展開戦略TF 中間報告 - Yokosuka Research Park2018/08/17  · 29.1%...

37
平成30年8月17ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ 展開戦略タスクフォース 展開戦略TF 中間報告 資料 2-1

Transcript of 展開戦略TF 中間報告 - Yokosuka Research Park2018/08/17  · 29.1%...

  • 平成30年8月17日

    ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ展開戦略タスクフォース

    展開戦略TF 中間報告

    資料2-1

  • 1展開戦略TFについて

    展開戦略タスクフォース(TF)は、ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ推進協議会(以下「協議会」という。)の下に設置される会議体として、2018年3月の第1回協議会会合にてその設置が承認されたもの。(設置期間は、設置日から2019年3月末頃まで(目途)。)

    同TFでは、ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジに関する各種の取組(以下「本取組」という。)の①企画・実施に必要な各種調査及び②研究開発・実証の推進方策の検討等を行う機能を有する。

    ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ推進協議会

    【会長】中村 文彦 横浜国立大学 理事・副学長【所掌事務】 ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジの企画、実施、展開等に必要な事項に関する協議 横須賀市及びYRPにおけるスマートモビリティ研究開発等の推進方策に関する事項の協議等

    運営TF

    【主査】甕 昭男 YRP研究開発推進協会 会長【担務】

    ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジの運営に係る事項の検討や、関係機関との各種連絡調整等

    【主査】越塚 登 東京大学大学院 情報学環 教授【担務】

    ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジの①企画実施に必要な各種調査及び②研究開発・実証の推進方策の検討等

    展開戦略TF

  • 2展開戦略TF 構成員等名簿

    氏名 所属・役職等

    (主査)越塚 登 東京大学大学院 情報学環教授

    有吉 亮 横浜国立大学大学院 都市イノベーション研究院 特任准教授

    磯野 哲郎 (国研)海洋研究開発機構 海洋工学センター 企画調整室 室長

    市川 泰史 パナソニック(株) 渉外本部 渉外部 主幹

    梅澤 良夫 (株)NTTドコモ R&D戦略部 担当部長 (※平成30年7月までは、音 洋行 前構成員)

    片桐 勇一郎 沖電気工業(株) 執行役員

    楠田 悦子 モビリティ ジャーナリスト

    小池 康夫 (一社)横須賀市観光協会 事務局長

    杉浦 孝明 (株)三菱総合研究所 次世代インフラ事業本部 スマートインフラグループリーダー

    鈴木 薫 (特非)ITS Japan 統合的移動サービス推進プロジェクト 部長

    髙本 陽一 (株)テムザック 代表取締役

    永長 知孝 関東学院大学 理工学部 理工学科 情報学系 准教授

    中尾 彰宏 東京大学大学院 情報学環 教授

    永澤 実 日産自動車(株) 渉外部 担当部長

    仲西 秀基 YRP情報産業協同組合 副理事長

    浜口 清 (国研)情報通信研究機構 ワイヤレスネットワーク総合研究センター 総合研究センター長

    藤本 博也 日産自動車(株) 総合研究所 モビリティ・サービス研究所 シニアリサーチエンジニア

    松尾 健一 (社福)横須賀市社会福祉協議会 総務課長

    山野 哲也 京浜急行電鉄(株) グループ戦略室 担当課長

    ※主査を除き五十音順、敬称略 【平成30年7月末時点】

  • 3検討の経緯

    検討状況

    本年5月以降、これまでに展開戦略TF会合を合計4回開催

    これらの会合では、「社会課題の解決」、 「新規ビジネスの創出」 、「地域活性化」の3つのテーマに分けて、本取組で扱うべきスマートモビリティの対象範囲や社会実装の可能性等について調査を行った。

    検討事項

    〇第1回会合(2018年5月17日)検討事項:本取組の展開に関する考え方、

    YRP進出企業、研究機関によるスマートモビリティの開発動向

    主な発表(括弧内は発表者):・協創が生み出すスマートイノベーション(NTTドコモ)・NICT研究開発の取組みのご紹介―スマートモビリティを支える技術(情報通信研究機構)

    〇第3回会合(2018年6月27日)検討事項:スマートモビリティによる「新規ビジネスの創出」

    主な発表(括弧内は発表者):・横須賀市の将来人口と課題の考察(横須賀市政策推進部)・「スマートモビリティ」(日産自動車)・スマートモビリティによる地域活性化(沖電気工業)・自動運転ビジネスの取り組み(SBドライブ)・モビリティ向けワイヤレス電力伝送の現状と今後の取組について(ブロードバンド・ワイヤレス・フォーラム)・海外のコネクテッドカーに関するテストベッドの事例(三菱総合研究所)

    〇第2回会合(2018年6月14日)検討事項:スマートモビリティによる「社会課題の解決」

    主な発表(括弧内は発表者):・空き家の状況と谷戸再生への取り組み(横須賀市都市部)・横須賀市公共交通の現況と支援事業(横須賀市土木部)・持続可能なモビリティの実現に向けて(横国大 有吉先生)・ラストワンマイルのスマートモビリティ(テムザック)・スマートモビリティに関する取り組みについて(パナソニック)

    〇第4回会合(2018年7月12日)検討事項:スマートモビリティによる「地域活性化」

    主な発表(括弧内は発表者):・横須賀市観光立市推進アクションプラン(横須賀市文化スポーツ観光部)

    ・横須賀市観光協会の取組(横須賀市観光協会)・三浦半島における地域活性化の取組(京浜急行電鉄)・ITS Japan活動紹介(ITS Japan)・海洋スマートモビリティ(海洋研究開発機構)・移動型の携帯電話用災害対策無線通信システムに関する調査検討(KDDI総合研究所)

  • 4本取組の対象について(スマートモビリティとは?)

    本取組のテーマであるスマートモビリティとは、スマートな移動性を意味する。

    スマートさ(かしこさ)については、システム(モビリティ・システム)やまちづくりという観点から捉える。(安全性や利便性に加え、持続可能性、有効性、効率性、包摂性等もスマートさを評価する多面的な観点のひとつとする。)

    上記の観点から、本取組では、スマートに移動できる乗り物に加え、スマートな移動を支援する非物理的なツールやインフラ、ICT等を活用したサービスの移動(移動しないでもスマートで豊かな生活を送ることができるツール)についても広い意味で本取組の対象として含めうる。

    ・Mobility = The ability to move →移動可能性、移動できること、移動能力・Smart = かしこい、気の利いた、キビキビとした、きれいに整った→効率的、費用効果的(、環境配慮的)・スマート・モビリティ(Smart Mobility):乗り物を使い分けてかしこく移動ができること・モビリティは、環境的、経済的、社会的に持続可能であることが重要、また、「Inclusive(包摂的)」という発想も必要

    ※第2回展開戦略TF「資料展開TF2-4 有吉構成員提出資料」(2018年6月14日)より引用

    本取組の対象の例 スマートモビリティとは言えない例

    ①多言語翻訳による音声ナビゲーションにより、訪日外国人でもストレスなく利用できる公共交通

    ①地元住民にしか利用のルールが分からない公共交通

    ②自宅にいながらにして自動配送で低コストに物資を受け取ることができるサービス

    ②呼出し方法が分かりづらく、また、呼出しから到着まで多くの時間を要する自動運転車による病院への送迎サービス

    ③利用者を取り巻く環境と移動に係るニーズに応じて最適な移動手段を提案する、高効率的かつ維持コストが極めて小さな交通システム

    ③需要と供給のミスマッチによる非効率性と担い手不足により長期的な維持が困難であるような交通システム

    考え方

  • 5展開戦略に向けた考え方①

    横須賀市は次世代モビリティ・システムの実現の鍵となる世界最先端の情報通信技術と、モビリティに係る基幹的な工業力を有する。

    横須賀市の山や海といった豊富なフィールドや、日本・世界の多くの地域で共通的に発生している社会問題の先進都市といった特徴を活かせば、横須賀市のフィールドで通用したモビリティに関する社会実装モデルは、日本・世界に展開しうる。

    本取組により、横須賀市が抱えるこれらのポテンシャルを後押しする様々な推進方策を展開することにより、横須賀市・YRPを世界に誇るスマートモビリティ変革の拠点とする。

    横須賀市の地形的特徴

    海や山といった豊富な地形

    社会問題が先行的に進行

    急な坂、階段、狭い路地など居住に険しい環境

    横須賀発の事例を日本・世界に展開

    ~横須賀をスマートモビリティの変革拠点へ~

    人口約40万人の中核市

    年 転出超過数 全国順位

    2013年 1,772人 1位

    2014年 899人 17位

    2015年 1,785人 2位

    2016年 1,266人 8位

    2017年 1,112人 8位

    横須賀市の先端的な産業横須賀市の都市的特徴

    ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ

    ポテンシャルを後押しする様々な推進方策

    プレーヤーが豊富

    実装フィールドが豊富

    出典:協議会第1回 資料1-2(2018年3月)

  • 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000

    0歳

    5歳

    10歳

    15歳

    20歳

    25歳

    30歳

    35歳

    40歳

    45歳

    50歳

    55歳

    60歳

    65歳

    70歳

    75歳

    80歳

    85歳

    90歳

    95歳

    100歳以上

    <2015年>

    男性 女性

    老年人口(65歳以上)

    29.1%

    生産年齢人口(15~64歳)

    59.1%

    年少人口(0~14歳)

    11.8%

    6展開戦略に向けた考え方②

    スマートモビリティを活用したまちづくりの考え方としては、テクノロジーを使って「強み」を強化する(既存の価値の深化等も含めた新たな価値の創造)方向と「弱み」を緩和する(社会課題の解決)方向の2つの方向性が考えられ、実装を図るまちの「強み」と「弱み」を適切に自覚する必要がある。

    「まちづくりビジョン」や「社会実装モデル」の全体を考える際には、これら2つの方向性のバランスを適切にとることが重要であり、これにより居住者の満足度の向上を図るとともに、域外からの訪問者に対する魅力も向上させ、域内外のすべての人口にアプローチすることにより、総合的に地域活性化を実現するモデルを構築する。

    ※出典:総務省「これからの移住・交流施策のあり方に関する検討会 報告書」(2018年1月)

    新たな価値の創造

    文化

    食コミュニティ維持

    谷戸

    人口構成

    ①域内の暮らしやすさの向上②産業振興、域外との連携強化③交流人口の増大 等

    社会課題の解決

    地域活性化スマートモビリティの社会実装

    の考え方

  • 7展開戦略に向けた考え方③

    本取組において、研究開発・実証の実施のみならず、その成果を社会実装まで展開させるためには、あらかじめモビリティに係るニーズを織り込む形でプロジェクトを創出・推進する必要がある。

    このため、横須賀市の現状を踏まえ、将来的に横須賀市が目指したい社会像からスマートモビリティによる「まちづくりビジョン」を示し、本ビジョンに基づくスマートモビリティの「社会実装モデル」を実現するために様々な「プロジェクト」を創出・推進するといった整理を行う。

    「社会実装モデル」においては、システム全体としての効率性や持続可能性も考慮する必要があることから、ビジネスモデルの構築やソリューションの代替・組合せ等の観点の検討も必要である。

    まちづくりビジョン①

    社会実装を見据えたプロジェクト(PJ)の整理

    まちづくりビジョン③

    まちづくりビジョン②

    例:スマートモビリティを活用したコンパクトシティ 等

    例:限定地域内の自動運転バス循環モデル 等

    例:循環する自動運転車向けインフラレーダー開発PJ 等

    モデル①

    モデル②

    モデル③

    PJ PJ PJ PJ PJ PJ

    モデル④

    モデル⑤

    システム全体の考え方の例

    カーシェア・カーレンタル

    パーソナルモビリティ等レンタルサービス

    ◆WPT充電装置はカーシェア等事業者所有の駐車場などに設置◆カーシェア等のユーザはどこでも充電◆WPT利用料金は、事業者から徴収

    ワイヤレス給電(WPT)インフラ※出典:展開戦略TF第3回「資料展開TF3-5」より一部抜粋

  • ビジョン①「誰もひとりにさせないまち」

    谷戸地域など移動が厳しい地域において急速に高齢化や人口流出が進展

    高齢化の進む空き家の多い地域で、地域活動への支障や近隣店舗の撤退、交通利便性の低下など居住環境に関わる負の連鎖が懸念

    世帯の小規模化や一人暮らし高齢者が増加

    少子高齢化の進展による要介護者の増加、共働き世帯の増加による子育て負担の増大

    背景

    目指すべき社会像(イメージ)

    ※出典:総務省「電波政策2020懇談会 報告書」(2016年7月)

    8

    (まちのイメージ)

    スマートモビリティに係るテクノロジーが人と人との距離を近づけ、スマートな「協調」と「連帯」により市民が支え合う社会。

    居住環境や家庭の抱える困難をテクノロジーによって解消し、どんな環境でも誰もひとりにさせない包摂的な社会。

    人生100年時代にあって、テクノロジーを活用し、あらゆる人が身体的な困難を感じることなく、元気に余暇や社会活動を楽しむことのできる社会。

    誰もひとりにさせないまち

  • 9ビジョン②「新たな価値をつくるまち」

    背景

    目指すべき社会像(イメージ)

    1

    AED

    ※出典:総務省「電波政策2020懇談会 報告書」(2016年7月)

    (まちのイメージ)

    将来的なさらなる人口減少・少子高齢化の進展を見据えると、従来の拡大を前提とするまちづくりの発想から脱却することが必要

    社会に大きな影響のある地球温暖化の緩和のため、EVシフトなど脱炭素化の動きが加速

    年間の交通事故死者数は日本全国で未だ3,500名を超え、高齢運転者による事故も深刻

    日本は自然災害の多い国であり、様々な地域で大規模災害が頻繁に発生

    様々な都市機能を集約したコンパクトな都市を、「共有」などの手段を用いた維持コストの小さな次世代モビリティ・システムがスマートに支える世代から世代へと長く繁栄できる社会。

    クリーンなモビリティによる脱炭素社会をいち早く実現し、地球環境の保全について、世界でも先進的なモデルを提示。

    人的災害を気にする必要のない、交通事故ゼロの安心・安全な社会。

    自然災害に強いしなやかな社会。

    新たな価値をつくるまち

  • 10ビジョン③「活力に溢れるまち」

    背景

    目指すべき社会像(イメージ)

    52 B …

    ※出典:総務省「電波政策2020懇談会 報告書」(2016年7月)

    (まちのイメージ)

    域外からの訪問者にやさしく、多様な人々が絶えず市内に流入し、様々な交流が発生することにより、自らの文化や産業をしなやかに発展させる社会。

    スマートモビリティに係るテクノロジーを活用し、一次産業を効率化して成長産業として持続的に発展できる社会。

    スマートモビリティに係るテクノロジーを活用し、多様な働き方や仕事の効率化を図り、余暇で音楽・スポーツ・エンターテイメント等を楽しむことができる社会。

    横須賀市の観光は、観光消費単価が低い、滞在時間が短い、観光エリアに偏りがある(西側の観光資源が活用できていない)といった特徴を有する

    訪日外国人が急増しており、再来年には東京オリンピック・パラリンピック2020も開催

    少子高齢化による生産労働人口の減少により、一次産業の担い手が不足

    人口減少と製造業の相次ぐ撤退により、市内の産業が停滞傾向

    活力に溢れるまち

  • 11社会実装モデルについて

    誰もひとりにさせないまち

    新たな価値をつくるまち

    活力に溢れるまち

    今後、本取組を実際に展開していくにあたっては、3つの「まちづくりビジョン」のいずれかに紐づく社会実装モデルを具体的に設定していく必要がある。

    横須賀市でどのような社会実装モデルを目指すかについては、第3回協議会までにさらなる検討を進めるが、横須賀市が抱える課題等から、「地域生活継続支援モデル」、「まちの拠点循環モデル」、「観光振興モデル」の3つのモデルについては、早急に、かつ、重点的に取り組む必要がある。

    地域生活継続支援モデル

    観光振興モデル

    まちの拠点循環モデルモデル

    ①モデル②

    モデル③

    モデル④

    モデル⑤

    モデル⑥

    自動配送ロボ実装

    • 坂が急で狭隘な道が住宅の近くに広がる居住地域において、高齢者の移動をサポートする超小型モビリティ、パーソナルモビリティを導入

    • 同地域において、低コストで実装可能な自動配送システムを導入

    PJの例 パーソナルモビリティ実装

    超小型モビリティ実装

    自動運転巡回バス実装

    EV用ワイヤレス給電実装

    観光地巡回型モビリティ実装

    観光用ナビゲーション実装

    音声翻訳アプリ実装

    まちづくりビジョン

    (例) • 中核病院、商業施設など多くの住民、勤務者が利用する拠点へのアクセス手段の提供

    • 最小の待ち時間で配車が実現できるワイヤレス充電可能な自動運転バスを導入

    • 横須賀市内の観光消費単価や滞在時間を増加させる観光地巡回型のモビリティ及び観光に係る情報を提供するアプリを導入

    • 外国人観光客を増加させる音声翻訳やナビゲーションツールの導入

    社会実装モデル

    (今後検討)

  • 12本取組によるスマートシティの実現

    誰もひとりにさせないまち

    新たな価値をつくるまち

    活力に溢れるまち

    自動運転

    ドローン

    遠隔操縦 交通管制

    パーソナルモビリティ

    データ利活用

    ナビゲーション

    統合的移動サービス、MaaS

    様々なプロジェクトを創出・推進

    インフラ協調

    ワイヤレス給電

    協業により支え合うシステム

    モビリティのかしこい選択を支援

    新たなモビリティ形態の創出

    交通インフラ、ICT基盤の維持・構築

    AI

    自律航行

    ※出典:展開戦略TF第3回「資料展開TF3-2」

    ※出典:展開戦略TF第4回「資料展開TF4-4」

    本取組による成果や様々なテクノロジーを最適に組み合わせることにより、まちづくりビジョンに応じたスマートシティを横須賀から実現!

    自動運転バス

    V2X

    遠隔医療

    社会実装モデル

    社会実装モデル

    社会実装モデル

    社会実装モデル

    社会実装モデル

    社会実装モデル

  • 13本TFの今後の検討について

    これまでの本TFにおける検討において、本取組の推進又は推進方策に係る以下の基本的な考え方(案)が示されているところであり、これに基づき推進方策のさらなる検討及び当該推進方策に基づく本取組の具体化に向けた検討を進める。

    本取組の具体的活動のひとつとして、次年度以降、横須賀市・YRPをフィールドとしたスマートモビリティに係る実装に向けたプロジェクトを創出する。

    本取組は、本年度から5年間を対象期間として、その途中で実装に向けた様々な目標地点(マイルストーン)を設定しつつ活動を実施する。

    本取組によるプロジェクトの創出を推進するための方策として、 ①連携を加速する枠組(体制等)の構築、②実装フィールドの整備、③規制に係る課題への支援の3つの方向性が考えられる。その他の推進方策として、④社会受容性の向上、⑤本取組の情報発信・周知広報、⑥他の都市等との連携や提携の推進といった点も重要である。

    本取組の推進方策に係る考え方(案)

    本TFでは、これまで、担務①(本資料P.1)に基づき本取組の企画実施に係る各種調査及び当該調査を踏まえた展開戦略の検討を主に実施してきた。

    今後、第3回協議会に向けて、中間報告による検討結果のさらなる精査(社会実装モデルの特定等)を進めるとともに、担務②に基づく本取組の推進方策の検討を実施する。

    第3回協議会では、本TFによるこれまでの検討結果を「横須賀スマートモビリティ宣言(仮称)」として取りまとめ、本取組の指針や推進にあたっての提言を案として提示する。

    展開戦略TFの今後の検討について

  • 14本取組の推進方策の検討について

    IoT、ビッグデータ、AIといった新しいテクノロジーの進展等や、MaaSといった新しいモビリティの考え方等により、モビリティ分野で業界を横断した連携が進む中、本取組でどのような枠組(体制等)を構築すれば、オープン・イノベーション的に様々なプロジェクトを活発に創出・推進できるのか。

    どのような枠組(体制等)を構築すれば、ニーズを捉えたプロジェクトの創出・推進、プロジェクトのPDCAサイクルの加速化、プロジェクトの社会実装と展開が実現できるのか。

    ①連携を加速する枠組(体制等)の構築

    ③規制に係る課題への支援

    ※出典:展開戦略TF第2回「資料展開TF2-4」

    大学×〇〇 ITS事業者×〇〇

    ※出典:展開戦略TF第4回「資料展開TF4-4」

    交通事業者×〇〇

    ※出典:JR東日本ホームページ(モビリティ変革コンソーシアム)

    V2X通信のテストフィールド(独国)

    ※出典:展開戦略TF第3回「資料展開TF3-6」

    ②実装フィールドの整備

    どのような実装フィールド(ハード、ソフト等)を構築すれば、横須賀市・YRPの「強み」を活かした社会実装に向けた世界最先端のプロジェクトの創出・推進を促進できるのか。

    本取組の中でプロジェクトを実施・推進する際の規制に係る課題としてどのようなものが想定されるか、また、当該課題に対して行政の側からどのような支援が考えられるのか。

  • 15本取組の推進イメージ

    誰もひとりにさせないまち

    新たな価値をつくるまち

    活力に溢れるまち

    ①枠組み、②実装フィールド、③規制の三位一体で本取組を

    強力に推進

    PJ推進を加速する実装フィールドの整備

    PJ推進を加速する規制に係る課題への支援

    社会実装モデル

    社会実装モデル

    社会実装モデル

    社会実装モデル

    ④社会受容性の向上 ⑤情報発信・広報 ⑥連携や提携の推進

    新規ビジネスの創出社会課題の解決 地域活性化

    社会実装モデル

    社会実装モデル

    ①PJ創出を加速する

    枠組み(体制等)の構築

    各種の推進方策によりPJの創出・推進を加速

    PJ

    PJ

    PJ

    PJの創出

    PJの推進

    PJの創出

    PJの推進

    PJ PJ PJ PJPJ PJ PJ PJ PJ PJ PJ PJ PJ PJPJ

    PJ

    PJPJ

  • 参考資料

    展開戦略TF(第1~4回)会合の

    検討整理

  • 17(参考)展開戦略TFの開発等に関する発表まとめ①

    自律型のパーソナルモビリティにより誰もがアクティブな社会参加を可能に!

    買い物に出かける際のラストワンマイルの移動を自動運転の超小型モビリティが補完 等

    まちを支えるテクノロジーの例

    ドライバ用アプリ

    クラウド

    乗客用アプリ

    移動支援ロボット

    ロボティック車いす

    自動運転EVコミューター

    AI運行バス

    電動カート巡回運行

    ドローン物流

    ※出典:総務省ホームページ

    10

    10

    遠隔コミュニケーション

    ※出典:総務省「電波政策2020懇談会報告書」(2016年7月)

    自動運転バス

    高齢者・障がい者がスマートに生活できる

    外出を苦にさせない 険しい環境でもひとりにさせない

    公共交通がスマートに維持できる

    離れていても親密なコミュニケーションがとれる

    誰もひとりにさせないまち

    ※展開戦略TFの発表等から抜粋(出典付きの項目を除く)

    無人配送ロボット

  • 18(参考)展開戦略TFの開発等に関する発表まとめ②

    MaaSによりマイカー以外の移動手段の選択を支援し、永く維持できるまちを実現!

    コンパクトなまちを低速のシティモビリティによりスムーズに移動 等

    まちを支えるテクノロジーの例

    カーシェアリング

    自動運転バス(限定空間巡回型)

    地域特化型移動支援アプリ

    シティモビリティ空飛ぶ携帯電話基地局(災害発生時の通信手段確保)

    災害発生時の通れるみちマップ

    マイカーに頼らず様々な移動手段を選べる

    コンパクトなまちにフィットする

    災害に強くしなやかな社会

    電気自動車(EV)

    地球環境にやさしい社会

    電動モビリティのワイヤレス給電

    新たな価値をつくるまち

    交通事故ゼロの社会

    インフラ協調(インフラ側の取得情報により安全運転を支援)

    歩行者向け安全情報通知アプリ

    ※展開戦略TFの発表等から抜粋(出典付きの項目を除く)

  • 19(参考)展開戦略TFの開発等に関する発表まとめ③

    まちを支えるテクノロジーの例

    スマートな移動で一次産業を元気にする

    アカイカの漁場予測システム

    観光をより自由に、より楽しくする

    自動運転技術を使って自由な移動を実現する交通サービス

    ※出典:日産自動車ホームページ

    建設機械の遠隔制御 ふるさとテレワーク

    地元で多様な働き方が可能になる

    活力に溢れるまち

    シティモビリティ(観光地案内・巡回)

    域外からの訪問者を増やす

    多言語で場所に応じたご案内

    その他 ・現在地マップ ・周辺の広域避難場所

    などの表示も可能

    改札口のご案内 路線図 お得なきっぷ

    無料 Wi-Fi 乗換案内

    画面のアイコンをタップして詳細情報を表示

    そのまま改札

    を通過すると..

    アプリが反応

    駅構内での多言語案内アプリ

    漁場予測システムにより漁師のノウハウ継承の負担を軽減し、漁業の担い手不足に貢献!

    ICTサービスとの連携により、観光客が地域経済に貢献しやすい仕組みをつくる 等

    ※展開戦略TFの発表等から抜粋(出典付きの項目を除く)

    ※出典:総務省ホームページ

    多機能音声翻訳「駅コンシェル」

  • 20(参考)展開戦略TFの検討状況について①

    発表者 発表タイトル 発表内容(一部抜粋)

    NTTドコモ 音構成員 協創が生み出すスマートイノベーション~スマートモビリティに係る取組み

    ・5Gによる建設機械の遠隔操作・自動運転車両の遠隔監視・AIタクシー、AI運行バス・ロケーションネット・スマートパーキングシステム・セルラードローンを活用した鉄道インフラ予防点検・自律型モビリティシステムの開発・実証

    NICT 浜口構成員 NICTの研究開発の取組みのご紹介-スマートモビリティを支える技術-

    ・小型無人飛行機を用いた無線中継システム・ドローン位置情報共有システム

    ・道路側センサーデバイスを利用した情報収集によるダイナミックマップ更新・端末間通信によるICTを活用したまちづくり・UWBを活用した屋内や地下での高精度測位・海底探査機の遠隔操作

    第1回(2018/5/17):YRP進出企業によるスマートモビリティ開発状況

  • 21(参考)展開戦略TFの検討状況について②

    発表者 発表タイトル 発表内容(一部抜粋)

    横須賀市 都市部まちなみ景観課

    ・空き家の状況と谷戸再生への取り組み・谷戸地域 空き家等実態調査報告書

    ・横須賀市の空き家の状況・谷戸の空き家活用促進への取り組み・空き家等実態調査の結果(谷戸地域の特性等)

    横須賀市 土木部交通計画課

    ・横須賀市公共交通の現況

    ・横須賀市地域交通支援事業ガイドライン

    ・交通ネットワークの現状・公共交通徒歩圏人口カバー状況・地域交通支援事業の概要

    横浜国立大学 有吉構成員

    持続可能なモビリティの実現に向けた横浜国立大学の取り組み

    ・交通の概念と交通手段の要素、スマートモビリティとは、モビリティシステムの革新が生み出す価値

    ・協働・共有型モビリティシステムの開発(高頻度小型乗合システム、小型電動カートの移送サービス)・マルチモーダル情報提供システムの開発・何のためのMaaSか・地域で支える地域のためのモビリティソリューション

    テムザック 髙本構成員(阿部代理)

    RIDE-ROID RODEMラストワンマイルのスマートモビリティ

    ・自立支援・移動支援ロボットRODEMについて・RODEMのシティモビリティとしての展開について

    パナソニック 市川構成員

    スマートモビリティに関する取り組みについて

    ・歩者間通信による人・自動車等への危険通知

    ・ミリ波活用による高精細な映像伝送及び高感度な物体検出(インフラレーダ)・ロボット電動車いすWHILL NEXT・自動運転EVコミューターの地方活用・歩行支援ロボット・IoT宅配ボックス

    第2回(2018/6/14):社会課題の解決

  • 22(参考)展開戦略TFの検討状況について③

    発表者 発表タイトル 発表内容(一部抜粋)

    横須賀市 政策推進部都市政策研究所

    横須賀市の将来人口と課題の考察 ・横須賀市の人口動態、将来人口推計・横須賀の将来予測と対応すべき課題の研究報告

    日産自動車 藤本構成員

    スマートモビリティ ・知能化技術、電動化技術、つながる技術によるインテリジェント・モビリティの実現・スマートモビリティによる多様な移動サービスの可能性・既存交通を補完する新たな移動サービスEasy Ride・自動車を取り巻く環境・協業で実現する自動運転社会

    沖電気工業 片桐構成員(浜口代理)

    スマートモビリティによる地域活性化 ・OKIが提供する地方創生支援ソリューション(テレワーク、河川監視サービス、ETC2.0による車両動向把握)・LocoMobi 2.0(車両利用事業者の業務効率化サポート)・プローブ情報等の民間開放・バスロケーションサービス

    SBドライブ 丹野様 SBドライブ 自動運転ビジネスの取り組み

    ・自動運転バスのユースケース・地域における商用化に向けたサービス実証モデル

    BWF WPT-WGリーダー 庄木様

    モビリティ向けワイヤレス電力伝送(WPT)の現状と今後の取組について

    ・IoTカート用WPTシステム(COCN PJ)・産業用電動車両・建機用WPTシステム(COCN PJ)・EVカーシェアリングにおけるWPTシステム(COCN PJ)・EV用走行中給電WPTシステム(第2期SIP PJ)・ドローン等への屋外給電WPTシステム(第2期SIP PJ)

    三菱総合研究所 杉浦構成員(佐藤代理)

    海外のコネクテッドカーに関するテストベッドの事例

    ・ドイツ、シンガポール、イギリス、中国におけるコネクテッドカーや自動運転に関するテストベッド事例

    第3回(2018/6/27):新規ビジネスの創出

  • 23(参考)展開戦略TFの検討状況について④

    発表者 発表タイトル 発表内容(一部抜粋)※未定

    横須賀市 文化スポーツ観光部 観光課

    横須賀市観光立市推進アクションプラン

    ・横須賀市を取り巻く観光客の現状・観光立市に向けたアクションプラン

    横須賀市観光協会 小池構成員

    観光協会の取組紹介 ・ヨコスカサークルバス、スカリン観光タクシー、よこすかYYのりものフェスタ

    京浜急行電鉄 山野構成員

    三浦半島における地域活性化の取組

    ~京急電鉄の主な取組事例と今後の期待~

    ・横須賀市を中心とする三浦半島の課題・空き家対策×沿線活性化「カリアゲ 京急沿線」・京急線・京急バスのリアルタイム情報提供・都市近郊リゾート三浦の創生「三浦半島コンセプトブック」・訪日外国人の増加と受入体制の強化

    ・多機能音声翻訳サービス「駅コンシェル」、多言語案内「おもてなしガイド」

    ITS Japan 鈴木構成員 ITS Japan活動紹介 ・社会実装の現場から、価値、サービス、基盤、技術へと階層的なアプローチ、社会実装の現場の分類アプローチ・地方の交通計画の分析とアクションプラン策定・様々な移動手段を有機的に統合「統合的移動サービス」・地域の情報基盤との融合・統合的移動サービス構築に向けた実践的活動

    JAMSTEC 磯野構成員 海洋研究開発機構の概要と海洋スマートモビリティ

    ・アカイカ漁場予測システム・津軽海峡東部海洋レーダーデータサイト「MORSETS」・深海での無人探査ロボットの超広域高速海底マッピング

    KDDI総合研究所 新保様

    移動型の携帯電話用災害対策無線通信システムに関する調査検討

    ・災害時に被災状況等を支援するドローン等を活用した「空飛ぶ基地局」

    第4回(2018/7/12):地域活性化

  • 論点①:本取組の目指すところ 24

    【考え方】・情報通信技術(ICT)分野に強みを持つYRPを中心として、横須賀市をスマートモビリティの実証・研究開発のメッカとする。また、スマートモビリティの社会実装を進め、すべての市民が暮らしやすいスマートシティを実現する。

    ・テクノロジーを活用して、「強み」を強化(新たな価値の創造)し、「弱み」を克服(社会課題の解決)することにより、スマートモビリティの観点から横須賀市を活性化する。

    TF会合での主なご意見等

    1. 高齢化の進展や厳しい移動環境を有するなど、様々な課題を先進的に抱えている横須賀市において、高齢者の方々も元気に活動できて、社会参加のハードルを下げるような、そんな社会像が見えるような取組になっていけばよい。また、本取組をきっかけとして、横須賀市が日本一のICT先進自治体となり、暮らしやすいスマートシティが実現されればよい。(山野構成員)

    2. ICT分野の強みを生かし、YRPを中心にスマートモビリティ関連の実証・研究開発のメッカとして、「スマートモビリティといえば横須賀・YRP」と言われるような取組に繋がっていけばよいと思う。(山野構成員)

    3. 仕事が無いところには人は住まないので、産業振興や産業誘致の観点は重要である。横須賀市は京急線も走っており、羽田空港のような国際交流拠点とも近い場所にあるので、それを有効に活用した産業誘致や、最先端の技術的開発拠点の形成等に係る取組みも是非考えていけたらよいと思う。(杉浦構成員)

    4. 本取組には、「強み」×「テクノロジー」、「弱み」×「テクノロジー」という2つの方向性がある。前者は、海、文化、食など横須賀市らしさを引き延ばす形でテクノロジーを活用して、収益を出すとともに、働く場所も確保しながら、まちとしてより発展していくという方向性である。後者は、困っていることを解決するためにテクノロジーを活用するという方向性である。両者のバランスを上手にとりつつ取組みを進めることが重要である。(楠田構成員)

    5. 弱い部分に対する社会課題解決というアプローチがある一方で、強いものをより強くしていく、すなわち新たな価値を創造するというアプローチもある。しかし、これらは中間パラメータ的であって、最終的には、横須賀を活性化していくことが一番の大目標であり、域内の活性もあれば、域外から横須賀に来てもらうこともあるし、観光や工業の活性化や防災ということもある。このような観点から、本取組全体の枠組を考えたらよいと思う。(越塚主査)

  • 論点②:本取組のターゲット 25

    【考え方】・スマートモビリティ(スマートな移動性)については、住民サービスの観点から、移動しなくても豊かな生活を送ることのできる技術やサービスもターゲットに含める。

    ・実証や研究開発だけではなく、社会実装も視野に入れた取組みとする。・スマートモビリティによる地域活性化は、地域内の居住者と地域外からの訪問者の両方をターゲットとする。

    TF会合での主なご意見等

    1. 今後、横須賀市で人口減少や高齢化が急速に進むことを考えると、自動運転の段階的な実現で対応できるレベルと、追いつけないレベルの間でギャップが出てくるであろう。横須賀市として今後、都市形成をどうしていくのかという中で、自動運転だけではなく、如何にICTを活用してコミュニティをよいものにするか、また、ICTの活用により住民の助け合い

    サービスをどう活性化していくかといったように、落としどころを幅広くして考えた方が、住民サービスとしてよいアイデアが出てくると思う。(杉浦構成員)

    2. 少子高齢化に起因する移動に係る課題に対するソリューションとして、便利な乗り物を利用するという考え方もあるが、別の考え方として、外出せずとも買い物が出来る、いわゆるネット販売のような形で、向こうから物がやってくるという考え方もある。このように、求められているものを適切に整理し、モビリティとしての解決策がどこにあるかを検討していくと、色々なやり方が見えてくるのではないかと思う。(音構成員)

    3. 実証だけで終わらせてしまうのではなく、スピード感を持って取り組んでいく必要がある。実際のインフラとして、どの段階でどこまで実装していくのかという、目標を持つとよいのではないか。(髙本構成員)

    4. 谷戸地区の問題では、住民がコミュニティを維持するために必要とされるモビリティが何であるかが明確になるとよいと思う。他方で、同地区が、外部から魅力的に見えるようにするためにどのようなモビリティが必要になるかという観点も重要である。(永長構成員)

    5. スマートモビリティを考える時に、高齢者の話題が上りがちであるが、障がい分野にも目を向ける必要がある。視覚・聴覚の障がい者の方の外出面の配慮といった点もあわせて考えられると良い。 (松尾構成員)

  • 論点③:展開に向けての考え方 26

    TF会合での主なご意見等

    1. 横須賀市という場所は、観光地を多く有しており、また、海や山といった様々な地形にも富んでおり、さらに、約40万人

    という人口規模の中核都市となっていることから、この場所でスマートモビリティの地域実装ができれば、日本全国や海外を含めて展開することが可能なモデルがつくれるのではないかという期待を持っている。(杉浦構成員)

    2. 現在は、人生100 年時代、長寿時代と言われており、しかも一人暮らしが増えてきている。一方で、高齢者の免許返納、高齢者の移動を支えるバスやタクシーのドライバー不足、介護者の人手不足等の様々な課題が噴出してきており、今後は高齢者であっても何でも一人で用を足せるような環境をつくっていかなければならない。(楠田構成員)

    3. 谷戸地域の空き家の件は、都市部・郊外部に限らず全国的な課題であり、今後 10 年の間で必ず解決していかなければならない問題であると思っている。 (杉浦構成員)

    4. 全国にICTの利活用に悩んでいる自治体も多くいると思う。したがって、情報発信を行う際に、こういったアプローチで

    やるとこういった成功に結び付いたというところまで含めて発信していただけると、様々な自治体も非常に助かるのではないかと思う。(片桐構成員)

    5. 本取組で実施する何らかのプロジェクトを、例えば、単に谷戸地域のモデルということで終わらせるのではなく、当該モデルを定性的及び定量的に分析して展開可能性を探っていければよいと思う。(永長構成員)

    6. テストベッドや実証実験を通じた成果を、コンソーシアム等の枠組等を用いて国内標準化・国際標準化して展開すれば、横須賀だけではなく、日本全体あるいは国際的にも広げられるような取組になるのではないか。(市川構成員)

    【考え方】・横須賀市は、山や海など多様な地形を有し、特に、山坂が多く居住には険しい環境を多く有する。また、人口減少や少子高齢化が急速に進展しており、日本・世界で共通的に見られるような多くの社会問題が先行的に噴出している中核市である。

    ・したがって、本市で実装に成功した技術やサービスは本市外の様々な地域でも通用する可能性が高く、本取組によるスマートモビリティの地域実装事例をモデル化し日本・世界に展開する。

    ・今後、展開戦略として、本取組の展開に向けた方策について検討を進める。

  • 論点④:実装に向けての考え方(ニーズ) 27

    TF会合での主なご意見等

    1. 本TFの検討で、一番先に来るのは、まずは課題だと思う。まずは課題があって、それに対して、先端的な技術をどう組み合わせて何を提供していくかという検討ができればよい。(鈴木構成員)

    2. 本取組では、ニーズを実現していくことで価値が出ると思っており、5年間のスマートモビリティに関する本取組の成果がレガシーとして残り、住民や観光客にも利用されるようなものが残せるとよいと思う。(市川構成員)

    3. 横須賀の観光、介護、農業、漁業などの一次産業の人たちの地元ニーズに、技術開発をあらかじめ掛け合わせていく必要があると思う。技術が出来たからそれを使うという発想ではなく、観光・介護・農業等に携わっている人たちの意見をどこかの時点で吸い上げながら、技術開発が進めていけるようになればよい。(仲西構成員代理(水野代理))

    4. スマートモビリティというキーワードを検討するためには、様々なデータが必要であると思う。たとえば、鉄道の利用者は、どこからどこへ、どれくらいの人数がどの時間帯にどう移動しているか、といった動線の数字をベースにすると、モビリティの整理ができてくると思う。 (仲西構成員)

    5. 大学、自治体が分析できるような地域の人々の暮らしの移動データを如何に取得していくかは課題であり、そのような情報収集のうまい仕組みが構築できれば、実態が分かってくると思う。 (有吉構成員)

    6. 市民の生活を考えるときに、ただ便利になれば良いというものでもないと思う。外に出ようとする人のニーズについては、外出という行為の結果だけで考えるのではなく、自分で行動したいという意思を持っているといった点まで含めて考えていく必要があるのだと思う。(松尾構成員)

    【考え方】・社会実装まで視野に入れて本取組を実施するのであれば、地域の現場や様々な業界が抱える課題などスマートモビリティに関する潜在的/顕在的なニーズを捉えてプロジェクトを創出・推進する必要がある。

    ・今後、展開戦略として、このようなニーズを適切に想定して、プロジェクトへの部分的反映やプロジェクトの成果を分析・評価する枠組みについて検討を進める。

  • 論点④:実装に向けての考え方(持続性) 28

    TF会合での主なご意見等

    1. 実際に実装を行うフェーズでは、どうしてもコストがかかってくるので、お金が回る仕組み、すなわちビジネスモデルのようなものもあわせて検討していければよいと思う。(浜口構成員)

    2. 新たな技術の導入によって、既存のビジネス等がどのように変わりうるかという視点は重要である。たとえば、ワイヤレス電力伝送の技術を導入することによって、カーシェアリングのビジネスモデルが変わるかもしれない。このように、小さな部分を技術で置き換えることが、EVの普及や関連産業への波及効果につながるかもしれない。(有吉構成員)

    3. 本取組では、ニーズを実現していくことで価値が出ると思っており、5年間のスマートモビリティに関する本取組の成果がレガシーとして残り、住民や観光客にも利用されるようなものが残せるとよいと思う。(市川構成員)

    4. ビジネスは競争領域であると言われるが、業界の連携やパートナーの連携をして実証実験やテストベッドで培った技術を、皆が利用できるようにして、その中でビジネスを考えていくということもありうる。(市川構成員)

    5. 横須賀市における移動が困難な地域の方がモビリティを使えるようにするため、どう投資を行いどう回収していくかというところを、利用者のニーズや動線の分析といったところと絡めてビジネスモデルを検討することが必要ではないか。(市川構成員)

    6. 「スマート」なモビリティということであれば、「効率的」で「より便利」というのがキーワードになると思う。加えて、この仕組みをどれくらいサステナブルに維持していくかという点も本質的であり、コストやメンテナンスをどうしていくかという点は非常に重要なポイントである。(音構成員)

    7. スマートモビリティの取組みは持続可能な形にする必要があるが、このためには、高齢化の進む地域における担い手をどう育成して、どう関与させていくかという点が重要である。(鈴木構成員代理(石毛代理))

    【考え方】・社会実装まで視野に入れて本取組を実施するのであれば、ビジネスモデルや担い手の確保など仕組みの持続性を適切に確保してレガシーを遺すという点も考慮して、実証等を進める必要がある。

    ・この点について、企業が競争領域として独自にビジネスモデルを検討するという方向性もあるが、他方で、業界やパートナーとの連携の枠組みの中で持続性を検討するという方向性も考えられ、今後、展開戦略として、このような検討を実施する枠組みの構築に関する検討を進める。

  • TF会合での主なご意見等

    論点⑤:まちづくりビジョン・社会実装モデルについて 29

    1. 本取組によって横須賀市の目指すところは、少子高齢化・産業創出・観光客を増加させるということがメインになってくると思う。このような課題がある中で、横須賀市としてスマートモビリティを用いて何を目指し、どこに向かおうとしているのか、つまり、横須賀市としてのゴールをどこに設定するかを考える必要がある。(髙本構成員代理(阿部代理))

    2. 横須賀市では様々な課題を抱えているということなので、具体的にエリアを特定し、そのエリアの実態を把握し、その実態に対し何が出来るかを考えていくアプローチも重要である。(永澤構成員)

    3. 郊外など居住地側の人々の外出行動や、駅までのアクセシビリティを高めることは非常に大事であり、特に、横須賀は山坂が多く非常にきついので、自宅からの外出や帰宅といった、ファースト&ラストワンマイルの移動支援をスマートにやっていくという方向性が有り得るのではないか。(有吉構成員)

    4. 高齢者が何でも一人で用を足せる環境をつくるためには、高齢者の移動を支えるモビリティが重要である。この点でロボット電動車いす等の低速モビリティはシェアリングが及ばない郊外のラストワンマイルの移動に対し有効である。このようなラストワンマイル系のモビリティとMaaSをうまく組み合わせて活用できるとよい。(楠田構成員)

    5. 少子高齢化が進んでいった場合に、移動に関する課題を根本的に解決するには、近くで買い物が出来るし、病院もあるといったコンパクトシティの形態が最終形になるのかもしれない。一方で、現実的には、引っ越しも出来ず、そこで生活している人がいるので、そういった方々のためにもスマートモビリティは有効であろうと思う。 (浜口構成員)

    6. 最近の観光の傾向は、域内で周遊できる地域がないと滞在時間が伸びない。したがって、見る・食べる・学ぶことができるエリアが域内に複数存在し、その複数のエリア間を結ぶモビリティがしっかりしていることが重要である。また、来訪者にとって路線バスの利用はハードルが高く、分かりやすい域内モビリティが観光にとっても重要。(杉浦構成員)

    【考え方】・横須賀市としてスマートモビリティを用いてどのようなまちを目指すのか、どのような社会実装モデルを想定するのかを整理して、本取組によるプロジェクトの創出・推進を行う必要がある。

    ・社会実装モデルについては、移動が困難な地域の居住者や移動弱者に対するファースト&ラストワンマイル移動支援、MaaSによる最適な都市交通、コンパクトシティの都市形態に適したモビリティ、観光など地場産業を活性化する域内モビリティなどがキーワード。

  • TF会合での主なご意見等

    論点⑥:プロジェクトのテーマについて 30

    1. 自動停止・自律移動機能を備えたロボット電動車いすの屋内実証を実施したが、屋外の利用を考えると、突発的な外乱や歩道等の地図情報など様々な制限が出てくると思う。(市川構成員)

    2. オンデマンドでモビリティのサービス提供することを考えたとき、平常時のデザインと共に、異常事態が起きた時にどう柔軟に乗り物を動かしていくのかといったデザインもあわせて考える必要があると思う。 (有吉構成員)

    3. 陸上のスマートモビリティに関する技術を海洋ロボットの開発にもつなげていけるのではないか。(磯野構成員)

    4. 様々な交通手段を乗り継いで2地点間をスマートに移動するためには、スムーズに乗り継げるということが重要になってくると思う。このような移動全体に対する分析を行うにあたり、現在開発されている IoT、コネクテッドカー、5Gという「つなげる」技術の役割が増してくる。(浜口構成員)

    5. 繋がるという点ではセキュリティの問題が非常に大きくクローズアップされてくると思う。(浜口構成員)

    6. 自動認識が可能な信号機といった研究テーマも考えられる。通信を活用することにより、信号を用いなくとも上手く衝突を回避させる技術といった発想にチャレンジするのもよいかもしれない。(仲西構成員)

    7. 自動運転に無線技術を応用する場合には、切れない無線を実現するのがなかなか難しいため、実際には自律走行プラス無線の活用という形態になり、チューニング方法など様々な課題がある。(浜口構成員)

    8. 上記のほか、第1~4回会合の発表の中で、様々なプロジェクトテーマが報告された。(本資料中P.32~35)

    【考え方】・横須賀市・YRPが強みを持つテクノロジー(ICT、コネクテッドビークル、陸海空を移動するロボット等)に限っても、本取組の中で創出・推進するスマートモビリティに係るプロジェクト(研究開発・実証等)のテーマについては、非常に多くの想定が可能である。

    ・まちづくりの観点からは、利用できるテクノロジーを柔軟かつ適切に組み合わせればよいことから、まずはスマートモビリティを活用してどのようなまちをつくりたいのかを整理し、社会実装モデルを特定した上で、これらに紐づく具体的なプロジェクトをぶら下げればよいのではないか。

    ・今後、展開戦略として、プロジェクトを創出・推進する枠組みの構築等について検討を進める。

  • 論点⑦:インフラ整備の考え方 31

    TF会合での主なご意見等

    1. 谷戸の問題について、パーソナルモビリティや先進的なスマートモビリティで課題を解決するという方法もあるが、長期的な問題解決のためには、受け皿になるインフラ(駐車場等)とセットで考えていく必要があると思う。(藤本構成員)

    2. 自動運転バスの実用化を目指す当社としても、インフラ協調は重要なファクターになると考えている。インフラ協調を用いれば、自動運転バスの早期実用化が可能であるし、信号機の情報を路側からの通信で取得したり、GPSが通らない場所を磁器マーカーで代用したりといった補完的な役割を果たすことが期待できる。(SBドライブ)

    3. ワイヤレス電力伝送装置や、カメラやレーダーといったセンサーを道路側に設置するという点も大事である。また、自動走行に必要な地図情報の整備や通信を行うための通信基盤は、協調領域として関係者で協力して取り組むことが重要ではないかと思う。(市川構成員)

    4. モビリティのサービスを提供する側から考えると、小型のスマートモビリティが取得した様々なデータを IoT 的に収集

    し、それを基にしてビッグデータ解析を行い、その結果をサービス側にアクチュエートしていくというような流れが上手く出来ると、本当のニーズや課題が見えてくるのではないかと思う。スマートモビリティを使ったネットワーク側のシステムに関する具体的なアイデアが出てくると、非常に現実的な話になってくると思う。(山野構成員)

    5. 限られた予算をどの部分に投資するかという点を含めて、インフラ面の整備を考えていく必要があると思う。(永長構成員)

    【考え方】・スマートモビリティ(スマートな移動性)を実現するためには、スマートな乗り物だけでなくスマートなインフラ(特に、情報を収集・配信するためのインフラ側の機器や基盤など)とセットで考える必要がある。

    ・しかしながら、インフラ面の整備にはコストもかかることから、まずは、部分的に当該環境を構築してその効果を検証してみるなどテストベッドの活用が必要となるのではないか。

  • 論点⑧:推進方策(実装フィールド) 32

    TF会合での主なご意見等

    1. 自動運転の実現に向けた取り組みについては、まだまだ課題が多いと思うので、大規模なテストベッドを立ち上げて横須賀市をスマートモビリティに係る開発のメッカとすることも方法としてありうるのではないか。(音構成員)

    2. 地域活性化に向けては、企業を誘致することが重要であるが、YRPをスマートモビリティの開発拠点とする、あるいは、テストベッドにするということが実現できれば非常に有効だと思う。(市川構成員)

    3. 今の横須賀市の状況に対して、モビリティに関してこういった未来を実現したいという社会像及びそれを実現するためのテクノロジーを整理し、町の全体的な移動を変えていかなければいけないことについて市民の意識を喚起し、実際に皆で移動の在り方を変えていくといったような仕組みをつくる必要があるのではないか。このような仕組みのトライアルのひとつとして、都市のしなやかなスマートシュリンクのようなものをモデルとして確立できるテストベッドを実現する必要があるのではないか。(楠田構成員)

    4. 世の中では様々な技術が開発されているが、実際にその技術を現場で試してみて、そこから如何にフィードバックを得るかということ、また、それをサイクルとして回していくということが重要であると考える。ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジの取組みの中で、テストベッドのようなものを使って、様々な技術をもった方、様々な視点・考え方を持った方が、その場を使って繰り返し実証実験を行い、フィードバックをしていくことができる枠組みがポイントになると思う。(梅澤構成員代理(涌井代理))

    5. テストベッドを使った上記の取組みを1社単独で行うというだけではなく、様々な企業・研究機関等が連携して進めていくことが必要になる場面もあろうかと思うが、この連携を行うハードルを下げるためのスキームづくりもポイントになってくると思う。(梅澤構成員代理(涌井代理))

    【考え方】・横須賀市・YRPにおけるスマートモビリティの実証・研究開発を推進するための方策として、当該地域に大規模なテストベッドを立ち上げることも手法として有効。

    ・テストベッドを構築することにより、未来のスマートモビリティ社会の実装フィールドを局所的に実現し、本環境を利用して様々なプロジェクトのサイクルを加速する。また、本テストベッドを中心として、様々な企業・研究機関等の連携を促進するスキームをあわせて構築する。

  • 論点⑨:推進方策(規制に係る課題) 33

    TF会合での主なご意見等

    1. 制度面から技術進展をどう進められるかというアプローチも必要である。例えば、低速の自動運転シャトル運行バスが来たら、他の人は道を譲りましょうというルールをつくると、かなり早く普及が進むのではないかと思う。そのようなルールを定めた限定的なエリアをつくってしまうというアプローチも考えられるのではないかと思う。(永澤構成員)

    2. 法律の壁という話もあったが、実際に実証や実装を実施しようとした時に、具体的に規制のどの部分が問題になってくるのか、また、それはコストをかければ解決できる問題なのかといった整理は、今後の議論を進める上で必要だと思う。(浜口構成員)

    3. 現時点では、ドローンの実証実験をひとつ行うというだけで、規制の関係の煩雑な諸手続きなどが発生している。今後、5年間で、様々な実証を行っていくにあたっては、このような技術面以外に解決すべき課題が多くでてくると思う。(中尾構成員代理(桐葉代理))

    4. 当社の移動支援ロボットは、この先、車道を走ることを目標としている。電動車いすが車道を走る場合には、諸外国では時速 15 ㎞まで走行が可能である場合が多い。他方で、日本では、規制上、時速6㎞までしか出せないという制約がある。(髙本構成員(阿部代理))

    【考え方】・本取組の推進にあたっては、制度的な側面(規制、ルール等)から技術進展をどう進められるかというアプローチも必要である。

    ・今後、具体的なプロジェクトを創出・推進するにあたって、当該プロジェクトの実施に係る規制の課題を整理し、当該課題に対する支援策等を可能な範囲で講じるような枠組みの構築について検討を進める。

  • 論点⑩:推進方策(社会受容性・広報・連携推進) 34

    TF会合での主なご意見等

    1. 今の横須賀市の状況に対して、これからどのような暮らしをつくっていきたいかというのを、例えば市民とのワークショップを開催するなどして、そこでこういった未来を実現したいという社会像の整理や、それを実現するためのテクノロジーについて意見交換等を行い、まちの全体的な移動を変えていかなければいけないことについて市民の意識を喚起し、実際に皆で移動の在り方を変えていくといったような仕組みをつくる必要があるのではないか。(楠田構成員)

    2. 例えばYRP野比駅と商業施設の間で自動運転バスを運行させ、市民に当該技術を気軽に体験していただくというのも、スマートモビリティの技術を広めていく1つの方法ではないか。(浜口構成員)

    3. 公道を使用して実証を行うとなると、横須賀では、坂道が多く細い道路もあり、また、トンネルも多いため、たとえば通信面は大丈夫なのか、など一般の方は様々な点が不安になるであろう。(松尾構成員)

    4. 例えば一人乗りのカートなど移動のハードルを少し下げるような乗り物の活用といったような身近なテーマについて、YRPを中心として、周辺住民も巻き込んでデモや実証を行うことができれば、住民もスマートモビリティに関する将来像が描けるのではないかと考える。(山野構成員)

    5. 横須賀市にも観光資源はあると思うが、必ずしも横須賀の中に閉じた観光の周回ルートをつくるのではなく、周辺の経済圏も含めた中で回遊させるというように、周辺地域との連携を適切に考えることによって、ある程度の需要を確保するといった視点も重要であり、これにより移動サービスやビジネスも持続的になるであろう。(藤本構成員)

    【考え方】・社会実装まで視野に入れて本取組を実施するのであれば、市民の方々にスマートモビリティに係るテクノロジーについて不安感を払拭していただく、親しみを感じていただく、活用のイメージをもっていただくといった取組みも必要である。

    ・来年1月頃に開催するイベント「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ2019」を活用し、周辺住民の方々も部分的にご参加いただくデモ・実証等を行うことによって、本取組について広く理解を求めるとともに、スマートモビリティに関する横須賀市住民の社会受容性を醸成する。

    ・また、本取組をきっかけとして、近隣の地域や都市等とモビリティに関する連携や提携を推進することも必要である。

  • 論点⑪:取りまとめに向けて 35

    TF会合での主なご意見等

    1. 最も重要なことは、横須賀市で本取組を行うことの哲学、理念、コンセプトをきちんと持つことである。(越塚主査)

    2. 今後、確実に人口が減っていく中で、AIで足りない部分を補ったり、寿命が100年に近づくことを前提に人生設計を大

    きく変化させたりといった点もトータルで考え、人口減少がネガティブな面だけで捉えられないように、今回のテーマだとスマートモビリティの実装とも絡めて今後の社会を考えていく必要があると思う。(越塚主査)

    3. 単純化して考えると、「乗り物自体」をどうしていくかという話と、その「乗り物を動かす仕組み」をどうしていくかという話と、それがどういう「ビジョン」につながっていくかという3つの要素があると思っている。この3つの要素を今後5年間の中でどのような順番で埋めていくか、また、各要素をどのようにして上の次元に高めていくのかということが整理されていくと、その中で、それぞれの取組みが居住者側に効くものなのか、来訪者側に効くものかということの整理ができ、その立体的な整理の中で各々のプレーヤーや技術のマッピングができるのではないかと思う。(有吉構成員)

    4. 「横須賀でないとできないこと」×「何か」という方向を目指した方が、面白みも話題性もあるし、さらに、そこに絶対に必要となるようなテクノロジーがあれば、この地の産業になり、稼げるものになると思う。したがって、「強み」と「弱み」をしっかり把握し、それらをテクノロジーで伸ばしていくという考え方や戦略を持つとよいと思う。(楠田構成員)

    5. 実証だけで終わらせてしまうのではなく、スピード感を持って取り組んでいく必要がある。実際のインフラとして、どの段階でどこまで実装していくのかという、目標を持つとよいのではないか。(髙本構成員)

    6. 今後、横須賀市が抱える空き家や公共交通に関する課題に対して、どこに目標を設定し、それに対してどのようにモビリティが活用できるのかという点が重要である。(片桐構成員代理(浜口代理))

    【考え方】・最終取りまとめに向けて、改めて、横須賀市で本取組を行うことのコンセプトを整理するとともに、本取組によってどのような社会を目指すのか、また、そこに向けてどのようにテクノロジーを活用していくのか等の指針を打ち出すことを検討する。

    ・本指針の下に、今後5年間の中で本取組により実施する事項や目標設定、また、本取組を推進していくための方策や展開に向けた戦略等を検討する。

  • (参考)スマートモビリティへの期待

    高齢者や障がいをお持ちの方など、ちょっとした日常の移動に困難を抱える方の社会的ハードルを下げ、安心して活動いただけるようなモビリティの活用

    沿線にお住まいの方だけでなく、横須賀に来られる方(日常的な用事、観光、訪日外国人(※オリパラが大きな契機))にとっても、魅力的なモビリティの活用

    まずは地に足の着いた取組が大事だが、市内外の方に「便利で面白そう」、「見てみたい」、「乗ってみたい」と思ってもらえるような「クールさ」も必要

    YRPが誇るICT分野のポテンシャルをフル活用した、分野横断的な取組

    京急グループが展開する様々なインフラ(ハード・ソフト)との連携・活用

    横須賀市でのスマートな暮らし満足度が高まり、少子高齢化や人口減に対しプラスの効果が出るだけでなく、結果として、国内外からの交流人口が増加し地域活性化につながることが重要

    ※第4回展開戦略TF会合(2018年7月12日)「資料 展開TF4-3」山野構成員発表資料より抜粋

    36