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ⴸ㠶 千葉医学会雑誌 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 ⢗ユ 編) 千葉大学医学部第二内科学教室⢎瞓농횓ꆏ岘媋뎎r 澄夫 单䵉O 䵏剉 ⢏몘愠 26日受付〉 はしヵ㪂 高容量酸素吸入 汬. 実験方法 心脈管疾患,ことに,心性呼吸困難を 汬椮 実験成績 もつ患者にたいするそルフィン・アミ 心疾患 ノブィジシの影響 ㄮ代償不全のないもの ㄮモルフィシ 代償不全のあるものアミノフィリユノ 高血圧症 総括,ならびに,考按 低酸素・高容量酸素吸入による循環動 むすび 態の愛化 文献 f 䩦㮎徑暋窓ü はしがき 臨床編において, 䙩捫ⵃ潵牮慮搠 による右心カテ箃斃許䂂욁䌀 敺汥r の新法 ⠱㤴㠩 改良した教室の方法とを用い,心疾患,および,高血圧症患者の心肺動態をしらべ,さらに, 高・低容量の酸素吸入が,いかなる影響を及ぼすかを観察したO そのさい,とくに,呼吸中枢 と末梢化学受容体⢌窓꺖겑첁䎂ꢂ 톁䎑 꺖겑착のありかたを考慮してしらべた。 ㄱ. 実験方法 いる方法にしたがった仰。 ㄮ被検者は千葉大学第二内科にス院,または, 混合静脈血は, ⴧカテ箃斃汲첐 宂碓꺖겋N 外来を訪れた心疾患,および,高血圧症患者 例で 始部において採取した。カテ箃斃汲첈쪒疂ヘ X線透 ある。そのうちわけは,僧帽弁口狭窄 3 例,僧帽弁 視・圧曲線,および, 䕣g などの所見によって確か 口閉鎖不全 1 例,僧帽弁口狭窄⮕슍붕玑匀 3 例,僧 帽弁口狭窄⮐厐ꮋ䎊잎經洛舀 1 例,大動脈弁口閉鎖 䱵敲ⵌ潫 式注射筒を,カテーテルに接続して行つ 不全 5 例,および,心冠硬化をともなう心哨息 2 た。採血後,た Yちに,流動パラフィン ㈭ⴳ である。高血圧症は 䭥楴栭坡来湥r I 型⢈ネ スれた太いスピッツに入れ,できるだ汁早くガス分 下, 䬮 圮 1と略)1 例, 䬮 圮 1 例, 析をした。 W氫汬 1 例, 䬮 圮 䥉 4 例, 圮 汬+ 高血圧 動脈血は大腿動脈の穿刺により,混合静脈血 性心疾患 1 例, 圮 汬+ 高血圧性心疾患⮐厐ォ と同時に取った。 気管枝痘撃 1 例,および, 䬮圮汬椫 高血圧性心疾 血液ガス分析は, 噡渠 卬祫攭乥 椱の装置を 患⮐厐ꮋ䎊잎經濫䨀 1 例,合計 例である。心疾 使い,酸素・茨酸ガス同時測定法によった。 患は ㈲ⴭ㘴 才までの男性 8 例,女性 8 例で,高血圧 の動脈血酸素飽和度の算出には,一部の症例に オキシメ箃庁宂枂솂붂ꪁ䎑 舶ꪂ첗 즂춁䌀 噡渠 全例に右心カテ箃斃mLを行った。 卬祫攭乥楬 の方法で酸素飽合能を測定し,この測 右心カテ箃斃汲첎 鰍춁䎋뎎몂얊떗炂뎂 定値で前記酸素含量を除 Lて求めた。

Transcript of fヌフユーIネムノタアI、..._fヌフユーIネムノタアI、 -887 [6)...

-886ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

(臨 床 編)

千葉大学医学部第二内科学教室(指導斎藤十六教授〉

森 澄夫

SUMIOMORI

(昭和 32年 2月6日受付〉

日 次

1 はしヵき 2 高容量酸素吸入

ll実験方法 D心脈管疾患ことに心性呼吸困難を

lli実験成績 もつ患者にたいするそルフィンアミ

A心疾患 ノブィジシの影響

1代償不全のないもの 1モルフィシ

2 代償不全のあるものl 2 アミノフィリユノ

B高血圧症 工v総括ならびに考按

c低酸素高容量酸素吸入による循環動 vむすび

態の愛化 文 献

1 fJf酸素吸入

1 はしがき

臨床編において Fick-Cournand による右心カテテル法と Wezlerの新法 (1948)を

改良した教室の方法とを用い心疾患および高血圧症患者の心肺動態をしらべさらに

高低容量の酸素吸入がいかなる影響を及ぼすかを観察したO そのさいとくに呼吸中枢

と末梢化学受容体(頚動脈体および大動脈体)のありかたを考慮してしらべた

11 実験方法 いる方法にしたがった仰

1被検者は千葉大学第二内科にス院または 2) 混合静脈血は -カテテルの先端を肺動脈起

外来を訪れた心疾患および高血圧症患者 26例で 始部において採取したカテテルの位置はX線透

あるそのうちわけは僧帽弁口狭窄 3例僧帽弁 視圧曲線および Ecgなどの所見によって確か

口閉鎖不全 1例僧帽弁口狭窄+閉鎖不全 3例僧 めた採血眼ヘパリシで内陸をぬらした 5~10cc の

帽弁口狭窄+心性気管枝痘撃 1例大動脈弁口閉鎖 Luer-Lok式注射筒をカテーテルに接続して行つ

不全 5例および心冠硬化をともなう心哨息2例 た採血後た Yちに流動パラフィン 2--3ccを

である高血圧症は Keith-WagenerのI型(以 スれた太いスピッツに入れできるだ汁早くガス分

下 K W 1と略)1例 K W I~ll 1例 K 析をした

Wl+ll1例 K W II 4例 KW ll+高血圧 3) 動脈血は大腿動脈の穿刺により混合静脈血

性心疾患 1例 KW ll+高血圧性心疾患+心性 と同時に取った

気管枝痘撃 1例および KWlli+高血圧性心疾 4) 血液ガス分析は Van Slyke-Nei1の装置を

患+心性気管枝痘寧 1例合計 10例である心疾 使い酸素茨酸ガス同時測定法によった

患は 22--64才までの男性 8例女性 8例で高血圧 の動脈血酸素飽和度の算出には一部の症例に

症は 43~67 才までの男性 9 例女性 1 例である オキシメターを使ったが大部分の例には Van

2 全例に右心カテテノLを行った Slyke-Neilの方法で酸素飽合能を測定しこの測

1) 右心カテテルの手投は教室で慣用されて 定値で前記酸素含量を除Lて求めた

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -887ー

6) 呼吸酸素消費量の測定には Tab 1a

Knipping式ガス代謝測定器を使い 「一一一一一一 l 2 5 4 I 5 ti I 7

h時

038 I口拍031 口43 ロ27 ロ32 I口45

Ms Ms十MilMCbSar十rD嵐dn1e十b|l-- M1 Al Asth

SpS河m 巴ard

421 580 463 511

76 98 72 100

408 399 41 50

3900 2810 2693 1700 1300

206312148 1674 1904 1826

目 DlaJlnoss IMshellip~ (di

Iblood-cor仰 sclel 464

l Ht (帥 1 43 1410

yenVlta1-叫 cc yen2478 yen3306

IArt 02 y01 ~h5 55 11949

1 Art C九01ぉ 134431 40431 4214

jDecompens

349

100Hb () 1102

3999 1 247515030

Ven O2 01 112071 15891 13871 179811326 1 14221 1579

Ven C02vo1145061467914462

dA1V02V017- 348 360 676f1er

O2Cap yo1 1797 2011 216邑

O2Saturation完 865 969 952

4467 1 30771 5426

350 348 482 I247

払砧叫|山

958刈81 946 I975 1967

ロω

一-

C

n

パ一角

叫一

L

n一

v

o--

C一

M

nu

一 2600 2950 2655 2150 2467 2340

722 436 758 618 512 947

1092 ti41 ワ66 754 617 10~9

459 291 483 454 686

15ワ 150 157 13E 138

66 68 99 82 83 92

42 51 438 49 38 40

19 M 285 19 29 18

27 40 336 27 32 26

21 32 241 i95 1235 1 75

-ー ー柏町 -町田 - 一

SV cc I736

L叫 nm1j 453 card lnd

Bo匂邑urface Arj13己

Hear七l1S七e I 83

叫 2

品4

31

PC 也屯Eg 19

10間 100酸素を吸引させ酸素消費

量を求めたなお血液採取は酸素

消費量測定の終了直前にした

7) 分時送血量の算出には Fickの l式にしたがったまた心係数 (Groll-

mann)lsquoは分時送血量を体表面積で除

して求め拍出量は分時送血量を l間

の心拍数で除して求めた

8) 心内圧はベリリウム膜を張った

静脈用ヘッドを用い千葉電機製 N-F

式エレグトロマノメターで増幅L

6エレメントの記録器で描記した(教

室の井原論文ゆ参照〉

3 心疾患ならびに高血圧症の

一部について高(100)低(ゃく

10)容量の酸素吸入を行った吸入

方法は Douglas パッグ中に 10酸

素+窒素カスまたは 100酸素を

つめて吸入させる方法と Knipping

のスパイロメター内に 10酸 素 +

窒素ガスをつめスパイロメタ中

の苛性カ Pで炭酸ガスを吸収し呼吸

によってガスを稀釈する方法の二つに

よった

4 心疾患の一部にそルフイシア

ミノフィリシを注射し Fick-Cour-

nand法および Wezler の新法

(1948)を改良した教室の方法によっ

て循環動態をしらベた(教室の稲垣論文(7)参照〉

本文中の略号一覧表を次に示す

Abbreviation in this paper

Ai

As

E Mi

M s

M V

Aortic insu伍 ciency

Aortic stenosis

Volume Elasticity

Mitral insu伍ciency

Mitral stenosis

Minute Volume

P A 一PulmonaryArtery (Pressure)

P C Pulmonary Capi1lary (Pressure)

Pd Diastolic Pressure

Ps Systolic Pressure

羽T Peripheral Resistance

S V Stroke Volume

111 実験成績

A心疾患

心疾患の右心カテテル検査成績を表 1abに示

OK r瓦 KA MYI 蹄Y sKIHH

1 代償不全のないもの〈表 1a7例)

すなわち N Y Heart Associa-

tion(12)(1946)指定の第 1級

01 末柏血液

赤血球数は 349--580X 104平均値士標準偏差

は 4647士 526 X 104で赤血球増加症はなかっ

たヘマトグリット値は 399-500 (426t36

)であった血色素量 (Sahli) は 72~ 102

(913士 123)であった

20 血液ガス

(i) 酸素飽合能は 1770_2254 Vol (1977

士172Vol )であった

(ii) 動脈血酸素含量は 1555_2148 Vol 874t222Vol )で動脈血酸素飽和度は 865

-888ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

--975 (947士 35)の値を示し中等度低酸素 2127-2950cc(247士 27Acのであった(心疾患

血症の状態にあるものが 1例あった の気相については教室千葉論文(1)参照〉

(iii) 動脈血茨酸ガス含量は 2475--5030Vol 50分時送血量拍出量心係数

(3867士 779Vol )を示した 分時送血量は 436--947 L min (658 157Lj

(iv) 混合静脈血の酸素含量は 1207--1798Vol min)であった 7例中 2例は尋常範囲内にあった

(1473135 Vol )茨酸ガス含量は 3077-- が心晴息 1例では 947Lminの高い値を示した

5426Vol (4436士 694Vol )であった(表 1aNo 7)拍出量は 617--1092cc (805士

(v) 動静脈血酸素差は 247--676Vol (402 171cc)であった心係数は 291--686Lminm2

士129Vol )であった (471 089 Lminmつであった

30肺活量 60 肺動脈圧肺毛細管庄

女性では 1700~2478 cc(2089士 389cc)男性で 肺動脈縮期庄は 38--54 mmHg (454士 56mm

は 1300~3900 cc(2802士 8622cc)であった 1300 Hg)弛期圧は 18~ 34mmHg (239土 46mm

の最年長者11息で心疾患全例仁iを示した例は心情cc

(64才〉である でレずれも尋常値よりはるかに高し肺毛紘管

40 呼吸酸素消費量 圧(正しくは WedgePressure)としては肺動

Tab 1 b 脈から肺小動脈にカテー

Hg)平均圧は 26--40mmHg (309 46 mmHg)

1 2 5 4 b

Name FM r 11l bull SK TK MK

SexIAge 043 口 27 022 047 022

Ms+Card Dlagnosls Ms Ms+M1 Oroncわ Ms+Mi Al

Red(sldcvlε spaSG1

b100d-corν凶 3b1 34ι 405 422 369

Ht (t) 7fj 77 75 80 74

Ht (メ 34 405 41 49

Vlta1-cap cc 1650 3496 2200 1380 1200

Art02 yen01元 1563 1574 1617 2014 1629

Art CO2 vo1見 3904 3531 3443 3540

Ven 02 yen101 1095 1254 1236 1789 814

Ven C0 2 V01 4449 4574 4165 4317

IA - V O2vo1 468 320 381 225 815 l1ffer

02 Cap vo1 181ワ 1721 1843 2174 1881

02 Saturatlon 860 915 910 926 866

02Consump(cc) 2557 29b0 1936 2380 2200

M V Lmln 547 913 510 1057 270

S V CC 3493 1171 510 839 284

Card Ind~山iacute 431 524 393 739 214

Body Surfsce A凶r 127 174 130 143 126

Hear七 Ra七e 134 78 100 126 95

syst 42 58

P A diast 47mmHg 28

mean 33 420 51

PC mmHg 26 15

DecompenB l十 十 ート 十 十

6 7

IS 血K

ロ43 059

Al Al

379 430

78 1

44 41

1787

1515 1571

2975 4349

601 1193

4072 4894

914 378

1600 1620

947 970

2733 3180

299 841

374 989

195

153

80 85

95 35

41 lマ

73 23

53 16

十 +

一一一一寸

8 9

日G H A

口48 048

As七h Al Card

431 361

120 78

44 42

2900 1359

1959 1738

山367 4328

1336 1135

5135 4719

623 603

2001 1987

9ワ9 875

27001 2066

433 343

471 404

287 274

151 125

92 85

39 31

20 16

26 21

130 155

十 十

テルを入れカテーテル

先端がつかえて少し引

きもどしても動かないと

きの値をとったが 75

_32mmHg (209士 68

mmHg)で尋常値より

高い

2 代償不全のあ

るもの(表 1b 9

NY Heart のFAssocia tion指定

の第 23級 01 末梢血液

赤血球数は 346431

X 104(388 289 x10勺

ヘマトグリット値は 34--

49 (419士 39)血

色素量 (Sahli)は 61--

120 (80 151)で

赤血球増加症はなかっ

ドyenー

20 血液ガス

(i) 酸素飽合能は

1600~217 4 Vol (1894

士182Vo1 )であっ

(ii) 動脈血酸素含量

は 15152014 Vol

(1687士171Vol )

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -889ー

61979 (9_860動脈血酸素飽和度は 45)土

で 9例中 5例は中等度ないし軽度の低酸素血

症状態にあった代償不全のないものにくらべて

飽和度の低いものが多かった

(iii) 動脈血涙酸ガス含量は 2975~4367 Vol

(3805士 482Vol )で代償不全のないものにく

らべて特別の菱化はない

(iv) 混合静脈血の酸素含量は 601 ~ 1789 Vol

(1161士 313Vol )で代償不全のないもの

にくらべて低し茨酸ガス含量は 4075--5135Vol

(4540士 341Vol )であった

(v) 動静脈血酸素差は 225--914Vol (525

士191Vol )で代償不全のないものにくらべ

てゃい高い

30 肺活量

女性は 1200--1650 cc (1558土 155cc)男性は

1787~2900 cc (2728土 7083cc)で代償不全のな

いものにくらべて男女ともに低し

40 呼吸酸素消費量

2066_3180 cc (2524士 1238cc)で代償不全

のないものにくらべて特別の差はなし

50分時送血量拍出量心係数

分時送血量は 270~1057 Lmin (468士 294L

min)であったこのうち大動脈弁口閉鎖不全の

1例は 270Lmin (表 1bNoめを f也の大動脈

弁口閉鎖不全は 299Lmin (表 1bNoの を示

しかっいずれも検査後 3週間以内に死亡した

拍出量は 284--1171cc (5990士 3003cのであっ

たが前記 2例はそれぞれ 284 ccおよび374

cc であった心係数は195~739 Lminm2 (382

士171Lminmりで代償不全のないものにくら

べてわずかに低い

60 肺動脈庄肺毛細管圧

肺動脈縮期庄は 31~95 mmHg (50土 218mm

Hg)弛期庄は 16 ~74 mmHg (282土 119mm

Hg)平均庄は 21 ~73 mmHg (384土 173mm

Hg)であったいずれも代償不全のないものにく

らべて高し表 1bNo 5および No6は縮

期弛期平均圧ともにいちじるしく高い値を示

した肺毛細管庄は 13 ~26 mmHg (231士 140

mmHgつであったが表 1bの No6だけは 53

mmHgの高い値を示す平均して代償不全のな

いものに〈らべて高い値を示す

括 ノト

以上心疾患 16例く代償不全のないもの 7例

あるもの 9がりについて慢性低酸素症にたしする

代償因子を顧慮してしらベた

1 こLに観察tした 16例の後天性心疾患には

代償不全の有無にか Lわらず赤血球増加症がなか

った

2 代償不全 9例中 5例に中等度ないし軽度

の低酸素血症をみた

3 代償不全群の動脈血酸素飽和度は代償不全

のない群のそれにぐらべて低い値を示した

4 動脈血酸素飽和度は同じ疾患群においてさ

え臨床症状の重症度 とくに呼吸困難感とか

ならずしも比例しなかった

5 動静脈血酸素差は代償不全のないものに

くらべて不全群が高い値を示した

6 分時送血量は尋常範囲にあるものが多いが

表 1bNo 5および No 6は極端に低い値を示

した 2例とも予後の悪かった大動脈弁口閉鎖不全

症であるまた表 1aNo 7および表 1bNo

2No 4は 90Lmin 以上の高い値を示した以

上観察した後天性心疾患 16例においては代償不

全の有無にか Lわらず動脈血酸素飽和度と分時送

血量の間に一定の傾向がなかった

7 肺動脈圧肺毛細管庄はいずれも尋常値よ

り高しまた代償不全群はないものにくらべて

高い値を示した

8 肺活量はいずれも尋常値よりf尽くとく

に代償不全群はないものにくらべて低い値を示

した

B高血圧症

物理学的方法による高血圧症の循環動態について

は教室の中村〈和)(11)稲垣の論文があるわたく

しは主として右心カテテノレ法による成績を述べ

る(表 2)10 観察例の末梢血液には貧血を示す表 2No

7以外に特別の斐化がなし

20肺活量は 2100 ~3250 cc (29097士 5406cc)

で心疾患のように とくに減っているものはなか

った

30 血液ガスについては動脈血酸素含量は NO7

を除いて 1121--2060 Vol (1673士 311Vol

)であった動脈血酸素飽和度は No7No 9

を除いて 90LJ上 (927土 765)であった動

静脈血酸素差は NO9 以外は 248~475 Vol (3

64土 098Vol )であった

40 分時送血量は 427~704 Lmin (701 t243

-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻

Tab 2

Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG

Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62

Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j

Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e

Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90

Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48

Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123

Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060

Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983

Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31

Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426

A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165

429 d1ffer vol

02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212

02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E

O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730

M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636

S V cc 1060 964 1024 619 805

619 976 985 1714

CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398

Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100

Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79

syst 32 24 19 23 30 66

P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32

ldquo『

mean 17 27 16 15 23 17 23 43

1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o

Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多

いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し

た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で

尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い

たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数

は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり

で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし

く高し

50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士

157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど

L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)

でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm

Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期

圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高

値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも

Keith

んだ時期のものかまたは合併症とくに高血

圧性心疾患をもつものである

60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm

Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性

心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで

いちじるしく高し

小括

1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛

化がなかった

2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも

なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範

囲内にあった

3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた

が心疾患におけるほどいちじるしくなし

4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-

であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸

心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の

弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり

を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった

囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ

C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸

よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が

1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭

以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常

は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心

くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激

- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患

例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および

示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す

実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は

をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな

空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい

吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる

直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急

症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ

Tab3 Hypoxic Test

Appearance ReaRpa 1tre as七oryName

Asseze D180rderll Remar瓦8 ot

Dyspno聾a

ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y

11

5 Pectorla 1nha 30

1ater 17 7

ロPheumat01d Contr臣0L12十Eh4

18 TT 1050+lI 1 ( 1

51 Pozblr耳ar- Inha11245 22

1tis 1ater 22

ロ Pa包且t 14

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IClBo0bnat5lr再0o22l0Ha1 l- 17 24 5

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20

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12

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誼83IFPozzrt8 640 256もE later 52

一-

Heart System1c BPm皿Hg Art 0時z

Art CU2

COVnEtl孟1 Compla1ntsRate Sys七o11c ID1as色011 Sat (

88 142 92 952 4361 102 122 65 ワ74 3652 町spnoea

82 138 90 976 4229

78 96 64 862 3703

85 107 52 631 4425 Cyanoe1s

72 114 68 880 4316

68 90 62 882 4409

82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache

71 91 55 878 4362

79 127 72 745 4380

81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea

69 1M 66

84 130 74 948 4966

90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822

80 160 70 969 4220

88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e

マa 158 ワ0 855 4527

79 208 128 961 5031 86

190 108 Dyapnoea 400 302480 210 120 920 5152

SDubEsapt noea 78 108 マE 943 4gt480 erna11

97 85 56 829(5 4546 paln

76 86 54 954 4244 Cyanoa1e

l宮O 120 75266 4130

12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl

68 1200 110 自由 9 3761

-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation

ぴ+t同司】b

〉 〉 話EE品出料Eω 』ωE」同話ヨ主i出aιst

司 ~ I~44 〈h 冨aFSJ 言 ぴ〉凶+ωCー司

位司

No Name Diag Gas Time 国bO EhDAge

ー日yenS自3 tω泊5EE 国話 ~ι5巨 cc EE EE ロEiCC

z Before 948 874 1305 83811100 11965 67

δ10ロ3 + 3 651 11 69 1376 638 986 11968 85

1 MK 口

7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90

まHCD 3 after 750 1133 1122 1315 13478 6615 Inh

五』ロょ pロHsコ d 32912365Before 935 310 2822110175 944 1310 6

昌『記品ω司Clsquoハ王SERm O渓2出+司-

35 324 31 511892 261019562 103 65

2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535

55 after 281 36112216 24291 9562 779 659 Inh

Ms 民d十C電

Before 4919|175(335 603840 5651 6l3 1196 ~4~~ I~~~~~~ 923

3 O K

75 604 1 7311 756 892 1406110262 967 167 31

FさC4Dと 15 after 7 Inh

5851 624 1092 17041 9458 937 1901

』晶aSBEd4

Before1885 5631 731 1057

3 yen71 5 589yen 746 1060 1~~81 ~~~~i z 4 1670 6431 721 963 132896601

7 1600 88111014 740 1367110856

TJ 口 + ~~ I-~~ ~ ~~

4 T 51 o 9 1580 6731 872 913

世て品が6Eロヨ F三U0三43

1040グ 580 979 1168 589 11611 98471 839

2 after 6191 837 1054 12701102621 740124 5LiLh1880 5 after

91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after

900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660

z Before 91 5 913 1171 4228 26 5585 94 9

口 冨 + 5 829 345 5 T T + 唱

10 874 205627 ω

冨 求V4 6 after

91 51 262

6 Inh

z Before 946 299 374 80 9552 553 416 874

口 + 2 931 6 r s A i ) 1 5 954 10050 657 11 83

43 さFrarr l after 9545 ー事 1 65iumli~h

tωEぷ

z Before 932 489 531 1788 2806 13882 921 41

+ 5 74 9 875 1084 2427 14066 857 7 明

弘Eロ

V361100附hellip115870 肝 5

まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5

持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-

ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ

らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直

接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多

くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静

脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと

があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし

えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ

徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1

~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸

素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では

意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100

酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4

~ー12平均一31の菱化であった

健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度

を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず

かに充進する(表 4No 1)

吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均

100 6 + 80 + 10

84 10 + 185 + 55

72 5 +260 -70

このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽

和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸

素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず

かしいさらに病的状態においては事情が複雑

になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧

が低下し卒倒することはよく知られた事実であ

るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか

知られている18h また慢性低酸素血症に心機能

Fig

の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも

ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を

させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か

らも理解できるしかしかようなさいに 100

酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に

することを教室の謝(13)は指摘したかように

血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観

察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋

常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し

たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧

は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に

あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある

4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど

不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不

愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ

る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ

りは平均一 15であったこれにたいして中等度

ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は

平均 +10まし弛期圧は平均一7へった

つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ

げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y

A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは

95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸

入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数

は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入

3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼

吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140

50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸

1

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

~ tc lflin

妥70r7 I 堅

6霊苦 t』且Aめ 50p喜

L4ミ

合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

tt怖n

oき1ωr室吋g~ 5V

flfl)十B芸 dS~707 さ MV

2医師 I言aE臼t6さ

とlミ雲仙ミ|伊ぷ ~isootltm 弘A

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主宰コ

哨一

ωωMωωon

S

A

が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

Name

NK

IT

KM

WY

Sex Dlagno畠18 A色e

同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口

Z3糾8-+咽ぜ1十吋sz2a320

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53

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16 141

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Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も

Morphln1740 1409 08ccln

10 1168

20 1176

30 1176

MOlphlne 009 1706 10cclnj

10 1853

20 1911

30 1874

904 1660 c1nJ

10 1722

20 1212

30 1731

norphine 1670 10cclnJ

10 1889

Art Art

vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色

4378 809 28 92

4066 671 27

ベ3867 675 28 90

466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

3887 951 22 87

3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

45 20

30

167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1

由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持

Tlme Before

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pulsquo Wq4』O

c羽u0為 FUh 44

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10

887

793

913

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895

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852

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2006

12854

869

30

960

828

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2022

13158

86

S V cc 824

li V L皿ln 761

PerlphheslsじDynecm 929

VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ

吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-

a|U8| |λName プま|プま いま|内渓

口必

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No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5

口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI

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W Y Neophylline

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Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994

2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452

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W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI

025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817

1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2

025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -887ー

6) 呼吸酸素消費量の測定には Tab 1a

Knipping式ガス代謝測定器を使い 「一一一一一一 l 2 5 4 I 5 ti I 7

h時

038 I口拍031 口43 ロ27 ロ32 I口45

Ms Ms十MilMCbSar十rD嵐dn1e十b|l-- M1 Al Asth

SpS河m 巴ard

421 580 463 511

76 98 72 100

408 399 41 50

3900 2810 2693 1700 1300

206312148 1674 1904 1826

目 DlaJlnoss IMshellip~ (di

Iblood-cor仰 sclel 464

l Ht (帥 1 43 1410

yenVlta1-叫 cc yen2478 yen3306

IArt 02 y01 ~h5 55 11949

1 Art C九01ぉ 134431 40431 4214

jDecompens

349

100Hb () 1102

3999 1 247515030

Ven O2 01 112071 15891 13871 179811326 1 14221 1579

Ven C02vo1145061467914462

dA1V02V017- 348 360 676f1er

O2Cap yo1 1797 2011 216邑

O2Saturation完 865 969 952

4467 1 30771 5426

350 348 482 I247

払砧叫|山

958刈81 946 I975 1967

ロω

一-

C

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C一

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一 2600 2950 2655 2150 2467 2340

722 436 758 618 512 947

1092 ti41 ワ66 754 617 10~9

459 291 483 454 686

15ワ 150 157 13E 138

66 68 99 82 83 92

42 51 438 49 38 40

19 M 285 19 29 18

27 40 336 27 32 26

21 32 241 i95 1235 1 75

-ー ー柏町 -町田 - 一

SV cc I736

L叫 nm1j 453 card lnd

Bo匂邑urface Arj13己

Hear七l1S七e I 83

叫 2

品4

31

PC 也屯Eg 19

10間 100酸素を吸引させ酸素消費

量を求めたなお血液採取は酸素

消費量測定の終了直前にした

7) 分時送血量の算出には Fickの l式にしたがったまた心係数 (Groll-

mann)lsquoは分時送血量を体表面積で除

して求め拍出量は分時送血量を l間

の心拍数で除して求めた

8) 心内圧はベリリウム膜を張った

静脈用ヘッドを用い千葉電機製 N-F

式エレグトロマノメターで増幅L

6エレメントの記録器で描記した(教

室の井原論文ゆ参照〉

3 心疾患ならびに高血圧症の

一部について高(100)低(ゃく

10)容量の酸素吸入を行った吸入

方法は Douglas パッグ中に 10酸

素+窒素カスまたは 100酸素を

つめて吸入させる方法と Knipping

のスパイロメター内に 10酸 素 +

窒素ガスをつめスパイロメタ中

の苛性カ Pで炭酸ガスを吸収し呼吸

によってガスを稀釈する方法の二つに

よった

4 心疾患の一部にそルフイシア

ミノフィリシを注射し Fick-Cour-

nand法および Wezler の新法

(1948)を改良した教室の方法によっ

て循環動態をしらベた(教室の稲垣論文(7)参照〉

本文中の略号一覧表を次に示す

Abbreviation in this paper

Ai

As

E Mi

M s

M V

Aortic insu伍 ciency

Aortic stenosis

Volume Elasticity

Mitral insu伍ciency

Mitral stenosis

Minute Volume

P A 一PulmonaryArtery (Pressure)

P C Pulmonary Capi1lary (Pressure)

Pd Diastolic Pressure

Ps Systolic Pressure

羽T Peripheral Resistance

S V Stroke Volume

111 実験成績

A心疾患

心疾患の右心カテテル検査成績を表 1abに示

OK r瓦 KA MYI 蹄Y sKIHH

1 代償不全のないもの〈表 1a7例)

すなわち N Y Heart Associa-

tion(12)(1946)指定の第 1級

01 末柏血液

赤血球数は 349--580X 104平均値士標準偏差

は 4647士 526 X 104で赤血球増加症はなかっ

たヘマトグリット値は 399-500 (426t36

)であった血色素量 (Sahli) は 72~ 102

(913士 123)であった

20 血液ガス

(i) 酸素飽合能は 1770_2254 Vol (1977

士172Vol )であった

(ii) 動脈血酸素含量は 1555_2148 Vol 874t222Vol )で動脈血酸素飽和度は 865

-888ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

--975 (947士 35)の値を示し中等度低酸素 2127-2950cc(247士 27Acのであった(心疾患

血症の状態にあるものが 1例あった の気相については教室千葉論文(1)参照〉

(iii) 動脈血茨酸ガス含量は 2475--5030Vol 50分時送血量拍出量心係数

(3867士 779Vol )を示した 分時送血量は 436--947 L min (658 157Lj

(iv) 混合静脈血の酸素含量は 1207--1798Vol min)であった 7例中 2例は尋常範囲内にあった

(1473135 Vol )茨酸ガス含量は 3077-- が心晴息 1例では 947Lminの高い値を示した

5426Vol (4436士 694Vol )であった(表 1aNo 7)拍出量は 617--1092cc (805士

(v) 動静脈血酸素差は 247--676Vol (402 171cc)であった心係数は 291--686Lminm2

士129Vol )であった (471 089 Lminmつであった

30肺活量 60 肺動脈圧肺毛細管庄

女性では 1700~2478 cc(2089士 389cc)男性で 肺動脈縮期庄は 38--54 mmHg (454士 56mm

は 1300~3900 cc(2802士 8622cc)であった 1300 Hg)弛期圧は 18~ 34mmHg (239土 46mm

の最年長者11息で心疾患全例仁iを示した例は心情cc

(64才〉である でレずれも尋常値よりはるかに高し肺毛紘管

40 呼吸酸素消費量 圧(正しくは WedgePressure)としては肺動

Tab 1 b 脈から肺小動脈にカテー

Hg)平均圧は 26--40mmHg (309 46 mmHg)

1 2 5 4 b

Name FM r 11l bull SK TK MK

SexIAge 043 口 27 022 047 022

Ms+Card Dlagnosls Ms Ms+M1 Oroncわ Ms+Mi Al

Red(sldcvlε spaSG1

b100d-corν凶 3b1 34ι 405 422 369

Ht (t) 7fj 77 75 80 74

Ht (メ 34 405 41 49

Vlta1-cap cc 1650 3496 2200 1380 1200

Art02 yen01元 1563 1574 1617 2014 1629

Art CO2 vo1見 3904 3531 3443 3540

Ven 02 yen101 1095 1254 1236 1789 814

Ven C0 2 V01 4449 4574 4165 4317

IA - V O2vo1 468 320 381 225 815 l1ffer

02 Cap vo1 181ワ 1721 1843 2174 1881

02 Saturatlon 860 915 910 926 866

02Consump(cc) 2557 29b0 1936 2380 2200

M V Lmln 547 913 510 1057 270

S V CC 3493 1171 510 839 284

Card Ind~山iacute 431 524 393 739 214

Body Surfsce A凶r 127 174 130 143 126

Hear七 Ra七e 134 78 100 126 95

syst 42 58

P A diast 47mmHg 28

mean 33 420 51

PC mmHg 26 15

DecompenB l十 十 ート 十 十

6 7

IS 血K

ロ43 059

Al Al

379 430

78 1

44 41

1787

1515 1571

2975 4349

601 1193

4072 4894

914 378

1600 1620

947 970

2733 3180

299 841

374 989

195

153

80 85

95 35

41 lマ

73 23

53 16

十 +

一一一一寸

8 9

日G H A

口48 048

As七h Al Card

431 361

120 78

44 42

2900 1359

1959 1738

山367 4328

1336 1135

5135 4719

623 603

2001 1987

9ワ9 875

27001 2066

433 343

471 404

287 274

151 125

92 85

39 31

20 16

26 21

130 155

十 十

テルを入れカテーテル

先端がつかえて少し引

きもどしても動かないと

きの値をとったが 75

_32mmHg (209士 68

mmHg)で尋常値より

高い

2 代償不全のあ

るもの(表 1b 9

NY Heart のFAssocia tion指定

の第 23級 01 末梢血液

赤血球数は 346431

X 104(388 289 x10勺

ヘマトグリット値は 34--

49 (419士 39)血

色素量 (Sahli)は 61--

120 (80 151)で

赤血球増加症はなかっ

ドyenー

20 血液ガス

(i) 酸素飽合能は

1600~217 4 Vol (1894

士182Vo1 )であっ

(ii) 動脈血酸素含量

は 15152014 Vol

(1687士171Vol )

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -889ー

61979 (9_860動脈血酸素飽和度は 45)土

で 9例中 5例は中等度ないし軽度の低酸素血

症状態にあった代償不全のないものにくらべて

飽和度の低いものが多かった

(iii) 動脈血涙酸ガス含量は 2975~4367 Vol

(3805士 482Vol )で代償不全のないものにく

らべて特別の菱化はない

(iv) 混合静脈血の酸素含量は 601 ~ 1789 Vol

(1161士 313Vol )で代償不全のないもの

にくらべて低し茨酸ガス含量は 4075--5135Vol

(4540士 341Vol )であった

(v) 動静脈血酸素差は 225--914Vol (525

士191Vol )で代償不全のないものにくらべ

てゃい高い

30 肺活量

女性は 1200--1650 cc (1558土 155cc)男性は

1787~2900 cc (2728土 7083cc)で代償不全のな

いものにくらべて男女ともに低し

40 呼吸酸素消費量

2066_3180 cc (2524士 1238cc)で代償不全

のないものにくらべて特別の差はなし

50分時送血量拍出量心係数

分時送血量は 270~1057 Lmin (468士 294L

min)であったこのうち大動脈弁口閉鎖不全の

1例は 270Lmin (表 1bNoめを f也の大動脈

弁口閉鎖不全は 299Lmin (表 1bNoの を示

しかっいずれも検査後 3週間以内に死亡した

拍出量は 284--1171cc (5990士 3003cのであっ

たが前記 2例はそれぞれ 284 ccおよび374

cc であった心係数は195~739 Lminm2 (382

士171Lminmりで代償不全のないものにくら

べてわずかに低い

60 肺動脈庄肺毛細管圧

肺動脈縮期庄は 31~95 mmHg (50土 218mm

Hg)弛期庄は 16 ~74 mmHg (282土 119mm

Hg)平均庄は 21 ~73 mmHg (384土 173mm

Hg)であったいずれも代償不全のないものにく

らべて高し表 1bNo 5および No6は縮

期弛期平均圧ともにいちじるしく高い値を示

した肺毛細管庄は 13 ~26 mmHg (231士 140

mmHgつであったが表 1bの No6だけは 53

mmHgの高い値を示す平均して代償不全のな

いものに〈らべて高い値を示す

括 ノト

以上心疾患 16例く代償不全のないもの 7例

あるもの 9がりについて慢性低酸素症にたしする

代償因子を顧慮してしらベた

1 こLに観察tした 16例の後天性心疾患には

代償不全の有無にか Lわらず赤血球増加症がなか

った

2 代償不全 9例中 5例に中等度ないし軽度

の低酸素血症をみた

3 代償不全群の動脈血酸素飽和度は代償不全

のない群のそれにぐらべて低い値を示した

4 動脈血酸素飽和度は同じ疾患群においてさ

え臨床症状の重症度 とくに呼吸困難感とか

ならずしも比例しなかった

5 動静脈血酸素差は代償不全のないものに

くらべて不全群が高い値を示した

6 分時送血量は尋常範囲にあるものが多いが

表 1bNo 5および No 6は極端に低い値を示

した 2例とも予後の悪かった大動脈弁口閉鎖不全

症であるまた表 1aNo 7および表 1bNo

2No 4は 90Lmin 以上の高い値を示した以

上観察した後天性心疾患 16例においては代償不

全の有無にか Lわらず動脈血酸素飽和度と分時送

血量の間に一定の傾向がなかった

7 肺動脈圧肺毛細管庄はいずれも尋常値よ

り高しまた代償不全群はないものにくらべて

高い値を示した

8 肺活量はいずれも尋常値よりf尽くとく

に代償不全群はないものにくらべて低い値を示

した

B高血圧症

物理学的方法による高血圧症の循環動態について

は教室の中村〈和)(11)稲垣の論文があるわたく

しは主として右心カテテノレ法による成績を述べ

る(表 2)10 観察例の末梢血液には貧血を示す表 2No

7以外に特別の斐化がなし

20肺活量は 2100 ~3250 cc (29097士 5406cc)

で心疾患のように とくに減っているものはなか

った

30 血液ガスについては動脈血酸素含量は NO7

を除いて 1121--2060 Vol (1673士 311Vol

)であった動脈血酸素飽和度は No7No 9

を除いて 90LJ上 (927土 765)であった動

静脈血酸素差は NO9 以外は 248~475 Vol (3

64土 098Vol )であった

40 分時送血量は 427~704 Lmin (701 t243

-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻

Tab 2

Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG

Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62

Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j

Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e

Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90

Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48

Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123

Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060

Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983

Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31

Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426

A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165

429 d1ffer vol

02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212

02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E

O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730

M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636

S V cc 1060 964 1024 619 805

619 976 985 1714

CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398

Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100

Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79

syst 32 24 19 23 30 66

P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32

ldquo『

mean 17 27 16 15 23 17 23 43

1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o

Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多

いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し

た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で

尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い

たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数

は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり

で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし

く高し

50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士

157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど

L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)

でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm

Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期

圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高

値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも

Keith

んだ時期のものかまたは合併症とくに高血

圧性心疾患をもつものである

60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm

Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性

心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで

いちじるしく高し

小括

1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛

化がなかった

2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも

なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範

囲内にあった

3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた

が心疾患におけるほどいちじるしくなし

4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-

であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸

心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の

弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり

を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった

囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ

C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸

よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が

1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭

以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常

は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心

くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激

- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患

例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および

示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す

実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は

をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな

空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい

吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる

直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急

症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ

Tab3 Hypoxic Test

Appearance ReaRpa 1tre as七oryName

Asseze D180rderll Remar瓦8 ot

Dyspno聾a

ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y

11

5 Pectorla 1nha 30

1ater 17 7

ロPheumat01d Contr臣0L12十Eh4

18 TT 1050+lI 1 ( 1

51 Pozblr耳ar- Inha11245 22

1tis 1ater 22

ロ Pa包且t 14

YH daurctEter戸1

IClBo0bnat5lr再0o22l0Ha1 l- 17 24 5

oaua later 16

口 cl工Onobna5trl揺Ql2十0HA

14

国釘 FC VD 1730 18

41 1ater 20

H1bbyaEpyerreo14事 工nlClb0OaZaEIEblr政r2ohl+12Ha0

20

JiT () 26 55

26

[] 14 A5 Tuvenl1o znC1b1ca需a1むampr1oナH51a t-) 1525 E81EF0nez-むoll 10

later 11

口 c1Z1ZBbn7SatErlh+lEl24E 1550『

12

45 E耳1pearむen- 15

仁 1stor 15

ロ 50 A且も工ySm9 Z虚c1lao11n需azel15rrcν1o0lEa 10晶0 48

M 岳0 36

口 1工C2且oh1nEa七Erlbo十Hl6a40

20 S~ 国

誼83IFPozzrt8 640 256もE later 52

一-

Heart System1c BPm皿Hg Art 0時z

Art CU2

COVnEtl孟1 Compla1ntsRate Sys七o11c ID1as色011 Sat (

88 142 92 952 4361 102 122 65 ワ74 3652 町spnoea

82 138 90 976 4229

78 96 64 862 3703

85 107 52 631 4425 Cyanoe1s

72 114 68 880 4316

68 90 62 882 4409

82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache

71 91 55 878 4362

79 127 72 745 4380

81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea

69 1M 66

84 130 74 948 4966

90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822

80 160 70 969 4220

88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e

マa 158 ワ0 855 4527

79 208 128 961 5031 86

190 108 Dyapnoea 400 302480 210 120 920 5152

SDubEsapt noea 78 108 マE 943 4gt480 erna11

97 85 56 829(5 4546 paln

76 86 54 954 4244 Cyanoa1e

l宮O 120 75266 4130

12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl

68 1200 110 自由 9 3761

-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation

ぴ+t同司】b

〉 〉 話EE品出料Eω 』ωE」同話ヨ主i出aιst

司 ~ I~44 〈h 冨aFSJ 言 ぴ〉凶+ωCー司

位司

No Name Diag Gas Time 国bO EhDAge

ー日yenS自3 tω泊5EE 国話 ~ι5巨 cc EE EE ロEiCC

z Before 948 874 1305 83811100 11965 67

δ10ロ3 + 3 651 11 69 1376 638 986 11968 85

1 MK 口

7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90

まHCD 3 after 750 1133 1122 1315 13478 6615 Inh

五』ロょ pロHsコ d 32912365Before 935 310 2822110175 944 1310 6

昌『記品ω司Clsquoハ王SERm O渓2出+司-

35 324 31 511892 261019562 103 65

2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535

55 after 281 36112216 24291 9562 779 659 Inh

Ms 民d十C電

Before 4919|175(335 603840 5651 6l3 1196 ~4~~ I~~~~~~ 923

3 O K

75 604 1 7311 756 892 1406110262 967 167 31

FさC4Dと 15 after 7 Inh

5851 624 1092 17041 9458 937 1901

』晶aSBEd4

Before1885 5631 731 1057

3 yen71 5 589yen 746 1060 1~~81 ~~~~i z 4 1670 6431 721 963 132896601

7 1600 88111014 740 1367110856

TJ 口 + ~~ I-~~ ~ ~~

4 T 51 o 9 1580 6731 872 913

世て品が6Eロヨ F三U0三43

1040グ 580 979 1168 589 11611 98471 839

2 after 6191 837 1054 12701102621 740124 5LiLh1880 5 after

91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after

900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660

z Before 91 5 913 1171 4228 26 5585 94 9

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まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5

持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-

ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ

らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直

接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多

くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静

脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと

があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし

えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ

徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1

~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸

素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では

意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100

酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4

~ー12平均一31の菱化であった

健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度

を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず

かに充進する(表 4No 1)

吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均

100 6 + 80 + 10

84 10 + 185 + 55

72 5 +260 -70

このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽

和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸

素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず

かしいさらに病的状態においては事情が複雑

になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧

が低下し卒倒することはよく知られた事実であ

るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか

知られている18h また慢性低酸素血症に心機能

Fig

の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも

ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を

させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か

らも理解できるしかしかようなさいに 100

酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に

することを教室の謝(13)は指摘したかように

血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観

察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋

常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し

たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧

は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に

あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある

4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど

不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不

愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ

る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ

りは平均一 15であったこれにたいして中等度

ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は

平均 +10まし弛期圧は平均一7へった

つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ

げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y

A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは

95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸

入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数

は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入

3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼

吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140

50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸

1

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

~ tc lflin

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合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

tt怖n

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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

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4935 904 21 80

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4936 909 22 81

3569 858 19 82

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由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

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PerlphheslsじDynecm 929

VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

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小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

-888ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

--975 (947士 35)の値を示し中等度低酸素 2127-2950cc(247士 27Acのであった(心疾患

血症の状態にあるものが 1例あった の気相については教室千葉論文(1)参照〉

(iii) 動脈血茨酸ガス含量は 2475--5030Vol 50分時送血量拍出量心係数

(3867士 779Vol )を示した 分時送血量は 436--947 L min (658 157Lj

(iv) 混合静脈血の酸素含量は 1207--1798Vol min)であった 7例中 2例は尋常範囲内にあった

(1473135 Vol )茨酸ガス含量は 3077-- が心晴息 1例では 947Lminの高い値を示した

5426Vol (4436士 694Vol )であった(表 1aNo 7)拍出量は 617--1092cc (805士

(v) 動静脈血酸素差は 247--676Vol (402 171cc)であった心係数は 291--686Lminm2

士129Vol )であった (471 089 Lminmつであった

30肺活量 60 肺動脈圧肺毛細管庄

女性では 1700~2478 cc(2089士 389cc)男性で 肺動脈縮期庄は 38--54 mmHg (454士 56mm

は 1300~3900 cc(2802士 8622cc)であった 1300 Hg)弛期圧は 18~ 34mmHg (239土 46mm

の最年長者11息で心疾患全例仁iを示した例は心情cc

(64才〉である でレずれも尋常値よりはるかに高し肺毛紘管

40 呼吸酸素消費量 圧(正しくは WedgePressure)としては肺動

Tab 1 b 脈から肺小動脈にカテー

Hg)平均圧は 26--40mmHg (309 46 mmHg)

1 2 5 4 b

Name FM r 11l bull SK TK MK

SexIAge 043 口 27 022 047 022

Ms+Card Dlagnosls Ms Ms+M1 Oroncわ Ms+Mi Al

Red(sldcvlε spaSG1

b100d-corν凶 3b1 34ι 405 422 369

Ht (t) 7fj 77 75 80 74

Ht (メ 34 405 41 49

Vlta1-cap cc 1650 3496 2200 1380 1200

Art02 yen01元 1563 1574 1617 2014 1629

Art CO2 vo1見 3904 3531 3443 3540

Ven 02 yen101 1095 1254 1236 1789 814

Ven C0 2 V01 4449 4574 4165 4317

IA - V O2vo1 468 320 381 225 815 l1ffer

02 Cap vo1 181ワ 1721 1843 2174 1881

02 Saturatlon 860 915 910 926 866

02Consump(cc) 2557 29b0 1936 2380 2200

M V Lmln 547 913 510 1057 270

S V CC 3493 1171 510 839 284

Card Ind~山iacute 431 524 393 739 214

Body Surfsce A凶r 127 174 130 143 126

Hear七 Ra七e 134 78 100 126 95

syst 42 58

P A diast 47mmHg 28

mean 33 420 51

PC mmHg 26 15

DecompenB l十 十 ート 十 十

6 7

IS 血K

ロ43 059

Al Al

379 430

78 1

44 41

1787

1515 1571

2975 4349

601 1193

4072 4894

914 378

1600 1620

947 970

2733 3180

299 841

374 989

195

153

80 85

95 35

41 lマ

73 23

53 16

十 +

一一一一寸

8 9

日G H A

口48 048

As七h Al Card

431 361

120 78

44 42

2900 1359

1959 1738

山367 4328

1336 1135

5135 4719

623 603

2001 1987

9ワ9 875

27001 2066

433 343

471 404

287 274

151 125

92 85

39 31

20 16

26 21

130 155

十 十

テルを入れカテーテル

先端がつかえて少し引

きもどしても動かないと

きの値をとったが 75

_32mmHg (209士 68

mmHg)で尋常値より

高い

2 代償不全のあ

るもの(表 1b 9

NY Heart のFAssocia tion指定

の第 23級 01 末梢血液

赤血球数は 346431

X 104(388 289 x10勺

ヘマトグリット値は 34--

49 (419士 39)血

色素量 (Sahli)は 61--

120 (80 151)で

赤血球増加症はなかっ

ドyenー

20 血液ガス

(i) 酸素飽合能は

1600~217 4 Vol (1894

士182Vo1 )であっ

(ii) 動脈血酸素含量

は 15152014 Vol

(1687士171Vol )

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -889ー

61979 (9_860動脈血酸素飽和度は 45)土

で 9例中 5例は中等度ないし軽度の低酸素血

症状態にあった代償不全のないものにくらべて

飽和度の低いものが多かった

(iii) 動脈血涙酸ガス含量は 2975~4367 Vol

(3805士 482Vol )で代償不全のないものにく

らべて特別の菱化はない

(iv) 混合静脈血の酸素含量は 601 ~ 1789 Vol

(1161士 313Vol )で代償不全のないもの

にくらべて低し茨酸ガス含量は 4075--5135Vol

(4540士 341Vol )であった

(v) 動静脈血酸素差は 225--914Vol (525

士191Vol )で代償不全のないものにくらべ

てゃい高い

30 肺活量

女性は 1200--1650 cc (1558土 155cc)男性は

1787~2900 cc (2728土 7083cc)で代償不全のな

いものにくらべて男女ともに低し

40 呼吸酸素消費量

2066_3180 cc (2524士 1238cc)で代償不全

のないものにくらべて特別の差はなし

50分時送血量拍出量心係数

分時送血量は 270~1057 Lmin (468士 294L

min)であったこのうち大動脈弁口閉鎖不全の

1例は 270Lmin (表 1bNoめを f也の大動脈

弁口閉鎖不全は 299Lmin (表 1bNoの を示

しかっいずれも検査後 3週間以内に死亡した

拍出量は 284--1171cc (5990士 3003cのであっ

たが前記 2例はそれぞれ 284 ccおよび374

cc であった心係数は195~739 Lminm2 (382

士171Lminmりで代償不全のないものにくら

べてわずかに低い

60 肺動脈庄肺毛細管圧

肺動脈縮期庄は 31~95 mmHg (50土 218mm

Hg)弛期庄は 16 ~74 mmHg (282土 119mm

Hg)平均庄は 21 ~73 mmHg (384土 173mm

Hg)であったいずれも代償不全のないものにく

らべて高し表 1bNo 5および No6は縮

期弛期平均圧ともにいちじるしく高い値を示

した肺毛細管庄は 13 ~26 mmHg (231士 140

mmHgつであったが表 1bの No6だけは 53

mmHgの高い値を示す平均して代償不全のな

いものに〈らべて高い値を示す

括 ノト

以上心疾患 16例く代償不全のないもの 7例

あるもの 9がりについて慢性低酸素症にたしする

代償因子を顧慮してしらベた

1 こLに観察tした 16例の後天性心疾患には

代償不全の有無にか Lわらず赤血球増加症がなか

った

2 代償不全 9例中 5例に中等度ないし軽度

の低酸素血症をみた

3 代償不全群の動脈血酸素飽和度は代償不全

のない群のそれにぐらべて低い値を示した

4 動脈血酸素飽和度は同じ疾患群においてさ

え臨床症状の重症度 とくに呼吸困難感とか

ならずしも比例しなかった

5 動静脈血酸素差は代償不全のないものに

くらべて不全群が高い値を示した

6 分時送血量は尋常範囲にあるものが多いが

表 1bNo 5および No 6は極端に低い値を示

した 2例とも予後の悪かった大動脈弁口閉鎖不全

症であるまた表 1aNo 7および表 1bNo

2No 4は 90Lmin 以上の高い値を示した以

上観察した後天性心疾患 16例においては代償不

全の有無にか Lわらず動脈血酸素飽和度と分時送

血量の間に一定の傾向がなかった

7 肺動脈圧肺毛細管庄はいずれも尋常値よ

り高しまた代償不全群はないものにくらべて

高い値を示した

8 肺活量はいずれも尋常値よりf尽くとく

に代償不全群はないものにくらべて低い値を示

した

B高血圧症

物理学的方法による高血圧症の循環動態について

は教室の中村〈和)(11)稲垣の論文があるわたく

しは主として右心カテテノレ法による成績を述べ

る(表 2)10 観察例の末梢血液には貧血を示す表 2No

7以外に特別の斐化がなし

20肺活量は 2100 ~3250 cc (29097士 5406cc)

で心疾患のように とくに減っているものはなか

った

30 血液ガスについては動脈血酸素含量は NO7

を除いて 1121--2060 Vol (1673士 311Vol

)であった動脈血酸素飽和度は No7No 9

を除いて 90LJ上 (927土 765)であった動

静脈血酸素差は NO9 以外は 248~475 Vol (3

64土 098Vol )であった

40 分時送血量は 427~704 Lmin (701 t243

-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻

Tab 2

Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG

Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62

Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j

Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e

Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90

Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48

Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123

Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060

Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983

Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31

Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426

A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165

429 d1ffer vol

02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212

02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E

O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730

M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636

S V cc 1060 964 1024 619 805

619 976 985 1714

CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398

Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100

Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79

syst 32 24 19 23 30 66

P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32

ldquo『

mean 17 27 16 15 23 17 23 43

1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o

Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多

いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し

た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で

尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い

たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数

は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり

で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし

く高し

50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士

157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど

L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)

でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm

Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期

圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高

値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも

Keith

んだ時期のものかまたは合併症とくに高血

圧性心疾患をもつものである

60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm

Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性

心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで

いちじるしく高し

小括

1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛

化がなかった

2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも

なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範

囲内にあった

3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた

が心疾患におけるほどいちじるしくなし

4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-

であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸

心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の

弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり

を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった

囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ

C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸

よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が

1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭

以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常

は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心

くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激

- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患

例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および

示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す

実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は

をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな

空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい

吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる

直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急

症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ

Tab3 Hypoxic Test

Appearance ReaRpa 1tre as七oryName

Asseze D180rderll Remar瓦8 ot

Dyspno聾a

ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y

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78 96 64 862 3703

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84 130 74 948 4966

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-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation

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持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-

ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ

らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直

接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多

くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静

脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと

があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし

えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ

徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1

~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸

素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では

意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100

酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4

~ー12平均一31の菱化であった

健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度

を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず

かに充進する(表 4No 1)

吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均

100 6 + 80 + 10

84 10 + 185 + 55

72 5 +260 -70

このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽

和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸

素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず

かしいさらに病的状態においては事情が複雑

になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧

が低下し卒倒することはよく知られた事実であ

るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか

知られている18h また慢性低酸素血症に心機能

Fig

の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも

ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を

させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か

らも理解できるしかしかようなさいに 100

酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に

することを教室の謝(13)は指摘したかように

血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観

察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋

常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し

たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧

は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に

あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある

4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど

不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不

愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ

る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ

りは平均一 15であったこれにたいして中等度

ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は

平均 +10まし弛期圧は平均一7へった

つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ

げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y

A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは

95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸

入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数

は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入

3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼

吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140

50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸

1

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

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合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

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10 1722

20 1212

30 1731

norphine 1670 10cclnJ

10 1889

Art Art

vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色

4378 809 28 92

4066 671 27

ベ3867 675 28 90

466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

3887 951 22 87

3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

45 20

30

167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1

由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持

Tlme Before

bull0

pulsquo Wq4』O

c羽u0為 FUh 44

呈ah吋司a露sニヲ『

10

887

793

913

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895

20

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852

844

2006

12854

869

30

960

828

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2022

13158

86

S V cc 824

li V L皿ln 761

PerlphheslsじDynecm 929

VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ

吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-

a|U8| |λName プま|プま いま|内渓

口必

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No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5

口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI

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W Y Neophylline

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Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994

2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452

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W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI

025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817

1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2

025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -889ー

61979 (9_860動脈血酸素飽和度は 45)土

で 9例中 5例は中等度ないし軽度の低酸素血

症状態にあった代償不全のないものにくらべて

飽和度の低いものが多かった

(iii) 動脈血涙酸ガス含量は 2975~4367 Vol

(3805士 482Vol )で代償不全のないものにく

らべて特別の菱化はない

(iv) 混合静脈血の酸素含量は 601 ~ 1789 Vol

(1161士 313Vol )で代償不全のないもの

にくらべて低し茨酸ガス含量は 4075--5135Vol

(4540士 341Vol )であった

(v) 動静脈血酸素差は 225--914Vol (525

士191Vol )で代償不全のないものにくらべ

てゃい高い

30 肺活量

女性は 1200--1650 cc (1558土 155cc)男性は

1787~2900 cc (2728土 7083cc)で代償不全のな

いものにくらべて男女ともに低し

40 呼吸酸素消費量

2066_3180 cc (2524士 1238cc)で代償不全

のないものにくらべて特別の差はなし

50分時送血量拍出量心係数

分時送血量は 270~1057 Lmin (468士 294L

min)であったこのうち大動脈弁口閉鎖不全の

1例は 270Lmin (表 1bNoめを f也の大動脈

弁口閉鎖不全は 299Lmin (表 1bNoの を示

しかっいずれも検査後 3週間以内に死亡した

拍出量は 284--1171cc (5990士 3003cのであっ

たが前記 2例はそれぞれ 284 ccおよび374

cc であった心係数は195~739 Lminm2 (382

士171Lminmりで代償不全のないものにくら

べてわずかに低い

60 肺動脈庄肺毛細管圧

肺動脈縮期庄は 31~95 mmHg (50土 218mm

Hg)弛期庄は 16 ~74 mmHg (282土 119mm

Hg)平均庄は 21 ~73 mmHg (384土 173mm

Hg)であったいずれも代償不全のないものにく

らべて高し表 1bNo 5および No6は縮

期弛期平均圧ともにいちじるしく高い値を示

した肺毛細管庄は 13 ~26 mmHg (231士 140

mmHgつであったが表 1bの No6だけは 53

mmHgの高い値を示す平均して代償不全のな

いものに〈らべて高い値を示す

括 ノト

以上心疾患 16例く代償不全のないもの 7例

あるもの 9がりについて慢性低酸素症にたしする

代償因子を顧慮してしらベた

1 こLに観察tした 16例の後天性心疾患には

代償不全の有無にか Lわらず赤血球増加症がなか

った

2 代償不全 9例中 5例に中等度ないし軽度

の低酸素血症をみた

3 代償不全群の動脈血酸素飽和度は代償不全

のない群のそれにぐらべて低い値を示した

4 動脈血酸素飽和度は同じ疾患群においてさ

え臨床症状の重症度 とくに呼吸困難感とか

ならずしも比例しなかった

5 動静脈血酸素差は代償不全のないものに

くらべて不全群が高い値を示した

6 分時送血量は尋常範囲にあるものが多いが

表 1bNo 5および No 6は極端に低い値を示

した 2例とも予後の悪かった大動脈弁口閉鎖不全

症であるまた表 1aNo 7および表 1bNo

2No 4は 90Lmin 以上の高い値を示した以

上観察した後天性心疾患 16例においては代償不

全の有無にか Lわらず動脈血酸素飽和度と分時送

血量の間に一定の傾向がなかった

7 肺動脈圧肺毛細管庄はいずれも尋常値よ

り高しまた代償不全群はないものにくらべて

高い値を示した

8 肺活量はいずれも尋常値よりf尽くとく

に代償不全群はないものにくらべて低い値を示

した

B高血圧症

物理学的方法による高血圧症の循環動態について

は教室の中村〈和)(11)稲垣の論文があるわたく

しは主として右心カテテノレ法による成績を述べ

る(表 2)10 観察例の末梢血液には貧血を示す表 2No

7以外に特別の斐化がなし

20肺活量は 2100 ~3250 cc (29097士 5406cc)

で心疾患のように とくに減っているものはなか

った

30 血液ガスについては動脈血酸素含量は NO7

を除いて 1121--2060 Vol (1673士 311Vol

)であった動脈血酸素飽和度は No7No 9

を除いて 90LJ上 (927土 765)であった動

静脈血酸素差は NO9 以外は 248~475 Vol (3

64土 098Vol )であった

40 分時送血量は 427~704 Lmin (701 t243

-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻

Tab 2

Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG

Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62

Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j

Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e

Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90

Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48

Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123

Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060

Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983

Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31

Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426

A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165

429 d1ffer vol

02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212

02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E

O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730

M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636

S V cc 1060 964 1024 619 805

619 976 985 1714

CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398

Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100

Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79

syst 32 24 19 23 30 66

P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32

ldquo『

mean 17 27 16 15 23 17 23 43

1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o

Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多

いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し

た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で

尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い

たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数

は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり

で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし

く高し

50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士

157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど

L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)

でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm

Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期

圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高

値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも

Keith

んだ時期のものかまたは合併症とくに高血

圧性心疾患をもつものである

60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm

Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性

心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで

いちじるしく高し

小括

1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛

化がなかった

2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも

なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範

囲内にあった

3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた

が心疾患におけるほどいちじるしくなし

4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-

であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸

心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の

弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり

を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった

囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ

C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸

よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が

1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭

以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常

は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心

くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激

- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患

例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および

示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す

実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は

をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな

空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい

吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる

直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急

症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ

Tab3 Hypoxic Test

Appearance ReaRpa 1tre as七oryName

Asseze D180rderll Remar瓦8 ot

Dyspno聾a

ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y

11

5 Pectorla 1nha 30

1ater 17 7

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51 Pozblr耳ar- Inha11245 22

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Art CU2

COVnEtl孟1 Compla1ntsRate Sys七o11c ID1as色011 Sat (

88 142 92 952 4361 102 122 65 ワ74 3652 町spnoea

82 138 90 976 4229

78 96 64 862 3703

85 107 52 631 4425 Cyanoe1s

72 114 68 880 4316

68 90 62 882 4409

82 89 53 488 4336 EGEe anoa18 adache

71 91 55 878 4362

79 127 72 745 4380

81 UO 64 624 4521 HDezaadpnacobea

69 1M 66

84 130 74 948 4966

90 124 64 98 4710 3 72 126 70 881 4822

80 160 70 969 4220

88 168 68 867 lt1658 Cyanos1e

マa 158 ワ0 855 4527

79 208 128 961 5031 86

190 108 Dyapnoea 400 302480 210 120 920 5152

SDubEsapt noea 78 108 マE 943 4gt480 erna11

97 85 56 829(5 4546 paln

76 86 54 954 4244 Cyanoa1e

l宮O 120 75266 4130

12 206 120 676 4091 DcvEnFncea ](nosl

68 1200 110 自由 9 3761

-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation

ぴ+t同司】b

〉 〉 話EE品出料Eω 』ωE」同話ヨ主i出aιst

司 ~ I~44 〈h 冨aFSJ 言 ぴ〉凶+ωCー司

位司

No Name Diag Gas Time 国bO EhDAge

ー日yenS自3 tω泊5EE 国話 ~ι5巨 cc EE EE ロEiCC

z Before 948 874 1305 83811100 11965 67

δ10ロ3 + 3 651 11 69 1376 638 986 11968 85

1 MK 口

7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90

まHCD 3 after 750 1133 1122 1315 13478 6615 Inh

五』ロょ pロHsコ d 32912365Before 935 310 2822110175 944 1310 6

昌『記品ω司Clsquoハ王SERm O渓2出+司-

35 324 31 511892 261019562 103 65

2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535

55 after 281 36112216 24291 9562 779 659 Inh

Ms 民d十C電

Before 4919|175(335 603840 5651 6l3 1196 ~4~~ I~~~~~~ 923

3 O K

75 604 1 7311 756 892 1406110262 967 167 31

FさC4Dと 15 after 7 Inh

5851 624 1092 17041 9458 937 1901

』晶aSBEd4

Before1885 5631 731 1057

3 yen71 5 589yen 746 1060 1~~81 ~~~~i z 4 1670 6431 721 963 132896601

7 1600 88111014 740 1367110856

TJ 口 + ~~ I-~~ ~ ~~

4 T 51 o 9 1580 6731 872 913

世て品が6Eロヨ F三U0三43

1040グ 580 979 1168 589 11611 98471 839

2 after 6191 837 1054 12701102621 740124 5LiLh1880 5 after

91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after

900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660

z Before 91 5 913 1171 4228 26 5585 94 9

口 冨 + 5 829 345 5 T T + 唱

10 874 205627 ω

冨 求V4 6 after

91 51 262

6 Inh

z Before 946 299 374 80 9552 553 416 874

口 + 2 931 6 r s A i ) 1 5 954 10050 657 11 83

43 さFrarr l after 9545 ー事 1 65iumli~h

tωEぷ

z Before 932 489 531 1788 2806 13882 921 41

+ 5 74 9 875 1084 2427 14066 857 7 明

弘Eロ

V361100附hellip115870 肝 5

まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5

持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-

ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ

らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直

接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多

くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静

脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと

があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし

えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ

徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1

~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸

素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では

意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100

酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4

~ー12平均一31の菱化であった

健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度

を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず

かに充進する(表 4No 1)

吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均

100 6 + 80 + 10

84 10 + 185 + 55

72 5 +260 -70

このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽

和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸

素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず

かしいさらに病的状態においては事情が複雑

になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧

が低下し卒倒することはよく知られた事実であ

るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか

知られている18h また慢性低酸素血症に心機能

Fig

の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも

ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を

させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か

らも理解できるしかしかようなさいに 100

酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に

することを教室の謝(13)は指摘したかように

血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観

察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋

常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し

たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧

は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に

あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある

4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど

不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不

愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ

る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ

りは平均一 15であったこれにたいして中等度

ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は

平均 +10まし弛期圧は平均一7へった

つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ

げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y

A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは

95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸

入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数

は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入

3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼

吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140

50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸

1

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

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合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

tt怖n

oき1ωr室吋g~ 5V

flfl)十B芸 dS~707 さ MV

2医師 I言aE臼t6さ

とlミ雲仙ミ|伊ぷ ~isootltm 弘A

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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

Name

NK

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同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口

Z3糾8-+咽ぜ1十吋sz2a320

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Morphln1740 1409 08ccln

10 1168

20 1176

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MOlphlne 009 1706 10cclnj

10 1853

20 1911

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30 1731

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10 1889

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4378 809 28 92

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ベ3867 675 28 90

466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

3887 951 22 87

3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

45 20

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167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1

由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持

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13158

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PerlphheslsじDynecm 929

VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ

吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-

a|U8| |λName プま|プま いま|内渓

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Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994

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W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI

025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817

1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2

025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

-890- 千 葉医 学会 雑誌 第 32巻

Tab 2

Cae6 NO l 2 3 4 5 6 7 8 9 10

Name DA SR 1T TR AK YT 1T O U U T OG

Sex Age ロ49 口45 ロ49 o45 口48 口 51 口 63 ロ49 口 67 ロ62

Dlagnosle K WI 弘wHI K鴨1令E KvKwE KWrr K1111 EHeWc1汁4iiknEE資u73Z1bb干+larr-日RロEraFCWdsEEpD平j

Red (104-) 595 456 372 530 424 320 451 437 412b100d-corlJusc1e

Hb (sah11)第 73 73 80 98 100 68 90 88 90

Ht うも 43 M 495 495 311 475 488 48

Vlta1-c8p cc 3100 2760 2332 3000 2100 2200 3250 2232 2123

Art 0 曹01形 1545 1949 1575 1216 1911 1869 1121 1803 1358 2060

Arむ C~ 甲 01品 5022 4918 4770 2989 3983

Ven 011 vo1形 964 1606 11 71 966 H49 1394 790 1384 1193 1b31

Ven CO2 曹015172 5215 _ 14955 4494 4426

A-V Ot 341 403 248 462 475 331 419 165

429 d1ffer vol

02Cap Y01~ 1999 1701 1327 2004 1974 1248 1618 1936 2212

02Satはr8七ion16oz97meb b81ヴ975 928 919 954 947 898 992 701 931 E

O2Con号ump cc 23号 2874 1982 2258 2026 2130 2518 2180 2730

M V Lmln 689 704 799 489 427 644 601 132 636

S V cc 1060 964 1024 619 805

619 976 985 1714

CardILndmbull ln田宮 432 435 605 330 280 420 353 943 398

Body Surf Ar m2 1己9 162 132 148 152 153 170 140 100

Iieamprt hate 65 73 78 79 69 66 61 77 79

syst 32 24 19 23 30 66

P A mmHg dl8st 25 12 13 14 17 32

ldquo『

mean 17 27 16 15 23 17 23 43

1 C 開叫ig 15 85 5 15 10 12 35o

Lmin)の値を示し軽度の増加を示すものが多

いたどし No 9は 132Lminの高い値を示し

た拍出量は 619--1024cc (974士 256cc)で

尋常値にくらべてやふ高い値を示すものが多い

たどし No9は 1714ccの高値を示した心係数

は 280--605Lminm2 (466士 189Lminmり

で NO9だけは 943Lminm2でいちじるし

く高し

50 肺動脈圧は縮期圧が 19--32mmHg (323士

157 mmHg)でほど尋常の範囲内にあるたど

L弛期庄は 12--25mmHg (188士 73mmHg)

でゃれ高いものが多く平均圧は 15~27mm

Hg (226士 87mmHg)であった No10は縮期

圧 66弛期圧 32平均圧 43mmHgで全例中最高

値を示した比較的高い圧を示す例はレずれも

Keith

んだ時期のものかまたは合併症とくに高血

圧性心疾患をもつものである

60 肺毛細管圧は 5--15mmHg (144士 92mm

Hg)であったが No 10くKW lli+高血圧性

心疾患+心性気管枝痘肇〉だけは 355mmHgで

いちじるしく高し

小括

1 こ与で観察した例の末梢血液には特別の愛

化がなかった

2 動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をとも

なう高血圧性心疾患 (KW II)を除けば尋常範

囲内にあった

3 肺活量は尋常値にくらべて軽度にへっていた

が心疾患におけるほどいちじるしくなし

4 肺動脈縮期圧は 323 t157m mHg弛期庄

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-

であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸

心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の

弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり

を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった

囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ

C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸

よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が

1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭

以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常

は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心

くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激

- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患

例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および

示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す

実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は

をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな

空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい

吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる

直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急

症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ

Tab3 Hypoxic Test

Appearance ReaRpa 1tre as七oryName

Asseze D180rderll Remar瓦8 ot

Dyspno聾a

ロ 釦19lna Contr01 18 YA 95弗lqtLHla y

11

5 Pectorla 1nha 30

1ater 17 7

ロPheumat01d Contr臣0L12十Eh4

18 TT 1050+lI 1 ( 1

51 Pozblr耳ar- Inha11245 22

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ロ Pa包且t 14

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IClBo0bnat5lr再0o22l0Ha1 l- 17 24 5

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78 96 64 862 3703

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84 130 74 948 4966

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80 160 70 969 4220

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-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation

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持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-

ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ

らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直

接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多

くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静

脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと

があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし

えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ

徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1

~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸

素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では

意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100

酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4

~ー12平均一31の菱化であった

健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度

を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず

かに充進する(表 4No 1)

吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均

100 6 + 80 + 10

84 10 + 185 + 55

72 5 +260 -70

このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽

和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸

素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず

かしいさらに病的状態においては事情が複雑

になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧

が低下し卒倒することはよく知られた事実であ

るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか

知られている18h また慢性低酸素血症に心機能

Fig

の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも

ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を

させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か

らも理解できるしかしかようなさいに 100

酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に

することを教室の謝(13)は指摘したかように

血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観

察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋

常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し

たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧

は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に

あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある

4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど

不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不

愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ

る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ

りは平均一 15であったこれにたいして中等度

ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は

平均 +10まし弛期圧は平均一7へった

つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ

げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y

A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは

95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸

入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数

は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入

3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼

吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140

50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸

1

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

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合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

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466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

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3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

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3569 858 19 82

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由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

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2022

13158

86

S V cc 824

li V L皿ln 761

PerlphheslsじDynecm 929

VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

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025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -891-

であったたどし K W 1II+高血圧性心疾患+ 心拍数は例外なく増した試験前に中等度の低酸

心性気管枝痘撃の 1例〈表2No 10)は縮期圧倒 素血症のある 5例では増しの平均は十7ム尋常の

弛期圧 32平均圧 43mmHgでパちじるしい高値 飽和度をもっ 7例では十97でその聞にはっきり

を示した肺毛細管圧は No10を除けば尋常範 した相違をみなかった

囲内にあった 低酸素血症による心拍数の密化は呼吸数およ

C高低容量の酸素吸入に び3 分時換気量のそれとちがう反応をする呼吸

よる循環動態の斐化 刺激としては闘下にあっても動脈血の酸素分圧が

1低酸素吸入 急にへれば心拍数はますまた貧血やー酸化炭

以上観察した後天性心疾患高血圧症において 素中毒などにみるように動脈血の酸素分庄が尋常

は安静時において低酸素血症を示したものはす でも動脈血の酸素が全体としてへるときは心

くなしそれゆえ遷延性の低酸素血症がなしかど 拍数がふえるがもちろんこのとき換気は刺激

- (14)0されなし15うか低酸素吸入を慢性疾患に用いた各種疾患

例について行った低酸素吸入の成績を表3表4に 健康者に低酸素を吸引させて酸素分圧および

示す 飽和度をへらすとき心拍数はつぎのように愛化す

実験にたいする不安感をなくすために充分説明 る飽和度が 90になると心拍数の増加 C)は

をしかっ吸ス装置をつけたま Lで 10--15間室内 4飽和度が 72になると心拍数の増しは 30にな

空気を吸入させたのち活栓で切りかえで低酸素を る健康者を 3--4週間低酸素血症の状態におい

吸入させた表3の測定時点は対照吸入中止の ても(高山滞在)ほど同程度の心頻拍症がおこる

直前および室内空気吸入後 3であるたどし といわれていることにいちじるしい低酸素を急

症例 UGは室内空気吸入後 5である に吸わせて筋の窪箪や意識のj園渇する程度にずれ

Tab3 Hypoxic Test

Appearance ReaRpa 1tre as七oryName

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Dyspno聾a

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84 130 74 948 4966

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68 1200 110 自由 9 3761

-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation

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持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-

ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ

らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直

接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多

くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静

脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと

があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし

えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ

徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1

~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸

素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では

意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100

酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4

~ー12平均一31の菱化であった

健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度

を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず

かに充進する(表 4No 1)

吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均

100 6 + 80 + 10

84 10 + 185 + 55

72 5 +260 -70

このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽

和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸

素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず

かしいさらに病的状態においては事情が複雑

になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧

が低下し卒倒することはよく知られた事実であ

るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか

知られている18h また慢性低酸素血症に心機能

Fig

の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも

ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を

させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か

らも理解できるしかしかようなさいに 100

酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に

することを教室の謝(13)は指摘したかように

血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観

察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋

常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し

たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧

は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に

あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある

4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど

不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不

愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ

る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ

りは平均一 15であったこれにたいして中等度

ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は

平均 +10まし弛期圧は平均一7へった

つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ

げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y

A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは

95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸

入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数

は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入

3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼

吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140

50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸

1

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

~ tc lflin

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6霊苦 t』且Aめ 50p喜

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合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

tt怖n

oき1ωr室吋g~ 5V

flfl)十B芸 dS~707 さ MV

2医師 I言aE臼t6さ

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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

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4935 904 21 80

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4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

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由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

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VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

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小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

-892ー 千葉医学会雑誌 第 32巻

Tab 4 Hemodynamics in Low O2 Inhalation

ぴ+t同司】b

〉 〉 話EE品出料Eω 』ωE」同話ヨ主i出aιst

司 ~ I~44 〈h 冨aFSJ 言 ぴ〉凶+ωCー司

位司

No Name Diag Gas Time 国bO EhDAge

ー日yenS自3 tω泊5EE 国話 ~ι5巨 cc EE EE ロEiCC

z Before 948 874 1305 83811100 11965 67

δ10ロ3 + 3 651 11 69 1376 638 986 11968 85

1 MK 口

7 602 1369 1468 557 978 12369 94 22 15 536 1498 1665 465 958 11757 90

まHCD 3 after 750 1133 1122 1315 13478 6615 Inh

五』ロょ pロHsコ d 32912365Before 935 310 2822110175 944 1310 6

昌『記品ω司Clsquoハ王SERm O渓2出+司-

35 324 31 511892 261019562 103 65

2 K C 9 785 328 474 11571 20191 8347 693 6535

55 after 281 36112216 24291 9562 779 659 Inh

Ms 民d十C電

Before 4919|175(335 603840 5651 6l3 1196 ~4~~ I~~~~~~ 923

3 O K

75 604 1 7311 756 892 1406110262 967 167 31

FさC4Dと 15 after 7 Inh

5851 624 1092 17041 9458 937 1901

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Before1885 5631 731 1057

3 yen71 5 589yen 746 1060 1~~81 ~~~~i z 4 1670 6431 721 963 132896601

7 1600 88111014 740 1367110856

TJ 口 + ~~ I-~~ ~ ~~

4 T 51 o 9 1580 6731 872 913

世て品が6Eロヨ F三U0三43

1040グ 580 979 1168 589 11611 98471 839

2 after 6191 837 1054 12701102621 740124 5LiLh1880 5 after

91 5 637 877 1132 1394 11468 727124 5 Inh 10 after

900 870 1158 1406 12074 764124 5 Inh 660

z Before 91 5 913 1171 4228 26 5585 94 9

口 冨 + 5 829 345 5 T T + 唱

10 874 205627 ω

冨 求V4 6 after

91 51 262

6 Inh

z Before 946 299 374 80 9552 553 416 874

口 + 2 931 6 r s A i ) 1 5 954 10050 657 11 83

43 さFrarr l after 9545 ー事 1 65iumli~h

tωEぷ

z Before 932 489 531 1788 2806 13882 921 41

+ 5 74 9 875 1084 2427 14066 857 7 明

弘Eロ

V361100附hellip115870 肝 5

まtσo3 ~ ~~r 11371 4951 6241167412641113674) 974 5

持 O 2 Saturation was measured by Oxymeter

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-

ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ

らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直

接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多

くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静

脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと

があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし

えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ

徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1

~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸

素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では

意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100

酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4

~ー12平均一31の菱化であった

健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度

を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず

かに充進する(表 4No 1)

吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均

100 6 + 80 + 10

84 10 + 185 + 55

72 5 +260 -70

このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽

和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸

素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず

かしいさらに病的状態においては事情が複雑

になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧

が低下し卒倒することはよく知られた事実であ

るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか

知られている18h また慢性低酸素血症に心機能

Fig

の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも

ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を

させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か

らも理解できるしかしかようなさいに 100

酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に

することを教室の謝(13)は指摘したかように

血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観

察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋

常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し

たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧

は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に

あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある

4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど

不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不

愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ

る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ

りは平均一 15であったこれにたいして中等度

ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は

平均 +10まし弛期圧は平均一7へった

つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ

げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y

A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは

95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸

入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数

は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入

3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼

吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140

50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸

1

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

~ tc lflin

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6霊苦 t』且Aめ 50p喜

L4ミ

合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

tt怖n

oき1ωr室吋g~ 5V

flfl)十B芸 dS~707 さ MV

2医師 I言aE臼t6さ

とlミ雲仙ミ|伊ぷ ~isootltm 弘A

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ωωMωωon

S

A

が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

Name

NK

IT

KM

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Sex Dlagno畠18 A色e

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7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

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らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

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小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -893-

ばいちじるしい心頻拍症がおこるたどしこれ

らの頻拍はかならずしも低酸素症そのものに直

接関係をもっとはしえない苦痛をはじめとする多

くの神経反応低血圧病態ではそのほかに静

脈うつ血熱薬物などの反応と区別しにくいこと

があるそれゆえ頻拍も低酸素血症の兆候とはし

えなし遷延性の低酸素血症においてはむしろ

徐拍をみることすらあるしかし低酸素吸引後 1

~2 以内に分時 10 以上の頻拍があればまず低酸

素血症によるとは考えられるこれ以下の愛化では

意味をつけにくし教室の謝(13)は尋常者に 100

酸素を吸入させて徐拍をみたすなわち分時 +4

~ー12平均一31の菱化であった

健康者に低酸素を吸わせて動脈血の酸素飽和度

を軽度にさげると縮期弛期庄はいずれもわず

かに充進する(表 4No 1)

吸引酸素検者数縮期圧充弛期庄充 進の平均進の平均

100 6 + 80 + 10

84 10 + 185 + 55

72 5 +260 -70

このさいオキシメーターで測った動脈血酸素飽

和度は 70~80 の間にあったそれゆえに低酸

素血症の存在は血圧の愛化から知ることはむず

かしいさらに病的状態においては事情が複雑

になる健康者でも急性無酸素症のもとに血圧

が低下し卒倒することはよく知られた事実であ

るこれをおこしやすくする病的状態もいくつか

知られている18h また慢性低酸素血症に心機能

Fig

の抑制がおこり同時に低血圧症のおこることも

ある(5)これは慢性低酸素血症の患者に酸素吸入を

させるとしばしば血圧の充進する臨床的経験か

らも理解できるしかしかようなさいに 100

酸素を吸入させればまた血圧反応は事情を異に

することを教室の謝(13)は指摘したかように

血圧と低酸素症の関係は複雑であるわたくしの観

察例く表 3)では吸入前の動脈血酸素飽和度が尋

常で吸入 1013の時点において縮期庄の上昇し

たもの 1例下降したものは 4例であった弛期圧

は5例ともさがったこの結果脈圧は増す傾向に

あった中等度ないし軽度の低酸素血症がある

4例では縮期庄のあがったもの 2例ほとんど

不安のもの 2例弛期圧は 3例がさがり 1例は不

愛であった試験前の動脈血酸素飽和度が尋常であ

る例では縮期庄のへりの平均はー 12弛期庄のへ

りは平均一 15であったこれにたいして中等度

ないし軽度の低酸素血症がある例では縮期圧は

平均 +10まし弛期圧は平均一7へった

つぎにいわゆる低酸素テストの典型的な例をあ

げる図 1は狭心症の患者について(表 3症例 Y

A)行った低酸素吸入時の Ecgである吸入ガスは

95酸素+窒素で吸入時間は 11聞である吸

入前の心拍数は 88血圧は 142~92 mmHg呼吸数

は 18動脈血酸素飽和度は 952であった吸入

3後には心拍数は 99血圧は 136~78 mmHg呼

吸数は 2207後には心拍数は 102血圧は 140

50mmHg呼吸数は 32となった 10301で呼吸

1

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

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6霊苦 t』且Aめ 50p喜

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合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

tt怖n

oき1ωr室吋g~ 5V

flfl)十B芸 dS~707 さ MV

2医師 I言aE臼t6さ

とlミ雲仙ミ|伊ぷ ~isootltm 弘A

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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

Name

NK

IT

KM

WY

Sex Dlagno畠18 A色e

同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口

Z3糾8-+咽ぜ1十吋sz2a320

向ゐ圃 向4c3sbull

口 Asthma carola1e

53

Ms

16 141

ロ Ml

Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も

Morphln1740 1409 08ccln

10 1168

20 1176

30 1176

MOlphlne 009 1706 10cclnj

10 1853

20 1911

30 1874

904 1660 c1nJ

10 1722

20 1212

30 1731

norphine 1670 10cclnJ

10 1889

Art Art

vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色

4378 809 28 92

4066 671 27

ベ3867 675 28 90

466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

3887 951 22 87

3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

45 20

30

167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1

由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持

Tlme Before

bull0

pulsquo Wq4』O

c羽u0為 FUh 44

呈ah吋司a露sニヲ『

10

887

793

913

2097

126己6

895

20

981

852

844

2006

12854

869

30

960

828

906

2022

13158

86

S V cc 824

li V L皿ln 761

PerlphheslsじDynecm 929

VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ

吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-

a|U8| |λName プま|プま いま|内渓

口必

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No ~ 1吉 |右右|立ち 1~ち|むち II~ 古3 さ I~ 渓|戸5

口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI

025 g inj

W Y Neophylline

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民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶

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Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994

2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452

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1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2

025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

メ~-894- 千 葉 学 z医 来住 詮附 第 32巻

困難胸部をしめつけられるような感 Fig 2

じおよび胸骨の背後に自発痛を訴 Hemodynamics dt Jnhdlalion 01 10~見 O之+ N2 TιTロ 5lyrs

えた吸入 11で室内空気に切りかえ Rheumatoid Arlhrilis

たこのときの動脈血酸素飽和度は SV

774であった室内空気吸入 3Vこ OzSaT

は心拍数は 82血圧は 138~90mm MV

Hg 呼吸数は 17動脈血酸素飽和度

は 976になった自覚症状は Jf酸

素吸入を中止してから 3後になくな

った Ecgでは 7で頻拍 10で Tm Ps

は平坦化L室内空気を吸入してから

3では徐拍および STmがさがり

Tmが陰性になったbelore 15 20 Z3

慢性低酸素血症にたいする他の代償

因子は心拍数分時送血量心力の増すことであ

るこれらの因子がはたらくにもか Lわらず赤血

球増加症がおこらないと心はふえた仕事に足るだ

けの充分な酸素を供給されぬ状態もおこりうる

そのため しばしば うつ血性心不全や心冠不全を

生じる心不全は慢性肺疾患にも現われるこのよ

うなときに酸素療法はジギタリスや潟血より

もすぐれたはたらきをもっ慢性肺気腫および

うつ血性心不全をもっ患者に間歓的酸素療法をす

るだけで心不全を防いだ経験もあるこのメカニ

ズムは 1酸素療法が心にたいする低酸素刺激を除

き肺循環系の血管を拡張させ右室の負荷をへら

すこと 2細胞障害の進みかたを停止させること

などによると思われる原則として動脈血酸素飽

和度がさがると分時送血量拍出量がまし全末

梢抵抗はへり容積弾性率は大して菱化なく綜合

した体血圧はあがり (M型)またはさがる(全

末梢抵抗のへり末柏脈管の拡張)0 Cournandは

飽和度がさがると代償として肺血流がまし全末

梢抵抗がへることより分時送血量のふえのため

Tlme in minutes

分時送血量は 1040で 979Lmin拍出量は 1165

ccに増し全末柏抵抗および容積弾性率は著明

にさがった体血圧は縮期圧が上昇弛期圧が下降

する傾向を示した心拍数は増すが室内空気に切

りかえるとへる

図 3は僧帽弁口狭窄の患者(表4No 3)に右心

カテーテノレを行いながら 10酸素+窒素を吸入

させたときの循環動態を示す吸入時聞は7動脈

血酸素飽和度は 840から 604vこへった分時

送血量は 565Lminから 731Lmin に増し吸入

中止後 15で 585Lminと だしたし試験前値に

Fig 3

OK3lyrs-0 Mirrd Stenosis

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合主d刊号印字宣武田町

士~日lt t百~

昌晴~ 1てolsquo Eξ肺動脈圧があがるといったがはっきりしないとこ s ~ヨト

ろもある(教室井原論文参照〉 肺動脈圧があがるscf

10ω 100

lt cgtと肺毛細管圧もあがるしかし低酸素血症で心力宍3

80~ で肺毛細管圧があがりうbackwardが低下すると ν3

c)るしかしこの「あがり」は低酸素血症rarr組織 60

N

の酸素分庄の減少rarr末梢脈管拡張で桔抗される以 mm均 1001110

下 1ff酸素吸入時の循環動態について説明する 認|包

忍州infin5 図 2はロイマチス性関節炎の患者(表 4No 4) 3可 I~

005

70釧仰ξ 8ωo仰17例川附初

田に 105酸素+窒素を吸入させ Wezler法 お 内 50

よびオキシメターで循環動態を追求じたものでbe(o陀 7 75

ある動脈血酸素飽和度は最低 580になった百metn M川U陪S

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

tt怖n

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2医師 I言aE臼t6さ

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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

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ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

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10 1889

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ベ3867 675 28 90

466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

3887 951 22 87

3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

45 20

30

167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1

由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

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VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

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小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

~

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -895ー

もどった拍出量は 613から 756ccに増し中止

後 15で 624ccになり分時送血量と同様の傾向

を示した全末梢抵抗は 1196から 892dynejcm5

にさがった容積弾性率も吸ス 7でさがり中止後

15では吸入前値より高い値を示した血圧は縮

期弛期庄はともにさがったが脈庄は不安心拍

数は軽度に増した肺毛細管庄は不安で中止後

軽度にあがった全換気量および 1回換気量は

ともに吸入 7で著明に増した

表 4NO7は急速にはげし〈低酸素血症をおこ

させたときの循環動態である(図 4)吸入ガスは

tt怖n

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主宰コ

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S

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が酸素分圧のへりは化学受容体反射を介して

むしろ脈管を収縮させるそれゆえこの末梢抵

抗のへりは茨酸ガス分圧のましがしかに脈管

拡張にたいして有力であるかを示す低酸素吸入に

たいする肺毛細管圧には以上のようにいろいろ

の因子の綜合からなるゆえ一般には不愛である

といわれてしるゆしかしなぜ不安であるかを分

析することにより心肺動態 とくに病的機能学

を明らかにすることができる表 4NO5では低

酸素吸入によって動脈血酸素飽和度は 829であ

るのに肺毛細管圧は 26rarr345mmHgとしちじ

るしく上昇した表4NO6はうつ血性心不全の

末期の状態にあった患者であるが低酸素吸入によ

りlarr動脈血酸素飽和度はきわめてわずかさがっ

ただけである Cournandのしう代償性肺動脈充進

のないことは当然であるこの例の換気量はふえて

いるこれは主として神経性反応によると思われ

る飽和度のへらないのは患者の吸引の非協力に

よるところが多いと考える呼吸は一面白律性であ

るが他面随意性であるそれゆえ患者の協力

なしではとうてい研究はできないはげしい呼吸

困難中には観察できないないししても無駄なこ

とがわかる動物実験で補足しなければならない理

由の一つはこんなところにもある

表 4No5は僧帽弁口狭窄ならびに閉鎖不

全十うつ血性心不全をもっ 27才の男性動脈血酸

素飽和度は 915から 829にさがっただけで」虻 肺毛細管庄はおから 345mmHgに允進したこω33K

れは前述した Cournandのしづ代償性の尤進でPd

0 2 4 6 はなくて心力の低下によるー肺うつ血のためであろ

Time in MlntJfes うと考える

小括 Douglasパッグによらず Knippingのスパイロメ

ターに 96酸素+窒素をつめ苛性カリで呼気

中の茨酸ガスを吸収させ呼気によって酸素を稀釈

する方法によった吸入時聞は 6動脈血酸素飽和

度は 361にまでさがった分時送血量および

拍出量は吸入前値の 2倍以上になったこのような

激しい低酸素血症にもか L わらず肺毛細管圧は

41rarr40mmHgとほとんど不安であり吸入中止

後にかえってわずかではあるがあがっている

脈管の口径は低酸素血症にたいして多くの因

子で応じるがこのさいまず考えられることは

末柏脈管抵抗のいちじるしい減少であるこの減少

は大循環の血圧を充進させないほど有力である

低酸素血そのものは脈管を拡張させる傾向をもっ

以上のように心脈管疾患を中心として低酸素

吸入による循環動態をしらべたが観察条件によっ

て見かけの成績はしろいろであったしかし個

々の例を詳しく分析すると心肺動態の病理を明ら

かにすることができる心疾患における低容量酸素

吸入による全換気 1 回換気量の~化を健常人お

よび気管枝日出息について比較すると(表 5)全換

気量は健常人では 12-14Ljminjm2の値を示し

気管枝哨息例では 22Ljminjm2 と激増したがこ

れにくらべて心疾患では 72-75Ljminjm2で

増加の程度は軽度であった酸素不足量は心疾患の

うち重症例では とくに正の不足を示すものが多

い慢性心不全時のように患者が長く低酸素状態

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

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10 1168

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10 1889

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466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

3887 951 22 87

3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

45 20

30

167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1

由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

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PerlphheslsじDynecm 929

VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

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025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

-896- 千葉医学会雑誌 第 32巻

Fig 5Tab 5

NameSexAge Diagnosis Tidal

Volume Lminm2

1yen1inute Volume

cc

OK

1S

A 1yen1

TT

031

ロ43

059

口27

1yen1S

A 1yen1+ 1 S

A I

1yen1S+1yen11

396 109

536 725

448 750

541 1120

308 613

422 606

292 383

513 772

Asth 570口45 Bronch 220

402NT normal 805

354TT nonnal 844

にさらされていると低酸素血にたいする化学受容

体の興奮性が低下するとすればかような成積も理

解できないことはなしたどしこの仮定について

はもちろん験証がしる(実臨編参照〉

2 高容量酸素吸入

尋常人は 100酸素を吸入しでも 室内空気を

吸入する時と同様の全体酸素量を消費するしか

しうつ血性心不全や慢性肺気腫のように血液

または組織の酸素分圧がきわめて低くなるとす

べての組織に供給するのに酸素分圧が充分でなく

なる慢性低酸素血症にたしする代償因子として

心拍数分時送血量心力の増しがあるこれらの

因子がはたらいても赤血球増加症がおこらない

と心はふえた仕事に足るだけの充分な酸素を供

給されぬ状態もおこりうるこのようなときにおこ

みうつ血性心不全や心冠不全にたいして 100

酸素が効果をあげることは前に述べた次に各例に

ついて説明する

図5は肺のう腫(のちに外科手術でも確かめた〉

患者に 100酸素を 15間吸入させたときの循環動

態である動脈血酸素飽和度は 854で中等度の

低酸素血症があったが吸入により 977に増し

た肺動脈圧は 21から 14mmHgにさがった

100酸素吸入による肺動脈庄の愛化を図 6~こ示

す心疾患9例中 7例はさがったが大動脈弁口

閉鎖不全によるうつ血性心不全の 2例は逆にあがっ

た一般に 100酸素吸入は肺血管を拡張させ

場合によっては収縮緊張を増すこともありうる

がかような重症の心疾患で慢性低酸素血症のあ

ート | 』ト

し 51T0Ime tn Aイtn1ldquo5fes

Fig 6

るときに 100酸素を吸入させるには注意が太切

である Comroe(2)は9人の慢性低酸素血症患者

に 100酸素を吸入させて数時間後にこれらの

患者が失神したことを報告したわたくしが15)同

様な菱化を動物実験で確かめたまた教室の謝は

(13)心疾患々者に 100酸素を吸入させ呼殴抑制

の度が健常人のそれよりも強いことをみた斎藤教

授指導のもとに黒固く1OL 小坂仰は慢性低酸素血症

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

Name

NK

IT

KM

WY

Sex Dlagno畠18 A色e

同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口

Z3糾8-+咽ぜ1十吋sz2a320

向ゐ圃 向4c3sbull

口 Asthma carola1e

53

Ms

16 141

ロ Ml

Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も

Morphln1740 1409 08ccln

10 1168

20 1176

30 1176

MOlphlne 009 1706 10cclnj

10 1853

20 1911

30 1874

904 1660 c1nJ

10 1722

20 1212

30 1731

norphine 1670 10cclnJ

10 1889

Art Art

vCcEl泣弗 βactBr Resp Hellt Ra七母 R色色

4378 809 28 92

4066 671 27

ベ3867 675 28 90

466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

3887 951 22 87

3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

45 20

30

167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1

由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

t もたらすことを警告した後者

においては ときに気相面か

H B 口叫 bull Asthma cardiale 2612 持

Tlme Before

bull0

pulsquo Wq4』O

c羽u0為 FUh 44

呈ah吋司a露sニヲ『

10

887

793

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895

20

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852

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2006

12854

869

30

960

828

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2022

13158

86

S V cc 824

li V L皿ln 761

PerlphheslsじDynecm 929

VolUllle llast 町田cmS 1955

Blood ~reBBure m皿Hg 12456

Heart ftate 臼24

らも良効がみとめられるしかしそれはモル 後 10で動脈血酸素飽和度は 3例が増L 1例がへ

フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ

吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-

a|U8| |λName プま|プま いま|内渓

口必

口必

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025 g inj

W Y Neophylline

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025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817

1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2

025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 larr 897ー

において炭酸ガス張力の上昇が長期 Tab士6

にわたって存在すると茨酸ガスによ

り有力に支配される呼吸中枢よりも

呼吸調節の主導性は低酸素により有力

に支配される末梢化学受容体へ移る可

能性を示したこのようなときに

100酸素を吸引させれば末梢化学

受容体の呼吸調節にたしする主導性は

うばわれ換気の抑制がおこりうると

思われるしかし以上のことは慢

性低酸素症患者に 100酸素を吸入さ

せることが不利であるとのい Lではな

いこの呼吸機能学的に興味のある現

象も一過性であるこの一過性の換気

抑制にもか Lわらず臨床的に必要の

ある時はそのま L酸素を吸入させる

と低酸素症はとれ呼吸機能は回復す

D心脈管疾患ことに心

性呼吸困難をもっ患者に

たいするモルフィシア

ミノプイ Pユの影響

1 ーモノレフィユノ

モノレブイシは心疾患の治療におい

て第二のジギタリスといわれる日

常の臨床でモルブイ Yが心性呼吸困難Morphlne l~ Morphlne hyarochlorldB

を抑制したり心哨息の発作を頓挫さ

Name

NK

IT

KM

WY

Sex Dlagno畠18 A色e

同4e司ME 刊u=3-0ho a崎2-口

Z3糾8-+咽ぜ1十吋sz2a320

向ゐ圃 向4c3sbull

口 Asthma carola1e

53

Ms

16 141

ロ Ml

Oz Ar七 Remarke ca0p1bull VODAl典vol~も

Morphln1740 1409 08ccln

10 1168

20 1176

30 1176

MOlphlne 009 1706 10cclnj

10 1853

20 1911

30 1874

904 1660 c1nJ

10 1722

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30 1731

norphine 1670 10cclnJ

10 1889

Art Art

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4378 809 28 92

4066 671 27

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466S 675 28 93

3509 849 21 86

37胆ワ6 922 21 85

3887 951 22 87

3274 932 20 8マ

4732 871 22 85

4935 904 21 80

5030 640 22 76

4936 909 22 81

3569 858 19 82

ト一一一一ートー一一ー 4242 974 20 80

45 20

30

167マU74同同-6bU6 220C 8814 i1

由一一lー一b一一一7一7一品1ー4ー1一一7一7ー

7 Tabせうることがょく知られてい

るしかし教室の千葉くりは

モノレブイシが気管枝哨息のみな

らず JLiyen鳴息ないし心性呼

吸困難患者においても換気そ

のものにたいしてはむしろ

抑制的にはたらくことを述べ

たことに前者ではそれがしち

じるしく ときに重大な結果を

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フィシによって呼吸中枢が安静化し神経的反応が った注射後 30でもこの傾向は安らなかった飽

除かれるためであるといったわたくしは心疾患に 和度が減った 1例は先天性心室中隔欠損+動脈管開

ついて循環動態血液ガスの面からモルフインの 存+再帰性心内膜炎の患者であった表 7は右季肋

効果をしらベた心疾患 4例に塩酸匂モルフイシ丈 1 都区痛を訴えた心鳴息の患者に 1塩酸モルフイ

) 08~10 ceを皮下注射後大腿動脈穿刺にょっ y 10ccを皮下註射した場合の循環動態である心

て採血しガス分析をした成績を表 6に示す注射 拍数は減ったが体血圧はほとんど不愛分時送

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ

吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-

a|U8| |λName プま|プま いま|内渓

口必

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994 833after 40

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4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|

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025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817

1 S 374 195 127331 1531 80 59Neophylline2

025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

宅密

-898ー 千葉 医 学 会 雑 誌 第 32巻

血量拍出量は注射後 20で最高値となり 30後に

おいても注射前の値より高L末梢抵抗はへり

容積弾性率には有意の~化がない注射後 10 で患

者は「楽になったjといったかような循環動態の

改善はアミノフィりンでも見られる

2 アミノプイリン

心疾患々者 2例に右心カテーテルを行いながら

アミノフィリン(ネオフィリシldquoエーザイ)025 g

を静注しその後 30ないし 40において調べた

血液ガスおよび循環動態を表 8 fこ示す No1

は45才の男性 1曽帽弁口閉鎖不全ネオフィリソ

025g静注後 40で動脈血酸素含量および混合

静脈血酸素含量はしずれも増した動脈血ならび

に混合静脈血茨酸ガス含量はしずれもへった

動静脈血酸素差は被少し動脈血酸素飽和度分

時送血量拍出量はしずれも増した肺動脈圧全

Tab

末棺抵抗ならびに容積弾性率は低下したその

かね合しから血圧は充進しない

NO2は43才男性大動脈弁口閉鎖不全 No

1とは反対に動脈血酸素含量も茨酸ガス含量に

も効果はないしかし混合静脈血酸素含量はしち

じるしく増しこの結果動静脈血酸素差は 914

rarr610 Vol にへった分時送血量および拍出

量はそれぞれ 299rarr452 Ljmin374rarr551 cc

に増したそれゆえ末柏循環はやはり改善さ

れたと考える肺動脈圧も No1と同様にさがった

No 1No 2における採血時間では動脈血酸

素および茨酸ガス含量の~化はそれほどいち

じるしくなかったが混合静脈血酸素含量はしずれ

も増したことに代償不全のある NO2では 47

増した循環動態の菱化からみてもネオフイリ

ンの静脈注射が心疾患に効果があると考える

8

ロδCase l 己 l ー Ir-間山1 バ

吋 1Iベ汽 10 10 1- ιlil-

a|U8| |λName プま|プま いま|内渓

口必

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口 1gt 吋 gt1司 gt1gtgt1gtgt 吋雨〉 0官 16l語JI

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W Y Neophylline

Age

民1M i叶 O1r11ll1M即6hellipお矧山山川引山山6 4叫41770I946 r 618口f1初側刊円叩幻7 132lυ凶

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Neophylline 1 S 昼l阿Ai丙i玩副示訂115151川川2却975配配16側O旧11は川4ω07凶引21914引 11日6infin叫19似則灯7 2994

2 025 g inj after 30 I ω7131521 887135591 610 936 452

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4g 自 lo包おもちSEυI-IHOυ 国的 pS 弘己|ト民同宵gt同凸|

W Y 754 r 454 I2150 I136 r 82 195 1 1141 2105rNeophyllineI

025 g inj after 40 779 613 12640 m i24 809 1817

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025 g inj 551 295 12760 82 553after 30

小括 抑えるために呼吸循環の改善をきたすのであろ

モルフイシは心性呼吸困難にたいして有効で うかような意味で Scherf(19)は古くから f臨

ありそれが改善する気相血液相または血行 床にのみ適用される薬理Jにもとづくといった

動態についてはp アミノフィリンのそれに似てい IV 総括ならかに者按

るしかし二つの薬物の薬理は全くちがってい 一般に心不全を伴わなし心疾患では動脈血酸

るモルブイシは心呼吸にたいして抑制こそ 素飽和度は尋常かまたはそれよりや L低値を示

すれ促進的にはたらく証明はなしそれにもか L すわたくしのしらベた 16例中 9ilf9は尋常値を

わらず自覚的ならびに詳しくしらベた他覚的 7例が中等度ないし軽度の低酸素血症を示した

にも同様の効果をもっ理由は主として苦痛を Comroeltのは低酸素症ないし低酸素血症にたい

中心とする呼吸中枢の過興奮をとり神経性反応を しては個人差がありつねに同じ症状を現わすとは

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究 -899ー

かぎらずまた動脈血酸素飽和度の存在と呼吸困 下し拍出量肺動脈圧は増すが肺毛細管庄は不

難チアノゼ頻拍の程度はかならずしも- ~たどし心疾患にみられるこれらの菱化は健

致しないといった拍出量の増しは心疾患高血圧

症にかんするかぎり酸素飽和度のへりと相関がな

かった急性低酸素症とおもむきを具にする心弁

膜症の拍出量については僧帽弁口狭宰および

閉鎖不全では尋常値より低しかまたは尋常値を

示すとしばしばいわれているしかしわたく

しのとりあつかった範囲では代償性のしかんな

いし酸素飽和度の高下と有意の関係を示さず尋

常値よりむしろ高い値を示すものがすくなくな

かったすでに教室のジギタリス委員会における

報告(16)(17)でくりかえしこの点が強調されてい

る大動脈弁閉鎖不全症すなわち表 1bNo 9

では Fick-Cournand法による分時送血量は 343

Lminであるが Wezler法による値は 1246L

minであったこれは大動脈弁閉鎖不全のため

左室の送血量が増しているためと考えかような場

合には Wezler法を用いるべきでないことを教

室の稲垣(りは述べている

肺動脈圧といわゆる肺毛細管庄は心疾患高

血圧症とも尋常値にくらべて一般に高い値を示

し肺動脈ー肺毛細管圧には正の相関があることを

みた Josephらのいうようにある心疾患では

肺動脈圧と肺毛細管圧勾配が非常にいちじるしいこ

とをみたこのことから肺血管収縮の機転も考入

する要があるときにこの肺細小動脈抵抗のたか

まりがむしろ肺水腫の発生をある程度抑制して

しおとも考えられる場合もある(20)

一般に低酸素吸入によってはげしい呼吸刺激

がおこると考えられているがこれは極端に低い

(0---5)酸素吸入による動物実験成績にもとづく

誤解で注意を要するoC Heymans黒田小坂

の実験のように極端に低し酸素吸ス実験では動

物においてもヒトにおいてもそのような激しい

過呼吸をおこすことは確かであるしかし Com-

roeDrippslt叫む中等度の低酸素吸スにたいして

はそのような激しい過呼吸はむしろ例外であ

るといった Josephゅは健常人および心肺疾患

々者に低酸素を吸入させて肺循環の反応をしらベ

たそれによると両者とも動脈血酸素飽和度はイま

常人に比較して軽度であるといった表4に示すよ

うに左肺動脈結柴代償不全のない僧帽弁口狭

窄および肺のう腫の各例で 96~105 酸素を

6--15吸入したところ肺毛細管圧はほとんど

不安であった肺のう腫の例は再呼吸法によって

動脈血酸素飽和度が 361にまでいちじるしくさ

がったが肺毛細管圧は 41rarr40mmHgでほと

んど~らなかったとこれは肺細小動脈の収縮に

よって肺動脈圧が上昇し肺細小静脈はむしろ

拡張してその圧はさがるしたがって肺毛細管圧

もさがると考える表4No6は死亡 2週間前に右

心カテーテノしを行った例であるこの例は斎藤教

授のいわれる肺浮腫(間質性肺水腫〉の状態にあっ

たものである分時送血量はへり肺動脈圧は 95

52mmHg肺毛細管圧は 553mmHgといちじる

しく高し 11酸素吸入によっても動脈血酸素飽

和度はきわめてわずかしかさがっていなしこれは

前に述べたように患者の非協力によるものと思わ

れこのことからみても動物実験の要があると考

える

慢性低酸素血症にたしする代償因子として赤血球

増加拍出量ならびに心拍数の増しが考えられ

るが他の因子がはたらいても赤血球増加がない

と心は増加した仕事にたしするだけの充分な酸素

を供給されず うつ血性心不全または心冠不全

をおこしうるこのようなときの酸素吸入の利益は

Digitalis にまさるとまで McMichaelHowarth

〈のはいっている図 56に示すようにわたくしは

心疾患々者 9例中 7例が 100酸素吸入によって

肺動脈圧がさがり循環動態が改善されるのをみ

たしかし低酸素血症のあるヒトに 100酸素を

吸スさせた場合呼吸の抑制昏臨がおこることが

ある慢性低酸素血症では末梢化学受容体にたい

する強い刺激が呼吸中枢をも刺激しているこの

ようなときに高容量酸素によって化学受容体が機

能的に除去されそのはたらきが低下するからであ

る 100酸素吸スは根本療法ではな Uが Hal-

daneのいうldquoWreckingof Machineryを防ぐ

ことができると考える

v むすび

以上述べたことから次のような結論をえた

1 代償不全のある心疾患9例中 5OIJに軽度ないし中等度の低酸素血症をみた代償不

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

-900一 千葉医学会雑誌 第32巻

全群の動脈血酸素飽和度は もちろん代償不全のない群のそれよりも低い値を示すが動脈

血酸素飽和度は同一疾患においでさえ臨床症状の軽重とは密接な関係を示さなかった動

脈血酸素飽和度の決定は低酸素血症または無酸素血症のある種の型を診断するたすけと

はならなし0高血圧症の動脈血酸素飽和度は心性気管枝痘撃をもっ高血圧性心疾患 (KW

JI)の 1例を除いて尋常範囲内にあった

2 10μ 酸素吸入においては動物実験について斎藤教授指導のもとに行った黒田小坂

のはげしい急性低酸素実験でみられたのと同様に臨床でも速時反応と遅延反応の二つの反

応形式をみたしかし個々の反応は非常にまちまちでありはっきりしないからょくしら

べないと二つの反応形式をみわけることは困難であるO 急性および激しい低酸素吸入実験

の臨床症状のなかには斎藤教授がすでに航空医学において強調されているように神経一細

胞の障害によるものがより著明であるO 中等度の低酸素血症にたいする呼吸反応は健常人に

10μ 酸素を吸入させるまでは肺換気には有意義な増加はすくなし1わたくしが観察したうつ

血性高血圧性あるいは心冠不全をもっ心疾患々者に 10酸素吸入をするとより多くの意義

があった

3 10酸素吸入時に循環動態が酸素欠乏によって障害され 100酸素吸入によって改善

されるのを分析した健常人でも患者でも低酸素血症にたいする心脈管ならびに呼吸反

応にははなはだしい個体差があるが 100μ 酸素吸入にたいしては 一般にもう少し統ー

のある反応がみられることは重要であるO

4 心性呼吸困難に用いられるモルフィンの作用機転はまったぐ臨床薬理学的である

稿を終るにあたり終始御懇篤な御指導と厳正な御校闘を賜わった恩師斎藤十六教授に心か

ら感謝致しますまた渡辺昌平博士をはじめ御援助下さった協研者諸兄に謝意を表します

本論文の要旨は第四回白木循環器学会総会(昭 303) 第12回呼吸と循環談話会〈昭 30

10)第32回千葉医学会総会(昭 3011)に発表した なお本論文の一部は昭和30年度文部

省科学研究費昭和2930年度文部省科学研究助成金および昭和30年度厚生省科学試験研

究費によったことを附記する

1千葉悦郷千葉医会誌 324624 caB31)

2 ComroeJ HJr amp DrippsR D The

Physiological basis for oxygen therapy

Charles C Thomas 1953

3 DrippsR DComroeJ H Jr Am

J Physiol 149277-2911497

4井原博千葉医会誌 324568 ca召31)

5原亨日内誌 412961952

6 HowarthSMc MichaelJ amp Sharpey

SchaferE P Clin Sc61871947

7稲垣義明 目内誌 4310810 (昭30)

8 JosephWet al Circulation5263

1952

9小坂饗 日大医誌 119701 (a百27)

10黒田久信 日大医誌 114246 (a百27)

11中村和之 日内誌 459131 (昭31)

12 Nomenc1atureand criteria for diagnosis

of diseases of the heart by the Criteria

Committee of the N Y Heart Association

4 ed N Y 1946

13森 澄失謝照光その他 日循誌 204267

(昭31)

14~斎藤十六翠日本臨床 10453 ca百27) 15斎藤十六黒白久信他-日循誌 193138

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総

第 6号 低酸素症の臨床的ならびに実験的研究

〈昭30) 会昭19(金沢)昭20(甲府)

16斎藤十六渡辺常美 昭和 28年ジギタリス試験 19 ScherfBoydL J Klinik u Therapie

研究協議会(昭29ーの dHerzkrankheiten u d Gefaess-erkran

17斎藤十六山口昇一 昭和 29年ジギタリス試験 kungen Wien Springer-Verlag (1951)

研究協議会(昭30~3) 20渡辺昌平 日循誌 1911480 (昭31)

18桜沢富士雄斎藤十六 大日本航空技術協会総