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Vol.15 2017.01 高感度 in situ hybridization ViewRNA TM 最新アプリケーション 大阪府立大学 生命環境科学研究科獣医学専攻 獣医解剖学教室 准教授 中島 崇行 はじめに in situ hybridization (ISH) 法は組織切片内の mRNA 発現 部位を検索する組織化学的染色法として広く用いられてい る。しかしながら、操作が煩雑なこと、特殊なノウハウが 必要であることなどの理由から、ISH 法は誰でも簡単に行 える組織化学的手法とは言い難い。ViewRNA ISH キットは 多くの文献やマニュアル書などで紹介されている ISH 法と 比べると、操作が非常に簡便でかつ検出感度が高いため、 組織切片内の遺伝子発現部位を調べるのに優れたキットで ある。また、このキットで得られる結果の再現性は非常に 高い。本稿では、TGF-ϐ およびアクチビンに対する細胞内 シグナル伝達タンパク質である Smad3 遺伝子のラット海馬 での発現解析を例に、ViewRNA ISH キットの使用方法を紹 介する。 方法および材料 灌流固定 9 週 齢 の S.D. 系 雄 ラ ッ ト( 体 重 290-300 g) を ペ ントバルビタールナトリウムの過剰投与による安楽死 後、 左 心 室 か ら 生 理 食 塩 水 を 灌 流 し、 引 き 続 き、4% paraformaldehyde-0.1 M phosphate buffer (PB) (pH 7.4) に よる灌流固定を行った。ラット 1 匹当たり、200 mL の固 定液を灌流した。灌流固定終了後、脳を取り出し、Brain Matrices (BrainScience-Idea) を用いて、2 mm 厚に脳を薄 切し、薄切した脳を4% paraformaldehyde-0.1 M PB (pH 7.4) にて 4℃で一晩固定した。 パラフィン切片作製 固定後、0.1 M PB (pH 7.4) による洗浄を行い、アルコー ル脱水系による脳の脱水処理を行った。アルコールによる 脱水処理後、定法に従い薄切した脳をパラフィンに包埋し、 4.5 µm のパラフィン切片を作製した。作製したパラフィン 切片は使用するまで -30℃のフリーザー中で保存した。 ViewRNA による ISH デザイン済みの Type 1 rat Smad3 probe set および Type 6 rat ϐIII-tubulin probe set を用いて、ラット脳のパラフィ ン切片上で Smad mRNA および ϐIII-tubulin mRNA を検出し た。ISH はキット付属の操作手順の内容を若干変更して行っ た (* 印参照 )。今回、 Smad3 mRNA については Fast Red で、 ϐIII-tubulin mRNA については Fast Blue でシグナルを検出 した。切片のインキュベーションには、Major Science 社 の Dry bath incubator を使用した。染色の際には Dry bath incubator のアルミブロック部をプレート用のアルミブロッ クに置き換え、その上に切片を置くことで各溶液のインキュ ベーションを行った。切片のインキュベーションの際には、 切片が乾燥しないように、アルミブロック部位を透明なプ ラスチックの箱で覆い、箱の内部の湿度を十分に保つよう に注意した。具体的な ISH の手順は以下に示した。 1.Pretreatment 溶液および Protease 溶液による前処置 1. パラフィン切片を 80℃で 3 分間インキュベーショ ンし、その後キシレンで 5 分間インキュベーショ ンし、脱パラフィンを行った (*1) 2. 5%エタノールにて 5 分間インキュベーションした 後、切片を乾燥させ、切片の周囲をパップペンで囲 んだ。 3. Milli-Q 水で 100 倍に希釈した Pretreatment 溶液に より煮沸処理を 10 分間行い、その後、同溶液に切 片を浸漬したまま10分間、室温でインキュベーショ ンし、引き続き、蒸留水で洗浄した。 4. 洗浄後、切片を Protease 溶液で覆い、40℃で 5 ~ 8 分間インキュベーションした。Protease 溶液は 0.01 M リン酸ナトリウム緩衝液(PBS)(pH 7.4) で 200 倍 (*2) に希釈して使用した。 5. 0.01 M PBS(pH 7.4)で 2 回洗浄した後、10%パ ラホルムアルデヒド -0.01 M PBS(pH 7.4) (*3) で5 分間再度固定した。 6. 0.01 M PBS(pH 7.4)で 2 回洗浄した。 ViewRNA を用いたラット脳サンプルの染色

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Vol.152017.01高感度 in situ hybridization 法

ViewRNATM 最新アプリケーション

大阪府立大学 生命環境科学研究科獣医学専攻 獣医解剖学教室 准教授中島 崇行

はじめに in situ hybridization (ISH) 法は組織切片内の mRNA 発現部位を検索する組織化学的染色法として広く用いられている。しかしながら、操作が煩雑なこと、特殊なノウハウが必要であることなどの理由から、ISH 法は誰でも簡単に行える組織化学的手法とは言い難い。ViewRNA ISH キットは多くの文献やマニュアル書などで紹介されている ISH 法と比べると、操作が非常に簡便でかつ検出感度が高いため、組織切片内の遺伝子発現部位を調べるのに優れたキットである。また、このキットで得られる結果の再現性は非常に高い。本稿では、TGF-ϐ およびアクチビンに対する細胞内シグナル伝達タンパク質である Smad3 遺伝子のラット海馬での発現解析を例に、ViewRNA ISH キットの使用方法を紹介する。

方法および材料灌流固定 9 週 齢 の S.D. 系 雄 ラ ッ ト( 体 重 290-300 g) を ペントバルビタールナトリウムの過剰投与による安楽死後、 左 心 室 か ら 生 理 食 塩 水 を 灌 流 し、 引 き 続 き、4% paraformaldehyde-0.1 M phosphate buffer (PB) (pH 7.4) による灌流固定を行った。ラット 1 匹当たり、200 mL の固定液を灌流した。灌流固定終了後、脳を取り出し、Brain Matrices (BrainScience-Idea) を用いて、2 mm 厚に脳を薄切し、薄切した脳を4% paraformaldehyde-0.1 M PB (pH 7.4)にて 4℃で一晩固定した。

パラフィン切片作製 固定後、0.1 M PB (pH 7.4) による洗浄を行い、アルコール脱水系による脳の脱水処理を行った。アルコールによる脱水処理後、定法に従い薄切した脳をパラフィンに包埋し、4.5 µm のパラフィン切片を作製した。作製したパラフィン切片は使用するまで -30℃のフリーザー中で保存した。

ViewRNA による ISH デザイン済みの Type 1 rat Smad3 probe set および Type 6 rat ϐIII-tubulin probe set を用いて、ラット脳のパラフィン切片上で Smad mRNA および ϐIII-tubulin mRNA を検出した。ISH はキット付属の操作手順の内容を若干変更して行った (* 印参照 )。今回、Smad3 mRNA については Fast Red で、ϐIII-tubulin mRNA については Fast Blue でシグナルを検出した。切片のインキュベーションには、Major Science 社の Dry bath incubator を使用した。染色の際には Dry bath incubator のアルミブロック部をプレート用のアルミブロックに置き換え、その上に切片を置くことで各溶液のインキュベーションを行った。切片のインキュベーションの際には、切片が乾燥しないように、アルミブロック部位を透明なプラスチックの箱で覆い、箱の内部の湿度を十分に保つように注意した。具体的な ISH の手順は以下に示した。

1.Pretreatment 溶液および Protease 溶液による前処置1. パラフィン切片を 80℃で 3 分間インキュベーショ

ンし、その後キシレンで 5 分間インキュベーションし、脱パラフィンを行った (*1)。

2. 5%エタノールにて 5 分間インキュベーションした後、切片を乾燥させ、切片の周囲をパップペンで囲んだ。

3. Milli-Q 水で 100 倍に希釈した Pretreatment 溶液により煮沸処理を 10 分間行い、その後、同溶液に切片を浸漬したまま10分間、室温でインキュベーションし、引き続き、蒸留水で洗浄した。

4. 洗浄後、切片を Protease 溶液で覆い、40℃で 5 ~8 分間インキュベーションした。Protease 溶液は0.01 M リン酸ナトリウム緩衝液(PBS)(pH 7.4)で 200 倍 (*2) に希釈して使用した。

5. 0.01 M PBS(pH 7.4)で 2 回洗浄した後、10%パラホルムアルデヒド -0.01 M PBS(pH 7.4) (*3) で 5分間再度固定した。

6. 0.01 M PBS(pH 7.4)で 2 回洗浄した。

ViewRNA を用いたラット脳サンプルの染色

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2.ターゲットプローブのハイブリダイゼーション1. Probe Set Diluent QT、PreAmplifier Mix QT、

Amplifier Mix QT、Label Probe Diluent QF を 40℃に温めた。

2. キット付属の説明書に記載されているように View RNA Type 1 Probe Set お よ び View RNA Type 6 Probe Set を 最 終 的 に Probe Set Diluent QT で 40倍に希釈してターゲットプローブ溶液を作製した。

3. ターゲットプローブ溶液で切片を覆い、40℃で 2時間インキュベーションし、その後、Wash Bufferで 3 回洗浄した。

3.PreAmp のハイブリダイゼーションPreAmplifier Mix QT で切片を覆い、40℃で 30 分間 (*4)

インキュベーションし、その後、Wash Buffer で 3 回洗浄した。

4.Amp のハイブリダイゼーションAmplifier Mix QT で切片を覆い、40℃で 20 分間 (*5) インキュベーションし、その後、Wash Buffer で 3 回洗浄した。

5.Label Probe 6-AP ハイブリダイゼーション1. Label Probe 6-AP を Label Probe Diluent QF で

1000 倍に希釈し、希釈した Label Probe 6-AP 溶液で切片を覆い、40℃で 20 分間 (*6) インキュベーションした。

2. Wash Buffer で 3 回洗浄した。

6.Fast Blue Substrate インキュベーション1. キット付属の説明書に従って Fast Blue Substrate 溶

液を作製し、Fast Blue Substrate 溶液で切片全体を覆い、30 ~ 40 分間 (*7)、室温、暗所でインキュベーションした。

2. 発色後、Wash Buffer で 2 回洗浄を行った。

7.Label Probe 6-AP の失活1. 100 ~ 200 µL の AP Stop Buffer で切片全体を覆い、

30 分間、室温、暗所でインキュベーションした。2. 1 分間、0.01 M PBS で 3 回洗浄した。3. Wash Buffer にスライドガラスを浸漬し、2 ~ 3 回

ラックを上下に動かして馴染ませた。

8.Label Probe 1-AP ハイブリダイゼーション1. Label Probe 1-AP を Label Probe Diluent QF で

1000 倍に希釈し、希釈した Label Probe 1-AP 溶液で切片を覆い、40℃で 20 分間 (*8) インキュベーションした。

2. Wash Buffer で 3 回洗浄した。

9.Fast Red Substrate インキュベーション1. 100 ~ 200 µL の AP Enhancer で切片全体を覆い、

2~5 分間、室温でインキュベーションした。2. キット付属の説明書に従って Fast Red Substrate 溶

液を作製し、AP Enhancer を切片から取り除いた後、Fast Red Substrate 溶液で切片全体を覆い、40℃で30 ~ 40 分間 (*9) インキュベーションした。

3. 発色後、0.01 M PBS で洗浄した。

10.封入蒸留水で洗浄後、Aquous Mounting(SIGMA)(*10) により封入した。

* ViewRNA 推奨プロトコールでの各条件は下記の通り :1. 脱パラフィン前に、パラフィン切片を 60℃で 1 時間イン

キュベーション2. 100 倍希釈で Protease 溶液を調製3. 10% 中性緩衝ホルマリン4. 25 分間5. 15 分間6. 15 分間7. 30 分間8. 15 分間9. 30 分間10. UltraMount Permanent Mounting Medium(DAKO)

免疫染色 4% paraformaldehyde-0.1 M phosphate buffer (PB) (pH 7.4) による灌流固定ならびに後固定をしたラット脳の凍結切片を作製し、免疫染色に使用した。一次抗体にはウサギ抗 Smad3 モノクローナル抗体(Epitomics, 1: 800)を使用し、avidin-biotin peroxidase complex 法によって発色を行った。

結果  図 1 に 海 馬 に お け る Smad3 mRNA お よ び ϐIII-

tubulin mRNA に対する ISH のシグナルを示した。赤色のシグナルが Smad3 mRNA の発現を表しており、青色のシグナルが ϐIII-tubulin mRNA の発現を表している。図 1 では、歯状回の顆粒細胞層において、赤いシグナルが明瞭に観察できた。CA1 領域の錐体細胞層でも Smad3 mRNA に対する赤いシグナルが観察された。しかしながら、CA1 領域は、ϐIII-tubulin mRNA に対

図1. 海馬および歯状回(DG)における Smad3 mRNA(赤色)と ϐIII-tubulin mRNA(青色)に対する ISH シグナル

CA1

CA3

DG500 µm

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する青いシグナルと Smad3 mRNA に対する赤いシグナルの両者を含むため、図1ではこの領域が赤紫色に見えた。図2では海馬の各領域の Smad3 mRNA および ϐIII-tubulin mRNA に対するシグナルを示した。CA1領域の錐体細胞層と歯状回の顆粒細胞層では Smad3

mRNA の発現を示す赤いシグナルが明瞭に観察できた。これに対して、CA3 領域の錐体細胞層および歯状回の多形細胞層では ϐIII-tubulin mRNA の発現を示す青いシグナルはよく認められたものの、Smad3 mRNA の発現を示す赤いシグナルはわずかに認められる程度であった。今回写真では示していないが、ネガティブコントロールとして、ターゲットプローブを除いた溶液を用いて染色した場合や、切片をあらかじめ RNase 処理した後に、ターゲットプローブ溶液を反応させて染色した場合では、ISH のシグナルは検出されなかった。また、今回示した海馬における ISH のシグナル強度およびシグナル分布についての再現性は非常に高いことを確認した。Smad3 タンパク質の発現を免疫染色によって確認した。CA1 領域の錐体細胞層および歯状回の顆粒細胞層における免疫染色性は強いが、CA3 領域の錐体細胞層および DG 領域の多形細胞層では免疫染色性は弱かった。すなわち、ISH による Smad3 シグナルとSmad3 免疫陽性反応の強度および分布パターンはほぼ一致していた。

結論 今回、ViewRNA ISH キットを用いて、海馬パラフィン 切 片 に お け る Smad3 お よ び ϐIII-tubulin mRNA の検出例を紹介した。実際にこのキットを使用して、その操作性の簡便さ、検出感度の高さ、染色の再現性の高さを実感することができた。このキットを用いて染色する際に注意すべき点として、インキュベーションの際の温度管理があげられる。ターゲットプローブ溶液、PreAmplifier Mix QT、Amplifier Mix QT、Label Probe 溶液でのインキュベーションの際の温度は 40℃となっているが、我々は、この温度管理には十分気を付けて染色を行った。キット付属の説明書では切片のインキュベーションの際に、Abbott Molecular 社製のThermoBrite の使用が推奨されているが、我々は一般の研究室で広く利用されている比較的安価な Dry bath incubator をその代用として利用しても、再現性の高い染色像が得られることを確認している。切片のインキュベーションの際の温度管理をきちんと行いさえすれば、誰でも簡単に再現性の高い結果が得られると思われる。

図 2. 上段: クレシルバイオレット染色、中段: Smad3 mRNA(赤色)および ϐIII-tubulin mRNA(青色)に対する ISH シグナル、下段: Smad3 免疫染色。

CA1 顆粒細胞層CA3 多形細胞層

免疫

染色

ISH

クレシ

ルバ

イオ

レット

染色

100 µm

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V E R I T A S S C I E N C E L E T T E R Vol.1 5

日本総代理店

RAFL17-0543ベリタスサイエンスレターは株式会社ベリタスが最新の情報のエッセンスを著者の了解を得てお届けしています。ご質問・ご意見は弊社技術グループ(TEL: 03-5776-0040、E-Mail: [email protected]) までお願い致します。

Wash Buffer、ハイブリ用 Buffer、サンプル前処理用の試薬及びシグナル検出のためのプローブや色素試薬が一式含まれます。Fast Red による単色染色もご利用になれます。

ViewRNATM ISH Tissue AssayFFPE 切片・凍結切片用検出試薬ViewRNA ISH Tissue Assay は、パラフィン組織切片や凍結組織切片に対応した、高感度 in situ hybridization 試薬です。Fast Red と Fast Blue との 2 色同時染色により最大 2 種類の遺伝子を同時に検出可能です。

Red: Klk3Dark Blue: ハウスキーピング遺伝子Blue: 核染色

ヒト前立腺正常細胞(左)、および前立腺癌細胞(右) 組織切片

ViewRNA ISH Tissue Assay Kit

商品コード 商品名 梱包単位QVT0012 ViewRNA ISH Tissue Assay Kit 24 testsQVT0013 ViewRNA ISH Tissue Assay Kit 96 tests

ViewRNA Probe Set検出したい遺伝子を特異的に検出するためのプローブです。Fast Red には Type 1、Fast Blue には Type 6 を選択下さい。新規デザインが必要な場合は、“By request” と記載のある製品をご購入下さい。新規デザインの必要の有無は弊社までお問い合わせ下さい。新規デザイン(カスタム)プローブも最短 2 週間でお届けします。

商品コード 商品名 梱包単位V#1-#####-06 ViewRNA TYPE 1 Catalog Probe Set ( 遺伝子名 ) 120 μ LVX1-99999-01 ViewRNA TYPE 1 Probe Set By Request 440 μ LV#6-#####-06 ViewRNA TYPE 6 Catalog Probe Set ( 遺伝子名 ) 120 μ LVX6-99999-01 ViewRNA TYPE 6 Probe Set By Request 440 μ L

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