Palliative care Emphasis program on symptom management and ... ·...
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PEACE
Palliative care Emphasis program on symptom management and Assessment
for Continuous medical Education
コミュニケーション
スライド作成
日本サイコオンコロジー学会教育委員会
精神腫瘍学の基本教育に関する小委員会
2009年1月版
M-8
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
がん医療におけるコミュニケーション
I. オリエンテーション(20分)
II. グループ・ワーク(100分)
1. 小グループ(3人一組)に分かれる
2. 自己紹介
3. ロール・プレイ(20分×3人)
4. グループ・ワークのまとめ
III. 講義(60分)
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I.オリエンテーション
I-1. 目的
がん対策基本法
学習目標
I-2. 方法
グループ・ワーク
自己紹介
ロール・プレイ
全体討論
講義
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-1. 目的
学習目標
グループ・ワーク(ロール・プレイの経験)を通し
て、がん医療における患者・医師間のコミュニ
ケーションの重要性を認識する
患者役を体験することにより、患者の置かれて
いる状況や気持ちを理解する
講義を通して、がん医療において悪い知らせを
伝える際のコミュニケーションスキル(SHARE)に関する知識を得る
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-1. 目的
がん対策基本法 基本理念〔抜粋〕 平成19年4月施行
がん患者の置かれている状況に応じ、本人の意向を十分に尊重してがんの治療方法等が選択されるようがん医療を提供する体制の整備がなされること
がん対策推進基本計画 取り組むべき施策〔抜粋〕 平成19年6月策定
がん医療における告知等の際には、がん患者に対する特段の配慮が必要であることから、医師のコミュニケーション技術の向上に努める
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-1. 目的
コミュニケーションとは
語源:communicare意味:共有する
表情、姿勢、身振りなど55%
声の調子38%
言葉7%
Mehrabian 1971
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-1. 目的
医師のコミュニケーション技術と関連する要因
1. がん患者の精神的苦痛
2. がん患者の医療に対する満足感
3. がん患者による重要な情報の開示
4. 患者からの苦情
5. 治療アドヒアランス
6. がん専門医の燃え尽き
Mager et al.2002
Ishikawa et al. 2002
Maguire et al. 1996
Tamblyn et al. 2007
中川ら 2001
Ramirez et al. 1995
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-1. 目的
基本的なコミュニケーション技術
コミュニケーションの準備
身だしなみを整える
座る位置に配慮する
話を聴くスキル
目や顔を見る
相槌を打つ
質問するスキル
Yes/Noで答えられない質問(オープン・クエスチョン)を用いる
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-1. 目的
基本的なコミュニケーション技術
共感するスキル 共感+探索+保証=サポート
共感患者の気持ちを繰り返す
例 ・・・(沈黙)・・・死にたいくらいつらいのですね
沈黙(5-10秒)を積極的に使う例 患者が目を上げ、発言するのを待つ
探索患者の気持ちや気がかりを探索し理解する
例 ご心配を教えていただけますか?
保証患者の気持ちを理解していることを明確に示す
例 このような症状の中でお仕事をされてさぞおつらかったでしょう
皆さんそのように思われますよ
多くの患者さんも同じような経験をされています
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
グループ・ワークの手順
グループ・ワーク
自己紹介
一人2分程度
内容
現在の仕事内容
コミュニケーション・スキルに関する学習の経験
ロール・プレイの経験
本研修会参加動機
その他(年齢、趣味、出身地など)
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
ロール・プレイの手順
ロール・プレイ
役割(医師役、患者役、オブザーバー)を決める
医師役はシナリオを選択する
患者役はシナリオに自分の背景を書き込む
シナリオをグループ内で共有する
オブザーバーはフィードバック法を確認する
医師役、患者役は役作りする(役になりきることが重要)
ロール・プレイを開始する
医師役は基本的コミュニケーション技術を一つか二つ取り入れる
オブザーバーは時間を管理(ロール・プレイ7分後に「タイム」)する。
また、取り入れたいと思うコミュニケーション技術を見つける
ロールプレイが終了したら、完全に役からおりることが重要
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
ロール・プレイの時間配分
ディスカッションの時間をとってください(患者の気持ち、医師の気持ちをグループ内で共有する)
20分経過したら交代する
進行上疑問があればファシリテーターに質問する
ロール・プレイ(3-7分)
役作り(5-7分)
・シナリオ決め・役になりきる
20分
1. 医師役が気持ちを話す
2. オブザーバーが取り入れたいと感じたコミュニケーションを伝える
3. 患者役が気持ちを話す
フィードバック(5-10分)
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
シナリオ例 医師役(呼吸器)
医師氏名 : (高橋英明)医師
専門科 : (呼吸器)科
患者氏名 : (山田隆弘)
年齢 : (48歳)
これまでの経緯 : (会社の検診で右肺に異常影が認められ、精査目的で当院を受診。自覚症状は咳)
検査所見 : (胸部X線、胸腹部CT、MRI、針生検)
診断 : (肺腺)がん IV期
今日の面談 : 10日後の今日は、外来で手術不能の難治がんの診断結果を伝える
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
シナリオ例 医師役(消化器)
医師氏名 : (高橋英明)医師
専門科 : (呼吸器)科
患者氏名 : (山田隆弘)
年齢 : (48歳)
これまでの経緯 : (会社の検診で便潜血反応を指摘され、精査目的で当院を受診。自覚症状は便通異常、咳)
検査所見 : (大腸ファイバー、胸腹部CT、血液検査)
診断 : (直腸)がん IV期 (肺転移)
今日の面談 : 10日後の今日は、外来で手術不能の難治がんの診断結果を伝える
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
シナリオ例 医師役(乳腺)
医師氏名 : (高橋英明)医師
専門科 : (乳腺)科
患者氏名 : (鈴木弘子)
年齢 : (48歳)
これまでの経緯 : (地域の検診で触診にて右乳房のしこりを指摘され精査目的で当院を受診。自覚症状はなし)
検査所見 : (マンモグラフィ、吸引細胞診)
診断 : (乳)がん IV期
今日の面談 : 10日後の今日は、外来で手術不能の難治がんの診断結果を伝える
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
シナリオ例 患者役①
患者氏名 : (山田隆弘)
年齢 : (48歳)
家族背景 : (妻美代子(46歳)、娘多香子(16歳)、息子真治(13歳)の4人暮らし。田舎に父母2人暮らし。兄、妹の3人兄弟)
職業 : (商社勤務)
生活歴 : (地元国立大学卒業後、○○商事入社、29歳で結婚。現在人事部部長)
趣味 : (釣り、読書)
受診までの経緯 : (会社の検診で異常影を指摘され精査目的で総合病院を紹介受診。)がんの可能性は伝えられているが、手術不能の進行がんということは予測していない
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
シナリオ例 患者役②
患者氏名 : (鈴木弘子)
年齢 : (48歳)
家族背景 : (夫慶一(49歳)、娘陽子(19歳)、千春(16歳)の4人暮らし。田舎に父母2人暮らし。兄、妹の3人兄弟)
職業 : (専業主婦)
生活歴 : (地元短大卒業後、地元企業でOL、26歳で結婚現在主婦をしながら家庭菜園を楽しいでいる)
趣味 : (家庭菜園、音楽鑑賞)
受診までの経緯 : (地域の検診で触診にて右乳房のしこりを指摘され、精査目的で当院を受診。自覚症状なし)がんの可能性は伝えられているが、手術不能の進行がんということは予測していない
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
ロール・プレイ観察のポイント
オブザーバーのロール・プレイの観察のポイント
1. 医師のコミュニケーションを観察する
2. 取り入れたいコミュニケーションを見つける
私が取り入れたい、真似したいと感じたのは○○という点です
チェックポイント
□身だしなみ □座る位置に配慮する □目や顔を見る
□相槌を打つ □オープン・クエスチョンを用いる
□患者の気持ちを繰り返す □沈黙の時間をとる
□患者の心理を探索する □気持ちを理解したことを伝える
3. 患者の表情を想像する
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
フィードバックのポイント
オブザーバー、患者役のフィードバックのポイント
1. 気づいたことすべてではなく、受け手が対処できる量
(1つか2つ)を扱う
2. 医師役の気持ちに配慮して発言する
3. 医師役の利益となるかを考える
4. 押し付けるような発言は控える
5. 医師役が解決したい問題点を話し合う
6. 良い、悪いといった評価、批判、指摘ではなく、具体
的にどうしたら問題が解決するかを話し合う
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
グループ・ワークのまとめ
グループ内ではどのような話し合いが行わ
れましたか?
1. 医師役を演じて、どのような気持ちを経験し
ましたか?
2. どのようなコミュニケーションが参考になりまし
たか?
3. 患者役を演じて、どのような気持ちを経験し
ましたか?
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-2. 方法
講義
基本的なコミュニケーション
がん医療における患者ー医師間のコミュニケーション
コミュニケーションの語源と意味
情報の種類
基本的なコミュニケーション技術
悪い知らせを伝える
がん医療における悪い知らせとは
インフォームドコンセントと心の機能
コミュニケーションに対する患者の意向
悪い知らせを伝えるコミュニケーション技術
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
II. グループ・ワーク
II-1. 自己紹介
II-2. ロール・プレイ
II-3. まとめ
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
II. グループ・ワーク
近くの人同士3人グループを作る
グループ間はできるだけ離れる
医師役 患者役
オブザーバー
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
II-1. 自己紹介
一人2分程度
内容
現在の仕事内容
コミュニケーション・スキルに関する学習の経験
ロール・プレイの経験
本研修会参加動機
その他(年齢、趣味、出身地など)
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
II-2. ロール・プレイ
役割(医師役、患者役、オブザーバー)を決める
医師役はシナリオを選択する
患者役はシナリオに自分の背景を書き込む
シナリオをグループ内で共有する
オブザーバーはフィードバック法を確認する
医師役、患者役は役作りする(役になりきる)
ロール・プレイを開始する
医師役は普段どおり面談を行う
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
II-2. ロール・プレイ
シナリオ(医師役)
医師氏名 : ( )医師
専門科 : ( )科
患者氏名 : ( )
年齢 : ( )
これまでの経緯 : ( )
検査所見 : ( )
診断 : ( )がん IV期
今日の面談 : 10日後の今日は、外来で手術不能の難治がんの診断結果を伝える
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
II-2. ロール・プレイ
シナリオ(患者役)
患者氏名 : ( )
年齢 : ( )
家族背景 : ( )
職業 : ( )
生活歴 : ( )
趣味 : ( )
受診までの経緯 : ( )
がんの可能性は伝えられているが、手術不能の進行がんということは予測していない
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
II-2. ロール・プレイ
観察のポイント
1. 医師のコミュニケーションを観察する
2. 取り入れたいコミュニケーションを見つける「私が取り入れたい、真似したいと感じたのは○○という
点です」
チェックポイント
□身だしなみ □座る位置に配慮する □目や顔を見る
□相槌を打つ □オープン・クエスチョンを用いる
□患者の気持ちを繰り返す □沈黙の時間をとる
□患者の心理を探索する □気持ちを理解したことを伝える
3. 患者の表情を想像する
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
確認
ロール・プレイの時間配分
ディスカッションの時間をとってください(患者の気持ち、医師の気持ちをグループ内で共有する)
20分経過したら交代する
進行上疑問があればファシリテーターに質問する
ロール・プレイ(3-7分)
役作り(5-7分)
・シナリオ決め・役になりきる
20分
1. 医師役が気持ちを話す
2. オブザーバーが取り入れたいと感じたコミュニケーションを伝える
3. 患者役が気持ちを話す
フィードバック(5-10分)
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
II-3. まとめ
グループ内ではどのような話し合いが行わ
れましたか?
1. 医師役を演じて、どのような気持ちを経験し
ましたか?
2. どのようなコミュニケーションが参考になりまし
たか?
3. 患者役を演じて、どのような気持ちを経験し
ましたか?
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
III. 講義
III-1. 基本的なコミュニケーション
がん医療における患者ー医師間のコミュニケーション
コミュニケーションの語源と意味
情報の種類
基本的なコミュニケーション技術
III-2. 悪い知らせを伝える
がん医療における悪い知らせとは
インフォームドコンセントと心の機能
コミュニケーションに対する患者の意向
悪い知らせを伝えるコミュニケーション技術
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
III-1. 基本的なコミュニケーション
基本的なコミュニケーション
例:通常の診療
悪い知らせを伝える例:難治がん、再発、抗がん治療中止を伝える
困難なケースに対応する例:否認、怒り、「私死ぬんですか」
精神疾患に対応する例: 重症うつ病、自殺
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
I-1. 目的
医師のコミュニケーション技術と関連する要因
1. がん患者の精神的苦痛
2. がん患者の医療に対する満足感
3. がん患者による重要な情報の開示
4. 患者からの苦情
5. 治療アドヒアランス
6. がん専門医の燃え尽き
Mager et al.2002
Ishikawa et al. 2002
Maguire et al. 1996
Tamblyn et al. 2007
中川ら 2001
Ramirez et al. 1995
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
コミュニケーションの語源と意味
語源:communicare意味:共有する
表情、姿勢、身振りなど55%
声の調子38%
言葉7%
Mehrabian 1971
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
基本的なコミュニケーション技術
コミュニケーションの準備
身だしなみを整える
静かで快適な部屋を設定する
座る位置に配慮する
挨拶をする
名前を確認する
礼儀正しく接する
時間を守る
ことわりを入れて電話に出る
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
基本的なコミュニケーション技術
話を聴くスキル
目や顔を見る
目線は同じ高さに保つ
患者に話すよう促す
相槌を打つ
患者の言葉を自分の言葉で反復する
患者の話を遮らない
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
基本的なコミュニケーション技術
質問するスキル
Yes/Noで答えられない質問(オープン・クエス
チョン)を用いる
病気だけでなく患者自身への関心を示す
わかりやすい言葉を用いる
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
基本的なコミュニケーション技術
応答するスキル
患者が言いたいことを探索し理解する
患者の言葉を言い換えて理解したことを伝える
事実に基づいた情報を提供する
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
基本的なコミュニケーション技術
共感するスキル 共感+探索+保証=サポート
共感患者の気持ちを繰り返す
例 ・・・(沈黙)・・・死にたいくらいつらいのですね
沈黙(5-10秒)を積極的に使う例 患者が目を上げ、発言するのを待つ
探索患者の気持ちや気がかりを探索し理解する
例 ご心配を教えていただけますか?
保証患者の気持ちを理解していることを明確に示す
例 このような症状の中でお仕事をされてさぞおつらかったでしょう
皆さんそのように思われますよ
多くの患者さんも同じような経験をされています
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
III-1. 基本的なコミュニケーション
基本的なコミュニケーション
例:通常の診療
悪い知らせを伝える例:難治がん、再発、抗がん治療中止を伝える
困難なケースに対応する例:否認、怒り、「私死ぬんですか」
精神疾患に対応する例: 重症うつ病、自殺
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
がん医療における悪いしらせとは
「悪い知らせ」とは、患者の将来への見通しを根底
から否定的に変えてしまうもの Buckman 1984
52万人/年 32万人/年闘病者300万人
難治がんの診断
がんの再発・進行
積極的抗がん治療の中止
Fallowfield & Jenkins 2004
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
悪い知らせと日本人がん患者のストレス
うつ病との関連がん種 時期 大うつ病 適応障害
頭頚部がん 治 療 前 4% 13% Kugaya et al ., 2000
早期肺がん 治療後 4% 5% Uchitomi et al., 2000
進行肺がん 診断1ヵ月後 5% 14% Akecchi et al., 2001
乳がん 治療後 5% 18% Akechi et al., 2001
乳がん再発 18ヶ月以内 7% 35% Okamura et al., 2000
乳がん再発 3ヶ月以内 2% 20% Okamura et al., 2005
抗がん治療の中止 7% 16% Akechi 2004., et al
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
悪い知らせと日本人がん患者のストレス
自殺との関連
時期 一般人口との比較(95%Cl)
がん診断後 3-5ヶ月以内 4.35 倍(1.87-8.58) がん診断後 5年以内
男性 1.62 倍(1.03-2.43)女性 2.13 倍(1.22-3.47)
50代 1.93 倍(1.19-2.95) 遠隔転移 4.66 倍(2.12-8.84) 女性性器がん 3.58 倍(1.54-7.06)男性性器がん 5.86 倍(1.58-15.05)
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
インフォームドコンセントと心の機能
説明→(気持ち→)同意
知 ⇔ 情 ⇔ 意
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
コミュニケーションに対するがん患者の意向の構成概念:SHARE
対象:がん患者571名、医師7名方法:半構造化面接、質問紙調査
解析:内容分析、および因子分析
結果:619の発言内容から70項目、及び4つの構成要素が抽出された
S upportive Environment
H ow to deliver the bad news
A dditional information
R eassurance and E motional support
起
承
転
結
H
A
RE
RE
RE
RE
S
H
Fujimori et al. 2005; 2007
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
Supportive environment支持的な環境を設定する
十分な時間を設定する
プライバシーが保たれた、落ち着いた環境
を設定する
面談が中断しないように配慮する
家族の同席を勧める
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
How to deliver the bad news悪い知らせを伝える
正直に、わかりやすく、丁寧に伝える
患者の納得が得られるように説明をする
はっきりと伝えるが「がん」という言葉を繰り
返し用いない
言葉は注意深く選択し、適切に婉曲的な表
現を用いる
質問を促し、その質問に答える
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
Additional information付加的な情報を提供する
今後の治療方針を話し合う
患者個人の日常生活への病気の影響につ
いて話し合う
患者が相談や気がかりを話すよう促す
患者の希望があれば、代替療法やセカンド・
オピニオン、余命などの話題を取り上げる
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
Reassurance and Emotional Support安心感と情緒的サポートを提供する
優しさと思いやりを示す
患者に感情表出を促し、患者が感情を表出したら
受け止める
例:沈黙
「どのようなお気持ちですか?」
うなずく
家族に対しても患者同様配慮する
患者の希望を維持する
「一緒に取り組みましょうね」と言葉をかける
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
悪い知らせを伝えるコミュニケーション技術
起
面談までに準備する・事前に重要な面談であることを伝えておく ・家族の同席を促す・プライバシーが保たれた部屋、十分に時間を確保する ・面談の中断を避ける・身だしなみや時間遵守など基本的態度に留意する
面談を開始する・面談の始めからいきなり悪い知らせを伝えない ・経過を振り返り病気の認識を確認する・現実とのギャップの埋め方の戦略を立てる ・気持ちを和らげる言葉をかける・聴くスキルを使用して患者の気がかりを聞く ・家族にも同様に配慮する
承悪い知らせを伝える・心の準備のための言葉をかける ・写真や検査データを用いる、紙に書く・わかりやすく明確に伝える ・患者の理解度を確認し、速すぎないか尋ねる・感情を受け止め、気持ちをいたわる ・質問や相談があるかどうか尋ねる
転治療を含め今後のことについて話し合う・標準治療、とりうる選択肢について説明する ・推奨する治療法を伝える・がんの治る見込みを伝える ・セカンドオピニオンについて説明する・患者が希望の持てる情報も伝える ・患者の日常生活や仕事について話し合う
結面談をまとめる・要点をまとめる ・患者の気持ちを支える言葉をかける・説明に用いた紙を渡す ・責任を持って診療にあたること、見捨てないことを伝える
SHAREを時系列に並べ替えたもの
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
起:面談までに準備する
事前に重要な面談であることを伝えておく
面談の重要性に対する患者の認識を高めるために家族の同席を促す
「次回は検査結果をお伝えする大事なお話がありますので、ご家族の方など、どなたかご一緒にいらしていただくこともできます」
プライバシーが保たれた部屋、十分な時間を確保する
面談の中断を避けるため電話が鳴らないように配慮する
面談中に電話に出る場合には患者や家族に一言ことわりを述べる
身だしなみや時間遵守など基本的態度に留意する
注:初回診断、再発、積極的抗がん治療中止でポイントは異なる
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
起:面談を開始する・・・
重要な面談に際して患者は緊張しているため、面談の始
めからいきなり悪い知らせを伝えない
あいさつ (時候の挨拶やオープン・クエスチョンで気持ち
を和らげる)
「今日は暑いですね」
「大変お待たせしました」
「この1週間いかがお過ごしでした?」
患者の気がかりを聞く
経過を振り返り、病気に対する患者の認識を知る
「・・・ご家族の方にはどのように説明されましたか?」
「・・・その後病気についてどのようにお考えになりましたか?」
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
・・・起:面談を開始する
患者が使う語彙に注意を向け、現実とのギャップの埋め方
や何をどの程度伝えるかという戦略を立てる
家族にも留意する
「ご主人も心配されたでしょうね」
医療者の同席がある場合は目的を伝え、予め了承を得る
「一緒に○○さんを担当する看護師の△△です。後で質問や相談を
していただけるように同席してもよろしいですか?」
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
承:悪い知らせを伝える・・・
心の準備のための言葉をかける
「ご心配されていた結果かと思いますが」
「大変申し上げにくいのですが」
「残念な結果なのですが」
悪い知らせをわかりやすく明確に伝える
(がんを伝える際にはあいまいにせず「がん」とい
う言葉を用いる)
写真や検査データを用いる、紙に書く
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
・・・承:悪い知らせを伝える
患者の理解度を確認し、速すぎないか尋ねる
「ここまではご理解いただけましたか?」
「わからないことがあれば話の途中でもご質問くださいね」
質問や相談があるかどうか尋ねる
感情を受け止め、気持ちをいたわる言葉をかける
(沈黙、探索、保証、共感の言葉)
「・・・(沈黙:5秒間)・・・どうお感じになりました?」
「・・・(沈黙)・・・大丈夫ですか?皆さん、混乱されます」
「・・・(沈黙)・・・とても驚かれたことでしょうね」
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
転:今後のことについて話し合う
治療について話し合う標準的な治療法、その他の治療法、治療の危険性、有効性を説明した上
で推奨する治療法を伝える
治る見込みについて話し合う「がんを完全に取り去り完治することは難しい状況ですが・・・現在の生活
を保つことが目標になります」
セカンドオピニオンについて説明する
治療選択に誰が関わるか尋ねる
日常生活、家事、仕事など生活面への影響について話し合う
利用できるサービス (心理的援助、高額医療負担、訪問看護・・・)
患者が希望を持てる情報も伝える「痛みをとる治療はあります。我慢せずにおっしゃってください」
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
結:面談をまとめる
要点をまとめる
「今日は○○についてお話しました・・・」
説明に用いた紙を渡す
責任を持って治療にあたること、見捨てないことを
伝える
「私たちは 善の努力を続けます」
「ご希望があればいつでもおっしゃってください」
患者の気持ちを支える言葉をかける
「一緒にやっていきましょうね」
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
悪い知らせを伝えるコミュニケーション技術
起
面談までに準備する・事前に重要な面談であることを伝えておく ・家族の同席を促す・プライバシーが保たれた部屋、十分に時間を確保する ・面談の中断を避ける・身だしなみや時間遵守など基本的態度に留意する
面談を開始する・面談の始めからいきなり悪い知らせを伝えない ・経過を振り返り病気の認識を確認する・現実とのギャップの埋め方の戦略を立てる ・気持ちを和らげる言葉をかける・聴くスキルを使用して患者の気がかりを聞く ・家族にも同様に配慮する
承悪い知らせを伝える・心の準備のための言葉をかける ・写真や検査データを用いる、紙に書く・わかりやすく明確に伝える ・患者の理解度を確認し、速すぎないか尋ねる・感情を受け止め、気持ちをいたわる ・質問や相談があるかどうか尋ねる
転治療を含め今後のことについて話し合う・標準治療、とりうる選択肢について説明する ・推奨する治療法を伝える・がんの治る見込みを伝える ・セカンドオピニオンについて説明する・患者が希望の持てる情報も伝える ・患者の日常生活や仕事について話し合う
結面談をまとめる・要点をまとめる ・患者の気持ちを支える言葉をかける・説明に用いた紙を渡す ・責任を持って診療にあたること、見捨てないことを伝える
SHAREを時系列に並べ替えたもの
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
コミュニケーション技術研修会
<厚生労働省委託事業>
主催:医療研修推進財団
協力:日本サイコオンコロジー学会
対象:がん診療経験3年以上の医師
目標:悪い知らせを伝える際の知識・技術の習得
内容:講義およびロールプレイ(10時間)
演習課題:難治がん、再発、積極的抗がん治療中止など悪い知らせを患者に伝える
問合せ先:財団法人医療研修推進財団http://www.pmet.or.jp/
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
SHARE紹介のDVD
医療研修推進財団(http://pmet.or.jp/)よりダウンロード
内富庸介・藤森麻衣子
「がん医療におけるコミュニケーションスキル
悪い知らせの伝え方」 医学書院 付録
CopyrightⒸJapan Psycho-Oncology Society
日本サイコオンコロジー学会・教育委員会精神腫瘍学の基本教育に関する小委員会
秋月伸哉 明智龍男 岩満優美国立がんセンター東病院 名古屋市立大学大学院 北里大学病院
内富庸介○ 大西秀樹 大庭 章○国立がんセンター東病院 埼玉医科大学 群馬県立がんセンター
岡村 仁 小川朝生 加藤雅志広島大学大学院 国立がんセンター東病院 厚生労働省
小早川誠 清水 研○ 所 昭宏広島大学病院 国立がんセンター中央病院 近畿中央胸部疾患センター
藤森麻衣子◎ 松島英介 吉内一浩国立がんセンター東病院 東京医科歯科大学大学院 東京大学大学院
◎スライド作成責任者 ○スライド作成者