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VERAを用いた1000AUスケールの原始星ディスクにおける星形成過程の研究 椎原駿介、面高俊宏 (鹿児島大学)、永山匠(国立天文台) 100AUほどの太陽系では、惑星はほぼ同一平面上にあり、太陽と惑星の自転軸はほぼ揃っている。そこで、私たちは一段階大きなスケールの1000AUほどの原始星ディスク内でも 星の自転軸の向きが揃っているかを調べるために、大質量星形成領域G35.03+0.35 に注目した。大質量星形成領域G35.03+0.35 コアAには、ALMAによる観測から直径2000AUほ どのケプラー回転をするディスクが存在することが分かっている。そして、BeltranらによるとSpitzerによる4.5μmの観測からディスクに対して垂直方向の双極流アウトフローが存在 することも明らかになっている。さらに、このコアには水メーザーが付随している。そこで、私たちは水メーザー源が付随する原始星のディスクの向きを決めるために、VERAによる 観測で水メーザー源の内部運動を調べた。すると、双極流アウトフローを示唆する結果が得られた。しかし、このアウトフローの向きはSpitzerによる観測から得られたアウトフローの 向きとは異なっており、ディスク方向に沿っていた。つまり、原始星のディスクの向きは2000AUほどのケプラー回転をするディスクに対してほぼ直交していることが分かった。これ は、1000AUスケールのディスク内では星の自転軸の向きが揃っていない例となる。 導入 ~Introduction~ 観測 ~Observations~ 結果 ~Results~ 観測: VERA 20m望遠鏡 4局 (VERA - VLBI Exploration of Radio Astrometry) 期間、回数: 2015年5月 ~ 2016年10月の間に5回 周波数: 22.235GHz(水メーザー) 観測天体 G35.03+0.35 R.A. 18h 54m 0.6456s、Dec. 02° 01’ 19.393” 参照電波源 J1851+0035 R.A. 18h 51m 46.7230s、Dec. 00° 35’ 32.364” 年周視差 π=0.376±0.059 mas 距離 D=2.66 kpc 2.内部運動を求める 参考論文~References~ ➡年周視差は 誤差の範囲で一致 1.VLBAの結果との比較 +0.49 -0.36 300 400 500 600 700 0.4 0.2 0 -0.4 -0.2 R.A. offset (mas) DOY (day) -300 -200 -100 0 100 -200 -100 0 100 200 300 Decl. offset (mas) R.A. offset (mas) 1 mas/yr 44 46 48 50 52 54 56 58 60 LSR velocity (km/s) 40.0 45.0 50.0 55.0 60.0 km s -1 200 100 0 -100 -200 -300 RA offset (mas) -100 0 100 200 300 DEC offset (mas) 20 km s -1 G035.02+00.34 図7. VLBAによる水メーザーの観測で得られた 内部運動の図(Wu et al. 2014)。私たちの結果と おおよそ一致している。 年周視差 π=0.430±0.040 mas 距離 D=2.32 kpc -0.20 +0.23 2011.0 2012.0 Time (years) -1.5 -1.0 -0.5 0.0 0.5 Offset (mas) J1855+0251 太陽系 ・京都モデルで形成の理解 ・サイズ ~60AU以上 ・大質量原始星のケプラー回転するディスクが ALMAの観測で存在することが報告 ・サイズ ~1000AU ➡太陽の自転軸と惑星の自転軸は ほぼ平行で、ほぼ公転面に垂直 ~ 1000AU 大質量星 中・小質量星 太陽はケプラー回転するガス 円盤内の中心で誕生 ➡角運動量保存則から、ディスク内の 中・小質量星の自転軸が大質量星の自転 軸と平行であることが期待される? 回転するガス円盤内の赤道面に チリが沈殿して惑星を形成 私たちはコアAに2つの星が存在すると考えた。 ⓵、⓶からコアAにHII領域を形成する大質量星と 水メーザー源が付随する原始星が存在すると考えた。 理由⓵ HC HII領域の広がりからHII領域の 年齢を概算 ・HII領域のサイズ: ~2000AU ・HII領域の広がる速度: ~6km/s 大質量星は~2000年前に主系列星に ➡大質量星とは異なる、水メーザー源が 付随する原始星が存在すると考えられる 図4. VERAによる観測で 得られた年周視差(R.A.)の図 図5. VLBAによる水メーザーの観測で得られた 年周視差(R.A.)の図(Wu et al. 2014) 水メーザー OHメーザー 6.7GHz メタノールメーザー VLAによる観測データ CH CN 3 3.6cm 連続波 (VLA) 44GHz メタノールメーザー (VLA) コアA 水メーザー(VLA) ハイパーコンパクトHII領域 概要 ~Abstract~ 図1. Spitzerの8μmでの観測により得られた マップ (Beltran et al. 2014)。G35.03+0.35 は黒い四角に位置する。 図2. ALMAによる343GHzでの観測(緑の等高線)と Spitzerによる4.5μmでの観測結果を重ねた図 (Beltran et al. 2014)。Beltranは4.5μmの放射は コアAに位置するハイパーコンパクトHII領域を形成 する大質量星が形成時に出したアウトフローによっ てできたキャビティのシェルからのものとしている。 図3. ALMAによるコアAに対するCH3CNの観測結果 (Beltran et al. 2014)。速度勾配が赤い点線に沿って 存在している。Beltranは速度勾配はケプラー回転する ディスクによるものだとしており、ディスクの直径は およそ2000AUとしている。 図2, 3より大質量星の双極流はケプラー 回転するディスクに垂直であることが分かる。 2.大質量星形成領域 G35.03+0.35について 1.目的 固有運動 (μx, μy) = (-1.17±0.14, -4.87±0.74) mas/yr 標準偏差 (σx, σy) = (0.049, 0.46) mas 図6. 国立天文台永山氏の解析による内部運動の図。双極流アウト フローを示唆する結果から、黄色の丸の付近に水メーザー源が 付随する原始星が存在し、ディスクの向きは黒い点線に沿うと 考えられる。 年周視差 (R.A.) M.T. Beltran, A. Sanchez-Monge, R. Cesaroni, M.S.N. Kumar, D. Galli, C.M. Walmsley, S.Etoka, R.S. Furuya, L. Moscadelli, T. Stanke, F.F.S. van der Tak, S. Vig, K.-S. Wang, H. Zinnecker, D. Elia, and E. Schisand. 2014, A&A,571,A52 Y. W. Wu, M. Sato, M. J. Reid, L. Moscadelli, B. Zhang, Y. Xu, A. Brunthaler, K. M. Menten, T. M. Dame, and X. W. Zheng 2014, A&A,566,A17 ケプラー回転するディスクの向き 理由⓶ 水メーザーとケプラー回転するディスクの 視線速度を比較 ・G35.03+0.35 Vsys = 51.5km/s ・水メーザー源の視線速度 44 ~ 62km/s 同じ回転ディスク内に存在すると考えられる VLSR(km/s) Δδ(arcsec) Δα(arcsec) 図7. 図3に図6を重ねた図。黒い点線は大質量星の 双極流の向き、赤い矢印は水メーザー源の内部運動 から得られた双極流の向きを示す。2つの星のアウト フローはほぼ直交している 一般には、ケプラー回転するディスクの中で 2つの星が同時期に生まれた場合は双極流の 向きが一致すると想像したが・・・ 考察 ~Discussion~ 結論: ケプラー回転するディスクのスケール (2000AU)では星のディスクの向きが揃って いないことが分かった。 1000AUスケール(距離に基づく)のディスク内でも星の自転軸の 向きが揃っているか ケプラー回転するディスクの向き 大質量星の 双極流の向き 水メーザー源の内部運動 から得られた双極流の向き ➡水メーザー源の内部運動を調べることで、目的である1000AUスケールの ディスク内でも星の自転軸の向きが揃っているかを確かめられる!

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Page 1: poster VLBI symposium - NICT...VERAを用いた1000AUスケールの原始星ディスクにおける星形成過程の研究 椎原駿介、面高俊宏 (鹿児島大学)、永山匠(国立天文台)

VERAを用いた1000AUスケールの原始星ディスクにおける星形成過程の研究椎原駿介、面高俊宏 (鹿児島大学)、永山匠(国立天文台)

100AUほどの太陽系では、惑星はほぼ同一平面上にあり、太陽と惑星の自転軸はほぼ揃っている。そこで、私たちは一段階大きなスケールの1000AUほどの原始星ディスク内でも星の自転軸の向きが揃っているかを調べるために、大質量星形成領域G35.03+0.35 に注目した。大質量星形成領域G35.03+0.35 コアAには、ALMAによる観測から直径2000AUほどのケプラー回転をするディスクが存在することが分かっている。そして、BeltranらによるとSpitzerによる4.5μmの観測からディスクに対して垂直方向の双極流アウトフローが存在することも明らかになっている。さらに、このコアには水メーザーが付随している。そこで、私たちは水メーザー源が付随する原始星のディスクの向きを決めるために、VERAによる観測で水メーザー源の内部運動を調べた。すると、双極流アウトフローを示唆する結果が得られた。しかし、このアウトフローの向きはSpitzerによる観測から得られたアウトフローの向きとは異なっており、ディスク方向に沿っていた。つまり、原始星のディスクの向きは2000AUほどのケプラー回転をするディスクに対してほぼ直交していることが分かった。これは、1000AUスケールのディスク内では星の自転軸の向きが揃っていない例となる。

導入 ~Introduction~ 観測 ~Observations~

結果 ~Results~

観測: VERA 20m望遠鏡 4局 (VERA - VLBI Exploration of Radio Astrometry) 期間、回数: 2015年5月 ~ 2016年10月の間に5回 周波数: 22.235GHz(水メーザー) 観測天体 G35.03+0.35 R.A. 18h 54m 0.6456s、Dec. 02° 01’ 19.393” 参照電波源 J1851+0035 R.A. 18h 51m 46.7230s、Dec. 00° 35’ 32.364”

年周視差 π=0.376±0.059 mas 距離 D=2.66 kpc

2.内部運動を求める

参考論文~References~

➡年周視差は 誤差の範囲で一致

1.VLBAの結果との比較

+0.49-0.36

0.4

0.2

300 400 500 600 700

0.4

0.2

0

-0.4

-0.2

R.A. offset (mas)

DOY (day)

4 G35.03

-238

-236

-234

-232

-230

116 118 120

Dec

l. o

ffse

t (m

as)

R.A. offset (mas)

G35.03

18h54m00.6456s +02d01’19.393"

π = 0.387±0.073 mas (D = 2.58+0.60

-0.41 kpc)

(µx, µy) = (-1.45±0.11, -4.54±0.14) mas/yr

(σx, σy) = (0.087, 0.137) mas

-10

-8

-6

-4

-2

0

2015 2016 2017

Off

set

(mas

)

Year

-1.5

-1

-0.5

0

0.5

2015 2016 2017

Off

set

(mas

)

Year

-300

-200

-100

0

100

-200-100 0 100 200 300

Dec

l. o

ffse

t (m

as)

R.A. offset (mas)

1 mas/yr

44

46

48

50

52

54

56

58

60L

SR

vel

oci

ty (

km

/s)

4

A&A 566, A17 (2014)

-10.0

-5.0

0.0km s-1

200 100 0 -100RA offset (mas)

-100

0

100

200

DE

C o

ffset

(m

as)

5 km s-1

G351.44+00.65

5.0

10.0

15.0

20.0km s-1

200 100 0 -100 -200 -300RA offset (mas)

-200

-100

0

100

200

300

400

DE

C o

ffset

(m

as)

5 km s-1

G011.49-01.48

20.0

25.0

km s-1

60 40 20 0 -20RA offset (mas)

-20

0

20

40

60

DE

C o

ffset

(m

as)

20 km s-1

G014.63-00.57

40.0

45.0

50.0

55.0

60.0km s-1

200 100 0 -100 -200 -300RA offset (mas)

-100

0

100

200

300

DE

C o

ffset

(m

as)

20 km s-1

G035.02+00.34

35.0

40.0

45.0

50.0

55.0km s-1

1200 800 400 0RA offset (mas)

-800

-400

0

400

DE

C o

ffset

(m

as)

20 km s-1

G037.43+01.51

35.0

40.0

45.0

50.0

55.0km s-1

1000 0 -1000RA offset (mas)

-1000

0

1000

DE

C o

ffset

(m

as)

20 km s-1

G043.79-00.12

Fig. A.3. Relative proper motions of maser spots, by removing absolute proper motions listed in Table 2. Toward G037.43+1.51, squares andcircles denote methanol and water masers, respectively.

A17, page 20 of 26

図7. VLBAによる水メーザーの観測で得られた 内部運動の図(Wu et al. 2014)。私たちの結果と おおよそ一致している。

年周視差 π=0.430±0.040 mas 距離 D=2.32 kpc-0.20

+0.23

A&A 566, A17 (2014)

2010.0 2011.0Time (years)

-4.0

-3.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

Offs

et (

mas

)

J1712-3514

2011.0 2012.0Time (years)

-3.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

Offs

et (

mas

)

J1808-1822J1821-2110

2011.0 2012.0Time (years)

-2.5

-2.0

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

1.0

Offs

et (

mas

)

J1825-1718J1809-1520J1810-1822

2011.0 2012.0Time (years)

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

Offs

et (

mas

)

J1855+0251

2011.0 2012.0Time (years)

-3.0

-2.0

-1.0

0.0

1.0

Offs

et (

mas

)

J1856+0610J1855+0251

2011.0 2012.0Time (years)

-2.5

-2.0

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

0.5

Offs

et (

mas

)

J1856+0610J1855+0251J1903+0145J1904+0110

2009.0 2010.0Time (years)

-0.6

-0.4

-0.2

0.0

0.2

Offs

et (

mas

)

J1905+0952J1907+0907

2011.0 2012.0Time (years)

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0.0

0.2

Offs

et (

mas

)

J1922+0841J1905+0952J1907+0907

2010.0 2011.0 2012.0Time (years)

-0.4

-0.2

0.0

0.2

Offs

et (

mas

)

J1913+0932

2011.0 2012.0Time (years)

-1.5

-1.0

-0.5

0.0

Offs

et (

mas

)

J1905+0952J1908+1201J1913+1307J1925+1227

2011.0 2012.0Time (years)

-0.8

-0.6

-0.4

-0.2

0.0

0.2

Offs

et (

mas

)

J1917+1405J1924+1540J1925+1227

Fig. 2. Same as Fig. 1, but without the best-fit proper motion. Top panels: G351.44+00.65, G011.49−01.48, G014.63−00.57, and 22 GHzG035.02+00.34; middle panels: 12 GHz G037.43+01.51, 22 GHz G037.43+01.51, G043.79−01.51, and G043.89−00.78; bottom panels:G045.07+00.13, G045.45+00.05, and G049.19-00.34.

move slowly (<5 km s−1) with respect to their central excitingstar, we used the unweighted average of the relative proper mo-tions of all spots for µoff . For these masers, the differences be-tween VLSR of the methanol masers and CO lines are less than5 km s−1 (see discussion in Sect. 3.3); therefore, we adoptedσoff = 5/D(kpc)/4.74 mas yr−1.

More details of the measurement of parallaxes and internalmaser motions are presented in Tables A.2 and A.4.

3.2. Galactic locations of individual HMSFRsTable 2 lists the parallax, proper motions, and LSR velocities ofthe 18 masers that we located in the Sagittarius arm, ten from this

A17, page 4 of 26

太陽系 ・京都モデルで形成の理解 ・サイズ ~60AU以上

・大質量原始星のケプラー回転するディスクがALMAの観測で存在することが報告 ・サイズ ~1000AU

➡太陽の自転軸と惑星の自転軸はほぼ平行で、ほぼ公転面に垂直

~ 1000AU

大質量星中・小質量星

太陽はケプラー回転するガス円盤内の中心で誕生

➡角運動量保存則から、ディスク内の 中・小質量星の自転軸が大質量星の自転 軸と平行であることが期待される?

回転するガス円盤内の赤道面にチリが沈殿して惑星を形成

私たちはコアAに2つの星が存在すると考えた。

⓵、⓶からコアAにHII領域を形成する大質量星と 水メーザー源が付随する原始星が存在すると考えた。

理由⓵ HC HII領域の広がりからHII領域の 年齢を概算 ・HII領域のサイズ: ~2000AU ・HII領域の広がる速度: ~6km/s ➡大質量星は~2000年前に主系列星に ➡大質量星とは異なる、水メーザー源が 付随する原始星が存在すると考えられる

図4. VERAによる観測で 得られた年周視差(R.A.)の図

図5. VLBAによる水メーザーの観測で得られた 年周視差(R.A.)の図(Wu et al. 2014)

水メーザー OHメーザー

6.7GHz メタノールメーザーVLAによる観測データ

CH CN3

3.6cm 連続波 (VLA)44GHz メタノールメーザー (VLA)

コアA

水メーザー(VLA)

ハイパーコンパクトHII領域

概要 ~Abstract~

図1. Spitzerの8μmでの観測により得られた マップ (Beltran et al. 2014)。G35.03+0.35は黒い四角に位置する。

図2. ALMAによる343GHzでの観測(緑の等高線)とSpitzerによる4.5μmでの観測結果を重ねた図(Beltran et al. 2014)。Beltranは4.5μmの放射はコアAに位置するハイパーコンパクトHII領域を形成する大質量星が形成時に出したアウトフローによってできたキャビティのシェルからのものとしている。

図3. ALMAによるコアAに対するCH3CNの観測結果(Beltran et al. 2014)。速度勾配が赤い点線に沿って 存在している。Beltranは速度勾配はケプラー回転するディスクによるものだとしており、ディスクの直径は およそ2000AUとしている。

図2, 3より大質量星の双極流はケプラー 回転するディスクに垂直であることが分かる。

2.大質量星形成領域 G35.03+0.35について

1.目的

固有運動 (μx, μy) = (-1.17±0.14, -4.87±0.74) mas/yr標準偏差 (σx, σy) = (0.049, 0.46) mas

図6. 国立天文台永山氏の解析による内部運動の図。双極流アウト フローを示唆する結果から、黄色の丸の付近に水メーザー源が 付随する原始星が存在し、ディスクの向きは黒い点線に沿うと 考えられる。

年周視差 (R.A.)

M.T. Beltran, A. Sanchez-Monge, R. Cesaroni, M.S.N. Kumar, D. Galli, C.M. Walmsley, S.Etoka, R.S. Furuya, L. Moscadelli, T. Stanke, F.F.S. van der Tak, S. Vig, K.-S. Wang, H. Zinnecker, D. Elia, and E. Schisand. 2014, A&A,571,A52

Y. W. Wu, M. Sato, M. J. Reid, L. Moscadelli, B. Zhang, Y. Xu, A. Brunthaler, K. M. Menten, T. M. Dame, and X. W. Zheng 2014, A&A,566,A17

ケプラー回転するディスクの向き

理由⓶ 水メーザーとケプラー回転するディスクの 視線速度を比較 ・G35.03+0.35 Vsys = 51.5km/s ・水メーザー源の視線速度 44 ~ 62km/s ➡同じ回転ディスク内に存在すると考えられる

VLSR(km/s)

Δδ(arcsec)

Δα(arcsec)

図7. 図3に図6を重ねた図。黒い点線は大質量星の 双極流の向き、赤い矢印は水メーザー源の内部運動 から得られた双極流の向きを示す。2つの星のアウト フローはほぼ直交している

一般には、ケプラー回転するディスクの中で 2つの星が同時期に生まれた場合は双極流の 向きが一致すると想像したが・・・

考察 ~Discussion~

結論: ケプラー回転するディスクのスケール (2000AU)では星のディスクの向きが揃って いないことが分かった。

1000AUスケール(距離に基づく)のディスク内でも星の自転軸の 向きが揃っているか

ケプラー回転するディスクの向き大質量星の 双極流の向き

水メーザー源の内部運動 から得られた双極流の向き

➡水メーザー源の内部運動を調べることで、目的である1000AUスケールの ディスク内でも星の自転軸の向きが揃っているかを確かめられる!