Cisco and Hitachi Adaptive Solutions

Cisco and Hitachi Adaptive Solutions 」が提案する デジタル時代に向けた新しいシステムインフラの最適解 いま情報システムの現場では、取り扱うデータ量が増 え続け、システム構築・運用の作業負荷がますます大き くなるという課題を抱えている。しかし、一方で人手不 足やスキル不足、業務の属人性といった要因によって 課題解決が一向に進まない実情がある。そんな課題を 解決するために登場したのが、日立製作所とシスコシ ステムズとのパートナーシップにより、Hitachi Virtual Storage Platform( 以下、日立 VSP) と Cisco Unified Computing System( 以下 Cisco UCS) で実現する統 合プラットフォーム「Cisco and Hitachi Adaptive Solutions」だ。同ソリューションの導入メリット、優位 性について、各社の担当者に話を聞いた。 ―― 働き方改革やデジタルトランスフォーメーション (DX)推進の必要性が高まる中、企業の現状をどのよう に見ていますか。 日立・情野氏働き方改革や DX などの新しいキーワー ドが登場していますが、多くの企業の情報システム部門 では何をどのように始めればよいのか分からないという 現状があります。システムをシンプル化して運用管理業 務を効率化する必要性は理解しているものの、予算と人 手に余裕がなく、なかなか先に進めないという企業が多 いように感じます。特にシステムの乱立により、データ の取り扱い方も含めて運用が複雑化していることが課題 となっており、企業はそこを出来る限り迅速かつ、コス トを抑えて解決に取り組もうとしています。 株式会社日立製作所 IT プロダクツ統括本部 プロダクツビジネス本部 ストレージビジネス推進部 主任技師 情野 雄太郎氏

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「Cisco and Hitachi Adaptive Solutions」が提案するデジタル時代に向けた新しいシステムインフラの最適解

 いま情報システムの現場では、取り扱うデータ量が増え続け、システム構築・運用の作業負荷がますます大きくなるという課題を抱えている。しかし、一方で人手不足やスキル不足、業務の属人性といった要因によって課題解決が一向に進まない実情がある。そんな課題を解決するために登場したのが、日立製作所とシスコシステムズとのパートナーシップにより、Hitachi Virtual Storage Platform( 以下、日立 VSP) と Cisco Unified Computing System( 以下 Cisco UCS) で実現する統合プラットフォーム「Cisco and Hitachi Adaptive Solutions」だ。同ソリューションの導入メリット、優位性について、各社の担当者に話を聞いた。

―― 働き方改革やデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の必要性が高まる中、企業の現状をどのように見ていますか。

日立・情野氏:働き方改革や DX などの新しいキーワードが登場していますが、多くの企業の情報システム部門では何をどのように始めればよいのか分からないという現状があります。システムをシンプル化して運用管理業

務を効率化する必要性は理解しているものの、予算と人手に余裕がなく、なかなか先に進めないという企業が多いように感じます。特にシステムの乱立により、データの取り扱い方も含めて運用が複雑化していることが課題となっており、企業はそこを出来る限り迅速かつ、コストを抑えて解決に取り組もうとしています。

株式会社日立製作所IT プロダクツ統括本部 プロダクツビジネス本部ストレージビジネス推進部 主任技師情野 雄太郎氏

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シスコ・山本氏:日本における働き方改革や DX の実現を目指した取り組みは、まだスタート地点に立ったばかりです。多くの企業はそれらの取り組みを進めるために、新しいシステムをなるべくシンプルにスモールスタートで立ち上げて、徐々にスケールアウトしたいと考えています。また、既存システムのデータをどのように迅速に移行するか、移行したデータが正しく使えるかという部分を課題と感じている企業も多いと感じています。

シスコでは、単にシステムインフラを提供するだけでなく、ユースケースの紹介も含めたソリューションの提案を行っています。

CTC・矢部氏:CTC にも多くの企業から「働き方改革や DX を実現するには、どのように取り組めばよいのか」という相談が寄せられています。CTC はマルチベンダー製品を取り扱っているという強みがあるので、企業の要件を詳しく聞きながら企業にとって最適なベンダー製品を適材適所に組み合わせた柔軟なソリューションを提供しています。

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社広域・社会インフラ事業グループマーケティング企画部 カスタマーリレーション課矢部 岳夫氏

シスコシステムズ合同会社パートナー事業 ビジネス開発マネージャ山本 みどり氏

―― 企業の課題を解決するために、どのような取り組みを実施してきましたか。

日立・情野氏:日立はストレージベンダーとして、長年にわたり、効率的なデータの保管と運用管理を実現するためのソリューションを国内外にて提供しています。データを階層化して最適なストレージデバイスに配置したり、重複排除・圧縮機能によりデータ量を削減したり、信頼性の高い自動化技術をはじめ、ディザスタリカバリ

(災害復旧)、データ無停止移行、ストレージ仮想化などさまざまな技術の研究開発に取り組んできました。運用管理についてはハイエンドからローエンドまですべてのストレージに同じストレージ OS、同じ管理ツールを採用し、用途・モデルにより管理方法が変わることのないシンプルな運用管理を実現しています。これらの取り組みを通じ、企業の課題解決を支援しています。

シスコ・山本氏:シスコはネットワークや IA サーバに限らず、マルチデータセンター/マルチクラウドのサポートやセキュリティを含めた企業システムのインフラ全体を最適化するソリューションの提供に注力しています。また、例えばデータ管理の分野であれば、日立 VSP のように他社とのコラボレーションによってソリューションを拡充し、システムのデリバリー時間を短縮するための取り組みも進めてきました。ただし、ソリューションはあくまでもベースであり、企業のニーズに合わせた付加価値も提供する必要があると考えています。そのため

―― そうした中、日立とシスコのパートナーシップによる新しい統合プラットフォーム「Cisco and Hitachi Adaptive Solutions」が登場しました。このソリューションは、どのような価値を導入企業に提供するのでしょうか。

日立・情野氏:Cisco and Hitachi Adaptive Solutions は、Cisco UCS とネットワーク、日立 VSPを組み合わせたものであり、日立が取り組む社会インフラ領域も含めて業種業界を問わず幅広い分野での活用をターゲットとするソリューションです。特にシスコと日立の管理ツールが統合され、サーバ、ストレージ、ネットワークの管理を一元化・自動化できるので、システム運用をシンプル化、効率化したいという企業の課題を解決します。システム構築に関する工数やコストを削減するという価値ももたらし、試算ではシステム構築の工数はおよそ 7 分の 1 程度、コストは 2 割程度削減できると見込んでいます。

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シスコ・山本氏:Cisco and Hitachi Adaptive Solutions は日立とシスコが共同開発したものであり、日本国内のみならずグローバル市場をターゲットにしています。その特長は、日立とシスコの両社の製品が事前に検証済みの状態で提供されていることです。従来のよ

―― 日立とシスコがタッグを組んだ経緯とその狙い、パートナーシップによる相乗効果はどこにありますか。

日立・情野氏:シスコと日立は実は古くから協業関係にあります。日立では以前からグローバルでシスコ製品をリセールしていますし、海外向けの垂直統合型プラットフォーム製品にはシスコのスイッチを組み込んでいます。2017 年 5 月に、IoT プラットフォーム分野での協業に向けた技術検証を開始し、日立のビッグデータ処理サービス向け基盤にシスコのコンピューティングプラットフォームを活用する取り組みを進めてきました。そうした協業関係の延長線上にあるのが、今回のソリューションです。

 シスコにはデータセンターやネットワークの分野に強みがあり、日立には基幹システムを支える高性能・高信頼なフラッシュストレージに強みがあることから、両社のパートナーシップによってそれぞれの強みがさらに強化されるという相乗効果が得られます。また、両社におけるハイレベルな戦略の連携による、将来を見据えたソリューションの継続的な提供と、コミットされたグローバルな開発体制といった点も強みであると考えております。

図:Cisco and Hitachi Adaptive Solutions の特長

シスコ・山本氏:日立とシスコの協業の経緯は、情野さんのご説明通りです。Cisco and Hitachi Adaptive Solutions は両社が一緒に検証し、シスコの検証済みデザインガイド「Cisco Validated Design(CVD)」の認定を取得しています。Cisco and Hitachi Adaptive Solutions では、VDI や仮想化統合基盤、ハイブリッドクラウドなど基幹系から情報系まで幅広いシステムに対応する汎用仮想化向けのソリューションと、リアルタイムデータ分析など高速なデータ処理を実現する SAP HANA向けのソリューションを提供しており、これらを迅速かつ容易に導入できることが最も大きな相乗効果だと考えています。

―― Cisco and Hitachi Adaptive Solutions の販売・保守を担当する CTC では、SIer の立場からどのような提案をしていますか。

CTC・矢部氏:Cisco and Hitachi Adaptive Solutions は、日立とシスコというベンダーのお墨付きを得たリファレンスアーキテクチャの製品であり、すぐに構築・活用できるソリューションとして提案しています。特に VDI 活用や仮想化統合基盤の用途には、性能や信頼性の面からもベストの組み合わせであり、あらゆる企業のニーズにマッチするものです。すでに幅広い業種業界の企業にご提案を始めています。

うに製品を組み合わせる際の調査や検証作業を実施する必要がなく、ホワイトペーパーに記載されている設定値に従って構築・導入作業を進めていくだけで、システムを迅速に構築できることを保証しています。

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 CTC の最大の特長は、提案から設計・構築、運用・保守サポートまで一気通貫で提供できるところにあります。特に保守サポート業務は、グループ会社の CTC テクノロジーがワンストップの保守サポート体制を提供しているため、企業は CTC にサポート窓口を一本化することがで

き、CTC は必要に応じて日立・シスコと共同で問題解決に当たります。運用管理を効率化できるだけでなく、保守サポートも含めて安心して利用できることが、CTC から Adaptive Solutions を導入する大きなメリットと言えます。

なお、今回紹介した「Cisco and Hitachi Adaptive Solutions」については下記特設サイトにて詳しく紹介している。https://ctc-insight.com/adaptivesolutions

図:Cisco and Hitachi Adaptive Solutions の提供価値