伊藤 武彦 ITO Takehiko ·...

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伊藤 武彦 ITO Takehiko ・生年等…1955 年 8 月 2 日生 ・専攻…教育心理学、平和心理学 ・最終学歴…東北大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士後期課程修了 ・学位…教育学博士(東北大学) 【教育活動】 1985 年 4 月、和光大学人文学部人間関学科に専任講師として着任、2007 年 4 月、学部学科改組により現代 人間学部人間発達学科教授を経て、現在に至る。和光大学大学院社会文化総合研究科発達・教育臨床論コース 教授を併任。 主な担当科目は、学部では平和心理学演習、平和心理学 A(平和心理学概論)、平和心理学 B(紛争転換ワー クショップ)、教職教育心理学、大学院では教育心理学および特論である。ほかに、心理学の研究法に関する 授業(心理学基礎実験)を分担し、心理学 AB(概論)、プロゼミがある。フィールドワークを中心とする実践 研究abでは、6 月に北海道浦河、10 月には沖縄平和学習旅行を行なっている。 【研究活動】 現在の関心領域は、平和研究、コミュニティ支援研究、患者の語り研究、ミックス法の技法開発、テキスト マイニング技法の応用、などである。論文欄を見てもらえば分かるように、基本的な研究のスタイルは共同研 究である。平和研究では、紛争解決の方法としてのトランセンド法を研究し平和心理学Bの授業やパイデイア 講座でその基礎を教えている。平和心理学の構想が継続課題である。コミュニティ支援では、学校でのプログ ラム評価法としての MEASURE 法の翻訳と検討、地域でのマイノリティに対する偏見低減を展望した研究を大学 生を対象に行なってきた。患者の語りのプロジェクトは昨年より出発し、現在、精神病患者と癌患者について 共同研究を推進中である。ミックス法の技法としては HITY 法という PAC 分析を応用した方法が開発途上であ る。テキストマイニングは、近年ソフト開発の発展にともなって実用化されてきた研究法であり、語りという 質的な資料をデータマイニングによる量的分析により視覚化する技法として、平和研究と患者の語り研究への 適用を模索している。 【国際学術交流】 2011 年にキプロスで行われた国際平和心理学シンポジウムで口頭発表するなど、毎年国際学会で研究発表を 行なっている。 【学内職務・委員】 ・2007 年 4 月~2009 年 3 月 総合文化研究所委員 ・2007 年 4 月~2012 年 3 月 心理教育学科学科長 ・2009 年 4 月~2010 年 3 月 大学院発達・教育臨床論コース代表、企画室員、情報センター委員

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伊藤 武彦 ITO Takehiko

・生年等…1955 年 8 月 2日生

・専攻…教育心理学、平和心理学

・最終学歴…東北大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士後期課程修了

・学位…教育学博士(東北大学)

【教育活動】

1985 年 4 月、和光大学人文学部人間関学科に専任講師として着任、2007 年 4 月、学部学科改組により現代

人間学部人間発達学科教授を経て、現在に至る。和光大学大学院社会文化総合研究科発達・教育臨床論コース

教授を併任。

主な担当科目は、学部では平和心理学演習、平和心理学 A(平和心理学概論)、平和心理学 B(紛争転換ワー

クショップ)、教職教育心理学、大学院では教育心理学および特論である。ほかに、心理学の研究法に関する

授業(心理学基礎実験)を分担し、心理学 AB(概論)、プロゼミがある。フィールドワークを中心とする実践

研究abでは、6 月に北海道浦河、10月には沖縄平和学習旅行を行なっている。

【研究活動】

現在の関心領域は、平和研究、コミュニティ支援研究、患者の語り研究、ミックス法の技法開発、テキスト

マイニング技法の応用、などである。論文欄を見てもらえば分かるように、基本的な研究のスタイルは共同研

究である。平和研究では、紛争解決の方法としてのトランセンド法を研究し平和心理学Bの授業やパイデイア

講座でその基礎を教えている。平和心理学の構想が継続課題である。コミュニティ支援では、学校でのプログ

ラム評価法としての MEASURE 法の翻訳と検討、地域でのマイノリティに対する偏見低減を展望した研究を大学

生を対象に行なってきた。患者の語りのプロジェクトは昨年より出発し、現在、精神病患者と癌患者について

共同研究を推進中である。ミックス法の技法としては HITY 法という PAC 分析を応用した方法が開発途上であ

る。テキストマイニングは、近年ソフト開発の発展にともなって実用化されてきた研究法であり、語りという

質的な資料をデータマイニングによる量的分析により視覚化する技法として、平和研究と患者の語り研究への

適用を模索している。

【国際学術交流】

2011 年にキプロスで行われた国際平和心理学シンポジウムで口頭発表するなど、毎年国際学会で研究発表を

行なっている。

【学内職務・委員】

・2007 年 4 月~2009 年 3月 総合文化研究所委員

・2007 年 4 月~2012 年 3月 心理教育学科学科長

・2009 年 4 月~2010 年 3月 大学院発達・教育臨床論コース代表、企画室員、情報センター委員

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【学外活動】

日本心理学会、日本教育心理学会、心理科学研究会、トランセンド研究会、マクロ・カウンセリング研究会、

PAC 分析学会、日本応用心理学会、日本心理臨床学会、American Psychological Association、日本発達心理

学会、日本行動計量学会、日本精神保健看護学会、日本看護科学学会などに所属している。

【著書】(2009-2011 年)★2010 年より「いとうたけひこ」の名前で論文などを書いている

○内藤哲雄・井上孝代・いとうたけひこ・岸 太一(編集)2011 『PAC 分析研究・実践集1』 ナカニシヤ

出版

○伊藤武彦 2009 「第 8 章 紛争研究」 君島東彦(編) 『平和学を学ぶ人のために』 京都:世界思想

社 pp173-188

【論文】(2009-2011 年)

○井上孝代・いとうたけひこ・飯田敏晴 2011 高等学校のステークホルダーの葛藤対処方略スタイルと適

応:教職員のバーンアウト傾向及び学校特性の認知との関連 心理学紀要(明治学院大学), 21, 1-12.

○杉田明宏・いとうたけひこ 2011 沖縄ピースツアーの効果と意義:テキストマイニングを用いて トラン

センド研究, 9(1), 46-68.

○加藤千佳・城丸瑞恵・いとうたけひこ 2011 テキストマイニングを用いた病棟看護師の実習指導に対する

語りの分析,昭和大学保健医療学雑誌,8,23- 33.

○いとうたけひこ・大高庸平 2011『911ボーイングを捜せ』と『9/11:真実への青写真』の視聴前から視

聴後への米国政府公式見解への支持の減少はなぜおこったか?:テキストマイニングを活用したメディ

ア・リテラシーの検討 心理科学, 31(2), 38-49.

○いとうたけひこ 2011 知識創造共同体としての浦河べてるの家の当事者研究:ナレッジ・マネジメント理

論からの分析 東西南北 2011:和光大学総合文化研究所年報, 110-129.

○小平朋江・いとうたけひこ 2011 「当事者が主人公」の実践のあり方を考える:統合失調症当事者による

ナラティブを手がかりに 東西南北 2011:和光大学総合文化研究所年報, 130-140.

○小平朋江・いとうたけひこ・大高庸平 2010 統合失調症の闘病記の分析:古川奈都子『心を病むってどう

いうこと?:精神病の体験者より』の構造のテキストマイニング 日本精神保健看護学会誌, 19(2),

10-21.

○大高庸平・いとうたけひこ・小平朋江 2010 精神障害者の自助の心理教育プログラム「当事者研究」の構

造と精神保健看護学への意義:「浦河べてるの家」のウェブサイト「当事者研究の部屋」の語りのテキス

トマイニングより 日本精神保健看護学会誌, 19(2), 43-54.

○いとうたけひこ・水野修次郎・井上孝代 2010 紛争解決法としてのピア・メディエーション: 関西 M 高校で

の取り組み トランセンド研究, 8(2), 70-75.

○大高庸平・城丸瑞恵・いとうたけひこ 2010 手術とホルモン療法を受けた乳癌患者の心理:テキストマイ

ニングよる語りの分析から 昭和医学会雑誌,70, 4, 302-314.

○いとうたけひこ・杉田明宏・井上孝代 2010 コンフリクト転換を重視した平和教育とその評価:ガルトゥン

グ平和理論を主軸にした教員免許更新講習 トランセンド研究, 8, 10-29.

○飯田敏晴・いとうたけひこ・井上孝代 2010 日本の大学生における HIV 感染経路に関する知識と偏見の関

連:性差に焦点を当てて 応用心理学研究, 35(2),81-89.

○いとうたけひこ・小平朋江・穴澤海彦・井上孝代 2010 タイダルモデルと浦河べてるの家:英国と北海道か

ら生まれた精神障害者のためのコミュニティ的人間関係援助 和光大学現代人間学部紀要, 3, 197-207.

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○鈴木ゆか・城丸瑞恵・いとうたけひこ・大高庸平 2010 自己抜管に関する研究動向ーテキストマイニング

ツールによる分析ー,昭和大学保健医療学雑誌,7,17-25.

○孫波・いとうたけひこ・城丸瑞恵・大高庸平 2010 日本におけるターミナルケアの看護学文献のテキストマ

イニング:医中誌データベースの1983年~2007年のタイトルの分析 昭和大学保健医療学雑誌,7,43-48.

○小平朋江・伊藤武彦 2009 ナラティブ教材としての闘病記:多様なメディアにおける精神障害者の語りの

教育的活用 マクロ・カウンセリング研究, 8, 50-67.

○井上孝代・伊藤武彦 2009 高校のステークホルダーがかかえるコンフリクトの構造-レパートリーグリッ

ド法と HITY 法による個人別態度構造分析- 心理学紀要(明治学院大学), 19, 21-33.

○北風菜穂子・伊藤武彦・井上孝代 2009 レイプ神話受容と被害者ー加害者の関係によるレイプの責任判断

に関する研究 応用心理学研究, 34, 56-57.

○城丸瑞恵 伊藤武彦 下田美保子 仲松知子 宮坂真紗規 堤千鶴子 久保田まり 2008 腹部の手術を受ける患

者のコーピングに関する実態調査 -手術前後のコーピング方略の構造的把握を目指して- 昭和医学会雑

誌, 68(6), 334-344.

○内藤哲雄・伊藤武彦・井上孝代・伊藤哲司・大渕憲一 2009 シンポジウム 異文化対立から相互理解へ:

理解と和解のためのフロンティア 応用心理学研究, 34, 60-72.

【翻訳】(2009-2011 年)

○Galtung, J いとうたけひこ(訳) 2010 日本外交のもう一つの道:4 つの具体的な提案 トランセンド

研究, 8(1), 30-34.

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岩本 陽児 IWAMOTO Yohji

・生年等…1963 年 2 月 23 日生、男

・専攻…社会教育学・生涯学習論

・最終学歴…九州大学大学院教育学研究科後期博士課程単位取得退学

・学位…文学修士(九州大学、1989 年 3 月)

【教育活動】

・2002 年 4 月、和光大学人間関係学部人間発達学科(当時)に社会教育学担当の助教授として着任。その後

学校教育法改正にともない准教授として現在に至る。

・和光大学大学院では発達・教育臨床論コースに所属し、現代社会関係論コースでも講義を担当している。

学部および大学院では、社会教育・生涯学習および環境系科目を開講している。学部では社会教育主事、図

書館司書、博物館学芸員資格の必修科目である「生涯学習概論」や、選択必修科目である「社会教育論」のほ

か、研究法科目なども担当。ゼミナールでは受講生の関心に応じ、自治体の協力を得ながら生涯学習や文化活

動などを広く取り上げている。卒業論文の指導では、生涯にわたる人間の成長・発達支援の視点から、地域に

おける教育・文化・市民活動全般にわたり論文指導を行っている。学生の意欲を喚起するためフィールドワー

クを重視しており、共通教養科目としても履修可能な「フィールドで学ぶ生涯学習」、「英国の環境保護」科目

を開設。2005 年に本学の裏山が保存緑地「岡上 和光山」として川崎市の条例指定を受けたことを契機に、「里

山保全の理論」・「里山保全の実際」の科目を開設し、全学部生対象の実践的な環境教育にも取り組んでいる。

すべての授業で「受講生カード」を用意して、双方向のコミュニケーションを企図している。学生に授業後

の一行コメントの記入を求め、次回授業の冒頭で質問への回答等、必要なフィードバックを行っている。

【研究活動】

人間と自然とのかかわりを第一の手がかりに、市民文化についてあれこれ考えている。産業革命以降の文明

の位相の中に個々の事象を位置づけながらよりよく理解したいと思っている。

環境保全の市民運動史。英国後期ビクトリア時代の目的を特化した NPO による環境保全セクターの創出過程、

両大戦間期における運動の再編成と現代化過程を考察している。園芸についても、市民文化の一領域として関

心を持っている。

社会教育・生涯学習の実践的諸課題。近年の日本の社会教育・生涯学習政策に影響の大きい「協働」の論理

や、英国から導入された PFI 及び指定管理者制度について、文化変容の観点から関心をもっている。

戦争と平和の市民運動について。2006、2007 年度に和光大学総合文化研究所の助成を得た安井家資料研究

会(東京杉並区)の活動がこれに含まれる。国際的な視点からの再評価が今後の課題である。

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【国際学術交流】

・和光大学に事務局をおく「東京、沖縄、東アジア社会教育研究会 TOAFAEC」の常任委員および年報『東アジ

ア社会教育研究 ISBN4925060025 』編集委員(着任時より現在に至る)。

・川崎市とその姉妹都市、韓国富川市「図書館草の根交流」実行委員(2007 年度より現在に至る)

・2009 年度、Representing Rurality : Culture & the Countryside in the Twentieth Century,the Museum

of English Rural Life,University of Reading(11 月)等の会議に出席。

・2010 年 5 月、中国山東省の博物館・社会教育施設、歴史遺産等を歴訪。

・2010 年 11 月、中国成人教育協会主催、中日韓・国際シンポジウム 於 上海外国語大学

【学内職務・委員】

・2008 年度、進路指導委員、学生研究助成金委員(学部代表)、(2009 年度サバティカル)

・2010 年度、大学院教育・臨床論コース長、キャリア支援室委員、資格課程委員、地域流域共生センター委

・2011 年度、大学院教育・臨床論コース幹事、キャリア支援委員、大学開放センター委員、資格課程委員、

地域流域共生センター委員

【学外活動】

・2002 年の着任以来川崎市社会教育委員(2008 年度まで)、(社)日本ナショナルトラスト協会評議員、全国

社会教育職員養成研究連絡協議会理事、(財)川崎市生涯学習財団理事、生田緑地管理運営協議会委員など

を歴任。現在、(社)日本ナショナルトラスト協会評議員、全国社会教育職員養成研究連絡協議会理事、川

崎市青少年の家協議会副会長、麻生市民館運営審議会副会長。

・2008 年 2 月、(財)川崎市生涯学習財団 平成 19 年度シニア活動推進事業「シニアの力を地域へ=第一回

シニア活動シンポジウム」コーディネーター 於川崎市生涯学習プラザ

・2008 年 2 月、川崎市教育委員会 麻生市民館岡上分館「平成 20年度市民自主事業・学級」提案会、アドバ

イザー

・2008 年 3 月、川崎市教育委員会 中原市民館 生涯学習交流集会 コメンテーター

・2008 年 3 月、川崎市教育委員会 麻生市民館 生涯学習交流集会 コメンテーター

・2008 年 3月、川崎市教育委員会 平成 19年度社会教育職員研究・研修報告会 アドバイザー 於中原市民

館(ワーキングペーパー「『協働』への道―社会・政治・経済的文脈での整理―」)

・2008 年 3 月、川崎市教育委員会 麻生市民館岡上分館 生涯学習交流会 コメンテーター

・2008 年 4 月、基調講演「緑のゆりかご・私達の愛する稲城、南山開発に踏み出す前にもう一度市民的論議

を」南山開発と稲城のまちづくりを考える集い実行委員会主催シンポジウム 於 稲城中央公民館大ホール

(東京都稲城市)

・2008 年 6 月、BumB 東京スポーツ文化館 チャレンジ・アシスト・プログラム審査員

・2008 年 10 月、パネラー「南山コモンズ案の問題点」稲城の里山と史蹟を守る会主催「稲城・南山問題シン

ポジュウム」於 稲城中央文化センター集会室

・ 2009 年 1月、東アジア社会教育研究会 第 147 回定例会報告 「日本のナショナルトラスト運動について」

於 高井戸区民センター

・2009 年 2 月、コメンテーター 福岡県立大学 世界遺産田川シンポジウム実行委員会主催「世界遺産田川

シンポジウム」 於 田川文化センター 大ホール

・2009 年 2 月、麻生市民館岡上分館「平成 21 年度市民自主事業・学級」提案会、アドバイザー

・2010 年 6月、高津区民会議『歩きたくなる高津の散歩道』 講演「英国・フットパス(里道)保存運動 120

年の歴史と歩く権利ー英国フットパスの歴史と現状ー 於 川崎市高津区役所ホール

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・2010 年 4月、東アジア社会教育研究会第 162 回定例会報告「英国環境史事始め」 於 高井戸地域区民セン

ター

・2011 年 2 月、町田市民自治学校社会教育分科会 「何が違うの?“公民館”と“生涯学習センター」 講

演 於 町田市民文学館ことばらんど

・2011 年 10 月、川崎市(韓国)富川図書館交流実行委員会 図書館シンポジウム 「身近な環境・自然に学

ぶ」コーディネーター 於 明治大学生田キャンパス

・2011 年 12 月、環境教育振興協会 エコカフェ講演「英国ナショナル・トラストと日本の里山」 於 東京

テクニカルカレッジ

【著作・論文等】

・「英国ガーデニングの変遷 1991-2006」恵泉女学園大学園芸文化研究所紀要『園芸文化』第 4号、2007 年 5

・「高知日誌・番外編」特定非営利活動法人市民活動サポートセンター・アンティ多摩『自由と自治の風にの

って』2008 年 1 月 pp.44-49

・「和光大学における社会教育職員養成」全国社会教育職員養成研究連絡協議会『社養協通信』第 42号、2008

年 1 月

・「英国ガーデニングの持続可能性―野生植物の山採り規制をめぐって―」恵泉女学園大学園芸文化研究所紀

要『園芸文化』第 5号、2008 年 5 月

・「安井家資料の時代」原水禁運動・安井資料研究会『ひたすらに平和願えり-2008 年報告(通巻 3)』2009

年 3 月

・「英国ナショナル・トラスト運動と幼年期教育」幼児教育史学会 会報第 9 号 2010 年 3月

・「ロスチャイルドの自然流ネリネ作り」恵泉女学園大学園芸文化研究所紀要『園芸文化』第 7 号、2010 年 5

・「ナショナル・トラスト運動考 1」川崎 多摩美の山トラストの会 会報『みんなの風』 2010 年 10 月(秋

号)

・「ナショナル・トラスト運動考 2」川崎 多摩美の山トラストの会 会報『みんなの風』 2011 年 2 月(冬

号)

・「ナショナル・トラスト運動考 3(完)」川崎 多摩美の山トラストの会 会報『みんなの風』 2011 年 5

月(春号)

・「災害時における市民の情報リテラシー能力を考える」、福建省教育部『終身教育』2011 年 7月号

・「条例に見る生涯学習センター」東アジア社会教育研究会『東アジア社会教育研究』第 16 号、2011 年 9月

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梅原 利夫 UMEHARA Toshio

・生年等…1947 年 4 月 10 日生、男

・専攻…教育学、カリキュラム論

・最終学歴…東京都立大学大学院人文科学研究科教育学専攻・博士課程単位取得退学

・学位…文学修士(東京都立大学、1975 年 3 月)

【教育活動】

・1979 年 4 月、和光大学人文学部・人間関係学科に、教育内容論担当の助教授として着任

・1990 年 4 月、人間関係学科教授に昇格

・1995 年 4 月、改組に伴い人間関係学部・人間発達学科教授

・2007 年 4 月からは、改組に伴い現代人間学部・心理教育学科教授となり、現在に至る

メインの「教育学」では、「教育とは教え育てることである」とのこれまでの常識を覆し、「生活の主体が自

ら学習する行為を援助する意識的な働きかけである」との認識を獲得できるよう、毎時間テーマを設けて問題

提起をし続けている。また「いじめ・不登校の教育学」では、最近では「いじめ」問題を重点的にとりあげ、

小集団での話し合いを軸に探求型の学習を組んでいる。「カリキュラム実践史」では、近代から現代にかけて

の政策と実践の足跡から学び合っている。専門ゼミである「教育文化論演習」では、「どうする?学力と生き

る力」をテーマにし、喫緊の課題である「学力と生きる力」の解明に精力を注いでいる。学力問題の現実―課

題の認識―調査研究―テキストや理論学習を、ゼミの小集団と全体集団の有機的な関係の中で学んでいる。

これらの他に、共通教養科目「教育の考え方」では「ドラマ 北の国から」の DVD とシナリオをもとに、子

どもから青年期にいたる父親や友人との葛藤を発達の視点から考え合っている。

プロゼミでは、「子どもの現実から現代人間の課題を考える」を掲げ、「冒険遊び場 たぬき山」や、和光鶴

川小学校、地域や福祉現場へのフィールドワークを行い、現実を分析する目を養っている。

このように、授業では極力一方的な伝達方式は止めて、小集団による学生の話し合い、発表と討論、小文執

筆とそれへのコメントなどの方法を取り入れ、少しでも学生の参加型授業になるように工夫している。

【研究活動】

もともと学生の頃は、東京大学工学部工業化学科にて応用科学を学んでいたが、次第に関心が人間学に向か

い、3年生終了時に中退して教育学部へと進路を変更した。当初は、日本の科学技術教育の改革に取り組み、

その後研究関心は教育課程(カリキュラム)の全領域へと広がってきた。21世紀になってからの研究成果は、

学力問題を切り口に学習指導要領の研究および教育課程づくりに関する実践と理論の諸課題を基盤にして、教

育課程の全体構造の探究へと発展してきた。

また、学力困難児研究をきっかけに、障害児の発達保障や特別な教育ニーズの実現へ向けた働きかけにも研

究範囲が広がってきた。

私の研究の特徴は、現実に生起しているアクチュアルな諸問題に立ち向かい、積極的に現場(フィールド)

へ出かけ、それを歴史的な視野と原理的探究との視点から深めようとしていることである。共同研究者として

いくつかの学校や学級で継続研究(臨床的カリキュラム研究)を行っている。

つきつめて言うと、カリキュラム研究を拠点に、総合的な人間学の探究に関心が向かっているところである。

同時に 3.11 の広域巨大複合災害は、私の教育学研究の視点や課題意識にも大きな影響を与えた。6、7、

10、11 の4度の現地調査研究にあたるとともに、人間復興を柱にした日本教育の再建の道を探っている。

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【国際学術交流】

・2001 年 1 月、マーシャル諸島共和国にて、核ヒバクと生活について調査研究

【学内職務・委員】

・2003 年 4 月~2007 年 3月、和光大学大学院・社会文化総合研究科・発達教育臨床論コース主任

・2006 年 5 月~2007 年 3月、新学部設置委員会委員長に就任

・2007 年 4 月~2010 年 3月、現代人間学部長

・2010 年 4 月~、和光大学副学長、現在にいたる

【学外活動】

・日本教育学会会員、日本教育方法学会会員(現在、常任理事)、日本カリキュラム学会会員、日本特別ニー

ズ教育学会会員、大学評価学会会員、総合人間学会会員

・教育科学研究会会員(現在、常任委員)、日本生活教育連盟会員、民主教育研究所研究委員(現在、運営委

員)、科学教育研究協議会会員

・2005 年日本特別ニーズ教育学会第 11 回大会(和光大学)実行委員長、2007 年教育科学研究会第 46 回全国

大会(和光大学)実行委員会副委員長、2008 年民主教育研究所第 16回全国教育研究交流集会(東京)実行

委員長

・主に、教職員や父母・市民を対象に、子育てや不登校問題や学力や教育課程に関する講演を、数多く行う

【著作・論文等】

著作…2007 年以降のもの

<単著>『人間を探す旅』2007 年 4 月、つなん出版

『学力と人間らしさをはぐくむ』2008 年 4月、新日本出版社

<編著>『子どもと教師でつくる教育課程試案』2007 年 8 月、日本標準

『教師にやりがいを見い出したいあなたへ』2010 年 1 月、株式会社ルック

<共著>『育てたいね、こんな学力―和光学園の一貫教育』2009 年 7 月、大月書店

論文…すべて 2009 年以降の<単著>

①「教科・授業研究を通した教育本質論の模索」2009 年 3 月、『教育』758 号、国土社

②「学習指導要領を根拠にした国旗・国歌強制の論点と問題点」2009 年 3月、『和光大学現代人間学部紀要』

第 2 号

③「戦後五〇年、国際的変貌のなか、教育科学の探究はどこまで」2010 年 3 月、『教育』国土社

④「大学生のいじめ認識についての考察―『被害者にも原因あり』をめぐって」2010 年3月、『和光大学現代

人間学部紀要』第3号

⑤「子どもに育てたい学力とは」2010 年 3月、『現実と向き合う教育学』大月書店

⑥「通常学校での学習指導要領改訂と特別支援教育」2010 年 7月、『障害者問題研究』38 巻第 1号

⑦「子どもの生活現実と教育方法の課題」2010 年 10 月、『教育方法 39』図書文化

⑧「大学生に対するコミュニケーション・サポートの試行と課題」2011 年 3 月、『和光大学 東西南北』

⑨「学力と生きる力を育てる 人間像の相克を通して」2011 年3月、『和光大学現代人間学部紀要』第4号

⑩「東日本大震災と教育方法学の問い直し」2011 年 10 月、日本教育方法学会・特別課題研究・発表論文

⑪「広域巨大複合災害と日本教育の復興」2011 年 12 月、第 20 回全国教育研究交流集会・発表論文

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太田 素子 OHTA Motoko

・生年等…1948 年 6 月 17 日生、女

・専攻…教育学・教育史、保育・子育ての歴史

・最終学歴…お茶の水女子大学大学院人文科学研究科修士課程修了

・学位…教育学修士(お茶の水女子大学大学院、1975 年)

【教育活動】

・2007 年 4 月、和光大学現代人間学部心理教育学科に、保育学担当の教授として着任

「初等教育原理」「保育原理」AB、「保育文化論演習」など、保育・初等教育の制度、内容方法、児童文化に

関わる講義と共同研究を行うほか、「子どもと大人の関係史」、「<子ども>の歴史」など、家族関係と子育て、

子どもの生活史を講義してきた。研究方法科目としては「ライフヒストリー研究A」を担当、自叙伝や回想

記の分析に取り組んでいる。学生の感想をプリントにして、いっしょに考える方法を永年採用している。

・2010 年2月、お茶の水女子大学生活科学部において集中講義「発達臨床論特別講義」担当。

【研究活動】

1930 年代の保育思想に関心を持ったが、次第に 1920 年代、1890 年代と研究対象を遡らせて、20 年前から

近世日本の子育て文化研究に従事。近世の子育て史を引き続き研究しつつ、最近は和光大学保育課程の充実に

貢献したいため、近代日本の保育思想、さらには戦後日本の保育研究へと研究関心を広げつつある。

【国際学術交流】

・The Indiana Conference on Literacy in Japanese History, 2007, Center for Reserch on Japanese

Educational History Indiana University に参加、報告した。“How Children Learned to Read and Write

in Eighteenth- and Nineteenth- Century Japan”

・The II International Conference on Community Psychology on Risbor,Portogy 2008, に参加,パネル

報告を行った。“The childhood in autobiographies written in Tokugawa era Japan;Diversity and decline

of human building in community”

・ ISCHE 32 (国際教育史学会2010) conference: August 26-27, 2010, ICHS (国際歴史科学学会) 2010

conference: August 22-28, 2010. に参加、報告した。Discovery of “Childhood” in Tokugawa Japan from

the 17th Century to the mid-19th Century

・ 韓国児童学会春季学術大会「主題発表」「日本における<子ども期>の現在と未来──徳川日本の子ども

史・家

族関係史の視座から」2011.5.7、淑明女子大学校,ソウル。

【学内職務・委員】

・2007 年~2008 年、共通教養委員、学生生活主任・2009 年~2010 年、総合文化研究所委員、サバティカル委

員 2009 年キャリア支援委員会委員、・2007 年~2008 年、現代人間学部 幼稚園教諭・保育士養成課程設置

委員会委員、2009 年同 保育課程実施委員・2010 年~資格課程委員、2011 年大学院社会文化総合研究科発達・

教育臨床論コース長

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【学外活動】

・比較家族史学会会員理事・幼児教育史学会会員、理事・紀要『幼児教育史研究』編集委員長・日本教育学会、

日本保育学会、教育史学会会員・日本学術振興会科学研究費、第一段階審査委員(教育学、2007・8 年度)

【著作・論文等】

著作…

『徳川日本のライフコース』 共著、ミネルヴァ書房、2006 年 3 月。宗門人別改帳を手がかりに数量史を扱

う歴史人口学と質的な史料をあつかう歴史社会学、心性史研究との対話がテーマになっている。太田は「高

関堂日記」の分析を中心に豪農家族の子どものライフコースを検討。落合恵美子編著、沢山美果子、太田素

子、鬼頭宏、坪内良博、磯田道史、ほか 15名。全 448 頁、太田 61-88 頁。

『<いのち>と家族』共編著、早稲田大学出版部、2006 年 12 月。比較家族史学会監修、◎太田素子・森謙二

編著。生殖技術が提起する生命に関する観念やモラルの問題について、家族史からアプローチして検討する。

太田は嬰児殺しに対する罪悪感の誕生・子どもの生存権の承認を、社会史の方法で論求。森謙二、◎太田素

子、塚本学、沢山美果子、岩本通也、鈴木由利子、新村拓、三成美保、藤井正雄、全 263 頁、太田 107-139

頁。

『子宝と子返し/近世農村の家族生活と子育て』単著、藤原書店、2007 年 2 月。近世農村の子育て習俗を、

家の継承というシステムとの関係で解明した。その発展と困難(光と陰)が、共感的な可愛がりと子返し習

俗に象徴的に現れていると考える。農村の子育て意識を等身大に描き出すために、日記や祝儀簿、説話文学

など、従来の歴史研究では実証性が低いと見なされてきた史料群を、実証の質を保ちつつ歴史研究の素材に

する方法を追求した。全 428 頁。この著作により、河上肇賞奨励賞、角川財団学芸賞受賞。

『教育史研究の最前線』共著、教育史学会編、日本図書センター発行、2007 年 4月。教育史学会が発足 50 周

年を記念して編集した著作で、教育史研究の現状と課題を 49 人の研究者が紹介したもの。研究の入門書でも

ある。太田は、第 10 章 2項「日本における<近代的子ども>の成立史研究」を執筆。213-224 頁。

『<育つ/学ぶ>の社会史、自叙伝から』共編著、藤原書店、2008 年 9月。19世紀から 20 世紀前期までの自

叙伝を分析。青年期までの回想の記述に注目して、子どもや青年の内面から教育の歴史を描く。太田は第 1

章「近代移行期の家と人間形成」を執筆、勝小吉、福沢諭吉、新島襄、田中正造などの自叙伝を人間形成の

視座から分析した。◎小山静子・太田素子共編著。太田素子、山本敏子、小山静子、石岡学、前川直哉。全

299 頁、24-79 頁。

「第4章 歴史のなかのアロマザリング」、共書(分担執筆)、根ヶ山光一・柏木恵子編著『子育ての進化と文

化』有斐閣 2010.6, p303. pp.75-93.

「第 2 部第1章 近世の生殖政策と女性・家族・共同体」、共書(分担執筆)、服藤早苗・三成美保編著『ジェ

ンダー史叢書1、権力と身体』明石書店 2011.1, p284. pp.94-114.

『近世の「家」と家族──子育てをめぐる社会史』単著,角川叢書、2011 年 3 月,238 頁。

論文…

「家父長から『賢母』へ/近世武家社会における父と母の関係史」単著、『歴史評論』第 684 号、梓出版、2007

年 4 月、2- 15 頁

「保育の『質』をめぐる研究動向と課題」単著、和光大学総合文化研究所年報、『東西南北 2009』107-122 頁、

2009 年 3月

「『継声館日記』にみる近世在郷町の識字状況」単著、和光大学現代人間学部『現代人間学部紀要』第 2 号、

2009 年 3月、

「郷校「継声館」と『継声館日記』の人々」,和光大学現代人間学部『現代人間学部紀要』第3号,2010.3,

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pp.185-196.

「「未来への学力」論と幼小接続をめぐる研究課題」和光大学総合文化研究所『東西南北 2010』

2010.3,pp.60-74.

「人間形成の社会史における<家族>──『家』の教育、家庭教育、共育ネットワーク」『日本の教育史学』

第53集、シンポジウム「国家と家族」報告、2010.10、pp.114-119.

書評など…

・「リプライコメント 鈴木由利子氏の書評によせて」 日本教育史研究会『日本教育史研究』27 号、2008

年 8 月

・『女性史辞典』吉川弘文館、2008 年 2月、「子守り」ほか 11項目を執筆

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大西 公恵 ONISHI Kimie

・生年等…1971年 7月 14日生

・専攻…教育学、教育史

・最終学歴…一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士課程単位取得退学

・学位…修士(社会学)、修士(教育学)

【教育活動】

・2013 年 4 月、和光大学現代人間学部心理教育学科に、教育学担当の専任講師として着任。

現代人間学部心理教育学科の教員として以下の授業を担当している。

一つ目は、教育実践論に関する講義と演習である。初等教育・幼児教育・保育に関する教育内容・方法の実

践理論および実践史に関する講義を行っている。演習では、これまでの日本の教育現場に蓄積されてきた様々

な教育実践の事例を取り上げるとともに、現在行われている教育・保育実践の現場を見学し、参加学生相互の

討論を通して教師が行う人づくりの技や工夫について考察を深めることを目指している。

二つ目は、近代および現代日本の教育史に関する講義である。社会の変容との関係で教育の制度的展開を押

さえつつ、具体的な教育実践の事例を多く取り上げながら、人づくりのありようが質的に変化してきた過程を

たどっていく。教育の歴史を学校の内部に限定した問題として捉えるのではなく、学校を取り巻く社会の変化

や子どもの変化との関係で教育の問題を歴史的に捉えられるよう講義内容を構成している。

【研究活動】

現在、主として二つのテーマについて研究を行っている。

まず一つ目は 1900-30 年代の日本の教育実践の検討である。教育実践は教師個人の思想や実践経験だけで

なく、歴史的社会的背景の中で産み出される。どのような社会的状況の中で教育課題が立てられ、子どもにど

のような力を獲得させようとしたのか、そしてそれをどのような内容と方法によって実現しようとしたのか。

こうした教師たちのペダゴジーに関する議論と教育実践の形成過程について検討している。特に、この時期の

教育実践の中で注目しているのが国語教育である。文を読んでわかるというのはどのような状態を指すのか、

そしてそこに到達するための読みの指導についてこれまで多くの議論が重ねられてきた。教師たちが国語学・

哲学・教育学といった学問領域での研究成果に学びつつ、それを教育の実践レベルの問題として引き取り、さ

らに子どもを育てる技(ペダゴジー)として教育実践の方法を模索し、産み出していく過程を検討している。

二つ目の研究課題は地域社会と教育の問題である。神奈川県小田原市、兵庫県豊岡市、長野県飯田市の地域

史料と学校史料の調査を進めている。政治的・経済的状況や、文化的状況といった地域社会のありようから人

間形成上の課題が立ち上がってくるが、こうした課題に学校教育としてどう対応しようとしたのかについて検

討を行っている。

【国際学術交流】

特になし。

【学内職務・委員】

・2013 年 4 月~現在、資格課程委員

・2013 年 4 月~現在、紀要編集委員

・2013 年 4 月~現在、学園史料収集委員

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【学外活動】

・日本教育学会会員

・教育史学会会員

・教育目標・評価学会会員

・日本教師教育学会会員

・全国大学国語教育学会会員

・国語教育史学会会員

【著作・論文(及び作品)】

著作…

・森武麿編著『1950年代と地域社会―神奈川県小田原地域を対象として』現代史料出版、2009年 6月(共著、

第 4章第 1節「地域社会の変貌―教育と地域」257-288頁を担当)

・木村元編著『日本の学校受容―教育制度の社会史』勁草書房、2012年 3 月(共著、第 4 章「教科における

「読み」の問題―全国小学校訓導協議会における国語教育の再構築」145-187頁を担当)

・木村元編著『近代日本人間形成と学校―その系譜をたどる』クレス出版、2013年 3 月(共著、第Ⅰ部第 1

章「学校方式以前の人間形成の展開―子どもの身体論と成長観の変容」(◎前田晶子・大西公恵)16-39頁、

第Ⅰ部第 5章「産婆・看護婦養成の学校方式化―専門知識の公定化」(◎仲島愛子・大西公恵)84-107頁、

第Ⅲ部第 7章「社会へ向けた出産の手ほどき―知識の産出と伝達」(◎仲島愛子・大西公恵)368-383頁を

担当)

論文…

・「『学校と家庭』の展開―教師と「父兄」の関係性に着目して―」『〈教育と社会〉研究』第 18 号、2008 年 8

月、80-85 頁

・「但馬の教育運動の展開」『学校文化の形成・展開と地域社会―豊岡小学校 100 余年と但馬地域教育実践活

動の社会史的・文化論的・社会学的解明』日本学術振興会科学研究費補助金研究報告書(課題番号 18330178

研究代表者 久冨善之)、2009 年 3 月、223-248 頁

・「全国小学校訓導協議会における国語教育の再構築過程―読方教育をめぐる議論から」『1930 年代の社会と

教育関係構造の史的特質―教育学、教員文化、教育実践に注目して―』日本学術振興会科学研究費補助金研

究報告書(課題番号 20530686 研究代表者 木村元)、2011 年 3 月、118-161 頁

・「「ことばの体験」を通して出会う自己と他者の世界―詩の暗唱によることばの教育の新しい試み」『保育実

習センター通信』(和光大学心理教育学科保育実習センター)第 3 号 2012、2013 年 2 月、18-20 頁

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髙坂 康雅 KOSAKA Yasumasa

・生年等…1977 年 12 月 27 日生、男

・専攻…青年心理学、とくに青年の自我発達、恋愛、友人関係

・最終学歴…筑波大学大学院人間総合科学研究科修了

・学位…心理学博士(筑波大学、2009 年 3 月)

【教育活動】

・2009 年 4 月、和光大学現代人間学部心理教育学科に、青年心理学担当の専任講師として着任

心理教育学科において、思春期や青年期の心理学に関わる講義を担当している。思春期の身体的変化及び青

年期の自我発達、対人関係を中心に講義し、また、Erikson の漸成発達理論に関する講義や、教育相談に関す

る講義を行っている。ゼミナールでは、青年心理学に関わるテーマをもとに、テーマ設定、研究計画立案、デ

ータ収集・分析、論文作成を年間を通して行い、心理学研究の基礎を指導している。

また 2010 年度には,田園調布学園大学にて,「心理学」,「心理学研究法」を非常勤講師として担当した。

【研究活動】

青年心理学の観点から以下の 3 点について実証的な検討を行っている。

第一に、青年期における劣等感について、劣等感の要因、劣等感の感じ方、劣等感を強く感じやすい青年の

パーソナリティ特性、劣等感の解決法という 4 点に関して、実証的な研究を蓄積し、2009 年 3 月に「青年期

における劣等感の分析」という題目で、博士論文を上梓した。

第二に、青年期における恋愛について、特に、青年が恋愛関係をもつことによって生じる心理的・実生活的

変化について、「恋愛関係の影響」と定義して、交際期間や自我発達などの観点から、検討している。

第三に、青年期における友人関係について、“共有”及び“異質性”をキーワードとして、青年期における友人

関係の在り方や発達的変化について、実証的な研究を蓄積しつつある。

【国際学術交流】

特になし

【学内職務・委員】

・2009 年 4 月~2010 年 3月、図書・情報館運営委員

・2009 年 4 月~2010 年 3月、大学開放センター委員

・2010 年 4 月~、入試実施委員、現在に至る

【学外活動】

・日本教育心理学会会員、日本青年心理学会会員(研究委員)、日本発達心理学会会員、日本パーソナリティ心

理学会会員,日本心理学会会員,日本性科学会会員

各学会において、下記の研究発表を行っている(2007 年以降)。

髙坂康雅(2007). 青年期における容姿・容貌に対する主観的劣性を認知したときに生じる感情と反応行動との

関連 日本青年心理学会第 15回大会発表論文集,44-47.

髙坂康雅(2007). 回顧法による青年期における劣等感の発達的変化 日本教育心理学会第 49 回総会発表論文

集,26.

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髙坂康雅(2008). 青年期における容姿・容貌に対する劣等感の解決に関する検討 日本青年心理学会第 16 回

大会発表論文集, 58-61.

髙坂康雅(2008). 高校生における同性友人とのつきあい方の分析―“異質にみられる不安”と“異質な存在を拒

否する傾向”から― 日本パーソナリティ心理学会第 17回大会発表論文集, 58-59.

髙坂康雅(2008). 室生犀星の劣等感の解消に関する伝記分析 日本教育心理学会第 50 回総会発表論文集,

733.

髙坂康雅(2009). 恋愛関係の影響とアイデンティティ・ステイタスとの関連 日本教育心理学会第 51 回総会

発表論文集, 132.

髙坂康雅(2010). 共同体感覚尺度の作成 日本教育心理学会第 52 回総会発表論文集, 557.

髙坂康雅(2010). “恋人をほしがらない青年”の心理的特徴 日本青年心理学会第 18 回大会発表論文集,

38-41.

髙坂康雅(2011). 中学生の友人関係における異質拒否傾向・被異質視不安と文化的自己観との関連及び精神的

健康への影響 日本発達心理学会第 22回大会発表論文集, 167.

◎髙坂康雅・中島 唯(2011). 大学生における親密度・性別の異なる友人との類似度の比較 日本教育心理学

会第 53 回総会発表論文集, 205.

【著作・論文等】

論文…

髙坂康雅(2008). 自己の重要領域からみた青年期における劣等感の発達的変化 教育心理学研究, 56, 218-229.

髙坂康雅(2008). 青年期における劣等感と自己志向的完全主義との関連 パーソナリティ研究, 17, 101-103.

髙坂康雅(2008). 青年期における容姿・容貌に対する劣性を認知したときに生じる感情の発達的変化 青年心理学

研究, 20, 41-53.

◎髙坂康雅・佐藤有耕(2008). 青年期における劣等感と競争心との関連 筑波大学心理学研究, 35, 41-48.

◎髙坂康雅・佐藤有耕(2009). 青年期における劣等感の規定因モデルの構築 筑波大学心理学研究, 37, 77-86.

髙坂康雅(2009). 恋愛関係が大学生に及ぼす影響と,交際期間,関係認知との関連 パーソナリティ研究, 17,

144-156.

髙坂康雅(2009). 青年期における容姿・容貌に対する劣性を認知したときに生じる感情と反応行動との関連 教育

心理学研究, 57, 1-12.

髙坂康雅(2010). 青年期における内省への取り組み方の発達的変化と劣等感との関連 青年心理学研究, 21,

83-94.

髙坂康雅(2010). 大学生における同性友人,異性友人,恋人への期待の比較 パーソナリティ研究, 18, 140-151.

髙坂康雅(2010). 大学生及びその恋人のアイデンティティと“恋愛関係の影響”との関連 発達心理学研究, 21,

182-191.

髙坂康雅・池田幸恭・葉山大地・佐藤有耕(2010). 中学生の友人関係における共有している対象と心理的機能との

関連 青年心理学研究, 22, 1-16.

髙坂康雅(2010). 「青年期における容姿・容貌に対する劣性を認知したときに生じる感情の発達的変化」への天谷

氏・中間氏のコメントに対するリプライ 青年心理学研究, 22, 73-78.

髙坂康雅(2010). 青年期の友人関係における被異質視不安と異質拒否傾向 ―青年期における変化と友人関係満足

度との関連― 教育心理学研究, 58, 338-347.

髙坂康雅(2011). 共同体感覚尺度の作成 教育心理学研究, 59, 88-99.

髙坂康雅(2011). 青年期における恋愛様相モデルの構築 和光大学現代人間学部紀要, 4, 79-89.

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末木 新 SUEKI Hajime

・生年等…1983年 10月 24日生、男

・専攻…臨床心理学、自殺予防学

・最終学歴…東京大学大学院教育学研究科臨床心理学コース博士課程修了

・学位…教育学博士(東京大学、2012年 3月)

【教育活動】

・ 2012 年 4 月、和光大学現代人間学部心理教育学科に、臨床心理学担当の専任講師として着任。

心理教育学科において、主として臨床心理学の講義(「臨床心理学A」、「臨床心理学B」)を担当している。

この授業では、臨床心理学の概要について、①見立て(アセスメント)、②介入(心理療法・カウンセリング・

地域援助)、③研究、④社会的位置づけ(倫理・法律など)という観点から論じ、通年で臨床心理学の全体像

を理解し、より詳細な臨床心理学の各分野を深く学ぶための基礎を築くことを目標としている。

その他の担当講義は、「心理学基礎実験」、「心理学特殊実習」、「心理学研究法C 面接法」、「臨床心理学演

習」(3~4年生ゼミ)、「プロゼミ」(1年生ゼミ)、「心理と教育」(オムニバス)、「臨床心理の事例を読む」、

「心理援助の技法」、「自殺予防の心理学」である。また、大学院では、「臨床心理学特論」、「臨床心理学実習」

を担当している。

専門領域の一つである自殺予防に関する半期の講義(「自殺予防の心理学」)については、教科書「自殺予防

の基礎知識―多角的な視点から自殺を理解する―」(単著、2013 年、デザインエッグ社)を作成した。

【研究活動】

大学院前期・後期課程においては、インターネットを活用した自殺予防に関する研究を行い、その内容は博

士論文及び著書「インターネットは自殺を防げるか―ウェブコミュニティの臨床心理学とその実践―」(単著、

2013 年、東京大学出版会)として結実した。その中におさめられている論文「自殺系掲示板の持つ自殺予防

効果の構造」は、金剛出版から出されている『臨床心理学』誌の年間最優秀論文である臨床心理学論文賞を受

賞した。また、インターネット上の自殺関連行動に関する疫学調査は、国際自殺予防学会第 5 回アジア太平洋

カンファレンスでポスター賞を受賞した。

その後、一昨年度から臨床心理実践や実践を行うための枠組みに関する研究を始めた。具体的には、現在、

認知行動療法と治療動機づけに関する研究及び心理療法の経済的価値に関する研究を行っている。

【国際学術交流】

2012年 The 5th Asia Pacific Conference of the International Association for Suicide Preventionにて学会発表(共同)

【学内職務・委員】

・和光大学学生生活会議委員(2012 年度~)

・和光大学総合文化研究所委員会委員(2013 年度~)

・和光大学ハラスメント防止委員会相談員(2013 年度~)

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【学外活動】

・日本心理学会、日本心理臨床学会会員、日本行動療法学会会員、日本自殺予防学会会員、

日本コミュニティ心理学会会員、日本精神衛生学会会員

・日本心理臨床学会 学会総合検討委員会 自殺対策部会 委員(2013 年~)

【著作・論文(及び作品)】

著作…

末木新 (2013). 自殺予防の基礎知識―多角的な視点から自殺を理解する― デザインエッグ社

末木新 (2013). インターネットは自殺を防げるか―ウェブコミュニティの臨床心理学とその実践― 東京大

学出版会

末木新 (2012). 自殺予防とインターネット 下山晴彦・森田慎一郎・榎本真理子 (編) 学生相談必携 GUIDE

BOOK―大学と協働して学生を支援する― 金剛出版 pp.234–247.

末木新 (2011). 死にたい気持ちが生じたら―自殺の危険を防ぐ― 東京大学大学院理学系研究科・理学部 (監)

東京大学大学院理学系研究科・理学部学生支援室・下山晴彦 (編)東大理学部発:学生相談・学生支援の

新しいかたち―大学コミュニティで支える学生支援― 岩崎学術出版社 pp.74–86.

末木新 (2011). 学生支援室の 1 年 東京大学大学院理学系研究科・理学部 (監) 東京大学大学院理学系研究

科・理学部学生支援室・下山晴彦 (編)東大理学部発:学生相談・学生支援の新しいかたち―大学コミュ

ニティで支える学生支援― 岩崎学術出版社 pp.118–130.

論文(査読あり)…

Sueki, H. (in press). Economic value of counseling services as perceived by university students in Japan: A contingent

valuation survey. Journal of Psychology & Psychotherapy.

Sueki, H. (2013). The effect of suicide-related Internet use on users’ mental health: A longitudinal study. Crisis, 34(5),

348–353.

Sueki, H. (2012). The association between the experience of deliberate self-harm-related Internet searches and mental

states of and lifetime suicidal behaviors in Japanese young adults. Psychiatry and Clinical Neurosciences, 66(5),

451–453.

Sueki, H., & Eichenberg, C. (2012). Suicide bulletin board systems comparison between Japan and Germany. Death

Studies, 36(6), 565–580.

Sueki, H. (2011). Does the volume of Internet searches employing suicide-related search terms influence the suicide

death rate? : Examining data from 2004 to 2009 in Japan. Psychiatry and Clinical Neurosciences, 65(4), 392–394.

末木新・梅垣佑介 (2013). 子どもの強迫性障害に対する曝露反応妨害法の実施における動機づけの高め方

心理臨床学研究, 30(6), 785–794.

末木新 (2012). 自殺率とインターネットにおける検索エンジン利用の関連―医療・社会・経済・家族関連語

を利用した検討― 厚生の指標, 59(7), 32–36.

末木新 (2012). 自殺系掲示板における書き込みの自殺予防効果の評価―利用者の動機の違いに着目して―

自殺予防と危機介入, 32(1), 60–69.

末木新 (2011). インターネットにおける検索エンジン利用とインフルエンザの流行との関連―日本における

データを用いた検討― 厚生の指標, 58(12), 8–13.

※過去 5 年において上記以外の査読あり学術論文は 18 本。紙幅の都合上、主要なもののみ取り上げた。

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常田 秀子 TSUNETA Hideko

・生年等…1963 年 6 月 5日生、女

・専攻…発達心理学、臨床発達心理学

・最終学歴…東京大学教育学研究科博士課程単位取得退学

・学位…修士(教育学)

【教育活動】

・1999 年 4 月、和光大学人間関係学部人間発達学科に、発達心理学担当の専任講師として着任(同学部は、

2007 年に現代人間学部に改組)

・2008 年 4 月、現代人間学部心理教育学科准教授に昇格、現在に至る。

学科では「発達とコミュニケーション」「発達臨床心理学」「発達とコミュニティ援助」などの授業を担当し、

生涯発達に関する講義や、コミュニケーション発達に関する講義、発達障害やそれに対する支援に関する講義

などを行っている。平成 20 年から開始した「実践研究」では、発達障害に関心を持つ学生に学習支援ボラン

ティアなどを実践させ、実践上の困難や成果を整理し報告させている。「心理学基礎実験」「心理学研究法b 観

察法」では、実習と徹底的なレポート添削を通して、心理学研究スキルの習得や、論理的な思考とレポート作

成の指導をじっくり行っている。「発達心理学演習」では、時々の発達臨床心理学に関するトピックを中心に、

発展的文献の輪読や討論を行なっている。卒業研究は、かつては青年期を中心とした発達全般に関わる調査が

多くを占めたが、最近は、児童、親子関係、発達障害等に関する調査研究などをテーマとして指導することが

増えてきている。

2010 年度発足した保育専修においては、「発達心理学」「幼児相談論」を担当し、心理学とは異なる関心と

ニーズを持つ学生への教育の方法について模索し始めたところである。

共通教養では、隔年で「心理学の考え方 B」を担当し、比較認知発達心理学を中心とした講義を行っている。

大学院では、「発達臨床心理学」において発達臨床心理学の基礎についてゼミ形式で学び、「発達臨床支援論」

において、発達障害児者の心理アセスメント、観察、相談などの実習を交えた実践的な授業を行っている。い

ずれも、臨床発達心理士、学校心理士などの資格取得の基礎となる科目と位置づけている。

学外では、2007、2008、2010 年に東京女子大学で臨床発達心理学、教育心理学に関する演習、講義を非常

勤で担当した。

【研究活動】

私の研究は、大きく二つの柱からなる。第一は、発達障害児者のコミュニケーションと自己形成の発達、お

よびそれらの指導方法の開発にかかわる研究である。発達障害児者の持つ認知特性や対人関係の偏りが、自伝

的自己の形成の偏りにつながり、それが脆弱な自己形成につながるという仮説の元に、発達障害児者の語りを

分析することや、語る力を育てる指導プログラムを開発している。以前は幼児児童が主な対象だったが、この

ところは対象を青年まで広げている。

第二は、発達障害児を健常児と共に指導する普通学級の教師や統合保育の保育士に対するコンサルテーショ

ンに関する研究である。増大しつつある発達障害児への支援の必要性に対して、外部機関と協力しながら、子

ども集団の組織化やクラス運営の工夫を通じて対処する方法を検討し、現場の教師や保育士が中、長期的には

自分たちで対応できる力を獲得できるような巡回相談や研修コンサルテーションの方法を開発することが急

務であると考えている。

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【国際学術交流】

特になし

【学内職務・委員】

・2007 年 4 月~2008 年 3月、ハラスメント相談員

・2007 年 4 月~2010 年 3月 現代人間学部心理教育学科教務委員

・2008 年 4 月~2010 年 3月、ハラスメント相談員代表

・2010 年 4 月~現在、現代人間学部心理教育学科幹事

・2010 年 4 月~2011 年 3月、大学院発達・臨床教育論コース幹事

・2011 年 4 月~現在、ハラスメント委員長

【学外活動】

所属学会:

日本発達心理学会会員、日本心理学会会員、日本教育心理学会会員、日本保育学会会員、日本特殊教育

学会会員

学会等での活動:

1998 年 4月~現在、日本発達心理学会発達障害分科会世話人

学会発表:

2009、2010、2011 年、発達心理学会

2011 年 臨床発達心理士全国大会、

学外での講師等:

・ 2008 年、和光鶴川小学校親和会講師、八王子市子育て支援課職員研修講師、東京都情緒障害教育研

究会コミュニケーション分科会講師

・ 2009 年、臨床発達心理士指定科目講習会講師、調布市野川小学校保護者会講師、東京都市町村職員

研修会講師、群馬県教育委員会教員研修講師

・ 2010 年、国立リハビリテーションセンター研修会講師、臨床発達心理士指定科目講習会講師、和光

幼稚園共同教育懇談会講師、和光鶴川小学校教育懇談会講師、和光学園教育研究会講師、神奈川県立

総合教育センター長期研修講座講師、調布市石原小学校保護者会講師、

・ 2011 年、和光中学共同教育懇談会講師、東京都情緒障害教育研究会コミュニケーション分科会講師、

港区東町小学校教員研修講師、臨床発達心理士指定科目講習会講師、神奈川県立総合教育センター長

期研修講座講師、ファイザープログラム選考委員、

【著作・論文等】

著作…「シードブック「障害児保育」」(共著)建帛社 2008 年 2月

「学級と学童保育で行う特別支援教育」 (共著) 金子書房 2008 年 9月

論文…「障害児と健常児を一緒に育てる『共同教育』の実践」2009 年 7月 発達 119 号 ミネルヴァ書房

「『ともに学ぶこと』と学習主体性形成」2010 年 3 月 東西南北 2010

「子どもの学習主体形成と保護者の期待 和光学園の目指す学力観との関連から」2010 年 3月 東西

南北 2010

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額賀 美紗子 NUKAGA Misako

・生年等…1977 年、女

・専攻…教育社会学・国際社会学

・最終学歴…カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)社会学部博士課程

・学位…社会学博士(カリフォルニア大学、2008 年 12 月 11 日)

【教育活動】

2010年 4月、和光大学現代人間学部心理教育学科に専任講師として着任

心理教育学科において、教育社会学、比較・国際社会学、質的方法論の授業を担当している。「教育社会学」

「教育と社会」「教育原理」では、学校と家族の成り立ちや社会的役割を検討しながら、教育と社会の相互関

係性について講義をしている。「国際化と教育」は、国際移動する子どもたちの異文化適応について理解を深

めることを目的として、多文化教育の可能性と限界を批判的に考察する内容になっている。また、社会・教育

現象を切り取る手法として、フィールドワークとインタビューの実践指導をエスノグラフィーの授業において

行っている。1年生対象のプロゼミと3,4年生対象のゼミでは、学生の興味関心に応じた文献を扱いながら、

基本的なアカデミック・スキルと教育社会学の視点を身につけることを目標とした指導をしている。

2009~10 年度は、東洋大学社会学部において非常勤講師を兼任した。

【研究活動】

家族や学校が、国際移動する子どもたちの教育機会やアイデンティティ形成、さらに受け入れ社会への統合に

関して、どのような役割を担っているのかという問題を、日本とアメリカ2つの社会を対象に研究している。

具体的には以下3つの研究領域に分けられる。

1)多文化教育の日米比較:アメリカと日本の小学校でフィールドワークを実施し、教師が移民/外国人/帰国

生徒の「違い」を実際にどのように捉え、扱っているのか、日米それぞれに特殊な教師文化や学校文化を視野

にいれながら検討してきた。現在は、多文化教育のキーワードのひとつである「公正」が、新自由主義の進行

する学校現場でどのように解釈され、教育実践に反映されているかを、アカウンタビリティが徹底化したカリ

フォルニアの学校で収集したデータをもとに考察している。

2)子どものエスニック・アイデンティティ形成過程と学校適応:国際移住した家庭に育つ子どものホスト社

会適応の過程をエスノグラフィックな手法で検討してきた。多様な集団を事例として扱っている。韓国系アメ

リカ人生徒の調査の際は、学校の昼食場面における食べ物交換に注目しながら、その過程で「コリアン」とい

うアイデンティティが立ち上がってくることを明らかにした。長期プロジェクト化しているロサンゼルス在住

の日本人調査では、言語、規範、仲間集団文化に関する子どもの意識や行動に着目し、トランスナショナルな

生活の中で多様な「日本人」アイデンティティが形成されていることを考察している。2009 年度からは、日

本に移住したフィリピン出身の生徒を対象に調査を実施している。

3)国際移住家族の育児と教育戦略:母国から遠く離れた社会で子どもを育てるという状況において、母親た

ちはどのような教育ビジョンを持ち、子育てを行っているか(あるいは行うことができないか)、そしてその

結果、家族関係や子どもの学校適応、母親自身の心理的充足感にどのような影響があるか、という問題を検討

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している。このテーマに関しても、ロサンゼルス在住日本人と日本在住フィリピン人を対象にフィールド調査

を継続している。

【国際学術交流】

2008年 Drexel大学(Philadelphia)で開催された Childhood & Migration Interdisciplinary Conferenceにおいて論

文発表。題目:"Negotiating the Meaning of "Japanese" in Transnational Childhood: Ethnic Pride among Children of

Japanese Expatriate Families in Los Angeles."

2008年 Columbia大学(New York)で開催された Comparative and International Education Society Annual Meeting

52回大会において論文発表。題目:"Women and Children's Formation of a Japanese Transnational Community."

2010年 ヨーテボリ(Sweden)で開催された International Sociological Association大会において論文発表。題

目:”Planning for Successful Return Home: A Case Study of Japanese Transnational Families in Los Angeles.”

【学内職務・委員】

・2010 年 4 月~現在 図書委員

・2010 年 4 月~現在 紀要委員

【学外活動】

・日本社会学会、日本教育社会学会、異文化間教育学会、日本教育学会、American Sociological Association,

American Anthropological Association, International Sociological Associationに所属。

【著作・論文等】

著作

◎2010. "The Kikokushijo: Negotiating Boundaries Within and Without" (Ryoko Tsuneyoshiとの共著). In

Minorities and Multiculturalism in Japanese Education, edited by Tsuneyoshi Ryoko and Sarane Boocock. P.

213-241. London: Routledge Falmer.

2009.「多文化教育における<公正な教育方法(equity pedagogy)>再考-日米教育実践のエスノグラフィー」

志水宏吉編『リーディングス日本の教育17巻・エスニシティと教育』p.122-137. 日本図書センター.

論文

2011.「「公正さ」をめぐる教育現場の混迷-NCLB法下で「容赦なき形式的平等」が進むアメリカの学校」

『異文化間教育』34: 22-36.

2008. "The Underlife of Kids' School Lunchtime: Negotiating Ethnic Boundaries and Identity in Food Exchange."

Journal of Contemporary Ethnography, 37 (3): 342-380.

2006. “Xenophobia and the Effects of Education: Determinants of Japanese Attitudes towards Acceptance of Foreigners”

『JGSS研究論文集 (Japanese General Social Surveys Research Series)[5]』:191-202.

その他

2011. 「書評 馬渕仁著『クリティーク多文化,異文化-文化の提え方を超克する-』」『教育社会学研究』88:

297-299.

2010."Transnational Educational Strategies among Japanese Families in Los Angeles. London Digest 6. University of

London, Institute of Education.

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野中 浩一 NONAKA Koichi

・生年等…1954 年 9 月 28 日生・男

・専攻…衛生学、胎児期環境学、双生児研究、共生学

・最終学歴…東京大学理学系研究科修士課程

・学位…医学博士

【教育活動】

2001 年 4 月 和光大学着任(助教授)。2003 年 4 月 教授昇任。

共通教養科目として『身体のはたらき(隔年)』『疫学とは何か』『疫学に学ぶ(隔年)』を担当している。自

然科学や予防医学の新知見や情報などが次々に流れこんでくる現在、基礎知識がないと、その情報の意義や限

界について判断を誤る例も少なくない。自然科学系科目の学習が不十分な学生にも理解できる基本を伝えるこ

とを目標にしているが、適切な教科書の選定が難しいため、Web 上に教材を作成したり、映像資料を活用した

りした講義を心がけている。また、04 年度からは『理科を楽しむ(生物)』(分担、隔年)で、私たちの身体

について、手を動かしながら考える実習系科目も試みている。学科内の講義としては、1年次の『プロゼミ』

およびオムニバス形式の『身体環境共生キャリア論』において、学生としての基礎スキルだけでなく、「共生

する」ことの意味をじっくり考えさせるほか、専門科目として『公衆衛生学』『衛生学』『生涯保健学基礎』を

担当している。『公衆衛生学』と『衛生学』は保健体育教員資格のための必修科目でもあるため、講義では既

存知識の確認に主眼を置いているが、細部にわたる知識の記憶よりも基本的な考え方が修得できるよう心がけ

ているし、水処理施設の見学など現場を直接体験させることも重視している。『生涯保健学基礎』では、Excel

を用いて各種保健指標を計算させる演習課題を多用することで、IT スキルの向上にも努めている。上記以外

のゼミなどの少人数クラスでは、自主的な問題探求力の養成に重点を置いている。現在の学生はキーワードま

では列挙できるが、それをリサーチクエスチョンにまで昇華させる力が不足しており、論文作成力の育成を目

指した『論文作成法基礎・応用』によって、パソコンを使った情報検索、文章力育成の試みも行っている。ゼ

ミ(『身体環境共生論演習』)では、対象から一歩引いた視点で俯瞰できるような、客観的視点の涵養に努める

とともに、適切な批判能力を養成することで、卒業論文のための土台づくりを目指している。大学院では、研

究者の卵として、英語圏まで視野を広くもった文献をリサーチし、確実な論文理解ができる力をつけられるよ

う、基礎的な論文読解力の指導に力を注いでいる。

【研究活動】

大学で動物学、大学院修士課程で感覚生理学を学び、自然科学系の教育を受けたが、その後医学部の衛生学

講座に転身し、人間の健康に関わる諸要因をさぐる疫学、予防医学へと研究の軸を移してきた。医学部では、

人間の健康に対する環境影響に関心をもつようになり、とりわけ、成人後の健康にも、胎児期の季節的環境要

因が無視できないことを示唆する証拠が集まってきた。先天性風疹症候群や胎児性水俣病といった事例からも、

胎児が外界影響から完全には保護されていないことはよく知られているが、出生前後の季節影響はさらに大き

な広がりをもつ可能性がある。研究のひとつの軸は、原因が特定されていない疾患や健康関連事象に、出生季

節による出現差があるかどうかを調べることであった。基本的な関心は、いわば胎児期環境疫学とでも称すべ

き視点からみた生物としての人間の健康や特性にあるが、ここ数年の研究は、遺伝と環境の影響度を知ること

を目的とした双生児研究プロジェクト(首都圏ふたごプロジェクト ToTCoP)によるもので、プロジェクト内

ではさまざまなテーマの共同研究をするとともに、個人的には疫学的にみた睡眠の状況と、それが健康に及ぼ

す影響などにも関心を向けている。一方で、文科系大学の学生たちが成熟した市民として社会に巣立ち、どう

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すれば有意義な共生社会の一員となれるのかを考えるようになった。従来の狭い領域の専門教育ではなく、ア

プリケーションコンテキストで活躍できる人材育成のための共生学を今後とも追究していく。

【学内職務・委員】

2001 年 4月~2004 年 3月 共通教養委員

2001 年 4月~2002 年 3月 情報センター委員

2002 年 4月~2006 年 3月 情報センター長

2006 年 4月~2007 年 3月 入試委員

2008 年 4月~現在 身体環境共生学科長

2009 年 4月~現在 学生助成金委員(2009 委員長)

2009 年 4月~現在 ハラスメント委員

2011 年 4月~現在 キャリア支援委員

【学外活動】

日本双生児研究学会会員(幹事)

日本共生科学会会員(理事)

日本衛生学会会員(評議員)

日本公衆衛生学会会員

International Society of Twin Studies 会員

【著作・論文】

《書籍》

(共著)『学生のための現代公衆衛生』(第6版)、南山堂、2011 年 3月

《論文》

(共著)The Tokyo Twin Cohort Project: Overview and Initial Findings. Twin Research and Human Genetics,

9(6): 817-826, 2006

(共著)権威主義的伝統主義の家族内伝達―遺伝か文化伝達か― 理論と方法 第45号, 23(2), 105-126, 2008

(共著)Genetic influences on the difference in variability of height, weight and body mass index between

Caucasian and East Asian adolescent twins. International Journal of Obesity 32(10):1455-67, 2008

(共著)わが国における性別違和と異性帰属の得点分布 : 双生児データによる性同一性障害傾向の有症割合

日本性科学界雑誌, 27(1), 49-59, 2009

(単著)「共生」は「学」なのか 和光大学現代人間学部紀要, 3, 263-265, 2010

(共著)いのち、あそび、共に生きる 和光大学現代人間学部紀要, 3, 278-287, 2010

《学会発表》

(単著)Tokyo Twin Cohort Project (ToTCoP) : Its Beginning and Related Issues to be Considered. Twin

Project Meeting of Asian Twin Researchers. Workshop 2006, January 29, 2006, Tokyo

(共著)ふたごの頭囲の発達に及ぼす遺伝と環境の影響:出生から9ヶ月まで。第 20回日本双生児研究学会、

2006 年 1月 28 日、東京

(共著)首都圏における集団ベースのふたご横断調査(ToTCroSS)。第 22 回日本双生児研究学会、2008 年 1

月 27 日、大阪

(共著)A longitudinal twin study on the environmental association between behavior problems and

parenting, ICTS 2010, Souel

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(共著)ムーブメント教育・療法における「存在し合う」場づくりの可能性~参加者の幸福感の充実に焦点を

あてて~ 日本共生科学会第 2回大会、2010 年 6月 5 日、神奈川

(単著)小さいけれど「ノイラートの船」かもしれない ~共生「学」なんて知らないよという学生たちの不

思議な力~ 日本共生科学会第 2 回大会、2010 年 6 月 5日、神奈川

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山本 由美 YAMAMOTO Yumi

・生年等…1959 年 8 月 22 日生、

・専攻…教育行政学、教育制度

・最終学歴…東京大学大学院博士課程満期退学

・学位…教育学修士(東京大学)

【教育活動】

・2006 年 4月 浦和大学短期大学部英語学科教職課程准教授

・2008 年 4 月 東京田中短期大学こども学科准教授

・2010 年 4 月、和光大学現代人間学部心理教育学科教授として着任

和光大学大学院社会文化総合研究科発達・教育臨床論コース教授を併任

主な担当科目は、学部では、教職科目として、道徳教育論、教師論、教育原理、教育実践論、教育実習、ゼ

ミとして現代学校論演習ゼミ、他に、現代学校問題論、地域と学校、教育学B、隔年のプロゼミ、大学院の

教育経営学を担当している。

【最近の研究動向】

学校選択制、学校統廃合、全国学力テスト、学校評価・教員評価、バウチャー制度、チャータースクール(公

教育の民営化)など新自由主義教育改革の批判的検討を行っている。特に自治体レベルの教育改革とそれが実

際に子どもたちにどんな影響を与えるのか、を検証しようとしている。新自由主義養育改革は、実際はその教

育的効果が検証されていないケースがほとんどである。また、日本が改革のモデルとしてきた英米の教育改革

についてもこの 10年間、研究対象としている。その発端は、1999~2001 年まで、家族の留学に伴いアメリカ・

マサチューセッツ州に滞在し、新自由主義教育改革が進展している状況を目の当たりにしたことである。特に、

最近、統廃合の新しい手法としても全国で拡大している小中一貫教育、小中一貫校については特に最近批判的

に検討しており、「これでいいのか、小中一貫校!?小中一貫教育と統廃合を考える全国交流集会」を主催し

たばかりである。

【国際学術交流】

国連子どもの権利委員会(国連欧州本部)における日本政府審査(1998 年、2004 年、2010 年)のうち、2

回に報告書起草委員、傍聴団メンバーとして参加している。

【学内職務・委員】

・2010 年 4 月~2011 年 3月、開放センター委員

・2010 年 4 月~現在 資格課程委員、研究会委員

・2011 年 4 月~現在 学生生活委員、ハラスメント委員

【学外活動】

日本教育学会会員、日本教育学会会員

東京自治問題研究所常務理事

NPO法人 風の子保育園理事長

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【著作】

単著「学力テスト体制とは何か -学力テスト、学校統廃合、小中一貫教育―」

2009 年 花伝社 全 226 頁

共著

「安倍流教育改革で学校はどうなる」2007 年 3月 大月書店

編著者、田中孝彦、世取山洋介、山本執筆担当、「東京都の教育改革『自由な改革』を可能にする教育改

革の実態―」56-64 頁、「道徳と教科教育はどう変わるの?」81-83 頁

「『改正』教育法で教育は『再生』できるのか」2007 年 4月 学習の友社

子どもと教科書ネット 21 編、山本執筆担当、「『改革』前から進められた教育破壊」29-34 頁

「地域が子どもを守る -東京・東久留米の学校統廃合を考えるー」2007 年 6 月

ケイ・アイ・メデイア 田中孝彦、山本由美、東久留米の教育を考える会編著、山本執筆担当、「東久留

米の学校統廃合の今日的意味」4‐46 頁

「新自由主教育改革」2008 年 3月 大月書店

編著者、世取山洋介、佐貫浩、山本執筆担当

「新自由主義教育改革が先行する東京都」54-68 頁「新自由主義教育改革の対抗軸としてのウエールズ ー

ナショナル・テストを廃止し地域の学校を守るー」254-263 頁

「小中一貫教育を検証する」山本由美 編著 2010 年 花伝社

「東京をどうするか」 進藤兵ら編 担当部分「義務教育学校の改革」2011 年 岩波書店

「これでいいのか、小中一貫校 -その理論と実態」 山本由美・藤本文朗・佐貫浩編著 2011 年 新日本

出版社

学術論文

「新自由主義的教育改革に対抗的なウエールズにおける『教育改革』」2007 年 6月

『人間と教育第 54号』2007 年夏号 91-99 頁

「日本型『教育バウチャー制度』とは何か」2007 年5月 『クレスコ』2007 年 6月号 大月書店 28-31 頁

「全国学力テストと学校評価」2008 年 3 月 『日本教育法学会年報第 39号』

有斐閣 146-153 頁

「私立校の教育内容の変更による親の学校選択の自由の侵害―江戸川学園中・高校判決から」2008年6月 『季

刊教育法』2008 年夏号 エイデル研究所 72-76 頁

「東京都の教育改革 -公教育の序列的再編―」2008 年 10 月 『民主教育研究所年報 2007 第 8号』民主教

育研究所、84-100 頁

「自由教育令に見る田中不二麿の生活指導観」2009 年 3月

東京田中短期大学紀要第 8 号 105-116 頁

「始まった学校選択制の見直し」2009 年 2月 『クレスコ』2009 年 3 月号 大月書店 18-19 頁

「新自由主義的な学校統廃合とは何か -戦後第三のピークを迎えて-」2009 年 3 月 『人間と教育第 61号』

旬報社 16-24 頁

その他・科学研究費等

文部省科学研究費 基盤研究(C)個人

2007~2009 年度 新自由主義教育改革における学校統廃合の研究