漁業経済学会における漁業法研究 - Kagoshima U ·...

10
漁業経済学会における漁業法研究 田 平 紀 男 1 は じ め に 2 1960年代までの研究成果 3 1970年代以降の研究成果 4 漁業法研究の展望 5 お わ り に 1 は じ め に 日本の昭和24(1949)年漁業法(昭和24年法律267号)(現行法)は,「漁 業生産に関する基本的制度」を定めることになっているが(同法1条),「漁 業生産に関する基本的制度」とは,「漁場の利用関係(利用方式)」すなわち 「漁場を誰に,どう使わせるか,そしてそれを誰がきめるか」を定める制度 である (1) 。昭和24年漁業法における漁場の利用関係(利用方式)を定める制 度は,二つある。一つは,沿岸水域及び内水面に適用される漁業権制度(漁 業免許制度)である。もう一つは,沖合水域および遠洋水域に適用される漁 業許可制度である。 現行漁業法の漁業権制度は,明治43年漁業法における漁業権制度を改革し た,いわゆる漁業制度改革によって誕生した。昭和37年,平成13年に漁業法 が改正され,漁業権に関する規定も改正されたが,漁業権制度ひいては漁業 法の基本は変わっていない。 本稿は,漁業法を水産政策の一環としてとらえ,漁業経済学会を中心とす る漁業法研究の成果を整理し,今後の展望を行うことを目的とする。本稿の 対象時期は,原則として1970年代以降であるが,1960年代までの研究成果に ついても,簡単に述べる。主として,漁業経済学会誌の漁業経済研究に掲載 - 155 -

Transcript of 漁業経済学会における漁業法研究 - Kagoshima U ·...

  • 漁業経済学会における漁業法研究

    漁業経済学会における漁業法研究

    田 平 紀 男

    1 は じ め に

    2 1960年代までの研究成果

    3 1970年代以降の研究成果

    4 漁業法研究の展望

    5 お わ り に

    1 は じ め に

     日本の昭和24(1949)年漁業法(昭和24年法律267号)(現行法)は,「漁

    業生産に関する基本的制度」を定めることになっているが(同法1条),「漁

    業生産に関する基本的制度」とは,「漁場の利用関係(利用方式)」すなわち

    「漁場を誰に,どう使わせるか,そしてそれを誰がきめるか」を定める制度

    である(1)。昭和24年漁業法における漁場の利用関係(利用方式)を定める制

    度は,二つある。一つは,沿岸水域及び内水面に適用される漁業権制度(漁

    業免許制度)である。もう一つは,沖合水域および遠洋水域に適用される漁

    業許可制度である。

     現行漁業法の漁業権制度は,明治43年漁業法における漁業権制度を改革し

    た,いわゆる漁業制度改革によって誕生した。昭和37年,平成13年に漁業法

    が改正され,漁業権に関する規定も改正されたが,漁業権制度ひいては漁業

    法の基本は変わっていない。

     本稿は,漁業法を水産政策の一環としてとらえ,漁業経済学会を中心とす

    る漁業法研究の成果を整理し,今後の展望を行うことを目的とする。本稿の

    対象時期は,原則として1970年代以降であるが,1960年代までの研究成果に

    ついても,簡単に述べる。主として,漁業経済学会誌の漁業経済研究に掲載

    - 155 -

  • された論文等を扱う。

    2 1960年代までの研究成果

     1で述べたように,現行漁業法は第二次世界大戦後,漁業制度改革として

    誕生したが,漁業経済学会は昭和28(1953)年8月,漁業制度改革の中から

    生まれてきた(2)。従って,漁業法制定前後,漁業法研究と漁業経済研究との

    関わりが強かった。近藤康男を中心とする共同研究グループは,水産庁や水

    産研究会などの委託によって,漁業経済に関する調査などをしており,その

    成果の一つとして近藤編『日本漁業の経済構造』が出版されたが(3),法学者

    の潮見俊隆と川島武宜は,このグループのメンバーであった(4)。『日本漁業

    の経済構造』のもとになった研究は,漁業制度改革の本質を解明することに

    重点を絞っていた(5)。潮見『漁村の構造』は,このグループにおける漁業経

    済研究者等との共同研究に触発されて出版されたものと思われる(6)。

     1960年代までの漁業経済学会のシンポジウムテーマで漁業法に関連するも

    のは,第6回大会(1959年)の「漁業制度改革をめぐる諸問題」と第8回大

    会(1961年)の「漁業政策の基本問題」である(7)。第6回大会における報告

    に基づく論文等が漁業経済研究8巻1号(1959年7月)に掲載されている(8)。

    第8回大会における報告に基づく論文等は漁業経済研究10巻1号(1961年7

    月)に掲載されている(9)。第8回大会シンポジウムは,農林漁業基本問題調

    査会の昭和35(1960)年10月の答申「漁業の基本問題と基本対策」および漁

    業制度調査会の昭和36(1961)年3月の答申「漁業に関する基本的制度につ

    いての対策」を問題にしようとしたと思われる。こららの答申は,昭和37

    (1962)年水産業協同組合法改正(昭和37年法律115号),昭和37年漁業法改

    正(昭和37年法律156号),沿岸漁業等振興法(昭和38年法律165号)の制定

    などとして,立法化された。漁業基本対策史料刊行委員会編『漁業基本対策

    史料』1巻~3巻は,漁業制度改革,上述の調査会における審議経過と答申,

    答申の立法過程などを整理分析した貴重な資料であり,執筆者等に漁業経済

    研究者も参加している(10)。

    - 156 -

  • 漁業経済学会における漁業法研究

     漁業経済学会シンポジウムとは直接関係なく漁業経済研究に掲載された,

    漁業法に関する重要な論文がある。二野瓶徳夫「明治維新と漁場制度(1)

    ~(3)」(11),秋山博一「漁業制度を巡ぐる理論的諸問題ー漁業権の研究序

    説ー」(12),同「明治漁業法の制定過程」(13)などである。

     青塚繁志の漁業法研究を挙げなければならない。青塚は,明治期の漁業法

    制の歴史に関する研究成果を,長崎大学水産学部研究報告 No.12(1962),

    No.17(1964),No.18(1965),No.19(1965),No.20(1966)に発表して

    いるが(14),これらは1961年,法学博士学位論文として九州大学法学部に提出

    したものを分割発表したものである(15)。

    3 1970年代以降の研究成果

     ここでは,原則として,1970年代以降2003年までの研究成果を扱う。

     水産業協同組合制度史編纂委員会篇『水産業協同組合制度史』1巻~5巻

    が1971年,水産業協同組合法施行20周年記念事業の一環として刊行され

    た(16)。本書は,日本の水産業協同組合制度史を,明治期,大正・昭和戦前期,

    戦時期,戦争直後の変革期,経済復興期および高度成長期に時期区分して記

    述したものであり,4巻,5巻は,資料編である(17)。執筆者等に漁業経済研

    究者も参加している(18)。

     1970年代以降は,漁業の国際化の時期であるが,1980年代前半までの漁業

    経済学会のシンポジウムでは,漁業の国際的関係が正面から検討されること

    はなかった(19)。1970年代以降1980年代前半までの漁業経済学会のシンポジ

    ウムテーマで漁業法に関連するものは,第19回大会(1972年)の「日本漁業

    の経済構造(Ⅱ)―漁業制度をめぐる今日的諸問題―」,第27回大会(1980

    年)の「漁場利用の経済的諸問題(1)」および第30回大会(1983年)の「漁

    業制度改革の現代的意義」である(20)。第19回大会における報告に基づく論文

    等が漁業経済研究19巻4号(1973年5月)に掲載されている(21)。第27回大会

    における報告に基づく論文等が漁業経済研究26巻1・2合併号(1981年3月)

    に掲載されている(22)。第30回大会における報告に基づく論文等が漁業経済

    研究28巻4号(1984年5月)に掲載されている(23)。第30回大会では,漁業経

    - 157 -

  • 済学会30周年記念講演も行われた(24)。大会とは別に,漁業経済学会30周年記

    念座談会が行われている(25)。

     臼杵市埋立免許事件控訴審判決として知られる昭和48年10月19日福岡高裁

    判決(判例時報718号9頁,行政事件裁判例集24巻10号1073頁)を契機に,

    法学者が漁業法に関する判例批評等を行う機会が多くなり,論文等も発表さ

    れるようになった(26)。

     2で述べた青塚繁志の研究が,吉木武一編『漁業法秩序の史的研究―青塚

    繁志教授退官記念論文集―』として刊行された(27)。

     1980年代後半以降の漁業経済学会のシンポジウムでは,日本漁業の国際的

    関係に焦点がある(28)。1980年代後半以降の漁業経済学会のシンポジウム

    テーマで漁業法に関連するものは,第35回大会(1988年)の「『資源管理型

    漁業』の経済的諸問題」,第39回大会(1992年)の「沿岸域の多面的利用」,

    第41回大会(1994年)の「漁場利用体制の国際的動向」および第44回大会

    (1997年)の「TAC 制度と沖合漁業管理」である。第35回大会における報

    告に基づく論文等が漁業経済研究33巻2・3合併号(1989年2月)に掲載さ

    れている(29)。第39回大会における報告に基づく論文等が漁業経済研究37巻

    3号(1992年12月)に掲載されている(30)。第41回大会における報告に基づく

    論文等が漁業経済研究39巻2号(1994年9月)に掲載されている(31)。第44回

    大会における報告に基づく論文等が漁業経済研究42巻2号(1997年10月)に

    掲載されている(32)。

     漁業経済学会シンポジウムとは直接関係なく漁業経済研究に掲載された,

    漁業法に関する重要な論文等がある。片岡千賀之「漁業補償金の算定と配分

    に関する考察」(33),熊本一規「共同漁業権の権利主体に関する最高裁判決につ

    いて」(34),片岡千賀之「魚類養殖業の漁場利用と養殖新法」(35)などである。

     漁業経済研究以外の学会誌等に掲載された,漁業法に関する重要な論文等

    がある。中山充「漁業権による水産資源の保護と環境権」(36),石塚浩一「漁

    業管理制度に関する日米欧比較研究―排他的経済水域における TAC 制度の

    機能と法的課題―(1)~(13)」(37)などである。

     漁業法に関する重要な著書等がある。山本 忠・真道重明 編著『世界の

    - 158 -

  • 漁業経済学会における漁業法研究

    漁業管理 上巻,下巻』(38),浜本幸生『共同漁業権論ー平成元年七月十三日

    最高裁判決批判ー』(39),青塚繁志『日本漁業法史』(40),熊本一規『公共事業は

    どこが間違っているのか?』(41),田中克哲『最新・漁業権読本』(42)などである。

    4 漁業法研究の展望

     平成13年6月,水産基本法(平成13年6月29日法律89号)が制定され,そ

    れと同時に,沿岸漁業等振興法(昭和38年法律165号)は廃止された。水産

    基本法は,沿岸漁業等振興法に替わるものである。水産基本法は,「水産に関

    する施策について,基本理念及びその実現を図るのに基本となる事項を定

    め,並びに国及び地方公共団体の責務等を明らかにすることにより,水産に

    関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって国民生活の安定向上及び国

    民経済の健全な発展を図ることを目的とする」(同法1条)。一般に「基本法」

    は,特定の政策分野についての政策の理念や施策の基本方向を規定する法律

    として制定されるものであり,個別施策の具体化は,その方向付けに沿って,

    別の立法,予算措置等に委ねられる(43)。水産基本法制定の際においても,そ

    の理念を具体化させるため,漁業法,水産業協同組合等の改正が,同時に行

    われた(44)。水産基本法9条は,「政府は,水産に関する施策を実施するため

    必要な法制上,財務上及び金融上の措置を講じなければならない」と規定し

    ている。

     水産基本法が規定する水産に関する施策についての基本理念は,水産物の

    安定供給の確保(同法2条)と水産業の健全な発展(同法3条)である(45)。

    基本理念に対応する形で,基本的施策に関する規定がおかれている(同法12

    条―32条)。基本的施策は,水産物の安定供給の確保に関する施策(同法12条

    ―20条)と水産業の健全な発展に関する施策(同法21条―32条)である。水

    産物の安定供給の確保に関する施策のうち漁業法等に関連するものとして,

    「排他的経済水域等における水産資源の適切な保存及び管理」(同法13条)

    がある。水産業の健全な発展に関する施策のうち漁業法等に関連するものと

    して,「効率的かつ安定的な漁業経営の育成」(同法21条),「漁場の利用の合

    理化の促進」(同法22条)がある。同法34条は,「国は,基本理念の実現に資

    - 159 -

  • することができるよう,水産に関する団体の効率的な再編整備につき必要な

    施策を講ずるものとする」と規定している。

     水産基本法の理念を具体化させるために,同法制定と同時に,漁業法等の

    一部を改正する法律(平成13年6月29日法律90号)により,漁業法等の改正

    が行われたが,この法律によって改正されたのは,漁業法,水産業協同組合

    法および定置漁業の免許の優先順位について経過措置を定めている「漁業法

    の一部を改正する法律」(昭和37年9月11日法律156号。以下「昭和37年漁業

    法改正法」という。)である(46)。

     漁業法の改正内容は,①特定区画漁業権の内容たる区画漁業の見直し(同

    法7条参照),②定置漁業等の免許の優先順位における法人形態の追加(同法

    16条6項および8項参照),③漁業権の変更又は放棄等における組合員の同

    意制度の導入(同法31条参照),④指定漁業の許可の承継に係る制限の撤廃等

    (同法59条3号,58条の2第2項参照),⑤広域漁業調整委員会の設置等(同

    法68条,110条等参照),である。

     水産業協同組合法の改正内容は,漁業権の管理に係る部会制度の導入(同

    法51条の2参照)である。

     昭和37年漁業法改正法の改正内容は,定置漁業の免許の優先順位に関する

    平成13年改正前漁業法(昭和37年改正後漁業法)16条の規定の適用について,

    「当分の間,法人以外の社団は,法人とみなす」としていた昭和37年漁業法

    改正法附則3条の削除である。

     水産基本法は,漁業法等が「水産に関する施策を実施するため必要な法制」

    であり(同法9条参照),水産政策の一環である。と改めて位置づけている

    ようである。水産物の安定供給の確保(同法2条)と水産業の健全な発展

    (同法3条)という基本理念はこれでいいとして,その実現を図るための施

    策と法制は,施策の実施と法制の適用等の過程で,その有効性や妥当性が検

    証されなければならない。この検証は,水産政策研究ひいては漁業法研究

    の,当面の課題であろう。

     法制には,立法,解釈・適用の段階があり,それぞれ,法的な研究の対象

    となり,実践の場となる。2,3で見た,これまでの研究成果を継承しつ

    - 160 -

  • 漁業経済学会における漁業法研究

    つ,今後の漁業法研究が行われなければならない。

    5 お わ り に

     1で述べたように,漁業経済学会は昭和28(1953)年8月,発足したので,

    平成15(2003)年,創立50周年を迎えた(47)。創立50周年を記念して平成17

    (2005)年5月,漁業経済学会編『漁業経済研究の成果と展望』が出版され

    た(48)。この本は,「第2章 水産政策」の中で,「漁業制度論」,「漁業法」お

    よび「水産経済政策」について述べており,漁業関係法に関心をもつ法学研

    究者にとっても参考になるであろう。

    (1)水産庁経済課編『漁業制度の改革』(日本経済新聞社,1950 年)201 頁,212 頁。

    (2)近藤康男「漁業経済研究と私ー漁業調査協議会から学会創成期の頃ー」『漁業制

    度改革と私ー漁業経済学会 30 周年記念講演ー』(漁業経済学会,1984 年)38 頁,

    45 頁。

    (3)近藤康男編『日本漁業の経済構造』(東京大学出版会,1953 年)「まえがき」1-2

    頁。

    (4)近藤編・前掲注(3)「まえがき」2 頁。

    (5)近藤編・前掲注(3)「まえがき」2 頁。

    (6)潮見俊隆『漁村の構造―漁業権の法社会学的研究―』(岩波書店,1954 年)i 頁

    参照。

    (7)「大会シンポジウムテーマ年表」前掲注(2)『漁業制度改革と私』55 頁以下参照。

    (8)掲載論文は,渡辺宏彦「漁業権漁業組合有化の評価」,高山隆三「昭和恐慌期に

    おける漁業権制度とその機能」,高橋富士夫「漁業制度改革による漁場利用形態の

    変化」および安藤由久・井上和夫「漁業制度改革後の漁民層の分解形態」である。

    (9)巻頭言は,近藤康男「基本問題・基本対策・基本法」である。掲載論文は,高山

    隆三「漁民層分解と漁業政策(一)」,赤井雄次「沿岸漁業の就業の動向について

    の一考察」および八木庸夫「浅海養殖業に関して基本対策に見られる問題点」で

    - 161 -

  • ある。

    (10)漁業基本対策史料刊行委員会編『漁業基本対策史料 1 巻~ 3 巻』(水産庁,1963

    年~ 1966 年)参照。

    (11)(1),(2)および(3)は,それぞれ漁業経済研究 6 巻 4 号(1958 年 4 月),7 巻

    1 号(1958 年 9 月)および 7 巻 3 号(1959 年 1 月)に掲載されている。

    (12)漁業経済研究 7 巻 4 号(1959 年 3 月)に掲載されている。

    (13)漁業経済研究 8 巻 3 号(1960 年 1 月)に掲載されている。

    (14)それらは,「明治初期漁業布告法の研究―漁業警察法期―」長崎大学水産学部研

    究報告 No.12,「明治初期漁業布告法の研究―Ⅱ ―海面借区制前期―」同 No.17,

    「明治初期漁業布告法の研究―Ⅲ ―海面借区制期(1)―」同 No.18,「明治初期

    漁業布告法の研究―Ⅳ ―海面借区制期(2)―」同 No.18,「明治初期漁業布告法

    の研究―Ⅴ ―府県漁業取締規則期―」同 No.19,「明治初期漁業布告法の研究―

    Ⅵ ―漁業組合準則期―」同 No.19,「明治漁業法体制の確立過程」同 No.20,「明

    治漁業法の法原理」同 No.20 および「明治漁業法の展開過程と経済法化」同 No.20

    である。

    (15)青塚繁志「わが人生の節目」吉木武一編『漁業法秩序の史的研究ー青塚繁志教

    授退官記念論文集ー』(青塚繁志教授退官記念論文集刊行会,1984 年)。

    (16)水産業協同組合制度史編纂委員会編『水産業協同組合制度史 1 巻~ 5 巻』(水産

    庁,1971 年)参照。

    (17)前掲注(16)『水産業協同組合制度史 1 巻~ 5 巻』参照。

    (18)前掲注(16)『水産業協同組合制度史 1 巻~ 5 巻』参照。

    (19)小野征一郎「経済」日本水産学会出版委員会編『現代の水産学』(恒星社厚生閣,

    1994 年)386 頁。

    (20)「大会シンポジウムテーマ年表」前掲注(2)『漁業制度改革と私』59 頁以下参

    照。

    (21)報告の一つに基づく論文である八木庸夫「漁村共同体と漁場利用」が掲載され

    ている。

    (22)掲載論文は,鈴木 旭「漁業権制度と漁場利用」,増田 洋「サケ定置漁業にお

    ける漁場利用と漁業権管理ー根室支庁管内の事例からー」などである。

    - 162 -

  • 漁業経済学会における漁業法研究

    (23)掲載論文は,八木庸夫「漁業制度における協同の位置づけの変化について」,長

    谷川 彰「漁業制度改革における資源対応とその理論」などである。関連するも

    のとして,久宗 高「漁業制度改革の立案過程ー「占領下」の産業立法」が掲載

    されている。鈴木 旭「戦後の漁業権制度の性格と機能」漁業経済研究 29 巻 1・

    2 合併号(1984 年 9 月)は,第 30 回大会における報告に基づく論文であると思わ

    れる。

    (24)講演内容は,前掲注(2)『漁業制度改革と私』に収録されている。

    (25)座談会の内容は,『漁業経済学会の設立と今後の課題ー漁業経済学会 30 周年記

    念座談会ー』(漁業経済学会,1983 年)に収録されている。

    (26)山畠正男「組合管理漁業権の性格」北大法学論集 28 巻 4 号・29 巻 1 号合併号

    (1978 年 8 月)1 頁以下,中尾英俊「共同漁業権の帰属と権利主体」西南学院大

    学法学論集 19 巻 1 号(1986 年 6 月)65 頁以下参照。

    (27)吉木編・前掲注(15)『漁業法秩序の史的研究』参照。

    (28)小野・前掲注(19)384 頁。

    (29)掲載論文は,長谷川 彰「『資源管理型漁業』の理論とタイプ」,山本辰義「資

    源管理型漁業における漁協の役割」,増田 洋「沿岸漁業政策の推移と『資源管理

    型漁業』」および平澤 豊「沿岸漁場利用の変化と資源管理型漁業」である。

    (30)掲載論文は,増田 洋「沿岸域の多面的利用とその性格」,乾 政秀「海洋レク

    リエーション利用ーマリーナ経営の現状と今後の課題ー」,宮澤晴彦「遊漁船業経

    営の展開と沿岸域利用」などである。

    (31)掲載論文は,草川恒紀「個別割当に基づく漁業管理」などである。

    (32)掲載論文は,篠原 孝「TAC(漁獲可能量)制度の成立と背景」などである。

    (33)漁業経済研究 34 巻 4 号(1990 年 5 月)に掲載されている。

    (34)漁業経済研究 38 巻 3 号(1993 年 12 月)に掲載されている。最高裁平成元年 7

    月 13 日判決(民集 43 巻 7 号 866 頁)を批判的に検討している。

    (35)漁業経済研究 45 巻 3 号(2001 年 2 月)に掲載されている。

    (36)香川法学 13 巻 4 号(1994 年 1 月)1 頁以下。

    (37)漁協経営 428 号(1998 年 10 月号)~ 446 号(2000 年 4 月号)に,毎号ではな

    く掲載されている。(1)~(4)が漁協経営 428 号~ 431 号(1999 年 1 月号),(5)

    - 163 -

  • ~(7)が 433 号(1999 年 3 月号)~435号(1999年5月号),(8)が 437 号(1999

    年 7 月号),(9)~(10)が 439 号(1999 年 9 月号)~ 440 号(1999 年 10 月号),

    (11)が 443 号(2000 年 1 月号),(12)~(13)が 445 号(2000 年 3 月号)~ 446

    号(2000 年 4 月号)に掲載されている。掲載は,(13)で中断したようである。

    (38)山本 忠・真藤重明 編著『世界の漁業管理 上巻,下巻』(海外漁業協力財団,

    1994 年)参照。

    (39)浜本幸生『共同漁業権論ー平成元年七月十三日最高裁判決批判ー』(まな出版企

    画,1999 年)参照。

    (40)青塚繁志『日本漁業法史』(北斗書房,2000 年)参照。これは,吉木編・前掲注

    (15)『漁業法秩序の史的研究』と同様,青塚の学位論文をもとにしているが,学

    位論文提出後の論文が「付論」として収録されている。

    (41)熊本一規『公共事業はどこが間違っているのか?』(まな出版企画,2002 年)参

    照。

    (42)田中克哲『最新・漁業権読本』(まな出版企画,2002 年)参照。

    (43)加藤雅丈「水産基本法について」水産振興 405 号(2001 年 9 月)7 頁,水産庁

    漁政部企画課監修『水産基本法関係法令集』(成山堂書店,2001 年)8 頁。

    (44)加藤・前掲注(43)7 頁,水産庁漁政部・前掲注(43)8 頁参照。

    (45)加藤・前掲注(43)7-13 頁,水産庁漁政部・前掲注(43)8-9 頁参照。

    (46)これらの法律の改正内容につき,田平紀男「漁業入会団体を規制する立法」立

    命館法学 292 号(2004 年 3 月)197 頁以下参照。

    (47)漁業経済学会の前身である漁業経済研究協議会の発会式が昭和 27(1952)年 6

    月 27 日に開催されており,漁業経済学会は,この漁業経済研究協議会が発展的に

    解消して発足した〔近藤・前掲注(2)「漁業経済研究と私」42 頁,45 頁〕。この

    ためか,後掲注(48)の漁業経済学会編『漁業経済研究の成果と展望』は,「まえ

    がき」で,「漁業経済学会は漁業経済学の組織として 1952 年に発足し」た,と述

    べている。

    (48)漁業経済学会編『漁業経済研究の成果と展望』(成山堂書店,2005 年)参照。

    - 164 -