2 7 6 No...会議は一般社団法人徳 洲会(社徳)東京本部と...

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12 24 19 13 西70 NPO法人ホスピスのこころ研究所 NPO法人ホス ピスのこころ研 究所は7月3日、 『柏木哲夫とホ スピスのここ ろ』と『シシリー・ ソンダースとホ スピスのここ ろ』の2冊の書籍 を上梓した。同 法人は、ホスピス緩和ケアの原点である「ホスピス のこころ」を深め、広めることを目的に、2018年6月 に札幌南徳洲会病院の前野宏総長が設立。 前野総長が理事長、同院が事務局を務め ている。 両書籍は、昨年から今年1月にかけて同法 人が開催したシリーズ講演会(全6回)をまと めたもの。講師に、淀川キリスト教病院の 柏木哲夫・名誉ホスピス長と愛知県がんセ ンター病院の小森康永・精神腫瘍科部長を 招き、それぞれ3回ずつ行った講演内容を収 めている。 前野総長は「柏木先生は日本のホスピス 緩和ケアの生みの親であり育ての親、小森 先生は“近代ホスピスの母”と言われるソンダ ース女史研究の第一人者です。高い実績を 誇る先生方のおかげで、とても充実した講 演会を開くことができました」と回顧。書籍 化できたことを喜ぶとともに、「“ホスピスの こころ” は医療の原点でもあります。一般の 方はもちろん、医療・介護に携わるすべて の方に、ぜひ一読していただきたいと思い ます」。 シリーズ講演会を書籍化 宇治徳洲会病院(京都府) 心臓センターの看護師に “ナイチンゲール大賞” が贈 られた。齊藤文代・看護部 長をはじめ、同センター看 護師に対する感謝の言葉を 綴った手紙で、贈り主は60 代の男性患者さん。人生初 の手術を受けるために同セ ンターに計42日間入院し、退院後、術後のフォローで訪 れた初回の外来受診時に受付スタッフに手渡された。 手紙は「入院患者だった私が選んだ心臓センターのナイ チンゲール大賞」と題し、看護部の理念に基づいて看護師 を独自にランキング。理由とともに上位3人の氏名が明記 されている。 大賞に選ばれたのは栃木和沙看護師。つねに笑顔でハ キハキと対応する姿に知識・教養が感じられ、患者さん との距離感の取り方がうまい点などが理由に挙げられてい た。2位は広瀬夏看護師、3位は大熊優香看護師が選ばれ、 同じく人柄や説明を含む対応などがたたえられていた。 3人以外の看護師についても個人名を挙げ、それぞれ の良い点などを記載。文書の最後には、前職で人事部に 所属し社員教育を担当していたことを明かし、「その時のス キルが出てしまいました。どうぞお許しください。皆さま の今後のご活躍を祈念しています」と締め括られている。 同文書に加え、一人ひとりの看護師に向けた手紙や絵葉 書も同封されていた。 齊藤部長は「あらためて、患者さんは看護師の一挙手一 投足を見ていると感じました」と吐露。「当院で一番忙しい 病棟で、お褒めの言葉をいただいたことは本当に嬉しい。 良い意味でランキン グしてくださり看護師 の励みにもなります」 と笑顔を見せていた。 患者さんからナイチンゲール大賞 宇治病院心臓センター看護師 心のこもったお礼の手紙届く 介護部会 70 札幌東 病 院 6 24 武蔵野 病 院 サテライトオフィスで「なんでも相談室」を オープン Zoomを用いたオンライン説明会 各拠点とオンラインで協議する福島・副理事長(右) や奈良原部会長(左から2人目) 『柏木哲夫とホスピスのこころ』、『シシリー・ ソンダースとホスピスのこころ』。いずれも 春陽堂書店 刊/定価2,200円(税込み) 手紙を手に笑顔の(前列左から)齊藤 部長、栃木看護師、 (後列左から)北川き よみ副看護部長、小林紀子・看護師長 手紙には感謝の言葉が連綿と綴られている 命だけは平等だ 令和 2 7 6 日 月曜日│No. 1243

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Page 1: 2 7 6 No...会議は一般社団法人徳 洲会(社徳)東京本部と 12拠点をWEBシステム 良原啓司・事務部長代理福島安義・副理事長、奈でつないで開催。社徳の

会議は一般社団法人徳

洲会(社徳)東京本部と

12拠点をWEBシステム

でつないで開催。社徳の

福島安義・副理事長、奈

良原啓司・事務部長代理

(介護部会長)、医療安全・

質管理部職員をはじめ、

各現場に勤務し介護部会

ブロック長・ブロック代

表者を務める24人が出席。

福島・副理事長は徳洲会

グループ介護部門と感染

管理部会の担当理事。

会議で最も時間を割い

たのが各ブロックからの

報告。主に①感染対策を

実施しているなかでの問

題点、②入所・通所の受

け入れの現状と対策、③

面会の実施方法と問題点、

④その他

―の4つの視

点で、それぞれブロック

長・担当者が順に新型コ

ロナウイルス対策につい

て現状を説明した。

このうち、①ではマス

クやゴーグル、手指消毒

用アルコールなど消耗品

の不足、外部の方との面

会・面談スペースの確保、

消耗品の確保にともなう

コスト増など、②では利

用者数や利用日の一部制

限、それにともなう経営

的な影響など、③ではオ

ンライン面会の実施や完

全予約制の導入、面会時

間の設定など、④ではレ

クリエーションのあり方

や食堂でのソーシャルデ

ィスタンス(社会的距離)

の確保、介護報酬上の対

―などが挙がり、な

かにはグループ共通のガ

イドライン作成を求める

意見も見られた。また、

複数のブロックから、職

員が感染し一時的にマン

パワーが減少することへ

の備えとして、施設間に

よる応援体制の整備・強

化を指摘する声もあった。

こうした声に対し、福

島・副理事長は本部から

の通知を参照しながらも、

地域事情が異なる観点か

ら施設の実情に応じて各

ブロックの基幹病院の感

染対策チームと連携し、

新型コロナウイルス対策

のマニュアル整備を進め

ること、応援体制につい

ては事前に協議すること

などを指示。今回を機に

さらに介護施設間、基幹

病院との緊密な関係づく

りを促した。面会につい

徳洲会グループ介護部会は6月19日、WEBブロック長会議を開いた。新型コロ

ナウイルスの流行下での各介護施設・事業所の状況確認をはじめ、今後の対応方

針を決定するための意見交換、感染予防のさらなる強化が目的。マスクやゴーグ

ルなど個人防護具(PPE)の不足を訴える意見が相次いで出されたり、受け入

れの体制づくり・面会方法などを協議したりした。

ては奈良原部会長が「当

面はすでに通知で発して

いる面会方法を継続」す

るよう求める場面も見ら

れた。

このほか、会議では奈

良原部会長が介護部会の

組織体制を紹介したり、

医療安全・質管理部の野

口幸洋・課長補佐が介護

施設での感染対策につい

て説明したりした。同部

会では、新型コロナウイ

ルス感染症の拡大防止か

ら、今後もWEBによる

会議形式を検討していく。

武蔵野徳洲会病院(東

京都)は6月、サテライ

トオフィスで「なんでも

相談室」を開始した。曜

日ごとにテーマを設け、

月曜は薬剤師と看護師が

「薬・健康」、水曜は管理

栄養士と医師または看護

師が「栄養・健康」、木

曜はMSW(医療相談員)

と訪問看護師が「医療と

介護」に関する相談にそ

れぞれ対応する。予約不

札幌東徳洲会病院は6

月13日、5年生と6年生

の医学生向けオンライン

説明会を実施した。今秋

に医師臨床研修マッチン

グを控える6年生をはじ

め、医学生たちが病院見

要、相談料は無料。

同相談室を設けるにあ

たり、同院では患者数が

伸びない地域をリサーチ。

病院周辺1㎞圏内からは

患者さんが来ているが、

西東京市内でも、高齢者

は多いが同院へのアクセ

スが悪い地域があること

がわかった。そのなかの

ひとつである柳沢地区に

サテライトオフィスを借

りて相談室をオープンし

学・実習を行う機会が、

コロナ禍で3月以降ない

ことに配慮し、臨床研修

プログラムを紹介したり、

医学生らの質問に答えた

りする説明会を行った。

道内だけでなく全国から

た。同院から直線で1㎞

ほどの場所だ。

新井秀樹事務長は「新

型コロナウイルス禍で開

始を延期していましたが、

緊急事態宣言の解除を受

け、地域の方々と触れ合

う活動を再開。院内で待

つだけでなく、こうした

申し込みがあり、約70人

が参加し盛況だった。W

EB会議システム「Zo

om」を活用した。

「今からオンライン説明

会を始めたいと思いま

す」。定刻の午後2時に

なると、同院研修委員長

の神野敦・救急センター

医師は大勢の医学生が映

るモニターに向かって呼

びかけた。説明会全体の

流れを説明後、民谷健太

郎・集中治療センター医

長にバトンタッチ。

民谷医長はマッチング

活動をきっかけに当院を

知っていただきたいです」

と意図を明かす。

8月以降は相談室前に

バス停を設け、同院から

の送迎も開始する計画。

また、開催時間も今はま

だ短めに設定しているが、

相談者が増えてくれば臨

機応変に対応していく考

えだ。新井事務長は「当

院は開院5周年を迎えま

した。地域に根差し、信

頼される病院になれるよ

うに、これからもチャレ

ンジをしていきたいです」

と意気込みを語る。

に向けての心構えや病院

見学などに関してアドバ

イス。続いて、神野医師

らが同院の初期研修の魅

力や特徴を紹介した。神

野医師は「当院は年間9

000台の救急搬送を受

け入れており、多くの症

例を経験できます」とア

ピール。続けて「幅広い

臨床力と科学的側面、主

体性を大切にしていま

す」と研修理念を説明し、

この日を境に病院見学の

受け入れを再開すること

を告知した。

NPO法人ホスピスのこころ研究所

NPO法人ホスピスのこころ研究所は7月3日、『柏木哲夫とホスピスのこころ』と『シシリー・ソンダースとホスピスのこころ』の2冊の書籍を上梓した。同法人は、ホスピス緩和ケアの原点である「ホスピスのこころ」を深め、広めることを目的に、2018年6月に札幌南徳洲会病院の前野宏総長が設立。前野総長が理事長、同院が事務局を務めている。両書籍は、昨年から今年1月にかけて同法

人が開催したシリーズ講演会(全6回)をまとめたもの。講師に、淀川キリスト教病院の柏木哲夫・名誉ホスピス長と愛知県がんセンター病院の小森康永・精神腫瘍科部長を招き、それぞれ3回ずつ行った講演内容を収めている。前野総長は「柏木先生は日本のホスピス

緩和ケアの生みの親であり育ての親、小森先生は“近代ホスピスの母”と言われるソンダース女史研究の第一人者です。高い実績を誇る先生方のおかげで、とても充実した講演会を開くことができました」と回顧。書籍化できたことを喜ぶとともに、「“ホスピスのこころ”は医療の原点でもあります。一般の方はもちろん、医療・介護に携わるすべての方に、ぜひ一読していただきたいと思います」。

シリーズ講演会を書籍化

「医療・介護に携わる方へ」

宇治徳洲会病院(京都府)心臓センターの看護師に“ナイチンゲール大賞”が贈られた。齊藤文代・看護部長をはじめ、同センター看護師に対する感謝の言葉を綴った手紙で、贈り主は60代の男性患者さん。人生初の手術を受けるために同セ

ンターに計42日間入院し、退院後、術後のフォローで訪れた初回の外来受診時に受付スタッフに手渡された。手紙は「入院患者だった私が選んだ心臓センターのナイ

チンゲール大賞」と題し、看護部の理念に基づいて看護師を独自にランキング。理由とともに上位3人の氏名が明記されている。大賞に選ばれたのは栃木和沙看護師。つねに笑顔でハ

キハキと対応する姿に知識・教養が感じられ、患者さんとの距離感の取り方がうまい点などが理由に挙げられていた。2位は広瀬夏看護師、3位は大熊優香看護師が選ばれ、同じく人柄や説明を含む対応などがたたえられていた。3人以外の看護師についても個人名を挙げ、それぞれ

の良い点などを記載。文書の最後には、前職で人事部に所属し社員教育を担当していたことを明かし、「その時のスキルが出てしまいました。どうぞお許しください。皆さまの今後のご活躍を祈念しています」と締め括られている。同文書に加え、一人ひとりの看護師に向けた手紙や絵葉書も同封されていた。齊藤部長は「あらためて、患者さんは看護師の一挙手一

投足を見ていると感じました」と吐露。「当院で一番忙しい病棟で、お褒めの言葉をいただいたことは本当に嬉しい。良い意味でランキングしてくださり看護師の励みにもなります」と笑顔を見せていた。

患者さんからナイチンゲール大賞宇治病院心臓センター看護師

心のこもったお礼の手紙届く

徳 洲 会介護部会

新型コロナ対応で意見交換

WEBを活用し

ブロック長会議

オンライン説明会開く

医学生70人参加し盛況

札 幌 東病   院

この後、質疑応答の時

間を設け、最後に3ブー

スに分かれ6年生ひとり

ずつとの個別相談会を実

施。24人が参加した。

「遠方の大学からの参加

も多数あり、当院の研修

を知っていただく機会を

もつことができて良かっ

た」(神野医師)。松田知

倫・救急センター部長(研

修管理委員長)も「当院

と学生たちの双方にとっ

て大きな意義があったと

思います」と手応えを示

している。

なんでも相談室開設

集患対策に注力

武 蔵 野病   院

サテライト

オフィス

サテライトオフィスで「なんでも相談室」をオープン

Zoomを用いたオンライン説明会

各拠点とオンラインで協議する福島・副理事長(右)や奈良原部会長(左から2人目)

『柏木哲夫とホスピスのこころ』、『シシリー・ソンダースとホスピスのこころ』。いずれも春陽堂書店 刊/定価2,200円(税込み)

手紙を手に笑顔の(前列左から)齊藤部長、栃木看護師、(後列左から)北川きよみ副看護部長、小林紀子・看護師長

手紙には感謝の言葉が連綿と綴られている

前野・札幌

南病院総長

徳 洲 新 聞 生い の ち

命だけは平等だ❸ 令和 2 年 7 月6 日 月曜日 │ No.1243