システムの起動と基本システム 設定 - Cisco...4-3 Cisco 12010/12410/12810 ルータ...

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CHAPTER 4-1 Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド OL-11496-01-J 4 システムの起動と基本システム 設定 Cisco 12010/12410/12810 ルータのシステムの起動プロセスおよび基本設定の実 行手順を次に説明します。 Cisco IOS ソフトウェアの保管場所(p.4-2設定前の要件(p.4-3起動プロセスの概要(p.4-4ルータの電源投入および起動プロセスの確認(p.4-5手動によるシステムの起動(p.4-13ルータの設定(p.4-16Cisco IOS のユーザ インターフェイス(p.4-17ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定(p.4-34パスワードを忘れた場合(p.4-44RP フラッシュ メモリ カードの使用方法(p.4-48設置後の手順(p.4-68この章では、システムを設定して、ネットワークにアクセスしたり、ネットワー ク内のほかのホストからシステムに Telnet 接続を利用してリモート アクセスし たりすることができるようにする方法について説明します。詳細設定手順はこの マニュアルの範囲外です。詳細については 「設置後の手順」(p.4-68を参照して ください。

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  • C H A P T E R

    4-1Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    4システムの起動と基本システム設定

    Cisco 12010/12410/12810 ルータのシステムの起動プロセスおよび基本設定の実行手順を次に説明します。

    • Cisco IOS ソフトウェアの保管場所(p.4-2)• 設定前の要件(p.4-3)• 起動プロセスの概要(p.4-4)• ルータの電源投入および起動プロセスの確認(p.4-5)• 手動によるシステムの起動(p.4-13)• ルータの設定(p.4-16)• Cisco IOS のユーザ インターフェイス(p.4-17)• ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定(p.4-34)• パスワードを忘れた場合(p.4-44)• RP フラッシュ メモリ カードの使用方法(p.4-48)• 設置後の手順(p.4-68)

    この章では、システムを設定して、ネットワークにアクセスしたり、ネットワー

    ク内のほかのホストからシステムに Telnet 接続を利用してリモート アクセスしたりすることができるようにする方法について説明します。詳細設定手順はこの

    マニュアルの範囲外です。詳細については「設置後の手順」(p.4-68)を参照してください。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS ソフトウェアの保管場所

    4-2Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    Cisco IOS ソフトウェアの保管場所システムに対応するデフォルトの Cisco IOS ソフトウェア イメージは、次の内部または外部保管場所のどこからでも利用できます。

    • Route Processor(RP; ルート プロセッサ)のオンボード フラッシュ メモリ―最新の Cisco IOS ソフトウェア イメージがフラッシュ メモリにロードされています。このメモリは SIMM です。フラッシュ メモリは NVRAM(不揮発性 RAM)ともいいます。NVRAM の内容は、システムの電源をオフにしても残ります。

    • フラッシュ メモリ カード― RP の PCMCIA スロットにフラッシュ メモリカード(別名フラッシュ ディスク)を搭載すると、デフォルトの Cisco IOSソフトウェア イメージを保管する外部ストレージ メディアの役割を果たします。

    • Trivial File Transfer Protocol(TFTP; 簡易ファイル転送プロトコル)サーバ―ネットワーク上の TFTP サーバは、デフォルトの Cisco IOS ソフトウェア イメージの外部保管場所としても機能します。Telnet 接続により、このようなリモート ホストから有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージをダウンロードできます。

  • 4-3Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    第 4 章 システムの起動と基本システム設定設定前の要件

    設定前の要件システムの設定前に、以下を確認してください。

    • すべてのカードをしっかりと取り付ける。• すべてのインターフェイス ケーブルが確実に接続され、ケーブル ストレイ

    ン レリーフ(付属している場合)を使用している。

    • すべての入力電源コードが PDU にしっかりと接続されており、適切な電源に接続されている。

    • 端末装置が RP のコンソール ポートに接続され、電源が入った状態で、9600bps、8 データ ビット、パリティなし、2 ストップ ビット(9600、8N2)に設定されている。

    (注) ルータの初期設定を行うには、RP に端末が接続されている必要があります。

    • ルータに付属のフラッシュ メモリ カードが、RP のスロット 0 に搭載されている。ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタは 0x0102 に設定され(デフォルト)、フラッシュ メモリ カードに保管された Cisco IOS ソフトウェア イメージからシステムが自動的に起動するようになっています。

    上記の確認が完了したら次に進み、ルータを起動してください。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定起動プロセスの概要

    4-4Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    起動プロセスの概要一般的な起動プロセスを概説します。

    1. ルータの電源をオンにします。

    2. RP Maintenance Bus(MBus; メンテナンス バス)モジュールに +5 VDC の電圧が供給され、MBus ソフトウェアの実行が開始されます。

    3. RP が MBus 経由ですべての搭載デバイスにそれぞれの ID を要求するメッセージを送信することにより、ルータ構成を判別します。その反応により、

    スロット番号、カード、コンポーネント タイプを RP が認識します。

    4. その後、RP、ラインカード、スイッチ ファブリック カード(Clock andScheduler Card [CSC; クロック スケジューラ カード] および Switch Fabric Card[SFC; スイッチ ファブリック カード ])、およびアラーム カードの順に起動します。

    5. RP の電源投入時リセット ロジックが、ローカル クロックと CSC クロックの両方の電力が安定するまで据え置かれます。

    6. 電源投入時リセット ロジックが解除されたあと、RP が ROM モニタ ソフトウェアの実行を開始します。

    - ROM モニタが autoboot に設定されている場合は、Cisco IOS ソフトウェアが自動的にロードされて起動します。

    - ROM モニタが autoboot に設定されていない場合は、Cisco IOS ソフトウェアを手動で起動する必要があります。

    7. Cisco IOS ソフトウェアが起動すると、システム内のほかのすべてのカードをポーリングして、各カードを起動し、必要な Cisco IOS ソフトウェアをロードします。

    8. RP は、ほかのすべてのカードで起動プロセスが完了するまで待機します。

  • 4-5Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの電源投入および起動プロセスの確認

    ルータの電源投入および起動プロセスの確認初めてルータを起動したときは、次の状態を確認してください。

    ステップ 1 ルータへの電力を制御する、すべての回路ブレーカーの電源を入れます。

    ステップ 2 電源入力モジュール(PEM)の LED を確認します。

    • AC PEM ― グリーンの PWR OK LED がオンになり、電源モジュールのファンが動作している必要があります。

    • DC PEM― グリーンの PWR OK LED がオンになり、電源モジュールのファンが動作している必要があります。

    ステップ 3 ブロワー モジュールを確認します。

    • グリーンの OK LED が点灯していることを確認します。• ブロワー モジュールのファンの作動音がただちに聞こえるはずです。雑音

    がある環境では、ブロワーの作動音を確認しにくいことがあります。シャー

    シ背面の上部付近にある排気口に耳を当てて、ブロワーが動作していること

    を確認してください。

    ステップ 4 RP の起動プロセス中に、RP の英数字 LED ディスプレイを確認します(図 4-1)。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの電源投入および起動プロセスの確認

    4-6Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    図 4-1 RP の英数字 LED ディスプレイ

    4 文字の各ディスプレイに、2 行のシステム メッセージの一部が表示されます。RP の起動プロセスの間、この LED ディスプレイには、表 4-1 のような一連のメッセージが表示されます。

    H10

    780

    PRO

    CE

    SSOR

    LED 4

    LED 4

    表 4-1 RP 英数字 LED ディスプレイの文字列例

    LED ディスプレイ1 意味 発行元

    MROMnnnn

    MBus マイクロコードの実行が開始されます。nnnn はマイクロコードのバージョン番号です。たとえば、マイクロコードのバージョン

    が 1.17 の場合、0117 と表示されます。2

    MBus コントローラ

    LMEMTEST

    RP のロー メモリをテスト中です。 RP ROM モニタ

    MEMINIT

    RP のメイン メモリ容量を検出中です。 RP ROM モニタ

    RPRDY

    システムは動作状態であり、ROM モニタ プロンプト(rommon>)から基本的な Cisco IOS ソフトウェア コマンドを実行可能です。

    RP ROM モニタ

    RPUP

    有効な Cisco IOS イメージが稼働中です。 RP Cisco IOS ソフトウェア

  • 4-7Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの電源投入および起動プロセスの確認

    ステップ 5 RP インターフェイスのステータスを確認します(GRP については図 4-2、PRPについては図 4-3 を参照)。

    RP の LED に、システム ステータス、アクティブなフラッシュ メモリ カード スロット、使用中のイーサネット接続、イーサネット インターフェイスのステータスが表示されます。

    • PCMCIA フラッシュ メモリ カード スロット LED(Slot-0 および Slot-1)は、スロットがアクセスされたときに点灯します。

    • PRP ― RJ-45 イーサネット ポート LED は、次のようにポート アクティビティを示します。

    - LINK:リンク アクティビティ

    - EN:ポートが有効

    - TX:データ送信

    - RX:データ受信

    • GRP ― RJ-45 および MII のイーサネット LED は、2 つのイーサネット接続のどちらが選択されているかを示します(同時に 1 つのみのポートが動作できます)。RJ-45 LED はポート アクティビティを示します。

    - LINK:リンク アクティビティ

    - COLL:衝突検出

    - TX:データ送信

    - RX:データ受信

    PRIRP

    RP がイネーブルで、システムのプライマリ RP として認識されています。有効な Cisco IOS イメージが稼働中です。

    RP Cisco IOS ソフトウェア

    SECRP

    RP がイネーブルで、システムのセカンダリ RP として認識されています。有効な Cisco IOS イメージが稼働中です。

    RP Cisco IOS ソフトウェア

    1. 一部の LED 文字列は速すぎて判読できないことがあります。2. ご使用のシステムで稼働している MBus マイクロコードのバージョンとは異なる場合があります。

    表 4-1 RP 英数字 LED ディスプレイの文字列例(続き)

    LED ディスプレイ1 意味 発行元

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの電源投入および起動プロセスの確認

    4-8Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    図 4-2 GRP LED ― 前面パネルの一部分

    図 4-3 PRP イーサネット ポートおよび LED ― 前面パネルの一部

    H10

    762

    SLOT-0

    SLOT-1

    COLL

    LINK

    TXRX

    RJ-45

    MII

    RESETAUX

    EJECT

    RX

    TX

    PRIMARY

    SLOT

    -1

    SLOT

    -0

    LINK

    EN

    RX

    TX

    ETH 1ETH 0

    LINK

    PRIMARY

    EN

    7069

    3

  • 4-9Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの電源投入および起動プロセスの確認

    ステップ 6 ラインカードの起動プロセス中に、各ラインカードの英数字 LED ディスプレイを確認します(図 4-4)。

    (注) ラインカードの起動プロセスは、RP 起動プロセスの直後に始まります。

    システムは、まったく同じラインカードを並行して起動させようとします。さら

    にシステムは、電源がオンになって使用可能になるとすぐにラインカードを起動

    します。各ラインカードには、表 4-2 と同様の文字列が表示されます。

    図 4-4 ラインカードの英数字 LED ディスプレイ ― 一部分

    H11

    344

    LED 4

    LED 4

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの電源投入および起動プロセスの確認

    4-10Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    表 4-2 ラインカード英数字 LED ディスプレイの文字列例

    LED ディスプレイ1

    1. 一部の LED 文字列は速すぎて判読できないことがあります。文字列は基準としてこの表の形式で表示され、起動時のラインカードの機能を表します。

    意味 発行元

    MROMnnnn

    MBus マイクロコードの実行が開始されます。nnnn はマイクロコードのバージョン番号です。たとえば、マイクロコードのバージョン

    が 1.17 の場合、0117 と表示されます。2

    2. ご使用のシステムで稼働している MBus マイクロコードのバージョンとは異なる場合があります。

    MBus コントローラ

    LMEMTEST

    ラインカードのロー メモリをテスト中です。 ラインカードのROM モニタ

    MEMINIT

    ラインカードのメイン メモリ容量を検出中です。 ラインカードのROM モニタ

    ROMIGET

    ラインカードのメモリに ROM イメージをロード中です。 RP Cisco IOS ソフトウェア

    FABLWAIT

    ラインカードがファブリック ダウンローダによるロードを待機中です。3

    3. ファブリック ダウンローダがラインカードに Cisco IOS ソフトウェア イメージをロードします。

    RP Cisco IOS ソフトウェア

    FABLDNLD

    ファブリック ダウンローダをラインカードのメモリにロード中です。

    RP Cisco IOS ソフトウェア

    FABLSTRT

    ファブリック ダウンローダの起動中です。 RP Cisco IOS ソフトウェア

    FABLRUN

    ファブリック ダウンローダが起動されて動作中です。 RP Cisco IOS ソフトウェア

    IOS DNLD

    Cisco IOS ソフトウェアをラインカードのメモリにダウンロード中です。

    RP Cisco IOS ソフトウェア

    IOSSTRT

    Cisco IOS ソフトウェアの起動中です。 RP Cisco IOS ソフトウェア

    IOS UP

    Cisco IOS ソフトウェアが稼働中です。 RP Cisco IOS ソフトウェア

    IOSRUN

    ラインカードがイネーブルで動作可能です。 RP Cisco IOS ソフトウェア

  • 4-11Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの電源投入および起動プロセスの確認

    ステップ 7 ルータはデフォルト イメージを使用して自動的に起動します(有効な Cisco IOSソフトウェア イメージが格納されているフラッシュ メモリ カードがスロット 0に搭載されていて、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタが 0x0102 に設定されている場合)。

    ルータが Cisco IOS ソフトウェア イメージをブートすると、次のようなシステムバナーが表示されます。

    Cisco Internetwork Operating System Software IOS (tm) GS Software (GSR-P-M), Experimental Version 12.0(20010120:204554) [gha]Copyright (c) 1986-2001 by cisco Systems, Inc.Compiled Sat 20-Jan-01 18:34 by ghall

    (注) システム バナーは、稼働している Cisco IOS ソフトウェア イメージのバージョンによって異なります。システム バナーは、この章全体の例と異なることがあります。

    • ROM モニタ プロンプト(rommon>)が表示された場合は、有効なシステムイメージが見つからなかったか、または起動シーケンスが中断されたことに

    より、ROM(読み取り専用メモリ)モニタ モードが開始されています。

    この場合は boot コマンドを発行し、Cisco IOS ソフトウェア イメージを手動で起動する必要があります。

    - 有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージを調べる方法については、「有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージの検索」(p.4-13)を参照してください。

    - さまざまな形式の boot コマンドを使用する手順については、「Cisco IOSソフトウェア イメージからの起動」(p.4-14)を参照してください。

    • ルータを手動で起動し、ステップ 8 に進んでください。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの電源投入および起動プロセスの確認

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    ステップ 8 未設定システムを初めて起動したときは、システム設定ダイアログが自動的に開始されます。対話型スクリプトによって手順ごとに入力を要求され、基本的なシ

    ステム動作パラメータを定義するルータ コンフィギュレーション ファイルが作成されます。

    --- System Configuration Dialog ---

    Continue with configuration dialog? [yes/no]:

    ルータはこのシステム コンフィギュレーション ファイルを使用して、リモートロケーションからルータを管理できるように、RP とのネットワーク接続をアクティブにするか、またはラインカードのネットワーク インターフェイスをアクティブにします。初期設定が完了すると、RP およびラインカードが外部ネットワークと通信できるようになります。

    ネットワーク インターフェイスをただちに設定する必要はありませんが、ネットワーク環境で動作するようにインターフェイスを設定するまでは、ネットワー

    クに接続できません。設定については、「ルータの設定」(p.4-16)を参照してください。

    (注) ラインカードのインターフェイスを設定するまでは、ラインカードにあるイン

    ターフェイス固有の LED が点灯しない可能性があります。各ラインカード インターフェイスの動作が正常かどうかを確認するには、初期設定手順と設定を完了

    したあとで、各ラインカードのマニュアルの説明と比較しながら、インターフェ

    イスのステータスを調べます。

    これまで説明した手順を完了できない場合は、第 5 章「インストレーションのトラブルシューティング」に進み、トラブルシューティングに関する推奨事項およ

    び手順を参照してください。

  • 4-13Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    第 4 章 システムの起動と基本システム設定手動によるシステムの起動

    手動によるシステムの起動ルータが有効なシステム イメージを見つけられなかった場合、またはユーザが起動シーケンスを中断した場合は、ROM モニタ モードが開始され、ROM モニタ プロンプト(rommon>)が表示されます。ROM モニタ モードから、有効なシステム イメージを探して起動するためのコマンドにアクセスできます。

    有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージの検索Cisco IOS ソフトウェア イメージを特定して ROM モニタ プロンプト(rommon>)からルータを手動でブートするには、次の手順を実行します。

    ステップ 1 ROM モニタ モードの dir bootflash コマンドを入力して、RP の NVRAM でオンボード フラッシュ メモリの内容を表示します。

    rommon 1> dir bootflash:File size Checksum File name

    3277967 bytes (0x32048f) 0x6b331e30 gsr-p-mz.120-7.4.5rommon 2>

    • 必要な Cisco IOS ブート イメージがメモリに格納されている場合は、「CiscoIOS ソフトウェア イメージからの起動」(p.4-14)に進みます。

    • 必要な Cisco IOS ブート イメージがオンボード フラッシュ メモリに格納されていない場合は、次の手順に進みます。

    ステップ 2 dir slotn: コマンドを入力します。n は、フラッシュ メモリ カードの内容を調べて有効なイメージを検索するスロット 0(0)またはスロット 1(1)を表します。

    次の例は、スロット 0 のフラッシュ メモリ カードの内容を示しています。

    rommon 2> dir slot0:File size Checksum File name3277967 bytes (0x32048f) 0x6b331e30 gsr-p-mz.120-7.4.5

    rommon 3>

    有効なブート イメージを特定したら、「Cisco IOS ソフトウェア イメージからの起動」(p.4-14)に進みます。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定手動によるシステムの起動

    4-14Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    Cisco IOS ソフトウェア イメージからの起動イメージを手動でブートするには、有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージの特定後、適切な ROM モニタ モードの boot コマンドを実行します。表 4-3 のうちいずれかの boot コマンドを使用してイメージをブートします。

    注意 boot flash コマンドは慎重に使用してください。スロット 0 に挿入したフラッシュ メモリ カードに有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージが含まれていることを確認してください。有効な Cisco IOS ソフトウェア イメージが含まれていない場合は、フラッシュ メモリ カードの無効なイメージをブートするようにシステムに指示することになってしまいます。ブート コマンドを入力する前に、dirslotn: コマンドを必ず実行してフラッシュ メモリ カードの内容を調べてください。

    表 4-3 ブート コマンド

    コマンド 目的

    boot (引数なし)NVRAM のデフォルト イメージをブートします。このイメージは、工場出荷時にメモリに

    ロードされたものです。

    boot bootflash: filename NVRAM の指定ファイルを使用してルータをブートします。

    boot disk0: filename スロット 0 に搭載されたフラッシュ ディスクから、filename というファイルを起動します。

    boot disk1: filename スロット 1 に搭載されたフラッシュ ディスクから、filename というファイルを起動します。

    boot flash (特定の PCMCIA スロットの指定なし)スロット 0のフラッシュ メモリ カードから最初のファイルを使用してルータをブートしようとします。

    boot slot0:filename スロット 0 に搭載されたリニア フラッシュ メモリカードから、指定ファイルを起動します。

  • 4-15Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    第 4 章 システムの起動と基本システム設定手動によるシステムの起動

    (注) コンフィギュレーション レジスタの設定を変更しなかった場合は、次回のリロードで、デフォルトのコンフィギュレーション レジスタ設定(0x0102)に戻ります。この設定値の場合、次にルータを起動したときには、スロット 0 に搭載されたフラッシュ メモリ カード上の Cisco IOS ソフトウェアが起動します。詳細については、「ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定」(p.4-34)を参照してください。

    boot slot1:filename スロット 1 に搭載されたリニア フラッシュ メモリカードから、指定ファイルを起動します。

    boot tftp: filename [host]

    または

    boot [host] filename

    ネットワーク上の TFTP サーバから指定ファイルおよびホスト名を使用して、ルータを起動します。

    表 4-3 ブート コマンド(続き)

    コマンド 目的

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ルータの設定

    4-16Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    ルータの設定次のいずれかの方法で、ルータの基本設定を行うことができます。

    • 方法 1― セットアップ機能または setup コマンドを使用する。未設定のルータを初めて起動すると、セットアップ機能が自動的に実行さ

    れ、ルータを手動で設定できるようになります。セットアップ機能は構造化

    方式の対話型スクリプトを提供し、ユーザがプロセスを順序正しく完了でき

    るように導きます。

    setup コマンドを特権 EXEC モード プロンプト(Milo#)で実行し、セットアップ機能をいつでも起動して以前入力した設定情報を変更することもで

    きます。

    この方法については、「setup による設定変更」(p.4-20)を参照してください。

    • 方法 2― Cisco IOS のコマンドライン ユーザ インターフェイスを介してグローバル コンフィギュレーション モードを使用する。

    セットアップ機能の対話型スクリプトを使用せずにルータを設定する場合

    は、グローバル コンフィギュレーション モードでルータを手動で設定できます。この場合、コンフィギュレーション スクリプトによるプロンプトが表示されない状態で、コンソールからコンフィギュレーション コマンドを 1行ずつ入力しなければなりません。この方法については、「グローバル コンフィギュレーション モードの使用方法」(p.4-29)を参照してください。

    作業スタイルとネットワークの設定条件に関する知識に適した方法を選択して

    ください。

    setup コマンド機能またはグローバル コンフィギュレーション モードのどちらを使用するにしても、ネットワーク環境で動作するようにルータを設定するに

    は、次の情報を用意しておく必要があります。

    • ルータに備わっているインターフェイス• ルータがルーティングするプロトコル• 設定するプロトコルのネットワーク アドレス• ユーザ環境で使用しているパスワード方式

  • 4-17Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    Cisco IOS のユーザ インターフェイスCisco IOS ソフトウェアに備えられた CLI(コマンドライン インターフェイス)を使用すると、ルータを設定して管理できます。Cisco IOS の CLI に慣れていない場合は、『Configuration Fundamentals Configuration Guide』の「Using the CommandLine Interface」を参照してください。ここでは、インターフェイスの各種コマンド モード、コンテキスト ヘルプ、および編集機能について説明します。

    Cisco IOS ユーザ インターフェイスのコマンド モードCisco IOS のユーザ インターフェイスは、さまざまなモード別に編成されています。使用できるコマンドは、その時点のモードによって決まります。システム

    プロンプトに疑問符(?)を入力すると、そのときのコマンド モードで使用できるコマンドの一覧が表示されます。

    ルータ上でセッションを開始すると、ユーザ EXEC モードから始まります。EXECモードで利用できるのは、ごく限られたコマンド サブセットだけです。すべてのコマンドを利用するには、特権 EXEC モードを開始する必要がありますが、通常の場合はパスワードが必要です。特権 EXEC モードから、任意の EXEC コマンドを入力する、またはグローバル コンフィギュレーション モードを開始することができます。EXEC コマンドのほとんどは、1 回限りのコマンドです。たとえば、現在のコンフィギュレーション ステータスを表示する show コマンド、カウンタまたはインターフェイスを消去する clear コマンドなどです。EXEC コマンドは、ルータの再起動後には保存されません。

    コンフィギュレーション モードでは、実行中のコンフィギュレーション ファイルを変更できます。コンフィギュレーションを保存すると、そのコマンドは保存

    され、ルータの再起動後にも維持されます。各種コンフィギュレーション モードにアクセスするには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始しなければなりません。グローバル コンフィギュレーション モードから、インターフェイス コンフィギュレーション モード、サブインターフェイス コンフィギュレーション モード、および各種プロトコル固有のモードを開始できます。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    4-18Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    この章ですでに説明した ROM モニタ モードは、ルータが正常に起動しない場合に使用する、独立したモードです。ルータが起動時に有効なシステム イメージを見つけられなかった場合、または起動時にコンフィギュレーション ファイルが破損していた場合は、システムによって ROM モニタ モードが一般的に開始されます。

    ユーザ EXEC モードシステムが正常に起動して Cisco IOS ソフトウェアがロードされると、ユーザEXEC モード プロンプトがシステム コンソールに表示されます。ユーザ EXECモード プロンプトは、ルータ ホスト名に右向きのかぎカッコ(>)が続いて形成されます。次の例は、出荷時のデフォルト名 Router を使用しているルータのユーザ EXEC モード プロンプトです。

    Router>

    (注) 初期設定時に setup コマンド機能を使用して変更しないかぎり、デフォルトのホスト名は Router です。

    特権 EXEC モード特権 EXEC モードを開始するには、ユーザ EXEC モード プロンプトに enable コマンドを入力します。イネーブル シークレット パスワードが設定されて、メモリに保管されている場合は、イネーブル シークレット パスワードを入力するように求められます。パスワードはウィンドウに表示されません。また、大文字と

    小文字が区別されます。パスワードがシステムに受け付けられると、プロンプト

    が特権 EXEC モード プロンプトに変わります。このプロンプトは、ルータ ホスト名にポンド記号(#)が続いて形成されます。

    (注) 特権コマンドの多くは、動作パラメータを設定する場合に使用するので、不正に

    使用されないように、特権アクセスをパスワードで保護する必要があります。

  • 4-19Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    次の例は、ユーザ EXEC モードから特権 EXEC モードへの変更を示しています。

    Router> enablepassword: Router#

    パスワードの使用方法については、「パスワードの設定」(p.4-25)を参照してください。

    グローバル コンフィギュレーション モードグローバル コンフィギュレーション コマンドは次のように動作します。

    • 個々のプロトコルまたはインターフェイスではなく、システム全体に作用する機能に適用されます。

    • グローバル コンフィギュレーション モードを開始するには、configure terminal コマンドを使用します。グローバル コンフィギュレーション モードから、他のさまざまなコマンド モードにアクセスできます。

    • 特定ルーティング機能またはブリッジング機能が有効になります。

    プロトコル固有のグローバル コンフィギュレーション コマンドについては、Cisco IOS ソフトウェア マニュアルの該当するコンフィギュレーション ガイドを参照してください。

    インターフェイス コンフィギュレーション モード

    イーサネット、FDDI、シリアル ポートなどのインターフェイスの動作を変更するには、インターフェイス コンフィギュレーション コマンドを使用します。インターフェイス コンフィギュレーション コマンドの前に、インターフェイス タイプを定義する interface グローバル コンフィギュレーション コマンドを必ず指定します。

    帯域幅やクロック レートなどの一般的なインターフェイス パラメータを左右するインターフェイス コンフィギュレーション コマンドの詳細については、

    『Configuration Fundamentals Command Reference』の「Interface Commands」を参照してください。プロトコル固有のコマンドについては、該当する Cisco IOS ソフトウェア コマンド リファレンスを参照してください。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    4-20Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    サブインターフェイス コンフィギュレーション モード

    1 つの物理インターフェイスに複数の仮想インターフェイス(サブインターフェイス)を設定するには、サブインターフェイス コンフィギュレーション モードを使用します。各種プロトコルは、サブインターフェイスをそれぞれ異なる物理

    インターフェイスとして認識します。サブインターフェイスの詳しい設定手順に

    ついては、Cisco IOS ソフトウェア マニュアルの、特定のプロトコルに対応するモジュールを参照してください。

    ROM モニタ モード

    有効なシステム イメージをルータが特定できない場合、またはブート シーケンスが中断された場合、システムは ROM モニタ モードを開始することがあります。この場合はシステムを手動でブートしたり、診断テストを実行したりするこ

    とができます。

    起動から 60 秒以内に特権 EXEC モード プロンプトから reload コマンドを入力し、さらに Break キーを押すことによって、ROM モニタ モードを開始することもできます。

    setup による設定変更初期設定およびその他の基本設定手順をルータで実行するには、setup コマンド機能を使用します。この機能はスクリプト ベースであり、短時間で支障なくルータを起動するために、基本設定情報の入力を要求されます。

    未設定ルータの初期設定中は、システムが setup コマンド機能を自動的に起動し、システム設定ダイアログと呼ばれる対話型ダイアログを表示します。システ

    ム設定ダイアログでは、グローバル(システム全体の)パラメータおよびイン

    ターフェイス(ラインカード)パラメータを要求に従って入力し、設定プロセス

    を実行できます。

    setup コマンドを使用して設定を変更するには、次のように操作します。

    1. 各システム設定ダイアログ プロンプトは、変更する項目が表示されるまで、すべて順番に処理する必要があります。

    - 項目のデフォルト設定を変更せずに受け入れるには、Return キーを押します。

  • 4-21Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    - 変更しないまま、各システム設定ダイアログ プロンプトを処理せずに特権 EXEC プロンプトに戻るには、Ctrl-C を押します。

    setup コマンド機能には、プロンプトに対応するヘルプも用意されています。ヘルプ テキストにアクセスするには、プロンプトに疑問符(?)を入力します。

    2. 変更が完了すると、setup セッションでの入力結果として作成されたコンフィギュレーション コマンド スクリプトが、setup コマンド機能によって表示されます。この設定を使用することも要求されます。このプロンプトにデ

    フォルト値はありません。必ず、Yes または No で応答しなければなりません。

    • Yes と応答すると、コンフィギュレーションが NVRAM に保存されます。• No と応答すると、コンフィギュレーションは保存されず、プロセスが再び

    開始されます。

    次の例は、ルータの初期起動中に自動的に起動される setup セッションの典型的な出力を示しています。システム バナーが表示されてから、システム設定ダイアログが始まります。

    (注) このセクションの出力は例です。使用している Cisco IOS ソフトウェアのイメージ、およびルータの装備方法により、設定ダイアログは異なることがあります。

    Cisco Internetwork Operating System Software...

    --- System Configuration Dialog ---

    Continue with configuration dialog? [yes/no]: Yes

    At any point you may enter a question mark '?' for help.Use ctrl-c to abort configuration dialog at any prompt.Default settings are in square brackets '[]'.

    Basic setup only configures enough connectivityfor management of the system, extended setup will ask youto configure each interface of the system.Would you like to enter basic management setup? [yes/no]: YesConfiguring global parameters:

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    4-22Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    Enter host name [Router]: Milo

    The enable secret is a password used to protect access toprivileged EXEC and configuration modes. This password, afterentered, becomes encrypted in the configuration.Enter enable secret []: barney

    The enable password is used when you do not specify anenable secret password, with some older software versions, andsome boot images.Enter enable password: wilma

    The virtual terminal password is used to protectaccess to the router over a network interface.Enter virtual terminal password: bambamConfigure SNMP Network Management? [no]:

    Current interface summaryInterface IP-Address OK? Method Status ProtocolEthernet0 unassigned YES unset administratively down downPOS1/0 unassigned YES unset administratively down downSDCC1/0 unassigned YES unset administratively down downPOS2/0 unassigned YES unset administratively down downSDCC1/0 unassigned YES unset administratively down down...POS15/0 unassigned YES unset administratively down downSDCC15/0 unassigned YES unset administratively down down

    Enter interface name used to connect to the management network from the above interface summary: Ethernet0

    Configuring interface Ethernet0:Configure IP on this interface? Yes

    IP address for this interface: 172.16.72.2Subnet mask for this interface: 255.0.0.0

    Class B network is 172.16.0.0, 8 subnet bits; mask is /24

    The following configuration command script was created:

    hostname Miloenable secret 5 $1$krIg$emfYm/1OwHVspDuS8Gy0K1enable password wilmaline vty 0 4password bambamno snmp server!

  • 4-23Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    no ip routing!interface Ethernet0no shutdownip address 172.16.72.2 255.255.255.0!interface POS1/0shutdownno ip address!interface SDCC1/0shutdownno ip address...interface POS15/0shutdownno ip address!interface SDCC15/0shutdownno ip address!end[0] Go to the IOS command prompt without saving this script.[1] Return back to the setup without saving this config.[2] Save this configuration to nvram and exit.

    Enter your selection [2]:

    Building configuration ...

    Use the enabled mode ‘configure’ command to modify this configuration.

    Milo#

    setup コマンド機能を使用して設定パラメータを設定するか、特権 EXEC プロンプトで setup コマンドをいつでも入力して setup 機能を動作させることができます。setup コマンドを使用して設定を始める場合は、既存の(以前入力した)システム設定が角カッコ [ ] で囲まれてスクリプトによって表示されます。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    4-24Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    たとえば setup 機能の初期ルータ起動を使用して POS インターフェイスを設定している間は、問い合わせに応答するたびに次の例のようにスクリプトが表示さ

    れます。

    Configuring interface POS1/0: Is this interface in use?: yes Configure IP on this interface?: yes

    この例では、起動時に自動的に開始されたセットアップ機能、すなわち過去の設

    定情報がないので、このスクリプトでは、デフォルトまたは現在のパラメータが

    角カッコ([ ])の中に表示されることはありません。

    特権 EXEC モード プロンプトで setup コマンドを入力した場合(POS インターフェイスを以前設定したと想定)、その設定が角カッコ [ ] で囲まれてスクリプトによって表示されます。

    Configuring interface POS1/0: Is this interface in use?[yes]: Configure IP on this interface?[yes]:

    システム プロンプトに角カッコで囲まれた既存の値が含まれている場合、Return キーを押してその値を受け入れるか、または代替値を入力して Returnキーを押します。

    セットアップ機能によるグローバル パラメータの設定初めてセットアップ機能を起動する、または setup コマンドを入力すると、ルータのグローバル パラメータを設定するように要求されます。グローバル パラメータは、以下を含む、システム全体の設定を制御します。

    • ルータのホスト名• イネーブル、イネーブル シークレット、および仮想端末セキュリティ パラ

    メータに対応するパスワード

    • ルータが使用するプロトコル

  • 4-25Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    ホスト名の設定

    ルータを設定するホスト名では以下が必要になります。

    • ARPANET ホスト名のルールに従う必要があります。• 英字から始まり、英字または数字で終わらなければなりません。中で使用で

    きるのは、英字、数字、およびハイフンだけです。

    • 63 文字以下で構成する必要があります。

    詳細については、RFC 1035 の「Domain Names ― Implementation and Specifications」を参照してください。

    多くのインターネット ソフトウェア アプリケーションでは大文字と小文字が区別されないので、大文字と小文字が区別されることを想定しないでください。筆

    記時の習慣で名前を大文字で始めがちですが、名前はすべて小文字として表示さ

    れます。詳細については、RFC 1178 の「Choosing a Name for Your Computer」を参照してください。

    パスワードの設定

    ユーザ EXEC レベルで使用できるコマンドは、特権 EXEC レベルで使用できるコマンドのサブセットです。特権 EXEC コマンドの多くは、システム パラメータを設定する場合に使用するので、特権 EXEC コマンドをパスワードで保護し、不正に使用されないようにする必要があります。パスワード保護を確立する方

    法、または権限レベルの設定方法については、『Security Configuration Guide』の「Configuring Passwords and Privileges」を参照してください。

    イネーブル シークレット パスワード機能は、Cisco 12000 シリーズ ギガビットスイッチ ルータで使用できます。特権レベルのコマンドを利用するには、正しいパスワードを入力する必要があります。ブート ROM レベルにより、ROM モニタ モードでイネーブル パスワードを使用できます。

    セキュリティを最大にするには、イネーブル シークレットおよびイネーブル パスワードの設定を別々にする必要があります。設定プロセス中に同じパスワード

    を使用した場合、システムはそのパスワードを受け付けますが、異なるパスワー

    ドを入力する必要があることを伝える警告が表示されます。

    • イネーブル シークレット パスワードには、1 ~ 25 文字の大文字と小文字の英数字を含めることができます。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    4-26Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    • イネーブル パスワードには、任意の数の大文字と小文字の英数字を含めることができます。

    いずれの場合も、先頭の文字を数字にすることはできません。ただし、スペース

    は有効なパスワード文字です。たとえば、[two words] は有効なパスワードです。先行スペースは無視されますが、末尾のスペースは認識されます。

    (注) 設定したすべてのパスワードを書き留めて、あとで参照できるように安全な場所

    に保管しておいてください。

    プロトコルの設定

    ルータのプロトコル設定の詳細については、「設置後の手順」(p.4-68)に記載されている、該当するソフトウェア コンフィギュレーション マニュアルを参照してください。

    ネットワーク インターフェイスの設定ここでは、セットアップ機能または setup コマンドを使用して RP および搭載されているラインカードのネットワーク インターフェイスを設定する方法について要約します。RP およびラインカードの設定が完了すると、RP およびラインカードが外部ネットワークと通信できるようになります。

    RP および搭載されているラインカードのインターフェイス パラメータを設定するには、次の情報を用意しておく必要があります。

    • インターフェイスのネットワーク アドレス• サブネット マスク値• 設定するプロトコル

    この情報については、ネットワーク管理者に問い合わせてください。ルータに取

    り付けられている RP およびラインカードの詳細インターフェイス設定情報については、カードごとのマニュアルを参照してください。

  • 4-27Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    RP イーサネット インターフェイスの設定

    GRP および PRP の RJ-45 と MII のレセプタクルは IEEE 802.3u に準拠したインターフェイスであり、イーサネット ネットワークへの接続を提供します。使用できるインターフェイスはどちらか一方です。両方を同時に使用することはでき

    ません。

    次の設定ダイアログ例は、IP ネットワーク レイヤ プロトコルを使用するイーサネット インターフェイス用にシステムを設定する方法を示しています。

    (注) イーサネット インターフェイスは、外部ルーティング機能をサポートしません。

    Configuring interface Ethernet0:Is this interface in use?: yes

    Configure IP on this interface?: yesIP address for this interface: 3.3.1.1Number of bits in subnet field: 8Class A network is 3.0.0.0, 8 subnet bits; mask is 255.255.0.0

    Configure CLNS on this interface?: yes

    ラインカード インターフェイスの設定

    ここでは、セットアップ機能でラインカード インターフェイス設定を管理する方法を例示します。ルータでは幅広いラインカードがサポートされるので、詳細

    については、特定ラインカードのマニュアルを参照してください。

    次の例は、Quad OC-3c POS ラインカードのシステム設定ダイアログ セッションを示しています。

    Configuring interface POS3/0: Is this interface in use?: yes Configure IP on this interface?: yes Configure IP unnumbered on this interface?: no

    IP address for this interface: 2.1.1.1 Number of bits in subnet field: 0 Class A network is 2.0.0.0, 0 subnet bits; mask is 255.0.0.0Configure CLNS on this interface?: yes

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    4-28Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    次の例は、同じ Quad OC-3c POS ラインカードのインターフェイスを IP unnumbered として設定する方法を示しています。

    Configuring interface POS3/0: Is this interface in use?: yes Configure IP on this interface?: yes Configure IP unnumbered on this interface?: yes Assign to which interface: ethernet0 Configure CLNS on this interface?: yes

    次の例は、ATM ラインカードを設定して IP を使用する方法を示しています。

    Configuring interface parameters:

    Configuring interface ATM1/0:Is this interface in use?: yesConfigure IP on this interface?: yes

    IP address for this interface: 1.1.1.2Number of bits in subnet field: 0Class A network is 1.0.0.0, 0 subnet bits; mask is 255.0.0.0

    ネットワーク インターフェイス パラメータを手動で設定したあとは、RP およびラインカードのインターフェイスを制限付きで使用できます。

    • 現在保存されている設定情報を変更するには、任意の時点で特権 EXEC モード プロンプト(Milo#)に setup コマンドを入力し、別のシステム設定ダイアログ セッションを開始します。

    • さらに複雑な設定作業を行う場合は、特権 EXEC モード プロンプト(Milo#)に configure terminal コマンドを入力します。グローバル コンフィギュレーション モード [Milo(config)#] が開始されます。詳細については、「グローバル コンフィギュレーション モードの使用方法」(p.4-29)を参照してください。

    ソフトウェア バージョン番号および搭載インターフェイスの確認show version コマンドでは、Cisco IOS ソフトウェアのバージョン番号が、システムに搭載されているハードウェア、システム イメージ ファイルの名前と保管場所、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの内容といった情報とともに表示されます。

  • 4-29Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    次の例は、このコマンドによって生成される情報のタイプを示しています。

    Milo# show versionCisco Internetwork Operating System Software IOS (tm) GS Software (GSR-P-M), Experimental Version 12.0(20010120:204554) [gha]Copyright (c) 1986-2001 by cisco Systems, Inc.Compiled Sat 20-Jan-01 18:34 by ghallImage text-base: 0x60010950, data-base: 0x61C14000

    ROM: System Bootstrap, Version 11.2(17)GS2, [htseng 180] EARLY DEPLOYMENT RELEA)BOOTFLASH: GS Software (GSR-BOOT-M), Version 11.2(18)GS4, EARLY DEPLOYMENT RELE

    Getty uptime is 22 hours, 15 minutesSystem returned to ROM by reloadSystem image file is "tftp://xxx.xxx.xxx.xxx/directory/ghall/gsr-p-mz"

    cisco 12410/GRP (R5000) processor (revision 0x05) with 262144K bytes of memory.R5000 CPU at 200Mhz, Implementation 35, Rev 2.1, 512KB L2 CacheLast reset from power-on

    1 Route Processor Card2 Clock Scheduler Cards5 Switch Fabric Cards2 OC48 POS controllers (2 POS).1 four-port OC48 POS controller (1 POS).1 Ethernet/IEEE 802.3 interface(s)6 Packet over SONET network interface(s)507K bytes of non-volatile configuration memory.8192K bytes of Flash internal SIMM (Sector size 256K).Configuration register is 0x0...

    グローバル コンフィギュレーション モードの使用方法グローバル コンフィギュレーション モードでは、コンソール端末からコンフィギュレーション コマンドを 1 行ずつ入力できます。セットアップ機能の対話型スクリプトを使用しなくても、グローバル コンフィギュレーション モードを使用することにより、ルータを手動で設定できます。

    使用できるコンフィギュレーション コマンドの一覧を表示するには、疑問符(?)をプロンプトに入力するか、コンフィギュレーション モードのときに、指定されている help キーを端末のキーボードで押します。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    4-30Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    グローバル コンフィギュレーション モードを使用してルータを設定するには、次の手順を実行します。

    ステップ 1 起動時にシステム設定ダイアログの開始を要求されたら、no と答えます。

    Would you like to enter the initial dialog? [yes]: noMilo>

    ステップ 2 enable コマンドおよびパスワード(要求された場合)を入力します。

    Milo> enablePassword: Milo#

    ステップ 3 グローバル コンフィギュレーション モードを開始するには、configure terminalコマンドを入力します。

    Milo# configure terminalEnter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.Milo(config)#

    ステップ 4 interface type slot/port コマンドを入力し、インターフェイス設定モードを開始します。

    Milo(config)# interface type slot/portMilo(config-if)#

    ステップ 5 copy running-config startup-config コマンドを入力し、設定を保存します。

    Milo# copy running-config startup-config

    これで最低限のシステム設定が完了しました。入力した設定値を使用して起動で

    きます。

  • 4-31Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    実行コンフィギュレーション ファイル設定の確認show running-config コマンドでは、実行コンフィギュレーション ファイルの設定をチェックできます。

    次の例は、スロット 1 に搭載されている Quad OC-3c/STM-1c POS インターフェイスの出力です。

    router# show running-configBuilding configuration... Current configuration:!version 12.0no service padno service udp-small-serversno service tcp-small-servers!hostname Milo!enable secret 5 $1$W6K5$W/p5Bq6IPLGJ/hS9VVP1g.enable password twink

    interface POS1/0 ip address 10.1.1.1 255.255.255.0 crc 32 clock source internal!interface POS1/1 no ip address no ip route-cache cef no ip route-cache shutdown crc 32!interface POS1/2 no ip address no ip route-cache cef no ip route-cache shutdown crc 32!interface POS1/3 no ip address no ip route-cache cef no ip route-cache shutdown crc 32

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    4-32Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    実行コンフィギュレーションの設定を NVRAM に保存する方法copy running-config startup-config コマンドでは、グローバル コンフィギュレーション モードで作成した設定を NVRAM に保存します。設定を変更した場合は、このコマンドを確実に入力してください。

    Milo# copy running-config startup-config

    (注) 実行コンフィギュレーションの設定値を NVRAM に保存しなかった場合は、次のシステム リロード時に、コンフィギュレーションの設定値が失われます。

    実行コンフィギュレーションの設定値の表示

    show startup-config コマンドを使用すると、NVRAM に保存されている現在の設定を表示できます。

    次の例は、このコマンドによって生成される情報のタイプを示しています。

    Milo# show startup-configUsing 5560 out of 520184 bytes!version 12.0no service padservice timestamps debug uptimeservice timestamps log uptimeno service password-encryption!hostname Milo!enable secret 5 $1$/5HX$OOvyhG2JYhNaCbPa45Wmn/enable password wilmaip cef distributed switchip host biff 10.3.3.254!interface Ethernet0 ip address 10.3.1.1 255.255.0.0 no ip mroute-cache!

  • 4-33Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定Cisco IOS のユーザ インターフェイス

    interface POS1/0 ip address 10.1.1.1 255.0.0.0 no keepalive crc 16 no cdp enable...interface ATM3/0 ip address 10.0.0.15 255.0.0.0 secondary ip address 10.1.1.2 255.0.0.0 atm pvc 1 0 64 aal5snap atm pvc 2 0 72 aal5mux ip 155000 155000 1 atm pvc 3 1 90 aal5snap 312000 312000 1 atm pvc 4 0 108 aal5snap atm pvc 10 0 144 aal5mux ip 155000 155000 1 atm pvc 11 1 91 aal5snap 310000 310000 1 map-group atm1!no ip classlessip route 10.5.4.254 255.255.255.255 Ethernet0!map-list atm1 ip 10.1.1.1 atm-vc 1 ip 10.1.1.3 atm-vc 2 ip 10.1.1.4 atm-vc 4 ip 10.0.0.1 atm-vc 3 ip 10.0.0.5 atm-vc 10 ip 10.0.0.6 atm-vc 11no logging trap!!line con 0 exec-timeout 0 0line aux 0line vty 0 4 password bambam login!end

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    4-34Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタは、特定システム パラメータを定義する、NVRAM の 16 ビットのレジスタです。次の作業を行うために、このレジスタの内容を設定または変更できます。

    • デフォルトの Cisco IOS ソフトウェアのブート ソースの定義。次の優先順位で割り当てられます。

    - PCMCIA スロット 0 に搭載されたフラッシュ メモリ カード

    - ネットワーク上の TFTP サーバ

    - RP 上のフラッシュ メモリ SIMM(NVRAM)

    - 稼動環境内に保存されているブート イメージ

    • デフォルト ブート ファイル名の定義• Break 機能のイネーブル化 / ディセーブル化• ブロードキャスト アドレスの制御• コンソール端末のボー レートの設定• パスワードを忘れた場合• ブート イメージを使用する強制的な自動起動• NVRAM に保存されているコンフィギュレーション ファイルからの boot

    system コマンドの読み取り

    表 4-4 は、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ ビットの定義です。

    注意 混乱してシステムが停止するような事態を避けるために、有効なソフトウェア

    コンフィギュレーション レジスタ値は表 4-4 の個々の設定値ではなく、設定値のコンビネーションになることに注意してください。たとえばソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの出荷時の設定値(0x0102)は、実質的に複数の設定の組み合せです(バイナリ ビット 8 = 0x0100 およびバイナリ ビット 00 ~03 = 0x0002)。

  • 4-35Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    ブート フィールド(表 4-5)は、ルータの実行に必要となるデフォルトの CiscoIOS ソフトウェア イメージをブートするためのソースを定義します。ブートフィールドの内容は、2 進数で指定します。

    表 4-4 ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ ビット

    ビット番号 16 進値 意味 / 機能00 ~ 03 0x0000 ~ 0x000F ルータを稼働させるために必要なデフォル

    トの Cisco IOS ソフトウェア イメージの保管場所を定義するブート フィールドを形成します(表 4-5 を参照)。

    06 0x0040 システム ソフトウェアに NVRAM の内容を無視させます。

    07 0x0080 OEM1 ビットをイネーブルにします。

    1. OEM = Original Equipment Manufacturer(相手先商標製造会社)

    08 0x0100 ブレーク機能をディセーブルにします。09 0x0200 セカンダリ ブートストラップを使用します。10 0x0400 すべて 0 の IP をブロードキャストします。

    11 および 12 0x0800 ~ 0x1000 コンソール ボーレートを定義します(デフォルト = 9600 bps)。

    13 0x2000 ネットワーク ブートが失敗した場合に、デフォルトのフラッシュ メモリ ソフトウェアを起動します。

    14 0x4000 IP ブロードキャストからネットワーク番号を除外します。

    15 0x8000 診断メッセージをイネーブルにし、NVRAMの内容を無視します。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    4-36Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    (注) Cisco 12010、Cisco 12410、Cisco 12810 ルータは、ブート イメージがブート フラッシュに、Cisco IOS イメージがフラッシュ メモリ カードに保存された状態で出荷されます。

    ソフトウェアの設定

    ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの下位 4 ビット(ビット 3、2、1、および 0)が、ルータを起動するための Cisco IOS ソフトウェア イメージの保管場所を定義するブート フィールドを形成します。

    ブート フィールドの内容は、グローバル コンフィギュレーション モード プロンプト [Milo(config)#] から config-register コマンドを入力することによって、設定または変更できます。

    (注) RP の出荷時設定のコンフィギュレーション レジスタ設定は 0x0102 です。

    表 4-5 ブート フィールド ― ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ

    ブート フィールド 電源投入時の意味

    00 システムは ROM モニタ プロンプト(rommon>)を表示したまま、システムを手動で起動するユーザ コマンドが入力されるのを待ちます。

    01 システムは RP 上のオンボード フラッシュ メモリ SIMM で最初に見つかったシステム イメージを使用して、自動的に起動します。

    02 ~ 0F システムはネットワーク上の TFTP サーバに保管されているデフォルトの Cisco IOS ソフトウェア イメージを使用して、自動的に起動します。このブート フィールド設定では、RP のイーサネット ポートが設定されていて動作していることが要求されます。この設定により、デフォルトのファイル名を上書きする boot systemコマンドも有効になります。

  • 4-37Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    ブート フィールドの設定により、システムはシステム コンフィギュレーションファイルのブート指示を無視し、次の操作のいずれかを実行します。

    • ブート フィールドが 0 に設定されている場合 ― ROM モニタ プロンプト(rommon>)に boot コマンドを入力することによって、ユーザが手動でオペレーティング システムを起動しなければなりません。boot コマンドは、引数があってもなくてもかまいません。

    boot コマンドを入力した場合は、次のようになります。

    - 引数を指定しない場合、つまりファイルやその他のブート指示を指定し

    ない場合、システムは RP のフラッシュ メモリ SIMM のデフォルト イメージを使用して自動的にブートします。

    - 引数を指定した場合、つまり特定ソースからブートするようにシステム

    に指示した場合は、次のオプションを使用できます。

    • 以下からブートするようにシステムに指示できます。- 特定フラッシュ SIMM イメージから(boot bootflash:filename コマンドを

    入力)

    - PCMCIA フラッシュ メモリ カードに保存されている特定イメージから(boot slot #: imagename コマンドを入力)

    - ブロードキャスト TFTP 要求を送信するか(boot filename コマンドを入力)、特定ネットワーク TFTP サーバに直接要求を送信して(boot filenameip-address コマンドを入力)ネットワーク TFTP サーバから

    • ブート フィールドが 1 に設定されている場合― システムは RP のオンボード フラッシュ SIMM で最初に見つかったイメージを使用して、自動的に起動します。

    • ブート フィールドを 0 または 1 以外の任意のビット パターンに設定した場合 ― ルータはソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定値を使用して、ネットワーク TFTP サーバに保管されているデフォルトのシステム イメージのファイル名を計算します。そのあと、システム イメージを使用してルータが起動します。ただし、コンフィギュレーション ファイルに起動命令が含まれている場合、システムはソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定値に基づいて計算したファイル名を使用するのではなく、その命令に従って起動します。

    このファイル名を形成するために、システムは cisco から始め、次の形式で、ブート フィールド値を 8 進数で表したもの、およびプロセッサ タイプを連結します。

    cisco-

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    4-38Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    たとえば、ファイル名形成のプロセスにより、次のように一般的なファイル

    名の範囲が作成されます。

    cisco2-grp

    .

    .

    .

    cisco17-grp

    システムは、この範囲内のいずれか 1 つのファイル名を使用して、ネットワークTFTP サーバに保管されているデフォルトのシステム イメージを起動します。

    (注) ブート可能な Cisco IOS ソフトウェア イメージが、スロット 0 またはスロット 1に挿入されているフラッシュ メモリ カードに存在する場合、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのブート フィールド設定は無効になります。システムは、ネットワーク TFTP イメージからではなく、フラッシュ メモリ カードのイメージからブートします(GRP の cisco2-grp から cisco17-grp、および PRPの cisco2-prp から cisco17-prp の範囲で計算されたファイル名)。

    ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定値の変更システム ソフトウェアの実行中にソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ設定を変更するには、次の手順を実行します。

    ステップ 1 enable コマンドおよびパスワード(要求された場合)を入力します。

    Milo> enablePassword: Milo#

    ステップ 2 グローバル コンフィギュレーション モードを開始するには、configure terminalコマンドを入力します。

    Milo# configure terminalEnter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.Milo(config)#

  • 4-39Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    ステップ 3 config-register value コマンドを入力してソフトウェア コンフィギュレーションレジスタの内容を設定します。value は、先頭に 0x が付く 16 進数です。

    Milo(config)# config-register 0xvalue

    (注) 表 4-4 の 16 進数の欄を参照して、4 ビットの value パラメータとして入力できる設定値を調べてください。

    ステップ 4 グローバル コンフィギュレーション モードを終了するには、Ctrl-Z を押します。

    Milo(config)# config-register 0xvalueMilo(config)# Ctrl-ZMilo#

    ステップ 5 現在有効なソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ値、および次回ルータがリロードする、ステップ 3 で入力した新しい値を確認するには、show versionコマンドを入力します。

    Milo# show version

    .

    .

    .

    Configuration register is 0x141 (will be 0x102 at next reload)

    ステップ 6 copy running-config startup-config コマンドを入力し、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ設定を NVRAM に保存します。

    Milo# copy running-config startup-config

    ステップ 7 システムを再起動します。

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    4-40Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    (注) コンフィギュレーション レジスタの変更が有効になるのは、システムのリブート後です(コンソールから reload コマンドを入力したときなど)。

    ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの下位ビットここでは、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの下位ビット、およびルータ ブート プロセス中に下位ビットが相互作用する方法について説明します。

    「ソフトウェアの設定」(p.4-36)で説明したとおり、ブート フィールドの設定値により、ルータの起動に使用する Cisco IOS ソフトウェア イメージの保管場所が決まります。

    • ブート フィールド値が 0(0x0000)に設定されている場合、ROM モニタ プロンプト(rommon>)に boot コマンドを入力することによって、ユーザが手動でオペレーティング システムを起動しなければなりません。

    • ブート フィールド値を 0x2 ~ 0xF に設定していて、かつコンフィギュレーション ファイルに有効な boot system コマンドが保管されている場合、ルータはその値によって指示された Cisco IOS ソフトウェア イメージを起動します。

    • コンフィギュレーション ファイルに boot system コマンドがない場合は、ルータがデフォルトのブート ファイル名を作成し、ネットワーク TFTP サーバからそのファイルの入手を試みます。

    次の例では、次のシステム再起動時に、RP のフラッシュ メモリ SIMM からルータを起動し、Break 機能を無視するように、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタを設定しています(表 4-4 を参照)。

    Milo# configure terminalEnter configuration commands, one per line. End with CNTL/Z.Milo(config)# config-register 0x0102Milo(config)# boot system flash filenameCtrl-ZMilo#

  • 4-41Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    コンフィギュレーション レジスタが 0x0102 に設定されている場合、システムがデフォルトのブート ファイル名を計算します。このファイル名を形成する場合、システムは cisco から始め、ブート フィールド値を 8 進数で表したもの、ハイフン、およびプロセッサ タイプ(grp または prp)を付加します。

    表 4-6 に、ネットワークからシステムを起動する場合に算出される可能性のあるデフォルト ファイル名の範囲を示します。ただし、NVRAM のコンフィギュレーション ファイルに有効な boot system コンフィギュレーション コマンドが保管されている場合は、ネットワーク上で起動用に算出されたデフォルト ファイル名が無効になります。

    (注) スロット 0 またはスロット 1 に搭載されたフラッシュ メモリ カードに、起動可能な Cisco IOS ソフトウェア イメージがある場合は、コンフィギュレーション レジスタの設定値が無効であり、デフォルトの TFTP で起動可能な Cisco IOS ソフトウェア イメージ(cisco2-grp ~ cisco17-grp または cisco2-prp ~ cisco17-prp)の代わりに、起動可能な Cisco IOS ソフトウェア イメージが起動されます。

    表 4-6 デフォルトのブート ファイル名

    アクション / ファイル名 ビット 3 ビット 2 ビット 1 ビット 0ブートストラップ モード 0 0 0 0

    デフォルトのソフトウェア 0 0 0 1

    cisco2-grp または cisco2-prp 0 0 1 0

    cisco3-grp または cisco3-prp 0 0 1 1

    cisco4-grp または cisco4-prp 0 1 0 0

    cisco5-grp または cisco5-prp 0 1 0 1

    cisco6-grp または cisco6-prp 0 1 1 0

    cisco7-grp または cisco7-prp 0 1 1 1

    cisco10-grp または cisco10-prp 1 0 0 0

    cisco11-grp または cisco11-prp 1 0 0 1

    cisco12-grp または cisco12-prp 1 0 1 0

    cisco13-grp または cisco13-prp 1 0 1 1

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    4-42Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの上位ビットここでは、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの上位ビットの意味について説明します。

    • ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのビット 8 は、コンソールの Break キーを制御します。

    - ビット 8 を設定すると、システムはコンソールの Break キーを無視します(出荷時の設定)。

    - ビット 8 をオフにすると、システムは Break キーが押されたことを、通常のシステム動作を停止して強制的に ROM モニタ モードにするコマンドとして解釈します。

    (注) システム ブートの最初の 5 秒間に Break キーを押すと、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの Break 有効化ビットの設定に関係なく、ROM モニタ モードに戻ります。

    • ビット 9 は未使用です。• ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのビット 10 は、IP ブロード

    キャスト アドレスのホスト部分を制御します。

    - ビット 10 を設定すると、プロセッサは IP ブロードキャスト アドレスのホスト部分にすべてゼロを使用します。

    - ビット 10 をクリアすると、プロセッサはすべて 1 を使用します(出荷時の設定)。

    ビット 10 はビット 14 と相互に作用して、IP ブロードキャスト アドレスのネットワーク部分およびサブネット部分を制御します。

    cisco14-grp または cisco14-prp 1 1 0 0

    cisco15-grp または cisco15-prp 1 1 0 1

    cisco16-grp または cisco16-prp 1 1 1 0

    cisco17-grp または cisco17-prp 1 1 1 1

    表 4-6 デフォルトのブート ファイル名(続き)

    アクション / ファイル名 ビット 3 ビット 2 ビット 1 ビット 0

  • 4-43Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

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    第 4 章 システムの起動と基本システム設定ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタの設定

    表 4-7 に、ビット 10 およびビット 14 の結合された作用を示します。

    • ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのビット 11 およびビット12 により、コンソール端末のデータ伝送速度が決まります。表 4-8 に、利用できる 4 種類のデータ伝送速度に対応するビット設定を示します。

    • ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタのビット 13 により、ブートロード エラーに対するシステムの対応が決まります。

    - ビット 13 を設定すると、システムは、ネットワーク TFTP サーバからブート ファイルをロードすることに 5 回連続して失敗した場合に、フラッシュ メモリから Cisco IOS ソフトウェアをロードします。

    - ビット 13 をオフにすると、システムは無限に、ネットワーク TFTP サーバからブート ファイルをロードしようと試みます(デフォルト)。

    表 4-7 ブロードキャスト アドレスの宛先に関するコンフィギュレーション レジスタの設定

    ビット 14 ビット 10 アドレス( )オフ オフ

    オフ オン

    オン オン

    オン オフ

    表 4-8 システム コンソール端末のデータ伝送速度の設定

    ビット 12 ビット 11 データ伝送速度(bps)0 0 96001

    1. デフォルト

    0 1 4800

    1 0 1200

    1 1 2400

  • 第 4 章 システムの起動と基本システム設定パスワードを忘れた場合

    4-44Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    パスワードを忘れた場合忘れたパスワードを回復するには、次の手順を実行します。

    (注) イネーブル パスワードが暗号化されている場合は、この手順でパスワードを回復できません。システムを再設定してからリブートする必要があります。「ルー

    タの設定」(p.4-16)を参照してください。

    ステップ 1 特権 EXEC モードのプロンプトに show version コマンドを入力し、既存のソフトウェア コンフィギュレーション レジスタ値を表示します。

    Milo# show version

    .

    .

    .

    Configuration register is 0x141

    この値を紙に書き留めて、ステップ 10 で使用します。

    ステップ 2 reload コマンドを入力してシステムをブートし、5 秒以内に Break キーを押してROM モニタ プロンプトを表示します。

    Milo# reloadrommon 1>

    Break 機能がディセーブルの場合は、電源モジュールの電源を切り、5 秒以上待機してから再度電源を入れます。ルータの電源投入後 5 秒以内に Break キーを押します。

  • 4-45Cisco 12010/12410/12810 ルータ インストレーション コンフィギュレーション ガイド

    OL-11496-01-J

    第 4 章 システムの起動と基本システム設定パスワードを忘れた場合

    ステップ 3 config-register コマンドを入力して yes で答え、設定を変更してからシステム設定情報を無視します。

    rommon 1> config-register

    Configuration Summaryenabled are:console baud: 9600boot: image specified by the boot system commandor default to: cisco2-prp

    do you wish to change the configuration? y/n [n]: yenable “diagnostic mode”? y/n [n]:enable “use net in IP bcast address”? y/n [n]:enable “load rom after netbootfails”? y/n [n]:enable “use all zero broadcast”? y/n [n]:enable “break/abort has effect?” y/n [n]:enable “ignore system config info?” [n]: ychange console baud rate? y/n [n]:change boot characteristics? y/n [n]

    Configuration Summaryenabled are:console baud: 9600boot: image specified by the boot system commandor default to: cisco2-prpdo you wish to change the configuration? y/n [n]

    You must reset or power cycle for the new config to take effectrommon 1>

    ステップ 4 initialize コマンドを入力し、ルータを初期化します。

    rommon 1> initialize

    ルータのオフ / オンが完了すると、ソフトウェア コンフィギュレーション レジスタは、コンフィギュレーション ファイルを無視するように設定されます。ルータがシステム イメージを起動し、System Configuration Dialog が表示されます。

    --- System Configuration Dialog ---

    .

    .