Title 就学後の継続・発展につながる就学前英語教育 …...Oxford Reading...

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Title 就学後の継続・発展につながる就学前英語教育の進め方 : Graded Reading の導入と効果( 本文(Fulltext) ) Author(s) 原, 明子; 伊東, 英 Citation [岐阜大学カリキュラム開発研究] vol.[28] no.[1] p.[1]-[11] Issue Date 2010-06 Rights Version Early Learning School / 岐阜大学教育学部学校教育講座 URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/35396 ※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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Title 就学後の継続・発展につながる就学前英語教育の進め方 :Graded Reading の導入と効果( 本文(Fulltext) )

Author(s) 原, 明子; 伊東, 英

Citation [岐阜大学カリキュラム開発研究] vol.[28] no.[1] p.[1]-[11]

Issue Date 2010-06

Rights

Version Early Learning School / 岐阜大学教育学部学校教育講座

URL http://hdl.handle.net/20.500.12099/35396

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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就学後の継続・発展につながる就学前英語教育の進め方

―Graded Reading の導入と効果― 原 明子*1・伊東 英*2

日本には,2011 年度から小学 5,6 年で必修化される小学校の外国語活動に加えて,既に義務教育である

中学校で 3 年間,これに一般的には,高校 3 年間,大学 2 年間又は 4 年間と時間をかけて外国語(英語)を

学ぶことができる学校教育システムがある. 近では,早期教育の有効性を掲げ,「バイリンガルになる」を

謳い文句に幼児を対象とした英会話教室やインターナショナル・プリスクールが乱立している.学習開始年

齢が外国語習得の成否に大きく影響することは,外国語学習,第二言語研究では定説である.しかし,幼児

期にいくら人為的な英語環境を整えても,幼児期で外国語習得過程は終了しない.特に,母語と同じレベル

の第二言語習得を目指すのであれば,就学後もほぼ同じ英語環境で学習を続け,英語を実際に使い続けるこ

とが必要である.日本の小学校に就学する場合は,家庭が良質の完全英語環境にならない限り,それまでと

同じ質と量の英語環境を維持するのは難しい.本稿では,就学後の発展につながる幼児の特性を活かした就

学前英語教育の様々な手法を探り,就学前の子どもを対象に Graded Reading(段階別リーディング,GR)

の代表的なシリーズ本である Oxford University Press の Oxford Reading Tree(ORT)を就学前英語教育

に導入し,Graded Reading の手法が就学後の英語力の維持.向上にどのように活かされるかを実践し,そ

の効果の検証を報告する.

〈キーワード〉 幼児英語教育,バイリンガル教育,リーディング,第二言語習得,早期英語教育

1. Graded Reading とは

Graded Reading(GR)Approach とは,読者の言語

レベルに合わせ,使用される語彙,フレーズ,センテン

スの頻度や難易度を考慮して段階別につくられた本を,

レベルアップしながら読み進め, 終的に流暢なリーデ

ィングができるようになることを目的とする読書法で

ある.Graded Reader(段階別読本)とは,Graded

Reading 用の教材である.

Graded Reader は,内容を理解する年齢や言語レベル

に応じて,その語彙,フレーズ,構文,イラストが工夫

された段階別読本と位置づけることができる.

1. 1. Graded Reading と Extensive Reading(多読)の

違い

Extensive Reading(多読,ER)は,文字通り,多く

読むことである.ER 用の本は,その読者にあうレベル

を読者が選ぶ.一方,GR 用の本は,予め読者の言語レ

ベルに応じ,本そのものが段階別に作られている.GR

は,語彙を増やし,文の構造の理解を高め,読むことが

できるレベルを段階的に上げていき, 終的に流暢に読

むことができるようになることが目的である.ER は,

GR の段階を経て流暢に読める人が,読める能力をより

高め,読書をより楽しむ,興味のある情報をより習得す

るといった目的がある.

1. 2. Graded Reading の効果

ノートルダム清心女子大学のウェアリング*3 は第二言

語のリーディング初級学習者のリーディングの特徴を

次のように指摘している.

■ 単語の文字をひとつずつ読みながら,単語の意味を理

解しようとする.

■ 読んだ単語の意味をひとつひとつ記憶しながら読み

進む.

岐阜大学カリキュラム開発研究 2010.6, Vol.28 No.1, 1-11

*1 Early Learning School *2 岐阜大学教育学部学校教育講座 *3 ウェアリング(Robert Waring).ノートルダム清心女子大学文学部英語英文学科准教授.英語教育

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■ 文章を読み終わるときには, 初の単語の意味を忘れ

て文書全体の意味がつかめない.

しかし,学習者のリーディングレベルが向上してくる

と,より早く単語の意味をつかみ,より多くの情報を容

易く記憶できるようになる.その結果,単語レベルでは

なく,フレーズやアイデアをつかみながら,文章全体の

意味を理解する読み方になってくる.

単語レベルではなく,アイデアのレベルで読み進めて

いくことができるようになると,文全体をトピックにつ

いての背景知識をうまく利用しながら理解することが

できるようになる.わからない単語があっても,文脈か

らその意味を推測して,文全体を理解できる.これは,

母語では無意識にだれもが行っている読み方である.

メイソン*4 とクラッシェン*5 は,このリーディング向

上の過程は,心理的にも大きな利点があるとしている.

あまり読むことが好きではない人が,動機づけられた読

者になり,ERを楽しむ傾向にある.(Mason & Krashen,

1997)

ただし,文章のレベルが学習者のリーディングレベル

より高すぎた場合,ことばのパズルを解読するような泥

沼状態に足を突っ込んでしまう可能性が高い.辞書を多

用している,メモや訳が多く文章に書き込まれていると

いった状態は,ER(多読)ではなく,Intensive Reading

(精読,IR)といえる.手軽に読み進めることができな

い文章に向かい合う時間が長ければ長いほど,学習者は

読む楽しみを忘れ意欲が下がる.

学習者のレベルにあわせて,アイデアをつかむために

文章を読み進めていくだけの流暢な目の動き,素早い文

脈の読み取りができるレベルの文章を選ぶことが,学習

者のリーディングレベル向上に役立つ.そのひとつの答

えが GR である.そしてなにより,流暢に読むことがで

きるまで GR を続けることができることが大切である.

このリーディングの向上を助ける教材が,Graded

Reader である.

1. 3. Graded Reading の種類と入手方法

GR の教材(Graded Readers)は,Graded Readers

として膨大な量の本が市販されており,だれにでも入手

しやすいことが大きな利点である.日本国内であれば,

洋書を扱う書店,アマゾンなどのインターネット書店で

簡単に入手することができる.簡単に読み進めることが

できるように,各本はページ数が 8 ページから 130 ペー

ジほどで構成される薄さである.特に初心者向けのもの

は,8 ページから 15 ページほどの薄さである.語彙や文

の構成内容は,レベルに応じで調整されているが,いず

れも,ストーリーがある.生活,科学,自然,スポーツ,

伝記,動物,旅行,フィクション,ノンフィクションな

ど様々なジャンルをカバーしており読者の興味をそそ

る本となっている.

1. 4. Graded Reading のレベル

市販の Graded Reader には,出版社が独自のレベルを

つけて,本に明記している.記載方法は,「Grade1,Grade

1+,Grade 2,…」,「Level 1,Level 2,…」,「Stage 1,

Stage 2…」,など様々である.

1. 5. Oxford Reading Tree とは

オックスフォード大学出版局*6がGraded Readerシリ

ーズ*7 として紹介している出版物のひとつが Oxford

図 1 ORT レベルチャート

*4 メイソン紅子.四天王寺大学短期大学部 准教授 *5 クラッシェン(Stephen D. Krashen,1941‐)言語学者.20 年間にバイリンガル言語習得について 100 本以上の論文を発表.

常時年間 300 本以上の講演依頼がある,南カリフォルニア大学名誉教授. *6 オックスフォード大学出版局(以下 OUP と略称)は,オックスフォード大学の一部局である.500 年以上にわたり世界規模の

出版活動によって研究,学術,教育の分野において,大学の高い目的を達成するために活動している.OUP は年間に 4000 点以上

の新刊書を出版する世界一の大学出版部であり,世界の 50 を越える国々に拠点を設置している. *7 OUP はオックスフォード大学を統合する一翼を担っており,王室の認可によって組織されている.出版される書籍の質にたい

して OUP は厳重な監視が必要とされる明確な基準を設けている.URL:http://www.oupjapan.co.jp/about/index_jp.shtml

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図 2 Stage 1+の内容例

Reading Tree (ORT)である.

Biff, Chip & Kipper Stories 採用理由

本研究において,ORT の Biff, Chip & Kipper Stories

を採用した主な理由は次の通りである.

■ レベルが 1 から 9 まであり,幼児以降を対象として

いること.

■ 子どもが親しみがわく登場人物の設定であること.

■ 同じ登場人物で豊富なレベルに対応していること

■ 家庭や学校が舞台であること

■ 本の中で表現されたことがそのまま実生活で経験で

きるようなものが題材であること

■ ひとつひとつにストーリー性があること

■ 豊かで自然な表現方法がつかわれていること

■ 連続性があること.

■ 子ども自身のリハーサルが可能であること

Biff, Chip & Kipper Stories は,Core Stories,

Patterned Stories , More Patterned Stores , First

Phonics の 4 グループで構成されている.Core Stories

の中で,さらに 3 から 4 グループ(パック)に分類され

ている.各グループは,3 から 6 冊の本がある.1 冊の

本のページ数は,8 ページから始まり,レベルが上がる

ごとに 4 ページずつ増え, 終的に 32 ページになる.

ORT 導入の直接目的

ORT 導入の直接目的は,就学後の継続的学習の土台づ

くりである.

就学前に習得した英語力を就学後に発展させるために

は,就学前の英語学習(ただし,子どもには,学習とい

う意識はない)において,英語は日本語同様,「言語」

であり,人や情報をつなぐ,コミュニケーションの道具

として,その使い方のルール(規則,文法)を覚えなく

てはいけない,知っていることばを増やさなくてはいけ

ない,ということを,自然に意識できる環境を整え,体

験させ,習得させることが重要である.

■ 文の成り立ち(文構造)を意識させる:文法の習得

の助けとなる.

■ 基礎語彙*8の習得:自己表現の手段を習得する.

■ 使用語彙*9を増やす:自己表現の手段を習得する.

■ 英語特有の表現方法の習得.

■ 将来の学習(読む,書く,新たな語彙の習得)への

抵抗感を無くす.

■ リハーサルの機会を増やす:スピーキング力を向上

させる.

■ 自らすすんで発言することを増やす:自分のことば

で話ができる:スピーキング力を向上させる.

加えて,ORT を導入する時点で,子どもにリスニング

力がついていない場合は,

■ 話し言葉の英語表現方法になれる:リスニング力の

強化させる.

ORT 導入の間接目的

就学後に,積極的に自分で英語に関わることが可能と

なるリーディング力が身につくことが,ORT 導入の間接

目的である.

2. Oxford Reading Tree の導入方法

ORT の導入は,各子どもの適切な本のレベルを決める

ことから始め,設定した実施頻度,実施パターンにそっ

て,一定期間,対象となる子どもに ORT を読ませる.

今回の調査は,未満児が年中児に,年少児が年長児に,

年中児が小学 1 年生,年長児が小学 2 年生になるまでの

*8 基礎語彙とは、使用頻度が高く,日常生活に必要不可欠で,子どもでも知っている語の集まりのこと.その言語の根幹部分をなす語の集

まり.他の言語にも相当する語があり,長い歴史を通じて変化しにくいなどの条件を充たす語の集まりのこと.基本語彙は、その語彙の中

で中核的な部分を占める重要な語の集まりのこと, *9 使用語彙とは,自分が使うことのできることばの集まりのこと.理解語彙は,見たり聞いたりしてわかることばのこと.言語の種類に関

わらず,一般的に,理解語彙が使用語彙の範囲を上回るとされている.

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期間である.

2. 1. ORT の導入手順

レベルチェック

本来は,導入にあたり,導入時点で子どもひとりひと

りと面談をし,各子どもに適切な本のレベルを決める.

今回は全員が初めて ORT を始めるため, 初の 1 か月

は,文字の入っていない Stage 1 を ORT の登場人物紹

介もかね,全員に対してイラストを見せながら,教師が

話をすすめた.

その後,自分で読むことができる,読むことができな

いという 2 グループにわけた.自分で読むことができる

グループの子どもの読む力は,ほぼ同じであったため,

今回は同一グループとした.導入レベルは,各グループ

とも Stage 1 からとした. 実施頻度

午後の 1 時間を月曜から金曜日の毎日 ORT の時間に

あてる.授業回数は,年間 200 日. 実施パターン

5 か月でひとつの Stage を完成させる.

ひとつのパック(6 冊)につき 1 か月を基本とする.1

冊の本を 1 か月で少なくとも 8 から 9 回読む.教師が机

を回りながら,つまずいているところを助ける. 1 か月の実施パターン

◆ 第 1 週目

1 週目は新しい本を一日 1 冊ずつ紹介する.

◆第 2 週目,第 3 週目

第 2 週目からは,自分で読むことができるグループは,

各自が声に出して読む.少なくとも 3 冊を一日に読む.

自分で読むことができないグループは,教師が読み聞か

せをする.教師が机を回りながら,本の内容について,

質問をする.

◆第 4 週目

終週には,自分で選んだ本を教師の前で声を出して

読ませる.第 4 週の 終日は,教師によるチェック日と

する. 文の成り立ち(構造)を意識づける

文法とは,単語を組み合わせて文をつくるルール(規

則)の体系ことである.きちんと内容を伝えるには,こ

とばのルールにそって文をつくらなくてはいけない. 文法記号(Grammar Symbols)の導入

ORT は,文の成り立ちが習得できるようにつくられて

いる.その利点を活かし,さらに,視覚的に文構造が認

識できるように,文法記号を導入した.マリア・モンテ

ッソーリ*10 が提唱したモンテッソーリ教育法の言語教

育で使用されている文法記号を使用している. 文法記号の種類

子どもに教えるときには,名詞,動詞といった文法用

語は一切用いない.例文を見ながら,ひとつひとつの単

語の役割を確認して,その役割を表す記号を紹介する.

例えば,名詞を表す黒い正三角形の記号をみせながら,

"A large black triangle is the symbol of the name of

object."と紹介する.

文法記号は一度に全部紹介するのではなく,読んでい

る本に書いてある単語やフレーズに応じて,少しずつ,

順番に紹介していく.単語,フレーズ・レベルでは,通

常,名詞,冠詞,形容詞,接続詞,前置詞,動詞,副詞,

の順である.

センテンスが登場した場合は,文の構造を意識させる

ために,まず,文の中心になる動詞を見つけさせ,動詞

月 火 水 木 金

第1週 ① ② ③ ④ ⑤

⑥ ① ② ③ ④

⑤ ⑥ ① ② ③ 第2週

④ ⑤ ⑥ ① ②

③ ④ ⑤ ⑥ ①

② ③ ④ ⑤ ⑥ 第3週

① ② ③ ④ ⑤

① ② ③ ④ ⑤ ⑥ ① ② 第4週

③ ④ ⑤ ⑥

① ② ③ ④ ⑤ ⑥

この図の①~⑥は,各Stageのひとつのパックの6冊のタイトルを表す.

図 3 1 か月の実施パターン例

*10 マリア・モンテッソーリ(Maria Montessori, 1870‐1952)は,イタリア初の医学博士であり,幼児教育者,科学者.モン

テッソーリ教育法の開発者.1950 年にはノーベル平和賞の候補となる.

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の文法記号を用いる.次に,動詞を中心に,どんな要素

がどのように配列するかを意識させながら文法記号を

文の各単語に当てはめる.

文法記号の種類と活用方法

The symbol that tells us ………

接続詞 Conjunction a joining word which joins phrases together

前置詞 Preposition the relationship between phrases

動詞 Verb the action

副詞 Adverb how the action is

◆ 第 1 段階(Stage 1+に対応)

例:名詞,冠詞,形容詞の場合

名詞,冠詞,形容詞を紹介後に,語順の確認をする.

① the white sheep ② white sheep the ③ sheep the white ④ sheep white the ⑤ the white sheep

①で各単語の正しい

語順を見せる.

②,③,で各語順を入

れ変えて意味を成し

ているかを確認する

⑤で子どもが自分で

語順をつくる

子どもが自分で正しく語順をつくることができたら,教

師(または子ども自身)は問いかけをしながら,子ども

が各単語の上に対応する文法記号を置く.文法記号を置

く順番は,名詞,冠詞,形容詞の順である.

◆第 2 段階(Stage 1+に対応)

動詞(1単語)で構成される本を紹介するときに,動

詞記号を一緒に紹介する.

◆第 3 段階(Stage 1+に対応)

例文に文法記号を置くときは,動詞(述語),主語,名

詞,冠詞の順である. 例文: I made a cake.

文の中心になるのは動詞である.まずそれを見つけさ

せる.

3. Oxford Reading Tree の効果

3. 1. 言語力の調査方法

第二言語(英語)の習得状況は,子どもの母語(日本

語)の発達状況に影響を受ける.そのため,言語力の調

査については,英語と日本語の両方で行った.

Which word tells you ………

名 詞 Noun the name of object

冠 詞 Article one or particular one of

them

形 容 詞 Adjective what kind of object

教師(または子ども自身)の問いかけ 子どもの答え 行動

名 詞Which word tells you the name of the object?

sheep 黒い大きな正三角形を置く

冠 詞Is the object one or particular one of them?

particular one of them, the

水色の小さな正三角形を置く

形容詞what kind of object is it? white 青の正三角形

を置く 図 4 名詞,冠詞,形容詞の文法記号

図 5 接続詞,前置詞,動詞,副詞の文法記号

図 6 ワード・ラベルの並べ方例

*11 Cummins, Jim. (1949‐). アイルランド生まれのカナダの言語学者,心理学者,教育学者.トロント大学教授.バイリンガル教育の理論

形成に多大な貢献を果たす. *12 中島,1998:p. 129‐131.カミンズと中島の研究チームは,トロント近郊の現地公立校に通う幼稚園児から中学2年までの子どもを対

象に調査をした.調査対象の子どものおかれている環境の違いから,全く同様のテストを実施することはできなかった.

図 7 文法記号の活用例

the white sheep

置く順番 ② ③ ①

図 8 文法記号の置き方

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調査には,カミンズ*11が「二言語相互依存の原則」を

提唱し始めた際に,それを実証するための実験として,

カミンズと中島の研究チームが実際に使用したテスト

方法*12 を参考に作成した質問形式のテストを使用した.

カミンズのテストと同様にテストの内容を 2 グループに

分類する.

会話テストの 2 グループ

グループ① BICS(Basic Interpersonal Communicative

Skill)

■ 対面での自由会話

■ ロールプレイ(おもちゃの電話を 2 台使用,非対面)

伝言ゲーム①(英語から日本語,7 アイテム)

伝言ゲーム②(日本語から英語,7 アイテム)

伝言ゲーム③(英語から英語,7 アイテム)

ロールプレイの例

伝言ゲーム① Today I am going to the toy store to

buy a Pikachu with my mom.

伝言ゲーム②今日私はお母さんと一緒におもちゃ

屋さんへピカチューを買いに行きま

す.

7 アイテム: 今日(Today),私は(I),おもちゃ屋さ

んへ (to the toy store),行く (am

going),ピカチューを(a Pikachu),

買いに(to buy),お母さんと(with my

mon)

グループ② CALP(Cognitive Academic Language Proficiency)

■ 絵を並べて,絵話しをつくる

■ 1 枚の絵の説明

英語と日本語とそれぞれ別に会話のテストの採点表を

つくる.採点表には,発音,流暢度,文構成,内容の豊

富さ,受け答えの技術,態度などの項目がある.

普段子どもと一緒に過ごしているネイティブの外国人

教師 3 名(男 1 名,女 2 名),日本人教師 1 名(女),筆者

がそれぞれ採点し,その平均点を採用した.

3. 2. 英語と日本語のテスト

グループ① BICS(Basic Interpersonal Communica tive Skill)

■ 自由会話

調査項目 配 点 調 査 内 容

0 聞き取りにくい

1 外国人の発音であるが,理解はできる

2 日本語的発音が混ざる(3から5語)

3 日本語的発音が混ざる(1から2語) 1 発音

4 ネイティブのような発音

0 説明を加えながら言いなおさなければならない

1 速度を落とし,簡単な文で話す必要がある 2 聴 解 力

2 速度を落とさず,普通の複雑さの文で話してわかる

0 不適当な応答が多い

1 不適当な応答がいくつかある 3 適 当 な

2 ほとんど適当な応答である

0 限られた語彙しか使えない

1 語彙はある程度あるが,適切に使えない 4 語 彙

2 語彙が豊富で,適切に使える

0 単語をならべるだけ,文になっていない

1 不完全な文が多く,内容も少ない

2 不完全な文が多いが,内容はある程度ある

3 不完全な文がほとんどなく,内容もある程度ある

5 内 容 の

豊 富 さ

4 不完全な文がほとんどなく,内容も豊かである

0 誤用が多い

1 誤用がいくつかある 6 動 詞 の

活 用

2 誤用はほとんどない

0 誤用が多い

1 誤用がいくつかある 7 名詞の

複 数 形

2 誤用はほとんどない

0 誤用が多い

1 誤用がいくつかある 8 冠詞の

用 法

2 誤用はほとんどない

0 文になっていない

1 間違いが多い 9 文 構 成

2 間違いはほとんどない

0 文になっていない

1 主に単文である.

2 複文が少なく,単文に誤りが多い

3 単文の誤りは少ないが,複文もまだ少ない

4 単文に誤りが少なく,複文,重文を用いた複雑な文構成もある程度使える

10文章校正

の複雑さ

5 ネイティブのような文構成ができる

0 不安定で,英語を話すことに戸惑いがある.

1 積極的に話をするが,うまく表現できない 11面接時の

態 度

2 積極的に会話を楽しんでいる

図 9 自由会話の調査項目,配点,調査内容

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■ ロールプレイ

調 査 項 目 配 点 調 査 内 容

0 全部誤り 1 誤りが3つ以上ある 2 誤りが1から2ある.

12 伝 言 ゲ ー ム ① ( 英 語 か ら 日 本 語 , 5 ア イ テ ム )

3 誤りがない 0 全部誤り 1 誤りが3つ以上ある 2 誤りが1から2ある.

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伝 言 ゲ ー ム ② ( 日 本 語 か ら 英 語 , 5 ア イ テ ム )

3 誤りがない 0 全部誤り 1 誤りが3つ以上ある 2 誤りが1から2ある.

14 伝 言 ゲ ー ム ③ (英語から英語, 5 ア イ テ ム )

3 誤りがない

グループ② CALP(Cognitive Academic Language Proficiency)

■ 絵話し

調 査 項 目 配 点 調 査 内 容

0 単語のみ,文になっていない

1 単文がほとんどで,誤りが多い

2 複文,重文が少なく,単文に誤りが多い

3 複文,重文があり,単文に誤りが少ない

15 文構成の 複雑さ

4 ネイティブのような文構成

0 つなぎことばが使われていない

1 つなぎことばなどがある程度使われている

2 話をまとめようとする努力が見られる

16 絵話しにおける文のつなぎ方

3 つなぎことばなどがよく使われ,話しにまとまりがある

0 内容に乏しい

1 内容がある程度ある 17 語彙・内容 の豊富さ

2 内容が豊かである

4 枚の絵を並べ替えて自由に話を作る.

■ 絵の説明

調 査 項 目 配 点 調 査 内 容

0 単語のみ,文になっていない 1 単文がほとんどで,誤りが多い

2 複文,重文が少なく,単文に誤りが

多い

3 複文,重文があり,単文に誤りが少

ない

18文 構 成 の

複 雑 さ

4 ネイティブのような文構成 0 途中で諦めてやめる 1 要点だけは説明しようとする

2 適切な語彙が見つからないときは,

聞いたりジェスチャーで表す 19

絵の説明の途中における 態 度

3 すべて適切に説明できる 0 内容に乏しい 1 内容がある程度ある 20

語彙・内容の

豊 富 さ 2 内容が豊かである

3. 3. 調査対象期間と調査対象者

調査対象期間

今回の調査対象期間は,2008 年 1 月から 2009 年の 8

月である.2008 年 1 月に導入時調査を実施し,半年後,

1 年半後の計 3 回の調査を実施した.対象者を年齢ごと

に 4 グループにわけた.

調 査導入時調査 調査1回目

導入後 調査2回目

導入後 調査3回目

調査実施 Jan-08 Apr-08 Aug-08 Apr-09 Aug-09

Group A 年長 小学1年生 小学2年生

Group B 年中 年長 小学1年生

Group C 年少 年中 年長

Group D 未満児 年少 年中

図 10 ロールプレイのの調査項目,配点,調査内容

図 11 絵話し調査項目,配点,調査内容

図 12 絵話しの例

図 13 絵の説明の調査項目,配点,調査内容

絵を見ながら絵から想

像できることを自由に

説明する.

図 14 絵の説明の例

図 15 調査対象の各グループの年齢と調査期間

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調査者について

普段子どもと一緒に過ごしているネイティブの外国人

教師 3 名(男 1 名,女 2 名),日本人教師 1 名(女),筆者

が今回の調査者である.

各調査者が,各子どもに対して面談形式でテストを行

った.テストは,ひとりひとり子どもを呼んで,授業時

間中に教室内で実施した.普段の教材の提示も同じよう

に個別で行われるため,子どもに特別な緊張感は見られ

なかった.

入念な打ち合わせをしたにも関わらず,子どもと調査

者の会話による評価のため,調査者による評価の違いが

あった.子どもが同じように答えている場合でも,女性

より男性,日本人より外国人が各項目でよく評価する傾

向があった.日頃の子どもの状況を知っているだけに,

テストによる評価よりも,調査者がとらえている子ども

像に評価が左右される傾向もあった.テスト当日の子ど

もの精神状態,体調,家庭環境なども影響しており,テ

ストの評価に完全な信頼性があるとはいえない.幼児期

の子どもを対象としてテストを実施し評価をすること

は簡単ではないといえる.

4. 調査結果(導入前,導入後)

英語のテストと日本語のテストの各グループの結果は

次の通りである.各グループの子どもの名前は公表でき

ないため,アルファベットで表記している.

■ グループ A 3 名(A,B,C)

調査対象期間は,年長,小 1,小 2

■ グループ B 4 名(D,E,F,G)

調査対象期間は,年中,年長,小 1

■ グループ C 1 名(H)

調査対象期間は,年少,年中,年長

■ グループ D 3 名(I,J,K)

調査対象期間は,年少,年中

テストの結果については,各グループの各子どもの評

価結果を,項目ごとに小数点 2 桁まで表記する.各子ど

も,各年齢における全項目の平均点を一覧表にし,その

一覧表を基にした折れ線グラフを示す.

4. 1. 英語のテストの結果と評価

グループ① BICS(Basic Interpersonal Communica tive Skill)

■ 自由会話

自由会話の結果の評価

グループ A とグループ B を比較すると,5 歳で ORT

を用いた GR を始めた子どもの 6 歳でのの平均点は,6

歳で GR を始めた子どもの 7 歳の平均点を上回っている.

データは少ないが,3 歳から GR を始めたグループ D の

子どもは,4 歳でグループ B と同じレベルに達している.

自由会話に関しては,低年齢で ORT を用い GR を始め

る方が,発話に結びつく可能性が高いと評価できる.ま

た,導入後 1 年の伸び率も年齢が低い方が高い.単文か

ら,複文や重文を使った複雑な文ができるようになる年

齢や期間は,ORT を用いた GR を導入したほうが,会話,

単語,ライティングに重点を置いていたときより早い.

また,ORT と文法記号を用いてから,話しことばにお

いても,文法のルールにのっとった文の表現が期間とと

もに増えてきた.2 言語干渉も ORT 導入の半年後にはほ

とんど聞くことがなくなった. ■ ロールプレイ

図 16 自由会話の結果のデータ一覧折れ線グ

図 17 ロールプレイの結果のデータ一覧折れ線グラフ

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ロールプレイの結果の評価

本来のロールプレイで期待したのは,子どもが聞き取

ったキーワードをいれて,自分のことばで伝え直し,そ

の文の完成度や語彙を評価することであったが,実際に

は,聞いたことをコピーして伝えるといった単なる伝言

ゲームになってしまった.そのような伝言ゲームでは,

記憶力が必要とされる.記憶力を活かした学習を日常的

にやっている小学生,学習慣れしている子どもの方がテ

スト評価が高かった.必ずしも教師が感じる各子どもの

言語力とテスト結果が一致してない場合があった.聞い

たことを自分のことばで表現して伝え直すということ

がなかったため,言語力というより記憶力のテストにな

ってしまい, ORT 導入の効果を検証するテストとして

は適切でなく,今後はこのテスト方法の改善が必要であ

る.

グループ② CALP(Cognitive Academic Language Proficiency)

■ 絵話し

絵話しの結果の評価

会話の中で,相手とことばのキャッチボールをしなが

ら自己表現する場合と違い,絵話しでは,自分のことば

だけで物語る.そのため,文の構成力や語彙といった自

分の考えを物語る言語力が必要になる.また,物語りを

絵の順に構成する力も必要なため,テストに戸惑い子ど

もの発話に時間がかかった.同じ子どもが年齢を重ねる

ごとに発話に慎重になる傾向があった.小学生の年齢に

なると,明らかにテストされているということを意識し,

なかなか発話ができなかった.物語の構成に時間がかか

ったいるように見えた.年齢の子どもは,絵話しのテス

トの意味をあまり理解していなかったが,自由な発想で

発話が弾んだ.自由会話と同様のペースで身振り手振り

で話をした.

日本語の絵話しのテスト結果と比較し評価すると,日

本語で物語るレベルのことを英語でやろうとして,こと

ばに詰まる傾向があった.これは,特に日本語力と英語

力の差がより大きい小学生に見られる.しかし,個別に,

物語った中の文をとりだし,調査ごとに比較すると,文

法,文構成,文のつなぎ方などで向上が見られた.調査

期間中に ORT の中で使われていた表現,新たに登場し

た文法,語彙を活用している文もあった.

■ 絵の説明

絵の説明の結果の評価

絵話しと同様の傾向があったが,絵の順序にとらわれ

ず物語を構成できるので,絵の説明の方が発話が多かっ

た.個別に,物語った中の文をとりだし,調査ごとに比

較すると,ORT の中で使われていた表現を活用している

表現が調査ごとに増えていた.テスト結果は,平均点が

全体に低いが,自由会話の結果に近い.ORT は,絵とそ

の絵を説明する文で物語を構成しているため,このパタ

ーンに早くから慣れているグループの方が,平均点が高

い.1 枚の絵からひとつの物語を構成するには,構成力,

表現力が必要となるため,幼児と小学生を比較すること

はあまり有効とはいえない.6 歳の年齢を見てみると,

ORT を用いた GR をより早い年齢から始めた方が,英語

で物語る力がついている可能性が高いといえる.

4. 2. 日本語のテスト結果の評価

同様の日本語テストの結果から,家庭環境が日本語で

ある子どもの母語である日本語は,年齢に応じた発達状

図 18 絵話しの結果データ一覧折れ線グラフ

図 19 絵の説明の結果のデータ一覧折れ線グラフ

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況にあるといえる.

5. ORT 導入の効果

調査の結果から,就学前英語教育に ORT を導入した

成果を次のように評価する.

■ 導入時期が早いほど,英語の文の成り立ちの概念の

習得が早い.

■ 文の成り立ちの概念の習得度合いによって,自分が

つくる文の完成度,自由な表現ができる度合いが高

くなる.

■ 英語の文の成り立ちの理解は,ORT などの GR 用教

材を導入した方が,話し言葉や単語レベルでリーデ

ィング,ライティングを学ぶときよりも早い.

■ 導入半年後で,2 言語干渉はほとんどなくなるといっ

た効果が見られた.

就学後の子どもに対する調査は,調査期間の関係上,

年長に導入し,現在小学 2 年生までが対象で,同様に言

語力を調査した.しかし,小学 2 年生の特性は,幼児期

と重なるところが多いため,ORT の導入による就学後へ

の影響についていは今後も調査を続ける.小学 2 年生の

現段階においては,引き続き ORT を導入し就学した全

員が毎日自宅学習と週に 1 から 2 回スクールに通い GR

を継続している.今後も引き続き調査する.

その他

幼児期の発達は,家庭環境や親との関係に大きく左右

される.親が過干渉で子どもが自主的に何かをしたいと

いう欲求を(無意識に)奪う,逆に,物は与えるものの

人との触れ合いが少ないなど,個々の条件によってこと

ばの発達が大きく違う.概ね,心身,母語の発達状況と

第二言語の発達具合は似通っている.

子どもを取りまく学校外の環境によってことばの発達

が違う.この学校外の環境には,親や兄弟姉妹を含む家

族のことばの質や量の影響が特に大きい.また,親と過

ごす時間の長さ,濃密さ,親の性格,話し方,親の教育

的背景も影響がみられる.

調査は,日頃子どもを担当する教師ではなく,第三者

が実施する方が先入観にとらわれず評価ができる可能

性が高い.評価のぶれを防ぐため,同じ調査者が全員の

調査を実施することが理想的であるが,数名で実施する

場合は,評価基準に対する共通認識を確立しておく必要

がある.

6. まとめと課題

GR の教材である ORT を就学前英語教育に導入し,読

み聞かせから自主的なリーディングへ結びつけること

が可能であり,子どもは,その体験を通じて英語の使い

方のルールの素地を習得し,自己表現を支える文法力と

してそのルールを活用できることがわかった.このルー

ルへの気づきは,母語環境における第二言語習得の場合,

話しことば,単語レベルのリーディングやライティング

だけの環境では十分に育たない.

今後は,今回の研究をさらに発展させ,幼児期に第二

言語習得の基礎となる「ことばのへの気づき」を育てる

ため,どのような環境を整え支援することが必要となる

かについて調査を行うとともに,子どもがどのようにし

て発話力を向上させているのか,あるいは助動詞をどう

理解していくのかという問題についても研究対象とす

る.

参考文献

Krashen,Stephen.(1975).The critical period for

仮 定 ① 効 果 の 検 証

ORTを使ったリーディング体験を通

じて,幼児が英語の使い方のルール

に気づき,就学後の英語学習に必要

な文法概念を理解するための素地を

築くことができる.

素地は個別によってか

なりの幅の違いがある.

仮 定 ② 効 果 の 検 証

幼児期におけるORTを使ったGRの

習慣化によって就学後の自主的な英

語学習の継続の可能性を高めること

ができる.

現在のところ効果がある

が,「就学後」という期間

で考えると,調査期間が

短すぎる.

図 20 仮定①と効果の検証

図 21 仮定②と効果の検証

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language acquisition and its possible bases. In Aaronson,D.and Rieber,R.(Eds.).Developmental Psycholinguistics and Communication Disorders.vol.263.issue 1.pp.211-224.New York:Annals of the New York Academy of Sciences.

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Montessori,Maria.(1992).The Secret of Childhood:Ballantine Books (Mm) Reissue.

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Montessori,Maria.(1996).Discovery of the Child:Ballantine Books (Mm) Reissue.

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Questions and Answers. (http://www.jalt-publications.org/tlt/files/97/may/waring.html).2009/12/24 取得.