Factors hunting desertion in Japan proposal fbr
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Association of Wildlife and Human Society
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Assooiation of WUdlife and Human Sooiety
Wildlife Conservation Japan 13 (2):47− 57,2012
日本の 狩猟者は なぜ 狩猟 を辞め るの か ?
一 狩猟者の 維持政 策へ の 提言一
上 田 剛平1 ・小寺祐二
2 ・車田利夫
3 * ・竹内正彦
4 ・桜井 良
5 ・佐々 木智恵
6
1兵 庫 県但 馬県 民 局豊 岡農林 水 産振 興事務所 〒 668−0025兵庫県豊岡市幸町 7−ll
2宇 都宮 大学 農学 部里 山科学 セ ン タ
ー 〒 321−8505栃 木 県宇 都宮.市峰町 350
3北 海 道環境 科学研 究 セ ン タ
ー道 東地 区野 生生 物室 〒 085−8588釧路 市 浦見 2丁 目 2−54 釧路 支庁 内
4独 立行 政法 入農 業 ・食 品産 業技術 総合 研 究機構 中央農 業総 合研 究 セ ン タ
ー鳥 獣害 研究 チーム
〒 305−8666茨城県つ くば 市観音台 3−1−15フ ロ リダ大学 自然 資源環 境学 部 31r・Newins −Zicglcr Hall
, PO Box 11e430
, Gainesville, FL 32611 −0430, USA
6宮城 県林 業技 術 総合 セ ン ター 〒 981−3602宮城 県 黒JII郡 大 衡村大 衡字柧木 14
Factors affecting hunting desertion in Japan:proposal fbr retention measures
Gouhei Uedai, Yuji Kodera2
, Toshio Kurumada3
, Masahiko Takeuchi4,
Ryo Sa rai5 and Chie Sasaki6
iTc
ッooka Agriculture, Foresti);, an (I Fishe厂ies()/t77ce, Saiwai−cho 7−/1, Toyooka, Hyogo ,668−0025, Japan2Sat
のuma &rience Research Cθ雇 θ厂 伽 麗〃 o 畷 照 Universめt Mine maehi 350, Utsunomiya, Tochigi,321−850ユ 如 αη
3Eastern H ∂kkaido〃?”〃〃乙1〜esearch Station, Hokkaido lnstitute qfEnvironmental Scienees,σ珈 η2’2−54,
Kushiro, Hokkaido,085−8588/ dpan
4〃i’ldlife Dam age ルlanagement Team ,1>ationαt!dgricultura”{esearch Center,
Alationai Agriculture Rese α rch Organization, Tsukuba, lbaraki,305−8666,ノapan
5&漁oo ’qズ」〉αtura 〃 〜esources and Environment,{ノniversity ()fFiorida,3〃 1>εw ’ns −Ziegler Hall,
PO Box 1/0430, GainesviUe, F.乙32611−0430,し「SA
6Miyagi
Prefectual ForestF), Technoiogソ lnstitttte,14 Hanuki,0玩rα, Ohira, Mtyagi 981−3602/Opan
Abstract The Japanesc hunter popuiation has been declinjng and aging since the 1970s . As hunters’ removal ofnuisance
animals is important for the prevention of agricultUral damage, their retention is critical for sustainab ]y managing Japan’s
wildlife . In order to understand the reasons fbr the decline in the number of hunters and propose appropriate retention
measures , we surveyed 1,409 people who did not renew their hunting licenses in 2008 and 2009. The respondents who
revoked their trap hunting l孟censes were younger and had significantly shorter hunting careers than those who revoked
their gun hunting licenses. The former had mostly carried on hunting for nuisance eontrol until the cost ofhunting became
too expensive for them to continue . Therefbre, provision ofeconomic incentives could be an important retention measure ,
While the main reason given by both big game and bird hunters was thc reinforcement ot’ gun holding regulations , bird
hunters indicated that the reduction in the number Qf game birds and loss ofhunting area were also problematic factors.
Thus, in order to retain bird hunters, it is lmportant to imprQve the environmen 重al conditions ofbird hunting.
Key words :AttitUdes, Hunting, Policy, Retention, Wildlife management
*
現所 属 :様 似 町役 場 〒 058−8501北 海道様似郡様似町大通 玉一21” Present address .’ Samani town ofice , Odori J−21, Samani−cho , Hokhaido,058−8501, Japan
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野生生物保護 13 (2),2012
序
日本の狩猟者は,農林業に被害を与える野 k動物の捕
獲,個体数管理、市街地 に 出没 した 野生動物の 捕獲とい っ
た その 捕獲能力に よ る社会貢献に加え.野生動物の モ ニ
タ リン グ機能,狩猟者が支払う狩猟税等に よ る経済的責
献機能など多様な公益的役割 を有 し,野生 動物管理の 重
要な役割 を担 っ て い る 〔上田 2009a).しかし,狩猟者
数は,1970年の 約 53万人をピークに 2007年には約 15
万 8千人にまで 減少 して お り (図 1),高齢化も深刻で
ある (Ueda et aL 2010),一方で,狩猟者に対する社会
のニーズ はかつ て ない ほど高まっ てい る、その 背景 に は,
野生鳥獣に よる全国的な農林業被害の深刻化がある,農
林水産省 (2010)に よ れ ば,2009年に は 全国で 213億
円の 農林業被害が発生 した.
と ころ が,狩猟者数は減少 して い るにもかかわらず,
ニ ホ ンジ カ (Cen?us nippon ,以下 シ カ と記す),ニ ホ ン
イ ノ シ シ (SZiS scrofin leucomystax,以下イノ シ シ と記す)
とい っ た農林業に被害を与えて い る動物の捕獲数は増加
し続けて い る.環境省 (2010)によれば,シカの捕獲数
は 10年前 に 比べ 2焙 に増加 し,イノ シ シは 2.5倍 に膨
れ上が っ て お り,シ カ は年間約20 万頭,イ ノ シ シ は年
問約 25 万頭が捕獲されて い る.被害を受けた農林家の
要請に よ り有害鳥獣捕獲活動の 目数が増加した こ と,全
国各地で狩猟期間の延長等の狩猟規制が緩和され た こ と
に よ り,狩猟者 1入 当た りの 年問捕獲努力量が 全国で著
し く増加して い る こ との表れ と考えられ る.また,シ カ
とイ ノ シ シ の分布域 も,1978年か ら 2003 年の 25年間
に そ れ ぞ れ 18%,9% と拡大 して お り (環境省 自然環境
局生物多様性セ ン ター2004),最近 まで こ れらの 動物が
生息して い なかっ た地域 で も捕獲がなされ る ようになっ
た こ とや,個体数密度の 増加 も影響 して い ると考えられ
る,しか し,この 状態が長 く続くかどうかは疑問で ある.
狩猟者 の 減少 と高齢化はもちろんの こ と,狩猟を取り巻
く様々 な社会情勢が大きく変化して い るからである、特
に 2008 年の銃砲刀剣類所持等取締法 (以下,銃刀法と
記す)改正 に よる猟銃の 規制強化 (警察庁2010)が,
狩猟者に与える影響は計り知れ ない ,
狩猟者の 減少は 日本特有の 現象で は ない .北米や ヨー
ロ ッ パ で広く見られ て お り,その 原因分析や打開策の 提
案が打 ち出されて い る (Aiidersen et al.2010, Applegate
l977,1989, BoxaH et al.1991,Brown et al.1987, Enck et ai,
1993,200e,Heberlein et aL 1991,Heberlein 2007,Respon−
sive Management 2008).特に 北米で は,1980年代か ら
狩猟者の減少 に関する研究が行なわれて おり,狩猟者教
育や 若年層の 狩猟者に 対する キ ャ ン ペ ーン な どが 展開 さ
れ て い る (Responsive Management 2008).とこ ろが,日
本で は狩猟者の 減少要因を調べ た研究は ほ とん ど見られ
な い.狩猟者の 属性に 関す る統計 データ を用 い ,1965
年から2005 年まで の 40年間の 狩猟者の 人ロ動態に関す
6DO,OOO
500,000
400.OOO
oo
叩
30
無臘
姻
牌熱焦
200,000
100.000
0
1923 】92S 1933 1939 1943 194S 1953 t95S I963 196S l973 1978 1983
図 1.狩猟免許種別 に見た 狩猟者登録数の 推移
(財団法入自然環境研究セ ン ター提供の 資料及び環境省発行の 鳥獣関係統計を用い て 著者が 作成)
1988 1993 1998 2003
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る分析 を行な っ た研究 (Ueda et al.2010> と,環境省 の
委託 を受け て 平成 11年度 に大 日本猟友会が実施 した 調
査 (大 日本猟友会 2 00)があ る だけで あ る,後者 は元
狩猟者へ の ア ン ケート調査 をまとめ たもの で あ るが ,熊
本県 を 除く全国 46 都道府県か ら広 くデータ を集め て い
る もの の ,サ ン プ ル 数 が 206 と少 な く概要分析 に と ど
ま っ て い る.
した が っ て,現在の 狩猟者 の 減少要因 につ い て 科学的
に 調 べ られ る こ との な い まま.狩猟者の 減少 ・高齢化 が
進行して お り,放置 さ れ て い るの が 実態で ある.そ こ で
本研究 で は,狩猟免許 を 更新し な か っ た 人 を対象 と した
ア ン ケート調査 に よ り,現在 の 狩猟者 の 減少要因を 調べ ,
そ の 維持政策を導き出す こ と を目的 と した.
本研究 を行な うにあ た り,福島県生活環境部 自然保護
課 の 清野昭彦氏,福島県県中農林事務所企 画 部佐藤洋司
氏,群馬県環境森林部自然環境課 の 坂庭浩之 氏,栃木県
自然保護課の 丸山哲也氏,長野県林務課の 佐藤繁氏,静
岡 県 の 大場孝裕氏,島根県農林水産部森林整備課鳥獣対
策 室 の 公 田 達 男 氏 ,長 崎 県農林部農 政 課鳥獣対策班 の 中
島正孝氏 に は,調査対象者 の 抽出,ア ン ケ ートの 発 送 と
回収 の 労 を執 っ て い た だ い た.独立 行政法人森林総合研
究所北海道支所長 の 川路則友博士 に は,狩猟鳥類 の 現状
につ い て ご 教示 い ただ い た.こ の 場をお借 りして 厚 く御
礼 申 し上げます.また,ア ン ケー
トに ご協力 い た だ い た
元 狩 猟 者 の 皆様 に も,こ の 場 をお 借 りして 感謝 の 意 を 申
し上 げ ます.
方 法
ア ン ケートの 作成 と配布
ア ン ケートの 質問項 目は,大き く分類 して 次の 4 項 囗
と した (付表 1).
未更新者 の 属 性
狩猟対象動物 とそ の 経年変化
狩猟を辞める まで 狩猟 を続けて きた 理由
狩猟 を辞 め た理由
こ の うち に つ い て は,い くつ かの 県 にお い て 狩猟 の
問 題点に つ い て 調 査 し た 先行研究 (原 田 ほ か 2001 ,田
巻 ほ か 1998,上 田 ほ か 2004,上 田 ・神 崎 2006 ) や,大
日本猟友会 (2000)の 調査 な ど を参考 に し,考 え られ る
理由を 17項 目リス トア ッ プ した,そ れ ぞ れ につ い て 「そ
うで ある (5),や や そ うで あ る (4),どち ら と も い え な
い (3),や や そ うで は ない (2),そうで は ない (1)J の
5段階 ス コ ア で 評価 し て もら っ た.
調査 は,2008 年と 2009 年 に 3 年 に 1 度 の 狩猟免許更
新時期 を 迎 え,更新す る こ と なく狩猟 を辞 め て し ま っ た
元狩猟者 (以下,未更新者 と記す) を 対象 に 実施 し た.
ただし,死亡 した者 や 転居 して 宛先が不明 で あ っ た 者 は
除外 した.調査を行 な っ たの は,北海道,宮城県,福島
県,群馬県,栃木県,長 野 県.静 岡県,兵庫県,島根県,
長 崎県 の II道 県 で ,こ の うち福島県,長 野 県,静 岡 県,
兵庫県 の 4 県 は 2008 年 の み 調査 を実施 した.
ア ン ケー
トは,各自治体 の 柤 当者 の 協力を得 て ,担当
部署 の 名前で 依頼文 を添付 し,調査対象者全員 に 切手を
貼 り付けた返信用封筒を同封 して 郵送 した,
設定した仮説 と分析方法
質問項 目 〜 に つ い て は,回答項 目ご と に 集計 し,
集団 の 特徴 を分析 した.質問項 目 の 狩猟 を辞 め た 理由
の 分 析 に 際 し,次 の 仮説を設定 し た.
仮説 1 :狩猟を 辞め た 理 山は,所持 し て い た 狩猟免許
の 種類 に よ っ て 異 な っ て い る.
仮説 2 :狩猟 を辞 め た 理 由は,狩猟対象動物 に よ っ て
異 なっ て い る.
仮説 3 :狩猟を辞 め た 理 由 と狩猟歴 に は 因 果 関係 が あ
る.
仮説 】を設定 した 理 論的背景 は,狩猟方法 に よっ て法
的規制や捕獲で きる 動物が 異 な っ て お り,狩猟方法 は所
持 して い る 狩猟免 許 の 種類 に よ っ て 制 限 さ れ る た め,狩
猟 を辞 め た 理 由 は,所持 して い る狩 猟免許 の 種類 に よ っ
て 差が 生 じ る と推測 で きる こ とで あ る ,ま た,仮説 2 を
設定 した 理論的背景 は ,狩猟対象動物 に よ っ て 捕獲数制
限 や狩猟場所の 条件,グ ル ープ 猟 か 単独猟か とい っ た狩
猟体制 が 異 な っ て お り,これ らが狩猟を辞 め た 理 由 に影
響 を与 え る と推測 で きる こ とで あ る.
仮説 3 を設定 した 理 論的背景 は,Decker et ai.(1991)
が 報告 して い る よ うに,狩猟者 は狩猟歴 に応 じた い くつ
か の 段階 を経 て,狩猟 を生 涯の ラ イ フ ワー
ク に 位置付け
る か ど うか を決断す る こ とか ら,狩猟 を辞 め る 理 由 と狩
猟歴 に は 因果 関係 が あ る と推測で きる こ と で ある .欧米
で は,狩猟 を始 め た ば か りの 若い 狩猟者が 狩猟 を辞 め て
し まう理 由及 び そ の 防止 対策 に 関す る研究が な され て い
る (Andersen et aL 2010, Applegate l989, Decker et al,
1991 .Enck et aL 2000).そ こ で , H 本で も狩猟 を辞 め た
理由 と狩猟歴 の 因果関係が 説明 で きれ ば,狩猟者の 早期
リ タ イ ヤ を防 ぐ対策を提案 で きる ロ∫能性が ある と考 え,
こ の 仮説を検証 した .
狩猟 を辞め た理 由の 分 析 で は,狩猟を辞 め た 理 由 とし
て 「高齢化や 病気」の 項 目 に 5 点 を つ け た 回答者 を 除外
し た.これ は,高齢化 と病気 は い わ ば 自然 減 の 要因 で あ
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り,本研究 の 目的で あ る狩猟者 の 維持政策を導き出すた
め の 対象 と して は不適切 と考えられ る からで あ る.ただ
し,狩猟者が自然減 の 要因で狩猟 を辞 め る 年齢を明 らか
に す る ため,除外 した回 答者 の 平均年齢を算出 した.
また,分析す る狩猟対象動物 は,調査 地 に よ っ て 生 息
して い る動 物 が 異 な るた め,大 型 哺乳 類 を 対象 とす る 大
物 鳥 類 等 を対 象 とす る鳥,小 中型 哺乳類 を 対象 と する
毛皮獣 に 分類 した.狩猟 を辞めた琿由と狩猟対象動物 の
分析 にお い て は,狩猟 を辞 め る 直前の 狩猟対象動物を抽
出した.
平均年齢 平均狩猟歴 の 比較及び 仮説 1 と 2 に お ける
狩猟を辞 め た 理 由の 違 い は,そ れ ぞ れ の 項 目の 平均値 に
つ い て ,Vaskc (2008)に 従 い t検定 を用 い て 分析 し た.
t検定 は,デー
タ が 正 規分布 して い る こ とが 前提条件 と
な る の で ,まず等分散性 の た め の Levene の 検定 を 行 な
い ,等分散性 が仮定 され な い 場合 は Welch の 方法 に よる
t検定 を行な っ た (市原 1990).そ して ,こ うした 差異
や 因果関係 を生 じ させ る 理由 と考 え られ た 17 項 目 の 理
由 ご と に ,そ の 強度 を 平均値 で 検討 した.また,仮 説 3
に つ い て は,狩猟 を辞 め た 理 山 亅7 項 目 を 説明 変 数,狩
猟 歴 を 目的 変 数 と した重 回 帰分析 を行な っ た .無 回答を
除外 して 集計 し,有意水 準 は 5 % と し た.分析 に は
SPSS18 を使用 した.
結 果
表 L 元 網・罠猟免許所持者 と元 第 1種銃 猟免許所持者の 属
性に つ い て
属 性元網・罠猟免詐所持者 元第 1種銃猟免許所持者
n 平均 値 標 準偏差 n 平均 値 標 準偏差
t検定
未 更 新 者 の 属性
ア ン ケートの 配 布 数 は 3,409 通,回 収数 は 1,409 通,
回収率は 41.3% で あ っ た.調査地域 ご との 配布状況等に
つ い て は,付表 2 に示 した通 りで あ る.
未更新者が所持 して い た 狩猟免許の 種類 は,装薬銃 に
関す る 狩猟 免許 で あ る第 1種銃 猟免許 の み が 最 も多 く
(75.1%).つ い で 網 ・罠猟免許の み (14.7 % ),第 1 種
銃 猟 免 許 と網 ・罠猟免許 (6.7% ),空気銃 に 関す る 狩猟
免 許 で あ る 第 2 種 銃 猟免許 の み (3.4 % ) と な っ た ,後
平均年齢 199 61.1 13.0 1e25 67.8 10.2 P < D、Ol平均狩猟歴 168 g.3 g.5 963 36.7 13.l pく 0.0 且
者の 2 カ テ ゴ リーは 少数 で あ っ た の で,結果 を 記述 に と
どめ,分析か らは 除外 した.
網・罠猟免許の み を所持 して い た 未更新者 (以下,元
網・罠猟免許所持者 と記す)の 平均年齢 は 61.1歳 ± 13.0
(SD ) で ,第 1種銃猟免許 の み を所持 して い た 未 更 新
者 (以一ド,元 第 1 種銃猟免許所持者 と記す)(67.8 歳 ±
10.2 (SD )〉と比 較して有意 に若か っ た (t二6,8, P < 0,01)
(表 1).平均狩猟 歴 につ い て み る と,元網・罠猟免許
所持者 (9.3 年 ± 9.5 (SD )) と比較 して,元第 1種銃猟
免許所持者 (36.7 年 ± 13.1 (SD )) の 方が 有意 に長 か っ
た (t≡32.3,P 〈 0,01)(表 1).
未 更 新 者 の うち,狩 猟 を辞 め た 理 由の 「高齢化や 病気」
の 項 目で ,ス コ ア 5 を つ けた 回答者 の 平均年齢 は,73.0
± 8.1 (SD)歳 (n =364)で あっ た.
未更新者 の狩猟対象動物とその 経年変化
狩猟 を始めた頃最も盛iん に 捕獲 して い た動物と,狩猟
を辞 め る直前 まで 最 も盛 ん に 捕 獲 し て い た 動物 に つ い
て,所 持 して い た 狩 猟免 許 の 種類 ご と に 集計 した.元網 ・
罠猟免許所持者 (n =129)が狩猟を始 め た頃最 も盛 ん に
捕獲 し て い た 動物 は,そ の ほ と ん ど が大物 で あ っ た
(82.2%).そ の うちの 96.2% は 狩猟 を辞め る 直前 の 狩
猟対象動物 も大物 で ,狩猟を始めた頃と辞め る前 で は狩
猟対象動物 に ほ とん ど変化が見 られ なか っ た.一方,元
第 1種銃猟免許所持者の 場 合 で は,狩 猟 を始 め た 頃最 も
盛 ん に捕 獲 して い た 動 物 は 鳥 が 最 も 多 く (79.8% ),つ
い で 大物 (ll5 % ),毛皮獣 (8、7% ) で あ っ た (表 2).こ れ らの うち,大物 が 狩猟対象 で あ っ た 元第 1種銃猟免
表 2.元第 1種 銃 猟免 許所持者の 狩猟を始め た 頃 と狩 猟 を辞 め る直前 の 狩猟 対象動 物 の 変 化
狩猟 を 辞め る 直前最 も盛 ん に 捕獲 して い た鳥獣
大 物 鳥 毛皮 獣
回答数 % 回答数 % 回答 数 % 合 計 %
狩猟 を始 め た頃 大 物 81 90,0%
最 も盛 ん に捕 獲 鳥 176 28.2%し て い た 鳥獣 毛皮獣 33 485 %
744016 7.8%70.5%
235%
289
1
2、2%1,3%
27.9%
9062468 115%
79.8%8.7%
合計 290 37.玉% 463592 % 29 3,7% 782 100,0%
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許所持者 につ い て は,狩猟を辞め る 直前 もそ の ほ とん ど
(90,0%)が 大物 を狩猟対象と して お り,経年変化が 見
ら れ な か っ た.鳥に つ い て も 705 % は 引 き続き鳥を対
象 と して お り.大物 に 転向 し た の は 28.2% で あ っ た.一
方,毛皮獣 で は 485 %が 大物 に 転向 して い た (表 2).
未更新者 が 狩猟 を辞め る ま で狩猟 を続け て き た理 由
未更新者 が 狩猟 を辞 め る ま で 狩猟 を続 けて きた 理 由
は,所持 し て い た 狩猟免許の 種類 で 差 が 見 られ た.元網・
罠猟免許所持者 の 81.5 % が狩猟継続理由 と して 「鳥獣被
害 を減 らすた め 」 を挙げて い た が,元 第 1 種銃猟免許所
持 者 で は,「仲 間 との 交 流 」 (51.5% ),「趣 味 と して 面白
い か ら」 (47.1%)が多か っ た (表 3).
狩猟 を辞めた理由
1)仮説 1 の 検証 二 狩猟免許 の 種類別 に見た狩猟 を辞め
た 理 由 (表4)
元 網・罠 猟免 許 所 持 者 と元 第 1種銃 猟 免 許 所 持 者 の 狩
猟 を辞 め た 理 由 17項 目の 平均値 に つ い て,t検定 を実 施
した とこ ろ,17項 目中 10項 目に つ い て 有意差が認 め ら
れ,こ の仮説 は,一部の 要因に お い て 支持される 結果 と
な っ た.また,元 網 ・罠猟免許所持者が狩猟を辞 め た理
由 と して ,比 較的大 きな値 を示 し たの は,「狩猟 に かか
る 経費が 高 い 」(321 ± 1,76 (SD )) で,つ い で 「仕事が
忙 し くて 出猟す る 時間が な い 」(2,41 ± 1.63 (SD))と な っ
た.また,狩猟 を続けて きた 理 由 で 最 も多か っ た 「鳥 獣
被害を減 らす た め 」 に 関連す る,「鳥獣被害が減 り,狩
猟 を や る 必 要 が な くな っ た 」 に つ い て は,1,48± 1,19
(SD )と消極的理 由で あ っ た.
一方,元 第1 種銃猟免許所持者 で は,「猟銃 の 規制強
化」,「狩猟 に かか る 経費が高い 」,「獲物 の 数の 減少⊥ 「狩
猟場所 の 減少」が 比較的大 きな値を示 した (順 に 3.ll±
1.63 (SD ),2.72 ± 1.63 (SD ),2.58 ± 1.65 (SD ),2.49 ±
L67 (SD )).
2)仮説 2 の 検証 : 狩猟対象動物別 に 見 た 狩猟 を辞 め た
理 由 (表5)
元 網 ・罠猟免許所持者 は,そ の ほ とん どが 大物 を狩猟
対象と して い た た め,こ の 仮説 の 検証 は,元 第 1種銃猟
免許所持者 につ い て行な っ た.ま た,狩猟対象動物の う
ち毛皮獣 は 少数 な の で 除外 し.大物 と鳥の 比 較分析を行
な っ た.
大物,鳥共通 して 平均値が 高か っ た の は 「猟銃 の 規制
が 厳 し くな っ た 」 で あ っ た (そ れ ぞ れ 3.05± 1.62 (SD ),
3.09 ± L65 (SD )).大物で は.猟 銃 の 規 制 強 化以 外 に比
較的大 きな 値 を示 した の は,「狩猟 にか か る 経費が高い 」
(2,56 ± 1.61 (SD ))だ けで あ っ た.一方,鳥の 場合 は 「獲
物 の 数が減 っ た 」 (3.13 ± 1.65 (SD )),「狩猟 で きる 場所
が 少 な くな っ た 」 (2.95 ± 1.67 (SD ))「狩猟 に か か る 経
費 が 高 い 」(2.82± L61 (SD)),が 大 き な値 を示 した. t
検定 に よる 有意差が 見 られ た の は,17項 目 中 9項 目で,
「獲 っ た 動物 の 残滓の 処理 が 大変 に なっ た」 以 外 は全 て ,
鳥が大物 に 比べ て 有意 に高か っ た.した が っ て 、この 仮
説 は,一部の 要因に おい て 支持 され る 結果 と なっ た.
3)仮説 3 の 検証 : 狩猟 を辞め た 理由と狩猟歴 の 因果関
係
狩 猟 を辞 め た 理 由 は,狩 猟免許 の 種類 に よ っ て 異 な っ
て い た の で ,元網・罠猟免許所持者,元 第 1種銃猟免許
所持者それ ぞ れ に つ い て,狩猟 歴 と 狩猟 を辞 め た 理 由
17項 目の 重回帰分析 を行 な っ た.
元網・罠猟免許所持者 で は,R2=021 ,自由度調整済
表 3.元網・罠猟免許所持 者 と元 第 1種 銃 猟 免 許所持 者 が 狩猟 を辞 め る ま で 狩 猟を 続けて きた 理
由に つ い て (複数回答)
元 網 ・罠所持 者 (n=173) 元第 1種銃猟 所持者(n=974)狩猟 を続 けて きた理 出
回答 数 % 回答 数 %
仲間との 交流
鳥獣 被害 を減 らす た め
猟 犬 と の一
体 感
趣 味 と して 面白い か ら
自然 との 触 れ 合 い
獲 っ た獲 物 を食 べ るため
銃が 好 きだ か ら
健 康の た め
獲 物 の 大 きさの 記録 更新 の ため
現金 収入 を得 る た め
l13905271524
111
12,1%81.5%
1.7%
ll.o%5.8%
8.7%
1,2%
4.0%
0.6%
2.9%
502264286459353167270356
612
51.5%
27.1%
29.4%
47.1%36,2%
17.1%
27.7%
36.6%
0.6%
12 %
一51一
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Association of Wildlife and Human Society
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Assooiation of WUdlife and Human Sooiety
野生 生物保 護 13 (2),2012
表 4.元 網・罠 猟免許所 持 者 と 元第 1種銃 猟 免許所 持者 の 狩 猟 を辞 めた理 由
狩猟 を辞 め た理 由
元 網・罠猟免許所持者 元第 1種銃猟免許所持者 等 分散性 の た め の
t検 定n 平均値 標準偏差 n 平 均値 標準偏差 Levenc の 検定
高齢化 や 病 気 121
猟 銃 の 規制 強 化 lll
狩猟に よ る 事故へ の 懸念 117
獲物の 数の 減少 120
狩猟仲 間 との 人 間関係の 悪化 II9
捕 獲技 術 が向 上 せ ず、な か なか獲 物 が獲れ ない 119
狩猟 に か か る経 費 が 高 い lig
仕 事が 忙 しい 118
狩猟仲 間 がい な くな っ た ll8
狩猟免 許 の 更新 を失念 した 118
狩猟に対 す る興 味 の 消 失 120
鳥獣被 害が 減 り、狩猟 をや る 必 要 が な くな っ た 117
家 族 か らの 反対 12e
狩猟 に よ る 現金 収 人が な くな っ た 119
狩猟場所の 減少 120
残滓の 処理 が 大 変 118
獲 物 や食糧 と して の 魅 力低.ド H8
62757611000875406262518244894423071111113211
訌
lll121
8516206367295474272816476944107953
101011101
王
玉
王
0011
6H l.99
589 3.ll
591 1.88
592 2.58592 1.28
S93 1.39
594 2.72595 2.05
595 1.95
596 1.32
588 1.98
593 1.40
592 1.65
590 1.14
590 2.49
592 1.75589 1.67
133509340202427
−
3
3636886440492663211110011111010111P< 0.oelP
< 0.001P
< 0.oell)く0.OOIP〈 0,01Pく0.OOIP
く0.05P〈 0.001Pく 0.001P
< O.001
n.S.P く 0.05P
< 0.OlP
〈 0.01P
く0.0011)< 0.Ol
n,s,
P〈 0.001P
< 0.001P
〈 0,001P
く 0.001
n,s.Pく 0.001P
< 0.OlP
< 0.05Pく 0.001P
〈 0.001
n.s.
n,s,
n .s, n ,s.
P〈 0.001
n,s,
n,s,
表 5.狩猟 対象 動物 別 に 見た元 第 1種 銃猟 免 許所持者の 狩猟 を辞め た 理 由
狩猟 を辞め た 理 出大物 鳥
n 平 均値 標準偏差 n 平 均値 標 準偏 差
等分 散性 の た めの
t検定 Levene の 検定
高齢化や 病気 193
猟銃 の 規制 強化 184
狩猟 に よ る 事故 へ の 懸 念 185
獲物 の 数 の 減少 185
狩猟仲間 との 人 間 関係の 悪化 186
捕獲 技術 が 向上 せ ず、な か な か 獲物が 獲 れ ない 184
狩猟 にか か る経 費 が高 い 187
仕事が忙 しい 188
狩猟仲間が い な くな っ た 185
狩猟 免 許 の 更新 を失 念 し た 186
狩猟 に 対す る 興 味 の 消 失 196
鳥獣 被 害が 減り、狩猟をや る 必要が な くな っ た 185
家族 か らの 反対 184
狩猟 に よる現金 収 入が な くなっ た 185
狩猟 場所 の 減少 181
残 滓の 処理 が 大 変 187
獲物 や 食糧 と して の 魅 力低下 185
796686676496055499076225863725
玉
815
1311112111111112125192210590643262363187632037164511111001
−
ll1010111
1736677687276463421111111111
−
1
玉
111
33333333333333333158368231699645010091248112147
且
957
23131122212
−
11211
1225671071610677736367965494036602111100
玉
1101110111
n ,s,
n.s,
n.S.P< 0.001 n .S,P < 0,001
n.S.P < 0.001P< 0.001P< 0.05Pく .001P
く 0.001P
く 0,001
n.S.P< 0,001Pく 0.001P
〈 0.05
n .S.
n.S.
n.S,P 〈 0.001 n.s.
Pく 0.Ol
n.S.P く 0.05P〈 0.OOI
n.S.P < 0.Oli)〈 O.OlP
く .05
n.S.P く O.OOIP< O.OOI
n.S.
一 52一
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Wildl. Cons. Japan 13 (2),2012
表 6,元 第 1種 銃 猟 免 許所 持 者 の 狩 猟 歴 と 狩猟 を辞 め た 理 由
の 重回帰分析結果
狩猟を辞め た 理 由 β 有 意確 率
高齢化 や病気 0.30猟銃 の 規 制強 化 0、04狩猟 に よる事故 へ の 懸 念
一〇.13
獲物 の 数の 減少 O.03狩猟仲 間 との 人間 閨係 の悪 化
一〇.04
捕獲技 術が 向上 せ ず、な か な か 獲物が 獲れ な い 一〇、11狩猟 に か か る経費が 高 い
一〇.且2
仕 $が 忙 しい 一
〇.且0狩猟仲 問がい な くなった 0.10狩猟 免許の 更新 を 失念 した
一〇.08
狩猟 に 対す る興味 の 消 失 0.02鳥 獣被害が減 り、狩猟をや る必要が な くな っ た 0.04家族 か らの 反 対 0.02狩猟 に よる 現金 収入 が な くな っ た OOO
狩猟 場所の 減少 D.15残 滓の 処理が 大変 0.05獲物 や食糧 と して の魅 力低下 一〇.02
P <0.OOI n.s、P く0.el n.s. n .S.P <0.05P
〈 0.05尸く O.05P< 0、05
n.s. n.s. n .s、 n.S. n.s.P <0.001 n.s. n.s.
R Ol8 P< 0、OO1
み の f =O,02,P ≡O.36 と なり,回帰式全体 の 有意性 は
認め られ な か っ た.一一t方,元 第 】種銃猟免許所持者 で は,
7 ≡O.18,調 整 済 み の r2 = 0.15, P〈 0,001 と な り,回 帰
式全体 の 有意性が認め られ,こ の 仮説 は銃猟 に お い て 支
持 さ れ た,理由 ご との 寄与は,「高齢化や 病気」を 除 くと,
「狩猟 に よ る事故へ の 懸念」,「狩猟 にか か る 経費が 高い 」,
「捕獲技術 が 向上せ ず,なかなか獲物が 獲 れ ない 」,「仕
事が 忙 しい 」の 順 で,狩猟歴 に対 し負 の 影響 を及 ぼ し.
「狩猟場所 の 減少 」,「狩 猟 仲 間 が い な くな っ た 」の 順 で ,
正 の 影響 を与 え て い る こ とが 分 か っ た (表 6).
考 察
日本 の 狩猟者 は なぜ狩猟 を辞め るの か ?
狩猟を辞め る理由 は,所持 して い た 狩猟免許 の 種類
元第 1種銃 猟 免 許 所 持 者 に つ い て は,狩猟 を辞 め る 前 の
狩猟対象動物 に よ っ て 異 な っ て い た.
網 ・罠猟 は,銃猟 に比 べ て 体力を 必 要 と しない 狩猟方
法 で あ る に もかか わ らず,元網・罠猟免許所持者の 平均
年齢 は元第 1種銃猟免許所持者 よ りも約7 才若 く,狩猟
経験も 10年以下 と後者の 37 年 に比 べ 浅 い ま ま狩猟を辞
め て い た.彼 らの ほ とん どは,鳥獣被害 を減 らす た め必
要 に 迫 られ て 狩 猟 を始 め た 人 た ちで あ っ た.と こ ろ が ,
鳥獣被害 が 減 り,狩 猟 を や る必 要 が な くなっ た か ら辞 め
て い た わ けで は なか っ た.ま た,捕獲技術 が伴 わ ず,獲
物が思 っ た よ うに 獲 れ ない か ら辞め て い る わ け で もな
か っ た.辞め た理 由の 第 1 は,思 っ た 以 上 に お 金が か か
る こ とで あ り,加 えて 捕獲 し て も被害軽減効果が 十分得
られ る わ け で は な い こ と,仕事を持 つ 身で は ,捕獲活動
に 十分 な時間 を割 くこ とが で き な い こ と を実感 し た 結
果,目的を達成 で きない まま狩猟免許 の 更新 をあ き らめ
たもの と考えられ る .
…
方,元第 1種銃猟免許所持者は,狩猟 に 対 して 多様
な魅力を感 じ,長年狩猟を続けて きた人 た ちで あっ た.
結果,高 齢 化 や 病 気 に よ りい わ ば 狩猟者 と して の 寿命 を
全 う した と考 え られ る 人 も多 くみ られ た.と こ ろ が ,体
は元気で あ るが,早期の リ タ イ ヤ を決意 した 入 も少 なか
らず見 られた.それ に は,狩猟対象動物 を問 わず普遍 的
な要因 と,狩猟対象動物 に よ っ て 異 な る 要因が 影響を与
えて い た.狩猟を辞 め る前 の 狩猟対象 が 大物で あっ た 元
第 1種銃猟免許所持者 につ い て は,狩猟環境の 悪化 の 影
響 は 認 め られ ず,猟 銃 の 規 制 強 化 と狩猟 に か か る 経費の
高 さが 狩猟 を辞 め る 主 な原 因 で あ り,そ れ に加えて 残滓
の 処理問題が若干影響を与えて い る実態が 明 らか と な っ
た.一方,狩猟を辞め る前 の 狩猟対象 が 鳥で あっ た 元第
1 種銃猟免許所持者 は,猟銃 の 規制強化,狩猟 に か か る
経費の 高 さ に加えて,獲物 と狩猟場所 の 減少 とい っ た狩
猟環境 の 悪 化 が 複合的 に 作用 し,狩猟 を辞 め る 原因 と
な っ た こ とが 分 か っ た.
1999年 に 山 梨県 の 狩猟者 に対 し調 査 を 行 な っ た 原 田
ほか (200の に よ る と,狩猟 を行 な ううえ で の 問題 点 と
して,猟銃 に対す る規制 の 厳 しさを 挙げ た 人は,複数 回
答の 設 問 に もか か わ らず全体 の 19% に と ど まっ て い た.
島根県 で 2001 年 に 同様 の 調査 を行 な っ た 上 田 ほ か
(2004)も,猟銃の 規制の 厳 しさは 少数 で あっ た こ と を
報告 して い る,し た が っ て,今 回 の 調 査 に お い て 猟銃 の
規制強化 が 上 位 に選 ば れ て い た の は,近年 の 銃刀 法改 正
に伴 う規制強化 に よ る 影響 と考え られ る,2007 年 12 月,
長崎県佐世保市 で 発生 し た 散弾 銃 乱射事件,2008 年 6
月東京都千代 田 区で 発生 した ダ ガーナイ フ に よ る無差別
殺傷事件等 が 発端 となり,2008 年 12 月 に改正 銃刀法が
公布さ れ た (警察庁 2010).2009 年 1 月 に は刃渡 り 5.5cm
以 上 の 剣 の 所 持 禁 止 に関 す る 規 定が,同 年 6 月に は 銃砲
刀剣類 の 所持 者 に対 す る監 督 の 強 化 に 関 す る 規定 が ,同
年 12月 に は 銃砲刀剣類 の 所持 許 口∫要件 の 厳格化 に 関す
る規定が施行された.特 に 12月に施行され た 規定で は,
所持 に 関す る 欠格事 由の 拡充,3 年に 1度の 猟銃所持許
可 証 の 更新時 に おけ る 射撃教習 の 義務化,75 歳 以 上 の
猟銃所持者 に対する 認知症検査の 義務化,装弾 の 所持 に
関す る規 制 強 化 な どが 盛 り込 まれ (警察庁 2010 ),法改
正 前 か らの 猟銃 所 持 者 に とっ て は,劇的 な法改 正 へ の 対
応を余儀なくされ て い る状況 と な っ て い る.こ の 変化 に
一 53一
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野生 4三物 保 護 13 (2), 2012
対応 し きれ な か っ た 人 が ,リ タ イヤ を 決 意 し た もの と考
え られ る.Ucda et al.(2010)は,1970年代 後半 に銃 刀
法の 規制が強化 され た結果,日本全 国で 狩猟者 が 同時多
発的 に劇的 に減少したこ と を報告 して い る.今回の 法改
正 に つ い て も同 様 に,狩猟者の 激減 を引き起 こ す要因 と
な る こ とが考え られ,今後も注視 して い く必要があ る.
猟銃 に 対す る 規 制 強化 に加え,狩猟対象 が 鳥で あ っ た
元第 1種銃猟免許所持著 につ い て は,狩 猟 環 境 の 悪 化 も
狩猟 を辞 め る 主 要因 とな っ て い た.キ ジ (Phasianus ver −
sicolor ) や ヤ マ ドリ (Syrmatieus soemmerringii )の 個体
数 の 減少 (川 路 ほ か 2004),宅地開発 や 道路網 の 発達 に
伴 っ て.銃 器 を使用 で きな い 特定猟具使用禁止区域 (銃
猟)が 増設 され た こ と等が 原 因 と な り,狩猟を辞 め る決
断を した と考え られ る.大物猟 に つ い て は,シ カ や イ ノ
シ シ の 分布域拡大,個体数増加が 見 られ るだ けで な く,
狩猟期 間 の 延長 や 捕獲制限の 撤廃 な ど,狩猟規制 の 緩 和
が 各地で 実施 され て お り,狩猟環境 は む しろ 好転 し,辞
め る 理 由 に は な らなか っ たもの と考えられ る.
狩猟 にか か る経費に つ い て は,近年狩猟税 の 増税等が
な さ れ た こ とは な く.狩 猟者 に と っ て 日常的な問題 と
なっ て い る 可能性が ある.こ の こ とは,現役狩猟者 の 狩
猟を行なううえ で の 問題 点で も,経費の 高 さが 最 も 多 く
選 ば れ て い た こ と (田 巻ほ か 1998,原 田 ほ か 2001,上
田 ほ か 2004) か らも,うかが い 知 る こ とが で きる.し
か し元第 1種銃猟免許所持者 で は,狩猟を辞 め た理由 と
して 経費 の 高 さの 平均値 は 3 を下 回 っ て い た こ とか ら,
狩 猟を辞 め る 要 因 とい うよ りは む しろ,経費が安 くな る
に こ した こ と は な い とい う心理 が 表 れ て い る可能性 もあ
る.
狩猟 を 辞め た理 由 と狩猟歴 を 元第 1種銃 猟免 許所 持 者
につ い て 検討 したが,こ の 際 狩猟対象動物別 の 検討 で
は明瞭な 違い は認 め られ なか っ たた め,細分せ ずに 扱 っ
た.「狩猟 に よ る事故へ の 懸念⊥ 「狩猟 に かか る 経費が
高 い 」,「捕獲技術が 向上せ ず,なか なか獲物が 獲れな い 1,
「仕事が忙しい 」 と い っ た 要因が,狩猟歴 の 短縮 に影響
を与 え て い る こ とが 分 か っ た、少 しで も長 く狩 猟 に取 り
組 ん で もら うた め に は,こ れ らの 要因の 除去 が 課 題 で あ
る.一方,「狩猟場所 の 減少」と 「狩猟仲間がい な くなっ
た」 に つ い て は,狩猟歴 を延ばす影響 を与えて い る こ と
が分 か っ た.こ れ ら の 要因 は,狩猟 に長 く取 り組 ん で き
た か ら こ そ実感で き る 問題 で は な い だろ うか,こ の こ と
が重 回 帰分析の 結果 に影響 した可 能性 が 考えられ る.
狩猟者の 維持 政 策へ の 提 言
狩猟を辞め る要因に つ い て,高齢化 や病気 とい っ た 自
然減 に 関わ る 要因や,仕事が 忙 しい とい っ た自己の 都合
に よ る 要因に つ い て は 対策の 施 し ようが ない が,い くつ
か の 要因に つ い て は ,行政施策等 に よ っ て そ の 影響を抑
え た り取 り除 い た りす る こ とは 可 能で あ る.そ こ で,狩
猟者 の 減少 を食 い 止 め る方策をい くつ か提案 した い .
第 1 に 猟銃の 規制強化に対する,猟友会組織 と して の
対応力 の 向上 で ある.銃刀法改正 に猟銃 を所持 して い る
全て の 猟友会員が 対 応 で きる よう,組織として の 支援が
必 要 で あ ろ う.また,猟銃所持許可 証 の 更新時 に お け る
射撃教習の 義務化 は ,猟銃所持者 の 減 少 に 更 な る拍 車 を
か け る こ とが 予測 され る (21 世紀 の 狩猟 を考 え る 連 絡
会議 私信).射撃教習 に対応 で きる よ う,猟友会員へ の
射撃 の 奨励を更に 進め る 必 要が あ る.
第 2 に狩猟 に かか る経費問題 の 整理 で あ る.しか し,
単 純 に 経 費負担軽減策を打 ち出す こ と は得策で は な い だ
ろ う.猟 具 の 購入 費用 とそ の 維持管理の 経費,狩猟税等,
捕獲活動 に は そ れ な りの 経費が 生 じる の は 必然 で あ る .
した が っ て ,支 出以 上 に 利益が得ら れ る よ うな仕組み を
作 っ て は ど うだ ろ うか.そ の 手法の 1 つ と して,捕獲 さ
れ た 動物を肉資源 と して 有効活用 し,捕獲者 へ 利 益を還
元す る仕組み を作 る 動 きが活発 に な りつ つ ある.農林水
産 省 (2009) に よれ ば ,北 海道 の エ ゾ シ カ (Cervus nip −
pon yesoensis> は,平成 19年 に は 年間捕獲数 の 15% に
あ た る 11,224 頭 が 食 肉処理 場 で 解体処理 さ れ,徐 々 に
増加傾向 と な っ て お り,島根県美郷町の イ ノ シ シ に つ い
て は,町内で 有害捕獲 され た 個体の 半数以 上 が,肉資源
と して 有効活用 され て い る.成功事例 は ま だ 限 ら れ て い
る こ と,捕獲者へ の 還元程度やそれ に伴 う捕獲意欲の 変
化 な どが 評 価 さ れ て い な い と い っ た 課題 を抱 え て い る
が,狩 猟者 の 維持 に と っ て 今後重要な取 り組み に なる 可
能性 が あ る.
第 3 に鳥類 の 狩猟環境 の 改善で あ る,全国 的な耕作放
棄地の 増加 は,他面か ら見 れ ば キ ジ類 に と っ て新 た な生
息場所を生 み 出 して い る と考 え られ る.山 際 の耕作放棄
地等どうして も減 らせ ない 部分 を鳥獣保護区 と して確保
し.放鳥事業を計画的 に進 め て は ど うだ ろ うか .ヤ マ ド
リの 放 鳥 個 体 の 生存率 を調 べ た Kawaji et al.(2009)は ,
生 存率 を 高め る条件と して,放鳥場所 と し て 捕食者 の 多
い 場所 を 避け る こ と,放鳥時期を夏 に す る こ と,放鳥場
所 と して 可猟区域 や そ の 付 近 を避ける こ とを指摘 して い
る.キジ 類の 放鳥 を行なううえで は,こうい っ た放鳥個
体の 生存 を阻害す る要因を調べ ,成功率 の 高い 放烏事業
を検討 す る必 要 もあ る だ ろ う.カ モ 類 の 狩猟 に お い て は.
道 路 網 の 整 備 に よ り河 川 で の 銃 猟 が 禁止 さ れ て い る 場所
も増えて い る と考 え られ る の で,小規模な池 や 堤 な どの
一 54一
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Wildl, Cons , Japan l 3 (2),2012
狩 猟 場 所 を マ ッ プ化 し,狩猟場所 の 情報 と して 提供 して
は ど うだ ろ うか.シ カや イ ノ シ シが ま だ あ ま り生息 して
い ない 地域 で は,鳥類の 狩猟環境 の 向上 は 緊急課題 で あ
る.さ もない と,シ カ や イノ シ シ が分布域 を拡大 させ,
個体数が 増加 し,深刻な農林業被害 を出 し始 め た 頃 に は,
現在 の 狩猟者 が 引退 して しまっ た後 の 袒 い 手を,新 た に
確保す る と こ ろか ら始め なけれ ばならない .
第 4 に 鳥猟 か ら大物猟へ の 転向 の 促 進 で あ る.狩猟対
象動物の 経年変化 を 見 る と,狩猟 を辞 め ざ る を得 な い ほ
ど狩猟環境 の 悪化 が 見られて い る に もかか わ らず,また
調査 地 の い ずれ に お い て も大物が生息して い る に もか か
わ らず,元 1種銃猟免許所持者で 狩猟 を始め た頃の 狩猟
対象が 鳥 で あ っ た 人 の うち,大物 に転向 し た 人は 3 割弱
に と ど まっ て い た.こ の こ とは,狩猟者に は狩猟対象に
こ だ わ りを持ち続け る 者 や,狩猟対象 を変 え た くて も変
え られ な い 者が い る こ と を示唆 し て い る もの と思 わ れ
る.した が っ て.鳥猟が 主流 の 地域 に お い て,シ カ や イ
ノ シ シ の 有害鳥獣捕獲 の 必 要性が 生 じた際 大物猟 の 講
習会や 大物 を対象 と した有害鳥獣捕獲 へ の 参加 の 呼び掛
け に よ り,狩猟対象 の 転向 を促す政策が 重要 とな る で あ
ろ う、例 えば,兵庫県豊岡市 と県境 で 接 して い る 京都府
丹後地域 で は,シ カ,イ ノ シ シ に よ る農業被害が 深刻化
して い る が,同地域 に住 む 狩猟者 の 多くは 鳥を狩猟対象
と して い た.と こ ろ が ,大物猟が 中心 の 兵庫県豊 岡市 の
有害鳥獣捕獲班 と合同で ,県境域 の シ カ ・イ ノ シ シ の 有
害捕獲活動を定期的 に 実施 した結果,大物猟へ の 参加者
が 増 加 した とい う事例 もあ る (京都府丹後広 域 振興局
私 信 ).ま た,大物猟へ の 転 向を促進す る た め に は,大
物猟専用 の 猟犬や 猟銃 に対する経費補助 も重要で あ る.
北海道 の よ うに.止 まっ て い るエ ゾシ カ を遠方 よ り 射
獲す る狩猟方法が一
般的で ある場合,散弾銃 で は正確な
射撃が 難 し く.ラ イ フ ル 銃 に比べ て 捕獲成功率が 半分 近
く落ちる こ とが知 られて い る (伊吾田 2010).そ の た め,
エ ゾ シ カ猟 に 散弾銃 を使用す る 場合 は ,銃身の 半分 に ラ
イ フ リ ン グ が 切 っ て あ るサ ボ ッ ト銃身を 別途購人す る等
の 経費負担 が 生 じ る.散弾銃 を 10年所持 し なけ れ ば ラ
イ フ ル 銃 を所持 で きな い と い う銃 刀 法の 規制が あ る た
め,こ うい っ た経費を補助す る 制度 が で きれ ば 狩猟を
始 め た ばか りの 初心者が,積極的 に大物猟 へ 参画 しや す
い 環境を整備で きる と考えられ る.
第 5 に 狩 猟 初 心 者 を教 育 ・育成す る シ ス テ ム の 構築 で
あ る.元 第 1種 銃 猟 免許所持者 に お い て ,「狩猟 の 事故
に 対す る 懸念」.「捕獲技術 が向上 せ ず,なか なか 獲物 が
獲れない 」 と い っ た 理由は,狩猟経験 が 浅 い まま辞 め て
し まう要因 と して 因果関係 が 認め られ た.ア メ リ カ合衆
国で は,一定年齢以 下 の 狩猟者 は,連邦法 に よ り狩猟者
教育 プ ロ グ ラ ム を受講す る こ とが 義務付け られ て お り,
そ の 中で 安全な銃器 の 使用,狩猟者 の 責務等 を重 点的 に,
約 3 日 間 か け て 指導 が 行なわ れ る (上 田 2010a).ま た,
ベ テ ラ ン の 狩猟者と初心者が 交流 し,技術指導を行 なう
プ ロ グ ラ ム も行な わ れ て お り,狩猟初心者 の 狩猟離れを
防 ぐ対策が 取 ら れ て い る (上 田 2010a).日 本 で は,狩
猟初心者 の 教育や 育成が シ ス テ ム と して 行な わ れ て い る
の は,平成 16 年度か ら北海道西興部村猟区で 行な わ れ
て い る新人 ハ ン ターセ ミ ナー (上 田 ほ か 2007) と,兵
庫県但馬県民局 が 平成 21年度 か ら 実施 し て い る 鳥獣害
対 策 マ イ ス タ ー育 成 ス ク ー ル (上 田 2009b,上 田
2010b ) くらい で あ る.ベ テ ラ ン の 狩猟者が 蓄積 して き
た狩猟 に 関す る あらゆ る情報 や技術 を効率的 に 引 き継 ぐ
た め に も,狩 猟初心者の 狩猟離 れ を防 ぐた め に も,狩猟
に関す る 法令 の 遵 守 や マ ナーの 向上 な ど,狩猟者 と して
の 責務を学 び.狩猟者の 社会的 地位を向上 させ る た め に
も,全国で 狩猟初心者の 教育 や 育成 に,行政 や 猟友会 が
組織 と して 取 り組 む こ とが 重 要で あ る.
狩猟 の 実態は,狩猟鳥獣 の 生 息状況,気候条件,狩猟
文化とい っ た点 で,地域 に よっ て 多種多様 で あ る.農林
業被害発 生 時や 市街 地 出没 時 に 狩 猟者 に期待 され る 役割
も,被害の 程度や 質 に よ り地 域 に よ っ て 異 な っ て い る と
考えられ る.今後,狩猟者 の 維持政 策 を よ り実 効性 の あ
る もの にす る た め に は,都 道 府県 レ ベ ル で の 狩猟 の 実態
と狩猟者の 意識 に 関す る調 査 を行 な い ,政 策 を検討す る
必要 が あ る だ ろ う.
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付表 1,ア ン ケートの 質問項 目 と 回答方式
質問項 目 (大 分類 ) 質 問項 目(小 分類 ) 回 答方式
属性 狩 猟免 許 の 種類
年齢
狩 猟歴
複数 回 答式
自由回答 式
自由回 答 式
狩猟対象動物 狩猟を始 め た頃 の 狩猟 対象 動物
狩猟 を 辞 め る 直前の 狩 猟対 象動 物
単一
回答式
単一
回答式
狩 猟継 続理 由 狩猟継 続 理 由 複 数 回答 式
狩猟を辞め た理 由 狩猟 を辞 め た 理 由 (17 項 目> 5 ス コ ァ 方式
高齢化や病 気
猟 銃 の 規制 強化
狩 猟 に よ る 事故へ の 懸念
獲物の 数 の 減 少
狩猟仲間 との 人 間関係 の 悪 化
捕 獲技 術 が 向上 せ ず、な か な か 獲物が 獲 れ ない
狩猟に か か る 経費 が高 い
仕 事が忙 しい
狩猟仲 間が い な くな っ た
狩猟免許の 更新を失念 した
狩猟 に 対 す る 興 味の 消失
鳥獣 被害 が減 り、狩猟 をや る 必要が な くなっ た
家族 か らの 反対
狩猟に よ る現金 収入が な くなっ た
狩猟 場所 の 減少
残滓の 処理 が大 変
獲物 や 食糧 と して の 魅 力低下
付 表 2.調 査 地域 ご との ア ン ケートの 配布 数
回収率 に つ い て
回収 数
道県 名 調 査年 配布数 回収数 同収率
北海 道 89000022 93751∩ソ
87rO乙.
3
38.0%36、4%
宮城 県90
∩フ
DOOO22 0225
3
73
6
1
35.0%
46,3%
福 島県 2008 82 2530 .5%
栃 木県 89000022 924.0
5
ごり
0
且
2
2
32.7%43.8%
群馬県 89000G22 01043
4
rOl10
2
40.0%46,1%
長 野県 2008 63 3149 .2%
静岡県 2008 71 3346 .5%
兵庫県 2008 82 3643 .9%
島根県90Q
/000022 78∩
ソ
3
1
055厂0515
%
47.1%
長 崎県 89000022 691212 4T74.837
.9%38,0%
計 3,4091 ,40941 .3%
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