取扱説明書(本体機能編) - Toshiba6E8C4121 v 4. 装置使用上の注意 危険 注意 K...
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ご注意
1. 本書に掲載してある技術情報は、製品の代表的動作・応用を説明するためのもので、その使用に際して当社および第三者の知的財産権その他の権利に対する保証または実施権の許諾を行うものではありません。
2. 本書の内容の一部または全部を無断で転載することは禁止されています。3. 本書の内容については、お断りなく変更することがあります。4. 本書の内容については万全を期しておりますが、万一不可解な点や、誤り、お気づきの点がございましたら、ご一報くださいますようお願いいたします。
PROSEC、TOSLINE、TOSDICは、株式会社 東芝の登録商標または商標です。IBMは、International Business Machines Corporationの登録商標です。Microsoft, Windows and Windows NT は、米国Microsoft Corporationの米国および他の国における登録商標です。
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安全上のご注意製品および取扱説明書には、お使いになる方や他の人への危害と財産の損害を未然に防ぎ、製品を安全に
正しくお使いいただくために、重要な内容を記載しています。
次の内容(表示・図記号)をよく理解してから本文をお読みになり、記載事項をお守りください。
●表示の説明
(注) 1. 重傷とは、失明、ケガ、ヤケド(高温・低温)、感電、骨折、中毒などで後遺症が残るもの、および治療に入院や長期の通院を要するものを指す。
2. 傷害とは、治療に入院や長期の通院を要さない、ケガ、ヤケド、感電などを指す。
3. 物的損害とは、財産・資材の破損にかかわる拡大損害を指す。
●図記号の説明
(注) 本体表示に合わせて、禁止、強制、注意の説明内容が変わります。
危険 取り扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、死亡または重傷を受ける可能性が想定される場合。
注意 取り扱いを誤った場合に、危険な状況が起こりえて、中程度の傷害や軽傷を受ける可能性が想定される場合、および物的損害のみの発生が想定される場合。
禁止(してはいけないこと)を示します。具体的な禁止内容は、○の中や近くに絵や文章で示します。
強制(必ずすること)を示します。具体的な強制内容は、●の中や近くに絵や文章で示します。
注意を示します。具体的な注意内容は、△の中や近くに絵や文章で示します。
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【model 2000本体の警告マークについて】
(1) 電源が入った状態で電源モジュールの電源入力端子に触れると感電し、たいへん危険です。電源入力端子には触れないでください。
(2) 安全のため、配線時や保守・点検のときには必ず電源を切ってください。
(3) 故障や破壊の原因となりますので、電源入力端子には正しく配線し、規定電圧範囲を超えた電圧を印加しないでください。
(4) ツールポートのコネクタ接続は、ツール(パソコン等)側の電源を切った状態で行ってください。接続後、ツール側の電源を投入してください。
また、コネクタのピン間をコネクタカバー等でショートさせないようにしてください。
【本文中でのマークについて】
1. 本体警告表示ラベルの確認
本体警告表示ラベルが貼付けられていることをご確認ください。
もし、ラベルが紛失していたり、汚損により見にくいときは、当社サービス部門へご連絡ください。
このマークは危険箇所の警告マークです。本体で感電の恐れのある場所や誤配線などによ
り本体を破壊する恐れのある場所に貼り付けてあります。
このマークのある場所には次のことに注意してください。
【警告シールについて】
model 2000の電源端子部に、左図の警告シールが取り付けられてい
ます。
(24V以下の電源は除く)
シールを台紙からはがして、model 2000本体または model 2000の
近くの見やすい場所に貼ってください。
シールには和文と英文がありますので、必要に応じて使い分けてく
ださい。
なお、配線時にはシール台紙を取り除いてください。
万一、シールの破損などがありましたら、販売店までご連絡くださ
い。
補足
このワクは本書の中で必ず読んでいただきたい箇所についています。
model 2000 の取扱い方や操作方法などで特に注意していただきたいことが書かれています。必ずお読
みください。
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ii S2T取扱説明書(本体機能編)
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2. 設置時における安全上の注意
危険
注意
強 制
装置は必ず接地をしてください。
感電や火災の原因となります。
強 制
次の環境での設置および保管は避けてくださ
い。
• じんあいの多い場所• 腐食性ガス(SO2、H2S)、可燃性ガスの発生する場所
• 許容値を超える振動、衝撃のある場所• 急激な温度変化により結露するような場所• 設置条件から外れる低温または高温• 設置条件から外れる高湿度• 直射日光の当たる場所• 強い電波や磁界を発生する機器の近く
強 制
装置は、保守・点検の容易な場所に設置して
ください。
故障時の復旧に支障が出て、大きな事故に発
展する恐れがあります。
禁 止
装置に設けられている通風口、吸排気口はふ
さがないでください。
過熱などにより火災や故障の原因となりま
す。
システムの据付・配線時に、本書に記載され
ている設置条件を守らない場合、本来の性能
が満たせないだけでなく機器の誤動作や故障
の原因になります。
指定方向の取付け、また取付け方法に不備が
ありますと、落下、火災、交渉、誤動作の原
因となることがあります。
強 制
モジュールやユニットに電線くずなどの異物
が入ることのないようにしてください。
火災、故障、誤動作の原因となることがあり
ます。
強 制
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3. 配線時における安全上の注意
危険
注意
強 制
ケーブルの配線は必ず電源を切った状態で
行ってください。
感電による事故や装置の故障の原因となりま
す。
強 制
モジュールの配線は、サヤ付きの圧着端子を
用いるか、テープで被覆するなどして、導電
部分が露出しないようにしてください。
また、端子台カバーは脱落、破損のないよう
に取扱い、配線終了時には端子台カバーを端
子台に確実に取付けてください。
導電部が露出していると感電の恐れがありま
す。
強 制
定格にあった外部電源を接続してください。
定格と異なった外部電源を接続すると爆発、火
災の恐れがあります。
強 制
配線作業は、資格のある専門家が行ってくださ
い。
配線を誤ると火災、故障、感電の恐れがありま
す。
iv S2T取扱説明書(本体機能編)
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4. 装置使用上の注意
危険
注意
強 制
非常停止回路、インターロック回路などは
model 2000の外部で構成してください。model 2000に故障、誤動作が生じた場合、人身事故に到る危険性があります。また、機械
の破損をまねく恐れがあります。
強 制
通電中はモジュール、ユニットの端子台カ
バーを必ず付けた状態で使用し、端子には絶
対触らないでください。
感電の恐れがあります。
電源モジュール、CPUモジュール、I/Oモジュール、ユニット増設モジュールは model 2000専用ですので、必ず model 2000用ベースユニットに取付けて使用してください。単独での使用
及び他の用途への使用はおやめください。
感電、ケガの恐れがあり、また故障の原因とな
ります。
禁 止
強 制
モジュールのベースユニットへの装着は、カ
チッと音がするまで押し込み、ネジでベースユ
ニットにしっかり固定してください。
装着が不十分ですと、振動などにより故障、誤
動作の原因となります。
強 制
運転中のプログラム変更、強制出力、RUN(運転)、HALT(停止)などの操作は十分安全を確認して行ってください。
操作ミスや安全確認の怠りにより、機械の破損
や事故が起こる恐れがあります。
強 制
取扱説明書に記載のサンプルプログラムは、お
客様にて動作確認を行った後使用してくださ
い。
誤動作による事故を防ぐために、運用前に十分
確認を行ってください。
強 制
リレーモジュールには過負荷保護のため、電流
容量に合ったヒューズを外部回路に必ず取付
けてください。
負荷短絡などにより機械の破損や事故の恐れ
があります。
強 制
model 2000 の動作設定スイッチは、指定された設定方法および設定内容を設定してくださ
い。
指定外のスイッチ設定は故障、誤動作の原因と
なります。
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5. 保守点検時における安全上の注意
危険
煙が出ている、異臭がするなどの異常状態のま
ま使用しないでください。火災や感電の原因と
なります。このような場合は直ちに全ての電源
を切り、支社店(販売店)またはサービス代理
店に連絡してください。
お客様による改造、修理は大変危険ですので絶
対に行わないでください。
禁 止強 制
電源は次の順序で投入するように外部回路を
構成してください。
model 2000本体の電源投入 → I/Oモジュールと外部負荷電源投入この順序が守られていない場合、誤動作により
機械の破損や事故の恐れがあります。
強 制
I/Oモジュールへ供給する外部電源はできるだけ負荷電源と共用してください。これができな
い場合は、外部電源と負荷電源が同時に切断さ
れるシステムを構成してください。
システムの安全上、必ず負荷電源を model2000 本体よりも先に切断するようにしてください。この順序が守られていない場合、機械の
破損や事故の恐れがあります。
強 制
配線後、モジュール、ユニット、端子台、配
線ケーブルを着脱するときは、必ず外部電源
が切れていることを確認してください。
モジュールの外部端子台裏面にも電極が現
れ、感電の恐れがあります。
model 2000 本体及びモジュールのハードウェアの分解、改造、及び OS等のソフトウェアの改造は絶対に行わないでください。
故障、誤動作により火災、感電、ケガの恐れが
あります。
禁 止
バッテリの +、-の逆接続、充電、分解、過熱、火中投下、ショートは絶対に行わないでくださ
い。
爆発、発火の恐れがあります。
禁 止
vi S2T取扱説明書(本体機能編)
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注意
装置やモジュールを落としたり、ぶつけたり、
また、これらに強いショックを与えないでくだ
さい。
故障の原因となります。
禁 止
強 制
装置、モジュールに触れる前には、接地された
金属に触れて人体に帯電している静電気を放
電させてください。
静電気により、装置の誤動作や故障の原因とな
ります。
強 制
ユニットから取り外したやモジュールは、接地
された机の上に導電性マットまたは導電袋(予
備ボードなどの入った袋)を敷き、その上に置
いてください。
静電気などにより部品を壊す恐れがあります。
強 制
装置やモジュールの汚れは、柔らかい布でふい
てください。
汚れがひどい場合は、水でぬらした布を固くし
ぼってふいてください。
汚れたままにしておくと、誤った判断や誤操作
の原因になります。
装置やモジュール、ボードの汚れを落とす場
合、ベンジンやシンナーなどは使用しないで
ください。
装置のパネルやモジュール、ボードの変形や
変色の原因となります。
禁 止
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6. 寿命部品交換時における安全上の注意
危険
注意
強 制
装置に電源ヒューズや警報ヒューズがある場
合、これを交換するときには、必ず事前にそ
の装置のスイッチを OFFにしてください。感電や火災の原因となります。
強 制
ヒューズ、バッテリは指定品と交換してくださ
い。
指定品以外を使用しますと火災、故障の原因と
なります。
強 制
リレー出力に使用している有接点リレーは、
接点の摩擦による寿命があります。
本書に記載の接点寿命を確認して、寿命を超
えないように使用してください。また、寿命
を超える場合は、代品に交換してください。
リレーの接点寿命を超えると接点の接触不良
などで出力異常が発生し、機械破損や事故の
恐れがあります。
強 制
バッテリーは、年間平均気温 30℃以下の場合4年毎、それ以上の場合は 2年毎に交換してください。
アプリケーションにもよりますが、バッテリの
消耗により S2T に保存してあるデータやプログラムが消失し、誤動作による機械の破損や事
故の恐れがあります。
viii S2T取扱説明書(本体機能編)
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7. 日常使用時における安全上の注意
危険
注意
強 制
電源の容量、周波数、電圧および変動率が、装
置の仕様に適合するか確認してから使用して
ください。
適合しない場合は、装置本来の性能が得られ
ないだけでなく、装置を破損したり、過熱に
より、火災などの原因となります。
強 制
装置の周囲温度や内部温度が異常に上昇した
り、装置に故障が生じた場合には、使用をや
めて装置の電源を切り、最寄りの当社サービ
ス担当窓口に連絡してください。
そのままの状態で使用すると、過熱により火
災などの原因となります。
モジュール内のカードの部品や端子、コネク
タ、はんだ面に手を触れないでください。
IC、LSIなどが静電破壊し、故障の原因になります。また、部品リード線の末端での受傷、高
温部品での火傷の恐れがあります。
禁 止
装置やモジュール、ボードの分解や改造をしな
いでください。
装置の安全性が失われるだけでなく、装置の誤
動作や故障の原因となります。
禁 止
電源コードやケーブルは無理に折り曲げたり、
引っ張ったり、ねじったりしないでください。
断線や発熱の原因となります。
禁 止
装置本体などのすきまから金属類を差し込ん
だり、クリップなどを落としたりしないでくだ
さい。
火災などの原因となります。
禁 止
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8. 廃棄時における安全上の注意
危険
注意
リチウム電池は、火中への投入はしないでくだ
さい。
爆発などの危険があります。
禁 止
強 制
リチウム電池、Ni-Cd 電池を破棄する場合は、地方自治体の条例または規則に従ってくださ
い。
強 制
model 2000のユニット及びモジュールを破棄する場合は通常の廃棄物とは区別し、産業廃
棄物として処理してください。
x S2T取扱説明書(本体機能編)
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用途制限■ この製品は、人の生命に直接かかわる装置など(注 1)を含むシステムに使用できるよう開発・製作されたものではないので、それらの用途に使用しないでください。
■ この製品を、人の安全に関与し、公共の機能維持に重大な影響を及ぼす装置などを含むシステム(注
2)に使用する場合は、システムの運用、維持、管理に関して、特別な配慮(注 3)が必要となるので、当社営業窓口に相談してください。
(注 1) 人の生命に直接かかわる装置などとは、以下のものをいいます。• 生命維持装置や手術室用機器などの医療用機器
(注 2)人の安全に関与し、公共の機能維持に重大な影響を及ぼす装置などを含むシステムとは、以下のようなものをいいます。
• 原子力発電所の主機制御システム、原子力施設の安全保護系システム、その他安全上重要な系統およびシステム
• 集団輸送システムの運転制御システムおよび航空管制制御システム(注 3)特別な配慮とは、当社技術者と十分な協議を行い、安全なシステム(フールプルーフ設計、
フェールセーフ設計、冗長設計するなど)を構築することをいいます。
免責事項■ 火災、地震、第三者による行為、その他の事故、使用者の故意または過失、誤用、その他異常な条
件下での使用により生じた損害に関して、当社は一切責任を負いません。
■ この製品の使用または使用不能から生ずる付随的な損害(事業利益の損失、事業の中断、記憶内容
の変化・消失など)に関して、当社は一切責任を負いません。
■ 取扱説明書に記載された内容を守らずに生じた損害に関して、当社は一切責任を負いません。
■ 接続機器との組み合わせによる誤動作などから生じた損害に関して、当社は一切責任を負いません。
■ お客様作成のアプリケーションプログラムとの組み合わせによる誤動作などから生じた損害に関し
て、当社は一切責任を負いません。
お願い
携帯電話や PHS は、運転中の製品本体および各種伝送ケーブル、I/O バスケーブルなどから1m以上離れたところでご使用ください。システムが誤動作する恐れがあります。
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はじめに
本書の目的
この説明書は、統合コントローラ Vシリーズ model 2000のシーケンスコントローラS2Tの本体機能(CPU及び基本部ハードウェアによって実現できる機能)について、機能の内容と使用方法を説明したものです。またユーザプログラムを作成するために最低限必要な情報についても説明しています。
本書の構成
第1部 基本プロブラミング . . . . . S2Tの基本機能のみを使用して、シーケンス制御主体のプログラムを作成する場合を想定し、プログラム作成に必要な情報及びプログラミングの手順を述べます。
第2部 本体機能説明 . . . . . . . . . . . S2Tの機能をよく理解していただくために、まずCPUの内部動作について説明し、次に機能について詳しく説明します。
第3部 ユーザプログラム説明 . . . . .S2Tの機能をフルに活用したプログラムを作成するための情報について説明します。またプログラム言語として、ラダー図、SFCについて説明します。第1部では省略した情報についても詳しく説明します。
S2Tを初めてご使用になる方は、プログラミングの基本を理解していただくために、まず第1部をお読みください。その上で第2部と第3部を読んでいただければ、S2Tが提供する高度な制御機能と応用的な使用方法についてスムーズに理解していただけます。
S2Tを使用された経験のある方は、第1部を読み飛ばして、第2部と第3部を目的に応じてお読みください。このために巻末に索引を付けてあります。
構成上、第1部と第3部で内容が重複している部分がありますが、第1部での説明は理解しやすさのために部分的省略を行っている場合がある点をご承知おきください。
xiii
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S2T 説明書体系
S2Tシステムの説明書として以下の説明書を準備しています。
「S2T本体取扱説明書」(6E8C4118)
S2Tのハードウェア部(基本部、基本I/O等)に関する仕様、取扱い方法、保守、保全方法を述べています。
「S2T機能説明書」(6E8C4121)(本書)
S2Tが持っている機能とその使用方法を説明し、ユーザプログラムを作成するために必要な情報について説明しています。
「T2E/T2N通信機能説明書」(UM-TS02E**-J003)
T2E/T2N用のオプション通信カードの機能、取扱い方法について説明しています。
「Tシリーズ命令語説明書-ラダー図、SFC編」(UM-TS03***-J004)
Tシリーズがサポートするプログラム言語のうち、ラダー図とSFCについて、各命令語の仕様詳細を説明しています。
「T-PDS32 for Windows 操作説明書」(UM-TS03***-J045)
Tシリーズプログラム開発システム(T-PDS)を使用してプログラムを作成、デバッグ、プリントアウト及び保存するための操作方法について説明しています。
「Tシリーズプログラマ操作説明書-入門編」(UM-TS03***-J006)
パーソナルコンピュータに、Tシリーズプログラム開発システム(T-PDS)を組み込み、プログラマとして機能させるための手順、及びプログラミングの基本操作について説明しています。
「Tシリーズプログラマ操作説明書-応用編」(UM-TS03***-J007)
Tシリーズプログラム開発システム(T-PDS)を使用してプログラムを作成、デバッグ、プリントアウト及び保存するための操作方法について説明しています。
「Tシリーズコンピュータリンク機能説明書」(UM-TS03***-J008)
TシリーズのCPUが内蔵しているコンピュータリンク機能について、仕様、取扱い方法について説明しています。
「高機能アナログモジュール取扱説明書」(6E8C4024)
8chアナログ入力モジュール(AD268)、4chアナログモジュール(DA264)、TC入力モジュール(TC218)、RDT入力モジュール等の仕様、取扱い方法について説明しています。
外観・据付については本書を参照してください。
xiv S2T取扱説明書(本体機能編)
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「パルス入力モジュール取扱説明書」(6E8C3885)
パルス入力モジュール(PI232/PI272)の仕様、取扱い方法について説明しています。
外観・据付については、本書を参照してください。
「汎用通信インターフェイスモジュール取扱説明書」(UM-TS02***-J013)
汎用通信インターフェイスモジュール(CF211)の仕様、取扱い方法について説明しています。
外観・据付については、本書を参照してください。
「二軸位置決めモジュール取扱説明書 基本編」(UM-TS02***-J018)
二軸位置決めモジュール(MC212)の仕様、取扱い方法について説明しています。
外観・据付については、本書を参照してください。
「二軸位置決めモジュール取扱説明書 機能編」(UM-TS02***-J019)
二軸位置決めモジュール(MC212)の機能について説明しています。
「データ伝送装置TOSLINE-S20 概説書」(UM-TLS20**-J001)
TOSLINE-S20によるデータリンクシステムの中で、T2Eを使用する場合のシステム構成、機器構成、及びTOSLINE-S20の機能、性能、取扱い方法について説明しています。
「データ伝送装置TOSLINE-F10 概説書」(UM-TLF10**-J001)
省配線I/Oデータリンクシステム TOSLINE-F10について、システム構成、仕様、取扱い方法について説明しています。
「データ伝送装置 デバイスネットモジュール(DN611)取扱説明書」(6E8C4020)
デバイスネットを用いたデータ伝送装置について、システム構成、仕様、取扱い方法を説明しています。
「データ伝送装置 FL-netモジュール(FL611)取扱説明書」(6E8C4082)
「データ伝送装置 FL-netモジュール共通取扱説明書」(6E8C4108)
FL-netを用いたデータ伝送装置について、システム構成、仕様、取扱い方法を説明しています。
「model2000 S2T対応版TOSLINE-S20 概説書」(6E8C4025)
「TOSLINE-S20 S2Tステーション取扱説明書」(6E3B0558)
「TOSLINE-S20LP S2Tステーション取扱説明書」(6E3B0727)
TOSLINE-S20によるデータリンクシステムの中で、S2Tを使用する場合のシステム構成、機器構成、及びTOSLINE-S20の機能、性能、取扱い方法について説明しています。
「model2000 Ethernetモジュール取扱説明書」(6E8C3850)
イーサネットモジュール本体のハードウェアについて、仕様、取扱方法、保守、保全方法及び設定方法について説明しています。
6E8C4121 xv
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必ず守ってください装置をご使用いただくうえで、操作者の安全を守り、装置の正常な動作を保つために、次の事項を守ってください。
1. 取扱説明書を熟読されたうえでご使用ください。
2. 下記の環境での設置および保管は避けてください。
(1) じんあいの多い場所。
(2) 腐食性ガス(SO2、H2Sなど)の発生する場所。
(3) 振動、衝撃のある場所。
(4) この説明書の設置条件から外れる低温および高温環境。
(5) 湿度の高い場所。
3. 装置の周囲温度および内部温度が異常に上昇した場合や装置に故障が生じた場合は、使用をやめて装置の電源を切り、最寄りの当社サービス担当窓口までご連絡ください。
4. 運転中等、スイッチの設定以外で装置のケースを開けないでください。
5. 装置の改造は行わないでください。
6. 輸送時など、製品を落下させないでください。
xvi S2T取扱説明書(本体機能編)
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CONTENTS
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安全上のご注意 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . iはじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . xiii
第 1部 基本プログラミング . . . . . . . . . . . . . 1
第 1章 概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 31.1 システム設計手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .3
1.2 基本プログラミング手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .4
第 2章 本体動作概説 . . . . . . . . . . . . . . . . . . 72.1 動作モードと機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .7
2.2 モード遷移条件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .8
2.3 本体動作フロー概説 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .11
第 3章 入出力割り付け . . . . . . . . . . . . . . . 133.1 入出力割り付け . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .13
3.2 入力レジスタと出力レジスタ . . . . . . . . . . . . . . . . . .15
3.3 入出力割り付けのルール . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .17
3.4 ユニット先頭アドレス設定機能 . . . . . . . . . . . . . . . .21
第 4章 ユーザプログラム . . . . . . . . . . . . . 234.1 ユーザプログラムの構成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .23
4.2 システム情報 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .24
4.3 ユーザプログラム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .25
4.4 プログラムの実行順序 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .27
第 5章 ユーザデータ . . . . . . . . . . . . . . . . . 295.1 ユーザデータの種別と機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .29
5.2 データ初期化条件 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .32
第 6章 基本プログラミング . . . . . . . . . . . 336.1 シーケンス例 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .33
6.2 入出力割り付け . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .34
6.3 プログラム例 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .36
6.4 プログラミング手順 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .40
xvii
-
CONTENTS
x
第 2部 本体機能説明 . . . . . . . . . . . . . . . . . 47
第 1章 概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 491.1 システム構成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 49
1.2 機能仕様一覧 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 50
第 2章 本体動作 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 512.1 基本動作フロー . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 51
2.2 システム初期化処理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 52
2.3 モード制御処理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 54
2.4 スキャン制御 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 582.4.1 スキャンモード . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 60
2.4.2 一括入出力処理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 61
2.4.3 タイマ更新処理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 70
2.5 周辺サポート処理 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 72
2.6 プログラミングサポート機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . 73
第 3章 ユーザプログラム実行制御 . . . . . . 773.1 プログラム種別 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 77
3.2 メイン/サブプログラム実行制御 . . . . . . . . . . . . . . 78
3.3 割り込みプログラム実行制御 . . . . . . . . . . . . . . . . . 85
第 4章 周辺メモリサポート機能 . . . . . . . 874.1 Flash ROM(EEPROM)サポート . . . . . . . . . . . . . 87
4.2 内蔵拡張メモリサポート . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 88
第 5章 RAS機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 895.1 概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 89
5.2 自己診断 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 90
5.3 イベント履歴登録機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 93
5.4 瞬停継続機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 955.4.1 瞬停継続機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 95
5.5 実行状態モニタ機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 96
5.6 サンプリングトレース機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 97
5.7 ステータスラッチ機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 99
5.8 デバッグ支援機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 101
viii S2T取扱説明書(本体機能編)
-
CONTENTS
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5.8.1 フォース機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 101
5.8.2 オンラインプログラム変換機能 . . . . . . . . . . . . . 102
5.9 システム診断機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .103
5.10 パスワード機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .107
第 3部 ユーザプログラム説明 . . . . . . . . . 109
第 1章 概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 1111.1 第 3部の目的 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .111
1.2 ユーザメモリ構成 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .112
第 2章 システム構成 . . . . . . . . . . . . . . . . 1132.1 ユーザプログラムの概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .113
2.2 システム情報 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .115
2.3 ユーザプログラム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .1172.3.1 メインプログラム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 118
2.3.2 サブプログラム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 119
2.3.3 割り込みプログラム . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 121
2.3.4 サブルーチン . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 124
2.4 コメント . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .126
第 3章 ユーザプログラム説明 . . . . . . . . 1273.1 ユーザデータの概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .127
3.2 レジスタとデバイス . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .130
3.3 レジスタデータの扱い . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .158
3.4 インデックス修飾 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .165
3.5 桁指定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .169
第 4章 入出力割り付け . . . . . . . . . . . . . . 1754.1 入出力割り付けの概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .175
4.2 ユニットアドレスの設定 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .176
4.3 入出力割り付けの方法 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .177
4.4 レジスタとモジュールの対応 . . . . . . . . . . . . . . . . .182
4.5 伝送入出力割り付け . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .184
第 5章 プログラム言語 . . . . . . . . . . . . . . 189
xix
-
CONTENTS
x
5.1 プログラム言語の概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 189
5.2 ラダー図 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 192
5.3 SFC . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 199
5.4 プログラム作成上の補足 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 213
5.5 命令語一覧 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 215
第 4部 伝送機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 241
第 1章 TOSLINE-S20サポート . . . . . . . 2431.1 概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 243
1.2 機能仕様 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2451.2.1 スキャンデータ転送 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 245
1.2.2 FUN236 XFER拡張データ転送 . . . . . . . . . . . . . 250
1.2.3 ループマップ . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 250
1.2.4 I/O割付 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 250
1.2.5 READ/WRITE命令 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 251
1.2.6 サポート機能一覧 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 252
第 2章 イーサネットサポート . . . . . . . . 2532.1 イーサネット通信機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 253
2.1.1 はじめに . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 253
2.1.2 イーサネットモジュールを使ったシステム構成 254
2.1.3 基本機能 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 255
2.1.4 仕様 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 258
2.1.5 命令語仕様 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 259
2.2 運転準備 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2652.2.1 リセット要求(SEND命令:CMD=0011H) . . . 265
2.2.2 PCリンク設定要求 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 266
2.2.3 パラメータ設定要求(SEND命令:CMD=13H) 268
2.2.4 他ステーション確認(SEND命令:CMD=14H) 271
2.3 コンピュータリンク手順/ PCリンク手順による伝送 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 2732.3.1 コンピュータリンク手順伝送 . . . . . . . . . . . . . . . 273
2.3.2 PCリンク手順伝送(データ書き込み)(SEND命令:CMD=21H) . . . . . . . . . . . . . . . . . 275
2.3.3 PCリンク手順伝送(データ読み出し)(RECV命令:CMD=21H) . . . . . . . . . . . . . . . . . 282
x S2T取扱説明書(本体機能編)
-
CONTENTS
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2.4 ソケットインタフェース . . . . . . . . . . . . . . . . . . . .2852.4.1 概要 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 285
2.4.2 ソケットインタフェース使用上の注意事項 . . . . 289
2.4.3 ソケットインタフェースの使用方法 . . . . . . . . . 295
2.4.4 ソケットステータス取得(RECV命令:CMD=16H) . . . . . . . . . . . . . . . . . 295
2.4.5 UDPオープン要求(SEND命令:CMD=31H) . 298
2.4.6 UDP送信要求/ブロードキャスト送信(SEND命令:CMD=32H) . . . . . . . . . . . . . . . . . 300
2.4.7 UDP受信要求(RECV命令:CMD=33H) . . . . 303
2.4.8 UDPクローズ要求(SEND命令:CMD=34H) . 306
2.4.9 TCPオープン要求(SEND命令:CMD=35H) . 308
2.4.10 TCP送信要求(SEND命令:CMD=37H) . . . . 312
2.4.11 TCP受信要求(RECV命令:CMD=38H) . . . . 315
2.4.12 TCPクローズ要求(SEND命令:CMD=39H) 318
xxi
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第 1 部基本プログラミング
-
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1 章 概要
第1.1 システム設計手順
S2T(以降、必要のない限りPCと称す)を適用した制御システムの設計は、通常以下の手順で行います。
システム立案 制御システムの構成、機器構成(PC選定含む)について検討します。
システム設計 システムの運転シーケンス、異常処理シーケ
ンスについて十分検討します。
詳細設計 PCのI/Oモジュールと外部機器とのインタフェースについて検討し、I/O種類及び配置を決定します。
机上プログラム設計 システムの運転シーケンスに基づいて、プロ
グラムを作成します。
プログラム転送 PCとプログラマ(T-PDS)を接続し、PCのメモリにプログラムをローディングします。
システム配線
入出力動作確認
デバッグ PC単体にて模擬入力による動作確認を行います。
組み合せ検証 外部機器(動力回路は切断)と組み合わせて
動作確認を行います。
試運転 システム試運転、調整を行います。
プログラム保存 FD等にプログラムを保存します。
稼動
プログラミング プログラマ(T-PDS)単独にて、プログラムを打ち込んでいきます。
3
-
第 1章 概要
1
1.2 基本プログラミング手順PCのプログラムを作成し、CPUに内蔵されているメモリにプログラムを書き込むための、基本的な手順を以下に示します。①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
I/O割り付けの決定 I/Oモジュールの種別と配置を決定し、外部機器とPCのプログラムで使用するデバイスとの対応表を作成します。
プログラムの作成 システムの運転シーケンスに基づいてプロ
グラムを作成します。このとき、入力信号処
理部分、制御条件部分、出力部分に分けて構
成し、制御動作の流れに沿ったプログラム構
成となるように配慮して下さい。これによっ
てプログラムが見やすくなり、後での修正、
追加が楽になります。
プログラマ立ち上げ プログラマ(T-PDS)を立ち上げます。
交信対象の選択 プログラマ単独でプログラミングを行うた
めに、ワークファイル(スタンドアローン用
メモリ)を初期化し、交信対象をワークファ
イルに切り換えます。(スタンドアローン
モード)
入出力割り付け ①で決定したI/O割り付けに基づいて、入出力割り付け情報を書き込みます。
プログラミング ②で作成したプログラムを打ち込んでいき
ます。プログラムの最後にはEND命令を忘れないで下さい。
PCの立ち上げ PC本体とプログラマを専用ケーブルで接続し、PC の電源を立ち上げます。PCはHALTモードで立ち上げます。
⑧ 交信対象の切り換え プログラマの交信対象を PCに切り換えます。PCとプログラマの交信が確立するとプログラマの画面上にPCの状態(動作モード) が表示されます。
(次ページへ)
4 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
1.2 基本プログラミング手順
1
上図の手順は、プログラマ(T-PDS)単独でプログラムを作成し、後でPC本体にローディングする場合(オフラインプログラミング)の手順です。
メモリクリア
Flash ROM
⑨ メモリクリア PCにエラーが発生していないことを確認の上、プログラマからメモリクリアコマンドを
実行し、PCのメモリをクリアします。もしエラーが発生している場合(動作モード
=ERROR)には、エラーリセットコマンド→メモリクリアコマンドの手順となります。
プログラム転送 ⑥で作成したプログラムをPCのメモリにローディングするために、プログラマのワークフ
ァイルの内容をPCに転送します。
⑩
⑪ デバッグ PCをRUNモードにし、プログラムのモニタ機能によって動作の確認を行います。
I/Oが完全に実装されていないときには強制運転機能(RUN-F)を使用します。
⑫ プログラム修正 PCをHALTモードにして必要なプログラム修正を行います。
Flash ROM書き込み プログラムをFlash(内蔵)に書き込んでおきます。
⑬
自動運転 CPUモジュールのRAM/ROM切換スイッチをROM側に、運転モードスイッチをRUNにしておけば、次回電源投入時には自動的に運転
が開始されます。
⑭
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-
第 1章 概要
1
PCとプログラマ(T-PDS)を接続した状態で、PC本体のメモリに対してプログラムを書き込んでいく場合の手順は次のようになります。(数字は前ページのフローに対応)
補足
プログラムデバッグ及び試運転にあたっては、周囲の安全に十分注意してください。
入出力割り付け 交信対象=PC。I/Oモジュールが完全に実装されているときには、自動割り付け機能を使用
します。
I/O割り付けの決定
プログラムの作成
プログラマ立ち上げ
PCの立ち上げ
交信対象の切り換え 交信対象=PCへ
メモリクリア
プログラミング 交信対象=PC
デバッグ
プログラム修正
Flash ROM書き込み
自動運転
①
②
③
⑦
⑧
⑨
⑪
⑫
⑬
⑭
6 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
6E8C4121
動作概説
第 2 章 本体2.1 動作モードと機能
PCの基本的な動作モードとして、RUN,HALT及びERRORの3つのモードがあります。またRUNモードのバリエーションとして、デバッグ用にRUN-Fモードが準備されています。
RUNモード: 運転実行モードです。PC は外部入力の読み込み、ユーザプログラムの実行、外部出力の状態決定を繰り返し行います。(この1まわりのことをスキャンと呼びます)プログラマを用いて、プログラム実行状態のモニタ、強制入出力などが行えます。
RUN-Fモード: I/Oモジュールが未実装の状態でも運転実行が可能なモードです。(通常のRUNモードではI/O応答異常となります)プログラムデバッグのために使用します。
HALTモード: 運転停止モードです。PCは出力を全てOFFにし、ユーザプログラムの実行を停止します。通常プログラミングはこのモードで行います。またFlash ROMへの書き込みは、このモードでのみ可能です。
ERRORモード:エラーダウン状態です。PC は自己診断にて運転継続不可能なエラーを検出すると、出力を全てOFFにし、ユーザプログラムの実行を停止して、ERRORモードに入ります。ERRORモードではPC本体に対する書き込み操作は全て禁止されます。このモードを抜けるためには、プログラマからエラーリセットを行うか、または電源再投入が必要です。
(注 1) RUNモード及び RUN-Fモードでもプログラムの変更は可能です(これをオンラインプログラム変更機能と呼びます)。ただし第 1 部では通常の HALTモードでのプログラミングだけを取り上げます。オンラインプログラム変更機能については第 2部をご覧ください。
(注 2) 上記の 4つのモードの他に、実際にはさらに HOLD(ホールド)モードがあります。これらについては第 2部で説明します。
7
-
第 2章 本体動作概説
2
2.2 モード遷移条件
本体動作モードを決定/変更する要因としては、CPUモジュール上のモードスイッチ、プログラマのPC制御コマンド、及び本体の自己診断があります。また、CPUモジュール上のROM/RAM切換スイッチは「2.3 本体動作フロー概説」に述べるイニシャルロード機能の選択スイッチですが、S2Tでは電源投入後の動作モード決定にも影響を持ちます。
これらについて以下に説明し、次ページにモード遷移表を示します。
• 動作モードスイッチ … HALT/RUNの2ポジショントグルスイッチ
ROM/RAM切換スイッチ
RUN/スタンバイ設定スイッチ
プログラマのPC制御コマンド … 停止/運転/強制運転
スイッチ位置 動作モード
HALT 動作モードスイッチをRUNからHALTに切り換えると本体動作モードはHALTモードとなります。また、動作モードスイッチをHALTにして電源を投入するとHALTモードで立ち上がります。
RUN 動作モードスイッチをHALTからRUNに切り換えると本体動作モードはRUNモードとなります。RUN位置で電源投入したときのモードは、動作モード設定スイッチ(ROM/RAM切換スイッチ等)で設定するスタートモードにより決まります。
スイッチ位置 動作モード
ROM 本体動作モードには影響を与えません。電源立上がり時、Flash ROMの内容をRAMに転送してから立上がります。(イニシャルロード有)
RAM 本体動作モードには影響を与えません。電源立上がり時、RAMの内容で立上がります。(イニシャルロード無)
スイッチ位置 動作モード
RUN(オートRUN) 本体動作モードには影響を与えません。
スタンバイ 動作モードスイッチがRUNであってもHALTモードで立ち上がります。プログラマからの運転コマンドまたは動作モードスイッチの切換え(→
HALT→RUN)による起動待ちとなります。(ROM/RAM切換スイッチがRAMのときのみ有効)
コマンド コマンド実行後のモード
停止 HALTモードに切り換わります(動作モードスイッチがRUNのときのみ有効)
運転 RUNモードに切り換わります(動作モードスイッチがRUNのときのみ有効)
強制運転 RUN-Fモードに切り換わります(動作モードスイッチがRUNのときのみ有効)
8 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
2.2 モード遷移条件
2
(注 1) 表中 ROM/RAMは ROM/RAM切換スイッチを、モード SWは運転モードスイッチを示します。
(注 2) -はスイッチの状態に依存しないことを示します。
(注 3) イニシャルロードについては次ページをご覧ください。
(注 4) 自動 RUN/スタンバイ設定は動作モードスイッチで設定します。
遷移前の状態
モード遷移要因遷移後の
動作モード備 考
動作モードROM/RAM
モード
SW
電源投入前 RAM HALT 電源投入 HALT イニシャルロードなし
RUN 電源投入 自動RUN RUN イニシャルロードなし
スタンバイ HALT イニシャルロードなし
ROM HALT 電源投入 HALT イニシャルロード実行
RUN 電源投入 自動RUN RUN イニシャルロード実行後RUNモード遷移
スタンバイ RUN イニシャルロード実行後RUNモード遷移
- - 初期化処理にてエラー検出 ERROR
HALT RAM HALT モードSW →RUN RUN
ROM HALT モードSW →RUN RUN イニシャルロード後RUNモード遷移
- RUN モードSW →HALT HALT
RUN - RUN モードSW →HALT HALT
RUN-F - RUN モードSW →HALT HALT
ERROR - モードSW(HALT/RUN) ERROR 無効
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-
第 2章 本体動作概説
2
プログラマコマンドによる遷移
遷移前の状態
モード遷移要因遷移後の
動作モード備 考
動作モードROM/
RAMモード
SW
HALT RAM RUN コマンド 運転 RUN イニシャルロードなし
コマンド 強制運転 RUN-F
ROM RUN コマンド 運転 RUN イニシャルロード後RUN モード遷移
コマンド 強制運転 RUN-F イニシャルロード後RUN-Fモード遷移
- HALT コマンド(停止/運転/強制運転)
HALT コマンド無効(モード変化なし)
RUN コマンド 停止 HALT
- 自己診断にてエラー検出 ERROR
RUN - RUN コマンド 停止 HALT
コマンド 運転 RUN コマンド無効(モード変化なし)
コマンド 強制運転 RUN
自己診断にてエラー検出 ERROR
RUN-F RUN コマンド 停止 HALT
コマンド 運転 RUN-F コマンド無効(モード変化なし)
コマンド 強制運転 RUN-F
自己診断にてエラー検出 ERROR
ERROR - コマンド(停止/運転/強制運転)
ERROR 無効
コマンド エラーリセット HALT HALTモードに復帰
10 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
2.3 本体動作フロー概説
2
2.3 本体動作フロー概説
PC本体の内部処理を意識しなくてもユーザプログラムは作れますが、内部処理の概要を理解しておくことは、より効率の良いプログラムを作るため、また適切なデバッグを行うためにも有効です。下図に大まかな内部処理のイメージを示します。
①:イニシャルロード電源立上りやRUNまたはRUN-Fモードに遷移する場合、ROM/RAM切換スイッチがROM側のとき、Flash ROMに記憶されたプログラムとデータレジスタの前半(D0000~D4095)の内容がユーザプログラムメモリ(RAM)とユーザデータメモリ(RAM)に転送されます。
②:ユーザデータ初期化ユーザデータ(データレジスタ、タイマ、カウンタ、入力レジスタ、出力レジスタなど)を初期化します。ユーザデータについては「第5章 ユーザデータ」で説明します。
③:一括入力処理入力モジュールから外部入力信号の状態を読み込んで、ユーザデータの入力レジスタに格納します。(入力レジスタのことを入力イメージテーブルと呼ぶこともあります)
④:一括出力処理ユーザデータの出力レジスタの状態を出力モジュールに書き込みます。出力モジュールはこれに基づいて出力のON/OFF状態を決定します。(出力レジスタのことを出力イメージテーブルと呼ぶこともあります)
プログラム
電源投入
自己診断(常時)
(ERRORモード)
システム初期化
イニシャルロード
ユーザデータ初期化
動作モード制御
(RUN/RUN-Fモード)
一括入力処理
一括出力処理
(HALTモード)
⑤
④
③
②
①
データ
入力
出力
ユーザプログラム
実行
ユーザデータ
メモリ(RAM)
⑤
④
③
データ
①
END
⑤①
入力
モジュール
出力
モジュール
ユーザプログラム
メモリ(RAM) Flash ROM
②
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第 2章 本体動作概説
2
⑤:ユーザプログラム実行ユーザプログラムメモリに記憶された命令語を1つづつ読み込んで、ユーザデータの内容を参照しながら出力レジスタの内容を書き換えていきます。PCの本質的な機能です。
動作モード制御からユーザプログラム実行までの1まわりを1スキャンと呼び、この1スキャンに要する時間をスキャン周期(またはスキャンタイム)と呼びます。一般に、スキャン周期が短かければ短いほど、入力信号の変化に対する出力の応答が速いということになります。
補足
PCのROM/RAM切換スイッチ、モードスイッチと動作モード、イニシャルロード動作との関連で注意すべき項目を以下にまとめます。(1) ROM/RAM切換スイッチROM側で、電源投入時及びRUN起動時にイニシャルロードが行わ
れます。従って、上記条件で使用する場合には、プログラムを変更したら必ずFlash ROMに書き込んでおく必要があります。
(2) イニシャルロードの対象となるのは、プログラム全領域、及びDレジスタの前半4Kワード
(D0000~D4095)です。従ってD0000~D4095を停電保持指定した場合であっても、イニシャルロードが行われた場合にはこれらのデータはFlash ROMの内容に初期化されてしまいます。
12 S2T取扱説明書(本体機能編)
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力割り付け
第 3 章 入出3.1 入出力割り付け
「2.3 本体動作フロー概説」で述べた通り、入力モジュールや出力モジュールとユーザプログラムとの間の信号のやり取りは、入力レジスタ及び出力レジスタを介して行われます。入出力割り付けとは、入力/出力モジュールが、入力/出力レジスタのどの番地(アドレス)に割り当てられるかを決めてやることであり、基本的にはモジュールの実装状態によって自動的に決まります。従って、CPUにモジュールの実装状態を教えてやることを、入出力割り付けを行う、といいます。
入出力割り付けを行うためには、次の2つの方法があります。なおいずれの方法も、PCがHALTモードの位置であることが必要です。
(1) 自動割り付けプログラマから PC に対して自動割り付けコマンドを実行します。PC の CPUは実装されている I/Oモジュールの種別(次ページの表参照)を読み取り、入出力割り付け情報として、ユーザプログラムメモリに記憶します。
(2) 個別割り付けプログラマの I/Oカード割付情報の画面で、I/Oモジュールの装着位置とモジュールの種別を設定し、PC本体に書き込みます。個別割り付けは、I/Oモジュールが完全に実装されていない状態でプログラミングを行う場合や、「3.4 ユニット先頭アドレス設定機能」で述べるユニット先頭アドレス設定を行う場合に使用します。また、オフラインプログラミングを行う場合も個別割り付けを使用します。
これらの方法で、入出力割り付け情報がPCのメモリ内に記憶されると、I/Oモジュールと入力/出力レジスタの対応は、「3.3 入出力割り付けのルール」に述べるルールで自動的に決まります。
(注 1) 個別割り付けによって、実際には次ページの表に示すモジュール種別以外の特殊割り付けを行うことができますが、ここでは説明を省略します。詳細は第 3部にて説明します。
13
-
第 3章 入出力割り付け
3
I/Oモジュールの種別は、下表の通り、機能区分(X:入力、Y:出力、X+Y:入出力混合)と占有するレジスタ数(W)の組み合わせによって表わされます。
(注 1) 自動割付では X+Y 4W(CF611)、X+Y 2W(PI632/PI672)として登録されますので、個別割付で各々 iX+Y 4W、iX+Y 2Wに変更してください。
形式 概要 種別
DI632D 8点DC入力 X 1W
DI633/653 16点DC入力 X 1W
DI634 32点DC入力 X 2W
DI635/635H 64点DC入力 X 4W
IN653/663 16点AC入力 X 1W
DO633/633P 16点DC出力 Y 1W
DO634 32点DC出力 Y 2W
DO635 64点DC出力 Y 4W
AC663 12点AC出力 Y 1W
RO662S 8点独立リレー出力 Y 1W
RO663 16点リレー出力 Y 1W
AD624L/634L, AD624/674, RT614
4チャネルアナログ入力 X 4W
AD668, AD628S/638S, TC618
8チャネルアナログ入力 X 8W
DA622L/DA622/672 2チャネルアナログ出力 Y 2W
DA664/624S 4チャネルアナログ出力 Y 4W
CD633 16点DC割込入力 iX 4W
PI632/672 2チャネルパルス入力 iX+Y 2W
MC612 2軸位置決めモジュール X+Y 4W
MC614 4軸位置決めモジュール X+Y 8W
CF611 汎用通信インタフェース iX+Y 4W
CF612 多機能通信モジュール OPT
SN621/622 TOSLINE-S20データ伝送モジュール TL-S
SN625/626/627 TOSLINE-S20データ伝送モジュール TL-S
UN611/612 TOSLINE-F10データ伝送モジュール TL-F
DN611A デバイスネット・スキャナモジュール OPT
FL611/612 FLネット伝送モジュール OPT
14 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
3.2 入力レジスタと出力レジスタ
3
3.2 入力レジスタと出力レジスタ
入出力割り付けとは、I/Oモジュールと入力/出力レジスタとの間の対応付けを行うことであるということは前節で述べました。ここでは、入力レジスタ、出力レジスタの構成とアドレス表現方法などについて説明します。
ここまでの説明では、入力レジスタと出力レジスタを別々のものとして扱ってきましたが、メモリ構成上は、これは正確ではありません。実際には、入力レジスタと出力レジスタは、入出力レジスタと呼ぶ同一のメモリ領域を使用します。言い換えると、入出力割り付けを行う前は、入出力レジスタは入力と出力の色分けがされておらず、入出力割り付けを行うことによって、レジスタ単位(16ビット単位)で入力と出力の色分けが行われます。(割り付け前は、内部的には全て出力レジスタとなっています)
イメージ的には下図のように考えることができます。
入出力レジスタは16ビットのレジスタであり、レジスタの個数としては、S2Tで512個準備されています。(16ビットということは、16点分のON/OFF情報を格納するということです)
入出力レジスタ
(入出力割り付け前)
YW000
YW001
YW002
YW255
~
入出力レジスタ
(入出力割り付け後)
XW000
XW001
YW002
YW255
~
入出力割り付け
レジスタの内容(16ビットデータ)
レジスタのアドレス
入力/出力の区別(入力=XW, 出力=YW)
このアドレスは出力として割り付けられたことを表す
このアドレスは入力として割り付けられたことを表す
6E8C4121 15
-
第 3章 入出力割り付け
3
入出力レジスタは、ユーザプログラムで使用する場合、次のように表現します。
入力レジスタの場合 XW □□□
出力レジスタの場合 YW □□□
上記の□□□はレジスタのアドレス(またはレジスタ番号とも呼びます)を表し、000から511までの10進数です。
また入出力レジスタ内の各ビット(これをデバイスと呼びます)を次のように表現します。
入力レジスタ内のビット(入力デバイス)の場合 X □□□*
出力レジスタ内のビット(出力デバイス)の場合 Y □□□*
上記□□□はレジスタのアドレスを表し、□はレジスタ内のビット位置を表します。
ビット位置としては、0,1,…,9,A, B,C,D,E,Fの16位置があります。
16 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
3.3 入出力割り付けのルール
3
3.3 入出力割り付けのルール
自動割り付け、または個別割り付けのいずれかの方法で、入出力割り付けが行われると、ユーザプログラムメモリ内に入出力割り付け情報(どの位置に、どの種別のモジュールが実装されるかという情報)が作成され、以下のルールにしたがってレジスタとI/Oモジュールとの対応付けが行われます。
(1) 基本ユニットでは、CPUの右隣のモジュールから右へ、若いレジスタアドレスから順に割り付けられます。
(2) 拡張ユニットの場合は、前段のユニットに引き続いて、左端のモジュールから順に右側のモジュールへ割り当てられます。
C
P
U
X
2
W
X
2
W
X
2
W
Y
2
W
Y
4
W
X
4
W
X
4
W
Y
2
W
XW000, XW001
XW002, XW003
XW004, XW005
YW006, YW007
YW008, YW009, YW010, YW011
YW020, YW021
XW016, XW017, XW018, XW019
電
源
XW012, XW013, XW014, XW015
PU 0 1 2 3 4 5 6 7
基本(#0)
IF
電
源
CPU
X2W
X2W
X2W
Y2W
Y4W
X4W
X4W
Y2W
0 1 2 3 4 5 6 7
拡張(#1)
IF
電
源
X2W
X2W
X2W
X2W
Y2W
Y2W
Y1W
Y1W
0 1 2 3 4 5 6 7
拡張(#2)
IF
電
源
Y2W
X2W
X2W
Y2W
Y2W
X2W
X2W
Y2W
レジスタ割付表
ユ
ニ
ッ
ト
ス
ロ
ッ
ト
種別 レジスタ
0 0 X 2W XW000, XW001
~ ~ ~
7 Y 2W YW020, YW021
1 0 X 2W XW022, XW023
1 X 2W XW024, XW025
2 X 2W XW026, XW027
3 X 2W XW028, XW029
4 Y 2W YW030, YW031
5 Y 2W YW032, YW033
6 Y 1W YW034
7 Y 1W YW035
2 0 Y 2W YW036, YW037
~ ~ ~
(注) 入出力割り付けにおいては、便宜上、モジュール実装位置をユニット番号とスロット番号の組み合わせで表します。ユニット番号 … 基本から順に #0, #1, #2, #3スロット番号 … 左端のモジュール装着位置から
順に
0, 1, 2, … 8
6E8C4121 17
-
第 3章 入出力割り付け
3
(3) モジュールが実装されていないスロット(個別割り付けにおいては、種別を設定しないスロット)はレジスタを占有しません。これを空きスロットと呼びます。
(4) 4スロットの基本ベース(BU643D)の場合は、入出力割り付け上は、I/O 8スロットの基本ベース(BU648E)と同じ扱いとなり、スロット 4~ 7が空きと見なされます。I/O 6スロットの拡張ベース(BU666)の場合も同様の扱いで、スロット 6~ 7が空きと見なされます。
CPU
X2W
X2W
X2W
空
き
空
き
Y2W
Y2W
空
き
電
源
XW000, XW001
XW002, XW003
XW004, XW005
YW006, YW007
YW008, YW009
PU 0 1 2
基本(#0)
電
源IF
CPU
X2W
X2W
Y2W
0 1 2 2
拡張(#1)
電
源IF
X2W
X2W
X2W
Y2W
レジスタ割付表
ユ
ニ
ッ
ト
ス
ロ
ッ
ト
種別 レジスタ
0 0 X 2W XW000, XW001
1 X 2W XW002, XW003
2 Y 2W YW004, YW005
3 空き -
~ ~ ~
7 空き -
1 0 X 2W XW006, XW007
1 X 2W XW008, XW009
2 X 2W XW010, XW011
3 Y 2W YW012, YW013
4 空き -
~ ~ ~
10 空き -
18 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
3.3 入出力割り付けのルール
3
(5) I/Oモジュールに入出力レジスタが割り付けられると、モジュール上の個々の外部信号はレジスタ上の各ビット(デバイス)に割り当てられます。このとき、複数レジスタが割り付けられるモジュールでは、LOW側(LC側)の信号に若いレジスタアドレスが割り当てられます。
(例)32 点入力モジュール(X2W)に XW004 と XW005 が割り付けられた場合の入力信号と入力デバイスの対応
(6) データ伝送モジュールなどの特殊機能モジュール(モジュール種別として、X, Y,X+Y, iX, iY, iX+Y が付かないモジュール)は、入出力レジスタを占有しません。
(7) 割り付けされない入出力レジスタは、内部的には出力レジスタとなり、プログラム上で補助レジスタ/リレーと同じように使用することができます。
NC
NC
LC1
X004F
X004E
X004D
X004C
X004B
X004A
X0049
X0048
LC0
X0047
X0046
X0045
X0044
X0043
X0042
X0041
X0040
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
20
19
18
17
16
15
14
13
12
11
10
9
8
7
6
5
4
3
2
NC
NC
HC1
X005F
X005E
X005D
X005C
X005B
X005A
X0059
X0058
HC0
X0057
X0056
X0055
X0054
X0053
X0052
X0051
X00501 1
(B) (A)
CN1
H L
PSPS
PSPS
6E8C4121 19
-
第 3章 入出力割り付け
3
(8) S2T ではステーションモジュールを基本ユニットに実装(最大5台)することができます。この場合、ステーションモジュール TOSLINE-S20 の場合は "TL-S"、他のモジュールは全て " -"(ブランク)に割り当てられます。
ユニット スロット 種別 レジスタ
1
0 TL-S
1 - -
2 - -
3 - -
4 X 2W XW000, XW001~ ~ ~
7 Y 4W YW18~YW21
2
0 X 2W XW022, XW023~ ~ ~
7 Y 1W YW037
3
0 Y 2W XW038, YW039~ ~ ~
7 Y 2W YW052, YW053
4
0 X 2W XW054, XW055~ ~ ~
7 Y 2W YW068, YW069
電
源
電
源
電
源
IF
基本
(#0)
PU
CPU
X
2W
X
8W
X
8W
Y
4W
電
源
0 1 2 3 4 5 6 7
拡張
(#1)X
4W
X
4W
X
2W
X
2W
Y
2W
Y
2W
Y
1W
Y
1W
0 1 2 3 4 5 6 7
拡張
(#2)Y
2W
Y
2W
X
2W
X
2W
Y
2W
X
2W
X
2W
Y
2W
拡張
(#3)X
2W
X
2W
X
2W
X
2W
Y
2W
Y
2W
Y
2W
Y
2W
0 1 2 3 4 5 6 7
0 1 2 3 4 5 6 7
IF
IF
IF
TL
S
20 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
3.4 ユニット先頭アドレス設定機能
3
3.4 ユニット先頭アドレス設定機能
入出力割り付けの特殊な機能として、各ユニットの先頭レジスタアドレスを設定することができる機能があります。これをユニット先頭アドレス設定機能と呼びます。
この機能は、プログラマからの入出力個別割り付けによって実現できます。この機能を使用すれば、将来モジュール追加を行った場合にも、レジスタアドレスはずれませんので、そのような場合に有効です。
レジスタ割付表
ユ
ニ
ッ
ト
ユニット先頭
アドレス指定
ス
ロ
ッ
ト
種別 レジスタ
ユ
ニ
ッ
ト
ユニット先頭
アドレス指定
ス
ロ
ッ
ト
種別 レジスタ
0 000 PU CPU - 2 060
0 X 4W XW000~XW003 0 X 2W XW060, XW061
1 X 4W XW004~XW007 1 X 2W XW062, XW063
2 X 4W XW008~XW011 2 X 2W XW064, XW065
3 X 2W XW012, XW013 3 X 2W XW066, XW067
4 X 2W XW014, XW015 4 X 2W XW068, XW069
5 X 2W XW016, XW017 5 X 2W XW070, XW071
6 X 2W XW018, XW019 6 X 2W XW072, XW073
7 空き - 7 空き -
1 030 0 Y 4W YW030~YW033 3 090 0 Y 2W YW090, YW091
1 Y 4W YW034~YW037 1 Y 2W YW092, YW093
2 Y 2W YW038, YW039 2 Y 1W YW094
3 Y 2W YW040, YW041 3 Y 1W YW095
4 Y 2W YW042, YW043 4 Y 1W YW096
5 Y 2W YW044, YW045 5 Y 1W YW097
6 Y 2W YW046, YW047 6 空き -
7 空き - 7 空き -
IF
IF
基本
(#0)
PU
CPU
X4W
X4W
X4W
X2W
X2W
X2W
X2W
空
き
電
源
0 1 2 3 4 5 6 7
拡張
(#1)
0
Y4W
Y4W
Y2W
Y2W
Y2W
Y2W
Y2W
空
き
電
源
1 2 3 4 5 6 7
IF
拡張
(#3)電
源
IF
拡張
(#2)電
源
Y2W
Y2W
Y1W
Y1W
Y1W
Y1W
空
き
空
き
X2W
X2W
X2W
X2W
X2W
X2W
X2W
空
き
0 1 2 3 4 5 6 7
0 1 2 3 4 5 6 7
6E8C4121 21
-
第 3章 入出力割り付け
3
補足
(1) ユニット先頭アドレス設定機能を使用した場合も、ユニット間でレジスタアドレスが飛ぶ
こと以外は、「3.3 入出力割り付けのルール」で述べた入出力割り付けのルールに従います。
(2) 後段のユニットが若いレジスタアドレスとなるような設定はできません。例えば、ユニッ
ト#1の先頭アドレス指定が100で、ユニット#2の先頭アドレス指定が050というような設定はできません。
(3) 入出力自動割り付けを行った場合には、全ユニットについて先頭アドレス指定なしとな
り、レジスタは連続して割り付けられます。(「3.3 入出力割り付けのルール」に述べた通り)
22 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
6E8C4121
プログラム
第 4 章 ユーザ4.1 ユーザプログラムの構成
制御を行うための命令語の集まりをユーザプログラムと言います。これをアプリケーションプログラム、シーケンスプログラム、またはシーケンス回路と呼ぶこともありますが、本書ではユーザプログラムと呼ぶことにします。
ユーザプログラムを格納するメモリ領域をユーザプログラムメモリと言います。S2Tは32Kステップ(PU662T)と64Kステップ(PU672T)の容量があります。ただし、このうち0.5Kステップはユーザプログラム付随情報(これをシステム情報と呼びます)を記憶するために使用されますので、実際のユーザプログラムの容量は31.5Kステップ/63.5Kステップということになります。また、プログラムにコメントを付けた場合には、コメントもこの領域に記憶されます。なお、ステップとは、命令語を構成する最小単位であり、命令語の種類により、1~10ステップ/命令語となります。
(注 1) Flash ROMから RAMへの転送(イニシャルロード)の条件については、「2.3 本体動作フロー概説」を参照ください。
(注 2) コメントについては第 3部で説明します。
システム情報
ユーザプログラム
コメント
RAMメモリ
Flash ROM0.5Kステップ
31.5Kステップ
/63.5Kステップ
23
-
第 4章 ユーザプログラム
4
4.2 システム情報
システム情報とは、ユーザプログラムを実行する場合の実行制御パラメータやユーザプログラム管理情報を格納する領域で、0.5Kステップを占有します。システム情報には以下の内容が含まれます。
(1) 本体パラメータ(機種タイプ、メモリ容量)
(2) ユーザプログラム管理情報(プログラム ID、システムコメント、使用ステップ数、他)
(3) 実行制御パラメータ(スキャンモード、サブプログラム実行条件、割り込みプログラム実行条件)
(4) 停電保持範囲情報
(5) 10mSタイマ範囲情報
(6) 入出力割り付け情報
(7) I/O割り込み管理情報
(8) データ伝送モジュール入出力情報
(9) コンピュータリンク伝送パラメータ
(10) ユーザ診断機能実行条件
これらのうち、(1)の本体パラメータと(2)の中の使用ステップ数については、CPUが自動的に設定/更新します。これ以外の項目は、ユーザがプログラマから設定します。ここでは、上記(4)の停電保持範囲情報と、(7)の入出力割り付け情報についてのみ説明します。他の項目については第2部及び第3部で説明します。
• 停電保持範囲情報ユーザデータのうち、補助レジスタ(RW)、タイマレジスタ(T)、カウンタレジスタ(C)、及びデータレジスタ(D)について、停電/復電時に停電前のデータを保持する範囲を設定します。ここで設定した範囲以外のデータ
は、電源立ち上げ時のデータ初期化処理において、0クリア (デバイスについてはOFF)されます。範囲設定は、上記レジスタ各々について、先頭アドレス(0)から指定アドレスまでを保持指定するという方式です。(詳細は「5.2 データ初期化条件」を参照してください)
• 入出力割り付け情報「第3章 入出力割り付け」で説明した通り、自動割り付け、または個別割り付けを行うことによって、入出力割り付け情報がここに格納されます。CPUはこの情報に基づいて、入力/出力レジスタの割り付けを行い、また自己診
断として割り付け情報にあるモジュールが正しく実装されているかどうか
のチェックを行います。
24 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
4.3 ユーザプログラム
4
4.3 ユーザプログラム
ユーザプログラムは、制御を行うための命令語の集まりです。
各PCの容量は次の通りです。
S2T: PU662T →31.5Kステップ
PU672T →63.5Kステップ
ユーザプログラムは下図のように各プログラム種別毎に記憶され、各々のプログラム種別の中ではブロックという単位で管理されます。また1つのブロックの中では回路番号によって管理されます(ラダー図の場合)。従って、ユーザプログラムのモニタ/作成/編集においては、プログラム種別、ブロック番号及び回路番号を指定することによって、所定の回路を呼び出すことになります。
I/O割込プログラム #6
I/O割込プログラム #5
ブロック1
メインプログラム
ユーザプログラム構成
(プログラム種別)
サブプログラム #1
サブプログラム #2
サブプログラム #3
サブプログラム #4
定周期割込プログラム
I/O割込プログラム #1
I/O割込プログラム #2
I/O割込プログラム #3
I/O割込プログラム #4
I/O割込プログラム #7
I/O割込プログラム #8
サブルーチン
ブロック2
ブロック3
・
・
・
ブロックn
(n=最大256)
回路1
回路2
MOV
回路3
・
・
・
回路m
(m=最大65024)
プログラム種別内構成
(ブロック)
ブロック内構成
(回路番号)
6E8C4121 25
-
第 4章 ユーザプログラム
4
• プログラム種別メインプログラム、サブプログラム(#1~#4)、定周期割込プログラム、I/O割込プログラム(#1~#8)、及びサブルーチンの各種別があります。合計31.5K/63.5Kステップ以内の容量制限はありますが、各プログラム種別毎の容量制限はありません。
• ブロックブロック番号としては、1から256までが有効です。ブロック毎の容量制限(ステップ数制限)はありません。PCではラダー図の他に、SFCといったプログラム言語が使用できますが、1つのブロックの中で複数の言語を使用することはできません。つまり複数の言語を使用する場合にはブロックを切り
換える必要があります。ラダー図のみを使用する場合には、ブロックを分け
る必要はありません。
• 回路ブロック内では、ユーザプログラムは回路番号によって管理されます。(ラ
ダー図の場合)。回路とは、左右の母線以外の接続線によって接続された1かたまりを意味します。1ブロック内に最大65024個の回路を作成することができます(実質無制限)。1回路の大きさは、下図のように11行×12列(最大132ステップ)に制限されます。
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
21 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12
26 S2T取扱説明書(本体機能編)
-
4.4 プログラムの実行順序
4
4.4 プログラムの実行順序
メインプログラムは毎スキャン実行されるユーザプログラムの本体であり、最低1つのEND命令がなければいけません。ここでは、メインプログラムのみの場合について、プログラムの実行順序を説明します。他のプログラム種別の動作については第2部で説明します。
ユーザプログラムは次の順序で実行されます。
① メインプログラムの先頭ブロック(最も若い番号のブロック)からEND命令が含まれるブロックまで順に実行されます。
② 1つのブロック内では先頭回路(回路1)から順に最終回路まで(END命令のあるブロックではEND命令のある回路まで)実行されます。
③ 1つの回路では次のルールに従って実行されます。
補足
(1) ブロック番号は連続していなくてもかまいません。つまり途中に空きブロックがあってもかまいません。
(2) 回路番号は連続している必要があります。つまり途中に空白の回路は作成できません。
1 2 3 4
1 2 4
3
6 7
5
(1) 上下接続がないときは、左から
右へ実行されます。
(2) OR接続があるときは、OR論理
部が先に実行されます。
(3) 分流があるときは、上の行から
下の行の順に実行されます。
(4) 上記(2)と(3)の組み合わせ
1 3 4 5
2 6 7
1 3 4 5
7
2 6 8
6E8C4121 27
-
6E8C4121
ーザデータ
第 5 章 ユ5.1 ユーザデータの種別と機能
外部入出力信号の状態や制御パラメータ、ユーザプログラムの実行途中演算結果などを格納するメモリ領域で、ユーザプログラムで使用できるものをユーザデータと呼びます。ユーザデータは、扱いの上で、レジスタとデバイスの2つに分けて考えることができます。レジスタとは、16ビットのデータを格納しておく場所であり、機能によって次の種類があります。
S2T
記号 名 称 機 能 個 数 アドレス範囲
XW 入力レジスタ入力モジュールからの入力データを格納(一括入力)
合計512ワード
XW000 ~ XW511
YW 出力レジスタ出力モジュールへの出力データを格納(一括出力)
YW000 ~ YW511
IW 直接入力レジスタ入力モジュールからの直接入力データ(直接入力)
IW000 ~ IW511
OW 直接出力レジスタ出力モジュールへの直接出力データ(直接出力)
OW000 ~ OW511
RW 補助レジスタユーザプログラムの実行途中結果の一時記憶等に使用
1000ワード
RW000 ~ RW999
SW 特殊レジスタ
エラーフラグ、実行制御フラグ、カレンダデータ、タイミングクロック等を格納
256ワード
SW000 ~ SW255
T タイマレジスタ タイマ命令実行中の経過時間を格納
1000ワード
T000 ~ T999
C カウンタレジスタ カウンタ命令実行中の現在カウント値を格納
512ワード
C000 ~ C511
D データレジスタ制御パラメータの格納や、実行結果の一時記憶等に使用
8192ワード
D0000 ~ D8191
W リンクレジスタ(TOSLINE-S20用)
データ伝送装置(TOSLINE-S20)とのデータ交換エリア
2048ワード
W0000 ~ W2047
LWリンクリレーレジスタ(TOSLINE-F10用)
データ伝送装置(TOSLINE-F10)とのデータ交換エリア
256ワード
LW000 ~ LW255
F ファイルレジスタ制御パラメータの格納や集収データの格納等に使用
32768ワード
F00000 ~ F32767
I
インデックスレジスタ
命令語で使用するレジスタやデバイスのアドレス修飾に使用
1ワード
I(アドレスはなし)
J 1ワード