「子どもの好奇心を伸ばしたい」Global STEAM Education Solution...
Transcript of 「子どもの好奇心を伸ばしたい」Global STEAM Education Solution...
Global STEAM Education Solution Provider
mBotを導入した背景
利用製品
- mBot
(mBotサーボ拡張パック)
ITものづくり教室 テックプログレスは、プログラミング・ロボット制御・3Dプリンターを使ったものづくりなど、ITとものづくりを横断的に学べる習いごと教室です。「個性あふれる挑戦者を育てる」をビジョンに掲げ、直営教室の運営だけでなく、連携教室への教材提供、教育機関への出張授業などの取り組みを行っています。2017年からは、mBotを用いたロボットコースの講座を運営しています。今回は、本講座を運営されている教室統括責任者 重松宏規様に、製品の選定理由や講座概要、今後の展開についてお話を伺いしました。
要約
- 講座概要:オリジナルの教材に
沿ってセンサーやアクチュエー
ターの基礎学習を行い、応用とし
てそれを活用したものづくりを行
う。
- 導入理由:必要十分な機能が備え
られている。丈夫で壊れにくい。
一定のレベルまではみんなが組み
立てることができ、かつ拡張性も
高い。
- 講座準備・運用:mBotの制御を
通して、ソフトとハードの双方の
観点で、問題を発見し解決する力
を養う。
https://www.makeblock.com/jp お問い合わせ:[email protected]
導入パートナー:SB C&S株式会社
- mBotを導入した背景を教えてください
mBotを知る以前は他社製のロボットを使って講座を行っていましたが、部品が硬くてスムーズに付け替えができず、生徒が付け替えをするたびに講師が手伝う必要が発生したり、個々の部品の強度が高くないために頻繁に割れたり壊れてしまうということが悩みでした。そこで、新しい教材を探していたときにmBotを見つけたので、試しに1台購入してみました。実際に使ってみると、 mBotはモーターや超音波センサー、ライントレースセンサーなどの機能を備えているため、基本的な性能は十分だと感じました。加えて、ロボットの作りがとても丈夫であることや、導入に大きなコストがかからないといった点に満足したので、mBotを導入することに決めました。
「子どもの好奇心を伸ばしたい」
IT社会に必要な力を育てるものづくり教室
開講時期 2017年
受講者 小学1年~中学3年
受講回数 約44回
講座時間 80分
講座形式 講師1人につき生徒3, 4人
ITものづくり教室テックプログレス
Global STEAM Education Solution Provider
- mBotの魅力を教えてください
mBotの魅力は、まず必要十分な機能が備えられていることです。センサー類やアクチュエータをはじめ、授業で使うために必要な機能がしっかりと備えられています。さらに、再現性と拡張性のバランスもほど良いと感じています。教室でロボットを使用することを考えると、一定の水準まではどの生徒も同じように組み立てや操作ができるという再現性が必要です。しかし、ただ説明書を見て組み立てるというのは創造性を必要としないため、子どもたちが好奇心を持って取り組むためには、ある程度の拡張性も備えている必要があります。mBotはその2つのバランスをちょうど良く備えています。また、Bluetoothを用いて無線でプログラムを書き換えて実装できる点も、書き換えの度に有線で繋ぐ手間が省かれるのでとても使いやすいです。
-講座を準備する際に工夫した点を教えてください
講座の後半になるにつれて難しい課題を設定したため、プログラムも高度になっていきます。これに合わせて、ハードウェアも拡張していく必要があったため、既存のmBotの拡張パックを導入するだけでなく、3Dプリンターを用いて生徒が独自に部品を作る課題も講座に取り入れました。また、ただプログラムを教えるだけではなく、生徒の好奇心を引き出すために、講
座内容に付随した知識コラムを設けました。例えば、光センサーに絡めてアインシュタインを紹介したり、LEDに関するノーベル物理学賞について紹介することで、生徒の興味関心を高められるよう工夫しました。
https://www.makeblock.com/jp お問い合わせ:[email protected]
導入パートナー:SB C&S株式会社
-受講者の変化に関するエピソードがあれば教えてください
以前通っていた生徒が、中学入学とともにロボコン部に入部し、念願のロボコンに出場したのですが、本番でロボットが動かなくなってしまったということがありました。後日、モーターの故障が原因だったと分かったそうですが、その生徒は、深く落ち込むことはなかったそうです。当教室での学びを通して、不確実性への耐性が養われていたのだろうと思います。ロボットは、「プログラムすればその通りに動く」とは言うものの、実際はその通りに動かない場合もあります。その場
合、プログラムに問題があるのか、ロボットの形状や部品に問題があるのか、ソフトとハードの双方から考察しなければいけません。このような状況は教室でもよく起こりますが、生徒の変化を見ていると、決して悪いことではないと感じています。
-今後の展開を教えてください
mBotを用いた講座は、基礎のプログラミングやロボットの要素を学習することに適しているので、導入部分として今後も続けていきます。また、同時にIoTを学習できる講座内容も増やしていきたいと考えています。自分の身の回りの問題を自分で見つけて解決していくような、もっと実質的なIoT教育やものづくりができる環境を整えていきたいです。大人が決めた枠組みや教室だけに留まるのではなく、提供されたツールやカリキュラムを使って、子どもたちがさらなる課題を自ら発見し解決していけるよう、支援していきたいと考えています。
今後の展開
mBotの魅力
mBotを用いた講座- mBotを使った講座の内容を教えてください
教室でオリジナル開発した教材に沿った授業を行なっています。最初は、センサーやアクチュエータなどロボットの構造を理解するための基本的な内容がメインです。ロボットに対する生徒の理解が深まるにつれ、複数のセンサーを掛け合わせたり、サーボモーターを拡張したり、独自の部品を制作してmBotに取り付けるというような応用課題を出していきます。講座は全44回で作成されていますが、後半になると内容も難しくなるため、1回分の内容を数回に分けて実施することもあります。
-ロボットを用いた講座を実施する意義を教えてください
この生徒のエピソードや、教室の普段の様子からも、ロボットを用いた講座を通して生徒の中で不確実性への耐性が自然と養われているように感じています。その裏には、問題発見力や問題解決力への自信が関係しているのではないかと思います。これからは、「~~であるべき」といった常識や固定の価値観が当てにならなくなる社会になっていきます。変化が激し
く、先が予測できない社会の中では、与えられた課題をこなしているだけでは不十分で、自ら課題を見つけて解決していく力が重要だと考えています。そのために、当教室では、問題解決力だけでなく問題発見力を養うことも重視しています。自ら問題を見つけてきて、それを解決するためにITを用いながら「自分はどうしたいか」という考えを持てるようになることで、これからの社会に必要な考え方が養われていくと考えています。
受講者の変化とロボットを用いた講座の意義