北海道スウェーデン協会白夜1305

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第 34号

~■ ),'‐ 'ア ス :D` ~

ルデン‐イだ 御 t′ ィ

北海道スウェーデン協会

2013 4

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本年 2月 、北海道IL身 の渡遠方樹駐スウェー

デンロ本大使を昨年に続いてお招きし、最近の

スウェーデン情勢、そして「未来のために今日

日本とスウェーデンが出来ることJと 題してご

講演をいただきました。当初ヴァリエ駐 ロス

ウェーデン大使閣下との対談を予定していまし

たが、大使のマーシャル諸島への公務出張のた

めやむなく変更になったものです。しかし、ツァ

リエ大使は、ほぼ ―昼夜航空機を乗 り継いで大

変厳しい吹雪の本t幌 において下さり、短時間で

したが渡還大使と日本 北海道とスウェーデン

の11来 について語られたことに出席者一同大変

感銘を受けました。その中で、大使は2018年が

日瑞外交関係樹立150年、その時に何か両国の関

係を深化させる企画をと、希望と夢を私どもに

与えてくださいました。あまり時 F・lは ありませ

んが、知恵を出し合いたいと考えます。

そして今年はまた、北海道スウェーデン協会

にとって一つの出がり角を迎えます。それは、

これまで中心となってお働き下さつた東海大学

川崎―彦教授が、定年で札幌を離れてスウェー

デンに伝出されることです。スウェーデンと北

海道とのパイプ役に一段のお働きをいただける

とのことですが、一抹の不安を覚えます。私ご

とになります力ゞ、スウェーデンをはじめとする

北欧との出会いは、25年 niの川崎先`Lに

よるも

のです。ノールウェイ・ トロムソ にで行われる

北方都市会議の下打 ら合わせの途上、ストック

ホルムで先生がセ ミナー |サ ッボロディinス

トックホルムJを企画してくださいました。著

名な方々にお集まりいただいて、11川崎先生が「滋

賀県出身の私が、何故ス トクホルムから札幌に

移りfrん だかJをお話しになり、そして私が札

幌市を紹介させていただいた感激は今でも鮮明

な記憶となっています。その後たびたび北欧諸

国の地域を訪れ社会福祉、産業振興、自然環境

及び芸術文化等多 く学ぶことができたことは、

私の人生にとって大きな糧 となりました。自夜

の紙面を借 りて感謝中し上げます。

さて、北海道スウェーデン協会は1978年 の倉1

立ですから、今年で3511の 年月を経過すること

になります。これまで多 くの人々によつて有意

戦な歩みを続けてきたことに敬意を表します。

地理的にも、自然 気候も共通することの多い

北欧諸国、スウェーデンと姉妹都市提携をして

いる自治体もあり、また、札幌にはスウェーデ

ン名誉領事館、当別町には財団法人スウェーデ

ン交流センターが存在しています。更にlL方圏

センターから改称 した公益法人北海道国際交

流 協力総合センターが開伴する北方圏講座な

ど、本年もこれら関係団体と連携を密にしなが

ら北海道民 とスウェーデンとの交流を図つてい

くとともに、5年後の日瑞交流150年 に思いを馳

せて協議してまいりたいと考えます。

く本協会会長〉

創立35年を迎える北海道スウェーデン協会

杉 本 拓

-2-

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北海道における私の四十円林己(19882013)を

思い起 こしてみます と、以下のような 6つ の

キーワー ドが浮か7 ヵ,っ てきました。

北海道

Jヒ欧

教育 (改革)

■I「

不1他性 (altruisnl)

多様性 (diversi吋 )

以下それぞれのキー7-ド についての想いを

簡■にご説明させて頂きます。

(北海道〉

私は北海道とはもともと縁もいかりもありま

せんでした。

しかし、ジェ トロ (日 本デ易振興会)ス トッ

クホルム事務所動務時代には、くJヒ 方日交流)に

注力していたJ師道から●「 訪11者 が多く、たと

えば本協会の■谷和貝1さ んとは、NOREX(北方

圏経済交流協会)の lL部スウェーデンミッショ

ン (1,s6■ )でお手伝いをさせて頂いて以来の

たつきあいです。

スウェーデンの生活が長かったの こ、もう口

本の生活には民れない、と私は思つていました。

そして東海大学の1し幌キャンパスに日本ilの 同

際文化学部をつくるので来ないか というお誘

いを頂きました。札幌を 卜見に来た時の私の印

象は、「IL幌 は日本離れけている。日本には住め

ないが、オし幌なら住めそうJと いうものでした。

この|「象は今でも変わりません。

そして1'88年 4月 に赴任してから1ヒ海道/札

幌に25年 F・l 四半世紀お世話になりました。

私は65歳 ですが、一カ所に住んでいた場所と

しては|[幌が最長です。期間だけではなく、内

容もこれまでの人生で最 も充実したものでし

た。これもお会い出来た皆様のおかげと、心よ

り感謝しております。

(北欧〉

了ども2人力ゞストックホルムにおり、14は毎

■夏体み、冬休みなど1に数回ストックホルム

に行き来する生活でした。

公スを兼ねてストックホルムと札幌の 2ヶ lrl

で定点観測 /・ していたことになります。定点観

測のメリットは、ス トックホ,レ ムに居る時は日

本に居ては見えない点が、そして十日配に居る時

に'ま

スツェーデンにいては見えない点が見えて

くることでつ。

私が札幌に住んでいた四十 四紀はいわゆる

「失わ′tた 日本Jtl時期でしたが 逆に北欧のさ

まざまな政策へ・「注目度は世界的に高まって―l

ています。たとえば、■ロェコノミストの 2月

2口 号は「北欧一次のスーパースターJの人き

な特集をしました。

円界が北欧に注日する理山を一請でiL現する

なら、福||(分配)l■済 (生産)―持続可能性

聡 量)を 3つ すべて丁にしている、からでしょ

うか。

く教育 (改革 )〉

私は過去]54は どは、北欧 とくにフィンラ

ンドをしントとする創造性教育の実践りF究 に

もっとも力をLlい できました。

知業の現代は、工業の時代とは違う教育シス

テ′、が必′である、との確信からです。

知業時代に必要な能力は、11よ りも創造円で

す。そしてクリエイティブなアイデアを実行す

る能力も大切です。このような考え力から、私

はすべての授業における学生の到注日標を倉1造

性と自己効力感 (自分でも出来るという確信 )

の 2点 に集約してきました。

今日にある東海大学の付属枝園では知的財庁

教育 (創造性教育+起業家精神教育)を展開し

四半世紀の北海道

川 崎 彦

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てきました。とくに、付属四高 (札幌)でのT藤優樹先生とのコラボ、Fl属本日記念幼市園(伊

勢原)での高橋功前日長 とのさまざまなプロ

ジェクトが強 く自J象 に残っています。本田記念

幼推回の回児がピックカサルミ lJ推 固児 (ア ィ

ンランド バーサ)と 共同で制竹したアニメは

フィンランドの国際映画祭で最優秀作品の一つ

に選ばれました。

近イ|は 参加型の授業にも力を入れてきまし

た。ファシリテーション、ワークショップなど

の参加型授業を取 り入れることにより、創発、

シナジー、集合知の成果がみられ、学生の授業

評価からみると、学びやモチベーションも確実

に高よりました。

く幸せ〉

辛せは人類にとって古 くからのテーマです。

しかし20世紀後半から近年とくにキせへの関

心が世界でi可騰 してきています。

その背景 としては、手せのパラドックス (先

進国では所得や経済水準が上がっても4酒の満

足 F_・が上昇 しない現象)、 制度疲労の課題先進国

NIPPON、 2011イトの東日本人震災 と原発事故

(311)、 などがあげられます。それらに力」えて

欄口人の関心としては、デンマーク人など北欧

の幸福度が世界のトップにあること、北海道民

の幸福度、などがあります。

F■ 体的には幸せについてOST(オ ープン ス

ペース テクノロジー、北コーロッパ学会‐2012

年11月 、スウェーデン交流センター=2012年 5

月など)、 ワール ド カフェ、自上映画会 (幸福

の経済学、happy)な どの幸せについて考えるイ

ベントを開催し、参加者から|よ ■い評価を頂 く

ことカヨ日米ました。

く利他性 Jtru`m〉

『利他性の経済学』輛 岡康雄、2006)は イン

パクトのある著作でした。

ご―格に北欧をヒントに北海道において産業

クラスターづくりを導入するお手伝いをさせて

頂いた戸田一人さん (元北電社長、会長、道経

連会長)や秋 口喜イヽさん (元秋 1愛生館社長)

の強い「「象が私の眼にrtき 付いているのは、自

分の会社のことだけではなく、より良い北海道

のことを常に考え、行動されていた利他性だか

らこそでしょう。

201011年度に私は内閣府の予算による北海

道における社会的企業の起業支援]ンペの委員

を仰せつかりました。この2年間で123の 社会的

企業が誕生 しました。年齢、性刀1、 地域に関係

なく、|1陰貢献をするために起業Jへの関心の

高さを実感 した事業でした。

学生の間でも社会貢献に対する関心は確実に

高まっています。

く多様性 dver● ty〉

倉J造性は多様性から生まれます。日本社会や

若者を見ていると、むしろ―様性の力 ●lに逆行

している懸念があります。昭和初期の詩入金子

みす ゞは「みんなt・ がってみんないいJと 表現

しましたが、今日の若者は「みんな同じでみん

ないいJなのかもしれません。

匹界最大の家貝チェーン イケアジャパンの

i「 員 (コ ワーカー)の同籍は30近 くもあるそう

です。多様性の中からクリエイティブな発想と

企業の活力が出ています。Martin ProsPσty

l‐ tituteの Cloba creativity ln“ xに よl■ |ざス

ウェーデンが世界一クリエイティブ、との結果

が出ています。

北海道におけるすばらしい四半四紀を提供し

て下さった皆様との1也 会いに私は大 truに してい

る 剛 遁 (か いこつ)Jと いう言葉を12・ わせて頂

きたいと思います。

めぐり会いにありがとう

心からありがとうございました

そしてストックホルムにお越 しの時にはぜひ

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お会いするのを楽しみにしてお ります。VJ 参加者の気づき 疑間点

komlllぃ I く気づき〉

60秒で無駄な言葉を使わないでIH手 に伝える

く参考文献〉 ことの難しさを学んだ。

川崎 ―彦「北海道とJヒ 欧との交流および大学生 ディベートの有用性

力を活用した教育プロジェクト②Jビ ョルク 〈最幸な国〉いい言葉です | これからどんど

vol u7(20131) ん使おつと思います.

川崎―彦「幸せについてWhy,What?How7 +せ は自分の考えカーつで感じることが出来

HOPPOKEN vd]610012秋号) る。

'1喘

一彦「北海道における北欧との交流および 手せかどうかは自分の考え方次第。とにかく

大学生力を活用した教育プロジェクトの実践 笑っていれば、十せはやって来る。幸せはヒ

研究報告J北 ヨーロッパ研究 vo1 8(2012) を見ても下を見てもきりがない。

1崎―彦「コープさっばるのCSR活動への大き やりたいことを見つけた時の自分にI― ってみ

な期待Jコ ープきつにろCSRレ ポート2012 よう=幸せ

〈Jヒ海道ス,ュ ーデン協会常任理事、東海大学名 幸福とは多面的な意味を持っている。

誉教授〉 ■せといっても、過去のキせと現在の■せの

どちらを考えるのか? 私は今の半せを書い

た。

川崎教授講演会「北欧の幸 日標を持つこと。何力ヽこツクフク興味を持つせ、日本の幸せ、北海道の幸 時間を持つ.振 り返 りをすること。

日本は環題先進国せ、そして…」

横 I町 隆 く疑問点〉

今の世の中は人間が幸せを求めて作 り「

|プ た

平成25年 1月 28日 月lIF日 、ホテルモントレー 便llな 1■の1だが、景■rl業 など代償は多大.

エーデルホフオL幌にて、本協会新年交ネt会 と常 もし人想にリセットカ‖Ц来たとしても、人類

任理事川崎―彦東海大学教授による証演会と はまた同じ道を進み、それを幸せとに置づけ

ワールドカフェ方式による |し あわせカフェJ るのだろうか ?

が開催された。請演の前半は,脚奇先生による多 11人的充足感とマクロ、社会llll満足度の相克

角ll lな 視点による「しあわせJの分市i、 後十は がある (寛容な刊会 )

7う 名ほどの参加者が 3人ずつのグループに分か なぜ憲法に く■tの追求)がないのか ?

れたワール ドカフェ形式のワークショップ「し スウェーデンは日本の参=に

なるか ?

あわ l■ カフェJが1脚時先生の司会で行われた。 このままでは、了どもの時代には日本はどう

このよつなワークン,ッ アは初体験の参力Π者 なって しようのか ? 産業全般が洸んでい

も多 く 参力1型の楽しい請演会形式に興吉気味 る。

の参加者もいて、あっというF・5の 1時 F・l半を過 (本 協会事務局長)

ごしました。参力Π名の意見を川崎先生が ド記の

様に纏めてくださいました。