太陽光発電用パワーコンディショナへの太陽光発電用パワーコンディショナへのMATLABMATLAB®®/Simulink/Simulink®®の活用の活用
2013年10月29日
オムロン株式会社環境事業推進本部エナジーコンバージョン商品開発部技術専門職 馬渕雅夫
MTLAB EXPO 2013
発表内容
1.会社紹介・企業概要/企業データ・オムロンの事業紹介
2.環境事業紹介・コンセプト・太陽光発電事業概要・太陽光発電システムの構成・日本の太陽光発電導入の推移・太陽光の市場変化
3.パワーコンディショナの技術紹介①・パワーコンディショナとは・太陽光発電普及時の課題・組み合わせ試験・設置台数制限・これまでの対応策・単独運転検出に求められる4つの条件と対策・AICOT®なら解決できます!・Simulink®の活用(モデル/検証結果)・実証試験・AICOT技術の標準規格化・商品化と市場への普及
4.パワーコンディショナの技術紹介②・成長への開発体制の変更・MBD(オートコード)開発への移行・開発体制の変更(MBD開発の導入)・MBDのモデル例・オートコードとハンドコードでの動作比較・評価環境改善(HILS)
5.最後に
(C)Copyrights OMRON Corporation. All rights reserved.
(会社紹介)企業概要/企業デ-タ
創 業
設 立
1933年(昭和8年)5月10日
1948年(昭和23年)5月19日
資 本 金
売 上 高
641億円(2013年3月31日現在)
6,505億円(2012年度・連結)
(2013年3月31日現在)
従業員数
(会社紹介)オムロンの事業紹介
■ 制御機器・FAシステム事業
■ 電子部品事業■ 車載電装部品事業
■ 社会システム事業
■ 健康医療機器・サービス事業
■ 環境関連機器・ソリューション事業■組込みシステム・PC周辺機器事業
40%
13%15%
11%
11%
10%
太陽光 風力 地熱
エネルギー コンバージョン
Energy Conversion
変 換 制御
変換
エネルギー効率の最大化おいてキーになるのが、センシング&コントロール技術をベースとした
エネルギーの変換と制御。すてていたエネルギーをもっと効率よく創ったり、貯めたり、そして、かしこく上手に使うことを自律的に制御することで、お客様の”エネルギー効率の最大化”に貢献します。
エネルギー コントロール
Energy Control
・現場環境の情報を、環境データ
(電気料金・パフォーマンス)に変換
・電気エネルギーに変換
(環境事業紹介)コンセプト
太陽光発電システムの遠隔監視
エンジニアリング&サポート
オムロンならではの“エネルギーの変換・制御”技術でクリーンエネルギーを最大限に有効活用します。
パワーコンディショナ
企画
サービス
開発保守修理
生産
エンジニアリング
業界初の単独運転防止技術
屋外仕様 形KP□M(4.4kW/5.5kW)
家庭・公共・産業用
屋内仕様形KP□K2(3.0kW/4.0kW/5.5kW)
家庭用
(環境事業紹介)太陽光発電事業概要
太陽光発電太陽光発電システムシステム
販売
オムロンの商品群
オムロンの商品群
(環境事業紹介)太陽光発電システムの構成
太陽光パネル
昇圧ユニット
計測ユニット
電力会社
表示ユニット
接続箱
分電盤
電力メータ買電
売電
パワーコンディショナ
昇圧ユニット昇圧ユニット
計測ユニット計測ユニット
表示ユニット表示ユニット
パワーコンディショナパワーコンディショナ
(環境事業紹介)日本の太陽光発電導入の推移
出所:「経済産業省資源エネルギー庁HP」
日本の日本の太陽光太陽光発電量発電量の推移の推移累積
日本の日本の太陽光パネルの太陽光パネルの設置量設置量の推移の推移新規導入
住宅用補助金開始
再生可能エネルギー電力買取制度開始
導入目標設定
出所:JPEA調べ
2002
2002
2009
2009
(環境事業紹介)太陽光の市場変化
買取制度により、小規模発電の市場が勃興。産業用から住宅、商業、産業が混在する市場へ買取制度により、小規模発電の市場が勃興。産業用から住宅、商業、産業が混在する市場へ
小・中規模工場など
戸建(3~5kW程度)
事業所・店舗など
中規模(高圧・100kW~500kW)
農地、遊休地など
小・中規模工場など
戸建(3~5kW程度)
集合住宅(10kW未満)
数kW~100kW学校など
産業
住宅 余剰買取
全量買取
集合住宅(10kW以上)
発電所など
小規模(低圧・50kW未満)
大規模(1MW以上)
(技術紹介①)パワーコンディショナとは
太陽光パネル(直流電力)
売電(交流電力)
太陽光パネルの電力を効率よく家庭で使える電力に変換する装置
パワーコンディショナ(電力変換)
多数台連系時には課題が多く、普及が進まない多数台連系時には課題が多く、普及が進まない……
(技術紹介①)太陽光発電普及時の課題
「太陽光発電システムを「太陽光発電システムを集中設置したい」集中設置したい」
多数台連系による多数台連系による納期課題納期課題
(設置までに時間がかかる)(設置までに時間がかかる)
パワーコンディショナのパワーコンディショナの設置数制限設置数制限
(太陽光の普及が進まない)(太陽光の普及が進まない)
新製品と、他社・旧機種との新製品と、他社・旧機種との安全性証明に安全性証明に組み合わせ試験組み合わせ試験が必要が必要 (→膨大な組み合わせ数)(→膨大な組み合わせ数)
安全性が保証出来ないため、安全性が保証出来ないため、設置台数制限設置台数制限で安全性担保で安全性担保
(→技術革新が必要)(→技術革新が必要)
(技術紹介①)単独運転検出とは
個々の発電システムの「個々の発電システムの「単独運転検出単独運転検出」が不可欠」が不可欠
停電時にシステムが単独運転をし続け、感電・設備火災の恐れあり停電時にシステムが単独運転をし続け、感電・設備火災の恐れあり
(技術紹介①)組み合わせ試験
単独運転検出方式がメーカ毎に異なるため、単独運転検出方式がメーカ毎に異なるため、相互干渉して単独運転相互干渉して単独運転する恐れがあるする恐れがある
単独運転単独運転
A社の検出方式AA社の社の検出方式検出方式
B社の検出方式BB社の社の検出方式検出方式
C社の検出方式CC社の社の検出方式検出方式
電力会社との連系協議時に電力会社との連系協議時に「干渉しないことを証明する」「干渉しないことを証明する」試験データ提出試験データ提出が必要にが必要に
1.1.製品数が増え製品数が増え膨大な膨大な組み合わせ組み合わせにに
2.2.システム稼動までにシステム稼動までに時間がかかる時間がかかる
(技術紹介①)設置台数制限
従来方式では、柱上トランスを越えた単独運転検出が困難従来方式では、柱上トランスを越えた単独運転検出が困難町全体で単独運転出ができない町全体で単独運転出ができない
実際の設置実際の設置軒数を軒数を約1割約1割以下に制限以下に制限近所で導入数が多いと設置できない近所で導入数が多いと設置できない
(技術紹介①)これまでの対応策
77割ルールの設置制限下では事実上、集中設置が困難割ルールの設置制限下では事実上、集中設置が困難
町全体の約町全体の約11割の家に割の家に設置を制限設置を制限
町全体で単独運転検出が町全体で単独運転検出ができる特別な設備を導入できる特別な設備を導入
コスト負担がコスト負担がネックネック
太陽光の普及太陽光の普及を阻害を阻害
大きな投資が必要大きな投資が必要
従来の対策 従来の課題
(技術紹介①)単独運転検出に求められる4つの条件と対策
1)高速検出(5s→0.2s)
2)相互干渉無し
3)系統への悪影響無し
4)誤動作無し
1)数サイクルのデータから判定2)周波数の変化を無効電力にフィードバック
・基本波の周波数を抽出して動作することで、同期
・異常時のみ外乱印可(無効電力を発生)
基本波を摘出し、パターン判定に誤検出除去
太陽光の導入可能数量の制限解除
連系協議迅速化
系統への影響最小限
一斉解列による大停電なし
条件 効果
対策
0.20.2秒の高速検出方式を採用秒の高速検出方式を採用(高速検出・相互干渉なし)(高速検出・相互干渉なし)
(技術紹介①) AICOT®なら解決できます!
試験データ不要で連系協議を迅速化し、試験データ不要で連系協議を迅速化し、納期遵守を実現納期遵守を実現
高速検出高速検出((0.20.2秒)秒)低速検出(低速検出(0.50.5~~55秒)秒)
相互干渉なし相互干渉なし
柱上トランスを超えて単独運転検出でき、連系台数の制限なし柱上トランスを超えて単独運転検出でき、連系台数の制限なし
町全体での単独運転検出が可能町全体での単独運転検出が可能になり、太陽光発電の普及に貢献になり、太陽光発電の普及に貢献
(技術紹介①) AICOT®なら解決できます!
(技術紹介①) Simulink®の活用(モデル)
シミュレーションの狙い1)検出動作のエビデンス提供→ 試験条件変更の自動化による工数削減
2)実証環境の準備が困難なシステムの代替評価→ 実機検証環境の代替
技術開発 実証試験 規格化 商品化
2)複数台のシステム評価が可能
Matlab®Simulink®SimPowerSystems®
(技術紹介①) Simulink®の活用(検証結果)
技術開発 実証試験 規格化 商品化
▼停電発生
▼周波数変化
▼発電継続
注意点)シミュレーションと実機の違い・ソフトウェアの処理時間遅延が無い→ 実機ではタイミング遅延が発生
・外乱/非線形要素(出力電流の波形歪み要素)が、モデル化困難 → 実機試験との差が出る
(技術紹介①)実証試験実証試験
総数553戸、総発電量2,129kW世界最大規模の多数台連系を実現
日本で初めて、町全体での集中連系実験を実施
群馬県太田市「Pal Town 城西の杜」
オムロン
8年をかけて8年をかけてAICOTAICOT®®を確立を確立
技術開発 実証試験 規格化 商品化
多数台連系時多数台連系時 単独運転防止技術単独運転防止技術
世界最大規模
(技術紹介①) AICOT技術の標準規格化
国内標準規格化国内標準規格化
正式認証化正式認証化
規格化や認証化のための普及活動
技術開発 実証試験 規格化 商品化
独自技術の
特許を無償公開
©OMRON Corporation 23
太陽光発電システムの集中設置課題を解消太陽光発電システムの集中設置課題を解消
(技術紹介①)商品化と市場への普及
多数台連系時多数台連系時 単独運転防止技術単独運転防止技術業界初業界初エネルギー・資源学会第22回 技術賞
技術開発 実証試験 規格化 商品化
平成24年度 新エネ大賞
(技術紹介②)成長への開発体制の変更
モデルベース開発による開発プロセスの改善
1)モデル可視化(設計伝承)2)技術検証の短時間化3)設計期間の短縮
1)急激な市場成長 → 人材不足(設計スキルのキャッチアップ)2)顧客数拡大 → 個別付加価値提供(シリーズ展開)3)市場変化の加速 → 短期での新商品リリース
(技術紹介②) MBD(オートコード)開発への移行
要求分析
機能設計
詳細設計
実装
システムテスト
機能テスト
単体テスト
コンパイル
●MATLABモデル
オートコード
(技術紹介②)開発体制の変更(MBD開発の導入)
対策/変更点1)コア技術(制御部)と汎用技術部分の分離→ モデル化に向く部分を分離し、オートコードの効果拡大
2)1)をマイコンごとに役割分担→ マイコン数削減より、生産性向上を重視
3)オートコードによる性能低下→ マイコン性能向上/マイコン分離でカバー
従来の構成 モデルベースでの構成
通信表示記録
制御異常検出シーケンス
制御異常検出シーケンス
通信表示記録
内部通信 内部通信
マイコン マイコン(1) マイコン(2)
オートコード対象
ハンドコードハンドコード
(技術紹介②)MBDのモデル例
オートコード用モデル例
Matlab®Simulink®StateFlow®Embedded Coder ®
ハンドコードR社製RISC 80MHz
オートコードR社製CISC 100MHz
(技術紹介②)オートコードとハンドコードでの動作比較(1)
出力電流
系統電圧
DC/DCコンバータ電圧
出力電流
系統電圧
シミュレーション波形
オートコードでの実機波形
(技術紹介②)オートコードとハンドコードでの動作比較(2)
出力電流
D/D電圧
出力電流
D/D電圧(緑)
電圧復帰まで0.17[s]
電流の復帰は未(もう少し時間が必要)
電圧復帰まで0.1[s]
電流復帰まで0.18[s]
ハンドコード設計
オートコード設計
(技術紹介②)評価環境改善(HILS)
実環境
(Hardware In the Loop Simulation)
ターゲットボード(Hardware)※CPU、CPU周辺回路、
I/Oインターフェイス回路のみ
CPUPWM
パワコン
PV昇圧
回路 主回路負
荷PWM
リレー制御信号ON/OFF
DC電源
電流や電圧など各種アナログ信号
HILS環境
昇圧
回路
主
回
路
負
荷
DIN
D/A
Matlab/Simlinkモデル
電流、電圧などアナログ信号
PWM信号やリレー制御信号など
ディジタル信号(実配線)
HILS装置
TCP/IP
PC
系統連系技術の系統連系技術のパイオニアパイオニア
エネルギー分野でエネルギー分野で2020年の実績年の実績
自然エネルギーの自然エネルギーの利用促進に貢献利用促進に貢献
パワーパワーコンディショナコンディショナトップメーカトップメーカ
最後に
以上、ご清聴ありがとうございました。
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