中学校での実践：ISNと連携した中学校でのOECDラーニング・コンパス2030の試み

新潟大学教育学部附属新潟中学校指導教諭 上村 慎吾

教科等の本質的な学びを踏まえた主体的・対話的で深い学び（アクティブ・ラーニング）の視点からの学習・指導方法の改善の推進

日本イノベーション教育ネットワーク（協力OECD)(ISN: Japan Innovative Schools Network

supported by OECD)

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≪団体概要≫・OECDのサポートのもと，生徒たちが（海外も含めた）多様な他者と関わりながら地域の課題解決を目指すプロジェクトに取組み，その実践を研究分析することで，OECDラーニングコンパスも意識した研究を実施し，22世紀に求められる資質・能力を涵養するための新しい学びのモデルの開発を目指す・ISN2.0研究チームを立ち上げ，全国に研究校，実践校を設定≪団体代表≫鈴木 寛 -Kan Suzuki-日本イノベーション教育ネットワーク（協力OECD)代表

東京大学公共政策大学院教授

三浦 浩喜 -Hiroki Miura-日本イノベーション教育ネットワーク（協力OECD)共同代表

福島大学 理事・副学長

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http://www.oecd.org/education/2030-project/teaching-and-learning/learning/

生徒エージェンシーStudent Agency

共同エージェンシーCo-Agency

態度Attitudes

価値Values

知識Knowledge

スキルSkills

変革を起こす力のあるコンピテンシーTransformative Competencies

Well-beingウェルビーイング

②教科等横断的な視点に立った資質・能力「コンピテンシー」の表出のために，「学びの再構成を促す工夫」を全職員が共通のベクトルで推進

教科等で育成する資質・能力と，教科等横断的な視点に立って育成する資質・能力の内容に対応

③ISNとの連携により，スクールネットワークを活かした学校づくり

①知識の構造化を基に資質・能力の一体的な活用・発揮を図る

各教科等で扱う主要な概念を深く理解し，他の学習や生活の場面でも活用できるような確かな知識の育成に対応

社会や世界とのかかわりから，自らの人生を切り拓いていくために求められる資質・能力を教育課程において育む「社会に開かれた教育課程」に対応

豊かな対話を求め，確かな学びに向かう生徒を育む授業

対象世界，他者，自己との対話の中で，学びを再構成しながら，資質・能力を一体的に活用・発揮し，自分がかかわる世界（人，もの，こと）をよりよい方向へ変えることができる生徒

学びの再構成変革を起こす力

コンピテンシー

知・技 知・技

知・技思・判・表

学び・人間性

思・判・表

学びの

再構成

教科等

教科等横断

地域活性化に取り組んでいる人々の思いがわかる （人）

知識の構造化

伝統的な日本の歌曲に大切な音楽的要素がわかる（こと）

知・技 知・技

知・技思・判・表

学び・人間性

思・判・表

「知識及び技能」

知識の構造化

新学習指導要領の３つの資質・能力の柱（「知識及び技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」）やOECD ラーニング・コンパス2030の３つの主要基礎能力（Knowledge, Skills, Attitudes & Values） を示しており，知識及び技能を中心に，３つの資質・能力をどのように一体的に活用・発揮させればいいかを図式化

知・技

学び・人間性

思・判・表「思考力・判断力・表現力等」

「学び向かう力・人間性」

Knowledge（知識）

Skills（スキル）

Attitudes & Values（態度＆価値）

新学習指導要領OECDラーニング・

コンパス2030

保健体育 授業者：倉嶋 昭久球技 ゴール型 タグラグビー（３年）

タグを引っ張り合い，ボールを奪い合うため，身体接触が少なく，男女や年齢関係なく，スポーツを楽しむ→生涯スポーツに必要な考え方

知・技

知・技チームの攻撃・守備の目的

知・技一人一人の特徴に合わせた動き方

基本技能（パス，ステップなど）

学び・人間性思・判・表

自分の役割や相手の特徴に応じて動きを試行する

一人一人の違いに応じた動き方を大切にしようと

すること

知識の構造化を基にした資質・能力の一体的な

活用・発揮

チームの一員として，目的や状況に応じた動き方を図る

＝責任ある行動教科の枠を越え，教科等横断

的な資質・能力の表出

社会科 授業者：山田 耀明治維新～明治150年の新潟から～（２年）

地元新潟で明維維新を進めた新潟県令・楠本正隆の開化政策を基に，地域的事象から明治維新を学ぶ→社会的事象を多面的に多角的に考察する力

知・技

知・技廃藩置県・地租改正

知・技学制の交付・殖産興業

文明開化～町，人々の生活～

学び・人間性思・判・表

事象の特色や相互の関連を多面的に把握して，多角的に考察

地域的事象に興味・関心をもって考察しようとする

明治新政府の立場や新潟の人々の立場から，楠本県令の開化政策の

是非を議論する

＝対立やジレンマを乗り越える

教科の枠を越え，教科等横断的な資質・能力の表出

知識の構造化を基にした資質・能力の一体的な

活用・発揮

知識及び

技能

思考力・判断力・表現力等

学びに向かう力・人間性等

責任ある行動をとる力Taking Responsibility

対立やジレンマを克服する力

Reconciling tensions and dilemmas

新たな価値を創造する力Creating New Value

変革を起こす力（Transformative Competencies）自分がかかわる世界（人，もの，こと）をよりよい方向へ変えることができる力

数学 式の計算の利用～事象と文字式～ （３年）授業者 瀬野 大吾

【単元後の生徒Aの振り返り】「論理的に一つ一つのことの整合を図り，正しいかを確認していくことが将来検事になるために大切な考え方です。」→問題解決力

数学の本質的な学びから，論理的に一つ一つの整合を図ることの意味を実感

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「責任ある行動をとる力」のコンピテンシーの表出