TOP INTERVIEW

28

Transcript of TOP INTERVIEW

Page 1: TOP INTERVIEW
Page 2: TOP INTERVIEW

小原たずは貎瀟の業務内容に぀いおお話しいただければず思い

たす。

二子石瀟長匊瀟はセブン - むレブンを初めずするセブンアむ

グルヌプの店舗や、グルヌプ倖の商業斜蚭・空枯・駅など、党囜

に 1 侇 9,000 台以䞊の ATM を蚭眮しおいたす。収入の 95% は

ATM をお䜿いいただいた結果、䞻に提携しおいる金融機関からい

ただく手数料です。

 他のコンビニ ATM ず異なる点は、匊瀟が ATM 運営䌚瀟では

なく銀行だずいうこずです。匊瀟は銀行免蚱を持っおいるため、

自瀟の意思で党囜に同䞀のATMサヌビスを提䟛しおいたす。たた、

ATM に詰めおいる珟金は、すべお匊瀟の資金です。これは圓然調

達する必芁がありたすが、セブン銀行に口座をお持ちのお客様の

預金で調達できおいたす。今は預金の金利が倧倉䜎いので、助かっ

おいたす。

 本来銀行ずいうのは、預金を集めお融資をしお、その利ざやで

利益を生むずいうストック商売です。しかし、匊瀟では融資はほ

2

TOP INTERVIEW

TOPINTERVIEW

 セブン -むレブンは誰もが知るコンビニ゚ンスストアですが、「セブン銀行」ずいうず、その実態をよく知らない人も倚いのではないでしょうか。今回の巻頭むンタビュヌでは、二子石代衚取締圹瀟長に、セブン銀行の業態や今埌の展望に぀いおお話を䌺いたした。

聞き手リッキヌビゞネス゜リュヌション㈱ 取締圹副瀟長 小原 光男

「共存共栄」の考えで金融むンフラずしおのATM サヌビスを提䟛する

セブン銀行の業態 埓来の銀行ずは異なる金融サヌビスを展開

Page 3: TOP INTERVIEW

ずんどおこなっおいたせん。そういった埓来の定矩でいうず、我々

は銀行ではないかもしれたせん。「銀行」であるずいうこずのメリッ

トを掻甚させおいただきながら運営しおいる「金融サヌビス業」

ずいうこずになりたすね。

小原埡瀟の創業時は、既存の金融機関からの「そんなに䞊手く

いくわけないじゃないか」ずいった批刀的な声も倚かったず思い

たすが、その䞭で成功した芁因ずいうのはどこにあるのでしょうか。

二子石瀟長圓時反察されおいた理由はいく぀かあるず思いたす。

元より「融資しないの手数料だけで皌ぐのそんなの聞いたこ

ずない」ずいう先入芳がありたした。曎に、「すでに盞圓数の金融

機関の支店や ATM コヌナヌがあるので、お客様は特に䞍䟿を感

じおないのではないか」ずいう意芋もありたした。

 セブン - むレブンで ATM を始めるきっかけの䞀぀には、それ

に先立っおおこなっおいた料金収玍があったず思うんです。公共

料金などを、レゞでピッずやっお支払えるでしょう。料金収玍は

それたで銀行がおこなっおいた業務です。それがコンビニの窓口

でできるようになった。しかも、銀行窓口で凊理するよりも埅た

ずにできる。党囜各銀行の頭取にお䌚いする際に、「あの読み取り

機を貞しおほしい」「銀行窓口でやれたらどんなに助かるか」ず

よく蚀われるんですよ。この頃からコンビニに察するお客様の目

が倉わったような気がしたすね。セブン - むレブンが幎に回、

䞇人のお客様に実斜しおいた芁望アンケヌトで「ATM を眮いお

ほしい」ずいう声が毎回䞊䜍に出おくるようになったんです。意

倖かもしれたせんが、セブン - むレブンのお客様は割以䞊が固

定客です。その方たちから芋たら “い぀も行く堎所”であり、そ

こに ATM があれば、それはその方が䟿利なんですよ。銀行の支

店や ATM コヌナヌずいうのは、お金をおろすために“わざわざ”

自分の行動範囲から倖れお行かなければなりたせんから。そうい

う芁望から、「お客様にずっお最も䟿利で身近な ATM サヌビスを

提䟛する方法を怜蚎しよう」ずなったわけです。様々な怜蚎の結果、

最終的にATM運営䌚瀟でなく、銀行を蚭立するこずになりたした。

 いろいろず反察意芋はありたしたが、振り返っおみるず、セブ

ン-むレブンはATMに察するお客様のニヌズがあるこずをわかっ

おいたした。しかし銀行は「お客様は珟状に満足しおいるので、

あたり䜿われないだろう」ず思っおいた。ここにギャップがあっ

たのでしょう。

小原二子石瀟長が圚籍されおいた旧䞉和銀行も圓時、郜銀の䞭

では ATM 増蚭の戊略をずっおいたしたよね。

二子石瀟長そうでしたね。ずころがその戊略を指瀺した䌚長ず

埌に雑談しおいたら、「以前は ATM を増蚭したが、もうそういう

時代じゃない。」ず蚀っおいたした。「人々の生掻スタむルも倉わっ

おきた。これからは24時間皌働のATMが圓たり前になるず思う。

しかし銀行が 24 時間皌働の ATM を䜜るこずには限床がある。し

たがっお、ATM を共通むンフラにしお、各行がそれを䜿えば

いいんだ。もう ATM を競っお増やす時代は終わった」ず蚀うわ

けです。これは、本圓に印象に残っおいたんです。その埌、セブ

ン - むレブンからこの話が来た時に、「あ、これはあの時䌚長が蚀っ

おた共通むンフラの話だな」ず思ったんです。セブン - むレブン

ずしおは来店客の利䟿性を向䞊させるためのものだったわけです

が、銀行偎から芋おも、これは非垞に有意矩で、良い話だず思い

たした。そういう考えもあっお、䞀生懞呜にお手䌝いしおいたした。

それがご瞁でその埌セブン銀行に入るこずになりたした。

小原金融自由化の䞭で、楜倩銀行や゜ニヌ銀行など「新芏参入

銀行」ずいわれる銀行がありたすが、その䞭で埡瀟の特色はどう

いう郚分でしょうか。

二子石瀟長これははっきりしおいたす。他の新芏参入銀行は預

金を集めお融資するなど、いわゆる「銀行の本業」をむンタヌネッ

ト䞊でやっおおられたす。䞀般の銀行ず、商品面では同じサヌビ

スを提䟛しおいるため、他行ずは競合関係にあるわけです。䞀方

3

二子石 謙茔ふたごいし けんすけセブン銀行代衚取締圹瀟長1952 幎、熊本県生たれ。77 幎東京倧孊法孊郚卒業埌、䞉和銀行珟・䞉菱東京 UFJ 銀行に入瀟。配属は倧阪垂の城東支店。本店調査郚、新宿支店次長、秘曞宀秘曞圹、リテヌル䌁画郚長などを歎任。2003 幎アむワむバンク銀行珟セブン銀行に転じ、10 幎より珟職。

創業経緯業界からの反応 気付かれおいなかった身近な堎所での ATM ニヌズ

セブン銀行 二子石 謙茔 代衚取締圹瀟長

他の「新芏参入銀行」ずの盞違点 埓来の銀行業態ではなく、培底したむンフラづくりを

Page 4: TOP INTERVIEW

4

で我々にずっお銀行は競合先ではなく「お客様」です。

小原競合関係にないずいったずころが金融機関等ぞの提携先玄

590 ずいう数字に繋がるのですね。埡瀟もしようず思えば融資も

できるず思いたすが、それをしないずいうのがポむントずなっお

いるのでしょうか。

二子石瀟長金融機関に提携をしおもらわないずお客様に ATM

を䜿っおもらえないわけですから、圓瀟のビゞネスモデル䞊、金

融機関ずの提携が倧前提になりたす。そこで党囜の銀行をはじめ

各金融機関ず぀぀提携をしおきた蚳ですが、その際に「埡行

にむンフラを提䟛したす」「い぀も立ち寄るコンビニに ATM があ

ればお客様も喜ぶでしょう」「堎合によっおは埡行の ATM を枛ら

しおもいいかもしれたせんよね」ずいう話を粘り匷くしたわけ

です。その考え方をずっず貫いおきおいたす。これが途䞭から䜏

宅ロヌンでも始めるようなこずがあれば、それはもう䌁業ずしお

の生き方を間違えおいるず思うんです。我々は、提携先ずは文字

通り WIN-WIN の関係を望んでいるわけです。

小原珟圚 1 侇 9,000 台以䞊の ATM をお持ちですが、このむン

フラをさらに䜕かに利甚しおいくずいう戊略はお持ちですか。

二子石瀟長提携金融機関から手数料をいただくずいうビゞネス

は BtoBtoCセブン銀行 to 金融機関 to そのお客様ですが、

既存の銀行がしない、あるいはしたくないずいうこずを BtoCセ

ブン銀行 to お客様で提䟛するこずにより、もっずお客様に喜

んでほしいずいうのが本音です。

 そういう考え方で始めおいるひず぀は、海倖送金サヌビスです。

これはお客様から盎接手数料をいただいおいたすから、BtoC に

なりたす。日本の劎働人口が枛る䞭で、海倖から働きに来おいる

方が増えおいるわけですよね。そういう方たちが囜に仕送りをす

るずき、珟状の送金システムが倧倉䞍䟿であるこずは明らかです。

この䞍䟿を我々が解消するこずによっお、圌らの生掻を支えるこ

ずが出来ればず思っおいたす。党囜の提携金融機関、ずくに銀行

の取匕先には、倖囜人を雇甚しおいるずころがたくさんありたす。

ですから、そうした倖囜人向けのサヌビスを圓瀟がやれば提携金

融機関にも喜ばれるず思いたす。取匕先の人材確保にプラスに働

くわけですから。この事業にもそうした WIN-WIN の考え方が

背景にありたす。

小原海倖送金をするずきに、お客様の利甚は、ATM・むンタヌ

ネット・モバむルの皮類のチャネルから利甚できるそうですが、

最も倚いのはどの方法ですか。

二子石瀟長95% は ATM での送金です。もしかしたらパ゜コン

を持っおいる人が少ないのかもしれたせん。たた、パ゜コンでセ

キュリティなどを気にしながら送金するよりも、仕事や出掛けた

垰りがけに、お匁圓を買った぀いでに、ATM で送金する方が早い

し、簡単なのかもしれたせんね。バヌチャルなネット送金よりも、

リアルな ATM の送金の方が、おそらく䟿利に感じおいるのでは

ないかなず思いたす。

小原ATM が 95ずいうお話しを䌺うず、やはり ATM を持っ

おいる埡瀟の仕事になりたすね。

二子石瀟長皮類揃えおいるのにそうなんですからね。最初は

ATM よりもネットで送金した方がいいんだろうなず思っおいた

のですが、これは予想が違いたしたね。こういった事䟋もある通

り、我々は提携銀行ず競争しないずころで、新しいサヌビスを探

しおいく。そこに新しい䟡倀が生たれるず思っおいるわけです。

小原䞎信は今埌もしないずいうお話でしたが、運甚商品の販売

などはお考えでしょうか。

二子石瀟長自らはしたせんが、「ATM をうたく䜿っおくださ

い」ず提携先に声掛けはしたいですね。ネットやコンビニ ATM

を利甚されるお客様が増える䞀方で、銀行の支店でお客様ずのコ

ミュニケヌションをずる機䌚や、アピヌルする機䌚が枛っおいる

ず思うんです。ですから、お客様が日頃䜿っおいるセブン銀行の

ATM で、モニタヌやレシヌトを䜿っおアピヌルしおいただきた

いんです。

● TOP INTERVIEW

今埌の展望① 海倖送金 ATMむンフラを掻かしたサヌビスを提䟛する

ATMの掻甚コンビニATMは金融機関ずお客様のコミュニケヌションの堎

Page 5: TOP INTERVIEW

二子石瀟長セブン銀行の ATM は、海倖で発行されたキャッシュ

カヌド・クレゞットカヌドで日本円を匕き出すこずができたす。

海倖からの芳光客が増加する䞭、様々な堎所で蚭眮ニヌズが高たっ

おいたす。昚幎は、飛隚高山の地方銀行支店に ATM を蚭眮させ

おいただきたした。飛隚高山では海倖からの芳光客が増加する䞀

方で、海倖発行カヌドが䜿える ATM があたりなく、芳光客の「お

金をおろしたい」ずいうニヌズに応えられずホテルや旅通は困っ

おいたそうです。しかしながら地方銀行が自行単独で海倖カヌド

を䜿える ATM を開発するには、費甚も時間もかかりたす。ずは

いえ私も元々銀行出身なのでわかるのですが、銀行の顔ずもいえ

る店舗に他瀟の ATM を眮くなんお、ありえない話なんです。高

山の芳光振興・地元振興を考えられおの決断だず思いたす。非垞

に頭が䞋がりたすね。

 たた、珟圚は芳光地だけでなく、空枯・駅・ショッピングモヌル・

家電量販店などでも、倚くの方々に海倖発行カヌドをご利甚いた

だいおいたす。2020 幎の東京オリンピック・パラリンピック開催

に向けお、蚪日倖囜人の利䟿性向䞊ず経枈掻性化に貢献したいず

考えおいたす。

小原瀟長の経営哲孊を教えおください。

二子石瀟長ベヌスずなる考え方は【共存共栄】です。これは

提携先ずの関係をはじめ、業務を委蚗しおいるパヌトナヌ䌁業

ずの関係も、地域瀟䌚ずの関係もそうです。すべおお互いにメ

リットがないず、長く続かないわけです。長く続くむンフラを

きっちりず間違いなく運営しおいくためには、【共存共栄】ずい

う考え方は絶察に必芁です。これが䞀番考えおいるこずです。

 もうひず぀、ここに働く瀟員たちに絶えず成長しおほしいず

思っおいたす。人の成長なくしお䌚瀟の成長はないし、逆に䌚

瀟の成長なくしお人の成長もないず思うんです。぀たり新しく、

次々にチャレンゞする仕事や舞台が出おくるような䌚瀟でない

ず、自分の自己実珟を図ろうず思っおいる人の意欲が出お来た

せん。だから䌚瀟の成長がないず人が育たないず思うんです。

 海倖進出・新芏業務などでは瀟員が自ら事業を立ち䞊げおい

くずいう「創業の粟神」を持っお、業務に励んでくれおいたす。

マニュアルも䜕も出来おいない仕事を蟛抱匷く育おおいくから

人間は成長しおいくわけで、䌚瀟ずしおそういう仕事を䞎えら

れるかどうかが重芁なんです。そしおその責任が私にはあるわ

けです。圓然䌚瀟ずしおきちんずコンプラむアンスやガバナンス

の䜓制を敎備しおいきたすが、やはり瀟員が成長できるような

舞台づくりをしおいきたいず思っおいたす。

小原どうもありがずうございたした。

●むンタビュヌ内での䌁業名に぀きたしおは敬称略ずさせお頂きたした。●このむンタビュヌ内容の党文は、銀行員 .com www.ginkouin.com で お読みいただけたす。

5

セブン銀行抂芁

代衚取締圹瀟長 二子石 謙茔東京郜千代田区䞞の内 1-6-12001 幎 4 月 10 日305 億円7,853 億円4,375 億円譲枡性預金を陀く52 億円54.93%速報倀458 人

代 è¡š 者本瀟所圚地創 立資 本 金総資産額総預金残高貞出金残高自己資本比率埓業員数

2014 幎 3 月 31 日珟圚

セブン銀行 二子石 謙茔 代衚取締圹瀟長

今埌の展望② 海倖発行カヌド 

 蚪日倖囜人の利䟿性に貢献する

経営哲孊 

 【共存共栄】の考え方

Page 6: TOP INTERVIEW

6

●セブン銀行特集

 セブン銀行は、セブンアむグルヌプセブン - むレブンやむトヌペヌカドヌなど

はもちろんのこず、グルヌプ倖の商業斜蚭・空枯・駅・金融機関店舗などぞの ATM

蚭眮を積極的に進めおいたす。その蚭眮台数は䞇 9,000 台以䞊、日の利甚者数は、

190 䞇人にも䞊りたす。

 幎霢や囜籍、さたざたな利甚シヌンに配慮し、倚くの改良を重ねおきた ATM。

2010 幎より導入されおいる第䞖代 ATM は、珟金凊理スピヌドや珟金オペレヌショ

ンの効率化、消費電力の削枛など、党般的な機胜を高めおいたす。

 2013 幎床には曎に䜿いやすさを向䞊させるため、ATM 取匕画面ず明现祚をリニュヌアルしたした。

①取匕画面の文字を倧きく、説明をシンプルに ATM 画面を改良し、文字の倧きさは 1.5  2 倍に、文字数は玄半分にしたした。ボタンも倧きな䞞に倉曎したこずで、パッず抌すずころがわかり、迷わず操䜜できるようになりたした。たた、文字の背景に癜色を入れるなど、利甚しやすい色づかいが評䟡され、カラヌナニバヌサルデザむン認蚌を取埗したした。

②アニメヌションの衚瀺でカヌドの取り忘れを削枛 第䞖代 ATM では、画面䞊でカヌドや珟金などが䞋に動き、手元に出おくるアニメヌションを導入。芖線が誘導されおカヌドや珟金の取り忘れが枛りたした。たた、アニメヌションはカヌド取り忘れ防止だけでなく、次に抌すボタンを案内するためにも䜿甚されおいたす。

い぀でも どこでも だれでも安心しお利甚できる ATM サヌビスのために

近くお䟿利な ATM を目指しお 〜蚭眮台数 1 侇 9,000 台を超えるセブン銀行 ATM 〜

●「だれもが䜿いやすい」ATM を独自開発

●䜿いやすさの向䞊

※カラヌナニバヌサルデザむン認蚌は銀行など預貯金取扱提携金融機関及び蚌刞䌚瀟のお取匕画面 ( ご利甚時間・手数料などのご案内を陀く ) に぀いお取埗しおいたす。

▌

第 3 䞖代 ATM

むトヌペヌカドヌ

ペヌクベニマル

ペヌクマヌト

西歊癟貚店

そごう

ロフト

アカチャンホンポ

デニヌズ

盎営ATMコヌナヌ

本郚等

商業斜蚭

駅・駅ビル

空枯

高速道路 SA/PA

オフィス

ホテル

病院

野村蚌刞

倧和蚌刞

SMBC日興證刞

新生銀行

グルヌプ倖その他

585

110

36

49

69

11

9

300

136

28

15

78

311

71

59

21

12

5

4

4

11

27

セブン - むレブン耇数台蚭眮店舗

17,6891,252 店

セブン&アむHLDGS. グルヌプ合蚈 18,214 グルヌプ倖 合蚈 1,426

■蚭眮堎所別ATM蚭眮台数2014幎 4月末合蚈 19,640 台

Page 7: TOP INTERVIEW

7

 グロヌバル化の進展を背景に、日本に䜏む倖囜人や、海倖に家族・知人をも぀日本人が増えおいたす。セブン銀行は日本から海倖ぞの送金ニヌズに着目し、2011 幎 3 月より海倖送金サヌビスを提䟛しおいたす。この海倖送金サヌビスでは、䞖界 200 以䞊の囜ず地域における 51 䞇ヶ所の取扱店で囜際送金サヌビスを利甚できる米囜り゚スタンナニオンず提携。党囜に 19,000 台以䞊あるセブン銀行の等から、利甚時間を気にせず原則 24 時間 365 日海倖ぞ送金できるサヌビスを実珟したした。 2013 幎月には、日本語・英語・タガログ語・䞭囜語・ポルトガル語・スペむン語・ベトナム語・むンドネシア語・タむ語の蚀語でお問い合わせなどに察応する海倖送金カスタマヌセンタヌを蚭立したした。たた、2014 幎月からは ATM の取匕画面衚瀺も蚀語衚瀺ずしたした。これら倚蚀語によるサポヌト䜓制の匷化もあり、2013 幎床は玄 39 䞇件の利甚がありたした。

セブン銀行口座からの海倖送金サヌビス

海倖発行カヌドぞの察応

▌

セブン銀行 ATM の亀信䞭画面に、提携銀行様からお客様ぞのお知らせを掲茉可胜です。掲茉画像をご甚意いただければ無料で掲茉したすので、積極的にご掻甚䞋さい。( 掲茉画像は、幎に回たで無料で差し替え可胜です。)

足利銀行様の䟋

ATM画面をお客様ぞのアピヌルにご利甚いただけたす。

倖囜人が働く工堎で海倖送金サヌビスの営業を実斜

 セブン銀行の ATM では海倖で発行されたキャッシュカヌド・クレゞットカヌドで日本円を匕出せたす。ATM 取匕画面ず明现祚は蚀語英語・韓囜語・䞭囜語・ポルトガル語に察応しおいたす。 倖囜人芳光客が増加するなか、海倖発行カヌドが利甚できるずしお芳光地や商業斜蚭などぞの蚭眮が広がっおおり、2013 幎床は玄 240 䞇件の利甚がありたした。

③必芁な情報が䞀目でわかる明现祚 お客様がよく芋る手数料や取匕埌残高の項目を䞊郚に配眮。たた、行に項目のみを衚瀺するこずで、知りたい情報をすぐに確認できるようになりたした。

セブン銀行からのお知らせ

Page 8: TOP INTERVIEW

8 9

リッキヌビゞネス゜リュヌション株匏䌚瀟

取締圹 垂島 慎二

欧州危機の根源ヌ③

䞖界経枈金融化の行き着いたずころ

シリヌズ連茉

「欧州危機の根源」ず題しお回のシリヌズでかい぀たんで第二次䞖界倧戊埌からの䞖界金融の枠組み倉化ずそれに䌎い発生した諞問題、その延長ずしお起こった欧州危機に぀いおお話ししたいず思いたす。

【前回のおさらい】 前回は「通貚ナヌロの誕生」ずいうテヌマで、゜連厩壊

(1991幎)埌のアメリカ䞻導の金融グロヌバリズムの進展ず、

欧州石炭鉄鋌共同䜓から始たる長い道のりを経おの欧州連合

の発足マヌストリヒト条玄 1993 幎、それから決枈通貚

ずしおのナヌロ誕生 (1999 幎 1 月 ) などをお話ししたした。

 今回は「䞖界経枈金融化の行き着いたずころ」ずいうタむ

トルで、グロヌバリズム元幎1992 幎以降の䞻芁な囜際

金融面での出来事ず、それがもたらしたず思われる瀟䌚、経

枈面での問題ずいったアングルでお話ししようず思いたす。

 話は少々戻りたすが、前回サッチャヌさんの「卓芋」に぀

いおお話ししたした。その続きを少し远っおみたいず思いた

す。サッチャヌ元英銖盞は 1990 幎の保守党党銖遞でトップ

はずったものの、決遞投祚が必芁な事態ずなり、退任を決意、

その埌をゞョン・メゞャヌに譲り、ゞョン・メゞャヌさんが

銖盞ずなりたした。そこで圌が行ったこずは、䜎金利策やナヌ

ロ導入の方向性の第䞀歩を螏み出すこずなど、景気回埩を䞭

心ずする諞斜策です。

 圓時はただナヌロずいう単䞀通貚は存圚せず、EMS

European Monetary Systemの時代でした。EMS に加

盟した囜はEuropean Currency Unitに察し、

自囜通貚を䞊䞋ある䞀定の範囲以内に収めねばならないずい

う、いわば固定盞堎制の䞋にあったため、サッチャヌさんは

頑ずしおこのぞの加入を拒吊しおいたした。しかし英

囜はずうずう 1990 幎 10 月にに参加するこずずし、

ポンドの倉動幅を基準盞堎から䞊䞋 2.25以内に抑える矩

務を背負うこずずなりたした。

 サッチャヌさんが退任した 1990 幎に東西ドむツが統䞀さ

れたすが、これはドむツにずっお盞圓難しいものでした。単

玔に蚀っおしたえば囜家による倚額の財政支出が必芁で、そ

の結果むンフレプレッシャヌがかかり、1992 幎にはドむツ

䞭倮銀行が金融を倧幅に匕き締めざるを埗ない状況にいたり

たした。同幎 7 月に政策金利を 8.0から 8.75ぞず䞀気に

段階匕き䞊げを決めたした。これをきっかけにドむツマル

クが急隰し、たずは英囜ポンドがいきなり狙われ売り泚文を

济び、ポンドがどんどん䞋萜を始めたした。いわゆる「1992

幎のポンド危機」です。これを仕掛けたのは、83 歳ずなる

今もなお健圚で有名なゞョヌゞ・゜ロスさんです。これに察

抗しお英囜䞭銀は必死にポンドを買い支え、曎に金利の倧幅

1992 幎以降の囜際金融の流れ〜連続する通貚危機〜

ゞョン・メゞャヌ元英銖盞ずマヌガレット・サッチャヌ元英銖盞

Page 9: TOP INTERVIEW

匕き䞊げなどを行いたしたが、ずうずう 9 月

17 日にポンドの買い支えを断念し、

から離脱したした。いわば英囜は䞀敗地に塗

れたずいう結末で、この日を「ブラック・りェ

ンズデヌ」ず呌んでいたす。その頃から「ヘッ

ゞ・ファンド」ずか「プラむベヌト・むクむ

ティ・ファンド」ず呌ばれる非公開の投資ファ

ンドがどんどん掻躍するようになるのです。

゜ロスさんのファンドもヘッゞ・ファンドず

呌ばれおいたず思いたす。

 1997 幎にはアゞア通貚危機が勃発、タむ

から始たりむンドネシア、マレヌシア、シン

ガポヌル、韓囜ず軒䞊み狙われ、それぞれの

通貚は倧幅な䞋萜を䜙儀なくさせられたし

た。倧雑把に蚀っお瞬間的には通貚䟡倀が

䞀気に 1/3 になったむンドネシアは実に

1/8ずいう激震です。月平均ベヌスでは右

のグラフの様に急激な貚幣䟡倀䞋萜が芋おず

れたす。売り济びせた方は濡れ手に粟の倧儲

けでした。マレヌシアだけは為替管理を堅持

し、䜕ずか切り抜けたしたが 。その埌、察

米ドルでは比范的早期に珟圚の氎準たで戻し

おいたすが、危機以前より倧幅に枛䟡されお

いたす。危機以前、察米ドルで固定高めに

しおいた各囜の通貚政策に誀りがあったこず

は間違いありたせん。

 このアゞア通貚危機が発端で翌幎 1998 幎

のロシア危機、ブラゞルなどラテンアメリカ

諞囜の金融危機ぞず繋がる蚳です。

 こずにロシア危機のあおりを受けお、アメ

リカの「ロング・タヌム・キャピタル・マネゞメントLTCM」

ずいうヘッゞ・ファンドが倒産の危機に盎面したす次ペヌ

ゞ解説参照。LTCM はノヌベル賞受賞のロバヌト・マヌト

ンやマむロン・ショヌルズなどが関䞎しおいたファンドで、

圓初幎率 50だのずいうような収益を誇る、いわばサラブ

レッドファンドでした。芁するに想定しおいたリスクむベン

トを超えた状況が長期にわたったため、沈没したずいうこず

です。

 このようなファンドは囜などによる金融制床の枠倖金融

圓局の芏制、監督の範囲倖にあるため、党く自由に運営で

き、運甚に際しおはいわゆるレバレッゞを高くしお即ち、

借り入れ比率を高め投資収益率を高く保ずうずしたす。

の堎合は、運甚胜力が極めお高く評䟡されおいたこず、

投資察象が䞻に゜ブリンものの債暩であったこず、アヌビト

ラヌゞが運甚の手法で本圓の「ヘッゞ」を行っおいたこず、

䞊びに圓初の実瞟が玠晎らしかったこずもあり、極限たで借

り入れ比率を䞊げおいたした。その結果、想定を遙かに超え

る危機に際しお借入金の借り換えロヌル・オヌバヌがで

きなくなり、お手䞊げになったのです。これはロシア危機の

起こった幎ず同じ 1998 幎のこずです。

 アメリカは 1929 幎から始たる䞖界倧恐慌の反省ずしお、

銀行業務ず蚌刞業務を分ける「グラス・スティヌガル法」

9

シリヌズ 欧州危機の根源③

銀行業・蚌刞業分離原則廃止の動きアメリカ

アゞアか囜為替倉動掚移察米ドル

䞭米ヶ囜・ロシア為替倉動掚移察米ドル

察米ドルレヌト䞭倀月間平均1996幎 1月を 1.0 ずした察米ドル通貚䟡倀の増枛掚移を倍率衚瀺衚の瞊軞は指数衚瀺基数「デヌタ゜ヌスoanda(http://www.oanda.com/lang/ja/currency/historical-rates/)

Page 10: TOP INTERVIEW

1933 幎ずいう法埋を導入したした。以降長らく、銀行・

蚌刞業の䞀䜓的運営を犁止・制限しおいた銀行・蚌刞間

の垣根ずいっおいたのですが、1999 幎に「グラム・リヌ

チ・ブラむリヌ法」を成立させ、実䜓的に銀蚌䞀䜓化を可

胜にしたした。このように制床的柔軟化を進めながら、金融

界は金融デリバティブの、なお䞀局の深化ず広範な取り扱い

を成し遂げるこずになるのです。結果ずしお MBS や CDS、

CDO 等が倧いに幅を利かせるようになりたしたそれぞ

れ Mortgage Backed Securities, Credit Default Swap,

Collateralized Debt Obligation の略 )。

 この間日本はずいうず、1986 幎からのバブルが 91 幎に

匟け、暗い 1990 幎代に突入するのです。96、97 幎あたり

には回埩の兆しが芋えおきお、97 幎に橋本総理倧臣のもず

消費皎の増皎たでしおしたうのですが、折悪しくアゞア危機、

ロシア危機ず䞖界党䜓が倧やられで、たた沈没するのです。

アメリカでは 2000 幎頃に IT バブルがはじけ、ピンチに

なったわけですが、アラン・グリヌンスパン FRB 議長圚

ä»» 1987 幎 2006 幎が 2001 幎以降、䜎金利政策を続け、

䜏宅投資を慫しょうよう

慂する政策を匷力に掚進したした。この政策が

アメリカ景気を底支えしお、圌はマ゚ストロず絶賛されたり

するものの、これはやり過ぎで、ずうずうサブプラむム問題

に行き着き、2008 幎のリヌマンショックぞず発展しおいき

たす。 

10

LTCM砎綻

●泚むギリスも含めたペヌロッパは元々ナニバヌサルバンキングずいっお銀・蚌䞀䜓運営が認められおいる。日本はアメリカ流の分離政策であったが、今は持ち株䌚瀟の元での銀行、蚌刞、信蚗業務の䜵営が認められおいる。

 1993 幎に蚭立、翌幎より運甚開始のファンド。蚭立圓初より圹員にはそうそうたるメンバヌが名を連ね、その䞭には元副議長も入っおいた。蚭立圓初は1000 億円盞圓のファンド芏暡が 1997 幎には 7000 億円盞圓に拡倧した。砎綻の盎接的原因はロシアが 1998幎 8 月に短期囜債の債務䞍履行を宣蚀したこずにある。の圓時のバランスシヌトには資本勘定玄 50 億ドル、負債玄 1250 億ドル100 円換算で各々 5000億円、12.5 兆円に盞圓、いわゆるレバレッゞは 25 倍ずいう芏暡であった。曎にデリバティブ取匕を加えるずいわゆるノヌショナル元本は 120 兆円に達するものであった。䞊蚘の数字は Philippe Jorion による”Risk Management Lessons from LTCM, 2000”によるものである このような倧芏暡な負債を抱えたファンドが䞀気に倒産するず、金融制床に颚穎を開けるほどの倧問題になるずの認識で、圓時の議長グリヌンスパンが取匕銀行、蚌刞䌚瀟 15 瀟を極秘裏に呌び、36 億ドルにのがる

぀なぎ資金を出すよう説埗した。その内の 14 行が賛同、即刻融資の実行がされ、は急堎を凌ぐこずができた。その埌、埐々にポゞション枛らしお 2 幎埌には完枈、秩序ある枅算を無事終了した。 問題は䞀私䌁業、それも欲埗動機のヘッゞ・ファンドなどの救枈のためにが動き、民間からリスクマネヌを出させるずいう行為が正圓化されるか吊かずいう資本䞻矩、自由䞻矩の根幹に觊れる問題を、金融秩序維持の芳点から䞀気に乗り越えたこずである。たた逆にこのような事態が䞇が䞀日本で生じたずするず、アメリカが芋せたような間髪を入れない、いわば瞬時の察応が出来るかどうかずいう疑問が生じる。 それから䜙談ではあるが、䞊蚘緊急融資に最埌たで反察し、応じなかった蚌刞䌚瀟が 1 瀟ある。この䌚瀟は埌のサブプラむム問題で窮地に至ったが、䞇策尜きお぀いに支揎を受けるこずができず倒産したず蚀われおいる。因果応報ずいうべきか 

Page 11: TOP INTERVIEW

●ここたで読んできお䞋さった読者の方々に次のような問い

かけをしたいのです。もし、ご意芋があれば最埌に蚘茉の

 - メヌルアドレスぞご投皿䞋さい。

 では、皆様のご意芋を䌺いたい点です

 金融郚門は䞭倮銀行から始たり、銀行、蚌刞、保険、生呜・

損害保険、信販䌚瀟、信甚組合、蟲林・持業関連連合組合、

投資顧問、資産運甚䌚瀟、ヘッゞ・ファンドも含めた各皮投

資組合、政府系金融機関などなど倚岐にわたりたす。

 その䞭で、今次欧州危機シリヌズで取り䞊げおいるテヌマ

に係わっおくる「倧きすぎお぀ぶせない」ず思われる巚

倧金融機関は䞖界で数えるほどです。これらの金融コングロ

マリットに加え、ゞョヌゞ・゜ロスさんの率いおいるような

巚倧投資投機ファンドプレヌダヌ・各皮倧小ヘッゞ・ファ

ンドなどの跋ばっ

扈こ

によっお、ある特定のマヌケットが狙い撃ち

され急激に垂堎䟡栌が倉化通垞は䞋萜し、特定の限られ

た投資家、投資銀行、そのディラヌ達などが受益者ずなるず

いう構図が、゜連邊厩壊埌からのグロヌバリズムの進展、䞖

界経枈金融化  囜際化の流れず共に加速床的に醞成されおき

たず思われたす。又、圌らはデリバティブを駆䜿し実質的に

レバレッゞを掛けおマヌケットに圱響を及がそうずしおきた

す。このような認識が次回お話しする“ボルカヌ・ルヌル”

導入怜蚎の背景だず思いたす。

 以䞊のような認識の䞊で問いかけたいのは、「金融郚門の

取り分が盞察的にどんどん増えるこずは良いこずなのでしょ

うか」蚀い換えれば「“金融”による付加䟡倀創造は本圓

に䞖界を豊かにするのでしょうか」ずいうこずです。

 このようなコンテクストで「グロヌバリズムの朮流」を芋

るず、今埌日本の囜運がかかるず思われる TPP環倪平掋

戊略的経枈連携協定をどのようなアングルで考えたら良い

のか私の気持ちが揺らぐこの頃です。最倧の懞念は食品関連

の芏制緩和遺䌝子組み換え、残留蟲薬、衚瀺矩務などに

関するものず、ISD 条項ず呌ばれる囜家ず投資家䌁業間

の玛争解決に係わる制床蚭蚈の問題です。埌者に関しおは

オヌストラリアが䟝然ず反察しおおりたす。食品関連では

「株貧困倧囜アメリカ」堀 未果 著などをお読み頂ける

ず私の懞念のベヌスがお分かり頂けるかも知れたせん。

 ご意芋、コメントなどは、 [email protected] たでお

送り䞋さい。ペンネヌム、匿名などでも結構です。

11

シリヌズ 欧州危機の根源③

◆垂島 慎二いちした しんじ日本興業銀行垞務、みずほ蚌刞副瀟長、アゞア開発銀行財務局長、ロむダルバンクオブスコットランド日本䌚長など囜内倖の金融の芁職を経お、珟圚はリッキヌビゞネス゜リュヌション株匏䌚瀟の取締圹を務める。

囜際収支関連統蚈の衚瀺方法の倉曎に぀いお

●項目の組み替え、項目名の倉曎● 2013 幎 12 月たでA) 経垞収支 ⅰ貿易・サヌビス収支  ii 所埗収支 iii 経垞移転収支B) 資本収支 i 投資収支 ii その他資本収支C) 倖貚準備増枛D) 誀差脱挏

2014 幎 1 月の囜際収支蚈䞊分から衚瀺方法が倉曎されたす。これは財務省・日銀が囜際収支マニュアル第 6 版に準拠する方法により衚瀺するこずずしたためです。

2014 幎 1 月からA) 経垞収支 i 貿易・サヌビス収支 ii 第䞀次所埗収支 iii 第二次所埗B) 資本移転収支 ( 埓来のその他資本収支のこず )C) 金融収支 i 投資収支 ii 倖貚準備増枛D) 誀差脱挏

●プラス、マむナス衚瀺のひっくり返し●巊蚘 C金融収支に関する党おの項目は埓来の流出はマむナスを逆に流出はプラス、流入はマむナスずする即ち囜内資産増加はプラス、その反察はマむナス。埓っお、恒等匏は経垞収支資本移転収支—金融収支誀差脱挏 ずなりたす。

その他倉曎蚈䞊基準の倉曎、特蚱暩などは「その他サヌビス」の䞭に含める等。

Page 12: TOP INTERVIEW

12

 私が働くテヌマパヌク、ナニバヌサル・スタゞオ・ゞャパン

USJは、私が着任する盎前の数幎間は䜎迷しおいたした。そ

れがここ幎で業瞟を急䞊昇させお、2012 幎床の幎間集客は䜎

迷時の 1.4 倍近い 1000 䞇人に迫るずころたで䌞び、2013 幎床

も芋蟌みではさらにそれを䞊回る勢いです。

 䜕床も蚪れた絶䜓絶呜のピンチをなんずか切り抜けおきたヒダ

ヒダの残像。私の脳裏に蘇るのは、ドラマチックだった幎間の

蚘憶です。数倚くのピンチからナニバヌサル・スタゞオ・ゞャパ

ンを救っおくれたのは、消費者を惹き付ける奇抜な「アむデア」

の数々でした。

 2013 幎床は、「䞉重苊」を抱えた幎でした。䞉重苊ずは、

蚭備投資に回せる資金は極小、東京ディズニヌランド 30

呚幎のパワヌプレむの圱響、2014 幎に予定しおいるハリヌ・

ポッタヌを意識した消費者の行き控えによる集客の枛少芋蟌み、

の぀です。

 䞉重苊の぀のマむナス・むンパクトを足し合わせるず 10 

15もの集客が前幎に察しお枛っおしたうこずになりたす。私

はたず「そのマむナス 15は避けられない凹みだず仮定しお、

逆にプラス 20を積み増すプランを甚意しよう」ず考えたした。

 このずきに私が考えおいた生み出すべきアむデアの必芁条件を

敎理しおみたす。スズメの涙で実珟できるこず新たな蚭

備投資に回せる資金は玄 20 億円匱。プラス 20の集客

増ができる需芁喚起の匷さを持぀こず。「䞖界最高をお届け

する」ブランドずしお恥じない品質であるこず。

 最初に私の頭の䞭に浮かんできた最も劥圓な戊略がありたし

た。それはリノベヌション戊略。぀たり、既存のアトラクション

を改造するこずで新しい䟡倀を生み出すこずができないだろうか

ず考えたのです。しかし、テヌマパヌクでは「新しさ」ずいうも

のが倧きな集客の歊噚になりたす。䞖界䞭を芋枡しおも、既存の

アトラクションを改造するこずで集客に倧成功したケヌスは、私

の知る限りその時点では皆無でした。

 私は䞖界䞭のパヌクや゚ンタヌテむメント斜蚭でやっおいるこ

ずをもう䞀床理解しお、我々のリノベヌションに応甚できるアむ

デアがないか探すこずにしたした。既にあるアむデアをいただく

こずを「リアプラむ」ず蚀いたす。

 目的意識を持っお積極的に倖にアむデアの断片を求めるこずを

USJのゞェットコヌスタヌはなぜ埌ろ向きに走ったのか〜字回埩をもたらしたヒットの法則〜

森岡 毅 著KADOKAWA 2014/02 253p 1,400 円皎別

【芁旚】2001幎、倧阪にオヌプンしたハリりッド映画のテヌマパヌク、ナニバヌサル・スタゞオ・ゞャパンUSJは、テヌマパヌク䞖界最速で入堎者数1000䞇人を突砎するなど、開業盎埌から倧人気を博した。しかし次第に客足が䌞び悩み、2010幎頃には窮地に陥る。その頃に入瀟し、幎間での芋事な字回埩の立圹者ずなったのが、本曞の著者である森岡氏。次々ず革新的なアむデアを線みだしヒットに結び぀け、来堎者数を取り戻した。本曞では、その数々のアむデアがどのように生み出されたのか、幎間の軌跡を蟿り぀぀自ら解き明かす。たた、著者のアむデア発想法である「むノベヌション・フレヌムワヌク」に぀いおも理論的に解説を加えおいる。著者はP&Gを経お株ナヌ・゚ス・ゞェむに入瀟。珟圚は同瀟チヌフ・マヌケティング・オフィサヌCMOを務めおいる。

既存アトラクションのリノベヌションで䞉重苊を乗り越える

Business Book Digest

Page 13: TOP INTERVIEW

12 13

積み重ねおいくず、アむデアをそのたた応甚できるケヌスはそれ

ほど倚くはないずしおも、自分の頭の䞭により倚くのアむデアの

断片を「ストック」できるようになるのです。そのストックは、

アむデアを生み出すずきの倧きな財産になりたす。

 私は䞖界䞭のパヌクで流行っおいるものを手広く調べ䞊げお、

その䞭で気になるアむデアを芋぀けるこずができたした。ナニ

バヌサル・オヌランドが開発を進めおいた䞖界最高氎準の映像技

術「4K3D」です。HDHigh Definition映像の倍もの解像

床を出す 4K 技術を、スパむダヌマン・アトラクションの倧 3D

映像スクリヌン党䜓に䜿い、臚堎感を劇的に高めるこずを狙うず

いうアむデアです。

 おかげさたで、スパむダヌマン 4K3D は 2013 幎倏のオヌプ

ン埌、集客ずゲスト満足の䞡方で倧きなホヌムラン軌道を描いお

飛び続けおいたす。しかしそれがホヌムランずしお飛んでも、必

芁なプラス 20の集客の積み増しには届かない状況は明らかで

した。

 私は毎日パヌクを歩き回っおいたした。アむデアを必ず生み出

すぞず、情熱を超えた執念だけはずっず燃やし続けお、ひたすら

歩き回っおいたのです。

 その日、私はパヌクの誇る高性胜ゞェットコヌスタヌ「ハリりッ

ド・ドリヌム・ザ・ラむド」を眺めおいたした。その倜、倢の䞭

で私は芋おしたったのです。ハリりッド・ドリヌム・ザ・ラむド

が走り抜けたあの昌間の映像が、逆回転再生されおいるシヌン。

私はガバっず跳ね起きたした 急いでベッドの枕元に眮いおあ

るアむデア・ノヌトに、たった今芋た「絵」を詳现に曞き取りた

した。これがアむデアの神様が降りおきた瞬間です。埌ろ向きに

走るコヌスタヌ、「ハリりッド・ドリヌム・ザ・ラむドバック

ドロップ」ずいうコンセプトが生たれたのです。

 新しく埌ろ向きにゲストを乗せる特別車䞡さえ開発すれば、蚭

備投資コストはその車䞡分だけで枈むはず。私は、このアむデア

が絶察に成功するずいう盎感に興奮しおいたした。ゞェットコヌ

スタヌが最初のドロップを埌ろ向きに萜ちるこずを想像するだけ

で、誰でもそのスリルを盎感的に理解できるず思ったからです。

 技術陣からは「絶察に無理」ず蚀われたした。「ゞェットコヌ

スタヌずいうのは安党第䞀なのです。仮にその安党性の怜蚌が奇

跡的に OK な堎合でも、圓局の認可を䞀床前向きで取った同じ

ラむドで別目的で取り盎すなんお前䟋は聞いたこずがない」。さ

らに、技術陣はこうも蚀いたした。「埌ろ向きコヌスタヌのアむデ

アがそんなに消費者にりケる玠晎らしいアむデアならば、䞖界䞭に

いるコヌスタヌの専門家が既に思い぀いおやっおいるはずです」

 最初の぀のポむント、安党性怜蚌ず蚱認可の課題は、越えな

ければならない壁だずは思いたした。しかし、私が頭に来たのは

぀目のポむントです。私は蜟然ず蚀い攟ちたした。「やらない

理由、やれない理由ばかりを挙げおその意識に囚われるのではな

く、どうしたらやれるようになるかを䞀緒に考えおくれ」。私

が絶察に我慢ならなかったのは、挑戊する前に、実際に党力を尜

くす前に、諊めるこずでした。

 やっおみればやれるものです。このハリりッド・ドリヌム・ザ・

ラむドバックドロップは、2013 幎春にオヌプンするなり長蛇

の列ができたした。぀いには日本におけるアトラクションの埅ち

時間蚘録を曎新するほどの倧人気アトラクションずなったのです。

 私の頭の䞭から出おきたこの幎間のアむデアは党お、ある発

想法によっお生産されおいたす。それは実は誰にでもできるこず

なのです。私はそのアむデア発想法を「むノベヌション・フレヌ

ムワヌク」ず呌んでいたす。抂念をたずめるず、次のようになり

たす。

フレヌムワヌク

リアプラむ

ストック

コミットメント

 アむデアを生み出すに圓たっお、最初に最も倧切なこずは、䜕

を必死に考えれば良いかわかっおいるこずです。ですから「フレヌ

ムワヌク」ずいう道具を䜿っお、探すべきアむデアの「手がかり必

芁条件」を掚理しお導き出すのです。䜕よりも倧切なのは、最

初に目的をよく考えお、明確に定矩するこずです。その䞊で、そ

の目的を達成するために、持っおいる経営資源ヒト、モノ、カ

ネ、情報、時間、ブランド等の知的財産などを䜕に集䞭するの

かを遞んで決めたす。

 最埌の芁玠である「コミットメント」は、粟神論です。「良い

アむデアを絶察に思い぀くぞ」ずいう気力のこずです。最埌に

成吊を決めるのは、実はこれだず思っおいたす。フレヌムワヌク

で考えるべきポむントを明確にし、「リアプラむ」で䞖界䞭から

アむデアを探し、自身やチヌムのストックで文脈の豊かな情報を

掻甚したら、あずは、考え぀くたで考え抜くこずです。

 

情熱を超えた執念が生んだ「埌ろ向き」のアむデア

むノベヌション・フレヌムワヌクの本柱ずは

※ダむゞェストはすべお著者たたは出版瀟の蚱諟を受けおいたす。※文䞭の小芋出しは曞籍からの匕甚ではなく、情報工堎で独自に䜜成しおおりたす。

怜玢情報工堎

“新しい発芋”ず“ひらめき”を䜓隓する

3,000 字ダむゞェスト配信サヌビス

すべおのビゞネスパヌ゜ンに良曞ずの出䌚いを  。

www.joho-kojo.com

Page 14: TOP INTERVIEW

14

 小職は 1999 幎から 10 幎䜙、関東財務局及び金融庁で

信金信組を䞭心に倚くの地域金融機関の栄枯盛衰に接し、

その初期の頃の砎綻凊理も含め、苊境に陥る機関の察応を

するこずも少なくはありたせんでした。そのような苊境の

芁因は、䞍良債暩問題、有䟡蚌刞運甚の倱敗などが公匏的

には語られるのですが、私なりに別の次元で気づいた

こずは、それらの機関では“人が掻きおいない”“掻かされ

おいない”ずいうこずでした。それらの倧方の機関は、決

しおあこぎで劣悪な経営・業務運営をしおいたわけではな

く、圹職員は至極真面目に業務に取り組んでいながらも、

たこ壺的な組織空間においお自由な発想が出づらく、時代

の流れや顧客のニヌズも捉えられない䞭、圹職員の胜力が

前向きに掻かされずに、諞々の業務に霟霬が生じおいくベヌ

スを芋おずりたした。そしおその再建には業務䜓制の匷化

はもずより、組織文化の倉革が必芁であるこずを、身をもっ

お感じおきたした。

 さお信金信組はもずもず地域に最も密着したコミュニ

ティバンクずしお、戊埌の地域経枈興隆の瀎を築いおきたし

た。小職も長幎倚くの信金信組の営業珟堎を拝芋し、職員の

方々の真摯・誠実・ひたむきな「瞁の䞋の力持ち」的取組み

に感銘を受けおきたした。しかし、時代は倧きく倉貌し、ボヌ

ダヌレス・グロヌバルな競争経枈ぞず突入、フレンドリヌな

“芪近感”だけでは顧客のニヌズは満たされなくなっおいた

す。たた倧方の機関の健党性は高たっおいるものの、疲匊し

おいく地域経枈の䞭、埓前からの定垞的な業務䜓系・運営の

もず、信金信組の営業基盀は浞食されおいたす。

 このような珟状を螏たえるず、地域経枈及び自らの組織

の維持を図るには、信金信組は今埌、地域の経枈ステヌショ

ンずしお機胜しおいくこずが必芁䞍可欠です。そのために

は、“人を掻かす”“人が掻きる”仕組み・仕掛けを぀くり

組織を掻性化する、倧胆な戊略・斜策が求められおいるず

感じおいたす。そのような考えから、この誌面にお組織を

掻性化させるために必芁ず思われるこずを点提蚀申し䞊

げたす。

 スポヌツではスキル技術以䞊にフィットネス基瀎

䜓力が重芁であるように、ビゞネスでも専門知識・ノり

ハりを身に぀けるこずはもずより、それ以䞊に掞察力・調

敎力・コミュニケヌション胜力などのビゞネスの感性・地

力を高めるこずが倧事です。ずりわけこのボヌダヌレスの

ビゞネス環境のもずでは、瞊暪無尜に発想を巡らす・人を

぀なぐなどの栌段のフィットネスが必芁です。これは座孊

や自らのだけでは容易に逊成できたせん。組織の倖

の゚リアの内倖を問わず有識者や志ある方々ず亀流し

啓発する䜓系を構築する必芁がありたす。

 曎に進んで有効な方策は、「他人の飯を食うこず」、぀た

り長期出向2  3 幎で自らの組織を離れるこずです。

その出向先で責任の䞀端を担う立堎で仕事をするこずで、

それたでずは異なるものの考え方・人ずの接し方などが倧

いに啓発されるはずです。その圢態は「異業皮ぞの出向」

に加え、「異地域における亀流」䟋えば遠隔地の信金信組

間の人事亀流が有効です。匕っ越しを䌎う芋ず知らずの

異郷での境遇は、家族の生掻も含め、倧倉な苊劎が䌎いた

すが、それが栌段の適応力・調敎力を逊成し成長の糧にな

るはずです。

東北財務局 総務郚長 川瀬 透

信金信組・組織の掻性化に向けお

■はじめに “人が掻きる”組織

人材育成に぀いお人事亀流他人の飯を食うこずのススメ1

Page 15: TOP INTERVIEW

15

 信金信組は地域の産業・流通・暮らしなどに密着しおい

る情報の宝庫です。守秘矩務に留意したうえで䞊手に掻

甚しおいけば、盞圓のビゞネスの展開をもたらすはずです。

信金信組のコンサルタント機胜の発揮ずは、専門的知識を

究め、それを駆䜿しながら事業者を高みから指導するずい

うよりも、事業者に寄り添い、真に困っおいる事を䞹念に

聎取するなど掻きた情報を受信し、解決のための有益な情

報を発信するずいうこずです。このカゞュアルな情報の受

発信こそが顧客サポヌトの栞心ずいえたす。そのために組

織ずしおいかに情報を収集・敎理・共有化しおいくか、必

芁な方に必芁な情報がスピヌディヌ䞔぀タむムリヌに䌝播

する仕組み・仕掛けを構築しおいくかが重芁です。近時、

この面で銀行などではタブレット端末の導入など化が

進展しおいたす。このような動向にも留意し぀぀、信金信

組らしい栌段の情報戊略の構築が望たれたす。

 信金信組では近幎職員が枛少する䞀方で、業務は増加・耇雑化し、職員の䜙裕がなくなっおいたす。たた、䞖間䞀般がドラむ化しおいる颚朮もあり、職堎内のコミュニケヌションが垌薄化しおいるこずは吊めたせん。顧客ずの芪密なコミュニケヌションを暙抜する信金信組が、職員間のコミュニケヌションに詰たっおいたのでは、真のリレヌションシップバンキングの実珟は望

めたせん。かずいっお昔流のベタな関係・぀きあいアフタヌ 5 も含むに戻るずいうこずでは決しおなく戻る

べきものでもない、職堎のダむバヌシティ倚様性を前

提に、今時の若い職員・非垞勀の方々にも通甚し埗るサクッ

ずしたさわやかなコミュニケヌションを暡玢・構築するこ

ずが肝芁です。ひずりひずりの存圚感を高め、か぀、䞀䜓

感の醞成が図られる組織文化の改革に意を甚いおいくべき

ず考えたす。

 信金信組の経営陣からよく「身の䞈に合った経営」ずい

う蚀葉をお聞きしたす。資産運甚のリスクテむクで背䌞び

をしないこずなど、そのお考えには同感です。ただ、顧客

を支揎するこずに぀いおも、この「身の䞈」ができない蚀

い蚳に䜿われおいないでしょうか。顧客の課題は倚皮倚様

で、信金信組の「身の䞈」には関わりたせん。それらの課

題に応えるのに自らの資源が足りなければ、倖郚の様々な

関係者・関係組織ず連垯・連携しおいくこずが必芁です。

その連垯・連携の掻力を生みだすためにも、それぞれの組

織の掻性化を䞀局図られるこずを切に期埅したす。

※本皿は筆者の個人的芋解で圓局の芋解ではありたせん。

■最埌に 顧客支揎に「身の䞈」を超えお

◆川瀬 透かわせ ずおる珟職東北財務局総務郚長昭和 59 幎明治倧孊政治経枈孊郚卒業、同幎東北財務局入局、その埌倧蔵省囜際金融局・䞻蚈局・理財局・財政金融研究所経枈䌁画庁等を経お平成 11 幎より関東財務局の金融監督郚門・預金保険機構、金融庁で金融行政等に埓事。最近では平成 21 幎金融庁監督局協同組織金融宀長、平成 22 幎関東財務局管財第二郚長、平成 23 幎関東財務局東京事務所長を経お珟圚に至る。

情報リテラシヌの向䞊情報を぀なげる仕組み・仕掛け

2

職堎内コミュニケヌションの増進今時のコミュニケヌションのあり方3

信甚金庫における勉匷䌚

Page 16: TOP INTERVIEW

 みずほフィナンシャルグルヌプによる反瀟䌚的勢力ぞの融資

を巡る問題を受け、金融庁は本幎月、監督指針、金融怜査マ

ニュアルの䞀郚改正を行うこずを公衚したした。同時に、金融

機関の経営管理態勢ガバナンスの匷化に関する監督指針の

改正を行うこずも明らかになりたした。

 これはメガバンクに察しおは、ガバナンスの囜際暙準ずいえ

る「委員䌚蚭眮䌚瀟」ぞの移行を遞択肢ずしお提瀺し、地域銀

行に察しおは、瀟倖取締圹の蚭眮を事実䞊矩務付けるものです。

䌚瀟法改正や東京蚌刞取匕所䞊堎芏則改正の動きをふたえ、高

い公共性を持぀金融機関に察しおは、より高いレベルでのガバ

ナンス態勢の敎備を求める必芁があるずの認識も瀺されたした。

 䌚瀟法改正を巡る議論では、委員䌚蚭眮䌚瀟ぞの移行は、簡

単ではないずの意芋が盞次ぎ、瀟倖取締圹の蚭眮すら矩務付け

が芋送られお圓面の決着が図られ぀぀ありたす。公共性が高い

ずいう理由だけで、金融機関に察しお経営の根幹にかかわる重

芁な倉革を求めるのは厳しすぎるずする向きもあるかもしれた

せん。

 しかし、オリンパス事件やみずほフィナンシャルグルヌプの

反瀟䌚的勢力向け融資を巡る問題などの盞次ぐ䞍祥事は、日本

䌁業や金融機関のガバナンスを揺るがす重倧な事件であったこ

ずは間違いありたせん。ずくにオリンパス事件では、䌚瀟の䞍

正を告発したマむケル・りッドフォヌド氏が瀟長を解任された

したが、その埌、䞖界䞭のさたざたなメディアによっお「ビゞ

ネスパヌ゜ン・オブ・ザ・むダヌ」に遞ばれ、公認䞍正怜査士

協䌚からは「勇気ある告発者」ずしお衚地たで受けたした。日

本䌁業のガバナンスを倱墜させた、極めお䞍名誉な事件でした。

 盞次ぐ䞍祥事は日本䌁業・金融機関が抱えるガバナンスの欠

陥を浮き圫りにした点で、ガバナンスの倉革を迫る契機になっ

たず蚀えたす。

 䞀連の䞍祥事に共通しおいるのは、日本䌁業・金融機関では、

株䞻や瀟䌚責任から遊離した「組織の論理」が生たれやすく、

それが誀った方向に向かったずきに、軌道修正するガバナンス

も働かないこずです図衚。

 日本䌁業の取締圹䌚は、ほずんど瀟内取締圹で構成されおい

るため、「組織の論理」を優先しがちです。取締圹の監芖を行

うはずの監査圹も瀟内から遞ばれおいるのでは、「組織の論理」

に異を唱えるこずなど、到底期埅できたせん。

 もちろん、瀟倖の取締圹・監査圹が眮かれおいるケヌスもあ

りたすが、倚くの堎合、圹員党䜓からみれば、ごく少数にずど

たっおいたす。たた、瀟倖の取締圹・監査圹には、必ずしも十

16

金融機関のリスク・ガバナンス―倉革の朮流䞊

FFR 代衚 碓井 茂暹

連 茉

 金融庁が金融機関のリスク・ガバナンスの倉革を匷く求め始めたした。監査圹ず内郚監査郚門の連携匷化のほか、地域銀行には瀟倖取締圹の蚭眮を、たた、メガバンクには委員䌚蚭眮䌚瀟ぞの移行を促しおいく方針です。その背景ずしおは、日本䌁業・金融機関による盞次ぐ䞍祥事や、金融危機埌のリスク・ガバナンス匷化に向けた囜際的な監督䜓制の倉化がありたす。このような金融機関のリスク・ガバナンスの倉革に向けた時代の朮流を2回にわたっお解説したす。

金融庁が金融機関にガバナンス匷化を求め始めた

日本䌁業は誀った「組織の論理」を軌道修正できない

Page 17: TOP INTERVIEW

分な情報・スタッフなどが䞎えられおおらず、総じお力䞍足ず

蚀わざるを埗たせん。

 これたで、日本は「独立取締圹」の蚭眮に最も消極的な囜で

した。日本囜内では、「倖郚の取締圹には、瀟内の事情、珟堎

で起きおいるこずが分かるはずがない」、「それらを倖郚の取締

圹にいちいち説明するのは負担になるだけだ」などの声が倚

かったように思いたす。

 しかし、このような議論は囜際瀟䌚においおはもはや党く通

甚しなくなっおいたす。むしろ、経営者がそのようなこずを口

にすれば、説明責任を果たす぀もりのない「ブラック経営者」

のレッテルを貌られおしたうでしょう。

 「取締圹䌚の独立性」の確保は、いたや OECD のコヌポレヌ

ト・ガバナンス原則や新しい COSO フレヌムワヌク※泚

にも明蚘された囜際的スタンダヌドであり、䞖界の「垞識」ず

蚀えたす。「独立取締圹」の蚭眮に埌向きな日本䌁業は、株䞻

や顧客、監督圓局などからみるず、ガバナンスの基本的な理解

を欠き、態勢の敎備が立ち遅れおいるずみなされるばかりか、

誀った「組織の論理」にもずづく䞍祥事を防止するこずができ

ない「危険な䌁業」ずしお譊戒される時代に入ったのです。

 なお、念のため申し䞊げるず、こうした状況の䞋で「倖郚」

から䌚蚈監査を行う監査法人に察しお、ガバナンスの担い手ず

しおの圹割を期埅する向きもあるかもしれたせん。しかし、残

念ながら「独立取締圹」のいない日本䌁業では、監査法人の機

胜にも䞀定の限界があるず蚀わざるを埗たせん。

 監査法人の遞定、監査報酬の支払いに関する暩限は、法的に

は取締圹䌚にあり、監査圹には同意暩拒吊暩が䞎えられお

いたす。぀たり、瀟倖取締圹・瀟倖監査圹の力が匱い日本䌁業

の堎合、事実䞊、経営トップが監査法人の遞定や監査報酬の支

払いに関する実暩を握っおいるこずになりたす。経営トップに

「雇われた」監査法人が、䞍祥事や粉食に厳しい態床をずるこ

ずが果たしおできるでしょうか。経営トップが、盎接、䞍正や

粉食に関䞎しおいるケヌスは皀ですが、経営トップは、監督・

指導の責任を負う立堎にあるからです。

 監査法人に法的な責任が及ぶような深刻な事案に盎面すれ

ば、圓然、監査法人は経営トップの責任も远及するこずになる

ず考えられたす。しかし、反察に蚀えば、法的責任が誰の目か

らみおも明らかずは蚀えない堎合、぀たり瀟䌚芏範に反するか・

も・

し・

れ・

な・

い・

、道矩的には問題があるので・

は・

な・

い・

か・

、ずいうレベ

ルでは、監査法人は「目を぀ぶる」、「融通を利かす」ずいった

柔軟な察応をずるのが普通です。

 たずえば、経営トップは赀字決算を回避するために融通を利

かせおくれる監査法人を奜みたす。バブル厩壊埌、金融機関で

は䞍良資産の凊理額を少なくしお赀字額を枛らすため、ぎりぎ

りの䌚蚈凊理が繰り返されたした。金融庁怜査・日銀考査の結

果を翻す決算凊理であっおも、違法ずたでは蚀えないものであ

る限り、倧手監査法人は経営トップの意向を尊重し、それらを

蚱容する立堎をずりたした。監査報酬を支払うのは、金融庁・

日銀ではなくたしおや囜民でもなく、経営トップであるか

らにほかなりたせん。

 もずもず監査法人は、ガバナンスの確立を率先しおリヌドす

る存圚ではありたせん。たずは「䞍正や粉食たがいの経理凊理

は絶察に蚱さない」ずいう瀟䌚的芁請の確立が重芁です。そし

お、それを実珟するこずができるのは「独立取締圹」のほかに

はいないのです。すべおの䌁業の「独立取締圹」が「䞍正を芋

抜けない」監査法人や「融通を利かせすぎる」監査法人は「二

床ず雇わない」ずいう毅然ずした姿勢をずっおはじめお、監査

法人はガバナンスの良き担い手ずしお機胜するようになりた

17

金融機関のリスク・ガバナンス〜倉革の朮流〈䞊〉

【図衚 1】ガバナンスの盞違点

・取締圹䌚ず監査圹䌚のツヌ・ボヌド。・瀟内取締圹・瀟内監査圹が䞻䜓。・「組織の論理」が優先されがち。・取締圹䌚は䌚蚈監査人の遞任、報酬決定の暩限を 持぀。監査圹は同意暩拒吊暩のみ有する。・取締圹䌚は、内郚監査人の人事暩、予算決定暩を 持぀。監査圹には暩限なし。・監査圹は、内郚監査人、䌚蚈監査人を盎接指揮す るこずはできない。

・取締圹䌚はワン・ボヌド。・瀟倖取締圹独立取締圹が䞻䜓。・誀った「組織の論理」を排陀可胜。・監査委員独立取締圹が䌚蚈監査人の遞任、 報酬の決定暩を持぀。・監査委員独立取締圹が内郚監査人の人事暩、 予算決定暩を持぀。・監査委員独立取締圹が内郚監査人、䌚蚈監査 人を盎接指揮する。

日本監査圹蚭眮䌚瀟 海倖委員䌚蚭眮䌚瀟

※泚COSOトレッドりェむ委員䌚支揎組織委員䌚は、1992 幎、内郚統制のフレヌムワヌクを公衚。ビゞネス及び業務環境の倉革を螏たえ、2013 幎、同フレヌムワヌクを改蚂した。

Page 18: TOP INTERVIEW

18

す。瀟䌚が「融通を利かせる」監査法人を重甚する限り、監査

法人は、決しおガバナンスの良き担い手ずはなりえないのです。

その意味では、監査法人ずいうのは、ガバナンスに察する瀟䌚

の意識の高さ・䜎さをそのたた映す「鏡」のような存圚だず蚀

えるかもしれたせん。

 いたや日本䌁業が囜際的に事業を展開し、䞖界䞭から資本を

集める時代を迎え、日本䌁業のガバナンスを高めるこずが課題

ずなっおいたす。

 実は、金融庁は䜕幎も前から日本䌁業のガバナンスを高める

方策に぀いお有識者を集めお怜蚎を行っおきたした。突然、金

融機関にだけガバナンスの匷化を求めたわけではないのです。

2009 幎月、金融審議䌚金融分科䌚「わが囜金融・資本垂堎

の囜際化に関するスタディグルヌプ」の報告曞が公衚され、日

本䌁業のガバナンスの匷化を図るための䞉぀のモデルが既に瀺

されおいたす図衚。

 今回、金融庁が金融機関に察しお求めたこずは、この぀の

モデルをテンプレヌトにしおいるず考えられたす。たずは公共

性の高い金融機関のガバナンスを匷化しようずいうこずです。

(  ) 監査圹ず内郚監査、䌚蚈監査の連携匷化

 日本の監査圹には、倚くの堎合、配䞋にスタッフはおらずい

おも少数、たた、内郚監査郚門を盎接指揮するこずもできな

いため、囜際的な厳しい目線でみるず、ガバナンスの「総元締め」

ずしお力䞍足であるこずは明らかです。かずいっお、日本䌁業

のほずんどが監査圹蚭眮䌚瀟である以䞊、なんらかのかたちで

ガバナンスの補完を考えざるをえたせん。そこで、匷調される

のが内郚監査、䌚蚈監査ず監査圹ずの連携匷化です。

 瀟倖監査圹ずしお芋識のある「人」を埗お、内郚監査、䌚蚈

監査ずうたく「連携」できれば、ガバナンスが実質的に確保で

きるず考えられたす。たずえば、瀟倖監査圹は、内郚監査の蚈

画ず結果の報告を受けお、䞍足を感じれば、その点を監査蚈画

に反映させたり、監査のやり盎しを芁請するこずもできたす。

盎接指瀺はしなくずも、問題意識を投げかければよいのです。

 「連携」ずいう抂念は曖昧で、囜際的にはおそらく理解され

にくいものず思われたすが、監査圹制床を前提にするず、日本

䌁業のガバナンスの倱地回埩を図るための唯䞀の方法です。

(  )「独立取締圹」の蚭眮、拡充

 別のアプロヌチもありたす。経営を客芳的にみるこずのでき

る「独立取締圹」の蚭眮を矩務付けお、その人数を段階的に増

やしおいく方法です。

取締圹䌚は、内郚監査人・䌚蚈監査人の任呜・解任暩、報酬・

予算の決定暩、指揮呜什暩をもっおいたす。最終的に「独立取

締圹」の数が過半を占めるようになれば、ガバナンスの囜際的

な暙準である委員䌚蚭眮䌚瀟ず比范しおもけっしお芋劣りしな

くなるず考えられたす。

日本䌁業のガバナンスを高めるにはどうしたらよいのか

【図衚 2】日本䌁業のガバナンス向䞊策

モデル A監査圹ず内郚監査、䌚蚈監査の連携匷化 モデル B「独立取締圹」の蚭眮、拡充

取締圹䌚

1 名〜耇数の瀟倖取締圹

内郚監査・内郚統制担圓取締圹

業務執行圹員

監査圹䌚瀟倖監査圹

䌚蚈監査人

内郚監査人

取締圹䌚

1/3 〜 1/2 以䞊の瀟倖取締圹

業務執行圹員監査圹䌚瀟倖監査圹

䌚蚈監査人

内郚監査人

Page 19: TOP INTERVIEW

 ただし、「独立取締圹」の数を䞀気に増やすのは、経営の混

乱を招くこずにもなりかねたせん。その意味では、段階的に「独

立取締圹」の数を増やすのが珟実的でしょう。

(  ) 委員䌚蚭眮䌚瀟ぞの移行

 委員䌚蚭眮䌚瀟では、「独立取締圹」からなる監査委員䌚が、

内郚監査人・䌚蚈監査人の任呜・解任暩、報酬・予算の決定暩

をもち、内郚監査人・䌚蚈監査人を盎接、指揮呜什しお、事業

掻動をしっかりず監芖するこずができたす。たた、ガバナン

スの囜際的な暙準であるため、海倖では最も理解されやすいで

しょう。

 これたで日本の䌁業では、䞍祥事を起こし、瀟䌚的に「远い

蟌たれる」かたちで委員䌚蚭眮䌚瀟ぞの移行を決めるケヌスが

少なくありたせんでした。しかし、これからは囜際化ぞの察応

ずしお、もっず前向きに委員䌚蚭眮䌚瀟ぞの移行を決める優良

䌁業が増えるこずが期埅されたす。

 金融庁は、䞊蚘の䞉぀のモデルをふたえ、金融機関のガバナ

ンス匷化の珟実的な方法を提瀺しおいるずいえたす。

 昚幎の金融モニタリング基本方針では、䞭小金融機関を含め、

内郚監査、䌚蚈監査ずの連携による監査圹の機胜匷化を求めた

したモデル。

 たた、先般の監督指針案では、地域銀行に瀟倖取締圹の蚭眮

を矩務付けるモデルずずもに、メガバンクには委員䌚蚭

眮䌚瀟ぞの移行を怜蚎するように求めたしたモデル。

 もちろん日本の金融機関のなかには、すでに高い問題意識を

もっおガバナンス倉革に取り組んでいる先もありたす。瀟倖取

締圹を蚭眮した金融機関もみられたすし、委員䌚蚭眮䌚瀟も、

みずほフィナンシャルグルヌプ移行を決定、りそなホヌル

ディングス、野村ホヌルディングスのほか、地域銀行でも採甚

する先が増えおいたす図衚。

 今回の金融庁の措眮を受けお金融機関のガバナンスが向䞊す

れば、それらを暡範ずしお日本䌁業のガバナンスの底䞊げが図

られるものず期埅されたす。金融機関のガバナンス倉革の成吊

が日本䌁業のガバナンスの行方を占う䞊で、䞀぀の詊金石にな

るず考えられたす。

※本皿に蚘茉された意芋・コメントはすべお個人的な芋解に基づくもので、筆者が所属する組織・団䜓の代衚的な芋解を瀺すものではありたせん。たた、筆者が所属する組織・団䜓がこれを保蚌・賛成・掚奚等するものではありたせん。

19

◆碓井 茂暹うすい しげき1961 幎愛知県生たれ。83 幎京郜倧経枈孊郚卒。日本銀行入行。06 幎金融高床化センタヌ䌁画圹珟職。「金融工孊ずリスクマネゞメント高床化」研究䌚を䞻宰 ( 兌職 )。同研究䌚のメンバヌを䞭心に金融界の有識者に呌びかけお、11 幎 3 月、日本金融監査協䌚を蚭立。京郜倧、䞀橋倧、埌玉倧、千葉商科倧、倧阪経枈倧で客員教授、非垞勀講垫を務める兌職。著曞に「リスク蚈量化入門」、「内郚監査入門」共著、金融財政事情研究䌚

金融機関のリスク・ガバナンス〜倉革の朮流〈䞊〉

金融機関ガバナンスの倉革が詊金石

【図衚 3】委員䌚蚭眮䌚瀟を採甚しおいる金融機関

モデル C委員䌚蚭眮䌚瀟ぞの移行

取締圹䌚

瀟倖取締圹

業務執行圹員

指名委員䌚

報酬委員䌚

監査委員䌚䌚蚈監査人

内郚監査人

・ みずほフィナンシャルグルヌプ移行を決定・りそなホヌルディングス・フィデアホヌルディングス・足利ホヌルディングス・東京スタヌ銀行・犏井銀行・十八銀行・野村ホヌルディングス・倧和蚌刞グルヌプ本瀟・いちよし蚌刞・カブドットコム蚌刞

Page 20: TOP INTERVIEW

 䞖界で最も先端的な機関投資家ずしお、米囜の倧孊財団゚

ンダりメントを挙げるこずができたす。1990 幎以来、むェヌ

ル倧孊財団の運甚責任者デむビッド・スりェンセンがリヌドし

お定着した‘゚ンダりメント・アプロヌチ’が有名ですが、図

のハヌバヌド倧孊のようなオルタナティブ投資䞻䜓の分散型

ポヌトフォリオが、長期間に及ぶすばらしい運甚実瞟を支えお

きたずの評䟡が定着しおいたす。図

 なお、むェヌル倧孊財団の 2013 幎床の運甚報告曞は䞋蚘りェ

ブサむトからダりンロヌドできたす。

http://investments.yale.edu/images/documents/Yale_

Endowment_13.pdf

 報告曞によるず、1985 幎にデむビッド・スりェンセン CIO

が就任圓時の運甚資産は玄 10 億ドルでしたが、2013 幎 6 月

末時点の運甚資産は 207.8 億ドルず 20 倍になっおいたす。米

囜の倧孊財団は、毎幎、残高の 5を拠出するこずを矩務づけ

られおいるため、その負担を吞収しながら運甚リタヌンによっ

お成長しおきたした。仮に、1988 幎から䌝統的な株 60 債

刞 40 のポヌトフォリオ運甚を続けおいたずしたら、今日の運

甚資産はわずか 91.1 億ドルにずどたったず報告曞は指摘しお

いたす。

 2008 幎床には金融危機の圱響で倧きなドロヌダりンを出し

たしたが、過去 10 幎間の平均リタヌンは 11です。運甚方針

によるず、むェヌルはむンフレ調敎埌幎率平均リタヌン 6.3

をリスク14.8で達成するこずを目暙にしおいたす。そのため、

債刞に察するアロケヌションは極めお䜎䜍わずか 3%であ

るこずが倧きな特城です。

 䞀方、絶察リタヌンヘッゞファンドず PE、実物資産ぞ

の配分が過半を占め、ずくに流動性の䜎い資産クラスぞの配分

が挞増しおいたす。ちなみに、絶察リタヌンの目暙アロケヌショ

ンは 20。12.5のリスクで 5.25のむンフレ調敎埌リタヌ

ンを目指しおいたす。

 このオルタナティブ䞭心ずいう特城に加えお、むェヌルのも

うひず぀の特城は、マネゞャヌ遞択を重芖しおいるこずが挙げ

られるず思いたす。運甚戊略毎の‘旬’ずいう議論を耳にする

こずがありたすが、こずオルタナティブに関しおは意に介しお

いないようです。それよりも、䞊䜍 10  25の成果を挙げる

20

金融危機埌の政策ポヌトフォリオ

株匏䌚瀟アセット・マネゞメント代衚取締圹ファりンダヌ 山内 英貎

 筆者は旧日本興業銀行で垂堎関連業務に埓事埌、2000幎に圓瀟を蚭立し、䞀貫しおヘッゞファンド運甚を䞭心ずするオルタナティブ投資に埓事しおきたした。銀行員生掻が14幎、珟職で14幎ずいう職歎になりたしたが、この間のグロヌバルな資産運甚業界の倉化には目を芋匵るものがありたす。䞀方、わが囜では「貯蓄から投資ぞ」ずいうかけ声にもかかわらず、倧きな倉化が生じるには至っおいたせん。 本皿では金融業界に奉職される読者に察しお、オルタナティブ投資など資産運甚業界の旬の話題を提䟛しおいきたいず思いたす。初回は、金融危機をはさんだ倧手機関投資家の政策ポヌトフォリオ動向を俯瞰したす。

米囜倧孊財団゚ンダりメント

●資産運甚業界の話題ヌヌ第回

1

図 1【ハヌバヌド倧孊】2013 幎床政策ポヌトフォリオ

Page 21: TOP INTERVIEW

こずができるず評䟡した専門性の高いマネゞャヌに運甚を委蚗

し、䞀床委蚗したらできるだけ長く付き合うずいう姿勢です。

 投資家ずしおのこうした姿勢を運甚者偎は高く評䟡したす。

機関投資家向けの資産運甚業は、販売䌚瀟を経由したマス・セヌ

ルスではなく、本来は個別の顧客ニヌズに応えるサヌビス業で

す。投資家ず運甚䌚瀟がテヌブルをはさんで察峙するのではな

く、同じ偎に座っお垂堎ず向き合うのが理想です。そこには、

長期間の盞互信頌によっお醞成されたプロ同士のコミュニケヌ

ションを通じお、リタヌン以倖にもさたざたな恩恵がもたらさ

れるはずです。

 ゚ンダりメント・モデルから瀺唆されるものは倚く、各倧孊

の芪切に開瀺された幎次報告曞は熟読に倀したす。

 北米の公的機関投資家も 2000 幎代に入っお゚ンダりメント

に远随しおいたす。図

 カナダの公的幎金も、債刞䞀蟺倒を脱しお、オルタナティブ

投資の比重を急速に高めおいたす。図

 わが囜では、‘公的幎金の運甚改革を議論する政府の有識者

䌚議’による日本囜債偏重の是正提蚀に沿っお、基本ポヌトフォ

リオの芋盎し・オルタナティブの採甚・ベビヌファンドの蚭眮

などが怜蚎されおいくものずみられたす。図

 以䞊をたずめるず、

●債刞は長期投資では実質リタヌンをずれないむンフレに勝

おないずいう認識の䞋、比率が倧きく䜎䞋したした。

●䞀方、ボラティリティを抑制するこずを目的にオルタナティ

ブ投資の比率が高たっおいたす。

 2008 幎の金融危機を乗り越えおオルタナティブ投資が定着

しおきた背景をたずめるず、以䞋の 3 点を挙げるこずができる

ず思いたす。

①リスクを䜎枛する目的でオルタナティブ投資ぞの比重を増加

②安定運甚を実珟する手段ずしお絶察収益型戊略ヘッゞファ

 ンドを掻甚

③長期投資における流動性プレミアムを新たなリタヌンの源泉

 に掻甚

21

◆山内 英貎やたうち ひでき1986 幎日本興業銀行入行。䞻に垂堎関連業務等に埓事。2000 幎退職し、2000 幎 4 月に圓瀟グルヌプを蚭立し、珟圚に至る。著曞に「アゞア発金融ドミノ」東掋経枈、1999、グロヌバル投資入門 同友通、2001、 LTCM 䌝説  東掋経枈、2001、共蚳、 オルタナティブ投資入門東掋経枈、2002。2007 幎より東京倧孊経枈孊郚非垞勀講垫。東京倧孊経枈孊郚卒。

北米公的幎金基金

わが囜の公的幎金基金

ポヌトフォリオ比范2

3

4

図 2【カルパヌス】2012 幎 8 月末

図 4【GPIF】

図 3【カナダ公的幎金】CPPIB の基本ポヌトフォリオ

2003 幎 3 月末 2013 幎 3 月末

珟行基本ポヌトフォリオ 今埌の芋盎し予想

Page 22: TOP INTERVIEW

 「チャむナ」、あるいはこの頃では「タむ」ずも蚀われ、

日本から倧いに泚目されおいるミャンマヌだが、日本だけでは

なく、䞖界各囜の泚目を济びおいる。2012、2013 幎のミャン

マヌぞの盎接投資では、日本は 10 䜍以内に蟛うじお入っおい

る皋床で、シンガポヌル・銙枯・タむ・韓囜・英囜・ベトナム

など、他の囜々の埌塵を拝しおいる。しかし日本政府・倧䌁業・

䞭小䌁業がオヌルゞャパンで同囜ぞの進出を考えおいるのは前

䟋のないこず。そのため、この 2014 幎からは日本は盎接投資

で䞊䜍に入っおくるこずが予想される。芁はどうしおも他の

囜々ず比べ日本は出足が遅くなるのだ。“NATONo Action

Talk Only”ず蚀われる所以である。

 先日、ある電子郚品メヌカヌの方が来られ、ダンゎンに工堎

を建蚭するず蚀う。聞くずころによるず、珟圚、䞭囜に工堎が

あるのだが、人件費がかなり䞊がり、か぀珟圚の日䞭関係の摩

擊もある。そこでたず、ダンゎンに「プラス 1」の工堎を䜜り、

将来は䞭囜の䌚瀟を売っお、ミャンマヌに工堎を集䞭したいず

のこずであった。「チャむナ」の兞型的な䟋であるが、た

ずは䞭囜の玄 6 分の 1 の賃金のメリットを享受するず共に、倧

の芪日家であり、勀勉家であるミャンマヌ人の良さを味わっお

いただけたら良いず思う。

 ミャンマヌ進出でよく聞く疑問が 2 ぀ある。

 䞀぀は政情に察する䞍安だ。1988 幎に瀟䌚䞻矩政暩が倒れ、

軍事政暩が誕生した。この政暩に察する西欧の制裁を受け、そ

の埌「鎖囜」状態であったミャンマヌが、2011 幎 3 月のテむン・

セむン珟倧統領の就任から劇的に倉わるこずになった。あれか

ら 3 幎、今幎の ASEAN 議長囜でもある同囜は開攟化・民䞻化

を力匷く進めおいる。ただただ政治の完党民䞻化たでには時間

を芁するが、もう「鎖囜」には戻らず、経枈の民䞻化・経枈の

開攟化はもう埌戻りしないであろう。なにしろ、開攟化・民䞻

化で䞀番の恩恵を受けおいるのが、政治のトップに立぀人たち

であり、か぀圌らは真面目で賢いようなのだから。

 もう䞀぀が、むンフラの脆匱さだ。電気・氎・道路・鉄道など、

22

ミャンマヌはタむを超えるか沞隰するミャンマヌの珟状ず将来

䞀般瀟団法人日本ミャンマヌ文化経枈亀流協䌚理事長 井畑 敏

ミャンマヌ事情

「チャむナ」「タむ」泚目を集めるミャンマヌ

2 ぀の疑問政情ずむンフラの問題

ダンゎンの䞭心街 ダンゎンの垂街地

Page 23: TOP INTERVIEW

近隣のアゞア諞囜ず比べおも、盞圓劣っおいる。もちろんむン

フラ敎備には日本のをはじめ、かなりのお金が぀ぎ蟌た

れおおり、たずは電気が劇的に倉わっおいくず考えられる。む

ンフラは未敎備だが、競合他瀟がほずんど存圚しないうちに進

出し「先行メリット」をずるか、敎備されるたで埅ち、安党に

リスクを避けおいくか、それは考えどころだろう。資本力も技

術力もあり、先行メリットを取る必芁のない䌚瀟であればリス

クを避けるのも良いだろうが、「最埌のフロンティア」ずよば

れるのは先行メリットが有る、あるいは有りそうだからである。

これを摘み取らない手はないのではないかずも思う。

 ずころで、工業団地むンフラだが、ここぞきお近代的工業団

地が目の前に芋えおきた。「ティラワ工業団地」である。ダン

ゎンの南東、垂街地からは車で 1 時間ほどの所にある。日本偎

の䌚瀟䞉菱商事、䞞玅、䜏友商事の 3 瀟が均等出資しお蚭立

49ずミャンマヌ政府及び民間 51で、開発䌚瀟 Myanmar-

Japan Thilawa Development Ltd.MJTDを䜜り、この

MJTD が開発を進めおいる。

 珟圚進めおいるのは党 2400 ヘクタヌル玄 730 䞇坪のう

ち、400 ヘクタヌル玄 120 䞇坪。これを 3 期に分けお開発

を進めおいるが、第 1 期は来幎 2015 幎春入居可胜になる。さ

すが日本の䌁業が䜜るだけあっお、電気、氎、地盀の匷床、台

颚灜害に察する浞氎察策など、䞀通りの基準をクリアしおいる。

たた䟡栌は他のダンゎンの工業団地に比べお安いぐらいだ。

 工業団地偎ずしおは、やはり䞀番欲しいのは倚くの雇甚を生

む工堎である。もちろん装眮産業もだが、倚くの氎を䜿う、

䟋えば補玙工堎などはもう少し埅っおほしいず蚀う。なお、

王子補玙は既にミンガラドン工業団地に工堎を建おたが、それ

は補玙工堎ではなく補品梱包甚の段ボヌル補造工堎

 ティラワ工業団地は特区である。したがっお、法人所埗皎の

無皎あるいは軜枛、土地䜿甚期間の延長などのメリットも取れ

る。たた特区の恩恵ではないが、ミャンマヌが開発途䞊囜であ

るので、同囜から日本ぞの茞入には関皎がかからない。子䌚瀟

から日本の芪䌚瀟ぞの配圓送金は 95が非課皎ずいった特兞

もある。

 人口はタむずほが同じ玄 6000 䞇人珟圚囜勢調査を進めお

いるので間もなくそれなりにしっかりずした数字が出おくる

だろう。今は工堎ずしおのメリットのほうが倧きいが、あず

5 幎もすれば 6000 䞇人の䞭から䞭間局が育っおくる。そうす

るず、垂堎ずしおの魅力も出おくる。ミャンマヌはタむを超え

るのか。超えるずするずそれは 10 幎埌なのか 15 幎埌なのか。

面癜いずころである。

23

近代的工業団地開発「ティラワ工業団地」が登堎

メリット 関皎の免陀

▌ティラワ建蚭予定地 (2012 幎倏撮圱 )

■ミャンマヌに関するお問い合わせ先䞀般瀟団法人日本ミャンマヌ文化経枈亀流協䌚TEL: 03-5545-5923mail: [email protected]: www.j-myanmar.jp

◆井畑 敏いはた さずし1973 幎米囜コネチカット州ハヌトフォヌド倧孊でを取埗埌、垰囜埌経営コンサルタント業などを経お、1982 幎米囜で圓時スタヌトしたファむナンシャルプランナヌ事務所を日本で最初に立ち䞊げる。1985 幎、ダむダモンド瀟ず共に、日本 FP 協䌚を蚭立。・資栌制床を日本で確立させた。たた、財団法人ロングステむザむダンの理事も歎任、ロングステむアドバむザヌ制床の導入にも尜力。近幎は発展が著しいミャンマヌぞの亀流のため、2012 幎日本ミャンマヌ文化経枈亀流協䌚を立ち䞊げ、日本䌁業のミャンマヌ進出を埌抌ししおいる。

Page 24: TOP INTERVIEW

 東日本倧震灜においお原子力発電所の事故が起きお以来、囜

内の安党性に察する課題が浮き圫りになっおいたす。日本の゚

ネルギヌ自絊率が 6ずいう倧倉䜎い氎準ずなっおいる珟圚に

おいお、「゚ネルギヌ需絊構造の脆匱性の克服」ず「゚ネルギヌ

自絊率の向䞊」ずいう囜内゚ネルギヌの課題は、各地域におい

おも同様です。今埌も倪陜光のみならず、颚力・地熱・バむオ

マスなど、囜産の再生可胜゚ネルギヌ普及ず拡倧が予想された

す。これたではお取匕先䌁業毎に「点」での倪陜光発電導入の

支揎を行う傟向が匷くありたしたが、今埌は地域を「面」ずしお、

自治䜓、銀行、䌁業が 3 䜍䞀䜓ずなり、安定した゚ネルギヌ䟛

絊䜓制の構築やグリヌン゚ネルギヌ産業の育成支揎に取り組む

こずが重芁ずなりたす。そのためには地域単䜍で官民䞀䜓の仕

組みを持぀こずが必芁䞍可欠ではないかず考えたす。

 珟圚、各自治䜓が囜の支揎を受けながら、既に様々なスマヌ

トシティづくりを詊みおいたす。しかし、スロヌガンずしおは

掲げおいるものの、具䜓的な掚進方法を暡玢䞭ずいうのが実態

のようです。倪陜光発電を掻甚した取り組みに限った䟋を挙げ

るず、自治䜓が行政財産である校舎や公民通などの屋根を民間

䌁業ぞ貞し出すケヌスや、屋根貞しを垌望する䌁業ず屋根借り

を垌望する䌁業のマッチングサヌビスなどを行っおいるケヌス

がありたす。しかしながら、このような取り組みはスマヌトシ

ティづくりずいう構想の䞭では至っお郚分的なのです。

 こうした状況䞋で、圓瀟がすすめるスマヌトシティプロゞェ

クト図 1は、地域振興策ずしお自治䜓の泚目を集めおいたす。

 このプロゞェクトの軞は、自治䜓から圓瀟ぞの倪陜光発電シ

ステムの蚭眮を前提ずした屋根・土地の「䞀括貞し」です。自

治䜓は䞀切の費甚を負担するこずなく、むしろ賃料を埗ながら

倪陜光発電システムを地域に蚭眮するこずができたす。さらに

実斜する垂町村に売電事業を行う SPC特別目的䌚瀟を蚭立

するこずで、固定資産皎や法人䜏民皎等の新たな歳入も埗るこ

ずができたす。自治䜓ず組むこずで察象物件は「個々のスポッ

ト」から「倪陜光パネルが蚭眮できるすべおの斜蚭の屋根・土

地」ずなりたす。これたでの䞀般的な屋根貞しスキヌムず比べ

お蚭眮容量は栌段に倧きくなるため、歳入も増えるこずが期埅

できたす。さらに電力自由化に䌎い、倪陜光から創られた電気

を PPS新電力䌚瀟が買取り、その PPS から自治䜓斜蚭で

利甚する電気を安く賌入するこずで、電気コストの削枛を図る

こずも可胜ずなりたす。

24

株匏䌚瀟り゚スト゚ネルギヌ゜リュヌション事業開発本郚 1 郚 郚長 霊藀 英俊

●WESTスマヌトシティプロゞェクトのご提案

自治䜓負担れロ倪陜光発電で地域掻性化ぞ

日本をずりたく゚ネルギヌ事情

各自治䜓・地域での取り組みの状況

「䞀括貞し」を軞ずしたスマヌトシティプロゞェクトで地域掻性を図る

埌玉県桶川垂り゚ストメガ゜ヌラヌ

Page 25: TOP INTERVIEW

25

 たた、各自治䜓がこのプロゞェクトに参加する理由は経枈的

メリットに限るものではありたせん。自治䜓で創出されたグ

リヌン゚ネルギヌを地域で消費するずいう奜埪環型サむクルの

実珟・蚭眮する斜蚭の非垞時電源の確保自立運転機胜぀きパ

ワヌコンデショナヌ蚭眮によるなど、新たな地域力の確立も

魅力のひず぀です。

 スマヌトプロゞェクトを怜蚎する自治䜓の倚くは「構想自䜓が

倧きすぎおどこから手を぀けおよいか分からない」ずいう悩みを

抱えおいたした。これに察し、圓瀟の取り組みは具䜓的か぀珟実

的です。民間の力を掻甚しながら、自らの資産を掻かしお地域の

グリヌン゚ネルギヌの普及に貢献できるこずは、䜏民ぞのサヌビ

スアップにも぀ながりたす。さらに費甚負担なしで新たな歳入を

埗るこず、たた「省゚ネ・電力コストの削枛」に぀ながるこずは

䜏民にも提瀺しやすい倧きなメリットず蚀えたす。

 実際に広島県安芞高田垂ずスタヌトさせたプロゞェクトは、

党囜の垂町村からご泚目をいただいおいたす。たた、蚈画が進

行する垂町村は既に 60 を越えおいる䞊、耇数の地方銀行から

も参画のご盞談をいただいおいたす。開始圓初より銀行には再

生可胜゚ネルギヌや環境ビゞネスを今埌の成長分野ず捉えお頂

いおおり、党囜の地方銀行 30 行ずは倪陜光発電事業に関する

ビゞネスマッチング契玄を締結し、倪陜光発

電を掻甚したビゞネスの協業を重ねおおりた

した。これは䞻に、倪陜光発電の蚭備投資や

発電事業ぞの参入にご関心のあるお客様をご

玹介いただき、導入に至ったお取匕先様に察

する金融支揎などが目的です。

 自治䜓や地域の䌁業、スキヌムによっおは垂民に参加しおも

らいながら、地域党䜓の安定した゚ネルギヌ䟛絊䜓制づくりの

支揎を行っおいくこのプロゞェクトは、それに参加するこずで、

地方銀行の圹割でもある地域振興ずいう芳点から効果を芋蟌む

こずができたす。

●

 今回のスマヌトシティプロゞェクトにおいお発電事業者であ

る SPC は、地方銀行からの融資や圓瀟グルヌプ及び地域の優

良法人からの出資を埗ながら、地域の゚ネルギヌ安定䟛絊を目

指しおいきたす。この取り組みが、゚ネルギヌ自絊率を高め、

有事の際にもしっかりず電力䟛絊がなされる地域づくりに圹立

぀こずができればず思っおいたす。

◆䌚瀟抂芁瀟 名株匏䌚瀟り゚スト゚ネルギヌ゜リュヌション蚭 立1981 幎 10 月代衚者代衚取締圹瀟長 恩田 英久資本金1 億円所圚地●東京本瀟    東京郜新宿区西新宿 3-20-2    東京オペラシティビル 31     ●広島本瀟    広島県広島垂西区楠朚町 1-15-24    り゚スト本瀟ビル事業内容メガ゜ヌラヌにおける EPC 事業ならびに     メガ゜ヌラヌ、産業甚などの倪陜光発電を䞭心ずした     スマヌトグリッド事業お問合せ03-5353-6868

新たな゚ネルギヌ䟛絊䜓制づくりに向けお

図 1プロゞェクトスキヌム図

Page 26: TOP INTERVIEW

26

●今号では、セブン銀行を取材させおいただきたした。同瀟はコンビニをはじめ、生掻に密着した堎所に ATM の蚭眮を増やし、私たちにずっおずおも身近な存圚ずなりたした。 ずころで ATM ずは、Automated Teller Machine の略。Teller は窓口にいる係の人を指す蚀葉なので、蚳しおみるず “ 銀行窓口係の機械 ”ずいうような意味になりたす。しばしば ATM を “ 珟金自動預け払い機 ”ず蚀い換えるこずがありたすが、こうしおみるず、原語の方が「銀行ず利甚者の接点」ずしお人間的な枩かみを感じるような気がしたす。  考 え お み れ ば IT ず い う 蚀 葉 も、2000 幎 代 半 ば ご ろ か ら ICT

Information Communication Technologyず蚀われるようになりたした。情報凊理技術ずいう意味合いに加え、「コミュニケヌションを図る媒䜓ずしおの技術」ずいう意味合いを持぀ようになったずいうこずでしょう。 発展しおいく技術ずその特性をどのように瀟䌚・業界に取り蟌んでいくのか、期埅をもっお芋おいきたいず思いたす。線集長

金融機関 .YOM( ドットペム )第 14 号

◆発行日平成 26 幎 5 月 28 日◆発行人柁谷 耕䞀◆線集長梅田 知里◆デザむン・印刷・補本株匏䌚瀟情報工堎◆発行所リッキヌビゞネス゜リュヌション株匏䌚瀟 http://www.rickie-bs.com/〒 100-0005 東京郜千代田区䞞の内 2-2-1 岞本ビル 10 階TEL 03-3282-7711りェブペヌゞ : http://www.rickie-bs.com/金融機関 .YOM の WEB サむト版 銀行員のための総合サむト「銀行員 .com」: http://www.ginkouin.com/

ç·š 集 埌 蚘

●トップむンタビュヌ「共存共栄」の考えで金融むンフラずしおの ATM サヌビスを提䟛する

セブン銀行 代衚取締圹瀟長 二子石 謙茔

●セブン銀行 特集い぀でも どこでも だれでも 安心しお利甚できる サヌビスのために

●【シリヌズ連茉】欧州危機の根源―③䞖界経枈金融化の行き着いたずころ

リッキヌビゞネス゜リュヌション 取締圹 垂島 慎二

●ビゞネスブックダむゞェストUSJ のゞェットコヌストタヌはなぜ埌ろ向きに走ったのか

■信金信組・組織の掻性化に向けお 東北財務局 総務郚長 川瀬 透

●【連茉】金融機関のリスク・ガバナンス―倉革の朮流䞊 代衚 碓井 茂暹

●【連茉】資産運甚業界の話題 第回金融危機埌の政策ポヌトフォリオ

GCI アセット・マネゞメント 代衚取締圹 CEO ファりンダヌ 山内 英貎

■ミャンマヌ事情ミャンマヌはタむを超えるか・沞隰するミャンマヌの珟状ず将来

䞀般瀟団法人 日本ミャンマヌ文化経枈亀流協䌚 理事長 井畑 敏

■自治䜓負担れロ倪陜光発電で地域掻性化ぞり゚スト゚ネルギヌ゜リュヌション 事業開発本郚郚 郚長 霊藀 英俊



 





12

14

16

20

22

24

金融機関 .YOM 第 14号 もくじ

Page 27: TOP INTERVIEW

≪ご挚拶≫  私共では、2010 幎以来、日本の金融垂堎の囜際競争力の匷化ず垂堎の持続的成長に資するため、GMSGlobal Market Solutionsを継続的に開催しお参りたした。毎幎、倚くの金融機関の圹員・郚長・実務担圓者、垂堎関係者の皆様にご参加いただいおおりたす。 本幎は「ガバナンスずビゞネスモデルの倉革」を倧きなテヌマずしお取り䞊げ、7 月 22 日火・23 日氎の䞡日、䞋蚘の通り「GMS2014Global Market Solutions金融垂堎囜際フォヌラム」を開催する運びずなりたした。本フォヌラムでは、囜際的芏制の動向、リスク管理の高床化、金融垂堎の新朮流から金融工孊の先端的研究や最新テクノロゞヌの玹介たで、垂堎に関連する広範なテヌマで充実したプログラムを構成したす。 金融危機からアベノミクスたで激倉する金融垂堎の䞋、倉革期を迎えおいる日本の金融垂堎の囜際競争力の匷化ず持続的成長に向けた公益性の高い取組の䞀環ずしお、日本政府および圓局が目指しおいる方向性、日本経枈、垂堎および金融機関が盎面しおいる課題ず打ち手を共有すべく、金融機関や機関投資家、研究機関などから金融業界関係者が䞀堂に䌚し、研究者ず実務家の亀流が図れる堎になれば幞いです。

株匏䌚瀟グッドりェむ 代衚取締圹 藀野 宙志リッキヌビゞネス゜リュヌション株匏䌚瀟 代衚取締圹 柁谷 耕䞀

●抂芁1. 名称GMS2014 Global Market Solutions2. 日時2014 幎 7 月 22 日火・23 日氎3. 堎所野村コンファレンスプラザ日本橋     東京郜䞭倮区日本橋宀町 2-4-3    日本橋宀町野村ビル 6 階 〒 103-00224. 䞻催グッドりェむ、リッキヌビゞネス゜リュヌション5. 参加者金融機関の圹員・郚長・実務担圓者、金融垂堎関係者6. 参加費無料芁事前登録

GMS2013 の様子

株匏䌚瀟グッドりェむ 〒 104-0033 東京郜䞭倮区新川 2-6-2 石橋ビル 506 号 【担圓 藀野】TEL03-3297-2581 E-mail[email protected] 【 http://goodway.co.jp/fip/ 】

GMS2014 公匏ペヌゞ最新情報を随時曎新http://goodway.co.jp/fip/htdocs/event/gms2014/

Page 28: TOP INTERVIEW