ミオ 子 安全読本 - Shizuoka Prefecture子 ども 安全読本 ミオ ちゃんの...
Transcript of ミオ 子 安全読本 - Shizuoka Prefecture子 ども 安全読本 ミオ ちゃんの...
子ども安全読本
ミオちゃんのお
るすばん
目
次
もく
じ
一
でんわ
一ページ
いち
二
にもつをとどけにきたおじさん
五ページ
ご
三
ミオちゃんをまもれ!
九ページ
きゅう
四
おじいさんとおばあさん
十七ページ
じゅうなな
は
じ
め
に
このおはなしは、ミオちゃんという女の子が、おうちでひとりでおる
おんな
こ
すばんをしているときにわるいおじさんがたずねてきて、つれていかれ
そうになってしまうというおはなしです。でも、だいじょうぶ!ミオ
、
、
。
ちゃんは
子ねこたちと力を合わせて
わるいおじさんをやっつけます
こ
ちから
あ
このおはなしをよんで、
◆
ミオちゃんが、どうしてわるいおじさんにつれていかれそう
になってしまったのか
◆
ミオちゃんが、もしあなただったらどうしたか
◆
おうちでひとりでおるすばんをするときには、どんなことに
気をつけたらよいか
き
などについて、かんがえてみましょう。
- 1 -
一
でんわ
※
気づいたことをかい
き
てみましょう。
ミオちゃんは、小学校の一年生です。きょうも、
しょうがっこう
いちねんせい
おともだちのサキちゃんとタツヤくんと三人で、なか
さんにん
よく学校からかえってきました。ミオちゃんがおうち
がっこう
につくと、おかあさんはおかいものに出かけました。
で
おかあさんは出かけるとき、「でんわがなっても
で
すぐに出てはだめよ。るすば
で
んでんわにしておくからね。
あいての声をきいてみて、
こえ
しらない人だったらぜったい
ひと
に出てはだめよ。それとだれ
で
かがたずねてきても、すぐに
げんかんのとびらをあけては
だめよ。とびらには、のぞき
- 2 -
まどがついているでしょう?だれかがたずねてきた
、
、
。
ら
まず
のぞきまどからあいてのかおを見てみるの
み
しらない人だったら、ぜったいにとびらをあけては
ひと
だめよ。わるい人かもしれないからね
」とミオちゃ
。
ひと
んにいいました。ミオちゃんは「うん。」と大きく
おお
うなづきました。
そんなわけで、ミオちゃん
は今、ひとりでおるすばんで
いま
す。でも、さみしくなんか
ありません。ミオちゃんの
おうちには、白い子ねこが
しろ
こ
二ひきとちゃ色の子ねこが
に
ちゃ
こ
一ぴきいるからです。白い子
いっ
しろ
こ
ねこはテンちゃんとチョビ、
ちゃ色の子ねこはチャチャと
いろ
- 3 -
いいます。テンちゃんは、あたまのてっぺんに灰色の
はいいろ
毛がちょっとだけまじっているのでテンちゃんです。
けチョビは、おはなの下がちょびひげのようにくろいの
した
でチョビです。チャチャは体ぜんたいがちゃ色なの
からだ
いろ
でチャチャです。ミオちゃんは今、すわって絵本をよ
いま
えほん
んでいます。ミオちゃんのひざの上にはテンちゃんが
うえ
まるくなってねています。
チョビとチャチャは、ミオ
ちゃんのまわりを走りまわ
はし
ってあそんでいます。
プルルルルー。しばらく。
するとでんわがなりました
おかあさんが、出かけると
で
きにるすばんでんわにして
おいてくれたので、ミオ
- 4 -
ちゃんは、おかあさんにいわれたとおり、すぐには
でんわに出ませんでした。そのうち、るすばんでんわ
で
、「
、
から
おにもつをおとどけにうかがいたいのですが
どなたかいらっしゃいますか?」と男の人の声がき
おとこ
ひと
こえ
こえてきました。ミオちゃんは、おにもつをとどけて
くれるおじさんだとおもい、でんわに出ることにしま
で
した。「もしもし。」ミオ
ちゃんがでんわに出ると
お、「
で
うちの人はいませんか?」
とおじさんがやさしい声で
こえ
きいてきました。「はい、
おかあさんはおかいものに
いっておるすです。」とミオ
ちゃんがこたえました。
するとおじさんが「それ
- 5 -
じゃあ今、おじょうちゃんがひとりでおるすばんを
いま
」
。
「
。」
しているの?
とききました
ミオちゃんが
はい
とこたえると、おじさんは、「えらいね。ひとりで
おるすばんができるんだね
」とほめてくれました。
。
二
にもつをとどけにきたおじさん
しばらくすると、げんかん
のベルがピンポーンと一かい
いっ
なりました。だれかがたずね
てきたようです。ミオちゃん
は、おかあさんから
「だれか
、
がたずねてきたら、まず、
のぞきまどからあいてのかお
を見てみるのよ
」といわれて
。
み
- 6 -
いたことをおもいだしました
「のぞきまど、のぞき
。
まど……
」ミオちゃんは、そういいながらげんかん
。
のところまでいきました。でも、のぞきまどのいちが
、
。
、
たかいので
のぞくことができません
ミオちゃんは
せのびをしてみました。でも、やっぱりのぞくことが
できません。ピンポーン、ピンポーン。げんかんの
ベルがこんどは二かいなりました。ミオちゃんは、
に
おへやの中からおいすをもっ
なか
てきて、のぞきまどの下に
した
おきました。ピンポーン、
ピンポーン、ピンポーン。
げんかんのベルが、こんどは三さ
ん
かいなりました。ミオちゃん
は、おいすの上にのぼりまし
た。こんどはだいじょうぶで
- 7 -
す。ミオちゃんは、のぞきまどにそっとかおをちかづ
、
。
、
けて
だれがたずねてきたのか見てみました
すると
み
げんかんのまえには、青いぼうしをかぶり、青い
あお
あお
ふくをきて、はこのようなものをもったおじさんが
立っていました。おじさんは、げんかんのとびらに
たかおをちかづけました。そして
「こんにちわ、さっ
、
きでんわしたおじさんだよ。
おじょうちゃん、おるすばん
してるんでしょう?おにもつ
をとどけにきたんだ。あけて
くれないかな?」といいまし
た。ミオちゃんは、さっきの
でんわのおじさんだ、わたし
をほめてくれたおじさんだ、
おにもつをとどけにきてくれ
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たんだとおもってあんしんしました。ミオちゃんは、
「はあい
」とおへんじをしてげんかんのカギをあけ
。
ました。ガチャッと音がして、げんかんのとびらが
おと
ひらきました。おじさんが、ニコニコとやさしそうに
目をほそめながらわらいました。
め
- 9 -
三
ミオちゃんをまもれ!
「おかあさんは、まだかえってこないの?」と
おじさんがききました。ミオちゃんが「はい。」と
こたえました。おじさんは
「ひとりでおるすばんが
、
できてえらいね
」といいながらおうちの中にはいっ
。
なか
てくると、ミオちゃんの
かおをじっとみながらげん。
かんのとびらをしめました
そして、ミオちゃんにこう
いいました
「おじさんね、
。
まだたくさんのおにもつが
あってね、ひとりじゃあ
はこびきれないんだ。
おじょうちゃん、おにもつ
- 10 -
をはこぶのをてつだってくれないかな。てつだってく
れたら、ごほうびに絵本をかってあげるから
」ミオ
。
えほん
ちゃんは、わたしのことをほめてくれたし、やさしそ
うなおじさんだから、おてつだいしてあげようかなと
おもいました。でも、おかあさんがかえってきて、
わたしがいなかったらきっとしんぱいするにちがい
ないともおもいました。
ミオちゃんは
「おじさん、
、
ごめんなさい。わたし、
おるすばんをしていなく
ちゃいけないの
」といいま
。
。
、
、
した
すると
おじさんが
「おにもつをはこぶのは、
すぐおわるから。おかあ
、
さんがかえってくるまえに
- 11 -
おじさんがおじょうちゃんをおうちまでおくってきて
あげるから
」といいました
「でも……
」ミオちゃ
。
。
。
んは、どうして
よいのかわから
ず、こまってし
まいました
「お
。
じょうちゃん、
おねがいだよ。
おじさんもこま
っているんだ。
おてつだいして
よ
」とおじさん
。がいいました。
「
お
じ
さ
ん
、
ごめんなさい。
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わたし、やっぱりおるすばんをしてる
」とミオちゃ
。
んがこたえました。おじさんが
「そう……、しかた
、
がないね。それ
じゃあ、おかあ
さんがかえって
き
た
ら
、
この
おにもつをおか
あさんにわたし
て
」といいなが
。ら、ミオちゃん
の目のまえに、
め
は
こ
の
よ
う
な
ものをさしだし
て
き
ま
し
た
。
ミオちゃんは、
- 13 -
「はい
」とおへんじをして、おじさんがさしだした
。
はこのようなものをうけとろうとしました。そのとき
です。おじさんが、いきなりつよい力でミオちゃん
ちから
のうでをひっぱり、ミオちゃんをうしろからはがいじ
めにして口をふさいできたのです。あっというまの
くち
できごとでした。ミオちゃんはおもいました
「この
。
おじさんは、おにもつを
はこんできてくれるおじさ
んなんかじゃない。わるい
おじさんなんだ。どうしよ
う、このままじゃあつれて
いかれちゃう……。」ミオ
ちゃんは、大ごえで「たす
おお
けてー!」とさけぼうとし
ました。でも、おじさんが
- 14 -
つよい力でミオちゃんの口をふさいでいるので、
くち
「うー、うー
」としかこえがだせません。ミオちゃ
。
んは、手と足をバタバタさせておじさんからにげよう
て
あし
としました。でも、
おじさんの力がつ
ちから
よいので、どうにも
なりません。いつの
まにかテンちゃんと
チョビとチャチャが
ミオちゃんの足もと
あし
にきて
「ふー!ふ
、
ー!」といいながら
おじさんのかおを
にらみつけていま
す。テンちゃんは、
- 15 -
チョビとチャチャのほうをふりかえると「にゃーん!
にゃーん!」と二かい大きなこえでなきました。テン
に
ちゃんは、チョビとチャチャに「ミオちゃんをまも
れ!」とさけんだのです。テンちゃんが、おじさんの
右足にかみつきました。チョビは、おじさんの左足に
みぎあし
ひだりあし
かみつきました。ミオちゃんも勇気をだして、口を
ゆうき
くち
ふさいでいるおじさんの手て
におもいきりかみつきまし
た。おじさんは
「あいたた
、
たー!」とさけんでミオ
ちゃんをはなしたあと、
げんかんにしりもちをつき
ました。ミオちゃんが、大お
お
きなこえで「たすけてー」
とさけびました。チャチャ
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はおじさんのかおの上にとびのり、おじさんのかおを
うえ
なんどもひっかきました。おじさんは、また「あいた
たたー!」とさけぶと、げんかんのとびらをあけて、
あわててにげていき
ました。ミオちゃん
は、ほっとして、
きゅうに体の力が
からだ
ちから
。
ぬけてしまいました
でも、まだこわくて
こわくてたまりませ
ん。「えーん。」と
なきだしてしまいま
した。
- 17 -
四
おじいさんとおばあさん
ミオちゃんは、今あったできごとをはやくおかあさ
いま
んにはなさなければとおもいました。でも、おかあさ
、
。
、
んは
まだおかいものからかえってきません
そうだ
おじいさんとおばあさんにはなそう……、ミオちゃん
はそうおもいました。ミオちゃんのおうちのとなりに
は、ミオちゃんと三びきの子ね
さん
こ
こたちをかわいがってくれる
やさしいおじいさんとおばあさ
んがすんでいます。ミオちゃん
は、このおじいさんとおばあさ
んに今あったできごとをはなす
いま
ことにしたのです。テンちゃん
とチョビとチャチャもミオちゃ
- 18 -
んのあとをついていきました。おじいさんとおばあさ
んは、えんがわになかよくならんで、ひなたぼっこを
していました。「おじいさん、おばあさん……。」
ミオちゃんは、そこまでいうと、また「えーん
」と
。
なき出してしまいました
「おやおや、ミオちゃんど
。
」
。
うしたんだい?
とおばあさんがやさしくききました
「ミオちゃん、こっちにおいで。」とおじいさんが
やさしくいいました。おじいさ
んは、ミオちゃんをよこにすわ
らせると、ミオちゃんのあたま
をそっとなでながら
「なにか
、
あったのかい?だいじょうぶだ
からおじいちゃんとおばあちゃ
んにはなしてごらん
」とやさ
。
。
、
しくいいました
ミオちゃんは
- 19 -
わるいおじさんがおうちにやってきて、こわいめに
あったこと、わるいおじさんの手にかみついてたすか
て
ったことなどをおじいさんとおばあさんにはなしまし
た。おじいさんは、ミオちゃんのはなしをききおわる
と、すぐにけいさつに110ばんつうほうしてくれま
ひゃくとお
した。そして
「ミオちゃん、これからは、ひとりで
、
おるすばんをするのがこわかったら、おじいちゃんの
おうちにおいで。おじいちゃん
とおばあちゃんは、いつでも
おうちにいるからね
」といっ
。
てくれました。それをきいて、
ミオちゃんはやっとげんきに
なりました。そして
「はい。
、
おじいさん、おばあさんありが
とう。」とニッコリわらって
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こたえました。テンちゃんは、ミオちゃんのひざの上
で、あんしんしたようにミオちゃんのかおをみあげて
います。チョビとチャチャは、げんきにおにわを走り
はし
まわっています
「ミオちゃんがおばあちゃんのおう
。
ちにくるときは、テンちゃんとチョビとチャチャも
いっしょにつれておいで
」と、おばあさんがニッコ
。
リわらってミオちゃんにいいました。「はい。」と
ミオちゃんがげんきにこたえました
「にゃーん
」
。
。
三匹の子ねこ
さんびき
たちが、うれ
しそうに声を
そろえてなき
ました。
お
わ
り
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作成
平成十八年五月
画課
静岡県警察本部生活安全企
(注)この子ども安全読本は、県警ホームページの「子ども安全情報」のコーナーから
出力することができます。