TDS CHG 201905-11 J - ADEKA<連絡先> 株式会社 ADEKA 〒116-8553...
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<連絡先>
株式会社 ADEKA
〒116-8553 東京都荒川区東尾久 7-2-35
営業部 TEL 03-4455-2833 FAX 03-3809-8232
研究所 TEL 050-5518-4336 FAX 03-3809-8284
アデカノール CHG
『アデカノール CHG』は、高水溶性で刺激性が極めて低く、乳化安定性も優れる為、化粧品に使い易い高機能
保湿剤です。
保存力増強効果があり不織布への吸着量が少ないことから、フェイスマスクやウェットシート用途に好適です。
表示名称 : シクロヘキシルグリセリン
INCI 名 : CYCLOHEXYLGLYCERIN
CAS No. : 10305-41-6
製品物性 :
純度 外観 水溶性 屈折率 pH
99%以上 淡黄色液体 任意に相溶 1.479 中性
推奨使用濃度 : 3.0%
最小発育阻止濃度(MIC)
試験菌 アデカノール CHG フェノキシエタノール 1,2-ヘキサンジオール ペンチレングリコール
E.coli 1.0% 0.5% 1.0% 3.0%
P.aeruginosa 1.5% 0.5% 1.0% 2.0%
S.aureus 3.0% 1.0% 2.0%< 5.0%
B.subtilis 2.0% 1.0% 2.0% 5.0%
C.albicans 1.0% 0.5% 1.5% 2.5% 1)
Z.rouxii 1.6% 0.4% データなし データなし
A.brasiliensis 1.0% 0.3% 1.0% 2.0% 1) 1) Fragrance Journal 2006-4 p.39-
供試菌:
細菌類
Escherichia coli ATCC 8739 (大腸菌)
Pseudomonas aeruginosa ATCC 9027 (緑膿菌)
Staphylococcus aureus ATCC 6538 (黄色ブドウ球菌)
Bacillus subtilis IFO 3134 (枯草菌)
作成 2010. 2. 3
改訂 2019. 5. 23
(第 11 版)
O OH
OH(安定剤としてトコフェロール0.1%を含む)
真菌類
Candida albicans ATCC 10231 (カンジダ菌(酵母))
Zygosaccharomyces rouxii IFO 1876 (耐塩性酵母)
Aspergillus brasiliensis ATCC 16404 (クロコウジカビ)
製品名 : アデカノール CHG
(2/12)
保存効力試験
「第十七改正日本薬局方」「ISO11930」の保存効力試験及び試験基準を参考に、製剤に菌種を強制的に接種し、
その後の菌数の変化を観察した。
化粧水処方 クリーム処方
成分 配合量(%) 成分 配合量(%)
グリセリン 5.0 2-エチルヘキサン酸トリグリセライド 20.0
テトラオレイン酸ポリオキシ
エチレンソルビット(30EO)
0.5 テトラオレイン酸ポリオキシ
エチレンソルビット(30EO)
4.0
グルタミン酸 0.5 グリセリン 0.2
水添レシチン、大豆ステロール1) 0.5 セトステアリルアルコール 0.2
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル
(C10-30))クロスポリマーNa
0.1 (アクリレーツ/アクリル酸アルキル
(C10-30))クロスポリマーNa
0.1
キサンタンガム 0.1 キサンタンガム 0.1
フェノキシエタノールもしくは多価アルコール 2) 0~10.0 メチルパラベン、フェノキシエタノール
もしくは多価アルコール 2)
0~1.0
水 残部 水 残部
1) 乳化剤 : 水添レシチン、大豆ステロール
2) 多価アルコール:アデカノール CHG、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン、DPG
評価基準
細菌類
(E.coli,P.aer,S.aur)
酵母
(C.albicans)
14日後:
接種菌数の0.1%以下
28日後:
14日後と同等、もしくはそれ以下
カビ
(A.brasiliensis)
28日後:
接種菌数の10%以下
製品名 : アデカノール CHG
(3/12)
化粧水処方
○有効濃度
アデカノールCHG メチルパラベン フェノキシエタノール 1,2-ヘキサンジオール ペンチレングリコール
E.coli 1.5% 0.2% 0.8% 1.5% <1.0%
P.aeruginosa 1.0% 0.2% 0.4% <1.0% <1.0%
S.aureus 3.0%< 0.4% 1.0%< 1.5% <1.0%
C.albicans 2.0% 0.2% 0.6% 1.5% 2.5%
A.brasiliensis 2.5% <0.05% 0.6% 2.5% 3.0%<
黄色ブドウ球菌に対しては他成分との併用が必要ですが、その他の菌種に対しては 2.0~2.5%程度で効果が
期待出来ます。
CHG 2.5%
○他成分との併用結果
CHG : エチルヘキシルグリセリン CHG : DPG
= 0.67% : 0.33% = 1.0% : 10.0%
(処方の特徴) ・幅広い菌種へ効果あり (処方の特徴) ・任意に水へ相溶
・シャンプーやクリーム処方の ・低い刺激性
粘度維持
1.E+00
1.E+02
1.E+04
1.E+06
1.E+08
CFU
/ g
測定期間 / days
E.coli
P.aer
S.aur
C.alb
A.bra
1.E+00
1.E+02
1.E+04
1.E+06
1.E+08
CFU
/ g
測定期間 / days
1.E+00
1.E+02
1.E+04
1.E+06
1.E+08
CFU
/ g
測定期間 / days
製品名 : アデカノール CHG
(4/12)
クリーム処方
○有効濃度
アデカノールCHG メチルパラベン フェノキシエタノール
E.coli 1.0% 0.8%< 1.5%
P.aeruginosa 1.0% 0.6% 1.0%
S.aureus 2.0% 0.6% 1.0%
C.albicans 2.0% 0.8% 1.5%
A.brasiliensis 3.0% 0.6% 2.0%<
アデカノール CHG は高水溶性のため、乳化系処方でも効果を発揮します。
また、メチルパラベンやフェノキシエタノールに比べて、処方中の油性成分による影響を受けにくい原料です。
CHG 2.0%
○他成分との併用結果
CHG : エチルヘキシルグリセリン CHG : カプリリルグリコール
= 1.0% : 0.5% =0.67% : 0.33%
(処方の特徴) ・乳化安定性 (処方の特徴) ・低刺激性
・シャンプーの粘度や泡立ち維持 ・乳化安定性
1.E+00
1.E+02
1.E+04
1.E+06
1.E+08
CFU
/ g
測定期間 / days
E.coli
P.aer
S.aur
C.alb
A.bra
1.E+00
1.E+02
1.E+04
1.E+06
1.E+08
CFU
/ g
測定期間 / days
1.E+00
1.E+02
1.E+04
1.E+06
1.E+08
CFU
/ g
測定期間 / days
製品名 : アデカノール CHG
(5/12)
保湿性 アデカノール CHG はグリセリンや 1,3-ブチレングリコールなどの多価アルコールと同様に保湿性を有していま
す。
測定条件 : 皮表角層水分量測定装置(SKICON-200)により、室温:22℃、湿度:50%の恒温恒湿室内で測定した。
測定方法 : 測定開始前に SKICON-200 を使って腕の内側の表皮角層水分量を測定する(この時の測定値を 100 とする)。
一辺 1.5cm に切ったろ紙に試験液 0.1ml を浸み込ませ、初期値を測定した箇所に 5 分間貼付する。ろ紙を外
した後、3、5、10、15、20、25、30 分後の表皮角層水分量を測定した。
製品名 : アデカノール CHG
(6/12)
pH 依存性 アデカノール CHG の MIC は pH に影響されません。
アデカノール CHG
メチルパラベン 安息香酸 Na
0.00 1.00 2.00 3.00 4.00
枯草菌
黄色ブドウ球菌
緑膿菌
大腸菌
MIC / %
pH=9
pH=7
pH=5
0.00 0.20 0.40 0.60 0.80 1.00
枯草菌
黄色ブドウ球菌
緑膿菌
大腸菌
MIC / %
0.00 1.00 2.00 3.00 4.00
枯草菌
黄色ブドウ球菌
緑膿菌
大腸菌
MIC / %
製品名 : アデカノール CHG
(7/12)
刺激性
○ヒト 3 次元培養皮膚モデルを用いた刺激性試験
生細胞率が高いほど刺激性は低いことを示しています。アデカノール CHG はメチルパラベンやフェノキシエタ
ノール、多価アルコールよりも低刺激性の製品です。MIC (2%程度)でも高い生細胞率を維持しています。
調製法 : アデカノール CHG、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン、フェノキシエタノールは蒸留水に溶解させ
て測定を行った。メチルパラベン、プロピルパラベンは 1,3-ブタンジオール 50%水溶液へ溶解させて測定を行った。
試験法 : ヒト 3 次元培養表皮モデル((株)ジャパン・ティッシュ・エンジニアリング製)に被験物質を添加し、アッセイ培地上
で 5%CO2、37℃、24 時間育成した。その後、MTT 添加アッセイ培地に移し、更に 5%CO2、37℃、24 時間育成した。
最後に着色したヒト 3 次元培養表皮モデルをイソプロパノールで抽出し、吸光度より生細胞率を算出した。
計算式 :
評価物質の吸光度-ブランクの吸光度
生細胞率(%) = ――――――――――――――――― ×100
陰性対照の吸光度-ブランクの吸光度
製品名 : アデカノール CHG
(8/12)
○スティンギングテスト
0.15%のメチルパラベンと比べてアデカノール CHG は有意に低刺激と認められます。
試験概要 : ポジティブコントロールとして 0.15%メチルパラベンを同時に評価した。0.15%メチルパラベンの刺激を正当に
評価した被験者を有効被験者とし、有効被験者から得られたスコアについて有意差検定を行い、コントロール
および試験試料間の差を評価した。
試験詳細 : スティンギング刺激を認知することの出来る被験者 15 名を用い、下記の方法でスティンギング刺激評価を
行った。
①クレンジングの後、洗顔を 2 回行った後に、0.15%メチルパラベン水溶液 1~2 mL を含浸させたコットンを、顔
面頬骨の上にのせた。
②①の処理を 2 回行った。
③処理後、試料を十分にのせたコットンを顔面頬骨の上に置き、30 秒間静置し、その後 30 秒間に感じる刺激
感を下記の基準にしたがって、スコア化した。
スコア基準:
1:まったく何も感じない
2:微妙になにか刺激らしいものを感じる
3:軽い刺激感を感じる
4:強い刺激感を感じる
5:頬の上に置いておけないぐらいの刺激感を感じる
製品名 : アデカノール CHG
(9/12)
各種溶剤、油剤に対する溶解度 アデカノール CHG は水に任意に溶解し、メチルパラベンや他の多価アルコールより水溶液系への溶解性が
向上しています。また、油系ではスクワランや大豆油、C8 トリグリセリドに任意に溶解します。
アデカノール
CHG
メチル
パラベン
カプリリル
グリコール
エチルヘキシル
グリセリン
水溶液系
水 ∞ 0.2% 0.3% 0.2%
10%EtOH ∞ 0.3% 0.3% 0.3%
10%PG ∞ 0.3% 0.3% 0.3%
10%DPG ∞ 0.3% 0.6% 0.3%
10%BG ∞ 0.3% 0.5% 0.2%
10%グリセリン ∞ 0.2% 0.6% 0.2%
油系
スクワラン ∞ 不溶 不溶 ∞
パラフィン 不溶 不溶 不溶 ∞
シリコーンオイル 不溶 不溶 不溶 不溶
大豆油 ∞ 1.2% ∞ ∞
C8トリグリセリド ∞ 1.6% ∞ ∞
水相-油相の分配率 アデカノール CHG はメチルパラベンや他の多価アルコールと比べて油相成分の影響を受けにくい成分です。
0 25 50 75 100
メチルパラベン
エチルヘキシルグリセリン
フェノキシエタノール
カプリリルグリコール
アデカノールCHG
水相への分配比率(%)
ミリスチン酸iPr
トリエチルヘキサノイン
オレイルアルコール
製品名 : アデカノール CHG
(10/12)
0
5000
10000
15000
20000
25000
粘度
(mP
a・s)
開始時
3ヵ月後
乳化安定性 【O/W クリーム処方】
アデカノール CHG は乳化安定性や粘度への影響を及ぼしにくい成分です。また、CHG はフェノキシエタノー
ルやエチルヘキシルグリセリン等と併用した際、乳化系をより安定にします。
[処方例] 成分 配合量(%)
界面活性剤 ステアリン酸PEG-40 2.50
モノステアリン酸グリセリル 2.00
油相
流動パラフィン 20.00
ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリル 5.00
ベヘニルアルコール 3.00
水相
1,3-ブチレングリコール 10.00
グリセリン 2.00
キサンタンガム 0.10
グリコール類(CHG、フェノキシエタノール、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン) 1.00
水 残部
O/W クリームの外観 O/W クリームへの影響(25℃)
保存安定性試験(50℃×30 日間)後
CHG 併用による効果 保存安定性試験(50℃×7 日間)後
フェノキシエタノール
0.5% 単独
フェノキシエタノール 0.5%
+CHG 0.5% 併用
分離あり 分離なし
エチルヘキシルグリセリン
0.5% 単独
エチルヘキシルグリセリン 0.5%
+CHG 0.5% 併用
分離あり 分離なし
製品名 : アデカノール CHG
(11/12)
不織布製品への応用 アデカノール CHG は、メチルパラベンやフェノキシエタノールや他の多価アルコール(エチルヘキシルグリセリ
ンとカプリリルグリコール)と比べて各不織布への吸着量が少なく、薬液中に存在するため、不織布製品の保存
力増強効果が期待できます。
測定方法 : 薬液を各不織布へ 2 週間含浸させた後、不織布から薬液を絞り出し、薬液中の成分の残存率を測定し
ました。
【レーヨン/PE】 【パルプ】 【コットン】
各不織布への吸着量/%
製品名 : アデカノール CHG
(12/12)
「肌なじみ」改善効果
アデカノール CHG は他の多価アルコール類よりも低添加量で「肌なじみ」を改善できます。
透明系製剤に乳液のような「肌なじみ」を与えることができます。
測定方法 : 人工皮膚を用いた接触角測定にて、「肌なじみ」評価を行った。
測定条件(液適法)
使用機器 : 接触角計 KYOWA DMs-601
基材 : 人工皮革サプラーレ(出光テクノファイン㈱製)
滴下量 : 50μL
解析条件 : 楕円フィッテイング
※上記は人工皮膚を用いた機器評価の結果です。官能評価では、結果が異なる場合があります。
以上
水
人工皮膚 →
アデカノール CHG 3%aq.
(肌なじみ良好)
アデカノール CHG グリセリン
10%aq.
BG
10%aq. 1%aq. 2%aq. 3%aq.
ペンチレングリコール
3%aq. 5%aq.
0
5
10
15
20
25
肌な
じみ
水の
接触
角か
らの
減少
角度
(°
)