Post on 14-Mar-2020
社会基盤工学“Civil Engineering”
問題 Problems
1)構造1・Structures 1
2)構造2・Structures 2
3)材料1・Materials 1
4)材料2・Materials 2
5)水工1・Hydraulics and Fluid Mechanics 1
6)水工2・Hydraulics and Fluid Mechanics 2
7) 画1・Planning 1
8) 画2・Planning 2
9) 画3・Planning 3
10) 画4・Planning 4
P M
EI
x
l
w
図1片持ち梁
構造1 部材の変形は微小であると仮定し、以下の問題に回答せよ。 第 1 問 図 1 に示されているような片持ち梁について考える。材料のヤング率E、梁の断面二次
モーメント I は一様で、端点で点荷重P及びモーメントM を受けているものとする。端点
のたわみ量wをP及びM の関数として求めよ。 第 2 問 図 2 に示すように、 x方向のみに移動する物体 A に備え付けられた緩衝装置を考える。
緩衝装置は初期状態ではまっすぐな板バネであり、ヤング率 E・断面二次モーメント I は
一様であるとする。板バネは上端・下端で支えられ、両端点ともに一定なモーメント 0M が
与えられているとする。また、両端点は y方向へ自由に移動できるものとする。 (1) 緩衝装置は壁との衝突時には壁に押し付けられ、図2(b)に示すように中央部分が壁
と接する状態となる。このとき、壁と接している部分と接していない部分の境界にお
いて満たされるべき力学的条件を示せ。 (2) 緩衝材の長さを Lとした場合、壁と接していない部分の長さが lとなるような荷重 P
を求め、Pと lの関係の概略を図示せよ。 (3) 壁と物体の距離 xと荷重Pの関係を求め、概略を図示せよ。
x
AM
Wall
0
M0
Bumper
Spring
y
図2(a) 物体 A と緩衝材
A
M
Wall
0
M0
l
l
P
P
図2(b) 壁に押し付けられた状態
構造2
地震を受ける 2 階建て建物を,下図に示したとおり各フロアを質点 m1,m2,柱
をばね k1,k2としてモデル化した.また,c1,c2は,各階の減衰をモデル化したダ
ッシュポットである.x1,x2 は各フロアの水平方向の変位を,z は地震による地
面の水平方向の変位を表す.
第1問
この系の運動方程式を導け.また,この構造物はいくつの振動モードを持つか?
第2問 m1=1, m2=2, k1=1, k2=1, c1=0, c2=0 として,固有振動数ならびに固有振動モー
ド形を求めよ.
第3問
この建物にダンパーなどの制震装置を設置して,耐震性能を向上させたい.制
振装置によって,減衰特性 c1,c2 を任意に変化させることができると仮定して,
望ましい設計(c1,c2の選択)を提案し,その理由を述べよ.
k1
k2
c1
m1
m2
c2
z
x2
x1
1
材料1
第1問 次の各問いに関して答えよ。
(1) 図-1に示す断面(主鉄筋:直径 32mm×4 本,鉄筋断面積:1本あたり
8.0cm2)を有するRCはりの終局曲げ耐力を算定せよ。 (2) せん断補強鉄筋の無いRCはりの見かけのせん断強度(≡せん断耐力/はり
の断面積)を左右する要因を3つあげて概説せよ。 (3) 図-1に示す断面を有する RC はりが図-2に示す集中荷重を受けると,せ
ん断補強鉄筋を配置しない場合には,荷重 P が 40 tonf (400kN)で斜めせん
断ひび割れが発生して,せん断破壊することが解っている。このとき,この
はりがせん断破壊することなく曲げ破壊するようにするためには,せん断補
強鉄筋(スターラップ)をいかなる間隔で配置すればよいか。せん断補強鉄筋
(スターラップ)の直径は 13mm,1 本当りの断面積は 1.3cm2とする。 注) 計算で必要なデータが与えられていないと判断した場合には,その値を定義,
仮定して計算を行うこと。
第2問 (1) 図-3は海沿いに建設され 40 年の供用期間を経た,ある RC 橋りょう桁下
部を撮影したものである。図から劣化症状を診断し,劣化の原因と機構を説
明せよ。 (2) この構造物の補修案を具体的に提示せよ。 (3) RC 構造の劣化をもたらす要因と機構について,(1)で述べた以外のものを
2つ述べよ。 (4) 耐久的なコンクリート構造物を実現する上で重要な項目を,「材料」「施工」
「構造」の観点から2つずつ挙げよ。 第3問 以下の各項目について 5 行以内で説明せよ。必要に応じて図等を用いて説明
せよ。 (1) 自己充てんコンクリートの配合上の特徴 (2) 再生骨材の利用促進に関わる技術的方策 (3) 乾燥収縮ひび割れと温度ひび割れの機構 (4) 相互作用図の定義とその意味 (5) 性能照査型設計法の特徴と長所
2
30cm55
cm150cm 150cm
P
鉄筋の降伏強度(主鉄筋およびせん断補強筋) 3500kgf/cm2 (350N/mm2)コンクリート圧縮強度 400kgf/cm2 (40N/mm2)
主鉄筋4本配置主鉄筋直径 32mm主鉄筋1本当りの断面積8.0cm2
60cm
60cm
図-1 図-2
図-3
B A B σ3A =σ1B
σ1A σ3B σ3B
σ1B
R=W
材料 2
第1問 砂の三軸圧縮試験において、鉛直有効応力 400kPa と水平有効応力 100kPa
を供試体に作用させた。この応力条件を対象に、次の各問いに答えよ。ただし、
√3=1.7 とする。 (1) モールの応力円を図示せよ。 (2) 動員されている内部摩擦角をφ とするとき、sin φ の値を求めよ。 (3) 水平面から 30 度傾いた面上に作用しているせん断応力τ30 と有効直応力σ30'
の値を求めよ。また、この応力状態に対応する点を(1)のモールの応力円上に
示せ。 (4) 任意の面上に作用しているせん断応力をτ、有効直応力をσ'とするとき、τ/σ'
の最大値を求めよ。また、この応力状態に対応する点を(1)のモールの応力円
上に示せ。 第2問 粘着力 c を有する地盤上に上載荷重 p が作用している。この地盤に内部摩擦角
はなく、自重の影響も無視できるものとする。幅 W の基礎の鉛直支持力を対象
に、次の各問いに答えよ。 (1) 図 2-1 のような半径 R=W の円弧すべり面を仮定し、モーメントの釣り合い
から支持力 F1 を求めよ。 (2) 図 2-2 のような 2 種類の主応力状態 A および B を仮定し、それぞれが破壊状
態にあるものとして支持力 F2 を求めよ。 (3) (1)および(2)の結果に基づいて、この基礎の鉛直支持力を向上させるための現
実的な方策を列挙し、そのメカニズムを簡潔に説明せよ。
W W F1 p p F2 p
図 2-1 図 2-2
第3問 図 3 に示す条件下で、透水係数の異なる土を詰めたパイプ A~C を通る間隙
水の流れについて、以下の各問いに答えよ。 (1) それぞれのパイプを通る流量 QA,QB,QCを求めよ。 (2) それぞれのパイプを通る間の水頭の損失量∆HA, ∆HB, ∆HCを求めよ。 (3) システム全体の見かけの透水係数 kap を求めよ。ただし、この透水係数 kapを
有する単一の土を全てのパイプに詰めた場合に、システムの全流量が保たれ
るものとする。 入口の水頭 12 m 7 m
詰めた土の透水係数
パイプ A: kA=4 m/day パイプ B: kB=2 m/day パイプ C: kC=1 m/day
図 3 第4問 次の各問いに答えよ。
(1) 主働土圧、受働土圧、静止土圧の違いについて説明せよ。 (2) (1)のそれぞれの状態の土圧が発揮される典型的な例を挙げよ。 (3) 構造物と土の境界での摩擦が、そこで発揮される土圧の大きさに及ぼす影響
について論ぜよ。
パイプ B (AB=3m2)
パイプ A (AA=6m2) パイプ C (AC=1m2)
出口の水頭
3 m
AA, AB, AC: 断面積
水工1 第1問 以下の問いに答えよ
(1)流体力学における流体の定義を 100 字程度で記述せよ。(質点や構造力学
における固体との違いに注意し、実在の水や空気との違いも考慮せよ。) (2)風洞内で翼回りの流線を見る実験を行なったところ、図1のように翼の
上で流線が狭くなり、翼の下で広くなるという結果が得られた。このことは
上方への力が存在することを示しているが、何故そのようにいえるかについ
て説明せよ。 図1 第 2 問
2 次元ポテンシャル流に関する以下の問いに答えよ。 (1)直交(x-y)座標系において速度ポテンシャルΦ及び流れ関数Ψと流速(ux,uy)の関係を書き下し、それを変形することによって極(r-θ)座標系における流速
(ur, uθ)と速度ポテンシャルΦの関係式を求めよ。 (2)複素速度ポテンシャル W ( W=Φ+iΨ ) が以下のような関数であるとき、
これが一様流中におかれた円柱まわりの流れを表すことを示せ。次に、その
円柱回りの圧力分布を求め、得られた圧力分布の特徴を 200 字程度で記せ。
また、以下の関数において a, Uは正の定数であり、z=x+iy である。
W(z)=U( z+a2
z )
水工2
第1問 非圧縮性の流体について下記の問いに答えよ。粘性流体の場合、 x方向の乱流運動方
程式(レイノルズの方程式)は下記の通り表される。
)(1 ''''2'2
zuw
yvu
xuu
xpF
zuw
yuv
xuu
tu
x ∂∂
+∂∂
+∂∂
−∇+∂∂
−=∂∂
+∂∂
+∂∂
+∂∂ ν
ρ ①
(1) 完全流体の場合、流れの x方向の運動方程式を記述せよ。
(2) 上記(1)の運動方程式と式①の違いについて、30 字程度で記述せよ。
(3) 粗面開水路の2次元の流れの場合、式①の右辺第 3項と第 4項について水深方
向の相対的な大小関係を 50 字程度で記述せよ。
y
x
h
0
constxpFx =∂∂
= ,0
y
x
h
0
y
x
h
0
constxpFx =∂∂
= ,0
(4) 上記(3)で,水深 h、x方向に一様な定常流について、層流の場合,流速の鉛直
分布を表す式を求めよ。
(5) 上記(3)で,水深 h、x方向に一様な定常流について、式①の右辺第 3項を無視
できる場合,右辺第 4項が表す応力の水深方向の分布を求めよ。
第2問
緩勾配 0i の広幅矩形断面水路において,単位幅流量 qを考える。断面 A で水深が
mhA 9.0= である。次の問に答えよ。解答は結果のみでなく導出の過程を記述するこ
と。
(1) この流れの等流水深 0h 、および限界水深 ch を求めよ。
(2) この水路においてエネルギー保存則(Bernoulli の定理)を適用して,開水路
の基礎方程式(微分方程式)を導け。ただし、Manning の粗度係数を nとする。
(3) 水深が mhB 75.0= であるような断面 B は,断面 A の上流か下流かを判定せよ。
理由も説明すること。ただし、 0, hhh BAc << とする。
計画1 第1問 次の用語についてそれぞれ簡潔に数行程度で説明せよ. (1) サイレントマジョリティ (2) 鉄道サービスの上下分離 (3) 戦略的選択アプローチ(SCA: Strategic Choice Approach) (4) 物流共同輸配送 (5) TMO(Town Management Organization) (6) 飽和交通流率 第2問 以下の(1)~(4)の問題から2つを選択して答えよ.どの問題に解答しているのか,問題番号を明示すること.
(1) 交通の側面から見た中心市街地活性化に関して,以下の問いに答えよ.
(1-1)地方都市の中心市街地が衰退する原因を交通の側面から述べよ. (1-2)中心市街地を活性化させるための方法を交通の側面から論ぜよ.
(2) ロードプライシングに関して,以下の問いに答えよ. (2-1)ロードプライシングの種類を列挙し,それぞれの特徴を説明せよ. (2-2)ロードプライシングの適切な料金設定方法について述べよ.
(3) 環境の経済評価に関して,以下の問いに答えよ. (3-1)環境の持つ価値を分類し,それぞれの内容を簡潔に説明せよ. (3-2)環境の経済評価手法を複数挙げ,それぞれの利点と欠点を述べよ.
(4) 交通需要分析の手法に関して,以下の問いに答えよ. (4-1)四段階推定法のように交通需要を段階的に分析することの利点と欠点を述べよ. (4-2)旅客(人)を対象とする場合と,貨物(物)を対象とする場合での交通需要分析手法の違いについて説明せよ.
計画2 第1問 次の用語を数行程度で説明せよ.
(1) 人口予測におけるコーホート要因法 (2) ジニ係数 (3) 内部収益率 (4) 産業連関分析 (5) ディファレンシャル測位(DGPS) (6) GIS におけるベクターモデル 第2問 統計分析に関する以下の各問に答えよ.
(1) 推定量の望ましさを判断するための4つの性質について,その名称と意味を数行程度
で記せ.なお,変数を定義した上で数式を用いても構わない. (2) 検定における有意水準とは何か,数行程度で説明せよ. (3) 主成分分析と重回帰分析の違いについて,それぞれ何を最大・最小とするのか必ず明
示し,5行程度で説明せよ. 第3問 N地点の公示地価 ( )'
21 ,, Nyyy L=y を,都心からの距離,駅からの距離,前面道路幅など
の k個の属性データ ( )'21 ,,, kNkkk xxx L=x によって,以下の回帰モデルで表現したい.
εXβy +=
なお, ( )kxxxX L21= , ( )kβββ ,,, 21 L=β , ( )Nεεε ,,, 21 L=ε である.この時,以下の
各問に答えよ. (1) βの推定量 β̂は ( ) yXXXβ '1'ˆ −
= となる.これを導け. (2) 重回帰分析の時にしばしば「多重共線性」が問題となるが,多重共線性が生じる条件
を簡潔に記せ. (注) 'X は行列X の転置行列を表す.
計画3 第1問 建設工事のマネジメントにおいて重要な目標を3つあげ,それぞれの目標を
達成するために用いられる手法を簡潔に説明せよ. 第2問 A 町では最近市町村合併に関する住民投票が行われた.そこで問われた選択
肢は次の3つである.①合併しない(選択肢 Sa),②B 町と合併する(選択肢 Sb),③C 町と合併する(選択肢 Sc). これらの選択肢に関する A 町民の選好は次の3類型のいずれかであったこと
が分かっている. 類型1: Sa > Sb > Sc (人数 n1) 類型2: Sb > Sc > Sa (人数 n2) 類型3: Sc > Sa > Sb (人数 n3) 実施された住民投票の方式は下記の通りである.この投票方式の問題点を説
明しなさい. 投票方式 第1段階: Sb 案と Sc案との間で投票を行い,合併の相手町を決める. 第2段階: 第1段階で選ばれた合併案と,Sa 案との間で投票を行い,最終
決定とする. 第2問の注記: 1. Sa > Sb は「Sa は Sb より望ましい」という意味である. 2. 類型1~3の人数は拮抗しており,どの類型の人数も他の2類型の人数の和
を超えなかった.(すなわち for ∀ i,j,k, ni < nj + nk) 3. 投票は第1段階,第2段階とも単純多数決方式で行われた.
計画 4
第 1 問
以下の各問いに答えよ。
(1) 次の各用語を解説せよ。 a)メルテンスの法則
b)ヒューマンスケール
c)ヴィスタ・アイストップ型街路景観
(2)「シーン景観」「シークエンス景観」「場の景観」について、具体的な事例を
用いてそれぞれ解説せよ。
(3)街路の性格は、空間のプロポーションやスケール、沿道建築物の用途や歩行
者の利用勝手などによって規定される。以下に示すのは、シャンゼリゼ通り
(パリ)、銀座通り(東京)、元町モール(横浜)の横断面図である。この三
つの街路空間の特徴と差異について、分析的に論ぜよ。
シャンゼリゼ通り(パリ)L=1100m, D=70m, D/H=2.5〜3
銀座通り(東京)L=900m, D=27.3m, D/H=0.9元町モール(横浜)L=600m, D=9m, 両側セットバック各 1.8m, D/H=0.8
第 2 問
図 2-1、図 2-2 は、ある橋梁事例の現況写真及び側面図である。代替案を一案考え
てその側面図をスケッチし、設計意図を述べよ。ただし側面図は、全体及び各部
の形状、プロポーション、スケール等に留意して正確に描くこと(図 2-2 を参照
せよ)。寸法及び基礎形状は省略してよい。
図 2-1 現況写真
図 2-2 側面図(S=1/3000)