双方向型の授業をつくるオーディエンス・ レスポンス...

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信州大学 教職大学院 伏木久始 双方向型の授業をつくるオーディエンス・ レスポンス・システムの活用 アクティブ・ラーニングのための教育方法を体験するセミナー(1) Keepad Japan() 天野 正晴

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信州大学 教職大学院伏 木 久 始

双方向型の授業をつくるオーディエンス・レスポンス・システムの活用

アクティブ・ラーニングのための教育方法を体験するセミナー(1)

Keepad Japan(株)

天野 正晴

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Audience Response System

アンケート集計などもリアルタイムにグラフ化

学生の考え・理解度・意識を把握し、リアルタイムに結果をフィードバック

→双方向性のコミュニケーション

本日使用する ICT

※必ず,終了後に返却してください。

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所属グループは?

1. 言語教育

2. 社会科教育

3. 数学/理科教育

4. 技術/家庭科教育

5. 音楽/美術教育

6. スポーツ科学

7. 教育/特別支援

8. 教職大学院

9. 事務職員

10.その他

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このFDに参加された思いは?

1. 内容に興味が湧いて

2. 基本的にFDには参加

3. 立場上のつきあい

4. 忙しいから少しだけ…5. ヒマだったから参加

6. その他

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CONTENTS

なぜ、アクティブラーニングなのか 従来の授業形態・方法の何が問題なのか? 「主体的な学び」とは 「対話的な学び」とは 学びたいと思える状況づくり 質の高いアクティブ・ラーニングを成立させる条件

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なぜ、アクティブ・ラーニングなのか

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◆社会適応の教育から社会創造の教育へ*今の子どもたちの65%は,大学卒業後,今は存在していない職業に就く(キャシー・デビットソン:ニューヨーク市立大学)

*今後10~20年程度で,約47%の仕事が自動化される(マイケル・A・オズボーン:オックスフォード大学)

◆知識習得型から知識活用型の教育へ*人間の知識の暗記量・保存量は,HDやクラウドサーバーには及ばない。知識情報の検索や計算力においても,コンピューターの性能には人間はかなわない。

*少子・人口減少社会の現実に合わせて、一斉画一型から個に応じた教育方法への転換が求められている。

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日本の将来人口動向

第1段階:高齢人口が増加

第2段階:高齢人口が維持・微減

第3段階:高齢人口さえも減少する時期

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44%

56%

2050年の日本人の人口予測は?

1. 約1億1千万人

2. 約1億人

3. 約9千万人

4. 9千万人未満

国立社会保障・人口問題研究所が2012年3月30日に公表した推測値より

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日本の将来推計人口

国立社会保障・人口問題研究所(2012/03/30公表)

2050年には総人口が8,674万人(3,300万人減少)現在の過疎地の人口が半分になる

→ それまでに居住地域の2割が無居住化

2050年には65歳以上人口割合が39.9%に増加高齢者の単独世帯が高くなり,生産年齢人口が減少

◇平成22(2010)年:働き手2.8人で高齢者1人を扶養(7年前)

◇平成34(2022)年:働き手2.0人で高齢者1人を扶養(5年後)

◇平成72(2060)年:働き手1.3人で高齢者1人を扶養(43年後)

→ 都心の高齢化率が激増し社会保障費が不足

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長野県人口の推移及び将来人口推計

45 39 38 33 32 30 27 24 22 20 18 17

140 142 142140 136

128119

113 108 10294

85

29 35 42 48 5257

6365

6464

6364

13.6

16.1

19.0

21.4

23.8

26.5

29.9 32.0

33.2 34.4

36.0

38.4

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10.0

15.0

20.0

25.0

30.0

35.0

40.0

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50

100

150

200

250

昭和60年(1985)

平成2年(1990)

平成7年(1995)

平成12年(2000)

平成17年(2005)

平成22年(2010)

平成27年(2015)

平成32年(2020)

平成37年(2025)

平成42年(2030)

平成47年(2035)

平成52年(2040)

年少人口 生産年齢人口 老年人口 高齢化率(%)

長野県高齢者プラン、国立社会保障・人口問題研究所(H25.3推計)より作成

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長野市の将来人口推計(2010~2060)市独自推計

94,675 105,796 110,080 111,043 111,704 112,885 115,971 114,229 108,458 100,296 92,348

231,802 217,397 207,215 197,690 186,576 172,418 154,845 141,657

132,504 125,430

117,671

53,588 49,492 44,267

39,536 35,389

32,783 31,041

29,280 27,078

24,562 22,209

381,511 372,685 361,562

348,269 333,669

318,086 301,857

285,165 268,040

250,288

232,227

0

50,000

100,000

150,000

200,000

250,000

300,000

350,000

400,000

450,000

2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年

0~14歳

15~64歳

65歳以上

総人口

(参考)長野市の人口減少問題

2060年の15歳未満人口

2010年の41%に

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中山間地

2060年の15歳未満人口

2010年の27%に

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学校基本調査(文科省2015)

小学校教諭

中学校教諭

私が進路指導をした時期

高校教諭

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従来の授業形態・方法の何が問題なのか?

◎ 「アクティブ・ラーニング」とは、教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修参加を取り入れた教授・学習法の総称

→ 一方的な講義形式ではない授業?学習者が能動的に参加できる授業?座ったままではなく活動ある授業?

◎ 「教える側の論理(知識がなければ考えられない)」から「学ぶ側の論理(教え込んだら学べない)」へ

→ 「アクティブに学ばされる授業」ではなく…主体的に自分の学びをデザインする授業方法

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ハウツーではなく「学び方」の理念

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学習指導要領の改訂

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82%

「アクティブ・ラーニング」の最適な説明

A. 従来の知識詰め込み型中心の教育から、学習者の興味・関心を主体とした学習。

B. 講義形式ではなく、学習者同士が意見交換やグループワーク等を取り入れた学習。

C. 学生のスキル育成よりも情報伝達による深い学びが考慮されている学習

D. 主体的・対話的であり、深い学びが意図されている学習。

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次期学習指導要領への移行

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「主体的な学び」とは?~他律から自律へ~

学習状況の初期段階では「他律」的な学びの場面が多く、学年進行に応じて「他律的な学び」から「自律的な学び」へ次第にシフトさせることが学びの質を高める。

参考)自律的な学びから遠ざける学習習慣・「考える」ことを省略して「覚える」ことを繰り返す・「わからない」時に自分で考えずに人に任せる・自分で問題を設定せずに与えられた課題で満足する

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7%

学び方をコントロールし過ぎてない?

1. 学び方を指示し過ぎていたかも

2. やや余計な指示が多かった

3. どちらとも言えない

4. あまり指示していなかった

5. 学び方は任せてた

6. その他

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「対話的な学び」とは?

①「できる」子が「できない」子を教える対話②ジグソー法的に分割した学習を統合して行う対話③集団作りのための対話④自分なりの考えを相対化する対話

「個」の学びを深めるための「対話」を求める

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☜できればここに焦点化

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13%

47%

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「対話的な学び」を取り入れる授業

1. 毎回必ず採用する

2. 時々採用する

3. あまり採用しない

4. 全く採用しない

5. その他

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グループで言語活動をさせる手立て

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①グルーピングの方法(メンバーの構成) 「ケースバイケースで…」じゃなくて、具体的に授業のどんな場面で、どういうグルーピングをしたのか、グループでの活動の後にどのような「共有」の活動をしたのか?

②グループ内の役割 役割分担を事前に決めていたのか、生徒に委ねたのか?

そのやり方がどう効果的だったと思うのか?妥当ではなかったと思うのはなぜか?

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グループの作り方で優先する条件

1. 学生間の人間関係

2. 能力・資質の平均化

3. 多様なコースを混在させた組み合わせ

4. 学生たちの自主性

5. 座席の近い組合せ

6. その他

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38%

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グループ内の役割

1. 司会役や書記役等事前に詳細に指示

2. リーダーだけ決めさせあとは任せる

3. 状況により異なる

4. 教師側からは何も指示をしない

5. その他

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学びたいと思える状況づくり

アクティブ・ラーニングの形やハウツーなどをいくら研修しても、学生が「学びたい」と思う状況をつくらなければ意味が無い。

学生が「学び合いたい」と思える状況づくりのために、あなたは、これからどのようなことに留意しますか?

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学生が学びたいと思える状況づくり

1. 成績優秀者への授業料免除

2. GPAの徹底

3. 専門知を融合した新たなプログラム

4. 各教員の専門性の向上

5. 学習者の集中力や意欲を削がない授業実践力

6. 新しい教育方法の導入

7. 教員の人間性・熱意

8. その他

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教師による一方的講義よりも、学生同士の学び合いによる方が、学びの質が深まるケースがあることを積極的に考慮すること

自分なりに考えたい学生に、「学び合う活動」を強要することで、個人の思考を深められないケースに配慮すること

誰かと学び合いたいのに、教師のコントロール下で教師が求める正答を探させられる時間を過ごす学習者にさせていないかを問い直すこと。

あらためて、我々教師のあり方を問い直してみましょう。

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質の高いアクティブ・ラーニングを成立させる条件

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諾 否 棄権

81%

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19%

例)教育科学グループ〇〇氏の採用人事

A. 諾B. 否C. 棄権

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諸々の会議での多数決・投票案件の処理も効率化