スキルマップでチームの能力を見える化しよう

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スキルマップでチームの 能力を見える化しよう 58 名古屋アジャイル勉強会 2013/11/29( ) You&I
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第58回 名古屋アジャイル勉強会のワークショップ資料。 http://blogs.yahoo.co.jp/nagoya_agile_study_group/37992507.html

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スキルマップでチームの能力を見える化しよう

第58回名古屋アジャイル勉強会

2013/11/29(金) You&I

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名古屋アジャイル勉強会とは

発足 主催者の山本さんが、XPUG関西の方々の協力の元に

2007年12月に第1回の勉強会を開催。第3回勉強会以降は毎月末開催を継続しています。

活動内容 本会

各回毎に独立したテーマを決めて、ワークショップを通じてテーマについての理解を深める。

分科会 読書会や開発ツールの使い方などの、本会とは異なるやり方で学ぶ事で、アジャイル開発についての理解を深める。

詳しくは・・・Webで! https://sites.google.com/site/nagoyaagile/

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ジコ、ショウカイ。

H/N: You&I(読み:ユーアンドアイ)

SNS: @you_and_i

出身: 生まれも育ちも名古屋市

年齢: 30代中盤

本職: 商学部出身の職業プログラマ

言語: C++, C#, VB6.0, 日本語COBOL

所属: プログラミング生放送名古屋支部

名古屋アジャイル勉強会

わんくま同盟名古屋勉強会 3

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ATTENTION

本資料は公開致します。http://www.slideshare.net/youandi060219/youandi-skillmap

資料の内容について全ての

メモを取る必要はありません。

セッション内容に集中して

頂ければ幸いです。4

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本ワークショップへのご意見・ご感想

KPT(けぷと)方式を利用します。

イベントについての感想をKeep/Problem/Tryの3項目に分けてご意見下さい。

Keep :良かった、楽しかった、継続したい

Problem :いまいちだった、わからない、要改善

Try :自身のチャレンジ、改善案、ご要望

付箋紙1枚につき1意見を記入して下さい。そして付箋紙の左上にKPTのどれに該当する意見なのか明記して下さい。

K楽しかった!

P会場寒かった

T職場で試す

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Page 6: スキルマップでチームの能力を見える化しよう

AGENDA

1. スキルマップ基礎編

2. ワークショップ(その1)

3. スキルマップ応用編

4. ワークショップ(その2)

5. まとめ

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1.スキルマップ基礎編

スキルマップでチームの能力を見える化しよう

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1.スキルマップ基礎編(1/12)

まずは皆さんも何で?と気になっている部分であろう、なぜアジャイル開発の勉強会でスキルマップを学ぶのか?について説明したいと思います。

一番の理由としては、アジャイル開発のその歴史に有ります。簡単にアジャイル開発の歴史について紹介してからスキルマップの話題に入りたいと思います。

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1.スキルマップ基礎編(2/12)

1960年:トヨタ生産方式体系化

1986年:Scrum命名元論文発表

1988年:Triumph of the Lean Production System

記事発表

1992年:ザ・ゴール出版

1993年:Scrum体系化

1996年:eXtremeProgramming体系化

1996年:RationalUnifiedProcess誕生

2001年:アジャイルマニフェスト制定

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1.スキルマップ基礎編(3/12)

1960年頃にトヨタ生産方式が体系化

アジャイル開発の源流はトヨタ生産方式にあります。

トヨタ生産方式は、戦後の日本が米国の大量生産品に対抗する為に、米国フォード社が生み出したフォード・システム(流れ作業による大量生産方式)と、PDCAサイクルの考えを日本に広めたエドワーズ・デミング博士の理念などから多品種少量生産を仕組みを実現する為に生み出されました。

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1.スキルマップ基礎編(4/12)

1960年頃にトヨタ生産方式が体系化

トヨタ生産方式の概念 http://www.toyota.co.jp/jpn/company/vision/production_system/index.html

1. 自働化 (にんべんの付いた自動化)

2. Just-In-Time

この2つの概念を実現する為に絶え間ない改善を行い、その手段としてかんばん方式などが生み出されてきました。

詳細は大野耐一著「トヨタ生産方式」を読んでみて下さい。

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1.スキルマップ基礎編(5/12)

1986年のScrum命名元論文発表

スクラムは、1986年に野中&竹内両名により発表された論文にて、日本の製造業における新製品開発の流れをラグビーのスクラムに例えられた事にその名前は由来する。

The New New Product Development Game

詳細は平鍋さんと野中先生による著書「アジャイル開発とスクラム」を読んでみて下さい。

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1.スキルマップ基礎編(6/12)

1988年のTriumph of the Lean Production

Systemの記事発表

アジャイル開発の源流はトヨタ生産方式であると説明しましたが、リーン生産方式はMITの研究者がトヨタ生産方式を研究して、再体系化したものである。その最初がこの記事。

トヨタ生産方式→リーン生産方式→リーンソフトウェア開発→アジャイル開発

このようにトヨタ生産方式の概念は、その理念や原則を元に様々な分野に応用されている。

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1.スキルマップ基礎編(7/12)

1993年のScrum体系化

1986年の野中&竹内両名により発表された論文文を受けて、1993年に Ken Schwaber博士とJeff Sutherland博士によってScrumは体系化されました。

Scrum Allianceでは認定スクラムマスター講習などを行っている。

http://scrumalliance.org/

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1.スキルマップ基礎編(8/12)

アジャイル開発においては、開発チームの多能工化を目指していく事が推奨されています。

多能工化とは、元々は製造業において行われている取り組みで、多品種少量生産や生産性向上を実現する為に、ある作業者が複数の異なる作業や工程を行う技術を持つように訓練していくやり方です。

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1.スキルマップ基礎編(9/12)

多能工化を進める上で使われているのが、スキルマップです。スキルマップは、多能工訓練計画表や星取表とも呼ばれ、作業者の能力を表す一覧表となっています。

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作業項目 資料等 作業内容 チェックポイント 評価

金型仕上げ 手順書 基本 修正部位を見て、手仕上げか加工かを判断出来る

平面仕上げ 修正部位により、仕上げ工具が判断出来る

… …

… … … …

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1.スキルマップ基礎編(10/12)

スキルマップは以下の情報を表します

横軸:作業工程や技能項目

縦軸:作業者

※軸を逆にする場合もあります

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作業項目 資料等 作業内容 チェックポイント 評価

金型仕上げ 手順書 基本 修正部位を見て、手仕上げか加工かを判断出来る

平面仕上げ 修正部位により、仕上げ工具が判断出来る

… …

… … … …

Aさんの自己評価

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1.スキルマップ基礎編(11/12)

作業項目の評価

評価は5段階で行います。

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①作業内容を全く知らない ②1人で作業をこなせる ③1人で予定通り作業出来る

④1人で異常対応出来る ⑤他人の指導が出来る

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1.スキルマップ基礎編(12/12)

以上簡単に説明しましたが、これがスキルマップです。

日本の経済を支えると言われるもの作りの現場において、機械化のできない人に依存する部分は暗黙知な部分が多く、これを形式知として作業項目化する事で、短期間での作業者の育成に繋げています。

まずはスキルマップがどんなものか、ワークショップで体験して頂きましょう。

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2.ワークショップ(その1)

スキルマップでチームの能力を見える化しよう

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2.ワークショップ(その1)(1/2)

まずはこちらで用意した簡単なサンプルの乗り物スキルマップについて、各自で自己評価してみて下さい。

一輪車

自転車

自動車

大型自動車

けん引型大型自動車

21時間:3分間

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2.ワークショップ(その1)(2/2)

ワークショップ(その2)でのグループワークに向けて、各テーブルで今評価して頂いたスキルマップを使って自己紹介して下さい。

1人2分以内でお願いします

自己紹介内容は以下2項目とします

1. お名前

2. スキルマップ結果

22時間:10分間

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3.スキルマップ応用編

スキルマップでチームの能力を見える化しよう

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3.スキルマップ応用編(1/8)

ここまでは製造現場でのスキルマップについて紹介してきました。ここからはソフトウェア開発の現場でこのスキルマップがどのように活用できるのか考えてみたいと思います。

アジャイル開発手法の中で現在良く使われているのはScrumでしょう。

今回は、アジャイル開発手法そのものであったりScrumについて、事細かく説明は行いませんが・・・

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3.スキルマップ応用編(2/8)

Scrumとは、経験的プロセス制御の理論を基本としています。これは実際にScrumによる開発を行い、その実際の物事の判断によって知識が獲得できるというものです。

そしてそのScrumの経験的プロセス制御を支えているのが以下の三本柱です。

1. 透明性:見える化。見ている人の共通理解。

2. 検査 :成果物や進捗を検査して変化を検知

3. 適応 :プロセス(やり方)の見直し

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3.スキルマップ応用編(3/8)

スキルマップにScrumの三本柱を当てはめてみると・・・1. 透明性

作業項目・機能として何を挙げるか 技術の達成判断(Doneの定義)をどう定義するか 現状評価だけでなく、身につけようとする目標も示す

2. 検査 どのタイミングでスキルマップを作成・更新するか 自己評価だけではなく、他者による評価

3. 適応 作業項目・機能の見直し 技術の達成判断の見直し

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3.スキルマップ応用編(4/8)

どのタイミングでスキルマップを作成・更新するか?

インセプションデッキを作成・更新したタイミングなど、どのような機能が必要になってくるか明確になった時点で作成する事が出来るでしょう。

作業項目・機能として何を挙げるか?

ソフトウェア開発の場合なら、開発言語やRDBMS、会計知識といったビジネスロジックに関わる技術などが挙げられるでしょう。

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3.スキルマップ応用編(5/8)

技術の達成判断(Doneの定義)をどう定義するか? 評価方法の標準化

「○++出来ます! 」(○にはお好きなアルファベット)なんて採用面接の場では言って大丈夫でも、Twitter上で言って大丈夫な位の習得度ですか?

CodeIQ(ITエンジニアのための実務スキル評価サービス)

– https://codeiq.jp/

– IT技術と言えども何でもかんでも評価できる訳ではない。

自己評価だけではなく、他者による評価 製造業ではトレーナーが評価しますが、Scrumの場合は開発チーム全員で評価する?

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3.スキルマップ応用編(6/8)

現状評価だけでなく、身につけようとする目標も示す

スキルマップには2つの側面があります。

1. 現状を見える化

2. 目標を見える化

目標をいつまでに達成するのか日付を入れる。

目標の達成度は人事考課の指標として使う事も出来ます。

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Page 30: スキルマップでチームの能力を見える化しよう

3.スキルマップ応用編(7/8)

ここまで説明してきた応用形のスキルマップを表にすると以下のようになります。Scrum

と絡めて説明しましたが、この応用形が製造現場で使われているスキルマップです。

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作業項目 資料等 作業内容 チェックポイントAさん

自己評価 他者評価 自己目標

○++開発 ○++11

規格書変数定義 変数を定義する事が出来

クラス定義 新規にクラスを作成出来る

… …

… … … …

‘13/10末

‘13/11末

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3.スキルマップ応用編(8/8)

ここまでで説明してきた通り、製造現場で使われているスキルマップはかなり奥が深いです。

今回スキルマップをテーマとして取り上げた理由がここにあります。製造現場以外の業界、特にソフトウェア開発業界などで、個人の能力評価や人材育成についてここまで管理していますでしょうか?

またワークショップで体験して頂きましょう。

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4.ワークショップ(その2)

スキルマップでチームの能力を見える化しよう

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4.ワークショップ(その2)(1/3)

年末が近づくとあのイベントがありますね。今回は作業項目を考えるワークとして、ホールケーキ作りで考えてみたいと思います。

ホールケーキを作成するにあたり必要になる作業項目及びその熟練度を5段階で考えてみて下さい。

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熟練度① 熟練度② 熟練度③

熟練度④ 熟練度⑤

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4.ワークショップ(その2)(2/3)

今回は時間が限られているので作業項目はある程度挙げておきます。5段階の熟練度について各テーブルで考えてみて下さい。

ホールケーキ作りの作業項目1. スポンジ生地作り

2. シロップ作り

3. ホイップクリーム作り

4. 盛り付け

各テーブルのA3用紙・付箋紙はご自由にお使い下さい。

34時間:10分間

Page 35: スキルマップでチームの能力を見える化しよう

4.ワークショップ(その2)(3/3)

お疲れ様でした。

ホールケーキ作りでも熟練度を設定するのは結構頭をひねる必要があったのではないでしょうか?

これが実際のプロジェクトになると、もっと範囲が広くなり大変になりそうですね。だからこそチーム全員でこの熟練度を定義する意義があるかと思います。

是非チャレンジしてみて下さい。

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5.まとめ

スキルマップでチームの能力を見える化しよう

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5.まとめ(1/2)

スキルマップとは以下の要素が含まれている事を学びました。

プロジェクトの作業工程管理

能力評価の標準化

個人の能力の現状評価

個人の能力の他者評価

個人の能力向上の目標

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5.まとめ(2/2)

開発チームや組織において、人材育成はとても大事な事です。個々人の能力が見える化される事でチームビルディングやコミュニケーションにも役立ちます。

是非このスキルマップを役立ててみて下さい。

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本ワークショップへのご意見・ご感想

KPT(けぷと)方式を利用します。

イベントについての感想をKeep/Problem/Tryの3項目に分けてご意見下さい。

Keep :良かった、楽しかった、継続したい

Problem :いまいちだった、わからない、要改善

Try :自身のチャレンジ、改善案、ご要望

付箋紙1枚につき1意見を記入して下さい。そして付箋紙の左上にKPTのどれに該当する意見なのか明記して下さい。

K楽しかった!

P時間足りなかった

Tまた参加した

い39