールされていなければなりません。

– AIX 5.2 (5200–07 以降のテクノロジー・レベルを適用済み)

– AIX 5.3 (5300–03 以降のテクノロジー・レベルを適用済み)

SMIT を使用する NIMSH のセットアップ:

SMIT を使用して既存のスタンドアロン・クライアントに NIMSH を構成するには、次の手順に従います。

以下のステップを実行します。

1. NIM クライアントで smitty nim_config_services 高速パスを入力します。

2. 「Communication Protocol used by client (クライアントによって使用される通信プロトコル)」としてnimsh を選択します。

コマンド行からの NIMSH のセットアップ:

NIM クライアントで /etc/niminfo ファイルの名前を変更します。このファイルは削除することもできますが、何らかの理由でこのファイルが必要になったときのために、名前を変更してコピーを保持しておくことができます。

niminit コマンドを使用して、クライアントを NIM マスターに登録します。

# niminit -a name=<client_name> -a master=<master_name> -a connect=nimsh

OpenSSL が NIM クライアントにインストールされており、NIMSH が通信プロトコルとして構成されている場合は、NIM クライアント上で次のコマンドを入力して、NIMSH の暗号認証を使用不可にします。

328 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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NIM クライアントで次のコマンドを入力します。

# nimclient -C

暗号化認証の使用可能化:

SSL を使用可能にして NIMSH 通信プロトコルを使用するように、既存のスタンドアロン・クライアントを構成することができます。

NIM では OpenSSL バージョン 0.9.6e 以上がサポートされます。OpenSSL がインストールされていると、NIMSH は接続中の NIM マスターの認証に SSL 暗号化証明書を使用します。

暗号化認証の使用可能化の準備:

暗号化認証を使用可能にするには、以下の前提条件が満たされていなければなりません。

v NIM マスターに NIM 環境での SSL 認証が既に構成されている。詳しくは、 350ページの『SSL 認証で構成されたクライアントをインストールするための NIM の使用』を参照してください。

v クライアントのレベルが AIX 5.3 以降である。

v クライアントの NIM マスターのレベルが AIX 5.3 以降である。

SMIT を使用する暗号化認証の使用可能化:

SSL を使用可能にして NIMSH 通信プロトコルを使用するように、既存のスタンドアロン・クライアントを構成するには、次のステップを実行します。

1. NIM クライアントで smitty nim_config_services 高速パスを入力します。

2. 「Communication Protocol used by client (クライアントによって使用される通信プロトコル)」としてnimsh を選択します。

3. 「Enabling Cryptographic Authentication (暗号化認証を使用可能にする)」のオプションとして「enabled (使用可能)」を選択します。

4. クライアントに OpenSSL がインストールされていない場合は、「Installing Secure Socket LayerSoftware (Secure Socket Layer ソフトウェアのインストール)」のオプションとして「yes (はい)」を選択します。

5. RPM パッケージの絶対パスを指定するか、OpenSSL RPM パッケージが含まれる lpp_source リソースを選択します。

コマンド行からの暗号化認証の使用可能化:

SSL を使用可能にして NIMSH 通信プロトコルを使用するように、既存のスタンドアロン・クライアントを構成するには、コマンド行で次のステップを実行します。

v OpenSSL が NIM クライアントにインストールされており、NIMSH が通信プロトコルとして構成されている場合は、次のコマンドを入力します。

# nimclient -c

v NIM クライアントに OpenSSL がインストールされていない場合は、次のステップを実行します。

1. Linux アプリケーションのツールボックス メディアを配置します。

2. geninstall を使用して OpenSSL RPM パッケージをインストールします。geninstall の使用法について詳しくは、『オープン・ソース・アプリケーションの AIX システムへの追加』を参照してください。

3. OpenSSL がインストールされた後、NIM クライアントで次のコマンドを入力します。

# nimclient -c

インストールおよび移行 329

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2 次ポートの使用可能化:

この手順は、既存のスタンドアロン・クライアントを、2 次ポート・オプションを使用可能にして NIMSH

通信プロトコルを使用するように構成する方法を示したものです。

デフォルトで、NIMSH はコマンド実行時に stderr 出力を戻すために予約ポートを使用します。このデフォルト設定を使用することで、管理者はオープンする特定のポートをファイアウォールの後ろで指定することができますが、短時間のうちにいくつもの接続が試みられるとパフォーマンスの問題が起こることがあります。

TCP 接続がクローズされると、クローズ中のソケットは TIME_WAIT 状態になります。この状態が続く時間の長さは、システムの設定によっては最大 240 秒になります。 2 次ポート・オプションを使用することで、NIMSH 操作中は特定の範囲のポートが循環するように指定することができます。

管理者は、ファイアウォールでは特定の範囲をオープンし、内部ネットワーク上の各マシンでは、マシンのポートの範囲がファイアウォールのオープン範囲と一致するようにする必要があります。 NIMSH 2 次ポートを変更するときは、システム・サービスで使用されている範囲以外のポートの範囲を選択する必要があります。ポート 49152 から 65535 を使用するようにしてください。

2 次ポートの使用可能化の準備:

2 次ポートを使用可能にするには、以下の前提条件が満たされていなければなりません。

v NIM クライアントが既に構成されている (NIM 環境へのスタンドアロン NIM クライアントの追加を参照)。

v クライアントに AIX 5.3 以降がインストールされている。

v クライアントの NIM マスターに AIX 5.3 以降がインストールされている。

SMIT からの 2 次ポートの使用可能化:

既存のスタンドアロン・クライアントを、2 次ポート範囲を指定して NIMSH 通信プロトコルを使用するように構成するには、次のステップを実行します。

1. NIM クライアントで smitty nim_config_services 高速パスを入力します。

2. 「Communication Protocol used by client (クライアントによって使用される通信プロトコル)」としてnimsh を選択します。

3. 2 次ポート番号の開始値を指定します。

4. 2 次ポート範囲の増分値を指定します。

コマンド行からの 2 次ポートの使用可能化:

コマンド行から、既存のスタンドアロン・クライアントを、2 次ポート範囲を指定して NIMSH 通信プロトコルを使用するように構成するには、次のステップを実行します。

1. /etc/environment ファイルを編集します。

2. 変数 NIM_SECONDARY_PORT=60000:5 を追加して、NIMSH でポート 60000 から 60005 を使用するようにします。

3. 必要な nimclient コマンド・オプションを使用して NIMSH デーモンを再始動します。

NIMSH を使用するプッシュ操作の使用不可化:

NIM クライアントは、プッシュ操作を使用不可にすることによって、NIM マスターがリソースの割り当ておよび操作の開始を行えないように禁止することができます。

330 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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マスターの制御は使用不可になっていても、クライアントは NIM リソースの割り当ておよび NIM 操作の開始を制御することができます。既存のスタンドアロン・クライアントを、NIM マスター制御を使用不可にして NIMSH 通信プロトコルを使用するように構成する場合は、 332ページの『NIM 環境のマスターのプッシュ許可の使用不可化』を参照してください。

NIMSH 始動の検査:

クライアント上で NIMSH デーモンが使用可能になっていることを検査するには、次のコマンドを実行します。

# lssrc -s nimsh

NIM 詳細インストール作業の実行Web-based System Manager NIM インターフェース、System Management Interface Tool (SMIT)、またはコマンド行を使用して、多くの NIM 詳細インストール作業を実行することができます。

NIM 環境の制御NIM 環境では、NIM マスターまたはスタンドアロン・クライアントが制御権を持っています。リソースを割り当てるシステムが、制御を行います。

リソースの割り当てとは、クライアントがリソースを NIM 操作に使用できるようにすることです。通常は、操作の一部としてリソースが自動的に割り当てられますが、操作の開始前にリソースを割り当てることもできます。制御状況はロック機構と同様に機能するもので、該当のリソースが割り当て解除されるまではクライアントまたはマスターは制御状況を維持しています。NIM を使用している場合はスタンドアロン・クライアントのインストールが正常に完了するとリソースは自動的に割り当て解除されます。

NIM マスターがスタンドアロン・クライアントにリソースを割り当てていない場合は、スタンドアロン・クライアントは、リソースを割り当てるか、または NIM マスターのプッシュ許可を使用不可にすることによって、制御権を獲得します。control 属性は、マスターで管理されるもので、スタンドアロン・クライアントに対する操作の実行許可をマスターとスタンドアロン・クライアントのどちらが持っているかを示します。

control 属性は 4 つの制御状態を示します。NIM クライアントからは、次のように入力することによってcontrol 属性を表示できます。

nimclient -l -l StandAloneClientName

NIM マスターからは、次のように入力することによって control 属性を表示できます。

lsnim -l StandaloneClientName

制御状態は、次のとおりです。

control attribute is not set マシン・オブジェクト属性を出力したときに control 属性が表示されなければ、マスターにもスタンドアロン・クライアントにも制御権はありません。

control = master マスターが既にクライアントにリソースを割り当て、マスターからの操作を開始する準備ができています (または既に操作を開始しています)。

control = StandaloneClientName スタンドアロン・クライアントが既にリソースを割り当て、単独で NIM

操作を開始できる状態になっています。control = StandaloneClientName push_off スタンドアロン・クライアントが、NIM マスターに対して、そのクライア

ント上でリソースを割り当てたり操作を開始することを禁止しています。クライアント自体は、 NIM リソースの割り当てと NIM 操作の開始を制御できます。

インストールおよび移行 331

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NIM 環境のマスターのプッシュ許可の使用不可化NIM マスターは、NIM クライアントでプッシュ操作を実行するためのプッシュ許可を持っています。

この NIM マスターのプッシュ許可を使用不可にするには、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用します。

Web-based System Manager を使用するマスターのプッシュ許可の使用不可化:

Web-based System Manager を使用してマスターのプッシュ許可を使用不可にするには、次の手順を実行します。

1. メインの「Web-based System Manager」コンテナーから、「Software (ソフトウェア)」アイコンを選択します。

2. 「Software (ソフトウェア)」メニューから、「NIM Client (NIM クライアント)」 → 「Permissions (アクセス権)」を選択します。

3. NIM マスターにプッシュ・インストールの開始を認可するか、拒否するかを選択します。

SMIT を使用するマスターのプッシュ許可の使用不可化:

smit nim_perms 高速パスを使用して、マスターのプッシュ許可を使用不可にすることができます。

マスターのプッシュ許可を使用不可にするには、クライアント・マシンから smit nim_perms 高速パスを入力します。

コマンド行からのマスターのプッシュ許可の使用不可化:

コマンド行から、マスターのプッシュ許可を使用不可にして、再び使用可能にすることができます。

クライアントに対する control を push_off に設定するには、クライアント・マシンから次のように入力します。

nimclient -P

クライアントに対するプッシュ許可を再び使用可能にするには、クライアント・マシンから次のように入力します。

nimclient -p

NIM 状態のリセットマシンを ready 状態に戻すには、 NIM reset 操作を行います。

NIM を使って実行する操作は、非常に複雑になることがあります。マシン NIM では、操作を正常に完了できるようにするために、マシンをまず ready 状態にしてから、操作を実行する必要があります。操作の実行中は、マシンの状態に現在の操作が反映されます。操作が完了すると、マシンは ready 状態に戻ります。

マシンの操作が中断されても、マシン状態に操作が反映されたままの場合があります。この場合は、マシンをリセットして ready 状態に戻してからでないと、それ以上操作を実行できません。マシンを ready 状態に戻すには、 NIM reset 操作を行います。

Web-based System Manager を使用する NIM 状態のリセット:

Web-based System Manager を使用して NIM 状態をリセットするには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

332 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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2. コンテンツ領域で、リセットするターゲットのスタンドアロン、ディスクレス、またはデータレス・マシンを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューで、「Administration (管理)」 → 「Reset NIM State (NIM 状態のリセット)」を選択します。

4. ダイアログを使用して、マシンの状態をリセットします。

この作業は、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」からも実行できます。「Selected (選択済み)」メニューで、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」 → 「Clean Up Failed or InterruptedInstallation (インストールの障害または割り込み後のクリーンアップ)」を選択します。

SMIT を使用する NIM 状態のリセット:

SMIT を使用して NIM 状態をリセットするには、次の手順を実行します。

1. マシンを ready 状態に戻すには、 smit nim_mac_op 高速パスを入力します。

2. 操作のターゲットにするマシンを選択します。

3. 「Operation to Perform (実行する操作)」として、「reset (リセット)」を選択します。

4. リソースを割り当て解除するには、「Deallocate All Resources? (すべてのリソースを割り当て解除しますか?)」フィールドを「yes (はい)」に変更します。

5. 「Force (強制)」フィールドを「yes (はい)」に変更します。

コマンド行からの NIM 状態のリセット:

コマンド行から NIM 状態をリセットするには、次の手順を実行します。

1. マシンを ready 状態に戻すには、次のように入力します。

nim -Fo reset MachineName

2. リソースを割り当て解除するには、次のように入力します。

nim -o deallocate -a ResourceType=ResourceName MachineName

ここで、ResourceType は割り当て解除されたリソースのタイプ (例えば、lpp_source、 SPOT、Scriptなど) で、ResourceName は割り当て解除されたリソースの名前、そして MachineName はリソースが割り当てられていたマシンの名前です。

注: マシンをリセットしても、その操作に割り当てられていたすべてのリソースが自動的に割り当て解除されることはありません。リソースを割り当て解除するには、NIM deallocate 操作を使います。

リソース・サーバーとしてのクライアント・マシンの使用NIM 環境内のマシンはどれでもリソース・サーバーとして使用できます。単純な環境では、通常、すべての NIM リソースに対するサーバーとして NIM マスターを使用します。

クライアント・マシン上にリソースを定義することには、次のような理由で利点があります。

v NIM マスター上のディスク・スペースの制限により、すべてのリソースを 1 台のマシンに格納できない場合がある。

v リソースが過多に使用されることがあるので、1 台のマシンがすべてのリソースを担当すると、通信やデータ・アクセスの際にボトルネックが発生する可能性がある。

例えば、NIM を使って 5 つの異なるサブネットに 200 台のマシンをインストールする場合、各サブネットに 1 セットのリソースを設定して使用可能にすることができます。各セットのリソースは、同じサ

インストールおよび移行 333

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ブネットにマシンをインストールするために使用する場合もあります。この方法をとると、ワークロードを複数のリソース・サーバーに分散できるほか、異なるサブネット間のゲートウェイを経由するネットワーク・トラフィックも削減できます。

Web-based System Manager からのリソース・サーバーとしてのクライアント・マシンの使用:

Web-based System Manager からリソース・サーバーとしてクライアント・マシンを使用するには、次の手順を実行します。

1. 「Resources (リソース)」コンテナーを選択します。

2. 「Resources (リソース)」メニューで、「New Resources (新規リソース)」を選択します。

3. ウィザードの指示に従って、リソースを作成します。

SMIT からのリソース・サーバーとしてのクライアント・マシンの使用:

SMIT からリソース・サーバーとしてクライアント・マシンを使用するには、次の手順を実行します。

1. NIM クライアント上にリソースを作成するには、 smit nim_mkres 高速パスを入力します。

2. リソース・タイプを選択します。

3. 表示されたダイアログのフィールドに、リソース・オプション用の正しい値を入力します。「Server of

the Resource (リソース・サーバー)」フィールドには、必ずクライアント・マシンの名前を指定してください。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると役立ちます。リソースを定義するときに指定する属性 (location や source など) はすべて、サーバー・マシンにとってローカルな属性でなければなりません。

コマンド行からのリソース・サーバーとしてのクライアント・マシンの使用:

コマンド行からリソース・サーバーとしてクライアント・マシンを使用するには、次の手順を実行します。

NIM クライアント上にリソースを作成するには、リソースを定義するときに、クライアントの NIM 名をserver 属性に指定します。

例:

lpp_source リソース images2 を CD から NIM クライアント・マシン client_mac1 上に作成するには、/resources/images ディレクトリーで、次のように入力します。

nim -o define -t lpp_source -a server=client_mac1 ¥-a location=/resources/images -a source=/dev/cd0 images2

マシン・グループの定義マシン・グループを定義することにより複数のクライアントを集めて NIM 操作用の共通ターゲットにできます。スタンドアロン、ディスクレス、またはデータレスのクライアントについてグループを定義できますが 1 つのグループには同じタイプのクライアントしか組み込めません。

Web-based System Manager は次のようなマシン・グループのタイプをサポートします。

v NIM コンテナーで複数マシンを選択し「Selected (選択済み)」メニューからアクションを実行すると、一時マシン・グループが作成されます。一時グループは、そのアクションが完了すると除去されます。

v もっと永続的なマシン・グループが必要な場合は、NIM メニューで「New Machine Group (新規マシン・グループ)」メニュー・オプションを使用して作成することができます。

334 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Web-based System Manager NIM アプリケーションでは、マシン・グループの明示的な作成と管理は行われませんが、NIM コンテナー内のマシンを表すアイコンを複数個選択することにより随時のグループ化がサポートされます。マシンのグループが選択されたら、「Selected (選択済み)」メニューから 1 つのアクションを選択することによって管理できます。

注: ほとんどの操作は、複数個選択された同じタイプのマシンに対してのみ実行できます。

Web-based System Manager からのマシン・グループの定義:

Web-based System Manager を使用してマシン・グループを定義するには、次の手順を実行します。

1. 「Groups (グループ)」コンテナーを選択します。

2. 「Groups (グループ)」メニューから、「New (新規)」 → 「Group (グループ)」を選択します。

3. マシン・タイプを選択します。

4. 右側のリストからマシンを選択し、「<」ボタンをクリックして、新しいグループにそのマシンを追加します。マシン・グループの必要なすべてのメンバーが左側の「Members (メンバー)」リストに入るまで、このステップを繰り返します。

5. 「OK (了解)」をクリックします。

SMIT からのマシン・グループの定義:

SMIT を使用してマシン・グループを定義するには、次の手順を実行します。

1. マシン・グループを定義するには、smit nim_mkgrp 高速パスを入力します。

2. 定義したいグループのタイプを選択します。

3. グループの名前およびメンバー情報を入力します。

コマンド行からのマシン・グループの定義:

コマンド行からマシン・グループを定義するには、次の手順を実行します。

マシン・グループを定義するには、次のように入力します。

nim -o define -t mac_group -a add_member=MemberName GroupName

例えば、既に定義済みのマシン Standalone1、 Standalone2、および Standalone3 を含む MacGrp1 という名前のマシン・グループを作成するには、次のように入力します。

nim -o define -t mac_group -a add_member=Standalone1 ¥-a add_member=Standalone2 -a add_member=Standalone3 ¥-a comments="Machines for Department d03" MacGrp1

マシン・グループへの新規メンバーの追加新規メンバーをマシン・グループに追加できますが、その新規メンバーは既存のメンバーと同じマシン・タイプのものである必要があります。Web-based System Manager NIM アプリケーションを使用すれば、マシン・グループにメンバーを追加することができます。

Web-based System Manager からのマシン・グループへの新規メンバーの追加:

Web-based System Manager を使用してマシン・グループに新規メンバーを追加するには、次の手順を実行します。

1. 「Groups (グループ)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域でグループを選択します。

インストールおよび移行 335

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3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Add/Remove Members ... (メンバーの追加/除去...)」を選択します。

4. 右側のリストからマシンを選択し、「<」ボタンをクリックして、新しいグループにそのマシンを追加します。 マシン・グループの必要なすべてのメンバーが左側のリストに入るまで、このステップを繰り返します。

5. 「OK (了解)」をクリックします。

SMIT からのマシン・グループへの新規メンバーの追加:

SMIT を使用してマシン・グループに新規メンバーを追加するには、次の手順を実行します。

1. マシン・グループにメンバーを追加するには、 smit nim_chgrp 高速パスを入力します。

2. 変更するマシン・グループを選択します。

3. グループに追加するメンバーを指定します。追加するメンバーを選択するには、「LIST (リスト)」オプションを使います。

コマンド行からのマシン・グループへの新規メンバーの追加:

コマンド行からマシン・グループに新規メンバーを追加するには、次の手順を実行します。

マシン・グループにメンバーを追加するには、次のように入力します。

nim -o change -a add_member=MachineName GroupName

例えば、ディスクレス・クライアント diskless5 をマシン・グループ diskless_grp に追加するには、次のコマンドを入力します。

nim -o change -a add_member=diskless5 diskless_grp

この代わりに、define 操作および change 操作の両方に、順次メンバー属性 (-a member1=Standalone1 -a

member2=Standalone2 など) を使ってグループ・メンバーを指定することもできます。

マシン・グループからのメンバーの除去マシン・グループからメンバーを除去できます。マシン・グループの最後のメンバーを除去すると、グループ定義も除去されます。

Web-based System Manager を使用するマシン・グループからのメンバーの除去:

Web-based System Manager を使用してマシン・グループからメンバーを除去するには、次の手順を実行します。

1. 「Groups (グループ)」コンテナーを選択します。

2. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Add/Remove Members (メンバーの追加/除去)」を選択します。

3. 左側のリストからマシンを選択し、「>」ボタンをクリックして、右側のリストにそのマシンを追加します。マシン・グループ内の除去したいすべてのメンバーが削除されるまで、このステップを続行します。

4. 「OK (了解)」をクリックします。

SMIT を使用するマシン・グループからのメンバーの除去:

SMIT を使用してマシン・グループからメンバーを除去するには、次の手順を実行します。

1. マシン・グループからメンバーを除去するには、smit nim_chgrp 高速パスを入力します。

336 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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2. 変更するマシン・グループを選択します。

3. グループから除去するメンバーを指定します。除去するメンバーを選択するには、「LIST (リスト)」オプションを使います。

コマンド行を使用するマシン・グループからのメンバーの除去:

コマンド行を使用してマシン・グループからメンバーを除去するには、次の手順を実行します。

マシン・グループからメンバーを除去するには、次のコマンドを入力します。

nim -o change -a rm_member=MachineName GroupName

例えば、マシン Standalone2 を除去し、マシン Standalone4 をグループ MacGrp1 に追加するには、次のように入力します。

nim -o change -a rm_member=Standalone2 ¥-a add_member=Standalone4 MacGrp1

グループ対象操作におけるグループ・メンバーの組み込みと除外Web-based System Manager NIM アプリケーションまたは SMIT を使用して、またはコマンド行から、グループ・メンバーの組み込みまたは除外を行うことができます。

コマンド行から select 操作を使用し、マシン・グループに対する操作で組み込みまたは除外を行う特定のグループ・メンバーを示します。この機能は、グループの初回操作中に失敗した特定グループ・メンバーに対して操作の再試行が必要である場合に有用です。グループ・メンバーを除外対象としてマークすると、それは、再度組み込まれるまで除外されています。

Web-based System Manager を使用するグループ対象操作におけるグループ・メンバーの組み込みと除外:

Web-based System Manager を使用してグループ対象操作にグループ・メンバーを組み込んだり、操作からグループ・メンバーを除外するには、次の手順を実行します。

1. 「Groups (グループ)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、グループ・コンテナーを展開してそのグループに含まれているメンバーを表示します。

3. コンテナーにリストされている中からマシンを 1 つ選択します。

4. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Properties (属性)」を選択します。

SMIT を使用するグループ対象操作におけるグループ・メンバーの組み込みと除外:

SMIT を使用してグループ対象操作にグループ・メンバーを組み込んだり、操作からグループ・メンバーを除外するには、次の手順を実行します。

1. グループ対象操作にグループ・メンバーを組み込む場合、または操作から除外する場合は、smitnim_grp_select 高速パスを入力します。

2. メンバーの組み込みまたは除外を行いたいグループの名前を選択します。

3. 組み込むメンバー、または除外するメンバーを選択します。

コマンド行からのグループ対象操作におけるグループ・メンバーの組み込みと除外:

コマンド行からグループ対象操作にグループ・メンバーを組み込んだり、操作からグループ・メンバーを除外するには、次の手順を実行します。

インストールおよび移行 337

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グループ・メンバーの組み込みまたは除外を行うには、次のように入力します。

nim -o select -a include_all=Value -a exclude_all=Value ¥-a include=MemberName -a exclude=MemberName GroupName

例えば、マシン Standalone2 をマシン・グループ MacGrp1 から除外し、前に除外していたマシンStandalone3 をそのグループに組み込むには、次のように入力します。

nim -o select -a exclude=Standalone2 -a include=Standalone3 MacGrp1

特殊属性 include_all および exclude_all はそれぞれ、yes 値を割り当てると、グループ内のすべてのメンバーの組み込みまたは除外のために使用できます。 select 操作ではコマンド行属性は左から右へ評価されます。次の例は、Standalone2 を除くすべてのメンバーをマシン・グループ MacGrp1 に対する以降の操作から除外する方法を示しています。

nim -o select -a exclude_all=yes -a include=Standalone2 MacGrp1

特殊な -g オプションを指定すると、グループのメンバーの除外状況を表示できます。

lsnim -g MacGrp1

次のようなグループ・メンバー情報が表示されます。

MacGrp1:type = mac_groupmember1=Standalone1;ready for a NIM operation,not running;EXCLUDEDmember2=Standalone2;ready for a NIM operation; currently running;member3=Standalone3;ready for a NIM operation,not running;EXCLUDED

NIM リソースの関連付けと定義NIM リソース・グループを使用すると、他の NIM 操作を実行する前に、複数のリソースの関連付けと定義を行って、1 つの論理単位としてマシンに割り当てられるようにすることができます。

1 つのリソース・グループ内で何度でも指定できる script リソースおよび installp_bundle リソースを除き、リソース・グループに入れることができるのは、各リソース・タイプにつき 1 つのリソースだけです。

リソース・グループの定義:

以下の手順を使用してリソース・グループを定義することができます。

SMIT からのリソース・グループの定義:

SMIT を使用してリソース・グループを定義するには、次の手順を実行します。

1. リソース・グループを定義するには、 smit nim_mkgrp_resource 高速パスを入力します。

2. メンバー情報のあるグループの名前を入力します。

コマンド行からのリソース・グループの定義:

コマンド行からリソース・グループを定義するには、次の手順を実行します。

リソース・グループを定義するには、次のように入力します。

nim -o define -t res_group -a ResourceType=ResourceName GroupName

例えば、既に定義済みのリソース images1、 spot1、bosinst_data1、および bundle1 が含まれている、ResGrp1 という名前のリソース・グループを定義するには、次のように入力します。

338 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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nim -o define -t res_group -a lpp_source=images1 -a spot=spot1 ¥-a bosinst_data=bosinst_data1 -a installp_bundle=bundle1 ¥-a comments="BOS Install Resources" ResGrp1

リソース・グループの割り当て:

リソース・グループを割り当てるには、以下の手順に従います。

SMIT からのリソース・グループの割り当て:

SMIT を使用してリソース・グループを割り当てるには、次の手順を実行します。

1. リソース・グループを割り当てるには、smit nim_alloc 高速パスを入力します。

2. 定義済みのマシン (例えば、Standalone1) のリストからマシン、またはマシン・グループを選択します。

3. リソース・グループのリストが表示されます。割り当てたいリソース・グループを選択します。

コマンド行からのリソース・グループの割り当て:

コマンド行からリソース・グループを割り当てるには、次の手順を実行します。

リソース・グループを割り当てるには、次のように入力します。

nim -o allocate -a group=ResGroupName TargetName

例えば、ResGrp1 という名前のリソース・グループを Standalone1 という名前のマシンに割り当てるには、次のように入力します。

nim -o allocate -a group=ResGrp1 Standalone1

または、操作についてグループ・リソースをコマンド行上で指定できます。例えば、DklsMacs という名前のディスクレス・マシンのグループに対して dkls_init 操作を実行しているときに、リソース・グループddResGrp を割り当てるには、次のように入力します。

nim -o dkls_init -a group=ddResGrp DklsMacs

デフォルト・リソース・グループの定義:

リソース・グループを定義した後で、リソースを要求するすべての操作のデフォルト値のセットとして、グループを指定することが望ましい場合があります。

マスターの default_res 属性に、デフォルトにしたいリソース・グループの名前を設定します。

注: maint 操作の場合の installp_bundle を除いて、適用可能なすべてのリソースは、全操作のデフォルト値として指定されたグループから割り当てられます。

デフォルト・グループからのリソースが割り当てられるのは、同一タイプのリソースがまだ割り当てられていない場合、およびそのタイプのリソースが自動割り当てとしてコマンド行で指定されていない場合だけです。ただし、 script リソースと installp_bundle リソースは例外で、これらのリソースがリソース・グループ内に存在した場合およびコマンド行で指定された場合は、すべて割り当てられます。

そのリソースの属性割り当てにヌル値を指定すると、デフォルトのメンバーをオーバーライドできます。

次の bos_inst 操作では、 bosinst_data リソースを除いて、デフォルトとして指定されたリソース・グループからすべての適用可能な bos_inst リソースを割り当てます。

nim -o bos_inst -a bosinst_data=Standalone1

インストールおよび移行 339

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SMIT からのデフォルト・リソース・グループの定義:

SMIT を使用してデフォルトのリソース・グループを定義するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_grp 高速パスを入力します。

2. 「Select/Unselect a Default Resource Group (デフォルト・リソース・グループの選択/選択解除)」を選択します。

3. デフォルトとして機能するグループの名前を入力します。

コマンド行からのデフォルト・リソース・グループの定義:

コマンド行からデフォルトのリソース・グループを定義するには、次の手順を実行します。

次のように入力します。

nim -o change -a default_res=ResGroupName master

例えば、リソース・グループ ResGrp1 をすべての NIM 操作用のデフォルト・リソース・セットとするには、次のように入力します。

nim -o change -a default_res=ResGrp1 master

スタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアの管理スタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソース上のソフトウェアを管理するためのコマンドは、一般的に同じです。オプションのターゲットとして、マシン、グループ、または SPOT の名前を指定します。

注: SPOT が現在 NIM クライアントに割り当てられていると、その SPOT に対する変更は NIM により禁止されます。操作を強制的に実行するには、「Force (強制)」(-F) オプションを使います。

SPOT に対するソフトウェア更新を行うと、その SPOT のネットワーク・ブート・イメージが必要に応じて再構築されます。ブート・イメージが適正でないと思われる場合は、 NIM check 操作を使って、ブート・イメージを強制的に再構築できます。

また、SPOT へのソフトウェア更新により、 SPOT のディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのルート部分のソフトウェアが更新されることがあります。更新は自動的に行われます。 NIM

sync_roots 操作を SPOT に対して実行することによって、クライアントのルート部分の同期を強制できます。

スタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースへの追加ソフトウェアのインストール方法は、 274

ページの『NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズ』を参照してください。

スタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェアのリスト表示:

スタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェアをリスト表示するには、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用します。

Web-based System Manager によるスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェアのリスト表示:

Web-based System Manager を使用してスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェアをリスト表示するには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

340 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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2. コンテンツ領域でターゲット・マシン (マスターまたはスタンドアロン) を選択するか、あるいは「Resources (リソース)」コンテナーでターゲット SPOT リソースを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「List Installed Software (インストール済みソフトウェアをリスト)」 → 「All Installed (インストール済みのすべて)」を選択します。

SMIT を使用するスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェアのリスト表示:

SMIT を使用してスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェアをリスト表示するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_list_installed 高速パスを入力します。

2. 実行したいリスト操作を表すメニュー項目を選択します。

3. 操作のターゲットを選択します。

4. 表示されたダイアログのフィールドに、要求値を入力します。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると役立ちます。

コマンド行からのスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェアのリスト表示:

コマンド行からスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェアをリスト表示するには、次の手順を実行します。

以下のコマンドを入力します。

nim -o lslpp [-a lslpp_flags=LslppFlags] TargetName

ここで、LslppFlags は lslpp コマンドに渡されるフラグ、TargetName はクライアントまたは SPOT オブジェクトの名前です。

例えば、次のように入力します。

nim -o lslpp -a lslpp_flags=La spot1

キーワードによるスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされたソフトウェア更新のリスト表示:

キーワードによってスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェア更新をリスト表示するには、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用します。

Web-based System Manager を使用するスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされたソフトウェア更新のキーワード別のリスト表示:

Web-based System Manager を使用してスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェア更新をキーワード別にリスト表示するには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域でターゲット・マシン (マスターまたはスタンドアロン) を選択するか、あるいは「Resources (リソース)」コンテナーでターゲット SPOT リソースを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「List Installed Software (インストール済みソフトウェアをリスト)」 → 「Fix (APAR) Status (修正 (APAR) の状況)」を選択します。

4. ダイアログを使用して、特定のインストール済みフィックスのインストール状況を出力します。

インストールおよび移行 341

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SMIT を使用するスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされたソフトウェア更新のキーワード別のリスト表示:

SMIT を使用してスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェア更新をキーワード別にリスト表示するには、次の手順を実行します。

1. スタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているフィックスを APAR 番号またはキーワードを使って出力するには、スタンドアロン・クライアントの場合は smit nim_mac_op 高速パスを入力し、 SPOT の場合は smit nim_res_op 高速パスを入力します。

2. スタンドアロン・クライアントまたは SPOT リソース・オブジェクトを選択します。

3. fix_query 操作を選択します。

4. 該当の fix_query フラグを選択するか、またはデフォルト設定を受け入れます。 fix_bundle オブジェクト名を指定したり、APAR のインストール状況を調べる場合は、フィックス APAR 番号を指定します。両方ともブランクのままにすると、認証済みのフィックスがすべて表示されます。

コマンド行からのスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされたソフトウェア更新のキーワード別のリスト表示:

コマンド行からスタンドアロン・クライアントまたは SPOT にインストールされているソフトウェア更新をキーワード別にリスト表示するには、次の手順を実行します。

以下のコマンドを入力します。

nim -o fix_query [ -afixes="FixKeywords" ] ¥[-afix_bundle=FixBundleName ] [ -afix_query_flags=FixQueryFlags ] ¥TargetName

ここで、FixKeywords は APAR 番号、 FixBundleName は fix_bundle リソースのオブジェクト名、FixQueryFlags は fix_query 操作に対するオプション・フラグ、 TargetName はフィックス情報を表示したいクライアント、グループ、または SPOT です。

有効な FixQueryFlags は次のとおりです。

-a 症状のテキストを表示します。-c コロンで区切ったフォーマットで出力が表示されます。-F フィックスに関連するすべてのファイルセットがインストールされていない限り、障害が戻されます。-q 「Quiet (簡易表示)」オプション。-q を指定すると、見出しが表示されません。-v 「Verbose (詳細表示)」オプション。フィックス (キーワード) に関連する各ファイルセットについての情報が表示されます。

例えば、次のように入力します。

v standalone1 にある fix データベースを照会し、フィックス IX12345 のファイルセット更新がすべてインストールされているかどうかを判別するには、次のように入力します。

nim -o fix_query -afixes=IX12345 standalone1

v spot1 にインストールされているすべての既知のフィックスに関するフィックス情報を、症状のテキストと共にリストするには、次のように入力します。

nim -o fix_query -afix_query_flags=a spot1

スタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアの保守:

この種の作業を行うには、Web-based System Manager NIM アプリケーション、SMIT、またはコマンド行インターフェースを使って NIM maint 操作を SPOT に対して実行します。

342 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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NIM は installp コマンドを使用し、NIM 環境のサポートのために各 SPOT に必要なソフトウェア・プロダクトを SPOT にインストールすることによって、SPOT を作成します。installp コマンドはソフトウェア保守作業もサポートするので、SPOT リソースに対しても同様に保守作業を行うことができます。例えば、前にインストール済みのオプションのソフトウェアを、使用しなくなった段階で SPOT から除去できます。 installp コマンドとの対話では、installp_flags を指定し、さらに filesets 属性またはinstallp_bundle 属性を指定します。

Web-based System Manager からのスタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアの保守:

Web-based System Manager を使用してスタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアを保守するには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域でターゲット・スタンドアロン・マシンを選択するか、あるいは「Resources (リソース)」コンテナーでターゲット SPOT リソースを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、実行したい作業に応じて、「Software Utilities (ソフトウェア・ユーティリティー)」 → 「Commit Applied Updates (適用済み更新のコミット)」、「Reject AppliedUpdates (適用済み更新のリジェクト)」、または「Remove Software (ソフトウェアの除去)」のいずれかを選択します。

SMIT からのスタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアの保守:

SMIT を使用してスタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアを保守するには、次の手順を実行します。

1. smit nim_task_maint 高速パスを入力します。

2. 実行したい保守を表すメニュー項目を選択します。

3. 操作のターゲットを選択します。

4. 表示されたダイアログのフィールドに、要求値を入力します。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用すると役立ちます。

コマンド行からのスタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアの保守:

コマンド行からスタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースのソフトウェアを保守するには、次の手順を実行します。

以下のコマンドを入力します。

nim -o maint -a installp_flags="InstallpFlags" ¥[-a filesets="FileSetNames" | ¥-a installp_bundle=BundleResourceName ] [-F] TargetName

ここで、InstallpFlags は installp コマンドに渡したいフラグ、 FileSetNames は保守対象にしたいファイルセットまたはパッケージの名前、 BundleResourceName は installp_bundle リソースのオブジェクト名、TargetName はスタンドアロン・クライアント、グループ、または SPOT のオブジェクト名です。

例えば、次のように入力します。

v standalone1 から bos.adt および bos.INed ソフトウェア・パッケージを除去するには、次のように入力します。

nim -o maint -a filesets="bos.adt bos.INed" -a ¥installp_flags="-u" standalone1

インストールおよび移行 343

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v 最初に spot1 を割り当て解除せずに、ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントに割り当てられている bos.INed ソフトウェア・パッケージを spot1 から除去するには、次のように入力します。

nim -o maint -F -a filesets=bos.INed -a installp_flags="-u" ¥spot1

v installp_bundle リソース・オブジェクトの bundle1 が指し示すバンドルにリストされているパッケージを spot1 から除去するには、次のように入力します。

nim -o maint -a installp_flags="-u" -a installp_bundle=bundle1 ¥spot1

v spot1 で中断されたソフトウェア・インストールのクリーンアップを行うには、次のように入力します。

nim -o maint -a installp_flags="-C" spot1

SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージの再作成SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージを再作成するには、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用します。

Web-based System Manager を使用する SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージの再作成:

Web-based System Manager を使用して SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージを再作成するには、次の手順を実行します。

1. 「Resources (リソース)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、ターゲット SPOT を選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Check SPOT (SPOT の検査)」を選択します。

4. ダイアログを使用して、必要に応じて、「Build debug network boot images (デバッグ・ネットワーク・ブート・イメージの構築)」または「Force (強制)」オプション、あるいはその両方を選択します。

この作業は、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」からも実行できます。「Selected (選択済み)」メニューで、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」 → 「Build Non-Debug Network Boot Images(非デバッグ・ネットワーク・ブート・イメージの構築)」を選択します。

SMIT を使用する SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージの再作成:

SMIT を使用して SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージを再作成するには、次の手順を実行します。

1. SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージを再作成するには、 smit nim_res_op 高速パスを入力します。

2. 「SPOT」を選択します。

3. check 操作を選択します。

4. 表示されたダイアログのフィールドで、「Force (強制)」オプションを「yes (はい)」に設定します。

コマンド行からの SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージの再作成:

コマンド行から SPOT 用のブート・イメージの再作成を強制実行するには、次の手順を実行します。

次のように入力します。

nim -Fo check SPOTName

344 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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スタンドアロン・クライアントおよび SPOT リソースへの追加ソフトウェアのインストール方法は、 274

ページの『NIM クライアントと SPOT リソースのカスタマイズ』を参照してください。

lpp_source 内のソフトウェアの保守ソフトウェアを lpp_source に追加したり、そこから除去するには、インストール・イメージを lpp_sourceディレクトリーに追加するか、またはこのディレクトリーから除去して、NIM check 操作を lpp_sourceに対して開始してください。

lpp_source へのソフトウェアのコピー:

lpp_source にソフトウェアをコピーするには、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行を使用します。

Web-based System Manager を使用する lpp_source へのソフトウェアのコピー:

Web-based System Manager を使用して lpp_source にソフトウェアをコピーするには、次の手順を実行します。

1. 「Resources (リソース)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、lpp_source を選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Properties (属性)」を選択します。「Properties (属性)」ノートブックの「General (一般)」ページが表示されます。

4. 「General (一般)」ページから、リソースの場所を特定します。ノートブックを閉じます。

5. 「Resources (リソース)」メニューから、「Copy Software to Directory (ディレクトリーにソフトウェアをコピー)」を選択し、宛先ディレクトリーとして、ノートブックで特定したリソースの場所を指定します。

6. コピーが完了したら、lpp_source を選択し、「Selected (選択済み)」メニューから「Check NIM State(NIM 状態の検査)」を選択します。この処置により、 lpp_source の目次 (.toc) ファイルが更新されます。

SMIT を使用する lpp_source へのソフトウェアのコピー:

SMIT を使用して lpp_source にソフトウェアをコピーするには、次の手順を実行します。

1. インストール・メディアから lpp_source にソフトウェアをコピーするには、 lpp_source サーバーの適切なドライブにインストール・メディアを挿入します。

2. lpp_source ディレクトリーにソフトウェアをコピーするには、リソース・サーバーから smit bffcreateを入力します。

3. 「INPUT device/directory for software (ソフトウェア用の入力デバイス/ディレクトリー)」を入力します。

4. 表示されたダイアログのフィールドに正しい値を入力するか、またはデフォルト値をそのまま受け入れます。インストール・イメージを格納するディレクトリーのための lpp_source の場所を必ず指定してください。ヘルプ情報および「LIST (リスト)」オプションを使用できます。

コマンド行からの lpp_source へのソフトウェアのコピー:

コマンド行から lpp_source にソフトウェアをコピーするには、次の手順を実行します。

1. ソフトウェアをメディアから lpp_source ディレクトリーにコピーします。

2. 次のコマンドを入力して、lpp_source に対する NIM check 操作を実行します。

nim -o check Lpp_sourceName

インストールおよび移行 345

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lpp_source からのソフトウェアの除去:

ソフトウェアを lpp_source から除去するには、インストール・イメージを lpp_source ディレクトリーから削除します。

注: この機能は、コマンド行インターフェースからのみ使用できます。

コマンド行を使用する lpp_source からのソフトウェアの除去:

コマンド行を使用して lpp_source からソフトウェアを除去するには、次の手順を実行します。

1. インストール・イメージを lpp_source ディレクトリーから除去します。

2. 次のコマンドを入力して、lpp_source に対する NIM check 操作を実行します。

nim -o check Lpp_sourceName

NIM check 操作の実行:

ソフトウェアを追加または除去した後は、 lpp_source に対して NIM check 操作を実行して、リソースのインストール目次ファイルを更新する必要があります。 NIM check 操作は、Web-based System

Manager、SMIT、またはコマンド行から実行することができます。

check 操作では、lpp_source の目次が更新されるほか、マシンをインストールするために必要なイメージが lpp_source に含まれているかどうかを示す、 lpp_source 用の simages 属性も更新されます。

Web-based System Manager を使用する NIM check 操作の実行:

Web-based System Manager を使用して NIM check 操作を実行するには、次の手順に従います。

1. 「Resources (リソース)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域から、ターゲット lpp_source リソースを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、「Check NIM State (NIM 状態の検査)」を選択します。

SMIT を使用する NIM check 操作の実行:

SMIT を使用して NIM check 操作を実行するには、次の手順に従います。

1. smit nim_res_op 高速パスを入力します。

2. 操作対象の lpp_source を選択します。

3. 実行する操作として、「check」を選択します。

コマンド行からの NIM check 操作の実行:

コマンド行から NIM check 操作を実行するには、次の手順に従います。

lpp_source に対する NIM check 操作を開始するには、次のように入力します。

nim -o check Lpp_sourceName

lpp_source が現在クライアントに割り当てられている場合は、次のように「Force (強制)」オプションを使用します。

nim -F -o check Lpp_sourceName

346 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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インストール・ログ、構成ログ、およびブート・ログの表示スタンドアロン・マシンのインストール後に、showlog 操作を使用し、インストール・ログ、ブート・ログ、および構成ログを表示して、インストール結果をチェックします。これらのログは、Web-based System

Manager、SMIT、またはコマンド行から表示することができます。

log_type 属性の値として次の値の 1 つを showlog 操作に指定することによって、複数のログ・タイプの1 つを表示できます。

devinst キー・システムおよびデバイス・ドライバー・ソフトウェアのインストールからの出力niminst ユーザー指定ソフトウェアのインストール (bos_inst 操作の実行中の NIM クライアント・ソフトウェアのインスト

ールを含む) からの出力bosinst BOS インストール・プログラムからの出力boot マシンのブート・ログlppchk スタンドアロン NIM クライアントで実行された lppchk 操作からの出力のログscript bos_inst 操作に割り当てられた任意の構成スクリプト・リソースからの出力nimerr nim コマンドの実行中に検出されたエラー

デフォルトでは、スタンドアロン・マシンに適用される showlog 操作により niminst ログが表示され、さらに、 NIM を使って前回ソフトウェアがマシンにインストールされたときに記録された出力も表示されます。 script ログおよび lppchk ログは、デフォルトにより、最後のエントリーも表示されます。niminst、script、および lppchk の各ログの内容全体は、 showlog 操作の実行時に値 yes を full_log 属性に割り当てることによって、表示できます。他のすべてのログ・タイプは、ログ全体が表示されます。

Web-based System Manager からのインストール・ログ、構成ログ、およびブート・ログの表示:

Web-based System Manager を使用してインストール・ログ、構成ログ、およびブート・ログを表示するには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域でターゲット・マシン (マスター、スタンドアロン、ディスクレス、またはデータレス)

を選択するか、あるいは「Resources (リソース)」コンテナーでターゲット SPOT リソースを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューで、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」 → 「Show NIMLogs (NIM ログの表示)」を選択します。

4. ダイアログを使用して、検査したいログを選択します。

SMIT からのインストール・ログ、構成ログ、およびブート・ログの表示:

SMIT を使用してインストール・ログ、構成ログ、およびブート・ログを表示するには、次の手順を実行します。

1. マシンのログを表示するためには smit nim_mac_op 高速パスを入力し、 SPOT のログを表示するためには smit nim_res_op を入力します。

2. ログを表示したいマシンまたは SPOT のオブジェクト名を選択します。

3. 操作のリストから「showlog」を選択します。

4. 表示するログ・タイプを選択します。

5. 完全ログを表示するかどうかを指定します (script、lppchk、および niminst ログにのみ適用可能)。

コマンド行からのインストール・ログ、構成ログ、およびブート・ログの表示:

インストールおよび移行 347

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コマンド行からインストール・ログ、構成ログ、およびブート・ログを表示するには、次の手順を実行します。

スタンドアロン・マシンまたは SPOT についてのログを表示するには、次のように入力します。

nim -o showlog -a LogType=value ObjectName

ここで、LogType は表示したいログを表し、 ObjectName は表示するログの記録対象であるマシンまたはSPOT の名前です。

lppchk 操作によるインストールの検査ソフトウェアの機能的な問題を調査する場合は、lppchk 操作を使用して、インストールされたソフトウェアの完全性をチェックできます。この操作は、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行から実行できます。

Web-based System Manager からの lppchk 操作によるインストールの検査:

Web-based System Manager から lppchk 操作を使用してインストールを検査するには、次の手順を実行します。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域でターゲット・スタンドアロン・マシンを選択するか、あるいは「Resources (リソース)」コンテナーでターゲット SPOT を選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューで、「Troubleshooting (トラブルシューティング)」 → 「VerifyInstalled Software (インストール済みソフトウェアの検査)」を選択します。

4. ダイアログを使用して、選択済みのマシンまたは SPOT 上のインストール済みのソフトウェアをすべて検査するか、あるいは一部を検査するかを選択します。

SMIT からの lppchk 操作によるインストールの検査:

SMIT から lppchk 操作を使用してインストールを検査するには、次の手順を実行します。

1. マシンのソフトウェアを確認するためには smit nim_mac_op 高速パスを入力し、 SPOT のソフトウェアを確認するためには smit nim_res_op 高速パスを入力します。

2. lppchk 操作のターゲットを選択します。

3. 目的の検査モードを選択します。

コマンド行からの lppchk 操作によるインストールの検査:

コマンド行から lppchk 操作を使用してインストールを検査するには、次の手順を実行します。

以下のコマンドを入力します。

nim -o lppchk -a filesets=FilesetName ¥-a lppchk_flags="lppchkFlags" ObjectName

ここで、FilesetName は単一ファイルセットの名前 (または * ワイルドカード文字を使用した名前) で、ObjectName は lppchk 操作のターゲットにするマシンまたは SPOT の名前です。有効な lppchk_flagsは、次のように定義されます。

348 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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-f 高速チェック (ファイルの存在、ファイルの長さ)

-c チェックサム検査-v ファイルセットのバージョンの整合性の確認 (デフォルト)

-l ファイル・リンク検査注: フラグ -f、-c、-v、または -l のうち、指定できるのは 1 つだけです。

-u 更新目録 (-c または -l についてのみ有効)

-mn メッセージの詳細を制御します。n は 1 から 3 で、3 は最も詳細です。

例えば、Standalone1 という名前のマシンにあるすべてのファイルセットについてのチェックサムの検査時に、lppchk 操作を実行するには、次のように入力します。

nim -o lppchk -a lppchk_flags="-c" Standalone1

Kerberos 認証で構成されたクライアントをインストールするための NIM の使用NIM を使用して、Kerberos 認証で構成されたクライアントをインストールすることができます。

通常、NIM マスターがリモートでコマンドを実行するために、NIM は、標準の AIX 認証を使用します。標準 AIX 認証は、.rhosts ファイルを使用してこの機能を提供します。NIM がリモートでコマンドを実行するには、AIX の認証機能に依存していますが、しかし、もっと厳しい認証制御を要求するシステム環境もあります。 Kerberos 認証は、 NIM の機能を使用不可にすることなしに、リモート・コマンドを実行するためのより高いレベルの認証を提供します。

Kerberos 4 認証用に構成されたクライアントをインストールするための NIM の使用:

AIX 4.3.2 以降では、NIM を使用して、Kerberos 4 認証用に構成された RS/6000® SP 環境にマシンをインストールすることができます。

Kerberos 4 認証用に構成されたクライアントには、root ユーザー用の $HOME/.klogin ファイルがあります。このファイルは、リモート・コマンドの実行が可能になるために、どのようなチケットが必要であるかを決めます。ユーザーは、NIM を使用してリモート・コマンドを実行しようとする前に、必要なそのチケットを入手する必要があります。

NIM マスターおよびすべてのセキュア・クライアントには、AIX 3.1 (またはそれ以降) の IBM 並列システム・サポート・プログラムがインストールされ、構成されている必要があります。

セキュア・クライアントに BOS (基本オペレーティング・システム) を再インストールする場合は、NIM

マスターでの認証方式は、Kerberos 4 および標準 UNIX の両方に設定する必要があります。これは、BOS

のインストール後は、 NIM はクライアントに Kerberos 4 を構成しないからです。したがって、NIM

は、クライアントが Kerberos 4 で構成されてセキュア・クライアントになるまでは、クライアントでリモートにコマンドを実行できることを保証するために .rhosts ファイルに依存する必要があります。

ソフトウェアのカスタマイズと保守だけを実行する場合は、 NIM マスターは、その認証方式をクライアントの認証方式に合わせて設定する必要があります。セキュア・クライアントを管理するには、マスターの認証方式は標準 UNIX を含むように設定しておかなければなりません。

Kerberos 4 のインストールと構成の詳細については、SP Administration Guide (GC23–3897) を参照してください。

Kerberos 5 認証で構成されたクライアントをインストールするための NIM の使用:

AIX 4.3.3 以降では、NIM を使用して、Kerberos 5 認証用に構成された環境にマシンをインストールすることができます。

インストールおよび移行 349

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Kerberos 5 認証用に構成されたクライアントには、root ユーザー用の $HOME/.k5login ファイルがあります。このファイルには、リモート・コマンド実行が可能になるために必要なホスト・トークンを指定するエントリーが入っています。このエントリーには次のフォームを使用します。

hosts/hostname/self@cell

NIM マスターおよびすべてのセキュア・クライアントは、DCE をインストールし、 2.2.1 またはそれ以上のレベルで構成する必要があります。

セキュア・クライアントに BOS を再インストールする場合は、NIM マスターでの認証方式は、Kerberos

5 と標準 UNIX の両方に設定する必要があります。これは、クライアントに BOS をインストールした後は、このクライアントでは DCE または Kerberos 5 を構成し、実行することがないためです。したがって、NIM は、クライアントが Kerberos 5 で構成されてセキュア・クライアントになるまでは、クライアントでリモートにコマンドを実行するために標準 rhosts に依存する必要があります。

ソフトウェアのカスタマイズと保守だけを実行する場合は、 NIM マスターは、その認証方式をクライアントの認証方式に合わせて設定する必要があります。セキュア・クライアントを管理するには、マスターの認証方式は標準 UNIX を含むように設定しておかなければなりません。

SSL 認証で構成されたクライアントをインストールするための NIM の使用AIX 5.3 以降では、NIM を使用して、SSL 認証用の構成された RS/6000 環境にマシンをインストールすることができます。

SSL 認証を構成されたクライアントは、NIM マスターのプッシュ操作を処理するための NIM サービス・ハンドラー (NIMSH) を使用する必要があります。 NIMSH についての詳細は、 326ページの『クライアント通信用 NIM サービス・ハンドラーの使用』を参照してください。

OpenSSL 暗号化ソフトウェアのインストールと構成は、NIM コマンド・オプションを使用して行うことができます。NIM 環境での OpenSSL の構成のためのスクリプトが用意されており、これらのスクリプトは変更なしで使用できます。スクリプトは、bos.sysmgt.nim.client ファイルセットの一部としてインストールされ、/usr/samples/nim/ssl ディレクトリーに置かれます。スクリプトは、SSL 鍵と、NIM SSL で使用される証明書を定義するのに使用されます。

NIM マスターは大規模システム環境をサポートできるようになっているため、SSL 証明書と鍵保管構造の階層が必要です。 NIM のセットアップ時に、以下のディレクトリー構造が作成されます。

/ssl_nimshNIM の SSL 親ディレクトリー。

/ssl_nimsh/configsNIM に SSL を構成するときに使用されるスクリプトが含まれます。

/ssl_nimsh/certsホスト認証の際に使用される SSL 証明書が含まれます。

/ssl_nimsh/keysSSL プロトコル通信の際に使用される SSL 鍵が含まれます。

NIM SSL ディレクトリー構造は静的と見なされるため、これを変更してはいけません。 SSL 証明書オプションを変更する場合は、以下の構成スクリプトを変更できます。

SSL_root.cnf証明書署名のための認証局鍵を生成します。

350 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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SSL_server.cnfクライアントに配布される NIM マスターの証明書を生成します。

SSL_client.cnf認証のための NIM マスターのローカル証明書を生成します。

注: 構成スクリプトを変更する前に、デフォルト設定を使用して NIM SSL を構成してください。変更を検査する場合、証明書ビューアー・スクリプト certview が/usr/samples/nim/ssl ディレクトリーにあります。 certview についての詳細は、 366ページの『証明書表示ファイルの使用』を参照してください。

NIM での OpenSSL のインストールと構成について詳しくは、nimconfig コマンドおよび nimclient コマンドを参照してください。

SMIT を使用する SSL 認証で構成されたクライアントをインストールするための NIM の使用:

SMIT から NIM を使用して、SSL 認証で構成されたクライアントをインストールするには、次の手順を実行します。

NIM 環境に SSL 認証を構成するには、以下のステップを実行してください。

1. NIM マスターで高速パス smitty nim_ssl を入力します。

2. 「Enabling Cryptographic Authentication (暗号化認証を使用可能にする)」のオプションとして「enabled (使用可能)」を選択します。

3. クライアントに OpenSSL がインストールされていない場合、「Installing Secure Socket LayerSoftware (Secure Socket Layer ソフトウェアのインストール)」のオプションとして「yes (はい)」を選択します。

4. OpenSSL のインストールを選択した場合は、RPM パッケージの絶対パスを指定するか、OpenSSL RPM

パッケージが含まれる lpp_source リソースを選択します。

コマンド行からの SSL 認証で構成されたクライアントをインストールするための NIM の使用:

コマンド行から NIM 環境を SSL 認証用に構成するには、次の手順を実行します。

1. NIM マスターに OpenSSL がインストールされている場合は、次を入力します。

# nimconfig -c

2. NIM マスターに OpenSSL がインストールされていない場合は、以下のステップを実行します。

v AIX Linux アプリケーションのツールボックス メディアを配置します。

v geninstall を使用して OpenSSL RPM パッケージをインストールします。geninstall の使用法について詳しくは、『オープン・ソース・アプリケーションの AIX システムへの追加』を参照してください。

v NIM マスターに OpenSSL をインストールしたら、次を入力します。

# nimconfig -c

並行性制御の使用NIM インストールが同時に多数のクライアント上で実行された場合に過負荷になる状況の重大度を、同時にインストールするクライアントの数を制御することによって軽減することができます。

NIM インストールは、同時に多数のクライアント上で実行している時に、過負荷となることがあります。これは、ネットワークの帯域幅または NIM サーバー上のワークロードによって起こります。

インストールおよび移行 351

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concurrent (並行性) および time_limit (時間制限) 属性は、 bos_inst、cust、および alt_disk_install 操作と共に使用することによって、クライアント・グループから同時に操作されているクライアント・マシンの数を制御することができます。 concurrent 属性は、特定の操作を同時に処理するグループ内の多数のクライアントを制御することができます。あるクライアントが操作を終了した後、別のクライアントが一度に 1

つの操作を開始します。 time_limit 属性によって NIM は、指定した時間 (時間単位) が経過した後は、グループのどのクライアントもそれ以上操作を開始できないようにします。

Web-based System Manager からの並行性制御の使用:

Web-based System Manager から並行性制御を使用するには、この手順に従います。

1. 「Machines (マシン)」コンテナーを選択します。

2. コンテンツ領域で、複数のターゲットを選択します。

3. 「Selected (選択済み)」メニューから、以下のオプションのいずれかを選択します。

v Install Operating System (オペレーティング・システムのインストール)

v Install/Update Software (ソフトウェアのインストール/更新)

v Alternate Disk Install (代替ディスクのインストール)

4. これらのいずれかのダイアログから「NIM settings (NIM の設定)」または「Advanced (詳細)」ボタンを選択します。

5. これらのダイアログ内で、並行性制御が含まれているセクションを指定することができます。

注: Web-based System Manager は、障害が起きた後または、マシン・グループが個々に選択された後、制限時間が経過した後の続行は、サポートしません。ユーザーは、障害の起きたクライアントまたは試行しなかったクライアントを再度選択してから、コマンドを再発行します。

SMIT からの並行性制御の使用:

並行性制御属性には、「ソフトウェアのインストールおよび更新」メニューおよび「代替ディスクのインストール」メニューにある SMIT パネルからアクセスすることができます。

コマンド行からの並行性制御の使用:

concurrent および time_limit 属性は、 bos_inst、cust、および alt_disk_install 操作と関連付けて使用することができます。

例えば、bos.games ファイルセットをクライアント・グループ tmp_grp から一度に 5 台だけのマシンにインストールするには、次のコマンドを入力します。

nim -o cust -a lpp_source=lpp_source1 -a filesets=bos.games ¥-a concurrent=5 tmp_grp

この例で、lpp_source の lpp_source1、および SPOT の spot1 を使用して、 tmp_grp の内、10 クライアントだけを BOS インストールし、 3 時間経過後には他のインストールを許可しないようにするには、次のコマンドを入力します。

nim -o bos_inst -a lpp_source=lpp_source1 -a spot=spot1 ¥-a concurrent=10 -a time_limit=3 tmp_grp

注: 並行性制御操作により、次のいずれかのようにグループが完了することもあり、そのままの状態で残ることもあります。

v すべてのマシンが正常にインストールされる。

v いくつかのマシンはインストールに失敗する場合がある。

352 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v time_limit 属性を使用した場合は、インストール操作が完了する前に時間切れになることがある。

最初の状況では、グループは、操作前の状態に戻ります。2 番目および 3 番目の状況では、グループは、依然として、完了したマシンもあれば、完了しなかったマシンもあるということを示す状態になります。失敗したマシンの問題は、調査する必要があります。この時点では、ユーザーは、グループでコマンドを再実行することによって、完了しなかったマシンで処理を続行することができます。代わりに、ユーザーが、そのグループを「リセット」することもできます。これによりグループは並行性制御操作前の状態に戻ります。

その他の NIM 操作の実行ネットワーク・インストール管理 (NIM) 操作のうち、通常のインストール手順以外の部分について説明します。

NIM マスターの管理NIM マスターを管理するための作業について説明します。

注: NFS バージョン 4 は、NIM ではサポートされていません。NFS バージョン 4 について詳しくは、「ネットワークおよびコミュニケーションの管理」の『ネットワーク・ファイルシステム』を参照してください。

NIM マスターの活動停止と NIM マスター・ファイルセットの除去:

NIM マスター・ファイルセットがインストールされ、マスターが活動化されて、 NIM データベースにマスター・オブジェクトが定義されていると、このオブジェクトおよびマスター・ファイルセット自身は除去できません。 NIM マスター・ファイルセットを除去する前にマスターの活動を停止する必要があります。

Web-based System Manager を使用してマスターの活動を停止するには、 313ページの『NIM マスターの構成解除』を参照してください。

コマンド行を使用してマスターの活動を停止し、NIM マスター・ファイルセットを除去するには、次のように入力します。

nim -o unconfig masterinstallp -u bos.sysmgt.nim.master

NIM がリソースを NFS エクスポートできる宛先ホスト数の増加:

NIM がリソースを NFS エクスポートできる宛先ホスト数を増加するには、次の指示に従います。

デフォルトでは、NIM がリソース割り当て中に NFS を通してファイルまたはディレクトリーをエクスポートする場合、 NIM は /etc/exports ファイルの中にエントリーを作成して、クライアント・マウント・アクセスおよび root ユーザーへのルート・アクセスの両方がターゲット・ホストは可能になります。その結果、多数のクライアントに対してエクスポートすると、エクスポート・ファイルの 1 行の長さの制限(32767 文字) を超過して障害が発生することがあります。

NIM は、NFS エクスポート・ファイルの割り当てエントリーの行の長さを約半分にするオプションを提供して、ファイルがより多くのホストに効果的に割り当てられるようにします。このアクションには、NIM

マシン・グループで使用可能なマシン数を増やすという副次的な効果もあります。 NIM は、割り当てターゲット・ホストへのルート・アクセスを認可するだけで、これを実現します。すべてのマシンがリソースをマウントできるようにするクライアント・マウント・アクセス・リストは作成されませんが、 root アクセスは NIM クライアントだけに限定します。 NFS はルート・エクスポート・ファイル・エントリーに最高で 256 のホスト名を許可します。

インストールおよび移行 353

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この操作モードを使用可能にするには、マスターの NIM オブジェクトに関する restrict_nfs_exports 属性を no に設定します。次のように、change 操作を使用します。

nim -o change -a restrict_nfs_exports=no master

クライアント・マウント・アクセス制限を再び有効にするには、change 操作を使って restrict_nfs_exports属性を yes に設定します。

NIM リソースをグローバルにエクスポートする方法は、 360ページの『NIM リソースのグローバルなエクスポート』を参照してください。

NIM 操作の非同期動作の制御:

NIM 操作の中には非同期のものがあります。すなわち、NIM マスターはクライアントの操作の開始をするかもしれませんが、操作が終了するまでは待ちません。非同期に動作する理由は、クライアントの NIM 操作は一般的に時間がかかるためです。

非同期操作の一例を挙げると bos_inst 操作があります。同期操作の例としては単一のマシンをターゲットにした cust、 maint、および lppchk の操作があります。ただしこれらの操作がマシン・グループのメンバーに適用される場合は非同期になります。 nim コマンドはグループの各メンバーに対してこれらの操作を開始し操作の終了を待ちません。

必要に応じて、コマンド行で async 属性を設定することにより、cust、maint、および lppchk 操作の非同期動作を制御できます。例えば、NIM リソース script1 により識別されるカスタマイズ・スクリプトについて、グループ MacGrp1 のあるメンバーに対するそのスクリプトの実行が完了してから、同じグループの次のメンバーに対する実行が開始されるようにしたい場合は、次のように入力します。

nim -o cust -a script=script1 -a async=no MacGrp1

マシン・グループに含まれていないマシン Standalone1 に対してマスターがスクリプトを実行しているときに、カスタマイズ操作が完了するまでマスターが待たないようにするには、次のように入力します。

nim -o cust -a script=script1 -a async=yes Standalone1

NIM 操作からの出力抑止:

NIM 操作からの出力を抑止するには、次の指示に従います。

デフォルトでは、処理がどの程度残っているかをユーザーに通知するために、マシン・グループに対して実行中の nim コマンドから進行状況メッセージが表示されます。同様に、SPOT およびマシンに対する cust操作や maint 操作により呼び出されたインストール・プログラムおよびカスタマイズ・プログラムからの出力も表示されます。この出力は、コマンド行で show_progress 属性を no に設定すると抑制できます。例えば、マシン Standalone1 を lpp_source の images1 からのソフトウェアで更新する場合に、installpコマンドからの出力を表示しないように NIM に指示するには、次のコマンドを入力します。

nim -o cust -a show_progress=no -a lpp_source=images1 ¥-a fixes=update_all Standalone1

NIM リソースのスペース要件の緩和:

SPOT や lpp_source などのようなリソースが NIM サーバーで数百メガバイトのストレージを占めてしまうのは、珍しいことではありません。/usr SPOTs を作成し、CD-ROM ファイルシステム・ディレクトリーを lpp_sources として定義すると、リソース・サーバー上のスペースの使用量を大幅に減らすことができます。

354 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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/usr SPOT は、NIM マスターまたは任意の NIM クライアントの /usr ファイルシステムから作成できます。BOS 用の AIX システム・ファイルは既にインストールされているので、追加デバイス・サポート用のソフトウェアだけがシステムに追加されます。その結果、システムには最終的には実行に必要なものより多くのソフトウェアがインストールされることになりますが、この方法をとらずに非 /usr SPOT が同じシステムに作成された場合に比べて占有されるディスク・スペースははるかに少なくなります。/usr SPOTリソースの作成についての詳細は、 224ページの『SPOT (共用プロダクト・オブジェクト・ツリー) リソースの使用』 および 305ページの『/usr SPOT と非 /usr SPOT の定義』を参照してください。

AIX プロダクト CD のディレクトリーは、 lpp_source としてマウントできるので、インストール・イメージをリソース・サーバーのハード・ディスクにコピーする必要がありません。定義済みの lpp_source には、CD で使用可能なすべてのイメージが含まれていますが、 lpp_source を NIM 操作で使用できるようにするためには、 CD をサーバーにマウントしたままにしておく必要があります。 lpp_source としてCD-ROM ファイルシステムを使用する場合の詳細については、 308ページの『CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義』を参照してください。

NIM での複数 mksysb 操作のサポート取得:

NIM mksysb イメージの割り当て時は、ファイルのみが NFS クライアントにエクスポートされます。しかし mksysb 作成時は、親ディレクトリーもエクスポートされます。別のシステムがそのファイルシステムから mksysb イメージを復元しているときに、そのファイルシステムを使用してシステムの mksysb イメージを作成すると、NFS エラーになります。

この問題を回避するには、NIM マスターの環境変数 NIM_MKSYSB_SUBDIRS を使用します。この変数をyes に設定すると、サブディレクトリーが使用されて mksysb イメージが分離されます。このサブディレクトリーはユーザーには透過的ですが、NFS エクスポートのときの子のロケーションが別々になります。

システム・バックアップ情報の保管:

nim -o define -t mksysb コマンドを使用して mksysb NIM リソースを定義する場合、-amksysb_flags=xxx 属性に -p オプションを指定して、mksysb イメージが圧縮されないようにすることができます。

注: このシステム・バックアップが占有すると見込まれるスペースの量のために、mksysb ファイルが保管されるロケーション (-a location=xxx 属性で指定) で大容量ファイルが使用可能になっている必要があります。そうしないと、エラーが発生することがあります。

NIM でのホスト名の解決NIM は、標準 AIX ライブラリー・ルーチンに準拠してネーム・レゾリューションを実行します。ネットワーク環境でネーム・レゾリューション用に複数のソースを使用している場合、NIM は、システムに指定されている順序に従ってソースを照会することによってホスト名を解決します。

例えば最初に NIS、次に BIND/DNS、最後にローカル /etc/hosts ファイルを照会してホスト名を解決するようにシステムが構成されていればクライアント・ホスト名を解決する場合にも NIM はこの順序に従います。

ネーム・レゾリューションのためにソースを照会する順序が NIM マスターと NIM クライアントで異なっていると、問題が発生することがあります。またネーム・サービスがあるマシンでは使用でき別のマシンでは使用できない場合にも、異なるネーム・レゾリューション・ソースを使用しなければならなくなるため問題が発生することがあります。

インストールおよび移行 355

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注: 大文字小文字の区別が不要な BIND/DNS と大文字小文字の区別が必要な NIS が混在している場合も、問題の原因になります。

ホスト・ネーム・レゾリューションのためのソースの照会時に AIX および NIM が使用するデフォルトのシステム規模の順序は、オーバーライドできます。そのためには、NIM コマンドを実行する環境内でNSORDER 環境変数を設定します。例えば、最初に NIS、次に BIND/DNS、最後にローカル /etc/hosts

ファイルを照会するように構成するには、NIM 操作を実行する環境でコマンド行に次のように入力します。

export NSORDER=nis,bind,local

TCP/IP ネーム・レゾリューションの詳細については、「ネットワークおよびコミュニケーションの管理」を参照してください。

ルーターでの FDDI インターフェースのブートルーターが全経路ブロードキャスト通信をサポートする場合にのみ、FDDI インターフェースをルーターでブートします。

FDDI インターフェースでの全経路ブロードキャストをサポートしていないルーターでブートすると、このようなルーター・タイプの既知の制限があるため、ブートが失敗することがあります。

NIM による BOS インストール時のデフォルト・ページング・スペースの設定AIX 4.3 以降では、NIM を使用して BOS をインストールするときに、インストール・プロセスによってデフォルトのページング・スペースが設定されます。

デフォルトのページング・スペースは、以下の条件が満たされている場合、BOS のインストール・プロセスによって設定されます。

v インストール・メソッドが overwrite である。

v image_data リソースもディスケットの image.data ファイルもインストール用に指定されていない。

v BOS イメージのソースが mksysb イメージではない。

v BOS イメージのソースが SPOT で、デフォルトの image.data ファイルにページング用の複数のエントリーが入っている。このファイルは、次の場所に入っています。

(spot_location)/lpp/bosinst/image_template

v BOS イメージのソースが SPOT で、シングル・ページング・エントリーのための LP 値が、デフォルト値の 16 に設定されている。

デフォルト・ページ・サイズは、optimal_ps と recommended_ps の小さい方になります。この場合、

v RAM = ターゲット・システムのメモリー量 (メガバイト (MB))

v optimal_ps = RAM と (rootvg の 0.2 倍のサイズ) の大きい方

v CDE (共通デスクトップ環境) をインストールしている場合は、 recommended_ps = は次のようになります。

– RAM 量が 32 より小さければ、 recommended_ps = 3 * RAM

– RAM 量が 32 より大きければ、 recommended_ps = RAM + 64

v CDE (共通デスクトップ環境) をインストールしていない場合は、recommended_ps = は次のようになります。

– RAM 量が 32 より小さければ、 recommended_ps = 2 * RAM

– RAM 量が 32 より大きければ、 recommended_ps = RAM + 32

356 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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このプロセスが設定するデフォルト・ページング・スペースは、512 より大きくなることはありません。

ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントおよび NIM SPOT の移行ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントについては、AIX の新リリースへの移行はサポートされていません。また、変換済み /usr ファイルシステムではない SPOT の移行もサポートされていません。

SPOT サーバーであるマシンを AIX の新リリースに移行した後は、さらにそれを新規 AIX レベルにするために、SPOT を除去して再定義する必要があります。

SPOT を除去して再定義するには、次のように入力します。

nim -o remove SPOT_name

nim -o define -t spot -a location=SPOTDirectory ¥-a server=SPOTServer -a source=SPOTSource SPOTName

>NIM 環境でクライアントに担当されている /usr SPOT は、移行手順を使用すれば新規レベルの AIX で再インストールできますが、移行完了後に、必ず SPOT オブジェクトを除去して再定義する必要があります。そして、その SPOT のサービス対象のディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントは、すべて初期化し直す必要があります。 /usr SPOT サーバーを移行した後でディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントを再初期化するには、ルート・リソースを割り当て解除した後、再度割り当て、さらにクライアントのタイプに応じて dtls_init 操作または dkls_init 操作を実行します。

ディスクレスおよびデータレス・クライアントを再初期化するには、次のように入力します。

nim -o reset -F ClientNamenim -o deallocate -a root=RootResourceName ClientNamenim -o allocate -a root=RootResourceName ClientNamenim -o dkls_init ClientName

重要: ルート・リソースの割り当て解除するとルート・ディレクトリーのすべてのファイルが削除されるので、それまでに実行したカスタマイズはすべて消去されます。

nimdef コマンドの使用nimdef コマンドは、管理者が複雑な NIM 環境を定義したり多数のクライアント・マシンを追加する場合に便利です。

nimdef コマンドは、大規模な NIM 環境を定義する場合の一般的な使用可能度の問題も解決します。

NIM 環境について精通していても、NIM 環境を定義するためのコマンドをすべて実行するのは、非常に時間のかかる作業です。NIM 環境の構成のための単純な定義ファイルを NIM で処理できれば、個々のネットワークおよびマシンを手動で定義する場合に比べて大幅な時間の節約になります。

nimdef コマンドは、入力用の定義ファイルを読み取ります。その定義ファイルは構造化スタンザ・フォーマットです。各スタンザには NIM 環境に追加されるマシンを記述します。マシンのネットワーク・アダプターおよび経路指定構成についての情報もスタンザに組み込まれています。提供された情報に基づきnimdef コマンドは、ネットワークとマシンの両方を NIM 環境内に定義するために必要な残りの情報を判別します。

詳しくは、nimdef コマンドを参照してください。 nimdef コマンドのサンプル定義ファイルについては、365ページの『各種ネットワーク・インストール・ファイルの使用』を参照してください。

インストールおよび移行 357

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NIM オブジェクト定義の命名NIM オブジェクト名に付ける名前は、そのオブジェクトに関する今後のすべての操作で使用されます。この名前は、複数の NIM オブジェクトの間で固有であることが必要であり、以下の制約に従う必要があります。

v 名前は 1 から 39 文字です。

v NIM 名として有効な文字は、英字の大文字と小文字、数字の 0 から 9、ハイフン (-)、感嘆符 (!)、および下線文字 (_) です。

v NIM 名として無効な文字は、ドット文字のほか、すべてのシェル・メタキャラクター、ファイルシステム・メタキャラクター、および正規表現メタキャラクターです。

動的ホスト構成プロトコル (DHCP) との NIM の使用DHCP (動的ホスト構成プロトコル) を使用する環境で NIM を使用している場合は、 DHCP サーバーと同一システムである NIM マスターを選択します。

NIM マシン・オブジェクトを定義しているときは、できるだけホスト名を使用します。

DHCP サーバーは /etc/services ファイルを読み取って、受信要求に使用するポートを決定します。デフォルトのサービスは dhcps です。これは bootpd デーモンが使用するポートと同じなので、実行できるデーモンは 1 つだけ (dhcpsd または bootpd) です。dhcpsd デーモンを選択する場合は、/etc/inetd.conf ファイルの bootp をコメント化し、コマンド行に refresh -s inetd と入力する必要があります。

ルート・ディレクトリーへのファイル・リソースの作成NFS での制限により、 bosinst_data および script リソースのようなファイル・リソースをリソース・サーバーのルート・ディレクトリー (/) に作成できません。

/tmp ディレクトリーまたは /tmp サブディレクトリー内のリソースの作成NIM リソースは、/tmp ディレクトリーまたは /tmp サブディレクトリー (/tmp のもとでマウントされるファイルシステムを含む) 内で作成してはなりません。

NIM クライアント・リソースの割り当ての制限NIM では、クライアント・マシンは、NIM 環境内のあらゆるリソースを割り当てたり使用できます。厳密に制御された NIM 環境では、管理者にはクライアントがいつでもすべてのリソースにアクセスできることが必ずしも必要ではありません。

クライアント・リソースの割り当てを制御するために NIM 管理者は client_alloc 属性を使用できます。client_alloc 属性によって課される制限により、クライアントはリソースの割り当てや使用ができなくなりますが、NIM マスターは引き続きクライアントに対してあらゆる操作を実行できます。

注: この作業は、Web-based System Manager ではサポートされていません。

SMIT からの NIM クライアント・リソースの割り当ての制限:

SMIT を使用して NIM クライアントの割り当ての制限を変更するには、次の手順を実行します。

次の SMIT 高速パスを入力します。

smit nim_control_alloc

コマンド行からの NIM クライアント・リソースの割り当ての制限:

コマンド行を使用して NIM クライアント・リソースの割り当てを制限するには、次の手順を実行します。

358 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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すべてのクライアントがどのリソースも使用できないように制限するには、 NIM マスターに属性client_alloc=no を設定します。

nim -o change -a client_alloc=no master

特定のクライアントがどのリソースも使用できないように制限するには、そのクライアントに対して属性client_alloc=no を設定します。

nim -o change -a client_alloc=no clientname

すべてのクライアントが特定のリソースを使用できないように制限するには、そのリソースに対して属性client_alloc=no を設定します。

nim -o change -a client_alloc=no resourcename

クライアントとリソースの割り当てに対する制限を解除するためには、適用されるオブジェクトに対するclient_alloc 属性を yes に設定することにより、これを除去します。

nim -o change -a client_alloc=yes masternim -o change -a client_alloc=yes clientnamenim -o change -a client_alloc=yes resourcename

マシンが自分自身をクライアントとして追加することの防止マシンは、niminit コマンドを使用して NIM マスターのホスト名を指定することにより、自分自身を NIM

環境内のクライアントとして追加する場合があります。環境によっては、管理者がそれぞれのマスターのクライアントとして追加されるマシンを全体的に制御することが必要な場合があります。

クライアントが自分自身を NIM 環境に追加させないために、管理者は client_reg 属性を使用できます。

注: この作業は、Web-based System Manager ではサポートされていません。

SMIT からのマシンが自分自身をクライアントとして追加することの防止:

マシンが自分自身を NIM 環境内でクライアントとして追加できるようにするオプションを変更するには、次の情報を参照してください。

次の SMIT 高速パスを入力します。

smit nim_client_reg

コマンド行からのマシンが自分自身をクライアントとして追加することの防止:

マシンが自分自身を NIM 環境内のクライアントとして追加できるかどうかをコマンド行から設定するには、次の情報を参照してください。

マシンが自分自身を NIM 環境内のクライアントとして追加できないようにするためには、 NIM マスターに対して属性 client_reg=no を設定します。

nim -o change -a client_reg=no master

マシンが自分自身を NIM マスターのクライアントとして追加できるようにするには、 client_reg 属性にマスターで yes を設定して、この属性を除去します。

nim -o change -a client_reg=yes master

インストールおよび移行 359

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クライアント CPU ID の妥当性検査の管理NIM クライアントの CPU ID は、NIM データベースに格納されています。これは、NIM クライアント・コマンドが、クライアントとして登録されていたマシンから出されたものであることの妥当性検査を、マスターが実行できるようにするためです。

次の場合には、NIM 管理者はこの CPU ID 妥当性検査を実行しません。

v クライアント・マシンのハードウェアが変更され、クライアントに新しい CPU ID が指定される場合。

v 1 つのプリインストール・アセンブリー・ラインとして、各種マシンをインストールするのに単一のクライアント定義が使用されている場合。

v クライアント・マシンが Logical Partition Mobility (LPM) により移行され、クライアントに新しいハードウェアおよび CPU ID が指定される場合。

Web-based System Manager からのクライアント CPU ID の妥当性検査の管理:

次の情報を参照して、NIM アプリケーションから NIM クライアント CPU ID の妥当性検査を使用可能または使用不可にします。

NIM アプリケーションから NIM クライアント CPU ID 妥当性検査を使用可能にしたり、使用不可にするには、次のように行います。

1. NIM メニューから、「Advanced Configuration (詳細構成)」 → 「Control Client CPU ID Validation(クライアントの CPU ID 妥当性検査の制御)」を選択します。

2. ダイアログを使用して、作業を完了します。

SMIT からのクライアント CPU ID の妥当性検査の管理:

次の情報を参照して、SMIT インターフェースからクライアント CPU ID の妥当性検査を使用可能または使用不可にします。

次の SMIT 高速パスを入力します。

smit nim_cpuid_validate

コマンド行からのクライアント CPU ID の妥当性検査の管理:

クライアント CPU ID 妥当性検査は、validate_cpuid 属性を使用することにより、NIM マスターで管理できます。

クライアント CPU ID 妥当性検査を使用不可にするには、NIM マスターに対して属性 validate_cpuid=noを設定します。

nim -o change -a validate_cpuid=no master

クライアント CPU ID 妥当性検査を実行するには、validate_cpuid 属性を「yes」に設定することにより、その属性をマスターから除去します。

nim -o change -a validate_cpuid=yes master

重要: validate_cpuid 属性の値は、アクティブなマシンについてクライアント通信を中断する可能性があるため、 NIM クライアントに対して操作が実行されているときは、変更しないでください。

NIM リソースのグローバルなエクスポートNIM リソースは、Web-based System Manager、SMIT、またはコマンド行インターフェースを使用してグローバルにエクスポートすることができます。

360 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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NIM 操作時に使用するためにリソースを割り当てると、その操作が実行されるクライアント・マシンにとっては NFS エクスポートされた状態になります。操作が多数の異なるクライアント上で同時に実行された場合には、ファイル /etc/exports および /etc/xtab は、リソース・サーバー上で非常に大きくなることがあります。これにより、ファイルのサイズ制限を超過する可能性があり、リソースの割り当てまたは割り当て解除のたびにファイルがロック状態になり変更されるために、 NIM のパフォーマンスに悪影響を及ぼすこともあります。

NIM リソースへのアクセス権の所有者について管理者が関与していない環境では、管理者が、リソースをグローバルにエクスポートするオプションを設定することにより、ファイル /etc/exports および/etc/xtab に対する反復更新を取り消すことがあります。グローバルにエクスポートされないリソースは、ディスクレス・クライアントとデータレス・クライアントにより排他的に使用されるものだけです。 NIM

リソースをグローバルにエクスポートすると、NIM 環境内のネットワークだけでなく、ネットワーク内のどのマシンでも読み取れるようになります。リソースは、いずれかのクライアントに割り当てられている限りグローバルにエクスポートされます。リソースは、すべてのクライアントから割り当て解除された時点でアンエクスポートされます。

Web-based System Manager を使用する NIM リソースのグローバルなエクスポート:

Web-based System Manager を使用して NIM リソースをグローバルにエクスポートするには、次の情報を参照してください。

NIM アプリケーションからの NIM リソースのグローバルなエクスポートを使用可能にしたり、使用不可にするには、次のように行います。

1. NIM メニューから、「Advanced Configuration (詳細構成)」 → 「Export NIM Resources Globally(NIM リソースのグローバル・エクスポート)」を選択します。

2. ダイアログを使用して、作業を完了します。

SMIT を使用する NIM リソースのグローバルなエクスポート:

SMIT を使用して NIM リソースをグローバルにエクスポートするには、次の情報を参照してください。

SMIT インターフェースで NIM リソースのグローバルなエクスポートを管理するには、SMIT 高速パスを次のように入力します。

smit nim_global_export

コマンド行からの NIM リソースのグローバルなエクスポート:

クライアントが使用するための NIM リソースのグローバルなエクスポートは、 global_export 属性を使用して管理できます。

NIM リソースのグローバルなエクスポートを使用可能にするには、 NIM マスターに対して属性global_export=yes を設定します。

nim -o change -a global_export=yes master

NIM リソースのグローバルなエクスポートを使用不可にするには、属性 global_export を no に設定することにより、その属性をマスターから除去します。

nim -o change -a global_export=no master

クライアントにリソースを割り当てている間は、グローバルなエクスポートの使用可能化および使用不可化を変更しないでください。そのような変更を行うと、不正なアクセス権によりリソースがエクスポートされ

インストールおよび移行 361

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る状態となる可能性があります。 global_export 値の変更を試みる前に、すべての NIM 操作を完了し、リソースの割り当てを解除してください。クライアントにリソースを割り当てていると、nim コマンドによる global_export 値の変更は失敗します。

定義済みクライアントおよびネットワークのみをサポートするためのネットワーク・ブート・イメージの作成/tftpboot ディレクトリーにネットワーク・ブート・イメージを作成するには、Web-based System

Manager、SMIT、またはコマンド行インターフェースを使用します。

SPOT リソースが作成されるときに、ある種の NIM 操作をサポートするために、ネットワーク・ブート・イメージが /tftpboot ディレクトリーの中に作成されます。

NIM は定義されたクライアントとネットワークをサポートするために、単にネットワーク・ブート・イメージを作成するだけです。新しいクライアントが定義され、環境内でそれのためにネットワーク・ブート・イメージがまだ作成されていない場合、ブート・イメージを再作成するために SPOT がクライアントに割り当てられるか、 SPOT に対して check 操作が実行されるまで、ブート・イメージは作成されません。

クライアントが NIM 環境から除去されても、ブート・イメージは自動的に除去されません。 NIM 環境で不要になったブート・イメージを除去するには、環境内の必要なマシンとネットワークの組み合わせのリストを再作成する必要があります。ブート・イメージは、SPOT ごとに再作成する必要があります。

Web-based System Manager からの定義済みクライアントおよびネットワークのみをサポートするためのネットワーク・ブート・イメージの作成:

インターフェースが定義されているかどうかに応じてブート・イメージの作成を制限したり、あるいは使用可能にするには、次の手順を実行します。

1. NIM メニューから、「Advanced Configuration (詳細構成)」 → 「Control Network Boot ImageCreation (ネットワーク・ブート・イメージの作成の制御)」を選択します。

2. ダイアログを使用して、作業を完了します。

SMIT からの定義済みクライアントおよびネットワークのみをサポートするためのネットワーク・ブート・イメージの作成:

SMIT インターフェースでブート・イメージの作成を管理するには、次の方法を用います。

次の SMIT 高速パスを入力します。

smit nim_control_boot

コマンド行からの定義済みクライアントおよびネットワークをサポートするためのネットワーク・ブート・イメージの作成:

次の情報を参照して、定義済みクライアントおよびネットワークのみをサポートするために、ネットワーク・ブート・イメージを管理します。

NIM 環境内のネットワーク・ブート・イメージがサポートする必要のあるマシン・タイプとネットワークのリストを再作成するためには、if_discover=yes 属性を使用して NIM マスターに対して change 操作を実行します。

nim -o change -a if_discover=yes master

SPOT からネットワーク・ブート・イメージを再作成するためには、force オプションを使用して、check操作を実行します。

362 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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nim -Fo check spot_name

管理者が NIM に SPOT リソースからあらゆる可能なブート・イメージを常に作成させたい場合には、if_prebuild=yes 属性をマスターに対して指定できます。

nim -o change -a if_prebuild=yes master

NIM が環境に必要なブート・イメージだけを作成するように戻すには、 if_prebuild 属性を ″no″ に設定することにより、その属性をマスターから除去します。

nim -o change -a if_prebuild=no master

新規 AIX レベルの新しいデバイス・サポートを備えた SPOT の更新NIM SPOT は、 NIM cust 操作の update_all オプションを使用することによって、ある AIX レベルから別のレベルに更新することができます。

このプロセスは、現在のすべての SPOT を、インストール・メディア上の最新レベルのコードで更新します。ただし、このプロセスでは、新しいソフトウェア・パッケージやデバイス・ドライバーをインストール・メディアから自動的にインストールできません。

新しい AIX レベルに更新される NIM 環境内のマシンは、適用可能なデバイス・サポートが、ネットワークのブートとインストールをサポートできるように既存の NIM SPOT に更新されることを要求します。これは、SPOT が新規 AIX レベルに更新された後で行う必要があります。

新しいデバイス・サポートは、NIM の cust 操作を使用してインストールすることができます。このとき、使用したいデバイス固有のファイルセットを installp_bundle リソースに指定するか、または filesets属性を指定します。あるいは、インストール・メディア上のすべてのデバイスをインストールするために、ファイルセットの属性として devices と指定することもできます。 cust 操作の詳細については、 238ページの『NIM cust 操作の使用』を参照してください。

クライアント要求処理の調整大規模なインストール環境では、任意の場所の 20 から 150 のクライアント要求を同時にサポートするように、 NIM をスケーリングすることができます。 NIM のスケーリングは、nimesis デーモンのマルチスレッド・オプションを使用可能にすることによって、行われます。

マルチスレッド・オプションによって、クライアント情報の変更要求およびクライアントの状態変更の量を、さらに良く処理できるようになります。マルチスレッド・オプションを使用しないと、 NIM マスターが NIM データベースの活動やアクティブ・プロセス数によって過負荷になり、多数のクライアント・マシンの同時インストールが失敗する可能性があります。

マルチスレッドを指定した nimesis デーモンは、NIM クライアントの要求をシリアライズし、バッファーに入れて、パフォーマンスを大幅に低下させることなく、NIM マスターが過負荷になることを防ぎます。クライアント情報の変更の多くは、 NIM データベースに反映されないことを承知しておいてください。ただし、いずれかのクライアントの最も新しい情報の変更は、最終的には処理されます。失敗またはハングしたクライアントのデバッグが悪影響を受けることはありません。

このデーモンに割り当てられるスレッド数によって、その NIM 環境で同時にいくつの NIM クライアントを処理できるかが決まります。 NIM クライアント要求のほとんどは、高速に処理されるので、インストールされている各クライアントごとに 1 スレッドを持たせる必要はありません。ある NIM 環境で活動をサポートするのに必要なスレッド数は、いろいろな事項によって変わります。スレッド数を決定する際には、以下を考慮してください。

v 同時に操作されるクライアントの数

インストールおよび移行 363

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v NIM マスター・マシンの処理能力

v 予定されている操作のタイプ

一般的には、同時に BOS をインストールする 2 から 4 のクライアントを 1 つのスレッドがサポートします。例えば、 150 のマシンをインストールするときは、50 から 75 のスレッドで十分です。スレッド数は、 NIM マスター・マシンの処理能力に大きく左右されます。マスター・マシンが低速の場合はより多くのスレッドが必要になります。

小さな NIM 環境では、マルチスレッド・デーモンを使用可能にすることによって、使用されないマスターのシステム・リソースを独占させることができます。例えば、同時に 50 のマシンをインストールするとき、 20 から 25 までのスレッドまたはシングルスレッドのデーモンでも十分な場合があります。

注: マルチスレッド・オプションだけでは、より多くのマシンを同時にインストールできません。マルチスレッド・オプションと同時に、 NIM リソースのグローバル・エクスポート、NIM 環境全体に NIM リソースが行き渡っていること、大きなスループットを処理できるネットワーク環境が必要です。

SMIT からのクライアント要求処理の調整:

SMIT インターフェースからクライアント要求処理を調整することができます。

次の SMIT 高速パスを入力します。

smit nim_tune_nimesis

Web-based System Manager からのクライアント要求処理の調整:

Web-based System Manager を使用してクライアント要求処理を調整することができます。

NIM アプリケーションからクライアント要求処理を調整するには、次のようにします。

1. NIM メニューから、「Advanced Configuration (拡張構成)」 → 「Tune Client Request Processing (クライアント要求処理の調整)」を選択します。

2. ダイアログを使用して、作業を完了します。

コマンド行からのクライアント要求処理の調整:

コマンド行からクライアント要求処理を調整することができます。

クライアント要求処理を調整するために、max_nimesis_threads 属性を使用することができます。マルチスレッドの nimesis デーモンを使用可能にするには、NIM マスターで max_nimesis_threads 属性を設定します。

nim -o change -a max_nimesis_threads=value master

注: 上記の value 属性は、20 から 150 までです。

マルチスレッドの nimesis デーモンを使用不可にするには、NIM マスターで max_nimesis_threads 属性にnull 値を設定します。

nim -o change -a max_nimesis_threads="" master

364 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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仮想入出力イーサネット・アダプターによる IBM eServer p5 のネットワーク・インストールの実行仮想入出力イーサネット・アダプターで IBM eServer p5 パーティションにネットワーク・インストールを実行するには、NIM マスターが、パーティション・アダプターのデフォルトの仮想ローカル・エリア・ネットワーク (VLAN) からのパケットを受信するように構成されていなければなりません。

以下のいずれかの構成が存在していなければなりません。

v マスターに、パーティションのデフォルト VLAN からのパケットを受信するように構成された仮想入出力イーサネット・アダプターがある (マスターもパーティションの場合)。

v マスターのインターフェースとパーティションのデフォルト VLAN の間のパケットの経路を定めることができるゲートウェイがある。

v マスターに VLAN インターフェースがあり、この VLAN インターフェースは、パーティションのデフォルト VLAN からのパケットを入出力サーバーを介して受信するように構成された物理イーサネット・アダプターに関連付けられている (IBM eServer p5 に入出力サーバー・パーティションがある場合)。

ブロードキャスト bootp インストールを行う場合は、最初の構成か 3 番目の構成にする必要があります。VLAN の構成と使用について詳しくは、「TCP/IP ローカル・エリア・ネットワーク・アダプター・カード」を参照してください。

各種ネットワーク・インストール・ファイルの使用ネットワーク・インストールに関連する各種ファイルの使用について説明します。

カスタマイズ・スクリプトの使用次のカスタマイズ・スクリプトは、ターゲットの TCP/IP ドメイン名の解決および経路指定を構成します。

最新バージョンの AIX を実行するクライアントをインストールする場合は、resolv_conf リソースを使用する必要があります。

#!/bin/ksh CUSTOMIZING SCRIPT to set the hostname,# establish the nameserver and DNS domain name,# and configure the routing table for the# target standalone client

# Truncate the host name# if the host name is set to the fully qualified host name##NOTE: This procedure will NOT result in a truncated host name if#the bos installation operation is installing a mksysb image#(ie. -a source=mksysb) unless the bos_inst operation is#instructed not to configure the target as a NIM client upon#completion (ie. unless -a no_nim_client=yes is specified)#chdev -l inet0 -a hostname =$(/usr/bin/hostname | cut -d. -f1)# Set Name server and Domain Name

if [[ -f /etc/resolv.conf ]]then

/usr/sbin/namerslv -E '/etc/resolv.conf.sv'fi/usr/sbin/namerslv -a -i '9.101.1.70'/usr/sbin/namerslv -c 'enterprise.ca'

# Flush routing table and add default route

インストールおよび移行 365

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/etc/route -n -fodmdelete -o CuAt -q "name=inet0 and attribute=route"chdev -l inet0 -a route=net,,'0','9.101.1.70'

nimdef コマンドのサンプル定義ファイル次に示すのは、nimdef コマンドの定義ファイルの例です。

# Set default values.

default:machine_type = standalonesubnet_mask = 255.255.240.0gateway = gateway1network_type = tokring_speed = 16platform = rs6kmachine_group = all_machines

# Define the machine "lab1"# Take all defaults.

lab1:# Define the machine "lab2"# Take all defaults and specify 2 additional attributes.# The machine "lab2" uses IPL ROM emulation, and will be added to# the machine groups "all_machines" (by default) and "lab_machines".

lab2:ipl_rom_emulation = /dev/fd0machine_group = lab_machines

# Define the machine "lab3"# Take all defaults, but do not add the machine to the# default group.

lab3:machine_group=

# Define the machine "lab4"# Take all defaults, but do not add "lab4" to the default group# "all_machines".# Instead add it to the groups "lab_machines" and "new_machines".

lab4:machine_group =machine_group = lab_machinesmachine_group = new_machines

# Change the default "platform" attribute.

default:platform = rspc

# define the machine "test1"# Take all defaults and include a comment.

test1:comments = "This machine is a test machine."

証明書表示ファイルの使用以下は、OpenSSL 証明書の証明書表示スクリプトからの例です。

このスクリプトは、/usr/samples/nim/ssl ディレクトリーにあります。

366 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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このスクリプトは、openssl コマンドを使用して取得できるハッシュ、発行者、件名などの証明書情報を、ユーザーが表示できるようにするものです。このスクリプトは、ユーザーの必要性や設定に応じて変更することができます。

証明書の判読可能値をすべて出力する:

# certview certificate_names

証明書のハッシュ値を出力する:

# certview -h certificate_names

証明書の発行者値を出力する:

# certview -i certificate_name

証明書の件名値を出力する:

# certview -s certificate_name

証明書の件名、発行者、および終了日値を出力する:

# certview -I certificate_name

証明書パスワード・ロード・ファイルの使用以下は、NIM OpenSSL 証明書の証明書パスワード・ロード・ファイルからの例です。

このファイルは、/usr/samples/nim/ssl ディレクトリーにあります。このファイルは、NIM マスターのクライアント鍵の暗号化解除に必要なパスワードをユーザーが保管できるようにしたものです。指定するパスワードは、NIM SSL 構成時に NIM マスターのクライアント鍵の暗号化に使用されたパスワードと一致しなければなりません。

暗号鍵のパスワードを NIM 環境にロードする:

# certpasswd

暗号鍵のパスワードを NIM 環境からアンロードする:

# certpasswd -u

NIM マスターのクライアント鍵のみが、暗号化されたパスワードになります。NIM マスターのクライアント鍵のパスワード暗号化を行うには、以下のステップを実行します。

1. NIM マスターで /ssl_nimsh/configs/client.cnf 構成ファイルを編集します。

2. encrypt_key 変数を見つけて、その値を yes に変更します。

3. encrypt_key の下に output_password 変数を追加して、パスワードを指定します。output_password を指定しない場合、鍵生成時にパスワードのプロンプトが出されます。

4. 以下のコマンドを入力してください。

# make -f /usr/samples/nim/ssl/SSL_Makefile.mk client

5. 各 SSL クライアントで、nimclient -c コマンドを使用して新規 server.pem ファイルをコピーします。

6. certpasswd を使用してパスワードを NIM 環境にロードします。

正しいパスワードがロードされていない場合は、パスワード暗号鍵を使用すると、NIM コマンドは次のエラーで失敗することがあります。

0042-157 nconn: unable to access the "clientkey.pem" file

ロードされたパスワードは、アンロードされるまで、クライアント鍵暗号化解除に使用されます。

インストールおよび移行 367

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サンプル KDC サーバー定義ファイルサンプル・スクリプトを使用して、NFS V4 サーバーと同じシステム上に鍵配布センター (KDC) サーバーを作成して構成することができます。

このスクリプトは /usr/samples/nim/krb5 ディレクトリーにあります。このスクリプトは、ユーザーのニーズや設定に応じて変更できる単純な KDC 環境を作成する場合に便利です。

注: 始める前に、config_rpcsec_server スクリプトを見直してください。

config_rpcsec_server スクリプトは、次の操作を行います。

v システム・ユーザーを作成する (デフォルトは nim)

v 管理者とシステム・ユーザーのプリンシパルを作成する

v サーバーの NFS ホスト・キーを作成する

v レルムとドメイン間のマッピングを作成する

v KDC スリム・クライアントが使用する krb5 ファイルの tar イメージを作成する

v エクスポート・リストを改良する

v NFS サービスをリサイクルする

v NFS ファイルシステムとディレクトリーを再エクスポートする

デフォルト値を使用して単純な KDC 環境を作成するには、次のコマンドを入力します。

config_rpcsec_server

ユーザー・プリンシパルに nimadmin のシステム・ユーザー、kadmin プリンシパルに l0gin1 のパスワードを使用して KDC 環境を作成するには、次のコマンドを入力します。

config_rpcsec_server -p l0gin1 -u nimadmin

サンプル・スリム・クライアント定義ファイルサンプル・スクリプトを使用して、Kerberos スリム・クライアントの NIM クライアントを作成して構成することができます。

このスクリプトは /usr/samples/nim/krb5 ディレクトリーにあります。このスクリプトは、config_rpcsec_server スクリプトに定義された値を使用して単純な Kerberos スリム・クライアントを作成する場合に便利です。このスクリプトは、ユーザーの必要性や設定に応じて変更することができます。

注: 始める前に、config_rpcsec_client スクリプトを見直してください。

config_rpcsec_client スクリプトは、次の操作を行います。

v システム・ユーザーを作成する (デフォルトは nim)

このユーザーは KDC サーバーの既存のユーザー・プリンシパルと一致しなければなりません。

v NIM マスターからスリム・イメージを tftp でファイル転送する

NIM サーバーに tar イメージが必要です。

v kinit コマンドを使用してユーザー・プリンシパルを使用可能にする

このパスワードは KDC サーバーのユーザー・プリンシパルと一致しなければなりません。

368 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v NFS サービスをリサイクルする

デフォルト値を使用して単純な KDC スリム・クライアントを作成するには、次のコマンドを入力します。

config_rpcsec_client

ユーザー・プリンシパルに nimadmin のシステム・ユーザーを使用して単純な KDC スリム・クライアントを作成するには、次のコマンドを入力します。

config_rpcsec_client -u nimadmin

NIM エラー・メッセージと警告メッセージネットワーク・インストール管理 (NIM) のエラー・メッセージおよび警告メッセージと、特定の問題を解決するための推奨事項を示します。

注: 次の Web アドレスにアクセスして、インターネット上の インフォメーション・センターにあるメッセージ・センターから NIM エラー・メッセージ (メッセージ番号およびメッセージ・テキストのみ) の完全セットを見ることができます。

メッセージ・センター

(http://publib.boulder.ibm.com/infocenter/pseries/v5r3/topic/com.ibm.aix.messagecenter/messagecenter.htm)

NIM コマンドを実行してエラー条件を検出した場合、コマンドからエラー・メッセージが戻されます。NIM コマンドから警告メッセージが戻された場合は、NIM が重大でない問題を検出したこと、またはNIM が呼び出したコマンドの中で検出された問題の重大度を NIM がすぐに判別できないことを示しています。後者の場合、コマンドからの追加メッセージや追加出力によって、問題の性質が明らかになることがあります。

NIM のすべてのエラー・メッセージは 0042 で始まり、その後に 3 桁のエラー・コードが続きます。

注:

1. NIM コマンドの使用法についての説明が必要な場合は、パラメーターを指定せずに、またはパラメーターとして疑問符を指定して、そのコマンドを入力します (例えば、nim -?)。 . lsnim コマンドから追加情報を入手することもできます。 NIM のヘルプと使用法を表示する複数のオプションが表示されます。詳しくは、lsnim コマンドの -q、-O、および -P オプションを参照してください。また lsnim -p-a コマンドを使用すれば NIM のすべてのクラス、サブクラス、タイプ、および属性についての情報を表示できます。例えば属性の有効値のリストを表示するには次のように入力します。

lsnim -p -a AttributeName

2. 場合によっては、オブジェクトが特定の状態にあるために妨げられている nim 操作または nimclient操作を、 force オプション (-F フラグ) を使うことで実行できる場合があります。ただし、force オプションを使うと、本来は他の処置が完了した後で実行すべき操作を強制することになるために、NIM 環境の一部に好ましくない影響が出ることがあります。強制操作が妥当な処置かどうかを判別するには、force オプションを指定していないときに表示されるエラー・メッセージを使います。

3. 問題がソフトウェアの欠陥から起きていると思われる場合、またはここに示されている『ユーザーの処置』だけでは問題を解決できない場合は、販売店へ連絡してください。

本章でリストした各メッセージに関する説明は、次の方法で編成されています。

インストールおよび移行 369

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メッセージ コマンドから戻された警告メッセージまたはエラー・メッセージの ID 番号を示します説明 表示されたメッセージの原因と思われることを説明しますユーザーの処置 問題を解決するためのヒントです。

注: あるエラーまたは警告の『ユーザーの処置』で、lsnim コマンドを使用してリカバリーのヒントを参照するよう指示された場合、および NIM クライアントから操作を行っている場合は、提示された lsnim オプションの代わりに nimclient -l lsnimOperations を使用してください。

メッセージ 0042-001

説明 基礎となる NIM メソッド (サブコマンド) によってエラーが検出されました。このメッセージは NIM クライアントまたは NIM マスターのエラーの発生場所を説明しており、問題のトラブルシューティングに役立つ可能性があります。このエラーの後に表示されるメッセージは、通常、問題の真の発生源です。

ユーザーの処置 追加情報とエラー・メッセージを読み、該当する説明とリカバリーのヒントを参照します。

メッセージ 0042-002

説明 割り込みシグナルが受信されました。原因として、ユーザーが Ctrl-C を入力したか、NIM プロセスに対して kill コマンドを使用したことも考えられます。

ユーザーの処置 アクティブだった NIM 操作が割り込みを受けました。その操作を再度実行します。注: このエラーは、クライアント上で nimclient -o bos_inst 操作を実行した後に、該当の操作を行うと起きます。

メッセージ 0042-003 および 0042-004

説明 システム・コールからエラーが戻されました。ユーザーの処置 システム・コールが異常終了する原因となった条件をフィックスして、操作を再度実行します。

メッセージ 0042-005

説明 オブジェクト・データ・マネージャー (ODM) がエラーを戻しました。ユーザーの処置 エラーの詳細は、インフォメーション・センター Web ページにあるメッセージ・データベースを参照して

ください。 ODM の問題をフィックスし、NIM 操作を再度実行します。

メッセージ 0042-006

説明 発生頻度が少ない NIM エラーに使用される汎用エラー・メッセージ。ユーザーの処置 このエラー・メッセージに含まれる語句を構成するものは、デバッグ情報と、NIM から呼び出されたコマ

ンドが戻したメッセージです。メッセージの内容から障害の真の原因が分からない場合は、販売店へ連絡してください。

メッセージ 0042-007

説明 NIM の内部エラーが起きました。ユーザーの処置 操作を再試行します。

メッセージ 0042-008

説明 NIM がリモート・マシンとのソケット通信を確立しようとしましたが、接続を拒否されました。

370 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ユーザーの処置 障害を起こした操作がマスター上で実行された場合は、クライアント上にマスターの rsh 許可があるかどうか、またクライアント上で inetd がアクティブになっているかどうかを検査します。それらの点に問題がなければ、マスター上で nimesis デーモンがアクティブになっているかどうかを検査します。障害を起こした操作がクライアント上の niminit コマンドである場合は、クライアントのネットワークに対応するネットワーク・オブジェクトがマスターにないことが原因と考えられます。クライアントのネットワークを表すネットワーク・オブジェクトをマスター上のデータベースへ追加し、その後、マスターのネットワークからクライアントのネットワークへ至る経路を追加する必要があります。

nimclient コマンドを使ってクライアントから開始された操作の実行中、または基本オペレーティング・システムの NIM インストールの実行中にこの障害が発生した場合は、クライアントのマシン定義の cpuid 属性が現行のものでない可能性があります (例えば、マシンのシステム・プレーナーを最近交換した場合など)。この状況が生じないようにするには、マスターから次のコマンドを発行して、マシン定義から cpuid

を消去します。

nim -Fo change -a cpuid= ClientName

メッセージ 0042-011

説明 /etc/niminfo ファイルにアクセスできません。ユーザーの処置 niminfo ファイルは、すべての NIM コマンドおよびメソッドで必要なファイルです。このファイルは、

bos.sysmgt.nim.master および bos.sysmgt.nim.client の各パッケージの構成時に作成されます。このファイルが使用できない場合は、NIM パッケージがまだ初期化されていないか、このファイルが削除されたことを示しています。 niminfo ファイルを作成するには、マスター上で nimconfig コマンドを実行するか、またはクライアント上で niminit コマンドを実行します。削除された、または壊れた niminfo ファイルを再作成するには、マスターから次のように入力します。

nimconfig -r

または、クライアントから次のように入力します。

niminit -aname=ClientName -amaster=MasterHostName -amaster_port=MasterPortValue

メッセージ 0042-012

説明 マスターでのみ実行できるコマンドを指定した可能性があります。ユーザーの処置 実行したい操作を NIM マスターで実行します。

メッセージ 0042-013

説明 NIM データベースに同期アクセスするために使用するグローバル・ロックを獲得できませんでした。ユーザーの処置 操作を再試行してください。同じエラーが戻された場合は、アクティブな NIM コマンドが存在するかどう

かを検査します。これに該当する場合は /var/adm/nim/glock ファイルを除去し操作を再試行します。そのファイルが存在せずエラーが持続する場合は販売店へ連絡してください。

メッセージ 0042-014

説明 NIM の内部エラーが起きました。ユーザーの処置 その NIM オブジェクトに対して remove 操作を実行し、その後で適切な define 操作を実行します。

メッセージ 0042-015

説明 構文エラーが検出されました。ユーザーの処置 その NIM コマンドについて適切な man のページを参照し、有効な構文を使って再試行します。

メッセージ 0042-016

説明 無効なオプションが指定されました。ユーザーの処置 その NIM コマンドについて適切な man のページを参照し、有効な構文を使って再試行します。

メッセージ 0042-017

説明 オプションの引数に無効な値が指定されました。ユーザーの処置 その NIM コマンドについて適切な man のページを参照し、有効な構文を使って再試行します。

メッセージ 0042-018

説明 必須指定のオプションが指定されていません。

インストールおよび移行 371

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ユーザーの処置 その NIM コマンドについて適切な man のページを参照し、有効な構文を使って再試行します。

メッセージ 0042-019

説明 引数を必要とするオプションが、引数なしで指定されました。ユーザーの処置 その NIM コマンドについて適切な man のページを参照し、欠落している引数を指定して再試行します。

メッセージ 0042-20

説明 必要なオペランドが指定されていません。通常そのオペランドは操作の対象で NIM オブジェクト (つまりNIM 操作の対象であるネットワーク・オブジェクト、マシン・オブジェクト、あるいはリソース・オブジェクトの NIM 名) です。

ユーザーの処置 その NIM コマンドについて適切な man のページを参照し、有効な構文を使って再試行します。オペランドの名前がわからず、失敗した操作が既存の NIM オブジェクトをターゲットにしたものである場合は、次のように入力します。

lsnim -l -t ObjectType

または

lsnim -l

と入力し、オペランド名を判別します。

メッセージ 0042-021

説明 この操作には NIM 属性が必要です。ユーザーの処置 欠落している属性を指定します。失敗したコマンドが nim コマンドまたは nimclient コマンドの場合は、

マスターから次のように入力して、属性のリストを入手します。

lsnim -q ObjectName

または

lsnim -q -t ObjectType

または、クライアントから次のように入力します。

nimclient -l lsnimOptions

その他の NIM コマンドの場合は、適切な NIM man のページを参照してください。

メッセージ 0042-022

説明 受け入れ可能な値のバウンダリーを超えた値が指定されました。ユーザーの処置 受け入れ可能なバウンダリー内の値を指定します。

メッセージ 0042-023

説明 指定の値が、無効です。ユーザーの処置 有効な値を指定して、コマンドを再試行します。オブジェクトのクラスと、オブジェクトに関連した操作の

有効な値を判別するには、次のように入力します。

lsnim -Pc ObjectClass

および

lsnim -POc ObjectClass

ここで、ObjectClass は、マシン、ネットワーク、リソースのうちいずれかです。

メッセージ 0042-024

説明 無効な NIM オブジェクト型が指定されました。ユーザーの処置 有効な NIM オブジェクト型を指定します。有効なオブジェクト型を判別するには、エラー 023 の lsnim

オプションについてのユーザーの処置を参照してください。

メッセージ 0042-025

説明 指定の操作は指定の NIM オブジェクトには適用できません。ユーザーの処置 オブジェクトに適用できる操作を指定します。オブジェクトに適用できる有効な操作のリストを入手するに

は、lsnim -O ObjectName を入力します。

372 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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メッセージ 0042-027

説明 指定のオブジェクトには、指定の操作を完了するために必要な属性が欠落しています。ユーザーの処置 属性が欠落しているオブジェクトを再定義するため、remove 操作を実行し、続いて define 操作を実行しま

す。

メッセージ 0042-028 および 0042-029

説明 指定の情報は、現行コンテキストには指定できません。ユーザーの処置 問題の原因となった属性を指定せずに、操作を再試行します。

メッセージ 0042-030

説明 順序番号を使用できない属性に対して、順序番号がオープンされました。ユーザーの処置 問題の原因となった属性に対して順序番号を指定せずに、操作を再試行します。

メッセージ 0042-031

説明 NIM の内部エラーが起きました。NIM は、固有のオブジェクト ID を生成することができません。ユーザーの処置 操作を再試行します。

メッセージ 0042-032

説明 指定の属性値が固有ではありません。これは固有値である必要があります。ユーザーの処置 属性に固有な値を指定します。

メッセージ 0042-033

説明 指定の値が固有ではありません。これは固有値である必要があります。順序番号が付いている属性は固有な値である必要があります。

ユーザーの処置 固有な値を指定します。

メッセージ 0042-034

説明 指定の値が固有ではありません。これは固有値である必要があります。ユーザーの処置 固有な値を指定します。

メッセージ 0042-035

説明 指定の特性を持つ属性に NIM がアクセスしようとしましたが、その属性が存在しません。ユーザーの処置 その属性が存在することを確認してから、操作を再試行します。

メッセージ 0042-036

説明 指定のサーバーがスタンドアロン構成を備えていないため、リソースの define 操作が失敗しました。ユーザーの処置 スタンドアロン・マシンである NIM クライアントを使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-037

説明 指定のオブジェクトの NIM 状態が原因で、操作が続行できません。ユーザーの処置 NIM 状態は、NIM オブジェクト間の動作を同期化するために使用されます。求める操作を実行するには、

指定したオブジェクトの状態を変更しなければなりません。指定したオブジェクトが予期しない状態にある場合は、システムを調べて他のユーザーまたはプロセスがそのオブジェクトを操作していないかどうかを確認します。 reset 操作を使用して、オブジェクトを既知の状態に設定し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-038

説明 NIM の操作対象となるオブジェクトが既にロックされているため、操作を実行できません。ユーザーの処置 NIM オブジェクトのロックは、NIM オブジェクト間の動作を同期化させるために使用されます。ロックは

一時的なものなので、多少時間をずらして操作を再試行します。ロックの値は、そのロックを使用しているNIM プロセスのプロセス ID です。ロックが存続していて、アクティブな NIM コマンドがない場合は、nimesis デーモンを停止することによってすべての NIM ロックをリセットし、その後このデーモンを再始動します。

メッセージ 0042-039

説明 指定のオブジェクトのオペレーティング・システム・バージョン・レベルまたはリリース・レベルが、受け入れ不能です。

ユーザーの処置 適切なオペレーティング・システム・バージョンおよびリリース・レベルを持つオブジェクトに対して、希望の操作を実行します。

インストールおよび移行 373

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メッセージ 0042-040

説明 他の NIM オブジェクトで使用されているため、NIM オブジェクトは除去できませんでした。ユーザーの処置 remove 操作を指定する前に、除去したいオブジェクトに対する参照をすべて除去します。オブジェクトの

参照を除去できない NIM 状態のときに、そのオブジェクトを除去したい場合は、remove 操作に -F フラグを指定します。

メッセージ 0042-041

説明 指定された値は、既に NIM に対して定義されています。ユーザーの処置 NIM が認識していない値を指定します。

注: その値が /etc/niminfo であり、エラーを生成した NIM コマンドが niminit である場合は、niminit

が既に実行されたことを意味します。 NIM マスターまたは NIM クライアントを初期化し直す場合は、適切なファイルセットを撤去してから、NIM マスターまたは NIM クライアントのファイルセットを再インストールして再構成します。

メッセージ 0042-042

説明 マスターから ping コマンドを発行しても、指定のマシンに到達できませんでした。ユーザーの処置 実行しようとした操作でターゲット・マシンが稼働中であり到達可能であることが必要な場合はそのマシン

が現在稼働しているかどうかを検査します。稼働中でない場合はそれをオンにし稼働中である場合はネットワーク診断手順を実行してマスターがターゲット・マシンへ到達できない原因を判別します。

メッセージ 0042-043

説明 除去操作が実行できません。ターゲット・マシンは、現在、使用するために割り当てられた NIM リソースのサービスをしています。この時点で除去操作を実行すると、サービス対象のリソースを使用しているクライアントの処理に障害が生じる恐れがあります。

ユーザーの処置 マシンを除去するには、そのターゲット・マシンが運用を担当しているすべてのリソースを割り当て解除しておく必要があります。

メッセージ 0042-044

説明 NIM 属性を指定しましたが、それに伴う値を指定しませんでした。ほとんどの NIM 属性は、attr=value のフォーマットで値を割り当てて、指定します。

ユーザーの処置 指定の属性に値を割り当てて、操作を再試行します。

メッセージ 0042-045

説明 一部の NIM 属性はオブジェクトの定義に 2 回以上追加できます。その場合そのタイプの属性を 1 つ 1

つ固有に識別するために順序番号が使用されます。このメッセージの場合タイプの属性は指定されましたが必要な順序番号が指定されなかったためにどの属性をユーザーが指定しようとしているのか NIM が判別できませんでした。

ユーザーの処置 順序番号を検査し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-046

説明 NIM が、指定のファイルに対する操作を実行できませんでした。これは、ファイルの許可が原因です。通常、ファイルにはルートの読み取り許可や書き込み許可、あるいは実行許可が必要です。

ユーザーの処置 指定のファイルの許可を変更して、操作を再度試みます。

メッセージ 0042-047

説明 一部の NIM リソース・タイプは、特定のマシン・タイプでしか使用できません。このメッセージの場合、使用できないタイプのマシンに NIM リソースが割り当てられました。

ユーザーの処置 ターゲット・マシン用に割り当てを行う場合は、そのマシンが使用できるリソース・タイプを指定します。

有効なリソース・タイプを判別するには、次のように入力します。

lsnim -p -s ResourceSubclassForMachineType

使用できるサブクラスを表示するには、lsnim -p -S を入力します。

メッセージ 0042-048

374 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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説明 リソースの割り当てを要求されると NIM は指定のクライアントがそのリソースのサーバーと通信できるかどうかを検査します。これはクライアントの 1 次インターフェースの接続先ネットワークと、サーバーのすべての接続先ネットワークとの間の NIM 経路指定を調べることによって行われます。このメッセージの場合、クライアントとサーバーの間に NIM 経路がありません。

ユーザーの処置 クライアントとサーバーの間に NIM 経路を確立するか、または別のリソースを選択して割り当てます。

メッセージ 0042-049

説明 このタイプのリソースはクライアントに 1 つしか割り当てることができませんが、既に 1 つが割り当てられています。

ユーザーの処置 新しいリソースを使用する場合は、使用したいリソースを選択し、現在割り当てられているリソースの割り当てを解除します。

メッセージ 0042-051

説明 NIM で、ホスト名から IP アドレスを得ること、またはその逆ができませんでした。ユーザーの処置 NIM 環境で使用するすべてのホスト名は、解決可能でなければなりません。指定されたホスト名が解決可

能なように、適切なネットワーク管理作業を行い、操作を再試行してください。

メッセージ 0042-052

説明 NIM 環境からの除去を要求したマシンに、まだ 1 つ以上の NIM リソースが割り当てられています。マシンを除去するには、リソースが割り当てられていない状態にしなければなりません。

ユーザーの処置 ターゲット・マシンに割り当てられているすべてのリソースを割り当て解除して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-053

説明 現在 NIM 環境に存在しない NIM オブジェクトの名前を指定しました。NIM では、NIM で定義されているオブジェクトだけが操作されます。

ユーザーの処置 オブジェクト名を正しく入力したかどうか、またそのオブジェクトが定義されているかどうかを検査します。NIM 操作に使用するターゲット・マシン名は、ホスト名でなく NIM 名でなければなりません。次のように入力します。

lsnim -l -t ObjectType

または

lsnim -l

これによって、現在 NIM 環境内で定義されているオブジェクトのリストが入手できます。オブジェクトを定義する必要がある場合は、define 操作を使用します。

メッセージ 0042-055

説明 多くの NIM 操作では、インストール可能イメージのソースが必要です。指定したソースは、この操作には使用できません。NIM 操作に有効なソースは、例えば次のとおりです。

v lpp_source 定義の場合は、/dev/rmt0 および /dev/cd1

v bos_inst 操作の場合は rte、spot、mksysbユーザーの処置 操作に使用できるソースを使って、操作を再試行します。

メッセージ 0042-056

説明 同じ属性割り当てを 2 回以上指定しました。ユーザーの処置 属性割り当てのインスタンスを 1 つだけ使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-058

説明 SPOT ではサポートされない 1 次ネットワーク・インターフェース・タイプまたはプラットフォームを持つクライアントに、SPOT を割り当てようとしました。クライアントで SPOT を使用するためには、そのクライアントの 1 次インターフェースのネットワーク・インターフェース・タイプおよびプラットフォームが SPOT でサポートされている必要があります。

ユーザーの処置 SPOT に適切なデバイス・サポートをインストールして、その SPOT がクライアントの 1 次インターフェース・タイプとプラットフォームをサポートできるようにします。またはクライアントの 1 次インターフェース・タイプとプラットフォームをサポートしている別の SPOT を選択します。

メッセージ 0042-059

インストールおよび移行 375

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説明 属性割り当て (attr=value のフォーマット) において、指定の value が表す NIM オブジェクトの型が指定の attr のオブジェクト型と矛盾しています。

ユーザーの処置 value が表すオブジェクトの型に対応する attr を使用して操作を再試行します。

メッセージ 0042-060

説明 1 回しか指定できない属性に、複数の属性割り当てを指定しました。ユーザーの処置 属性のインスタンスを 1 つだけ使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-061

説明 現在クライアント用に割り当てられている NIM リソース・オブジェクトに対し、操作の実行を要求しました。クライアント・リソースの使用が中断される可能性があるため、NIM ではその操作は実行されません。

ユーザーの処置 そのリソースがクライアント用に割り当てられていないときに、操作を再試行します。必要であれば、force

(強制) オプション (-F フラグ) を使用して、 NIM の予防チェックを無効にします。このオプションを使用すれば、NIM は操作を実行できる場合もあります。

メッセージ 0042-062

説明 操作対象となった NIM オブジェクトに、定義を完成させるために必要な何かが欠落しています。ユーザーの処置 lsnim コマンドを使用して、オブジェクトに関する情報をリストします。オブジェクトの定義に欠落してい

る項目は、欠落属性で表されます。欠落している項目をオブジェクト定義に追加する適切な NIM 操作を実行します。 SPOT の場合、ネットワーク・ブート・イメージが欠落していれば、 check 操作を SPOT に対して適用します。ソフトウェア・ファイルセットが SPOT から欠落している場合は、必要なファイルセットが入っている lpp_source を割り当て、cust 操作を SPOT に適用します。

メッセージ 0042-063

説明 一部の NIM 操作では、正常に完了するためには 1 つ以上の NIM リソースにアクセスすることが必要です。このアクセス権は、allocate 操作によって付与されます。このメッセージの場合、操作に必要なリソースの一部が割り当てられていませんでした。

ユーザーの処置 必要なリソースをすべて割り当ててから、操作を再試行します。操作に必要なリソースとオプションのリソースのリストを得るには、次のように入力します。

lsnim -q Operation ObjectName

または

lsnim -q Operation -t ObjectType

メッセージ 0042-064

説明 要求した操作のターゲットのマシンは、現在、クライアントが使用するために割り当てられた NIM リソースのサービスをします。要求した操作は、ターゲットがサービスを行うすべてのリソースを使用できるよう、割り当て解除されるまで実行できません。

ユーザーの処置 ターゲットの運用対象のすべてのリソースを割り当て解除し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-065

説明 NIM の内部使用専用に予約されている名前を指定しました。ユーザーの処置 別の名前を使用して操作を再試行します。どの名前が予約済みであるのかを判別するには、次のように入力

します。

lsnim -a reserved

メッセージ 0042-066

説明 NIM オブジェクト名に使用できない 1 つ以上の文字を指定しました。NIM は多くの操作に正規表現を使用するので、正規表現として特殊な意味を持つ文字 (例えば ^) は使用できません。また、シェルに対して特殊な意味を持つ文字 (例えば /) も使用できません。

ユーザーの処置 有効な文字を使用して操作を再試行します。

メッセージ 0042-067

説明 NIM の内部使用専用に予約されている NIM オブジェクトに対する操作の実行を要求しました。ユーザーの処置 予約されていない NIM オブジェクトを使用して、操作を再試行します。どのオブジェクトが予約済みであ

るのかを判別するには、次のように入力します。

lsnim -a reserved

376 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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メッセージ 0042-069

説明 要求した操作はターゲットの現在の NIM 状態と矛盾するため、この時点では実行できません。NIM では操作が互いに妨害しあわないよう状態を用いて NIM のアクティビティーが同期化されます。

ユーザーの処置 状態が変化した時点で操作を再試行するか、または、必要であれば、force (強制) オプション (-F フラグ)

を使用します。このオプションを使用すると、NIM は状態の検査をオーバーライドできる場合もあります。

reset 操作を使用して、「NIM 操作可能」の状態が誤って示されたクライアントからブート・リソースを除去しようとした結果として、このエラーが検出された場合は、次のように入力すれば、そのブート・リソースを NIM マスターから除去できます。

/usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods/m_dealloc_boot client_name

ここで、client_name は、クライアントの NIM オブジェクトの名前です。

メッセージ 0042-073

説明 マシンのカスタマイズを行うために NIM ではターゲットで実行するシェル・スクリプトが作成されます。このスクリプトを作成するにはカスタマイズに使用できるリソース・タイプの一部を使用します。このメッセージの場合カスタマイズに使用されるターゲットにリソースが割り当てられていないために NIM でカスタマイズ・スクリプトが作成されませんでした。

ユーザーの処置 カスタマイズに使用できる 1 つ以上のリソースを割り当て、操作を再試行します。カスタマイズに使用できるリソースのサブクラスを表示するには、次のように入力します。

lsnim -p -s cust_res

メッセージ 0042-074

説明 value が相対パス名を表す属性割り当てを指定しました。NIM では絶対パス名 (つまり、/ で始まるパス名)

だけが使用できます。ユーザーの処置 絶対パス名を使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-075

説明 要求した操作ではマシン用にエクスポートされた NIM リソースが必要です。このメッセージの場合 NIM

ではリソースのエクスポートが行われましたが NFS ユーティリティーがエラーを戻しました。ユーザーの処置 NFS ユーティリティーから報告されたエラー状態をフィックスし、操作を再試行します。

メッセージ 0042-076

説明 既に使用中のポート番号を指定しました。ユーザーの処置 現在使用されていないポート番号を使用して、操作を再試行します。/etc/services ファイルを調べます。

注: NIM では指定されたポート番号とその次の番号の両方が使用されます。したがって、指定したポート番号の後のポート番号も未使用であることを確認してください。

メッセージ 0042-077

説明 niminit コマンドは、NIM 環境に結合するために使用されます。このコマンドを実行すると、クライアントが NIM 環境へ加わる必要があると NIM マスターで判別された経路指定情報が追加されます。このメッセージの場合、必要な経路を追加できませんでした。

ユーザーの処置 経路を追加できなかった理由を判別するため、適切なネットワーク診断作業を実行します。

メッセージ 0042-078

説明 NIM 経路指定属性の変更を指定しましたが、宛先のネットワークが現行値と異なっています。変更できるのは経路指定属性のゲートウェイ・フィールドだけなので、この指定は実行できません。

ユーザーの処置 NIM ネットワーク間の接続性を変更する場合は、適切な経路指定属性に NULL 値を指定して現在の NIM

経路を除去する必要があります。除去しない場合は、経路指定属性のゲートウェイ・フィールドを変更するときに、同じ宛先ネットワークを指定します。

メッセージ 0042-079

説明 NIM 環境では、あるリソースが別のリソースの情報に依存する場合があります。このメッセージの場合、割り当て解除用に指定したリソースに、何かの割り当て済みリソースが依存しています。

ユーザーの処置 エラーの原因となったリソースに依存しているリソースを割り当て解除します。

インストールおよび移行 377

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メッセージ 0042-081

説明 NIM は、NFS を使用して、クライアントがリモート・リソースを使用できるようにします。 NIM ではNFS エクスポート・エラーを避けるため定義するリソースに制限を課しています。既に NIM リソースとなっているディレクトリーの中には、一般に NIM リソースは定義されません。つまり既存の NIM リソースが既に入っているディレクトリーについて NIM リソースを定義できません。

ユーザーの処置 NIM エクスポート規則に従った位置にリソースを移動し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-083

説明 個々のネットワーク通信アダプターには、固有のネットワーク・ハードウェア・アドレスが関連付けられています。このメッセージの場合、NIM マシン・オブジェクトが既に使用中のネットワーク・ハードウェア・アドレスを使用して NIM ネットワーク・インターフェースを定義しようとしました。

ユーザーの処置 クライアントが装備しているネットワーク通信アダプターには、1 つのアダプターにつき 1 つだけ NIM

インターフェース属性が定義できます。別のインターフェース定義を追加する場合は、ハードウェア・アドレスが正しいかどうかを検査します。正しい場合は、まずそのアドレスを現在使用しているインターフェース属性を変更します。アドレスが正しくない場合は、正しいハードウェア・アドレスを指定して操作を再試行します。

メッセージ 0042-084

説明 マシンは既に NIM マスターとして構成済みです。ユーザーの処置 マシンを NIM マスターとして再構成するには、nim -o unconfig master を入力し、その後でマスター・

ファイルセットを撤去して再インストールします。その後、nimconfig コマンドを実行できます。

メッセージ 0042-086

説明 既に NIM 経路が存在する 2 つのネットワーク間に、NIM 経路を追加しようとしました。2 つの NIM ネットワーク間に指定できる NIM 経路は 1 つだけです。

ユーザーの処置 NIM 経路指定を変更する場合は、既存の NIM 経路を削除してから操作を再試行します。

メッセージ 0042-093

説明 NIM でディレクトリーを作成しようとしましたが、mkdir コマンドからエラーが戻されました。ユーザーの処置 mkdir コマンドから報告されたエラーをフィックスし、操作を再試行します。

メッセージ 0042-109

説明 要求した操作を NIM で実行するには 1 つ以上のファイルシステムに関するファイル情報が必要ですが、必要な情報を入手できませんでした。

ユーザーの処置 ファイルシステムが存在するかどうかを検査します。存在しない場合は、正しいパス名を指定して NIM 操作を実行するか、関連するすべてのファイルシステムが存在するように NIM 環境を再定義します。

メッセージ 0042-111

説明 NIM 属性に順序番号を指定する場合、その順序番号は特定の範囲内に入っていなければなりません。範囲外の順序番号が指定されました。

ユーザーの処置 受け入れ可能なバウンダリー内の順序番号を使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-113

説明 要求した操作を完了するには、1 つ以上のオブジェクトのサイズに関する情報が必要ですが、NIM ではそれらの情報を判別できませんでした。

ユーザーの処置 該当オブジェクトが、存在しないファイルまたはディレクトリーの場合は、そのファイルまたはディレクトリーを作成して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-118

説明 NIM ネットワーク特性の変更を要求しましたが、現在そのネットワーク上に 1 つ以上のアクティブな NIM

操作が存在します。この時点でネットワーク特性を変更すると、それらのアクティブな操作が異常終了する恐れがあるため、NIM は変更を許可しません。

ユーザーの処置 変更するネットワークを使用しているマシンに割り当てられた NIM リソースが割り当て解除されるまで待ち、操作を再試行します。

メッセージ 0042-121

説明 無効な値が指定されました。ユーザーの処置 有効な値を使用して、操作を再試行します。

378 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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メッセージ 0042-124

説明 サポートされていない NFS オプションが指定されました。ユーザーの処置 有効な NFS オプションを使用して、操作を再試行します。「ネットワークおよびコミュニケーションの管

理」の『NFS の問題判別』を参照してください。

メッセージ 0042-129

説明 この操作には無効なリソース・タイプが指定されました。ユーザーの処置 lsnim -q Operation -t TargetType コマンドを使用して Operation を TargetType に適用する場合の必須リソ

ースとオプション・リソースのリストを表示します。

メッセージ 0042-130

説明 この要求した操作には使用できない属性を指定しました。ユーザーの処置 指定した属性を使用せずに、操作を再試行します。

メッセージ 0042-131

説明 相互に矛盾する 2 つ以上の属性を指定しました。ユーザーの処置 属性のいずれか 1 つだけ使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-132

説明 操作を実行中のコンテキストでは無効な value を属性割り当てに指定しました。ユーザーの処置 属性割り当てに別の value を使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-133

説明 NIM リソース・オブジェクトの削除を要求しましたが、そのオブジェクトにより表される物理エンティティーを削除できませんでした。

ユーザーの処置 rm コマンドを使用して、ファイルまたはディレクトリーを削除します。

メッセージ 0042-134

説明 要求した操作には、ネットワーク・ブート・イメージを使用して、指定のターゲットをリブートすることが必要です。NIM ではターゲットで実行できるように自動的に環境が初期化されましたが、ターゲットにネットワーク・ブート・イメージをロードさせることはできませんでした。

ユーザーの処置 ターゲットで介入が必要です。 BOOTP 要求を開始する手順に従ってください。

メッセージ 0042-135

説明 クライアントから、またはマスター上で開始できる NIM 操作を同期化するために、クライアントに最初のリソースを割り当てるために使用されたマシンがどれか (クライアントかマスターか) を、NIM が記録します。このマシンを制御権を持つマシンと呼びます。例えば、最初のリソース割り当てがクライアントから発生した場合は、そのクライアントに制御権があります。制御権を持つマシンには、そのクライアント用のすべてのリソースが割り当て解除されるまで制御権が存在し続けます。操作をあるマシンから実行するよう要求しましたが、そのマシンには現在指定されたターゲットに対する制御権がありません。

ユーザーの処置 そのターゲットに対する制御権を持つマシンから必要な操作を実行するか、制御側のマシンからリソースの割り当てを解除する (制御権を除去するため) か、あるいは、マスターからの操作の実行時に force (強制)

オプション (-F フラグ) を使用してこの動作を指定変更します。

メッセージ 0042-136

説明 要求した操作に関与する 2 台のマシン間に NIM 経路が存在しないため、その操作を実行できません。ユーザーの処置 ネットワーク間に NIM 経路を確立します。

メッセージ 0042-137

説明 /etc/niminfo ファイルには、すべての NIM コマンドに必要な、NIM 環境に関する情報が入っています。この場合、操作の続行に必要な何らかの情報が /etc/niminfo ファイルから欠落しています。これは、ファイルが壊れていることを示します。

ユーザーの処置 NIM 環境を初期化し直します。

メッセージ 0042-138

説明 rhost ファイルを更新できません。ユーザーの処置 クライアント・マシンのルート用の $HOME/.rhosts ファイルを編集して、NIM マスターのホスト名のエン

トリーを追加します。

インストールおよび移行 379

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メッセージ 0042-139

説明 マシンをインストールするプロセスで、接続されているディスクがインストール可能イメージのソースとして使用できません。インストール操作のターゲットへ、ターゲット自体がサーバーとなるリソースが割り当てられました。

ユーザーの処置 そのリソースの割り当てを解除し、別のマシンがサーバーとなっている同じタイプの別のリソースを割り当て、操作を再試行します。

メッセージ 0042-140

説明 NIM 環境からマシン・オブジェクトを除去するよう要求し、その要求は実行されましたが、NIM 環境から除去されたマシン上の /etc/niminfo ファイルが除去できませんでした。

ユーザーの処置 NIM 環境から除去されたマシンから /etc/niminfo ファイルを除去します。注: マスター用の .rhost 許可がクライアントから除去されたかどうかを検査します。

メッセージ 0042-141

説明 属性に NULL 値を割り当てて指定の attr を除去するよう NIM に要求しました。しかしこのメッセージの場合指定の attr は、指定のオブジェクトの定義に現在含まれていません。

ユーザーの処置 オブジェクトの定義に含まれている属性を使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-142

説明 すべての属性値は固有である必要があります。属性割り当ての value に、既存の値を指定しました。ユーザーの処置 属性に固有の value を使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-143

説明 一部の NIM 属性は、オブジェクトの定義に 1 回しか追加できません。このメッセージの場合、そのようなタイプの属性を指定しましたが、その属性は既に指定したオブジェクトに存在します。

ユーザーの処置 このタイプの属性は、オブジェクトの定義の中で 1 つだけ使用できます。現行値を新しい値に変更する場合は、そのオブジェクトに変更操作を行います。

メッセージ 0042-144

説明 一部の NIM 属性には、NIM が同じタイプの複数の属性を区別できるように、固有の順序番号が必要です。このメッセージの場合、既に使用されている順序番号を指定しました。

ユーザーの処置 現在使用されていない順序番号を使用して、操作を再試行します。使用されている順序番号を表示するには、次のように入力します。

lsnim -a AttributeName ObjectName

メッセージ 0042-145

説明 NIM 環境に存在しない属性を指定しました。ユーザーの処置 有効な NIM 属性を使用して、操作を再試行します。有効な属性名のリストを表示するには、次のように入

力します。

lsnim -p -s info_subclass

メッセージ 0042-146

説明 NIM 環境に存在しないオブジェクト型を指定しました。ユーザーの処置 有効な NIM オブジェクト型を使用して、操作を再試行します。 NIM マスターで、lsnim コマンドを使用

して有効な NIM オブジェクト型を表示できます。

メッセージ 0042-147

説明 NIM クライアントでしか実行できない NIM コマンドを NIM マスターで実行しようとしました。ユーザーの処置 NIM クライアントでコマンドを実行します。

メッセージ 0042-148

説明 指定の属性に含まれている情報が、有効な情報ではなくなっています。ユーザーの処置 属性内の情報を変更して有効な情報を反映させてから、操作を再試行します。

メッセージ 0042-150

380 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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説明 NIM リソースを格納するために使用されるディレクトリーは、それらのリソースのサーバー・マシンにとってローカルでなければなりません。これは、NIM が NFS エクスポートできるのはローカル・ディレクトリーだけなので必須事項です。このメッセージの場合、指定したディレクトリーは、そのディレクトリーの指定されたサーバーにローカルなディレクトリーではありません。 NIM は、この情報を指定されたサーバーのファイルシステムから入手しました。リストされる vfstype は、/usr/include/sys/vmount.h ファイル内の値に対応しています。

ユーザーの処置 求めるリソースを指定されたサーバーへコピーして操作を再度実行するか、操作を実行するときに正しいサーバーを指定します。

メッセージ 0042-151

説明 NIM が使用するファイルは、特定タイプのファイルでなければなりません。このメッセージの場合、NIM

で使用できないタイプのファイルが指定されました。NIM は、この情報をそのファイルの指定されたサーバーのファイルシステムから入手しました。ファイル・タイプは、/usr/include/sys/mode.h ファイル内の値に対応しています。

ユーザーの処置 ファイルのファイル・タイプを変更して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-152

説明 SPOT に対して installp 操作を実行する場合、その SPOT を使用するすべてのディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントのルート・ディレクトリーは、SPOT 内部で行われた変更と同期化されている必要があります。このメッセージの場合、ルート・ディレクトリーに対する root sync 操作を実行したときに、1 つ以上のエラーが起きました。

ユーザーの処置 root sync の一部でエラーが起きた理由を調べて、操作を再度実行します。クライアント・ルートのnim.installp ログは、RootResrcParentDir/ClientName/var/adm/ras にあります。

メッセージ 0042-153

説明 NIM がファイルを使用するためには、そのファイルに特定のファイル許可が必要です。このメッセージの場合、NIM で必要な許可と矛盾するファイルが指定されました。NIM は、この情報をそのファイルの指定されたサーバーのファイルシステムから入手しました。ファイル許可の値は、/usr/include/sys/mode.h ファイルから得られたものです。

ユーザーの処置 そのファイルのファイル許可を変更し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-154

説明 NIM がファイルを使用するためには、そのファイルが存在しなければなりません。指定したファイルは存在しません。

ユーザーの処置 ファイルを作成して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-155

説明 NIM でディスクレスおよびデータレスのルート・ディレクトリーとそれに対応する SPOT との同期を保つには、クライアントのルート・ディレクトリーと、対応する SPOT が、同じマシンによって運用されていなければなりません。このメッセージの場合、割り当てリソースに、要件に合わないリソースを要求したことを意味します。

ユーザーの処置 NIM の要件に違反しないリソースを使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-156

説明 存在しないディレクトリーの操作を実行するよう要求しました。ユーザーの処置 欠落しているディレクトリーを作成し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-157

説明 必要なファイルにアクセスできなかったために、要求した操作が実行できませんでした。

インストールおよび移行 381

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ユーザーの処置 欠落ファイルを作成し、操作を再試行します。以下に例を挙げます。

v 欠落ファイルが SpotName.NetworkInterface.Platform というフォーマットの名前 (例えば myspot.tok.up)

を持つブート・イメージである場合は、 SPOT に対するチェック操作を実行することによって、そのブート・イメージを再作成します。

v 欠落ファイルが root リソースまたは paging リソースに関連付けられているディレクトリーの場合は、remove 操作を使ってリソース定義を削除し、ディレクトリーを作成した後で、リソースを再定義します。

v SPOT の image.template ファイルが欠落している場合、それは SPOT が壊れているか正常に作成されなかったことを意味します。リカバリーするには SPOT を remove 操作で除去し、その後で define 操作で再作成する必要があります。

メッセージ 0042-158

説明 要求した操作では、NIM でファイルを修正する必要がありますが、そのファイルは正しく修正されませんでした。

ユーザーの処置 そのファイルに関するファイル許可を調べて、操作を再試行します。

メッセージ 0042-159

説明 必須ソフトウェアが欠落しているため、ターゲット・サーバーが SPOT サーバーとして機能しません。ユーザーの処置 欠落しているソフトウェアをインストールして、操作を再試行します。

メッセージ 0042-160

説明 要求した操作には、ネットワーク・ブート・イメージの作成が必要ですが、NIM では作成できませんでした。

ユーザーの処置 ネットワーク・ブート・イメージの作成を妨げている問題をフィックスし、操作を再試行します。

メッセージ 0042-161

説明 空きディスク・スペースが不十分なため、要求した操作が完了できません。ユーザーの処置 エラー・メッセージに示された情報に従って、使用可能なスペースの量を増やします。

メッセージ 0042-162

説明 要求した操作を NIM で実行するには、定義の一部に simages 属性が含まれている lpp_source タイプのリソース・オブジェクトが必要です。この属性を用いて、NIM インストール操作をサポートするために必要なオプション・パッケージのセット全体を lpp_source の中に入れるように指定します。このメッセージの場合、この要件を満たす lpp_source が指定されていません。

ユーザーの処置 定義に lpp_source 属性が含まれている simages を使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-163

説明 NIM は、リソースのサーバーとクライアント間のアクセスを調整します。そのためには、NIM はクライアントが使用できるネットワーク・インターフェースを識別する必要があります。これは、サーバーが複数のネットワーク・インターフェースを備えている場合には複雑な問題になります。 NIM では、接続性のアルゴリズムを使用してどのネットワーク・インターフェースを使用するかが設定されます。このエラー・メッセージは、接続性のアルゴリズムが、クライアントの経路指定とアルゴリズムから選択されたインターフェースに問題を検出したために発生しました。 NIM では、クライアントがゲートウェイとして使用しているサーバー上のインターフェースをリソースの運用に使用できません。そのリソースを必要とする操作が異常終了する可能性があるためです。

ユーザーの処置 NIM が認識できない他のネットワーク・インターフェースがサーバーにある場合は、サーバー・マシン・オブジェクトを変更して、それらのインターフェースを追加します。

クライアントの 1 次ネットワークと、サーバーが接続している他のいずれかのネットワークとの間に、NIM 経路を定義します。

メッセージ 0042-164

説明 一部の NIM 操作では、インストール可能イメージのソースとして CD-ROM を使用できません。NIM で、実行する操作用に CD-ROM の環境が必ずしも作成されるとは限りません。そのような操作を実行しようとしました。

ユーザーの処置 インストール可能イメージ用に別のソースを使用して、操作を再試行します。

382 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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メッセージ 0042-165

説明 属性によって、同時に指定しなければならないものや、相互に排他的なものがあります。このメッセージの場合、1 つ以上の矛盾する属性を指定しました。

ユーザーの処置 矛盾した属性を削除して、操作を再試行します。例えば、ring_speed 属性と cable_type 属性を、同一の if

属性とともに指定できません。どちらを使用するかは、対応する if 属性が参照しているネットワーク・インターフェースのタイプによって決まります。

メッセージ 0042-166

説明 if 属性でネットワーク・インターフェース情報が指定され、その中で、そのインターフェースの接続先のネットワーク・オブジェクトが参照されています。このメッセージの場合、if 属性に関連する必須属性が省略されています。

ユーザーの処置 必須属性を指定して、操作を再試行します。例えば、ring_speed 属性はトークンリング・ネットワーク・インターフェースに対応し、cable_type 属性はイーサネット・ネットワーク・インターフェースに対応します。

メッセージ 0042-167

説明 IPL ROM エミュレーションのソースとして指定したデバイスに、IPL ROM エミュレーションの有効なブート可能イメージが入っていません。

ユーザーの処置 指定したデバイスの中にメディアが入っている場合は、そのメディアに IPL ROM エミュレーションが入っていないか、メディアが壊れているかのどちらかです。IPL ROM エミュレーションを再作成し、操作を再試行します。指定したデバイスの中にメディアが入っていない場合は、IPL ROM エミュレーションを作成し、それをデバイスに挿入し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-168

説明 起点のネットワークと宛先のネットワークに同じものを指定しました。同じネットワークのマシンには、通信のための経路を指定する必要はありません。したがって、あるネットワークからそのネットワーク自身への経路を追加できません。

ユーザーの処置 NIM 経路を追加するときに、起点と宛先として異なるネットワークを指定します。

メッセージ 0042-169

説明 lpp_source を割り当てましたが、その lpp_source を使用してインストールするファイルセットを指定しませんでした。

ユーザーの処置 コマンドの filesets 属性を使用するか、またはインストールするファイルセットのリストが含まれているinstallp_bundle を割り当てて、インストールするファイルセットを指定します。

メッセージ 0042-170

説明 NIM で認識されないプラットフォーム・タイプを入力しました。ユーザーの処置 有効なプラットフォーム・タイプは rs6k、rs6ksmp、および rspc です。プラットフォーム・タイプの属性

を訂正して操作を再試行します。

メッセージ 0042-171

説明 すべての構成タイプですべてのプラットフォーム・タイプがサポートされているわけではありません。例えば、ディスクレスの構成タイプは、プラットフォーム・タイプ rs6ksmp ではサポートされていません。

ユーザーの処置 正しいプラットフォーム・タイプを使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-172

説明 NIM クライアント・マシンとして、正しくないマシン・オブジェクトの名前を指定しました。niminit コマンドを使用して niminfo ファイルを再作成する場合、マスター登録プロセスにより、マシンの CPU ID

が、指定のマシンかどうか NIM データベースに格納されている値により確認されます。格納された値がniminit から渡された値に一致しなければ、このメッセージが発行されます。

ユーザーの処置 正しい名前を使用して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-173

説明 installp コマンドには (-X フラグを使用して) ファイルシステムの拡張を指定し、一方で (auto_expand 属性を使用して) NIM による自動拡張の禁止を指定しています。これは、起動されたコマンドには許されない組み合わせです。

ユーザーの処置 -X フラグと auto_expand 属性の、どちらか 1 つを使用します。両方同時には使用できません。

インストールおよび移行 383

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メッセージ 0042-174

説明 有効値が yes と no しかない属性に、無効な値を指定しました。ユーザーの処置 指示された属性に yes または no の値を指定して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-175

説明 NIM で実行しようとしたコマンドから、予期しない結果が戻されました。ユーザーの処置 実行したコマンドが失敗した原因となった問題をフィックスし、操作を再試行します。

スペースの不足によってコマンドにトラブルが発生した場合は、そのことを示すエラー・メッセージが表示されます。指示されたファイルシステムを拡張し (ほとんどの NIM 操作の場合、auto_expand 属性を使用)、操作を再試行します。SPOT の作成時にスペース障害が起きた場合、およびその結果として bosboot

コマンドが失敗してブート・イメージが作成できなかった場合は、フリー・スペースを増やして、check 操作を実行します。

NIM でこのメッセージにリストされたコマンドが installp コマンドの場合は、nim.installp ログを調べて、障害とリカバリーに関する情報を入手します。スタンドアロン・クライアント操作の場合、このログはクライアントの /var/adm/ras ディレクトリーに入っています。SPOT cust および maint 操作の場合、このログは SPOT の SPOTParentDir/SPOTName/usr/lpp/bos/inst_root/var/adm/ras にあります。ディスクレス・クライアントおよびデータレス・クライアントの場合、このログは RootResrcParentDir/ClientName/var/adm/ras

の中にあります。

メッセージ 0042-176

説明 このリソースはサポート・イメージ (simages) の lpp_source としては使用できません。lpp_source がサポート・イメージ・リソースとして使用できる場合、それには、基本オペレーティング・システムのインストールと使用に必要な最小限のセットのソフトウェア・パッケージが含まれています。

ユーザーの処置 このリソースをサポート・イメージの lpp_source として使用する必要がない場合は、処置は不要です。このリソースをサポート・イメージの lpp_source として使用する必要がある場合は、欠落しているソフトウェアを lpp_source に追加します。lpp_source がディレクトリーの場合は、欠落パッケージを lpp_source

の位置にコピーし、check 操作を実行します。

メッセージ 0042-177

説明 要求した操作は、1 つ以上のファイルシステム内でフリー・スペースが足りなかったために、実行できませんでした。

ユーザーの処置 可能であれば、表示されたファイルシステムを拡張して、使用可能なスペースを増やします。ほとんどのNIM 操作では、ファイルシステムを自動的に拡張するために auto_expand 属性を使用できます。

メッセージ 0042-178

説明 if 属性は 4 つのフィールドから成っています。ほとんどの場合 4 番目のフィールド・オプションです。このメッセージの場合、(1 番目のフィールドで) 指定したネットワーク・オブジェクトに複数のタイプのネットワークがあります。その場合、NIM の 4 番目のフィールドにネットワーク・アダプターの論理デバイス名を指定する値が必要です。

ユーザーの処置 該当する値を if 属性に追加して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-179

説明 if 属性または other_net_type 属性を除去しようとしましたが、その属性に 1 つ以上の NIM クライアントが依存しています。

ユーザーの処置 この状況に間違いなければ、そのネットワークに依存している NIM クライアントを除去するか、NIM クライアント・オブジェクトの定義から if 属性を除去します。

メッセージ 0042-180

説明 定義しようとしているマシンのアドレスは、指定のネットワーク・オブジェクトで表されるネットワークに接続されていません。

ユーザーの処置 そのマシンが接続している物理ネットワークを示すネットワーク・オブジェクトを定義します。マシンを定義するときには、そのネットワーク・オブジェクトを使用します。

メッセージ 0042-181

説明 fix_query_flags 属性に無効な値が指定されています。有効な値のリストを表示するには、lsnim -Pa

fix_query_flags を使用します。ユーザーの処置 正しいフラグを判別して、操作を再試行します。

384 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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メッセージ 0042-182

説明 あるタイプのリソースを現在の操作に割り当て、同時に別のタイプのリソースとして割り当てることはできません。どちらか一方を割り当てることはできますが、両方は割り当てられません。

ユーザーの処置 指定されたリソースは相互に排他的です。操作に必要なのはどちらなのかを判別し、もう一方を削除します。

メッセージ 0042-183

説明 現行操作にリソースのタイプが割り当てられている場合は、属性を指定できません。どちらか一方なら使用できますが、両方は使用できません。

ユーザーの処置 指定されている属性とリソースは相互に排他的です。操作に必要なのはどちらなのかを判別し、もう一方を削除します。

メッセージ 0042-184

説明 このネットワークに接続中のものとして現在定義されている NIM クライアントがあるので、このネットワークのネットワーク・アドレス (net_addr) またはサブネット・マスク (snm) を変更できません。ネットワークを変更する前に、該当のクライアント定義を除去してください。

ユーザーの処置 nimdef コマンドを使用すると、NIM クライアントを除去した後でそれらのクライアントを迅速に再定義し、ネットワーク定義を更新できます。

メッセージ 0042-185

説明 ファイルのリンクまたはコピーに失敗しました。許可およびファイルシステムのスペースをチェックしてください。

ユーザーの処置 エラー・メッセージに示されているファイルおよびリンクで、スペースおよび i ノードが使用可能であることを検査します。

メッセージ 0042-186

説明 セットアップ・プログラムのコピーに失敗しました。クライアントで NFS を開始するか、またはファイルシステム内の 1000 個の 512 バイト・ブロックを解放してください。

ユーザーの処置 操作をセットアップするために必要なプログラムを、クライアント・システムにコピーできませんでした。クライアントで NFS を開始するか、またはエラー・メッセージに示されているファイルシステム内のスペースを増やしてください。

メッセージ 0042-187

説明 ファイルシステムの拡張に失敗しました。ユーザーの処置 エラー・メッセージに示されているファイルシステムを手操作で拡張して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-188

説明 NFS マウントに失敗しました。ユーザーの処置 エラー・メッセージに示されているリソース・サーバーとクライアントの両方で NFS が実行中であること

を確認します。NFS の問題が解決してから、操作を再試行します。

メッセージ 0042-189

説明 既存のブート・イメージの保管に失敗しました。ファイルシステム内のスペースをチェックしてください。ユーザーの処置 エラー・メッセージに示されているファイルシステム内のスペースを増やしてから、操作を再試行します。

メッセージ 0042-190

説明 キーが NORMAL (標準) 位置になっていません。キーを NORMAL 位置にしておかないと、不在インストールを完了できません。

ユーザーの処置 クライアント・マシン上のキーを NORMAL 位置にしてから、操作を再試行します。

メッセージ 0042-191

説明 IPLROM エミュレーションの書き込みができませんでした。ユーザーの処置 mkboot コマンドが、クライアントへの IPLROM エミュレーションの書き込みに失敗しました。ネットワ

ークを介してクライアントを手操作でブートし、BOS インストールを開始します。

メッセージ 0042-192

説明 ブート論理ボリュームが見つかりません。

インストールおよび移行 385

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ユーザーの処置 ブート論理ボリュームがマシンに定義されているかどうかを確認してください。NIM は、lslv -l hd5 コマンドを使用してブート論理ボリュームを判別しようとします。

メッセージ 0042-193

説明 マスターに関する .rhosts エントリーがクライアントにないか、またはクライアントのホスト ID が解決不能です。

ユーザーの処置 クライアント・ホスト名がマスターにとって解決可能な名前であることを確認してください。次に、クライアント・マシンのルートの $HOME/.rhosts ファイルに、マスターに関するエントリーが存在することを確認します。

メッセージ 0042-194

説明 このクライアントでは、NIM push 操作が使用できません。push 操作が必要な場合は、%s の /etc/nimstop

を除去してください。ユーザーの処置 クライアント・マシン上で、nimclient -p コマンドを実行して、マスターのプッシュ許可を再び使用可能に

します。

メッセージ 0042-195

説明 ブート・デバイス・リストの順序付けができません。ユーザーの処置 クライアントの bootlist コマンドからエラーが戻されました。 bos_inst 操作、diag 操作、または

maint_boot 操作のためにネットワーク・ブートを実行する必要がある場合は、ブート・リストの設定およびクライアントのリブートを手操作で行うか、または通常の手順に従ってネットワークを介してクライアントをブートします。

メッセージ 0042-196

説明 set_bootlist 属性が有効なのは、no_client_boot 属性または boot_client 属性と組み合わせて使用された場合のみです。

ユーザーの処置 set_bootlist 属性を nim コマンドに指定するのは、no_client_boot 属性または boot_client 属性を使用してデフォルトの動作を変更する場合のみにします。

メッセージ 0042-197

説明 ターゲット・マシンに、指定のネットワーク・タイプ用のインターフェースが 2 つ以上ある場合は、force_push 属性の使用時に、ターゲット・マシンの NIM 定義の if1 属性にネットワーク・アダプターの論理デバイス名を指定する必要があります。

ユーザーの処置 NIM change 操作を使用して、クライアントの if1 属性を変更します。if1 属性を変更するとき、エラー・メッセージにリストされているクライアントのネットワーク・アダプターの論理デバイス名の 1 つを組み込みます。

メッセージ 0042-198

説明 マシンの /usr ファイルシステムを SPOT に変換するときは、SPOT を作成するために使用されているメディア (lpp_source) 上の BOS イメージが、マシンをインストールするために使用された BOS イメージに一致していなければなりません。

ユーザーの処置 /usr SPOT を定義するときは、最初にマシンをインストールするために使用したものと同じインストール・メディアを使用します。例えば、最初に AIX 4.3.2 を使用してマシンをインストールし、その後そのマシンに更新を適用して AIX 4.3.3 にした場合は、そのマシンの /usr SPOT を定義する場合に使用するインストール・メディアは、AIX 4.3.2 プロダクト・メディアでなければなりません。

メッセージ 0042-199

説明 no_client_boot 属性と boot_client 属性を同時に指定できません。ユーザーの処置 NIM コマンドに矛盾した命令を与える可能性を避けるために、同じ NIM 操作の中に no_client_boot 属性

と boot_client 属性の両方を同時には指定しません。

メッセージ 0042-204

説明 mk_image 属性と source 属性は、両方同時に指定した場合にのみ有効です。ユーザーの処置 実行中のクライアント・マシンから mksysb リソースを作成する場合は、mk_image=yes 属性を使用して

mksysb を作成することを指示し、source=ClientName 属性を使用して、バックアップをとるクライアントの名前を指定します。

メッセージ 0042-205

386 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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説明 システム・バックアップを実行するには、クライアントに bos.sysmgt.sysbr ファイルセットがインストールされている必要があります。このファイルセットは、NIM cust 操作を使用してインストールできます。

ユーザーの処置 クライアント・マシンに bos.sysmgt.sysbr ファイルセットをインストールしてから、操作を再試行します。

メッセージ 0042-206

説明 既にリソースが割り当てられています。ユーザーの処置 指定のタイプのリソースは、クライアントに 1 つしか割り当てられません。最初のリソースを割り当て解

除してから、別のリソースを割り当てます。

メッセージ 0042-207

説明 リソースをクライアントに割り当てることができませんでした。ユーザーの処置 このエラーに伴い、他にも NIM エラー・メッセージが出ていないかどうか調べてください。そのエラー・

メッセージに、問題に関するもっと詳しい情報が示されている場合があります。指定されたリソースが、クライアントへの NFS エクスポートが可能なものであることを確認します。

メッセージ 0042-208

説明 クライアントをロックできません。そのクライアントが既にロックされているか、または指定した名前が有効な NIM クライアントを参照していない可能性があります。

ユーザーの処置 同じクライアントに対して別の NIM 操作を実行している場合は、そのプロセスが完了するまで待ってから、操作を再試行します。実行中の NIM 操作が他にない場合には、nimesis デーモンをいったん停止した後で再始動することによってロックを除去します。

メッセージ 0042-209

説明 mksysb_flags 属性に無効な値が含まれています。有効な値のリストを表示するには、lsnim -Pa

mksysb_flags コマンドを使用します。ユーザーの処置 mksysb_flags 属性に正しい値を指定して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-210

説明 バックアップに必要な最大スペースが、ターゲット・ファイルシステムのフリー・スペースの量より大きくなっています。スペース要件を無視するには、mksysb リソースを定義するときに -F フラグを使用します。

ユーザーの処置 mksysb の作成先のターゲット・ファイルシステムのスペースを大きくするか、またはエラー・メッセージに示されているように -F フラグを使用します。

メッセージ 0042-211

説明 このメンバーはグループ内に既に存在しています。ユーザーの処置 メンバーは既にグループに追加されているので、追加処置は必要ありません。

メッセージ 0042-212

説明 メンバー名が有効な NIM 名でなかったために、メンバーはグループに追加されませんでした。ユーザーの処置 グループに追加しようとしたメンバーの名前が無効です。メンバーが正しく指定されているかどうかを確認

してください。

メッセージ 0042-213

説明 グループに有効なメンバーが含まれていなかったために、グループは作成されませんでした。ユーザーの処置 グループには、少なくとも 1 つのメンバーが含まれていなければなりません。グループを NIM 環境に追

加するための有効なメンバーを使用して、グループを再定義します。

メッセージ 0042-214

説明 グループにメンバーを追加することができません。ユーザーの処置 このエラーに伴い、他にも NIM エラー・メッセージが出ていないかどうか調べてください。そのエラー・

メッセージに、問題に関するもっと詳しい情報が示されている場合があります。

メッセージ 0042-215

説明 showlog 操作に対して無効なログ・タイプが指定されました。ユーザーの処置 エラー・メッセージにリストされている有効なログ・タイプの 1 つを指定します。

メッセージ 0042-216

説明 SPOT の showlog 操作に対して無効なログ・タイプが指定されました。

インストールおよび移行 387

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ユーザーの処置 エラー・メッセージにリストされている有効なログ・タイプの 1 つを指定します。

メッセージ 0042-217

説明 ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシンの showlog 操作に対して無効なログ・タイプが指定されました。

ユーザーの処置 エラー・メッセージにリストされている有効なログ・タイプの 1 つを指定します。

メッセージ 0042-218

説明 ログ・ファイルが空であるか、または存在しません。ユーザーの処置 指定のマシンまたは SPOT についてのログ・ファイルには、使用可能な情報はありません。

メッセージ 0042-219

説明 このオブジェクトには、グループとの互換性がありません。ユーザーの処置 オブジェクトのタイプがグループ内で使用できるタイプではないので、このオブジェクトはグループに追加

できません。マシン・グループに入れることができるのは 1 つのタイプの NIM クライアントのみであり、そのタイプは最初に追加されたメンバーによって決まります。リソース・グループに入れることができるのは、タイプがリソースであるメンバーだけです。

メッセージ 0042-220

説明 1 つのリソース・グループの中に、指定タイプのリソースを複数個入れることはできません。ユーザーの処置 指定のタイプの新規メンバーを追加するには、その前に同じタイプの現行メンバーをそのリソース・グルー

プから除去する必要があります。

メッセージ 0042-221

説明 グループ GroupName に残っていた唯一のメンバーがこの操作中に除去されたため、このグループは除去されます。

ユーザーの処置 グループは空にしておくことはできません。このグループを NIM 環境に残しておく必要がある場合は、少なくとも 1 つのメンバーを入れて、グループを再定義します。

メッセージ 0042-222

説明 マシンへのリソースの割り当て時に、未知のエラーが起こりました。ユーザーの処置 このエラーに伴い、他にも NIM エラー・メッセージが出ていないかどうか調べてください。そのエラー・

メッセージに、問題に関するもっと詳しい情報が示されている場合があります。指定されたリソースが、クライアントへの NFS エクスポートが可能なものであることを確認します。

メッセージ 0042-223

説明 入力ファイルが無効です。ファイルが読み取れないか、空であるか、または有効なエントリーが含まれていないかのいずれかです。

ユーザーの処置 エラー・メッセージに示されているファイルが操作対象として正しいファイルであるかどうかを確認します。

メッセージ 0042-224

説明 NFS エクスポート・ファイルの 1 行の長さの制限を超えました。export 操作は実行できません。ユーザーの処置 手操作で /etc/exports および /etc/xtab ファイルを編集して、不要なエントリーを除去します。nim -o

change -a restrict_nfs_exports=no master コマンドを実行して、マスター上で restrict_nfs_exports 属性をno に設定することによって、NIM でリソースを NFS エクスポートできる宛先ホストの数を増やすこともできます。

メッセージ 0042-225

説明 エクスポート・ファイルの更新時に、エラーが起こりました。ファイルが壊れていないかどうか、チェックしてください。

ユーザーの処置 手操作で /etc/exports ファイルと /etc/xtab ファイルを編集して、ファイル破壊の問題をフィックスします。NIM で正常にファイルを更新できなかった理由を判別します。ファイル許可およびディレクトリー許可をチェックし、ファイルシステムが満杯になっていないことを確認します。

メッセージ 0042-226

説明 クライアントに対する操作を開始しようとしている間に、タイムアウトが発生しました。操作は正常に開始されなかった可能性があります。

388 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ユーザーの処置 実行しようとしていた操作が bos_inst の場合は、ネットワークを介して手動でクライアントをリブートすれば、インストールが開始されます。その他のすべての操作では、ほとんどの場合、マスターとクライアントの間のネットワーク通信上の問題がこの問題の原因です。マスターからクライアントに到達可能なこと、および rsh 権限がまだクライアントからマスターに認可されていることを確認してください。

メッセージ 0042-227

説明 マシンが特定の NIM 操作を実行できる状態になっていない可能性があることが、マシン状態に示されています。

ユーザーの処置 マシンでまだ実行中の NIM 操作があるかどうかをチェックしてください。実行中の操作がない場合は、nim -Fo resetMachineName コマンドを使用して、マシン状態をリセットします。これによって、マシンがready 状態に戻り、そのマシンに対して NIM 操作を実行できるようになります。reset 操作ではリソースは割り当て解除されません。したがって、必要な場合には、nim deallocate 操作を使用してリソースを割り当て解除します。

メッセージ 0042-228

説明 リリース・レベルが無効です。ユーザーの処置 リソースのリリース・レベルが不完全かまたは誤って指定されています。リソースのレベルを調べるには

lsnim -l ResourceName コマンドを実行して version、release および mod の各属性を表示します。問題を訂正するには、リソースを再作成するか、または NIM マスター上で /usr/lpp/bos.sysmgt/nim/methods/

m_chattr -a Attribute = Value ResourceName コマンドを章して NIM データベースを修正し、正しいレベルを組み込みます。ここで、Attribute は、version、release、または mod です。Value は正しい値です。ResourceName は、誤ったレベルが指定されているリソースの名前です。

メッセージ 0042-229

説明 インストールのソースとして mksysb を使用してシステムをインストールする場合、インストールに使用する SPOT のレベルが、インストールしている mksysb イメージのレベルと一致している必要があります。SPOT と mksysb のリリース・レベルが一致していません。

ユーザーの処置 インストールしている mksysb のレベルと一致する SPOT を作成し、mksysb BOS インストールの実行時にその SPOT を使用します。 mksysb リソースと SPOT リソースのレベルを調べるには lsnim -l

ResourceName コマンドを実行して version、release、および mod の各属性を表示します。

メッセージ 0042-230

説明 インストールのソースとして mksysb を使用してシステムをインストールする場合、インストールに使用する SPOT のレベルが、インストールしている mksysb イメージのレベルと一致している必要があります。この規則に従っていない場合は、インストールが正常に完了しない可能性があります。

ユーザーの処置 インストールしている mksysb のレベルと一致する SPOT を作成し、mksysb BOS インストールの実行時にその SPOT を使用します。 mksysb リソースと SPOT リソースのレベルを調べるには lsnim -l

ResourceName コマンドを実行して version、release、および mod の各属性を表示します。

メッセージ 0042-231

説明 この操作では、インストールする必要のあるソフトウェアの一時的なリストが作成され、使用されます。そのリストを作成することができませんでした。

ユーザーの処置 直前のエラー・メッセージをチェックして、エラーが起こった理由を調べます。問題を訂正して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-232

説明 この操作では、一時的な installp_bundle リソースが作成されて、使用されます。その一時的なリソースを作成することができませんでした。

ユーザーの処置 直前のエラー・メッセージをチェックして、リソースの作成が失敗した原因を調べます。問題を訂正して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-233

説明 NIM マスターは既に初期化されているので、この操作は実行できません。ユーザーの処置 NIM マスターを構成解除して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-234

インストールおよび移行 389

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説明 旧レベルの NIM マスター・ファイルセットがインストールされているマシンに、NIM データベース・バックアップを復元できません。例えば、NIM マスター・レベル 4.2.0.0 のシステムのデータベース・バックアップは、4.2.0.0 以前の NIM マスター・レベルのシステムには復元できません。

ユーザーの処置 バックアップが作成されたときと同一レベル、またはそれ以降のレベルの NIM マスター・ファイルセットをインストールします。そこで、NIM データベース・バックアップの復元を試みます。

メッセージ 0042-235

説明 SPOT を作成するためのイメージ・ソースが指定されていません。ユーザーの処置 インストール・イメージが含まれているデバイスを指定するか、または lpp_source を simages 属性ととも

に指定して SPOT を作成します。

メッセージ 0042-236

説明 作成しようとしている lpp_source について、lpp_source の名前、または lpp_source を入れるディレクトリーが指定されていません。

ユーザーの処置 lpp_source の名前およびディレクトリーを指定して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-237

説明 作成しようとしている SPOT について、SPOT の名前、または SPOT を入れるディレクトリーが指定されていません。

ユーザーの処置 SPOT の名前およびディレクトリーを指定して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-238

説明 作成しようとしているディスクレスでデータレスのマシン・リソースについて、親ディレクトリーが指定されていません。

ユーザーの処置 ディスクレス/データレスのマシン・リソースのディレクトリーを指定し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-239

説明 作成しようとしているリソースについて、リソースの名前、またはリソースを入れるディレクトリーが指定されていません。

ユーザーの処置 リソースの名前およびディレクトリーを指定して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-240

説明 作成しようとしているディスクレスでデータレスのマシン・リソースについて、親ディレクトリーが指定されていません。

ユーザーの処置 ディスクレス/データレスのマシン・リソースのディレクトリーを指定し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-241

説明 NIM リソースを入れる新規ファイルシステムを作成するための、サイズまたはボリューム・グループが指定されていません。

ユーザーの処置 ファイルシステムのサイズとボリューム・グループの両方を指定して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-242

説明 ディスクレスでデータレスのマシン・リソースを入れる新規ファイルシステムを作成するための、サイズまたはボリューム・グループが指定されていません。

ユーザーの処置 ファイルシステムのサイズとボリューム・グループの両方を指定して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-243

説明 同じファイルシステムを 2 回作成しようとしました。1 回は lpp_source 用、もう 1 回は SPOT 用です。ユーザーの処置 lpp_source または SPOT のどちらか一方に、異なるディレクトリーを指定します。これにより、異なるフ

ァイルシステムがリソースに作成されます。両方のリソースを含む新規ファイルシステムを実際に作成する必要がある場合は、どちらか 1 つのリソースについてのみファイルシステムを作成し、両方のリソースに同じディレクトリーを指定します。

メッセージ 0042-244

説明 同じファイルシステムを 2 回作成しようとしました。1 回は lpp_source 用、もう 1 回はディスクレス/データレスのマシン・リソース用です。

390 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ユーザーの処置 lpp_source とディスクレス/データレス・リソースのどちらか一方に、異なるディレクトリーを指定します。これにより、異なるファイルシステムがリソースに作成されます。両方のリソースを含む新規ファイルシステムを実際に作成する必要がある場合は、どちらか 1 つのリソースについてのみファイルシステムの作成を指定し、両方のリソースに同じディレクトリーを指定します。

メッセージ 0042-245

説明 同じファイルシステムを 2 回作成しようとしました。1 回は SPOT 用、もう 1 回はディスクレス/データレス・マシン・リソース用です。

ユーザーの処置 SPOT とディスクレス/データレス・リソースのどちらか一方に、異なるディレクトリーを指定します。これにより、異なるファイルシステムがリソースに作成されます。両方のリソースを含む新規ファイルシステムを実際に作成する必要がある場合は、どちらか 1 つのリソースについてのみファイルシステムの作成を指定し、両方のリソースに同じディレクトリーを指定します。

メッセージ 0042-246

説明 ボリューム・グループには、指定のファイルシステムを作成するための十分なスペースがありません。ユーザーの処置 作成するファイルシステム用に異なるボリューム・グループを指定して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-247

説明 ファイルシステムの作成が失敗しました。ユーザーの処置 直前のエラー・メッセージ出力をチェックして、ファイルシステムの作成が失敗した原因を調べます。エラ

ーを訂正して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-248

説明 ファイルシステムの作成中にエラーが発生しました。ユーザーの処置 直前のエラー・メッセージ出力をチェックして、ファイルシステムの作成が失敗した原因を調べます。エラ

ーを訂正して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-249

説明 NIM マスターの初期化が失敗しました。ユーザーの処置 直前のエラー・メッセージ出力をチェックして、NIM マスターの構成が失敗した原因を調べます。エラー

を訂正して、マスターを再度初期化します。この失敗の主な原因は、マスターが既に初期化されていることです。マスターは、nim -o unconfig master コマンドを使用して構成解除し、初期化し直すことができます。ただし、マスターを構成解除すると、NIM データベースからすべての定義が除去されるため、十分な注意が必要です。

メッセージ 0042-250

説明 構成を続行できません。ユーザーの処置 直前のエラー・メッセージ出力をチェックして、構成が失敗した原因を調べます。エラーを訂正して、失敗

した箇所からシステムの構成を再試行します。

メッセージ 0042-251

説明 必須のデフォルト経路が欠落しているので、経路をネットワークに追加できません。デフォルト経路をネットワークに追加して、操作を再試行します。

ユーザーの処置 エラー・メッセージに指定されたネットワークにデフォルト経路を追加して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-252

説明 一致するネットワークが見つかりません。ユーザーの処置 find_net キーワードが、マシンの if 属性の中で使用されています。しかし、一致するネットワークが見つ

かりませんでした。マシン・インターフェースを定義する前にネットワークを定義するか、またはnet_definition 属性を find_net キーワードと関連させて使用して、インターフェースの定義時に同時にネットワークを定義します。

メッセージ 0042-253

説明 if 属性の最初のフィールドとして find_net キーワードが指定されていない場合には、net_definition 属性は使用できません。

ユーザーの処置 既知のネットワークを if 属性の中で使用する場合には、net_definition 属性は無効です。find_net キーワードを if 属性に指定するか、または net_definition 属性を削除して、操作を再試行します。

メッセージ 0042-254

インストールおよび移行 391

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説明 net_definition に指定された値のフォーマットが無効です。属性の値は次のとおりでなければなりません。

NetType Network type - ネットワーク・タイプ (例えば、tok、ent、fddi など)..

snmName

ネットワークのドット 10 進サブネット・マスク

Client_gwName

定義中のマシンがマスターと通信するために使用する、オプションのデフォルト・ゲートウェイIP アドレスまたはホスト名

Master_gwName

マスターが他のサブネットのクライアントと通信するために使用する、オプションのデフォルト・ゲートウェイ IP アドレスまたはホスト名

NetName ネットワーク用に作成される NIM 定義に指定されるオプションの名前 (指定しなかった場合は、固有のデフォルト名が使用されます)

NetName を指定する場合、および Client_gwName または Master_gwName が適用できない場合は、その代わりに 0 を指定します。 Client_gwName に 0 を指定した場合は、Master_gwName にゼロ以外の値を指定できません。

ユーザーの処置 構文エラーを訂正し、操作を再試行します。

メッセージ 0042-255

説明 マスターには既にデフォルト経路があり、マスター用のデフォルトとして指定したゲートウェイが、既に定義されているものと違っています。マスターのデフォルト・ゲートウェイを変更したい場合は、change 操作を使用します。

ユーザーの処置 ネットワークのデフォルト・ゲートウェイを変更するには、次のコマンドを使用します。

nim -o change -a routingX="default GtName" NetName

ここで、X は routing 属性の順序番号、GtName は使用するデフォルト・ゲートウェイ、NetName はマスターのネットワークの名前です。

メッセージ 0042-256

説明 ネットワークにはデフォルト経路が既に存在しています。デフォルト・ゲートウェイの変更はできますが、複数のデフォルト経路を定義できません。

ユーザーの処置 ネットワークのデフォルト・ゲートウェイを変更するには、次のコマンドを使用します。

nim -o change -a routingX="default GtName" NetName

ここで、X は routing 属性の順序番号、GtName は使用するデフォルト・ゲートウェイ、NetName は変更するネットワークの名前です。

メッセージ 0042-257

説明 マシン定義を変更する場合、if 属性を指定しなければ、net_definition 属性を指定できません。ユーザーの処置 net_definition はマシン・インターフェースを参照している必要があります。したがって、net_definition 属

性を使用するときは、if 属性も指定します。

メッセージ 0042-258

説明 同一の change 操作で複数の if 属性を作成または変更する場合は、 net_definition 属性は指定できません。 2 つの別個の操作を使用します。

ユーザーの処置 不明確になるのを避けるために、net_definition 属性を使用するときは、一度に 1 つのみのマシン・インターフェース (if 属性) を扱います。

メッセージ 0042-259

説明 マスターのデータベース定義に指定されている default_res の値が、有効な NIM リソース・グループではありません。

ユーザーの処置 有効な NIM リソース・グループをデフォルト・リソースとして指定します。 lsnim -t res_group コマンドを実行して、リソース・グループのリストを入手します。

メッセージ 0042-260

説明 default 属性を適用できるのは、リソース・グループを操作する場合のみです。

392 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ユーザーの処置 リソース・グループに対して default=yes/no 属性を設定すると、そのリソース・グループが NIM 操作で使用するデフォルトのリソース・セットになります。 default 属性を他の NIM 操作の中で属性として使用しても、無効です。

メッセージ 0042-261

説明 async 属性の使用が無効です。この属性を lppchk 操作に指定できるのは、ターゲットがスタンドアロン・マシンまたはスタンドアロン・マシン・グループの場合のみです。

ユーザーの処置 ターゲットがスタンドアロン・マシンまたはスタンドアロン・マシン・グループでない場合は、lppchk 操作の実行時に async 属性を指定しないようにします。

メッセージ 0042-262

説明 この操作にはクライアント定義ファイルのファイル名が欠落しています。ユーザーの処置 マシンを NIM 環境に定義するために使用するクライアント定義ファイルを指定します。詳しくは、 289ペ

ージの『NIM コマンド』を参照してください。

メッセージ 0042-263

説明 netboot_kernel 属性に割り当て可能な値は、up または mp だけです。ユーザーの処置 netboot_kernel 属性に指定した値を訂正します。

メッセージ 0042-264

説明 lpp_source を定義するために使用されているイメージ・ソースでは、1 つ以上の要求パッケージが欠落しています。

ユーザーの処置 インストール・イメージは、lpp_source ディレクトリーにコピーされませんでした。インストール・イメージ用のソースには、lpp_source への転送を指定したファイルセットの一部が含まれていない可能性があります。欠落しているインストール・イメージを lpp_source ディレクトリーにコピーしてから、NIM check 操作を lpp_source に対して実行します。

メッセージ 0042-265

説明 lpp_source を定義するために使用されているイメージ・ソースでは、デフォルト・パッケージのリストに 1

つ以上の項目が欠落しています。ユーザーの処置 インストール・イメージは、lpp_source ディレクトリーにコピーされませんでした。インストール・イメー

ジ用のソースには、lpp_source への転送に使用したデフォルト・ファイルセットの一部が含まれていない可能性があります。欠落しているインストール・イメージを lpp_source ディレクトリーにコピーしてから、NIM check 操作を lpp_source に対して実行します。

メッセージ 0042-266

説明 要求したパッケージは、定義済みの lpp_source から欠落しています。ユーザーの処置 インストール・イメージは、lpp_source ディレクトリーにコピーされませんでした。ファイルセット名の指

定に誤りがあるか、またはインストール・イメージのソースに指定のファイルセットの一部が含まれていない可能性があります。欠落しているインストール・イメージを lpp_source ディレクトリーにコピーしてから、NIM check 操作を lpp_source に対して実行します。

メッセージ 0042-267

説明 1 つ以上のパッケージが欠落しているため、定義された lpp_source に simages 属性がありません。ユーザーの処置 欠落しているインストール・イメージを lpp_source ディレクトリーにコピーし、NIM check 操作を

lpp_source に対して実行して、simages 属性を追加します。

メッセージ 0042-268

説明 操作を実行できません。指定されたターゲット・グループのすべてのメンバーが、現在そのグループに対する操作から除外されているためです。操作を進める前に、除外されたグループ・メンバーのマーク解除 (または組み込み) を行う必要があります。

ユーザーの処置 グループに対して NIM select 操作を実行して、後続の操作用にメンバーを組み込みます。

メッセージ 0042-269

説明 NIM クライアントにインストールされているファイルセットを検査するときは、一度に 1 つのタイプしか検査できません。

ユーザーの処置 検査オプションを 1 つだけ残して他をすべて使用不可または選択解除にして、操作を再試行します。

メッセージ 0042-270

インストールおよび移行 393

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説明 この操作がサポートされるのは、AIX 4.2 以上のバージョンおよびリリース・レベルでインストールされたSPOT および NIM クライアントのみです。

ユーザーの処置 ターゲットの NIM クライアント・ファイルセットは、旧レベルのもので、実行しようとした操作をサポートしていません。ターゲットのクライアント・ソフトウェアをアップグレードしてからでないと、操作は実行できません。

メッセージ 0042-271

説明 同じタイプのリソースが既に割り当てられています。このタイプのリソースを同じマシンに 2 つ以上割り当てることはできません。

ユーザーの処置 最初にリソースを割り当て解除してから、2 番目のリソースを割り当てます。リソースを割り当て解除する前に、マシンをリセットすることが必要な場合もあります。

メッセージ 0042-272

説明 指定した値は、有効な NIM リソース・グループではないため、default_re の有効値ではありません。ユーザーの処置 default_res 属性に別のリソース・グループを指定するか、または問題のリソース・グループを訂正します。

メッセージ 0042-273

説明 指定した値は、ディレクトリーなので、mksysb イメージのロケーションとしては使用できません。mksysb

イメージが現在常駐しているか、または作成後に常駐することになるファイル名を指定する必要があります。

ユーザーの処置 mksysb リソースのロケーションに、ディレクトリーの代わりにファイル名を指定します。

メッセージ 0042-274

説明 mksysb_flags 属性の -e フラグと、exclude_files 属性とを同時に指定できません。-e フラグをmksysb_flags 属性とともに指定して /etc/exclude.rootvg 内のファイルをバックアップから除外するか、または exclude_files 属性を指定するか、どちらかにします。

ユーザーの処置 この操作を実行するときは、-e mksysb フラグと exclude_files リソースの両方を同時に指定しないようにします。

メッセージ 0042-275

説明 ロック・ファイルの所有権を得ることができません。現在実行中の NIM 操作がない場合には、ファイルを除去して、操作を再試行します。

ユーザーの処置 ps -ef | grep nim コマンドを使用して、システムで実行中の NIM プロセスのリストを入手します。nimesis デーモン以外の NIM プロセスが実行されている場合は、それらのプロセスが完了するまで待ってから、エラー・メッセージに指定されているファイルを除去します。

メッセージ 0042-276

説明 ファイルセットをインストールしてからでないと、この操作は実行できません。ユーザーの処置 エラー・メッセージにリストされているファイルセットをインストールしてから、操作を再試行します。フ

ァイルセットは、クライアント・システムにインストールしなければならない場合が一般的です。しかし、実行中の操作によっては、NIM マスターにもファイルセットをインストールしないと、操作が成功しない場合もあります。

メッセージ 0042-277

説明 汎用 NIM ネットワークに常駐している 1 次ネットワーク・インストール・インターフェースを使用して、ディスクレス・マシンおよびデータレス・マシンを定義できません。汎用 NIM ネットワーク上に定義されたネットワーク・アダプターはネットワーク・ブートをサポートしないものと見なされます。

ユーザーの処置 システムをディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントとして定義するには、その前にそのシステムを、ネットワーク・ブートをサポートするものとして認識されている NIM ネットワーク (イーサネット、トークンリング、または FDDI) に接続しておく必要があります。

メッセージ 0042-278

説明 指定されたインターフェースが、ネットワーク・ブートをサポートするものとして認識されているネットワーク・アダプターに対応していません。この結果、NIM マスターは汎用 NIM ネットワーク上に定義されました。基本オペレーティング・システムのインストールなど、ネットワーク・ブートに依存する操作は、NIM マスターと同じネットワーク上に定義された 1 次ネットワーク・インストール・インターフェースを持つ NIM クライアントに対しては実行できません。

394 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ユーザーの処置 ネットワーク・ブート機能を使用する操作を、汎用 NIM ネットワーク上のクライアントに対して実行できません。この種の操作は、該当システムのローカル・メディアを使って実行する必要があります。

メッセージ 0042-279

説明 指定されたインターフェースは、汎用 NIM ネットワークとして定義されたサブネットにマッピングされています。基本オペレーティング・システムのインストールなどのようなネットワーク・ブート依存操作を、この操作により作成されたマシン定義に対して実行できません。

ユーザーの処置 ネットワーク・ブート機能を使用する操作を、汎用 NIM ネットワーク上のクライアントに対して実行できません。この種の操作は、該当システムのローカル・メディアを使って実行する必要があります。

メッセージ 0042-280

説明 スケジュールされた操作に、完全な日付と時刻を YYMMDDhhmm のフォーマットで指定してください。ユーザーの処置 操作の日付と時刻を正しくスケジュールするには、エラー・メッセージに示されたフォーマットを使用しま

す。

メッセージ 0042-281

説明 指定のサーバー上の /usr ファイルシステムを NIM SPOT に変換できません。マシンの初期インストール時に、bosinst.data ファイルの中の RM_INST_ROOTS 変数が yes に設定されていたか、またはその後のどこかの時点で inurid -r が呼び出されたか、いずれかです。このマシンに SPOT を作成するためには、/usr 以外のロケーションを指定するか、マシンを再インストールして /usr に SPOT を作成する方法しかありません。

ユーザーの処置 システムは、/usr SPOT の作成をサポートできません。 location 属性に異なる値を指定することによって、/usr 以外の SPOT をシステムに作成できる場合があります。

メッセージ 0042-282

説明 BOS インストールが使用可能になりましたが、後続のファイルがターゲット上で検出されなかったために、インストールを開始できませんでした。インストールを開始するには、次のいずれかを行います。

1. ターゲットからネットワーク・ブート操作を開始する。

2. NIM の reset 操作を使用してターゲットの状態を訂正し、次のいずれかの方法で bos_inst を再び起動する。

a. 「Force Push (プッシュ強制)」オプション (-a force_push=yes)

b. ターゲットの bos.sysmgt.nim.client ファイルセットをインストールし、構成した後。ユーザーの処置 ターゲット・システム上で、NIM クライアント・ファイルセットのインストールと構成が正しく行われて

いません。エラー・メッセージに示されている指示に従って、問題を訂正します。

メッセージ 0042-283

説明 サーバーにファイルが存在するということは、この操作で除去する予定のサブディレクトリーにマウントされている NIM SPOT がまだ残っている可能性があります。操作を再試行する前に、SPOT のディレクトリーを、除去対象のディレクトリーの下位にマウントされている他のすべてのディレクトリーとともにアンマウントしてください。

この処理をしなかった場合、SPOT サーバーのデータが失われることがあります。ユーザーの処置 SPOT 操作が失敗し、NIM で、SPOT にマウントされていたディレクトリーを一部アンマウントできませ

んでした。エラー・メッセージに示されているディレクトリーを手操作でアンマウントしてから、操作を再試行します。 mount コマンドを使用して、システムにマウントされているディレクトリーをリストし、unmount コマンドを使用してディレクトリーをアンマウントできます。アンマウントを強制する必要がある場合は、-f オプションを指定して unmount コマンドを使用します。

NIM トラブルシューティングネットワーク・ブートの問題の解決方法と、NIM BOS インストールに関するデバッグ出力の生成手順について説明します。

インストールおよび移行 395

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エラー・メッセージについて詳しくは、 369ページの『NIM エラー・メッセージと警告メッセージ』を参照してください。

ネットワーク・ブートの問題のデバッグクライアント・マシンをそのブート・サーバーからネットワーク・ブートできない場合は、ネットワーク・ブート段階で 1 つ以上の問題があると考えられます。

ネットワーク・ブート段階には次のようなタスクがあります。

クライアントとサーバー間のネットワーク通信の検査:

クライアントでネットワーク・ブートを開始する前に、以下のステップを実行してクライアントとサーバー間のネットワーク通信について検査します。

1. クライアントの bootp メニューから ping テストを実行します。

2. ping テストが失敗した場合は、クライアント、サーバー、およびゲートウェイのアドレスが正しく指定されているかどうかを調べます。

3. アドレスが正しければ、クライアントのサブネット内の別のマシンからサーバーの ping を試行します。

別のマシンからサーバーが ping できた場合は、ブート・クライアントのネットワーク・アダプターに障害がある可能性があります。

4. クライアントのサブネット内の別のマシンからサーバーを ping できなかった場合は、クライアントとサーバー間の経路指定に問題があるか、またはサーバーのネットワーク通信に障害がある可能性があります。ネットワーク・デバッグ手順については、「ネットワークおよびコミュニケーションの管理」の『TCP/IP の問題判別』を参照してください。

サーバーからのブート・イメージの取得:

サーバーからブート・イメージを取得するには、次の手順を実行します。

1. ping テストが成功した場合は、クライアントのネットワーク・ブートを実行します。クライアントでネットワーク・ブートが開始されたら、bootp 要求パケットがクライアントからサーバーに送信されます。これに応答して、サーバーはクライアントにパケットを送ります。クライアント・マシンには、bootp 要求について送信されたパケット数と受信されたパケット数が表示されます。クライアントからパケットが送信され、応答パケットが受信されなかった場合は、別のパケットが送信されます。

bootp パケットが引き続き送信される一方で受信されなかった場合は、ブート・サーバーが要求に応答していない可能性があります。

2. bootp サーバーから、サーバー上の /etc/bootptab ファイルを表示します。このファイルには、次の情報を示すクライアント・マシンについてのエントリーが含まれている必要があります。

hostname_of_clientbf=boot_fileip=client_ip_addressht=network_typesa=boot_server_addresssm=client_subnet_maskha=network_adapter_hardware_address (required only if bootp requests are sent by broadcasting)

エントリーが存在していない場合は、現在の操作をセットアップするために使用された NIM コマンドが失敗したか、またはブート操作ができるようになる前にマシンがリセットされたか、いずれかです。NIM bos_inst、diag、または maint_boot 操作を再実行して、サーバーをクライアント・ブート要求用に準備します。

396 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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/etc/bootptab の中にエントリーが存在する場合は、指定したデータが正しいかどうかを調べます。フィールドのデータが正しくなければ、NIM データベース上のマシンまたはネットワークの定義に使用した情報がおそらく間違いです。この問題を訂正するには、クライアント・マシンをリセットし、クライアントまたはネットワーク定義の中の無効なデータを訂正し、NIM 操作を再試行して、クライアントをリブートします。

3. /etc/bootptab ファイルが正しい場合、inetd デーモンが実行されているかどうかを調べます。実行されていない場合は、そのデーモンを始動し、クライアントからネットワーク・ブートを再試行します。inetd デーモンが実行されている場合は、サーバーが bootp 要求を受信したときに、このデーモンがbootpd デーモンを自動的に始動しなければなりません。

4. bootpd デーモンが始動されない場合、/etc/inetd.conf ファイルの中の bootps エントリーがコメント化されていないかどうか調べてください。このエントリーがコメント化されている場合は、コメントを外し、refresh -s inetd コマンドを使用して inetd を再始動します。クライアントからネットワーク・ブートを再試行します。

5. クライアントでまだ bootp 応答を受信できない場合は、手動によりデバッグ・モードで bootpd デーモンを始動します。

a. サーバーの /etc/inetd.conf ファイルの中の bootps エントリーをコメント化します。

b. 実行中の bootpd プロセスをすべて停止します。

c. refresh -s inetd コマンドを使用して inetd を再始動します。

d. コマンド行から /usr/sbin/bootpd -s -d -d -d コマンドを使用して bootpd を始動します。

6. クライアントからネットワーク・ブートを再試行します。実行中の bootpd コマンドから出力が何も表示されない場合は、クライアントの bootp 要求がサーバーに到達していません。bootp メニューで指定されたアドレスが正しいことを調べてください。アドレスが正しい場合、ネットワーク・デバッグ手順を実行して、パケットがサーバーに到達しない原因を判別します。

サーバーがクライアントの bootp 要求を受信していれば、実行中の bootpd コマンドにより、/etc/bootptab ファイル内のクライアント・データに一致する出力が表示されます。指定されているアドレスが正しいかどうかを調べます。この情報は、bootp 応答で、クライアントに戻されます。

7. クライアントがまだ bootp 応答を受信しない場合は、ネットワーク・デバッグ手順を実行して、応答パケットがクライアントに到達しない原因を判別します。

クライアントは、bootp 応答を受信すると、その後でサーバーからブート・イメージを tftp 転送します。

クライアントに転送される tftp パケットの数は、クライアント・マシンに表示されます。

rs6k プラットフォーム・マシンの LED に 299 が示されている場合、またはその他のプラットフォーム・マシンで画面の下部 3 分の 1 がグレーに変わっている場合は、クライアント・マシンでのブート・イメージの検索は正常に完了しています。

8. ブート・イメージの tftp が正常に完了しない場合、クライアントが間違ったブート・イメージを取得しようとしている可能性があります。NIM データベースのクライアント定義に正しいプラットフォームおよびカーネル・タイプが指定されていることを確認してください。データに誤りがある場合はそれを訂正しクライアント・マシンをリセットし、NIM 操作を再実行してネットワークを介してクライアントをリブートします。

9. ブート・サーバー上の /tftpboot ディレクトリーに正しいブート・イメージへ到達するためのクライアント名のリンクが含まれていることを確認してください。リンクが存在していない場合は、クライアント・マシンをリセットし、NIM 操作を再実行して、ネットワークを介してクライアントをリブートします。

インストールおよび移行 397

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10. クライアント名とのリンクが正しいブート・イメージを指しているのに、そのブート・イメージのtftp が正常に完了しない場合は、ブート・イメージが壊れている可能性があります。force フラグを指定して NIM check 操作を SPOT に対して実行し、ブート・イメージを再作成します。クライアントが rs6k プラットフォーム・マシンでない場合は、クライアントに最新バージョンのファームウェアがインストールされていることも確認してください。

クライアントでのブート・イメージの実行:

クライアント・マシンがサーバーからのブート・イメージの受信に成功した後で最もよく検出されるエラーは LED に 608、611、または 613 が表示されるハング状態です。マシンによっては LED ディスプレイがないこともあります。そのようなマシンでこの種の問題をデバッグするにはデバッグ可能ブート・イメージを使用する必要があります。

デバッグ・ブート・イメージの作成について詳しくは、 400ページの『BOS インストール・プログラムからのデバッグ出力の生成』を参照してください。

608説明 クライアント info ファイルの tftp 検索の障害です。処置 608 ハングを検出した場合、ClientName.info ファイルが /tftpboot ディレクトリーにあるかどうかを検査し

ます。このファイルがない場合は、NIM 操作を再試行してファイルを作成します。ファイルがある場合は、/tftpboot ディレクトリーへの tftp アクセスが、/etc/tftpaccess.ctl ファイルで制限されていないかどうかを調べてください。ブート環境内でネットワーク・アダプターが正しく構成されていない可能性もあります。ブート環境内のエラーを調べるには、デバッグ可能ネットワーク・ブート・イメージを使用します。クライアントが rs6k プラットフォーム・マシンでない場合、そのクライアントに最新バージョンのファームウェアがインストールされていることを確認します。

611説明 NFS ファイルシステムのリモート・マウントの障害です。処置 611 ハングが発生するのは、クライアント・マシンがサーバーからリソースをマウントできない場合です。

リソース・サーバーで NFS が実行中であることを確認します。サーバーの /etc/exports ファイルおよび/etc/xtab ファイルを検査して、操作に指定されているリソースが正しくエクスポートされていることを確認します。また、リソースに読み取り許可が正しく設定されていることも確認してください。デバッグ可能ネットワーク・ブート・イメージは、クライアントで失敗した mount コマンドがどれかを正確に判別するためにも使用できます。

613説明 経路テーブルのセットアップの障害です。処置 613 ハングが発生するのは、一般に、NIM データベースの中でネットワーク用の経路の定義に誤りがある

ためです。ネットワーク間に正しいゲートウェイが指定されているかどうか、およびすべてのゲートウェイが正しく機能しているかどうかを調べてください。定義できなかった経路がどれかを判別するには、デバッグ可能ネットワーク・ブート・イメージを使用します。

NIM BOS インストールのデバッグ出力の入手ネットワークまたは NIM 構成に発生した問題が原因で、クライアントのブートまたはインストールが適切にできないことがあります。このような場合は、デバッグ情報を入手して問題の原因を判別することが必要になります。

クライアント・マシンで、ネットワーク・ブート・イメージからの構成が正しくできない場合、ブート・イメージからのデバッグ出力を入手するには、デバッグ可能イメージを作成し、tty をクライアント・システムに接続します。これによってクライアントが構成される時点で、AIX がそれ以上の処理を行う前に実行されるコマンドおよび出力が表示されます。

ネットワーク・ブート・イメージからのシステムのブートができても、BOS インストールの実行中に障害が依然として発生する場合は、BOS インストール・プログラムからのデバッグ情報を収集する必要があります。ブート・イメージがデバッグ可能として作成されている場合は、BOS インストール・プログラムか

398 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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らのコマンドおよび出力は tty に自動的に表示されます。ブート・イメージがデバッグ用に作成されていない場合は、bosinst.data ファイル内の値を設定するか、またはインストール・メニューで特殊コードを入力することによって、出力を入手できます。

NIM BOS インストールの実行時に問題が発生すると、ほとんどの場合は、システムが「ハング」します。デバッグ出力を表示すると失敗したコマンドを調べることができるので、この方法は役立つことがあります。ネットワーク・アダプターの構成に誤りがあるか、またはクライアントからサーバーへの操作が実行できないために、問題が発生していることもあります。デバッグ出力を調べれば、どこに障害があるか分かるので、それを訂正して将来はエラーが発生しないように判断することができます。

showled コマンドがデバッグ出力で実行されているのが分かります。このコマンドは、マシンの前面にあるLED に状況値を表示します。問題が発生したときに表示される LED 値を見れば、既知の問題とソリューションを参照できる場合がよくあります。マシンによっては、このような情報を表示する LED がありません。したがって、LED のないマシンで問題のデバッグを行う場合は、showled コマンドで表示される値を特に注意して観察する必要があります。

ネットワーク・インストールからデバッグ情報を入手することで、問題の根本原因を判別するための時間を節減できます。通常、問題の原因は NIM 環境の定義の誤りにある場合が多く、これはデバッグ情報がなくても見つけることができます。しかし、デバッグ情報を利用すると、調査範囲を大幅に絞ることができます。

ネットワーク・ブート・イメージからのデバッグ出力の生成ネットワーク・ブート・イメージのデバッグ・バージョンを作成するには、次のコマンドを使用します。

1. Web-based System Manager または SMIT インターフェースを使用するか、次のコマンドを実行します。

nim -Fo check -a debug=yes SPOTName

ここで、SPOTName は、使用中の SPOT の名前です。

2. 次の手順を実行し、デバッガーに入るためのアドレスを取得します。

Web-based System Manager から以下を実行します。

a. 「NIM Resources (NIM リソース)」コンテナーから、SPOT リソースをダブルクリックして、属性ノートブックを開きます。

b. 属性ノートブック内のブート・イメージ情報タブをクリックして、アドレスを入手します。

あるいは、次のコマンドを使用してアドレスを取得します。

lsnim -a enter_dbg SPOTName

ここで、SPOTName は、使用中の SPOT の名前です。表示される出力は次のようなものになります。

spot1:enter_dbg = "chrp.mp 0x001840d4"enter_dbg = "chrp.up 0x00160b7c"enter_dbg = "rs6k.mp 0x001840d4"enter_dbg = "rs6k.up 0x00160b7c"enter_dbg = "rspc.mp 0x001840d4"enter_dbg = "rspc.up 0x00160b7c"

ブートするクライアントの enter_dbg アドレスを書き留めます。例えば、クライアントが chrp ユニプロセッサー・マシンである場合は、アドレス 160b7c を書き留めます。

3. tty デバイスをクライアント・システム (ポート 1) に接続します。

インストールおよび移行 399

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4. ネットワークを介したクライアントのブートがあとで必要となる NIM 操作をセットアップして実行します。ネットワークを介してクライアントをブートします。

5. クライアントが SPOT サーバーからブート・イメージを取得すると、tty にデバッグ画面が表示されます。> プロンプトに、次のように入力します。

st Enter_dbg_Value 2

ここで、Enter_dbg_Value は、ステップ 2 でマシン・タイプの enter_dbg 値として書き留めた番号です。enter_dbg 値のアドレスに 2 を指定すると、出力が使用中の tty に表示されます。

6. g (go を表す) を入力し、Enter を押してブート・プロセスを開始します。

7. tty で出力を見ているときに、一時的にプロセスを停止させるには、Ctrl-s を使用します。プロセスを再開させるには、Ctrl-q を使用します。

8. ブート・イメージを非デバッグ・モードで再作成するには、次のコマンドを使用します。

nim - Fo check SPOTName

ここで、SPOTName は、使用中の SPOT の名前です。

ブート・イメージをデバッグ・モードのままにすると、これらのブート・イメージからクライアントがブートされるたびにマシンが停止し、デバッガーの「>」プロンプトが表示され、ユーザーがコマンドを入力するのを待ちます。これらのデバッグ可能ブート・イメージを使用しようとしたがクライアントに tty が接続されていなかった場合は、特に理由もないのにマシンがハングしたように見えます。

BOS インストール・プログラムからのデバッグ出力の生成メソッド A では、インストール・メニューの 1 つで特殊値を入力します。メソッド B では、bosinst_data リソースを使用して、インストール・プログラムにデバッグの出力を表示するよう伝えます。

両方の方法を、次に説明します。

bosinst_data リソースを使用しない場合のデバッグ出力の生成 (メソッド A):

bosinst_data リソースを使用せずにデバッグ出力を生成するには、次の手順を実行します。

1. BOS インストール・プログラムのデバッグを使用可能にするには、最初に、クライアントをインストールするために行う通常の処理をすべて実行します。

bosinst_data リソースを使用していないので、BOS インストール・プログラムへのインストールに関する情報の指定を求めるプロンプトが表示されます。

2. 使用中のコンソールを選択します。

3. 使用中の言語を選択します。

4. 「Welcome to Base Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守へようこそ)」メニューが表示されます。オプションを選択する代わりに、プロンプトに 911 と入力して Enter キーを押します。

5. 通常の手順に従ってオプションを選択し、データを指定して、インストールが始まるまで操作を続けます。デバッグ出力は、インストールが進むにつれてクライアントのディスプレイに表示されます。

bosinst_data リソースを使用する場合のデバッグ出力の生成 (メソッド B):

bosinst_data リソースを使用する場合にデバッグ出力を生成するには、次の手順を実行します。

400 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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1. BOS インストール・プログラムのデバッグを使用可能にするには、ユーザーの bosinst_data リソース用に使用している bosinst.data ファイルの control_flow スタンザで値 BOSINST_DEBUG = yes を設定します。

デバッグ用の最小の bosinst.data ファイルには、次の行が含まれています。

control_flow:BOSINST_DEBUG = yes

2. クライアントのインストールに通常実行する処理に加えて、操作用のリソースとして修正済みのbosinst_data リソースを組み込みます。

クライアントは、ネットワークを介してブートされると bosinst_data リソースを使ってインストール用の設定値を入手します。 bosinst.data ファイルに指定されている唯一のデータが BOSINST_DEBUG =

yes の場合は、インストールが続行される前に、残りの必須情報の入力を求めるプロンプトが表示されます。デバッグ出力は、インストールが続行するにつれて、クライアントのディスプレイに送られます。

NIM とその他のアプリケーションでポート番号が矛盾する場合のデバッグnimesis デーモンが実行されない場合は、次の手順を実行します。

NIM マスターの構成時に、クライアント通信で nimesis デーモンが使用するためのポート番号を 2 つ選択します。デフォルトのポート番号は 1058 と 1059 です。いずれかのポートが別のアプリケーションによって使用されている場合は、nimesis デーモンは実行されず、nimclient コマンドは次のようなエラーで失敗します。

0042-006 nimclient: (To master) rcmd connection refused

nimesis デーモンを開始できない場合は、システム上のその他のアプリケーションを停止して、ポートを空ける必要があります。

通常、この問題は、システムをリブートすると解決します。これは、マシンをブートすると、nimesis デーモンが init によって非常に早く開始され、ポートが使用中になる可能性が低くなるためです。

区分化ご使用のシステムの区分化は、ハード・ディスクの区分化と類似しています。ハード・ディスクを区分化する場合、1 台の物理ハード・ディスクを分割して、オペレーティング・システムがそのディスクを幾つかの個別論理ハード・ディスクとして認識するようにします。

ご使用のシステムを区分化するために、ハードウェア管理コンソール (HMC) を使用してシステムのリソースを分割することができます。このように分割されたもの (区画 と呼ばれる) のそれぞれで、オペレーティング・システムをインストールすることができ、各区画を個別の物理システムとして使用することができます。

HMC を使用した区画の管理の追加情報については、「HMC を使用した区分化 (AIX)」を参照してください。

ロジカル・パーティションロジカル・パーティション (LPAR) は、コンピューターのプロセッサー、メモリー、およびハードウェア・リソースを複数の環境に分割したものです。その結果、それぞれの環境は、それ自体のオペレーティング・システムおよびアプリケーションとは独立して作動できます。

インストールおよび移行 401

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作成できるロジカル・パーティションの数は、システムのプロセッサー・モデルおよび使用可能なリソースによって決まります。通常は、パーティションは、データベース操作、クライアント/サーバー操作、Web

サーバー操作、テスト環境、実稼働環境などのさまざまな目的で使用されます。各パーティションは、それぞれが別個のマシンであるかのように、他のパーティションと通信できます。

AIX オペレーティング・システムは、パーティション環境をサポートします。 AIX インストール概念は同じですが、AIX オペレーティング・システムを伴うパーティション環境の構成および管理は新しいものとなります。

ロジカル・パーティションは、以下のように、最小限のリソース・セットを含まなければなりません。

v 1 GB の使用可能なシステム・メモリー

v 1 つの使用可能なシステム・プロセッサー

v 割り当てられた入出力スロット上の 1 つのブート・デバイス

v 1 つの使用可能なネットワーク・アダプター (エラー報告用)

v 割り当てられた入出力スロット上で必要となる可能性がある他のアダプター

プロセッサー、メモリー、および入出力スロットは、そのロケーションに関係なく、任意のパーティションに割り当てることができます。ただし、パーティションの活動化を試みても、指定したリソースがその時点で使用できない場合は、パーティションの活動化は失敗します。活動化障害を回避するためにご使用のシステムのリソースを追跡することが重要です。 PCI スロットはパーティションに別々に割り当てられ、256

MB 単位でメモリーを割り当てることができます。パーティションに割り当てることができるリソースの細分性は極めて高く、望ましい量のリソースのみを伴うシステムを作成するための柔軟性が生じます。各パーティションは、AIX オペレーティング・システムのその独自のコピーを実行し、その他のパーティションでの活動からは分離されます。ソフトウェア障害はシステム全体には波及せず、ハードウェア機能およびマイクロコードはリソースを分離します。

管理下のシステム管理下のシステムは、ハードウェア管理コンソール (HMC) に物理的に接続され、これによって管理されるシステムです。

HMC を使用して、管理下のシステム全体に影響を及ぼすタスク (例えば、システムの電源のオン/オフ) を実行することができます。それぞれの管理下のシステム内でパーティションおよびパーティション・プロファイルを作成することもできます。これらのパーティションおよびパーティション・プロファイルは、区画に分割されたシステムを構成および操作する方法を定義します。

動的ロジカル・パーティショニング動的ロジカル・パーティショニングにより論理的に、リブートを行わずに、管理下のシステムのリソースをロジカル・パーティションのオペレーティング・システムに接続したり、そのオペレーティング・システムから切り離したりすることができます。

動的ロジカル・パーティショニングの詳細については、以下を参照してください。

v 「パフォーマンス・マネージメント」の『動的ロジカル・パーティショニング』

v 「AIX 5L バージョン 5.3 プログラミングの一般概念: プログラムの作成およびデバッグ」の『動的ロジカル・パーティショニング』

402 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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アフィニティー・ロジカル・パーティションアフィニティー・ロジカル・パーティション は、お互いに対して物理的に極めて接近しているシステム・リソースを使用する特殊なタイプのロジカル・パーティションです。

アフィニティー・ロジカル・パーティションを作成できるシステムがあります。管理下のシステムがアフィニティー・ロジカル・パーティションを使用できるかどうかを調べるために、ご使用のハードウェアの仕様を検査してください。アフィニティー・ロジカル・パーティションの作成時に、HMCは、どのシステム・リソースを使用するかを、お互いに対する物理ロケーションに基づいて自動的に判別します。 HMCが自動的に管理するシステム・リソースは、プロセッサーとメモリーです。ユーザーは、これらのパーティションごとに I/O 要件を判別します。HMCは、次に、アフィニティー・ロジカル・パーティションごとのプロファイルおよび管理下のシステム用のシステム・プロファイルを作成します。

全システム区画全システム区画 と呼ばれる特殊区画では、管理下のシステムの全リソースが 1 つの大きな区画に割り当てられます。

全システム区画は、オペレーティング・システムの従来の非区分方法に類似しています。全リソースがこの区画に割り当てられるので、全システム区画の実行時に他のいずれの区画も開始することはできません。また、他の区画の実行時に全システム区画を開始することはできません。全システム区画の使用または他の区画の作成のいずれかを選択する必要があります。この 2 つのオプションを頻繁に切り替えると、I/O 使用率が影響を受ける可能性があります。

論理区画上での AIX の実行AIX を論理区画上で実行する方法とスタンドアロン・サーバー上で実行する方法との間には幾つかの相違点があります。

相違点の幾つかを次に示します。

v 論理区画リソース割り当てにより、これらのリソース間の依存関係なしで区画に追加される個々のコンポーネントを選択することができます。システム上の任意の I/O ドロワー内でスロットを自由に割り当てることができます。特定のアプリケーション要件ではその他のデバイスが必要となる場合があります。区画内の PCI スロットを、アダプターの数に合わせた必要な数よりも多く構成するのが得策です。これにより、追加のアダプターがアクティブ区画の一部である空のスロットにホット・プラグ可能となることで、柔軟性が生じます。各区画にはその独自の個別ブート・デバイスが必要となるため、システムには、区画ごとに 1 つ以上のブート・デバイスおよび関連アダプターが備わっている必要があります。

v AIX が論理区画内で稼働するために、AIX は、ハードウェアおよびアドレス・マッピング機能への従来の直接アクセスを行わずにハイパーバイザーを呼び出します。

v 診断目的で行われる直接アクセス呼び出しもあります。また、正しくない操作が実行されるときは常に、Run-Time Abstraction Services (RTAS) 呼び出し用の代替戻りコードが使用されます。

v 物理コンソールは区画上には存在しません。システム上の物理シリアル・ポートを区画に割り当てることができる場合、一度に 1 つの区画内でのみ物理シリアル・ポートが存在することができます。コンソール・メッセージ用ならびに診断目的で出力を提供するために、ファームウェアは、標準 tty デバイスとして AIX によって認識される仮想 tty をインプリメントします。この出力は HMC に送られます。AIX 診断サブシステムは、システム・コンソールとして仮想 tty を使用します。

v 特定のプラットフォーム操作は、LPAR 内では制限されます。例えば、非 LPAR システムでは、root ユーザーは、プラットフォーム・ファームウェア更新を AIX から実行することができます。ファームウェア更新は LPAR システム内のすべての区画に影響を及ぼす可能性があるため、LPAR 管理者は、特定の

インストールおよび移行 403

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区画 (または区画なし) にこの権限が付与されていることを指定することができます。その区画内で、ファームウェア更新は非 LPAR システムの場合と同じ方法で行われます。

これらの考慮事項は別として、AIX は、スタンドアロン・サーバーの場合と同じ方法で区画内で稼働します。アプリケーションまたは管理者の観点からも相違点はありません。第三者アプリケーションは、区画内で稼働するあるレベルの AIX に対してのみ検証する必要があり、LPAR 環境自体に対しては認証する必要はありません。

ロジカル・パーティションのインプリメンテーションロジカル・パーティション環境は、リソースの管理、可用性、および効率的な使用の点で改善できるソリューションのポートフォリオを高めます。複数の方法でロジカル・パーティションをインプリメントすることができます。

サーバー統合サーバーに十分な処理能力が備わっている場合は、サーバー統合を使用可能にするために、そのサーバーを幾つかの別個の小規模システムに論理的に分割することができます。サーバー統合のための分割化により、アプリケーションを分離することができ、さらなる利点として、フロア・スペースを削減でき、単一管理が可能となり、さらにワークロードの変更時のリソースの再配分が容易に行えるようになります。

実稼働環境とテスト環境の混合通常は、実稼働環境とテスト環境は互いに分離している必要があります。区分化により、個々のパーティションを実動システムとテスト・システム用に割り当てることができます。これにより、追加のハードウェアとソフトウェアを購入する必要がなくなります。

テストの完了時に、テスト用パーティションに割り当てられたリソースを、必要に応じて実稼働用パーティションまたはその他の場所に戻すことができます。パーティションをテスト環境から実稼働環境に移動する場合は、余分のリソースをそのパーティションに追加することもできます。新規プロジェクトを作成する場合は、そのプロジェクトを、それが配置されるハードウェアと同じハードウェア上で作成およびテストすることができます。

同じオペレーティング・システムの複数のバージョンの統合さまざまなバージョンの AIX が、同じシステム上のさまざまなロジカル・パーティション (LPAR) に存在することができます。

単一システム上の AIX の複数のバージョンを統合することにより、複数システムを用いずに複数のアプリケーション要件に適応させることができます。実稼働環境をアップグレードする前に、新規バージョンのオペレーティング・システムのもとでアプリケーションをテストするための LPAR を作成することもできます。この機能用に別個のサーバーを設けるのではなく、最小限のリソース・セットを一時的に使用して、アプリケーションのテストに使用する新規 LPAR を作成することができます。このパーティションが必要なくなった場合は、そのリソースを他の LPAR に再度組み入れることができます。

リモート管理ハードウェア管理コンソール (HMC) を使用して、Web-based System Manager またはコマンド行を用いてパーティションをリモート管理することができます。

以下のそれぞれのシステム管理方法を、HMC インターフェースまたはコマンド行を使用して実行することができます。

404 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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v HMC クライアントを使用して、AIX の任意のパーティションまたはシステムをリモート管理します。AIX システム上のすべての AIX プラグインは、Web-based System Manager フレームワーク・バージョンが互換性を保持していれば、HMC クライアントからリモート管理することができます。オペレーティング・システムは、Web-based System Manager フレームワークとの互換性について各プラグインを検査します。該当のプラグインとは互換性がない場合は、クライアントがそのプラグインを管理できないことを示すメッセージが表示されます。

v AIX のパーティションまたはシステムを使用して、HMC をリモート管理します。AIX システムが互換性のある Web-based System Manager フレームワーク・バージョンであれば、HMC サーバー上のすべての HMC プラグインを、AIX システムからリモート管理することができます。そうでない場合は、AIX

システムが HMC サーバーを管理できないことを示すエラー・メッセージが表示されます。

v Web-based System Manager Remote Client を使用して、HMC サーバーをリモート管理します。 Remote

Client をインストールする方法については、「AIX 5L バージョン 5.3 Web-based System Manager 管理ガイド」を参照してください。 Remote Client が互換性のある Web-based System Manager フレームワーク・バージョンであれば、HMC サーバー上のすべての HMC プラグインを、Remote Client からリモート管理することができます。そうでない場合は、Remote Client が HMC サーバーを管理できないことを示すエラー・メッセージが表示されます。例外となる唯一のプラグインは、Service Agent プラグインです。

v HMC クライアントを使用して、別の HMC クライアントをリモート管理します。 HMC サーバー上のすべての HMC プラグインを、HMC クライアントからリモート管理することができます。例外となる唯一のプラグインは、Service Agent プラグインです。

HMC 上のコマンド行を用いたパーティションのリモート管理については、『HMC リモート・コマンド行の使用法』を参照してください。

Web-based System Manager を用いたパーティションのリモート管理の詳細については、『Web-based

System Manager Remote Client』を参照してください。以下の README ファイルを表示することもできます。

v /usr/websm/readme.html

v /usr/websm/readme.txt

区画セキュリティーシステム管理者は、基本オペレーティング・システム (BOS) のインストール時に Controlled Access

Protection Profile (CAPP) および 評価保証レベル 4+ (EAL4+) オプションを用いてサーバーをインストールすることができます。このオプションを選択する場合は、BOS インストール時にインストールされるソフトウェアに関する制限ならびにネットワーク・アクセスに関する制限があります。

AIX 5L バージョン 5.2 (5200-01 推奨メンテナンス・パッケージ適用) からは、CAPP/EAL4+ テクノロジーが、論理区画構成をサポートする POWER4™ プロセッサー・ハードウェア・プラットフォーム上で稼働します。 CAPP/EAL4+ サーバーでは、以下の周辺装置がサポートされます。

v 記憶デバイス

– 端末装置

– プリンター

– ハード・ディスク

– CD-ROM ドライブ

v バックアップ・デバイス

– ストリーマー

インストールおよび移行 405

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– フロッピー・ディスク・ドライブ

v ネットワーク・デバイス

– イーサネット

– トークンリング

区画と HMC との間のネットワーク・アダプター通信区画の起動後に、区画はネットワーク・アダプターを使用して ハードウェア管理コンソール (HMC) と通信します。

HMC と区画の両方を構成して、ネットワーク・アダプターを用いて互いに通信できるようにする必要があります。区画は、ネットワーク上の HMC (または HMC) を識別するために構成しなければなりません。Domain Name Service (DNS) サーバーを使用してネットワークを構成することをお勧めします。

完全修飾ホスト名または簡略ホスト名のいずれかを使用して、区画および HMC を識別することができます。ただし、この識別ではネットワーク内のすべての区画および HMC の固有の命名が確保されるため、それぞれの区画および HMC を完全修飾ホスト名を使用して識別することをお勧めします。完全修飾ホスト名の長さは、100 バイトを超えてはなりません。

HMC および区画は、簡略ホスト名 (ドメイン名が定義されない) を使用して構成することもできます。このような構成は通常、プライベート・ネットワークまたはテスト・ネットワークで行われます。HMC が簡略ホスト名を使用して定義される場合は、区画と HMC との間の正しい通信を確保するために、追加のネットワーク構成ステップを実行する必要があります。完全修飾ホスト名ではなく簡略ホスト名を使用する場合は、簡略ホスト名が固有のものであり、IP アドレスに対するマッピングが適切に指定されていることを確認してください。

ローカル /etc/hosts ファイルと DNS との間の検索順序は、/etc/netsvc.conf ファイルまたは/etc/irs.conf ファイルを使用して指定することができます。

以下に、サポートされるシナリオの例を示します。

v DNS を使用し、ご使用の区画と HMC が完全修飾ホスト名を使用する場合は、追加のネットワーク構成は不要です。

v DNS を使用し、ご使用の区画で簡略ホスト名 (例えば、partition_1) を使用し、かつ HMC も簡略ホスト名 (例えば、hmc123) を使用する場合は、以下のように、両方の簡略ホスト名をローカル /etc/hosts ファイルに追加する必要があります。

root@partition_1-> cat /etc/hosts

127.0.0.1 loopback localhost

9.3.3.151 partition_1.mydomain.mycompany.com partition_19.3.3.152 hmc123.mydomain.mycompany.com hmc123

注: DNS が存在する場合は、簡略ホスト名に加えて完全修飾ホスト名を組み込む必要があります。

v DNS を使用せず、ご使用の区画で完全修飾ホスト名 (例えば、partition_1.mydomain.mycompany.com) を使用し、かつ HMC も完全修飾ホスト名 (例えば、hmc123.mydomain.mycompany.com) を使用する場合は、以下のように、両方の完全修飾ホスト名をローカル /etc/hosts ファイルに追加する必要があります。

406 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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root@partition_1.mydomain.mycompany.com-> cat /etc/hosts

127.0.0.1 loopback localhost9.3.3.151 partition_1.mydomain.mycompany.com9.3.3.152 hmc123.mydomain.mycompany.com

v DNS を使用せず、ご使用の区画で簡略ホスト名 (例えば、partition_1) を使用し、かつ HMC も簡略ホスト名 (例えば、hmc123) を使用する場合は、以下のように、両方の簡略ホスト名をローカル/etc/hosts ファイルに追加する必要があります。

root@partition_1-> cat /etc/hosts

127.0.0.1 loopback localhost

9.3.3.151 partition_19.3.3.152 hmc123

v ご使用の HMC が簡略ホスト名 (例えば、hmc123) を使用し、HMC に完全修飾ホスト名と簡略ホスト名の両方を使用するとします。ご使用の区画が HMC と正しく通信するためには、以下のように、ご使用の区画の /etc/hosts ファイル内の完全修飾ホスト名の前に簡略ホスト名を指定する必要があります。

root@partition_1.mydomain.mycompany.com-> cat /etc/hosts

127.0.0.1 loopback localhost

9.3.3.151 partition_1.mydomain.mycompany.com9.3.3.152 hmc123 hmc123.mydomain.mycompany.com

区画環境での AIX のインストール区画環境で AIX をインストールする手順は複数個あります。

選択するインストール方式に応じて、記載してあるステップの順序に必ず従うようにしてください。手順ごとに、AIX を使用して実行する必要があるインストール・ステップと、HMC インターフェースを使用して実行するステップがあります。

区画インストール用メディア・デバイスを使用した AIX のインストール (HMC を使用)この手順では、ロジカル・パーティションに、その区画のメディア・デバイスを使用して、基本オペレーティング・システムの新規および完全インストールを行います。この手順は、管理下のシステムに HMC が接続されていることを前提としています。

前提条件

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

注: 選択するインストール方式に応じて、記載してあるステップの順序に必ず従うようにしてください。手順ごとに、AIX を使用して実行する必要があるインストール・ステップと、HMC インターフェースを使用して実行するステップがあります。

この手順を始める前に、HMC を使用して、クライアントの区画および区画プロファイルを作成しておく必要があります。メディア・デバイスに接続する SCSI バス・コントローラー、ネットワーク・アダプター、および十分な AIX オペレーティング・システム用ディスク・スペースを区画に割り当てます。この区

インストールおよび移行 407

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画のブート・モードを SMS モードに設定します。区画と区画プロファイルを正常に作成したら、区画を作動可能 状態にしておきます。ロジカル・パーティションおよび区画プロファイルの作成方法については、「IBM eServer ハードウェア Information Center」内の『Creating logical partitions and partition profiles』の項目を参照してください。

ステップ 1. 区画の活動化とインストール (このステップは HMC インターフェースで実行)

1. 以下のようにして区画を活動化します。

a. AIX 5L Volume 1 メディアを管理下のシステムのメディア・デバイスに挿入します。

b. 区画を右マウス・ボタンでクリックしてメニューをオープンします。

c. 「Activate (活動化)」を選択します。「Activate Partition (パーティションの活動化)」メニューがオープンし、ここで区画プロファイルを選択します。正しいプロファイルが強調表示されていることを確認してください。

d. メニューの下部にある「Open a terminal window or console session (端末ウィンドウまたはコンソール・セッションのオープン)」を選択して仮想端末 (vterm) ウィンドウを開きます。

e. 「Advanced (詳細)」を選択して「Advanced options (詳細オプション)」メニューを開きます。

f. 「Boot mode (ブート・モード)」として「SMS」を選択します。

g. 「OK (了解)」を選択して「Advanced options (詳細オプション)」メニューを閉じます。

h. 「OK (了解)」を選択します。パーティションの vterm ウィンドウがオープンします。

2. vterm の SMS メニューで、以下のようにします。

a. 5 キーを押してから Enter を押して「5. Select Boot Options (5. ブート・オプションの選択)」を選択します。

PowerPC FirmwareVersion SF220_001SMS 1.5 (c) Copyright IBM Corp. 2000, 2003 All rights reserved.-------------------------------------------------------------------------------Main Menu

1. Select Language2. Setup Remote IPL (Initial Program Load)3. Change SCSI Settings4. Select Console5. Select Boot Options

-------------------------------------------------------------------------------Navigation Keys:

X = eXit System Management Services-------------------------------------------------------------------------------Type the number of the menu item and press Enter or select Navigation Key: 5

b. 2 キーを押してから Enter を押して「2. Select Boot Devices (2. ブート・デバイスの選択)」を選択します。

c. 1 キーを押してから Enter を押して「1. Select 1st Boot Device (1. 1 番目のブート・デバイスの選択)」を選択します。

d. 3 キーを押してから Enter を押して「3. CD/DVD」を選択します。

e. メディア・デバイスが該当するメディア・タイプを選択し、Enter キーを押します。

f. メディア・デバイスが該当するデバイス番号を選択し、Enter キーを押します。これでメディア・デバイスが、「Current Boot Sequence (現在のブート・シーケンス)」リストの 1 番目のデバイスになります。

408 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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g. 「Configure Boot Device Order (ブート・デバイス順序の構成)」メニューに戻るまで ESC キーを押します。

h. 2 キーを押して「2. Select 2nd Boot Device (2. 2 番目のブート・デバイスの選択)」を選択します。

i. 5 キーを押してから Enter を押して「5. Hard Drive (5. ハード・ディスク)」を選択します。

j. 区画にハード・ディスクが複数ある場合は、どのハード・ディスクを使用して AIX のインストールを行うかを決定します。ハード・ディスクが該当するメディア・タイプを選択し、Enter キーを押します。

k. ハード・ディスクが該当するデバイス番号を選択し、Enter キーを押します。

l. x キーを押して SMS メニューを終了します。 SMS を終了することを確認します。

3. 以下のようにして、AIX 5L Volume 1 からブートします。

a. コンソールを選択し、Enter キーを押します。

b. BOS インストール・メニューの言語を選択し、Enter キーを押すと、「Welcome to Base Operating

System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」メニューが表示されます。

c. 「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して Enter を押すことにより、「Change/Show InstallationSettings and Install (インストール設定値の変更/表示、およびインストール)」を選択します。

Welcome to Base Operating SystemInstallation and Maintenance

Type the number of your choice and press Enter. Choice is indicated by >>>.

1 Start Install Now with Default Settings

2 Change/Show Installation Settings and Install

3 Start Maintenance Mode for System Recovery

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]: 2

4. 以下のようにして、BOS インストール設定の確認または変更を行います。

a. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して、「System Settings (システム設定)」を選択します。

b. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して Enter を押すことにより、「New and Complete

Overwrite (新規および完全上書き)」を選択します。

注: 使用可能なインストール方式は、ディスクに AIX の前にバージョンがインストール済みであるかどうかによって異なります。

c. 「Change Disk(s) (ディスクの変更)」画面が開くと、インストールの宛先ディスクを変更できます。表示されたデフォルトが正しければ、「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押します。宛先ディスクを変更するには、以下のようにします。

1) 「Choice (選択)」フィールドに、選択する各ディスクの番号を入力して、 ENTER キーを押します。すべてのディスクを選択し終わるまで、 Enter キーを最後まで押さないで ください。あるディスクを選択解除する必要がある場合、その番号を再び入力し、ENTER キーを押します。

2) ディスクの選択が終わったら、「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押します。「Installation and Settings (インストールと設定)」画面が表示され、「System Settings (システム設定)」の下に選択済みディスクがリストされます。

インストールおよび移行 409

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d. 必要な場合は 1 次言語環境を変更します。このインストールで使用される 1 次言語を変更するには、以下のステップに従って、使用する言語と国/地域別情報を選択します。

注: 1 次言語環境に対する変更は、基本オペレーティング・システムのインストールが完了してシステムがリブートされるまで、効力をもちません。

1) 「Installation and Settings (インストールと設定)」画面の「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して、「Primary Language Environment Settings (1 次言語環境設定)」オプションを選択します。

2) 国/地域別情報、言語、およびキーボードのオプションの該当するセットを選択します。大半のオプションは、事前に組み合わせて定義したものですが、ユーザー自身によるオプションの組み合わせを定義することもできます。

v 事前定義の 1 次 言語環境 を選択するには、「選択」フィールドに該当する番号を入力して、Enter キーを押します。

v ユーザー独自の 1 次言語環境を構成するには、以下のようにします。

a) 「MORE CHOICES (選択項目の続き)」を選択します。

b) 「Create Your Own Combination (ユーザー独自の組み合わせの作成)」を選択します。

c) 「Set Primary Cultural Convention (1 次国/地域別情報の設定)」画面が開いたら、ユーザーが選択する国/地域別情報に該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力して Enter

を押します。

d) 「Set Primary Language (1 次言語の設定)」画面が開いたら、選択する 1 次言語に該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力して Enter を押します。

e) 「Set Keyboard (キーボードの設定)」画面が開いたら、システムに接続されているキーボードに該当する番号を「Choice (選択)」フィールドに入力して Enter を押します。

e. 選択をすべて終えたら、選択内容が正しいことを確認してください。 Enter キーを押すと選択の確認が行われ、BOS インストールが開始されます。インストール完了後、システムは自動的にリブートします。

5. 区画の通常モードへの切り替えを、以下のようにして行います。

a. 区画プロファイルを右マウス・ボタンでクリックしてメニューをオープンします。正しい区画プロファイルが強調表示されていることを確認してください。

b. 「Properties (属性)」を選択します。

c. 「Settings (設定)」タブを選択します。

d. 「Boot Mode (ブート・モード)」として「Normal (通常)」を選択します。

e. 「OK (了解)」を選択して、「Properties (属性)」メニューを閉じます。

f. 区画を右マウス・ボタンでクリックしてメニューをオープンします。

g. 「Restart Partition (パーティションの再始動)」を選択します。

h. 「Restart Options (再起動オプション)」として「Immediate (即時)」を選択します。

i. 区画を再始動することの確認が行われます。

j. 区画が再始動したら、区画を右マウス・ボタンでクリックしてメニューをオープンします。

k. 「Open terminal window (端末エミュレーターを開く)」を選択して、仮想端末 (vterm) ウィンドウを開きます。

6. BOS インストールを、以下のようにして完了します。

a. ターミナル・タイプとして vt100 と入力します。

410 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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Set Terminal TypeThe terminal is not properly initialized. Please enter a terminal typeand press Enter. Some terminal types are not supported innon-English languages.

ibm3101 tvi912 vt330ibm3151 tvi920 vt340ibm3161 tvi925 wyse30ibm3162 tvi950 wyse50ibm3163 vs100 wyse60ibm3164 vt100 wyse100ibmpc vt320 wyse350lft sun

+-----------------------Messages------------------------| If the next screen is unreadable, press Break (Ctrl-c)

88 Help ? | to return to this screen.99 Exit |

|>>> Choice []: vt100

b. 「License Agreement (ご使用条件)」メニューで「Accept License Agreements (ソフトウェアのご使用条件に同意)」を選択します。

c. 「ACCEPT Installed License Agreements (インストール済みのご使用条件に同意)」に対して「yes」を選択します。

d. F10 キー (または Esc キーを押しながら 0 キー) を押して「License Agreement (ご使用条件)」メニューを終了します。

e. 「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューで「Set Date and Time (日付および時刻の設定)」を選択します。

Installation Assistant

Move cursor to desired item and press Enter.

Set Date and TimeSet root PasswordConfigure Network CommunicationsInstall Software ApplicationsUsing SMIT (information only)

F1=Help F2=Refresh F3=Cancel F8=ImageF9=Shell F10=Exit Enter=Do

f. 正しい日付、時刻、およびタイムゾーンを設定します。F3 キー (または Esc キーを押しながら 3

キー) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューに戻ります。

g. 「Set root Password (root パスワードの設定)」を選択します。パーティションの root パスワードを設定します。

h. 「Configure Network Communications (ネットワーク通信の構成)」を選択します。「TCP/IPStartup (TCP/IP の始動)」を選択します。「Available Network Interfaces (使用可能なネットワーク・インターフェース)」の中から選択して Enter キーを押します。「Minimum Configuration and

Startup (最小構成と始動)」メニューの該当するネットワーク情報を入力し、Enter キーを押します。F3 キー (または Esc キーを押しながら 3 キー) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」メインメニューに戻ります。

i. F10 キー (または Esc キーを押しながら 0 キー) を押して「Installation Assistant (インストール・アシスト)」を終了します。

j. vterm ウィンドウにログイン・プロンプトが表示されます。

インストールおよび移行 411

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ステップ 2. 区画の管理 (このステップは AIX 環境で実行)

インストールが完了してシステムがリブートすると、vterm ウィンドウにログイン・プロンプトが表示されます。

このとき、一般的なシステム管理手順をいくつか実行することができます。次の表は、それらの手順の実行に関する情報がどこにあるかをリストしたものです。

表 13. 一般的なシステム管理手順

手順 参照先

システム・バックアップのバックアップとリカバリー

「インストールおよびマイグレーション」の『システム・バックアップの作成とインストール』

ユーザーおよびグループの管理 「セキュリティー」の『ユーザー、ロール、およびパスワード』

ソフトウェアのインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新』

フィックス/更新のインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新』

システムのパフォーマンスの調整 「パフォーマンス・マネージメント」の『パフォーマンス・チューニング』

プリンターの構成 プリンターおよび印刷

区画インストール用メディア・デバイスを使用した AIX のインストール (HMC を非使用)この手順では、スタンドアロン・システムに、システムの内蔵メディア・デバイスを使用して、基本オペレーティング・システムの新規および完全インストールを行います。

考慮すべき点

ここで解説する情報は AIX の特定バージョンを使用してテストされたものです。したがって、その内容は使用される AIX のバージョンおよびレベルによってかなり異なることがあります。

ここには AIX オペレーティング・システムをインストールするための手順情報が記載してあります。AIX 基本オペレーティング・システムのインストールを実行する場合の概念と考慮事項、またはネットワーク・インストール・マネージャー (NIM) を使用して AIX のインストールおよび保守を行う場合の概念と要件について詳しくは、「インストールおよびマイグレーション」を参照してください。

この時点で、BOS のインストールは完了し、システムの初期構成作業も完了しています。

ステップ 1. インストールのためのシステムの準備v 十分なディスク・スペースとメモリーが使用可能でなければなりません。 AIX 5.3 256 から 512 MB

のメモリーと 2.2 GB の物理ディスク・スペースが必要です。追加のリリース情報については、「AIX

5.3 リリース・ノート」を参照してください。

v すべての外付けデバイスを含め、ハードウェアが完全に設置および接続されていることを確認してください。設置や接続の手順については、システム装置付属のマニュアルを参照してください。

v 他のシステムと通信し、他のシステムのリソースにアクセスすることが必要なシステムの場合は、インストールを開始する前に下記のワークシートの情報を調べておいてください。

412 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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表 14. ネットワーク構成情報ワークシートネットワーク属性 値

ネットワーク・インターフェース (例: en0、et0)

ホスト名

IP アドレス _______.________.________.________

ネットワーク・マスク _______.________.________.________

ネーム・サーバー _______.________.________.________

ドメイン名

ゲートウェイ _______.________.________.________

ステップ 2. AIX プロダクト・メディアからのブート1. AIXVolume 1 のメディアをメディア・デバイスに挿入します。

2. システムに接続されているすべての外付けデバイス (CD-ROM ドライブ、テープ・ドライブ、DVD デバイス、端末装置など) の電源がオンになっていることを確認します。 AIX のインストールに使用する以外のメディア・ドライブには、インストール・メディアが入っていないようにしてください。

3. AIX プロダクト・メディアからブートさせるためのシステムの電源オンに必要などのような手順にも従います。必要であれば、ハードウェア資料の説明をお読みください。

注: ほとんどの旧マイクロチャネル・システムでは、システムの電源オン前にキーロックをサービス位置に設定する必要があります。一部の旧 PCI システムでは、電源オン後に数秒間、システムがビープ音を出し、コンソール上で IBM または RS/6000 の表示を繰り返す場合に、5 を入力するかまたは F5

キーを押す必要があります (ASCII 端末またはカラー・グラフィックス・ディスプレイ・コンソールのいずれが備わっているかに応じて決まります)。ほとんどの現行 PCI システムでは、プロンプトが出されたときに繰り返し 5 キーを押すだけで済みます (どのタイプのコンソールが備わっているかに関係なく)。また、ほとんどの現行システムは、サービス・プロセッサー・メニューを使用した電源オンの前に代替メディアからブートするように設定することができます。詳しくは、ご使用のハードウェアに付属の資料をお読みください。

4. プロンプトで示されるキー (1、2、F1、F2 など) を押すことによってプロンプトが出されたときに、システム・コンソールを選択します。

5. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力することにより、基本オペレーティング・システム (BOS) インストール・メニューの言語として英語を選択します。 Enter キーを押すと、「Welcome to the Base

Operating System Installation and Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守)」画面が表示されます。

6. 「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して Enter を押すことにより、「2 Change/Show InstallationSettings and Install (2 インストール設定値の変更/表示、およびインストール)」を選択します。

Welcome to Base Operating SystemInstallation and Maintenance

Type the number of your choice and press Enter. Choice is indicated by >>>.

1 Start Install Now with Default Settings

2 Change/Show Installation Settings and Install

3 Start Maintenance Mode for System Recovery

88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]: 2

インストールおよび移行 413

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ステップ 3. BOS インストール設定値の設定と確認1. 「Installation and Settings (インストールと設定)」画面で、インストールのさまざまな設定値が正しいものであることを確認します。確認するべき設定値には、インストール方法 (新規および完全上書き)、インストール先ディスク、1 次言語環境設定、および詳細オプションがあります。

2. 「System Settings (システム設定値)」を変更するには、「Choice (変更)」フィールドに 1 を入力してから Enter を押します。システム設定値には、インストール方法、およびインストール先ディスクが含まれています。

Installation and Settings

Either type 0 and press Enter to install with current settings, or type thenumber of the setting you want to change and press Enter.

1 System Settings:Method of Installation.............New and Complete OverwriteDisk Where You Want to Install.....hdisk0

>>> Choice [0]: 1

3. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して Enter を押すことにより、「New and Complete

Overwrite (新規および完全上書き)」を選択します。「Change Disk(s) Where You Want to Install (インストールするディスクの変更)」画面が表示されます。

Change Disk(s) Where You Want to Install

Type one or more numbers for the disk(s) to be used for installation and pressEnter. To cancel a choice, type the corresponding number and Press Enter.At least one bootable disk must be selected. The current choice is indicatedby >>>.

Name Location Code Size(MB) VG Status Bootable

1 hdisk0 04-B0-00-2,0 4296 none Yes2 hdisk1 04-B0-00-5,0 4296 none Yes3 hdisk2 04-B0-00-6,0 12288 none Yes

>>> 0 Continue with choices indicated above

66 Disks not known to Base Operating System Installation77 Display More Disk Information88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [0]:

4. 「Change Disk(s) Where You Want to Install (インストールするディスクの変更)」画面で、

a. 「Choice (選択)」フィールドに 1 を入力して Enter を押すことにより、hdisk0 を選択します。選択されたディスクには、>>> が表示されます。インストール先ディスクを選択解除するには、その番号をもう一度入力してから Enter を押してください。

b. 「Choice (選択)」フィールドに 0 を入力して Enter を押すことにより、ディスクの選択作業を終了します。「Installation and Settings (インストールと設定)」画面が表示され、「System Settings (システム設定)」の下に選択されたディスクがリストされます。

5. 「Primary Language Environment Settings (1 次言語環境設定)」を米国英語に変更します。以下のステップに従って、「Cultural Convention (国/地域別情報)」、「Language (言語)」、および「Keyboard (キーボード)」を英語に変更します。

a. 「Installation and Settings (インストールと設定)」画面の「Choice (選択)」フィールドに 2 を入力して、「Primary Language Environment Settings (1 次言語環境設定)」オプションを選択します。

414 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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b. 「Choice (選択)」フィールドで、「Cultural Convention (国/地域別情報)」の米国英語に対応する番号を入力して、Enter を押します。

c. キーボードと言語のオプションについて、該当するオプションを選択します。

6. 「Overwrite Installation Summary (上書きインストールの要約)」画面で、選択した値が正しいことを確認してください。次のとおりです。

Overwrite Installation Summary

Disks: hdisk0Cultural Convention: en_USLanguage: en_USKeyboard: en_US64 Bit Kernel Enabled: NoJFS2 File Systems Created: NoDesktop: CDEEnable System Backups to install any system: Yes

Optional Software being installed:

>>> 1 Continue with Install88 Help ?99 Previous Menu

>>> Choice [1]:

7. Enter を押すと、BOS のインストールが始まります。インストール完了後、システムは自動的にリブートします。

ステップ 4. インストール後のシステムの構成1. グラフィック・ディスプレイのシステムでは、新規および完全上書きインストールの後、「Configuration Assistant (構成アシスト)」が表示されます。 ASCII ディスプレイのシステムでは、新規および完全上書きインストールの後、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」が表示されます。

2. 「Accept Licenses (ご使用条件に同意)」オプションを選択して、オペレーティング・システムの電子ライセンスに同意してください。

3. 日付および時刻を設定し、管理者 (root ユーザー) のパスワードを設定し、ネットワーク通信 (TCP/IP)

を構成します。

その他のオプションがあるなら、この時点で使用します。コマンド行で configassist または smitty

assist を入力すると、「Configuration Assistant (構成アシスト)」または「Installation Assistant (インストール・アシスト)」に戻ります。

4. 「Exit the Configuration Assistant (構成アシストの終了)」を選択した後、「Next (次へ)」を選択します。あるいは、F10 (または ESC+0) を押して、「Installation Assistant (インストール・アシスト)」を終了します。

5. 「Configuration Assistant (構成アシスト)」の場合は、「Finish now, and do not start ConfigurationAssistant when restarting AIX (ここで完了し、オペレーティング・システムの再起動時に構成アシストを起動しない)」を選択して、「Finish (完了)」を選択します。

ステップ 5. システムの管理

このとき、一般的なシステム管理手順をいくつか実行することができます。次の表は、それらの手順の実行に関する情報がどこにあるかをリストしたものです。

インストールおよび移行 415

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表 15. 一般的なシステム管理手順

手順 参照先

システム・バックアップのバックアップとリカバリー

「インストールおよびマイグレーション」の『システム・バックアップの作成とインストール』

ユーザーおよびグループの管理 「セキュリティー」の『ユーザー、ロール、およびパスワード』

ソフトウェアのインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新』

フィックス/更新のインストール 「インストールおよびマイグレーション」の『オプションのソフトウェア・プロダクトおよび保守更新』

システムのパフォーマンスの調整 「パフォーマンス・マネージメント」の『パフォーマンス・チューニング』

プリンターの構成 プリンターおよび印刷

代替ディスクのインストールを使用した区画のインストールNIM を使用せずに既存のディスク・イメージのクローンを別のディスク (複数の場合もある) に作成することができます。

ご使用のネットワークが完全にはセットアップされない場合、またはご使用のネットワーク構成について確信がもてない場合は、代替ディスクのインストールを使用することができます。代替ディスクのインストールを使用しても、将来における NIM の使用を回避することにはなりません。

alt_disk_install コマンドを使用して、システム・イメージのクローンを別のディスクに作成することができます。ただし、-O オプションを使用して、既存のシステムに対するオブジェクト・データ・マネージャー(ODM) およびデバイス (/dev) の項目内の参照を除去する必要があります。 -O フラグは、alt_disk_installコマンドがデバイス・データベースをリセットするために devreset コマンドを呼び出すことを指定するためのものです。クローンとして作成されたディスクは、新規システムとしてブートできるようになりました。

代替ディスクのインストールの詳細については、『alt_disk_install』を参照してください。

1. 管理下のシステム内のすべてのディスクにアクセスできるようにするために、管理下のシステムを全システム区画としてブートします。

2. システムを構成し、必要なアプリケーションをインストールします。

3. 以下のように alt_disk_install コマンドを実行して、hdisk1 への hdisk0 上の rootvg のクローン作成を開始します。

# /usr/sbin/alt_disk_install -O -B -C hdisk1

クローンとして作成されたディスク (hdisk1) は、デフォルトで altinst_rootvg という名前が付けられます。

4. 次のように、クローンとして作成されたディスク (hdisk1) の名前を alt1 に変更します。

# /usr/sbin/alt_disk_install -v alt1 hdisk1

クローンとして作成されたディスクの名前変更により、別のディスクを用いた操作を繰り返すことができます。

5. 別のディスクへのクローン作成およびクローンとして作成されたディスクの名前変更を行うために、次のように、alt_disk_install コマンドを再度実行します。

# /usr/sbin/alt_disk_install -O -B -C hdisk2# /usr/sbin/alt_disk_install -v alt2 hdisk2

6. クローン作成を行うすべてのディスクについて、ステップ 3 からステップ 5 を繰り返します。

416 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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7. HMC を使用して、新たにクローンとして作成されたディスクを含んだ管理下のシステムを区分化します。 これで、作成される各区画には、ブート・イメージを伴う rootvg が含まれることになります。

8. 区画をブートして SMS モードにします。「SMS MultiBoot」メニューを使用して、最初のブート・デバイスが新規インストール済みディスクになるように構成します。

9. SMS メニューを終了し、システムをブートします。

NIM を使用して残りの区画をインストールするために NIM マスターとして初期区画を構成するNIM マスターおよびサーバーとして初期論理区画を設定することができます。 NIM 環境により、他の区画に合うようにインストール済み環境を管理することができます。

この手順を始める前に、以下の作業を行う必要があります。

v HMC を使用して Master_LPAR 区画プロファイルを作成します。区画を作動可能 状態にしておきます。

v Master_LPAR 区画に、ネットワーク・アダプター、NIM リソース用の十分なハード・ディスク・スペース、および割り当て済みの CD デバイスがあるか確認します。

v Master_LPAR 区画用のブート・モードを通常モードに設定します。

v HMC を使用して、NIM クライアントごとに論理区画および区画プロファイルを作成します。

v それぞれの NIM クライアント区画にネットワーク・アダプターが割り当てられているか確認します。区画ごとのブート・モードを SMS モードに設定します。区画と区画プロファイルを正常に作成したら、区画を作動可能 にしておきます。

v AIX がシステム内のいずれかのディスク上に現在、インストールされていない場合は、これをインストールする必要があります。詳しくは、 28ページの『区画インストール用メディア・デバイスを使用したAIX のインストール (HMC を使用)』を参照してください。

v Master_LPAR 上のネットワーク通信用に AIX を構成します。

v HMC 上で Master_LPAR 区画プロファイルを活動化します。区画プロファイルの活動化の詳細については、『区画プロファイルの活動化』を参照してください。

NIM マスターとして初期区画を構成するときにインストールの以下の局面について検討する必要があります。また、NIM を使用して残りの区画をインストールすることには、次の利点があります。

v NIM 環境では、インストールと管理用の柔軟性およびカスタマイズに関するほとんどのオプションが提供されます。

v NIM 環境では、同時に複数のインストールを行うことができます。

v nim_master_setup および nim_clients_setup スクリプトにより、NIM 環境をセットアップすることができます。

v NIM マスター区画専用の約 1.5 GB のディスク・スペースをもつ 1 つの LPAR が必要とされます。

この手順では、NIM マスターおよびサーバーとして初期論理区画を設定します。この手順では、この初期論理区画を Master_LPAR と呼びます。

1. Master_LPAR で oslevel コマンドを実行します。 次のような出力が表示されます。

5200

oslevel コマンドからの出力で、期待される OS レベルが表示されない場合は、正しい OS レベルへのAIX オペレーティング・システムの移行について、 156ページの『AIX の移行』を参照してください。

インストールおよび移行 417

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2. netstat コマンドを実行して、ネットワーク接続を検証します。 ルーティング・テーブル情報を表示するために -C フラグを指定してこのコマンドを実行することができます。また、-D フラグを使用して、通信サブシステム内で受信、送信、および中断されたパケットの数を表示することができます。

3. AIX インストール・メディアを挿入します。

4. nim_master_setup コマンドを実行します。 このコマンドを実行するためのオプションに関する追加情報については、nim_master_setup を参照してください。

5. vi エディターを使用して /export/nim/client.defs ファイルを開くには、次のコマンドを実行します。

# vi /export/nim/client.defs

6. ご使用の環境に応じて client.defs ファイルを編集します。 このファイルの詳細については、client.defs ファイル内の説明および例を参照してください。client.defs ファイルの編集が完了したら、このファイルを保管し、vi エディターを終了します。

7. nim_clients_setup -c コマンドを実行します。 このコマンドを実行するためのオプションに関する追加情報については、nim_clients_setup を参照してください。

注: ネーム・サーバー上では解決できない新規クライアント・マシンを追加する場合は、IP アドレスおよびクライアント・ホスト名を追加するために /etc/hosts ファイルを編集します。

クライアント・マシンを定義した後で、区画を活動化し、インストールする必要があります。区画の活動化の詳細については、『区画プロファイルの活動化』を参照してください。

クライアント区画の活動化およびインストールの後に、すべてのシステム管理タスクを実行することができます。

NIM を使用して各区画をインストールするために個々の AIX システムを NIM マスターとして使用するAIX を実行中の個々のシステムを、NIM のマスターおよびサーバーとして使用することができます。NIM 環境により、他の区画に合うようにインストール済み環境を管理することができます。

この手順を始める前に、以下の作業を行う必要があります。

v HMC を使用して、インストールする NIM クライアント区画ごとに区画および区画プロファイルを作成します。区画を作動可能 状態にしておきます。

v 各区画にネットワーク・アダプターが割り当てられているか確認します。

v 区画ごとのブート・モードを SMS モードに設定します。

NIM マスターとして個々の AIX システムを使用するときにインストールの以下の局面について検討する必要があります。また、NIM を使用して各区画をインストールすることには、次の利点があります。

v LPAR を NIM マスターとして専用化する必要はありません。

v NIM 環境では、インストールと管理用の柔軟性およびカスタマイズに関するほとんどのオプションが提供されます。

v NIM 環境では、同時に複数のインストールを行うことができます。

v nim_master_setup および nim_clients_setup スクリプトにより、NIM 環境をセットアップすることができます。

v NIM マスターとして使用できる AIX 5.2 またはそれ以降のバージョンを実行中の使用可能なサーバーが必要とされます。

1. Master_LPAR で oslevel コマンドを実行します。 次のような出力が表示されます。

418 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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5200

oslevel コマンドからの出力で、期待される OS レベルが表示されない場合は、正しい OS レベルへのAIX オペレーティング・システムの移行について、 156ページの『AIX の移行』を参照してください。

2. netstat コマンドを実行して、ネットワーク接続を検証します。 ルーティング・テーブル情報を表示するために -C フラグを指定してこのコマンドを実行することができます。また、-D フラグを使用して、通信サブシステム内で受信、送信、および中断されたパケットの数を表示することができます。

3. AIX インストール・メディアを挿入します。

4. nim_master_setup コマンドを実行します。 このコマンドを実行するためのオプションに関する追加情報については、nim_master_setup を参照してください。

5. vi エディターを使用して /export/nim/client.defs ファイルを開くには、次のコマンドを実行します。

# vi /export/nim/client.defs

6. ご使用の環境に応じて client.defs ファイルを編集します。 このファイルの詳細については、client.defs ファイル内の説明および例を参照してください。client.defs ファイルの編集が完了したら、このファイルを保管し、vi エディターを終了します。

7. nim_clients_setup -c コマンドを実行します。 このコマンドを実行するためのオプションに関する追加情報については、nim_clients_setup を参照してください。

注: ネーム・サーバー上では解決できない新規クライアント・マシンを追加する場合は、IP アドレスおよびクライアント・ホスト名を追加するために /etc/hosts ファイルを編集します。

クライアント・マシンを定義した後で、区画を活動化し、インストールする必要があります。区画の活動化の詳細については、『区画プロファイルの活動化』を参照してください。

クライアント区画の活動化およびインストールの後に、すべてのシステム管理タスクを実行することができます。

NIM 環境の最新テクノロジー・レベルへの更新nim_update_all コマンドは、既存の NIM 環境および nim_master_setup コマンドで作成されたすべてのリソースを最新テクノロジー・レベルに更新する単一ステップ方法を提供します。

1. 最新の AIX 更新メディアをメディア・ドライブに挿入します。

2. 次のように geninstall コマンドを実行して bos.rte.install ファイルセットを更新します。

# geninstall -d /dev/cd0 bos.rte.install

3. install_all_updates コマンドを次のように実行します。

# install_all_updates -d /dev/cd0

install_all_updates コマンドからの出力は、/var/adm/ras/install_all_updates.log ログ・ファイル内に示されます。 install_all_updates コマンドは、ご使用のシステムが最新の既知のテクノロジー・レベルであるかどうか検査します。ご使用のシステムが最新の既知のテクノロジー・レベルではない場合は、ご使用のサーバーが AIX の最新テクノロジー・レベルに更新されます。

4. 更新の完了後に、shutdown -Fr コマンドを使用してシステムをリブートします。

5. nim_update_all コマンドを実行して、nim_master_setup コマンドで作成されるすべての NIM リソースを更新します。 nim_update_all コマンドは、デフォルトでデバイス /dev/cd0 を使用します。nim_update_all コマンドからの出力は、/var/adm/ras/nim.update ログ・ファイル内に示されます。次のような出力が表示されます。

インストールおよび移行 419

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############################## NIM update all ############################### ## During script execution, NIM client and resource updating times ## may vary. To view the install log at any time during nim_update_all, ## run the command: tail -f /var/adm/ras/nim.update in a separate screen. ## ###############################################################################

NSORDER=local,bindAdding updates to lpp_res lpp_source....doneUpdating spot_res using updated lpp_source lpp_res....done

Attempting to replace mksysb resource generic_sysb...Removing old mksysb resource generic_sysb....doneCreating image.data file....doneChecking /export/nim space requirement...

Generating list of client objects in NIM environment...

-B フラグを指定しない限り、既存の mksysb を置き換える新規 mksysb が作成されます。 -u フラグを指定しない限り、環境内のすべてのクライアントが更新されます。

拡張インストール・オプション拡張インストール・オプションについては、/usr/lpp/bos/README.PARTITION_INSTALL ファイル内で説明しています。

拡張インストール・オプションの幾つかの例を以下に示します。

v 管理下のシステムへ移動するための既存のルート・ボリューム・グループ (rootvg) の準備

v デバイス ODM データベースを再作成してすべてのデバイスをデフォルト構成にリセットするためのdevreset コマンドの使用

専用ダンプ・デバイスの作成および変更システム・クラッシュ・データがダンプされる専用デバイスを作成することができます。

専用ダンプ・デバイスの作成および変更を行うには、以下のようにします。

1. 次のように lsvg コマンドを実行して、hd6 ページング・スペース (ロジカル・パーティション内) のサイズを判別します。

# lsvg -l rootvg

出力は次のようなものになります。

rootvg:LV NAME TYPE LPs PPs PVs LV STATE MOUNT POINThd5 boot 2 2 1 closed/syncd N/Ahd6 paging 53 53 1 open/syncd N/Ahd8 jfslog 1 1 1 open/syncd N/Ahd4 jfs 9 9 1 open/syncd /hd2 jfs 130 130 1 open/syncd /usrhd9var jfs 2 2 1 open/syncd /varhd3 jfs 8 8 1 open/syncd /tmphd1 jfs 1 1 1 open/syncd /homehd10opt jfs 5 5 1 open/syncd /opt

この例では、ページング・スペースのサイズは 53 LP (ロジカル・パーティション) です。

2. smitty mklv を実行してダンプ論理ボリュームを作成します。 ボリューム・グループの入力を求めるプロンプトが出されたら、rootvg と入力します。

420 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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3. 「Add a Logical Volume (論理ボリュームの追加)」メニューで、「Logical volume NAME (論理ボリューム名)」と「Number of LOGICAL PARTITIONS (論理区画の数)」のフィールドに入力します。

4. smitty dumpchgp を実行して 1 次ダンプ・デバイスを変更します。 1 次ダンプ・デバイスへのパスの入力を求めるプロンプトが出されます。

5. smitty dump コマンドを実行してダンプ・デバイスを検証します。

6. 「Show Current Dump Devices (現行ダンプ・デバイスの表示)」を選択します。 出力は次のようなものになります。

COMMAND STATUS

Command: OK stdout: yes stderr: no

Before command completion, additional instructions may appear below.

primary /dev/dumplvsecondary /dev/sysdumpnullcopy directory /var/adm/rasforced copy flag TRUEalways allow dump FALSEdump compression OFF

ダンプ・デバイスの検査マシンの実メモリーが 4 GB を超える場合は、専用ダンプ・デバイスがインストール時に作成されます。そうでない場合は、/dev/hd6 ページング・スペースがダンプ・デバイスとして使用されます。

システム・クラッシュが生じ、ページング・スペースがダンプ・デバイスとして使用された場合は、そのダンプはデフォルトで /var/adm/ras/vmcore.n ファイルにコピーされます。ここで、n は順序番号です。コピーを行う十分なスペースがない場合は、リブート時にそのダンプを他のメディアに保管するように求めるプロンプトが出されます。区画に合わせて構成されているテープ・ドライブの不足によるダンプの欠落を避けるために、ページング・スペースが現在、ご使用のダンプ・デバイスであれば、ご使用のページング・スペースと同じサイズの別個のダンプ・デバイスを常に作成してください。

ご使用のダンプ・デバイスを検査するには、smitty dump と入力し、「Show Current Dump Devices (現行ダンプ・デバイスの表示)」を選択します。ページング・スペースがご使用のダンプ・デバイスであれば、出力は次のようなものになります。

COMMAND STATUS

Command: OK stdout: yes stderr: no

Before command completion, additional instructions may appear below.

primary /dev/hd6secondary /dev/sysdumpnullcopy directory /var/adm/rasforced copy flag TRUEalways allow dump FALSEdump compression OFF

区画のシャットダウンAIX 区画をシャットダウンして、その区画を作動可能 状態に戻すことができます。

区画の作動時は、区画は実行 状態になります。AIX を使用して区画をシャットダウンするには、以下の手順を実行します。

インストールおよび移行 421

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1. AIX コマンド行に shutdown -Fr と入力します。 区画は開始中 状態に変更され、AIX がリブート中であることを示すオペレーター・パネル値が表示されます。リブートが AIX 内で実行されると、区画はブート・リストの内容に従ってブートされます。ブート・デバイスの順序を検査するには、bootlist

-m normal -o と入力します。

2. AIX をシャットダウンするには shutdown -F と入力します。

区画は、最終的には作動可能 状態に変更されます。これで、AIX およびその区画をシャットダウンしたことになります。

ご使用のオペレーティング・システム・ホスト名の変更各区画 (全システム区画を含む) は、解決できる固有のホスト名をもっていなければなりません。区画のホスト名を変更する場合は、オペレーティング・システム・ホスト名も変更する必要があります。

ホスト名は、全システム区画と論理区画との間で再利用することはできません。オペレーティング・システム・ホスト名を変更するには、以下の手順を実行します。

1. lsrsrc コマンドを次のように実行します。

/usr/sbin/rsct/bin/lsrsrc ManagementServer Hostname

区画が複数の HMC によって管理される場合は、それぞれの HMC にはその独自の項目があるため、複数の項目が存在する可能性があります。 出力は次のようなものになります。

resource 1:Hostname = "hmc1.mydomain.mycompany.com"

2. 項目ごとに、rmrsrc を使用して、表示されているホスト名を除去します。 例えば、次のコマンドを実行します。

/usr/sbin/rsct/bin/rmrsrc -s 'Hostname = "hmc1.mydomain.mycompany.com"' ManagementServer

lsrsrc コマンドを再度実行して、すべての項目が除去されたことを確認することができます。

3. rmcctrl コマンドを次のように実行します。

/usr/sbin/rsct/bin/rmcctrl -z

4. 区画のホスト名を変更します。

5. 次のコマンドを実行する。

/usr/sbin/rsct/bin/rmcctrl -A

ネットワークを介したマシンのブートネットワーク・ブートの実行に関する情報を示します (AIX バージョン 5.1 またはそれ以前のバージョンの場合)。

注: この情報は、AIX バージョン 5.2 以降には適用されません。

これらの例で、tok0 および ent0 はアダプター名である点に注意してください。tr0、en0、または et0 などのネットワーク名を使用しないでください。

rs6k マシンを実行していない場合は、キーを Secure の位置にしてマシンをブートすることによって、IPL

ROM エミュレーションが必要かどうかを判別できます。マシンの前面にある LED が最終的に 200 で停止した場合は、エミュレーションは必要ありません。

422 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ネットワーク・アダプターからブートするために IPL ROM エミュレーションを使用する必要のあるマシンで NIM を使用する場合は、最初のブートは、クライアント上のシステム・コンソールの IPL メニューから開始する必要があります。これによって、必要なアドレスが NVRAM に書き込まれ、古いハードウェアでネットワーク・ブートを行う際に、代替の LED 227 および 229 を見ながら問題を避けることができます。いったん、このメソッドでクライアントからネットワーク・ブート/インストールを開始しておけば、問題は自動的に訂正され、その後のネットワーク・ブート/インストールは NIM マスターから開始することができます。

クライアントのプラットフォームおよびカーネル・タイプにより、ネットワークを介してマシンをブートするために必要な手順が決まります。

実行中のマシンのプラットフォームを判別するには、マシンが AIX バージョン 4.2 以降を実行している場合は bootinfo -p コマンドを使用します。マシンが AIX 4.1 を実行している場合は、bootinfo -T コマンドを使用します。

実行中のマシンのカーネル・タイプを判別するには、bootinfo -z コマンドを使用します。

ネットワークを介した特定マシンのブートup カーネルを備えた rs6k マシンをブートする場合は、メソッド A を使用します。mp カーネルを備えたrs6k マシンをブートする場合は、メソッド B を使用します。rspc マシンの一部のモデルは、メソッド C

を使用できます (AIX の場合は、バージョン 5.1 またはそれ以前のバージョン)。

注: これらの手順は、AIX バージョン 5.2 以降には適用されません。

その他のすべてのプラットフォームおよびカーネル・タイプは、ご使用のハードウェアに付属のマニュアルに示されているネットワーク・ブート手順に従ってください。

up カーネルを備えた rs6k マシンのブート (メソッド A)up カーネルを備えた rs6k マシン (AIX の場合は、バージョン 5.1 またはそれ以前のバージョン) をブートするには、次の手順を実行してください。

1. まず、マシンの電源を切ります。

2. クライアントに IPL ROM エミュレーションが必要な場合は、エミュレーション・ディスクをクライアントのディスケット・ドライブに挿入し、ハードウェア・キーを Service の位置にしてから、マシンの電源を入れます。 bootp メニューが表示されたら、ステップ 3 に進みます。

クライアントにエミュレーションが必要ない場合は、キーを Secure の位置にして、マシンの電源を入れます。マシンの前面の LED を調べます。オン状態の変動が最終的に停止して、200 が表示されます。この値が表示されたら、キー位置を Service に切り替え、リセット・ボタン (黄色のボタン) を素早く押します。 bootp メニューが表示されたら、ステップ 3 に進みます。

注: モデル 570、580、58H、59H、591 および 595 の場合は、システムは Secure モードでパワーオンし、パワーオン表示ライトはオンにならず、LED もオンになりません。システムは、キーが Normal または Service 位置に設定されるまでは、その後の操作を行いません。マシンのネットワーク・ブートに関する詳細は、特定のハードウェア・モデルとともに納品される資料を参照してください。

3. bootp メインメニューから、「Select BOOT (Startup) Device (ブート (始動) デバイスの選択)」オプションを選択します。

4. 次に表示されるメニューで、ブート・デバイスを選択します。

インストールおよび移行 423

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使用したいネットワーク・アダプターを選択します。正しいネットワーク・タイプ (イーサネットやトークンリングなど) を持つアダプターおよびアダプター特性 (Thick ケーブル、対より線、16 MB データ転送速度、4 MB データ転送速度など) を備えたアダプターを選択してください。

5. ネットワーク・アドレスを設定または変更します。

注: IP アドレスに「.」文字を入力する必要はありませんが、アドレスの一部分を構成する先行「0」文字は指定する必要があります。

次のものの IP アドレスを指定します。

v ブートしようとしているクライアント・マシン (「client address (クライアント・アドレス)」フィールドに指定)

v SPOT サーバー (「bootp server address (bootp サーバー・アドレス)」フィールドに指定)

v クライアントのゲートウェイ (「gateway address (ゲートウェイ・アドレス)」フィールドに指定)

アドレスを指定した後で、99 を入力して、アドレスを保管してメインメニューに戻ります。クライアントがブート・サーバーとの通信にゲートウェイを使用していない場合は、このフィールドを空白のままにして構いません。

ブロードキャストを使用してブート・イメージを入手する場合は、上記の IP アドレスは空白のままにします。

6. メインメニューから、「Send Test Transmission (PING) (テスト送信 (PING))」オプションを選択します。

7. 表示されるアドレスがブート・デバイスについて指定したアドレスと同じであることを確認します。

アドレスに誤りがある場合は、99 を入力してメインメニューに戻ります。そして、ステップ 3 に戻ります。

アドレスが正しければ、「START THE PING TEST (PING テストの開始)」オプションを選択します。

ping テストが失敗した場合は、アドレスが正しいかどうかを確認し、必要な場合にはネットワークの問題の判別手順を実施します。 ping テストが正常に完了した場合は、99 を入力してメインメニューに戻ります。

8. メイン・メニューから、「Exit Main Menu and Start System (BOOT) (メイン・メニューを終了してシステムを始動 (ブート))」オプションを選択します。

9. ハードウェア・キーを Normal の位置にし、Enter キーを押します。これで、ネットワークを介してクライアントがブートされます。

mp カーネルを備えた rs6k マシンのブート (メソッド B)mp カーネルを備えた rs6k マシン (AIX の場合は、バージョン 5.1 またはそれ以前のバージョン) をブートするには、次の手順を実行してください。

1. キー・モード・スイッチを Secure の位置にします。

2. システム・ユニットの電源スイッチを「オン」の位置にします。

3. LED に 200 が表示された時点で、キー・モード・スイッチを Service の位置にします。

4. 「リセット」ボタンを 1 回押します。

LED に 260、261、または 262 が持続的に表示され、「Maintenance Menu (保守メニュー)」画面が表示されます。

424 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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5. 「Maintenance Menu (保守メニュー)」画面で「System Boot (システム・ブート)」オプションを選択します。

6. サブメニューから「Boot from Network (ネットワークからブート)」オプションを選択します。「MAIN MENU (メイン・メニュー)」が表示されます。

7. 「MAIN MENU (メイン・メニュー)」画面で「Select BOOT (Startup) Device (ブート (始動) デバイスの選択)」オプションを選択します。

8. マシンのブートに使用するネットワーク・アダプターを選択します。複数のネットワーク・アダプターが取り付けられている場合は、88 を入力し、Enter キーを押して他のエントリーを表示します。リストから番号を入力し、Enter キーを押します。

注: トークンリング・ネットワークを使っている場合は、環境に対して適切なリング速度に対応する番号を選択してください。

9. ネットワーク・アダプターを選択すると、「SET OR CHANGE NETWORK ADDRESSES (ネットワーク・アドレスの設定または変更)」画面が次に表示されます。ネットワーク・アダプターのハードウェア・アドレスが、ハードウェア・アドレス・フィールドに表示されます。 NIM マシン・オブジェクトを定義するために、そのハードウェア・アドレスを記録してください。

このクライアントと BOOTP サーバーが同じ LAN 上にある場合、 BOOTP 要求が LAN 上でブロードキャスト通信されるように「IP address (IP アドレス)」フィールドをゼロのままにしてください。複数の BOOTP サーバーが LAN 上にあるか、またはクライアントがサーバーにとって別のネットワーク上にある場合は、クライアントとサーバーの IP アドレスを入力します。「Network address (ネットワーク・アドレス)」フィールドを完全に埋めるように、先行ゼロを使用して IP アドレスを入力します。例えば、009.101.002.050 のように入力します。このマシンがゲートウェイに到達するためにゲートウェイを使用する必要がある場合は、ゲートウェイの IP アドレスを入力します。

99 を入力し、Enter キーを押してアドレス情報を保管して、「MAIN MENU (メイン・メニュー)」に戻ります。

10. (このステップはオプションです。) 「MAIN MENU (メイン・メニュー)」で「Send TestTransmission (PING) (テスト送信 (PING))」オプションを選択して、クライアントとサーバー・システムの間のネットワーク接続をテストします。 ping テストを開始するには 3 を入力して Enter キーを押します。 ping テストが失敗に終わったら IP アドレスが正しいかどうか、また物理ネットワーク接続に問題はないかどうかチェックしてください。 ping テストが成功したら、99 を入力し、Enter キーを押して、「MAIN MENU (メイン・メニュー)」に戻ります。

11. 「Exit Main Menu and Start System (BOOT) (メイン・メニューを終了してシステムを開始 (ブート))」オプションを選択します。

12. 画面の指示に従って、キー・モード・スイッチを Normal の位置にし、Enter キーを押します。

BOOTP 要求が発行され、その後にネットワーク・ブート・イメージの TFTP 転送が続きます。

ネットワークを介した特定マシンのブートup カーネルを備えた rs6k マシンをブートする場合は、メソッド A を使用します。mp カーネルを備えたrs6k マシンをブートする場合は、メソッド B を使用します。rspc マシンの一部のモデルは、メソッド C

を使用できます (AIX の場合は、バージョン 5.1 またはそれ以前のバージョン)。

注: これらの手順は、AIX バージョン 5.2 以降には適用されません。

その他のすべてのプラットフォームおよびカーネル・タイプは、ご使用のハードウェアに付属のマニュアルに示されているネットワーク・ブート手順に従ってください。

インストールおよび移行 425

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426 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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428 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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索引日本語, 数字, 英字, 特殊文字の順に配列されています。なお, 濁音と半濁音は清音と同等に扱われています。

[ア行]値 221

アフィニティー・ロジカル・パーティション概要 403

異機種ネットワーク定義 207

移行クライアントディスクレスおよびデータレス 357

NIM SPOT 357

インストール代替ディスク 64

のメソッドの変更 60

lppchk 操作によるインストールの検査 348

インストール、プロンプトなしのbosinst.data ファイルで指定 80

インストール、iSCSI ディスクへの 62

インストール画面 (BOS)

インストール言語の指定 161

インストールするディスクの変更 186

システム・コンソールの指定 161, 186

システム・バックアップ・インストールと設定値(BOS) 186

インストール作業拡張機能 331

インストール方式指定 60

の定義 60

インストール・アシスト 155

作業の概要 153

インストール・イメージバックアップ・テープの mksysb 構成 131

インストール・ウィンドウ (BOS)

インストール言語の指定 59

インストールするディスクの変更 60

基本オペレーティング・システムのインストール 62, 162

システム・コンソールの指定 59

インストール・リソース作成 257

インストール・ログ表示 347

インターフェース属性 303

追加の作成 303

ウィンドウインストールするディスクの変更 (BOS) 60

ウィンドウ (続き)

基本オペレーティング・システムのインストール(BOS) 62, 162

エラー状態 130, 396

エラー・メッセージ作成するための十分なファイル・スペースがない:

/tmp/disk.image 139

作成するのに十分なファイル・スペースがない:

/tmp/unix 139

失敗したブート可能テープを作成する試み 139

使用可能なディスクはない 139

使用可能なディスク・スペースの確認 139

ハード・ディスクがアクセスされない 139

ハード・ディスクが構成されない 139

ファイルシステム /usr を拡張できない 139

フォーマット 139

boot デバイスが無効または指定されていない 139

bosboot 中に起こったエラー 139

NIM 369

エラー・リカバリー 130, 396

応答ファイル 105

応答ファイルおよび NIM 107

同じオペレーティング・システムの複数のバージョンの統合404

オプションインストール言語の指定 59, 161

インストール方式の指定 (BOS) 60

インストール・ディスクの指定 (BOS)

システム・バックアップ 186

CD-ROM、DVD-ROM または磁気テープ 60

言語環境 60

システム構成 153

システム・コンソールの指定 59, 161, 186

通信の設定 (ASCII) 58, 186

ディスプレイ (ASCII) の設定 58, 186

プロンプトなしのインストールbosinst.data ファイルで指定 80

モニター (ASCII) の設定 58, 186

オプションのソフトウェアの失敗したインストールのクリーンアップ概要 27, 96

の定義 85

オプションのソフトウェアのインストールコミット 84

失敗したインストールのクリーンアップ 27, 96

状況メッセージ (SMIT) 90

除去 84, 95

選択基準 86

前提条件 87

ソフトウェア・パッケージ 86

ソフトウェア・ライセンス 86

© Copyright IBM Corp. 2002, 2009 429

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オプションのソフトウェアのインストール (続き)

適用 84, 93

手順 (グラフィカル・インターフェース) 88

手順 (SMIT) 89

状況メッセージ 90

手順の概要 84

トラブルシューティング 27, 96, 139

の概要 84

リジェクト 84, 94

オプションのソフトウェアの除去概要 84

の定義 95

オプションのソフトウェアの適用の定義 93

オプションのソフトウェアの保守適用 93

リジェクト 94

オプションのソフトウェアのリジェクト概要 84

の定義 94

オプション・ソフトウェアのインストールコミット 93

オプション・ソフトウェアの適用説明 84

オプション・ソフトウェアの保守コミット 93

除去 95

定義済み概念 92, 98

オンラインによるライセンス契約 41

[カ行]開始スタンドアロン・マシンでの BOOTP 要求 423, 425

ディスクレスおよびデータレス・システムでの BOOTP 要求 423, 425

概要NIM 197

拡張機能作業インストール 331

画面インストールするディスクの変更 (BOS) 186

保守 (BOS) 136

Access a Root Volume Group (ルート・ボリューム・グループへのアクセス) (BOS) 136

System Backup Installation and Settings (システム・バックアップ・インストールと設定値) 186

Volume Group Information (ボリューム・グループ情報)

(BOS) 136

Welcome to Base Operating System Installation and

Maintenance (基本オペレーティング・システムのインストールと保守へようこそ) (BOS) 136

環境言語の変更 60

管理 108

管理、コマンド行を使用した NFS クライアント通信オプションの 302

管理、NFS クライアント通信オプション 299

管理、SMIT を使用した NFS クライアント通信オプションの302

キーボードASCII 端末のオプションの設定 58, 186

基本構成基本インストール・リソースの作成 257

基本操作と構成 256, 284

クライアントと SPOT リソースカスタマイズ 275

スタンドアロン・クライアントの追加 260

ディスクレスおよびデータレス・クライアントマスターの構成とリソースの作成 276

ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントの追加 280

ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシン初期化解除 283

初期化とブート 281

プロンプトなしのインストール 271

マスターの構成 257

mksysb インストール 267

rte インストール 265

基本のホスト識別 300

共通基準 42

共用プロダクト・オブジェクト・ツリー 224

共用ボリューム・グループAUTO ON 184

区画セキュリティー 405

全システム 403

AIX の実行 403

NIM の使用 417, 418

区画と HMC との間のネットワーク・アダプター通信 406

区画のシャットダウンAIX の使用 421

区画用シナリオ拡張インストール・オプション 420

クライアントから実行した作業 299

スタンドアロン 201

ソフトウェアの管理 201

ネットワーク・ブート 201

スタンドアロン、追加 260

制御の決定 331

操作 198

データレス 201

初期化 203

定義 198

ディスクレス 201

オプション・リソース 202

初期化 203

必須リソース 202

ディスクレスまたはデータレス追加 280

430 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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クライアント操作 299

クライアント通信オプションの管理NFS

定義 299

クライアント・マシン状況の確認 264

グラフィカル・インストール・メニュー 45

グラフィカル・ユーザー・インターフェースインストール・アシスト作業の概要 153

簡易インストール前提条件 87

手順の概要 84

グループ確立 250

マシン 250

定義 334

リソース 251

定義 338

割り当て 339

クローン作成バックアップ、システムの 25, 185

警告メッセージNIM 369

経路 207

静的の作成 310

デフォルトの作成 309

言語環境設定 60

変更 60

更新、サービスの説明 85

構成、システム 153

オプション・ソフトウェアのインストール 154

言語環境の変更 154

システムのバックアップ 154

終了とログイン 154

タスクのリスト 154

日時 154

の概要 153

プリンターの構成 154

ユーザー・アカウントの作成 154

ライセンス・パスワードの追加 154

リモート・リモートのアクセス 154

root パスワードの設定 154

構成アシストオンライン資料の構成 154

資料 154

Web サーバー、インストール 154

Web ブラウザー、インストール 154

構成解除マスター 313

構成タスク基本 256

構成メニュー使用、iSCSI の 63

構成ログ表示 347

互換性 157

コマンドnimclient 299

nim_clients_setup 289

nim_master_setup 289

[サ行]サービス更新管理アシスタント 98

作業インストール拡張機能 331

BOS、インストール 252

NIM 環境の構成 252

作成、ソフトウェア・パッケージ 194

暫定フィックス 108

暫定フィックス管理暫定フィックス管理も参照 108

暫定フィックス制御ファイル 122

emgr コマンド 108

epkg コマンド 122

暫定フィックスのインストールと管理 108

暫定フィックスのパッケージ化 122

サンプル KDC サーバー定義ファイル 368

サンプル・スリム・クライアント定義ファイル 368

サンプル・ファイル 365

bosinst.data 56

nimdef コマンド定義ファイル 366

script リソース 365

システム構成 153

ブート (始動) 58, 160, 186

システム、管理下の 402

システム構成 153

システム設定値BOS インストール時の変更 60

システムの始動 58, 160, 186

システムのブートその問題 135

手順 58, 160, 186

システム・バックアップ 169

システム・バックアップからの BOS のインストール 184

ソース・システム 184

ターゲット・システム 184

手順 186

トラブルシューティング 130

の概要 184

報告された問題の解決 132

システム・バックアップからのファイルの除外 173

システム・バンドル 194

システム・メッセージ 139

実行時イメージ 235

索引 431

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失敗したソフトウェア・インストールのクリーンアップ 27,

96

出力、NIM

抑止 354

使用、グラフィカル・インストール・メニュー 45

使用、iSCSI 構成メニューの 63

詳細インストールグループ・メンバー組み込み 337

除外 337

スタンドアロン・クライアントキーワードによるソフトウェア更新のリスト表示 341

ソフトウェアの管理 340

ソフトウェアのリスト表示 340

maint 操作 343

マシンリセット 332

マシン・グループ新規メンバーの追加 335

定義 334

メンバーの除去 336

マスターまたはクライアントの制御 331

リソース・グループ定義 338

デフォルトの定義 339

割り当て 339

リソース・サーバークライアントの使用 333

ログインストールの表示 347

構成の表示 347

ブートの表示 347

lppchk 操作インストールの検査 348

lpp_source

ソフトウェアのコピー 345

ソフトウェアの除去 346

ソフトウェアの保守 345

check 操作の実行 346

SPOT

キーワードによるソフトウェア更新のリスト表示 341

ソフトウェアの管理 340

ソフトウェアのリスト表示 340

ネットワーク・ブート・イメージの再作成 344

maint 操作 343

詳細構成 299

異機種ネットワークの定義 207

診断プログラムのブート 314

静的経路の確立 310

追加インターフェース属性の作成 303

データベースの復元とマスターの活動化 312

デフォルト経路の確立 309

別のネットワーク・タイプの追加 209

保守モードでのブート 315

マシンの除去 303

マスターの構成解除 313

詳細構成 (続き)

CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義308

NIM データベースのバックアップ 312

/etc/niminfo ファイルのリカバリー 311

/usr SPOT と非 /usr SPOT の定義 305

情報交換用米国標準コード (ASCII) 153

情報のリスト表示スタンドアロン・クライアントのソフトウェア 340

SPOT のソフトウェア 340

新規および完全上書き BOS インストール使用、グラフィカル・インストール・メニュー 45

新規および完全上書きインストール 57

の定義 39

新規バージョンへの移行手順の前提条件 159

診断ネットワークからのロードディスクレスおよびデータレス・マシンの 315

ブート 314

スタンザbosinst.data target_iscsi_data 53

スタンドアロン・クライアント 201, 299

ソフトウェアの管理 201, 340

ソフトウェアの保守 343

追加 260

ネットワーク・ブート 201

スタンドアロン・クライアント操作 299

スタンドアロン・マシン制御の決定 331

スタンバイ BOS 77

すべてのデバイスとカーネル 50

制御状況マスターまたはクライアント 331

制御操作の定義 228

静的経路作成 310

製品の識別、オプショナル・ソフトウェア 86

セキュリティーControlled Access Protection Profile および Evaluation

Assurance Level 4+ 405

セキュリティー評価のテクノロジーControlled Access Protection Profile および Evaluation

Assurance Level 4+ を参照 42

セットアップ、Kerberos 5 前提条件を使用する NFS セキュリティーを備えた NIM 環境の 301

全システム区画 403

前提条件、Kerberos 5 を使用する NFS セキュリティーを備えた NIM 環境のセットアップの 301

ソース・システム 184

操作基本 256

クライアント・マシンで 198

グループ・メンバーの組み込み 337

432 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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操作 (続き)

グループ・メンバーの除外 337

実行 228

タイプ 228

のリスト 228

allocate 229

BOS 実行時イメージソースの選択 235

bos_inst 231

change 237

check 237

cust 238

deallocate 239

define 239

diag 240

dkls_init 240

dtls_init 241

fix_query 242

lppchk 242

lppmgr 243

maint 243

maint_boot 244

NIM

クライアントから実行 299

マシン 228

diag 314

reboot 244

remove 245

reset 245

select 245

showlog 246

showres 246

sync 248

sync_roots 248

takeover 248

unconfig 249

update 249

ソフトウェアスタンドアロン・クライアントのリスト 340

SPOT のリスト 340

ソフトウェア、オプションの定義 85

ソフトウェア更新のリスト表示スタンドアロン・クライアントにインストール 341

SPOT にインストール 341

ソフトウェアの管理クライアントスタンドアロン 201

スタンドアロン・クライアント 340

SPOT 340

ソフトウェアの更新スタンドアロン・クライアントのリスト 341

SPOT のリスト 341

ソフトウェア・サービス管理 98

イメージの名前変更、ソフトウェア 101

クリーンアップ、ソフトウェア・イメージ 102

ソフトウェア・サービス管理 (続き)

比較レポート 99

ソフトウェア・パッケージ共用部分 193

の定義 85

ユーザー部分 193

ルート部分 193

ソフトウェア・バンドル 85, 194

の定義 85, 194

の例 194

ソフトウェア・バンドルの作成とインストールソフトウェア・バンドル 9, 17

ソフトウェア・ファイルセットの定義 85

ソフトウェア・プロダクト 86

インストールの選択基準 86

コミット 93

除去 95

適用 93

の識別 86

のパッケージ 86

パッケージの定義 85

バンドルの定義 85

バンドルの例 194

ファイルセットの定義 85

ライセンス・プログラムの定義 86

リジェクト 94

ソフトウェア・ライセンスの機能 86

[タ行]ターゲット・システム 184

ターゲット・ディスクシステム・バックアップ・インストールの指定 186

CD/DVD-ROM またはテープ・インストールの指定 60

代替ディスクのインストール 14, 64

区画環境での 416

クローン作成 66

データ・アクセス 70

動的ロジカル・パーティショニング 72

フェーズ・インストール 67

例 72

mksysb インストール 65

SMIT の使用 71

代替ディスクのインストールを利用したクローン作成 14

代替ディスクのマイグレーション・インストール 67

代替ディスクへのインストール 14

ダンプ・デバイス区画環境での 420

検査 421

作成および変更 420

端末 (ASCII)

通信オプションの設定 58, 186

索引 433

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追加のトピック動的ホスト構成プロトコルと対話 358

通信ASCII 端末オプション 58

ASCII 端末のオプションの設定 186

データレス・クライアント 201

初期化 203

ソフトウェアの管理 204

データ・リカバリー概要 135

システムがブートしないとき 135

手順 136

テープブート可能の作成、トラブルシューティング 139

テープへのシステム・バックアップ 23

定義マシン・グループ 334

リソース・グループ 338

定義ファイルKDC サーバーのサンプル 368

Kerberos スリム・クライアントのサンプル 368

ディスクBOS インストールの指定システム・バックアップ 186

CD-ROM、DVD-ROM または磁気テープ 60

ディスク、ハード (固定) 60

ディスクレスおよびデータレスソフトウェアの管理 204

ディスクレスおよびデータレス・クライアント移行 357

サポートするためのリソースの作成 276

ディスクレスおよびデータレス・タスク診断プログラムのブート 314

ディスクレス・クライアント 201

初期化 203

ソフトウェアの管理 204

リソースオプション 202

ダンプ 202

必須 202

ブート 202

ページング 202

ホーム 202

ルート 202

resolv_conf 202

shared_home 202

SPOT 202

tmp 202

ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアント初期化解除 283

初期化とブート 281

追加 280

ディスク・スペースマスター・マシンの計画 257

メッセージ 139

ディスプレイASCII 端末のオプションの設定 58, 186

ディレクトリー/dev 185

/etc/objrepos 184

/tmp/vgdata/rootvg 186

手順オプションのソフトウェアのインストール 84

基本構成基本インストール・リソースの作成 257

基本操作と構成クライアントと SPOT リソース、カスタマイズ 275

スタンドアロン・クライアントの追加 260

ディスクレス/データレス・クライアントをサポートするためのリソースの作成 276

ディスクレス・クライアントまたはデータレス・クライアントの追加 280

ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシン、初期化解除 283

ディスクレス・マシンまたはデータレス・マシン、初期化とブート 281

プロンプトなしのインストール 271

マスターの構成 257

mksysb インストール、実行 267

rte インストール、実行 265

システム・バックアップからの BOS のインストール 186

システム・バックアップの検査 183

詳細インストールキーワードによるソフトウェア更新のリスト表示 341

グループ・メンバーの組み込み 337

グループ・メンバーの除外 337

新規メンバーの追加 335

スタンドアロン・クライアントでのソフトウェアのリスト 340

スタンドアロン・クライアントと SPOT リソース、ソフトウェアの管理 340

デフォルト・リソース・グループの定義 339

マシンのリセット 332

マシン・グループの定義 334

マスターまたはクライアントの制御 331

メンバーの除去 336

リソース・グループの定義 338

リソース・グループの割り当て 339

リソース・サーバーとしてのクライアントの使用 333

ログの表示 347

lppchk 操作によるインストールの検査 348

lpp_source からのソフトウェアの除去 346

lpp_source 内のソフトウェアの保守 345

lpp_source へのソフトウェアのコピー 345

NIM check 操作の実行 346

SPOT でのソフトウェアの保守 343

SPOT にソフトウェアのリスト表示 340

詳細インストール、ソフトウェアの管理SPOT 用のネットワーク・ブート・イメージの再作成

344

詳細構成 299

434 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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手順 (続き)

異機種ネットワークの定義 207

診断プログラムのブート 314

静的経路の確立 310

追加インターフェース属性の作成 303

データベースの復元とマスターの活動化 312

デフォルト経路の確立 309

バックアップ、NIM データベースの 312

別のネットワーク・タイプの追加 209

保守モードでのブート 315

マスターの構成解除 313

CD/DVD-ROM とハード・ディスクでの lpp_source の定義 308

NIM 環境からのマシンの除去 303

/etc/niminfo ファイルのリカバリー 311

ブート・デバイスの識別 139

フルになった /usr ファイルシステムのトラブルシューティング 138

ユーザー・ボリューム・グループのバックアップ 181

ルート・ボリューム・グループ、バックアップ 23, 172

ルート・ボリューム・グループのアンロック 139

BOS の CD/DVD-ROM からのインストール 58

BOS の CD/DVD-ROM または磁気テープからのインストール 159, 160

BOS 保守のアクセス 136

mksysb インストールのトラブルシューティング 130, 132

/tmp のサイズ変更 139

/usr SPOT と非 /usr SPOT の定義 305

デバイスのリカバリー 49

デバッグBOS インストール 49

デバッグ・モードBOS のインストール 40

bosinst.data ファイルの使用、NIM BOS インストールでの401

NIM 398

NIM BOS のインストール 399

デフォルトの経路作成 309

動的ホスト構成プロトコルと対話 358

動的ロジカル・パーティショニング 402

トラブルシューティング 139

概要 130, 396

からのデバッグ出力の生成ネットワーク・ブート・イメージ 399

BOS インストール・プログラム 400

システム・バックアップからのインストール (mksysb) 130

報告された問題の解決 132

失敗したオプションのソフトウェア・インストールのクリーンアップ概要 27, 96

デバッグ出力の生成 398

ネットワーク・ブート問題 396

クライアントおよびサーバー、ネットワーク通信の確立396

トラブルシューティング (続き)

ネットワーク・ブート問題 (続き)

クライアントでのブート・イメージの実行 398

サーバーからのブート・イメージの取得 396

非プロンプト・モード、指定変更 136

ブート問題 135

概要 135

手順 136

フルになった /usr ファイルシステム 138

プロンプト・モード、移動先 136

トラブルシューティング手順/etc/niminfo ファイルのリカバリー 311

[ナ行]ネーム・レゾリューション 355

ネットワーク異機種の定義 207

異機種の定義 207

定義 205

ATM 272

NIM 204

ネットワーク・オブジェクト管理インターフェース属性の作成 303

ネットワーク間の経路の確立 310

ネットワーク・タイプサポートされている 205

ネットワーク・ブートクライアントスタンドアロン 201

の手順 422

[ハ行]パーティションアフィニティー 403

インプリメンテーション 404

ロジカル 402

パーティションの概要管理下のシステム 402

ハードウェア診断ディスクレスおよびデータレス 314

ハードウェア管理コンソール (HMC)

アフィニティー・ロジカル・パーティション 403

区画との通信 406

クライアントを用いたリモート管理 405

システムの管理 402, 404

ネットワーク・アダプター通信 406

AIX のパーティションを用いたリモート管理 405

HMC クライアントを用いた管理 405

ハード・ディスク 60

アクセス不可 139

索引 435

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ハード・ディスク (続き)

構成されない 139

システム・バックアップ・インストールの指定 186

のロケーション・コード 60

CD/DVD-ROM またはテープ・インストールの指定 60

バイナリー互換性 157

バックアップディスク・スペース 184

バックアップ、システムの 169

概要 174

手順システム・イメージ内のファイルセットに関する情報のリスト 184

システム・バックアップの検査 183

前提条件 23, 171

バックアップ関連情報のプレビュー 182

バックアップの検査 181

バックアップ・ログの表示 183

ルート・ボリューム・グループ 23, 172

lsmksysb コマンド 182

lssavevg コマンド 182

ファイルシステムのマウントとアンマウント 23, 171

ファイルの除外 173

バックアップ・イメージ 184

バックアップ・インストールインストール・モードの変更 186

パッケージの定義 85

パッケージ・フォーマットinstallp 192

ソフトウェア・ファイルセット 193

バンドル 85, 194

そのタイプ 194

の定義 85

の例 194

非プロンプト・モード指定変更 136

非ルート・ボリューム・グループの定義 169

ブート診断 314

ルーター経由 356

ブート不可システムのアクセス 135

ブート・ログ表示 347

ファイルサンプル 365

マップ 186

例bosinst.data 56

nimdef コマンドの定義ファイル 366

script リソース 365

bosinst.data 81

の説明 80

の例 56

プロンプト・モード、それとともに 136

ファイル (続き)

image.data 81, 184

preserve.list 81

/dev/ipldevice 139

/etc/exclude.rootvg 173

/etc/niminfo 311

/tmp/disk.image 139

/tmp/unix 139

/usr 224

ファイルシステムマウントとアンマウント 23, 171

メッセージ 139

/

メッセージ 139

ルート部分 193

/tmp 184

のフリー・スペース 23, 171

メッセージ 139

/usr

フルになったときのトラブルシューティング 138

メッセージ 139

ユーザー部分 193

/usr/share 193

ファイルセット 85, 193

フィックススタンドアロン・クライアントのリスト 341

SPOT のリスト 341

フィックスのリスト表示スタンドアロン・クライアントにインストール 341

SPOT にインストール 341

プッシュ許可マスター使用不可にする 332

プロンプト付きのインストール 190

ヘルプ情報 190

プロンプトなしのインストール実行 271

プロンプト付きに変更 186

プロンプト・モード(BOS) の移動先 136

分散リソース 228

ページング概要 220

定義 220

ページング・リソース 220

定義 221

並行性制御 351

ポートの競合nimesis デーモン 401

保守更新コミット 93

除去 95

リジェクト 94

保守更新のコミット概要 84

の定義 93

436 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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保守モードアクセス (BOS) 135

使用 316

保守モードの iSCSI パラメーターのリカバリー 64

保守モードのリカバリー 64

ホスト許可 300

ホスト識別 300

ホスト認証 300

ホスト名命名 422

保存インストール 57

の定義 39

ボリューム・グループアクセス 135

概要 135

手順 136

バックアップ 23, 172, 181

非ルート 169

ユーザー 169

ルート 139, 169

[マ行]マイグレーション・インストールの定義 39

マシン 198

ディスクレスまたはデータレス初期化解除 283

初期化とブート 281

マシン操作定義 228

のリスト 228

マシン・ グループ定義 250

マシン・グループ操作 335, 337

定義 334

マスター活動化 312

管理マスターの活動化 312

NIM データベースのバックアップ 312

NIM データベースの復元 312

構成 257

構成解除 313

プッシュ許可を使用不可にする 332

マスター・ファイルセットの除去 353

NIM データベースのバックアップ 312

マスター・ファイルセット除去 353

マップ・ファイル 186

メッセージシステムとエラー 139

NIM エラー 369

NIM 警告 369

メディアまたはテープからの BOS のインストールトラブルシューティング 139

メンテナンス更新自動ダウンロード 98

モニターASCII 端末のオプションの設定 58, 186

問題のリカバリー 130, 396

[ヤ行]ユーザー・ボリューム・グループの定義 169

バックアップ 181

ユニバーサル・ディスク・フォーマット 178

抑止NIM 出力 354

[ラ行]ライセンス、ソフトウェアの機能 86

ライセンス契約 41

ライセンス使用受諾 50

ライセンス・プログラム 85

インストールの選択基準 86

のパッケージ 86

リカバリー 130, 396

保守モード 64

リソース 209

エクスポートホストの数 353

共用プロダクト・オブジェクト・ツリー 224

クライアントと SPOT

カスタマイズ 275

操作のリスト 209

ダンプ 211

定義 211

ディスクレス/データレス 202

のリスト 209

ブート 210

ディスクレス/データレス 202

分散 228

ページング 220

定義 221

ディスクレス/データレス 202

ホームディスクレス/データレス 202

ルートディスクレス/データレス 202

adapter_def 210

定義 210

AIX バージョン 4.2 スポットネットワーク・ブート・イメージ 225

AIX バージョン 4.3 またはそれ以降の SPOT 226

索引 437

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リソース (続き)

bosinst_data 211

定義 211

exclude_files 212

定義 212

fb_script 212

定義 213

fix_bundle 213

定義 213

home 214

定義 214

image_data 215

定義 215

installp_bundle 215

定義 215

lpp_source 216

定義 218

mksysb 219

定義 219

nim_script 220

resolv_conf 221

定義 221

ディスクレス/データレス 202

root 222

定義 222

script 222

定義 222

shared_home 223

定義 223

ディスクレス/データレス 202

SPOT 224

定義 227

ディスクレス/データレス 202

tmp 227

定義 228

ディスクレス/データレス 202

リソース、NIM

スペース要件の緩和 355

リソースのエクスポートホストの数 353

リソースの割り当てリソース・グループ 338

リソース・グループ定義 251, 338

デフォルトの定義 339

リソースの割り当て 338

割り当て 339

リモート管理 404

ルーターでブート 356

ルート・ディレクトリーファイル・リソースの作成 358

ルート・ボリューム・グループ (rootvg)

アンロック 139

の定義 169

バックアップ 23, 172

ログインストール表示 347

構成表示 347

ブート表示 347

ロケーション・コード、ハード・ディスクの 60

ロケール 60

ロジカル・パーティションインプリメンテーション 404

同じオペレーティング・システムの複数のバージョンの統合404

概要 402

サーバー統合 404

最小限のリソース 402

実稼働環境とテスト環境の混合 404

論理区画概要 401

AIX の実行 403

論理ボリュームアクセス 135

概要 135

手順 136

[ワ行]割り当てリソース・グループ 339

Aadapter_def リソース 210

定義 210

AIX のインストール区画環境での 28, 33, 407, 412, 417, 418

考慮事項 28, 33, 407, 412

手順 28, 33, 407, 412

メディアによるスタンドアロン・システムの手動インストール新規および完全上書きインストール 1

メディアを使用したロジカル・パーティションの手動インストール 28, 33, 407, 412

NIM 417, 418

AIX のマイグレーション・インストールシステムを AIX 5.2 に移行する移行 5

allocate 操作 229

alt_disk_install 284

ASCII インストール・アシスト 153

作業の概要 153

ASCII 端末オプションの設定 58

通信オプションの設定 186

438 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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ASCII 端末 (続き)

ディスプレイおよびキーボード・オプションの設定 58,

186

ASCII での手順 84

ATM ネットワーク 204

クライアントへのインストール 272

汎用ネットワークからの変換 273

attributes

if 303

if1 303

if2 303

other_net_type 207

Bboot リソース 210

BOS インストールクローン作成 25, 185

システム・バックアップからの 184

BOS インストールのカスタマイズ 81

bosinst.data ファイル 80

BOS 実行時イメージそのソース 235

BOS の CD または DVD-ROM からのインストール手順宛先ディスクの指定 60

BOS の CD-ROM からのインストール手順言語環境の変更 60

の前提条件 57

BOS の CD/DVD-ROM からのインストール手順インストールの開始 58

システムのブート (始動) 58

の概要 58

BOS の CD/DVD-ROM または磁気テープからのインストール手順インストールの開始 160

システムのブート (始動) 160

の概要 159, 160

BOS の DVD-ROM からのインストール手順の前提条件 57

BOS のインストール新規および完全上書き 57

デバッグ・モード 40

保存 57

BOS 保守モードアクセス 135

bosboot

トラブルシューティング 139

スペース問題 139

デバイス問題 139

bosinst.data サンプル・ファイル 56

bosinst.data ファイル 46

使用 81

bosinst.data ファイル (続き)

説明 80

プロンプトなしの BOS インストール 47

プロンプト・モード、それとともに 136

ACCEPT_LICENSES 変数 50

ALL_DEVICES_KERNELS 変数 50

ALT_DISK_INSTALL_BUNDLE 変数 50

ALWAYS_ALLOW 変数 55

bosinst.data target_iscsi_data スタンザ 53

BOSINST_DEBUG 変数 49

BOSINST_LANG 変数 54

BUNDLES 変数 49

CONNECTION 変数 53

CONSOLE 変数 46

COPYDIR 変数 55

CREATE_JFS2_FS 変数 50

CULTURAL_CONVENTION 変数 54

CUSTOMIZATION_FILE 変数 48

DESKTOP 変数 50

DUMPDEVICE 変数 55

ENABLE_64BIT_KERNEL 変数 50

ERASE_ITERATIONS 変数 51

ERASE_PATTERNS 変数 51

ERROR_EXIT 変数 48

EXISTING_SYSTEM_OVERWRITE 変数 47

FORCECOPY 変数 55

GRAPHICS_BUNDLE 変数 50

HARDWARE_DUMP 変数 51

HDISKNAME 変数 51

IMPORT_USER_VGS 変数 50

INSTALL_DEVICES_AND_UPDATES 変数 50

INSTALL_METHOD 変数 46

INSTALL_TYPE 変数 48

INSTALL_X_IF_ADAPTER 変数 47

KERBEROS_5S_BUNDLE 変数 50

KEYBOARD 変数 54

LOCATION 変数 51

MESSAGES 変数 54

mksysb_migration_device 57

MOZILLA_BUNDLE 変数 50

PHYSICAL_LOCATION 変数 51

PRIMARY 変数 55

PROMPT 変数 47

PVID 変数 51

RECOVER_DEVICES 変数 49

REMOVE_JAVA_118 変数 50

RM_INST_ROOTS 変数 48

RUN_STARTUP 変数 48

SAN_DISKID 変数 53

SECONDARY 変数 55

SERVER_BUNDLE 変数 50

SIZEGB 変数 55

SIZE_MB 変数 51

TCB 変数 48

bosinst_data 211

概要 211

索引 439

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bosinst_data (続き)

定義 211

「BOS」メニューウェルカム・ウィンドウ 40

「installation and setting (インストールと設定)」ウィンドウ40

「installation summary (インストール要約)」ウィンドウ 40

bos.sysmgt.nim.master

除去 353

bos_inst 操作 231

ページング・スペース 356

ATM アダプター 272

boot_client 属性の使用 236

force_push 属性の使用 236

preserve_res 属性の使用 237

set_bootlist 属性の使用 237

CCD または DVD

バックアップ CD または DVD の作成 176

CD またはテープからの BOS のインストール手順インストールの開始 186

システムのブート (始動) 186

cdrecord 175

CD/DVD

ブート可能 174

ブート不可 174

change 操作 237

check 操作 237

Controlled Access Protection Profile および Evaluation Assurance

Level 4+ 42

control_flow スタンザ 46

cust 操作 238

非同期動作 354

Ddeallocate 操作 239

define 操作 239

diag 操作 240, 314

dkls_init 操作 240

dtls_init 操作 241

dump リソース 211

概要 211

定義 211

DVD-RAM

バックアップ DVD-RAM の作成と UDF 178

Eepkg コマンド 122

exclude_files 212

概要 212

exclude_files (続き)

定義 212

eznim 254

EZNIM セットアップの作成、異なるボリューム・グループを使用した 256

Ffb_script 212

概要 212

定義 212, 213

FDDI

ルーター 356

fix_bundle 213

概要 213

定義 213

fix_query 操作 242

Ggeninstall コマンド 102, 192

GUI 153

HHMC と区画との間の通信 406

home リソース 214

概要 214

定義 214

Iif 属性追加の作成 303

if1 属性 303

if2 属性 303

image.data ファイル 81, 184

image_data 215

概要 215

定義 215

installp フォーマット作成、ソフトウェア・パッケージ 194

installp_bundle 215

概要 215

定義 215

InstallShield MultiPlatform 102

サイレント・インストール 105, 107

パッケージのアンインストール 104

パッケージのインストール 103

install_all

SMIT 高速パス 89

install_all_updates コマンド 92

IP アドレス判別 206

440 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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IPL ROM

エミュレーション必要かどうかを判別 423, 425

iSCSI 構成メニュー 63

iSCSI ディスクのインストール 62

ISMP

InstallShield MultiPlatform を参照 103

ISO9660 フォーマット 176

KKDC サーバーサンプル定義ファイル 368

Kerberos

ホスト識別 300

NFS V4 ホスト認証 300

Kerberos スリム・クライアントサンプル定義ファイル 368

Llppchk 操作 242

lppmgr コマンド 97

lppmgr 操作 243

lpp_source 216

概要 216

ソフトウェアのコピー 345

ソフトウェアの除去 346

ソフトウェアの保守 345

定義 216, 218

check 操作の実行 346

lsmksysb コマンド 182

lssavevg コマンド 182

Mmaint 操作 243, 343

スタンドアロン・クライアントでのソフトウェアの保守343

非同期動作 354

SPOT でのソフトウェアの保守 343

maint_boot 操作 244

mkcd コマンド 175

mkinstallp コマンド 194

mkisofs 175

mksysb 219

概要 219

からのインストール 184

クローン作成 25, 185

システム・バックアップ・テープ 131

それからのインストールのトラブルシューティング 130

代替ディスクのインストール 284

定義 219

報告された問題の解決 132

BOS 実行時イメージのソース 235

mksysb (続き)

CD/DVD へのイメージのバックアップ 174

mksysb インストール実行 267

mksysb_migration_device 57

multibos ユーティリティー 74

NNFS

クライアント通信オプションの管理 299

NFS V4 ホスト許可 300

NFS V4 ホスト識別 300

NFS V4 ホスト認証 300

NFS クライアント通信オプション管理、コマンド行を使用した 302

管理、SMIT を使用した 302

NIM

エラー・メッセージ 369

応答ファイルおよび InstallShield MultiPlatform プロダクト107

概要 197

区画環境での 417, 418

クライアント要求、調整 363

警告メッセージ 369

構成基本 256

スタンドアロンの定義 198

操作基本 256

代替ディスクのインストール 284

データレスの定義 198

ディスクレスの定義 198

ネットワーク 204

マシン 198

リソースの定義 209

EZNIM を使った構成 16

Kerberos 5 350

Kerberos 認証 349

nimesis デーモン 363

SPOT

移行 357

NIM eznim 254

NIM オブジェクト定義命名要件 358

NIM オブジェクト定義命名要件 358

NIM 環境 198

定義nimdef コマンドの使用 357

NIM グループ 250

索引 441

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NIM 経路 207

NIM サービス・ハンドラー 299

NIM 出力抑止 354

NIM 操作 314

診断、ブート 252

ソフトウェア、カスタマイズ 252

ソフトウェア、除去 252

代替ディスクのインストール 252

代替ディスクのマイグレーション・インストール 252

ディスクレスおよびデータレス・クライアント、追加 252

保守モード、ブート 252

リソース 252

allocate 229

bos_inst 231

change 237

check 237

cust 238

deallocate 239

define 239

diag 240

dkls_init 240

dtls_init 241

fix_query 242

lppchk 242

lppmgr 243

maint 243

maint_boot 244

reboot 244

remove 245

reset 245

select 245

showlog 246

showres 246

sync 248

sync_roots 248

takeover 248

unconfig 249

update 249

NIM 属性 207

NIM データベースバックアップ 312

復元 312

NIM ネットワーク経路 207

タイプサポートされている 205

定義 205

IP アドレス判別 206

NIM の概要ネットワーク・オブジェクトの定義 197

NIM リソース 209

NIM を使用する仮想入出力サーバー移行 291

NIM を使用する仮想入出力サーバー (続き)

インストール 286

nimclient コマンド 299

nimdef コマンドサンプル定義ファイル 366

NIM 環境定義 357

NIMSH 299

nim_script リソース 220

nim_update_all

区画環境での 419

OOS ホストの命名 422

other_net_type 属性 207

Ppost_migration コマンド 158

preserve.list ファイル 81

preserve_res 237

pre_migration コマンド 158

RREADME

README.PARTITION_INSTALL 420

reboot 操作 244

remove 操作 245

reset 操作 245

resolv_conf

概要 221

定義 221

resolv_conf リソース 221

root リソース 222

定義 222

RPM

ISMP 192

rte

BOS 実行時イメージのソース 235

rte インストール実行 265

Ssavevg コマンド 181

script 222

概要 222

定義 222

script リソースサンプル・ファイル 365

select 操作 245

shared_home

概要 223

442 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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shared_home (続き)

定義 223

shared_home リソース 223

定義 223

showlog 操作 246

showres 操作 246

SMIT (System Management Interface Tool) 153

SMIT インターフェースインストール・アシスト 153

カスタム・インストール・パス 89

簡易インストール・パス 89

前提条件 87

手順の概要 84

SMIT 高速パスアシスト 155

コミット 93

リジェクト 94

alt_clone 71

alt_mksysb 71

cleanup_software 102

compare_report 99

eznim 254

fixtolist_compare 101

installed_license 86

install_all 89

install_latest 89

install_update 155

instofix_compare 100

instolist_compare 100

license_on_media 86

remove 95

rename_software 101

service_software 98

update_all 89

update_by_fix 89

SMIT での手順オプションのソフトウェアのインストール 84, 89

SMIT へのアクセス 89

SPOT

概要 224

更新 363

ソフトウェアの管理 340

ソフトウェアの保守 343

定義 224, 227

リソース 307

BOS 実行時イメージのソース 235

sync 操作 248

sync_roots 操作 248

Ttakeover 操作 248

tapeblksz 131

target_iscsi_data スタンザ 53

tmp リソース 227

概要 227

tmp リソース (続き)

定義 227, 228

Uunconfig 操作 249

update 操作 249

update_all

install_all_updates コマンド 92

SMIT 高速パス 89

WWeb-based System Manager 404

BOS インストール 186

Web-based System Manager を使用した BOS のインストールシステム・バックアップ 186

ネットワーク・インストール 186

[特殊文字]/dev ディレクトリー 185

/dev/ipldevice ファイル 139

/etc/exclude.rootvg ファイル 173

/etc/niminfo ファイルリカバリー 311

/etc/objrepos ディレクトリーシステム・バックアップからインストールした後 184

/file システムルート部分 193

/tmp ディレクトリーまたは /tmp サブディレクトリーNIM リソースの作成 358

/tmp ファイルシステムのフリー・スペース 23, 171

バックアップからのインストール中のサイズ 184

メッセージ 139

/tmp/disk.image ファイル 139

/tmp/unix ファイル 139

/tmp/vgdata/rootvg ディレクトリー 186

/usr ファイルシステム 224

フルになったときのトラブルシューティング 138

メッセージ 139

ユーザー部分 193

/usr/share ファイルシステム 193

索引 443

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444 AIX バージョン 5.3: インストールおよび移行

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