参考資料集 - mhlw.go.jp...参考資料集 ・経済モデルに用いる各種指標の推移 ・実質経済成長率・潜在成長率とその寄与度 ・経済成長率と賃金上昇率の推移
第2章 年齢と成長matuisi.main.jp/wp-content/uploads/2012/12/02growth.pdf2012/12/02 ·...
Transcript of 第2章 年齢と成長matuisi.main.jp/wp-content/uploads/2012/12/02growth.pdf2012/12/02 ·...
1
第2章 年齢と成長
「水産資源学」 北海道大学水産学部
准教授 松石 隆
2
年齢と成長
成長 個体成長:個体の体長・体重が増加すること 個体群成長:バイオマス(個体数×重量)が増加すること
再生産の要 摂餌→代謝(同化)→成長→成熟→再生産
時間軸 年 year 年齢 age, instar 世代
3
2.1 年齢査定 age determination
年齢形質(年輪など)を用いて各個体の年齢を決定すること。(水産学用語辞典)
年齢によって、魚体の大きさ、生体の機能が異なるので、年齢査定が重要
4
年齢査定の方法
飼育法 成長の速さは自然状態と異なることが多い
標識放流法 成長の速さは自然状態と異なることが多い
体長組成法 高齢の識別が難しい。 相対年齢しか与えないこともある
年齢形質法 煩雑だが必要
5
2.1.1 年齢形質
鱗 耳石 脊椎骨 鰭条 膜骨 貝殻 耳垢栓
アカムツの鱗 http://www.pref.niigata.jp/norin/chiiki/suikai/joho/dayori/9gou/akamutu.htm
キチジの耳石 http://hnf.fra.affrc.go.jp/H-jouhou/seika/hnf98008.html
クロミンククジラの耳垢栓 Kato et. al (1988)
6
2.1.2 年齢査定の手順
1. 年齢形質の探索 年齢標示を示す形質を探し出す
2. 採取部位の選定 年齢が標示が明瞭で測定しやすい形質の採取部位を選ぶ
3. 体長と年齢形質の大きさの関係を把握 4. 年齢形質の大きさと鱗径の大きさの関係を把握 5. 年齢形成期の推定
いつできるか。1年に1輪できるか 6. 年輪形成時の体長の推定
バックカリキュレーション 7. 形質の有効性の総合判定
7
形質の有効性の判定 年輪が線状にできる場合(鱗) 縁辺成長率を月ごとに計算し、年輪が形成される時期を推定する
Δ=(端から1つめの年輪までの長さ)÷(1つめの年輪から2つめの年輪までの長さ)
8
形質の有効性の判定 年輪が帯状にできる場合(耳石)
月別に一番外側が透明帯か不透明帯を調べ、年輪形成時期を調べる
n本の年輪が出来てい
て、次の年輪ができる前の個体はn+と年齢を表現することがある
9
2.2 成長曲線 growth curve
年齢と成長の関係を数式で表したもの ベルタランフィーの成長曲線 von Bertalanffy’s growth curve
ロバートソンの(ロジスティック)成長曲線 logistic growth curve
ゴンペルツの成長曲線 Gompertz’s growth curve
成長曲線の一般式 Richards’s growth curve
10
2.2.1 von Bertalanffy (体長)
同化は、長さの2乗に比例(面積が関係)
異化は、長さの3乗に比例(体積が関係)
)1( )( 0ttKt ell −−
∞ −=
0
50
100
150
200
250
300
0 1 2 3 4 5
t
Lt
の時の年齢:
成長係数
最大到達体長
0::
0 =
∞
tltKl
11
von Bertalanffy (体重) 3)( )1( 0ttK
t eww −−∞ −=
0
5
10
15
20
25
30
0 1 2 3 4 5
t
Wt
12
ワルフォードの定差図1
体長は成長曲線の周りに正規分布でばらつくと仮定
ε+−= −−∞ )1( )( 0ttK
t eLL),0(~ 2σε N
von Bertalanffyの成長式のパラメータ推定
13
ワルフォードの定差図2
式を変形するとLt+1とLt に線形の関係
tKK
t LeeLL −−∞+ +−= )1(1
)1( KeL −∞ − Ke−
Lt
Lt+1
Y=a+bX
K
K
ebeLa
−
−∞
=−= )1(
14
ワルフォードの定差図の問題点
年齢ごとの標本数の差を考慮していない
t0の推定ができない
理論上誤りがある
他の成長曲線には応用できない
15
非線形計画法
目的値が最小になるパラメータを求める方法 お椀にパチンコ玉を入れ,止まった場所を求める
エクセルのソルバーで計算可能 式変形などが不要 計算に時間がかかる 場合によっては間違った答えが出る
16
解法のイメージ
17
Global optima/Local optima
18
2.2.2 ロバートソン Logistic
0
50
100
150
200
250
300
0 1 2 3 4 5
t
Lt
( )ctbt ell −∞
+=
1
19
2.2.3 Gompertz KtCe
t eWW−−
∞=
0
50
100
150
200
250
300
0 1 2 3 4 5
t
Lt
20
2.2.5 成長曲線の一般式 Richards(1959)
3種類の成長式を表すことができる
m=0→von Bertalanffy
m=1→Gompertz
m=2→Logistic
{ } mtmKmmmt ePPPP −−−−−
∞−
∞ −−= 11
)1(10
11 )(
21
まとめ
(個体)成長とは個体の体長・体重が時間(年齢)とともに増加することで、再生産の要である
年齢査定は、様々な方法で行われるが、特に年齢形質を調べることが正確で必要
年齢と体長・体重の関係を表した関数を成長曲線という
フォンベルタランフィの成長曲線が広く用いられる
)1( )( 0ttKt ell −−
∞ −=
22
単語帳
age determination circuli growth curve von Bertalanffy