Post on 19-Mar-2020
有明海と環境問題
グループ2
がばい黒川
古田
原田
目次
• 有明海の紹介・現状
• 諫早湾の問題
• ノリ・干拓の問題
• 赤潮の問題
• 開門について・・・
• まとめ
日本一の干潮差
有明海の生き物
• ムツゴロウ
• アゲマキ
• ウミタケ
• エツ国内でも見るこ
との
出来ない希少な生物
全然おいしくない
宝の海
日本一の漁獲量
漁獲量の推移
海苔
• 干満差と多くの河川の流入によって広大な干潟の環境が発達し、このような環境の中で育つ海苔は国内でもトップクラスの評価を得ている。
やわらかく
茜色のおいしい海苔
現状:漁業面
魚(種類)の減少
貝類の大量死
奇形魚の発生
海底の生態系の破壊のメカニズムが出来上がり、特に夏場は死の海となる。
現状:養殖業
ノリ不作→ノリの生産量は全国の生産量の4割を占めていたが、不作により収穫量は以前より40%程度減少。これにより全国のノリ生産枚数は80億から60億へと減少。
ノリ色落ち→艶がなく黄色っぽい色をしたノリ
ノリの収穫量・質ともに下がってしまっている。
現状:赤潮
赤潮による漁業・養殖業への被害の発生
漁業:魚類の死亡、漁獲高の減少
養殖業:ノリの色落ち
被害の拡大が懸念されている
諫早湾の開拓とその影響
諫早湾の役割
諫早湾の開拓により、有明海の潮汐の周期が変化してしまった。
潮汐潮流の変化により、海水の温度の変化や塩分濃度の変化がもた
らされる。
• 魚介類減少のメカニズム
潮汐潮流の弱まり
↓海流中の酸素の循環の鈍化
↓貧酸素水塊の形成
↓海底生物(貝類・エビ等)の酸欠
↓魚のエサが不足、食糧不足
破壊のメカニズムの構築となる!!
• 奇形魚発生の経緯・・・
すべての養殖ノリの生産には、有明K-2と呼ばれる薬が用いられている。生産者の間ではこれを酸処理剤と呼び、この酸処理剤が魚を奇形にしてしまう。かなり強力な酸度をもつ劇薬である。
ノリに酸処理剤をつかうことで、ノリの病気を防ぐことや、網のゴミを取り除くことができる。
生産者側としてはノリを大量生産したいためにこの酸処理剤を大量に使うこととなり、魚への影響は甚大。
酸処理剤について
• 正式名称:有明K-2
• 昭和59年、水産庁通達により酸処理が解禁となって以来、年々酸処理剤の使用量は増加し1996年には1500t程度だったのが2007年には10000tを超えている。
• 酸処理剤は大変な劇薬で、一滴でも目に入れば失明し、皮膚にかかれば火傷をし、服にかかれば穴があく
• この酸処理解禁の通達には法的な罰則がなく、取り締まりも規制もできない為、現在に至るまで酸処理はし放題となっている。
酸処理剤をめぐるジレンマ
• 専門家の立場“酸処理剤の使用反対”
酸処理剤が大量のプランクトンを発生させ海水の酸素を奪い成長に必要なたんぱく質が減少→奇形が生まれる可能性が広がる
• 国・県の立場“今は影響がない”
主要成分が食品に使われているもので、養殖で使用している濃度であれば、海苔の安全性は確保されている。現状では(赤潮などの原因となる)富栄養化への影響も非常に少ない
• 国の意見“影響は少ないにしても、有明海への負荷は減らしたほうがよい”
「現状の生産量あたりの酸処理剤の使用量が比較的多いとされる」ので「今のままの使用状況では、強酸及びリンなどによる環境への負荷の増大が懸念される」として、使用量を削減するように呼びかけた。
• ノリの生産者“国は現状を把握していない”
「海の状況は変わりやすく、使用量を減らしてしまうことでノリが病気に感染したらどうするのか?」ノリの不作に悩まされる生産者はその被害を懸念して使用量を減らすことは難しい。
海苔の色落ち
海苔は本来は黒色である
しかし有明海では黄色の海苔が目立つ!!
色落ちした海苔は風味も味も価格も落ちてしまう!!
色落ちの原因
栄養塩がない
プランクトンの大量発生
原因となる何か
色落ち問題の始まり
• 2000年から2001年にかけて甚大な被害
• 1997年に諫早湾の閉門
原因と予想される
海苔の不作
色落ちとセットになる問題
原因は諫早湾閉門と考えられている
海苔の生産量
有明海は全国の4割の海苔を生産
不作によって例年の6割しか出来ず
20億枚の減産
海苔の輸出入
解決するには
• 訴えを起こして、水門を開門させる!!
裁判の行方
• 2008年、「5年間の開門」命令
• 2010年、「5年間の開門」命令
• 2010年12月、上告の断念
判決の確定へ
干拓の歴史
干拓のメリット
農業の土地が広がり増産に期
待できる
デメリット
・土地に塩分が含まれていて作物が育ちにくい
・施設などを作るときに整備費が莫大である
諫早湾干拓事業の流れ
• 1952年 長崎大干拓構想
– 食糧生産目的
• 1965年 国営長崎干拓事業
– 優良農地、農業用水の開発、高潮洪水の防止等
• 1970年 長崎南部地域総合開発計画
– 優良農地、農業排水の開発、高潮洪水の防止等
• 1989年 国営諫早湾干拓事業
– 優良農地開発、高潮洪水の防止など
事業の概要
• 計画対象地域 諫早市、雲仙市
• 計画面積 870ha(そのうち農地用672ha)• 総事業費 2530億円(平成20年未完成)
漁業関係者へ総額279・2億円を工期前に支
払うことによって各漁業権は消滅・一部放棄・制限する契約を締結
事業の目的
• 高潮、洪水、常時排水などに対する地域の総合防災機能の強化をすること
• 灌漑用水が確保された大規模で平坦な優良農地を達成し、生産性の高い農業を実現すること
調整池の役割
干拓による農業のプラス面
干拓以降、調整池がだんだん淡水化した
土壌中の塩分濃度も低下し、農地として利用できるように・・・主に、林野や田畑として利用されている
干拓地の入植者全員がエコファーマー、減農薬や無農薬による大規模で環境にやさしい畑作を実施。
開門による農業へのマイナス面
農家の人たちは、一世一代の決意で莫大な資金を投入している!!(H20年の設備投資は38億円・年間投資には1億円)
→開門されてしまったら多額の設備投資が破壊的な状況になってしまう・・・
赤潮の発生原因
海水の成層化で栄養塩が上層に集中し、赤潮プランクトンも停滞しながら繁殖して、ノリの成長に必要な栄養塩を奪う。また沈殿したプランクトンの死骸が分解されるときに海中の酸素を消費し、貧酸素水塊の原因ともなる。
• 諫早湾の開拓以降、赤潮の発生規模は一瞬で大規模化した。
• 諫早湾の開拓と有明海の異変には密接な関係があることが証明される。
赤潮の発生件数
他に考えられる理由
• 大型珪藻(リゾソレニア)
– 1958年、65年、80年、96年、2000年にそれぞれ発生
赤潮発生!ノリ生産に大打撃!
– 閉門が原因の説もあるが因果関係は不明
佐賀県のニュースより・・・
有明海再生のための農水省のプラン
開門調査を行う場合、結果を得るまでに 低でも10年かかる(環境影響評価→3年 対策工事→3年 観測→3年 解析1年)上に、開門
を行うことによる新たな被害(未知の部分が大きすぎる)や周辺住民の理解を得なければならない等、問題が多い・・・
結局、根本的な改善策は依然として無いまま各種調査、現地実証が行われている・・・
しかし・・・!!!
2010年12月、諫早湾干拓潮受け堤防の排水門の段階的開門を命じる判決が確定しました。
• 開門は決定しており、菅総理の政治判断で開門が決まったため総理が考えを変えれば開門しなくてもよくなる、と言うわけではない。今回の開門決定は、判決が確定した結果であって、単なる政治決断とは訳が違う。たとえ政権が変わったとしても、国は判決に従わなければならない法的義務がある。
段階的開門とは?
まとめ
• 諫早湾を閉め切ったことが有明海異変の一番大きな原因であるという見方が一般的。つまり、水門や堤防を開放しない限り有明海は再生しないとも考えられる。中・長期開門調査を見送った農水省は、有明海再生のためのさまざまな代替策を示したが、どれも根本的原因への対策となっておらず、効果は期待できない。有明海の再生のためには水門や潮受け堤防の開放により、弱まった潮流を回復させ、諌早干潟を復元させることがどうしても必要だと考えられる。
参考文献
諫早開拓と有明異変
http://www.isahaya‐higata.net/isa‐ariake/index.htm
Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%89%E6%98%8E%E6%B5%B7
佐賀新聞情報コミュニティひびの
http://www.saga‐s.co.jp/news/saga.0.1821901.article.html
参考文献• http://newspath.meblog.biz/article/2249468.html 有明海の海苔養殖-色落ち深刻で養殖網の一部撤去始まる
• http://www.jstage.jst.go.jp/article/bunsekikagaku/55/12/999/_pdf/‐char/ja/ 有明海における海苔の色落ち現象と海水中金属元素の影響
• http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%AB%AB%E6%97%A9%E6%B9%BE%E5%B9%B2%E6%8B%93%E4%BA%8B%E6%A5%AD 諫早湾干拓事業
有明海を守る会
http://ariakekai.at.webry.info/長崎県
http://www.pref.nagasaki.jp/gyousei/kensyu/isakan.html
諫早湾干拓
http://www.wwf.or.jp/activities/upfiles/isahaya_kaimon201104.pdf