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- 1 - 1. 編修趣旨及留意点 2. 編修基本方針 (教育基本法との対照表) 受理番号 学校 教科 種目 学年 26―- 84 中学校 国語科 国語 第3学年 発行者番号・略称 教科書記号・番号 教科書名 2 東書 国語 927 新編 新しい国語 3 別紙様式 8 一生ものの「言葉の力」を育てたい。思考を巡らし,想像を広げ,他者とコミュニケーションをとりながら,日々 をいきいきと暮らし,主体的に社会に参加していくための言葉の力。 心に響く「珠玉の日本語」をだいじにしたい。古代より現代に至るまで,豊かな言語文化の伝統の中で磨かれな がら,人々の知恵と思いを伝える役目を果たしてきた珠玉の日本語。 言葉の力を育み,珠玉の日本語を受け継いでゆく。そんな願いを込めて,私たちはこの教科書を編みました。 「言葉力」 しっかりえるどんなどうやってにつけるのかそのいにえる教科書ですこの作品を読むことで,この文章を書くことで,このスピーチをすることで,どんな力を養っていくのか。 それぞれの学びのポイントを,「言葉の力」という囲みで明示しています。 力がつくのは,実践と基礎トレーニングの繰り返しから。小説を読んだり,意見文をまとめたりすること が実践なら,国語科の基礎トレーニングとは? その問いに,「学びを支える言葉の力」が答えます。 1. 知性感性もっとかに日本言語文化,未来りひらいてゆく言葉てますよりすぐりの古典作品に加えて,鑑賞・紹介の文章や美しい写真資料を豊富に盛り込み,古典の世界へい ざないます。格調高く手応えのある近代文学,親しみやすくて心に残る現代文学も,手厚く取り上げました。 また,中学生の発達段階と知的好奇心に応じて,現代の科学の成果や社会・人間の抱える問題についてや さしく説いた文章を掲載しています。構成の明快な文章を通して,論理的な思考の筋道を学べます。 2. ,火をつける生徒主体的びへといざなう仕掛けを随所にちりばめましたぱらぱらと教科書をめくり,たまたま開いたページをつい,読みふけって しまう。いつのまにか学びが始まっていて,本を閉じたときには,生徒の言 葉の世界が少し豊かになっている。そんな教科書になるよう,学ぶ意欲を引 き出す紙面を追求しました。 個性ある6人の生徒たちと案内役のキャラクターとともに,豊かな言葉の 学びへの扉を開きます。 3.

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- 1 -

1. 編修の趣旨及び留意点

2. 編修の基本方針

編 修 趣 意 書(教育基本法との対照表)

受理番号 学 校 教 科 種 目 学 年

2 6 ― ­8 4 中 学 校 国 語 科 国 語 第 3 学年発行者の番号・略称 教科書の記号・番号 教 科 書 名

2   東 書 国 語 9 2 7 新 編   新 し い 国 語   3

別紙様式 8

 一生ものの「言葉の力」を育てたい。思考を巡らし,想像を広げ,他者とコミュニケーションをとりながら,日々をいきいきと暮らし,主体的に社会に参加していくための言葉の力。 心に響く「珠玉の日本語」をだいじにしたい。古代より現代に至るまで,豊かな言語文化の伝統の中で磨かれながら,人々の知恵と思いを伝える役目を果たしてきた珠玉の日本語。 言葉の力を育み,珠玉の日本語を受け継いでゆく。そんな願いを込めて,私たちはこの教科書を編みました。

「言葉の力」を,しっかり鍛える。―どんな力を,どうやって身につけるのか。その問いに答える教科書です。

 この作品を読むことで,この文章を書くことで,このスピーチをすることで,どんな力を養っていくのか。それぞれの学びのポイントを,「言葉の力」という囲みで明示しています。 力がつくのは,実践と基礎トレーニングの繰り返しから。小説を読んだり,意見文をまとめたりすることが実践なら,国語科の基礎トレーニングとは? その問いに,「学びを支える言葉の力」が答えます。

1.

知性と感性を,もっと豊かに。―日本の言語文化を受け継ぎ,未来を切りひらいてゆく言葉の担い手を育てます。

 よりすぐりの古典作品に加えて,鑑賞・紹介の文章や美しい写真資料を豊富に盛り込み,古典の世界へいざないます。格調高く手応えのある近代文学,親しみやすくて心に残る現代文学も,手厚く取り上げました。 また,中学生の発達段階と知的好奇心に応じて,現代の科学の成果や社会・人間の抱える問題についてやさしく説いた文章を掲載しています。構成の明快な文章を通して,論理的な思考の筋道を学べます。

2.

学ぶ心に,火をつける。―生徒を主体的な学びへといざなう仕掛けを随所にちりばめました。

 ぱらぱらと教科書をめくり,たまたま開いたページをつい,読みふけってしまう。いつのまにか学びが始まっていて,本を閉じたときには,生徒の言葉の世界が少し豊かになっている。そんな教科書になるよう,学ぶ意欲を引き出す紙面を追求しました。 個性ある6人の生徒たちと案内役のキャラクターとともに,豊かな言葉の学びへの扉を開きます。

3.

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- 2 -

「言葉の力」を,しっかり鍛える。―どんな力を,どうやって身につけるのか。その問いに答える教科書です。

❶ 「話す・聞く」「書く」「読む」それぞれの学習材で身につけたい知識・技能のポイントが,「言葉の力」として明確に示されています。ㅦ「言葉の力」は,習得と活用を繰り返しながら 3年間で系統的に積み上がるように配置されています。ㅦ習得した知識・技能を後の学習で活用することによって,思考力・判断力・表現力を高めることができます。

❷ 「話す・聞く」「書く」「読む」の「言葉の力」を支える学習材「学びを支える言葉の力」(基礎編)が用意されています。3領域に共通して必要となる基礎的な知識・技能を,取り立てて鍛えることができます。ㅦ「学びを支える言葉の力」への導入として,本編に「学びの扉」が設けられています。ㅦ「学びを支える言葉の力」で学んだことは,国語科だけでなく,他教科の学習や実生活にも生きてきます。

1.

知性と感性を,もっと豊かに。―日本の言語文化を受け継ぎ,未来を切りひらいてゆく言葉の担い手を育てます。

 教育基本法 第 1章 第2条に掲げられた目標を達成するために,以下の観点で題材を選定・作成しました。

❶ 日本の伝統・文化への理解を深め,親愛の情を持てる題材❷ 情報化・国際化の進む現代社会を担っていく素養を育む題材❸ 論理的・批判的に考え,説得力をもって伝える力を磨く題材❹ 豊かな想像力と,共感する心,他者と協働する精神を養う題材

2.

一年

二年

三年

聞く

会話が弾は

む質問をしよう

●メモを取り、質問する

問題意識を持って聞こう

●聞き取ったことを吟ぎ

味み

する

評価しながら聞こう

●話をさまざまな観点から評価する

﹇55﹈

話す

具体例を挙げて伝えよう

「ことわざ」スピーチ

●順序立てて話を組み立てる

●聞き取りやすく効果的な話し方をす

説得力のある提案をしよう

プレゼンテーション

●説得力のある話を組み立てる

●資料や機器を活用する

場面に応じて話そう

条件スピーチ

●目的や相手、時間を意識する﹇117﹈

●場の状じ

ょうきょう況や相手の様子に応じて話す

﹇119﹈

話し合う

話し合いで理解を深めよう

グループディスカッション

●体験や考えを出し合う

●相手の考えを受けて話す

話し合いで問題を検討しよう

リンクマップによる話し合い

●テーマを決め、メリットとデメリッ

トを出し合う

●テーマについて検討する

話し合いで問題を解決しよう

チャート式討論

●論点を整理する﹇200﹈

●お互た

いの考えを生かし合う﹇201﹈

詩歌創作

小さな発見を詩にしよう

●表現を工く

夫ふう

する

短歌のリズムで表現しよう

●描え

き方を工く

夫ふう

する

俳句を作って句会を開こう

●読み合って評価する﹇27﹈

伝達

構成を考えて書こう

「私わ

たし

」の説明文

●材料を集める

●材料を整理し、文章を構成する

調べて考えたことを伝えよう

「食文化」のレポート

●テーマを設定する

●レポートの構成を工く

夫ふう

する

編集して伝えよう

「環か

境きょう

」のミニ雑誌

●内容を膨ふ

らませて書く﹇77﹈

●推す

敲こう

して読みやすい文章に仕上げる

﹇78﹈

論証・説得

根こん

拠きょ

を明確にして書こう

意見文

●根拠を示す

●読んで確かめ合う

反対意見を想定して書こう

意見文

●反論を考える

●分かりやすい構成で意見文をまとめ

観察・分ぶ

析せき

して論じよう

批評文

●複数の対象を比ひ

較かく

する﹇109﹈

●説得力のある批評文を書く﹇109﹈

●批評文を評価する﹇110﹈

通信・手紙

案内や報告の文章を書こう

●掲け

載さい

する情報を選せ

択たく

する

依い

頼らい

状やお礼状を書こう

●手紙を推す

敲こう

する

情報発信

学校新聞の記事を書こう

●図表を用いて情報を伝える

タウン誌の記事を推す

敲こう

しよう

●より効果的に伝わるように推敲する

感性・創造

作品のよさを表現しよう

歌の鑑か

賞しょう

●作品を鑑賞し、考えをまとめる

●感じたことや考えたことを表現する

いきいきと描え

き出そう

短歌から始まる物語

●豊かに描び

ょう

写しゃ

する

●意見交こ

換かん

の観点を持つ

今の思いをまとめよう

時を超こ

える手紙

●書きたい内容を考える﹇205﹈

●手紙の書きだしと結びを整える

﹇206﹈

言語感覚

詩の心

︱発見の喜び

●詩を鑑か

賞しょう

する

短歌を楽しむ

●短歌を鑑か

賞しょう

する

俳句の読み方、味わい方

●俳句を鑑か

賞しょう

する﹇25﹈

文学一

飛べ かもめ

さんちき

●表現を手がかりにして考える

字のない葉は

書がき

卒業ホームラン

●登場人物の言葉や行動の意味に注意

する

形百科事典少女

●作品を批評する﹇36﹈

構成・展開

オオカミを見る目

●段落の役割や段落どうしの関係を捉と

える

鰹かつお

節ぶし

︱世界に誇ほ

る伝統食

●文章の構成を捉と

え、要約する

絶ぜつ

滅めつ

の意味

●説得力を高めるための論の進め方を

捉とら

える﹇71﹈

吟ぎん

味み

・判断

スズメは本当に減っているか

●事実と筆者の考えを区別する

哲てつ

学がく

的思考のすすめ

●論証を吟ぎ

味み

する

黄金の扇せ

風ぷう

サハラ砂さ

漠ばく

の茶会

●読み比べて自分の考えをまとめる

﹇102﹈

文学二

少年の日の思い出

●伏ふ

線せん

に着目する

走れメロス

●人物像に着目する

故郷

●人間関係の変化に着目する﹇169﹈

言葉とメディア

ニュースの見方を考えよう

●情報を見み

極きわ

める

「正しい」言葉は信じられるか

●事実と言葉の関係を意識する

いつものように新聞が届いた

 

︱メディアと東日本大震し

災さい

●情報をより深く捉と

える﹇194﹈

各領域の

言葉の力

学びを支える言葉の力

言葉の力

一覧 ( ﹇ ﹈は載の

っているページ

話すこと・聞くこと読むこと 書くこと

一年

二年

三年

実用的な言葉の力整理する力

分類する

要約する

比ひ かく

較する[234]

説明する力

順序立てて説明する

テーマを立てて説明する

目的や相手に応じて説明する[237]

論理的な言葉の力分ぶん

析せき

する力

事実と考えを区別する

論証の組み立てを捉とら

える

論理的に読む[240]

議論する力

質問する

反論する

合意を形成する[243]

創造的な言葉の力解かい

釈しゃく

する力

文脈を捉とら

え,伏ふく

線せん

に気づく

人物像を捉とら

える

人物どうしの関係に着目する[246]

表現する力

鮮あざ

やかに表現する

想像を誘さそ

うように表現する

素材を生かして表現する[249]

巻末「言葉の力 一覧」

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ㅦ知的好奇心に訴える題材で,明快な構成の文章がそろっていて,論理的な考え方や書き方を学べます。ㅦ「書く」では,説得力のある意見文・批評文を書くことを,3学年を通して学んでいきます。

❶ 日本の伝統・文化への理解を深め,親愛の情を持てる題材

言葉に宿る心を受け継ぐ。

日にっ

光こう

(栃と

木ぎ

県)

…旧きゅう

暦れき

四月一日

 ああ︑ありがたく感じられる︒こ

の日に

光こう

山さん

の青葉若葉に日の光が降り

注いでいるのを見ると︒そして︑東と

照しょう

宮ぐう

のご威い

光こう

も尊いことだ︒

あらたふと青葉若葉の日の光

象きさ

潟かた

(秋田県)

……六月十七日

 象潟の雨に煙け

る風景を見ると︑あ

の古代中国の美女西施が物思わしげ

に目を閉じている姿を連想させる合ね

歓む

の花が︑雨にぬれている︒

象潟や雨に西せ

施し

がねぶの花

蘆あし

野の

(栃木県)

……四月二十日

田一枚植ゑて立ち去る柳や

なぎ

かな

 西さ

行ぎょう

ゆかりの柳の木こ

陰かげ

で物思いに

ふけっているうちに︑人々は早くも

田を一枚植えてしまった︒私も我に

返り︑柳から立ち去ったことだ︒

立りゅうしゃく

石寺じ

(山形県)…五月二十七日 

閑しづ

かさや岩にしみ入る蟬せ

の声

 辺りはひっそりと静まり返ってい

る︒聞こえてくるものは蟬の声だけ︒

まるでそれが岩い

肌はだ

に深くしみ込こ

んで

いくようだ︒

那な

谷た

寺でら

(石川県)

……八月五日

石山の石より白し秋の風

 ここ那谷寺の石山は︑あの近お

み江

︵滋し

賀が

県︶の石い

山やま

寺でら

の石よりも白く︑

吹ふ

きわたる秋風もいっそう白く感じ

られる︒

最も

上がみ

川がわ

(山形県)

……六月三日

五さ

月雨を集めて早し最上川

 折から両岸の山々に降る五月雨を

集めて増水し︑最上川はいちだんと

流れが速いことだ︒

大おお

垣がき

(岐ぎ

阜ふ

県)

………九月六日

 蛤

はまぐりの

ふたみに別れ行ゆ

く秋ぞ

 蛤の蓋ふ

と身が分かれるように︑親

しい人たちと別れ︑伊い

勢せ

︵三み

重え

県︶

の二ふ

見み

が浦う

に向かうが︑折しも晩秋

のことで︑いっそう寂さ

しさが増す︒ 江戸時代に伊

能のう

忠ただ

敬たか

が作製した地図「大だい

日に

本ほん

沿えん

海かい

輿よ

地ち

全図」

江戸 千せん

住じゅ

白河

福島

仙せん

台だい

松島

平ひら

泉いずみ

酒さか

田た

新にい

潟がた

直なお

江え

津つ

高たか

田だ

高たか

岡おか

金かな

沢ざわ

福ふく

井い

敦つる

賀が

出い

も雲崎ざ

(新に

潟がた

県)

……七月四日

荒あら

海うみ

や佐さ

渡ど

に横たふ天あ

の河が

 眼下に日本海の荒波が押お

し寄せて

いる︒そのかなたには佐さ

渡ど

島がしま

が浮か

び︑大空には︑佐渡島にかけて天の

川が横たわっている︒

芭蕉と曽良

(森も

川かわ

許きょ

六りく

筆「奥お

の細道行あ

脚ぎゃ

之の

図」)

﹁おくのほそ道﹂旅程図

❷❶

137138

8687

◆ 読む〈 読書 1 〉 落語の秘密

傘かさ

を開くしぐさ 手紙を書くしぐさ

お茶を飲むしぐさ そばを食べるしぐさ

 二人の人物の対話を演じる際には、「上か

下しも

」という技

法を用います。客席から見て右の方を「上か

手て

」、左の方

を「下し

手て

」といいます。落語家は上手方向を見たり下手

方向を見たりすることで、二人の人物を表現するのです。

視線は、落語の演出にとってとてもだいじなことの一つ

です。八つぁんとご隠居さんが家でおしゃべりをしてい

るところに、奥お

からおかみさんが現れるとしましょう。

落語家は、おかみさんの存在を視線だけで表現します。

ご隠居さんが上手へ向かって呼びかけると、おかみさん

が出てきます。それにつれて、ご隠居さんの視線を、歩

いてくるおかみさんを追いかけるように上手から中央に

向かって動かすのです。もっと多くの人物が出てくる噺

でも、達者な落語家はその位置関係を、細かい視線の変

化でみごとに表現できます。

 また、懐か

中ちゅう

の扇せ

子す

や手て

拭ぬぐ

いを巧た

みに使って、いろいろ

な道具を表します。右手に持った扇子を箸は

に見立て、お

わんを持つような形をした左手を口もとに運ぶと、それ

が熱々のそばやうどんに見えるのです。このように、さ

まざまな技術を駆く

使し

し、落語家自身が複数の登場人物を

演じることによって、観客を噺の中に引き込こ

むのです。

 さて、いろいろと説明してきましたが、最後に「猫ね

皿」という落とし噺を読んで、実際に落語に触ふ

れてみま

しょう。ただ、落語は生で楽しむのがいちばんです。皆み

さんの街でも、寄よ

席せ

や小さな落語会があるかもしれませ

ん。難しい芸術を鑑か

賞しょう

するというものではありません。

きっと楽しい時間を過ごせるはずです。一度、足を運ん

でみてください。

**

猫の皿

 江戸時代も末になってくると、武士も大た

家け

の主人も、

茶器であるとか花生けであるとか、あるいは軸じ

だとか、

そういうものを欲ほ

しがるようになりました。すると、道

具屋さんの商あ

きな

いは調子がいい。ちょっと高くたって、店

に出しておくだけで羽が生えて飛ぶように売れます。そ

して、買ったほうはこれを手放しません。そうなってく

ると、江戸にはだんだん品物が出回ってこなくなります。

そこで、地方を回って探すわけですな。道具屋さんに頼た

まれて、そういう品物を買い集める人を「果は

師し

」といっ

たそうです。

 ある果師が、掘ほ

り出し物はないかしらと訪ね歩いたん

ですが、そうそう見つかるものではありません。諦あ

きら

めて

帰ろうという道すがら、小さい茶店がありました。

「おう、すまないけど休ましてもらうよ。」

「どうぞ、おかけくださいまし。」

「ああ、ありがとう。お茶置いといておくれ。この辺は

いいところだねえ。江戸の街中とは違ち

うよ。向こうにあ

るのは、りっぱな松だねえ。おや、ここの流れはまたき

れいだねえ。こういうところで暮らしてると、長生きで

きるぜ。」と、お盆ぼ

からお茶を取って飲みながら、あち

こち見ている。

 何気なく縁え

台だい

の下にひょいと目をやると、そこに皿が

一枚ありました。これがただの皿ではございません。高こ

麗らい

の梅う

鉢ばち

という、安くとも三百両、どうかすりゃ五百両

にでも売れようという品物です。どうやら茶店のじいさ

んは、これで猫に餌え

をやっているようで、皿の価値を分

かってないとみえる。そこで果師は、何とかうまいこと

言って、これをいただこうと思ったわけですな。

「こっちおいで。いやあ、かわいい猫だね。」

「あ、お客様いけません。足が汚き

たの

うございますから。」

「気にしなくていいんだ。俺お

はね、猫が好きなんだ。」

「お客様、どうぞお放しください。毛が抜ぬ

けます。」

「いいじゃねえか、俺は猫が好きなんだから。これ一匹ぴ

だけかい。」

「いえ、ここには一匹しかおりませんが、家に帰るとどっ

さりおります。」

「へえ、そんなにいるのかい。」

「はい、代わりばんこに、毎日違った猫をここへ連れて

51015 5101520

20253035 25

木下闇

山吹

時鳥

枯れ野

渡り鳥

千鳥

◆時ほ

ととぎす鳥

 ほととぎすは「時鳥」「杜鵑」

「不如帰」「郭公」などさま

ざまに書かれる。正ま

岡おか

子し

規き

「子規」もほととぎすのこと。

◆蛍ほ

たる

 和歌や物語では、恋れ

愛あい

の場

面にしばしば登場する。

◆蟬せ

み 蟬の抜ぬ

け殻が

を「空う

蟬せみ

」とい

い、はかないもののたとえと

して詠まれる。

旬しゅん

の食材

蕗ふき

のf

とう

菜な

の花は

蓬よもぎ

蛤はまぐり

白しら

魚うお

鰊にしん

g

さわら

夏 h た

けのこ

空そら

豆まめ

胡きゅうり瓜

枇び

杷わ

鮎あゆ

i

はも

鰻うなぎ

松まつ

茸たけ

銀ぎん

杏なん

栗くり

葡ぶ

萄どう

柿か

鰯いわし

秋さ

刀ん

魚ま

大だい

根こん

蕪かぶ

蜜み

柑かん

牡か

蠣き

j

ぶり

鱈たら

k

あんl

こう

写真

・堀ほり

庭園(島根県)の白梅

・松まつの尾お大たい社しゃ(京都府)の

山吹

・木こ

陰かげの小道(茨いばら城き県)

・松まつ

之の山やま(新にい潟がた県)の時鳥

・白びゃくごう毫寺じ

(奈な

良ら

県)の萩

・伊い

豆ず沼ぬま(宮みや城ぎ県)の雁

・野の

市いちちょう町(高知県)の枯

れ野

・三さん

番ばん瀬せ(千葉県)の千鳥

日本人は古来︑季節によって移り変わる自然を愛し︑独特の美意識を育んできた︒

歌や句にも多く詠よ

まれた︑四季を代表する動植物を探してみよう︒

四季を味わう言葉

◆鹿し

か 秋の深まる頃こ

に寂さ

しい声で

鳴く鹿は、「万葉集」の時代

から秋の題である。

◆虫む

し 「虫」は、秋に鳴く虫の総そ

称しょう

。蟋こ

おろぎ蟀

・松ま

虫むし

・鈴す

虫むし

・螽き

りぎりす蟖

馬うま

追おい

・轡く

つわ

虫むし

など。

◆渡わ

り鳥ど

 日本に渡ってくる鳥には、

春に飛来するものと秋に飛来

するものがあるが、俳句で渡

り鳥といえば、秋にやってく

る鳥を指す。雁

かり(がん)・鴨か

など。

◆千ち

鳥どり

 和歌によく詠まれてきた鳥

は、春の鶯、夏の時鳥、秋の

雁、そして冬の千鳥。

◆ふくら雀す

ずめ

 寒さのため羽う

毛もう

を膨ふ

らませ

た雀のこと。雀は年中見られ

る鳥で、雀だけでは季語にな

らない。「雀の子」「雀の巣」

が春の、「稲い

雀すずめ

」が秋の、「ふ

くら雀」「寒か

雀すずめ

」が冬の季語。

また、元が

旦たん

に見る雀を「初は

雀すずめ

という。

◆紅も

みじ葉

 春は花、秋は紅葉。紅葉の

美しい木の名前が上に付く

「櫨は

紅葉」「桜紅葉」「柿か

紅葉」

という言葉もある。

◆萩は

ぎ 「万葉集」で最も多く詠ま

れた植物。高た

浜はま

虚きょ

子し

の俳句に

も萩が多い。

◆落お

ち葉ば

︵木こ

の葉は

 季語としての「落ち葉」と

「木の葉」はほぼ同じ意味。

「万葉集」「古今和歌集」で

木の葉といえば、紅葉の散る

様子を指すことが多い。

◆枯か

れ野の

 草木の枯れ果てた野原をい

う。松尾芭蕉の「旅に病や

で夢

は枯か

野の

をかけ廻め

る」が有名。

◆若わ

葉ば

 松まつ

尾お

芭ば

蕉しょう

が「おくのほそ道み

で、濃の

淡たん

ある葉を「青葉若葉」

と詠んだ(137ページ)。青葉

は深緑、若葉は新緑を指す。

◆木こ

下のした

闇やみ

 「こしたやみ」とも。夏木

がうっそうと茂し

り、木の下が

ひときわ暗いことを指す。

◆鶯

うぐいす

 別名「春告げ鳥」。蛙か

わず

とと

もに「古こ

今きん

和わ

歌か

集しゅう

」の「仮か

名な

序じょ

」(129ページ)に登場する。

◆蛙か

わず

 「かえる」は、和歌では古

来「かわず」と詠まれる。

◆山や

吹ぶき

 古来、晩春を代表する花と

して知られる。蛙と合わせて

和歌に詠まれることが多い。

◆梅う

め 「万ま

葉よう

集しゅう

」には梅が詠まれ

た和歌が百十八首あり、植物

では萩は

に次いで多い。

◆桜さ

くら

 日本の代表的な花。「万葉集」

の時代には花といえば梅だっ

たが、その後次し

第だい

に、花とい

えば桜を指すようになった。

夏冬

春秋

❷ 情報化・国際化の進む現代社会を 担っていく素養を育む題材

忘れない。未来を生きるために。

184185

◆ 読む〈 言葉とメディア 〉 いつものように新聞が届いた―メディアと東日本大震災

いつものように新聞が届いた

 

―メディアと東日本大震し

災さい

今こん

野の

俊とし

宏ひろ

情報の意義とメディアの役割について考えを深めよう。

読む〈言葉とメディア〉

 近代的な街並み、漁村、水田地帯を巨き

大だい

な津つ

波なみ

が襲お

た。東日本大震災が起きた二〇一一年三月十一日午後。

家も道路もがれきに埋う

もれた。交通網も

の断絶や停電に加

え、情報通信が滞

とどこおっ

た。孤こ

立りつ

した集落、たくさんの人が

身を寄せ合った避ひ

難なん

所に夜の闇や

が訪お

とず

れる。何が起きたの

か、家族はどうなったのか、どんな被ひ

害がい

が出ているのか。

何も分からない。

 空が白み始めた頃こ

、いつものように新聞が届いた。

「眠ね

れないまま朝になり、玄げ

関かん

に響ひ

いたカタンという音。

まさか、新聞? 

驚おどろ

きと感動で涙な

みだ

が止まりませんでした。」

 「家族、親し

戚せき

、家……。全てを失い、現実を受け入れら

れませんでした。何かにすがりたくて、何度も繰く

り返し

読みました。新聞の活字は、自分の心を納な

得とく

させる時間

と空間を与あ

えてくれました。」

 筆者の勤める、仙せ

台だい

市に本社を置く新聞社に寄せられ

た読者からの感想の一部である。

伝えなくてはいけない

 あの日、新聞社は混乱に陥お

ちい

っていた。電話がほぼ通じ

ない。太平洋沿岸にある支局や記者と連れ

絡らく

が取れない。

ヘリコプターで上空から取材しようとしたが、空港のヘ

リ格納庫は既す

に津波で全ぜ

壊かい

していた。本社ビルでは紙面

を制作する機械が大きな揺ゆ

れで倒た

れ、新聞の発行が危あ

まれた。

 しかし、誰だ

も新聞の発行を諦あ

きら

めなかった。仙台の印刷

工場は無事だった。災害時に協力し合う協定を結んでい

る新に

潟がた

県の新聞社に向けて、紙面制作の担当者を車で派は

遣けん

した。その新聞社の協力で紙面を組みあげ、データを

衛星回線で印刷工場に送ってもらった。何とか深夜の号

外と翌日の朝刊を発行することができた。

 新聞は一日も絶やさずに発行され続けた。記者の中に

は、津波で肉親を失いながら取材に走り回った者、避難

所から出勤して書き続けた者もいた。記者たちの「伝え

なくてはいけない」という使命感が紙面を支えていた。

 宮み

城ぎ

県の気け

仙せん

沼ぬま

総局の記者は、事務所があるビルから

外に出た瞬し

ゅん

間かん

、津波にのみ込こ

まれた。すんでのところで

ほかのビルの柱につかまり、九死に一生を得た。通信手

段が復旧していないため、その体験をコピー用紙の裏に

書いて、仙台から来た記者に渡わ

した。記事は「全部なく

なった」「胸まで水 死を覚か

悟ご

」という見出しで掲け

載さい

れた。

 街が津波にのみ込まれる一部始終を見ていた記者もい

た。宮城県南み

なみ

三さん

陸りく

町ちょう

にある支局の記者は、高台にある高

校に幼よ

稚ち

園えん

児の息む

子こ

と避難した。夜、携け

帯たい

電話が奇き

跡せき

に本社に通じた。電話を受けたデスクが聞き取って、町

が津波にのまれた光景をまとめた。それが震災翌日の大

きな記事となる。「大津波 街消えた」と表現した。記

者はその日、幼い息子を連れて通りがかりの車に乗せて

もらい、仙台の本社まで写真を届けた。

 震災翌日、気仙沼市に入った女性記者は、被災地で突と

然ぜん

、男性に車を止められ、「避難所に連れていってほしい。」

と頼た

まれた。腕う

には幼稚園の制服を着た女の子が抱か

えら

れていた。後部座席に親子を乗せ、避難所に向かう。居

合わせた医師に診み

てもらった。津波に巻き込まれたこの

女の子は息を引き取っていた。男性は子供を抱だ

き締し

めて

泣き崩く

れた。女性記者は、どうしてもカメラのシャッター

を切ることができなかったという。写真なしで書いた女

性記者の記事には、「動かぬ子 強く抱く」という見出

しが付いた。

 「ごめんなさいね。」「誰のために撮さ

影えい

しているのだろ

う。」震災翌日の早朝、三陸沿岸を飛ぶヘリコプターの

中で、カメラマンは自問していた。長い時をかけて築か

れた街が大津波によって跡あ

形かた

もなく消えている。小学校

の屋上に「SOS」の文字が見えた。浸し

水すい

した民家の二

階の物干しから赤いタオルを振ふ

り回し、助けを求める女

性の姿も見える。手を差し伸の

べたいが、何もできない。

510

152025

5101520

25303540

❸ 論理的・批判的に考え, 説得力をもって伝える力を磨く題材

比べてみると、見えてくることがある。

94

510

 我々は風景や花に触ふ

れて美しいと感じる。音楽を聴き

いたり、絵や彫ち

ょう

刻こく

を見たりしても美

しさを感じる。自然のものであれ、人間の手の加わったものであれ、我々はごく自然に美

しいという感情を抱い

く。

 同時に人間は自ら美しさを求め、創り出そうとする。絵を描え

いたり、彫刻を彫ほ

ったりす

るだけではなく、着るものを選んだり、花を飾か

ったりというふうに、美しいものを進んで

生活に取り入れようとする。

 ところで、何を美しいと感じるかは、民族や地域や文化によっても、ずいぶん違ち

う。だ

いじなことは、文化や伝統が築きあげてきた美しさ、あるいは自分の慣れ親しんだ美しさ

が全てだと思わず、新しい感じ方に対して心を柔じ

ゅう

軟なん

に開いておくことだと思う。

 僕ぼ

は一九九〇年代に八年ほどエジプトのカイロで暮らしたことがある。暮らし始めるに

あたって、アパートを探したり、生活に必要な日用品をそろえたりした。そのたびに違い

和わ

感を覚えたのは、エジプトと日本の美的センスの違いだった。

 例えば、アパートの内装。外国人が借りるのは、ほとんどが家具付きのアパートだ。し

黄金の扇せ

風ぷう

田た

中なか

真ま

知ち

 �

文章を読み比べて、論の進め方や

表現について評価する。

 �

文章を読み比べて、文章の内容に

ついて自分の考えを持つ。

◌◌

読む〈吟ぎ

味み

・判断〉

10

エジプト

 アフリカ北東の端は

に位置する国。

首都はカイロ。ナイル川が南北に流

れ、その流域は古代文明が栄えた地

で、ピラミッドなどの遺い

跡せき

が多い。

11

文�

違和感

12

意�

センス

5

飾 ショク

 かざる

装そう

飾しょく

2

殿 デン

 テン

 との

 どの

殿との

様さま

4

塗 ト

 ぬる

塗と

装そう

4

華 カ

(ケ)

 はな

華か

美び

98

 大だ

徳とく

寺じ

聚じゅ

光こう

院いん

別院のふすま絵制作の取材のために、アフリカのサハラ砂漠を訪ねたとき

のことです。

 私わ

たし

は、砂漠のデッサンを重ねるために幾い

度ど

となく、その場所へ足を運びました。砂漠で

の食事がどういうものなのか全く想像がつかず、万が一そこでの食べ物が口に合わないと

困ると考え、携け

帯たい

用のしょうゆパックを日本から持っていきました。いざとなったら、出

された食べ物にしょうゆをかければ何とか食べられるだろうと思ったからです。

 私は、ベドウィン族とよばれる遊牧民の男と二人で旅をしていたのですが、彼か

はその辺

でどこからともなく枯か

れ枝を集めてきて火をおこし、お湯を沸わ

かしてお茶をいれてくれま

した。彼はそこに使い古したじゅうたんを敷し

き、ひびの入ったような何気ないティーカッ

プに紅茶を入れ、たっぷりと砂糖を入れてくれたのです。その古いティーカップも、真っ

黒に焦こ

げたポットも見るほどに味わいの深いものでした。なるほど、こういうふうに作さ

為い

なく古みを帯びてゆくものが、いちばん使いやすい器う

つわ

なのだな、としげしげと眺な

めて、私

はおいしくその茶をいただいて心からの礼を伝えたのでした。程ほ

なくそれが、遊牧民の男

が亭て

主しゅ

となり私が客となった、紛ま

れもない「茶会」であることに気づきました。

サハラ砂さ

漠ばく

の茶会

千せん

住じゅ

 博ひ

ろし

510

サハラ砂漠

 アフリカ大陸の北部を占し

める、世

界最大の砂漠。

1

大徳寺聚光院別院

 静し

岡おか

県伊い

東とう

市にある臨り

済ざい

宗の寺院。

筆者は、その七十七面のふすま絵を

六年の歳さ

月げつ

をかけて制作した。本院

の聚光院は京都市の大徳寺内にある。

7

ベドウィン族

 アラビア半島や北アフリカの砂漠

に住むアラブ系遊牧民。

14

亭主

 茶会で、客を接待する主人。

11

意�

作為

14

文�

紛れもない

漠 バク

漠ばく

然ぜん

5

携 ケイ

 たずさえる

 たずさわる

花はな

を携た

ずさ

える

8

枯 コ

 かれる

 からす

枯こ

渇かつ

106107

◆ 書く〈 論証・説得 〉 観察・分析して論じよう

 ある少年野球チームでロゴマークを作ることになり︑

下のA・Bの二つの案が候補となった︒二つのうち︑ど

ちらがよいだろうか︒

 結論を出す前に︑まずはそれぞれのロゴマークをよく

観察し︑どのような特と

徴ちょう

があるのかを書き出してみると

よい︒Aの特徴について︑下の例のほかにどんな特徴が

あるかを観察し︑箇か

条じょう

書きにしてみよう︒

 続いて︑Bを観察し︑どんな特徴があるかを箇条書き

にしてみよう︒

 観察して気づいた特徴について︑どのような表現効果

があるのかを考えたうえで︑どちらがよいかを判断する

と︑単なる好き嫌いの判断よりも説得力が増す︒

 AとBのどちらがよいか︑観察を踏ふ

まえて自分なりに

判断してみよう︒もちろん︑判断の結果は一人一人違ち

てよい︒

 ここで練習したことを生かして︑これから︑対象をよ

く観察したうえで批評文を書く学習に取り組もう︒

 ある市で︑﹁マイボトル﹂の利用を勧す

めるためのポス

ターを作ることになった︒ポスターのコンクールを開か

催さい

したところ︑左の三点が最優ゆ

秀しゅう

作の候補として残った︒

 左のA・B・Cのポスターのうち︑どれが最も優れて

いるだろうか︒コンクールの審し

査さ

員になったつもりで考

えていこう︒

 なお︑﹁マイボトル﹂がどのようなものかについては︑

下の参考資料を読んで理解しよう︒

510155

1観察の練習をする

2批評の対象について知る

チーム名「桜町ドリームズ」ロゴマークの候補

Aの特徴

・(例)﹁ドリームズ﹂

を日本語にして︑﹁夢﹂

という漢字をマーク

にしている︒

(観察して、特徴を書

き出してみよう。)

Bの特徴

(観察して、特徴を書

き出してみよう。)

A

B

A

B

C

参考資料

マイボトルを使おう

 ペットボトル入りの飲み物は︑コンビニや自動販は

売ばい

機で手軽

に買えて︑持ち運びにも便利です︒しかし︑ペットボトルの原

料は︑限りのある石油資源︒国内での飲料用に︑二〇一二年の

一年間で約五十三万トンのペットボトル素材が使われています︒

 では︑資源を節約するためには︑どうしたらよいのでしょう

か︒そのための方法の一つが︑マイボトルです︒

 マイボトルとは︑長く使える自分用のボトル︵水す

筒とう

︶のこと︒

自宅で作ったお茶などをマイボトルに入れて持ち運べば︑ペッ

トボトルを消費しなくてすみます︒通勤︑通学︑旅行に︑マイ

ボトルを持って出かけませんか︒

︵﹁Y市広報﹂二〇一三年十月号︶

ㅦ美しく豊かな日本語に触れる機会が多く設けられています。ㅦ古典は,写真資料が豊富に掲載されるなど,丁寧に扱われています。また,近代文学や近代詩の名作も,全学年に掲載されています。

ㅦ文化論や科学論のほか,東日本大震災を取り上げた文章などを読んで,社会に目を向け,考えを深めることができます。ㅦメディアリテラシーは全学年で扱われています。情報の受信者・発信者の,双方の姿勢が学べるように工夫されています。

p.184~「いつものように新聞が届いた―メディアと東日本大震災」

左下:p.105~「観察・分析して論じよう」右上: p.94~「黄金の扇風機」と「サハラ

砂漠の茶会」の読み比べ

左:p.135~「おくのほそ道」中:巻頭口絵「四季を味わう言葉」右上:p.84~「落語の秘密」

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学ぶ心に,火をつける。―生徒を主体的な学びへといざなう仕掛けを随所にちりばめました。

❶ 国語の学びへの関心を高め,進んで学習に入っていけるような紙面になっています。ㅦ個性ある 6人の生徒たちと案内役のキャラクターが登場し,彼らとともに学んでいくスタイルになっています。ㅦゲーム感覚で学べる「文法の窓」,豊富な語彙が用例とともに示されている「言葉を広げよう」,さまざまな図書が紹介文と写真入りで取り上げられている「読書案内」など,学ぶ意欲を引き出すページが随所に設けられています。ㅦ基礎編・資料編を中心に,家庭学習に使える学習材が多く用意されています。

❷ 生徒自身が学びの見通しを持ったり,これまで学んだことを振り返ったりすることができます。ㅦ巻頭の折り込みで,国語科のねらいや学習の進め方を,生徒自身が確かめることができます。ㅦ巻末の「言葉の力 一覧」で 3学年の学習のつながりをつかむことができます。また,「学びを支える言葉の力」では,学んだことが国語や他教科の学習,実生活にどう生きていくのかを,「つながる・広がる」の欄で知ることができます。

3.

つながる・広がる

学習のつながり     形     評価しながら聞こう 

    黄金の扇せ

風ぷう

機/サハラ砂さ

漠ばく

の茶会

     観察・

分ぶん

析せき

して論じよう

生活への広がり

 実際に何かを選ばなければいけないとき、

一つの観点からの比較だけで決めつけてしまわずに、さまざ

まな観点から比較して選ぼう。また、何かをより深く理解し

たいときにも、それをほかの物事と比較してみよう。

読﹇

﹈32P

﹈52P

読﹇

﹈94P

﹈105P

❹ 豊かな想像力と,共感する心,他者と協働する精神を養う題材

思いに寄り添う。思いを貫く。

3839

◆ 読む〈 文学一 〉 百科事典少女

読む〈文学一〉「

言葉の

作品を批評する」(36ページ)の学びを生かして読もう。

百科事典少女

小お

川がわ

洋よう

子こ

 アーケードにやってくるお客さんの中で、最も長い時

間をそこで過ごしたのは、私わ

たし

がひそかに〝紳し

士し

おじさん〟

とあだ名をつけた男性だった。彼か

はすらりとした背せ

かっ

こうにスーツがよく似合い、物も

腰ごし

が柔や

らかく、目もとが

理知的で、子供の私が思い描え

く紳士の雰ふ

囲い

気き

を全て備え

ていた。ちなみに私の紳士像形成に大きな影え

響きょう

を与あ

えた

のは、孤こ

児じ

のジュディを陰か

から支え続けたお金持ちのあ

しながおじさんだった。

 紳士おじさんが訪お

とず

れるのは、アーケードのいちばん奥お

中庭の西角にある読書休き

ゅう

憩けい

室と決まっていた。そこは買

い物に疲つ

れたお客さんがひと休みしたり、連れの子供た

ちが暇ひ

をつぶしたりするための部屋で、百冊ほどの本と�

魔ま

法ほう

瓶びん

に入ったホットレモネードが用意され、アーケー

ドのお店のレシートを見せれば誰だ

でも好きなだけ利用で ①

きる仕組みになっていた。

 その仕組みを考えたのは父だった。事務所兼け

倉庫兼住

宅の、たいして役に立っていなかった一階倉庫部分に手

を加え、本ほ

棚だな

を作り、娘む

すめ

の絵本を並べるところからスター

トして少しずつ蔵書を増やしていった。私が十一歳さ

の頃こ

の話だ。

 読書休憩室のあるアーケード。この発想に父は満足し

ていた。もちろん私も大喜びだった。乱雑に段ボールが

積み上げられた薄う

暗ぐら

い倉庫よりも、本の並ぶ小部屋のほ

うがずっとおしゃれで居い

心ごこ

地ち

がよかった。それにもとも

と、二階に住んでいるのだから、私にとっては自分の本

棚が充じ

ゅう

実じつ

するのと同じことなのだった。

 誕生日とクリスマス、父は必ず本をプレゼントしてく

れた。「小公女」「ニルスのふしぎな旅」「太陽の戦士」「グ

510

152025

リム童話選」「青い鳥」そして「あしながおじさん」。リ

ボンを解くと私はすぐにそれを読書休憩室の本棚に並べ

た。新しい本を一冊、棚の奥にすっと滑す

り込こ

ませる感か

触しょく

が私は好きだった。それを読むのと同じくらいの、胸の

高鳴りを覚えた。一冊分の厚みだけ自分の世界が広がっ

たようで、なぜかしら誰にともなく自じ

慢まん

したい気分に

なった。

 父が仕事をしている間(大お

家や

というのがどういう仕事

なのか私には分からなかったのだけれど)、私はずっと

読書休憩室にいた。背もたれにチューリップの絵が描か

てある塩化ビニールの椅い

子す

に腰かけ、一心に本を読んで

過ごした。路面電車が走り過ぎてガラス戸がガタガタ

鳴っても、レシートを持ったお客さんが入ってきても気

にならなかった。それでもときおり、顔を上げて、父の

姿を探した。父は中庭のテーブルに書類を広げて何か難

しそうな顔をしているか、どこかの店先で店主と談だ

笑しょう

ているかした。その様子を確か

認にん

すると再び私は、本の世

界に戻も

った。

 Rちゃんは唯ゆ

一いつ

、レシートなしで読書休憩室に出入り

できるお客さんだった。厳密にいえばレシートを持って

5101520

222223

◆ 読む〈 読書 3 〉 最後の一句

 太田は別に思案もないので、佐佐に同意して、昼過ぎ

に東町奉行稲垣をも出席させて、町年寄五人に桂屋太郎

兵衛が子供を召め

し連れて出で

させることにした。情偽があ

ろうかという、佐佐の懸け

念ねん

ももっともだというので、

白しら

洲す

へは責め道具を並べさせることにした。これは子供

を脅お

して実じ

を吐は

かせようという手段である。

 ちょうどこの相談が済んだところへ、前の与力が出て、

入り口に控ひ

えて気け

色しき

をうかがった。

 「どうじゃ、子供は帰ったか。」と、佐佐が声を掛けた。

 「御ぎ

意い

でござりまする。お菓子を遣つ

わしまして帰そうと

いたしましたが、いちと申す娘がどうしても聴きませぬ。

とうとう願書を懐

ふところへ

押お

し込こ

みまして、引き立てて帰しま

した。妹娘はしくしく泣きましたが、いちは泣かずに帰

りました。」

「よほど情の剛こ

い娘と見えますな。」と、太田が佐佐を

顧みて言った。

 十一月二十四日の未ひ

つじ

の下げ

刻こく

である。西町奉行所の白洲

ははればれしい光景を呈て

している。書院には両奉行が列

座する。奥お

まったところには別席を設けて、表向きの出

㊴㊵

座ではないが、城代が取り調べの模様をよそながら見に

来ている。縁え

側がわ

には取り調べを命ぜられた与力が、書か

役やく

を従えて着座する。

 同心らが三み

道どう

具ぐ

を突つ

き立てて、いかめしく警固してい

る庭に、拷ご

問もん

に用いる、あらゆる道具が並べられた。そ

こへ桂屋太郎兵衛の女房と五人の子供とを連れて、町年

寄五人が来た。

 尋じ

問もん

は女房から始められた。しかし名を問われ、年を

問われたときに、かつがつ返事をしたばかりで、そのほ

かのことを問われても、「いっこうに存じませぬ。」「恐

れ入りました。」と言うよりほか、何ひとつ申し立てない。

 次に長女いちが調べられた。当年十六歳にしては、少

し幼く見える、痩や

せ肉じ

の小娘である。しかしこれはちと

の臆お

する気色もなしに、一部始終の陳ち

述じゅつ

をした。祖母の

話を物陰から聞いたこと、夜になって床に入い

ってから、

出願を思い立ったこと、妹まつに打ち明けて勧か

誘ゆう

したこ

と、自分で願書を書いたこと、長太郎が目を覚ましたの

で同行を許し、奉行所の町名を聞いてから、案内をさせ

たこと、奉行所に来て門番と応対し、次いで詰衆の与力

に願書の取り次ぎを頼んだこと、与力らに強要せられて

51015

20253035

ㅦ文学では,登場人物の思いや意志に触れながら,想像力や共感する心を育んでいくことができます。ㅦ平和への思いを受け継ぐ作品が各学年に掲載されています。ㅦ「話す・聞く」では,協働的な学びができるように,活動の内容や流れが工夫されています。

p.9~「『言葉の力』を探しに行こう」,p.11~「学習の進め方・教科書の使い方」,p.15~「これから 1 年間で学ぶこと」 p.234~「比較する」より

万まん

葉よう

・古こ

今きん

・新しん

古こ

今きん

いにしえより伝わるやまと歌。古128

おくのほそ道みち

旅に生きる。俳はい

諧かい

とともに。古135

論ろん

語ご

孔こう

子し

に学ぶ人生の英知。古144

言葉の移り変わり言150

絶ぜつ

滅めつ

の意味絶滅してもかまわない 生物はいるのか。

読62

黄金の扇せん

風ぷう

機/サハラ砂

漠ばく

の茶会 「美」は世界共通なのか。

読94

観察・分ぶん

析せき

して論じよう批評文

3 枚のポスター。 最優

ゆう

秀しゅう

作はどれだ。

書105

論理的に読む前の学習材と併

あわ

せて学ぼう。学73

比ひ

較かく

する

次の学習材で学びを生かそう。学104

左:p.38~「百科事典少女」右:p.214~「最後の一句」

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3. 対照表

4. 上記の記載事項以外に特に意を用いた点や特色

図書の構成・内容 特に意を用いた点や特色  ( )内は,教育基本法 第 1章 第 2条のうち,特に関連の深いものを示す。 該当箇所

四季を味わう言葉季節ごとの動植物を表す言葉に触れて,我が国の言語文化に親しみを持つとともに,自然を大切にする心を育みます。(第 4・5号)

巻頭口絵

言葉を磨く「二つのアザミ」を通して,言葉に対する細やかな感覚を磨いていきます。(第 1号)俳句の鑑賞と創作を通して,豊かな情操を育みます。(第 1・5号)2・3年を通して,敬語をしっかりと学びます。(第 1・3号)

18~20ページ 21~27ページ 30ページ

作品を論じる二編の小説「形」「百科事典少女」を読み,その特徴や魅力を捉えて批評することを通して,思考力と表現力を養います。(第 1号)「共助」をテーマにしたスピーチを聞いて,公共の精神を育みます。(第 3号)

32~37,38~50ページ

52~55ページ

文章の展開を 考える

生物の絶滅について論じた「絶滅の意味」を読んだり,環境問題を題材にミニ雑誌を編集したりして,生態系について認識を深めるとともに,環境の保全に寄与する態度を養います。ミニ雑誌の編集では,創造性も育みます。(第 2・4号)

62~71,75~81ページ

多面的に 検討する

美と文化との関わりを論じた二つの評論文を読み比べることを通して,主体的に考えを深めようとする姿勢と,異文化を尊重する態度を養います。(第 1・2・5号)環境問題に関わるポスターの批評文を書き,環境に対する意識を高めます。(第 4号)面接などの場面に応じて話す活動を通して,社会に参画する態度を養います。(第3号)

94~102ページ

105~113ページ 115~120ページ

伝統文化に 親しむ

豊富な写真資料と併せて古典を学び,伝統文化に親しみます。(第 5号)古人の言葉を,自らの生活や生き方に生かそうとする姿勢を養います。(第 5号)

128~143ページ 144~149ページ

関係を読む 社会の中で生きる人々の姿を描いた「故郷」を通して,豊かな情操を育み,人間と社会との関わりについて認識を深めます。(第 1・3号)

154~169ページ

思いを馳せる

「いつものように新聞が届いた―メディアと東日本大震災」を読んで,失われた多くの命や,地元の新聞記者たちの心情に思いを馳せるとともに,メディアや情報の役割と意義について考えを深めます。(第 1~5号)問題を解決するために議論の進め方を工夫して話し合うことを学び,合意形成を目指す姿勢を養います。(第 3号)

自分を見つめて手紙を書く活動を通して,自立する意識を養います。(第 2号)

184~195ページ

197~202ページ

203~207ページ

読書への招待/ 読書案内

「落語の秘密」を読んで,伝統芸能に親しみ,受け継ぐ心を育みます。(第 5号)「何のために『働く』のか」を読み,職業や社会参画への意識を高めます。(第 2・3号)森鴎外の「最後の一句」を読み,近代文学に親しみます。(第 1・5号)一年間を通して多種多様な読書案内が配置され,3学年で 305 冊ものさまざまなジャンル・テーマの本が紹介されています。(第 1~5号)

84~89ページ 174~179ページ 214~229ページ 90~92,230~232ページ ほか

詩他者とのつながりをうたう「生命は」,大切な人の死をうたう「レモン哀歌」,原爆の惨禍の中で受け継がれる命をうたう「生ましめんかな」を学びます。(第 3・4・5号)

「日本語のしらべ」として,島崎藤村の「初恋」を学びます。(第 5号)

巻頭見返し, 210~213ページ 124~126ページ

広がる言葉 学年に 4か所ある「広がる言葉」で語彙を広げることができます。(第 1号) 51ページ ほか

【 基礎編 】国語科だけでなく,全教科および実生活にも生きる,基礎的な知識・技能(「学びを支える言葉の力」)を取り立てて学び,鍛えていきます。(第 1号)

234~251ページ

【 資料編 】本編の作品と読み比べられる小説・説明文や古典作品の解説,語彙・漢字資料など,多くの資料が掲載され,自主的な学習に役立てることができます。(第 1~5号)

264~336ページ

123

456

7

 教育基本法に定められた教育の根本精神に基づき,幅広い知識・教養と思考力,豊かな人間性,伝統文化を受け継ぐ心,未来を切りひらく創造性と公共の精神を育む,多彩な学習材や学習活動が調えられています。

 全ての生徒の学びが確かなものとなるように,カラーバリアフリーを含めたユニバーサルデザインや,特別支援教育等の観点から,次のような配慮がなされています。ㅦ全ての生徒にとって,紙面上の各部分の区分けや働きが分かりやすく,重要な部分が判別しやすいように,文字の大きさと書体,罫線や囲みの使い方,色遣いなど,デザイン・レイアウトの工夫がなされています。ㅦ小学校で学習していない漢字には,学習材ごとの初出箇所に振り仮名が付けられていて,生徒の抵抗感を和らげています。

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1. 編修上特に意を用いた点や特色

編 修 趣 意 書(学習指導要領との対照表,配当授業時数表)

別紙様式 9

受理番号 学 校 教 科 種 目 学 年

2 6 ― ­8 4 中 学 校 国 語 科 国 語 第 3 学年発行者の番号・略称 教科書の記号・番号 教 科 書 名

2   東 書 国 語 9 2 7 新 編   新 し い 国 語   3

「言葉の力」を,しっかり鍛える。―どんな力を,どうやって身につけるのか。その問いに答える教科書です。

ㅦ国語学習で身につけたい知識・技能のポイントが,「言葉の力」として,各学習材に明確に示されています。ㅦそれぞれの「言葉の力」は,各学習材間でつながりを持ちながら,中学校 3年間で系統的に積み上がるように配置されています。習得した知識・技能を後の学習で活用することによって,思考力・判断力・表現力を高めることができます。ㅦ基礎編「学びを支える言葉の力」では,「話す・聞く」「書く」「読む」に共通して必要となる基礎的な「言葉の力」(知識・技能)を,取り立てて鍛えることができます。本編の「学びの扉」が,「学びを支える言葉の力」への入り口となっています。

1.

読む〈構成・展開〉

オオカミを見る目

学びの扉

分類する

書く〈伝達〉

構成を考えて書こう

分かりやすく伝える

3

読む〈構成・展開〉

鰹節―世界に誇る伝統食

学びの扉

要約する

学びの扉

テーマを立てて説明する

書く〈伝達〉

調べて考えたことを伝えよう

伝え方を工夫する

3

読む〈構成・展開〉

絶滅の意味

説得力を高めるための論の進

め方を捉える

学びの扉

論理的に読む

学びの扉

素材を生かして表現する

書く〈伝達〉

編集して伝えよう

内容を膨らませて書く

推敲して読みやすい文章に仕

上げる 文

章の展開を考える

3

読む〈吟味・判断〉

スズメは本当に減っているか

学びの扉

事実と考えを区別する

書く〈論証・説得〉

根拠を明確にして書こう

考えをまとめる

4

読む〈吟味・判断〉

哲学的思考のすすめ

学びの扉

論証の組み立てを捉える

書く〈論証・説得〉

反対意見を想定して書こう

説得力を高める

4

読む〈吟味・判断〉

黄金の扇風機

サハラ砂漠の茶会

読み比べて自分の考えをまと

める学

びの扉

比較する

書く〈論証・説得〉

観察・分析して論じよう

複数の対象を比較する

説得力のある批評文を書く

批評文を評価する

多面的に検討する

4

読む〈言葉とメディア〉

ニュースの見方を考えよう

書く〈情報発信〉

学校新聞の記事を書こう

表現を考える

7

読む〈言葉とメディア〉

「正しい」言葉は信じられるか

書く〈情報発信〉

タウン誌の記事を推敲しよう

効果的に表現する

7

読む〈言葉とメディア〉

いつものように新聞が届いた

 ―メディアと東日本大震災

情報をより深く捉える

思いを馳せる

7

〈分析する力〉論理的に読む

〈解釈する力〉人物どうしの

関係に着目する

〈表現する力〉素材を生かして

表現する

〈議論する力〉合意を形成する

〈説明する力〉目的や相手に

応じて説明する

〈整理する力〉比較する

【 基礎編 】学びを支える言葉の力実用的な言葉の力論理的な言葉の力創造的な言葉の力

深まる 積み上がる

言葉の力

積み上がる

つながるつながる

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生命は  吉野 弘 [詩]扉の俳句七句 [俳句]口絵 扉 うち六句 新二つのアザミ  堀江敏幸 [随筆]新 書俳句の読み方、味わい方  片山由美子 [俳句の鑑賞文]書形  菊池 寛 [小説]百科事典少女  小川洋子 [小説]新初恋  島崎藤村 [詩]故郷  魯 迅 [小説]レモン哀歌  高村光太郎 [詩]生ましめんかな  栗原貞子 [詩]新最後の一句  森 鴎外 [小説]読書【資料編】風の唄  あさのあつこ [小説]

絶滅の意味  中静 透 [論説文]書落語の秘密  大友 浩 [説明文]読書 新 書黄金の扇風機  田中真知 [評論文]新サハラ砂漠の茶会  千住 博 [評論文]新何のために「働く」のか  姜 尚中 [評論文]読書いつものように新聞が届いた―メディアと­ ­­ 東日本大震災  今野俊宏 [ドキュメンタリー]新 書【資料編】知床―流氷を巡る循環  立松和平 [随筆]書

読むこと ●

文学

読むこと ●

説明文

ㅦ各学習材には,学習のねらいや進め方が分かりやすく示され,生徒が主体的に学習に取り組めるように工夫されています。ㅦ「話す・聞く」「書く」の学習材では,生徒の活動の助けとなるよう,具体例が豊富に盛り込まれています。また複数の完成作品例が示されるなど,生徒の多様な思考・表現を支援する配慮がなされています。

目標学習材冒頭および「てびき」に示されている目標と,「てびき」に示されている言語活動を確認し,学習の見通しを持つ。

文章/脚注/読み取る・考えを深める/言葉の力文章を通して読み,脚注の言葉や漢字を確かめる。「てびき」の「読み取る」設問に沿って,内容を読み取る。「てびき」の「考えを深める」設問に沿って,内容や構成・表現について考えを深める。

「言葉の力」で学習のポイントを確認する。

広がる言葉・広がる漢字文章と関連して,使える言葉や漢字を増やす。

目標/学習の流れ(例)学習材冒頭に示されている目標と,「学習の流れ(例)」を確認し,学習の見通しを持つ。

学習の手順・具体例/言葉の力初めに,必要に応じて,基本的な技能の練習をする。学習材の上段で,言語活動の手順を学ぶ。適宜,学習のポイントである「言葉の力」を確認する。活動の過程では,学習材の下段の具体例を参考にする。学習材末尾の完成作品例(適宜複数示されている)も参考にする。

学習を振り返ろう最後に学習を振り返り,目標に照らして自己評価を行う。

話すこと・聞くこと/書くこと 読むこと

知性と感性を,もっと豊かに。―日本の言語文化を受け継ぎ,未来を切りひらいてゆく言葉の担い手を育てます。2.

新…「読むこと」「古典」の新学習材,書…教科書のために書き下ろした作品

ㅦ現代の作家の新鮮な作品から定評のある作品,近代文学の名作まで,幅広い作品が掲載されています。 ㅦ登場人物の思いや意志に触れながら,想像力や共感する心を育んでいくことができます。 ㅦ各扉に詩歌が配置され,美しい日本語に触れることができます。

ㅦ学習目標に則した書き下ろしの文章が数多くあります。 ㅦ構成の明快な文章を通して,論理的・批判的に考える力を磨くことができます。読み比べや図表の読み取りも扱われています。 ㅦ文化論,科学論,メディアリテラシー等の,知的好奇心に訴える文章から,多様な考え方を学ぶことができます。

「二つのアザミ」より

p.75~「編集して伝えよう」 p.94~「黄金の扇風機」と「サハラ砂漠の茶会」の読み比べ

「絶滅の意味」より

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四季を味わう言葉 口絵 新万葉・古今・新古今 万葉…八首  古今…仮名序/四首  新古今…四首おくのほそ道 冒頭/平泉論語 論語…五つ うち二つ 新  古典の言葉…十 うち九つ 新【資料編】恋の歌  鈴木健一 書

「おくのほそ道」の旅  深沢了子 書­ [発展]古典の文法

評価しながら聞こう場面に応じて話そう 条件スピーチ話し合いで問題を解決しよう チャート式討論【資料編】話し合いの方法

俳句を作って句会を開こう編集して伝えよう 「環境」のミニ雑誌観察・分析して論じよう 批評文今の思いをまとめよう 時を超える手紙【資料編】手紙の書き方/­ ­

原稿用紙の使い方・推敲の観点(自己紹介文)

古典(伝統的な言語文化)

話すこと・聞くこと

書くこと

ㅦ「四季を味わう言葉」では,暮らしの中で受け継がれてきた季節感豊かな言葉に触れることができます。 ㅦ古典の学習材では,鑑賞・紹介の文章や美しい写真資料が豊富に掲載されていて,伝統的な言語文化の豊かさを知り,古典作品に親しめるように,工夫されています。

ㅦ友達と言葉を交わして,よりよく理解し合いながら学びを深める活動が取り上げられています。 ㅦ互いに認め合い,高め合い,協力し合う心性を育むことができます。

ㅦ実用的な文章,論理的な文章,創造的な文章と,多様な文種を書く活動がそろっています。 ㅦ分かりやすく説得力をもって書くことを通して論理的思考力を,発想豊かに書くことを通して想像力を養っていくことができます。

学ぶ心に,火をつける。―生徒を主体的な学びへといざなう仕掛けを随所にちりばめました。

ㅦ楽しく学ぶ 個性あるキャラクターが登場し,生徒にさまざまな気づきを促してくれます。また,苦手意識を持たれがちな文法をゲーム感覚で楽しく学べる「文法の窓」が設けられているなど,学ぶ意欲を高める数々の工夫がなされています。ㅦ学び方を知る 巻頭折り込みには,国語で何を学ぶのかということや学習の進め方が,生徒にも分かるように示されています。また,中学 1年の最初に確認しておきたい小学校の既習事項が,「学習を始める前に」として資料編に掲載されています。ㅦつながる・広がる 巻末には 3学年の「言葉の力 一覧」が掲載されていて,3年間の学習の流れを見通すことができます。また,「学びを支える言葉の力」には,学んだことが国語や他教科の学習,実生活にどう生きていくのかが示されています。ㅦ語彙を豊かにする 「読む」学習材末に「広がる言葉」,資料編に「言葉を広げよう」が設けられていて,生徒の語彙を豊かにする手立てが工夫されています。「広がる言葉」「言葉を広げよう」には,3学年で 1570 の言葉が掲載されています。ㅦ読書が進む 教科書で読んだ作品をきっかけに,さまざまな本に手を伸ばすことができるように,「読書案内」が工夫されています。多種多様なテーマの本,古典,翻訳書,話題の作品から名作まで,3学年で 305 冊の本が紹介されています。ㅦ家庭で学ぶ 資料編には,本編の作品と関連させて読むことのできる文学・説明文・古典の作品や,「話す・聞く」「書く」の学習に役立つさまざまな資料が掲載されています。資料編の学習材は家庭学習で活用することもできます。

3.

「おくのほそ道」より

「評価しながら聞こう」より

「編集して伝えよう」より

p.303~「言葉を広げよう」 p.152「文法のまとめ」 p.286~「本と出会おう」 p.283「書評に親しもう」

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教科書の特色教育基本法の遵守

教育基本法の目的と理念を実現するため,特に次の 4点を育むことを重視して編集されています。­ ­①­幅広い知識・教養と思考力 ②­豊かな人間性 ③­伝統文化を受け継ぐ心 ④­未来を切りひらく創造性と公共の精神

学習指導要領の遵守

中学校学習指導要領(国語)に示された教科の目標に則り,指導事項と言語活動例はもれなく扱われています。各指導事項を多彩な言語活動を通して習得・活用することができ,知識・技能と思考力・判断力・表現力を養えます。「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」が重視されていて,伝統文化や言語について深く学ぶことができます。

内容・系統

「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」の学習が,相互に関連しながら,3年間で系統的に積み上がるように構成されています。また,各領域を支える基礎的な力を鍛える「学びを支える言葉の力」が設けられています。「伝統的な言語文化」「国語の特質」の学習は,生徒が意欲的に取り組み,確かな力をつけられるように工夫されています。生徒の知的好奇心に訴え,知性と感性を育む,多彩な題材が用意されています。

配列・分量本編・基礎編・資料編の 3部から成っています。学習指導要領の内容は本編で網羅されており,基礎編・資料編を用いて,適宜学習の深化や拡充が図れます。3学期制でも 2学期制でも各領域等の指導がバランスよくなされるように,学習材の配列が考えられています。

学力の育成

各領域の各学習材に,身につけたい知識・技能が「言葉の力」として明示されていて,その着実な習得が図られています。習得した「言葉の力」を後の学習で活用することによって,思考力・判断力・表現力を高められるようになっています。各領域の「言葉の力」を支える基礎的な力を,「学びの扉」と,それにつながる基礎編「学びを支える言葉の力」において,しっかり鍛えることができます。複数の文章を読み比べる活動や,図表を読み取ったり作成したりする活動が,全学年に用意されています。語彙・文法・漢字を確実に習得するための学習材が設けられ,また,生徒の語彙を豊かにする工夫がなされています。

学習意欲・主体的な学習態度の育成

巻頭折り込みに,国語学習の意義と進め方,1年間の見通しが,生徒にも分かりやすく示されています。巻末の「言葉の力 一覧」を用いて,3年間の学習を見通したり振り返ったりすることができます。また,資料編の「学習用語一覧」を用いて,具体的に学習内容を確かめたり振り返ったりすることができます。「学びを支える言葉の力」では,学んだことが国語や他教科の学習,実生活にどう生きていくのかを確かめられます。多種多様な「読書案内」や「言葉を広げよう」などで,主体的に読書をしたり語彙を豊かにしたりする態度を養えます。キャラクターの使用,ゲーム仕立ての学習材,折り込みの効果的な使用など,生徒の学習意欲を高める工夫が豊富です。

伝統・文化の取り上げ方

我が国で長く読み継がれてきた優れた古典作品が,多くの美しい写真資料とともに掲載されています。古典の鑑賞・紹介の文章も豊富に掲載されています。また,近代文学や近代詩の名作も,全学年に掲載されています。口絵と扉に季節感のある言葉や詩歌が掲載されていて,一年を通じて日本の豊かな風土に培われた言語文化に親しめます。「話すこと・聞くこと」「書くこと」「読むこと」でも,日本の伝統・文化に関する文章や言語活動が多く扱われています。

今日的課題の取り上げ方

次のように,さまざまな今日的課題に対応した内容が扱われています。([ ]内は扱われている学年・ページの例)­ ­生命の尊重,安全・防災[3年 p.184~] 環境[3年 p.62~] 人権・福祉[2年 p.80~] キャリア教育[3年 p.174~]食育[2年 p.60~] 郷土への思い[3年 p.52~] 国際理解・平和[1年 p.82~] メディアリテラシー[1年 p.186~]

小学校・高校との関連

「言葉の力」は,小学校国語の学習内容を受け,小中 9年間の見通しを持って系統的に設定されています。1年では「学習を始める前に」で,小学校で学んだ,国語学習の土台となる内容を,適宜確かめることができます。3年では評論文が多く扱われ,資料編で「古典の文法」も学べるなど,高校国語へ移行しやすいように配慮されています。

他教科・実生活との関連

全教科の学習と実生活の言語活動を支える基礎的な力を,「学びを支える言葉の力」で鍛えることができます。レポートや,手紙,スピーチ,多様な話し合いなど,他教科の学習や実生活で生きる言語活動が豊富に扱われています。社会,理科,技術・家庭,音楽など,他教科と関連する題材が積極的に取り上げられています。

道徳との関連 豊かな情操を育む文学作品,共感する心を養うドキュメンタリー,公共の精神を育てる協働的な言語活動が豊富です。

家庭学習への配慮

巻頭折り込みに学習の進め方が示され,その中で,家庭でも扱うことができる学習内容にマークが付けられています。特に資料編には,自学できる素材が多く掲載されています。例えば「言葉を広げよう」には,3学年で 1412 もの言葉が,分類されて,全て例文つきで示されていて,生徒が語彙を豊かにしていけるようになっています。

読書生活への配慮

多種多様な「読書案内」が用意されていて,3学年で 305 冊もの本が,紹介文と写真入りで掲載されています。読んだ本を紹介したり,その内容について話し合ったりする読書活動が,全学年に複数示されています。

情報活用・ICT活用

全学年に「言葉とメディア」の系統が設けられていて,メディアリテラシーを深く学ぶことができます。デジタルコンテンツを利用することが効果的な学習材には,そのことを示すマークが付けられています。

特別支援・ユニバーサル

デザイン

特別支援教育の観点から,内容およびデザインについて検討・校閲がなされています。全ての生徒にとって,各部分の認識や重要な部分の判別がしやすいように,文字の大きさと書体,罫線や囲みの使い方,色遣いが工夫されています。カラーバリアフリーの観点からも,全ページにわたり配色とデザインの検証が行われています。小学校で学習していない漢字には,学習材ごとの初出箇所に振り仮名が付けられていて,生徒の抵抗感を和らげています。

文字・印刷・製本

本文書体に,小学校教科書で使用されている教科書体に筆遣いや字形を合わせた,特別な明朝体が使用されています。環境への配慮から,再生紙・植物油インキが用いられています。本文用紙は軽量化が図られ,製本は堅牢です。

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2. 対照表

ページ 学習材名 指導事項・言語活動例との対応 配当時数 配当学期話 書 読 伝 話 書 読 伝巻頭 生命は ア 1

前期49時間/書・予2時間

一学期33時間/書・予3時間

18 二つのアザミ ア 121 俳句の読み方,味わい方 ア,ウ 226 俳句を作って句会を開こう エ 228 和語・漢語・外来語 イ(イ) 130 間違えやすい敬語 イ(ア) 132 形 イ,ウ/活ア 338 百科事典少女 イ,ウ/活ア 452 評価しながら聞こう ウ/活ア 256 連語・慣用句 イ(イ) 158 熟語の構成・熟字訓 ウ(ア),(イ) 162 絶滅の意味 イ,エ 473 論理的に読む イ 174 素材を生かして表現する ア 175 編集して伝えよう ア,ウ/活イ 5

82 四字熟語 イ(イ),ウ(ア),(イ) 1

84 落語の秘密 オ/活ウ 294 黄金の扇風機/サハラ砂漠の茶会 ウ,エ/活イ 4

二学期37時間/書・予5時間

104 比較する ア 1

105 観察・分析して論じよう ア,イ,エ/活ア

5

114 目的や相手に応じて説明する ア 1115 場面に応じて話そう ア,イ/活ア 3

121 曖昧な文・分かりづらい文  イ(イ),2年イ(ウ) 1

122 送り仮名 ウ(ア),(イ) 1124 初恋 ア 1

後期41時間/書・予13時間

128 万葉・古今・新古今 ウ ア(ア) 3 (3)135 おくのほそ道 ウ ア(ア) 3 (3)144 論語 イ エ ア(イ) 1 2 (3)150 言葉の移り変わり イ(ア) 1

152 文法のまとめ  イ(イ),2年イ(エ) 1

154 故郷 イ,エ/活ア 5171 人物どうしの関係に着目する イ 1172 紛らわしい漢字 ウ(ア),(イ) 1174 何のために「働く」のか オ/ 活ウ 2

184 いつものように新聞が届いた ―メディアと東日本大震災 エ 3 三

学期20時間/書・予7時間

196 合意を形成する エ 1197 話し合いで問題を解決しよう エ/活イ 4203 今の思いをまとめよう ア,ウ 5208 間違えやすい言葉 ウ(ア),(イ) 1210 レモン哀歌 ア,エ 1212 生ましめんかな ア,エ 2214 最後の一句 エ 3

計 11 20 48 11 90書写および予備 15

総計 105[ 備考 ]・見出し欄の,「話」は「話すこと・聞くこと」領域,「書」は「書くこと」領域,「読」は「読むこと」領域,「伝」は「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」を表す。・「指導事項・言語活動例との対応」の「話」「書」「読」欄に,活とともに示された記号は言語活動例を表し,それ以外の記号は指導事項を表す。・「指導事項・言語活動例との対応」の「伝」欄に,「2年」と示された記号は,第 2学年の「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」を表す。・「配当時数」の「伝」欄に,括弧付きで示された数字は,それぞれの学習材における「書」および「読」の配当時数を合計したものである。・「配当学期」欄に, 書・予とともに示された数字は,書写および予備の時数である。・「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の「イ(イ)」は,上表に記載した学習材のほか,「読むこと」の全ての学習材で扱っている。・「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の「ウ(ア)」のうち,第 2学年までに学習した常用漢字については,読み慣れることを目的として全ての学習材で扱っている。その他の常用漢字については,378 字を第 3学年で新出漢字として提出している。・「伝統的な言語文化と国語の特質に関する事項」の「ウ(イ)」は,上表に記載した学習材のほか,「書くこと」の全ての学習材で扱っている。

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編 修 趣 意 書(発展的な学習内容の記述)

受理番号 学 校 教 科 種 目 学 年

2 6 ― ­8 4 中 学 校 国 語 科 国 語 第 3 学年発行者の番号・略称 教科書の記号・番号 教 科 書 名

2   東 書 国 語 9 2 7 新 編   新 し い 国 語   3

別紙様式 10

ページ 記  述 類型 関連する学習指導要領の内容や内容の取扱いに示す事項   

294 〜 295ページ­

古典の文法 2 第 2章 第 1節 第 3 3(5)「古典に関する教材については,古典の原文に加え,古典の現代語訳,古典について解説した文章などを取り上げること。」

( 発展的な学習内容の記述に係る総ページ数  2 )

(「類型」欄の分類について)1……­学習指導要領上,隣接した後の学年等の学習内容(隣接した学年等以外の学習内容であっても,当該学年等の学習内容と直

接的な系統性があるものを含む)とされている内容2……学習指導要領上,どの学年等でも扱うこととされていない内容