Achievement Report ICYSから 世界でリーダーシップを発揮して … ·...

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Achievement Report ICYSから 若手 リーダーがICYSの卒業生である若き研究者が、これまで培った豊富な経験を生かし 世界でリーダーシップを発揮して活躍しています。 ICYS卒業生プロジェクトリーダーとしての たな挑戦 筆者の研究グループの人たちと一緒に。右から2番目が筆者。 左から3番目(Joseph GOVAN氏)。昨年度NIMSインターンシップ制度で3ヶ月滞在。 左から4番目(John BREEN氏)。 NIMS-ICMRサマースクール2007に参加。 中西 尚志 Dr. Takashi NAKANISHI マックスプランク研究所コロイド界面部門 MPINIMS 国際共同研究室 超分子ナノマテリアルグループ グループリーダー アジャヤン・ヴィヌー Dr. Ajayan VINU 燃料電池材料センター ナノイオニクス材料グループ  主任研究員 ─研究と若手の育成 私たちは、ナノカーボン素材の一つであるフラーレンを中心に、機 能性有機分子を素材とした自己組織化系プロセスで構築される超 分子ソフトマテリアルの創製とその実材料化を目指して2007年4 月に立ち上げたばかりのグループです。マックスプランク研究 所(MPI)コロイド界面部門では特に、メゾスコピックスケー ルにおける分子組織化、ソフトマターの実験及 び理論的解釈を基盤とし、超分子材料(多形組織体、液晶、ゲル、超薄膜) の創製に焦点を当てて研究を展開しています。 人材育成として、ポスドク1名をアドバイザーとして受け入れ、2007年12 月からはもう1名ポスドクがグループに参加する予定です。 また、MPIコロイド界面部門の有機系グループのPhD学生数名の一部 指導も兼ねています。 プロジェクトの運営面では、現状としてMPI-NIMS間の国際連携ラボ ではあるものの、NIMSからの研究資金の送金はなく、MPI側でも基本 的な研究費(運営交付金に当たる)のみに制限されています。2007年10 月より、JSTさきがけ研究員(領域「構造制御と機能」)に内定していて、 年間約1,000万円の研究予算の基、プロジェクト研究に従事する予定になっ ています。 ─ICYSの経験が生かされる今の私とこれからの私 国外の研究機関で研究を行っている以上、日本人である私自身が外 国人的扱いになります。そういった面では、ICYS研究者がどういった気 持ちで、言葉、文化の違いを感じながら異国環境での苦難を背負って研 究に従事しているのかを逆の立場で体感している様なものです。ICYS では、事務、TSSのスタッフの方など多くの方からの特別な支援体制に ありましたが、MPIでは国際社会が当たり前で何の特別扱いもありませ ん。そこで講じている手段としては、周りの人にどんどん相談する、話を 聞いてもらう、ヘルプを主張するといったものです。これはICYSの研究 者が身近にいた日本人研究者に振る舞っていた姿に重なるものがある かと思います。 また、研究面、グループ運営の面でも、常に外国人研究者とディスカッ ションできる環境にあったICYSでの経験は、正しく今の私の立場への予 行練習だったとも言えます。ドイツですので周りからドイツ語も頻繁に耳に 入っては来ますが、コミュニケーション手段は英語しかありません。ICYS で過ごした時間は、多方面で私自身の役に立っていると断言できます。 将来、より国際的な連携が重要になる日本国内の研究体制に対し、今 回の海外の最先端研究機関のグループリーダーという貴重な経験を 十分に活かせる立場、ポジションを確保し、今後の研究活動に従事 できればベストだと考えています。 ICYSでの経験卓越したリーダーシップを図1 インドとの国際連携の拡大 図2 ナノカーボンを用いた燃料電池用電極触媒材料 ウォルフガング・シュミット Dr. Wolfgang SCHMITT ダブリン大学トリニティ・カレッジ 無機合成材料化学科講師 私はICYSを卒業と同時にアイルランドのダブリン大学トリニティ・ カレッジの講師/職員に着任し、ほぼ2年が経過しました。 この間に自分の研究グループを立ち上げ、現在では4名の大学 院生と1名のポスドク研究員の指導を行っています。また、今年 は2名の夏期研究生(その内1名はアメリカ合衆国プリンスト ン出身)を受け入れる助成金を獲得しました。 私の研究は今でも超分子と材料化学、結晶工学 を中心としています。私たちは、ユニークな配位化合物をもたらす結 晶工学の概念を構築しました。この方法論では、これまで有機合成が 主流であった三次元構造(フレームワーク)の設計を遷移金属イオン と対イオンの組み合わせて実現することができます。我々は、有機金 属錯体のフレームワークから生み出される優れた三次元構造を探求し、 構造ユニットと金属イオンの組み合わせから優れたガス吸着特性を合 理的に設計することを目指しています。また、このような超分子の三 次元構造を焼成し、高度に分極した著しく大きな表面積を有する材料 の創製にも携わっています。このアプローチは、従来にない多孔性カー ボンや酸化物の製造法として展開するでしょう。 私は現在でも NIMS の研究者と共同研究があることを嬉しく思って います。特に在職時のアドバイザーである一ノ瀬泉博士は今年ダブリ ンまで私を訪問してくれました。今後も更に他のNIMS研究者の訪問 を予定しております。私自身、昨年12月には私の所属する学部の学部 長であるJohn CORISH教授とともにNIMSへ出張し、トリニティ・カ レッジ、ICYS、燃料電池材料センター間での覚書を締結しました。更 に昨年は学生 2 名がインターンシップ制度で NIMS において卒業研究 プロジェクトを終えました。私の指導学生である博士課程在学中の John BREEN氏は、つい最近、ICYS-ICMRサマースクールから充実感 いっぱいで戻ってきました。今後もNIMSとの交流を更に行っていき たいと思っています。 ICYSでの経験は、自分自身の研究グループを管理する上で大変役に 立つものとなりました。NIMS では自分の研究課題を自分で構築し、その 一方で研究費の管理をどう行うのかを学ぶことができました。また、 ICYS のリーダーである板東教授と私のアドバイザーである一ノ瀬博士か ら、卓越したリーダーシップを学ぶことができました。ダブリンに来て以来、 大学の講義や事務仕事に追われることなく純粋に研究に専念できる NIMS の研究者達はいかに恵まれているかということに気づきました! ICYSでは本当に楽しい時間を過ごし、現在でも続いている多くの友 人関係を築くことができました。 若手国際研究拠点(ICYS)の第 1 期生として採用された一人に、 Ajayan VINU 博士(インド)が含まれていました。ICYS 採用当時、 弱冠 26 歳。頭の中には新しくやってみたいアイデアが詰まっていて、 その目は「成功」の 2 文字だけを見つめている若者という印象でした。 ICYS で自由な研究環境を与えられたことにより、新規ナノポア材料 の研究に関して、飛躍的に論文実績をあげた彼は、2006 年 4 月に、 NIMS の主任研究員として採用され、燃料電池材料センター・ナノイオ ニクス材料グループへと配属されました。 日本という異なる文化・社会環境内において、如何にして自己実現を 達せさせることができるのか?日本という「同質な社会」、「出すぎた釘を 嫌う社会」で、如何に自らの独創性を高めることが可能であるのかを、 ICYS 内で学んだ彼は、持ち前のバイタリティーとその人柄を武器に、 NIMS 内においても精力的な研究活動を開始しました。 まずは、インドとの架け橋となるべく、アンナ大学、国立化学研究所など、 インド国内の著名研究機関と次々と、国際共同研究に関する覚書(MOU) を締結。その内容は、インド国内の全国版プレスにおいて幾度となく、取 り上げられ(図 1)、英語にも翻訳され世界に発信されました。 さらに、彼が独自に開発したナノポア材料を燃料電池用電極材料の担 体として活用することで、従来の白金を用いる電極に比して、白金の使 用量を大幅に低下(半分程度)させても、その性能を維持できることも分 かってきました(図 2)。これは、3 次元的に整然と結晶化したナノポア材 料表面では、白金ナノ粒子の凝集が抑制され、白金の表面が有効に活用 できるためであると考えられています。 こうした成果をもとに、彼のナノポア材料は、NIMS 内において今後 発展が期待され、国際標準化を目指す必要があると思われる材料に認 められる、「NIMS 参考物質」に認定されました。 さらに、論文投稿や特許出願活動が認められ、このたび、文部科学 省(MEXT)の科学技術振興調整費に、VINU 博士を代表とする研究チー ムが「燃料電池用新規ナノ構造化触媒材料の開発」に関する課題を申請 し、NIMS 内では初めてとなる、「外国籍研究者をプロジェクトリーダー とする新規プロ ジェクト」が、2007 年度 からスタートすることになり ました。このプロジェクト終了時 には、その成果をさらに発展的に 活用するべく、インド国内に NIMS ラ ボを開設し、アジア地域における中核 研究拠点をつくる計画もあります。「出 すぎた釘は磨き育てる」という日本で は従来難しいとされていた若手の育成 方法を、ICYS では、多くの難しい問題を克服しながら実践し、国 籍を問わず、優秀な若手リーダーを育成するという Outcome とし て明確に現れてきた例であると思います。 VINU 博士は、今後のインド内 NIMS ラボにおいても、中 心的役割を演じてくれるものと期待されています。 筆者は一番左。筆者の右にDr. Dirk G. KURTH(NIMS、機能モジュールグループリーダー併任)。 他、グループポスドク研究員とPhD学生。本来、あと3名のPhD学生が在籍。 (文責:森 利之/燃料電池材料センター 副センター長) ICYS成果をもとに、 海外 最先端研究をリードする 6 No.11, Oct. 2007 7 No.11, Oct. 2007

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Achievement Report ICYSから若手リーダーが育つ ICYSの卒業生である若き研究者が、これまで培った豊富な経験を生かし世界でリーダーシップを発揮して活躍しています。

ICYS卒業生、プロジェクトリーダーとしての 新たな挑戦

筆者の研究グループの人たちと一緒に。右から2番目が筆者。左から3番目(Joseph GOVAN氏)。昨年度NIMSインターンシップ制度で3ヶ月滞在。左から4番目(John BREEN氏)。 NIMS-ICMRサマースクール2007に参加。

中西 尚志 Dr. Takashi NAKANISHI マックスプランク研究所コロイド界面部門MPI–NIMS国際共同研究室超分子ナノマテリアルグループ グループリーダー

アジャヤン・ヴィヌー Dr. Ajayan VINU 燃料電池材料センター ナノイオニクス材料グループ  主任研究員

─研究と若手の育成私たちは、ナノカーボン素材の一つであるフラーレンを中心に、機

能性有機分子を素材とした自己組織化系プロセスで構築される超

分子ソフトマテリアルの創製とその実材料化を目指して2007年4

月に立ち上げたばかりのグループです。マックスプランク研究

所(MPI)コロイド界面部門では特に、メゾスコピックスケー

ルにおける分子組織化、ソフトマターの実験及

び理論的解釈を基盤とし、超分子材料(多形組織体、液晶、ゲル、超薄膜)

の創製に焦点を当てて研究を展開しています。

人材育成として、ポスドク1名をアドバイザーとして受け入れ、2007年12

月からはもう1名ポスドクがグループに参加する予定です。

また、MPIコロイド界面部門の有機系グループのPhD学生数名の一部

指導も兼ねています。

プロジェクトの運営面では、現状としてMPI-NIMS間の国際連携ラボ

ではあるものの、NIMSからの研究資金の送金はなく、MPI側でも基本

的な研究費(運営交付金に当たる)のみに制限されています。2007年10

月より、JSTさきがけ研究員(領域「構造制御と機能」)に内定していて、

年間約1,000万円の研究予算の基、プロジェクト研究に従事する予定になっ

ています。

─ICYSの経験が生かされる今の私とこれからの私国外の研究機関で研究を行っている以上、日本人である私自身が外

国人的扱いになります。そういった面では、ICYS研究者がどういった気

持ちで、言葉、文化の違いを感じながら異国環境での苦難を背負って研

究に従事しているのかを逆の立場で体感している様なものです。ICYS

では、事務、TSSのスタッフの方など多くの方からの特別な支援体制に

ありましたが、MPIでは国際社会が当たり前で何の特別扱いもありませ

ん。そこで講じている手段としては、周りの人にどんどん相談する、話を

聞いてもらう、ヘルプを主張するといったものです。これはICYSの研究

者が身近にいた日本人研究者に振る舞っていた姿に重なるものがある

かと思います。

また、研究面、グループ運営の面でも、常に外国人研究者とディスカッ

ションできる環境にあったICYSでの経験は、正しく今の私の立場への予

行練習だったとも言えます。ドイツですので周りからドイツ語も頻繁に耳に

入っては来ますが、コミュニケーション手段は英語しかありません。ICYS

で過ごした時間は、多方面で私自身の役に立っていると断言できます。

将来、より国際的な連携が重要になる日本国内の研究体制に対し、今

回の海外の最先端研究機関のグループリーダーという貴重な経験を

十分に活かせる立場、ポジションを確保し、今後の研究活動に従事

できればベストだと考えています。

  ICYSでの経験が卓越したリーダーシップを生む

図1 インドとの国際連携の拡大 図2 ナノカーボンを用いた燃料電池用電極触媒材料

ウォルフガング・シュミット Dr. Wolfgang SCHMITTダブリン大学トリニティ・カレッジ 無機合成材料化学科講師

私はICYSを卒業と同時にアイルランドのダブリン大学トリニティ・

カレッジの講師/職員に着任し、ほぼ2年が経過しました。

この間に自分の研究グループを立ち上げ、現在では4名の大学

院生と1名のポスドク研究員の指導を行っています。また、今年

は2名の夏期研究生(その内1名はアメリカ合衆国プリンスト

ン出身)を受け入れる助成金を獲得しました。

私の研究は今でも超分子と材料化学、結晶工学

を中心としています。私たちは、ユニークな配位化合物をもたらす結

晶工学の概念を構築しました。この方法論では、これまで有機合成が

主流であった三次元構造(フレームワーク)の設計を遷移金属イオン

と対イオンの組み合わせて実現することができます。我々は、有機金

属錯体のフレームワークから生み出される優れた三次元構造を探求し、

構造ユニットと金属イオンの組み合わせから優れたガス吸着特性を合

理的に設計することを目指しています。また、このような超分子の三

次元構造を焼成し、高度に分極した著しく大きな表面積を有する材料

の創製にも携わっています。このアプローチは、従来にない多孔性カー

ボンや酸化物の製造法として展開するでしょう。

私は現在でもNIMSの研究者と共同研究があることを嬉しく思って

います。特に在職時のアドバイザーである一ノ瀬泉博士は今年ダブリ

ンまで私を訪問してくれました。今後も更に他のNIMS研究者の訪問

を予定しております。私自身、昨年12月には私の所属する学部の学部

長であるJohn CORISH教授とともにNIMSへ出張し、トリニティ・カ

レッジ、ICYS、燃料電池材料センター間での覚書を締結しました。更

に昨年は学生2名がインターンシップ制度でNIMSにおいて卒業研究

プロジェクトを終えました。私の指導学生である博士課程在学中の

John BREEN氏は、つい最近、ICYS-ICMRサマースクールから充実感

いっぱいで戻ってきました。今後もNIMSとの交流を更に行っていき

たいと思っています。

ICYSでの経験は、自分自身の研究グループを管理する上で大変役に

立つものとなりました。NIMSでは自分の研究課題を自分で構築し、その

一方で研究費の管理をどう行うのかを学ぶことができました。また、

ICYSのリーダーである板東教授と私のアドバイザーである一ノ瀬博士か

ら、卓越したリーダーシップを学ぶことができました。ダブリンに来て以来、

大学の講義や事務仕事に追われることなく純粋に研究に専念できる

NIMSの研究者達はいかに恵まれているかということに気づきました!

ICYSでは本当に楽しい時間を過ごし、現在でも続いている多くの友

人関係を築くことができました。

 若手国際研究拠点(ICYS)の第 1期生として採用された一人に、

Ajayan VINU博士(インド)が含まれていました。ICYS採用当時、

弱冠26歳。頭の中には新しくやってみたいアイデアが詰まっていて、

その目は「成功」の2文字だけを見つめている若者という印象でした。

ICYSで自由な研究環境を与えられたことにより、新規ナノポア材料

の研究に関して、飛躍的に論文実績をあげた彼は、2006年 4月に、

NIMSの主任研究員として採用され、燃料電池材料センター・ナノイオ

ニクス材料グループへと配属されました。

 日本という異なる文化・社会環境内において、如何にして自己実現を

達せさせることができるのか?日本という「同質な社会」、「出すぎた釘を

嫌う社会」で、如何に自らの独創性を高めることが可能であるのかを、

ICYS 内で学んだ彼は、持ち前のバイタリティーとその人柄を武器に、

NIMS内においても精力的な研究活動を開始しました。

 まずは、インドとの架け橋となるべく、アンナ大学、国立化学研究所など、

インド国内の著名研究機関と次 と々、国際共同研究に関する覚書(MOU)

を締結。その内容は、インド国内の全国版プレスにおいて幾度となく、取

り上げられ(図1)、英語にも翻訳され世界に発信されました。

 さらに、彼が独自に開発したナノポア材料を燃料電池用電極材料の担

体として活用することで、従来の白金を用いる電極に比して、白金の使

用量を大幅に低下(半分程度)させても、その性能を維持できることも分

かってきました(図2)。これは、3次元的に整然と結晶化したナノポア材

料表面では、白金ナノ粒子の凝集が抑制され、白金の表面が有効に活用

できるためであると考えられています。

 こうした成果をもとに、彼のナノポア材料は、NIMS内において今後

発展が期待され、国際標準化を目指す必要があると思われる材料に認

められる、「NIMS参考物質」に認定されました。

 さらに、論文投稿や特許出願活動が認められ、このたび、文部科学

省(MEXT)の科学技術振興調整費に、VINU博士を代表とする研究チー

ムが「燃料電池用新規ナノ構造化触媒材料の開発」に関する課題を申請

し、NIMS内では初めてとなる、「外国籍研究者をプロジェクトリーダー

とする新規プロ

ジェクト」が、2007年度

からスタートすることになり

ました。このプロジェクト終了時

には、その成果をさらに発展的に

活用するべく、インド国内にNIMSラ

ボを開設し、アジア地域における中核

研究拠点をつくる計画もあります。「出

すぎた釘は磨き育てる」という日本で

は従来難しいとされていた若手の育成

方法を、ICYSでは、多くの難しい問題を克服しながら実践し、国

籍を問わず、優秀な若手リーダーを育成するというOutcomeとし

て明確に現れてきた例であると思います。

 VINU博士は、今後のインド内NIMSラボにおいても、中

心的役割を演じてくれるものと期待されています。

筆者は一番左。筆者の右にDr. Dirk G. KURTH(NIMS、機能モジュールグループリーダー併任)。他、グループポスドク研究員とPhD学生。本来、あと3名のPhD学生が在籍。

(文責:森 利之/燃料電池材料センター 副センター長)

ICYSの成果をもとに、海外で最先端研究をリードする

6 No.11, Oct. 2007 7No.11, Oct. 2007