2005新規計測データのまとめf-tec.jpn.org/wp/wp-content/uploads/2005/06/05ksoc.pdf2005新規計測データのまとめ...
Transcript of 2005新規計測データのまとめf-tec.jpn.org/wp/wp-content/uploads/2005/06/05ksoc.pdf2005新規計測データのまとめ...
2005新規計測データのまとめ
Hiraku Toida
平成 17 年 9 月 25 日
1 パイロット出力
1.1 計算式
パイロット出力の計算には以下の式を用いた.クランクの荷重試験の結果より,4.76kgwあたり 14.875mVの出力電圧 Vout が発生するので,パイロット
出力 P は,
P = 2× 2πrVout
14.875/(4.76× g)N
60(1)
となる.ただし,この計算式では,左足の出力と右足の出力が同じとみなしている. N はクランクの回転数で
あり,クランクの回転半径 r = 170.0mm,重力加速度 g = 9.80665m/s2 として計算した.
1.2 測定結果
測定結果は図 1,2のようになった.データは第 4回試験飛行の 1本目のフライトのものを用いた.
1
図 1
図 2
2
1.3 誤差
相対誤差∆P/P は,
∆P
P=
√(0.21714.875
)2
+ 0.0052 +(
0.214.875
)2
+(
104760
)2
+(
54760
)2
+(
∆r
r
)2
+(
∆N
N
)2
+(
∆Vout
Vout
)2
(2)となる.ただし,第 1項目の 0.217はクランクの荷重試験から求めた定数の標準偏差であり,第 2,3項目はテスタの器差,読み取り誤差,第 4,5項目ははかりの器差,読み取り誤差である.
∆rは器差と差金を当てたときの誤差を考慮すると,
∆r =√
(0.065mm)2 + (0.1mm)2 (3)
となる.∆N/N は,プロペラ回転数の相対誤差と同じなので,パルス 1つがプロペラ回転数 3に相当することとあ
わせて,∆N
N=
3150
(4)
となる.ただし,プロペラ回転数を設計値の 150rpmとした.∆Vout/Vout は PIC16F877のデータシートより,
∆Vout
Vout=
12500
(5)
となる.ただし,Vout はゼロ点での電圧を用いた.これらをあわせて計算すると,
∆P
P' 3% (6)
となる.
2 プロペラ入力
2.1 計算式
プロペラ入力の計算には以下の式を用いた.プロペラシャフトの外半径を ao = 14.46875mm,内半径を ai = 12.9375mm,加えられているねじりモー
メントをMT ,回転数を N とすれば,プロペラシャフトが伝達する仕事率W は,
W =∫ ao
ai
2πrdrτ2πrN
60
=∫ ao
ai
4π2N
60r3 MT
IPdr
=π2NMT
60IP(a4
o − a4i )
(7)
3
で与えられる.IP = π2 (a4
o − a4i )であるから,
W =πNMT
30(8)
また,ねじりモーメントMT が与えられたとき,プロペラシャフトの表面に生じるせん断ひずみ γ は,
γ =MT
GIPao (9)
で与えられる. また,横弾性係数 Gと縦弾性係数 E = 71kN/mm2 とポアソン比 ν = 0.34の間には,
G =E
2(1 + ν)(10)
の関係がある.出力電圧 Vout とせん断ひずみ γ の間には,測定回路の設計から,
γ =8
KA
Vout
Vadd(11)
の関係がある.測定回路の増幅率 Aは,
A = 5 +80000
R(12)
で決まる.今回は増幅率設定用抵抗R = 569Ωとした.また,ブリッジ電圧 Vadd = 5Vとし,ゲージ率K = 2.08として計算した.
2.2 測定結果
測定結果は図 3,4のようになった.データは第 4回試験飛行の 1本目のフライトのものを用いた.
4
図 3
図 4
2.3 誤差
計算式を 1つにまとめると,
W =π2ENVout
60(1 + ν)aoKVadd
15 + 80000
R
(a4o − a4
i ) (13)
となる.よって,相対誤差∆W/W は,
∆W
W=
√(∆N
N
)2
+(
∆K
K
)2
+(
∆R
R
)2
+(
∆Vout
Vout
)2
+(
∆Vadd
Vadd
)2
+(
∆ao
ao
)2
+(
∆(a4o − a4
i )(a4
o − a4i )
)2
(14)となる.
∆K/K はひずみゲージのデータシートより 1% である.∆R/R,∆Vadd/Vadd,はテスタの器差・読み取り誤差より
√(1%)2 + (2/569)2,
√(0.8%)2 + (20/5000)2で
ある.∆ao,∆aiは確率誤差,器差,読み取り誤差より,
√0.01082552 + 0.12 + 0.052,
√0.0414582 + 0.12 + 0.052で
ある.∆ao,∆ai の計算結果より,
∆(a4o − a4
i )(a4
o − a4i )
= 2.90× 10−4 (15)
5
である.これらをあわせて計算すると,
∆W
W' 3% (16)
となる.
3 駆動効率
3.1 計算式
駆動効率を
e =W
P× 100 (17)
とした.
3.2 測定結果
測定結果は図 5,6のようになった.データは第 4回試験飛行の 1本目のフライトのものを用いた.
図 5
6
図 6
3.3 誤差
P ,W の相対誤差がどちらも 3% なので,
∆e
e=
√0.032 + 0.032
' 4%(18)
となる.
4 主桁ひずみ
4.1 計算式
主桁ひずみの計算には以下の式を用いた.出力電圧 Vout とひずみ εの間には,測定回路の設計から,
ε =4
K0A
Vout
Vadd(19)
の関係がある.ただし,せん断ひずみはこの値を 2倍したものである.測定回路の増幅率 Aは,
A = 5 +80000RA
(20)
7
で決まる.今回は増幅率設定用抵抗 RA = 380Ωとした.また,リード線の影響を補正したゲージ率K0 と表示ゲージ率K には以下の関係が成り立つ.
K0 =RG
RG + rL + RonK (21)
ここで,ゲージ抵抗 RG = 120Ω,往復リード線抵抗率 r = 1.42Ω/m,リード長 L = 4.2m,アナログスイッチオン抵抗 Ron = 0.6Ωである.また,ブリッジ電圧 Vadd = 5Vとし,ゲージ率K = 2.08として計算した.
4.2 測定結果
測定結果は図 7,8のようになった.データは第 4回試験飛行の 1本目のフライトのものを用い,測定は中央翼・内翼接合部から 1100mmの場所で行った.
8
図 7
図 8
9
4.3 誤差
計算式を 1つにまとめると,
ε = 4RG + rL + Ron
RGK
15 + 80000
RA
Vout
Vadd(22)
となる.相対誤差∆ε/εは,
∆ε
ε=
√(∆RA
RA
)2
+(
∆K
K
)2
+(
∆RG
RG
)2
+(
∆(RG + rL + Ron)RG + rL + Ron
)2
+(
∆Vout
Vout
)2
+(
∆Vadd
Vadd
)2
(23)∆RG はひずみゲージのデータシートより 0.3Ωである.
∆(RG + rL + Ron)2はリード長の見積もり誤差,アナログスイッチに使用した 2SK1062のデータシートより,
√0.32 + 1.422 × 0.12 + 0.42 = 0.519Ωである.
これらをあわせて計算すると,∆ε
ε' 2% (24)
となる.
5 プロペラシャフト振動
5.1 計算式
x軸をプロペラシャフトの軸方向,y軸をそれと垂直な方向にとる.このとき,表面応力 σと曲げモーメン
トM の関係は,
σ =M
Z(25)
となる.パイプの場合,断面係数 Z と断面 2次モーメント I は,
Z =π(a4
o − a4i )
32ao(26)
I =π(a4
o − a4i )
64(27)
となる.プロペラシャフトは片持ちはりの端に集中荷重W を受けていると考えられるので,
M = W (l − x) (28)
l = 358mmはベアリングからプロペラシャフト先端までの長さ,x = 23.2mmはベアリングからひずみゲージまでの長さである. このとき,求めたいたわみ δはW を用いて
δ =Wl3
3EI(29)
となる.
10
また,プロペラシャフトは平面応力状態にあると考えられるので,表面応力はひずみ εx, εy を用いて
σ =E
1− ν2(εx + νεy) (30)
とあらわすことができる.ただし,縦弾性係数 E = 71kN/mm2,ポアソン比 ν = 0.34として計算した.出力電圧 Vout とひずみ εの間には,測定回路の設計から,
ε =4
KA
Vout
Vadd(31)
の関係がある.測定回路の増幅率 Aは,
A = 5 +80000
R(32)
で決まる. 今回は増幅率設定用抵抗 R = 569[Ω] とした. また, ブリッジ電圧 Vadd = 5[V ] とし, ゲージ率K = 2.08として計算した.
5.2 測定結果
測定結果は図 9のようになった.データは第 4回試験飛行の 1本目のフライトのものを用いた.
図 9
11
5.3 誤差
計算式を 1つにまとめると,
δ =2l3
3aoKAVadd(l − x)(1− ν2)(V x
out + νV yout) (33)
となる.よって,相対誤差∆δ/δは,
∆δ
δ=
√(∆ao
ao
)2
+(
∆K
K
)2
+(
∆R
R
)2
+(
∆Vadd
Vadd
)2
+(
∆(l − x)l − x
)2
+ 32
(∆l
l
)2
+(
∆V xout + νV y
out
V xout + νV y
out
)2
(34)これを計算すると,
∆δ
δ' 2% (35)
となる.
参考文献
[1] 高橋幸伯・町田進 『基礎材料力学 [改訂版]』(培風館,1999)
[2] 東京大学教養学部基礎実験テキスト編集委員会 『基礎実験 I』(東京大学出版会,2004)
[3] INA126 Data Sheet. Burr-Brown Corporation,1997.
[4] PIC16F877 Data Sheet. Microchip Technology Inc,2001.
[5] TML Strain Gauge User’s Guide. Tokyo Sokki Kenkyujo Co., Ltd,2001.
[6] (株)昭和測器ホームページ [http://www.showa-sokki.co.jp/]
12