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教育相談課の研究 〔研 題〕 自己指導能力の育成に向けた生徒指導の在り方に関する研究 ~「学校楽しぃーと」を活用した効果的な働き掛けを通して~ 自己指導能力の育成に向けた生徒指導の基本的な考え方 (1) けた (2) けた (3) 「学 楽しぃー するこ がり, がある。 より げるた めに さを がある。 自己指導能力をより 効果的に育成するには 確かな児童生徒理解が 必要である。 学校における適応感を把握する質問紙 「学校楽しぃーと」の開発 妥当性と信頼性のある質問紙の必要性 客観的な児童生徒理解が重要 確かな児童生徒理解のために 確か ために によ する ある。 ために 「妥 ある ある。 そこ ,学 におけ 感を 握する 「学 楽しぃー した。 し, における っていくため す。 が対 育活 自己実現の ため 自己指導能力の育成 生徒指導 社会的資質や行動力 を高める教育活動 ・自己存在感を与える ・自己決定の場を与える ・共感的な人間関係を育てる 自己指導能力の育成には,確かな児童生徒理解が必要 ・共通理解・共通実践の重要性 ・児童生徒一人一人のよさを見出す必要性 自己指導能力とは 自己をありのままに認め(自己受容),自己に対する洞察を深 めること(自己理解),これらを基盤に自らの追求しつつある標を確立し,また明確化していくこと。そしてこの目標の達成の ため,自発的・自律的に自らの行動を決断し,実行する能力 生徒指導資料第20集(昭和63年3月文部省) 1

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教育相談課の研究

〔 研 究 主 題 〕自己指導能力の育成に向けた生徒指導の在り方に関する研究~「学校楽しぃーと」を活用した効果的な働き掛けを通して~

1 自己指導能力の育成に向けた生徒指導の基本的な考え方(1) 自己指導能力の育成に向けた生徒指導

(2) 自己指導能力の育成に向けた児童生徒理解

(3) 「学校楽しぃーと」作成の意図

・ 組織的・計画的に生徒指導を展開することが共通理解・共通実践に繋がり,効果がある。・ より効果を上げるためには,児童生徒一人一人の良さを見出す必要がある。

↓自己指導能力をより

効果的に育成するには確かな児童生徒理解が必要である。

学校における適応感を把握する質問紙「学校楽しぃーと」の開発

妥当性と信頼性のある質問紙の必要性

客観的な児童生徒理解が重要

確かな児童生徒理解のために

確かな児童生徒理解のためには,教師による主観的な理解を補完する客観的な児童生徒理解が重要である。客観的な児童生徒理

解のためには「妥当性と信頼性のある質問紙」が必要である。そこで,学校におけ

る適応感を把握する質問紙「学校楽しぃーと」を開発した。

生徒指導の意義一人一人の児童生徒の健全な成長を促し,児童生徒自ら現在及び将来における

自己実現を図っていくための自己指導能力の育成を目指す。

・全ての児童生徒が対象・全ての教育活動の中で・全ての教職員で実践

自己実現のため 自己指導能力の育成

生徒指導

人格の尊重個性の伸長

社会的資質や行動力を高める教育活動

・自己存在感を与える・自己決定の場を与える・共感的な人間関係を育てる

自己指導能力とは自己をありのままに認め(自己受容),自己に対す

る洞察を深めること(自己理解),これらを基盤に自らの追求しつつある目標を確立し,また明確化していくこと。そしてこの目標の達成のため,自発的・自律的に自らの行動を決断し,実行する能力

生徒指導資料第20集(昭和63年3月文部省)

自己指導能力の育成には,確かな児童生徒理解が必要

・共通理解・共通実践の重要性

・児童生徒一人一人のよさを見出す必要性

自己指導能力とは自己をありのままに認め(自己受容),自己に対する洞察を深

めること(自己理解),これらを基盤に自らの追求しつつある目標を確立し,また明確化していくこと。そしてこの目標の達成のため,自発的・自律的に自らの行動を決断し,実行する能力

生徒指導資料第20集(昭和63年3月文部省)

- 1 -

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2 本県の「学校楽しぃーと」による実態調査(1) 実態調査について

(2) 各学年の6観点の平均ポイントの状況

(3) 県の分布

○ 6観点の平均ポイントの状況結果・ 高いポイントほど,望ましい状態を表す。・ 全ての観点において,発達の段階に応じて違いがある。

・ 学年が上がるに従って,ポイントが下降傾向にある。

○ 県の分布との比較1学年に1学級しかなく,

同学年に比較する対象のない学校においては,県の平均の分布と見比べることで,学級の様子を知ることができる。

「学校楽しぃーと」個票「学校楽しぃーと」表紙

2.0

2.2

2.4

2.6

2.8

3.0

3.2

3.4

3.6

3.8

4.0

小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 高1 高2 高3

学級集団における適応感

心身の状態

教師との関係

学習意欲

自己肯定感

友達との関係

各学年の6観点の平均ポイントの状況

ポイント

良好

【調査目的】 「自己指導能力の育成に向けた生徒指導の在り方」について研究の基礎資料とするため,「学校楽しぃーと」を用いた質問紙調査を実施し,「学校楽しぃーと」を構成する各観点について分布,平均値を示す。

【調査内容】 「友達との関係」,「教師との関係」,「学習意欲」,「自己肯定感」,「心身の状態」,「学級集団における適応感」,「いじめに関する質問」

【調査対象】 公立小学校34校,公立中学校16校,公立高等学校5校(全県下公立小・中・高の5%以上に当たる学校・人数について学校規模を考慮して抽出した。)

【調査期間】 平成23年11月から12月まで

小4 「学習意欲」観点の平均

人数

点数

県平均 12.1

ポイント

- 2 -

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3 「学校楽しぃーと」の活用の在り方(1) 「学校楽しぃーと」を活用した生徒指導のモデル

(2) 教師の働き掛けの視点

4 「学校楽しぃーと」を活用した個への働き掛けの実践例高校1年生Aの状態(結果の分析)

3つの視点のねらい

・ 自己存在感を与える自分は,ここで役に立って

いる存在であることを実感させる。・ 自己決定の場を与える児童生徒の気付きをより具

体化させて,自分のことは自分で決めさせる。・ 共感的人間関係を育てる自分の気持ちを分かっても

らえたり,相手の気持ちが分かる経験をさせたりすることで一緒に頑張れるように感じさせる。

・ 学級の平均値は,ほぼ県の平均値と同じ状態である。・ Aのストロングポイントは「教師との関係」,「学習意欲」である。・ Aのウィークポイントは「友達との関係」,「学級集団における適応感」,「心身の状態」,「自己肯定感」である。・ 担任は,Aの「友達との関係」は良好であると認識しており「学校楽しぃーと」の結果と担任の見立てとの相違に違和感を覚え,すぐに対応する必要がある生徒と考えた。

「学校楽しぃーと」の6観点と教師の働き掛けの視点の関連

友達との関係

教師との関係

学習意欲

自己肯定感

心身の状態

学級における適応感

自己存在感を与える

自己決定の場を与える

共感的人間関係を育てる

「学校楽しぃーと」の6観点 教師の働き掛けの視点

自己存在感を与える

具体的な働き掛け

自分は,ここで役に立っている。

自己決定の場を与える

共感的人間関係を育てる

全ての教育活動 授業,学校行事,学級活動,教育相談 等

構成的グループエンカウンター,ストレスマネジメント,ソーシャルスキルトレーニング等

場面

技法

教師の働き掛けの3つの視点

自分のことは自分で決める。

相手の気持ち,心情が分かる。

生徒Aの個票のレーダーチャート(7月)

【ストロングポイント】教師との関係,学習意欲

担任の見立てとの相違

【ウィークポイント】

友達との関係,学級集団における適応感,心身の状態,自己肯定感

- 3 -

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生徒Aへの指導の方針と具体的な働き掛け

生徒Aの変容

「学校楽しぃーと」の効果的な活用

5 研究の成果と今後の課題

<研究の成果>自己指導能力の育成のための・ 「学校楽しぃーと」の提供・ 「学校楽しぃーと」による本県の平均値の提示・ 「学校楽しぃーと」を活用した働き掛けの具体例の提供

<今後の課題>・ 各校種の学校からのデータをより多く収集,蓄積・ 「学校楽しぃーと」の校種間連携の有効活用

Aのストロングポイント「教師との関係」を生かし,担任による教育相談を実施した。その中で,担任は「Aが進路選択について保護者との意見の対立があり,不安定な心身の状態であること」を見立てた。そこで,本人や保護者との対応と

して,4点を考えた。

○ 「学校楽しぃーと」2回目実施1回目の結果と比較した。

・「自己肯定感」8ポイント→10ポイント

・「学級集団における適応感」10ポイント→12ポイント

・「友達との関係」8ポイント→11ポイント

・「心身の状態」6ポイント→10ポイントAの表情は明るくなり,友達と

楽しく会話する光景が見られるようになってきた。

・ 「学校楽しぃーと」は,気になる児童生徒の個人への対応に有効だが,学級や学年または,学校全体で実施すると,より効果的な指導・援助につながる。

・ 「どんな働き掛けが良かったのか」を分析し,職員会議や事例研究会等で,情報を提供することにより,効果的な働き掛けを学校全体で共有することができる。

・ 自己指導能力の育成には,学校全体で組織的に生徒指導を推進することが重要である。

※ 「学校楽しぃーと,学級・学年シート,分布のヒストグラム」は,教育センターWebページからダウンロードできま

す。(カリキュラムセンター→生徒指導) http://www.edu.pref.kagoshima.jp/curriculum/seise/top.html

高校1年生Aの結果(7月と10月の比較)

自己肯定感

学級集団における適応感

友達との関係

7月の結果 10月の結果

10

8 11

10

12

6心身の状態

8 10

指導・援助の方針と具体的な働き掛け

Aとの教育相談を実施

要因の見立て

○ 進路選択について保護者との意見の対立が原因で,心身の状態が不安定になり,他の観点に影響を与えている。

担任の方針

対 応 ポ イ ン ト

本人との教育相談

保護者との教育相談

教育活動での声掛け

情 報 の 共 有 化

本人の思いを十分に聞き出し,自分で決める事の大切さに気付かせる。

本人へ肯定的な言葉掛けをする。

他の教師への情報提供と対応の依頼をする。

本人の考えを尊重しながら関わることを保護者へ働き掛ける。

自己指導能力の育成に向けた生徒指導の実践

「学校楽しぃーと」 の実施

結 果 分 析

指導・援助の方針

職員会議・事例研究会等児童生徒理解や働き掛けに関する情報共有・方針の再検討,

共通実践

働 き 掛 け

働き掛けの継続働き掛けの工夫・改善

学校全体での共有

- 4 -

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<平成23・24年度>

自己指導能力の育成に向けた生徒指導の在り方に関する研究

~ 「学校楽しぃーと」を活用した

効果的な働き掛けを通して~

鹿児島県総合教育センター鹿児島県総合教育センター

【平成24年度調査研究発表会】

全体会研究発表

発表内容

Ⅱ「学校楽しぃーと」の概要及び実態調査結果

Ⅰ 研究主題設定の理由

Ⅴ 成果と課題

Ⅳ 個への働き掛けの実践例

Ⅲ「学校楽しぃーと」を活用した生徒指導のモデル

Ⅰ 研究主題設定の理由

いじめ 不登校

人間関係の希薄化規範意識の低下

学校裏サイト

少子高齢化の進行

情報化の進展

ニートやひきこもりの増加

保護者の価値観の多様化

家庭や地域の教育力の低下

自殺ネット上のいじめ,薬物

生徒指導の充実の必要性

児童生徒や学校を取り巻く状況

4

平成21・22年度

自己指導能力とは自己をありのままに認め(自己受容),自己に対する洞察を深

めること(自己理解),これらを基盤に自らの追求しつつある目標を確立し,また明確化していくこと。そしてこの目標の達成のため,自発的・自律的に自らの行動を決断し,実行する能力

生徒指導資料第20集(昭和63年3月文部省)

自己指導能力の育成には,確かな児童生徒理解が 必要

これまでの調査研究の取組

・共通理解・共通実践の重要性

・児童生徒一人一人のよさを見出す必要性

自己指導能力の育成に向けた組織的・計画的な生徒指導の在り方

5

学校における適応感を把握する質問紙「学校楽しぃーと」の開発

妥当性と信頼性のある質問紙の必要性

客観的な児童生徒理解が重要

「学校楽しぃーと」の活用

指導・援助への生かし方

確かな児童生徒理解のために

研究主題設定の理由

自己指導能力の育成に向けた生徒指導の在り方に関する~ 「学校楽しぃーと」を活用した効果的な働き掛けを通して~

- 5 -

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Ⅱ 「学校楽しぃーと」の概要及び実態調査結果

① 小学生用(1~3年生用)② 小学生用(4~6年生用)③ 中学生用④ 高校生用

① 友達との関係② 教師との関係③ 学習意欲④ 自己肯定感⑤ 心身の状態⑥ 学級集団における適応感□ いじめに関する項目(2問)

合 計 2 6 問

「学校楽しぃーと」の種類,質問項目

【質問紙の種類】

【質問項目】

各4問

(計24問)

8

友達との関係

教師との関係

学級集団における適応感

自己肯定感

学習意欲

心身の状態

6つの観点

「学校楽しぃーと」の質問紙

逆転項目

入力方法について

入力シート

氏名 性別番号 10

32 4233321 4333423

児童生徒が回答した数字を入力します

2 423332 4333423

入力方法について

入力部分の拡大

1

入力した数字が反映される

心身の状態

【個人】

・ 県平均や学級平均との比較

学習意欲

12

ストロングポイントウィークポイント

- 6 -

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【学級】

・ 県平均との比較

・ 学年平均との比較

自己肯定感

心身の状態

学習意欲

学級集団における適応感

友達との関係

学年平均(青破線) 県平均(黒破線)

学級シートの一部

13

教師との関係

平成23年11月~12月

調査の目的

実施時期

調査対象

「自己指導能力の育成に向けた生徒指導の在り方」について

研究の基礎資料とするため,「学校楽しぃーと」を用いた質問紙調査を実施し,「学校楽しぃーと」を構成する各観点についての

分布,平均値を示す。

区 分 小学校 中学校 高等学校 合 計

調査対象校 34校 16校 5校 55校

調査対象者 6,617人 3,141人 3,050人 12,808人

14

2.0

2.2

2.4

2.6

2.8

3.0

3.2

3.4

3.6

3.8

4.0

小1 小2 小3 小4 小5 小6 中1 中2 中3 高1 高2 高3

学級集団における適応感

心身の状態

教師との関係

学習意欲

自己肯定感

友達との関係

15

各学年の6観点の平均ポイントの状況ポイント

良好

県の分布

平均:12.4

平均:10.6

平均:10.8

平均:12.1

0 50 100 150 200

4

6

8

10

12

14

16

人数

点数

中1「学級集団における適応感」

16

0 50 100 150 200

4

6

8

10

12

14

16

人数

点数

中1「心身の状態」

Ⅲ「学校楽しぃーと」を活用した生徒指導のモデル

「学校楽しぃーと」を活用した生徒指導のモデル

教師(担任)

「学校楽しぃーと」の実施(1回目)

ア 結 果 の 分 析

イ 指導・援助の方針

児童生徒理解の深化

「学校楽しぃーと」の実施(2回目)

ウ 具体的な働き掛け

・・・ 18

- 7 -

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「学校楽しぃーと」を活用した生徒指導のモデル

教師(担任)

ア 結果の分析・ 気になる児童生徒の把握

・ 担任の見立てとの違いの把握

・ 他教師からの情報収集

・ 他の検査との関連

児童生徒理解の

深化

イ 指導・援助の方針

担 任学年部

生徒指導部

共通理解

共通実践

組織的・計画的生徒

指導体制

19

自己存在感を与える

ウ 具体的な働き掛け

自分は,ここで役に立っている。

自己肯定感 学習意欲 心身の状態

自己決定の場を与える

共感的人間関係を育てる

全ての教育活動 授業,学校行事,学級活動,教育相談 等

構成的グループエンカウンター,ストレスマネジメント,ソーシャルスキルトレーニング等

場面

技法

教師の働き掛けの3つの視点

自分のことは自分で決める。

学習意欲 自己肯定感 心身の状態

相手の気持ち,心情が分かる。

友達との関係 教師との関係 学級集団における適応感 心身の状態

20

「学校楽しぃーと」を活用した生徒指導のモデル

児童生徒

自己指導能力の高まり

○ 自己存在感を与える。

○ 自己決定の場を与える。

○ 共感的人間関係を育てる。

自分を振り返る

現在の状況を知る

自己受容

自己理解

教師の具体的な働き掛け

21

Ⅳ 個への働き掛けの実践例

生徒Aの個票のレーダーチャート(7月)

【ストロングポイント】教師との関係,学習意欲

担任の見立てとの相違

【ウィークポイント】

友達との関係,学級集団における適応感,心身の状態,自己肯定感

指導・援助の方針と具体的な働き掛け

Aとの教育相談を実施

要因の見立て

○ 進路選択について保護者との意見の対立が原因で,心身の状態が不安定になり,他の観点に影響を与えている。

担任の方針

対 応 ポ イ ン ト

本人との教育相談

保護者との教育相談

教育活動での声掛け

情 報 の 共 有 化

本人の思いを十分に聞き出し,自分で決める事の大切さに気付かせる。

本人へ肯定的な言葉掛けをする。

他の教師への情報提供と対応の依頼をする。

本人の考えを尊重しながら関わることを保護者へ働き掛ける。

24

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高校1年生Aの結果(7月と10月の比較)

自己肯定感

学級集団における適応感

友達との関係

7月の結果 10月の結果

10

8 11

10

12

6心身の状態

8 10

25

自己指導能力の育成に向けた生徒指導の実践

「学校楽しぃーと」 の実施

結 果 分 析

指導・援助の方針

職員会議・事例研究会等児童生徒理解や働き掛けに関する情報共有・方針の再検討,

共通実践

働 き 掛 け

働き掛けの継続働き掛けの工夫・改善

学校全体での共有 26

Ⅴ 成果と課題

成果

課題

自己指導能力育成のための○ 「学校楽しぃーと」の提供○ 「学校楽しぃーと」による本県の平均値の提示○ 「学校楽しぃーと」を活用した働き掛けの具体例の提供

△ 各校種の学校からのデータをより多く収集,蓄積△ 「学校楽しぃーと」の校種間連携の有効活用

成果と課題

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