大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比)...

8
Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。なお、ここでは「成長」を、「専門分 野の知識・技能」「汎用的技能」「自己認識」など、幅広 く捉えている。 今回のテーマは、「教員一人当たりの学生数」 (ST比)。 大学が学生に対して、きめ細かい教育をどれだけ提供 できるかを表す指標として、注目が集まっている。 例えば、ST比が低い大学では、 ・少人数のクラス編成がしやすく、教員と学生、 学生同士の対話を取り入れた授業や、プロジェ クト型の学習を導入しやすい ・「初年次ゼミ」など、低年次から演習型の授業を 配置できる ・3・4年次の「専門ゼミ」に全学生が所属できる ・卒業論文の執筆に向けた指導を手厚くできる ・教員が一人ひとりの学生の状況を把握しやすく、 個に応じた指導が可能になる といった傾向がある。 そしてこれらは、学生の学習意欲を高め、主体的な 学習を促し、成長につながっていくことが明らかにな っている教育の取り組みである(ガイドライン2016年 度連載「大学教育と学生エンゲージメント」より)。 そこで今回は、ST比が低いことが大学教育の充実 に、そして学生の成長にどのようにつながっていくのか、 大学の事例を通じて考えていく。 なお、コラムで示す通り、ST比の値も、ST比と相 関が見られる教育の取り組みも、学部系統によって傾 向が異なる。そこで今回は、社会科学系、人文・社会 科学系の学際分野、理工農学系からそれぞれ1大学ず つ紹介する。 事例神戸大学法学部 大人数の講義と少人数の演習をバランスよく組 み合わせて、法学の概念を習得させる 学生の理解度や興味・関心に応じて授業内容を 柔軟に変更 多彩な「特別プログラム」を実施し、学生のモチ ベーションを高める 事例 2 広島市立大学国際学部 4年間を通して少人数の演習科目が必修 学生それぞれの状況に合わせたスケジュールで 卒業論文を執筆 教授会でも学生の状況が話題に上る 教員と学生や、学生同士の関係が緊密になり、 演習での議論や卒業論文の内容も深まる 事例 3 甲南大学 フロンティアサイエンス学部 1年次から専門実験がスタート。研究に触れる「ア クティブ・リサーチ」も導入 一人ひとりの専用スペース「マイラボ」を設置 「指導主任制度」できめ細かなサポートを実施 低年次から実験や研究を経験すること、学生が 大学に居場所を見つけることなどで、学習意欲 が高まる ………………… p74 p78 学生を 成長 させる 大学教育 第5回 ………… p76 Kawaijuku Guideline 2018.45 72

Transcript of 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比)...

Page 1: 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。

Contents

教員一人当たりの学生数(ST比)

 このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り組みを紹介する。なお、ここでは「成長」を、「専門分野の知識・技能」「汎用的技能」「自己認識」など、幅広く捉えている。 今回のテーマは、「教員一人当たりの学生数」(ST比)。大学が学生に対して、きめ細かい教育をどれだけ提供できるかを表す指標として、注目が集まっている。 例えば、ST比が低い大学では、・少人数のクラス編成がしやすく、教員と学生、学生同士の対話を取り入れた授業や、プロジェクト型の学習を導入しやすい

・「初年次ゼミ」など、低年次から演習型の授業を配置できる

・3・4年次の「専門ゼミ」に全学生が所属できる・卒業論文の執筆に向けた指導を手厚くできる・教員が一人ひとりの学生の状況を把握しやすく、個に応じた指導が可能になる

 といった傾向がある。 そしてこれらは、学生の学習意欲を高め、主体的な学習を促し、成長につながっていくことが明らかになっている教育の取り組みである(ガイドライン2016年度連載「大学教育と学生エンゲージメント」より)。 そこで今回は、ST比が低いことが大学教育の充実に、そして学生の成長にどのようにつながっていくのか、大学の事例を通じて考えていく。 なお、コラムで示す通り、ST比の値も、ST比と相関が見られる教育の取り組みも、学部系統によって傾向が異なる。そこで今回は、社会科学系、人文・社会科学系の学際分野、理工農学系からそれぞれ1大学ずつ紹介する。

事例1 神戸大学法学部

▶大人数の講義と少人数の演習をバランスよく組み合わせて、法学の概念を習得させる

▶学生の理解度や興味・関心に応じて授業内容を柔軟に変更

▶多彩な「特別プログラム」を実施し、学生のモチベーションを高める

事例2 広島市立大学国際学部

▶4年間を通して少人数の演習科目が必修

▶学生それぞれの状況に合わせたスケジュールで卒業論文を執筆

▶教授会でも学生の状況が話題に上る

▶教員と学生や、学生同士の関係が緊密になり、演習での議論や卒業論文の内容も深まる

事例3 甲南大学フロンティアサイエンス学部

▶1年次から専門実験がスタート。研究に触れる「アクティブ・リサーチ」も導入

▶一人ひとりの専用スペース「マイラボ」を設置

▶「指導主任制度」できめ細かなサポートを実施

▶低年次から実験や研究を経験すること、学生が大学に居場所を見つけることなどで、学習意欲が高まる

………………… p74

… p78

学生を成長させる大学教育

第5回

………… p76

Kawaijuku Guideline 2018.4・572

Page 2: 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。

(注)分析に関して・大学設置基準の記載を見ると、必要な教員数は学部の種類によって異なる

ため、「人文科学」「社会科学」「理工農学」「医療」「その他」の5つの学部系統ごとに分析した。

・ここでは、「ST比」を、「教員数(その学部の本務者+学内兼任)/その学部の学生数」として計算。新設や募集停止した学部は集計から除外した。

・各取り組みへの回答を「学部全体で実施=3点、一部の学部で実施=2点、一部の教員で実施=1点、その他の回答を0点」として点数化し、ST比の値と相関を取った。

第5回 「教員一人当たりの学生数(ST比)」

コラム

ST比と大学教育の関係~「ひらく 日本の大学」 2017年度調査より~

 ガイドライン2017年11月号特集でも紹介したように、ST比と大学教育の取り組みには相関が見られる。<図表1>は、朝日新聞×河合塾「ひらく 日本の大学」2017年度調査において「社会科学系」

「人文科学系」「理工農学系」のいずれかで、ST比と実施状況に相関が見られた取り組みである(注)。 学部系統ごとに、ST比と教育の取り組みの実施状況の関係を見ていこう。まず、社会科学系は<図表1>の①⑥⑦⑧⑨などで強い相関が見られた。特に、

「卒業論文・卒業研究の必修化」については、ST比の値が小さいほど、「学部全体で実施」の割合が高いことがわかる<図表2>。 人文科学系は、社会科学系ほど強くはないが、⑥「卒業論文・卒業研究の必修化」や⑨「ポートフォリオ」で相関が見られた。<図表3>を見ると、ST比が15未満の学部で、「卒業論文・卒業研究の必修化」を「学部全体で実施」の割合が92%と非常に高い。 これらのことから、人文・社会科学系の学部を志望する場合は、大学選びの視点の一つとして、ST比に注目するのも良いだろう。 理工農学系では、ST比が27以上の学部で、②「研究への参加」を「学部全体で実施」の割合が低く、「一部の教員で実施」の割合が高いなどの傾向は見られた。しかし、他にはST比と相関が見られる項目があまりなかった。理由としては、理工農学系では大学設置基準で示されている学生数に対する教員数の目安が少なく、元々、人文・社会科学系に比べてST比が低いことなどが影響していると考えられる。

<図表1> ST 比と相関の見られた大学教育の取り組み

<図表2>卒業論文・卒業研究の必修化(社会科学系)

<図表3>卒業論文・卒業研究の必修化(人文科学系)

<図表4>研究への参加(理工農学系)

①課題解決型授業②研究への参加③グループによる学修・発表を取り入れた授業科目④教員との対話、学生間の対話を取り入れた対話型授業科目⑤レポート・試験へのコメント返却⑥卒業論文・卒業研究の必修化⑦専門ゼミの必修化⑧初年次ゼミの必修化⑨学生の活動記録・成績記録(ポートフォリオ)⑩学級担任制の導入

62%

51%

40%

25%

7%

4%

4%

2%

8%

8%

10%

12%

23%

36%

47%

60%

20未満(n=145)

20以上30未満(n=137)

30以上45未満(n=133)

45以上(n=146)

ST比

ST比

ST比

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

0% 20% 40% 80%60% 100%

0%

92%

77%

70%

71%

8%

9%

17%

5%

15%

20%

13%

77%

83%

76%

66%

4%

5%

11%

6%

9%

7%

5%

19%

9%

5%

9%

10%

15未満(n=101)

15以上22未満(n=98)

22以上32未満(n=97)

32以上(n=103)

100%80%60%40%20%

12未満(n=74)

12以上17未満(n=76)

17以上27未満(n=82)

27以上(n=70)

0% 100%80%60%40%20%

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

62%

51%

40%

25%

7%

4%

4%

2%

8%

8%

10%

12%

23%

36%

47%

60%

20未満(n=145)

20以上30未満(n=137)

30以上45未満(n=133)

45以上(n=146)

ST比

ST比

ST比

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

0% 20% 40% 80%60% 100%

0%

92%

77%

70%

71%

8%

9%

17%

5%

15%

20%

13%

77%

83%

76%

66%

4%

5%

11%

6%

9%

7%

5%

19%

9%

5%

9%

10%

15未満(n=101)

15以上22未満(n=98)

22以上32未満(n=97)

32以上(n=103)

100%80%60%40%20%

12未満(n=74)

12以上17未満(n=76)

17以上27未満(n=82)

27以上(n=70)

0% 100%80%60%40%20%

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

62%

51%

40%

25%

7%

4%

4%

2%

8%

8%

10%

12%

23%

36%

47%

60%

20未満(n=145)

20以上30未満(n=137)

30以上45未満(n=133)

45以上(n=146)

ST比

ST比

ST比

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

0% 20% 40% 80%60% 100%

0%

92%

77%

70%

71%

8%

9%

17%

5%

15%

20%

13%

77%

83%

76%

66%

4%

5%

11%

6%

9%

7%

5%

19%

9%

5%

9%

10%

15未満(n=101)

15以上22未満(n=98)

22以上32未満(n=97)

32以上(n=103)

100%80%60%40%20%

12未満(n=74)

12以上17未満(n=76)

17以上27未満(n=82)

27以上(n=70)

0% 100%80%60%40%20%

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

■1.学部全体で実施 ■2.一部の学科で実施 ■3.一部の教員で実施 ■4.実施していない

Kawaijuku Guideline 2018.4・5 73

Page 3: 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。

講義形式の授業と並行して少人数の演習形式の授業に各学年で取り組む

 神戸大学法学部では、教員一人当たりの入学定員が約3名という「教員と学生の距離の近さ」を活かした教育を行っている。4年間を通して充実した演習形式の授業科目を置くとともに、講義科目との連関を重視して、講義と演習のバランスを図っているところに特色がある。さらに、「法経連携専門教育プログラム」「グローバル人材育成プログラム」など、特別プログラムも豊富である。

講義と並行して「初年次セミナー」「法解釈基礎」「3・4年次ゼミ」などの演習を展開

 神戸大学法学部は、4年間を通して少人数の演習形式

の授業を履修できる。ただし、法学部の教育においては、

すべてを演習形式で学ぶのが適しているわけではなく、講

義形式の授業とバランス良く組み合わせることが重要で

あると、青木哲教授は語る。

 「法律学は抽象化、体系化された学問です。講義では、

その抽象化された概念を体系的に習得します。その上で、

演習では、学んだ知識が具体的な事案にどう適用される

のか、教員と学生、および学生同士のやり取りの中で検

討していきます。当然のことながら、何の知識もない状

態で検討するのは困難です。ですから、本学部では、さ

まざまな法律について、講義と演習を組み合わせて学ぶ

カリキュラムとしています。講義でも、学生の習熟レベ

ルに応じて、重点を置く部分を柔軟に変えています。学

生が興味・関心を持っていることもよくわかっています

から、それを授業に反映させることもあります。そうし

たきめ細かな教育が実施できるのも、教員一人当たりの

学生数(ST比)が低いからだと考えています」

 演習形式の授業科目の展開を見てみよう。まず1年次

前期の必修科目に「初年次セミナー」がある。教員から

提示されたテーマを見て、学生が希望するクラスを選択

する。1学年約180名を、約20名ずつの9クラスに分け

ている。「読む力」「書く力」「話す力」「調べる力」の4

つの力を伸ばすとともに、専門的な授業を受けるために

必要な学びの作法を身につけることを目的にしている。

 1年次後期から開講されるのが「法解釈基礎」「社会分

析基礎」である(1クラス約20名)。前者は法律の解釈、

後者は広く法律・政治に関する内容になっている。「法解

釈基礎」を例にとると、並行して民法、刑法の講義がス

タートしているので、それらの講義で学習した内容を踏

まえて、事例に当てはめて結論を示す練習を重ねる。

 「法学部での専門教育では、法律的な文章を書く力が要

求されます。事例に対して、適用されるべき法規範を選

択し、その法規範の意味内容を明らかにした上で、事例

に当てはめて、結論を導くことが大切です。そうした法

学部ならではの思考様式、文章作法を、早い段階から徹

底的に習熟させることを目的にしています」(青木教授)

 3・4年次は「演習(ゼミ)」「応用法律」「応用研究」

「外国書講読」の中から、2科目4単位以上が選択必修

になっている。「応用法律」は法律系、「応用研究」は政

治系の演習だ。いずれも、文献等の調査、プレゼンテー

ション、ディスカッション、事例演習などを実践する。

ディベートを行うゼミもある。

 「演習(ゼミ)」は、学生が関心をもっている分野を深

く掘り下げていく内容で、各学期2科目まで所属するこ

とができる。それに対して、「応用法律」は民法、刑法、

行政法といった法律分野ごとに、「演習(ゼミ)」よりも

幅広いテーマが扱われる。意欲のある学生は7つの法律

分野すべての授業の履修も可能だ。

プラスアルファの「特別プログラム」が学生の学びのモチベーションを高める

 神戸大学法学部のもう1つの特色は、バラエティーに

富んだ、少人数制の「特別プログラム」が用意されてい

ることである。法学や政治学の専門科目だけでなく、「プ

ラスアルファの学び」を経験させることで、学生のモチ

高橋裕 教授

神戸大学法学部

青木哲 教授

学生を成長させる大学教育

Kawaijuku Guideline 2018.4・574

Page 4: 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。

ベーションを高める意義は大きい。

 特に力を入れているのが「法経連携専門教育プログラ

ム」。2年次前期から2年間、法学部と経済学部の学生

が一緒に学ぶプログラムである。定員は各学部15名の

計30名。事前に法学部の学生は「ミクロ経済学基礎」、

経済学部の学生は「民事法基礎」の履修が前提になって

おり、履修希望者が多数の場合にはその成績で選考が行

われる。6科目が必修になっており、さらに法学部生は

経済学部の(経済学部生は法学部の)専門科目を所定単

位数履修したうえで、法学部・経済学部両方の教員の指

導を受けながら、法学・経済学両方の知識を活かした論

文を執筆することによって修了証が与えられる。ただし、

学習意欲が高く、さらに選考を経た学生たちでありなが

ら、途中で履修をやめる学生も珍しくはない。それだけ

学習量が求められるプログラムだが、修了した学生が得

るものは大きいと、担当の高橋裕教授は語る。

 「例えば『法経総合概論』は、法学部と経済学部それ

ぞれ1名の教員が、ペアを組んで担当します。交替でオ

ムニバス形式の授業を行うのではなく、常に2名(環境

法など、分野によっては3名)の教員による対話形式で

進行します。事例に対して、法学部の教員が法律的な見

解を述べると、経済学部の教員が経済学的な立場から反

論するわけです。同じ事象でも、法律と経済の立場によ

って考え方が異なることを、臨場感あふれる形で示すこ

とで、学生たちは複眼的な思考を身につけていきます。

知的な交流ができる他学部の友人ができるメリットも大

きいでしょう。また、経済学部への進学と迷いながら法

学部に入学した学生も少なくありません。そうした学生

にとって、両方の学びが可能になることは魅力を感じる

はずです。幅広い学びのニーズに応えるために、『法経連

携専門教育プログラム』の参加者は、法学部の学生でも

経済学部のゼミの選択(逆も可)を許可しています。実

際にその制度を活用する学生もいます」(高橋教授)

 また、このプログラムでは、近年、マレーシア国民大

学で開催される合同セミナーで、英語でプレゼンテーシ

ョン・質疑応答するチャンスも提供しており、履修者に

は1単位が与えられる。帰国後、振り返りを行い、成果

を英語論文にまとめている。

 なお、神戸大学の社会科学系の研究棟は学部単位では

なく、法学部、経済学部、経営学部など社会科学系の教

員の研究室が同じ研究棟の中にある。教員同士が学部の

枠を越えて、日常的に交流する下地があることも、こう

した学際的なプログラムを展開しやすい要因になってい

るという。

 そのほかの特別プログラムとして、「グローバル人材育

成プログラム」では、学内の英語による専門科目の授業

(「実践法律英語入門」「Introduction to Common Law」

「Japanese Legal System」など)の受講、海外交換留学、

海外法律事務所でのインターンシップ、国際模擬仲裁大

会への出場を組み合わせた教育を展開している。

 これらの特別プログラムのほかにも、年度ごとに演習

形式の授業科目が開設されている。特徴的なものとして、

「地域ジャーナリズム・ワークショップ」がある。外部

の専門家を招き、講演を聞いて、記事を書き、新聞記者

の添削指導を受ける。学生が執筆した記事のうち優れた

ものは実際に新聞に掲載されることもある。

 こうした多彩な学びをさらに発展させるためには、高

い志を持った学生の入学が期待される。そこで、神戸大

学では、平成31(2019)年度入試から新しいAO入試

として「志」特別入試を導入する。第1次選抜では、高

校時代の主体的な取り組みを重視するとともに、模擬講

義に基づく講義レポートの作成、総合問題などを課す。

そのほか法学部の最終選抜では面接・口頭試問を実施す

る予定だ。

<図>学年ごとの科目配当イメージ

(神戸大学法学部案内2018より。基礎科目は1年次後期から履修可能に変更した。)

科目 1年生 2年生 3年生 4年生入門科目(実定法入門、法社会学入門、現代政治入門)演習科目(初年次セミナー)基本法律科目A(憲法、民法、刑法など)基礎科目(法解釈基礎、社会分析基礎)基本法律科目B(民法、刑法、商法、行政法、刑事訴訟法、民事訴訟法など)応用法律科目(応用憲法、応用民法、応用刑法など)展開・発展科目(労働法、知的財産法、環境法など)基礎法科目(法哲学、西洋法史、英米法など)法社会学科目(法社会学概論、応用法社会学)国際法科目(国際法、国際機構法など)政治・国際関係論科目(政治学、政治文化論、国際政治経済など)演習科目(3・4年次演習)

第5回 「教員一人当たりの学生数(ST比)」

Kawaijuku Guideline 2018.4・5 75

Page 5: 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。

4年間必修の演習をはじめ、すべての授業が少人数制で一人ひとりのニーズを踏まえた「手作りの教育」を展開

 広島市立大学は、国際学部、情報科学部、芸術学部の3学部を持つ公立大学である。1994年の開学当初から全学的に少人数教育をめざしており、国際学部でも、教員一人当たりの学生数(ST比)が非常に低い。恵まれた教育環境を生かして、4年間を通して演習科目を全員必修としている。演習以外の授業も少人数制で、教員と学生が日常的にコミュニケーションをとっている。

大学の学びに対応できる力を養う1・2年次の「基礎演習」「発展演習」

 広島市立大学は、開学当初から「徹底した少人数教

育」を標榜している。その中でも、国際学部では1学年

の学生数約100名に対して専任教員は46名と、他の大学

の人文・社会科学系の学部に比べて、ST比(教員一人当

たりの学生数)が非常に低い。さらに、国際学部では、学

際性の高い教育をめざしながらも学問を体系的に学ぶこ

とができるよう、「国際政治・平和」「公共政策・NPO」

「多文化共生」「言語・コミュニケーション」「国際ビジネ

ス」の5つのプログラムを設け、多彩な専門分野の教員

を擁している。

 国際学部では、ST比が低いことを生かして、少人数で

の演習科目を4年間必修としている<図>。

 1年次の「基礎演習」は、学生を学籍番号順に、約10

名ずつ10クラスに振り分ける。

 「『基礎演習』は、レポートの書き方、参考文献の探し

方、発表する際の配布資料の作り方などを指導し、大学

の学びに対応できる力を育てます。専門書を講読して、

2名の学生に同じ章の内容を発表させ、お互いに良かっ

た点、不足している点を比較させる学び合いの場も設け

ています。発表力の向上に重点を置き、共通のテーマを

設定して、クラス対抗のディベートなどを実施したこと

もあります。2018年度からは、前期の授業の一部を3学

部合同で実施する予定です」(古澤嘉朗准教授)

 2年次の「発展演習」は、約10のテーマから、学生が

関心のある分野の演習を選択する。こちらも10名程度の

少人数クラスで行われる。

 「発展演習」の前期では、教員が指定した専門書を講読

するが、後期は学生が自分なりにテーマを設定し、文献

などを調べてレポートを作成する。書いたレポートを学

生同士で読み合って、議論する場合もある。

卒論作成に向けて個別面談を繰り返し個々の状況に合わせた執筆計画を立てる

 3年次の「専門演習」では、最も関心のある分野に絞

り込んで、密度の濃い研究を行う。原則として専任教員

全員が担当するため、40以上の多様なテーマの中から選

択することができる。1つの「専門演習」当たりの学生

数は約3~5名である。学生数の多い大学では、全員が

希望のゼミに入れない場合もあるが、約100名の学生に

対して40以上の演習が設けられているので、その心配は

少ない。さらに、希望すれば2つの「専門演習」を履修

することも可能で、実際に半数以上の学生が専門演習を

2つ履修している(「卒論演習」は1つのみを選択)。

 「専門演習の進め方は教員によって異なります。私のゼ

ミは紛争後社会の平和構築がテーマですから、最初に平

和構築を研究する上で基礎となる文献を講読し、ディス

カッションやプレゼンテーションを行います。その後、

学生一人ひとりに興味を持っているテーマを聞き、それ

に関連する文献を紹介し、それぞれで調べて発表してい

きます。また、2016年度は長崎大学多文化社会学部、

2017年度は立命館大学国際関係学部と合同ゼミを企画

し、日本における難民受け入れなど、テーマを決めて、グ

ループ発表を行う機会も設けています」(古澤准教授)

 4年次の「卒論演習」では、卒業論文(以下、卒論)

の執筆に向けた個別指導が行われる。「専門演習」の担当

教員に引き続き指導を受ける学生が大半である。

古澤嘉朗 准教授

広島市立大学国際学部

学生を成長させる大学教育

Kawaijuku Guideline 2018.4・576

Page 6: 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。

 卒論指導の進め方は教員によって異なるが、

古澤准教授の場合は、3年次の「専門演習」か

ら、卒論執筆を見越した指導を行っている。ま

ず3年次の「専門演習」が始まる前に、学生一

人ずつ約1時間の面談を実施。どのようなテー

マに興味があるかを細かく把握し、研究の進め

方をアドバイスする。研究を続ける中で関心が

揺れ動く学生もいるので、3年次後期の最初と

最後にも個別面談を行い、状況を確認する。さ

らに、3年次の1月末までに、卒論の「第1章」

にあたる3,000 ~ 4,000字のレポートも課す。

 卒論指導は、個々の状況に応じて行っている。

例えば、一般企業への就職をめざす学生は3年

次の後半から説明会やインターンシップなどに

参加し、公務員試験をめざす学生は自治体により違いは

あれ4年次の夏に採用試験が集中するなど、卒論に重点

的に取り組むことができる時期は異なる。さらに、留学

を考える学生もいる。そこで古澤准教授は、面談を通じ

て、個々の事情に合わせた卒論執筆のスケジュールを学

生とともに決める。さらに、1章書き上がるごとに提出

させ、添削して返却し、修正を繰り返していく。

 「卒論をまとめる上での悩みの相談に、頻繁に研究室を

訪れる学生もいますが、それにも柔軟に対応するように

努めています。学生一人ひとりに応じた『手作りの教育』

を実現しているわけです。ここまで手間をかけた卒論指

導が可能なのは、1人の教員が担当する学生数が少ない

本学だからこそだと感じています」(古澤准教授)

日常的に学生とのコミュニケーションを図る教授会で学生の情報も共有

 広島市立大学国際学部では、演習だけでなく、講義形

式の授業も20名以下の少人数クラスで行われることがほ

とんどである。そのため学生は、演習担当の教員以外と

も、日常的にコミュニケーションをとることができる。

そうした環境の中で、学生は将来の方向性を考えるさま

ざまなきっかけを得る。

 「例えば、2年次に私が担当する『発展演習』には所属

していなかった学生が、私の講義を受講して『アフリカ

への関心が生まれた』と相談に訪れました。関連する文

献を紹介すると、さらに興味が高まったようで、3年次

には私の『専門演習』を選択しました。さらに、私の知

人であるルワンダの大学の教員が広島で講演会を行った

ので、聴講を勧めたところ、ぜひルワンダに留学したい

という夢を持つようになりました。その学生はその後、文

部科学省の『トビタテ!留学JAPAN』にも選定されて、

ルワンダの大学に1年間留学しました」(古澤准教授)

 学生にさまざまな刺激を与えるため、学内外で行われ

る研究会や学会などに触れる機会も随時提供している。

 「学会の公開講座など学外のイベントの企画を担当し

た際には、学生も受講できるように配慮しています。例

えば、公益財団法人ひろしま国際センターが、海外から

の研修生を対象に、広島の戦後復興の歴史を紹介するプ

ログラムを実施したときには、私が英語のディスカッシ

ョンの進行役を担当したこともあり、本学の学生にも参

加してもらいました。そうした機会を柔軟に与えること

ができるのも、少人数制だからこそのメリットだと考え

ています」(古澤准教授)

 一人ひとりの学生に合わせた指導を行う意識は、学部

全体に浸透している。

 「教授会でも、取得単位数が少ない学生について、全教

員に周知するとともに、その学生が自分の担当科目を履

修していたら、声かけをしようといった議題が上ること

もあります」(古澤准教授)

 さらに、4年間を通して演習を受講する中で、学生同

士の絆も深まっていくことも、少人数制の魅力といえる。

 「卒業生からよく聞かれるのは、特に3年次以降の『専

門演習』『卒論演習』のメリットです。同様のテーマに

関心のある学生が集まって2年間一緒に学ぶ経験を通し

て、緊密な人間関係が築かれて、演習や卒論の内容も深

まっていくのです」(古澤准教授)

<図>広島市立大学国際学部のカリキュラム概要●年次チャート

●全学共通系科目 ●外国語系科目 ●資格取得科目

●基礎演習小グループでの演習が1年次からスタートします。

●国際研究入門国際研究への興味関心、問題意識を喚起します。

●プログラム入門科目5つのプログラムの案内をします。

●発展演習学ぶ力と解決する能力を育みます。

●5つのプログラムを核とする専門科目スタートそれぞれの関心や将来設計に応じて、さまざまな専門科目が受講できます。

●言語・コミュニケーションプログラム●国際ビジネスプログラム

●国際政治・平和プログラム●公共政策・NPOプログラム●多文化共生プログラム

●専門演習最も関心のある分野に絞り込んで密度の濃い研究を行います。複数の専門演習(ゼミ)を選んで、多面的にテーマに接近することも可能です。

●卒論演習卒業論文作成、また卒業後に向けて、温もりのあるサポートをします。教員1人が平均2人の学生を指導。

●卒業論文一人ひとりがテーマを見出し、それを統一的視点によって明らかにします。

(広島市立大学 大学案内2018より)

第5回 「教員一人当たりの学生数(ST比)」

Kawaijuku Guideline 2018.4・5 77

Page 7: 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。

自分専用のスペース「マイラボ」で日常的に教員と交流する中で研究意欲が高まる

 甲南大学フロンティアサイエンス学部は、1学年の学生数45名(2016年度入学者までは35名)に対して、教員数は14名。教員一人当たりの学生数(ST比)が低いことを生かして、自由度の高いカリキュラムを実現している。「マイラボ」など、教員と学生の日常的な交流を生む環境も魅力だ。

1年次から専門実験がスタート「アクティブ・リサーチ」の制度も導入

 甲南大学フロンティアサイエンス学部(以下、FIRST)

は、バイオテクノロジーとナノテクノロジーを融合させ

た「生命化学(ナノバイオ)」を学ぶ学部である。学問

の枠を越え、異分野をかけ合わせた新領域の教育・研究

をめざしている。そのため、化学、生物学、医学、物理

学、エレクトロニクスなど、多彩な専門分野の教員を擁

しているところに特色がある。

 こうした学部構成としている狙いについて、藤井敏司

学部長は「入学段階で学びたい分野が明確になっていな

い学生もいます。また、例えば高校時代に生物が好きで

も、入学後に学問へのイメージが変わり、他の分野に興

味が生まれる学生もいるでしょう。FIRSTでは、そんな

学生の多様なニーズに柔軟に対応できるカリキュラムを

設定しています。専門分野を学ぶ講義科目には、1年次

のナノ、バイオ、ナノバイオ、ケミカルの4つの序論以

外に必修科目はなく、学生一人ひとりの興味・関心に沿

って、履修科目を自由に選択することができます。それ

ができるのも、多彩な専門分野の教員が揃っている強み

です」と語る。

 カリキュラムの特徴の1つは、実験の機会が多いこと

だ。理工農学系では専門実験を行うのは2年次以降の場

合が多いが、FIRSTでは1年次から履修することになっ

ている。45名の学生を15名ずつ3グループに分け、ナ

ノ、バイオ、ナノバイオの3分野の実験を5週間ずつロ

ーテーションで行っている。

 「ナノ分野は有機化合物の分離精製、バイオ分野は大

腸菌の遺伝子組み替え、ナノバイオ分野では分光光度計

を用いた緩衝溶液の性質調査などの実験に取り組みます。

『大学入学と同時に研究者デビュー』のスローガンのも

と、多くの大学では研究室に所属してから使用するよう

な最先端の分析機器、実験材料を用いた本格的な実験を、

1年次から経験することができます」(藤井学部長)

 指導の体制も私立大学の中では非常に厚く、それぞれ

のグループに教員1名と、大学院生のTA(ティーチン

グ・アシスタント)1名が付いて指導する。

 実験の機会は、1年次は週に1回、2年次は2回、3

年次は3回と年次が上がるごとに増えていく。

 3年次から専門性のある研究を行う学生実験が始まり、

4年次からは研究室に配属されるが、低年次から研究に

触れる機会を提供するため、2017年度からは「アクティ

ブ・リサーチ」を導入した。教員が責任を持って受け入

れられる範囲で、1・2年次の学生も研究室の活動に参

加できるというものだ。約4分の1の学生がこの制度を

活用している。その中から文部科学省の「サイエンスイ

ンカレ」(数物・化学系、工学系、生物系、情報系、文理

融合系の、学生の自主研究の成果を発表し競い合う場)

に応募し、採択されて発表する学生が出るなど、成果が

表れている。

 「せっかく研究の意欲を高めている学生を、研究室に配

属されるまで待たせる必要はありません。早めに研究の

一端に触れることで、深く研究を進めるためには知識・

技術の習得が不可欠であることに気づき、その後の学習

意欲が高まる効果もあります。また、『アクティブ・リサ

ーチ』を活用して頑張っている友人の姿勢が刺激になり、

周りの学生に波及効果を及ぼすことも期待しています」

(藤井学部長)

藤井敏司 学部長

甲南大学フロンティアサイエンス学部

学生を成長させる大学教育

Kawaijuku Guideline 2018.4・578

Page 8: 大学教育 学生数(ST比) · Contents 教員一人当たりの 学生数(ST比) このコーナーでは、学生の成長を促す大学教育の取り 組みを紹介する。

自分の居場所を見つけるとともに研究の様子を目にできる「マイラボ」

 学生の居場所づくりにも力を入れている。そ

の背景には、ポートアイランドキャンパスにあ

る学部はFIRSTだけであるため、他学部の学生

との交流が少ないといった事情もある。

 特徴として、各フロアに置かれる「マイラボ」

と呼ばれるスペースがある。研究室に入る前の

1~3年生一人ひとりに、専用の机と椅子、ダ

イヤルロック式のロッカーが与えられる。学生

たちは大学に来ると、まず「マイラボ」に立ち寄り、授

業の空き時間や放課後など、キャンパスライフの多くの

時間をこのスペースで過ごす。

 「マイラボ」は流動的なスペースにしている。学年間

の交流を活発にするために、異学年の学生がそれぞれ隣

同士に座るように配置していることに加え、半年に1回

は違うフロアに引っ越しする。学部内に幅広い人間関係

を築けるようにすることが目的だ。

 「この環境によって、学生同士の多様なコミュニケーシ

ョンが促進される効果は大きいものがあります。『マイラ

ボ』内に設置されたミーティングルームでは、フロアご

とに選ばれたスチューデントリーダーを中心に、定期試

験前に勉強会が開かれ、先輩や同じ学年の学生が教える

姿が見られます。そうした動きを奨励するために、フロ

ア対抗で、GPAの平均値が高いフロアの学生たちを表

彰する制度も設けています」(藤井学部長)

 多くの大学では、研究棟と講義棟は分かれており、教

員と学生が触れ合う機会は少ないが、その点もFIRSTは

大きく異なる。「マイラボ」に隣接して研究室があり、す

べて全面ガラス張りになっている。低年次のうちから、

教員や先輩学生が研究している姿に日常的に接すること

で、自分もいずれ同じように研究するようになるという

イメージを膨らませられる。教員は「マイラボ」を通っ

て研究室に入っていくため、学生と気軽にコミュニケー

ションをとる雰囲気も生まれている。実際、「マイラボ」

で授業の復習などをしている中で、わからないところが

出てきたら、すぐに研究室のドアをノックして、教員や

大学院生に質問する姿が見られるという。

 研究棟と講義棟が一体となっていることは、先述した

半年ごとの引っ越しの目的とも関係している。「マイラ

ボ」は4つの研究フロアに分散して配置されている。フ

ロアごとに「バイオ(細胞・ガン治療・医薬・再生医療)」

「ナノバイオ(DNA・ペプチド・タンパク質)」「ナノ(触

媒・センサー・エレクトロニクス)」「ケミカル(食品・

化粧品・医療診断・環境)」を主たる研究分野とする教員

の研究室で構成されている。半年ごとにフロアを移動す

ることで、さまざまな研究に触れることができるわけで

ある。

きめ細かなサポートを行う「指導主任制度」

 もう1つのFIRSTの特徴が「指導主任制度」である。

1~3年次の学生全員に、1名の指導主任と、2名の副

指導主任が割り当てられる。1年次は指導主任の研究室

があるフロアの「マイラボ」に入る。なお、4年次は所

属する研究室の教員が指導するため、指導主任制度は設

けられていない。

 指導主任の役割は、定期的に面談を実施し、進路、履

修登録などの相談に応じることである。面談以外でも、

随時相談に対応し、学生が抱える学修や生活に関する不

安や問題点を聞き取り、改善を心がけている。

 また、物理や生物などについて、高校までに履修して

いない学生などを対象とした「キャッチアップセミナ

ー」や、演示説明やデータベース検索などにより、研究

者の領域にまで学びを深める「アドバンストセミナー」

など、学生のさまざまなニーズに合わせたセミナー等も

用意している。キャリアカウンセラーが常駐するなど、

就職支援にも力を入れており、例年、希望者の就職率は

100%を達成している。

 「FIRSTでは、一人ひとりの学生が『やりたいことがで

きる』環境を整えています。それこそが、少人数制で教

員一人当たりの学生数が少ない学部の特長だと感じてい

ます」(藤井学部長)

<図>マイラボの特徴

研究ゾーン

研究ゾーン

研究ゾーン

研究ゾーン

たった10秒で移動が可能!

研究ゾーン

マイラボ

ミーティングルーム

気軽に

相談

教員の居室がある研究ゾーンはマイラボのすぐ隣にあり、困ったことがあればいつでも質問や相談に行けます。

フロア替えで経験値UP

マイラボ

マイラボ

マイラボ

マイラボ

有機化学・高分子化学

無機化学・ナノテク

核酸・ナノバイオ

細胞・バイオ

6F

5F

4F

3F

研究ゾーン

研究ゾーン

研究ゾーン

研究ゾーン

たった10秒で移動が可能!

研究ゾーン

マイラボ

ミーティングルーム

気軽に

相談

教員の居室がある研究ゾーンはマイラボのすぐ隣にあり、困ったことがあればいつでも質問や相談に行けます。

フロア替えで経験値UP

マイラボ

マイラボ

マイラボ

マイラボ

有機化学・高分子化学

無機化学・ナノテク

核酸・ナノバイオ

細胞・バイオ

6F

5F

4F

3F

(甲南大学フロンティアサイエンス学部パンフレットより)

第5回 「教員一人当たりの学生数(ST比)」

Kawaijuku Guideline 2018.4・5 79