避難所の運営に関する指針 - Saitama Prefecture...避難所の運営に関する指針 (新型コロナウイルス感染症に対応したガイドライン) 令和2年5月
March - 経営コンサルティングの株式会社 ... · 〈 Vol. 30...
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平成30年3月1日 第1733号 毎月1日発行
3March2018
1特集
暮らしのIoT
静岡銀行
代表取締役会長
中西
勝則
リアルエステートテック
〈100年経営〉対談
〈
特集2 〉
ファーストコールカンパニー・レビュー 100年先も一番に選ばれる会社を志すリーダーへ
暮らしのIoT
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G2018
3
March 2018 Contents
09 【 特集 1 】
暮らしのIoT11
〈 MESSAGE 〉「2030年構造」と向き合い暮らし産業への変革に挑む 中村 敏之
12〈 CASE 1 〉SOUSEI (そうせい) わが家に、1つの「頭脳」を
17〈 CASE 2 〉サンエー 便利・安心・安全なIoT住宅を実現
21〈 CASE 3 〉エコライフエンジニアリング AIが最も快適な環境を自動でつくる
25〈 METHOD 〉デジタル革命を機に住宅産業から「暮らし産業」へ 山本 剛史
29 マーケット・スタッツ
33 【 特集 2 】
リアルエステートテック35
〈 CASE 1 〉ライナフ AIは業界の慣行を取り込んで進化する
39〈 CASE 2 〉コラビット AIで推定価格を算出する 「HowMa(ハウマ)」で何が変わる?
43〈 CASE 3 〉インベスターズクラウド スマホアプリで始める近未来のアパート経営
03
〈100年経営〉対談 Vol. 24
地域経済をつなぎ、未来を創る独創的な銀行ビジネスモデル
中西 勝則 静岡銀行代表取締役会長 × 若松 孝彦 タナベ経営
代表取締役社長
1 2018FCC REVIEW March
Cover illustration : Yamauchi Yosuke
47 梶原しげるの ビジネスに効く ! 会話のヒント 梶原 しげる〈 Vol. 30 〉「感じが悪い人」にならないために
49Made in Italy の経営戦略 〜存在感ある中堅・中小企業の深層〜 安西 洋之
〈 Vol. 11 〉 世界で注目されているイタリア発の教育実践法
53旗を掲げる ! 地方企業の商機 北村 森
〈 Vol. 30 〉 成功の反対は「何もしないこと」
73〈 コンサルタント・レビュー 1 〉
企業ブランドの陳腐化を防ぐ「リ・ブランディング」の着眼 平井 克幸
75〈 コンサルタント・レビュー 2 〉
中期経営計画に盛り込みたい新たな視点 田上 智則
77〈 コンサルタント・レビュー 3 〉
効果的な広告を打つための6ステップ 大山 賢一郎
79 ブックレビュー
80〈 戦略パートナーズメッセージ 〉
経営者はデジタル経営時代に何をすべきか 新田 毅
81 次号予告/編集後記
57
チームコンサルティング対談
〈 Vol. 30 〉 大鏡建設 ×タナベ経営人と地域社会をつなぐ“街づくり企業”として躍進
63戦略リーダーの時代
〈 Vol. 30 〉 髙橋金属
65TEAM BRANDING 新しいモノ語
がたりをつくろう
〈 Vol. 30 〉 ヒロセ通商
69〈 米国視察リポート 第3回 〉シリコンバレーで学ぶ ビジネスモデルイノベーションの流儀 遠藤 俊一
2March 2018 FCC REVIEW
〈100年経営〉対談
24Vol. 静岡銀行
地域経済をつなぎ、未来を創る独創的な銀行ビジネスモデル
3 FCC REVIEW 2018March3
〈100年経営〉対談
若松 いつも次世代経営塾「Shizuginship」ではお
世話になり、ありがとうございます。長いご縁に感謝し
ます。静岡銀行は 1943(昭和 18)年に静岡三十五
銀行と遠州銀行が合併して誕生、2018 年で創立 75
年を迎えます。中西会長は 2017 年 6 月に頭取を退任
されましたが、今日の「しずぎん」を形づくる上で特
に留意されてきたことは何でしょう。
中西 頭取に就任(2005 年 6 月)してから言ってき
たことは「利他の心」です。お客さまをはじめとした、
相手を思う気持ちですね。(資金を提供することで)
私たちはお客さまを助け、付加価値を付けてもらうこと
を考えなくてはいけない。なぜなら、それが必ずこち
らに戻ってくるからです。行員から見ると、銀行も利他
の“他”です。(お客さまと銀行の成長を思う)その
両立の中で行員個人が成長し、自立していくわけです。
その意識改革を行ってきました。
若松 銀行業は、プロダクトをつくって付加価値を付
けて売るビジネスではない分、利他の心がより必要な
のでしょうね。利他の心を起点に取り組まれたことはあ
りますか。
中西 昨今、働き方改革や業務量の削減が注目され
ていますが、私たちは 15 年前から BPR(Business
Process Re-engineering=業務改革)に取り組んでき
ました。一般に、旧来の銀行業務には無駄な部分が
多く、業務プロセスが多いほどリスクは高まるし、手間
もかかります。住宅ローンなどはその最たるものです。
お客さまとの取引に関する膨大な書類を厳重に支店の
“ 金融激戦区 ” 静岡県を地盤に 200超の拠点(県外・海外を含む)を展開する静岡銀行。6 大地銀の一角を占める同行が地域経済に果たす役割は極めて大きく、これまでも、これからも、その取り組みが注目される銀行だ。全国地方銀行協会会長を 2 度務めた同行の中西勝則・代表取締役会長(前頭取)に、地域経済の発展とマイナス金利時代の地域金融機関の在り方について伺った。
中西 勝則静岡銀行 代表取締役会長
若松 孝彦タナベ経営 代表取締役社長
意識改革・業務改革・オープンイノベーションで他行に先駆けた取り組み
4FCC REVIEW2018March
金庫に保管していましたが、必要なときすぐに見つけ
られずアタフタしてしまう。これを高度なセキュリティー
の下、電子化して別会社で一元管理することで、見
たいときに誰でもパソコンで確認できるようにしました。
結果として、ローン関連の業務の約 6 割がカットでき、
リスクヘッジにもつながりました。他にもIT 活用、シス
テム化などを通じて省けるところは省き、BPR を精力
的に進めた結果、10 年前に比べると支店の業務量は
8 割くらい減っていると思います。BPR も、ただ縦割り
で考えて業務を削減するのでなく、全体設計を重視し
ました。例えば、業務量削減による業務内容・役割の
変更、それに伴い人事評価制度を「職務等級制度」
に変えました。また、中期経営計画とリンクした業務目
標設定や、個々人の目標設定と振り返りの仕組みづく
りに至るまできめ細かく全体設計をしています。
若松 一部だけを変えると、全体の整合性が取れなく
なります。働き方改革や生産性改革に取り組む場合で
も全体コンセプトや全体最適が大切です。業務改革
全体を通じて静岡銀行のビジネスモデルが変化し成長
してきた、ということですね。
中西 その通りです。静岡市清水区草薙に 2016 年 3
月にオープンした「しずぎん本部タワー」も、「ワークス
タイルを改革する」というコンセプトをもとに設計しまし
た。建物を新しくすることが第一義ではなく、行内のコ
ミュニケーションとチームワーク、仕事の見える化を実
現できる機能を目指したのです。ほとんどの会議室の
壁を透明なガラス張りにし、パーテーションを置かず、
個人の座席を固定しないフリーアドレス制にしました。
外部の視察も積極的に受け入れています。縦の階層も
意識し、中央に階段を設置。また、各営業店とテレビ
会議システムでつながることもできます。社員が自在に
働ける環境をつくり、顧客満足を高め、生産性の向上
に取り組んでいます。
若松 静岡銀行の取り組みには、全体にストーリーが
あります。しずぎん本部タワーも一部を見学させていた
だきましたが、部分改善ではなく全体からの設計アプ
ローチを選ばれたことは、特に労働環境への戦略投資
であると感じました。容易にまねのできないところに強
いコンセプトや意志を感じた次第です。
創立 70 周年記念事業の一環として建設された「しずぎん本部タワー」。最新のIT、防災、環境配慮型設備などを備え、新しいワークスタイルを通じた生産性向上にも取り組む。タワー内の「非常事態対策室」は地域の防災拠点としての役割も担っている
5 FCC REVIEW 2018March