林先生の ことわざ 名言ENGLISH城南 S 『未来の教室』...

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Profile 林 功 (はやし いさお) 留学試験(TOEFL ® ・I E L T S)対 策 専 門 校 LINGO L.L.C.代表。TOEFL ® の出題内容お よび傾向の分析が専門で、文法解法理論「パ ワフルコード」を創 出 するなど、「T O E F L ® の 林 先 生」と呼 び 声も高 い。『全 問 正 解 す るTOEFL ® I T P T E S T 文 法 問 題 対 策』な ど著書多数。 城南予備校の学習メソッド “5CodesEnglish”の監修も行っている。 ことわざ 名言 ENGLISH 林先生の 私の学校ではTOEFL ® とIELTS ® という英語の2大留学試験対策を実施していますが、こ のところ帰国子女入試・AO入試の合格報告が次々に到着しています。今回のことわざ は、生徒さんからの朗報を読み、喜びの声を聞いているうちに思い出しました。 Every time mothers say to their older teenage children, “Why don’t you start studying now?” it gets on their children’s nerves. Those words rather discourage their children from studying. The mothers still don’t realize they have really stepped in it. TOEFL ® 106点で慶應義塾大学に合格したある生徒さん曰く、中学受験の時と違って、 今回の入試では、親から「そろそろ勉強しなさい」と一度も言われなかったとのこと。 そうです。ここで大切なのは、「そろそろ勉強したら」の一言が、受験生のやる気を見事なまでにそぐということ。 今では大人の方も、多かれ少なかれ、この言葉にムッとしてやる気をなくした経験をお持ちでしょう。「そろそろ勉強 しなきゃ」とまさに思い始めている若者にとって、「そろそろ勉強したら」はtabooなのです。 ちなみに、「spur」とは「駆り立てる、せかせる」という意味。 馬に推進を合図する乗馬靴の金具に由来しています。 LINGO L.L.C. Isao Hayashi 「 そろそろ勉強始めたら」と母親が言うたびに、 年かさの子どもたちはイラっとします。 彼女たちの 言葉が子どもたちの勉強へのやる気をそいでしまうのです。 母親はそれでも、 自分が取り返しの つかないことをしたことに気づいていません。 Never spur a willing horse. 働く気になっている馬に拍車をかけるな

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Page 1: 林先生の ことわざ 名言ENGLISH城南 S 『未来の教室』 実証事業が始まっています 様々な事情により学校に登校でき 日数が年間全国的に増加傾向にあります。出席授業を受けることができない生徒は、ていない生徒、または一般クラスで

城南TOPICS 『未来の教室』

実証事業が始まっています

 様々な事情により学校に登校でき

ていない生徒、または一般クラスで

授業を受けることができない生徒は、

全国的に増加傾向にあります。出席

日数が年間30日未満の不登校傾向に

ある中学生は、全国で約33万人。中

学校に行きたくない理由について、

「授業がよくわからない」「良い成績

がとれない」「テストを受けたくな

い」など、学習面での理由が多く挙

がっています。

 当事業では、あらゆる事情により

学力のサポートが必要とされる生徒

一部の生徒には明らかな変化が見ら

れるようになってきました。

 「大好きな数学が今できるという

ことはとても幸せです。これからも

どんどん頑張ります。やる気を精一

杯出します。実は、勉強好きなんで

す。デキタスに出会ってから私の人

生は変わりました」とまで言ってく

れる生徒もいます。2020年1月

からはPBL※もスタート。生徒た

ちのさらなる成長が楽しみです。

に対して、「個別学習計画」を作成

し、その計画に沿ってICT教材

「デキタス」を活用。生徒の状況や

学習データに応じて臨機応変に計画

を修正することで、生徒の学習意欲

を高め、「教室」以外の場でも本来

の学習範囲の補填が可能となる「学

校外教育サービス(オルタナティブ

教育)」を実証していきます。

 事業開始から3ヶ月経ち、「デキ

タス」で勉強するために登校するよ

うになった生徒や、学習を通じて将

来の夢を語るようになった生徒など、

タブレット通信教材を使用!

「デキタス」とは城南進研グループの講師陣が監修したタブレット通信教材。学校の教科書に対応した2~5分のコンパクトな授業動画と、ポップでキュートなキャラクター演出により、勉強が嫌いな子どもでも楽しく学習習慣が身につきます。

経済産業省が主導する「未来の教室」プロジェクトをご存じでしょうか。教育改革に向け、時代の変化に合わせた新しい教育の構築が必要という趣旨のもと、官民一体となってさまざまな実証事業を行うものです。このプロジェクトにおいて、株式会社城南進学研究社は横浜市立鴨居中学校と協力・連携し、ICT 教材「デキタス」を使用した授業を開始。今回は、その試みをご紹介します。

Profile 林 功(はやし いさお)留学試験(TOEFL®・IELTS)対策専門校LINGO L.L.C.代表。TOEFL®の出題内容および傾向の分析が専門で、文法解法理論「パワフルコード」を創出するなど、「TOEFL®

の林先生」と呼び声も高い。『全問正解するTOEFL® I TP TEST文法問題対策』など著書多数。 城南予備校の学習メソッド

“5CodesEnglish”の監修も行っている。

ことわざ&名言ENGLISH林先生の

観察が運動技能の習得を早める!

私の学校ではTOEFL®とIELTS®という英語の2大留学試験対策を実施していますが、このところ帰国子女入試・AO入試の合格報告が次々に到着しています。今回のことわざは、生徒さんからの朗報を読み、喜びの声を聞いているうちに思い出しました。

競先生の

知って得する

第5回見る・観察する・運動する

Every time mothers say to their older teenage children, “Why don’t you start studying now?” it gets on their children’s nerves. Those words rather discourage their children from studying. The mothers still don’t realize they have really stepped in it.

 人間は視覚的な動物です。五感(視覚・

聴覚・味覚・嗅覚・触覚)の一種である視

覚は、五感の中で一番発達していて、情報

の約8割は視覚で処理をしています。

 さてみなさん、すべての運動は前頭前野

から始まっています。動作を“観察”する

ことで、前頭前野と運動前野がよく働き、

さまざまな運動技能の獲得につながるので

す。運動前野は前頭前野の隣に位置し、視

覚情報などをもとにして適切な運動指令を

出します。運動を観察し、実行することは、

脳の運動関連領域を共有して行われている

のです。子どもにスポーツや運動などをさ

せる前には、よく観察することで、習得が

早くなると言えるでしょう。

 幼児の歩行に関して、最近ジョギング大

国・ニュージーランドで面白い研究が行わ

れました。43歳時点の最大歩行速度が遅い

ほど、脳の容量が小さく、脳の発達が遅れ

ていることが明らかになったのです。また、

3歳時点での前頭前野の発達の低下が、43

歳時点での歩行速度の低下と関連している

ことも確認されました。

 要するに、43歳時点での歩行速度は、幼

少期からの脳の発達を反映しているのです。

これは、歩行速度は脳の発達に関連してい

る証明に他なりません。歩けるようになっ

た子どもには、できるだけ速いスピードで

歩かせるようにしましょう。走る習慣をつ

けると、よりよいですね。

 走ることで前頭前野が刺激され、頭がよ

くなることは、脳科学的にも証明されてい

る事実です。歩行速度が遅い自覚があるお

父さまお母さま、ぜひジョギングを始めて、

その姿を子どもに見せてください。自身の

脳も鍛えられて、一石二鳥ですよ。

 TOEFL®106点で慶應義塾大学に合格したある生徒さん曰く、中学受験の時と違って、今回の入試では、親から「そろそろ勉強しなさい」と一度も言われなかったとのこと。  そうです。ここで大切なのは、「そろそろ勉強したら」の一言が、受験生のやる気を見事なまでにそぐということ。今では大人の方も、多かれ少なかれ、この言葉にムッとしてやる気をなくした経験をお持ちでしょう。「そろそろ勉強しなきゃ」とまさに思い始めている若者にとって、「そろそろ勉強したら」はtabooなのです。  ちなみに、「spur」とは「駆り立てる、せかせる」という意味。馬に推進を合図する乗馬靴の金具に由来しています。

LINGO L.L.C. Isao Hayashi

「そろそろ勉強始めたら」と母親が言うたびに、年かさの子どもたちはイラっとします。彼女たちの言葉が子どもたちの勉強へのやる気をそいでしまうのです。母親はそれでも、自分が取り返しのつかないことをしたことに気づいていません。

Profile くぼたのうけん顧問 久

く ぼ た

保田 競きそう

1932年大阪生まれ。京都大学名誉教授、医学博士、脳科学者。東京大学医学部・同大大学院卒業。京都大教授、同研究所所長を歴任。2011年春、瑞宝中綬章を受賞。40年以上前から赤ちゃん育脳の意義を唱え続け、妻カヨ子氏とともに久保田式育児法を考案。「脳の発達に応じた教育」をいち早く提案している。

コリンについて書かれた、日本で最初のレシピ本です!

期間 2019年10月~2020年2月場所 横浜市立鴨居中学校

使用ICT教材 教科書対応ICT教材「デキタス」

公式ホームページ

生徒一人ひとりに合わせた「個別学習計画」を立案。ICT教材「デキタス」による主要5教科の個別最適学習と、生徒の興味度合いに応じたその他教科の遠隔映像授業を実施。さらに問題解決型学習(PBL(ProblemBased

Learning))※に必要に応じて取り組み、課題テーマの調査研究を学習支援員がサポート。

実証内容

不登校または一般クラスにて授業を受けられていない生徒、学習に著しく遅れが生じてしまっている生徒(約15名)対象

教育改革に向けて、経済産業省が「未来の教室」の姿として、(1) 「学びのSTEAM化」(2) 「学びの自立化・個別最適化」(3) 「新しい学習基盤づくり」を3つの柱に、9つの課題とアクションを提言。2018年度事業の成果・学びも踏まえ、2019年度はより具現化する実証事業を行っています。最終的には2020年代を通じ、

「未来の教室」が全国へ普及していくことを目指します。

https://www.learning-innovation.go.jp/

Never spur a willing horse. 働く気になっている馬に拍車をかけるな

鴨居中学校の校長、職員、学校のICT環境のソリューションを幅広く提供している株式会社 JMCの学習支援員、当社の社員による綿密な打ち合わせが行われます。

「デキタス」を用いた授業を実施する「和」ルームには、学習支援員が常駐。原則月1回、当社の社員が生徒と面談を行い、個別学習計画を見直していきます。

教育ソリューション事業部

部長 水み ず の

野 雅ま さ や す

恭 開始以来、確実な手ごたえを感じています。1人でも多くの生徒が「デキタス」を通じて学習の楽しさに触れられるよう、当実証事業を全国に広めたいですね。

※生徒・学生中心の教育手法で、明確な答えのない問題を解決する経験を通し、科目について学ぶもの。生徒・学生は問題を解決するために知識の獲得が必要であることに自ら気づき、学ぶ意欲を駆り立てられるようになる。

事業概要

経済産業省「未来の教室」とは

『脳を育てる! 子どものための ブレインフード&レシピ71』 監修/久保田競 城南進学研究社1350円(税別)

重版決定!

大好評発売中

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